説明

通信端末

【課題】同じような入力操作を繰り返すことによるユーザの負担を軽減できる携帯端末を提供すること。
【解決手段】通信端末は、通信部と、入力部と、通信部により発呼を行った電話番号、及び入力キーの履歴情報を発信履歴情報として記憶する記憶部と、通信部に発呼を指示する発呼指示部と、発呼指示部により発信履歴情報を用いた発呼が指示された場合に、当該発信履歴情報が履歴情報を含むか否かを判定する判定部と、判定部により発信履歴情報が履歴情報を含むと判定された場合、発信履歴情報から電話番号を抽出し、通信部に、当該抽出した電話番号に基づいた発呼を行わせると共に、当該発呼の呼が発呼先に接続されると、通信部に、履歴情報に基づいた信号を発呼先へ送信させる通信制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、郵送荷物や宅配荷物を配送する配送業者は、配達荷物の受取人が不在の場合に、不在連絡票を受取人の住所に残しておき、受取人に配達荷物があることを知らせている。
この不在連絡票には、再配達受付センターの電話番号が記載されている。不在連絡票を受け取った受取人は、この再配達受付センターの電話番号に電話をかけ、音声ガイダンスに従って、希望配達日や希望時間帯等を電話機の入力キーを利用して入力することで、荷物の再配達を依頼できる。
【0003】
ところで、荷物が同じ住所に配達される場合、受取人は、同じ配達業者の不在連絡票に対しては、いつも同じ地域の再配達受付センターに電話をかける。また、受取人が再配達の依頼を行う場合には、音声ガイダンスに従って入力する項目も同じような項目であることが多い。つまり、配達荷物の受取人は、再配達を依頼する場合には、電話機に対していつも同じような入力操作を行うこととなる。
【0004】
しかしながら、従来の電話機では、過去に発信した電話番号を、発信履歴を利用して再度発信することはできたが、過去に音声ガイダンスに従って入力した入力キーの履歴を利用して、再度音声ガイダンスに対して応答することはできなかった。
【0005】
このような再配達の依頼をする場合における入力キーによる煩雑な入力作業を軽減することを目的として、WebのURLや荷物の伝票番号等の特定の情報を符号化した二次元コードの表示領域を設けた不在連絡票が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1で提案された不在連絡票によれば、二次元コードを取り込むことのできるカメラ付き携帯電話機で二次元コードの情報を読み取ることで、再配達の依頼をする場合における入力キーによる煩雑な入力作業を軽減できる。
【特許文献1】特開2006−305950号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1で提案された不在連絡票では、二次元コードを取り込むことのできるカメラ付き携帯電話機でなくては再配達を依頼できなかった。また、そもそも、受け取った不在連絡票が特許文献1で提案された不在連絡票でなくては、煩雑な入力作業を軽減できない。
【0007】
従って、本発明は、同じような入力操作を繰り返すことによるユーザの負担を軽減できる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、所定の電話番号に基づいて発呼を行う通信部と、複数の入力キーを備える入力部と、前記通信部により発呼を行った電話番号、及び当該発呼による呼の接続から当該呼の切断までに入力された入力キーの履歴情報を発信履歴情報として記憶する記憶部と、前記通信部に発呼を指示する発呼指示部と、前記発呼指示部により前記発信履歴情報を用いた発呼が指示された場合に、当該発信履歴情報が前記履歴情報を含むか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記発信履歴情報が前記履歴情報を含むと判定された場合、前記発信履歴情報から前記電話番号を抽出し、前記通信部に、当該抽出した電話番号に基づいた発呼を行わせると共に、当該発呼の呼が発呼先に接続されると、前記通信部に、前記履歴情報に基づいた信号を前記発呼先へ送信させる通信制御部と、を備える通信端末に関する。
【0009】
