通信システム、通信方法、網負荷予測ノード及び網構成管理ノード
精度の高いネットワーク設備の需要予測を効率的に算出し、ネットワーク設備の利用効率を上げることを可能とする。本発明は、複数のサービスエリアに存在する複数のユーザ端末が通信を行う通信システムに関する。本発明は、各ユーザ端末90がどのサービスエリア内に存在しているかについて管理する移動制御ノード110と、各ユーザ端末90によって行われた通信に係る通信履歴を管理するセッション制御ノード130と、所定タイミングで、各サービスエリアに存在するユーザ端末90に係るユーザ情報及び各ユーザ端末の通信履歴を取得し、該ユーザ情報及び該通信履歴に基づいて各サービスエリアにおける通信需要予測を算出する網負荷予測ノード150とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のサービスエリアに存在する複数のユーザ端末が通信を行う通信システム、通信方法、これらに用いて好適な網負荷予測ノード及び網構成管理ノードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の通信システムでは、ネットワーク設備の最大能力に応じて、所定のサービスエリアに対するネットワーク設備の固定的な割り当て及び運用が行われている。
【0003】
ここで、ネットワーク設備には、無線制御装置や基地局等を含むアクセス装置や、転送ノードや、サービス制御ノードや、移動制御ノードや、伝送装置や、ルータやスイッチ等を含む交換機等が含まれる。
【0004】
また、サービスエリアは、アクセス装置によって管理されている管理エリアであって、無線回線によってサービス提供可能なエリアであってもよいし、有線回線によってサービス提供可能なエリアであってもよい。例えば、サービスエリアには、移動通信システムにおいて個々の基地局によってカバーされるエリア(セル)や、通信事業者によって任意に地理的に分割されたエリアや、データセンター等の特定目的を有するネットワーク内のエリア等が該当する。
【0005】
すなわち、常に同じネットワーク設備が、特定のサービスエリアに対して通信サービスを提供するように設計されている。そして、特定のサービスエリアにおいて、規制制御等によって、ネットワーク設備の処理能力を超えない範囲で、呼処理やパケット処理やサービス制御処理がなされるように運用されている。
【0006】
また、従来の通信システムでは、各ネットワーク設備において、通信量やサービス制御状況等のトラヒック情報を記録しておき、かかるトラヒック情報等に基づいて、ネットワーク設備の新設や増設についての設備計画が立てられている。
【0007】
しかしながら、従来の通信システムでは、ほとんどの場合、長期的(半年乃至数年)に予測され得るネットワーク設備の需要に対して、ある程度の余裕を持って上述の設備計画が行われており、かかる設備計画に従って、ネットワーク設備の新設や増設が行われている。
【0008】
この場合、長期的なネットワーク設備の需要の予測は、数ヶ月以上に渡ってトラヒック情報を取得し、かかるトラヒック情報を解析して、ネットワーク設備の需要と供給のバランスを推測することによって行われている。したがって、かかる作業は、非常に時間がかかり、かつ煩雑なものになっている。
【0009】
また、従来の通信システムでは、特に、サービスエリアが無線区域である場合は、ユーザ端末を所持するユーザの移動や、ユーザ端末自身の移動によって、各サービスエリアにおける通信量が変動する。
【0010】
つまり、特定のサービスエリアにおいて、ネットワーク設備の需要と供給のバランスを推測したとしても、当該サービスエリアにたまたま存在したユーザ端末に基づいてネットワーク設備の需要を予測しているに過ぎず、当該サービスエリアに係るネットワーク設備の需要予測の精度を上げることが困難であるという問題点があった。
【0011】
さらに、従来の通信システムでは、ネットワーク設備が、特定のサービスエリアに対して半固定的に配置されているため、ネットワーク設備の需要予測が外れた場合には、当該ネットワーク設備の物理的な移動や、保守者によるネットワーク設備の設定の変更等によって、ネットワーク設備の再利用を図らない限り、ネットワーク設備の利用効率を上げることが困難であるという問題点があった。
【0012】
そこで、本発明は、以上の点に鑑みてなされたもので、精度の高いネットワーク設備の需要予測を効率的に算出し、ネットワーク設備の利用効率を上げることを可能とする通信システム、通信方法、これらに用いて好適な網負荷予測ノード及び網構成管理ノードを提供することを目的とする。
【発明の開示】
【0013】
本発明の第1の特徴は、複数のサービスエリアに存在する複数のユーザ端末が通信を行う通信システムであって、各ユーザ端末がどのサービスエリア内に存在しているかについて管理する移動制御ノードと、各ユーザ端末によって行われた通信に係る通信履歴を管理するセッション制御ノードと、所定タイミングで、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報及び各ユーザ端末の通信履歴を取得し、該ユーザ情報及び該通信履歴に基づいて各サービスエリアにおける通信需要予測を算出する網負荷予測ノードとを具備することを要旨とする。
【0014】
本発明の第1の特徴において、前記網負荷予測ノードから取得した前記通信需要予測に基づいて、所定のサービスエリア内のユーザ端末との間で通信可能なアクセス装置と、該アクセス装置を介して該ユーザ端末に対して所定サービスを提供するサービス制御ノードとの間の論理パスを制御する網構成管理ノードを具備するように構成してもよい。
【0015】
本発明の第1の特徴において、前記移動制御ノードにおける管理情報に基づいて、前記サービスエリアごとに、通信状態のユーザ端末に係るユーザ情報及び非通信状態のユーザ端末に係るユーザ情報を管理するユーザ分布データベースを具備し、前記網負荷予測ノードが、前記ユーザ分布データベースから、所定タイミングで、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報を取得するように構成されていてもよい。
【0016】
本発明の第2の特徴は、複数のサービスエリアに存在する複数のユーザ端末が通信を行う通信システムで用いられる網負荷予測ノードであって、所定タイミングで、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報及び各ユーザ端末によって行われた通信に係る通信履歴を取得する取得部と、該ユーザ情報及び該通信履歴に基づいて各サービスエリアにおける通信需要予測を算出する算出部とを具備することを要旨とする。
【0017】
本発明の第2の特徴において、前記通信履歴が、発信ユーザ端末識別情報と、着信ユーザ端末識別情報と、通信開始時間と、通信終了時間と、通信開始時の発信ユーザ端末の位置情報と、通信開始時の着信ユーザ端末の位置情報と、通信終了時の発信ユーザ端末の位置情報と、通信終了時の着信ユーザ端末の位置情報と、通信量と、通信の種類とを含んでいてもよい。
【0018】
本発明の第3の特徴は、複数のサービスエリアに存在する複数のユーザ端末が通信を行う通信システムで用いられる網構成管理ノードであって、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報及び各ユーザ端末によって行われた通信に係る通信履歴に基づいて算出された通信需要予測に基づいて、所定のサービスエリア内のユーザ端末との間で通信可能なアクセス装置と該アクセス装置を介して該ユーザ端末に対して所定サービスを提供するサービス制御ノードとの間の論理パスを制御することを要旨とする。
【0019】
本発明の第4の特徴は、複数のサービスエリアに存在する複数のユーザ端末が通信を行う通信方法であって、移動制御ノードが、各ユーザ端末がどのサービスエリア内に存在しているかについて管理する工程と、セッション制御ノードが、各ユーザ端末によって行われた通信に係る通信履歴を管理する工程と、網負荷予測ノードが、所定タイミングで、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報及び各ユーザ端末の通信履歴を取得する工程と、前記網負荷予測ノードが、前記ユーザ情報及び前記通信履歴に基づいて各サービスエリアにおける通信需要予測を算出する工程とを有することを要旨とする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る通信システムの全体構成図である。
【図2A】本発明の一実施形態に係る通信システムの網構成管理ノードの機能ブロック図である。
【図2B】本発明の一実施形態に係る通信システムの網構成管理ノードにおけるパス構成制御部の動作を説明するための図である。
【図2C】本発明の一実施形態に係る通信システムの網構成管理ノードにおけるパス構成制御部の動作を説明するための図である。
【図2D】本発明の一実施形態に係る通信システムの網構成管理ノードにおけるパス構成制御部の動作を説明するための図である。
【図2E】本発明の一実施形態に係る通信システムの網構成管理ノードにおけるパス構成制御部の動作を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る通信システムのサービス制御ノードの機能ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る通信システムのアクセス装置の機能ブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る通信システムの転送ノードの機能ブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る通信システムの移動制御ノードの機能ブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る通信システムのユーザ分布データベースの機能ブロック図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る通信システムのセッション制御ノードの機能ブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る通信システムのユーザ通信傾向データベースの機能ブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る通信システムの網負荷予測ノードの機能ブロック図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る通信システムにおいて、ユーザ分布データベースを更新する動作を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る通信システムにおいて、ユーザ通信傾向データベースを更新する動作を示すシーケンス図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る通信システムにおいて、論理パスを変更する動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(本発明の一実施形態に係る通信システムの構成)
図1乃至図10を参照して、本発明の一実施形態における通信システムの構成について説明する。本実施形態に係る通信システムは、図1に示すように、網構成管理ノード10と、複数のサービス制御ノード30A乃至30Cと、複数のアクセス装置50D乃至50Gと、複数の転送ノード70A乃至70Jと、複数のユーザ端末90A乃至90Dと、移動制御ノード110と、ユーザ分布データベース120と、セッション制御ノード130と、ユーザ通信傾向データベース140と、網負荷予測ノード150とを具備している。
【0022】
複数のサービス制御ノード30A乃至30Cと複数のアクセス装置50D乃至50Gと網構成管理ノード10と移動制御ノード110とセッション制御ノード130とは、それぞれ転送ノード70A乃至70Jによって、仮想的な制御信号網A及び仮想的な情報転送網Bを介して接続されている。
【0023】
なお、転送ノード70間のリンク上で論理パスを自由に構成することが可能であるため、図1では、制御信号網Aと情報転送網Bを区別しているが、両者は、物理的に分離していてもよいし、物理的に分離していなくてもよい。
【0024】
図2A乃至図2Eを参照して、網構成管理ノード10の構成について説明する。網構成管理ノード10は、複数のサービス制御ノード30A乃至30Cと複数のアクセス装置50D乃至50Gと複数の転送ノード70A乃至70Jと移動制御ノード110とセッション制御ノード130とを具備するネットワークの構成を管理するように構成されている。
【0025】
