通信装置及び通信方法
【課題】 接続態様に応じて効率的に外部ストレージを管理することができなかった。
【解決手段】 第2通信部は管理装置と複数の接続態様で通信を行うことが可能であり、第1通信部は外部装置と通信を行う。上記外部装置から受信した受信データは記憶媒体に記憶され、出力部はこの記憶媒体に記憶された受信データを上記管理装置の指示に応じて出力する。
例えば、第2通信部による管理装置との接続がクローズドな状態とオープンな状態とがあり、これによって記憶媒体へのアクセスのしやすさが変化する。従って、アクセス制御部は上記第2通信部の接続態様に応じて上記記憶媒体のアクセス状態を切り替える。これにより適切な管理をしやすくなる。
【解決手段】 第2通信部は管理装置と複数の接続態様で通信を行うことが可能であり、第1通信部は外部装置と通信を行う。上記外部装置から受信した受信データは記憶媒体に記憶され、出力部はこの記憶媒体に記憶された受信データを上記管理装置の指示に応じて出力する。
例えば、第2通信部による管理装置との接続がクローズドな状態とオープンな状態とがあり、これによって記憶媒体へのアクセスのしやすさが変化する。従って、アクセス制御部は上記第2通信部の接続態様に応じて上記記憶媒体のアクセス状態を切り替える。これにより適切な管理をしやすくなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及び通信方法に関し、特に、ファクシミリ通信が可能であってコンピュータにも接続可能な通信装置及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年ではファクシミリ(以下、単にファクスと呼ぶ)をコンピュータ(以下、管理PCと呼ぶ)に接続し、ファクスによる受信データを有効に活用できるようにしたものが利用されている。このように管理PCに接続する利用はPCFAX受信機能で実現されている。同PCFAX受信機能で受信したファクシミリ通信を介したデータ(以下、ファクスデータと呼ぶ)は、有効利用のために所定のストレージ(外部記憶媒体、あるいは外部ストレージと呼ぶ)に保存して公開する。
【0003】
従来、管理PCの側では、取得すべきファクスデータが保存されている外部ストレージのパスを予め対象となるファクスデバイスとして決定している。そして、そのパスに従って対象となるファクスデバイスを探索することで、同管理PCが取得すべきファイルが保存されている外部ストレージを発見している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−318904号公報
【特許文献2】特開2007−11704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、外部ストレージに対して誰もが容易にアクセスできるような接続態様の場合は、同外部ストレージに対するアクセスを適性に管理できないと、ユーザに対してファクスデータを届けることを保証できなくなる。むろん、このような管理は煩雑さも伴うし、接続態様によっては一定の管理PCしか接続しない場合にまでかかる管理を行うのは無駄である。さらには、OSの仕様によっては接続態様を考慮した適切な制御が必要となることもある。
【0006】
本発明は、接続態様に応じて効率的に外部ストレージを管理することが可能な通信装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を実現するため本発明は、第1通信部は外部装置と通信を行うことが可能であり、第2通信部は管理装置と複数の接続態様で通信を行う。上記外部装置から受信した受信データを記憶媒体に記憶される。また、上記第2通信部の接続態様に応じて、アクセス制御部は上記管理装置から上記記憶媒体へのアクセス可否状態を切り替える。
例えば、第2通信部による管理装置との接続がクローズドな状態とオープンな状態とがあり、これによって外部記憶媒体へのアクセスのしやすさが変化する。従って、アクセス制御部は上記第2通信部の接続態様に応じて上記外部記憶媒体のアクセス状態を切り替える。これにより適切な管理をしやすくなる。
【0008】
この一例として、上記第2通信部は、1対1の第1の接続経路による上記管理装置との通信と、複数の装置と同時に接続可能な第2の接続経路による上記管理装置との通信との接続態様を有するように構成してもよい。
また、アクセス状態の切り替えの一例として、上記アクセス制御部は、上記第2の接続経路を通じて上記管理装置と通信を行う場合に、上記管理装置から上記記憶媒体へのアクセス要求に応じて所定期間をアクセス可とし、その他の期間はアクセス不可とするようにしてもよい。
【0009】
さらに、上記第2通信部は、上記アクセス可能状態のまま上記記憶部が上記記憶媒体に記憶を行ったことの上記管理装置による認識が行われない第1の接続経路による通信と、上記アクセス可能状態のまま上記記憶部が上記記憶媒体に記憶を行ったことの上記管理装置による認識が行われる第2の接続経路による通信との接続態様を有するようにしてもよい。
この場合、上記アクセス制御部は、上記第1の接続経路を通じて上記管理装置と通信を行う場合に、上記記憶部が上記記憶媒体に記憶を行った事に応じてアクセス可からアクセス不可とし、その後アクセス可に切り換えることが可能である。
【0010】
また、アクセス状態の切り替えの一例として、上記アクセス制御部は、上記記憶媒体のマウント状態とアンマウント状態とを切り替えることでアクセス可否を切り換えるようにしてもよい。
第2通信部が管理装置と1:1の接続経路による通信を行うときにはクローズドな接続環境であるから、外部記憶媒体をマウント状態に継続させても弊害はない。これに対して、第2通信部が同管理装置と複数の共有接続経路による通信を行うときにはオープンな接続環境であるから、一定の管理装置が外部記憶媒体にアクセスするときにだけマウント状態としてアクセス可能とさせ、それ以外はアンマウント状態としてアクセス拒否とすることでセキュリティーの保全を図れる。
また、アンマウント状態とマウント状態とを積極的に切り替えることでOSによっては記憶内容の更新を行うきっかけとなることもあり、個別に更新を通知しなくてもマウント状態の管理だけで更新の通知を行うことも可能となる。
【0011】
第1通信部はファクシミリ通信等が該当するが、これに限るものではない。第2通信部は無線あるいは有線のLAN接続であったり、無線のブルートゥース接続であったり、有線のUSB接続など、特に限定されるものではない。管理装置はコンピュータなどが該当するが、デスクトップ、ノートブック、PDA、スマートフォンなどが含まれるが、これらに限るものではない。
従って、より具体的な接続経路の一例として、上記第1の接続経路はUSBであり、上記第2の接続経路はLAN又はWANである構成としてもよい。
第2通信部の接続経路として、USB接続は一般には1:1の接続経路といえ、クローズドな接続環境である。ただし、共有設定によっては必ずしもそうとは限らない。ネットワーク接続であれば共有接続経路といえ、オープンな接続環境であるが、暗号化通信によっては限りなくクローズな接続環境を形成することも可能ではある。従って、一概には接続経路だけでオープン化クローズドかは断定できない。
【0012】
むろん、本発明は、かかる通信装置における工程としても把握可能であり、その意味では本発明は、第1通信部により外部装置と通信を行い、第2通信部により管理装置と複数の接続態様で通信を行う通信方法であって、上記外部装置から受信した受信データを記憶媒体に記憶させる記憶工程と、上記第2通信部の接続態様に応じて上記管理装置から上記記憶媒体へのアクセス可否状態を切り替えるアクセス制御工程とを備える通信方法として構成することも可能である。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明によれば、管理装置との通信の接続態様に応じて記憶媒体のアクセス状態を切り替えることにより、必要な限度で管理を行うことができるようになり、効率的な管理を実現することができる。また、マウント状態の管理を行えば、OSの仕様によっては記憶内容の更新を効率的に通知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】通信装置が適用された複合機(MFP)のブロック図である。
【図2】管理装置となる管理PC側での設定登録処理を示すフローチャートである。
【図3】MFP側の設定登録処理を示すフローチャートである。
【図4】外部ストレージをストレージとして記憶内容を表示したツリー構造を示す図である。
【図5】PCFAX制御部が実施するMFP側の設定受け付け処理(禁止処理)を示すフローチャートである。
【図6】不揮発性メモリーの内容を管理するための内部データベースを示す図である。
【図7】PCFAX受信処理を示すフローチャートである。
【図8】MFP側での変換データの提供(出力)処理を示すフローチャートである。
【図9】管理PC側での管理PCの変換データ取得処理を示すフローチャートである。
【図10】管理PC側からの削除要求処理を示すフローチャートである。
【図11】MFP側での削除対応処理を示すフローチャートである。
【図12】MFP側での起動時復元処理を示すフローチャートである。
【図13】不整合発見時の復元処理を示すフローチャートである。
【図14】自動印刷モードからPCFAXモードへの変更処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。以下、本発明の通信装置として、ファクシミリ機能、印刷機能、スキャナー機能などを備えた複合機(MFP)に適用した実施例について説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるMFPと管理PCとをブロック図により示している。
同図において、複合機(MFP)は、ファクス送受信を実現するファクスデバイス10と、紙媒体への印刷を実現するファクス印刷部20と、紙媒体の読み取りを実現するスキャナー部30と、ユーザからの操作を受け付ける操作パネル40と、本MFPから外部にストレージとしてみせるための外部ストレージ50と、ファクス受信データを外部機器向けのPDFファイルに変換する変換部60と、各種の状態などを記憶しておく共有メモリー70と、総合的な制御を実現するPCFAX制御部80とを備えている。
【0016】
ファクスデバイス10は、電話回線を介して外部装置であるファクシミリとファクス送受信を行うための受信部11と送信部12とを備え、主にファクス送受信によるデータを保存するための不揮発性メモリー13を備えている。なお、不揮発性メモリー13に記憶する受信データはTIFFファイル形式であり、区別のために受信データと呼ぶ。不揮発性メモリー13には送受信の記録やメモリーの管理を行なうためのデータベースが記録され、区別のために内部データベースと呼ぶ。また、ファクスの送受信を含めた全ての制御を実行するのがファクス制御部14である。
【0017】
受信部11と送信部12と不揮発性メモリー13とファクス制御部14とにより外部装置と通信を行う第1通信部を構成している。
ファクス印刷部20は本MFPが受信した受信データを印刷したり後述するように管理PC90からの通常の印刷データに基づいて印刷を実行する。本MFPにおいて、出力とは、紙媒体への印刷をも意味するし、外部ストレージ50を介して管理PC90が読み込み可能な画像ファイルとして提供することも意味する。従って、ファクス印刷部20は出力部の一部を構成する。
【0018】
スキャナー部30は紙媒体の印刷情報などををスキャンして画像を読み込む装置であり、オートシートフィーダを利用して紙媒体を一枚ずつ供給・排紙して画像を読み込んだり、ガラス製のフラットベッド上に載置された厚物の表面情報を読み込んだりする。
操作パネル40は各種の押しボタンスイッチや小規模のディスプレイやLEDを備えた操作盤であり、本MFPを管理装置からだけでなく本操作パネル40によって直に操作者からの操作を入力できるようにしている。この操作パネル40は、操作者からの操作を受け付ける操作部を構成している。
【0019】
外部ストレージ50は揮発性メモリーで実現されており、本MFPの電源断によって記憶内容は消失する。外部ストレージ50は本MFPに接続する機器からは独立したUSBメモリーとしてアクセス可能である。USBメモリーとしてアクセスするのは、マウント/アンマウントをPCFAX制御部80が制御することで外部の機器は本外部ストレージ50のアップデート状況をOSの機能で認識することができるためである。これと関連してPCFAX制御部80は本MFPがネットワーク接続されているときは管理PC90が変換データを取得する都度、外部ストレージ50のマウント/アンマウント状態を適宜変化させる。すなわち、最新の変換データが発生したときにのみマウント状態とし、取得のためのアクセスが必要ないときにアンマウントとしている。
【0020】
外部ストレージ50には、自身の特定のために「FAXRECV」というファイル名のファイルが作成される。また、外部ストレージ50内には管理PC90によるファイル取得などの管理のために外部データベースも記憶される。
外部ストレージ50は受信データをPDF形式に変換した変換データを記憶する。区別のために、PDF形式のものを変換データと呼ぶ。
【0021】
主に外部ストレージ50が外部装置から受信した変換データを記憶する記憶部を構成することになるが、出力にあたっては必ずしも外部ストレージ50のデータだけでなく、上述した不揮発性メモリー13に記憶されている受信データも利用可能である。この意味で、広義には不揮発性メモリー13も記憶部の一部を構成することになる。
変換部60は、外部機器からの参照の利便性を向上させるべく、TIFF形式の受信データをPDF形式の変換データに変換するものであり、PCFAX制御部80からの指示に応じて変換処理を行うが、変換部60自体も変換したファイルの数や削除したファイルの数などを管理できるようになっている。
【0022】
共有メモリー70は本MFPの各デバイスから参照したり書き込みすることが可能なストレージであり、後述するように管理PC90の特定情報にあたるPC−IDと、管理PC90と接続されたPCFAXモードかファクシミリが受信の都度印刷を開始する自動印刷モードかを表す動作モードと、管理PC90との接続がUSB接続かネットワーク接続かを表す接続態様の各データまたはパラメータをファイルとして記憶する。
【0023】
動作モードはこのように二つあるが、管理PC90と接続されたPCFAXモードが管理装置と通信して変換データを出力する第1の動作モードに相当し、ファクシミリが受信の都度印刷を開始する自動印刷モードが外部装置から受信した変換データを管理装置に出力させることなく直に出力する第2の動作モードに相当する。
PCFAX制御部80は以上の各デバイスを制御すると共に、管理PC90と接続して同管理PC90からの要求に対応する。管理PC90とはUSBインターフェイスやネットワークインターフェイスを介して接続可能であり、いずれによる接続かを示すパラメータは接続態様として共有メモリー70に記憶される。管理PC90と接続するUSBやネットワークのインターフェイス等が第2通信部を構成する。また、管理PC90の側でこの第2通信部と通信を行うインターフェイスなどが「通信装置と通信を行う」という管理側通信部を構成する。
【0024】
PCFAX制御部80は後述するソフトウェアの制御によって各種の機能を提供するものであり、一面では外部ストレージ50がPDF形式の変換データを管理PC90に提供する制御を行う上での出力部を構成する。また、管理装置である管理PC90の指定を受け付けるという点で指定部を構成するし、指定されている管理PCを変更する指定の受け付けを禁止する点で禁止部(変更指定受付禁止制御部)も構成する。
【0025】
次に、上記構成からなる本実施形態の動作を説明する。
まず、本MFPをPCFAX制御で利用するために一台の管理装置を登録設定する。
図2は、MFPに設定登録が行われていない場合に、管理装置となる管理PC側で管理プログラムが実行されることで開始される設定登録処理を示しており、図3はMFPに設定登録が行われていない場合に、管理装置となる管理PCから登録要求を受信することで開始するMFP側の設定登録処理を示している。
