通信装置間で近距離無線通信を行ってアプリケーションを送受信する通信システム、通信方法及びプログラム
【課題】NFC対応店舗端末に、利用したいアプリケーションが搭載されていない場合でも利用できるようにする。
【解決手段】NFC携帯端末1−k(kは1〜nの少なくとも1つ)は、アプリケーション一覧とアプリケーションのデータを予め記憶する。NFC対応店舗端末2は、ポーリングを行い、応答のあったNFC携帯端末1−kにアプリケーション一覧の取得を要求する。NFC携帯端末1−kは、NFC対応店舗端末2にアプリケーション一覧を送信し、顧客用ディスプレイにアプリケーション一覧を表示させる。NFC端末1−kのエンドユーザが、顧客用ディスプレイにタッチして、利用したいアプリケーションを選択すると、NFC対応店舗端末2は、このアプリケーションの送信をNFC携帯端末に要求する。NFC対応店舗端末2は、ダウンロードされたアプリケーションをインストールする。
【解決手段】NFC携帯端末1−k(kは1〜nの少なくとも1つ)は、アプリケーション一覧とアプリケーションのデータを予め記憶する。NFC対応店舗端末2は、ポーリングを行い、応答のあったNFC携帯端末1−kにアプリケーション一覧の取得を要求する。NFC携帯端末1−kは、NFC対応店舗端末2にアプリケーション一覧を送信し、顧客用ディスプレイにアプリケーション一覧を表示させる。NFC端末1−kのエンドユーザが、顧客用ディスプレイにタッチして、利用したいアプリケーションを選択すると、NFC対応店舗端末2は、このアプリケーションの送信をNFC携帯端末に要求する。NFC対応店舗端末2は、ダウンロードされたアプリケーションをインストールする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信方法及びプログラムに関し、特に通信装置間で近距離無線通信を行いアプリケーションを送受信することができるようにする通信システム、通信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近隣の固定・設置型端末(リーダ/ライタ)と近距離無線通信(NFC: Near Field Communication)プロトコルなどを用いた非接触通信を行うことで、アプリケーションサービスをユーザに提供する携帯端末及び通信システムが提供されている。例えば、非接触通信が可能な携帯端末に電子マネーとそのアプリケーションを搭載し、店舗に設置された電子マネー端末との問で非接触通信を行うことで決済処理を行う電子マネーシステムや、定期券・会員券・チケット等の情報とそのアプリケーションを非接触通信が可能な携帯端末に搭載し、改札口・検札口に配置された固定端末との間で通信を行ってゲートを開閉する入場・退場管理システム等が、広く普及している。
【0003】
この種のシステムでは、携帯端末にインストールされているアプリケーションに固定・設置型端末が対応しておらず、携帯端末にインストールされているアプリケーションを利用できず、サービスを利用できないことが起こりうる。例えば、ある地域で一定期間利用可能な地域マネーが携帯端末にインストールされているが、使用を希望する店舗に設置されている固定端末がこの地域マネーに対応していないことが起こりうる。
このような場合、携帯端末にインストールされている地域マネーを利用する事ができず、地域マネーが普及しない上、店舗端末側では、商売の機会を失う可能性がある。地域マネーを処理するためには、固定端末側に対応するアプリケーションをインストールする必要があるが、通常、リアルタイムの対応は困難である。
【0004】
特許文献1は、1台で複数種の電子マネーに対応することが可能な電子マネー端末について記載している。具体的には、特許文献1には、例えば、店舗に設置された電子マネー端末と通信可能なICカードに搭載された電子マネーのアプリケーションが、この電子マネー端末に搭載のアプリケーションに対応していない場合、電子マネー端末からICカードに、アプリケーションを送信し、ICカードがアプリケーションを新たに格納する事が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、価値保存機器として機能する共通携帯機器を使用して、異なる非接触式決済システムにわたる非接触決済取引を容易にするシステムであって、加盟店装置の決済システムに携帯機器が対応していない場合に、携帯機器側の決済システムを異なる決済システムで使用されている規格等にエミュレートして使用できるようにするシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−301780号公報
【特許文献2】特表2007−537506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の電子マネー端末では、結局、電子マネー端末側が搭載している電子マネーのアプリケーション以外は利用できない。例えば、地域マネーなどのアプリケーションがICカードに搭載されていたとしても、電子マネー端末に搭載されていないため利用できない可能性が高い。また、新たに電子マネーのアプリケーションをICカードにインストールするには、記憶容量の制限があり、インストールができない可能性もある。
【0008】
また、特許文献2のシステムでは、携帯機器側の決済システムと加盟店装置側の決済システムとのエミュレートプログラムがあらかじめ準備されていない場合は、利用できないため、特に地域マネーなどのような広く普及していない決済システムの場合は、エミュレートプログラムが準備されていない可能性が高くサービスを利用できない可能性が高い。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、携帯端末と店舗端末等の通信装置との間で近距離無線通信を用いた非接触通信を行う通信システムにおいて、携帯端末にインストールされたアプリケーションのうち、店舗端末側で対応していないアプリケーションを用いたサービスを利用したい場合に、該サービスの利用を可能とする通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る通信システムは、
所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信システムであって、
前記第1の通信装置は、
第1の近距離無線通信アンテナと、
前記第2の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第1の通信部と、
第1の制御部と、
前記第2の通信装置との通信を開始するための情報であって少なくとも自身の通信種別情報を含むポーリング返信情報と、前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールに対応し前記第2の通信装置にインストール可能な第2の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーション識別子とアプリケーション名を少なくとも含むアプリケーション一覧と、を予め記憶する第1の記憶部と、
を備え、
前記第1の通信部は、前記第1の近距離無線通信アンテナを介して前記第2の通信装置から通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を受信すると、前記第1の記憶部からポーリング返信情報を読み出し、前記第2の通信装置に送信することにより該ポーリングリクエスト情報に応答し通信を開始するポーリング返信手段を備え、
前記第1の制御部は、
前記第1の近距離無線通信アンテナと前記第1の通信部とを介して前記第2の通信装置から前記アプリケーション一覧の送信を要求するアプリケーション一覧送信要求情報を受信すると、前記第1の記憶部から前記アプリケーション一覧を読み出し、アプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を生成し、生成したアプリケーション一覧情報を前記第2の通信装置に送信するとともに前記第1の記憶部に記録するアプリケーション一覧返信手段と、
前記第2の通信装置から前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのダウンロード要求であって前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含むアプリケーションダウンロード要求情報を受信すると、前記アプリケーションダウンロード要求情報に含まれるアプリケーション識別子に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第1の記憶部から読み出し、読み出した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の通信装置に送信する第2の通信装置用アプリケーション送信処理手段と、
前記第2の通信装置に送信したアプリケーションモジュールに対応する前記第1の通信装置のアプリケーションモジュールを用いて前記第2の通信装置との処理を実行するアプリケーション処理実行手段と、
を備える、
ことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る通信システムは、
所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信システムであって、
前記第2の通信装置は、
第2の近距離無線通信アンテナと、
前記第1の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第2の通信部と、
第2の制御部と、
前記第1の通信装置と通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を予め記憶する第2の記憶部と、
を備え、
前記第2の通信部は、
前記第2の記憶部から前記ポーリングリクエスト情報を読み出し、前記第2の近距離無線通信アンテナを介して読み出したポーリングリクエスト情報を前記第1の通信装置に送信するポーリングリクエスト情報送信手段と、
前記第1の通信装置から該ポーリングリクエスト情報への応答であるポーリング返信情報を受信し通信を開始するポーリング返信情報受信手段と、
を備え、
前記第2の制御部は、
前記第2の近距離無線通信アンテナと前記第2の通信部とを介して前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールの情報であるアプリケーション一覧の送信要求を行うアプリケーション一覧送信要求情報を生成し、生成した前記アプリケーション一覧送信要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するアプリケーション一覧送信要求手段と、
前記第1の通信装置から前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールの情報であるアプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を受信すると、前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含む第2の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーションダウンロード要求情報を生成し、生成したアプリケーションダウンロード要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するダウンロード要求処理手段と、
前記第1の通信装置から前記アプリケーションダウンロード要求情報に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを受信すると、受信した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の記憶部に記録するとともに前記第2の通信装置にインストールする第2の通信装置用アプリケーションインストール手段と、
インストールした前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを用いて前記第1の通信装置との処理を実行するアプリケーション処理実行手段と、
を備える、
ことを特徴とする。
【0012】
この目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る通信システムは、
所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信システムであって、
前記第1の通信装置は、
第1の近距離無線通信アンテナと、
前記第2の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第1の通信部と、
第1の制御部と、
前記第2の通信装置との通信を開始するための情報であって少なくとも自身の通信種別情報を含むポーリング返信情報と、前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールに対応し前記第2の通信装置にインストール可能な第2の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールの識別子を示すアプリケーション識別子とアプリケーション名を少なくとも含むアプリケーション一覧と、を予め記憶する第1の記憶部と、
を備え、
前記第1の通信部は、前記第1の近距離無線通信アンテナを介して前記第2の通信装置から通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を受信すると、前記第1の記憶部からポーリング返信情報を読み出し、前記第2の通信装置に送信することにより該ポーリングリクエスト情報に応答し通信を開始するポーリング返信手段を備え、
前記第1の制御部は、
前記第1の近距離無線通信アンテナと前記第1の通信部とを介して前記第2の通信装置から前記アプリケーション一覧の送信を要求するアプリケーション一覧送信要求情報を受信すると、前記第1の記憶部から前記アプリケーション一覧を読み出し、アプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を生成し、生成したアプリケーション一覧情報を前記第2の通信装置に送信するとともに前記第1の記憶部に記録するアプリケーション一覧返信手段と、
前記第2の通信装置から前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのダウンロード要求であって前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含むアプリケーションダウンロード要求情報を受信すると、前記アプリケーションダウンロード要求情報に含まれるアプリケーション識別子に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第1の記憶部から読み出し、読み出した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の通信装置に送信する第2の通信装置用アプリケーション送信処理手段と、
前記第2の通信装置に送信したアプリケーションモジュールに対応する前記第1の通信装置のアプリケーションモジュールを用いて前記第2の通信装置とのアプリケーションの処理を実行するアプリケーション処理実行手段と、
を備え、
前記第2の通信装置は、
第2の近距離無線通信アンテナと、
前記第1の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第2の通信部と、
第2の制御部と、
前記第1の通信装置と通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を予め記憶する第2の記憶部と、
を備え、
前記第2の通信部は、
前記第2の記憶部から前記ポーリングリクエスト情報を読み出し、前記第2の近距離無線通信アンテナを介して読み出したポーリングリクエスト情報を前記第1の通信装置に送信するポーリングリクエスト情報送信手段と、
前記第1の通信装置から該ポーリングリクエスト情報への応答であるポーリング返信情報を受信し通信を開始するポーリング返信情報受信手段と、
を備え、
前記第2の制御部は、
前記第2の近距離無線通信アンテナと前記第2の通信部とを介して前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールの情報であるアプリケーション一覧の送信要求を行うアプリケーション一覧送信要求情報を生成し、生成した前記アプリケーション一覧送信要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するアプリケーション一覧送信要求手段と、
前記第1の通信装置から前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を受信すると、前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含む前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーションダウンロード要求情報を生成し、生成したアプリケーションダウンロード要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するダウンロード要求処理手段と、
前記第1の通信装置から前記アプリケーションダウンロード要求情報に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを受信すると、受信した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の記憶部に記録するとともに前記第2の通信装置にインストールする第2の通信装置用アプリケーションインストール手段と、
インストールした前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを用いて前記第1の通信装置との処理を実行するアプリケーション処理実行手段と、
ことを特徴とする。
【0013】
例えば、前記第1の通信装置の第1の制御部は、前記所定の近距離無線通信とは異なる種類の近距離無線通信プロトコルで前記第2の通信装置と通信可能な第3の通信部を備え、