また、携帯端末は、通話時の音声を検出する音声検出部を更に備え、前記通信部による前記発呼における呼の接続後、前記音声検出部により所定音量以上の音声が所定時間以内に検出されなかった場合、前記記憶部は、前記入力部において入力が検知された各入力キーを識別するキー識別情報と、前記入力部において入力が検知された各入力キーの入力の順番を示す順番情報と、前記入力部において検知された各入力キーの入力の時間間隔を示す時間情報とを、前記履歴情報として記憶することが好ましい。
【0010】
また、前記履歴情報は、前記入力部において入力が検知された各入力キーを識別するキー識別情報と、前記入力部において入力が検知された各入力キーの入力の順番を示す順番情報と、前記入力部において検知された各入力キーの入力の時間間隔を示す時間情報とを含み、前記通信制御部は、前記通信部に、前記キー識別情報に対応する入カキーに基づく信号を、前記順番情報に基づく順番で、前記時間情報に基づく時間間隔により前記発呼先に送信させることが好ましい。
【0011】
また、携帯端末は、発呼先からの音声ガイダンスの先頭部分を検出する発呼先音声検出部を更に備え、前記履歴情報は、前記入力部において入力が検知された各入力キーを識別するキー識別情報と、前記入力部において入力が検知された各入力キーの入力の順番を示す順番情報と、を含み、前記通信制御部は、前記発呼先音声検出部において発呼先からの音声ガイダンスの先頭部分が検出される度に、前記通信部に、前記キー識別情報に対応する入力キーに基づく信号を、前記順番情報に基づく順番により前記発呼先へ送信させることが好ましい。
【0012】
また、携帯端末は、前記発信履歴情報のうちの少なくとも一部の情報を選択する選択部を更に備え、前記通信制御部は、前記選択部により選択された情報に対応する信号を発呼先に送信させることが好ましい。
【0013】
また、携帯端末は、前記発信履歴情報のうちの少なくとも一部の情報を編集可能な情報編集部を更に備え、前記通信制御部は、前記情報編集部により編集された情報に対応する信号を発呼先に送信させることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の携帯端末によれば、同じような入力操作を繰り返すことによるユーザの負担を軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための好ましい一実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、本発明の通信端末の第1実施形態としての携帯電話機1の基本構造について、図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る携帯電話機1の外観斜視図である。
【0016】
携帯電話機1は、操作部側筐体2と、表示部側筐体3と、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを連結するヒンジ機構4と、を備える。
操作部側筐体2は、前面10に、操作部としての入力部11と、マイク12と、を備えて構成される。操作部側筐体2の前面10は、携帯電話機1を折り畳んだ状態で表示部側筐体3と向かい合う面である。
入力部11は、複数の入力キーを備えて構成されている。複数の入力キーは、各種設定機能や辞書機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、数字や文字を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作キー15と、から構成されている。
マイク12は、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声を入力するために用いられる。
【0017】
表示部側筐体3は、前面20に、表示部21とレシーバ22と、を備えて構成される。表示部側筐体3の前面20は、携帯電話機1を折り畳んだ状態で操作部側筐体2と向かい合う面である。
表示部21は、通話の相手側の電話番号やメールアドレス、及びメールの内容等の各種情報を表示する。
レシーバ22は、通話の相手側の音声を出力する。
【0018】
ヒンジ機構4は、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが相対的に動くようにこれらを連結している。携帯電話機1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに開いた状態(開状態)にしたり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを折り畳んだ状態(閉状態)にしたりできる。