管理PC側では、ステップS100にてMFPのPCFAX制御を実施するためにPCFAX登録を実施するか判断し、登録する際にはステップS102にてMFPと接続し、ステップS104にて自身のネットワークカードのマックアドレスを利用して固有のPC−IDを作成する。マックアドレス自体は6バイトのユニークなIDであり、これを使用して32バイトのデータを生成する。変換後のデータが一意であればよく、変換方法は特に限定されない。PC−IDを作成したら、接続されているMFPに対してステップS106にてPC−IDの登録要求を送信する。この送信は第2通信部を介して行われる。なお、管理PC側では登録が受け付けられて登録完了となるまでステップS108,S110にて待機する。すなわち、ステップS110にてタイムアウトと判断されるまでは、登録完了となったか否かをステップS108にて判断するというループ処理を実施している。
【0026】
MFP側では、PCFAX制御部80が図3に示す管理PC設定登録処理を実施しており、ステップS112にてPC−IDを取得し、ステップS114にてPC−IDを共有メモリー70に記憶するとともに、ステップS116では外部ストレージ50に対してPC−IDの内容をFAXRECVというファイル名で保存する。図4は外部ストレージ50をストレージとして記憶内容を表示したツリー構造を示している。同図に示すように通常の一ファイルとしてFAXRECVが保存され、その内容が32バイトのデータとして記憶されることになる。
【0027】
このように、共有メモリー70と外部ストレージ50にPC−IDが記憶されることで本MFPは同PC−IDを生成することになったマックアドレスを有する一台の管理PC90の管理下に置かれることになる。このようにしてMFP側ではPCFAX制御部80が管理PCの指定を受け付けたことになり、指定部を構成することになる。
ただし、上述した処理はMFPの初期登録時の主な処理手順を示した。すなわち、MFPの運用後に管理PC90を変更する必要が生じることがあるが、この場合には以下のような処理を経てデータの不整合が生じることを防止する。
【0028】
図5は、MFPに管理装置が登録されている場合にPCから登録要求を受信することでPCFAX制御部80が開始するMFP側の設定受け付け処理(変更指定受付禁止制御処理)を示している。
PCFAX制御部80は、ステップS120にて処理を要求してきているPCが登録している管理PC90と一致するか否かを判断する。PCFAX制御部80がネットワーク接続されている場合、あるいはUSB接続で管理PC90と接続されつつも同管理PC90が共有デバイスとしているときには、ネットワークを介して他のPCが本MFPにアクセス可能である。このときPCFAX制御部80は通信の開始にあたってPC−IDを要求する。なお、上述したようにPC−IDはマックアドレスに基づいて一意に生成されるものであるから、ネットワーク接続の開始時に処理を要求してきているPCのマックアドレスからPCFAX制御部80がPC−IDを生成するようにしてもよい。
【0029】
一方、MFP側には既に共有メモリー70にPC−IDが記憶されているので、PCFAX制御部80は処理要求してきたPCのPC−IDと共有メモリー70内のPC−IDとを比較することで、処理要求PCが管理PCと一致するか否かを判定できる。PCFAX制御部80がこのようにしてPCからの処理要求を受け付けている期間はPCFAX機能が動作中であることを意味するから、ステップS120の判断はPCFAXであるか否かの判断といえる。
【0030】
一致した場合は、ステップS122にて外部ストレージ50に未取得の変換データが存在するか判断する。未取得の変換データの存在は後述する外部データベースを参照して可能である。詳細は後述するとして、ここでは未取得の変換データが存在しないと判断されるとステップS124にて処理の要求をされた設定を行なう。一例としては、PCFAXモードから自動印刷モードへ変更してPCFAX機能を無効にする。また、設置対応処理として、ファクスデバイス10に対する設定や、その他の設定を処理する。すなわち、PCFAXモードであり、未取得の変換データが存在しないときには、PCFAX機能を無効にするといった設定処理の要求を受け付けたことになる。
【0031】
一方、未取得の変換データが存在する間にPCFAX機能を無効にする設定の変更を行うと、未取得の変換データが確実にユーザに届くということを保証できなくなりかねない。このため、PCFAX制御部80はステップS126にて設定処理を禁止し、管理PCに対して先に未取得の変換データを取得するように通知する。すなわち、PCFAXモードであり、未取得の変換データが存在するときには、PCFAX機能を無効にするといった設定処理の要求を禁止したことになる。かかる処理は、上記第1の動作モードから上記第2の動作モードへの変更は上記記憶部に未出力の変換データがない場合に許容するという禁止部の機能に相当する。なお、この通知を受けて管理PCが未取得の変換データを全て取得した後に、MFPがPCFAX機能を無効にするという動作を自動的に行うようにしても構わない。
【0032】
次に、ステップS120にて処理要求PCと管理PCとが一致しないと判断した場合は、ステップS128にて外部ストレージ50に未取得の変換データが存在するか判断する。未取得の変換データが存在しないと判断されるとステップS132にて処理の要求をされた設定を行なう。一例としては、非管理PCからの処理要求であるので自らを管理PCとする変更を要求されることがある。すなわち、図2に示すフローチャートのステップS106の処理に対応して、管理PCの設定を行う。具体的には、ステップS112にて処理要求PCのPC−IDを取得し、ステップS114にて同PC−IDを共有メモリー70へ保存し、ステップS116にて同PC−IDの内容で外部ストレージ50のFAXRECVファイルを書き換えることになる。むろん、この他にもファクスデバイス10に対する設定処理を行うことも可能にしてもよい。すなわち、PCFAXモードであり、未取得の変換データが存在しないときには、管理PCを変更する設定処理の要求を受け付けたことになる。
【0033】
一方、未取得の変換データが存在する間に管理PCの変更を受け付けるとデータの不整合が生じかねないので、PCFAX制御部80はステップS130にて管理PCの変更の設定処理を禁止し、他に管理PCがあることを通知する。すなわち、PCFAXモードであり、未取得の変換データが存在するときには、管理PCを指定するという機能を禁止したことになる。かかる処理は、指定されている管理装置を変更する指定の受け付けは、上記第1の動作モードであって上記記憶部に未出力の変換データがない場合に許容するという禁止部の機能に相当する。
【0034】
このような管理PCの変更の登録や、PCFAX機能の無効といった処理にあたって、本MFPはさらに有効な機能を実現することが可能である。
自動印刷モードではファクシミリが受信の都度印刷を開始するため、指定部は管理装置を指定しないという指定を受け付けることに相当する。このような場合に、受信された受信データをユーザの指定に応じて自由に出力することが可能である。ユーザが印刷を希望する場合には、不揮発性メモリー13に記憶されている受信データをファクス印刷部20に送信して紙媒体に印刷させることができる。また、紙媒体に印刷する前に操作パネル40のディスプレイ上で内容を確認したいのであれば、不揮発性メモリー13に記憶されている受信データを変換部60でPDF形式に変換して外部ストレージに保存した後、同ディスプレイ上に表示させることで出力を行う。すなわち、出力部は、管理装置が指定されていない場合に、記憶部に記憶されている変換データを操作者の指示に応じて出力または受信した時点で逐次印刷することになる。
【0035】
また、このようにしてユーザからの操作に応じて出力させる場合、未取得の変換データがある場合は、この操作パネルからの出力の指示のみを受け付けることとしてもよい。このようにすれば、管理PCが指定されていないときに、未取得の変換データがあった場合には、ユーザが操作する操作パネル40からの操作でなければ出力できないので、確実にユーザの注意を引き、変換データをユーザに届けることを保証できる。
【0036】
また、管理PC90が登録される前にファクシミリ受信がされた場合に、その都度、紙媒体に出力するのではなく、不揮発性メモリー13に受信データとして記憶しておくか、外部ストレージ50にPDF形式に変換後の変換データを記憶するようにしてもよい。このようにして記憶部に変換データが記憶されている場合に、管理PCの指定を受け付けたときに、未出力の変換データを同指定された上記管理PC90に出力させる。
【0037】
ステップS126では、設定の処理を禁止した。すなわち、未取得の変換データがあるときには、同変換データの取得を促すこととしており、管理PCが存在する状態でPCFAX機能を無効にして管理PCを指定しない状態とすることは禁止している。しかし、このような状況で、強制的に変換データを操作パネル40に表示する出力を行わせたり、強制的に不揮発性メモリー13の受信データをファクス印刷部20にて紙媒体に印刷させる出力を行わせたりすることとしてもよい。そして、管理PCを指定しないという指示もしくは管理PCの変更を許可する。このようにすれば、確実に変換データがユーザに届くということを保証しつつ、管理PCが故障などで変換データの取得ができなくなったときにも対応できる。
【0038】
図6は不揮発性メモリーの内容を管理するための内部データベースを示している。
同図に示すように、データーベースの構造として、通し番号、送信、受信、年月日時分秒、相手先の電話番号、副通し番号、印刷済み、削除済みの各項目を備えている。通し番号は送信受信にかかわらず受信データに順番に付される識別子であり、送信と受信は該当するものに1を付し該当したいものに0を付している。年月日時分秒は西暦年から秒までの14桁の数値がデータとして記憶される。副通し番号は一つの送信または受信の受信データが複数に区分されて保存される場合の通し番号である。
【0039】
印刷済みはフラグであり、ファクス印刷部20による紙媒体への印刷が完了したときにフラグが立てられる。フラグが立てられた時点でユーザにファクスが届いたとみなすことができる。なお、印刷に失敗したときには、フラグを立てないようにする。
削除済みはフラグであり、意図的に削除操作した受信データに立てられる。不揮発性メモリー13は高コストで低速ではあるが、不意の電源断が生じても記憶内容が消失しない。この特長を活かして不揮発性メモリー13内の受信データは記憶領域がなくならない限り削除せず、単に内部データベース上でフラグを立てることで削除したものとみなすようにしている。むろん記憶領域がなくなった場合には削除済みで通し番号の古いものから削除していく。
【0040】
不揮発性メモリー13では、不揮発性という特長を活かしてこのような内部データベースを使用している。外部ストレージ50は外部の機器からはストレージとして参照可能であるが、図4に示すようなファイルの存在の管理用のデータベースが外部データベースとして用意されている。この内容については基本的なオペレーティングシステムのテーブル情報を利用している。この外部データベースは内部データベースと全く同じようにしても良い。また、内部データベースを参照することで同様の内容を得られるので必須ではないが、外部ストレージ50上に保存することで高速にアクセスできるし、構造が汎用的でアクセスが簡易で有効利用をはかることができる。
【0041】
次に、PCFAX機能でファクス受信を行う処理について説明する。
図7はPCFAX受信処理を示している。
ファクシミリ受信は、電源が供給されて電話回線が接続されている限り、受信部11が自動的に行うことができ、不揮発性メモリー13に受信した受信データが保存される。受信が完了すると、ステップS200にて、受信部11が、ファクス制御部14に、ファクスの受信を通知する。ファクスの受信が通知されると、ファクス制御部14が、ステップS202にて、共有メモリー70にモードを確認しに行く。具体的には、ファクス制御部14は共有メモリー70にアクセスし、動作モードを表すパラメータを読み込み、PCFAXモードを表すものか否かを判断する。
【0042】
動作モードはPCFAXモードか、自動印刷モードであり、PCFAXモードであれば、ファクス制御部14は、ステップS204にて、PCFAX制御部80に、ファクスの受信を通知する。ファクスの受信を通知されたPCFAX制御部80は、ステップS206にて、変換部60に、受信データを、PDF形式の変換データに変換させる指示を出す。すると、変換部60は、ステップS208にて、受信部11の不揮発性メモリーにアクセスし、TIFF形式の受信データを取得する。受信部11にて受信された受信データはファクシミリ送受人に適したTIFF形式であるため、変換部60は、ステップS210にて、TIFF形式の受信データをPDF形式の変換データに変換することにより、以降、管理PC90などで表示したり印刷したりする際に利用しやすくなる。変換が完了すると、変換部60は、ステップS212にて、外部ストレージ50に、PDF形式の変換データに保存する。なお、変換部60は、変換して生成した変換データの数をカウントしておく。
【0043】
外部ストレージ50に保存した後、変換部60は、ステップS214にて、PCFAX制御部80に、変換完了を通知し、PCFAX制御部80は、ステップS216にて、外部データベースにアクセスし、外部ストレージ50に変換データが存在するように更新する。
このように、変換後のファイルを保存した後に、外部データベースを更新しているので、変換途中で変換データにアクセスすることを防止できる。この過程の処理は、記憶部が第1通信部で受信されたデータに基づいて変換データを所定のファイル形式に変換して記憶し、第2通信部は所定のファイル形式に変換して記憶部に記憶する処理が完了するまでは、当該変換データが当該記憶部に存在しないものとして管理装置と通信することに相当する。
【0044】
一方、ステップS202にて、自動印刷モードを表すパラメータであると判断された場合、ファクス印刷部20で紙媒体への印刷を行わせることになる。具体的には、ファクス制御部14は、ステップS218にて、PCFAX制御部80に、ファクスの受信を通知するとともに、ファクス制御部14(PCFAX制御部80)は、ステップS220にて、ファクス出力部に、ファクスデバイス内の受信データを出力させる。ファクス印刷部20で印刷する制御は、ファクス制御部14が行っても良いし、PCFAX制御部80が行っても良い。
【0045】
印刷を指示されるとファクス印刷部20はファクスデバイス10内の不揮発性メモリー13にアクセスして未印刷の受信データを取得し、紙媒体に印刷を行う。印刷が完了すると、ファクス印刷部20は、ステップS222にて、出力終了したことを、ファクス制御部14に通知する。すると、ファクス制御部14は、ステップS224にて、内部データベースに対して印刷した受信データに対する「印刷済み」フラグを付与する。上述したように記憶領域がある限りは印刷した時点では受信データを削除するのではなく、単に内部データベースで印刷済みフラグを立てるだけの処理を実施する。
【0046】
紙媒体に印刷した場合は、これによってユーザに送り届けたことになるが変換データに保存しただけではユーザはまだ受け取ったとは言えないので、管理PCから変換データを取得する必要がある。図8は、MFP側での変換データの提供(出力)処理を示し、図9は、管理PC側での管理PCの変換データ取得処理を示している。
変換データが存在するか否かは、管理PCの側から定期的にMFPの側に問い合わせを行なっている。
【0047】
管理PCは、ステップS250にて、PCFAX制御部80に、一定時間ごとに変換データの存在を問合せる。これに対し、変換データが存在するのであれば、PCFAX制御部80は、ステップS230にて、管理PCに、変換データの存在を通知し、変換データを出力するための準備を行う。まず、PCFAX制御部80は、ステップS232にて、本MFPがネットワーク接続かUSB接続かを判断する。具体的には、PCFAX制御部80は、共有メモリー70にアクセスし、接続態様のパラメータを読み出す。同パラメータは、管理PC90との接続がUSB接続かネットワーク接続かを表すものである。