前記アプリケーションダウンロード要求情報は、前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのダウンロードに使用する通信種類を示す通信種類情報と設定情報を含み、
前記第1の制御部の第2の通信装置用アプリケーション送信処理手段は、前記第1の近距離無線通信アンテナと前記第1の通信部を介して前記第2の通信装置から受信した前記アプリケーションダウンロード要求情報から通信種類情報を抽出し、抽出した通信種類情報が前記所定の近距離無線通信とは異なる種類の近距離無線通信プロトコルである場合に前記第3の通信部を起動し、
前記第3の通信部は、前記設定情報を前記第2の通信装置に送信することにより、前記第2の通信装置とのコネクションを確立し、前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の通信装置に送信する手段を更に備える。
【0014】
例えば、前記所定の近距離無線通信プロトコルはNFC(Near Field Communication)に従った通信方式であり、前記所定の近距離無線通信とは異なる種類の近距離無線通信プロトコルはBluetoothに従った通信方式である。
【0015】
例えば、前記第2の制御部のアプリケーション一覧送信要求手段は、前記第1の通信装置からポーリング返信情報を受信すると、乱数を生成し、この乱数を含む初期セッション情報を生成し、前記アプリケーション一覧送信要求情報とともに前記第1の通信装置に送信し、前記第2の記憶部に記録する手段をさらに備え、
前記第1の制御部のアプリケーション一覧返信手段は、前記第2の通信装置から受信したアプリケーション一覧送信要求情報と前記初期セッション情報と、前記アプリケーション一覧情報のハッシュ値をそれぞれ算出し、算出した各ハッシュ値の排他的論理和を算出して第1のセッション情報とし、前記返送メッセージ情報とともに前記第2の通信装置に送信し、前記第1の記憶部に記録する手段をさらに備え、
前記第2の通信装置は、前記第1の通信装置からアプリケーション一覧情報と第1のセッション情報を受信すると、前記第2の記憶部から前記アプリケーション一覧送信要求情報を読み出し、前記アプリケーション一覧情報と前記第1のセッション情報と前記アプリケーション一覧送信要求情報のハッシュ値をそれぞれ算出し、算出した各ハッシュ値の排他的論理和を算出してセッション情報確認データとし、前記第1の通信装置から受信した前記第1のセッション情報と照合し、一致した場合にセッション情報が正しいと判断し前記ダウンロード要求処理手段を実行するセッション情報検査手段をさらに備え、
前記第2の制御部のダウンロード要求手段は、生成したアプリケーションダウンロード要求情報のハッシュ値を算出し、前記第1の通信装置から受信した前記第1のセッション情報との排他的論理和を算出して第2のセッション情報とし、前記アプリケーションダウンロード要求情報とともに前記第1の通信装置に送信し、前記第2の記憶部に記録する手段をさらに備え、
前記第1の通信装置の第2の通信装置用アプリケーション送信処理手段は、前記第2の通信装置から受信した前記ダウンロード要求情報のハッシュ値を算出し、前記第1の記憶部から読み出した前記アプリケーション一覧情報のハッシュ値と前記アプリケーション一覧送信要求情報のハッシュ値と前記初期セッション情報のハッシュ値との排他的論理和を算出して第2のセッション情報確認データとし、前記第2の通信装置から受信した前記第2のセッション情報と照合し、一致している場合、前記第3の通信部を起動する、
ように構成してもよい。
【0016】
例えば、前記アプリケーション一覧情報は、前記アプリケーション識別子と前記アプリケーション名を秘密鍵で署名した署名データを含み、
前記第2の記憶部は、前記秘密鍵と対になる公開鍵を予め記憶しており、
前記第2の通信装置は、前記第1の通信装置から受信したアプリケーション一覧情報からアプリケーション識別子とアプリケーション名を抽出してハッシュ値を算出し、前記アプリケーション一覧情報から署名データを抽出して前記第2の記憶部から読み出した前記公開鍵で署名データを復号し、算出したハッシュ値と復号した復号結果を検証することにより、前記アプリケーション一覧情報の正当性を検証する、
ように構成してもよい。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係るコンピュータプログラムは、
通信機能を備えるコンピュータを、所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信システムの第1の通信装置として機能させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
前記第2の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第1の通信部、
第1の制御部、
前記第2の通信装置との通信を開始するための情報であって少なくとも自身の通信種別情報を含むポーリング返信情報と、前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールに対応し前記第2の通信装置にインストール可能な第2の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーション識別子とアプリケーション名を少なくとも含むアプリケーション一覧と、を予め記憶する第1の記憶部、
として機能させ、
さらに、前記第1の通信部を、前記第2の通信装置から通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を受信すると、前記第1の記憶部からポーリング返信情報を読み出し、前記第2の通信装置に送信することにより該ポーリングリクエスト情報に応答し通信を開始するポーリング返信手段として機能させ、
さらに、前記第1の制御部を、
前記第1の通信部を介して前記第2の通信装置から前記アプリケーション一覧の送信を要求するアプリケーション一覧送信要求情報を受信すると、前記第1の記憶部から前記アプリケーション一覧を読み出し、アプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を生成し、生成したアプリケーション一覧情報を前記第2の通信装置に送信するとともに前記第1の記憶部に記録するアプリケーション一覧返信手段、
前記第2の通信装置から前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのダウンロード要求であって前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含むアプリケーションダウンロード要求情報を受信すると、前記アプリケーションダウンロード要求情報に含まれるアプリケーション識別子に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第1の記憶部から読み出し、読み出した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の通信装置に送信する第2の通信装置用アプリケーション送信処理手段、
前記第2の通信装置に送信したアプリケーションモジュールに対応する前記第1の通信装置のアプリケーションモジュールを用いて前記第2の通信装置との処理を実行するアプリケーション処理実行手段、
として機能させる。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の第5の観点に係るコンピュータプログラムは、
通信機能を備えるコンピュータを、所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信システムの第2の通信装置として機能させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
前記第1の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第2の通信部、
第2の制御部、
前記第1の通信装置と通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を予め記憶する第2の記憶部、
として機能させ、
さらに、前記第2の通信部を、
前記第2の記憶部から前記ポーリングリクエスト情報を読み出し、読み出したポーリングリクエスト情報を前記第1の通信装置に送信するポーリングリクエスト情報送信手段、
前記第1の通信装置から該ポーリングリクエスト情報への応答であるポーリング返信情報を受信し通信を開始するポーリング返信情報受信手段、
として機能させ、
さらに、前記第2の制御部を、
前記第2の通信部を介して前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールの情報であるアプリケーション一覧の送信要求を行うアプリケーション一覧送信要求情報を生成し、生成した前記アプリケーション一覧送信要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するアプリケーション一覧送信要求手段、
前記第1の通信装置から前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を受信すると、前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含む第2の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーションダウンロード要求情報を生成し、生成したアプリケーションダウンロード要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するダウンロード要求処理手段、
前記第1の通信装置から前記アプリケーションダウンロード要求情報に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを受信すると、受信した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の記憶部に記録するとともに前記第2の通信装置にインストールする第2の通信装置用アプリケーションインストール手段、
インストールした前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを用いて前記第1の通信装置との処理を実行するアプリケーション処理実行手段、
として機能させる。
【0019】
上記目的を達成するため、本発明の第6の観点に係る通信方法は、
所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信方法であって、
前記第2の通信装置は、前記第1の通信装置との通信を開始するためのポーリングリクエスト情報を前記第1の通信装置に送信し、
前記第1の通信装置は、前記ポーリングリクエスト情報を受信し、受信に応答して、ポーリング返信情報を前記第2の通信装置に送信することにより該ポーリングリクエスト情報に応答した通信を開始し、
前記第2の通信装置は、前記ポーリング返信情報を受信し、受信に応答して、前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールの情報であるアプリケーション一覧の送信要求を行うアプリケーション一覧送信要求情報を生成し、生成した前記アプリケーション一覧送信要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに内部に記録し、
前記第1の通信装置は、前記アプリケーション一覧送信要求情報を受信し、受信に応答して、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を生成し、生成したアプリケーション一覧情報を前記第2の通信装置に送信するとともに内部に記録し、
前記第2の通信装置は、前記アプリケーション一覧情報を受信し、前記アプリケーション一覧情報中のアプリケーション識別子の1つを含む前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーションダウンロード要求情報を生成し、生成したアプリケーションダウンロード要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに内部に記録し、
前記第1の通信装置は、前記アプリケーションダウンロード要求情報を受信し、受信に応答し、前記アプリケーションダウンロード要求情報に含まれるアプリケーション識別子に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の通信装置に送信し、前記第2の通信装置に送信したアプリケーションモジュールに対応する前記第1の通信装置のアプリケーションモジュールを用いて前記第2の通信装置との処理を実行し、
前記第2の通信装置は、前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを受信し、受信した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールをインストールし、インストールした前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを用いて前記第1の通信装置との処理を実行する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、例えば、第1の通信装置としての携帯端末にインストールされたアプリケーションのうち、第2の通信装置としての店舗端末側で対応していないアプリケーションを用いたサービスを利用したい場合に、対応するアプリケーションを携帯端末から店舗端末に転送し、インストールすることができる。これにより、店舗端末がその場で新たに、そのアプリケーションをサポート可能となり、携帯端末にインストールされたアプリケーションによるサービスの処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態1に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すNFC携帯端末の構成を示す図であり、(a)は、全体構成を示し、(b)は、携帯端末処理部の構成を示す。
【図3】図2(a)に示す携帯端末記憶部の各記憶領域を示す図である。
【図4】携帯端末処理部の処理実行モジュールと処理構成要素とを示す図である。
【図5】図1に示すNFC対応店舗端末の構成を示す図であり、(a)は、全体構成を示し、(b)は、店舗端末処理部の構成を示す。
【図6】図5(a)に示す店舗端末記憶部の各記憶領域を示す図である。
【図7】図5(a)に示す店舗端末処理部の処理実行モジュールと処理構成要素とを示す図である。
【図8】NFC携帯端末とNFC対応店舗端末とが実行するシーケンスを示す図(1)である。
【図9】NFC携帯端末とNFC対応店舗端末とが実行するシーケンスを示す図(2)である。
【図10】NFC携帯端末とNFC対応店舗端末とが実行するシーケンスを示す図(3)である。
【図11】NFC携帯端末とNFC対応店舗端末とが実行するシーケンスを示す図(4)である。
【図12】NFC対応店舗端末の表示部が表示する画面表示例を示す図であり、(a)は、アプリケーション一覧の画面表示を示し、(b)は、選択されたアプリケーションの画面表示を示す。
【図13】応用例の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係る携帯端末、及び該携帯端末を含む無線通信システムを図面を参照して説明する。
【0023】
(実施形態1)
実施形態1に係る無線通信システムの構成を図1に示す。
実施形態1に係る無線通信システムは、非接触型識別技術と相互接続技術を組み合わせた無線通信規格NFC(Near Field Communication;非接触型)に従って無線通信を行うシステムであり、NFC携帯端末「1−1」〜「1−n」(nは自然数)と、NFC対応店舗端末2と、を備える。
【0024】
NFC携帯端末1−k(k;1〜nの少なくとも1つ)は、エンドユーザが携帯して持ち運び可能な移動端末であり、図2(a)に示すように、RFアンテナ11と、携帯端末記憶部12と、表示部13と、操作部14と、携帯端末処理部15と、を備える。
【0025】
RFアンテナ11は、NFC対応店舗端末2との間で、NFC通信規格に準拠する近距離無線信号を送受信するものであり、閉じたループコイルによって構成される。
このループコイルに流れる電流が変化することにより電磁波が発生する。また、ループコイルを通る磁束が変化することによりループコイルに電流が流れ、この電流を検出することによりRFアンテナ11は、信号を受信する。
【0026】
携帯端末記憶部12は、NFC携帯端末1−kのアプリケーションの実行に必要な情報を格納するものであり、図3に示すように、記憶領域Z1〜Z8,X1を有する。ここで、アプリケーションとは、NFCに準拠した近距離無線通信を行って利用者に種々のサービスを提供するためのコンピュータプログラム(プログラムモジュール)を意味する。サービスは、電子マネーサービス、チケット(入場券)サービス、定期券サービス等を含み、その内容自体は任意である。アプリケーションは、これらのサービスを実行するために、NFC携帯端末1−kが実行するためのコンピュータプログラムモジュールである。
具体的には、携帯端末記憶部12の記憶領域Z1は、ポーリング返信情報を格納する領域である。ポーリング返信情報とは、後述するNFC対応店舗端末2から送信される通信装置の種類等を特定するためのポーリングリクエスト情報に応答するための情報であり、自身の通信装置の種類等の識別情報等が含まれる。
【0027】
記憶領域Z2は、格納しているアプリケーション(モジュール)の一覧、換言すれば、NFCを用いて提供されるサービスの一覧(情報)を格納する領域である。アプリケーション一覧は、アプリID_1〜ID_m(mは自然数)と、アプリ名AP_1〜AP_mと、署名データSig_1〜Sig_mと、の情報を含む。
【0028】
アプリID_1〜ID_mは、各アプリケーションモジュールの識別情報である。
アプリ名AP_1〜AP_mは、各アプリケーションモジュールの名称である。