すなわち、網構成管理ノード10は、サービス制御ノード30と移動制御ノード110とセッション制御ノード130とアクセス装置50との間の制御関係を決定し、網負荷予測ノード150から取得した通信需要予測(後述)に基づいて、サービス制御ノード30と移動制御ノード110とセッション制御ノード130とアクセス装置50との間を結ぶ論理パスを制御するように構成されている。
【0026】
網構成管理ノード10は、図2Aに示すように、リソース状況収集部11と、機能配置制御部12と、パス構成制御部13と、適応制御部14と、通信需要予測取得部15とを具備している。
【0027】
リソース状況収集部11は、転送ノード70Hを介して、各サービス制御ノード30、各アクセス装置50、移動制御ノード110及びセッション制御ノード130のリソース状況や、制御信号網Aや情報転送網Bにおけるリンクのリソース状況を収集するように構成されている。ここで、リソース状況には、負荷状況や故障状況等が含まれる。
【0028】
また、リソース状況収集部11は、各サービス制御ノード30や各アクセス装置50における後述の設定結果を受信するように構成されていてもよい。
【0029】
機能配置制御部12は、適応制御部14からの指令に従って、蓄積部16から収集した情報に基づいて、アクセス装置50による情報転送処理を実現するための制御信号を、転送ノード70Hを介して各アクセス装置50に送信するように構成されている。なお、かかる制御情報には、当該アクセス装置50がどのサービス制御ノード30配下に属するべきかを示す制御関係に係る情報が含まれている。
【0030】
また、機能配置制御部12は、適応制御部14からの指令に従って、蓄積部16から収集した情報に基づいて、各サービス制御ノード30に配置する機能を決定し、当該機能を実現するための制御信号(プログラム及びデータを含むサービス定義)を、転送ノード70Hを介して各サービス制御ノード30に転送するように構成されている。
【0031】
パス構成制御部13は、適応制御部14からの指令に従って、蓄積部16から収集した情報に基づいて、各転送ノード70間の論理パスの設定作業及び変更作業を行うように構成されている。
【0032】
図2Bを参照して、かかる論理パスの設定作業及び変更作業の一例について説明する。図2Bの例では、サービス制御ノード#1がサービスエリアAを管理しており、サービス制御ノード#2がサービスエリアB、C、Dを管理しており、サービス制御ノード#3がサービスエリアEを管理しているものとする。
【0033】
ここで、網負荷予測ノード150が、サービスエリアC内で花火大会が行われるという情報やその他サービスエリアの環境に関する異常情報(後述)やサービスエリアCに存在するユーザ端末数等に基づいて、サービスエリアCにおける通信量が一時的に増大するという通信需要予測を算出した場合、パス構成制御部13は、サービス制御ノード#1にサービスエリアBを管理させ、サービス制御ノード#3にサービスエリアDを管理させるために、アクセス装置Bとサービス制御ノード#2との間の論理パスを削除し、アクセス装置Bとサービス制御ノード#1との間の論理パスを設定し、かつ、アクセス装置Dとサービス制御ノード#2との間の論理パスを削除し、アクセス装置Dとサービス制御ノード#3との間の論理パスを設定する。その結果、サービスエリアB、C、Dを管理しているサービス制御ノード#2の負荷を低減することができる。
【0034】
また、図2C乃至図2Eを参照して、かかる論理パスの設定作業及び変更作業の一例について説明する。
【0035】
図2Cにおいて、アクセス装置50Aとアクセス装置50Bとの間で論理パスが設定されており、アクセス装置50Aとアクセス装置50Cとの間で論理パスが設定されており、アクセス装置50Bとアクセス装置50Dとの間で論理パスが設定されているものとする。
【0036】
図2Dにおいて、網負荷予測ノード150が、アクセス装置50Aとアクセス装置50Bとの間の論理パスにおいて通信量が増大するという通信需要予測を算出した場合、パス構成制御部13は、アクセス装置50Aとアクセス装置50Cとの間の論理パスを、アクセス装置A−アクセス装置B−アクセス装置Cという経路から、アクセス装置A−アクセス装置D−アクセス装置B−アクセス装置Cという経路に変更する。
【0037】
また、図2Eにおいて、網負荷予測ノード150が、アクセス装置50Bとアクセス装置50Dとの間の論理パスにおいて通信量が増大するという通信需要予測を算出した場合、パス構成制御部13は、アクセス装置50Aとアクセス装置50Cとの間の論理パスを、アクセス装置A−アクセス装置D−アクセス装置B−アクセス装置Cという経路から、アクセス装置A−アクセス装置D−アクセス装置E−アクセス装置Cという経路に変更する。
【0038】
適応制御部14は、蓄積部16に蓄積されているネットワーク状況やネットワーク制御状態等を監視して、現在のネットワーク構成(ノードや装置の機能配置や論理パスの構成)が所定条件を満たすか否かについて判定し、所定条件を満たすと判定した場合に、適応制御用シナリオを起動するように構成されている。
【0039】
また、適応制御部14は、網負荷予測ノード150から通信需要予測(後述)を受信した場合に、適応制御用シナリオを起動するように構成されていてもよい。
【0040】
適応制御部14は、起動した当該適応制御用シナリオに準じて、機能配置制御部12及びパス構成制御部13に対して所定の指令を行うことによって、現在のネットワーク構成(ノードや装置の機能配置や論理パスの構成)を変更するように構成されている。
【0041】
例えば、適応制御部14は、網負荷予測ノード150から取得した通信需要予測及び現在のネットワーク構成に基づいて、各サービスエリアに存在すると予想されるユーザ端末90の通信が可能となるように、各ノード間の論理パスの構成や、各サービス制御ノード30及びアクセス装置50における機能配置を制御するために、機能配置制御部12及びパス構成制御部13に指示するものである。
【0042】
適応制御部14は、論理パス構成を作成した後、実際のネットワークの物理回線(リンク)上に当該論理パス構成をマッピングした結果に基づいて、機能配置制御部12及びパス構成制御部13に所定の指示を行うように構成されていてもよい。
【0043】
なお、適応制御部14は、アクセス装置50における機能配置の制御として、当該アクセス装置50によってカバーされ得るサービスエリア(セル)の形状(送信電力の大きさ及びアンテナの方向)を制御するように構成されていてもよい。
【0044】
蓄積部16は、現在のネットワーク構成についての情報や、リソース状況についての情報を蓄積するものである。
【0045】
図3を参照して、サービス制御ノード30の構成について説明する。サービス制御ノード30は、アクセス装置50を介してサービス要求を送信したユーザ端末90に対して所定サービスを提供するものである。
【0046】
図3に示すように、サービス制御ノード30は、ノード管理部31と、サービス提供部32とを具備している。ノード管理部31は、ノード機能設定部31aと、ノードリソース状況モニタ部31bとを具備している。
【0047】
ノード機能設定部31aは、転送ノード70を介して網構成管理ノード10から送信された制御信号(プログラム及びデータを含むサービス定義)に基づいて、ユーザ端末90に対して上述の所定サービスを提供するための機能プログラムをサービス提供部32に設定するように構成されている。
【0048】
また、ノード機能設定部31aは、サービス提供部32において提供可能なサービスの種類を一元的に管理している。なお、かかるサービスの種類は可変であり、サービス提供部32において提供可能なサービス用の制御信号(プログラム及びデータを含むサービス定義)のみが網構成管理ノード10からサービス制御ノード30に送信されるように構成されている。
【0049】
また、ノード機能設定部31aは、サービス提供部32における機能の設定結果を、転送ノード70を介して網構成管理ノード10に報告する。
【0050】
ノードリソース状況モニタ部31bは、サービス制御ノード30のリソース状況を監視して、転送ノード70を介して当該リソース状況を網構成管理ノード10に報告するように構成されている。
【0051】
サービス提供部32は、ユーザ端末90からのサービス要求に応じて、所定サービスを提供するように構成されている。具体的には、サービス提供部32は、ノード機能設定部31aにより設定された機能プログラムを実行することよって、所定サービスを提供することができる。
【0052】
例えば、サービス提供部32は、アクセス装置50から転送されたサービス要求に応じてユーザ端末90についての認証処理を行い、アクセス装置50に認証処理の結果を送信することができる。また、サービス提供部32は、網構成管理ノード10からの指示に応じて、他のサービス制御ノード30に所定サービスの提供処理を移行させることができる。
【0053】
なお、サービス提供部32は、上述の機能プログラムを実行することが可能なハードウエア構成を具備しており、他のサービス制御ノード30や網構成管理ノード10から受信した制御信号(プログラム及びデータを含むサービス定義)に基づいて設定された機能プログラムを実行することによって所定サービスを提供することができる。その結果、サービス制御ノード30に、サービス内容毎の専用装置を設ける必要は無い。
【0054】
図4を参照して、アクセス装置50の構成について説明する。アクセス装置50は、有線又は無線を介してユーザ端末90と接続されており、論理パスを介してサービス制御ノード30に接続されている。
【0055】
アクセス装置50は、図4に示すように、端末情報管理部51と、情報転送実行部52とを具備している。端末情報管理部51は、端末情報設定部51aと、装置リソース状況モニタ部51bとを具備している。
【0056】
端末情報設定部51aは、転送ノード70を介して網構成管理ノード10から送信された制御信号に応じて、情報転送実行部52による情報転送処理を実行するための情報を設定するものである。
【0057】
また、端末情報設定部51aは、当該アクセス装置50における情報の設定結果を、転送ノード70を介して網構成管理ノード10に報告する。
【0058】
装置リソース状況モニタ部51bは、アクセス装置50のリソース状況を監視して、転送ノード70を介して当該リソース状況を網構成管理ノード10に報告するように構成されている。具体的には、装置リソース状況モニタ部51bは、情報転送実行部52の負荷状態を監視することによって、回線使用率(無線リソース使用率や有線リソース使用率)を監視することができる。
【0059】
情報転送実行部52は、端末情報設定部51aにより設定された情報に基づいて、ユーザ端末90からの情報を、所定のサービス制御ノード30に転送するものである。
【0060】
具体的には、情報転送実行部52は、ユーザ端末90からの情報のうち、所定情報については認証処理を行うことなくサービス制御ノード30に転送し、その他の情報については認証処理結果に基づいてサービス制御ノード30に転送するか否かについて判断するように設定することができる。
【0061】
例えば、情報転送実行部52は、ユーザ端末90からのサービス要求(所定情報)については、認証処理を行うことなく、転送ノード70を介して所定のサービス制御ノード30に転送し、ユーザ端末90からのユーザデータ(その他の情報)については、当該所定のサービス制御ノード30からの認証処理結果に応じて、転送ノード70を介して所定のサービス制御ノード30に転送するか否かについて判断するように構成されていてもよい。
【0062】
なお、情報転送実行部52は、ユーザ端末90のMACアドレスやIPアドレス等に基づいてユーザ端末90についての認証処理を行い、ユーザ端末90毎に情報転送処理の方法を変更するように構成されていてもよい。
【0063】
情報転送実行部52は、ユーザ端末90からの位置情報を、所定の移動制御ノード110に転送するように構成されている。
【0064】
また、アクセス装置50は、回線リソース(無線リソースや有線リソース)の不足時に、ネットワークに即時に組み込み可能な可搬型アクセス装置及び当該可搬型アクセス装置に付随する装置によって構成されていてもよい。
【0065】
図5を参照して、転送ノード70の構成について説明する。転送ノード70は、網構成管理ノード10と複数のサービス制御ノード30と複数のアクセス装置50と移動制御ノード110とセッション制御ノード130とを接続するネットワーク(制御信号網A及び情報転送網B)を構成するためのものである。
【0066】
転送ノード70は、図5に示すように、信号網管理部71と、情報転送実行部72とを具備している。信号網管理部71は、パス構成設定部71aと、リンクリソース状況モニタ部71bとを具備している。
【0067】
パス構成設定部71aは、制御信号網Aを介した網構成管理ノード10からの指示に応じて、情報転送実行部72において論理パスの設定及び変更を行わせるように構成されている。
