説明

通信システム、認証機能付USBハンドセット、および通信方法

【課題】移動先にて共用PC等の端末にUSBハンドセットを接続して、ユーザ自身としてソフトフォン機能を使用することが可能な通信システムを提供する。
【解決手段】通信システムは、USBハンドセット1、PC2および管理サーバ4を有する。USBハンドセット1は、ハンドセットIDが格納される認証情報記憶部11を備え、ID認証要求に応じて、認証情報記憶部11に格納されたハンドセットIDを、PC2を通じて管理サーバ4に送信する。USBハンドセット1は、パスワード要求に応じて、キー15を通じて受け付けた入力パスワードを、PC2を通じて管理サーバ4へ送信する。管理サーバ4は、USBハンドセット1からのハンドセットIDが登録済みであり、かつ、USBハンドセット1からのパスワードが登録されたパスワードと合致する場合にのみ、USBハンドセット1による外部端末との通信を許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトフォンとセットで使用されるUSB(Universal Serial Bus)ハンドセットを用いた通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
IP(Internet Protocol)電話端末の1つとして、パーソナルコンピュータ(PC)のUSB端子に接続して音声通話が行われるUSBハンドセットがある(特許文献1、2参照)。この種のUSBハンドセットでは、通常、ユーザ認証を行うために、PCにログインする。そして、PCのユーザ認証機能を流用してユーザ認証を行う。
【特許文献1】特開2004−248239号公報
【特許文献2】特開2003−110667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したUSBハンドセットにおいては、PCに備えられているユーザ認証機能を流用してユーザ認証を行うようになっている。このため、移動先にてUSBハンドセットを使用してIP電話を利用する場合は、USBハンドセットと一緒にPCを持ち運ぶ必要がある。USBハンドセットと一緒にPCを持ち運ぶことは、ユーザにとって、非常に不便である。
【0004】
また、USBハンドセットをPCに接続して利用する場合は、通常、USBハンドセットは、そのPCのユーザ名で管理される。このため、USBハンドセットを共用PCや他のPCなどに接続して利用した場合は、USBハンドセットのユーザとは異なるユーザの名称で管理されることになる。このようにUSBハンドセットのユーザとは異なるユーザの名称で管理されると、USBハンドセットのユーザに対する電話サービスの提供や課金処理ができなくなる。
【0005】
本発明の目的は、上述した課題を解決する、通信システム、認証機能付USBハンドセット、通信方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様による通信システムは、
USBハンドセットと、該USBハンドセットが接続されるUSB端子を備えた情報処理端末と、該情報処理端末がネットワークを介して接続される管理サーバと、を有する通信システムであって、
前記USBハンドセットは、
入力部と、
当該USBハンドセットを識別するためのハンドセットIDが格納される認証情報記憶部と、
ID認証要求に応じて、前記認証情報記憶部に格納されたハンドセットIDを前記情報処理端末に送信し、パスワード要求に応じて、前記入力部を通じて受け付けた入力パスワードを、前記情報処理端末を通じて前記管理サーバへ送信する第1の制御部と、を有し、
前記情報処理端末は、前記USBハンドセットに対応するソフトフォンアプリケーションを実行する第2の制御部を有し、該第2の制御部が、前記USBハンドセットに対してID認証要求を行って、前記USBハンドセットから受信したハンドセットIDを前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記USBハンドセットのハンドセットIDが予め登録される認証ID格納部と、
前記USBハンドセットのユーザの正当性を判定するためのパスワードを少なくとも含むユーザ情報が、前記認証ID格納部に登録された前記USBハンドセットのハンドセットIDと対応付けて格納される管理テーブルと、
前記情報処理端末から受信したハンドセットIDが前記認証ID格納部に登録されているか否かを判定し、登録されている場合に、前記情報処理端末を通じて前記USBハンドセットに対してパスワード要求を行う第3の制御部と、を有し、
前記第3の制御部は、前記管理テーブルに格納された、前記情報処理端末から受信したハンドセットIDに対応するパスワードと、前記パスワード要求の応答として、前記USBハンドセットから前記情報処理端末を通じて受信したパスワードとを比較し、これらパスワードが合致した場合にのみ、前記USBハンドセットによる外部端末との通信を許可することを特徴とする。
【0007】
本発明の管理サーバとネットワークを介して接続される情報処理端末のUSB端子に接続される認証機能付USBハンドセットであって、
入力部と、
当該USBハンドセットを識別するためのハンドセットIDが格納される認証情報記憶部と、
前記情報処理端末からのID認証要求に応じて、前記認証情報記憶部に格納されたハンドセットIDを前記情報処理端末に送信し、前記管理サーバから前記情報処理端末を通じて受信したパスワード要求に応じて、前記入力部を通じて受け付けた入力パスワードを、前記情報処理端末を通じて前記管理サーバへ送信する制御部と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様による情報処理端末は、USBハンドセットを識別するためのハンドセットIDおよび前記USBハンドセットのユーザの正当性を判定するためのパスワードが予め登録された管理サーバとネットワークを介して接続される情報処理端末であって、
表示部と、
前記USBハンドセットが接続可能なUSB端子と、
前記USB端子に接続された前記USBハンドセットに対応するソフトフォンアプリケーションを実行する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記USBハンドセットが前記USB端子に接続されると、前記USBハンドセットから前記ハンドセットIDを取得し、前記管理サーバに対して、該取得したハンドセットIDが登録されているか否かの確認を要求し、該要求の応答として前記管理サーバから受信した登録確認結果を前記表示部に表示させ、
前記取得したハンドセットIDが前記管理サーバに登録されている場合は、前記管理サーバからのパスワード要求を示すメッセージを前記表示部に表示さるとともに、前記管理サーバに対して、前記USBハンドセットから受信したパスワードの認証要求を行い、該要求の応答として前記管理サーバから受信した認証結果を前記表示部に表示させる、ことを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様による管理サーバは、USBハンドセットが接続されるUSB端子を備えた情報処理端末とネットワークを介して接続される管理サーバであって、