アプリ署名データSig_1〜Sig_mは、アプリケーションモジュールの署名データ、即ち、各アプリケーションモジュールのIDとアプリ名のハッシュ値とを秘密暗号鍵で暗号化した署名データである。
【0029】
記憶領域Z3は、アプリケーション一覧情報R1を格納する領域である。アプリケーション一覧情報R1は、NFC対応店舗端末2からのアプリケーション一覧の送信要求に対して、返信される情報であり、この携帯端末装置の識別情報や、記憶領域Z2から読み出したアプリケーション一覧(アプリID,アプリ名、アプリ署名デ一夕)等を含む。
【0030】
記憶領域Z4は、アプリケーション一覧送信要求情報C1のハッシュ値C1’を格納する領域である。アプリケーション一覧送信要求情報C1は、NFC対応店舗端末2で生成され、携帯端末に送信される情報であり、アプリケーション一覧の送信を要求するコマンドメッセージ情報である。
【0031】
記憶領域Z5は、初期セッション情報SC1のハッシュ値SC1’を格納する領域である。初期セッション情報SC1は、NFC対応店舗端末2から送信されるアプリケーション一覧送信要求情報C1とともに送信されるコマンド識別情報である。
【0032】
記憶領域Z6は、アプリケーション一覧情報R1のハッシュ値R1’を格納する領域である。
【0033】
記憶領域Z7は、セッション情報SR1を格納する領域である。
【0034】
記憶領域Z8は、アプリケーションダウンロード要求情報C2のハッシュ値C2’を格納する領域である。なお、アプリケーションダウンロード要求情報C2は、選択されたアプリケーションモジュールのダウンロードを要求するコマンドメッセージ情報であり、選択されたアプリケーションモジュールを識別する情報(アプリIDもしくはアプリ名)、通信インタフェースの種類(たとえばBluetooth(登録商標))、通信インタフェースの設定情報などを含む。
【0035】
記憶領域X1は、インストール前の店舗端末アプリケーションモジュール(プログラムモジュール)を格納する領域である。
【0036】
図2(a)に示す表示部13は、エンドユーザに提供する情報を表示するためのものであり、例えば、液晶ディスプレイ、ELディスプレイを有する。
【0037】
操作部14は、エンドユーザが換作するためのものであり、例えば、テンキー、タッチパネル、キーボード等を有する。
【0038】
携帯端末処理部15は、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)を備えて(いずれも図示せず)、NFC携帯端末1−kの各制御、各処理を実行するものである。
【0039】
携帯端末処理部15は、処理実行モジュールとして、図2(b)に示すように、NFCチップ151と、セキュアエレメント152と、ベースバンド(Baseband)153と、通信I/F(インタフェース)154と、携帯端末OS(Operating system)155と、を有している。
【0040】
NFCチップ151は、RFアンテナ11を介して、NFC規格に準拠した送信信号を無線送信し、また、RFアンテナ11を介して、NFC対応店舗端末2から送信されたNFC規格に準拠した受信電波信号を復調して情報を取得する。
【0041】
NFCチップ151は、図4に示すように、処理構成要素として、ポーリングリクエスト受信部を有する。このポーリングリクエスト受信部は、NFC対応店舗端末2からのポーリングリクエスト情報を受信する構成要素である。
【0042】
セキュアエレメント152は、NFC対応店舗端末2との問で送受信する情報のセキュリティチェックを行うものであり、図4に示すように、処理構成要素として、セッション情報生成部、アプリケーション一覧返信処理部、ハッシュ情報送信部を有する。
【0043】
セッション情報生成部は、上述したNFC対応店舗端末2からのアプリケーション一覧の送信要求に対する返信情報であるアプリケーション一覧情報R1を生成するとともに、NFC対応店舗端末2から送信された初期セッション情報SC1を引き継ぐためのセッション情報SR1を生成する。具体的には、セッション情報SR1は、NFC対応店舗端末2から送信されたアプリケーション一覧送信要求情報C1、初期セッション情報SC1に、アプリケーション一覧情報R1を加え、それぞれのハッシュ値C1’,SC1’,R1’の排他的論理和演算を行うことにより生成する。
【0044】
アプリケーション一覧返信処理部は、NFC対応店舗端末2から送信されたアプリケーション一覧の取得要求に対する返信情報として、セッション情報生成部が生成したアプリケーション一覧情報R1とセッション情報SR1をNFC携帯端末に送信するものである。
【0045】
ハッシュ情報送信部は、ベースバンド153に、セッション情報生成部が生成したアプリケーション一覧送信要求情報C1のハッシュ値C1’、初期セッション情報SC1のハッシュ値SC1’、アプリケーション一覧情報R1のハッシュ値R1’を送信するものである。また、ハッシュ情報送信部は、NFC対応店舗端末2から送信されたアプリケーションダウンロード要求情報C2のハッシュ値C2’と更新セッション情報SC2をベースバンド153に送信するものである。なお、更新セッション情報SC2の詳細は、後述する。
【0046】
ベースバンド153は、図4に示すように、処理構成要素として、ハッシュ情報受信部、ベースバンドセッション情報検査部、通信I/F起動部、店舗端末アプリケーション送信処理部を有するものである。
【0047】
ハッシュ情報受信部は、ハッシュ情報送信部から送信されたハッシュ値C1’,SR1’,R1’,C2’を受信し、携帯端末記憶部12に記憶する。
【0048】
ベースバンドセッション情報検査部は、NFC対応店舗端末2から、アプリケーションダウンロード要求情報C2とともに送信される更新セッション情報SC2の正当性をチェックするものである。具体的には、携帯端末記憶部12から読み出したハッシュ値C1’,SR1’,R1’,C2’の排他的論理和演算を行い、この演算結果と更新セッション情報SC2とを比較することにより、更新セッション情報SC2の正当性をチェックする。
【0049】
通信I/F起動部は、通信I/F154を起動するものである。通信I/F154には、近接無線通信よりも高速な短距離無線通信であるBluetooth(登録商標)などが用いられる。
【0050】
店舗端末アプリケーション送信処理部は、携帯端末記憶部12の記憶領域X1に格納されている店舗端末アプリケーションをNFC対応店舗端末2に送信するものである。
【0051】
携帯端末OS155は、ベースバンド153上で店舗端末アプリケーションモジュール、携帯端末アプリケーションモジュールを動作させるためのソフトウェアである。
【0052】
図1に示すNFC対応店舗端末2は、加盟店舗等に配置され、NFC携帯端末1−kを用いた決済等に使用される端末であり、NFC通信規格の近距離無線通信システムに対応したものである。NFC対応店舗端末2は、ポーリングリクエスト情報を送信し、応答のあったNFC携帯端末1−kから店舗端末アプリケーションモジュールをダウンロードし、インストールし、NFC携帯端末1−kのアプリケーションモジュールとの間で処理を実行する。
【0053】
NFC対応店舗端末2は、図5(a)に示すように、RFアンテナ21と、店舗端末記憶部22と、表示部23と、操作部24と、店舗端末処理部25と、を備える。
【0054】
RFアンテナ21は、NFC携帯端末1−kとの間で、信号を電磁波として受信するものであり、RFアンテナ11と同様に閉じたループコイルによって構成される。
【0055】
店舗端末記憶部22は、NFC対応店舗端末2の動作に必要な情報を格納するものであり、図6に示すように、記憶領域Y1〜Y8を有する。記憶領域Y1は、ポーリングリクエスト情報を格納する領域である。ポーリングリクエスト情報とは、通信装置の種類等を特定するために必要な情報であり、あらかじめ通信装置の種類に応じた複数のポーリングリクエスト情報が記憶されている。NFC携帯端末1−kに対し、このポーリングリクエスト情報を送信してポーリングを行う。
【0056】
記憶領域Y2は、後述する初期セッション情報生成部で生成された初期セッション情報SC1を格納する領域である。記憶領域Y3は、アプリケーション一覧送信要求情報C1を格納する領域である。
【0057】
記憶領域Y4は、アプリID正当性確認用公開鍵を格納する領域である。このアプリID正当性確認用公開鍵は、NFC携帯端末1−kから送信されたアプリケーション一覧情報R1の正当性検証を行う際に使用する。記憶領域Y5は、更新セッション情報SC2を格納する領域である。記憶領域Y6は、アプリケーションダウンロード要求情報C2を格納する領域である。
【0058】
記憶領域Y7は、インストール前の店舗端末アプリケーションモジュールを格納する領域である。記憶領域Y8は、インストール後の店舗端末アプリケーションモジュールを格納する領域である。
【0059】
表示部23は、NFC携帯端末1−kのエンドユーザ、加盟店舗等の店員に提供する情報を表示するためのものである。表示部23は、顧客用ディスプレイと店員用ディスプレイを有する。
【0060】
顧客用ディスプレイは、アプリケーション一覧を画面表示してNFC携帯端末1−kのエンドユーザにアプリケーションモジュールを選択させるためのものである。店員用ディスプレイは、NFC携帯端末1−kのエンドユーザが選択したアプリケーションモジュールを画面表示して、加盟店舗等の店員に確認させるためのものである。この顧客用ディスプレイと店員用ディスプレイには、例えば、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等が用いられる。
【0061】
換作部24は、例えば、店員用ディスプレイに表示されたアプリケーションモジュールの取得を要求する際に加盟店舗等の店員が操作するためのものであり、例えば、テンキー、タッチパネル、キーボード、マウス等を有する。
【0062】
店舗端末処理部25は、CPU,ROM,RAMを備えて(いずれも図示せず)NFC対応店舗端末2の各制御、各処理を実行するものであり、図5(b)に示すように、非接触通信部251と、店舗端末OS252と、を有する。
【0063】
非接触通信部251は、店舗端末OS252から供給された情報信号に基づいて変化させた電流をRFアンテナ21に供給するとともに、RFアンテナ21に流れる電流を検出して情報信号を復調するものである。
【0064】
店舗端末OS252は、NFC対応店舗端末2全体を制御する処理モジュール(ソフトウェア)であり、店舗端末基本アプリケーションモジュール、店舗端末アプリケーションモジュールAP_1〜AP_nは、この店舗端末OS252上で動作する。
【0065】
店舗端末OS252は、処理構成要素として、図7に示すように、ポーリングリクエスト送信部、乱数生成部、初期セッション情報生成部、アプリケーション一覧取得要求部、アプリケーション一覧セッション情報検査部、アプリID正当性確認部、アプリケーション一覧表示処理部、ダウンロード確認表示処理部、セッション情報更新部、ダウンロード要求処理部、店舗端末アプリケーションインストール処理部を有する。
【0066】
ポーリングリクエスト送信部は、NFC携帯端末「1−1」〜「1−n」にポーリングを送信するものである。
【0067】
乱数生成部は、初期セッション情報SC1を生成する際の乱数を生成するものである。初期セッション情報生成部は、初期セッション情報SC1を生成するものである。
【0068】
アプリケーション一覧取得要求部は、アプリケーション一覧の取得を要求するものである。アプリケーション一覧取得要求部は、アプリケーション一覧の取得を要求するアプリケーション一覧送信要求情報C1に初期セッション情報SC1を付加し、このアプリケーション一覧送信要求情報C1と初期セッション情報SC1とをNFC携帯端末1−kに送信する。
【0069】
アプリケーション一覧セッション情報検査部は、NFC携帯端末1−kから送信されるセッション情報SR1の正当性を検査するものである。アプリケーション一覧セッション情報検査部は、NFC携帯端末1−kから返送されたアプリケーション一覧情報R1と、店舗端末記憶部22から読み出した先にNFC携帯端末1−kに送った初期セッション情報SC1、アプリケーション一覧送信要求情報C1のハッシュ演算を行い、これらの値の排他的論理和を演算して、セッション情報確認データD1を生成する。アプリケーション一覧セッション情報検査部は、このセッション情報確認データD1とセッション情報SR1を比較することにより、セッション情報SR1の正当性を検査する。
【0070】
アプリケーション一覧セッション情報検査部は、セッション情報確認データD1とセッション情報SR1とが一致すれば、セッション情報SR1は正当とし、不一致であれば、不当とする。
【0071】
アプリID正当性確認部は、NFC携帯端末1−kから送信されるアプリケーション一覧情報R1に含まれるアプリIDの正当性を確認するものである。アプリID正当性確認部は、NFC携帯端末1−kから送信されるアプリケーション一覧に含まれるアプリ署名データSig_1〜Sig_mを、アプリID正当性確認用公開鍵を用いて復号し、復号結果を取得する。
【0072】
一方、アプリID正当性確認部は、アプリID,アプリ名に対してハッシュ演算を行い、この値と復号結果とを比較する。一致すれば、アプリID正当性確認部は、アプリIDが正当とし、不一致であれば、アプリIDは不当とする。
【0073】
尚、店舗端末記憶部22の記憶領域Y4に、アプリID正当性確認用公開鍵が格納されない場合、NFC対応店舗端末2は、ネットワークを介してサーバ(図示せず)に確認してもらい、確認結果を通知してもらうようにしてもよい。
【0074】
アプリケーション一覧表示処理部は、表示部23にアプリケーション一覧を画面表示させ、ユーザからのアプリケーションモジュールの選択を受け付けるものである。ダウンロード確認表示処理部は、加盟店舗等の店員の確認用として、NFC携帯端末1−kのエンドユーザによって選択されたアプリケーションモジュールを表示部23に表示させるものである。
【0075】
セッション情報更新部は、NFC携帯端末1−kのエンドユーザによって選択されたアプリケーションモジュールの情報とダウンロードする際の通信方式と設定情報からなるアプリケーションダウンロード要求情報C2の生成と、携帯端末1−kから送信されたセッション情報SR1を更新し、NFC携帯端末1−kのエンドユーザによって選択されたアプリケーションモジュールの取得を要求する際の更新セッション情報SC2の生成を行うものである。
【0076】
更新セッション情報SC2は、アプリケーションダウンロード要求情報C2のハッシュ演算を行い、取得したハッシュ値とセッション情報SR1との排他的論理和演算を行うことにより生成する。
【0077】
ダウンロード要求処理部は、NFC携帯端末1−kのエンドユーザによって選択されたアプリケーションモジュールのダウンロードを要求するものである。ダウンロード要求処理部は、アプリケーションダウンロード要求情報C2に更新セッション情報SC2を付加して、アプリケーションダウンロード要求情報C2をNFC携帯端末1−kに送信することにより、アプリケーションモジュールのダウンロードを要求する。
【0078】
店舗端末アプリケーションインストール処理部は、NFC携帯端末1−kからダウンロードされた店舗端末アプリケーションモジュールをインストールするものである。
【0079】
次に実施形態1に係る無線通信システムの動作を説明する。
NFC対応店舗端末2のポーリングリクエスト送信部は、店舗端末記憶部22の記憶部Y1から定期的にポーリングリクエスト情報を読み出し、非接触通信部251、RFアンテナ21から、ポーリングリクエスト情報を送信する。
【0080】
エンドユーザがNFC携帯端末1−kをNFC対応店舗端末2に近づけると、
NFC携帯端末1−kのNFCチップ151(ポーリングリクエスト受信部)は、このポーリングを受信し、これに応答し、携帯端末記憶部12の記憶領域Z1に格納された自身の通信装置の種類等の識別情報等が含まれるポーリング返信情報を読み出し、NFC対応店舗端末2に返信する。
【0081】
NFC対応店舗端末2がポーリング返信情報を受信すると、NFC携帯端末1−kとNFC対応店舗端末2とは、図8〜図11に示すシーケンスに従って、処理を実行する。
【0082】
NFC対応店舗端末2の乱数生成部は、乱数を生成し、初期セッション情報生成部は、生成した乱数を含む初期セッション情報SC1を生成する(ステップS11)。初期セッション情報生成部は、生成した初期セッション情報SC1を店舗端末記憶部22の記憶領域Y2に格納する。
【0083】
NFC対応店舗端末2のアプリケーション一覧取得要求部は、アプリケーション一覧送信要求情報C1を生成し、初期セッション情報生成部で生成した初期セッション情報SC1を付加して、このアプリケーション一覧送信要求情報C1と初期セッション情報SC1とをNFC携帯端末1−kに送信する(ステップS12)。アプリケーション一覧取得要求部は、アプリケーション一覧送信要求情報C1を店舗端末記憶部22の記憶領域Y3に格納する。
【0084】
NFC携帯端末1−kのセキュアエレメント152は、アプリケーション一覧送信要求情報C1と初期セッション情報SC1とを受信する(ステップS13)。
【0085】
セキュアエレメント152のセッション情報生成部は、アプリケーション一覧情報R1を生成する。アプリケーション一覧情報R1は、上述したようにNFC対応店舗端末2からのアプリケーション一覧の送信要求に対する返信情報であり、この携帯端末装置の識別情報や、記憶領域Z2から読み出したアプリケーション一覧(アプリID,アプリ名、アプリ署名デ一夕)から生成する。また、セッション情報生成部は、アプリケーション一覧送信要求情報C1、初期セッション情報SC1、アプリケーション一覧情報R1のハッシュ演算をそれぞれ行い、演算したハッシュ値C1’,SC1’,R1’を取得する。
【0086】
そして、セッション情報生成部は、ハッシュ値C1’,SC1’,R1’の排他的論理和演算を行い、その結果としてのセッション情報SR1を生成する(ステップS14)。
【0087】
そして、セッション情報生成部は、ハッシュ値C1’,SC1’,R1’を、それぞれ、携帯端末記憶部12の記憶領域Z4,Z5,Z6に格納し、セッション情報SR1を記憶領域Z7に格納する。
【0088】