【0068】
また、パス構成設定部71aは、当該転送ノード70における論理パスの設定及び変更結果を、情報転送実行部72及び制御信号網Aを介して網構成管理ノード10に報告する。
【0069】
リンクリソース状況モニタ部71bは、当該転送ノード70におけるリンクリソース状況を監視して、情報転送実行部72及び制御信号網Aを介して当該リンクリソース状況を網構成管理ノード10に報告するように構成されている。
【0070】
情報転送実行部72は、当該転送ノードが接続されているノード又は装置10、30、50、110、130と、制御信号網A又は情報転送網Bとの間で情報転送処理を実行するものである。
【0071】
具体的には、特定の転送ノード70に接続されている情報転送実行部72は、パス構成設定部71aからの指示に従って、他の転送ノードに接続されている情報転送実行部72との間に設けられているリンク上に論理パスを設定したり開放したりするように構成されている。
【0072】
ここで、情報は、ネットワーク内に張り巡らされた論理パスのうち、指定された論理パス上を転送されて終端する。なお、論理パスは、同一の転送ノード70同士の間で設定されているものであっても、その用途によって違う論理パスとして識別される。
【0073】
論理パスの例としては、ATM(Asynchronous Transfer Mode)技術におけるVC(Virtual Connection)/VP(Virtual Path)や、MPLS技術やGMPLS技術で実現されるラベルスイッチパスや、DWDM技術におけるλパスや、光パス等の物理パスそのものを論理的に指定できるような論理パスが含まれる。
【0074】
図6を参照して、移動制御ノード110の構成について説明する。移動制御ノード110は、各アクセス装置50を介したユーザ端末90の通信を制御するものである。
【0075】
例えば、移動制御ノード110は、移動通信システムにおけるホームロケーションレジスタ(HLR)や、モバイルIPシステムにおけるホームエージェント(HA)や、IP電話システムにおけるSIPサーバ等に該当する。
【0076】
図6に示すように、移動制御ノード110は、ユーザ情報管理部111と、位置情報取得部112と、制御部113と、ユーザ情報通知部114とを具備している。
【0077】
ユーザ情報管理部111は、各ユーザ端末がどのサービスエリア内に存在しているかについて管理するものである。具体的には、ユーザ情報管理部111は、ユーザ端末90を一意に識別するための「ユーザID」と、当該ユーザ端末90の存在するサービスエリアを示す「位置情報」とを関連付けるユーザ情報を管理している。すなわち、ユーザ情報管理部111は、検索の高速化のために、ユーザIDをキーとして、ユーザ端末の位置情報を検索することが可能に構成されているデータベースである。
【0078】
また、ユーザ情報管理部111は、通信状態のユーザ端末に係るユーザ情報だけでなく、非通信状態のユーザ端末に係るユーザ情報を管理するように構成されていてもよい。
【0079】
位置情報取得部112は、各ユーザ端末90が接続しているアクセス装置50を介して、当該ユーザ端末90の存在するサービスエリアを示す「位置情報」を取得するものである。
【0080】
例えば、位置情報取得部112は、HLRへの登録情報によって「位置情報」を取得してもよいし、HAへの登録情報によって「位置情報」を取得してもよいし、SIPサーバへの登録情報によって「位置情報」を取得してもよい。
【0081】
また、位置情報取得部112は、ユーザ端末90におけるGPS等の自己測位技術による自己測位位置情報(緯度・経度や、位置を示すID等)を、能動的に又は受動的に取得し、取得した自己測位位置情報に基づいて算出した位置情報を、上述の位置情報としてもよい。
【0082】
制御部113は、ユーザ情報管理部111において管理されているユーザ情報に基づいて、ユーザ端末90による通信を可能とするための制御を行うものである。
【0083】
ユーザ情報通知部114は、ユーザ情報管理部111内のユーザ情報をユーザ分布データベース120に通知するものである。例えば、ユーザ情報通知部114は、定期的にユーザ情報を通知するように構成されていてもよいし、ユーザ端末90の移動を契機としてユーザ情報を通知するように構成されていてもよいし、ユーザ分布データベース120からの要求に応じてユーザ情報を通知するように構成されていてもよい。
【0084】
図7を参照して、ユーザ分布データベース120の構成について説明する。ユーザ分布データベース120は、移動制御ノード110における管理情報に基づいて、サービスエリアごとに、通信状態のユーザ端末90に係るユーザ情報を管理するものである。なお、ユーザ分布データベース120は、移動制御ノード110における管理情報に基づいて、サービスエリアごとに、通信状態のユーザ端末90に係るユーザ情報に加えて、非通信状態のユーザ端末90に係るユーザ情報を管理するように構成されていてもよい。
【0085】
図7に示すように、ユーザ分布データベース120は、ユーザ分布情報管理部121と、ユーザ情報取得部122と、ユーザ分布情報通知部123とを具備している。
【0086】
ユーザ分布情報管理部121は、ユーザ端末90の位置情報としてのサービスエリアを識別する「サービスエリア番号」と、当該サービスエリアに存在するユーザ端末90の数を示す「ユーザ数」と、当該サービスエリアに存在する全てのユーザ端末90を識別する複数の「ユーザID」とを関連付けるユーザ分布情報を管理するものである。すなわち、ユーザ分布情報管理部121は、検索の高速化のために、サービスエリア番号をキーとして、ユーザ数及びユーザIDを検索することが可能に構成されているデータベースである。
【0087】
ユーザ情報取得部122は、所定タイミングで、移動制御ノード110に対してユーザ情報要求を送信することによって、サービスエリアごとのユーザ情報(ユーザ数及びユーザID)を取得するものである。
【0088】
ユーザ分布情報通知部123は、ユーザ分布情報管理部121内のユーザ分布情報を網負荷予測ノード150に通知するものである。例えば、ユーザ分布情報通知部123は、定期的にユーザ分布情報を通知するように構成されていてもよいし、網負荷予測ノード150からの要求に応じてユーザ分布情報を通知するように構成されていてもよい。
【0089】
図8を参照して、セッション制御ノード130の構成について説明する。セッション制御ノード130は、各ユーザ端末90によって行われている通信(セッション)を制御及び監視するものである。
【0090】
例えば、セッション制御ノード130は、ユーザ認証を行う認証サーバの機能の一部や、課金処理を行う課金サーバの機能の一部や、呼処理を行う交換機、SIPサーバ又はHLRの機能の一部に該当する。
【0091】
図8に示すように、セッション制御ノード130は、セッション情報管理部131と、セッション情報取得部132と、セッション情報通知部133とを具備している。
【0092】
セッション情報管理部131は、各ユーザ端末90によって行われた通信(各セッション)に係る通信履歴を管理するものである。例えば、セッション情報管理部131は、「発信者ID」と、「着信者ID」と、「通信開始時間」と、「通信終了時間」と、「発信者の位置情報(開始時)」と、「発信者の位置情報(終了時)」と、「着信者の位置情報(開始時)」と、「着信者の位置情報(終了時)」と、「通信量」と、「通信の種類」とを含むセッション情報(通信履歴)を管理する。
【0093】
セッション情報取得部132は、ユーザ端末90によって行われていた通信が終了した際に、当該通信に係る通信履歴(セッション情報)を作成してセッション情報管理部131に蓄積するものである。
【0094】
セッション情報通知部133は、セッション情報管理部131内のセッション情報をユーザ通信傾向データベース140に通知するものである。例えば、セッション情報通知部133は、定期的にセッション情報を通知するように構成されていてもよいし、ユーザ端末90によって行われていた通信(セッション)が終了した際にセッション情報を通知するように構成されていてもよいし、ユーザ通信傾向データベース130からの要求に応じてセッション情報を通知するように構成されていてもよい。
【0095】
図9を参照して、ユーザ通信傾向データベース140の構成について説明する。ユーザ通信傾向データベース140は、セッション制御ノード130から取得したセッション情報に基づいて、各サービスエリアにおけるユーザ端末90の通信の特徴や傾向を学習するためのデータベースである。
【0096】
図9に示すように、ユーザ通信傾向データベース140は、セッション情報取得部141と、通信傾向管理部142と、異常情報管理部143と、通信傾向通知部144とを具備している。
【0097】
セッション情報取得部141は、所定タイミングで、セッション制御ノード130に対してセッション情報要求を送信することによって、サービスエリアごとのユーザ端末90のセッション情報を取得するものである。
【0098】
通信傾向管理部142は、セッション情報取得部141によって取得したサービスエリアごとのユーザ端末90のセッション情報に基づいて、サービスエリアごとのユーザ端末90の通信の特徴や傾向を示す通信傾向情報を作成して管理するものである。
【0099】
例えば、通信傾向管理部142は、取得した上述のセッション情報をそのまま通信傾向情報として蓄積してもよいし、取得した上述のセッション情報に係る通信の特徴や傾向を考慮して当該セッション情報を特定の通信モデルに当てはめ、当てはめられた通信モデルを示すパラメータを通信傾向情報として蓄積してもよい。セッション情報の情報量が膨大な場合に、後者の方式を用いることによって、情報の圧縮を図ることができる。
【0100】
異常情報管理部143は、地域的異常情報や時間的異常情報等の異常情報を管理するものである。かかる異常情報は、オペレータ等によって入力される。
【0101】
地域的異常情報は、特定地域における特殊なトラヒック状況の発生を示唆する情報である。例えば、地域的異常情報は、祭りや花火大会やコンサートや災害等の地域的イベントによって、特定地域において特殊なトラヒック状況が発生する可能性が高いことを示唆する。
【0102】
また、時間的異常情報は、特定時間における特殊なトラヒック状況の発生を示唆する情報である。例えば、時間的異常情報は、人気の高いチケットの販売開始や元旦等の時間的イベントによって、特定時間において特殊なトラヒック状況が発生する可能性が高いことを示唆する。
【0103】
通信傾向通知部144は、通信傾向管理部142内の通信傾向情報を網負荷予測ノード150に通知するものである。例えば、通信傾向通知部144は、定期的に通信傾向情報を通知するように構成されていてもよいし、網負荷予測ノード150からの要求に応じて通信傾向情報を通知するように構成されていてもよい。
【0104】
図10を参照して、網負荷予測ノード150の構成について説明する。網負荷予測ノード150は、所定タイミングで、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報(ユーザ分布情報)及び各ユーザ端末の通信履歴(セッション情報)を取得し、当該ユーザ情報及び当該通信履歴(セッション情報)に基づいて各サービスエリアにおける通信需要予測を算出するものである。
【0105】
図10に示すように、網負荷予測ノード150は、ユーザ分布情報取得部151と、通信傾向取得部152と、算出部153と、通信需要予測通知部154とを具備している。
【0106】
ユーザ分布情報取得部151は、ユーザ分布データベース120から、所定タイミングで、ユーザ分布情報要求を送信することによって、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報(ユーザ分布情報)を取得するものである。ユーザ分布情報取得部151は、定期的にユーザ分布情報を取得してもよいし、オペレータからの指示に応じてユーザ分布情報を取得してもよいし、網構成管理ノード10からの予測依頼に基づきユーザ分布情報を取得してもよい。
【0107】
通信傾向取得部152は、ユーザ通信傾向データベース140から、所定タイミングで、通信傾向要求を送信することによって、サービスエリアごとのユーザ端末90の通信の特徴や傾向を示す通信傾向情報を取得するものである。通信傾向取得部152は、定期的に通信傾向情報を取得してもよいし、オペレータからの指示に応じて通信傾向情報を取得してもよいし、網構成管理ノード10からの予測依頼に基づき通信傾向情報を取得してもよい。
【0108】
算出部153は、受信したユーザ分布情報及び通信傾向情報に基づいて各サービスエリアにおける通信需要予測を算出するものである。
【0109】