前記USBハンドセットのハンドセットIDが予め登録される認証ID格納部と、
前記USBハンドセットのユーザの正当性を判定するためのパスワードを少なくとも含むユーザ情報が、前記認証ID格納部に登録された前記USBハンドセットのハンドセットIDと対応付けて格納される管理テーブルと、
前記情報処理端末から受信したハンドセットIDが前記認証ID格納部に登録されているか否かを判定し、登録されている場合に、前記情報処理端末を通じて前記USBハンドセットに対してパスワード要求を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、前記管理テーブルに格納された、前記情報処理端末から受信したハンドセットIDに対応するパスワードと、前記パスワード要求の応答として、前記USBハンドセットから前記情報処理端末を通じて受信したパスワードとを比較し、これらパスワードが合致した場合にのみ、前記USBハンドセットによる外部端末との通信を許可する、ことを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様による通信方法は、USBハンドセットと、該USBハンドセットが接続されるUSB端子を備えた情報処理端末と、該情報処理端末がネットワークを介して接続される管理サーバと、を有する通信システムにおいて行われる通信方法であって、
前記USBハンドセットが前記USB端子に接続されると、前記情報処理端末の制御部が、前記USBハンドセットに対応するソフトフォンアプリケーションを実行するとともに、前記USBハンドセットに対してID認証要求を行うステップと、
前記ID認証要求に応じて、前記USBハンドセットの制御部が、認証情報記憶部に格納された、当該USBハンドセットを識別するためのハンドセットIDを前記情報処理端末に送信するステップと、
前記情報処理端末の制御部が、前記USBハンドセットから受信したハンドセットIDを前記管理サーバに送信して登録確認を行うステップと、
前記管理サーバの制御部が、ハンドセットIDが予め登録された認証ID格納部に、前記情報処理端末から受信したハンドセットIDが登録されているか否かを判定し、登録されている場合に、前記情報処理端末を通じて前記USBハンドセットに対してパスワード要求を行うステップと、
前記USBハンドセットの制御部が、前記パスワード要求に応じて、入力部を通じて受け付けた入力パスワードを、前記情報処理端末を通じて前記管理サーバへ送信するステップと、
前記管理サーバの制御部が、前記USBハンドセットのユーザの正当性を判定するためのパスワードを少なくとも含むユーザ情報が、前記認証ID格納部に登録された前記USBハンドセットのハンドセットIDと対応付けて格納された管理テーブルを参照し、該管理テーブルに格納された、前記登録確認の際に前記情報処理端末から受信したハンドセットIDに対応するパスワードと、前記パスワード要求の応答として、前記USBハンドセットから前記情報処理端末を通じて受信したパスワードとを比較し、これらパスワードが合致した場合にのみ、前記USBハンドセットによる外部端末との通信を許可するステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様によるプログラムは、USBハンドセットを識別するためのハンドセットIDおよび前記USBハンドセットのユーザの正当性を判定するためのパスワードが予め登録された管理サーバとネットワークを介して接続される情報処理端末のプログラムであって、
USB端子に接続された前記USBハンドセットに対応するソフトフォンアプリケーションを実行する処理と、
前記USBハンドセットが前記USB端子に接続されると、前記USBハンドセットから前記ハンドセットIDを取得し、前記管理サーバに対して、該取得したハンドセットIDが登録されているか否かの確認を要求し、該要求の応答として前記管理サーバから受信した登録確認結果を表示部に表示させる処理と、
前記取得したハンドセットIDが前記管理サーバに登録されている場合は、前記管理サーバからのパスワード要求を示すメッセージを前記表示部に表示さるとともに、前記管理サーバに対して、前記USBハンドセットから受信したパスワードの認証要求を行い、該要求の応答として前記管理サーバから受信した認証結果を前記表示部に表示させる処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0012】
本発明の別の態様によるプログラムは、USBハンドセットが接続されるUSB端子を備えた情報処理端末とネットワークを介して接続される管理サーバのプログラムであって、
ハンドセットIDが予め登録された認証ID格納部に、前記情報処理端末から受信したハンドセットIDが登録されているか否かを判定する処理と、
前記情報処理端末から受信したハンドセットIDが前記認証ID格納部に登録されている場合に、前記情報処理端末を通じて前記USBハンドセットに対してパスワード要求を行う処理と、
前記USBハンドセットのユーザの正当性を判定するためのパスワードを少なくとも含むユーザ情報が、前記認証ID格納部に登録された前記USBハンドセットのハンドセットIDと対応付けて格納された管理テーブルを参照し、該管理テーブルに格納された、前記情報処理端末から受信したハンドセットIDに対応するパスワードと、前記パスワード要求の応答として、前記USBハンドセットから前記情報処理端末を通じて受信したパスワードとを比較し、これらパスワードが合致した場合にのみ、前記USBハンドセットによる外部端末との通信を許可する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、USBハンドセット単体で移動可能であり、移動先にて共用PC等の端末に接続しても、ユーザ自身としてソフトフォン機能を使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態である通信システムの構成を示すブロック図である。
【0016】
図1を参照すると、通信システムは、インターネットに代表されるネットワーク3への接続が可能なPC2と、PC2のUSB端子にされるUSBハンドセット1と、ネットワーク3を介してPC2と通信可能な管理サーバ4とを有する。
【0017】
USBハンドセット1は、認証機能付USBハンドセットであって、その主要部は、制御部10、認証情報記憶部11、LED(Light Emitting Diode)12、USBドライバー13、コーデック14、キー15、および表示部16からなる。
【0018】
