説明

通信システム

【課題】
一段と高速にデータ通信し得るデータ通信システムを実現する。
【解決手段】
電子機器2が、メモリカード4の筐体5に露出しているパラレル通信モードであることを示す延長溝部分G10eを、溝検出スイッチ9で検出することにより、メモリカード4がパラレル通信方式に対応していることを認識することができ、この結果、電子機器2がシリアル通信方式でメモリカード4とデータ通信してメモリカード4の対応する通信方式を認識する処理を行わずに、直ちにパラレル通信方式で実データの送受を開始することができるので、一段と高速にデータ通信し得るデータ通信システムを実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システムに関し、例えば電子機器と半導体記憶装置との間で通信する際に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、フラッシュメモリ等の半導体メモリを内蔵したカード型の半導体記憶装置(以下、これをメモリカードとも呼ぶ)が広く普及しており、かかるメモリカードとしては、メモリスティックPRO(R)等が知られている(例えば特許文献1参照)。このメモリカードは、ハードディスク等と比べて小型で耐久性に優れていることから、特にデジタルスチルカメラや携帯電話機、携帯型オーディオプレイヤ等のような携帯型の電子機器の記憶媒体として多く用いられている。また、デジタルスチルカメラ等で撮像した画像データをプラズマテレビや液晶テレビ等で見たり、画像データをデスクトップ型パーソナルコンピュータで編集したりするために据え置き型の電子機器にも用いられている。
【0003】
実際上、メモリカードを記憶媒体として用いる電子機器の筐体にはメモリカードを挿着するための挿着孔(以下、これをカードスロットとも呼ぶ)が設けられており、このカードスロットにメモリカードが挿着されることにより当該メモリカードと接続してデータ通信し得るようになされている。
【0004】
ところで、従来このような電子機器及びメモリカードにおいては、1ビットずつデータをやり取りするシリアル通信方式でデータ通信するものが主流であった。ところが近年メモリカードの大容量化と共に当該メモリカードで扱うデータ量が飛躍的に増加していることから、シリアル通信方式ではその通信速度がネックになりつつある。そこで1度に数ビットずつデータをやり取りすることによりシリアル通信方式よりも通信速度を向上させたパラレル通信方式でデータ通信し得る電子機器及びメモリカードが提案されている。
【0005】
また、このパラレル通信方式対応の電子機器及びメモリカードにおいては、現在広く普及しているシリアル通信方式の電子機器及びメモリカードも使用できるように、シリアル及びパラレルの両通信方式に対応するものも提案されている。このような両通信方式に対応する電子機器及びメモリカードは、例えばシリアル通信方式でデータ通信するモード(以下、これをシリアル通信モードとも呼ぶ)とパラレル通信方式でデータ通信するモード(以下、これをパラレル通信モードとも呼ぶ)とを切り替え得るようになされている。
【0006】
ここで、シリアル及びパラレルの両通信方式に対応した電子機器における通信モードの切替手順について、図13のシーケンスチャートを用いて説明する。
【0007】
電子機器は、初期モードとして互換性のあるシリアル通信モードで動作するようになされており、カードスロットにメモリカードが挿着されると、ステップSP100において当該メモリカードの挿着を確認し、次のステップSP101に移る。ステップSP101において電子機器は、メモリカードの種別を示す情報(以下、これをメディア種別情報とも呼ぶ)をメモリカードに読み出させるコマンドをシリアル通信方式で当該メモリカードに送信する。
【0008】
メモリカードは、電子機器からメディア種別情報を読み出すコマンドを受信すると、ステップSP102において、自身に記憶されているメディア種別情報を読み出し、これをシリアル通信方式で電子機器に送信する。
【0009】
電子機器は、メモリカードからメディア種別情報を受信すると、続くステップSP103において、このメディア種別情報からメモリカードの種別を認識して、次のステップSP104に移る。
【0010】
ステップSP104において電子機器は、挿着されたメモリカードの種別がパラレル通信方式に対応したものであるか否かを判定する。ここで肯定結果を得ると、電子機器は、次のステップSP105に移り、メモリカード内部に設けられたレジスタの所定部分に書き込まれている通信モード設定値をシリアル通信モードを示す値からパラレル通信モードを示す値に書き替えるコマンド(以下、これを通信モード切替コマンドとも呼ぶ)をシリアル通信方式でメモリカードに送信してから、自身の通信モードをパラレル通信モードに切り替える。
【0011】
メモリカードは、通信モード切替コマンドを電子機器から受信すると、ステップSP106において、この通信モード切替コマンドに応じて、内部に設けられたレジスタの所定部分に書き込まれている通信モード設定値をシリアル通信モードを示す値からパラレル通信モードを示す値に書き替えることにより、自身の通信モードをパラレル通信モードに切り替える。
【0012】
ステップSP107において電子機器は、パラレル通信モードに遷移したメモリカードに対して、メモリカードに書き込むべきデータをパラレル通信方式で送信する。なお、以下の説明においては、メモリカードに書き込むべきデータ及びメモリカードからよ読み出すべきデータを実データとも呼ぶ。
【0013】
これに対して上述のステップSP104において否定結果を得ると、このことは、挿着されたメモリカード4の種別がパラレル通信方式に非対応の種別であることを表しており、このとき電子機器は、シリアル通信モードのままステップSP107に移る。
【0014】
ステップSP107において電子機器は、シリアル通信方式にのみ対応するメモリカードに対して、実データをシリアル通信方式で送信する。
【0015】
このようにシリアル及びパラレルの両通信方式に対応する電子機器は、まず挿着されたメモリカードにシリアル通信方式でアクセスして当該メモリカードからメディア種別情報を取得し、このメディア種別情報をもとに当該メモリカードの対応する通信方式を認識する。そして電子機器は、メモリカードの対応する通信方式が例えばシリアル及びパラレルの両方であることを認識した場合、自身の通信モードと当該メモリカードの通信モードとをシリアルからパラレルに切り替えて、当該メモリカードとパラレル通信方式でデータ通信するようになされている。