【0048】
本MFPでは、MFPが管理PCとUSB接続しているときには管理PCに対してUSBの外部ストレージ50として常にマウント状態を維持し、ネットワーク接続の場合は管理PCからの取得要求があったときにだけマウント状態とし、それ以外はアンマウント状態とする。
ネットワーク接続なら、PCFAX制御部80は、ステップS234にて、外部ストレージ50を、アンマウント状態からマウント状態に切り替える。また、USB接続なら、PCFAX制御部80は、ステップS236にて、外部ストレージ50を、マウント状態(USB接続時のデフォルト状態)に維持する。
【0049】
一般には、ネットワーク接続でUSBデバイスのストレージを供給した場合、記憶内容が変化してもOSが自動的には最新の状態に更新しない。このため、未取得の変換データを外部ストレージ50に保存しただけでは管理PC90等は変換データの存在を知り得ない。しかし、USBデバイスがアンマウント状態からマウント状態になると、これをトリガーとして管理PC90を含めたネットワーク上の機器は、OSの仕様上この変化を検知する。そして、外部ストレージ50の記憶内容の最新状態を取得する。このため、保存された変換データを認識できるようになる。
【0050】
一方、管理PC90に対してMFPがUSB接続されている場合は外部ストレージ50の保存内容が変化したことを直に通知すればよいので、このようなマウント・アンマウントの制御はしなくても構わない。
いずれにしても、これによって外部ストレージ50の最新情報を、管理PC90から参照可能であり、PCFAX制御部80は、ステップS238にて、管理PCから90の、変換データの取得の通知を待機する。すなわち、PCFAX制御部80は管理PC90からの取得の完了を待機することになる。
【0051】
MFP側の上述した処理に応えて、管理PC90は、変換データを取得する。ここで、MFPが一つのネットワークに複数台接続されることを考慮しなければならない。それぞれのMFPで外部ストレージ50が同じようにネットワークに接続されているのであれば、管理PC90はこれらを区別できなければならない。そこで、管理PCは、ステップS252にて、ネットワーク上の外部ストレージ50を探索する。
【0052】
探索にあたり、少なくとも外部ストレージ50にはFAXRECVというファイルが存在するはずであり、これを目印にしてフォルダーを探す。FAXRECVというファイルがあれば、管理PC90は、ステップS254にて、探索された外部ストレージ50のフォルダーにあるFAXRECVというファイルを読み込む。自分自身が管理PCとして登録されているMFPであれば、自分自身のマックアドレスをもとにした一意のPC−IDが内容として保存されているはずであり、管理PC90は、ステップS256にて、FAXRECVファイルの中身が自身のPCIDと一致するか判断する。そして、ステップS258にて、管理PCは、一致する場合に現在探索している外部ストレージ50が管理中のPCFAXであると認識し、一致しない場合に他の外部ストレージ50を探索する。
【0053】
管理中のPCFAXであれば、管理PC90は、ステップS260にて、同管理中のPCFAXの外部ストレージ50から、変換データを取得する。そして、取得が完了したら、管理PC90は、ステップS262にて、PCFAX制御部80に、変換データの取得を通知する。
PCFAX制御部80は、ステップS238にて、この通知を待機しており、通知がきたら、上述したマウント・アンマウントの制御を実行する。すなわち、PCFAX制御部80は、ステップS240にて、本MFPがネットワーク接続かUSB接続かを判断し、ネットワーク接続なら、PCFAX制御部80は、ステップS242にて、外部ストレージ50を、マウント状態からアンマウント状態に切り替え、USB接続なら、PCFAX制御部80は、ステップS244にて、外部ストレージ50を、マウント状態(USB接続時のデフォルト状態)に維持する。ネットワーク接続の時にはこれ以降は外部ストレージ50はネットワーク上で表示されなくなり、不用意なアクセスもなくなってデータの管理上も好ましい。
【0054】
ところで、新たな着信によって変換データが作成され、これを管理PC90にて取得した後、必要なものは保存しておけばよいが、不要なものは削除していく必要も生じる。ファクス単体で自動印刷モードで動作していれば、基本的には印刷したら印刷済みとし、記憶領域がなくなったら先入れ先出しの要領で古いものから削除していけばよい。しかし、管理PC90でデータファイルとして利用していくときには、古いデータファイルが多すぎて管理しにくかったり、意図的に早期に削除したいという場合もある。本実施例においては、変換データの削除は敢えてネットワークから行わず、MFP側に削除させるようにしている。例えば、外部ストレージ50は読み込み専用としておいて自由に削除したり変更を加えさせないような利用方法が有効である。
【0055】
このような要望に応えて変換データを削除するため、図10は管理PCの側からの削除要求処理を示しており、図11はMFPの側での削除対応処理を示している。
管理PC90の側では、操作者が特定の変換データの削除を希望したとすると、ステップS300にて、操作者が管理PC上で削除の操作を指示する。すなわち、キーボードやマウスの操作による削除操作を受け付ける処理を実行する。これにより、管理PC90は、ステップS302にて、PCFAX制御部80に、特定の変換データの削除を指示する。管理PC90は自分自身ではネットワーク上で削除をしないので、管理PC90は、ステップS304にて、PCFAX制御部80から、削除の完了の通知を待機することになる。
【0056】
MFPの側では、PCFAX制御部80は、ステップS310にて、管理PC90から、特定の変換データの削除の指示を受けると、同PCFAX制御部80は、ステップS312にて、変換部60を介して外部ストレージ50に、変換データの削除を指示する。変換部60を介して指示するのは、変換部60が生成した変換データの数と削除の数をカウントしていることに対応しており、変換部60は生成した数から削除した数を引くことで、外部ストレージ50に保存されている最新の状態での変換データの数を管理することができる。この意味では、PCFAX制御部80は、外部ストレージ50に変換データの削除を指示するのと並行して変換部60にも変換データの削除の指示を伝えても良い。そして、外部ストレージ50は、ステップS314にて、指定された変換データを削除する。
【0057】
本MFPでは、PCFAXモードでは、ファクシミリ受信を行ったときに不揮発性メモリー13には受信データが保存され、外部ストレージ50には変換データが保存され、二重に保存されることになる。それぞれ、メリットとデメリットを併せ持つ不揮発性メモリーと揮発性メモリーの長所を利用している。従って、削除も両者を対象として管理する。
【0058】
このため、PCFAX制御部80は、ステップS316にて、ファクス制御部14に、削除を指示する。この結果、ステップS318にて、PCFAX制御部80は、外部データベースにアクセスし、外部ストレージ50の変換データが削除されたように更新し、ファクス制御部14は、内部データベースにアクセスし、受信データに対する「削除済み」フラグを付与する。内部データベースでは、各受信データに対して印刷済みのフラグと削除済みのフラグが与えられており、以降の受信データの扱いはほぼ同じである。従って、一括して印刷済みのフラグだけにしても良いが、両者を個別に管理することでさらに有用な利用を図っても良い。例えば、削除済みのフラグが立てられたものは不揮発性メモリー13から意図的に早期に削除するようにしてもよい。
【0059】
両方のデータベースを管理したことにより、PCFAX制御部80は、ステップS320にて、管理PC90に、削除の完了を通知する。すると、管理PC90は、ステップS308にて、削除の完了の通知を受けて終了する。この際、もし、相当期間が経過してもPCFAX制御部80から削除の完了の通知が得られないのであれば、管理PC90は、ステップS306にて、タイムアウトとして操作者にエラーを通知する。
【0060】
ところで、不意の電源断等が生じると揮発性メモリーである外部ストレージ50の記憶内容は消滅する。すでに、管理PC90が全ての変換データを取得していればファクシミリ受信を、ユーザに伝えたことになるが、管理PC90の電源がオフの間にMFPで受信していた場合はPCFAXモードであると自動印刷されずに外部ストレージ50に変換データとして保存されており、管理PC90から取得されるのを待機していることになる。従って、このような状況でMFPに電源断が生じてしまうと変換データが消滅してしまうことになる。
【0061】
上述した二重保存に関連して、本MFPは、不意の電源断によるデータの不整合を以下のように解決している。図12はMFPでの起動時復元処理を示している。
この起動時復元処理では、起動時に、ステップS270以下の処理が実施される。まず、受信部11は、ステップS272にて、不揮発性メモリーの内部データベースにアクセスし、「印刷済み」と「削除済み」フラグをチェックして管理PC90から見た未取得の受信データがあるか確認する。上述したように「印刷済み」と「削除済み」は基本的に同様の処理が行われるが、印刷済みフラグが立てられるのは自動印刷モードでの受信時にファクス印刷部20で印刷済みのものであるからPCFAXモードでの管理状況下にないものである。また、削除済みフラグが立てられているのであれば既に管理PC90で取得され、その後に削除を指示されたものであるから、外部ストレージ50になくて当然のものである。従って、いずれにもフラグが立っていないのであれば、管理PC90から見て未取得あるいは取得はしたが削除は指示していないものとなり、外部ストレージ50に保存されていてしかるべきである。なお、未取得か取得かの区別は管理PC90の側で行っても良いし、MFPの側で行うこともできる。この管理を行う取得済みフラグを用意し、ステップS238で管理PC90が変換データを取得したときに同取得済みフラグを立てる。また、ステップS230にて変換データの存在をPCFAX制御部80が管理PC90に伝えるときには、同フラグを参照して未印刷、未削除で、かつ、取得済みフラグが立っていないものがあるときに変換データがあると通知すればよい。
【0062】
外部ストレージ50に残っているべき変換データがあるはずであれば、受信部11は、ステップS274にて、ファクス制御部14に、不揮発性メモリー13内に未印刷の受信データがあることを通知する。これ以降は、ファクシミリ受信をしたときと同様の処理を行う。
すなわち、ファクス制御部14は、ステップS276にて、共有メモリー70に、モードを確認しに行く。具体的には、ファクス制御部14は共有メモリー70にアクセスし、動作モードを表すパラメータを読み込み、PCFAXモードを表すものか否かを判断する。PCFAXモードであれば、ファクス制御部14は、ステップS278にて、PCFAX制御部80に、未処理の受信データがあることを通知する。すると、PCFAX制御部80は、ステップS280にて、変換部60に、受信データを、PDF形式の変換データに変換させる指示を出す。ステップS282にて、変換部60は、受信部11の不揮発性メモリーにアクセスし、TIFF形式の受信データを取得する。これにより、変換部60は、ステップS284にて、TIFF形式の受信データをPDF形式の変換データに変換し、ステップS286にて、外部ストレージ50に、PDF形式の変換データに保存する。保存が完了すると、変換部60は、ステップS288にて、PCFAX制御部80に、変換完了を通知する。通知を受けたPCFAX制御部80は、ステップS290にて、外部データベースにアクセスし、外部ストレージ50に変換データが存在するように更新する。
【0063】
ファクス制御部14は、ステップS292にて、PCFAX制御部80に、未処理の受信データがある間は以上を繰り返す。このようにしてステップS278以下を繰り返すことで外部ストレージ50は電源断前の状態に復元され、揮発性メモリーを併用したメリットを生かしつつも、電源断で記憶内容が消失するというデメリットは回避できるようになる。なお、ステップS278以下を復元処理と呼ぶことにする。
【0064】
二重の管理では正常な動作では考えられないことも起きる可能性に対処し置く方が好ましい。そのため、外部ストレージ50に不整合が発見された時の復元処理も実現している。図13は、この不整合発見時の復元処理を示している。
本MFPでは不整合の判定として二つの例を検討している。第一の例としては、外部ストレージ50に存在すべきFAXRECファイルが消失している状況であり、第二の例としては、作成した変換データの数と削除した変換データの数とが現在の変換データの数と整合しない場合である。
【0065】
まず、不整合判定1として、PCFAX制御部80が、ステップS330にて、外部ストレージ50にアクセスし、FAXRECVにファイルの有無を判断し、なければ不整合と判定する。
また、不整合判定2として、PCFAX制御部80が、ステップS332にて、外部ストレージ50と変換部60にアクセスし、作成と削除のカウントが整合しているか判断する。より具体的には、
【0066】
(書き込んだファイルの数)−(削除したファイルの数)≠(現在のファイルの数)
ならば不整合と判定するというものである。不整合の例としては他にもFATの不整合をチェックするといったことも可能であり、以上の例に限られるものではない。
なお、この条件式により、第2記憶部に存在するデータの数が同第2記憶部に記憶させた数から削除した数の差に一致しているか否かを判定している。
【0067】
そして、ステップS334にて、不整合が発見されたかを判断する。本来であれば不整合は生じないのであり、不整合がある場合は、現在残っている変換データの内容自体も信頼できるか否か分からない。
このため、不整合ありと判断された場合は、PCFAX制御部80が、ステップS336にて、外部ストレージ50にアクセスし、記憶内容をリセットする。また、電源断と同様に外部ストレージ50の内容の復元処理を前提とするので、PCFAX制御部80が、ステップS338にて、変換部60にアクセスし、作成と削除のカウントをリセットする。そして、ステップS340では、上述したステップS278以下の復元処理を実行する。
【0068】
外部ストレージ50の内容を復元する必要性が、不整合以外にもう一つ考えられる。操作者が自動印刷モードからPCFAXモードへ変更したような場合である。不揮発性メモリー13には未印刷の受信データがある状態でPCFAXモードへ移行する際に、一つの希望として、印刷は行わないで変換データとして管理PC90から管理を開始したいということもある。図14は、このような自動印刷モードからPCFAXモードへの変更処理を示している。
【0069】
PCFAX制御部80が、ステップS350にて、管理PC90から、モードの変更の処理を受け付けた場合、PCFAX制御部80は、ステップS352にて、ファクス制御部14に対し、内部データベースにアクセスさせて不揮発性メモリー13内に未印刷の受信データがあるか確認させる。
以下の処理は、状況として、電源断の場合に不揮発性メモリー13に未印刷の受信データがあるときと同様である。すなわち、未印刷の受信データがあるときに、以降はPCFAXモードで管理を行うのであれば、この未印刷の受信データに基づいてPDF形式の変換データに変換して外部ストレージ50に保存しなければならない。
【0070】
従って、未印刷の受信データがあるのであれば、ステップS354にて、上述したステップS278以下の復元処理を実行する。
このように、本実施例では、MFPなどにおいて、未出力の変換データをそのままにして、管理装置の変更の指定を受け付けないようにする。ただ、本体の操作パネル40からのPC−FAXモードの解除は可能であり、この場合は未出力の変換データを全て印刷して未出力の変換データを無くした後に、PC−FAXモードの解除を行うようにしてもよい。
【0071】