認証情報記憶部11は、USBハンドセット1に固有のハンドセットID情報を格納する。認証情報記憶部11には、ハンドセットID情報の他、USBハンドセット1の種別を示す種別情報(ソフトフォンアプリケーションを特定できる情報)が格納されている。
【0019】
USBドライバー13は、PC2のUSB端子への接続を行うためのものである。コーデック14は、マイクロフォン14aから入力された音声データを、PC2を通じたデータ送信に適した形式に変換したり、PC2から受信したデータをスピーカ14aにて出力できるようなデータに変換したりする。
【0020】
キー15は、既存の固定電話機等で用いられているような複数のボタンや機能実行キーなどからなる入力部である。代表的なものとしては、電話番号やパスワードなど入力するための0から9の数字に対応するボタンや、決定キー、十字キーなどがある。表示部16は、LCD(Liquid Crystal Display)に代表される表示装置よりなる。
【0021】
制御部10は、キー15からの入力信号を受け付けて、USBハンドセット1の各部の動作を制御する。また、制御部10は、PC2との間で必要な情報やデータを送受信するための処理を実行する。
【0022】
USBハンドセット1には、外部メモリ5を接続することが可能である。外部メモリ5は、半導体メモリに代表されるメモリである。制御部10は、外部メモリ5に必要な情報やデータ(伝言メッセージ等)を格納し、必要に応じて、その格納した情報やデータを外部メモリ5から読み出して処理する。
【0023】
また、図1には示されていないが、USBハンドセット1には、伝言メッセージを格納するための情報記憶部と、経過時間を計測する時計機能部とが設けられている。制御部10は、外部の端末からの着呼を受けた時点からの経過時間を時計機能部により計測させ、該計測時間が所定の時間に達するまでの間に、USBハンドセット1がオフフックされない場合は、予め登録された留守メッセージを外部の端末に送信して、外部の端末から伝言メッセージを情報記憶部に格納するための処理を実行する。
【0024】
さらに、制御部10は、キー15を通じて伝言メッセージの再生を行う旨の入力を受け付けると、情報記憶部に格納された伝言メッセージを再生するための処理を実行する。
【0025】
PC2は、通信機能を備えたコンピュータシステムであり、その基本構成は、プログラムなどを蓄積する記憶装置、キーボードやマウスなどの入力装置、CRTやLCDなどの表示装置、外部との通信を行うモデムなどの通信装置、プリンタなどの出力装置、および記憶装置に格納されたプログラム従って動作し、入力装置からの入力を受け付けて通信装置、出力装置、表示装置の動作を制御する制御装置からなる。
【0026】
また、PC2は、少なくとも一つのUSB端子と、このUSB端子に接続された外部装置との間で通信を行うUSBホストコントローラー22とを有する。USBハンドセット1がUSB端子に接続された場合は、USBホストコントローラー22とUSBドライバー13の間でデータの送受信が行われる。
【0027】
さらに、PC2は、USBハンドセットをIP電話端末として動作させるために必要な処理を行う機能として、ソフトフォンアプリケーション20および認証ソフト21を有する。これらソフトフォンアプリケーション20および認証ソフト21の各機能は、記憶装置に格納されたプログラムをCPUが実行することにより実現することができる。
【0028】
ソフトフォンアプリケーション20は、USBハンドセットの種別毎に記憶装置に格納されている。CPUは、USBハンドセットがPC2のUSB端子に接続されると、その接続されたUSBハンドセットから種別情報を取得し、その取得した種別情報に基づいて記憶装置から対応するソフトフォンアプリケーション20を読み出して実行する。ソフトフォンアプリケーション20の実行により、ソフトフォン機能部が提供される。
【0029】
なお、USB端子に接続されたUSBハンドセットに対応するソフトフォンアプリケーションが記憶装置に格納されていない場合は、CPUは、管理サーバ4に対して、USBハンドセットから取得した種別情報を送信して、対応するソフトフォンアプリケーションの送信要求を行う。この送信要求に応じて、管理サーバ4が、対応するソフトフォンアプリケーションをPC2に送信すると、CPUは、管理サーバ4から受信したソフトフォンアプリケーションを実行する。
【0030】
ソフトフォン機能部の起動後、CPUは認証ソフト21を実行する。これにより、認証機能部が起動される。ソフトフォン機能部は、管理サーバ4と連携して、認証機能部を利用した認証処理を実行する。この認証処理は、ハンドセットID情報が登録されているか否かの認証を行う第1の認証処理と、入力パスワードが登録されたパスワードと合致する否かの認証を行う第2の認証処理とを含む。
【0031】
第1の認証処理において、ソフトフォン機能部は、USB端子に接続されたUSBハンドセットからハンドセットID情報を取得するとともに、管理サーバ4に対して、その取得したハンドセットID情報を送信して認証要求を行う。ソフトフォン機能部は、管理サーバ4から受信した認証結果を表示装置にて表示させる。
【0032】
第2の認証処理において、ソフトフォン機能部は、管理サーバ4からのパスワードの送信要求に応じてパスワード入力画面を表示装置にて表示させるとともに、USBハンドセット1から供給されたパスワードを管理サーバ4に送信する。管理サーバ4から使用許可を示す情報を受信することで、USBハンドセット1を用いた外部端末への通信が可能となる。
【0033】
管理サーバ4は、上述したコンピュータシステムの基本構成と同様な構成を備える。記憶装置は、認証ID格納部40、管理テーブル41およびソフトフォンアプリケーション格納部42を備える。管理サーバ4は、留守番機能部43も備えている。留守番機能部43は、記憶装置に格納された対応するプログラムをCPUが実行することにより提供される。
【0034】
認証ID格納部40には、第1の認証処理で必要なUSBハンドセットのハンドセットID情報が予め格納されている。認証ID格納部40へのハンドセットID情報の登録は、管理サーバ4の管理者やUSBハンドセットを所有するユーザによって行われる。ユーザによるハンドセットID情報の登録では、例えば、ユーザは、自身のPCを通じて、管理サーバ4にアクセスする。管理サーバ4は、登録画面情報をPCに送信する。PCにおいて、管理サーバ4から提供される登録画面情報を表示し、その表示画面上で、ユーザによるハンドセットID情報の入力操作が行われる。入力されたハンドセットID情報は、PCから管理サーバ4へ送信される。
【0035】
管理テーブル41には、USBハンドセットのユーザの正当性を判定するためのパスワードを少なくとも含むユーザ情報が、認証ID格納部40に登録されたハンドセットIDと対応付けて格納される。ユーザ情報は、第2の認証処理で必要となるパスワードの他、IP電話利用時に必要となる、IP電話番号、IPアドレス、MAC(Media Access Control address)アドレスなどを含む。図2に、管理テーブル41の一例を示す。