セキュアエレメント152のハッシュ情報送信部は、ハッシュ値C1’,SC1’,R1’をベースバンド153に通知し(ステップS15)、ベースバンド153のハッシュ情報受信部は、これらのハッシュ値C1’,SC1’,R1’を取得する(ステップS16)。
【0089】
また、セキュアエレメント152のアプリケーション一覧返信処理部は、セッション情報SR1とアプリケーション一覧情報R1とをNFC対応店舗端末2に送信し(ステップS17)、アプリケーション一覧情報R1を携帯端末記憶部12の記憶領域Z3に格納する。
【0090】
NFC対応店舗端末2は、セッション情報SR1とアプリケーション一覧情報R1とを受信する(ステップS18)。店舗端末OS252のアプリケーション一覧セッション情報検査部は、取得したセッション情報SR1の正当性を検査する(ステップS19)。
【0091】
即ち、前述のように、アプリケーション一覧セッション情報検査部は、NFC携帯端末1−kから返送されたアプリケーション一覧情報R1、店舗端末記憶部から読み出した先に送った初期セッション情報SC1、コマンドメッセージ情報C1のハッシュ演算を行い、これらの積の排他的論理和を演算し、セッション情報確認データD1を生成する。
【0092】
アプリケーション一覧セッション情報検査部は、このセッション情報確認データD1とセッション情報SR1とを比較し、一致した場合、検査は合格とし、不一致の場合、異常処理として処理を停止する。
【0093】
検査が合格の場合、店舗端末OS252のアプリID正当性確認部は、店舗端末記憶部22の記憶領域Y4に格納されているアプリID正当性確認用公開鍵を用いて、受信したアプリケーション一覧情報R1に含まれている各アプリIDの正当性を検証する(ステップS20)。
【0094】
店舗端末OS252のアプリケーション一覧表示処理部は、受信したアプリケーション一覧情報R1に含まれているアプリケーション一覧の全てのアプリケーションモジュールのアプリ名を表示部23に画面表示させる(ステップS21)。
【0095】
図12(a)に示すように、すべてのアプリケーションモジュールがAP_1(電子マネー)、AP_2(レンタル会員)AP_3(地域通貨)の場合、表示部23は、この図12(a)に示すような顧客用ディスプレイに、この3つのアプリケーションモジュールのアプリ名AP1〜AP_3を画面表示する。
【0096】
尚、この時点で、アプリIDの正当性の検証が終了していない場合は、アプリケーション一覧表示処理部は、NFC対応店舗端末2に搭載済みのアプリケーションモジュールのみをボタン形式で画面表示し、アプリIDの正当性の検証処理が正常に終了したタイミングで、さらに当該アプリケーションモジュールをボタン形式で画面に追加表示する。
【0097】
エンドユーザが、顧客用ディスプレイを参照して、利用するアプリ名のボタンを選んで押下すると、店舗端末OS252は、このアプリケーションモジュールの選択を受け付ける(ステップS22)。
【0098】
店舗端末OS252のダウンロード確認表示処理部は、店舗端末アプリケーションのダウンロードを実行するか否かを判断させるため、NFC携帯端末1−kのエンドユーザによって選択されたアプリケーションモジュールを表示部23に表示させる(ステップS23)。
【0099】
図12(a)に示すアプリ名AP_3(地域通貨)が選択された場合、表示部23は、加盟店舗等の店員の確認用として、図12(b)に示すように、店員用ディスプレイにアプリAP_3(地域通貨)を表示する。
【0100】
店舗端末OS252のセッション情報更新部は、選択されたアプリ名と通信I/Fの種類と通信I/F設定情報によりアプリケーションダウンロード要求情報C2を生成するとともに、アプリケーションダウンロード要求情報C2のハッシュ値とセッション情報SR1との排他的論理和演算を行って更新セッション情報SC2を生成する(ステップS24)。店舗端末OS252のセッション情報更新部は、更新セッション情報SC2を店舗端末記憶部22の記憶領域Y5に格納する。
【0101】
店舗端末OS252のダウンロード要求処理部は、このアプリケーションダウンロード要求情報C2と更新セッション情報SC2とをNFC携帯端末1−kに送信する(ステップS25)。
【0102】
店舗端末OS252のダウンロード要求処理部は、このアプリケーションダウンロード要求情報C2を店舗端末記憶部22の記憶領域Y6に格納する。
【0103】
NFC携帯端末1−kのセキュアエレメント152のハッシュ情報送信部は、このアプリケーションダウンロード要求情報C2と更新セッション情報SC2とを受信し(ステップS26)、受信したアプリケーションダウンロード要求情報C2のハッシュ演算を行い、ハッシュ値C2’を生成する(ステップS27)。
【0104】
セキュアエレメント152のハッシュ情報送信部は、生成したハッシュ値C2’と更新セッション情報SC2とをベースバンド153に通知し(ステップS28)、ベースバンド153は、このハッシュ値C2’と更新セッション情報SC2とを取得する(ステップS29)。
【0105】
ベースバンド153のハッシュ情報受信部は、ハッシュ値C2’を、携帯端末記憶部12の記憶領域Z8に格納する。
【0106】
ベースバンド153のベースバンドセッション情報検査部は、更新セッション情報SC2をチェックする(ステップS30)。即ち、ベースバンドセッション情報検査部は、携帯端末記憶部12から読み出したこれまでのハッシュ値C1’,SR1’,R1’,C2’の排他的論理和演算を行い、この演算結果と更新セッション情報SC2とを比較して更新セッション情報SC2をチェックする。
【0107】
この演算結果と更新セッション情報SC2とが一致している場合、ベースバンドセッション情報検査部は、更新セッション情報SC2は正当と判断し、不一致の場合、異常処理として処理を停止する。
【0108】
更新セッション情報SC2が正当である場合、ベースバンド153の通信I/F起動部は、アプリケーションダウンロード要求情報C2によって指定されたBluetooth等の通信I/F154を起動する(ステップS31)。
【0109】
そして、ベースバンド153の通信I/F起動部は、アプリケーションダウンロード要求情報C2に含まれている通信I/F設定情報をNFC対応店舗端末2に送信して、NFC対応店舗端末2とのコネクションを確立する(ステップS32)。
【0110】
ベースバンド153の店舗端末アプリケーション送信処理部は、アプリケーションダウンロード要求情報C2で要求されている店舗端末アプリケーションモジュールを携帯端末記憶部12の記憶領域X1から読み出し、NFC対応店舗端末2に送信(ダウンロード)する(ステップS33)。
【0111】
NFC対応店舗端末2の店舗端末OS252の店舗端末アプリケーションインストール処理部は、店舗端末記憶部22の記憶領域Y7に店舗端末アプリケーションモジュールを格納し、店舗端末アプリケーションモジュールをインストールする(ステップS34)。
【0112】
インストール後、店舗端末アプリケーションインストール処理部は、店舗端末アプリケーションモジュールを記憶領域Y8に格納する。
【0113】
尚、NFC対応店舗端末2は、店舗端末アプリケーションモジュールを利用後に消去してもよい。
【0114】
セキュアエレメント152は、NFC対応店舗端末2との処理を実行し、NFC対応店舗端末2は、当該アプリケーションモジュールを動作させ、NFC携帯端末1−kとの間の通信及びアプリケーション処理を実行する(ステップS35)。
【0115】
また、NFC対応店舗端末2の店舗端末OS252は、携帯端末アプリケーションモジュールとの間で処理を実行する(ステップS36)。
【0116】
以上説明したように、本実施形態1の無線通信システムによれば、NFC対応店舗端末2に搭載されていないアプリケーションモジュールをNFC携帯端末1が利用したい場合に、NFC携帯端末1からNFC対応店舗端末2に、店舗端末アプリケーションモジュールをダウンロードするようにした。
【0117】
従って、NFC対応店舗端末2がアプリケーションモジュールを搭載していない場合でも、アプリケーションモジュールを利用しようとするタイミングで、そのアプリケーションモジュールを利用したサービスを提供することができる。
【0118】
また、本実施形態1の無線通信システムのNFC携帯端末1は、ベースバンド153に通信I/F起動部を備えているため、店舗端末にアプリケーションモジュールを送信する際にNFCチップを介した近距離無線通信よりも高速にアプリケーションモジュールを送信することができる。
【0119】
また、本実施形態1の無線通信システムでは、NFC対応店舗端末2のアプリケーション一覧送信要求部が乱数を含む初期セッション情報を生成し、これをNFC携帯端末1に送信し、NFC携帯端末1のセキュアエレメント152が初期セッション情報を含むセッション情報を生成してアプリケーション一覧とともにNFC対応店舗端末2に送信し、NFC対応店舗端末2のアプリケーション一覧セッション情報検査部でセッションの正当性を検査し、NFC対応店舗端末2がさらに更新セッション情報を生成し、NFC携帯端末に送信し、NFC携帯端末がこのセッション情報を検査するようにした。そのため、利用しようとするアプリケーションモジュールを安全にダウンロードすることができる。
【0120】
また、本実施形態1の無線通信システムのNFC携帯端末1は各アプリケーションモジュールにアプリ署名データを対応させ、アプリケーション一覧を送ったとき、NFC対応店舗端末2は、署名検証処理を行うようにした。このため、悪意のあるNFC携帯端末からの店舗端末アプリケーションモジュールのダウンロードを回避することができる。
【0121】
また、ネットワーク接続されていない小型店舗のNFC店舗端末2であっても、NFC携帯端末1−kからアプリケーションモジュールをダウンロードすることによりアプリケーションモジュールの搭載を実現できる。
【0122】
尚、本発明を実施するにあたっては、種々の形態が考えられ、上記実施形態に限られるものではない。
【0123】
例えば、上記実施形態では、NFC携帯端末1−kは、すべてのアプリケーションモジュールAP_1〜AP_nを搭載しているものとして説明した。しかし、NFC携帯端末1−kにアプリケーションモジュールが搭載されていない場合、図13に示すように、サーバ3から、モバイル網4を介して店舗端末アプリケーションモジュールをダウンロードするようにしてもよい。
【0124】
サーバ3は、モバイル網4に接続され、店舗端末アプリケーションモジュールを格納する。
モバイル網4は、各NFC携帯端末1−1〜1−nとデータ通信を行う基地局(図示せず)を有する。
【0125】
NFC携帯端末1−kは、サーバ3とのコネクションを確立し、データ通信により、サーバ3からモバイル網4を介して店舗端末アプリケーションモジュールをダウンロードする。この場合、ダウンロードする店舗端末アプリケーションモジュールは、実行可能な形式でもよいし、スクリプト形式でもよい。
【0126】
また、上記実施形態では、NFC対応店舗端末2は、店員用ディスプレイに、端末アプリケーションモジュールのダウンロードを実行するか否かを判断させる画面を表示するようにした。しかし、この確認画面の表示は省略してもよい。
【0127】
上記移動端末は、NFC携帯端末1−kとして説明した。しかし、移動端末は、NFC携帯端末に限られるものではなく、例えば、PHS(Personal Handy phone system)、PDA(Personal Digital Assistance)、モバイル(Mobile)コンピュータであってもよい。但し、無線通信規格NFCに従って無線通信を行うシステムである必要がある。
【0128】
また、NFC対応店舗端末2も、特に加盟店舗に配置されたものでなくてもよく、移動端末であってもよい。
また、NFC携帯端末1−k、NFC対応店舗端末2を、装置の全部又は一部として動作させるようにしてもよい。
【0129】
また、上記実施形態では、プログラムが、それぞれメモリ等に予め記憶されているものとして説明した。しかし、上述の処理を実行させるためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read−Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Opticaldisk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0130】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0131】
1 NFC携帯端末
2 NFC対応店舗端末
11,21 RFアンテナ
12 携帯端末記憶部
15 携帯端末処理部
22 店舗端末記憶部
25 店舗端末処理部
151 NFCチップ
152 セキュアエレメント
153 ベースバンド
154 通信I/F
155 携帯端末OS
251 非接触通信部
252 店舗端末OS
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信方法及びプログラムに関し、特に通信装置間で近距離無線通信を行いアプリケーションを送受信することができるようにする通信システム、通信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近隣の固定・設置型端末(リーダ/ライタ)と近距離無線通信(NFC: Near Field Communication)プロトコルなどを用いた非接触通信を行うことで、アプリケーションサービスをユーザに提供する携帯端末及び通信システムが提供されている。例えば、非接触通信が可能な携帯端末に電子マネーとそのアプリケーションを搭載し、店舗に設置された電子マネー端末との問で非接触通信を行うことで決済処理を行う電子マネーシステムや、定期券・会員券・チケット等の情報とそのアプリケーションを非接触通信が可能な携帯端末に搭載し、改札口・検札口に配置された固定端末との間で通信を行ってゲートを開閉する入場・退場管理システム等が、広く普及している。
【0003】
この種のシステムでは、携帯端末にインストールされているアプリケーションに固定・設置型端末が対応しておらず、携帯端末にインストールされているアプリケーションを利用できず、サービスを利用できないことが起こりうる。例えば、ある地域で一定期間利用可能な地域マネーが携帯端末にインストールされているが、使用を希望する店舗に設置されている固定端末がこの地域マネーに対応していないことが起こりうる。
このような場合、携帯端末にインストールされている地域マネーを利用する事ができず、地域マネーが普及しない上、店舗端末側では、商売の機会を失う可能性がある。地域マネーを処理するためには、固定端末側に対応するアプリケーションをインストールする必要があるが、通常、リアルタイムの対応は困難である。
【0004】
特許文献1は、1台で複数種の電子マネーに対応することが可能な電子マネー端末について記載している。具体的には、特許文献1には、例えば、店舗に設置された電子マネー端末と通信可能なICカードに搭載された電子マネーのアプリケーションが、この電子マネー端末に搭載のアプリケーションに対応していない場合、電子マネー端末からICカードに、アプリケーションを送信し、ICカードがアプリケーションを新たに格納する事が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、価値保存機器として機能する共通携帯機器を使用して、異なる非接触式決済システムにわたる非接触決済取引を容易にするシステムであって、加盟店装置の決済システムに携帯機器が対応していない場合に、携帯機器側の決済システムを異なる決済システムで使用されている規格等にエミュレートして使用できるようにするシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−301780号公報
【特許文献2】特表2007−537506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の電子マネー端末では、結局、電子マネー端末側が搭載している電子マネーのアプリケーション以外は利用できない。例えば、地域マネーなどのアプリケーションがICカードに搭載されていたとしても、電子マネー端末に搭載されていないため利用できない可能性が高い。また、新たに電子マネーのアプリケーションをICカードにインストールするには、記憶容量の制限があり、インストールができない可能性もある。
【0008】
また、特許文献2のシステムでは、携帯機器側の決済システムと加盟店装置側の決済システムとのエミュレートプログラムがあらかじめ準備されていない場合は、利用できないため、特に地域マネーなどのような広く普及していない決済システムの場合は、エミュレートプログラムが準備されていない可能性が高くサービスを利用できない可能性が高い。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、携帯端末と店舗端末等の通信装置との間で近距離無線通信を用いた非接触通信を行う通信システムにおいて、携帯端末にインストールされたアプリケーションのうち、店舗端末側で対応していないアプリケーションを用いたサービスを利用したい場合に、該サービスの利用を可能とする通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る通信システムは、
所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信システムであって、
前記第1の通信装置は、
第1の近距離無線通信アンテナと、
前記第2の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第1の通信部と、
第1の制御部と、
前記第2の通信装置との通信を開始するための情報であって少なくとも自身の通信種別情報を含むポーリング返信情報と、前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールに対応し前記第2の通信装置にインストール可能な第2の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーション識別子とアプリケーション名を少なくとも含むアプリケーション一覧と、を予め記憶する第1の記憶部と、
を備え、