具体的には、算出部153は、数学的集合集計法を用いて、各サービスエリアに存在するユーザ端末90の通信の特徴や傾向を解析するように構成されている。
【0110】
その結果、算出部153は、特定のサービスエリアから特定のサービスエリア宛てに発信される通信に係る通信量(パケットデータ量や通信帯域等)や、各サービスエリアにおける通信に必要とされる通信処理量(サービス提供回数等)を、通信需要予測として統計的に算出する。
【0111】
例えば、算出部153は、ユーザ情報と通信傾向情報と通信需要予測とを所定の方法で対応付けるように構成されており、受信したユーザ情報及び通信傾向情報に対応付けられている通信需要予測を出力するように構成されていてもよい。
【0112】
なお、算出部153は、上述のユーザ分布情報及び通信傾向情報に加えて、ユーザの属性情報に基づいて、通信需要予測を算出するように構成されていてもよい。
【0113】
また、算出部153は、具体的な通信量等の代わりに、特定のサービスエリアにおける通信量が一時的に増加するという通信需要予測を算出するように構成されていてもよい。
【0114】
通信需要予測通知部154は、算出部153により算出された通信需要予測を網構成管理ノード10に通知するものである。通信需要予測通知部154は、定期的に通信需要予測を通知してもよいし、オペレータからの指示に応じて通信需要予測を通知してもよいし、網構成管理ノード10からの予測依頼に基づき通信需要予測を通知してもよい。
【0115】
(本発明の一実施形態に係る通信システムの動作)
図11乃至図13を参照して、本実施形態に係る通信システムの動作について説明する。
【0116】
第1に、図11を参照して、本実施形態に係る通信システムにおいて、ユーザ分布データベース120を更新する動作を説明する。
【0117】
ステップ1101において、ユーザ端末90Aが、呼び出しエリア決定のために、又は、通信継続のために、ユーザ端末90Aが存在しているサービスエリアを管理するアクセス装置50Dに対して、継続的に位置情報を通知する。
【0118】
例えば、携帯電話であるユーザ端末90Aは、当該ユーザ端末90Aの移動により呼び出しエリアが変化した場合、又は、当該ユーザ端末90Aに電源が投入された場合等に、当該アクセス装置50Dに対して位置情報を通知するように構成されている。
【0119】
モバイルIP端末であるユーザ端末90Aは、当該ユーザ端末90Aの移動によりネットワークドメインが変化した場合、又は、移動制御ノード(HA)110からの位置情報が要求された場合等に、当該アクセス装置50Dに対して位置情報を通知するように構成されている。
【0120】
ステップ1102において、アクセス装置50Dが、受信した位置情報を移動制御ノード110に送信する。移動制御ノード110は、受信した位置情報に応じて、ユーザ情報管理部111内のサービスエリアごとのユーザ情報を更新する。
【0121】
ステップ1103及びステップ1104において、移動制御ノード110は、ユーザ端末90Aによるアクセス装置50Dを介した通信を制御する。
【0122】
ステップ1105において、ユーザ分布データベース120は、所定タイミングで、移動制御ノード110に対してユーザ情報要求を送信する。ステップ1106において、移動制御ノード110は、当該ユーザ情報要求に応じて、ユーザ情報管理部111内のユーザ情報をユーザ分布データベース120に通知する。
【0123】
ステップ1107において、ユーザ分布データベース120は、受信したユーザ情報に基づいて、ユーザ分布情報管理部121内のユーザ分布情報を更新する。
【0124】
第2に、図12を参照して、本実施形態に係る通信システムにおいて、ユーザ通信傾向データベースを更新する動作を説明する。
【0125】
アクセス装置50Dは、ステップ1201において、ユーザ端末90Aによる通信の開始を検出すると、ステップ1202において、セッション制御ノード130に対してその旨を通知する。
【0126】
そして、アクセス装置50Dは、ステップ1203において、ユーザ端末90Aによる通信の終了を検出すると、ステップ1204において、セッション制御ノード130に対してその旨を通知する。かかる通知に応じて、セッション制御ノード130は、セッション情報管理部131内に当該通信(セッション)に係る通信履歴を作成して蓄積する。
【0127】
ステップ1205において、ユーザ通信傾向データベース140は、所定タイミングで、セッション制御ノード130に対してセッション情報要求を送信する。ステップ1206において、セッション制御ノード130は、当該セッション情報要求に応じて、セッション情報管理部131内のセッション情報をユーザ通信傾向データベース140に通知する。
【0128】
ステップ1207において、ユーザ通信傾向データベース140は、受信したセッション情報に基づいて、通信傾向管理部142内の通信傾向情報を更新する。
【0129】
第3に、図13を参照して、本実施形態に係る通信システムにおいて、論理パスを変更する動作を説明する。
【0130】
ステップ1301において、網構成管理ノード10が、所定タイミングで通信需要予測依頼を網負荷予測ノード150に送信し、ステップ1302において、網負荷予測ノード150の適応制御部14が、受信した通信需要予測依頼に応じて、適応制御用シナリオを起動する。
【0131】
ステップ1303において、網負荷予測ノード150のユーザ分布情報取得部151が、ユーザ分布データベース120に対してユーザ分布情報要求を送信し、ステップ1304において、ユーザ分布データベース120が、受信したユーザ分布情報要求に応じて、ユーザ分布情報管理部121内のサービスエリアごとのユーザ情報(ユーザ分布情報)を網負荷予測ノード150に送信する。
【0132】
ステップ1305において、網負荷予測ノード150の通信傾向取得部152が、ユーザ通信傾向データベース140に対して通信傾向要求を送信し、ユーザ通信傾向データベース140が、受信した通信傾向要求に応じて通信傾向管理部142内のユーザ端末90ごとの通信傾向を網負荷予測ノード150に送信する。ここで、ユーザ端末90の数だけ、ステップ1305が繰り返される。
【0133】
ステップ1306において、網負荷予測ノード150の算出部153が、サービスエリアごとのユーザ分布情報(各サービスエリアに存在するユーザ端末数等)及び各ユーザ端末90に係る通信傾向情報に基づいて、各サービスエリア間の通信量及び各サービスエリアにおける通信処理量に係る通信需要予測を算出する。
【0134】
ステップ1307において、網負荷予測ノード150の通信需要予測通知部154が、算出した通信需要予測を網構成管理ノード10に通知する。
【0135】
ステップ1308において、網構成管理ノード10の適応制御部14が、現在のネットワーク構成及び受信した通信需要予測に基づいて、各ノード間の論理パス構成、及び各サービス制御装置や各アクセス装置50における機能配置について制御する。
【0136】
(本発明の一実施形態に係る通信システムの作用・効果)
本実施形態に係る通信システムによれば、所定タイミングで取得された各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報及び各ユーザ端末によって行われた通信に係る通信履歴に基づいて、各サービスエリアにおける通信需要予測を算出するため、精度の高いネットワーク設備の需要予測を効率的に算出することができる。
【0137】
また、本実施形態に係る通信システムによれば、上述のように算出した通信需要予測に基づいて、アクセス装置とサービス制御ノードとの間の論理パスを制御するため、ネットワーク設備の利用効率を上げることができる。
【0138】
また、本実施形態に係る通信システムによれば、通信状態のユーザ端末に係るユーザ情報だけでなく、非通信状態のユーザ端末に係るユーザ情報をも管理しているため、より精度の高いネットワーク設備の需要予測を算出することができる。
【0139】
また、本実施形態に係る通信システムによれば、ネットワーク設備の需要予測を自動的に算出することができるため、人的コストの圧縮につながり、かつ、需要予測精度の悪さから生じる余剰ネットワーク設備を減らすことができる。
【0140】
また、本実施形態に係る通信システムによれば、輻輳等によって生じる規制制御の回数が減ることが見込まれるため、疎通率を向上させることが可能となり、ユーザ側にとっても高品質のサービス提供を受けることができるというメリットを得られる。
【0141】
以上、本発明を実施例により詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本願中に説明した実施例に限定されるものではないということは明らかである。本発明の装置は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本願の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0142】
以上説明したように、本発明によれば、精度の高いネットワーク設備の需要予測を効率的に算出し、ネットワーク設備の利用効率を上げることを可能とする通信システム、通信方法、これらに用いて好適な網負荷予測ノード及び網構成管理ノードを提供することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のサービスエリアに存在する複数のユーザ端末が通信を行う通信システム、通信方法、これらに用いて好適な網負荷予測ノード及び網構成管理ノードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の通信システムでは、ネットワーク設備の最大能力に応じて、所定のサービスエリアに対するネットワーク設備の固定的な割り当て及び運用が行われている。
【0003】
ここで、ネットワーク設備には、無線制御装置や基地局等を含むアクセス装置や、転送ノードや、サービス制御ノードや、移動制御ノードや、伝送装置や、ルータやスイッチ等を含む交換機等が含まれる。
【0004】
また、サービスエリアは、アクセス装置によって管理されている管理エリアであって、無線回線によってサービス提供可能なエリアであってもよいし、有線回線によってサービス提供可能なエリアであってもよい。例えば、サービスエリアには、移動通信システムにおいて個々の基地局によってカバーされるエリア(セル)や、通信事業者によって任意に地理的に分割されたエリアや、データセンター等の特定目的を有するネットワーク内のエリア等が該当する。
【0005】
すなわち、常に同じネットワーク設備が、特定のサービスエリアに対して通信サービスを提供するように設計されている。そして、特定のサービスエリアにおいて、規制制御等によって、ネットワーク設備の処理能力を超えない範囲で、呼処理やパケット処理やサービス制御処理がなされるように運用されている。
【0006】
また、従来の通信システムでは、各ネットワーク設備において、通信量やサービス制御状況等のトラヒック情報を記録しておき、かかるトラヒック情報等に基づいて、ネットワーク設備の新設や増設についての設備計画が立てられている。
【0007】
しかしながら、従来の通信システムでは、ほとんどの場合、長期的(半年乃至数年)に予測され得るネットワーク設備の需要に対して、ある程度の余裕を持って上述の設備計画が行われており、かかる設備計画に従って、ネットワーク設備の新設や増設が行われている。
【0008】
この場合、長期的なネットワーク設備の需要の予測は、数ヶ月以上に渡ってトラヒック情報を取得し、かかるトラヒック情報を解析して、ネットワーク設備の需要と供給のバランスを推測することによって行われている。したがって、かかる作業は、非常に時間がかかり、かつ煩雑なものになっている。
【0009】
また、従来の通信システムでは、特に、サービスエリアが無線区域である場合は、ユーザ端末を所持するユーザの移動や、ユーザ端末自身の移動によって、各サービスエリアにおける通信量が変動する。
【0010】
つまり、特定のサービスエリアにおいて、ネットワーク設備の需要と供給のバランスを推測したとしても、当該サービスエリアにたまたま存在したユーザ端末に基づいてネットワーク設備の需要を予測しているに過ぎず、当該サービスエリアに係るネットワーク設備の需要予測の精度を上げることが困難であるという問題点があった。
【0011】
さらに、従来の通信システムでは、ネットワーク設備が、特定のサービスエリアに対して半固定的に配置されているため、ネットワーク設備の需要予測が外れた場合には、当該ネットワーク設備の物理的な移動や、保守者によるネットワーク設備の設定の変更等によって、ネットワーク設備の再利用を図らない限り、ネットワーク設備の利用効率を上げることが困難であるという問題点があった。
【0012】