【0036】
図2を参照すると、管理テーブル41は、電子メールアドレス、パスワード、IP電話番号、IPアドレス、MAC(Media Access Control address)アドレスおよび接続状態フラグの項目からなる。電子メールアドレスは、ユーザが所有してPC等の端末に設定されている電子メールアドレスである。パスワードは、ユーザによって予め登録されたパスワードである。IP電話番号は、IP電話においてユーザが利用する電話番号である。IPアドレスおよびMACアドレスは、ネットワーク3を通じたデータ通信で必要とされるアドレスである。接続状態フラグは、PCのUSB端子にUSBハンドセットが接続されているか否かを示す。フラグ「1」は、USBハンドセットがUSB端子に接続されていることを示す。フラグ「0」は、USBハンドセットがUSB端子に接続されていないことを示す。
【0037】
管理テーブル41へのパスワードおよびIP電話番号の登録は、管理サーバ4の管理者やUSBハンドセットを所有するユーザによって行われる。例えば、ユーザは、自身のPCを通じて、管理サーバ4にアクセスする。管理サーバ4は、登録画面情報をPCに送信する。PCにおいて、管理サーバ4から提供される登録画面情報を表示し、その表示画面上で、ユーザによるパスワードおよびIP電話番号の入力が行われる。入力情報(パスワードおよびIP電話番号)は、PCから管理サーバ4へ送信される。管理サーバ4のCPUは、PCから受信したパスワードおよびIP電話番号を管理テーブル41に格納する。
【0038】
管理テーブル41に登録したユーザ情報は、認証ID格納部40に格納されたハンドセットID情報と対応付けられている。これにより、ハンドセットID情報に基づいて、管理テーブル41から対応するユーザ情報を取得することができる。
【0039】
ソフトフォンアプリケーション格納部42には、ソフトフォンアプリケーションがUSBハンドセットの種類別に格納されている。ソフトフォンアプリケーション格納部42へのソフトフォンアプリケーションの格納は、管理サーバ4の管理者によって行われる。
【0040】
管理サーバ4のCPUは、PC2からソフトフォンアプリケーションの送信要求とともにUSBハンドセットの種別情報を受信すると、受信した種別情報に基づいてソフトフォンアプリケーション格納部42から対応するソフトフォンアプリケーションを読み出し、その読み出したソフトフォンアプリケーションをPC2へ送信する。
【0041】
第1の認証処理において、管理サーバ4のCPUは、PC2から供給されるハンドセットID情報が認証ID格納部40に登録されているか否かを確認し、その結果を認証結果としてPC2に送信する。さらに、管理サーバ4のCPUは、第2の認証処理で必要となるパスワードを含むユーザ情報を管理テーブル41から取得する。
【0042】
第2の認証処理において、管理サーバ4のCPUは、PC2に対してパスワードの送信要求を行う。PC2からパスワードを受信すると、管理サーバ4のCPUは、受信したパスワードが管理テーブル41に登録されているパスワードと一致するか否かを確認する。そして、管理サーバ4のCPUは、パスワードの認証結果をPC2に送信する。
【0043】
また、管理サーバ4のCPUは、PC2から受信したパスワードが管理テーブル41に登録されているパスワードと一致した場合は、PC2との接続情報からIPアドレスおよびMACアドレスを取得する。そして、管理サーバ4のCPUは、その取得したIPアドレスおよびMACアドレスをパスワードと対応付けて管理テーブル41に追記するとともに、接続状態フラグに「1」を立てる。
【0044】
さらに、管理サーバ4のCPUは、PC2と他のPCの間でIP電話による通信が開始されると、その通話接続記録を記憶装置内に格納する。
【0045】
なお、USBハンドセットがUSB端子から外されると、PC2がその旨を管理サーバ4に通知する。管理サーバ4では、CPUが、PC2からのその通知に基づいて、接続状態フラグに「0」を立てる。
【0046】
次に、本実施形態の通信システムの通信動作について説明する。
【0047】
(1)USBハンドセット1側で発呼した場合の動作:
図3は、USBハンドセット1にて発呼が行われる場合の通信動作を説明するための図である。
【0048】
USBハンドセット1をPC2のUSB端子に接続すると、USBドライバー13とUSBホストコントローラー22の間で通信が開始される(ステップA1)。USBでの通信が開始されると、PC2のCPUは、USBハンドセット1からその種別情報を取得し、その取得した種別情報に対応するソフトフォンアプリケーションが記憶装置内に格納されているか否かを判定する(ステップA2)。
【0049】
USBハンドセット1の種別情報に対応するソフトフォンアプリケーションが記憶装置内に格納されていない場合は、PC2のCPUは、管理サーバ4に対して、USBハンドセット1から取得した種別情報を送信して、対応するソフトフォンアプリケーションの送信要求を行う(ステップA3)。この送信要求に応じて、管理サーバ4のCPUが、対応するソフトフォンアプリケーションをPC2に送信する(ステップA4)。PC2のCPUは、管理サーバ4から受信したソフトフォンアプリケーションを種別情報と対応付けて記憶装置に格納する。
【0050】
ステップA4で、ソフトフォンアプリケーションを取得した後、または、ステップA2で、USBハンドセット1の種別情報に対応するソフトフォンアプリケーションが記憶装置内に格納されていると判定した場合は、PC2のCPUは、そのソフトフォンアプリケーションを実行する(ステップA5)。
【0051】
ソフトフォンアプリケーションの実行により、ソフトフォン機能部が提供される。さらに、PC2のCPUは、認証ソフト21を実行する。この認証ソフト21の実行により、認証機能部が提供される。ソフトフォン機能部は、管理サーバ4と連携して、認証機能部を利用した第1および第2の認証処理を順次実行する。
【0052】
第1の認証処理では、ソフトフォン機能部は、USBハンドセット1に対して、ID認証要求を行う(ステップA6)。USBハンドセット1では、制御部10が、ID認証要求に応じて、認証情報記憶部11に格納されているハンドセットID情報をPC2に送信する。PC2では、ソフトフォン機能部が、管理サーバ4に対して、USBハンドセット1から受信したハンドセットID情報を送信して認証要求を行う(ステップA7)。
【0053】
続いて、管理サーバ4のCPUが、PC2から供給されたハンドセットID情報が認証ID格納部40に登録されているか否かを確認し、その結果を認証結果としてPC2に送信する。PC2では、ソフトフォン機能部が、管理サーバ4から受信した認証結果を表示装置にて表示させる(ステップA8)。
【0054】