【特許文献1】特開2003−242470公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところで、従来のシリアル及びパラレルの両通信方式に対応する電子機器においては、挿着されたメモリカードにシリアル通信モードでアクセスしてメディア識別情報を取得しなければ、当該メモリカードの対応する通信方式がシリアルのみであるのか、あるいはシリアル及びパラレルの両方であるのかを認識することができない。
【0017】
従って、この電子機器は、例えば挿着されたメモリカードがパラレル通信方式対応であっても、はじめにシリアル通信方式でデータ通信して当該メモリカードがパラレル通信方式対応であることを認識してからでなければパラレル通信方式で実データの送受を開始することができなかった。
【0018】
このように、従来の電子機器及びメモリカードでは、所定の通信方式(ここではシリアル通信方式)でデータ通信して互いの通信方式を認識する処理を行ってからでなければ、実データの送受を開始することができず、結果として実データの送受を開始するまでに時間がかかるという問題があった。
【0019】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、一段と高速に通信し得る通信システムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
かかる課題を解決するため本発明の通信システムにおいては、第1の通信装置と第2の通信装置とが接続されて互いに対応する通信方式で通信する通信システムにおいて、第1の通信装置に、第1の通信方式に対応する第1の通信手段と、第1の通信方式に対応することを示す凹部が形成された筐体とを設け、第2の通信装置に、第1の通信方式に対応する第2の通信手段と、第1の通信装置の筐体に設けられた凹部を検出する検出手段と、検出手段により凹部が検出されると、第1の通信方式で通信するよう第2の通信手段を制御する制御手段とを設けるようにした。
【0021】
この結果、第2の通信装置が、第1の通信装置の筐体に設けられた第1の通信方式に対応することを示す凹部を検出することにより当該第1の通信装置が第1の通信方式に対応することを認識することができるので、所定の通信方式で第1の通信装置と通信して第1の通信装置の対応する通信方式を認識する処理を行わずに、直ちに第1の通信方式で実データの送受を開始することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、第2の通信装置が、第1の通信装置の筐体に設けられた第1の通信方式に対応することを示す凹部を検出することにより当該第1の通信装置が第1の通信方式に対応することを認識することができるので、所定の通信方式で第1の通信装置と通信して第1の通信装置の対応する通信方式を認識する処理を行わずに、直ちに第1の通信方式で実データの送受を開始することができ、かくして一段と高速に通信し得る通信システムを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0024】
(1)第1の実施の形態
(1−1)システム構成
図1において、1は全体としてシリアル及びパラレルの両通信方式に対応した通信システムを示し、電子機器2に設けられたカードスロット3に対してメモリカード4が挿着されると、当該電子機器2とメモリカード4とが接続されデータ通信可能な状態となる。
【0025】
そして例えばメモリカード4に内蔵されたフラッシュメモリに書き込むべきデータ(すなわち実データ)が電子機器2から当該メモリカード4に転送されると、メモリカード4がこの転送された実データをフラッシュメモリに書き込むようになされている。
【0026】
(1−2)メモリカード及びカードスロットの構成
メモリカード4は、図2、図3(A)及び(B)に示すように横長の扁平矩形状でなるカード型の筐体5を有する。この筐体5の裏面には、その中央部に筐体5の長手方向に沿ってスライド溝6が設けられていると共に、このスライド溝6内をスライド可能なスライドスイッチ7が取り付けられている。そしてメモリカード4は、このスライドスイッチ7が例えばユーザによりスライド溝6の一端側にスライドさせられるとシリアル通信方式でデータ通信するシリアル通信モードに遷移し、他端側にスライドさせられるとパラレル通信方式でデータ通信するパラレル通信モードに遷移するようになされている。
【0027】
さらに筐体5の裏面には、短辺側端部の一方(以下、これを一端部と呼ぶ)に複数の帯状溝G(G1、G2、…、G10)が設けられている。この帯状溝G(G1、G2、…、G10)は、それぞれ裏面の一端部から他端部へ向かう方向(矢印Aの方向)に延長されてなる帯状の溝であり、互いに平行で、かつ所定の間隔をあけて並設されている。またこの帯状溝G(G1、G2、…、G10)のそれぞれには、電子機器2と接続するためのカード側帯状端子CT(CT1、CT2、…、CT10)が埋設されている。
【0028】
ここで帯状溝G10は、図3(A)に示すように、他の帯状溝G1〜G9よりも所定長だけ長く矢印A方向に延長されており、この所定長だけ長く延長された溝部分(以下、これを延長溝部分とも呼ぶ)G10eには、当該延長溝部分G10eに沿って筐体5に対して出し入れ自在に摺動する摺動ピン8が設けられている。
【0029】
この摺動ピン8は、スライドスイッチ7のスライド動作と連動して摺動するようになされており、図3(A)に示すようにスライドスイッチ7がスライド溝6の他端側(矢印Aの方向)にスライドさせられると、帯状溝G10の他端側へ向かう方向(矢印Aの方向)に摺動して、帯状溝G10の延長溝部分G10eを露出させるように筐体5内に収納される。
【0030】
また摺動ピン8は、図3(B)に示すようにスライドスイッチ7がスライド溝6の一端側(矢印Aの逆方向)にスライドさせられると、帯状溝G10の一端側へ向かう方向(矢印Aの逆方向)に摺動して、帯状溝G10の延長溝部分G10eを埋めるように筐体5内から突出する。
【0031】