上述したように、PCFAX受信機能を実現するために、受信した受信データをロスすることなくなく管理PCにて取得することを目的としている。MFPでは上記のPCFAX受信機能を実現するために、受信した受信データをPDF形式に変換し、管理PCから取得できるよう、外部ストレージとして認識できる保存領域にファイルを作成する。また、外部ストレージに保存されているファイルリストに不整合を生じさせないように、ファイルを取得したり消去したりできる管理PCを一台に限定する。管理PCを別のPCに変更することが可能な条件は、MFPで「PCFAX受信機能が有効」かつ「未取得データがない」場合のみとする。また、管理PCがPCFAX受信機能を無効にすることが可能な条件は、MFPで「PCFAX受信機能が有効」かつ「未取得データがない」場合のみとする。この条件を全て満たすことを前提として、受信した受信データをロスなく管理PCにて取り込んだり、印刷をしたりする。
【0072】
本実施例では、受信した受信データをデータロスなく管理PCから取得できるように以下の動作を行う。
・変換データのファイルの取得及び消去処理を行える管理PCを一台のみとする。
・管理PCの変更は、MFPが未取得データを持たない状態に限る。
・管理PCからのPCFAX受信機能の無効化処理は、MFPが未取得データを持たない状態に限る。
【0073】
・MFPの直接操作によりPCFAX受信機能を無効化する際にMFPが未取得の変換データを持つ場合は、未取得データを全て印刷する。
・なお、ファイルの可視化処理であるPDF形式への変換は一旦外部ストレージへデータの書き込みを完了させた後で、行うようにしても良い。
PDF形式の変換データを作成する際には作成途中のデータを管理PCから参照されないようにする。これは外部データベースへの書き込みタイミングの処理以外にも、ファイルの可視化処理を受信データ及びデータ情報の全てを書き込み終わってからとしてもよい。また、未取得の変換データがある状況でMFPのPCFAX受信機能を無効にすると、未取得の変換データを全て印刷する処理を行うようにしてもよい。
【0074】
この場合は、
FAXデータ受信
該当データの変換
外部ストレージへの書き込み
該当ファイルの可視化
という作業手順となる。そして、ファイルの書き込み処理は上記のように可視化を最後に行っている。
また、管理PCからの管理装置の変更の指定は、上記のように、要求元のPCが管理PCであるか、MFPに未取得データが存在するかによって動作を変化させた。
【0075】
このようにすることで受信した受信データをロスや取得漏れなどなく管理PCでの取得やMFPでの印刷が可能となった。
上述した実施例では、MFPと管理PC90との接続がUSB接続かネットワーク接続かを表すパラメータが接続態様として共有メモリーに記憶されている。そして、ステップS232にて共有メモリー70にアクセスして接続態様のパラメータを読み出し、ネットワーク接続かUSB接続かを判断する。そして、USB接続であれば、ステップS236とステップS244にてマウント状態を維持したままとするが、ネットワーク接続であれば、ステップS234にてアンマウント状態からマウント状態に切り替え、ステップS242にてマウント状態からアンマウント状態に切り替えるという処理を行っている。むろん、この間のステップS238で管理PC90は変換データを取得することになる。
【0076】
かかる切り替えを行うか否かの処理が「第2通信部の接続態様に応じて上記外部記憶媒体のアクセス状態を切り替える」というアクセス制御部を構成する。より具体的には、アクセス制御部が、「上記外部記憶媒体のマウント状態とアンマウント状態とを切り替えるとともに、上記第2通信部が上記管理装置と1:1の接続経路による通信を行うときにはマウント状態を継続させ、上記第2通信部が同管理装置と複数の共有接続経路による通信を行うときには上記管理装置が上記外部記憶媒体にアクセスするときにマウント状態としつつそれ以外はアンマウント状態と」する処理に相当する。
【0077】
上述した実施例では、ステップS104で管理PC90はマックアドレスからPC−IDを作成するとともにステップS106で同PC−IDをMFPに登録要求しているが、マックアドレスは管理PCに固有の情報であるから、このPC−IDを作成して登録要求する処理が「自身に固有の名称の指定を行う」という管理側名称指定部を構成する。また、MFPの側ではステップS112にて同PC−IDを取得しており、「管理装置から同管理装置に固有の名称の指定を受け付ける」という名称指定部を構成している。
【0078】
これに対応してMFPの側ではステップS112にてPC−IDを取得しており、管理PC90に固有の名称の指定を受け付ける名称指定部を構成している。また、ステップS116では同PC−IDを内容としてFAXRECVというファイル名で保存し、このFAXRECVが存在する外部ストレージ50(外部記憶媒体に相当する)に、ステップS212にてPDF形式の変換データが保存される。すなわち、FAXRECVが存在するフォルダーと所定の位置関係にあるフォルダーに変換データをファイルとして保存することになる。従って、これらの処理で記憶制御部を構成する。また、管理PCの側では、ステップS256にて、FAXRECVの中身がPC−IDに一致するか判断し、ステップS258で、一致するものが見つかるまで外部ストレージ50を探索する。従って、かかる処理が「通信装置と接続する外部記憶媒体から上記指定した名称に基づいてデータの探索を行う」という管理側探索部を構成する。そして、ステップS260で探索された外部ストレージ50から変換データを取得するので、この処理が「管理側探索部が見つけた変換データを上記通信装置から取得する」という管理側取得部を構成する。
【0079】
上述した実施例では、PC−IDを内容とするFAXRECVというファイル名としており、指定された名称を含むファイルを作成している。しかし、ステップS116でPC−ID自体をファイル名称としたファイルを作成することにより、「指定された名称に基づく名称のファイル」を作成するようにしてもよい。この場合は、ステップS256でFAXRECVの中身を判断するのではなく、PC−IDのファイル名称とするファイルを探すことになり、「指定された名称に基づく名称のファイル」としてデータを探索することになる。
【0080】
また、PC−IDを内容としたりPC−IDを名称とする目印代わりのファイルを使用する手法に加えて、暗号化と復号化の鍵としてPC−IDを使用しても良い。すなわち、ステップS210で変換部60がPC−IDを暗号化の鍵として用いてPDF形式の変換データに変換した後、ステップS212で外部ストレージ50に保存すれば、「指定された名称に基づいて暗号化して変換データを外部記憶媒体に記憶させる」ことに相当する。また、管理PCの側では、ステップS254〜ステップS258でPC−IDを内容とするファイルを探す代わりに、同PC−IDで復号化が成功するファイルが存在する場所を探索すればよい。かかる処理が、指定された名称に基づいて復号化可能なファイルを探索する」という処理に相当する。
【0081】
このポイントは、管理PCにインストールされたアプリケーションなどで管理PCの情報を元にユニークな文字列を作成してMFPに登録しておき、MFPはこの文字列を保存し、PCFAX受信が有効に設定されたときに外部ストレージへこの文字列を含むファイルを作成していることである。また、管理PCのアプリケーションでは、変換データのファイルの取得の際に、外部ストレージのパスのみではなく、そこに保存されているファイルの中に先に登録したユニークな文字列を含むファイルが存在するかを確認し、存在している場合にその外部ストレージをPCFAX受信用の外部ストレージと判断し、受信ファイルを取得する処理を開始することにある。
【0082】
これにより、PCFAX受信においては取得すべき外部ストレージを正確に探索することができるため、MFP側で管理PCにひも付けされた情報を外部ストレージに保存し、管理PCが取得すべき外部ストレージを対応づけることができる。
そして、同じ製品を同じネットワーク内で使用する場合など、外部ストレージのボリュームラベルが共通のものがあった場合でも、使用しているMFPの該当する外部ストレージを確実に探索できることになる。
【0083】
上述した処理では、起動時にステップS270以下を実施するので、この処理を実行させる機能が「電源のオンオフを判断する」という電源判断部を構成している。また、不揮発性メモリー13が「受信データを電源のオンオフにかかわらず記憶する」という第1記憶部を構成している。同様に外部ストレージ50は「受信したデータを所定の形式に変換した変換データを電源がオンの間だけ記憶する」という第2記憶部を構成している。そして、ステップS272〜ステップS292の処理で不揮発性メモリー13の受信データを変換データに変換して外部ストレージ50に記憶させるための処理とハードウェア構成が「電源がオンされたことを判断したことに応じて上記第1記憶部の受信データを変換データに変換して第2記憶部に記憶させる」という復元管理部を構成している。
【0084】
ステップS272では内部データベースの「印刷済み」と「削除済み」のフラグに基づいて変換対象を選別しているので、「出力済みの受信データに対応する受信データを変換データに変換して第2記憶部に記憶させる処理を行わない」という機能を、「第1記憶部に保存した内部データベースで行」なっているといえる。また、この内部データベースは削除用のフラグと、印刷済みフラグを設け、出力済みか否かの管理は印刷済みであれば出力済みとみなして処理していると言える。
【0085】
さらに、電源がオンされたこと以外に、不整合が生じた場合や、自動印刷モードからPCFAXモードへの変更処理をした場合にも復元を実現している。
印刷に関する処理や、削除に関する処理は、適宜、変更可能であることは言うまでもない。例えば、PCFAX受信機能でファクスデータの受信時にそのデータを保存するファクスデータ保存領域として不揮発性メモリー13を設け、また変換した変換データを保存する外部ストレージ50として揮発性メモリーを有している。PCFAX受信機能を使用している状態で、受信した変換データを管理PC90にて取得完了すると、管理PC90からMFPへ取得完了通知が送られる。MFPは本通知を受け取ると、該当するファクスファイルをファクスデータ保存領域から削除するとともに、該当ファイルに対応する受信データを外部ストレージ50から探索し、該当データに「印刷済み」フラグを追加する。同フラグはPCFAX受信機能を無効にしている状態で印刷されたFAXデータにも同様に追加されている。
【0086】
MFP起動時には、PCFAX受信機能を有効にしている場合は、不揮発性メモリー13であるファクスデータ保存領域に保有されているファクスデータから「印刷済み」フラグが付与されていないデータを探索し、該当する全てのファクスデータを変換し、外部ストレージ50に保存する処理を実行する。これにより、起動時には変換データを直前の終了時と同様の内容に保つことができる。
【0087】
上述した処理では、ステップS330にて不整合判定1を実施し、ステップS332にて不整合判定2を実施しており、これらの処理が、「第2記憶部の不整合状態を検知する」という不整合判定部を構成する。また、いずれかにおいて不整合があると判定されると、ステップS340にてステップS278以下の処理で不揮発性メモリー13の未取得の受信データを外部ストレージ50に復元するための処理とハードウェア構成が「第2記憶部の不整合状態が検知されたことに応じて、第1記憶部に記憶されている受信データを変換して、変換された変換データを第2記憶部に記憶させる管理を行う」という不整合時復元管理部を構成している。
【0088】
また、ステップS336では予め外部ストレージ50にアクセスして記憶内容をリセットしており、この処理も不整合時復元管理部を構成している。
上述した処理では、ステップS350でPCFAX制御部80が管理PC90から、自動印刷モードからPCFAXモードへの変更の処理を受け付けたか判断しており、「第1出力部による出力か第2出力部による出力かのモード変更を受け付ける」というモード変換部を構成する。この前提として「受信データに基づいて第1の出力を行う」という第1出力部はファクス印刷部20あるいは操作パネル40のディスプレイが相当し、「変換データに基づいて管理装置に第2の出力を行う」という第2出力部は、外部ストレージ50に対してアクセスして変換データを取得する構成が相当する。
【0089】
そして、ステップS352にて未印刷の受信データがあるときにステップS354にてステップS278以下の処理で不揮発性メモリー13の未取得の受信データを外部ストレージ50に復元するための処理とハードウェア構成が「第1の出力を行うモードから第2の出力を行うモードに変換されたとき、第1記憶部に記憶されている受信データを変換して、変換された変換データを第2記憶部に記憶させる管理を行う」というモード変化時復元管理部を構成している。
【0090】
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。
例えば、電話回線を用いたFAX通信に限られるものではなく、インターネット回線を用いたFAX通信やFAX以外の通信方式を用いてもよい。
また、当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
【0091】
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【符号の説明】
【0092】
10…ファクスデバイス、11…受信部、12…送信部、13…不揮発性メモリー、14…ファクス制御部、20…ファクス印刷部、30…スキャナー部、40…操作パネル、50…外部ストレージ、60…変換部、70…共有メモリー、80…PCFAX制御部、90…管理PC。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及び通信方法に関し、特に、ファクシミリ通信が可能であってコンピュータにも接続可能な通信装置及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年ではファクシミリ(以下、単にファクスと呼ぶ)をコンピュータ(以下、管理PCと呼ぶ)に接続し、ファクスによる受信データを有効に活用できるようにしたものが利用されている。このように管理PCに接続する利用はPCFAX受信機能で実現されている。同PCFAX受信機能で受信したファクシミリ通信を介したデータ(以下、ファクスデータと呼ぶ)は、有効利用のために所定のストレージ(外部記憶媒体、あるいは外部ストレージと呼ぶ)に保存して公開する。
【0003】
従来、管理PCの側では、取得すべきファクスデータが保存されている外部ストレージのパスを予め対象となるファクスデバイスとして決定している。そして、そのパスに従って対象となるファクスデバイスを探索することで、同管理PCが取得すべきファイルが保存されている外部ストレージを発見している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−318904号公報
【特許文献2】特開2007−11704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、外部ストレージに対して誰もが容易にアクセスできるような接続態様の場合は、同外部ストレージに対するアクセスを適性に管理できないと、ユーザに対してファクスデータを届けることを保証できなくなる。むろん、このような管理は煩雑さも伴うし、接続態様によっては一定の管理PCしか接続しない場合にまでかかる管理を行うのは無駄である。さらには、OSの仕様によっては接続態様を考慮した適切な制御が必要となることもある。
【0006】
本発明は、接続態様に応じて効率的に外部ストレージを管理することが可能な通信装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を実現するため本発明は、第1通信部は外部装置と通信を行うことが可能であり、第2通信部は管理装置と複数の接続態様で通信を行う。上記外部装置から受信した受信データを記憶媒体に記憶される。また、上記第2通信部の接続態様に応じて、アクセス制御部は上記管理装置から上記記憶媒体へのアクセス可否状態を切り替える。