【0019】
次に、図2を参照しながら、携帯電話機1の機能について説明する。
図2は、携帯電話機1の機能を示すブロック図である。携帯電話機1は、入力部11と、マイク12と、通信部41と、画像処理部42と、音声処理部43と、記憶部としてのメモリ44と、CPU45とを操作部側筐体2に備え、表示部21と、レシーバ22と、ドライバIC23とを表示部側筐体3に備えている。
【0020】
通信部41は、メインアンテナ411とRF回路部412とを備えて構成される。この通信部41は、例えば、所定の通信先の電話番号を利用した発呼を行う。また、通信部41は、他の端末との間でのメールの送受信や、インターネット上のwebサーバ等からコンテンツのダウンロードを行う。
【0021】
メインアンテナ411は、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で外部装置と通信を行う。
RF回路部412は、メインアンテナ411によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号をCPU45に供給する。また、RF回路部412は、CPU45から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ411を介して外部装置(基地局)に送信する。
【0022】
画像処理部42は、CPU45の制御に従って、所定の画像処理を行い、処理後の画像データをドライバIC23に出力する。ドライバIC23は、画像処理部42から供給された画像データをフレームメモリ(図示せず)に蓄え、所定のタイミングで表示部21に出力する。
【0023】
音声処理部43は、CPU45の制御に従って、RF回路部412から供給された信号に対して所定の音声処理を行い、処理後の信号をレシーバ22に出力する。レシーバ22は、音声処理部43から供給された信号を外部に出力する。なお、この信号は、レシーバ22に代えて、又は、レシーバ22と共に、スピーカ(図示せず)から出力される構成としてもよい。
【0024】
また、音声処理部43は、CPU45の制御に従って、マイク12から入力された信号を処理し、処理後の信号をRF回路部412に出力する。RF回路部412は、音声処理部43から供給された信号に所定の処理を行い、処理後の信号をメインアンテナ411に出力する。
【0025】
メモリ44は、例えば、ワーキングメモリを含み、CPU45による演算処理に利用される。また、メモリ44は、携帯電話機1上で動作する様々なアプリケーションが利用するデータやテーブル等が格納されている。
第1実施形態では、このメモリ44は、通信部41により発呼を行った電話番号、及び当該発呼による呼の接続から当該呼の切断までに入力された入力キーの履歴情報を発信履歴情報として記憶している(図3参照)。
尚、メモリ44は、着脱可能な外部メモリであってもよい。
【0026】
CPU45は、携帯電話機1の全体を制御しており、例えば、通信部41、画像処理部42、表示部21、音声処理部43に対して所定の制御を行う。また、CPU45は、先に述べたメインアンテナ411による電波状態や充電池(図示せず)の残量、不在着信及び未読メールの有無等の内部状態を監視しており、この結果に基づいて、表示部21の表示内容を変更する制御も行う。CPU45の具体的な構成については後述する。
【0027】
第1実施形態の携帯電話機1は、例えば、ユーザが所定の通信先に電話をかけた後、音声ガイダンスに従って所定の入力操作を行った場合に、この通信先の電話番号、及び音声ガイダンスに従って入力した入力操作に係る情報である履歴情報を発信履歴情報として記憶する機能を有する。また、携帯電話機1は、ユーザが発信履歴情報を利用して発呼を行った場合に、音声ガイダンスに対応して履歴情報に基づいた信号を送信する機能を有する。
【0028】
以下に、携帯電話機1に係る当該機能を発揮するための構成と動作について詳述する。
先ず、第1実施形態に係る携帯電話機1の機能を発揮するための構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係る携帯電話機1のメモリ44及びCPU45の構成を示す機能ブロック図である。
【0029】