すなわち、この摺動ピン8は、スライドスイッチ7がスライド溝6の他端側にスライドしてメモリカード4がパラレル通信モード(図3(A))にあるとき、帯状溝G10の延長溝部分G10eを露出させ、またスライドスイッチ7がスライド溝6の一端側にスライドしてメモリカード4がシリアル通信モード(図3(B))にあるとき、帯状溝G10の延長溝部分G10eを埋めるように摺動する。
【0032】
ちなみに、このメモリカード4の筐体5は、既存のメモリカードの筐体に、スライド溝6と、このスライド溝6内をスライドするスライドスイッチ7と、帯状溝G10の延長溝部分G10eと、この延長溝部分G10e内を摺動する摺動ピン8とを新たに設けただけの形状であり、既存の筐体と比べて突出するような部位は設けていない。
【0033】
一方、電子機器2のカードスロット3は、図2に示すように、メモリカード4の筐体5を収納し得る程度の大きさに形成され、その内面(この場合、挿着されたメモリカード4の裏面と向かい合う面)には、挿着されたメモリカード4のカード側帯状端子CT(CT1、CT2、…、CT10)のそれぞれと接触する位置に機器側帯状端子IT(IT1、IT2、…、IT10)が並設されている。
【0034】
これら機器側帯状端子IT(IT1、IT2、…、IT10)は、それぞれの一端部分が電子機器2内部の回路基板に接続されていると共に、それぞれの他端部分が挿着されたメモリカード4のカード側帯状端子CT(CT1、CT2、…、CT10)に接触するようになされている。これにより電子機器2は、機器側帯状端子IT(IT1、IT2、…、IT10)を介して、挿着されたメモリカード4と電気的に接続し得るようになされている。
【0035】
さらにこのカードスロット3の内面には、挿着されたメモリカード4の裏面に設けられた帯状溝G10の延長溝部分G10eとほぼ向かい合う位置に、この延長溝部分G10eを検出するための溝検出スイッチ9が取り付けられている。
【0036】
この溝検出スイッチ9は、図4(A)及び(B)に示すように、扁平矩形状の筐体10を有し、当該筐体10の一面(以下、これを上面とする)には、カードスロット3の内面に当該筐体10を取り付けるための取付部11が設けられている。従って筐体10は、その上面がカードスロット3の内面に取り付けられ、このとき下面がカードスロット3に挿着されたメモリカード4の裏面と向かい合う。
【0037】
また筐体10の一側面には、略棒状でその幅がメモリカード4の帯状溝G10の幅よりも狭くなるように形成されたプッシュレバー12の一端が、上下に回動自在に枢支されている。さらにこのプッシュレバー12は、筐体10内の付勢部材(図示せず)により下方に付勢されている。
【0038】
そして、この溝検出スイッチ9は、付勢部材によりプッシュレバー12の他端が筐体10の下面よりも下方になる位置まで押下げられている状態(図3(A))のときにオンとなり、外力等によりプッシュレバー12の他端が下面とほぼ平行になる位置まで押上げられた状態(図3(B))のときにオフとなるようにスイッチング動作する。
【0039】
ここで、溝検出スイッチ9と、カードスロット3に挿着されたメモリカード4との位置関係を更に詳しく説明する。
【0040】
図5(A)及び(B)に示すように、溝検出スイッチ9の筐体10は、プッシュレバー12の長手方向と、挿着されたメモリカード4の裏面に設けられた帯状溝G10の長手方向とが一致し、かつ当該プッシュレバー12の真下に帯状溝G10の延長溝部分G10eが位置するように、カードスロット3の内面に取り付けられている。
【0041】
この結果、図5(A)及び図6(A)に示すように、メモリカード4の摺動ピン8が筐体5内に収納されて延長溝部分G10eが露出しているとき、溝検出スイッチ9は、プッシュレバー12の他端が筐体10の下面よりも下方になる位置までこの延長溝部分G10e内に押下げられることによりオンとなる。
【0042】
これに対して図5(B)及び図6(B)に示すように、メモリカード4の摺動ピン8が筐体5から突出して延長溝部分G10eを埋めている場合、溝検出スイッチ9は、プッシュレバー12の他端が筐体10の下面とほぼ平行になる位置まで当該摺動ピン8に押上げられることによりオフとなる。
【0043】
すなわちこの溝検出スイッチ9は、挿着されたメモリカード4の裏面に設けられた帯状溝G10の延長溝部分G10eが露出しているとき(すなわちメモリカード4がパラレル通信モードのとき)、この延長溝部分G10eを検出してオンとなり、この延長溝部分G10eが埋められているとき(すなわちメモリカード4がシリアル通信モードのとき)、この延長溝部分G10eを検出できずにオフとなるようにスイッチング動作する。
【0044】
(1−3)電子機器及びメモリカードの回路構成
次に、電子機器2及びメモリカード4の回路構成について説明する。まず電子機器2の回路構成を図7に示す。電子機器2は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)構成の制御部20が、バス21を介して接続されたハードディスク等でなる記憶部22からOS等の制御プログラムを読み出し、この読み出した制御プログラムに従って全体を統括的に制御するようになされている。
【0045】
またこのバス21には、ユーザが各種命令を入力するための操作ボタン等でなる操作部23、カードスロット3に挿着されたメモリカード4とシリアル通信方式又はパラレル通信方式でデータ通信するためのインタフェース部24、挿着されたメモリカード4の通信モードを認識するシリアル/パラレル認識部25、メモリカード4から読み出したデータに基づく映像や音声を出力する出力部26が接続されている。
【0046】
ここでシリアル/パラレル認識部25は、上述の溝検出スイッチ9のスイッチング動作をもとに、挿着されたメモリカード4の通信モードを認識するようになされており、溝検出スイッチ9がオンのときに当該メモリカード4の通信モードがパラレルであると認識し、オフのときに当該メモリカード4の通信モードがシリアルであると認識する。
【0047】
すなわち制御部20は、カードスロット3にメモリカード4が挿着されると、シリアル/パラレル認識部25でこのメモリカード4の通信モードを認識し、認識した通信モードに応じてインタフェース部24の通信方式を切り替えることで通信モードを設定し、この設定した通信モードでメモリカード4とデータ通信するようになされている。
【0048】