前記第1の通信部は、前記第1の近距離無線通信アンテナを介して前記第2の通信装置から通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を受信すると、前記第1の記憶部からポーリング返信情報を読み出し、前記第2の通信装置に送信することにより該ポーリングリクエスト情報に応答し通信を開始するポーリング返信手段を備え、
前記第1の制御部は、
前記第1の近距離無線通信アンテナと前記第1の通信部とを介して前記第2の通信装置から前記アプリケーション一覧の送信を要求するアプリケーション一覧送信要求情報を受信すると、前記第1の記憶部から前記アプリケーション一覧を読み出し、アプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を生成し、生成したアプリケーション一覧情報を前記第2の通信装置に送信するとともに前記第1の記憶部に記録するアプリケーション一覧返信手段と、
前記第2の通信装置から前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのダウンロード要求であって前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含むアプリケーションダウンロード要求情報を受信すると、前記アプリケーションダウンロード要求情報に含まれるアプリケーション識別子に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第1の記憶部から読み出し、読み出した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の通信装置に送信する第2の通信装置用アプリケーション送信処理手段と、
前記第2の通信装置に送信したアプリケーションモジュールに対応する前記第1の通信装置のアプリケーションモジュールを用いて前記第2の通信装置との処理を実行するアプリケーション処理実行手段と、
を備える、
ことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る通信システムは、
所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信システムであって、
前記第2の通信装置は、
第2の近距離無線通信アンテナと、
前記第1の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第2の通信部と、
第2の制御部と、
前記第1の通信装置と通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を予め記憶する第2の記憶部と、
を備え、
前記第2の通信部は、
前記第2の記憶部から前記ポーリングリクエスト情報を読み出し、前記第2の近距離無線通信アンテナを介して読み出したポーリングリクエスト情報を前記第1の通信装置に送信するポーリングリクエスト情報送信手段と、
前記第1の通信装置から該ポーリングリクエスト情報への応答であるポーリング返信情報を受信し通信を開始するポーリング返信情報受信手段と、
を備え、
前記第2の制御部は、
前記第2の近距離無線通信アンテナと前記第2の通信部とを介して前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールの情報であるアプリケーション一覧の送信要求を行うアプリケーション一覧送信要求情報を生成し、生成した前記アプリケーション一覧送信要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するアプリケーション一覧送信要求手段と、
前記第1の通信装置から前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールの情報であるアプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を受信すると、前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含む第2の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーションダウンロード要求情報を生成し、生成したアプリケーションダウンロード要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するダウンロード要求処理手段と、
前記第1の通信装置から前記アプリケーションダウンロード要求情報に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを受信すると、受信した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の記憶部に記録するとともに前記第2の通信装置にインストールする第2の通信装置用アプリケーションインストール手段と、
インストールした前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを用いて前記第1の通信装置との処理を実行するアプリケーション処理実行手段と、
を備える、
ことを特徴とする。
【0012】
この目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る通信システムは、
所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信システムであって、
前記第1の通信装置は、
第1の近距離無線通信アンテナと、
前記第2の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第1の通信部と、
第1の制御部と、
前記第2の通信装置との通信を開始するための情報であって少なくとも自身の通信種別情報を含むポーリング返信情報と、前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールに対応し前記第2の通信装置にインストール可能な第2の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールの識別子を示すアプリケーション識別子とアプリケーション名を少なくとも含むアプリケーション一覧と、を予め記憶する第1の記憶部と、
を備え、
前記第1の通信部は、前記第1の近距離無線通信アンテナを介して前記第2の通信装置から通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を受信すると、前記第1の記憶部からポーリング返信情報を読み出し、前記第2の通信装置に送信することにより該ポーリングリクエスト情報に応答し通信を開始するポーリング返信手段を備え、
前記第1の制御部は、
前記第1の近距離無線通信アンテナと前記第1の通信部とを介して前記第2の通信装置から前記アプリケーション一覧の送信を要求するアプリケーション一覧送信要求情報を受信すると、前記第1の記憶部から前記アプリケーション一覧を読み出し、アプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を生成し、生成したアプリケーション一覧情報を前記第2の通信装置に送信するとともに前記第1の記憶部に記録するアプリケーション一覧返信手段と、
前記第2の通信装置から前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのダウンロード要求であって前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含むアプリケーションダウンロード要求情報を受信すると、前記アプリケーションダウンロード要求情報に含まれるアプリケーション識別子に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第1の記憶部から読み出し、読み出した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の通信装置に送信する第2の通信装置用アプリケーション送信処理手段と、
前記第2の通信装置に送信したアプリケーションモジュールに対応する前記第1の通信装置のアプリケーションモジュールを用いて前記第2の通信装置とのアプリケーションの処理を実行するアプリケーション処理実行手段と、
を備え、
前記第2の通信装置は、
第2の近距離無線通信アンテナと、
前記第1の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第2の通信部と、
第2の制御部と、
前記第1の通信装置と通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を予め記憶する第2の記憶部と、
を備え、
前記第2の通信部は、
前記第2の記憶部から前記ポーリングリクエスト情報を読み出し、前記第2の近距離無線通信アンテナを介して読み出したポーリングリクエスト情報を前記第1の通信装置に送信するポーリングリクエスト情報送信手段と、
前記第1の通信装置から該ポーリングリクエスト情報への応答であるポーリング返信情報を受信し通信を開始するポーリング返信情報受信手段と、
を備え、
前記第2の制御部は、
前記第2の近距離無線通信アンテナと前記第2の通信部とを介して前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールの情報であるアプリケーション一覧の送信要求を行うアプリケーション一覧送信要求情報を生成し、生成した前記アプリケーション一覧送信要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するアプリケーション一覧送信要求手段と、
前記第1の通信装置から前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を受信すると、前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含む前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーションダウンロード要求情報を生成し、生成したアプリケーションダウンロード要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するダウンロード要求処理手段と、
前記第1の通信装置から前記アプリケーションダウンロード要求情報に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを受信すると、受信した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の記憶部に記録するとともに前記第2の通信装置にインストールする第2の通信装置用アプリケーションインストール手段と、
インストールした前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを用いて前記第1の通信装置との処理を実行するアプリケーション処理実行手段と、
ことを特徴とする。
【0013】
例えば、前記第1の通信装置の第1の制御部は、前記所定の近距離無線通信とは異なる種類の近距離無線通信プロトコルで前記第2の通信装置と通信可能な第3の通信部を備え、
前記アプリケーションダウンロード要求情報は、前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのダウンロードに使用する通信種類を示す通信種類情報と設定情報を含み、
前記第1の制御部の第2の通信装置用アプリケーション送信処理手段は、前記第1の近距離無線通信アンテナと前記第1の通信部を介して前記第2の通信装置から受信した前記アプリケーションダウンロード要求情報から通信種類情報を抽出し、抽出した通信種類情報が前記所定の近距離無線通信とは異なる種類の近距離無線通信プロトコルである場合に前記第3の通信部を起動し、
前記第3の通信部は、前記設定情報を前記第2の通信装置に送信することにより、前記第2の通信装置とのコネクションを確立し、前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の通信装置に送信する手段を更に備える。
【0014】
例えば、前記所定の近距離無線通信プロトコルはNFC(Near Field Communication)に従った通信方式であり、前記所定の近距離無線通信とは異なる種類の近距離無線通信プロトコルはBluetoothに従った通信方式である。
【0015】
例えば、前記第2の制御部のアプリケーション一覧送信要求手段は、前記第1の通信装置からポーリング返信情報を受信すると、乱数を生成し、この乱数を含む初期セッション情報を生成し、前記アプリケーション一覧送信要求情報とともに前記第1の通信装置に送信し、前記第2の記憶部に記録する手段をさらに備え、
前記第1の制御部のアプリケーション一覧返信手段は、前記第2の通信装置から受信したアプリケーション一覧送信要求情報と前記初期セッション情報と、前記アプリケーション一覧情報のハッシュ値をそれぞれ算出し、算出した各ハッシュ値の排他的論理和を算出して第1のセッション情報とし、前記返送メッセージ情報とともに前記第2の通信装置に送信し、前記第1の記憶部に記録する手段をさらに備え、
前記第2の通信装置は、前記第1の通信装置からアプリケーション一覧情報と第1のセッション情報を受信すると、前記第2の記憶部から前記アプリケーション一覧送信要求情報を読み出し、前記アプリケーション一覧情報と前記第1のセッション情報と前記アプリケーション一覧送信要求情報のハッシュ値をそれぞれ算出し、算出した各ハッシュ値の排他的論理和を算出してセッション情報確認データとし、前記第1の通信装置から受信した前記第1のセッション情報と照合し、一致した場合にセッション情報が正しいと判断し前記ダウンロード要求処理手段を実行するセッション情報検査手段をさらに備え、
前記第2の制御部のダウンロード要求手段は、生成したアプリケーションダウンロード要求情報のハッシュ値を算出し、前記第1の通信装置から受信した前記第1のセッション情報との排他的論理和を算出して第2のセッション情報とし、前記アプリケーションダウンロード要求情報とともに前記第1の通信装置に送信し、前記第2の記憶部に記録する手段をさらに備え、
前記第1の通信装置の第2の通信装置用アプリケーション送信処理手段は、前記第2の通信装置から受信した前記ダウンロード要求情報のハッシュ値を算出し、前記第1の記憶部から読み出した前記アプリケーション一覧情報のハッシュ値と前記アプリケーション一覧送信要求情報のハッシュ値と前記初期セッション情報のハッシュ値との排他的論理和を算出して第2のセッション情報確認データとし、前記第2の通信装置から受信した前記第2のセッション情報と照合し、一致している場合、前記第3の通信部を起動する、
ように構成してもよい。
【0016】
例えば、前記アプリケーション一覧情報は、前記アプリケーション識別子と前記アプリケーション名を秘密鍵で署名した署名データを含み、
前記第2の記憶部は、前記秘密鍵と対になる公開鍵を予め記憶しており、
前記第2の通信装置は、前記第1の通信装置から受信したアプリケーション一覧情報からアプリケーション識別子とアプリケーション名を抽出してハッシュ値を算出し、前記アプリケーション一覧情報から署名データを抽出して前記第2の記憶部から読み出した前記公開鍵で署名データを復号し、算出したハッシュ値と復号した復号結果を検証することにより、前記アプリケーション一覧情報の正当性を検証する、
ように構成してもよい。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係るコンピュータプログラムは、
通信機能を備えるコンピュータを、所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信システムの第1の通信装置として機能させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
前記第2の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第1の通信部、
第1の制御部、
前記第2の通信装置との通信を開始するための情報であって少なくとも自身の通信種別情報を含むポーリング返信情報と、前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールに対応し前記第2の通信装置にインストール可能な第2の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーション識別子とアプリケーション名を少なくとも含むアプリケーション一覧と、を予め記憶する第1の記憶部、
として機能させ、
さらに、前記第1の通信部を、前記第2の通信装置から通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を受信すると、前記第1の記憶部からポーリング返信情報を読み出し、前記第2の通信装置に送信することにより該ポーリングリクエスト情報に応答し通信を開始するポーリング返信手段として機能させ、
さらに、前記第1の制御部を、
前記第1の通信部を介して前記第2の通信装置から前記アプリケーション一覧の送信を要求するアプリケーション一覧送信要求情報を受信すると、前記第1の記憶部から前記アプリケーション一覧を読み出し、アプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を生成し、生成したアプリケーション一覧情報を前記第2の通信装置に送信するとともに前記第1の記憶部に記録するアプリケーション一覧返信手段、
前記第2の通信装置から前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのダウンロード要求であって前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含むアプリケーションダウンロード要求情報を受信すると、前記アプリケーションダウンロード要求情報に含まれるアプリケーション識別子に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第1の記憶部から読み出し、読み出した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の通信装置に送信する第2の通信装置用アプリケーション送信処理手段、