メモリ44は、図3に示すように、発信履歴情報記憶部441と、発呼先音声記憶部443と、を備える。
【0030】
発信履歴情報記憶部441は、通信部41により発呼を行った電話番号441aと、通信部41により行った発呼による呼の接続から当該呼の切断までに入力された入力キーの履歴情報441bと、を記憶する。
尚、ここで、「呼の接続から呼の切断まで」とは、「通話が開始されたときから通話が終了したときまで」を意味する。
【0031】
第1実施形態では、この発信履歴情報記憶部441は、入力部11において入力が検知された各入力キーを識別するキー識別情報、入力部11において入力が検知された各入力キーの入力の順番を示す順番情報、及び入力部11において検知された各入力キーの入力の時間間隔を示す時間情報を履歴情報441bとして記憶する。
つまり、発信履歴情報記憶部441は、通話が開始されてから通話が終了するまでに、どの入力キーがどの順番でどのような時間間隔で入力されたかを履歴情報441bとして記憶する。
【0032】
発呼先音声記憶部442は、通信部41により行った発呼による呼の接続から当該呼の切断までに発呼先から発信された音声を記憶する。
具体的には、発呼先音声記憶部443は、通話が開始されてから通話が終了するまでの間に、発呼先の端末装置から発信される音声ガイダンスの内容の少なくとも一部(例えば、音声ガイダンスに従って複数の入力キーを入力した場合、最後から2番目の入力キーの入力の後に流れる、これまでの入力内容を確認する部分)を記憶する。
【0033】
CPU45は、図3に示すように、発呼指示部451と、音声検出部452と、判定部453と、通信制御部454と、発信履歴情報作成部455と、表示制御部456と、選択部457と、情報編集部458と、を備える。
【0034】
発呼指示部451は、通信部41に対して、所定の電話番号を利用した発呼を行うよう指示する。
音声検出部452は、マイク12に入力された通話時の音声を検出する。
【0035】
判定部453は、発呼指示部451により発信履歴情報を用いた発呼が指示された場合に、当該発信履歴情報が履歴情報を含むか否かを判定する。
また、判定部453は、音声検出部452により所定音量以上の音声が所定時間以内に検出されるか否かを判定する。
【0036】
発信履歴情報作成部455は、通常の発信履歴情報をメモリ44に記憶させると共に、通信部41による発呼の呼が接続した後、音声検出部452により所定音量以上の音声が所定時間以内に検出されなかった場合に、メモリ44に履歴情報441bを記憶させる。
【0037】
表示制御部456は、表示部21の表示内容を制御する。
具体的には、表示制御部456は、ユーザによる入力キーの操作に応じて、メモリ44に記憶された発信履歴情報を表示部21に表示させる。
例えば、表示制御部456は、図4に示すように、電話番号441aと、履歴情報441bとを、例えば、互いに異なる行となるように表示部21に表示させる。また、表示制御部456は、履歴情報441bとして複数の入力キーの入力が記憶されている場合には、それぞれの入力キーの入力を、スペースを介して表示させる。
これにより、ユーザは、表示された発信履歴情報について、どこまでが電話番号で、どこまでが履歴情報なのかを、容易に把握できる。
【0038】
選択部457は、発信履歴情報記憶部441に記憶された発信履歴情報のうちの少なくとも一部の情報を選択する。具体的には、選択部457は、表示制御部456により発信履歴情報を表示部21に表示させた状態で、ユーザによる入力キーの操作に応じて、電話番号441aのみを選択したり、電話番号441a及び履歴情報441bのうちの一部(例えば、履歴情報441bとして3つの入力キーの入力が記憶されていた場合、3つの入力うちの1つ)を選択したりする。
【0039】
情報編集部458は、発信履歴情報記憶部441に記憶された発信履歴情報のうちの少なくとも一部の情報を編集する。具体的には、情報編集部458は、表示制御部456により発信履歴情報を表示部21に表示させた状態で、ユーザによる入力キーの操作に応じて、履歴情報441bのうちの一部を編集する。
【0040】
通信制御部454は、判定部453により発信履歴情報が履歴情報441bを含むと判定された場合、発信履歴情報から電話番号441aを抽出し、通信部41に、当該抽出した電話番号441aに基づいた発呼を行わせる。そして、通信部41による発呼の呼が発呼先に接続されると、通信部41に、履歴情報441bに基づいた信号を発呼先へ送信させる。