次いで、メモリカード4の回路構成を図8に示す。メモリカード4は、インタフェース制御部30が、筐体5に設けられたスライドスイッチ7(図2)のスライド位置に応じて、インタフェース制御部30内に設けられたレジスタ30Aの所定部分に書き込まれている通信モード設定値を書き替えることにより、通信モードをシリアル又はパラレルに設定し、この設定した通信モードで電子機器2とデータ通信するようになされている。
【0049】
すなわちインタフェース制御部30は、スライドスイッチ7がスライド溝6の一端側に位置するときには通信モードをシリアルに設定し、スライドスイッチ7がスライド溝6の他端側に位置するときにはパラレルに設定するようになされている。
【0050】
そしてインタフェース制御部30は、例えば実データを、設定した通信モードで電子機器2から受信すると、これをバッファメモリ31に送出する。
【0051】
バッファメモリ31は、インタフェース制御部30から供給された実データを一時保存する。そしてこのバッファメモリ31に一時保存された実データは、メモリ制御部32により所定のタイミングで読み出され、フラッシュメモリ33に書き込まれる。
【0052】
またメモリ制御部32は、実データをフラッシュメモリ33から読み出し、これをバッファメモリ31に送出する。バッファメモリ31は、メモリ制御部32から供給された実データを一時保存する。そしてこのバッファメモリ32に一時保存された実データは、インタフェース制御部30により所定のタイミングで読み出され、設定された通信モードで電子機器2に送信される。
【0053】
このようにメモリカード4は、スライドスイッチ7のスライド位置に応じた通信モードで動作し、電子機器2から受信した実データを自身のフラッシュメモリ33に書き込むと共に、フラッシュメモリ33から読み出した実データを電子機器2に送信するようになされている。
【0054】
(1−4)データ通信処理
ここで、かかる通信システム1の電子機器2が、挿着されたメモリカード4の通信モードを認識し、この認識した通信モードに対応する通信モードで当該メモリカード4とデータ通信するデータ通信処理の手順について図9のシーケンスチャートを用いて説明する。
【0055】
電子機器2は、電源が投入された状態で、メモリカード4がカードスロット3に挿着されると、ステップSP1においてメモリカード4の挿着を確認する。一方、メモリカード4は、電子機器2のカードスロット3に挿着されると、ステップSP2において、当該電子機器2からの電源供給により起動し、スライドスイッチ7がスライド溝6の一端側にスライドさせられている場合には通信モードをパラレル通信モードに設定し、他端側にスライドさせられている場合には通信モードをシリアル通信モードに設定する。
【0056】
電子機器2は、続くステップSP3において、溝検出スイッチ9の状態(オン/オフ)を確認し、次のステップSP4に移る。ステップSP4において電子機器2は、溝検出スイッチ9がオンであるか否かを判定する。
【0057】
ここで肯定結果を得ると、このことは溝検出スイッチ9がオンであること、すなわちメモリカード4がパラレル通信モードに設定されていることを表しており、このとき電子機器2は次のステップSP5に移る。
【0058】
ステップSP5において電子機器2は、自身の通信モードをパラレル通信モードに設定し、次のステップSP7に移る。
【0059】
これに対してステップSP4で否定結果を得ると、このことは溝検出スイッチ9がオフであること、すなわちメモリカード4がシリアル通信モードに設定されていることを表しており、このとき電子機器2は次のステップSP6に移る。
【0060】
ステップSP6において電子機器2は、自身の通信モードをシリアル通信モードに設定し、次のステップSP7に移る。
【0061】
ステップSP7において電子機器2は、メモリカード4に対して、ステップSP5又はステップSP6で設定した通信方式(例えばパラレル)で実データを送信する。
【0062】
メモリカード4は、ステップSP8において、電子機器2から送られてくる実データを、上述のステップSP2で設定した通信モード(例えばパラレル)で受信する。
【0063】
このように、電子機器2は、メモリカード4が挿着された時点で、カードスロット3内の溝検出スイッチ9の状態をもとにメモリカード4の通信モードを認識し、この認識した通信モードに対応する通信モードでメモリカード4に実データを送信するようになされている。
【0064】
なお、ここでは一例として電子機器2がメモリカードに対して実データを送信する場合の処理手順について説明したが、電子機器2がメモリカードから実データを受信する(読み出す)場合の処理手順も同様である。
【0065】
(1−5)第1の実施の形態における動作及び効果
以上の構成において通信システム1のメモリカード4は、筐体5の裏面に設けられたスライドスイッチ7がスライド溝6の一端側にスライドさせられると、通信モードをパラレルに設定すると共に、裏面に設けられた帯状溝G10の延長溝部分G10e内を摺動する摺動ピン8を筐体5内に収納して、この延長溝部分G10eを露出させる。
【0066】
またメモリカード4は、スライドスイッチ7がスライド溝6の他端側にスライドさせられると、通信モードをシリアルに設定すると共に、摺動ピン8を筐体5から突出させて、この摺動ピン8で延長溝部分G10eを埋める。
【0067】
このようにメモリカード4は、パラレル通信モード時には、筐体5に設けられた帯状溝G10の延長溝部分G10eを露出させることにより、自身の通信モードがパラレルであることを外部に呈示し、またシリアル通信モード時には、この延長溝部分G10eを埋めることにより、自身の通信モードがシリアルであることを外部に呈示する。
【0068】
一方、電子機器2は、メモリカード4がカードスロット3に挿着されると、カードスロット3に取り付けられた溝検出スイッチ9の状態を確認する。ここで、この溝検出スイッチ9は、メモリカード4の裏面に設けられた帯状溝G10の延長溝部分G10eが露出している場合には、この延長溝部分G10eを検出してオンとなり、当該延長溝部分G10eが埋められている場合には、この延長溝部分G10eを検出できずにオフとなる。
【0069】
従って電子機器2は、溝検出スイッチ9がオンのときに、メモリカード4の通信モードがパラレルであると認識することができ、またオフのときに、メモリカード4の通信モードがシリアルであると認識することができる。そして電子機器2は、認識したメモリカード4の通信モードに対応する通信モードで実データの送受を開始する。