前記第2の通信装置に送信したアプリケーションモジュールに対応する前記第1の通信装置のアプリケーションモジュールを用いて前記第2の通信装置との処理を実行するアプリケーション処理実行手段、
として機能させる。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の第5の観点に係るコンピュータプログラムは、
通信機能を備えるコンピュータを、所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信システムの第2の通信装置として機能させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
前記第1の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第2の通信部、
第2の制御部、
前記第1の通信装置と通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を予め記憶する第2の記憶部、
として機能させ、
さらに、前記第2の通信部を、
前記第2の記憶部から前記ポーリングリクエスト情報を読み出し、読み出したポーリングリクエスト情報を前記第1の通信装置に送信するポーリングリクエスト情報送信手段、
前記第1の通信装置から該ポーリングリクエスト情報への応答であるポーリング返信情報を受信し通信を開始するポーリング返信情報受信手段、
として機能させ、
さらに、前記第2の制御部を、
前記第2の通信部を介して前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールの情報であるアプリケーション一覧の送信要求を行うアプリケーション一覧送信要求情報を生成し、生成した前記アプリケーション一覧送信要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するアプリケーション一覧送信要求手段、
前記第1の通信装置から前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を受信すると、前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含む第2の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーションダウンロード要求情報を生成し、生成したアプリケーションダウンロード要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するダウンロード要求処理手段、
前記第1の通信装置から前記アプリケーションダウンロード要求情報に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを受信すると、受信した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の記憶部に記録するとともに前記第2の通信装置にインストールする第2の通信装置用アプリケーションインストール手段、
インストールした前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを用いて前記第1の通信装置との処理を実行するアプリケーション処理実行手段、
として機能させる。
【0019】
上記目的を達成するため、本発明の第6の観点に係る通信方法は、
所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信方法であって、
前記第2の通信装置は、前記第1の通信装置との通信を開始するためのポーリングリクエスト情報を前記第1の通信装置に送信し、
前記第1の通信装置は、前記ポーリングリクエスト情報を受信し、受信に応答して、ポーリング返信情報を前記第2の通信装置に送信することにより該ポーリングリクエスト情報に応答した通信を開始し、
前記第2の通信装置は、前記ポーリング返信情報を受信し、受信に応答して、前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールの情報であるアプリケーション一覧の送信要求を行うアプリケーション一覧送信要求情報を生成し、生成した前記アプリケーション一覧送信要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに内部に記録し、
前記第1の通信装置は、前記アプリケーション一覧送信要求情報を受信し、受信に応答して、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を生成し、生成したアプリケーション一覧情報を前記第2の通信装置に送信するとともに内部に記録し、
前記第2の通信装置は、前記アプリケーション一覧情報を受信し、前記アプリケーション一覧情報中のアプリケーション識別子の1つを含む前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーションダウンロード要求情報を生成し、生成したアプリケーションダウンロード要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに内部に記録し、
前記第1の通信装置は、前記アプリケーションダウンロード要求情報を受信し、受信に応答し、前記アプリケーションダウンロード要求情報に含まれるアプリケーション識別子に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の通信装置に送信し、前記第2の通信装置に送信したアプリケーションモジュールに対応する前記第1の通信装置のアプリケーションモジュールを用いて前記第2の通信装置との処理を実行し、
前記第2の通信装置は、前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを受信し、受信した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールをインストールし、インストールした前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを用いて前記第1の通信装置との処理を実行する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、例えば、第1の通信装置としての携帯端末にインストールされたアプリケーションのうち、第2の通信装置としての店舗端末側で対応していないアプリケーションを用いたサービスを利用したい場合に、対応するアプリケーションを携帯端末から店舗端末に転送し、インストールすることができる。これにより、店舗端末がその場で新たに、そのアプリケーションをサポート可能となり、携帯端末にインストールされたアプリケーションによるサービスの処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態1に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すNFC携帯端末の構成を示す図であり、(a)は、全体構成を示し、(b)は、携帯端末処理部の構成を示す。
【図3】図2(a)に示す携帯端末記憶部の各記憶領域を示す図である。
【図4】携帯端末処理部の処理実行モジュールと処理構成要素とを示す図である。
【図5】図1に示すNFC対応店舗端末の構成を示す図であり、(a)は、全体構成を示し、(b)は、店舗端末処理部の構成を示す。
【図6】図5(a)に示す店舗端末記憶部の各記憶領域を示す図である。
【図7】図5(a)に示す店舗端末処理部の処理実行モジュールと処理構成要素とを示す図である。
【図8】NFC携帯端末とNFC対応店舗端末とが実行するシーケンスを示す図(1)である。
【図9】NFC携帯端末とNFC対応店舗端末とが実行するシーケンスを示す図(2)である。
【図10】NFC携帯端末とNFC対応店舗端末とが実行するシーケンスを示す図(3)である。
【図11】NFC携帯端末とNFC対応店舗端末とが実行するシーケンスを示す図(4)である。
【図12】NFC対応店舗端末の表示部が表示する画面表示例を示す図であり、(a)は、アプリケーション一覧の画面表示を示し、(b)は、選択されたアプリケーションの画面表示を示す。
【図13】応用例の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係る携帯端末、及び該携帯端末を含む無線通信システムを図面を参照して説明する。
【0023】
(実施形態1)
実施形態1に係る無線通信システムの構成を図1に示す。
実施形態1に係る無線通信システムは、非接触型識別技術と相互接続技術を組み合わせた無線通信規格NFC(Near Field Communication;非接触型)に従って無線通信を行うシステムであり、NFC携帯端末「1−1」〜「1−n」(nは自然数)と、NFC対応店舗端末2と、を備える。
【0024】
NFC携帯端末1−k(k;1〜nの少なくとも1つ)は、エンドユーザが携帯して持ち運び可能な移動端末であり、図2(a)に示すように、RFアンテナ11と、携帯端末記憶部12と、表示部13と、操作部14と、携帯端末処理部15と、を備える。
【0025】
RFアンテナ11は、NFC対応店舗端末2との間で、NFC通信規格に準拠する近距離無線信号を送受信するものであり、閉じたループコイルによって構成される。
このループコイルに流れる電流が変化することにより電磁波が発生する。また、ループコイルを通る磁束が変化することによりループコイルに電流が流れ、この電流を検出することによりRFアンテナ11は、信号を受信する。
【0026】
携帯端末記憶部12は、NFC携帯端末1−kのアプリケーションの実行に必要な情報を格納するものであり、図3に示すように、記憶領域Z1〜Z8,X1を有する。ここで、アプリケーションとは、NFCに準拠した近距離無線通信を行って利用者に種々のサービスを提供するためのコンピュータプログラム(プログラムモジュール)を意味する。サービスは、電子マネーサービス、チケット(入場券)サービス、定期券サービス等を含み、その内容自体は任意である。アプリケーションは、これらのサービスを実行するために、NFC携帯端末1−kが実行するためのコンピュータプログラムモジュールである。
具体的には、携帯端末記憶部12の記憶領域Z1は、ポーリング返信情報を格納する領域である。ポーリング返信情報とは、後述するNFC対応店舗端末2から送信される通信装置の種類等を特定するためのポーリングリクエスト情報に応答するための情報であり、自身の通信装置の種類等の識別情報等が含まれる。
【0027】
記憶領域Z2は、格納しているアプリケーション(モジュール)の一覧、換言すれば、NFCを用いて提供されるサービスの一覧(情報)を格納する領域である。アプリケーション一覧は、アプリID_1〜ID_m(mは自然数)と、アプリ名AP_1〜AP_mと、署名データSig_1〜Sig_mと、の情報を含む。
【0028】
アプリID_1〜ID_mは、各アプリケーションモジュールの識別情報である。
アプリ名AP_1〜AP_mは、各アプリケーションモジュールの名称である。
アプリ署名データSig_1〜Sig_mは、アプリケーションモジュールの署名データ、即ち、各アプリケーションモジュールのIDとアプリ名のハッシュ値とを秘密暗号鍵で暗号化した署名データである。
【0029】
記憶領域Z3は、アプリケーション一覧情報R1を格納する領域である。アプリケーション一覧情報R1は、NFC対応店舗端末2からのアプリケーション一覧の送信要求に対して、返信される情報であり、この携帯端末装置の識別情報や、記憶領域Z2から読み出したアプリケーション一覧(アプリID,アプリ名、アプリ署名デ一夕)等を含む。
【0030】
記憶領域Z4は、アプリケーション一覧送信要求情報C1のハッシュ値C1’を格納する領域である。アプリケーション一覧送信要求情報C1は、NFC対応店舗端末2で生成され、携帯端末に送信される情報であり、アプリケーション一覧の送信を要求するコマンドメッセージ情報である。
【0031】
記憶領域Z5は、初期セッション情報SC1のハッシュ値SC1’を格納する領域である。初期セッション情報SC1は、NFC対応店舗端末2から送信されるアプリケーション一覧送信要求情報C1とともに送信されるコマンド識別情報である。
【0032】
記憶領域Z6は、アプリケーション一覧情報R1のハッシュ値R1’を格納する領域である。
【0033】
記憶領域Z7は、セッション情報SR1を格納する領域である。
【0034】
記憶領域Z8は、アプリケーションダウンロード要求情報C2のハッシュ値C2’を格納する領域である。なお、アプリケーションダウンロード要求情報C2は、選択されたアプリケーションモジュールのダウンロードを要求するコマンドメッセージ情報であり、選択されたアプリケーションモジュールを識別する情報(アプリIDもしくはアプリ名)、通信インタフェースの種類(たとえばBluetooth(登録商標))、通信インタフェースの設定情報などを含む。
【0035】
記憶領域X1は、インストール前の店舗端末アプリケーションモジュール(プログラムモジュール)を格納する領域である。
【0036】
図2(a)に示す表示部13は、エンドユーザに提供する情報を表示するためのものであり、例えば、液晶ディスプレイ、ELディスプレイを有する。
【0037】
操作部14は、エンドユーザが換作するためのものであり、例えば、テンキー、タッチパネル、キーボード等を有する。
【0038】
携帯端末処理部15は、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)を備えて(いずれも図示せず)、NFC携帯端末1−kの各制御、各処理を実行するものである。
【0039】
携帯端末処理部15は、処理実行モジュールとして、図2(b)に示すように、NFCチップ151と、セキュアエレメント152と、ベースバンド(Baseband)153と、通信I/F(インタフェース)154と、携帯端末OS(Operating system)155と、を有している。
【0040】
NFCチップ151は、RFアンテナ11を介して、NFC規格に準拠した送信信号を無線送信し、また、RFアンテナ11を介して、NFC対応店舗端末2から送信されたNFC規格に準拠した受信電波信号を復調して情報を取得する。
【0041】
NFCチップ151は、図4に示すように、処理構成要素として、ポーリングリクエスト受信部を有する。このポーリングリクエスト受信部は、NFC対応店舗端末2からのポーリングリクエスト情報を受信する構成要素である。
【0042】
セキュアエレメント152は、NFC対応店舗端末2との問で送受信する情報のセキュリティチェックを行うものであり、図4に示すように、処理構成要素として、セッション情報生成部、アプリケーション一覧返信処理部、ハッシュ情報送信部を有する。
【0043】
セッション情報生成部は、上述したNFC対応店舗端末2からのアプリケーション一覧の送信要求に対する返信情報であるアプリケーション一覧情報R1を生成するとともに、NFC対応店舗端末2から送信された初期セッション情報SC1を引き継ぐためのセッション情報SR1を生成する。具体的には、セッション情報SR1は、NFC対応店舗端末2から送信されたアプリケーション一覧送信要求情報C1、初期セッション情報SC1に、アプリケーション一覧情報R1を加え、それぞれのハッシュ値C1’,SC1’,R1’の排他的論理和演算を行うことにより生成する。
【0044】
アプリケーション一覧返信処理部は、NFC対応店舗端末2から送信されたアプリケーション一覧の取得要求に対する返信情報として、セッション情報生成部が生成したアプリケーション一覧情報R1とセッション情報SR1をNFC携帯端末に送信するものである。
【0045】
ハッシュ情報送信部は、ベースバンド153に、セッション情報生成部が生成したアプリケーション一覧送信要求情報C1のハッシュ値C1’、初期セッション情報SC1のハッシュ値SC1’、アプリケーション一覧情報R1のハッシュ値R1’を送信するものである。また、ハッシュ情報送信部は、NFC対応店舗端末2から送信されたアプリケーションダウンロード要求情報C2のハッシュ値C2’と更新セッション情報SC2をベースバンド153に送信するものである。なお、更新セッション情報SC2の詳細は、後述する。
【0046】
ベースバンド153は、図4に示すように、処理構成要素として、ハッシュ情報受信部、ベースバンドセッション情報検査部、通信I/F起動部、店舗端末アプリケーション送信処理部を有するものである。
【0047】
ハッシュ情報受信部は、ハッシュ情報送信部から送信されたハッシュ値C1’,SR1’,R1’,C2’を受信し、携帯端末記憶部12に記憶する。
【0048】
ベースバンドセッション情報検査部は、NFC対応店舗端末2から、アプリケーションダウンロード要求情報C2とともに送信される更新セッション情報SC2の正当性をチェックするものである。具体的には、携帯端末記憶部12から読み出したハッシュ値C1’,SR1’,R1’,C2’の排他的論理和演算を行い、この演算結果と更新セッション情報SC2とを比較することにより、更新セッション情報SC2の正当性をチェックする。
【0049】
通信I/F起動部は、通信I/F154を起動するものである。通信I/F154には、近接無線通信よりも高速な短距離無線通信であるBluetooth(登録商標)などが用いられる。
【0050】
店舗端末アプリケーション送信処理部は、携帯端末記憶部12の記憶領域X1に格納されている店舗端末アプリケーションをNFC対応店舗端末2に送信するものである。
【0051】
携帯端末OS155は、ベースバンド153上で店舗端末アプリケーションモジュール、携帯端末アプリケーションモジュールを動作させるためのソフトウェアである。
【0052】
図1に示すNFC対応店舗端末2は、加盟店舗等に配置され、NFC携帯端末1−kを用いた決済等に使用される端末であり、NFC通信規格の近距離無線通信システムに対応したものである。NFC対応店舗端末2は、ポーリングリクエスト情報を送信し、応答のあったNFC携帯端末1−kから店舗端末アプリケーションモジュールをダウンロードし、インストールし、NFC携帯端末1−kのアプリケーションモジュールとの間で処理を実行する。
【0053】