より具体的には、通信制御部454は、通信部41による発呼の呼が発呼先に接続された場合、通信部41に、キー識別情報に対応する入力キーに基づく信号を、順番情報に基づく順番で、時間情報に基づく時間間隔により発呼先へ送信させる。
【0041】
また、通信制御部454は、選択部457により発信履歴情報記憶部441に記憶された発信履歴情報の一部の情報が選択された場合、この選択部457により選択された情報に対応する信号を発呼先に送信させる。
【0042】
更に、通信制御部454は、情報編集部458により発信履歴情報記憶部441に記憶された発信履歴情報の一部の情報が編集された場合、この情報編集部458により編集された情報に対応する信号を発呼先に送信させる。
【0043】
次に、第1実施形態の携帯電話機1の動作について説明する。
先ず、音声ガイダンスサービスを行う通信先の電話番号に基づいて発呼を行った場合における、携帯電話機1の動作について、図5を参照しながら説明する。
図5は、音声ガイダンスサービスを行う通信先の電話番号に基づいて発呼を行った場合における、携帯電話機1の動作を示すフローチャートである。
【0044】
先ず、ステップS1において、ユーザは、入力キーによる所定の入力操作により通信先の電話番号を入力してステップS2に進む。
【0045】
ステップS2において、ユーザにより所定の入力キーが押下されると、発呼指示部451は、通信部41に対して、入力された電話番号に基づいて発呼を行うよう指示すると共に、通信制御部454は、通信部41に、入力された電話番号に基づいた発呼を行わせ、ステップS3に進む。
【0046】
ステップS3において、通信部41による発呼の呼が発呼先に接続されると、判定部453は、音声検出部452により所定音量以上の音声が所定時間以内に検出されるか否かを判定する。判定部453により、所定音量以上の音声が所定時間以内に音声検出部452に検出されなかったと判定された場合(ユーザが発呼先に対して所定時間以内に声を発しなかった場合)には、ステップS4に進む。判定部453により、所定音量以上の音声が所定時間以内に音声検出部452に検出されたと判定された場合(ユーザが発呼先に対して所定時間以内に声を発した場合)には、ステップS7に進む。
【0047】
ステップS4において、携帯電話機1は、発信履歴情報作成モードが起動されてステップS5に進む。
【0048】
ステップS5において、発信履歴情報作成部455は、発呼された電話番号を発信履歴情報記憶部441に記憶させる。また、発信履歴情報作成部455は、発呼先から出力される音声ガイダンスに従ってユーザが入力部に入力した各入力キーの履歴情報(例えば、再配達希望日や再配達希望時間を特定するためにユーザが入力した入力キーの情報)を発信履歴情報記憶部441に記憶させてステップS6に進む。
【0049】
ステップS6において、携帯電話機1は、通信部41による発呼の呼を切断し、発信履歴情報作成部455は、発信履歴情報の作成を終了する。
【0050】
ステップS7において、ユーザは、発呼先と通常の通話を行い、ステップS8に進む。
【0051】
ステップS8において、ユーザは、通信部41による発呼の呼を切断して通話を終了する。
【0052】
次に、音声ガイダンスサービスを行う通信先に、発信履歴情報を利用して発呼を行った場合における携帯電話機1の動作について、図6を参照しながら説明する。
図6は、音声ガイダンスサービスを行う通信先に、発信履歴情報を利用して発呼を行った場合における携帯電話機1の動作を示すフローチャートである。
【0053】
先ず、ステップS11において、ユーザが所定の操作を行うと、表示制御部456は、表示部21にメモリ44に記憶された発信履歴情報を表示させてステップS12に進む(図4参照)。
【0054】
ステップS12において、ユーザにより所定の入力キーが押下されると、発呼指示部451は、通信部41に対して、発信履歴情報を用いた発呼を指示して、ステップS13に進む。
【0055】
ステップS13において、判定部453は、発信履歴情報が履歴情報441bを含むか否かを判定する。判定部453により、発信履歴情報が履歴情報441bを含むと判定された場合には、ステップS14に進む。判定部453により、発信履歴情報が履歴情報441bを含まないと判定された場合には、ステップS17に進む。
【0056】