例えば、第2通信部による管理装置との接続がクローズドな状態とオープンな状態とがあり、これによって外部記憶媒体へのアクセスのしやすさが変化する。従って、アクセス制御部は上記第2通信部の接続態様に応じて上記外部記憶媒体のアクセス状態を切り替える。これにより適切な管理をしやすくなる。
【0008】
この一例として、上記第2通信部は、1対1の第1の接続経路による上記管理装置との通信と、複数の装置と同時に接続可能な第2の接続経路による上記管理装置との通信との接続態様を有するように構成してもよい。
また、アクセス状態の切り替えの一例として、上記アクセス制御部は、上記第2の接続経路を通じて上記管理装置と通信を行う場合に、上記管理装置から上記記憶媒体へのアクセス要求に応じて所定期間をアクセス可とし、その他の期間はアクセス不可とするようにしてもよい。
【0009】
さらに、上記第2通信部は、上記アクセス可能状態のまま上記記憶部が上記記憶媒体に記憶を行ったことの上記管理装置による認識が行われない第1の接続経路による通信と、上記アクセス可能状態のまま上記記憶部が上記記憶媒体に記憶を行ったことの上記管理装置による認識が行われる第2の接続経路による通信との接続態様を有するようにしてもよい。
この場合、上記アクセス制御部は、上記第1の接続経路を通じて上記管理装置と通信を行う場合に、上記記憶部が上記記憶媒体に記憶を行った事に応じてアクセス可からアクセス不可とし、その後アクセス可に切り換えることが可能である。
【0010】
また、アクセス状態の切り替えの一例として、上記アクセス制御部は、上記記憶媒体のマウント状態とアンマウント状態とを切り替えることでアクセス可否を切り換えるようにしてもよい。
第2通信部が管理装置と1:1の接続経路による通信を行うときにはクローズドな接続環境であるから、外部記憶媒体をマウント状態に継続させても弊害はない。これに対して、第2通信部が同管理装置と複数の共有接続経路による通信を行うときにはオープンな接続環境であるから、一定の管理装置が外部記憶媒体にアクセスするときにだけマウント状態としてアクセス可能とさせ、それ以外はアンマウント状態としてアクセス拒否とすることでセキュリティーの保全を図れる。
また、アンマウント状態とマウント状態とを積極的に切り替えることでOSによっては記憶内容の更新を行うきっかけとなることもあり、個別に更新を通知しなくてもマウント状態の管理だけで更新の通知を行うことも可能となる。
【0011】
第1通信部はファクシミリ通信等が該当するが、これに限るものではない。第2通信部は無線あるいは有線のLAN接続であったり、無線のブルートゥース接続であったり、有線のUSB接続など、特に限定されるものではない。管理装置はコンピュータなどが該当するが、デスクトップ、ノートブック、PDA、スマートフォンなどが含まれるが、これらに限るものではない。
従って、より具体的な接続経路の一例として、上記第1の接続経路はUSBであり、上記第2の接続経路はLAN又はWANである構成としてもよい。
第2通信部の接続経路として、USB接続は一般には1:1の接続経路といえ、クローズドな接続環境である。ただし、共有設定によっては必ずしもそうとは限らない。ネットワーク接続であれば共有接続経路といえ、オープンな接続環境であるが、暗号化通信によっては限りなくクローズな接続環境を形成することも可能ではある。従って、一概には接続経路だけでオープン化クローズドかは断定できない。
【0012】
むろん、本発明は、かかる通信装置における工程としても把握可能であり、その意味では本発明は、第1通信部により外部装置と通信を行い、第2通信部により管理装置と複数の接続態様で通信を行う通信方法であって、上記外部装置から受信した受信データを記憶媒体に記憶させる記憶工程と、上記第2通信部の接続態様に応じて上記管理装置から上記記憶媒体へのアクセス可否状態を切り替えるアクセス制御工程とを備える通信方法として構成することも可能である。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明によれば、管理装置との通信の接続態様に応じて記憶媒体のアクセス状態を切り替えることにより、必要な限度で管理を行うことができるようになり、効率的な管理を実現することができる。また、マウント状態の管理を行えば、OSの仕様によっては記憶内容の更新を効率的に通知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】通信装置が適用された複合機(MFP)のブロック図である。
【図2】管理装置となる管理PC側での設定登録処理を示すフローチャートである。
【図3】MFP側の設定登録処理を示すフローチャートである。
【図4】外部ストレージをストレージとして記憶内容を表示したツリー構造を示す図である。
【図5】PCFAX制御部が実施するMFP側の設定受け付け処理(禁止処理)を示すフローチャートである。
【図6】不揮発性メモリーの内容を管理するための内部データベースを示す図である。
【図7】PCFAX受信処理を示すフローチャートである。
【図8】MFP側での変換データの提供(出力)処理を示すフローチャートである。
【図9】管理PC側での管理PCの変換データ取得処理を示すフローチャートである。
【図10】管理PC側からの削除要求処理を示すフローチャートである。
【図11】MFP側での削除対応処理を示すフローチャートである。
【図12】MFP側での起動時復元処理を示すフローチャートである。
【図13】不整合発見時の復元処理を示すフローチャートである。
【図14】自動印刷モードからPCFAXモードへの変更処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。以下、本発明の通信装置として、ファクシミリ機能、印刷機能、スキャナー機能などを備えた複合機(MFP)に適用した実施例について説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるMFPと管理PCとをブロック図により示している。
同図において、複合機(MFP)は、ファクス送受信を実現するファクスデバイス10と、紙媒体への印刷を実現するファクス印刷部20と、紙媒体の読み取りを実現するスキャナー部30と、ユーザからの操作を受け付ける操作パネル40と、本MFPから外部にストレージとしてみせるための外部ストレージ50と、ファクス受信データを外部機器向けのPDFファイルに変換する変換部60と、各種の状態などを記憶しておく共有メモリー70と、総合的な制御を実現するPCFAX制御部80とを備えている。
【0016】
ファクスデバイス10は、電話回線を介して外部装置であるファクシミリとファクス送受信を行うための受信部11と送信部12とを備え、主にファクス送受信によるデータを保存するための不揮発性メモリー13を備えている。なお、不揮発性メモリー13に記憶する受信データはTIFFファイル形式であり、区別のために受信データと呼ぶ。不揮発性メモリー13には送受信の記録やメモリーの管理を行なうためのデータベースが記録され、区別のために内部データベースと呼ぶ。また、ファクスの送受信を含めた全ての制御を実行するのがファクス制御部14である。
【0017】
受信部11と送信部12と不揮発性メモリー13とファクス制御部14とにより外部装置と通信を行う第1通信部を構成している。
ファクス印刷部20は本MFPが受信した受信データを印刷したり後述するように管理PC90からの通常の印刷データに基づいて印刷を実行する。本MFPにおいて、出力とは、紙媒体への印刷をも意味するし、外部ストレージ50を介して管理PC90が読み込み可能な画像ファイルとして提供することも意味する。従って、ファクス印刷部20は出力部の一部を構成する。
【0018】
スキャナー部30は紙媒体の印刷情報などををスキャンして画像を読み込む装置であり、オートシートフィーダを利用して紙媒体を一枚ずつ供給・排紙して画像を読み込んだり、ガラス製のフラットベッド上に載置された厚物の表面情報を読み込んだりする。
操作パネル40は各種の押しボタンスイッチや小規模のディスプレイやLEDを備えた操作盤であり、本MFPを管理装置からだけでなく本操作パネル40によって直に操作者からの操作を入力できるようにしている。この操作パネル40は、操作者からの操作を受け付ける操作部を構成している。
【0019】
外部ストレージ50は揮発性メモリーで実現されており、本MFPの電源断によって記憶内容は消失する。外部ストレージ50は本MFPに接続する機器からは独立したUSBメモリーとしてアクセス可能である。USBメモリーとしてアクセスするのは、マウント/アンマウントをPCFAX制御部80が制御することで外部の機器は本外部ストレージ50のアップデート状況をOSの機能で認識することができるためである。これと関連してPCFAX制御部80は本MFPがネットワーク接続されているときは管理PC90が変換データを取得する都度、外部ストレージ50のマウント/アンマウント状態を適宜変化させる。すなわち、最新の変換データが発生したときにのみマウント状態とし、取得のためのアクセスが必要ないときにアンマウントとしている。
【0020】
外部ストレージ50には、自身の特定のために「FAXRECV」というファイル名のファイルが作成される。また、外部ストレージ50内には管理PC90によるファイル取得などの管理のために外部データベースも記憶される。
外部ストレージ50は受信データをPDF形式に変換した変換データを記憶する。区別のために、PDF形式のものを変換データと呼ぶ。
【0021】
主に外部ストレージ50が外部装置から受信した変換データを記憶する記憶部を構成することになるが、出力にあたっては必ずしも外部ストレージ50のデータだけでなく、上述した不揮発性メモリー13に記憶されている受信データも利用可能である。この意味で、広義には不揮発性メモリー13も記憶部の一部を構成することになる。
変換部60は、外部機器からの参照の利便性を向上させるべく、TIFF形式の受信データをPDF形式の変換データに変換するものであり、PCFAX制御部80からの指示に応じて変換処理を行うが、変換部60自体も変換したファイルの数や削除したファイルの数などを管理できるようになっている。
【0022】
共有メモリー70は本MFPの各デバイスから参照したり書き込みすることが可能なストレージであり、後述するように管理PC90の特定情報にあたるPC−IDと、管理PC90と接続されたPCFAXモードかファクシミリが受信の都度印刷を開始する自動印刷モードかを表す動作モードと、管理PC90との接続がUSB接続かネットワーク接続かを表す接続態様の各データまたはパラメータをファイルとして記憶する。
【0023】
動作モードはこのように二つあるが、管理PC90と接続されたPCFAXモードが管理装置と通信して変換データを出力する第1の動作モードに相当し、ファクシミリが受信の都度印刷を開始する自動印刷モードが外部装置から受信した変換データを管理装置に出力させることなく直に出力する第2の動作モードに相当する。
PCFAX制御部80は以上の各デバイスを制御すると共に、管理PC90と接続して同管理PC90からの要求に対応する。管理PC90とはUSBインターフェイスやネットワークインターフェイスを介して接続可能であり、いずれによる接続かを示すパラメータは接続態様として共有メモリー70に記憶される。管理PC90と接続するUSBやネットワークのインターフェイス等が第2通信部を構成する。また、管理PC90の側でこの第2通信部と通信を行うインターフェイスなどが「通信装置と通信を行う」という管理側通信部を構成する。
【0024】
PCFAX制御部80は後述するソフトウェアの制御によって各種の機能を提供するものであり、一面では外部ストレージ50がPDF形式の変換データを管理PC90に提供する制御を行う上での出力部を構成する。また、管理装置である管理PC90の指定を受け付けるという点で指定部を構成するし、指定されている管理PCを変更する指定の受け付けを禁止する点で禁止部(変更指定受付禁止制御部)も構成する。
【0025】
次に、上記構成からなる本実施形態の動作を説明する。
まず、本MFPをPCFAX制御で利用するために一台の管理装置を登録設定する。
図2は、MFPに設定登録が行われていない場合に、管理装置となる管理PC側で管理プログラムが実行されることで開始される設定登録処理を示しており、図3はMFPに設定登録が行われていない場合に、管理装置となる管理PCから登録要求を受信することで開始するMFP側の設定登録処理を示している。
管理PC側では、ステップS100にてMFPのPCFAX制御を実施するためにPCFAX登録を実施するか判断し、登録する際にはステップS102にてMFPと接続し、ステップS104にて自身のネットワークカードのマックアドレスを利用して固有のPC−IDを作成する。マックアドレス自体は6バイトのユニークなIDであり、これを使用して32バイトのデータを生成する。変換後のデータが一意であればよく、変換方法は特に限定されない。PC−IDを作成したら、接続されているMFPに対してステップS106にてPC−IDの登録要求を送信する。この送信は第2通信部を介して行われる。なお、管理PC側では登録が受け付けられて登録完了となるまでステップS108,S110にて待機する。すなわち、ステップS110にてタイムアウトと判断されるまでは、登録完了となったか否かをステップS108にて判断するというループ処理を実施している。
【0026】
MFP側では、PCFAX制御部80が図3に示す管理PC設定登録処理を実施しており、ステップS112にてPC−IDを取得し、ステップS114にてPC−IDを共有メモリー70に記憶するとともに、ステップS116では外部ストレージ50に対してPC−IDの内容をFAXRECVというファイル名で保存する。図4は外部ストレージ50をストレージとして記憶内容を表示したツリー構造を示している。同図に示すように通常の一ファイルとしてFAXRECVが保存され、その内容が32バイトのデータとして記憶されることになる。
【0027】
このように、共有メモリー70と外部ストレージ50にPC−IDが記憶されることで本MFPは同PC−IDを生成することになったマックアドレスを有する一台の管理PC90の管理下に置かれることになる。このようにしてMFP側ではPCFAX制御部80が管理PCの指定を受け付けたことになり、指定部を構成することになる。
ただし、上述した処理はMFPの初期登録時の主な処理手順を示した。すなわち、MFPの運用後に管理PC90を変更する必要が生じることがあるが、この場合には以下のような処理を経てデータの不整合が生じることを防止する。
【0028】
図5は、MFPに管理装置が登録されている場合にPCから登録要求を受信することでPCFAX制御部80が開始するMFP側の設定受け付け処理(変更指定受付禁止制御処理)を示している。
PCFAX制御部80は、ステップS120にて処理を要求してきているPCが登録している管理PC90と一致するか否かを判断する。PCFAX制御部80がネットワーク接続されている場合、あるいはUSB接続で管理PC90と接続されつつも同管理PC90が共有デバイスとしているときには、ネットワークを介して他のPCが本MFPにアクセス可能である。このときPCFAX制御部80は通信の開始にあたってPC−IDを要求する。なお、上述したようにPC−IDはマックアドレスに基づいて一意に生成されるものであるから、ネットワーク接続の開始時に処理を要求してきているPCのマックアドレスからPCFAX制御部80がPC−IDを生成するようにしてもよい。
【0029】
一方、MFP側には既に共有メモリー70にPC−IDが記憶されているので、PCFAX制御部80は処理要求してきたPCのPC−IDと共有メモリー70内のPC−IDとを比較することで、処理要求PCが管理PCと一致するか否かを判定できる。PCFAX制御部80がこのようにしてPCからの処理要求を受け付けている期間はPCFAX機能が動作中であることを意味するから、ステップS120の判断はPCFAXであるか否かの判断といえる。
【0030】