ハンドセットID情報が認証ID格納部40に登録されている旨の認証結果をPC2に送信した場合は、管理サーバ4のCPUは、第2の認証処理を行うために、PC2に対してパスワードを要求する。PC2では、ソフトフォン機能部が、パスワード要求に応じて、パスワード入力画面を表示装置に表示させる(ステップA9)。
【0055】
ユーザは、USBハンドセット1のキー15を使用して、パスワード入力画面上でパスワードを入力する。制御部10は、キー15を通じてパスワードの入力を受け付け、そのパスワードをPC2に送信する。PC2のCPUは、USBハンドセット1から受信したパスワードを管理サーバ4に送信する(ステップA10)。
【0056】
管理サーバ4では、CPUが、管理テーブル41に格納された、PC2から供給されたハンドセットID情報に対応するパスワードと、パスワード要求の応答として、USBハンドセット1からPC2を通じて受信したパスワードとを比較する。そして、管理サーバ4のCPUは、これらパスワードが合致した場合にのみ、USBハンドセット1による外部端末との通信を許可する。
【0057】
パスワードによりユーザの正当性が確認されると、管理サーバ4のCPUは、PC2との接続情報からIPアドレスおよびMACアドレスを取得し、その取得したIPアドレスおよびMACアドレスをパスワードと対応付けて管理テーブル41に追記するとともに、現在ハンドセットが接続されている旨を示すフラグ「1」を立てる。そして、管理サーバ4のCPUは、使用許可を示す情報をPC2に送信する。PC2では、CPUが、管理サーバ4からの使用許可を示す情報を受信すると、使用許可メッセージを表示装置に表示させる(ステップA11)。
【0058】
なお、パスワードが登録されていない場合は、管理サーバ4のCPUは、使用不可を示す情報をPC2に送信する。PC2では、CPUが、管理サーバ4からの使用不可を示す情報を受信すると、使用不可メッセージを表示装置に表示させる。
【0059】
ステップA11の後、USBハンドセット1を用いたIP電話の利用が可能となる。ユーザが、USBハンドセット1を用いて発信操作(発呼)を行う(ステップA12)。この発信操作により、相手先のIP電話番号を含む通信情報が、USBハンドセット1からPC2を経由して管理サーバ4に送信される。
【0060】
管理サーバ4のCPUは、USBハンドセット1から受信したIP電話番号が管理テーブル41に登録されているか否かを調べる。IP電話番号が管理テーブル41に登録されていない場合は、管理サーバ4のCPUは、通信不可を示すメッセージをPC2に送信する。PC2では、CPUが、通信不可のメッセージを表示装置に表示させる。
【0061】
IP電話番号が管理テーブル41に登録されている場合は、管理サーバ4のCPUは、管理テー部41内の、そのIP電話番号と対応するユーザ情報の接続状態フラグを調べる。接続状態フラグが「1」であれば、管理サーバ4のCPUは、そのユーザ情報に含まれるIPアドレスおよびMACアドレスを参照して、相手先の端末への着呼のための処理を実行する。そして、相手先の端末からの着信応答が、PC2および管理サーバ4を通じてUSBハンドセット1に送信される(ステップA13)。これにより、USBハンドセット1と相手先の端末との間で、通話が可能となる(ステップA14)。
【0062】
なお、上述した通信動作において、認証結果、入力パスワード、使用不可メッセージおよび通信不可メッセージなどの表示は、USBハンドセット1の表示部16にて行うようにしてもよい。さらに、パスワードの入力は、PC2の入力装置を用いて行ってもよい。
【0063】
(2)USBハンドセット1側で着呼する場合の動作:
図4は、USBハンドセット1にて着呼する場合の通信動作を説明するための図である。
【0064】
相手先の端末が、USBハンドセット1のユーザのIP電話番号に基づく発呼動作を行う(ステップB1)。この発呼動作では、通信に必要な情報(IP電話番号を含む)が相手先の端末から管理サーバ4へ供給される。管理サーバ4のCPUは、相手先の端末から供給されたIP電話番号が管理テー部41に登録されているか否かを調べる。
【0065】
IP電話番号が管理テーブル41に登録されていない場合は、管理サーバ4のCPUは、通信不可を示すメッセージを相手先の端末に送信する。
【0066】
IP電話番号が管理テーブル41に登録されている場合は、管理サーバ4のCPUは、管理テー部41内の、そのIP電話番号と対応するユーザ情報の接続状態フラグを調べる。接続状態フラグが「1」であれば、管理サーバ4のCPUは、そのユーザ情報に含まれるIPアドレスおよびMACアドレスを参照して、PC2を介してUSBハンドセット1への着呼のための処理を実行する(ステップB2)。そして、USBハンドセット1からの着信応答が、PC2および管理サーバ4を通じて相手先の端末に送信される(ステップB3)。これにより、USBハンドセット1と相手先の端末との間で、通話が可能となる(ステップB4)。
【0067】
(3)USBハンドセット1側で留守録音を行う場合の動作:
図5は、USBハンドセット1にて留守録音を行う場合の通信動作を説明するための図である。
【0068】
相手先の端末が、USBハンドセット1のユーザのIP電話番号に基づく発呼動作を行う(ステップC1)。この発呼動作も、図4のステップB1における管理サーバ4を介した動作と基本的に同じである。相手先の端末からのIP電話番号が管理テーブル41に登録されており、かつ、接続状態フラグが「1」である場合は、USBハンドセット1への着呼がPC2経由でなされる。
【0069】
USBハンドセット1は、経過時間を計測する時計機能を備える。時計機能は、ハードウェアまたはソフトウェアで構成される。USBハンドセット1では、制御部10が、当該ハンドセットがオフフックの状態であるか否かを監視するとともに、時計機能を利用して、着呼してからの経過時間を計測する。着呼してからオフフックされないで一定時間経過した場合は、制御部10は、不在であることを示す所定のメッセージ(留守メッセージ)をPC2および管理サーバ4を通じて相手先の端末に送信する(ステップC2)。
【0070】
留守メッセージを受信した相手先の端末は、管理サーバ4を通じてPC2に所望のメッセージ(伝言メッセージ)を送信する(ステップC3)。PC2は、相手先の端末からの伝言メッセージをUSBハンドセット1に送信する。USBハンドセット1では、所定時間内に相手先の端末からメッセージを受信した場合は、制御部10が、そのメッセージを記憶装置に格納する(ステップC4)。このメッセージを格納する機能は、いわゆる留守番モードの録音機能である。メッセージを録音する際に、メッセージを受信した日時を示す情報を一緒に記録することもできる
留守メッセージを送信してから所定時間を経過した場合、または、相手先の端末からオンフックによる信号を受信した場合は、制御部10は、留守番モードの録音機能を停止する。
【0071】