そこで、本発明は、以上の点に鑑みてなされたもので、精度の高いネットワーク設備の需要予測を効率的に算出し、ネットワーク設備の利用効率を上げることを可能とする通信システム、通信方法、これらに用いて好適な網負荷予測ノード及び網構成管理ノードを提供することを目的とする。
【発明の開示】
【0013】
本発明の第1の特徴は、複数のサービスエリアに存在する複数のユーザ端末が通信を行う通信システムであって、各ユーザ端末がどのサービスエリア内に存在しているかについて管理する移動制御ノードと、各ユーザ端末によって行われた通信に係る通信履歴を管理するセッション制御ノードと、所定タイミングで、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報及び各ユーザ端末の通信履歴を取得し、該ユーザ情報及び該通信履歴に基づいて各サービスエリアにおける通信需要予測を算出する網負荷予測ノードとを具備することを要旨とする。
【0014】
本発明の第1の特徴において、前記網負荷予測ノードから取得した前記通信需要予測に基づいて、所定のサービスエリア内のユーザ端末との間で通信可能なアクセス装置と、該アクセス装置を介して該ユーザ端末に対して所定サービスを提供するサービス制御ノードとの間の論理パスを制御する網構成管理ノードを具備するように構成してもよい。
【0015】
本発明の第1の特徴において、前記移動制御ノードにおける管理情報に基づいて、前記サービスエリアごとに、通信状態のユーザ端末に係るユーザ情報及び非通信状態のユーザ端末に係るユーザ情報を管理するユーザ分布データベースを具備し、前記網負荷予測ノードが、前記ユーザ分布データベースから、所定タイミングで、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報を取得するように構成されていてもよい。
【0016】
本発明の第2の特徴は、複数のサービスエリアに存在する複数のユーザ端末が通信を行う通信システムで用いられる網負荷予測ノードであって、所定タイミングで、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報及び各ユーザ端末によって行われた通信に係る通信履歴を取得する取得部と、該ユーザ情報及び該通信履歴に基づいて各サービスエリアにおける通信需要予測を算出する算出部とを具備することを要旨とする。
【0017】
本発明の第2の特徴において、前記通信履歴が、発信ユーザ端末識別情報と、着信ユーザ端末識別情報と、通信開始時間と、通信終了時間と、通信開始時の発信ユーザ端末の位置情報と、通信開始時の着信ユーザ端末の位置情報と、通信終了時の発信ユーザ端末の位置情報と、通信終了時の着信ユーザ端末の位置情報と、通信量と、通信の種類とを含んでいてもよい。
【0018】
本発明の第3の特徴は、複数のサービスエリアに存在する複数のユーザ端末が通信を行う通信システムで用いられる網構成管理ノードであって、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報及び各ユーザ端末によって行われた通信に係る通信履歴に基づいて算出された通信需要予測に基づいて、所定のサービスエリア内のユーザ端末との間で通信可能なアクセス装置と該アクセス装置を介して該ユーザ端末に対して所定サービスを提供するサービス制御ノードとの間の論理パスを制御することを要旨とする。
【0019】
本発明の第4の特徴は、複数のサービスエリアに存在する複数のユーザ端末が通信を行う通信方法であって、移動制御ノードが、各ユーザ端末がどのサービスエリア内に存在しているかについて管理する工程と、セッション制御ノードが、各ユーザ端末によって行われた通信に係る通信履歴を管理する工程と、網負荷予測ノードが、所定タイミングで、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報及び各ユーザ端末の通信履歴を取得する工程と、前記網負荷予測ノードが、前記ユーザ情報及び前記通信履歴に基づいて各サービスエリアにおける通信需要予測を算出する工程とを有することを要旨とする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る通信システムの全体構成図である。
【図2A】本発明の一実施形態に係る通信システムの網構成管理ノードの機能ブロック図である。
【図2B】本発明の一実施形態に係る通信システムの網構成管理ノードにおけるパス構成制御部の動作を説明するための図である。
【図2C】本発明の一実施形態に係る通信システムの網構成管理ノードにおけるパス構成制御部の動作を説明するための図である。
【図2D】本発明の一実施形態に係る通信システムの網構成管理ノードにおけるパス構成制御部の動作を説明するための図である。
【図2E】本発明の一実施形態に係る通信システムの網構成管理ノードにおけるパス構成制御部の動作を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る通信システムのサービス制御ノードの機能ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る通信システムのアクセス装置の機能ブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る通信システムの転送ノードの機能ブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る通信システムの移動制御ノードの機能ブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る通信システムのユーザ分布データベースの機能ブロック図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る通信システムのセッション制御ノードの機能ブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る通信システムのユーザ通信傾向データベースの機能ブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る通信システムの網負荷予測ノードの機能ブロック図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る通信システムにおいて、ユーザ分布データベースを更新する動作を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る通信システムにおいて、ユーザ通信傾向データベースを更新する動作を示すシーケンス図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る通信システムにおいて、論理パスを変更する動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(本発明の一実施形態に係る通信システムの構成)
図1乃至図10を参照して、本発明の一実施形態における通信システムの構成について説明する。本実施形態に係る通信システムは、図1に示すように、網構成管理ノード10と、複数のサービス制御ノード30A乃至30Cと、複数のアクセス装置50D乃至50Gと、複数の転送ノード70A乃至70Jと、複数のユーザ端末90A乃至90Dと、移動制御ノード110と、ユーザ分布データベース120と、セッション制御ノード130と、ユーザ通信傾向データベース140と、網負荷予測ノード150とを具備している。
【0022】
複数のサービス制御ノード30A乃至30Cと複数のアクセス装置50D乃至50Gと網構成管理ノード10と移動制御ノード110とセッション制御ノード130とは、それぞれ転送ノード70A乃至70Jによって、仮想的な制御信号網A及び仮想的な情報転送網Bを介して接続されている。
【0023】
なお、転送ノード70間のリンク上で論理パスを自由に構成することが可能であるため、図1では、制御信号網Aと情報転送網Bを区別しているが、両者は、物理的に分離していてもよいし、物理的に分離していなくてもよい。
【0024】
図2A乃至図2Eを参照して、網構成管理ノード10の構成について説明する。網構成管理ノード10は、複数のサービス制御ノード30A乃至30Cと複数のアクセス装置50D乃至50Gと複数の転送ノード70A乃至70Jと移動制御ノード110とセッション制御ノード130とを具備するネットワークの構成を管理するように構成されている。
【0025】
すなわち、網構成管理ノード10は、サービス制御ノード30と移動制御ノード110とセッション制御ノード130とアクセス装置50との間の制御関係を決定し、網負荷予測ノード150から取得した通信需要予測(後述)に基づいて、サービス制御ノード30と移動制御ノード110とセッション制御ノード130とアクセス装置50との間を結ぶ論理パスを制御するように構成されている。
【0026】
網構成管理ノード10は、図2Aに示すように、リソース状況収集部11と、機能配置制御部12と、パス構成制御部13と、適応制御部14と、通信需要予測取得部15とを具備している。
【0027】
リソース状況収集部11は、転送ノード70Hを介して、各サービス制御ノード30、各アクセス装置50、移動制御ノード110及びセッション制御ノード130のリソース状況や、制御信号網Aや情報転送網Bにおけるリンクのリソース状況を収集するように構成されている。ここで、リソース状況には、負荷状況や故障状況等が含まれる。
【0028】
また、リソース状況収集部11は、各サービス制御ノード30や各アクセス装置50における後述の設定結果を受信するように構成されていてもよい。
【0029】
機能配置制御部12は、適応制御部14からの指令に従って、蓄積部16から収集した情報に基づいて、アクセス装置50による情報転送処理を実現するための制御信号を、転送ノード70Hを介して各アクセス装置50に送信するように構成されている。なお、かかる制御情報には、当該アクセス装置50がどのサービス制御ノード30配下に属するべきかを示す制御関係に係る情報が含まれている。
【0030】
また、機能配置制御部12は、適応制御部14からの指令に従って、蓄積部16から収集した情報に基づいて、各サービス制御ノード30に配置する機能を決定し、当該機能を実現するための制御信号(プログラム及びデータを含むサービス定義)を、転送ノード70Hを介して各サービス制御ノード30に転送するように構成されている。
【0031】
パス構成制御部13は、適応制御部14からの指令に従って、蓄積部16から収集した情報に基づいて、各転送ノード70間の論理パスの設定作業及び変更作業を行うように構成されている。
【0032】
図2Bを参照して、かかる論理パスの設定作業及び変更作業の一例について説明する。図2Bの例では、サービス制御ノード#1がサービスエリアAを管理しており、サービス制御ノード#2がサービスエリアB、C、Dを管理しており、サービス制御ノード#3がサービスエリアEを管理しているものとする。
【0033】
ここで、網負荷予測ノード150が、サービスエリアC内で花火大会が行われるという情報やその他サービスエリアの環境に関する異常情報(後述)やサービスエリアCに存在するユーザ端末数等に基づいて、サービスエリアCにおける通信量が一時的に増大するという通信需要予測を算出した場合、パス構成制御部13は、サービス制御ノード#1にサービスエリアBを管理させ、サービス制御ノード#3にサービスエリアDを管理させるために、アクセス装置Bとサービス制御ノード#2との間の論理パスを削除し、アクセス装置Bとサービス制御ノード#1との間の論理パスを設定し、かつ、アクセス装置Dとサービス制御ノード#2との間の論理パスを削除し、アクセス装置Dとサービス制御ノード#3との間の論理パスを設定する。その結果、サービスエリアB、C、Dを管理しているサービス制御ノード#2の負荷を低減することができる。
【0034】
また、図2C乃至図2Eを参照して、かかる論理パスの設定作業及び変更作業の一例について説明する。
【0035】
図2Cにおいて、アクセス装置50Aとアクセス装置50Bとの間で論理パスが設定されており、アクセス装置50Aとアクセス装置50Cとの間で論理パスが設定されており、アクセス装置50Bとアクセス装置50Dとの間で論理パスが設定されているものとする。
【0036】
図2Dにおいて、網負荷予測ノード150が、アクセス装置50Aとアクセス装置50Bとの間の論理パスにおいて通信量が増大するという通信需要予測を算出した場合、パス構成制御部13は、アクセス装置50Aとアクセス装置50Cとの間の論理パスを、アクセス装置A−アクセス装置B−アクセス装置Cという経路から、アクセス装置A−アクセス装置D−アクセス装置B−アクセス装置Cという経路に変更する。
【0037】