一致した場合は、ステップS122にて外部ストレージ50に未取得の変換データが存在するか判断する。未取得の変換データの存在は後述する外部データベースを参照して可能である。詳細は後述するとして、ここでは未取得の変換データが存在しないと判断されるとステップS124にて処理の要求をされた設定を行なう。一例としては、PCFAXモードから自動印刷モードへ変更してPCFAX機能を無効にする。また、設置対応処理として、ファクスデバイス10に対する設定や、その他の設定を処理する。すなわち、PCFAXモードであり、未取得の変換データが存在しないときには、PCFAX機能を無効にするといった設定処理の要求を受け付けたことになる。
【0031】
一方、未取得の変換データが存在する間にPCFAX機能を無効にする設定の変更を行うと、未取得の変換データが確実にユーザに届くということを保証できなくなりかねない。このため、PCFAX制御部80はステップS126にて設定処理を禁止し、管理PCに対して先に未取得の変換データを取得するように通知する。すなわち、PCFAXモードであり、未取得の変換データが存在するときには、PCFAX機能を無効にするといった設定処理の要求を禁止したことになる。かかる処理は、上記第1の動作モードから上記第2の動作モードへの変更は上記記憶部に未出力の変換データがない場合に許容するという禁止部の機能に相当する。なお、この通知を受けて管理PCが未取得の変換データを全て取得した後に、MFPがPCFAX機能を無効にするという動作を自動的に行うようにしても構わない。
【0032】
次に、ステップS120にて処理要求PCと管理PCとが一致しないと判断した場合は、ステップS128にて外部ストレージ50に未取得の変換データが存在するか判断する。未取得の変換データが存在しないと判断されるとステップS132にて処理の要求をされた設定を行なう。一例としては、非管理PCからの処理要求であるので自らを管理PCとする変更を要求されることがある。すなわち、図2に示すフローチャートのステップS106の処理に対応して、管理PCの設定を行う。具体的には、ステップS112にて処理要求PCのPC−IDを取得し、ステップS114にて同PC−IDを共有メモリー70へ保存し、ステップS116にて同PC−IDの内容で外部ストレージ50のFAXRECVファイルを書き換えることになる。むろん、この他にもファクスデバイス10に対する設定処理を行うことも可能にしてもよい。すなわち、PCFAXモードであり、未取得の変換データが存在しないときには、管理PCを変更する設定処理の要求を受け付けたことになる。
【0033】
一方、未取得の変換データが存在する間に管理PCの変更を受け付けるとデータの不整合が生じかねないので、PCFAX制御部80はステップS130にて管理PCの変更の設定処理を禁止し、他に管理PCがあることを通知する。すなわち、PCFAXモードであり、未取得の変換データが存在するときには、管理PCを指定するという機能を禁止したことになる。かかる処理は、指定されている管理装置を変更する指定の受け付けは、上記第1の動作モードであって上記記憶部に未出力の変換データがない場合に許容するという禁止部の機能に相当する。
【0034】
このような管理PCの変更の登録や、PCFAX機能の無効といった処理にあたって、本MFPはさらに有効な機能を実現することが可能である。
自動印刷モードではファクシミリが受信の都度印刷を開始するため、指定部は管理装置を指定しないという指定を受け付けることに相当する。このような場合に、受信された受信データをユーザの指定に応じて自由に出力することが可能である。ユーザが印刷を希望する場合には、不揮発性メモリー13に記憶されている受信データをファクス印刷部20に送信して紙媒体に印刷させることができる。また、紙媒体に印刷する前に操作パネル40のディスプレイ上で内容を確認したいのであれば、不揮発性メモリー13に記憶されている受信データを変換部60でPDF形式に変換して外部ストレージに保存した後、同ディスプレイ上に表示させることで出力を行う。すなわち、出力部は、管理装置が指定されていない場合に、記憶部に記憶されている変換データを操作者の指示に応じて出力または受信した時点で逐次印刷することになる。
【0035】
また、このようにしてユーザからの操作に応じて出力させる場合、未取得の変換データがある場合は、この操作パネルからの出力の指示のみを受け付けることとしてもよい。このようにすれば、管理PCが指定されていないときに、未取得の変換データがあった場合には、ユーザが操作する操作パネル40からの操作でなければ出力できないので、確実にユーザの注意を引き、変換データをユーザに届けることを保証できる。
【0036】
また、管理PC90が登録される前にファクシミリ受信がされた場合に、その都度、紙媒体に出力するのではなく、不揮発性メモリー13に受信データとして記憶しておくか、外部ストレージ50にPDF形式に変換後の変換データを記憶するようにしてもよい。このようにして記憶部に変換データが記憶されている場合に、管理PCの指定を受け付けたときに、未出力の変換データを同指定された上記管理PC90に出力させる。
【0037】
ステップS126では、設定の処理を禁止した。すなわち、未取得の変換データがあるときには、同変換データの取得を促すこととしており、管理PCが存在する状態でPCFAX機能を無効にして管理PCを指定しない状態とすることは禁止している。しかし、このような状況で、強制的に変換データを操作パネル40に表示する出力を行わせたり、強制的に不揮発性メモリー13の受信データをファクス印刷部20にて紙媒体に印刷させる出力を行わせたりすることとしてもよい。そして、管理PCを指定しないという指示もしくは管理PCの変更を許可する。このようにすれば、確実に変換データがユーザに届くということを保証しつつ、管理PCが故障などで変換データの取得ができなくなったときにも対応できる。
【0038】
図6は不揮発性メモリーの内容を管理するための内部データベースを示している。
同図に示すように、データーベースの構造として、通し番号、送信、受信、年月日時分秒、相手先の電話番号、副通し番号、印刷済み、削除済みの各項目を備えている。通し番号は送信受信にかかわらず受信データに順番に付される識別子であり、送信と受信は該当するものに1を付し該当したいものに0を付している。年月日時分秒は西暦年から秒までの14桁の数値がデータとして記憶される。副通し番号は一つの送信または受信の受信データが複数に区分されて保存される場合の通し番号である。
【0039】
印刷済みはフラグであり、ファクス印刷部20による紙媒体への印刷が完了したときにフラグが立てられる。フラグが立てられた時点でユーザにファクスが届いたとみなすことができる。なお、印刷に失敗したときには、フラグを立てないようにする。
削除済みはフラグであり、意図的に削除操作した受信データに立てられる。不揮発性メモリー13は高コストで低速ではあるが、不意の電源断が生じても記憶内容が消失しない。この特長を活かして不揮発性メモリー13内の受信データは記憶領域がなくならない限り削除せず、単に内部データベース上でフラグを立てることで削除したものとみなすようにしている。むろん記憶領域がなくなった場合には削除済みで通し番号の古いものから削除していく。
【0040】
不揮発性メモリー13では、不揮発性という特長を活かしてこのような内部データベースを使用している。外部ストレージ50は外部の機器からはストレージとして参照可能であるが、図4に示すようなファイルの存在の管理用のデータベースが外部データベースとして用意されている。この内容については基本的なオペレーティングシステムのテーブル情報を利用している。この外部データベースは内部データベースと全く同じようにしても良い。また、内部データベースを参照することで同様の内容を得られるので必須ではないが、外部ストレージ50上に保存することで高速にアクセスできるし、構造が汎用的でアクセスが簡易で有効利用をはかることができる。
【0041】
次に、PCFAX機能でファクス受信を行う処理について説明する。
図7はPCFAX受信処理を示している。
ファクシミリ受信は、電源が供給されて電話回線が接続されている限り、受信部11が自動的に行うことができ、不揮発性メモリー13に受信した受信データが保存される。受信が完了すると、ステップS200にて、受信部11が、ファクス制御部14に、ファクスの受信を通知する。ファクスの受信が通知されると、ファクス制御部14が、ステップS202にて、共有メモリー70にモードを確認しに行く。具体的には、ファクス制御部14は共有メモリー70にアクセスし、動作モードを表すパラメータを読み込み、PCFAXモードを表すものか否かを判断する。
【0042】
動作モードはPCFAXモードか、自動印刷モードであり、PCFAXモードであれば、ファクス制御部14は、ステップS204にて、PCFAX制御部80に、ファクスの受信を通知する。ファクスの受信を通知されたPCFAX制御部80は、ステップS206にて、変換部60に、受信データを、PDF形式の変換データに変換させる指示を出す。すると、変換部60は、ステップS208にて、受信部11の不揮発性メモリーにアクセスし、TIFF形式の受信データを取得する。受信部11にて受信された受信データはファクシミリ送受人に適したTIFF形式であるため、変換部60は、ステップS210にて、TIFF形式の受信データをPDF形式の変換データに変換することにより、以降、管理PC90などで表示したり印刷したりする際に利用しやすくなる。変換が完了すると、変換部60は、ステップS212にて、外部ストレージ50に、PDF形式の変換データに保存する。なお、変換部60は、変換して生成した変換データの数をカウントしておく。
【0043】
外部ストレージ50に保存した後、変換部60は、ステップS214にて、PCFAX制御部80に、変換完了を通知し、PCFAX制御部80は、ステップS216にて、外部データベースにアクセスし、外部ストレージ50に変換データが存在するように更新する。
このように、変換後のファイルを保存した後に、外部データベースを更新しているので、変換途中で変換データにアクセスすることを防止できる。この過程の処理は、記憶部が第1通信部で受信されたデータに基づいて変換データを所定のファイル形式に変換して記憶し、第2通信部は所定のファイル形式に変換して記憶部に記憶する処理が完了するまでは、当該変換データが当該記憶部に存在しないものとして管理装置と通信することに相当する。
【0044】
一方、ステップS202にて、自動印刷モードを表すパラメータであると判断された場合、ファクス印刷部20で紙媒体への印刷を行わせることになる。具体的には、ファクス制御部14は、ステップS218にて、PCFAX制御部80に、ファクスの受信を通知するとともに、ファクス制御部14(PCFAX制御部80)は、ステップS220にて、ファクス出力部に、ファクスデバイス内の受信データを出力させる。ファクス印刷部20で印刷する制御は、ファクス制御部14が行っても良いし、PCFAX制御部80が行っても良い。
【0045】
印刷を指示されるとファクス印刷部20はファクスデバイス10内の不揮発性メモリー13にアクセスして未印刷の受信データを取得し、紙媒体に印刷を行う。印刷が完了すると、ファクス印刷部20は、ステップS222にて、出力終了したことを、ファクス制御部14に通知する。すると、ファクス制御部14は、ステップS224にて、内部データベースに対して印刷した受信データに対する「印刷済み」フラグを付与する。上述したように記憶領域がある限りは印刷した時点では受信データを削除するのではなく、単に内部データベースで印刷済みフラグを立てるだけの処理を実施する。
【0046】
紙媒体に印刷した場合は、これによってユーザに送り届けたことになるが変換データに保存しただけではユーザはまだ受け取ったとは言えないので、管理PCから変換データを取得する必要がある。図8は、MFP側での変換データの提供(出力)処理を示し、図9は、管理PC側での管理PCの変換データ取得処理を示している。
変換データが存在するか否かは、管理PCの側から定期的にMFPの側に問い合わせを行なっている。
【0047】
管理PCは、ステップS250にて、PCFAX制御部80に、一定時間ごとに変換データの存在を問合せる。これに対し、変換データが存在するのであれば、PCFAX制御部80は、ステップS230にて、管理PCに、変換データの存在を通知し、変換データを出力するための準備を行う。まず、PCFAX制御部80は、ステップS232にて、本MFPがネットワーク接続かUSB接続かを判断する。具体的には、PCFAX制御部80は、共有メモリー70にアクセスし、接続態様のパラメータを読み出す。同パラメータは、管理PC90との接続がUSB接続かネットワーク接続かを表すものである。
【0048】
本MFPでは、MFPが管理PCとUSB接続しているときには管理PCに対してUSBの外部ストレージ50として常にマウント状態を維持し、ネットワーク接続の場合は管理PCからの取得要求があったときにだけマウント状態とし、それ以外はアンマウント状態とする。
ネットワーク接続なら、PCFAX制御部80は、ステップS234にて、外部ストレージ50を、アンマウント状態からマウント状態に切り替える。また、USB接続なら、PCFAX制御部80は、ステップS236にて、外部ストレージ50を、マウント状態(USB接続時のデフォルト状態)に維持する。
【0049】
一般には、ネットワーク接続でUSBデバイスのストレージを供給した場合、記憶内容が変化してもOSが自動的には最新の状態に更新しない。このため、未取得の変換データを外部ストレージ50に保存しただけでは管理PC90等は変換データの存在を知り得ない。しかし、USBデバイスがアンマウント状態からマウント状態になると、これをトリガーとして管理PC90を含めたネットワーク上の機器は、OSの仕様上この変化を検知する。そして、外部ストレージ50の記憶内容の最新状態を取得する。このため、保存された変換データを認識できるようになる。
【0050】
一方、管理PC90に対してMFPがUSB接続されている場合は外部ストレージ50の保存内容が変化したことを直に通知すればよいので、このようなマウント・アンマウントの制御はしなくても構わない。
いずれにしても、これによって外部ストレージ50の最新情報を、管理PC90から参照可能であり、PCFAX制御部80は、ステップS238にて、管理PCから90の、変換データの取得の通知を待機する。すなわち、PCFAX制御部80は管理PC90からの取得の完了を待機することになる。
【0051】
MFP側の上述した処理に応えて、管理PC90は、変換データを取得する。ここで、MFPが一つのネットワークに複数台接続されることを考慮しなければならない。それぞれのMFPで外部ストレージ50が同じようにネットワークに接続されているのであれば、管理PC90はこれらを区別できなければならない。そこで、管理PCは、ステップS252にて、ネットワーク上の外部ストレージ50を探索する。
【0052】
探索にあたり、少なくとも外部ストレージ50にはFAXRECVというファイルが存在するはずであり、これを目印にしてフォルダーを探す。FAXRECVというファイルがあれば、管理PC90は、ステップS254にて、探索された外部ストレージ50のフォルダーにあるFAXRECVというファイルを読み込む。自分自身が管理PCとして登録されているMFPであれば、自分自身のマックアドレスをもとにした一意のPC−IDが内容として保存されているはずであり、管理PC90は、ステップS256にて、FAXRECVファイルの中身が自身のPCIDと一致するか判断する。そして、ステップS258にて、管理PCは、一致する場合に現在探索している外部ストレージ50が管理中のPCFAXであると認識し、一致しない場合に他の外部ストレージ50を探索する。
【0053】
管理中のPCFAXであれば、管理PC90は、ステップS260にて、同管理中のPCFAXの外部ストレージ50から、変換データを取得する。そして、取得が完了したら、管理PC90は、ステップS262にて、PCFAX制御部80に、変換データの取得を通知する。