NFC対応店舗端末2は、図5(a)に示すように、RFアンテナ21と、店舗端末記憶部22と、表示部23と、操作部24と、店舗端末処理部25と、を備える。
【0054】
RFアンテナ21は、NFC携帯端末1−kとの間で、信号を電磁波として受信するものであり、RFアンテナ11と同様に閉じたループコイルによって構成される。
【0055】
店舗端末記憶部22は、NFC対応店舗端末2の動作に必要な情報を格納するものであり、図6に示すように、記憶領域Y1〜Y8を有する。記憶領域Y1は、ポーリングリクエスト情報を格納する領域である。ポーリングリクエスト情報とは、通信装置の種類等を特定するために必要な情報であり、あらかじめ通信装置の種類に応じた複数のポーリングリクエスト情報が記憶されている。NFC携帯端末1−kに対し、このポーリングリクエスト情報を送信してポーリングを行う。
【0056】
記憶領域Y2は、後述する初期セッション情報生成部で生成された初期セッション情報SC1を格納する領域である。記憶領域Y3は、アプリケーション一覧送信要求情報C1を格納する領域である。
【0057】
記憶領域Y4は、アプリID正当性確認用公開鍵を格納する領域である。このアプリID正当性確認用公開鍵は、NFC携帯端末1−kから送信されたアプリケーション一覧情報R1の正当性検証を行う際に使用する。記憶領域Y5は、更新セッション情報SC2を格納する領域である。記憶領域Y6は、アプリケーションダウンロード要求情報C2を格納する領域である。
【0058】
記憶領域Y7は、インストール前の店舗端末アプリケーションモジュールを格納する領域である。記憶領域Y8は、インストール後の店舗端末アプリケーションモジュールを格納する領域である。
【0059】
表示部23は、NFC携帯端末1−kのエンドユーザ、加盟店舗等の店員に提供する情報を表示するためのものである。表示部23は、顧客用ディスプレイと店員用ディスプレイを有する。
【0060】
顧客用ディスプレイは、アプリケーション一覧を画面表示してNFC携帯端末1−kのエンドユーザにアプリケーションモジュールを選択させるためのものである。店員用ディスプレイは、NFC携帯端末1−kのエンドユーザが選択したアプリケーションモジュールを画面表示して、加盟店舗等の店員に確認させるためのものである。この顧客用ディスプレイと店員用ディスプレイには、例えば、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等が用いられる。
【0061】
換作部24は、例えば、店員用ディスプレイに表示されたアプリケーションモジュールの取得を要求する際に加盟店舗等の店員が操作するためのものであり、例えば、テンキー、タッチパネル、キーボード、マウス等を有する。
【0062】
店舗端末処理部25は、CPU,ROM,RAMを備えて(いずれも図示せず)NFC対応店舗端末2の各制御、各処理を実行するものであり、図5(b)に示すように、非接触通信部251と、店舗端末OS252と、を有する。
【0063】
非接触通信部251は、店舗端末OS252から供給された情報信号に基づいて変化させた電流をRFアンテナ21に供給するとともに、RFアンテナ21に流れる電流を検出して情報信号を復調するものである。
【0064】
店舗端末OS252は、NFC対応店舗端末2全体を制御する処理モジュール(ソフトウェア)であり、店舗端末基本アプリケーションモジュール、店舗端末アプリケーションモジュールAP_1〜AP_nは、この店舗端末OS252上で動作する。
【0065】
店舗端末OS252は、処理構成要素として、図7に示すように、ポーリングリクエスト送信部、乱数生成部、初期セッション情報生成部、アプリケーション一覧取得要求部、アプリケーション一覧セッション情報検査部、アプリID正当性確認部、アプリケーション一覧表示処理部、ダウンロード確認表示処理部、セッション情報更新部、ダウンロード要求処理部、店舗端末アプリケーションインストール処理部を有する。
【0066】
ポーリングリクエスト送信部は、NFC携帯端末「1−1」〜「1−n」にポーリングを送信するものである。
【0067】
乱数生成部は、初期セッション情報SC1を生成する際の乱数を生成するものである。初期セッション情報生成部は、初期セッション情報SC1を生成するものである。
【0068】
アプリケーション一覧取得要求部は、アプリケーション一覧の取得を要求するものである。アプリケーション一覧取得要求部は、アプリケーション一覧の取得を要求するアプリケーション一覧送信要求情報C1に初期セッション情報SC1を付加し、このアプリケーション一覧送信要求情報C1と初期セッション情報SC1とをNFC携帯端末1−kに送信する。
【0069】
アプリケーション一覧セッション情報検査部は、NFC携帯端末1−kから送信されるセッション情報SR1の正当性を検査するものである。アプリケーション一覧セッション情報検査部は、NFC携帯端末1−kから返送されたアプリケーション一覧情報R1と、店舗端末記憶部22から読み出した先にNFC携帯端末1−kに送った初期セッション情報SC1、アプリケーション一覧送信要求情報C1のハッシュ演算を行い、これらの値の排他的論理和を演算して、セッション情報確認データD1を生成する。アプリケーション一覧セッション情報検査部は、このセッション情報確認データD1とセッション情報SR1を比較することにより、セッション情報SR1の正当性を検査する。
【0070】
アプリケーション一覧セッション情報検査部は、セッション情報確認データD1とセッション情報SR1とが一致すれば、セッション情報SR1は正当とし、不一致であれば、不当とする。
【0071】
アプリID正当性確認部は、NFC携帯端末1−kから送信されるアプリケーション一覧情報R1に含まれるアプリIDの正当性を確認するものである。アプリID正当性確認部は、NFC携帯端末1−kから送信されるアプリケーション一覧に含まれるアプリ署名データSig_1〜Sig_mを、アプリID正当性確認用公開鍵を用いて復号し、復号結果を取得する。
【0072】
一方、アプリID正当性確認部は、アプリID,アプリ名に対してハッシュ演算を行い、この値と復号結果とを比較する。一致すれば、アプリID正当性確認部は、アプリIDが正当とし、不一致であれば、アプリIDは不当とする。
【0073】
尚、店舗端末記憶部22の記憶領域Y4に、アプリID正当性確認用公開鍵が格納されない場合、NFC対応店舗端末2は、ネットワークを介してサーバ(図示せず)に確認してもらい、確認結果を通知してもらうようにしてもよい。
【0074】
アプリケーション一覧表示処理部は、表示部23にアプリケーション一覧を画面表示させ、ユーザからのアプリケーションモジュールの選択を受け付けるものである。ダウンロード確認表示処理部は、加盟店舗等の店員の確認用として、NFC携帯端末1−kのエンドユーザによって選択されたアプリケーションモジュールを表示部23に表示させるものである。
【0075】
セッション情報更新部は、NFC携帯端末1−kのエンドユーザによって選択されたアプリケーションモジュールの情報とダウンロードする際の通信方式と設定情報からなるアプリケーションダウンロード要求情報C2の生成と、携帯端末1−kから送信されたセッション情報SR1を更新し、NFC携帯端末1−kのエンドユーザによって選択されたアプリケーションモジュールの取得を要求する際の更新セッション情報SC2の生成を行うものである。
【0076】
更新セッション情報SC2は、アプリケーションダウンロード要求情報C2のハッシュ演算を行い、取得したハッシュ値とセッション情報SR1との排他的論理和演算を行うことにより生成する。
【0077】
ダウンロード要求処理部は、NFC携帯端末1−kのエンドユーザによって選択されたアプリケーションモジュールのダウンロードを要求するものである。ダウンロード要求処理部は、アプリケーションダウンロード要求情報C2に更新セッション情報SC2を付加して、アプリケーションダウンロード要求情報C2をNFC携帯端末1−kに送信することにより、アプリケーションモジュールのダウンロードを要求する。
【0078】
店舗端末アプリケーションインストール処理部は、NFC携帯端末1−kからダウンロードされた店舗端末アプリケーションモジュールをインストールするものである。
【0079】
次に実施形態1に係る無線通信システムの動作を説明する。
NFC対応店舗端末2のポーリングリクエスト送信部は、店舗端末記憶部22の記憶部Y1から定期的にポーリングリクエスト情報を読み出し、非接触通信部251、RFアンテナ21から、ポーリングリクエスト情報を送信する。
【0080】
エンドユーザがNFC携帯端末1−kをNFC対応店舗端末2に近づけると、
NFC携帯端末1−kのNFCチップ151(ポーリングリクエスト受信部)は、このポーリングを受信し、これに応答し、携帯端末記憶部12の記憶領域Z1に格納された自身の通信装置の種類等の識別情報等が含まれるポーリング返信情報を読み出し、NFC対応店舗端末2に返信する。
【0081】
NFC対応店舗端末2がポーリング返信情報を受信すると、NFC携帯端末1−kとNFC対応店舗端末2とは、図8〜図11に示すシーケンスに従って、処理を実行する。
【0082】
NFC対応店舗端末2の乱数生成部は、乱数を生成し、初期セッション情報生成部は、生成した乱数を含む初期セッション情報SC1を生成する(ステップS11)。初期セッション情報生成部は、生成した初期セッション情報SC1を店舗端末記憶部22の記憶領域Y2に格納する。
【0083】
NFC対応店舗端末2のアプリケーション一覧取得要求部は、アプリケーション一覧送信要求情報C1を生成し、初期セッション情報生成部で生成した初期セッション情報SC1を付加して、このアプリケーション一覧送信要求情報C1と初期セッション情報SC1とをNFC携帯端末1−kに送信する(ステップS12)。アプリケーション一覧取得要求部は、アプリケーション一覧送信要求情報C1を店舗端末記憶部22の記憶領域Y3に格納する。
【0084】
NFC携帯端末1−kのセキュアエレメント152は、アプリケーション一覧送信要求情報C1と初期セッション情報SC1とを受信する(ステップS13)。
【0085】
セキュアエレメント152のセッション情報生成部は、アプリケーション一覧情報R1を生成する。アプリケーション一覧情報R1は、上述したようにNFC対応店舗端末2からのアプリケーション一覧の送信要求に対する返信情報であり、この携帯端末装置の識別情報や、記憶領域Z2から読み出したアプリケーション一覧(アプリID,アプリ名、アプリ署名デ一夕)から生成する。また、セッション情報生成部は、アプリケーション一覧送信要求情報C1、初期セッション情報SC1、アプリケーション一覧情報R1のハッシュ演算をそれぞれ行い、演算したハッシュ値C1’,SC1’,R1’を取得する。
【0086】
そして、セッション情報生成部は、ハッシュ値C1’,SC1’,R1’の排他的論理和演算を行い、その結果としてのセッション情報SR1を生成する(ステップS14)。
【0087】
そして、セッション情報生成部は、ハッシュ値C1’,SC1’,R1’を、それぞれ、携帯端末記憶部12の記憶領域Z4,Z5,Z6に格納し、セッション情報SR1を記憶領域Z7に格納する。
【0088】
セキュアエレメント152のハッシュ情報送信部は、ハッシュ値C1’,SC1’,R1’をベースバンド153に通知し(ステップS15)、ベースバンド153のハッシュ情報受信部は、これらのハッシュ値C1’,SC1’,R1’を取得する(ステップS16)。
【0089】
また、セキュアエレメント152のアプリケーション一覧返信処理部は、セッション情報SR1とアプリケーション一覧情報R1とをNFC対応店舗端末2に送信し(ステップS17)、アプリケーション一覧情報R1を携帯端末記憶部12の記憶領域Z3に格納する。
【0090】
NFC対応店舗端末2は、セッション情報SR1とアプリケーション一覧情報R1とを受信する(ステップS18)。店舗端末OS252のアプリケーション一覧セッション情報検査部は、取得したセッション情報SR1の正当性を検査する(ステップS19)。
【0091】
即ち、前述のように、アプリケーション一覧セッション情報検査部は、NFC携帯端末1−kから返送されたアプリケーション一覧情報R1、店舗端末記憶部から読み出した先に送った初期セッション情報SC1、コマンドメッセージ情報C1のハッシュ演算を行い、これらの積の排他的論理和を演算し、セッション情報確認データD1を生成する。
【0092】
アプリケーション一覧セッション情報検査部は、このセッション情報確認データD1とセッション情報SR1とを比較し、一致した場合、検査は合格とし、不一致の場合、異常処理として処理を停止する。
【0093】
検査が合格の場合、店舗端末OS252のアプリID正当性確認部は、店舗端末記憶部22の記憶領域Y4に格納されているアプリID正当性確認用公開鍵を用いて、受信したアプリケーション一覧情報R1に含まれている各アプリIDの正当性を検証する(ステップS20)。
【0094】
店舗端末OS252のアプリケーション一覧表示処理部は、受信したアプリケーション一覧情報R1に含まれているアプリケーション一覧の全てのアプリケーションモジュールのアプリ名を表示部23に画面表示させる(ステップS21)。
【0095】
図12(a)に示すように、すべてのアプリケーションモジュールがAP_1(電子マネー)、AP_2(レンタル会員)AP_3(地域通貨)の場合、表示部23は、この図12(a)に示すような顧客用ディスプレイに、この3つのアプリケーションモジュールのアプリ名AP1〜AP_3を画面表示する。
【0096】
尚、この時点で、アプリIDの正当性の検証が終了していない場合は、アプリケーション一覧表示処理部は、NFC対応店舗端末2に搭載済みのアプリケーションモジュールのみをボタン形式で画面表示し、アプリIDの正当性の検証処理が正常に終了したタイミングで、さらに当該アプリケーションモジュールをボタン形式で画面に追加表示する。
【0097】
エンドユーザが、顧客用ディスプレイを参照して、利用するアプリ名のボタンを選んで押下すると、店舗端末OS252は、このアプリケーションモジュールの選択を受け付ける(ステップS22)。
【0098】
店舗端末OS252のダウンロード確認表示処理部は、店舗端末アプリケーションのダウンロードを実行するか否かを判断させるため、NFC携帯端末1−kのエンドユーザによって選択されたアプリケーションモジュールを表示部23に表示させる(ステップS23)。
【0099】
図12(a)に示すアプリ名AP_3(地域通貨)が選択された場合、表示部23は、加盟店舗等の店員の確認用として、図12(b)に示すように、店員用ディスプレイにアプリAP_3(地域通貨)を表示する。
【0100】
店舗端末OS252のセッション情報更新部は、選択されたアプリ名と通信I/Fの種類と通信I/F設定情報によりアプリケーションダウンロード要求情報C2を生成するとともに、アプリケーションダウンロード要求情報C2のハッシュ値とセッション情報SR1との排他的論理和演算を行って更新セッション情報SC2を生成する(ステップS24)。店舗端末OS252のセッション情報更新部は、更新セッション情報SC2を店舗端末記憶部22の記憶領域Y5に格納する。
【0101】
店舗端末OS252のダウンロード要求処理部は、このアプリケーションダウンロード要求情報C2と更新セッション情報SC2とをNFC携帯端末1−kに送信する(ステップS25)。
【0102】
店舗端末OS252のダウンロード要求処理部は、このアプリケーションダウンロード要求情報C2を店舗端末記憶部22の記憶領域Y6に格納する。
【0103】
NFC携帯端末1−kのセキュアエレメント152のハッシュ情報送信部は、このアプリケーションダウンロード要求情報C2と更新セッション情報SC2とを受信し(ステップS26)、受信したアプリケーションダウンロード要求情報C2のハッシュ演算を行い、ハッシュ値C2’を生成する(ステップS27)。
【0104】
セキュアエレメント152のハッシュ情報送信部は、生成したハッシュ値C2’と更新セッション情報SC2とをベースバンド153に通知し(ステップS28)、ベースバンド153は、このハッシュ値C2’と更新セッション情報SC2とを取得する(ステップS29)。
【0105】
ベースバンド153のハッシュ情報受信部は、ハッシュ値C2’を、携帯端末記憶部12の記憶領域Z8に格納する。
【0106】
ベースバンド153のベースバンドセッション情報検査部は、更新セッション情報SC2をチェックする(ステップS30)。即ち、ベースバンドセッション情報検査部は、携帯端末記憶部12から読み出したこれまでのハッシュ値C1’,SR1’,R1’,C2’の排他的論理和演算を行い、この演算結果と更新セッション情報SC2とを比較して更新セッション情報SC2をチェックする。
【0107】
この演算結果と更新セッション情報SC2とが一致している場合、ベースバンドセッション情報検査部は、更新セッション情報SC2は正当と判断し、不一致の場合、異常処理として処理を停止する。
【0108】
更新セッション情報SC2が正当である場合、ベースバンド153の通信I/F起動部は、アプリケーションダウンロード要求情報C2によって指定されたBluetooth等の通信I/F154を起動する(ステップS31)。
【0109】
そして、ベースバンド153の通信I/F起動部は、アプリケーションダウンロード要求情報C2に含まれている通信I/F設定情報をNFC対応店舗端末2に送信して、NFC対応店舗端末2とのコネクションを確立する(ステップS32)。
【0110】
ベースバンド153の店舗端末アプリケーション送信処理部は、アプリケーションダウンロード要求情報C2で要求されている店舗端末アプリケーションモジュールを携帯端末記憶部12の記憶領域X1から読み出し、NFC対応店舗端末2に送信(ダウンロード)する(ステップS33)。
【0111】
NFC対応店舗端末2の店舗端末OS252の店舗端末アプリケーションインストール処理部は、店舗端末記憶部22の記憶領域Y7に店舗端末アプリケーションモジュールを格納し、店舗端末アプリケーションモジュールをインストールする(ステップS34)。
【0112】
インストール後、店舗端末アプリケーションインストール処理部は、店舗端末アプリケーションモジュールを記憶領域Y8に格納する。
【0113】
尚、NFC対応店舗端末2は、店舗端末アプリケーションモジュールを利用後に消去してもよい。