制御部10は、キー15を通じて伝言メッセージの再生を行う旨の入力を受け付けると、記憶装置に格納された伝言メッセージを再生するための処理を実行する。
【0072】
(4)管理サーバ4側で留守録音を行う場合の動作:
図6は、管理サーバ4にて留守録音を行う場合の通信動作を説明するための図である。
【0073】
相手先の端末が、USBハンドセット1のユーザのIP電話番号に基づく発呼動作を行う(ステップD1)。この発呼動作も、図4のステップB1における管理サーバ4を介した動作と基本的に同じである。
【0074】
管理サーバ4のCPUは、相手先の端末から受信したIP電話番号が管理テーブル41に登録されているか否かを調べる。IP電話番号が管理テーブル41に登録されていない場合は、管理サーバ4のCPUは、通信不可を示すメッセージを相手先の端末に送信する。IP電話番号が管理テーブル41に登録されている場合は、管理サーバ4のCPUは、管理テー部41内の、そのIP電話番号と対応するユーザ情報の接続状態フラグを調べる。ここでは、接続状態フラグは「0」とされている。管理サーバ4のCPUは、接続状態フラグが「0」であることを確認すると、留守番機能部43を起動させる。
【0075】
留守番機能部43は、不在であることを示す所定のメッセージ(留守メッセージ)を相手先の端末に送信する(ステップD2)。相手先の端末は、所望のメッセージ(伝言メッセージ)を管理サーバ4に送信する(ステップD3)。
【0076】
管理サーバ4は、経過時間を計測する時計機能を備える。時計機能は、ハードウェアまたはソフトウェアで構成される。管理サーバ4のCPUは、時計機能を利用して、留守メッセージを送信してからの経過時間を計測する。管理サーバ4では、所定の時間内に相手先の端末から伝言メッセージを受信した場合は、留守番機能部43が、その伝言メッセージを、相手先の端末から受信したIP電話番号と対応付けて、管理テーブル41または記憶装置に格納する(ステップD4)。伝言メッセージを格納する際に、留守番機能部43は、伝言メッセージを受信した日時を示す情報を一緒に格納することもできる。また、留守番機能部43は、伝言メッセージの有無を示す状態フラグを管理テーブル41に新たに設定することができる。
【0077】
管理サーバ4のCPUは、留守メッセージを送信してから所定時間を経過した場合、または、相手先の端末からオンフックによる信号を受信した場合は、留守番機能部43を停止する。
【0078】
伝言メッセージの格納後、管理サーバ4のCPUは、伝言メッセージが格納されたユーザ情報に含まれる接続状態フラグを監視する。監視対象のユーザ情報の接続状態フラグが「0」から「1」に変化すると、管理サーバ4のCPUは、伝言メッセージを送信すべきユーザのUSBハンドセットがPCに接続されたことを認識する。そして、管理サーバ4のCPUは、監視対象のユーザ情報(IPアドレスおよびMACアドレス)を参照して、伝言メッセージを送信すべきユーザのUSBハンドセットが接続されたPCを特定し、そのPCに対して、伝言メッセージを転送する。PCでは、CPUが、管理サーバ4から受信した伝言メッセージをUSBハンドセットに送信する(ステップD5)。
【0079】
USBハンドセットでは、制御部10が、PCから受信した伝言メッセージを記憶装置に格納する(ステップD6)。伝言メッセージを再生したい場合は、ユーザは、キー15にて所定の入力操作を行う。制御部10は、伝言メッセージを再生するための入力操作に応じて、記憶装置に格納した伝言メッセージを再生するための処理を行う。この処理により、伝言メッセージに対応する音声が、USBハンドセットのスピーカより出力される。
【0080】
上記の伝言メッセージの転送処理とは別に、管理サーバ4のCPUが、伝言メッセージを管理テーブル41または記憶装置に格納した後に、監視対象のユーザ情報に含まれる電子メールアドレスに対して、伝言メッセージが有ることを示すメッセージを送信することもできる。
【0081】
本実施形態の通信システムによれば、USBハンドセット1がPC2のUSB端子に接続されると、USBハンドセット1からハンドセットID情報がPC2を通じて管理サーバ4に送信される。そして、管理サーバ4が、USBハンドセット1からのハンドセットID情報が登録されているか否かを確認する。これにより、USBハンドセット1自体の認証処理が行われる。
【0082】
また、USBハンドセット1からのハンドセットID情報が登録されている場合は、管理サーバ4からのパスワード要求に応じて、PC2がパスワード入力画面を表示する。ユーザが、USBハンドセット1のキー15にてパスワードを入力すると、その入力パスワードがUSBハンドセット1からPC2を通じて管理サーバ4に送信される。そして、管理サーバ4が、USBハンドセット1からの入力パスワードが予め登録されたパスワードと合致するか否かを確認する。これにより、ユーザ認証が行われる。
【0083】
このようにUSBハンドセット1自体の認証処理およびUSBハンドセット1のユーザの認証処理が可能であるので、例えば、USBハンドセットを移動先のPCに接続した場合でも、USBハンドセット1のユーザを特定することが可能であり、その特定したユーザの名称でUSBハンドセット1を管理することができる。よって、USBハンドセット単体で移動して、移動先にて、USBハンドセットを共用PC等の端末に接続した場合に、ユーザ自身としてソフトフォン機能を使用することができる。
【0084】
また、本実施形態の通信システムによれば、USBハンドセットの内部メモリまたはUSBハンドセットに接続された外部メモリに、ユーザデータ・プログラム(伝言メッセージや通話履歴などのデータ)を管理サーバからダウンロードすることができる。
【0085】
以上説明した通信システムは、本発明の一例であり、その構成および動作は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜に変更することができる。
【0086】
例えば、図1に示したシステムの構成例では、USBハンドセット1およびPC2はそれぞれ2台しか示されていないが、3台以上のUSBハンドセット1およびPC2がネットワーク3に接続されてもよい。
【0087】
また、ネットワーク3は、一般公衆通信網や移動体通信網を含んでいてもよい。この場合は、一般の公衆電話機や携帯電話機への発信が可能となる。
【0088】
USBハンドセット1が接続される端末は、PCに限定されるものではなく、通信機能を備えた他のコンピュータ端末であってよい。
【0089】
図1に示したPC2において、ソフトフォンアプリケーション20が認証ソフト21を含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の一実施形態である通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す通信システムの管理サーバで用いられる管理テーブルを説明するための図である。