ステップS14において、通信制御部454は、発信履歴情報から電話番号441aを抽出し、通信部41に、当該抽出した電話番号441aに基づいた発呼を行わせてステップS15に進む。
【0057】
ステップS15において、通信制御部454は、通信部41による発呼の呼が発呼先に接続されると、通信部41に、キー識別情報に対応する入カキーに基づく信号を、順番情報に基づく順番で、時間情報に基づく時間間隔により発呼先に送信させてステップS16に進む。
例えば、図4に示す発信履歴情報に基づいて発呼が行われた場合、携帯電話機1は、発呼先から出力される音声ガイダンスに対応して、発信履歴情報記憶部441に記憶された各入力キーに基づく信号(1、2、3の3つの入力キーに基づく信号)を、発信履歴情報記憶部441に記憶された順番(1、2、3の順番)で、且つ発信履歴情報記憶部441に記憶された時間間隔(例えば、15秒間隔)で送信する。
【0058】
ステップS16において、携帯電話機1は、通信部41による発呼の呼を切断して通信を終了する。
【0059】
ステップS17において、通信制御部454は、通信部41に、電話番号に基づいた発呼を行わせてステップS18に進む。
【0060】
ステップS18において、ユーザは発呼先と通常の通話を行い、ステップS19に進む。
【0061】
ステップS19において、ユーザは、通信部41による発呼の呼を切断して通話を終了する。
【0062】
第1実施形態の携帯電話機1によれば、以下のような効果を奏する。
音声ガイダンスサービスを行っている通信先の電話番号441aと、この音声ガイダンスに対して入力された入力キーの履歴情報441bと、を発信履歴情報として発信履歴情報記憶部441に記憶させた。そして、再度この音声ガイダンスを行っている通信先に発呼する場合に、通信制御部454に、発信履歴情報を利用して電話番号441aを発呼させると共に、履歴情報441bに基づく信号を送信させた。
これにより、音声ガイダンスサービスを行っている通信先の電話番号に対して再度電話をかけなおす場合に、電話番号441aと共に、履歴情報441bに基づく信号を送信できるので、音声ガイダンスに対して同じような入力操作をする場合に、音声ガイダンスに対して行う入力キーによる入力操作を省略できる。
よって、音声ガイダンスに対して同じような入力操作を繰り返すことによるユーザの負担を軽減できる。
【0063】
また、通信制御部454に、キー識別情報に対応する入カキーに基づく信号を、順番情報に基づく順番で、時間情報に基づく時間間隔により発呼先へ送信させた。これにより、履歴情報441bに基づく信号を、音声ガイダンスに対して正確に送信できる。よって、発信履歴情報を利用して音声ガイダンスサービスに対する応答を行った場合における応答の精度が向上する。
【0064】
また、音声ガイダンスサービスを利用する場合、ユーザは、発呼による呼が発呼先に接続されても、発呼先に対して声を発することはない。そこで、音声検出部452により所定音量以上の音声が所定時間以内に検出されなかった場合に、発信履歴情報作成モードを起動させた。これにより、ユーザが音声ガイダンスサービスを利用していることを正確に認識でき、履歴情報441bを確実に発信履歴情報記憶部441に記憶できる。
【0065】
また、発信履歴情報のうちの少なくとも一部の情報を選択部457に選択させ、通信部41に、この選択した情報に対応する信号を送信させた。これにより、ユーザは、電話番号及び履歴情報が記憶された発信履歴情報を利用して発呼を行う場合に、電話番号のみを利用して発呼できる。また、電話番号及び履歴情報を利用して発呼する場合にも、履歴情報の一部のみを使用し、その他の部分は、音声ガイダンスを聞いて、新たに入力をしなおすといった使い方が可能になる。
【0066】
また、発信履歴情報のうちの少なくとも一部の情報を情報編集部458に編集させ、通信部41に、この編集した情報に対応する信号を送信させた。これにより、ユーザは、履歴情報の一部について新たに入力し直して送信できる。よって、例えば、ユーザの手元にある不在連絡票に、再配達受付センターの電話番号が記載されており、音声ガイダンスのメニュー番号と、希望時間帯の選択肢が記載されている場合、前回は「20時以降」を選択したが、今回は「午前中」に再配達を希望したいといった場合にも対応できるので、ユーザの負担を軽減でき、利便性が向上する。
【0067】