PCFAX制御部80は、ステップS238にて、この通知を待機しており、通知がきたら、上述したマウント・アンマウントの制御を実行する。すなわち、PCFAX制御部80は、ステップS240にて、本MFPがネットワーク接続かUSB接続かを判断し、ネットワーク接続なら、PCFAX制御部80は、ステップS242にて、外部ストレージ50を、マウント状態からアンマウント状態に切り替え、USB接続なら、PCFAX制御部80は、ステップS244にて、外部ストレージ50を、マウント状態(USB接続時のデフォルト状態)に維持する。ネットワーク接続の時にはこれ以降は外部ストレージ50はネットワーク上で表示されなくなり、不用意なアクセスもなくなってデータの管理上も好ましい。
【0054】
ところで、新たな着信によって変換データが作成され、これを管理PC90にて取得した後、必要なものは保存しておけばよいが、不要なものは削除していく必要も生じる。ファクス単体で自動印刷モードで動作していれば、基本的には印刷したら印刷済みとし、記憶領域がなくなったら先入れ先出しの要領で古いものから削除していけばよい。しかし、管理PC90でデータファイルとして利用していくときには、古いデータファイルが多すぎて管理しにくかったり、意図的に早期に削除したいという場合もある。本実施例においては、変換データの削除は敢えてネットワークから行わず、MFP側に削除させるようにしている。例えば、外部ストレージ50は読み込み専用としておいて自由に削除したり変更を加えさせないような利用方法が有効である。
【0055】
このような要望に応えて変換データを削除するため、図10は管理PCの側からの削除要求処理を示しており、図11はMFPの側での削除対応処理を示している。
管理PC90の側では、操作者が特定の変換データの削除を希望したとすると、ステップS300にて、操作者が管理PC上で削除の操作を指示する。すなわち、キーボードやマウスの操作による削除操作を受け付ける処理を実行する。これにより、管理PC90は、ステップS302にて、PCFAX制御部80に、特定の変換データの削除を指示する。管理PC90は自分自身ではネットワーク上で削除をしないので、管理PC90は、ステップS304にて、PCFAX制御部80から、削除の完了の通知を待機することになる。
【0056】
MFPの側では、PCFAX制御部80は、ステップS310にて、管理PC90から、特定の変換データの削除の指示を受けると、同PCFAX制御部80は、ステップS312にて、変換部60を介して外部ストレージ50に、変換データの削除を指示する。変換部60を介して指示するのは、変換部60が生成した変換データの数と削除の数をカウントしていることに対応しており、変換部60は生成した数から削除した数を引くことで、外部ストレージ50に保存されている最新の状態での変換データの数を管理することができる。この意味では、PCFAX制御部80は、外部ストレージ50に変換データの削除を指示するのと並行して変換部60にも変換データの削除の指示を伝えても良い。そして、外部ストレージ50は、ステップS314にて、指定された変換データを削除する。
【0057】
本MFPでは、PCFAXモードでは、ファクシミリ受信を行ったときに不揮発性メモリー13には受信データが保存され、外部ストレージ50には変換データが保存され、二重に保存されることになる。それぞれ、メリットとデメリットを併せ持つ不揮発性メモリーと揮発性メモリーの長所を利用している。従って、削除も両者を対象として管理する。
【0058】
このため、PCFAX制御部80は、ステップS316にて、ファクス制御部14に、削除を指示する。この結果、ステップS318にて、PCFAX制御部80は、外部データベースにアクセスし、外部ストレージ50の変換データが削除されたように更新し、ファクス制御部14は、内部データベースにアクセスし、受信データに対する「削除済み」フラグを付与する。内部データベースでは、各受信データに対して印刷済みのフラグと削除済みのフラグが与えられており、以降の受信データの扱いはほぼ同じである。従って、一括して印刷済みのフラグだけにしても良いが、両者を個別に管理することでさらに有用な利用を図っても良い。例えば、削除済みのフラグが立てられたものは不揮発性メモリー13から意図的に早期に削除するようにしてもよい。
【0059】
両方のデータベースを管理したことにより、PCFAX制御部80は、ステップS320にて、管理PC90に、削除の完了を通知する。すると、管理PC90は、ステップS308にて、削除の完了の通知を受けて終了する。この際、もし、相当期間が経過してもPCFAX制御部80から削除の完了の通知が得られないのであれば、管理PC90は、ステップS306にて、タイムアウトとして操作者にエラーを通知する。
【0060】
ところで、不意の電源断等が生じると揮発性メモリーである外部ストレージ50の記憶内容は消滅する。すでに、管理PC90が全ての変換データを取得していればファクシミリ受信を、ユーザに伝えたことになるが、管理PC90の電源がオフの間にMFPで受信していた場合はPCFAXモードであると自動印刷されずに外部ストレージ50に変換データとして保存されており、管理PC90から取得されるのを待機していることになる。従って、このような状況でMFPに電源断が生じてしまうと変換データが消滅してしまうことになる。
【0061】
上述した二重保存に関連して、本MFPは、不意の電源断によるデータの不整合を以下のように解決している。図12はMFPでの起動時復元処理を示している。
この起動時復元処理では、起動時に、ステップS270以下の処理が実施される。まず、受信部11は、ステップS272にて、不揮発性メモリーの内部データベースにアクセスし、「印刷済み」と「削除済み」フラグをチェックして管理PC90から見た未取得の受信データがあるか確認する。上述したように「印刷済み」と「削除済み」は基本的に同様の処理が行われるが、印刷済みフラグが立てられるのは自動印刷モードでの受信時にファクス印刷部20で印刷済みのものであるからPCFAXモードでの管理状況下にないものである。また、削除済みフラグが立てられているのであれば既に管理PC90で取得され、その後に削除を指示されたものであるから、外部ストレージ50になくて当然のものである。従って、いずれにもフラグが立っていないのであれば、管理PC90から見て未取得あるいは取得はしたが削除は指示していないものとなり、外部ストレージ50に保存されていてしかるべきである。なお、未取得か取得かの区別は管理PC90の側で行っても良いし、MFPの側で行うこともできる。この管理を行う取得済みフラグを用意し、ステップS238で管理PC90が変換データを取得したときに同取得済みフラグを立てる。また、ステップS230にて変換データの存在をPCFAX制御部80が管理PC90に伝えるときには、同フラグを参照して未印刷、未削除で、かつ、取得済みフラグが立っていないものがあるときに変換データがあると通知すればよい。
【0062】
外部ストレージ50に残っているべき変換データがあるはずであれば、受信部11は、ステップS274にて、ファクス制御部14に、不揮発性メモリー13内に未印刷の受信データがあることを通知する。これ以降は、ファクシミリ受信をしたときと同様の処理を行う。
すなわち、ファクス制御部14は、ステップS276にて、共有メモリー70に、モードを確認しに行く。具体的には、ファクス制御部14は共有メモリー70にアクセスし、動作モードを表すパラメータを読み込み、PCFAXモードを表すものか否かを判断する。PCFAXモードであれば、ファクス制御部14は、ステップS278にて、PCFAX制御部80に、未処理の受信データがあることを通知する。すると、PCFAX制御部80は、ステップS280にて、変換部60に、受信データを、PDF形式の変換データに変換させる指示を出す。ステップS282にて、変換部60は、受信部11の不揮発性メモリーにアクセスし、TIFF形式の受信データを取得する。これにより、変換部60は、ステップS284にて、TIFF形式の受信データをPDF形式の変換データに変換し、ステップS286にて、外部ストレージ50に、PDF形式の変換データに保存する。保存が完了すると、変換部60は、ステップS288にて、PCFAX制御部80に、変換完了を通知する。通知を受けたPCFAX制御部80は、ステップS290にて、外部データベースにアクセスし、外部ストレージ50に変換データが存在するように更新する。
【0063】
ファクス制御部14は、ステップS292にて、PCFAX制御部80に、未処理の受信データがある間は以上を繰り返す。このようにしてステップS278以下を繰り返すことで外部ストレージ50は電源断前の状態に復元され、揮発性メモリーを併用したメリットを生かしつつも、電源断で記憶内容が消失するというデメリットは回避できるようになる。なお、ステップS278以下を復元処理と呼ぶことにする。
【0064】
二重の管理では正常な動作では考えられないことも起きる可能性に対処し置く方が好ましい。そのため、外部ストレージ50に不整合が発見された時の復元処理も実現している。図13は、この不整合発見時の復元処理を示している。
本MFPでは不整合の判定として二つの例を検討している。第一の例としては、外部ストレージ50に存在すべきFAXRECファイルが消失している状況であり、第二の例としては、作成した変換データの数と削除した変換データの数とが現在の変換データの数と整合しない場合である。
【0065】
まず、不整合判定1として、PCFAX制御部80が、ステップS330にて、外部ストレージ50にアクセスし、FAXRECVにファイルの有無を判断し、なければ不整合と判定する。
また、不整合判定2として、PCFAX制御部80が、ステップS332にて、外部ストレージ50と変換部60にアクセスし、作成と削除のカウントが整合しているか判断する。より具体的には、
【0066】
(書き込んだファイルの数)−(削除したファイルの数)≠(現在のファイルの数)
ならば不整合と判定するというものである。不整合の例としては他にもFATの不整合をチェックするといったことも可能であり、以上の例に限られるものではない。
なお、この条件式により、第2記憶部に存在するデータの数が同第2記憶部に記憶させた数から削除した数の差に一致しているか否かを判定している。
【0067】
そして、ステップS334にて、不整合が発見されたかを判断する。本来であれば不整合は生じないのであり、不整合がある場合は、現在残っている変換データの内容自体も信頼できるか否か分からない。
このため、不整合ありと判断された場合は、PCFAX制御部80が、ステップS336にて、外部ストレージ50にアクセスし、記憶内容をリセットする。また、電源断と同様に外部ストレージ50の内容の復元処理を前提とするので、PCFAX制御部80が、ステップS338にて、変換部60にアクセスし、作成と削除のカウントをリセットする。そして、ステップS340では、上述したステップS278以下の復元処理を実行する。
【0068】
外部ストレージ50の内容を復元する必要性が、不整合以外にもう一つ考えられる。操作者が自動印刷モードからPCFAXモードへ変更したような場合である。不揮発性メモリー13には未印刷の受信データがある状態でPCFAXモードへ移行する際に、一つの希望として、印刷は行わないで変換データとして管理PC90から管理を開始したいということもある。図14は、このような自動印刷モードからPCFAXモードへの変更処理を示している。
【0069】
PCFAX制御部80が、ステップS350にて、管理PC90から、モードの変更の処理を受け付けた場合、PCFAX制御部80は、ステップS352にて、ファクス制御部14に対し、内部データベースにアクセスさせて不揮発性メモリー13内に未印刷の受信データがあるか確認させる。
以下の処理は、状況として、電源断の場合に不揮発性メモリー13に未印刷の受信データがあるときと同様である。すなわち、未印刷の受信データがあるときに、以降はPCFAXモードで管理を行うのであれば、この未印刷の受信データに基づいてPDF形式の変換データに変換して外部ストレージ50に保存しなければならない。
【0070】
従って、未印刷の受信データがあるのであれば、ステップS354にて、上述したステップS278以下の復元処理を実行する。
このように、本実施例では、MFPなどにおいて、未出力の変換データをそのままにして、管理装置の変更の指定を受け付けないようにする。ただ、本体の操作パネル40からのPC−FAXモードの解除は可能であり、この場合は未出力の変換データを全て印刷して未出力の変換データを無くした後に、PC−FAXモードの解除を行うようにしてもよい。
【0071】
上述したように、PCFAX受信機能を実現するために、受信した受信データをロスすることなくなく管理PCにて取得することを目的としている。MFPでは上記のPCFAX受信機能を実現するために、受信した受信データをPDF形式に変換し、管理PCから取得できるよう、外部ストレージとして認識できる保存領域にファイルを作成する。また、外部ストレージに保存されているファイルリストに不整合を生じさせないように、ファイルを取得したり消去したりできる管理PCを一台に限定する。管理PCを別のPCに変更することが可能な条件は、MFPで「PCFAX受信機能が有効」かつ「未取得データがない」場合のみとする。また、管理PCがPCFAX受信機能を無効にすることが可能な条件は、MFPで「PCFAX受信機能が有効」かつ「未取得データがない」場合のみとする。この条件を全て満たすことを前提として、受信した受信データをロスなく管理PCにて取り込んだり、印刷をしたりする。
【0072】
本実施例では、受信した受信データをデータロスなく管理PCから取得できるように以下の動作を行う。
・変換データのファイルの取得及び消去処理を行える管理PCを一台のみとする。
・管理PCの変更は、MFPが未取得データを持たない状態に限る。
・管理PCからのPCFAX受信機能の無効化処理は、MFPが未取得データを持たない状態に限る。
【0073】
・MFPの直接操作によりPCFAX受信機能を無効化する際にMFPが未取得の変換データを持つ場合は、未取得データを全て印刷する。
・なお、ファイルの可視化処理であるPDF形式への変換は一旦外部ストレージへデータの書き込みを完了させた後で、行うようにしても良い。
PDF形式の変換データを作成する際には作成途中のデータを管理PCから参照されないようにする。これは外部データベースへの書き込みタイミングの処理以外にも、ファイルの可視化処理を受信データ及びデータ情報の全てを書き込み終わってからとしてもよい。また、未取得の変換データがある状況でMFPのPCFAX受信機能を無効にすると、未取得の変換データを全て印刷する処理を行うようにしてもよい。
【0074】
この場合は、
FAXデータ受信
該当データの変換
外部ストレージへの書き込み
該当ファイルの可視化
という作業手順となる。そして、ファイルの書き込み処理は上記のように可視化を最後に行っている。
また、管理PCからの管理装置の変更の指定は、上記のように、要求元のPCが管理PCであるか、MFPに未取得データが存在するかによって動作を変化させた。
【0075】
このようにすることで受信した受信データをロスや取得漏れなどなく管理PCでの取得やMFPでの印刷が可能となった。
上述した実施例では、MFPと管理PC90との接続がUSB接続かネットワーク接続かを表すパラメータが接続態様として共有メモリーに記憶されている。そして、ステップS232にて共有メモリー70にアクセスして接続態様のパラメータを読み出し、ネットワーク接続かUSB接続かを判断する。そして、USB接続であれば、ステップS236とステップS244にてマウント状態を維持したままとするが、ネットワーク接続であれば、ステップS234にてアンマウント状態からマウント状態に切り替え、ステップS242にてマウント状態からアンマウント状態に切り替えるという処理を行っている。むろん、この間のステップS238で管理PC90は変換データを取得することになる。
【0076】
かかる切り替えを行うか否かの処理が「第2通信部の接続態様に応じて上記外部記憶媒体のアクセス状態を切り替える」というアクセス制御部を構成する。より具体的には、アクセス制御部が、「上記外部記憶媒体のマウント状態とアンマウント状態とを切り替えるとともに、上記第2通信部が上記管理装置と1:1の接続経路による通信を行うときにはマウント状態を継続させ、上記第2通信部が同管理装置と複数の共有接続経路による通信を行うときには上記管理装置が上記外部記憶媒体にアクセスするときにマウント状態としつつそれ以外はアンマウント状態と」する処理に相当する。