【0070】
かくして電子機器2は、例えばスライドスイッチ7により通信モードをパラレルに切り替えたメモリカード4がカードスロット3に挿着されると、このときメモリカード4の筐体5に露出している帯状溝G10の延長溝部分G10eを溝検出スイッチ9で検出することによりメモリカード4の通信モードがパラレルであること(すなわちパラレル通信方式に対応していること)を認識することができ、この結果、従来のようなシリアル通信方式でメモリカード4とデータ通信して当該メモリカード4の対応する通信方式を認識する処理を行わずに、直ちにパラレル通信方式で実データの送受を開始することができる。
【0071】
またメモリカード4の筐体5は、既存のメモリカードの筐体に、スライド溝6と、このスライド溝6内をスライドするスライドスイッチ7と、帯状溝G10の延長溝部分G10eと、この延長溝部分G10e内を摺動する摺動ピン8とを新たに設けただけの形状であり、既存の筐体と比べて突出するような部位は設けていない。すなわち、このメモリカード4の筐体5は、既存の筐体と同サイズ(外形寸法)に形成されており、これにより電子機器2のカードスロット3も既存のカードスロットと同サイズにすることができる。
【0072】
この結果、電子機器2のカードスロット3に、既存のメモリカードを挿着することもでき、また既存の電子機器のカードスロットに、メモリカード4を挿着することもできる。
【0073】
実際上、例えば電子機器2のカードスロット3に、既存のシリアル通信方式にのみ対応するメモリカードが挿着された場合、電子機器2は、このメモリカードの筐体裏面に帯状溝G10の延長溝部分G10eが設けられていないので溝検出スイッチ9がオフとなり、この結果、当該メモリカードがシリアル通信モードであると認識することができ、当該メモリカードとシリアル通信方式でデータ通信することができる。
【0074】
また、例えば既存のシリアル通信方式にのみ対応する電子機器のカードスロットに、本実施の形態のメモリカード4を挿着する場合、このメモリカード4の通信モードをスライドスイッチ7でシリアル通信モードに切り替えてから挿着することで、メモリカード4は、当該電子機器とシリアル通信方式でデータ通信することができる。
【0075】
このように、電子機器2及びメモリカード4は、既存の電子機器及びメモリカードとの互換性を保持するようにもなされている。
【0076】
以上の構成によれば、この通信システム1では、電子機器2が、挿着されたメモリカード4の筐体5Aに露出しているパラレル通信モードであることを示す延長溝部分G10eを、溝検出スイッチ9で検出することによりメモリカード4がパラレル通信方式に対応していることを認識することができ、この結果、電子機器2がシリアル通信方式でメモリカード4とデータ通信してメモリカード4の対応する通信方式を認識する処理を行わずに、直ちにパラレル通信方式で実データの送受を開始することができるので、一段と高速にデータ通信することができる。
【0077】
(2)第2の実施の形態
この第2の実施の形態においては、通信システム1(本実施の形態では1A)のメモリカード4(本実施の形態では4A)から帯状溝G10の延長溝部分G10eと摺動ピン8とを省略した点、及び電子機器2(本実施の形態では2A)のカードスロット3内における溝検出スイッチ9の取付位置が異なる点以外は、上述の第1の実施の形態と同様であり、同様部分の説明は省略する。
【0078】
(2−1)メモリカード及びカードスロットの構成
通信システム1Aのメモリカード4Aは、図2との対応部分に同一符号を付した図10や、図3(A)及び(B)との対応部分に同一符号を付した図11(A)及び(B)に示すように横長の扁平矩形状でなる筐体5Aを有する。この筐体5Aは、第1の実施の形態で述べたメモリカード4の筐体5から帯状溝G10の延長溝部分G10eと摺動ピン8とを省略した形状を有する。
【0079】
すなわち筐体5Aは、その裏面中央部にスライド溝6及びスライドスイッチ7が設けられていると共に、裏面一端部に矢印Aの方向に所定長だけ延長された複数の帯状溝G(G1、G2、…、G10)が形成されており、この帯状溝G(G1、G2、…、G10)のそれぞれに対してカード側帯状端子CT(CT1、CT2、…、CT10)が埋設されている。
【0080】
そしてメモリカード4Aは、スライドスイッチ7がスライド溝6の一端側にスライドさせられると、スライド溝6の一端部分6Aが当該スライドスイッチ7で埋められると共に、シリアル通信モードに遷移し、他端側にスライドさせられると、スライド溝6の一端部分6Aが露出すると共に、パラレル通信モードに遷移するようになされている。
【0081】
一方、電子機器2Aのカードスロット3は、図10に示すように、メモリカード4Aの筐体5Aを収納し得る程度の大きさに形成され、その内面には、機器側帯状端子IT(IT1、IT2、…、IT10)が並設されている。
【0082】
さらにこのカードスロット3の内面には、挿着されたメモリカード4Aの裏面に設けられたスライド溝6の一端部分6Aとほぼ向かい合う位置に溝検出スイッチ9が取り付けられている。この場合の溝検出スイッチ9は、スライド溝6の一端部分6Aを検出するためのものとなる。
【0083】
ここで、溝検出スイッチ9と、カードスロット3に挿着されたメモリカード4Aとの位置関係を更に詳しく説明する。
【0084】
図5(A)及び(B)との対応部分に同一符号を付した図12(A)及び(B)に示すように、溝検出スイッチ9の筐体10は、プッシュレバー12の長手方向と、挿着されたメモリカード4Aの裏面に設けられたスライド溝6の長手方向とが一致し、かつ当該プッシュレバー12の真下にスライド溝6の一端部分6Aが位置するように、カードスロット3の内面に取り付けられている。
【0085】
この結果、図12(A)に示すように、メモリカード4Aのスライドスイッチ7がスライド溝6の他端側にスライドしてスライド溝6の一端部分6Aが露出しているとき、溝検出スイッチ9は、プッシュレバー12の他端が筐体10の下面よりも下方になる位置までスライド溝6の一端部分6A内に押下げられることによりオンとなる。
【0086】
これに対して図12(B)に示すように、メモリカード4Aのスライドスイッチ7がスライド溝6の一端側にスライドしてスライド溝6の一端部分6Aを埋めている場合、溝検出スイッチ9は、プッシュレバー12の他端が筐体10の下面とほぼ平行になる位置までスライドスイッチ7に押上げられることによりオフとなる。