【図3】図1に示す通信システムのUSBハンドセットにて発呼が行われる場合の通信動作を説明するための図である。
【図4】図1に示す通信システムのUSBハンドセットにて着呼する場合の通信動作を説明するための図である。
【図5】図1に示す通信システムのUSBハンドセットにて留守録音を行う場合の通信動作を説明するための図である。
【図6】図1に示す通信システムの管理サーバにて留守録音を行う場合の通信動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0091】
1 USBハンドセット
2 パーソナルコンピュータ(PC)
3 ネットワーク
4 管理サーバ
5 外部メモリ
10 制御部
11 認証情報記憶部
12 LED
13 USBドライバー
14 コーデック
15 キー
16 表示部
20 ソフトフォンアプリケーション
21 認証ソフト
22 USBホストコントローラー
40 認証ID格納部
41 管理テーブル
42 留守番機能部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
USBハンドセットと、該USBハンドセットが接続されるUSB端子を備えた情報処理端末と、該情報処理端末がネットワークを介して接続される管理サーバと、を有する通信システムであって、
前記USBハンドセットは、
入力部と、
当該USBハンドセットを識別するためのハンドセットIDが格納される認証情報記憶部と、
ID認証要求に応じて、前記認証情報記憶部に格納されたハンドセットIDを前記情報処理端末に送信し、パスワード要求に応じて、前記入力部を通じて受け付けた入力パスワードを、前記情報処理端末を通じて前記管理サーバへ送信する第1の制御部と、を有し、
前記情報処理端末は、前記USBハンドセットに対応するソフトフォンアプリケーションを実行する第2の制御部を有し、該第2の制御部が、前記USBハンドセットに対してID認証要求を行って、前記USBハンドセットから受信したハンドセットIDを前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記USBハンドセットのハンドセットIDが予め登録される認証ID格納部と、
前記USBハンドセットのユーザの正当性を判定するためのパスワードを少なくとも含むユーザ情報が、前記認証ID格納部に登録された前記USBハンドセットのハンドセットIDと対応付けて格納される管理テーブルと、
前記情報処理端末から受信したハンドセットIDが前記認証ID格納部に登録されているか否かを判定し、登録されている場合に、前記情報処理端末を通じて前記USBハンドセットに対してパスワード要求を行う第3の制御部と、を有し、
前記第3の制御部は、前記管理テーブルに格納された、前記情報処理端末から受信したハンドセットIDに対応するパスワードと、前記パスワード要求の応答として、前記USBハンドセットから前記情報処理端末を通じて受信したパスワードとを比較し、これらパスワードが合致した場合にのみ、前記USBハンドセットによる外部端末との通信を許可する、通信システム。
【請求項2】
前記第2の制御部は、前記USBハンドセットに対応するソフトフォンアプリケーションが前記情報処理端末に格納されていない場合は、前記USBハンドセットから、当該USBハンドセットの種別を示すハンドセット種別情報を取得するとともに、前記管理サーバに対して、該取得したハンドセット種別情報を送信してソフトフォンアプリケーション送信要求を行い、
前記管理サーバは、複数のソフトフォンアプリケーションがハンドセット種別情報別に格納されたソフトフォンアプリケーション格納部をさらに有し、
前記第3の制御部は、前記情報処理端末からのソフトフォンアプリケーション送信要求に応じて、前記情報処理端末から受信したハンドセット種別情報に対応するソフトフォンアプリケーションを前記ソフトフォンアプリケーション格納部から取得し、該取得したソフトフォンアプリケーションを前記情報処理端末に送信する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記USBハンドセットは、
伝言メッセージを格納するための第1の情報記憶部と、
経過時間を計測する時計機能部と、をさらに有し、
前記第1の制御部は、前記外部端末からの着呼を受けた時点からの経過時間を前記時計機能部により計測させ、該計測時間が所定の時間に達するまでの間に、当該USBハンドセットがオフフックされない場合は、予め登録された留守メッセージを前記外部端末に送信して、前記外部端末から伝言メッセージを前記第1の情報記憶部に格納するための処理を実行する、請求項1または2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記第1の制御部は、前記入力部を通じて伝言メッセージの再生を行う旨の入力を受け付けると、前記第1の情報記憶部に格納された伝言メッセージを再生するための処理を実行する、請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記管理サーバは、前記USBハンドセットのユーザへの伝言メッセージを格納するための第2の情報記憶部を、さらに有し、
前記第3の制御部は、前記USBハンドセットが前記情報処理端末に接続されていない場合に、外部端末から前記USBハンドセットへの発呼がなされると、予め登録された留守メッセージを前記外部端末に送信して、前記外部端末からの伝言メッセージを前記第2の情報記憶部に格納するための処理を実行する、請求項1から4のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記第3の制御部は、前記外部端末からの伝言メッセージを前記第2の情報記憶部に格納した後、前記USBハンドセットが前記情報処理端末に接続されたことを検知すると、前記第2の情報記憶部に格納した伝言メッセージを前記USBハンドセットに転送する、請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
管理サーバとネットワークを介して接続される情報処理端末のUSB端子に接続される認証機能付USBハンドセットであって、
入力部と、
当該USBハンドセットを識別するためのハンドセットIDが格納される認証情報記憶部と、
前記情報処理端末からのID認証要求に応じて、前記認証情報記憶部に格納されたハンドセットIDを前記情報処理端末に送信し、前記管理サーバから前記情報処理端末を通じて受信したパスワード要求に応じて、前記入力部を通じて受け付けた入力パスワードを、前記情報処理端末を通じて前記管理サーバへ送信する制御部と、を有する、認証機能付USBハンドセット。
【請求項8】
USBハンドセットを識別するためのハンドセットIDおよび前記USBハンドセットのユーザの正当性を判定するためのパスワードが予め登録された管理サーバとネットワークを介して接続される情報処理端末であって、