また、図2Eにおいて、網負荷予測ノード150が、アクセス装置50Bとアクセス装置50Dとの間の論理パスにおいて通信量が増大するという通信需要予測を算出した場合、パス構成制御部13は、アクセス装置50Aとアクセス装置50Cとの間の論理パスを、アクセス装置A−アクセス装置D−アクセス装置B−アクセス装置Cという経路から、アクセス装置A−アクセス装置D−アクセス装置E−アクセス装置Cという経路に変更する。
【0038】
適応制御部14は、蓄積部16に蓄積されているネットワーク状況やネットワーク制御状態等を監視して、現在のネットワーク構成(ノードや装置の機能配置や論理パスの構成)が所定条件を満たすか否かについて判定し、所定条件を満たすと判定した場合に、適応制御用シナリオを起動するように構成されている。
【0039】
また、適応制御部14は、網負荷予測ノード150から通信需要予測(後述)を受信した場合に、適応制御用シナリオを起動するように構成されていてもよい。
【0040】
適応制御部14は、起動した当該適応制御用シナリオに準じて、機能配置制御部12及びパス構成制御部13に対して所定の指令を行うことによって、現在のネットワーク構成(ノードや装置の機能配置や論理パスの構成)を変更するように構成されている。
【0041】
例えば、適応制御部14は、網負荷予測ノード150から取得した通信需要予測及び現在のネットワーク構成に基づいて、各サービスエリアに存在すると予想されるユーザ端末90の通信が可能となるように、各ノード間の論理パスの構成や、各サービス制御ノード30及びアクセス装置50における機能配置を制御するために、機能配置制御部12及びパス構成制御部13に指示するものである。
【0042】
適応制御部14は、論理パス構成を作成した後、実際のネットワークの物理回線(リンク)上に当該論理パス構成をマッピングした結果に基づいて、機能配置制御部12及びパス構成制御部13に所定の指示を行うように構成されていてもよい。
【0043】
なお、適応制御部14は、アクセス装置50における機能配置の制御として、当該アクセス装置50によってカバーされ得るサービスエリア(セル)の形状(送信電力の大きさ及びアンテナの方向)を制御するように構成されていてもよい。
【0044】
蓄積部16は、現在のネットワーク構成についての情報や、リソース状況についての情報を蓄積するものである。
【0045】
図3を参照して、サービス制御ノード30の構成について説明する。サービス制御ノード30は、アクセス装置50を介してサービス要求を送信したユーザ端末90に対して所定サービスを提供するものである。
【0046】
図3に示すように、サービス制御ノード30は、ノード管理部31と、サービス提供部32とを具備している。ノード管理部31は、ノード機能設定部31aと、ノードリソース状況モニタ部31bとを具備している。
【0047】
ノード機能設定部31aは、転送ノード70を介して網構成管理ノード10から送信された制御信号(プログラム及びデータを含むサービス定義)に基づいて、ユーザ端末90に対して上述の所定サービスを提供するための機能プログラムをサービス提供部32に設定するように構成されている。
【0048】
また、ノード機能設定部31aは、サービス提供部32において提供可能なサービスの種類を一元的に管理している。なお、かかるサービスの種類は可変であり、サービス提供部32において提供可能なサービス用の制御信号(プログラム及びデータを含むサービス定義)のみが網構成管理ノード10からサービス制御ノード30に送信されるように構成されている。
【0049】
また、ノード機能設定部31aは、サービス提供部32における機能の設定結果を、転送ノード70を介して網構成管理ノード10に報告する。
【0050】
ノードリソース状況モニタ部31bは、サービス制御ノード30のリソース状況を監視して、転送ノード70を介して当該リソース状況を網構成管理ノード10に報告するように構成されている。
【0051】
サービス提供部32は、ユーザ端末90からのサービス要求に応じて、所定サービスを提供するように構成されている。具体的には、サービス提供部32は、ノード機能設定部31aにより設定された機能プログラムを実行することよって、所定サービスを提供することができる。
【0052】
例えば、サービス提供部32は、アクセス装置50から転送されたサービス要求に応じてユーザ端末90についての認証処理を行い、アクセス装置50に認証処理の結果を送信することができる。また、サービス提供部32は、網構成管理ノード10からの指示に応じて、他のサービス制御ノード30に所定サービスの提供処理を移行させることができる。
【0053】
なお、サービス提供部32は、上述の機能プログラムを実行することが可能なハードウエア構成を具備しており、他のサービス制御ノード30や網構成管理ノード10から受信した制御信号(プログラム及びデータを含むサービス定義)に基づいて設定された機能プログラムを実行することによって所定サービスを提供することができる。その結果、サービス制御ノード30に、サービス内容毎の専用装置を設ける必要は無い。
【0054】
図4を参照して、アクセス装置50の構成について説明する。アクセス装置50は、有線又は無線を介してユーザ端末90と接続されており、論理パスを介してサービス制御ノード30に接続されている。
【0055】
アクセス装置50は、図4に示すように、端末情報管理部51と、情報転送実行部52とを具備している。端末情報管理部51は、端末情報設定部51aと、装置リソース状況モニタ部51bとを具備している。
【0056】
端末情報設定部51aは、転送ノード70を介して網構成管理ノード10から送信された制御信号に応じて、情報転送実行部52による情報転送処理を実行するための情報を設定するものである。
【0057】
また、端末情報設定部51aは、当該アクセス装置50における情報の設定結果を、転送ノード70を介して網構成管理ノード10に報告する。
【0058】
装置リソース状況モニタ部51bは、アクセス装置50のリソース状況を監視して、転送ノード70を介して当該リソース状況を網構成管理ノード10に報告するように構成されている。具体的には、装置リソース状況モニタ部51bは、情報転送実行部52の負荷状態を監視することによって、回線使用率(無線リソース使用率や有線リソース使用率)を監視することができる。
【0059】
情報転送実行部52は、端末情報設定部51aにより設定された情報に基づいて、ユーザ端末90からの情報を、所定のサービス制御ノード30に転送するものである。
【0060】
具体的には、情報転送実行部52は、ユーザ端末90からの情報のうち、所定情報については認証処理を行うことなくサービス制御ノード30に転送し、その他の情報については認証処理結果に基づいてサービス制御ノード30に転送するか否かについて判断するように設定することができる。
【0061】
例えば、情報転送実行部52は、ユーザ端末90からのサービス要求(所定情報)については、認証処理を行うことなく、転送ノード70を介して所定のサービス制御ノード30に転送し、ユーザ端末90からのユーザデータ(その他の情報)については、当該所定のサービス制御ノード30からの認証処理結果に応じて、転送ノード70を介して所定のサービス制御ノード30に転送するか否かについて判断するように構成されていてもよい。
【0062】
なお、情報転送実行部52は、ユーザ端末90のMACアドレスやIPアドレス等に基づいてユーザ端末90についての認証処理を行い、ユーザ端末90毎に情報転送処理の方法を変更するように構成されていてもよい。
【0063】
情報転送実行部52は、ユーザ端末90からの位置情報を、所定の移動制御ノード110に転送するように構成されている。
【0064】
また、アクセス装置50は、回線リソース(無線リソースや有線リソース)の不足時に、ネットワークに即時に組み込み可能な可搬型アクセス装置及び当該可搬型アクセス装置に付随する装置によって構成されていてもよい。
【0065】
図5を参照して、転送ノード70の構成について説明する。転送ノード70は、網構成管理ノード10と複数のサービス制御ノード30と複数のアクセス装置50と移動制御ノード110とセッション制御ノード130とを接続するネットワーク(制御信号網A及び情報転送網B)を構成するためのものである。
【0066】
転送ノード70は、図5に示すように、信号網管理部71と、情報転送実行部72とを具備している。信号網管理部71は、パス構成設定部71aと、リンクリソース状況モニタ部71bとを具備している。
【0067】
パス構成設定部71aは、制御信号網Aを介した網構成管理ノード10からの指示に応じて、情報転送実行部72において論理パスの設定及び変更を行わせるように構成されている。
【0068】
また、パス構成設定部71aは、当該転送ノード70における論理パスの設定及び変更結果を、情報転送実行部72及び制御信号網Aを介して網構成管理ノード10に報告する。
【0069】
リンクリソース状況モニタ部71bは、当該転送ノード70におけるリンクリソース状況を監視して、情報転送実行部72及び制御信号網Aを介して当該リンクリソース状況を網構成管理ノード10に報告するように構成されている。
【0070】
情報転送実行部72は、当該転送ノードが接続されているノード又は装置10、30、50、110、130と、制御信号網A又は情報転送網Bとの間で情報転送処理を実行するものである。
【0071】
具体的には、特定の転送ノード70に接続されている情報転送実行部72は、パス構成設定部71aからの指示に従って、他の転送ノードに接続されている情報転送実行部72との間に設けられているリンク上に論理パスを設定したり開放したりするように構成されている。
【0072】
ここで、情報は、ネットワーク内に張り巡らされた論理パスのうち、指定された論理パス上を転送されて終端する。なお、論理パスは、同一の転送ノード70同士の間で設定されているものであっても、その用途によって違う論理パスとして識別される。
【0073】
論理パスの例としては、ATM(Asynchronous Transfer Mode)技術におけるVC(Virtual Connection)/VP(Virtual Path)や、MPLS技術やGMPLS技術で実現されるラベルスイッチパスや、DWDM技術におけるλパスや、光パス等の物理パスそのものを論理的に指定できるような論理パスが含まれる。
【0074】
図6を参照して、移動制御ノード110の構成について説明する。移動制御ノード110は、各アクセス装置50を介したユーザ端末90の通信を制御するものである。
【0075】
例えば、移動制御ノード110は、移動通信システムにおけるホームロケーションレジスタ(HLR)や、モバイルIPシステムにおけるホームエージェント(HA)や、IP電話システムにおけるSIPサーバ等に該当する。
【0076】
図6に示すように、移動制御ノード110は、ユーザ情報管理部111と、位置情報取得部112と、制御部113と、ユーザ情報通知部114とを具備している。
【0077】
ユーザ情報管理部111は、各ユーザ端末がどのサービスエリア内に存在しているかについて管理するものである。具体的には、ユーザ情報管理部111は、ユーザ端末90を一意に識別するための「ユーザID」と、当該ユーザ端末90の存在するサービスエリアを示す「位置情報」とを関連付けるユーザ情報を管理している。すなわち、ユーザ情報管理部111は、検索の高速化のために、ユーザIDをキーとして、ユーザ端末の位置情報を検索することが可能に構成されているデータベースである。
【0078】
また、ユーザ情報管理部111は、通信状態のユーザ端末に係るユーザ情報だけでなく、非通信状態のユーザ端末に係るユーザ情報を管理するように構成されていてもよい。
【0079】
位置情報取得部112は、各ユーザ端末90が接続しているアクセス装置50を介して、当該ユーザ端末90の存在するサービスエリアを示す「位置情報」を取得するものである。
【0080】
例えば、位置情報取得部112は、HLRへの登録情報によって「位置情報」を取得してもよいし、HAへの登録情報によって「位置情報」を取得してもよいし、SIPサーバへの登録情報によって「位置情報」を取得してもよい。
【0081】
また、位置情報取得部112は、ユーザ端末90におけるGPS等の自己測位技術による自己測位位置情報(緯度・経度や、位置を示すID等)を、能動的に又は受動的に取得し、取得した自己測位位置情報に基づいて算出した位置情報を、上述の位置情報としてもよい。
【0082】
制御部113は、ユーザ情報管理部111において管理されているユーザ情報に基づいて、ユーザ端末90による通信を可能とするための制御を行うものである。
【0083】
ユーザ情報通知部114は、ユーザ情報管理部111内のユーザ情報をユーザ分布データベース120に通知するものである。例えば、ユーザ情報通知部114は、定期的にユーザ情報を通知するように構成されていてもよいし、ユーザ端末90の移動を契機としてユーザ情報を通知するように構成されていてもよいし、ユーザ分布データベース120からの要求に応じてユーザ情報を通知するように構成されていてもよい。