【0087】
すなわちこの溝検出スイッチ9は、挿着されたメモリカード4の裏面に設けられたスライド溝6の一端部分6Aが露出しているとき(すなわちメモリカード4Aがパラレル通信モードのとき)、この一端部分6Aを検出してオンとなり、この一端部分6Aが埋められているとき(すなわちメモリカード4Aのシリアル通信モードのとき)、この一端部分6Aを検出できずにオフとなるようにスイッチング動作する。
【0088】
(2−2)第2の実施の形態による動作及び効果
以上の構成においてメモリカード4Aは、筐体5Aの裏面に設けられたスライドスイッチ7がスライド溝6の一端側にスライドさせられることにより、スライド溝6の一端部分6Aが当該スライドスイッチ7で露出した際、通信モードをパラレルに設定し、またスライドスイッチ7がスライド溝6の他端側にスライドさせられることにより、スライド溝6の一端部分6Aが埋められた際、通信モードをシリアルに設定する。
【0089】
一方、電子機器2Aは、メモリカード4Aがカードスロット3に挿着されると、カードスロット3に取り付けられた溝検出スイッチ9の状態を確認する。ここで、この溝検出スイッチ9は、メモリカード4Aの裏面に設けられたスライド溝6の一端部分6Aが露出している場合には、この一端部分6Aを検出してオンとなり、当該一端部分6Aが埋められている場合には、この一端部分6Aを検出できずにオフとなる。
【0090】
従って電子機器2Aは、溝検出スイッチ9がオンのときに、メモリカード4Aの通信モードがパラレルであると認識することができ、またオフのときに、メモリカード4Aの通信モードがシリアルであると認識することができる。そして電子機器2Aは、認識したメモリカード4Aの通信モードに対応する通信モードで実データの送受を開始する。
【0091】
かくして電子機器2Aは、例えばスライドスイッチ7により通信モードをパラレルに切り替えたメモリカード4Aがカードスロット3に挿着されると、このときメモリカード4Aの筐体5Aに露出しているスライド溝6の一端部分6Aを溝検出スイッチ9で検出することによりメモリカード4Aの通信モードがパラレルであることを認識することができ、この結果、従来のようなシリアル通信方式でメモリカード4Aとデータ通信して当該メモリカードの対応する通信方式を認識する処理を行わずに、直ちにパラレル通信方式で実データの送受を開始することができる。
【0092】
またメモリカード4Aの筐体5Aは、第1の実施の形態で述べたメモリカード4の筐体5から帯状溝G10の延長溝部分G10eと摺動ピン8とを省略した形状でなると共に、この帯状溝G10の延長溝部分G10e及び摺動ピン8の役割を、スライド溝6及びスライドスイッチ7が兼ねるようにした。これにより、一段と簡易な構成で第1の実施の形態と同様の効果を実現することができる。
【0093】
以上の構成によれば、この通信システム1Aでは、電子機器2Aが、挿着されたメモリカード4Aの筐体5Aに露出しているパラレル通信モードであることを示すスライド溝6の一端部分6Aを、溝検出スイッチ9で検出することによりメモリカード4Aがパラレル通信方式に対応していることを認識することができ、この結果、電子機器2Aがシリアル通信方式でメモリカード4Aとデータ通信してメモリカード4Aの対応する通信方式を認識する処理を行わずに、直ちにパラレル通信方式で実データの送受を開始することができるので、一段と高速にデータ通信することができる。
【0094】
(3)他の実施の形態
なお上述の第1の実施の形態においては、メモリカード4の筐体5の裏面一端部に、当該メモリカード4がパラレル通信方式に対応することを示す凹部として、帯状溝G10の延長溝部分G10eを設けるようにし、また第2の実施の形態においては、メモリカード4Aの筐体5Aの裏面中央部に、同様のことを示す凹部として、スライド溝6の一端部分6Aを設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これら筐体5及び5Aの他の部分にこのような凹部を設けるようにしてもよい。
【0095】
また上述の第1及び第2の実施の形態においては、通信システム1及び1Aが、第1の通信方式としてのパラレル通信方式及び第2の通信方式としてのシリアル通信方式に対応するシステムである場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これらシリアル通信方式及びパラレル通信方式以外の通信方式に対応するシステムであってもよい。
【0096】
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、メモリカード4及び4Aが、スライドスイッチ7のスライド位置に応じて、レジスタ30Aの所定部分に書き込まれている通信モード設定値を書き替えることにより、自身の通信モードを設定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばスライドスイッチ7のスライド位置に応じて、シリアル通信方式の回路とパラレル通信方式の回路とを物理的に切り替えることにより通信モードを設定するようにしてもよいし、この他種々の方法で通信モードを設定するようにしてもよい。
【0097】
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、通信システム1及び1Aを構成する通信装置として、電子機器2及び2A、メモリカード4及び4Aを用いた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、接続された状態で互いに対応する通信方式により通信する通信装置であれば、この他種々の通信装置で通信システム1及び1Aを構成するようにしてもよい。
【0098】
さらに上述の第1の実施の形態においては、状態変化手段としての摺動ピン8を摺動させて凹部としての帯状溝G10の延長溝部分G10eを露出させることにより、当該延長溝部分G10eを溝検出スイッチ9で検出させ得る状態にし、また摺動ピン8を摺動させてこの延長溝部分G10eを埋めることにより、当該延長溝部分G10eを溝検出スイッチ9で検出させ得ない状態にするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この延長溝部分G10eを溝検出スイッチ9で検出させ得る状態と、検出させ得ない状態に変化させるものであれば、この他種々の状態変化手段を用いてもよい。