【0077】
上述した実施例では、ステップS104で管理PC90はマックアドレスからPC−IDを作成するとともにステップS106で同PC−IDをMFPに登録要求しているが、マックアドレスは管理PCに固有の情報であるから、このPC−IDを作成して登録要求する処理が「自身に固有の名称の指定を行う」という管理側名称指定部を構成する。また、MFPの側ではステップS112にて同PC−IDを取得しており、「管理装置から同管理装置に固有の名称の指定を受け付ける」という名称指定部を構成している。
【0078】
これに対応してMFPの側ではステップS112にてPC−IDを取得しており、管理PC90に固有の名称の指定を受け付ける名称指定部を構成している。また、ステップS116では同PC−IDを内容としてFAXRECVというファイル名で保存し、このFAXRECVが存在する外部ストレージ50(外部記憶媒体に相当する)に、ステップS212にてPDF形式の変換データが保存される。すなわち、FAXRECVが存在するフォルダーと所定の位置関係にあるフォルダーに変換データをファイルとして保存することになる。従って、これらの処理で記憶制御部を構成する。また、管理PCの側では、ステップS256にて、FAXRECVの中身がPC−IDに一致するか判断し、ステップS258で、一致するものが見つかるまで外部ストレージ50を探索する。従って、かかる処理が「通信装置と接続する外部記憶媒体から上記指定した名称に基づいてデータの探索を行う」という管理側探索部を構成する。そして、ステップS260で探索された外部ストレージ50から変換データを取得するので、この処理が「管理側探索部が見つけた変換データを上記通信装置から取得する」という管理側取得部を構成する。
【0079】
上述した実施例では、PC−IDを内容とするFAXRECVというファイル名としており、指定された名称を含むファイルを作成している。しかし、ステップS116でPC−ID自体をファイル名称としたファイルを作成することにより、「指定された名称に基づく名称のファイル」を作成するようにしてもよい。この場合は、ステップS256でFAXRECVの中身を判断するのではなく、PC−IDのファイル名称とするファイルを探すことになり、「指定された名称に基づく名称のファイル」としてデータを探索することになる。
【0080】
また、PC−IDを内容としたりPC−IDを名称とする目印代わりのファイルを使用する手法に加えて、暗号化と復号化の鍵としてPC−IDを使用しても良い。すなわち、ステップS210で変換部60がPC−IDを暗号化の鍵として用いてPDF形式の変換データに変換した後、ステップS212で外部ストレージ50に保存すれば、「指定された名称に基づいて暗号化して変換データを外部記憶媒体に記憶させる」ことに相当する。また、管理PCの側では、ステップS254〜ステップS258でPC−IDを内容とするファイルを探す代わりに、同PC−IDで復号化が成功するファイルが存在する場所を探索すればよい。かかる処理が、指定された名称に基づいて復号化可能なファイルを探索する」という処理に相当する。
【0081】
このポイントは、管理PCにインストールされたアプリケーションなどで管理PCの情報を元にユニークな文字列を作成してMFPに登録しておき、MFPはこの文字列を保存し、PCFAX受信が有効に設定されたときに外部ストレージへこの文字列を含むファイルを作成していることである。また、管理PCのアプリケーションでは、変換データのファイルの取得の際に、外部ストレージのパスのみではなく、そこに保存されているファイルの中に先に登録したユニークな文字列を含むファイルが存在するかを確認し、存在している場合にその外部ストレージをPCFAX受信用の外部ストレージと判断し、受信ファイルを取得する処理を開始することにある。
【0082】
これにより、PCFAX受信においては取得すべき外部ストレージを正確に探索することができるため、MFP側で管理PCにひも付けされた情報を外部ストレージに保存し、管理PCが取得すべき外部ストレージを対応づけることができる。
そして、同じ製品を同じネットワーク内で使用する場合など、外部ストレージのボリュームラベルが共通のものがあった場合でも、使用しているMFPの該当する外部ストレージを確実に探索できることになる。
【0083】
上述した処理では、起動時にステップS270以下を実施するので、この処理を実行させる機能が「電源のオンオフを判断する」という電源判断部を構成している。また、不揮発性メモリー13が「受信データを電源のオンオフにかかわらず記憶する」という第1記憶部を構成している。同様に外部ストレージ50は「受信したデータを所定の形式に変換した変換データを電源がオンの間だけ記憶する」という第2記憶部を構成している。そして、ステップS272〜ステップS292の処理で不揮発性メモリー13の受信データを変換データに変換して外部ストレージ50に記憶させるための処理とハードウェア構成が「電源がオンされたことを判断したことに応じて上記第1記憶部の受信データを変換データに変換して第2記憶部に記憶させる」という復元管理部を構成している。
【0084】
ステップS272では内部データベースの「印刷済み」と「削除済み」のフラグに基づいて変換対象を選別しているので、「出力済みの受信データに対応する受信データを変換データに変換して第2記憶部に記憶させる処理を行わない」という機能を、「第1記憶部に保存した内部データベースで行」なっているといえる。また、この内部データベースは削除用のフラグと、印刷済みフラグを設け、出力済みか否かの管理は印刷済みであれば出力済みとみなして処理していると言える。
【0085】
さらに、電源がオンされたこと以外に、不整合が生じた場合や、自動印刷モードからPCFAXモードへの変更処理をした場合にも復元を実現している。
印刷に関する処理や、削除に関する処理は、適宜、変更可能であることは言うまでもない。例えば、PCFAX受信機能でファクスデータの受信時にそのデータを保存するファクスデータ保存領域として不揮発性メモリー13を設け、また変換した変換データを保存する外部ストレージ50として揮発性メモリーを有している。PCFAX受信機能を使用している状態で、受信した変換データを管理PC90にて取得完了すると、管理PC90からMFPへ取得完了通知が送られる。MFPは本通知を受け取ると、該当するファクスファイルをファクスデータ保存領域から削除するとともに、該当ファイルに対応する受信データを外部ストレージ50から探索し、該当データに「印刷済み」フラグを追加する。同フラグはPCFAX受信機能を無効にしている状態で印刷されたFAXデータにも同様に追加されている。
【0086】
MFP起動時には、PCFAX受信機能を有効にしている場合は、不揮発性メモリー13であるファクスデータ保存領域に保有されているファクスデータから「印刷済み」フラグが付与されていないデータを探索し、該当する全てのファクスデータを変換し、外部ストレージ50に保存する処理を実行する。これにより、起動時には変換データを直前の終了時と同様の内容に保つことができる。
【0087】
上述した処理では、ステップS330にて不整合判定1を実施し、ステップS332にて不整合判定2を実施しており、これらの処理が、「第2記憶部の不整合状態を検知する」という不整合判定部を構成する。また、いずれかにおいて不整合があると判定されると、ステップS340にてステップS278以下の処理で不揮発性メモリー13の未取得の受信データを外部ストレージ50に復元するための処理とハードウェア構成が「第2記憶部の不整合状態が検知されたことに応じて、第1記憶部に記憶されている受信データを変換して、変換された変換データを第2記憶部に記憶させる管理を行う」という不整合時復元管理部を構成している。
【0088】
また、ステップS336では予め外部ストレージ50にアクセスして記憶内容をリセットしており、この処理も不整合時復元管理部を構成している。
上述した処理では、ステップS350でPCFAX制御部80が管理PC90から、自動印刷モードからPCFAXモードへの変更の処理を受け付けたか判断しており、「第1出力部による出力か第2出力部による出力かのモード変更を受け付ける」というモード変換部を構成する。この前提として「受信データに基づいて第1の出力を行う」という第1出力部はファクス印刷部20あるいは操作パネル40のディスプレイが相当し、「変換データに基づいて管理装置に第2の出力を行う」という第2出力部は、外部ストレージ50に対してアクセスして変換データを取得する構成が相当する。
【0089】
そして、ステップS352にて未印刷の受信データがあるときにステップS354にてステップS278以下の処理で不揮発性メモリー13の未取得の受信データを外部ストレージ50に復元するための処理とハードウェア構成が「第1の出力を行うモードから第2の出力を行うモードに変換されたとき、第1記憶部に記憶されている受信データを変換して、変換された変換データを第2記憶部に記憶させる管理を行う」というモード変化時復元管理部を構成している。
【0090】
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。
例えば、電話回線を用いたFAX通信に限られるものではなく、インターネット回線を用いたFAX通信やFAX以外の通信方式を用いてもよい。
また、当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
【0091】
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【符号の説明】
【0092】
10…ファクスデバイス、11…受信部、12…送信部、13…不揮発性メモリー、14…ファクス制御部、20…ファクス印刷部、30…スキャナー部、40…操作パネル、50…外部ストレージ、60…変換部、70…共有メモリー、80…PCFAX制御部、90…管理PC。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と通信を行う第1通信部と、
管理装置と複数の接続態様で通信を行う第2通信部と、
上記外部装置から受信した受信データを記憶媒体に記憶させる記憶部と、
上記第2通信部の接続態様に応じて上記管理装置から上記記憶媒体へのアクセス可否状態を切り替えるアクセス制御部と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
上記第2通信部は、1対1の第1の接続経路による上記管理装置との通信と、複数の装置と同時に接続可能な第2の接続経路による上記管理装置との通信との接続態様を有することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
上記アクセス制御部は、上記第2の接続経路を通じて上記管理装置と通信を行う場合に、上記管理装置から上記記憶媒体へのアクセス要求に応じて所定期間をアクセス可とし、その他の期間はアクセス不可とすることを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
上記第2通信部は、上記アクセス可能状態のまま上記記憶部が上記記憶媒体に記憶を行ったことの上記管理装置による認識が行われない第1の接続経路による通信と、上記アクセス可能状態のまま上記記憶部が上記記憶媒体に記憶を行ったことの上記管理装置による認識が行われる第2の接続経路による通信との接続態様を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の通信装置。
【請求項5】
上記アクセス制御部は、上記第1の接続経路を通じて上記管理装置と通信を行う場合に、上記記憶部が上記記憶媒体に記憶を行った事に応じてアクセス可からアクセス不可とし、その後アクセス可に切り換えることを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
上記アクセス制御部は、上記記憶媒体のマウント状態とアンマウント状態とを切り替えることでアクセス可否を切り換えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通信装置。
【請求項7】
上記第1の接続経路はUSBであり、上記第2の接続経路はLAN又はWANであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の通信装置。
【請求項8】
第1通信部により外部装置と通信を行い、第2通信部により管理装置と複数の接続態様で通信を行う通信方法であって、
上記外部装置から受信した受信データを記憶媒体に記憶させる記憶工程と、
上記第2通信部の接続態様に応じて上記管理装置から上記記憶媒体へのアクセス可否状態を切り替えるアクセス制御工程と
を備えることを特徴とする通信方法。
【請求項1】
外部装置と通信を行う第1通信部と、
管理装置と複数の接続態様で通信を行う第2通信部と、
上記外部装置から受信した受信データを記憶媒体に記憶させる記憶部と、
上記第2通信部の接続態様に応じて上記管理装置から上記記憶媒体へのアクセス可否状態を切り替えるアクセス制御部と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
上記第2通信部は、1対1の第1の接続経路による上記管理装置との通信と、複数の装置と同時に接続可能な第2の接続経路による上記管理装置との通信との接続態様を有することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
上記アクセス制御部は、上記第2の接続経路を通じて上記管理装置と通信を行う場合に、上記管理装置から上記記憶媒体へのアクセス要求に応じて所定期間をアクセス可とし、その他の期間はアクセス不可とすることを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
上記第2通信部は、上記アクセス可能状態のまま上記記憶部が上記記憶媒体に記憶を行ったことの上記管理装置による認識が行われない第1の接続経路による通信と、上記アクセス可能状態のまま上記記憶部が上記記憶媒体に記憶を行ったことの上記管理装置による認識が行われる第2の接続経路による通信との接続態様を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の通信装置。
【請求項5】
上記アクセス制御部は、上記第1の接続経路を通じて上記管理装置と通信を行う場合に、上記記憶部が上記記憶媒体に記憶を行った事に応じてアクセス可からアクセス不可とし、その後アクセス可に切り換えることを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
上記アクセス制御部は、上記記憶媒体のマウント状態とアンマウント状態とを切り替えることでアクセス可否を切り換えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通信装置。
【請求項7】
上記第1の接続経路はUSBであり、上記第2の接続経路はLAN又はWANであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の通信装置。
【請求項8】
第1通信部により外部装置と通信を行い、第2通信部により管理装置と複数の接続態様で通信を行う通信方法であって、
上記外部装置から受信した受信データを記憶媒体に記憶させる記憶工程と、
上記第2通信部の接続態様に応じて上記管理装置から上記記憶媒体へのアクセス可否状態を切り替えるアクセス制御工程と
を備えることを特徴とする通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−198851(P2012−198851A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64024(P2011−64024)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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