また、表示制御部456により発信履歴情報を表示部21に表示させる場合に、電話番号441aと、履歴情報441bとを、互いに異なる行となるように表示させ、履歴情報441bとして複数の入力キーの入力が記憶されている場合には、それぞれの入力キーの入力を、スペースを介して表示させた。これにより、ユーザは、表示された発信履歴情報について、どこまでが電話番号で、どこまでが履歴情報なのかを、容易に把握できる。
【0068】
次に、本発明の第2実施形態について図7を参照しながら説明する。図7は、第1実施形態に係る携帯電話機のメモリ44及びCPU45の構成を示す機能ブロック図である。
尚、第2実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0069】
第2実施形態では、主として、CPU45が発呼先音声検出部459を更に備える点、及びキー識別情報と順番情報とが履歴情報441bとして記憶され、時間情報が履歴情報441bとして記憶されない点で、第1実施形態と異なる。
【0070】
発呼先音声検出部459は、通信部41により発呼を行っている発呼先から出力される音声ガイダンスの先頭部分を検出する。
第2実施形態では、通信制御部454は、判定部453により発信履歴情報が履歴情報441bを含むと判定された場合、発信履歴情報から電話番号441aを抽出し、通信部41に、当該抽出した電話番号441aに基づいた発呼を行わせる。
そして、通信制御部454は、通信部41による発呼の呼が発呼先に接続された場合、発呼先音声検出部459において発呼先からの音声ガイダンスの先頭部分が検出される度に、通信部41に、キー識別情報に対応する入力キーに基づく信号を、順番情報442bに基づく順番により発呼先へ送信させる。
【0071】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する他、以下のような効果を奏する。
発呼先音声検出部459に、発呼先からの音声ガイダンスの先頭部分を検出させ、この発呼先音声検出部459による検出に対応してキー識別情報に基づく信号を送信させた。これにより、音声ガイダンスの先頭部分に対応して信号を送信するので、1つの項目を入力するための音声ガイダンスを最後まで聞くことなく、次の項目の入力のための音声ガイダンスに進める。よって、音声ガイダンスに応答する作業にかかる時間を短縮できる。
【0072】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、第1実施形態では、音声検出部452により所定音量以上の音声が所定時間以内に検出されなかった場合に発信履歴情報作成モードを起動させたが、これに限らない。即ち、発呼先から出力された音声が音声ガイダンスであることを認識する音声認識部をCPUに設け、この音声認識部が音声ガイダンスを認識した場合に発信履歴情報作成モードを起動させてもよい。
【0073】
また、本実施形態においては、通信端末の一例としてヒンジ機構4を介して操作部側筐体2と表示部側筐体3とが相対的に動く、いわゆる折り畳み式の携帯電話機1を挙げているが、これに限らない。即ち、操作部側筐体と表示部側筐体とを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式や、操作部側筐体と表示部側筐体とを2軸ヒンジを介して連結したもの、更には、操作部側筐体と表示部側筐体とが1つの筐体に配置されたもの(いわゆる、ストレートタイプ)であってもよい。
【0074】
また、本実施形態では、本発明を通信端末としての携帯電話機1に適用したが、これに限らない。即ち、本発明を、情報携帯端末(PDA)、ノートパソコン、デジタルカメラ、小型オーディオプレーヤー等の他の通信端末に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1実施形態に係る携帯電話機の外観斜視図である。
【図2】携帯電話機の機能を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る携帯電話機のメモリ及びCPUの構成を示す機能ブロック図である。
【図4】メモリ及びCPUの構成の詳細を示す機能ブロック図である。