【0099】
さらに上述の第2の実施の形態においては、状態変化手段としてのスライドスイッチ7をスライドさせて凹部としてのスライド溝6の一端部分6Aを露出させることにより、当該一端部分6Aを溝検出スイッチ9で検出させ得る状態にし、またスライドスイッチ7をスライドさせてこの一端部分6Aを埋めることにより、当該一端部分6Aを溝検出スイッチ9で検出させ得ない状態にするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この一端部分6Aを溝検出スイッチ9で検出させ得る状態と、検出させ得ない状態に変化させるものであれば、この他種々の状態変化手段を用いてもよい。
【0100】
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、プッシュレバー12の上げ下げでスイッチング動作する溝検出スイッチ9を、筐体5及び5Aに設けられた凹部(帯状溝G10の延長溝部分G10e及びスライド溝6の一端部分6A)を検出する検出手段として用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば溝検出スイッチ9とは機構の異なるスイッチを検出手段として用いてもよく、この凹部を検出し得るものであれば、この他種々の検出手段を用いるようにしてもよい。
【0101】
さらに上述の第1の実施の形態においては、通信手段(第1の通信手段)としてのインタフェース制御部30や、状態変化手段としての摺動ピン8や、切替手段としてのスライド溝6及びスライドスイッチ7によって通信装置(第1の通信装置)としてのメモリカード4を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成でこのメモリカード4を構成するようにしてもよい。
【0102】
さらに上述の第2の実施の形態においては、通信手段(第1の通信手段)としてのインタフェース制御部30や、状態変化手段及び切替手段としてのスライド溝6及びスライドスイッチ7によって通信装置(第1の通信装置)としてのメモリカード4Aを構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成でこのメモリカード4Aを構成するようにしてもよい。
【0103】
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、通信手段(第2の通信手段)としてのインタフェース部24や、検出手段としての溝検出スイッチ9や、制御手段としての制御部20及びシリアル/パラレル認識部25によって通信装置(第2の通信装置)としての電子機器2及び2Aを構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成でこの電子機器2及び2Aを構成するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、半導体記憶装置と電子機器との間でデータ通信するシステムに広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】第1の実施の形態における通信システムの構成を示す略線図である。
【図2】カードスロット及びメモリカードの構成を示す略線図である。
【図3】メモリカードの外観構成(1)を示す略線図である。
【図4】溝検出スイッチの外観構成を示す略線図である。
【図5】挿入されたメモリカードと溝検出スイッチとの位置関係(1)を示す略線図である。
【図6】溝検出スイッチのスイッチング動作を示す略線図である。
【図7】電子機器の回路構成を示すブロック図である。
【図8】メモリカードの回路構成を示すブロック図である。
【図9】データ通信処理手順を示すシーケンスチャートである。
【図10】第2の実施の形態におけるカードスロット及びメモリカードの構成を示す略線図である。
【図11】メモリカードの外観構成(2)を示す略線図である。
【図12】挿入されたメモリカードと溝検出スイッチとの位置関係(2)を示す略線図である。
【図13】従来の通信モード切替処理手順を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
【0106】
1、1A……通信システム、2、2A……電子機器、3……カードスロット、4、4A……メモリカード、5、5A、10……筐体、6……スライド溝、6A……一端部分6A、7……スライドスイッチ、8……摺動ピン8、9……溝検出スイッチ、11…取付部、12…プッシュレバー、20…制御部、24…インタフェース部、25…シリアル/パラレル認識部、30…インタフェース制御部、33…フラッシュメモリ、CT1〜CT10……帯状端子、G1〜G10……帯状溝、G10e……延長溝部分。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信装置と第2の通信装置とが接続されて互いに対応する通信方式で通信する通信システムにおいて、
上記第1の通信装置は、
第1の通信方式に対応する第1の通信手段と、
上記第1の通信方式に対応することを示す凹部が形成された筐体と
を具え、
上記第2の通信装置は、
上記第1の通信方式に対応する第2の通信手段と、
上記第1の通信装置の筐体に設けられた上記凹部を検出する検出手段と、
上記検出手段により上記凹部が検出されると、上記第1の通信方式で通信するよう上記第2の通信手段を制御する制御手段と
を具えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
上記第1の通信手段は、
上記第1の通信方式及び第2の通信方式に対応し、
上記第1の通信装置の筐体は、
上記凹部を、上記検出手段に検出させ得る状態と、上記検出手段に検出させ得ない状態とに変化させる状態変化手段を有し、
上記第2の通信手段は、
上記第1の通信方式及び第2の通信方式に対応し、
上記制御手段は、
上記検出手段により上記凹部が検出された場合、上記第1の通信方式で通信するよう上記第2の通信手段を制御し、上記検出手段により上記凹部が検出されなかった場合、上記第2の通信方式で通信するよう上記第2の通信手段を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
上記第1の通信装置の筐体は、