【0084】
図7を参照して、ユーザ分布データベース120の構成について説明する。ユーザ分布データベース120は、移動制御ノード110における管理情報に基づいて、サービスエリアごとに、通信状態のユーザ端末90に係るユーザ情報を管理するものである。なお、ユーザ分布データベース120は、移動制御ノード110における管理情報に基づいて、サービスエリアごとに、通信状態のユーザ端末90に係るユーザ情報に加えて、非通信状態のユーザ端末90に係るユーザ情報を管理するように構成されていてもよい。
【0085】
図7に示すように、ユーザ分布データベース120は、ユーザ分布情報管理部121と、ユーザ情報取得部122と、ユーザ分布情報通知部123とを具備している。
【0086】
ユーザ分布情報管理部121は、ユーザ端末90の位置情報としてのサービスエリアを識別する「サービスエリア番号」と、当該サービスエリアに存在するユーザ端末90の数を示す「ユーザ数」と、当該サービスエリアに存在する全てのユーザ端末90を識別する複数の「ユーザID」とを関連付けるユーザ分布情報を管理するものである。すなわち、ユーザ分布情報管理部121は、検索の高速化のために、サービスエリア番号をキーとして、ユーザ数及びユーザIDを検索することが可能に構成されているデータベースである。
【0087】
ユーザ情報取得部122は、所定タイミングで、移動制御ノード110に対してユーザ情報要求を送信することによって、サービスエリアごとのユーザ情報(ユーザ数及びユーザID)を取得するものである。
【0088】
ユーザ分布情報通知部123は、ユーザ分布情報管理部121内のユーザ分布情報を網負荷予測ノード150に通知するものである。例えば、ユーザ分布情報通知部123は、定期的にユーザ分布情報を通知するように構成されていてもよいし、網負荷予測ノード150からの要求に応じてユーザ分布情報を通知するように構成されていてもよい。
【0089】
図8を参照して、セッション制御ノード130の構成について説明する。セッション制御ノード130は、各ユーザ端末90によって行われている通信(セッション)を制御及び監視するものである。
【0090】
例えば、セッション制御ノード130は、ユーザ認証を行う認証サーバの機能の一部や、課金処理を行う課金サーバの機能の一部や、呼処理を行う交換機、SIPサーバ又はHLRの機能の一部に該当する。
【0091】
図8に示すように、セッション制御ノード130は、セッション情報管理部131と、セッション情報取得部132と、セッション情報通知部133とを具備している。
【0092】
セッション情報管理部131は、各ユーザ端末90によって行われた通信(各セッション)に係る通信履歴を管理するものである。例えば、セッション情報管理部131は、「発信者ID」と、「着信者ID」と、「通信開始時間」と、「通信終了時間」と、「発信者の位置情報(開始時)」と、「発信者の位置情報(終了時)」と、「着信者の位置情報(開始時)」と、「着信者の位置情報(終了時)」と、「通信量」と、「通信の種類」とを含むセッション情報(通信履歴)を管理する。
【0093】
セッション情報取得部132は、ユーザ端末90によって行われていた通信が終了した際に、当該通信に係る通信履歴(セッション情報)を作成してセッション情報管理部131に蓄積するものである。
【0094】
セッション情報通知部133は、セッション情報管理部131内のセッション情報をユーザ通信傾向データベース140に通知するものである。例えば、セッション情報通知部133は、定期的にセッション情報を通知するように構成されていてもよいし、ユーザ端末90によって行われていた通信(セッション)が終了した際にセッション情報を通知するように構成されていてもよいし、ユーザ通信傾向データベース130からの要求に応じてセッション情報を通知するように構成されていてもよい。
【0095】
図9を参照して、ユーザ通信傾向データベース140の構成について説明する。ユーザ通信傾向データベース140は、セッション制御ノード130から取得したセッション情報に基づいて、各サービスエリアにおけるユーザ端末90の通信の特徴や傾向を学習するためのデータベースである。
【0096】
図9に示すように、ユーザ通信傾向データベース140は、セッション情報取得部141と、通信傾向管理部142と、異常情報管理部143と、通信傾向通知部144とを具備している。
【0097】
セッション情報取得部141は、所定タイミングで、セッション制御ノード130に対してセッション情報要求を送信することによって、サービスエリアごとのユーザ端末90のセッション情報を取得するものである。
【0098】
通信傾向管理部142は、セッション情報取得部141によって取得したサービスエリアごとのユーザ端末90のセッション情報に基づいて、サービスエリアごとのユーザ端末90の通信の特徴や傾向を示す通信傾向情報を作成して管理するものである。
【0099】
例えば、通信傾向管理部142は、取得した上述のセッション情報をそのまま通信傾向情報として蓄積してもよいし、取得した上述のセッション情報に係る通信の特徴や傾向を考慮して当該セッション情報を特定の通信モデルに当てはめ、当てはめられた通信モデルを示すパラメータを通信傾向情報として蓄積してもよい。セッション情報の情報量が膨大な場合に、後者の方式を用いることによって、情報の圧縮を図ることができる。
【0100】
異常情報管理部143は、地域的異常情報や時間的異常情報等の異常情報を管理するものである。かかる異常情報は、オペレータ等によって入力される。
【0101】
地域的異常情報は、特定地域における特殊なトラヒック状況の発生を示唆する情報である。例えば、地域的異常情報は、祭りや花火大会やコンサートや災害等の地域的イベントによって、特定地域において特殊なトラヒック状況が発生する可能性が高いことを示唆する。
【0102】
また、時間的異常情報は、特定時間における特殊なトラヒック状況の発生を示唆する情報である。例えば、時間的異常情報は、人気の高いチケットの販売開始や元旦等の時間的イベントによって、特定時間において特殊なトラヒック状況が発生する可能性が高いことを示唆する。
【0103】
通信傾向通知部144は、通信傾向管理部142内の通信傾向情報を網負荷予測ノード150に通知するものである。例えば、通信傾向通知部144は、定期的に通信傾向情報を通知するように構成されていてもよいし、網負荷予測ノード150からの要求に応じて通信傾向情報を通知するように構成されていてもよい。
【0104】
図10を参照して、網負荷予測ノード150の構成について説明する。網負荷予測ノード150は、所定タイミングで、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報(ユーザ分布情報)及び各ユーザ端末の通信履歴(セッション情報)を取得し、当該ユーザ情報及び当該通信履歴(セッション情報)に基づいて各サービスエリアにおける通信需要予測を算出するものである。
【0105】
図10に示すように、網負荷予測ノード150は、ユーザ分布情報取得部151と、通信傾向取得部152と、算出部153と、通信需要予測通知部154とを具備している。
【0106】
ユーザ分布情報取得部151は、ユーザ分布データベース120から、所定タイミングで、ユーザ分布情報要求を送信することによって、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報(ユーザ分布情報)を取得するものである。ユーザ分布情報取得部151は、定期的にユーザ分布情報を取得してもよいし、オペレータからの指示に応じてユーザ分布情報を取得してもよいし、網構成管理ノード10からの予測依頼に基づきユーザ分布情報を取得してもよい。
【0107】
通信傾向取得部152は、ユーザ通信傾向データベース140から、所定タイミングで、通信傾向要求を送信することによって、サービスエリアごとのユーザ端末90の通信の特徴や傾向を示す通信傾向情報を取得するものである。通信傾向取得部152は、定期的に通信傾向情報を取得してもよいし、オペレータからの指示に応じて通信傾向情報を取得してもよいし、網構成管理ノード10からの予測依頼に基づき通信傾向情報を取得してもよい。
【0108】
算出部153は、受信したユーザ分布情報及び通信傾向情報に基づいて各サービスエリアにおける通信需要予測を算出するものである。
【0109】
具体的には、算出部153は、数学的集合集計法を用いて、各サービスエリアに存在するユーザ端末90の通信の特徴や傾向を解析するように構成されている。
【0110】
その結果、算出部153は、特定のサービスエリアから特定のサービスエリア宛てに発信される通信に係る通信量(パケットデータ量や通信帯域等)や、各サービスエリアにおける通信に必要とされる通信処理量(サービス提供回数等)を、通信需要予測として統計的に算出する。
【0111】
例えば、算出部153は、ユーザ情報と通信傾向情報と通信需要予測とを所定の方法で対応付けるように構成されており、受信したユーザ情報及び通信傾向情報に対応付けられている通信需要予測を出力するように構成されていてもよい。
【0112】
なお、算出部153は、上述のユーザ分布情報及び通信傾向情報に加えて、ユーザの属性情報に基づいて、通信需要予測を算出するように構成されていてもよい。
【0113】
また、算出部153は、具体的な通信量等の代わりに、特定のサービスエリアにおける通信量が一時的に増加するという通信需要予測を算出するように構成されていてもよい。
【0114】
通信需要予測通知部154は、算出部153により算出された通信需要予測を網構成管理ノード10に通知するものである。通信需要予測通知部154は、定期的に通信需要予測を通知してもよいし、オペレータからの指示に応じて通信需要予測を通知してもよいし、網構成管理ノード10からの予測依頼に基づき通信需要予測を通知してもよい。
【0115】
(本発明の一実施形態に係る通信システムの動作)
図11乃至図13を参照して、本実施形態に係る通信システムの動作について説明する。
【0116】
第1に、図11を参照して、本実施形態に係る通信システムにおいて、ユーザ分布データベース120を更新する動作を説明する。
【0117】
ステップ1101において、ユーザ端末90Aが、呼び出しエリア決定のために、又は、通信継続のために、ユーザ端末90Aが存在しているサービスエリアを管理するアクセス装置50Dに対して、継続的に位置情報を通知する。
【0118】
例えば、携帯電話であるユーザ端末90Aは、当該ユーザ端末90Aの移動により呼び出しエリアが変化した場合、又は、当該ユーザ端末90Aに電源が投入された場合等に、当該アクセス装置50Dに対して位置情報を通知するように構成されている。
【0119】
モバイルIP端末であるユーザ端末90Aは、当該ユーザ端末90Aの移動によりネットワークドメインが変化した場合、又は、移動制御ノード(HA)110からの位置情報が要求された場合等に、当該アクセス装置50Dに対して位置情報を通知するように構成されている。
【0120】
ステップ1102において、アクセス装置50Dが、受信した位置情報を移動制御ノード110に送信する。移動制御ノード110は、受信した位置情報に応じて、ユーザ情報管理部111内のサービスエリアごとのユーザ情報を更新する。
【0121】
ステップ1103及びステップ1104において、移動制御ノード110は、ユーザ端末90Aによるアクセス装置50Dを介した通信を制御する。
【0122】
ステップ1105において、ユーザ分布データベース120は、所定タイミングで、移動制御ノード110に対してユーザ情報要求を送信する。ステップ1106において、移動制御ノード110は、当該ユーザ情報要求に応じて、ユーザ情報管理部111内のユーザ情報をユーザ分布データベース120に通知する。
【0123】
ステップ1107において、ユーザ分布データベース120は、受信したユーザ情報に基づいて、ユーザ分布情報管理部121内のユーザ分布情報を更新する。
【0124】
第2に、図12を参照して、本実施形態に係る通信システムにおいて、ユーザ通信傾向データベースを更新する動作を説明する。
【0125】
アクセス装置50Dは、ステップ1201において、ユーザ端末90Aによる通信の開始を検出すると、ステップ1202において、セッション制御ノード130に対してその旨を通知する。
【0126】
そして、アクセス装置50Dは、ステップ1203において、ユーザ端末90Aによる通信の終了を検出すると、ステップ1204において、セッション制御ノード130に対してその旨を通知する。かかる通知に応じて、セッション制御ノード130は、セッション情報管理部131内に当該通信(セッション)に係る通信履歴を作成して蓄積する。
【0127】