【図5】音声ガイダンスサービスを行う通信先の電話番号に基づいて発呼を行った場合における、携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【図6】音声ガイダンスサービスを行う通信先に、発信履歴情報を利用して発呼を行った場合における携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態に係る携帯電話機のメモリ及びCPUの構成を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0076】
1 携帯電話機
11 入力部
21 表示部
41 通信部
44 メモリ(記憶部)
45 CPU
441a 電話番号
441b 履歴情報
451 発呼指示部
452 音声検出部
453 判定部
454 通信制御部
457 選択部
458 情報編集部
459 発呼先音声検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の電話番号に基づいて発呼を行う通信部と、
複数の入力キーを備える入力部と、
前記通信部により発呼を行った電話番号、及び当該発呼による呼の接続から当該呼の切断までに入力された入力キーの履歴情報を発信履歴情報として記憶する記憶部と、
前記通信部に発呼を指示する発呼指示部と、
前記発呼指示部により前記発信履歴情報を用いた発呼が指示された場合に、当該発信履歴情報が前記履歴情報を含むか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記発信履歴情報が前記履歴情報を含むと判定された場合、前記発信履歴情報から前記電話番号を抽出し、前記通信部に、当該抽出した電話番号に基づいた発呼を行わせると共に、当該発呼の呼が発呼先に接続されると、前記通信部に、前記履歴情報に基づいた信号を前記発呼先へ送信させる通信制御部と、を備える通信端末。
【請求項2】
通話時の音声を検出する音声検出部を更に備え、
前記通信部による前記発呼における呼の接続後、前記音声検出部により所定音量以上の音声が所定時間以内に検出されなかった場合、
前記記憶部は、前記入力部において入力が検知された各入力キーを識別するキー識別情報と、前記入力部において入力が検知された各入力キーの入力の順番を示す順番情報と、前記入力部において検知された各入力キーの入力の時間間隔を示す時間情報とを、前記履歴情報として記憶する請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記履歴情報は、前記入力部において入力が検知された各入力キーを識別するキー識別情報と、前記入力部において入力が検知された各入力キーの入力の順番を示す順番情報と、前記入力部において検知された各入力キーの入力の時間間隔を示す時間情報とを含み、
前記通信制御部は、前記通信部に、前記キー識別情報に対応する入カキーに基づく信号を、前記順番情報に基づく順番で、前記時間情報に基づく時間間隔により前記発呼先に送信させる請求項1又は2に記載の通信端末。
【請求項4】
発呼先からの音声ガイダンスの先頭部分を検出する発呼先音声検出部を更に備え、
前記履歴情報は、前記入力部において入力が検知された各入力キーを識別するキー識別情報と、前記入力部において入力が検知された各入力キーの入力の順番を示す順番情報と、を含み、
前記通信制御部は、前記発呼先音声検出部において発呼先からの音声ガイダンスの先頭部分が検出される度に、前記通信部に、前記キー識別情報に対応する入力キーに基づく信号を、前記順番情報に基づく順番により前記発呼先へ送信させる請求項1に記載の通信端末。
【請求項5】
前記発信履歴情報のうちの少なくとも一部の情報を選択する選択部を更に備え、
前記通信制御部は、前記選択部により選択された情報に対応する信号を発呼先に送信させる請求項1から4のいずれかに記載の通信端末。
【請求項6】
前記発信履歴情報のうちの少なくとも一部の情報を編集可能な情報編集部を更に備え、
前記通信制御部は、前記情報編集部により編集された情報に対応する信号を発呼先に送信させる請求項1から4のいずれかに記載の通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−124351(P2010−124351A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297565(P2008−297565)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】