上記第1の通信手段を上記第1の通信方式又は上記第2の通信方式に切り替えるための切替手段を有し、
上記状態変化手段は、
上記切替手段により上記第1の通信手段が上記第1の通信方式に切り替えられた場合、上記凹部を、上記検出手段に検出させ得る状態に変化させ、上記第1の通信手段が上記第2の通信方式に切り替えられた場合、上記凹部を、上記検出手段に検出させ得ない状態に変化させる
ことを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
上記切替手段は、
上記状態変化手段を兼ねており、上記第1の通信手段を上記第1の通信方式に切り替えると共に、上記凹部を、上記検出手段に検出させ得る状態に変化させ、また上記第1の通信手段を上記第2の通信方式に切り替えると共に、上記凹部を、上記検出手段に検出させ得ない状態に変化させる
ことを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
上記第1の通信方式は、パラレル通信方式であり、上記第2の通信方式はシリアル通信方式である
ことを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項6】
第1の通信装置と第2の通信装置とが接続されて互いに対応する通信方式で通信する通信方法において、
第1の通信方式に対応する第1の通信手段を有する第1の通信装置の筐体に形成された当該第1の通信方式に対応することを示す凹部を、当該第1の通信方式に対応する第2の通信手段を有する第2の通信装置が検出する検出ステップと、
上記検出ステップで上記凹部を検出すると、上記第2の通信装置が、上記第1の通信方式で通信するよう上記第2の通信手段を制御する制御ステップと
を具えることを特徴とする通信方法。
【請求項7】
上記第1の通信手段は、上記第1の通信方式及び第2の通信方式に対応し、
上記第2の通信手段は、上記第1の通信方式及び第2の通信方式に対応し、
上記凹部を、上記検出ステップで検出させ得る状態と、上記検出ステップで検出させ得ない状態とに変化させる状態変化ステップを具え、
上記制御ステップでは、
上記検出ステップで上記凹部が検出された場合、上記第1の通信方式で通信するよう上記第2の通信手段を制御し、上記検出ステップで上記凹部が検出されなかった場合、上記第2の通信方式で通信するよう上記第2の通信手段を制御する
ことを特徴とする請求項6に記載の通信方法。
【請求項8】
上記第1の通信手段を上記第1の通信方式又は上記第2の通信方式に切り替える切替ステップを具え、
上記状態変化ステップでは、上記切替ステップで上記第1の通信手段が上記第1の通信方式に切り替えられた場合、上記凹部を、上記検出ステップで検出させ得る状態に変化させ、上記切替ステップで上記第1の通信手段が上記第2の通信方式に切り替えられた場合、上記凹部を、上記検出ステップで検出させ得ない状態に変化させる
ことを特徴とする請求項7に記載の通信方法。
【請求項9】
上記状態変化ステップでは、
上記凹部を、上記検出ステップで検出させ得る状態に変化させると共に、上記第1の通信手段を上記第1の通信方式に切り替え、また上記凹部を、上記検出ステップで検出させ得ない状態に変化させると共に、上記第1の通信手段を上記第2の通信方式に切り替える
ことを特徴とする請求項7に記載の通信方法。
【請求項10】
上記第1の通信方式は、パラレル通信方式であり、上記第2の通信方式はシリアル通信方式である
ことを特徴とする請求項6に記載の通信方法。
【請求項11】
第1の通信方式に対応する通信手段と、
上記第1の通信方式に対応することを通信先装置に示すための凹部が形成された筐体と
を具えることを特徴とする通信装置。
【請求項12】
上記通信手段は、
上記第1の通信方式及び第2の通信方式に対応し、
上記筐体は、
上記凹部を、上記通信先装置に示し得る状態と、上記検出手段に示し得ない状態とに変化させる状態変化手段を有する
ことを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
【請求項13】
上記筐体は、
上記通信手段を上記第1の通信方式又は上記第2の通信方式に切り替えるための切替手段を有し、
上記状態変化手段は、
上記切替手段により上記通信手段が上記第1の通信方式に切り替えられた場合、上記凹部を、上記通信先装置に示し得る状態に変化させ、上記通信手段が上記第2の通信方式に切り替えられた場合、上記凹部を、上記通信先装置に示し得ない状態に変化させる
ことを特徴とする請求項12に記載の通信装置。
【請求項14】
上記切替手段は、
上記状態変化手段を兼ねており、上記通信手段を上記第1の通信方式に切り替えると共に、上記凹部を、上記通信先装置に示し得る状態に変化させ、上記通信手段を上記第2の通信方式に切り替えると共に、上記凹部を、上記通信先装置に示し得ない状態に変化させる
ことを特徴とする請求項13に記載の通信装置。
【請求項15】
上記第1の通信方式は、パラレル通信方式であり、上記第2の通信方式はシリアル通信方式である
ことを特徴とする請求項12に記載の通信装置。
【請求項16】
第1の通信方式に対応する通信手段と、
通信先装置の筐体に設けられた上記第1の通信方式に対応することを示す凹部を検出する検出手段と、
上記検出手段により上記凹部が検出されると、上記第1の通信方式で通信するよう上記通信手段を制御する制御手段と
を具えることを特徴とする通信装置。
【請求項17】
上記通信手段は、
上記第1の通信方式及び第2の通信方式に対応し、
上記制御手段は、
上記検出手段により上記凹部が検出された場合、上記第1の通信方式で通信するよう上記通信手段を制御し、上記検出手段により上記凹部が検出されなかった場合、上記第2の通信方式で通信するよう上記通信手段を制御する
ことを特徴とする請求項16に記載の通信装置。
【請求項18】
上記第1の通信方式は、パラレル通信方式であり、上記第2の通信方式はシリアル通信方式である
ことを特徴とする請求項17に記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−79289(P2006−79289A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−261385(P2004−261385)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】