ステップ1205において、ユーザ通信傾向データベース140は、所定タイミングで、セッション制御ノード130に対してセッション情報要求を送信する。ステップ1206において、セッション制御ノード130は、当該セッション情報要求に応じて、セッション情報管理部131内のセッション情報をユーザ通信傾向データベース140に通知する。
【0128】
ステップ1207において、ユーザ通信傾向データベース140は、受信したセッション情報に基づいて、通信傾向管理部142内の通信傾向情報を更新する。
【0129】
第3に、図13を参照して、本実施形態に係る通信システムにおいて、論理パスを変更する動作を説明する。
【0130】
ステップ1301において、網構成管理ノード10が、所定タイミングで通信需要予測依頼を網負荷予測ノード150に送信し、ステップ1302において、網負荷予測ノード150の適応制御部14が、受信した通信需要予測依頼に応じて、適応制御用シナリオを起動する。
【0131】
ステップ1303において、網負荷予測ノード150のユーザ分布情報取得部151が、ユーザ分布データベース120に対してユーザ分布情報要求を送信し、ステップ1304において、ユーザ分布データベース120が、受信したユーザ分布情報要求に応じて、ユーザ分布情報管理部121内のサービスエリアごとのユーザ情報(ユーザ分布情報)を網負荷予測ノード150に送信する。
【0132】
ステップ1305において、網負荷予測ノード150の通信傾向取得部152が、ユーザ通信傾向データベース140に対して通信傾向要求を送信し、ユーザ通信傾向データベース140が、受信した通信傾向要求に応じて通信傾向管理部142内のユーザ端末90ごとの通信傾向を網負荷予測ノード150に送信する。ここで、ユーザ端末90の数だけ、ステップ1305が繰り返される。
【0133】
ステップ1306において、網負荷予測ノード150の算出部153が、サービスエリアごとのユーザ分布情報(各サービスエリアに存在するユーザ端末数等)及び各ユーザ端末90に係る通信傾向情報に基づいて、各サービスエリア間の通信量及び各サービスエリアにおける通信処理量に係る通信需要予測を算出する。
【0134】
ステップ1307において、網負荷予測ノード150の通信需要予測通知部154が、算出した通信需要予測を網構成管理ノード10に通知する。
【0135】
ステップ1308において、網構成管理ノード10の適応制御部14が、現在のネットワーク構成及び受信した通信需要予測に基づいて、各ノード間の論理パス構成、及び各サービス制御装置や各アクセス装置50における機能配置について制御する。
【0136】
(本発明の一実施形態に係る通信システムの作用・効果)
本実施形態に係る通信システムによれば、所定タイミングで取得された各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報及び各ユーザ端末によって行われた通信に係る通信履歴に基づいて、各サービスエリアにおける通信需要予測を算出するため、精度の高いネットワーク設備の需要予測を効率的に算出することができる。
【0137】
また、本実施形態に係る通信システムによれば、上述のように算出した通信需要予測に基づいて、アクセス装置とサービス制御ノードとの間の論理パスを制御するため、ネットワーク設備の利用効率を上げることができる。
【0138】
また、本実施形態に係る通信システムによれば、通信状態のユーザ端末に係るユーザ情報だけでなく、非通信状態のユーザ端末に係るユーザ情報をも管理しているため、より精度の高いネットワーク設備の需要予測を算出することができる。
【0139】
また、本実施形態に係る通信システムによれば、ネットワーク設備の需要予測を自動的に算出することができるため、人的コストの圧縮につながり、かつ、需要予測精度の悪さから生じる余剰ネットワーク設備を減らすことができる。
【0140】
また、本実施形態に係る通信システムによれば、輻輳等によって生じる規制制御の回数が減ることが見込まれるため、疎通率を向上させることが可能となり、ユーザ側にとっても高品質のサービス提供を受けることができるというメリットを得られる。
【0141】
以上、本発明を実施例により詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本願中に説明した実施例に限定されるものではないということは明らかである。本発明の装置は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本願の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0142】
以上説明したように、本発明によれば、精度の高いネットワーク設備の需要予測を効率的に算出し、ネットワーク設備の利用効率を上げることを可能とする通信システム、通信方法、これらに用いて好適な網負荷予測ノード及び網構成管理ノードを提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサービスエリアに存在する複数のユーザ端末が通信を行う通信システムであって、
各ユーザ端末がどのサービスエリア内に存在しているかについて管理する移動制御ノードと、
各ユーザ端末によって行われた通信に係る通信履歴を管理するセッション制御ノードと、
所定タイミングで、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報及び各ユーザ端末の通信履歴を取得し、該ユーザ情報及び該通信履歴に基づいて各サービスエリアにおける通信需要予測を算出する網負荷予測ノードとを具備することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記網負荷予測ノードから取得した前記通信需要予測に基づいて、所定のサービスエリア内のユーザ端末との間で通信可能なアクセス装置と、該アクセス装置を介して該ユーザ端末に対して所定サービスを提供するサービス制御ノードとの間の論理パスを制御する網構成管理ノードを具備することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記移動制御ノードにおける管理情報に基づいて、前記サービスエリアごとに、通信状態のユーザ端末に係るユーザ情報及び非通信状態のユーザ端末に係るユーザ情報を管理するユーザ分布データベースを具備し、
前記網負荷予測ノードは、前記ユーザ分布データベースから、所定タイミングで、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
複数のサービスエリアに存在する複数のユーザ端末が通信を行う通信システムで用いられる網負荷予測ノードであって、
所定タイミングで、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報及び各ユーザ端末によって行われた通信に係る通信履歴を取得する取得部と、
前記ユーザ情報及び前記通信履歴に基づいて各サービスエリアにおける通信需要予測を算出する算出部とを具備することを特徴とする網負荷予測ノード。
【請求項5】
複数のサービスエリアに存在する複数のユーザ端末が通信を行う通信システムで用いられる網構成管理ノードであって、
各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報及び各ユーザ端末によって行われた通信に係る通信履歴に基づいて算出された通信需要予測に基づいて、所定のサービスエリア内のユーザ端末との間で通信可能なアクセス装置と該アクセス装置を介して該ユーザ端末に対して所定サービスを提供するサービス制御ノードとの間の論理パスを制御することを特徴とする網構成管理ノード。
【請求項6】
複数のサービスエリアに存在する複数のユーザ端末が通信を行う通信方法であって、
移動制御ノードが、各ユーザ端末がどのサービスエリア内に存在しているかについて管理する工程と、
セッション制御ノードが、各ユーザ端末によって行われた通信に係る通信履歴を管理する工程と、
網負荷予測ノードが、所定タイミングで、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報及び各ユーザ端末の通信履歴を取得する工程と、
前記網負荷予測ノードが、前記ユーザ情報及び前記通信履歴に基づいて各サービスエリアにおける通信需要予測を算出する工程とを有することを特徴とする通信方法。
【請求項1】
複数のサービスエリアに存在する複数のユーザ端末が通信を行う通信システムであって、
各ユーザ端末がどのサービスエリア内に存在しているかについて管理する移動制御ノードと、
各ユーザ端末によって行われた通信に係る通信履歴を管理するセッション制御ノードと、
所定タイミングで、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報及び各ユーザ端末の通信履歴を取得し、該ユーザ情報及び該通信履歴に基づいて各サービスエリアにおける通信需要予測を算出する網負荷予測ノードとを具備することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記網負荷予測ノードから取得した前記通信需要予測に基づいて、所定のサービスエリア内のユーザ端末との間で通信可能なアクセス装置と、該アクセス装置を介して該ユーザ端末に対して所定サービスを提供するサービス制御ノードとの間の論理パスを制御する網構成管理ノードを具備することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記移動制御ノードにおける管理情報に基づいて、前記サービスエリアごとに、通信状態のユーザ端末に係るユーザ情報及び非通信状態のユーザ端末に係るユーザ情報を管理するユーザ分布データベースを具備し、
前記網負荷予測ノードは、前記ユーザ分布データベースから、所定タイミングで、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
複数のサービスエリアに存在する複数のユーザ端末が通信を行う通信システムで用いられる網負荷予測ノードであって、
所定タイミングで、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報及び各ユーザ端末によって行われた通信に係る通信履歴を取得する取得部と、
前記ユーザ情報及び前記通信履歴に基づいて各サービスエリアにおける通信需要予測を算出する算出部とを具備することを特徴とする網負荷予測ノード。
【請求項5】
複数のサービスエリアに存在する複数のユーザ端末が通信を行う通信システムで用いられる網構成管理ノードであって、
各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報及び各ユーザ端末によって行われた通信に係る通信履歴に基づいて算出された通信需要予測に基づいて、所定のサービスエリア内のユーザ端末との間で通信可能なアクセス装置と該アクセス装置を介して該ユーザ端末に対して所定サービスを提供するサービス制御ノードとの間の論理パスを制御することを特徴とする網構成管理ノード。
【請求項6】
複数のサービスエリアに存在する複数のユーザ端末が通信を行う通信方法であって、
移動制御ノードが、各ユーザ端末がどのサービスエリア内に存在しているかについて管理する工程と、
セッション制御ノードが、各ユーザ端末によって行われた通信に係る通信履歴を管理する工程と、
網負荷予測ノードが、所定タイミングで、各サービスエリアに存在するユーザ端末に係るユーザ情報及び各ユーザ端末の通信履歴を取得する工程と、
前記網負荷予測ノードが、前記ユーザ情報及び前記通信履歴に基づいて各サービスエリアにおける通信需要予測を算出する工程とを有することを特徴とする通信方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【国際公開番号】WO2005/060161
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【発行日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−516347(P2005−516347)
【国際出願番号】PCT/JP2004/018839
【国際出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【発行日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【国際出願番号】PCT/JP2004/018839
【国際出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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