表示部と、
前記USBハンドセットが接続可能なUSB端子と、
前記USB端子に接続された前記USBハンドセットに対応するソフトフォンアプリケーションを実行する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記USBハンドセットが前記USB端子に接続されると、前記USBハンドセットから前記ハンドセットIDを取得し、前記管理サーバに対して、該取得したハンドセットIDが登録されているか否かの確認を要求し、該要求の応答として前記管理サーバから受信した登録確認結果を前記表示部に表示させ、
前記取得したハンドセットIDが前記管理サーバに登録されている場合は、前記管理サーバからのパスワード要求を示すメッセージを前記表示部に表示さるとともに、前記管理サーバに対して、前記USBハンドセットから受信したパスワードの認証要求を行い、該要求の応答として前記管理サーバから受信した認証結果を前記表示部に表示させる、情報処理端末。
【請求項9】
USBハンドセットが接続されるUSB端子を備えた情報処理端末とネットワークを介して接続される管理サーバであって、
前記USBハンドセットのハンドセットIDが予め登録される認証ID格納部と、
前記USBハンドセットのユーザの正当性を判定するためのパスワードを少なくとも含むユーザ情報が、前記認証ID格納部に登録された前記USBハンドセットのハンドセットIDと対応付けて格納される管理テーブルと、
前記情報処理端末から受信したハンドセットIDが前記認証ID格納部に登録されているか否かを判定し、登録されている場合に、前記情報処理端末を通じて前記USBハンドセットに対してパスワード要求を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、前記管理テーブルに格納された、前記情報処理端末から受信したハンドセットIDに対応するパスワードと、前記パスワード要求の応答として、前記USBハンドセットから前記情報処理端末を通じて受信したパスワードとを比較し、これらパスワードが合致した場合にのみ、前記USBハンドセットによる外部端末との通信を許可する、管理サーバ。
【請求項10】
USBハンドセットと、該USBハンドセットが接続されるUSB端子を備えた情報処理端末と、該情報処理端末がネットワークを介して接続される管理サーバと、を有する通信システムにおいて行われる通信方法であって、
前記USBハンドセットが前記USB端子に接続されると、前記情報処理端末の制御部が、前記USBハンドセットに対応するソフトフォンアプリケーションを実行するとともに、前記USBハンドセットに対してID認証要求を行うステップと、
前記ID認証要求に応じて、前記USBハンドセットの制御部が、認証情報記憶部に格納された、当該USBハンドセットを識別するためのハンドセットIDを前記情報処理端末に送信するステップと、
前記情報処理端末の制御部が、前記USBハンドセットから受信したハンドセットIDを前記管理サーバに送信して登録確認を行うステップと、
前記管理サーバの制御部が、ハンドセットIDが予め登録された認証ID格納部に、前記情報処理端末から受信したハンドセットIDが登録されているか否かを判定し、登録されている場合に、前記情報処理端末を通じて前記USBハンドセットに対してパスワード要求を行うステップと、
前記USBハンドセットの制御部が、前記パスワード要求に応じて、入力部を通じて受け付けた入力パスワードを、前記情報処理端末を通じて前記管理サーバへ送信するステップと、
前記管理サーバの制御部が、前記USBハンドセットのユーザの正当性を判定するためのパスワードを少なくとも含むユーザ情報が、前記認証ID格納部に登録された前記USBハンドセットのハンドセットIDと対応付けて格納された管理テーブルを参照し、該管理テーブルに格納された、前記登録確認の際に前記情報処理端末から受信したハンドセットIDに対応するパスワードと、前記パスワード要求の応答として、前記USBハンドセットから前記情報処理端末を通じて受信したパスワードとを比較し、これらパスワードが合致した場合にのみ、前記USBハンドセットによる外部端末との通信を許可するステップと、を含む通信方法。
【請求項11】
USBハンドセットを識別するためのハンドセットIDおよび前記USBハンドセットのユーザの正当性を判定するためのパスワードが予め登録された管理サーバとネットワークを介して接続される情報処理端末のプログラムであって、
USB端子に接続された前記USBハンドセットに対応するソフトフォンアプリケーションを実行する処理と、
前記USBハンドセットが前記USB端子に接続されると、前記USBハンドセットから前記ハンドセットIDを取得し、前記管理サーバに対して、該取得したハンドセットIDが登録されているか否かの確認を要求し、該要求の応答として前記管理サーバから受信した登録確認結果を表示部に表示させる処理と、
前記取得したハンドセットIDが前記管理サーバに登録されている場合は、前記管理サーバからのパスワード要求を示すメッセージを前記表示部に表示さるとともに、前記管理サーバに対して、前記USBハンドセットから受信したパスワードの認証要求を行い、該要求の応答として前記管理サーバから受信した認証結果を前記表示部に表示させる処理と、をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項12】
USBハンドセットが接続されるUSB端子を備えた情報処理端末とネットワークを介して接続される管理サーバのプログラムであって、
ハンドセットIDが予め登録された認証ID格納部に、前記情報処理端末から受信したハンドセットIDが登録されているか否かを判定する処理と、
前記情報処理端末から受信したハンドセットIDが前記認証ID格納部に登録されている場合に、前記情報処理端末を通じて前記USBハンドセットに対してパスワード要求を行う処理と、
前記USBハンドセットのユーザの正当性を判定するためのパスワードを少なくとも含むユーザ情報が、前記認証ID格納部に登録された前記USBハンドセットのハンドセットIDと対応付けて格納された管理テーブルを参照し、該管理テーブルに格納された、前記情報処理端末から受信したハンドセットIDに対応するパスワードと、前記パスワード要求の応答として、前記USBハンドセットから前記情報処理端末を通じて受信したパスワードとを比較し、これらパスワードが合致した場合にのみ、前記USBハンドセットによる外部端末との通信を許可する処理と、をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−171416(P2009−171416A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−9265(P2008−9265)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】