【0114】
セキュアエレメント152は、NFC対応店舗端末2との処理を実行し、NFC対応店舗端末2は、当該アプリケーションモジュールを動作させ、NFC携帯端末1−kとの間の通信及びアプリケーション処理を実行する(ステップS35)。
【0115】
また、NFC対応店舗端末2の店舗端末OS252は、携帯端末アプリケーションモジュールとの間で処理を実行する(ステップS36)。
【0116】
以上説明したように、本実施形態1の無線通信システムによれば、NFC対応店舗端末2に搭載されていないアプリケーションモジュールをNFC携帯端末1が利用したい場合に、NFC携帯端末1からNFC対応店舗端末2に、店舗端末アプリケーションモジュールをダウンロードするようにした。
【0117】
従って、NFC対応店舗端末2がアプリケーションモジュールを搭載していない場合でも、アプリケーションモジュールを利用しようとするタイミングで、そのアプリケーションモジュールを利用したサービスを提供することができる。
【0118】
また、本実施形態1の無線通信システムのNFC携帯端末1は、ベースバンド153に通信I/F起動部を備えているため、店舗端末にアプリケーションモジュールを送信する際にNFCチップを介した近距離無線通信よりも高速にアプリケーションモジュールを送信することができる。
【0119】
また、本実施形態1の無線通信システムでは、NFC対応店舗端末2のアプリケーション一覧送信要求部が乱数を含む初期セッション情報を生成し、これをNFC携帯端末1に送信し、NFC携帯端末1のセキュアエレメント152が初期セッション情報を含むセッション情報を生成してアプリケーション一覧とともにNFC対応店舗端末2に送信し、NFC対応店舗端末2のアプリケーション一覧セッション情報検査部でセッションの正当性を検査し、NFC対応店舗端末2がさらに更新セッション情報を生成し、NFC携帯端末に送信し、NFC携帯端末がこのセッション情報を検査するようにした。そのため、利用しようとするアプリケーションモジュールを安全にダウンロードすることができる。
【0120】
また、本実施形態1の無線通信システムのNFC携帯端末1は各アプリケーションモジュールにアプリ署名データを対応させ、アプリケーション一覧を送ったとき、NFC対応店舗端末2は、署名検証処理を行うようにした。このため、悪意のあるNFC携帯端末からの店舗端末アプリケーションモジュールのダウンロードを回避することができる。
【0121】
また、ネットワーク接続されていない小型店舗のNFC店舗端末2であっても、NFC携帯端末1−kからアプリケーションモジュールをダウンロードすることによりアプリケーションモジュールの搭載を実現できる。
【0122】
尚、本発明を実施するにあたっては、種々の形態が考えられ、上記実施形態に限られるものではない。
【0123】
例えば、上記実施形態では、NFC携帯端末1−kは、すべてのアプリケーションモジュールAP_1〜AP_nを搭載しているものとして説明した。しかし、NFC携帯端末1−kにアプリケーションモジュールが搭載されていない場合、図13に示すように、サーバ3から、モバイル網4を介して店舗端末アプリケーションモジュールをダウンロードするようにしてもよい。
【0124】
サーバ3は、モバイル網4に接続され、店舗端末アプリケーションモジュールを格納する。
モバイル網4は、各NFC携帯端末1−1〜1−nとデータ通信を行う基地局(図示せず)を有する。
【0125】
NFC携帯端末1−kは、サーバ3とのコネクションを確立し、データ通信により、サーバ3からモバイル網4を介して店舗端末アプリケーションモジュールをダウンロードする。この場合、ダウンロードする店舗端末アプリケーションモジュールは、実行可能な形式でもよいし、スクリプト形式でもよい。
【0126】
また、上記実施形態では、NFC対応店舗端末2は、店員用ディスプレイに、端末アプリケーションモジュールのダウンロードを実行するか否かを判断させる画面を表示するようにした。しかし、この確認画面の表示は省略してもよい。
【0127】
上記移動端末は、NFC携帯端末1−kとして説明した。しかし、移動端末は、NFC携帯端末に限られるものではなく、例えば、PHS(Personal Handy phone system)、PDA(Personal Digital Assistance)、モバイル(Mobile)コンピュータであってもよい。但し、無線通信規格NFCに従って無線通信を行うシステムである必要がある。
【0128】
また、NFC対応店舗端末2も、特に加盟店舗に配置されたものでなくてもよく、移動端末であってもよい。
また、NFC携帯端末1−k、NFC対応店舗端末2を、装置の全部又は一部として動作させるようにしてもよい。
【0129】
また、上記実施形態では、プログラムが、それぞれメモリ等に予め記憶されているものとして説明した。しかし、上述の処理を実行させるためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read−Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Opticaldisk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0130】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0131】
1 NFC携帯端末
2 NFC対応店舗端末
11,21 RFアンテナ
12 携帯端末記憶部
15 携帯端末処理部
22 店舗端末記憶部
25 店舗端末処理部
151 NFCチップ
152 セキュアエレメント
153 ベースバンド
154 通信I/F
155 携帯端末OS
251 非接触通信部
252 店舗端末OS
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信システムであって、
前記第1の通信装置は、
第1の近距離無線通信アンテナと、
前記第2の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第1の通信部と、
第1の制御部と、
前記第2の通信装置との通信を開始するための情報であって少なくとも自身の通信種別情報を含むポーリング返信情報と、前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールに対応し前記第2の通信装置にインストール可能な第2の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーション識別子とアプリケーション名を少なくとも含むアプリケーション一覧と、を予め記憶する第1の記憶部と、
を備え、
前記第1の通信部は、前記第1の近距離無線通信アンテナを介して前記第2の通信装置から通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を受信すると、前記第1の記憶部からポーリング返信情報を読み出し、前記第2の通信装置に送信することにより該ポーリングリクエスト情報に応答し通信を開始するポーリング返信手段を備え、
前記第1の制御部は、
前記第1の近距離無線通信アンテナと前記第1の通信部とを介して前記第2の通信装置から前記アプリケーション一覧の送信を要求するアプリケーション一覧送信要求情報を受信すると、前記第1の記憶部から前記アプリケーション一覧を読み出し、アプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を生成し、生成したアプリケーション一覧情報を前記第2の通信装置に送信するとともに前記第1の記憶部に記録するアプリケーション一覧返信手段と、
前記第2の通信装置から前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのダウンロード要求であって前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含むアプリケーションダウンロード要求情報を受信すると、前記アプリケーションダウンロード要求情報に含まれるアプリケーション識別子に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第1の記憶部から読み出し、読み出した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の通信装置に送信する第2の通信装置用アプリケーション送信処理手段と、
前記第2の通信装置に送信したアプリケーションモジュールに対応する前記第1の通信装置のアプリケーションモジュールを用いて前記第2の通信装置との処理を実行するアプリケーション処理実行手段と、
を備える、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信システムであって、
前記第2の通信装置は、
第2の近距離無線通信アンテナと、
前記第1の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第2の通信部と、
第2の制御部と、
前記第1の通信装置と通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を予め記憶する第2の記憶部と、
を備え、
前記第2の通信部は、
前記第2の記憶部から前記ポーリングリクエスト情報を読み出し、前記第2の近距離無線通信アンテナを介して読み出したポーリングリクエスト情報を前記第1の通信装置に送信するポーリングリクエスト情報送信手段と、
前記第1の通信装置から該ポーリングリクエスト情報への応答であるポーリング返信情報を受信し通信を開始するポーリング返信情報受信手段と、
を備え、
前記第2の制御部は、
前記第2の近距離無線通信アンテナと前記第2の通信部とを介して前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールの情報であるアプリケーション一覧の送信要求を行うアプリケーション一覧送信要求情報を生成し、生成した前記アプリケーション一覧送信要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するアプリケーション一覧送信要求手段と、
前記第1の通信装置から前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールの情報であるアプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を受信すると、前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含む第2の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーションダウンロード要求情報を生成し、生成したアプリケーションダウンロード要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するダウンロード要求処理手段と、
前記第1の通信装置から前記アプリケーションダウンロード要求情報に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを受信すると、受信した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の記憶部に記録するとともに前記第2の通信装置にインストールする第2の通信装置用アプリケーションインストール手段と、
インストールした前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを用いて前記第1の通信装置との処理を実行するアプリケーション処理実行手段と、
を備える、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項3】
所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信システムであって、
前記第1の通信装置は、
第1の近距離無線通信アンテナと、
前記第2の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第1の通信部と、
第1の制御部と、
前記第2の通信装置との通信を開始するための情報であって少なくとも自身の通信種別情報を含むポーリング返信情報と、前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールに対応し前記第2の通信装置にインストール可能な第2の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールの識別子を示すアプリケーション識別子とアプリケーション名を少なくとも含むアプリケーション一覧と、を予め記憶する第1の記憶部と、
を備え、
前記第1の通信部は、前記第1の近距離無線通信アンテナを介して前記第2の通信装置から通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を受信すると、前記第1の記憶部からポーリング返信情報を読み出し、前記第2の通信装置に送信することにより該ポーリングリクエスト情報に応答し通信を開始するポーリング返信手段を備え、
前記第1の制御部は、
前記第1の近距離無線通信アンテナと前記第1の通信部とを介して前記第2の通信装置から前記アプリケーション一覧の送信を要求するアプリケーション一覧送信要求情報を受信すると、前記第1の記憶部から前記アプリケーション一覧を読み出し、アプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を生成し、生成したアプリケーション一覧情報を前記第2の通信装置に送信するとともに前記第1の記憶部に記録するアプリケーション一覧返信手段と、
前記第2の通信装置から前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのダウンロード要求であって前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含むアプリケーションダウンロード要求情報を受信すると、前記アプリケーションダウンロード要求情報に含まれるアプリケーション識別子に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第1の記憶部から読み出し、読み出した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の通信装置に送信する第2の通信装置用アプリケーション送信処理手段と、
前記第2の通信装置に送信したアプリケーションモジュールに対応する前記第1の通信装置のアプリケーションモジュールを用いて前記第2の通信装置とのアプリケーションの処理を実行するアプリケーション処理実行手段と、
を備え、
前記第2の通信装置は、
第2の近距離無線通信アンテナと、
前記第1の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第2の通信部と、
第2の制御部と、
前記第1の通信装置と通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を予め記憶する第2の記憶部と、
を備え、
前記第2の通信部は、
前記第2の記憶部から前記ポーリングリクエスト情報を読み出し、前記第2の近距離無線通信アンテナを介して読み出したポーリングリクエスト情報を前記第1の通信装置に送信するポーリングリクエスト情報送信手段と、
前記第1の通信装置から該ポーリングリクエスト情報への応答であるポーリング返信情報を受信し通信を開始するポーリング返信情報受信手段と、
を備え、
前記第2の制御部は、
前記第2の近距離無線通信アンテナと前記第2の通信部とを介して前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールの情報であるアプリケーション一覧の送信要求を行うアプリケーション一覧送信要求情報を生成し、生成した前記アプリケーション一覧送信要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するアプリケーション一覧送信要求手段と、
前記第1の通信装置から前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を受信すると、前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含む前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーションダウンロード要求情報を生成し、生成したアプリケーションダウンロード要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するダウンロード要求処理手段と、
前記第1の通信装置から前記アプリケーションダウンロード要求情報に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを受信すると、受信した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の記憶部に記録するとともに前記第2の通信装置にインストールする第2の通信装置用アプリケーションインストール手段と、
インストールした前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを用いて前記第1の通信装置との処理を実行するアプリケーション処理実行手段と、
を備える、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項4】
前記第1の通信装置の第1の制御部は、前記所定の近距離無線通信とは異なる種類の近距離無線通信プロトコルで前記第2の通信装置と通信可能な第3の通信部を備え、
前記アプリケーションダウンロード要求情報は、前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのダウンロードに使用する通信種類を示す通信種類情報と設定情報を含み、
前記第1の制御部の第2の通信装置用アプリケーション送信処理手段は、前記第1の近距離無線通信アンテナと前記第1の通信部を介して前記第2の通信装置から受信した前記アプリケーションダウンロード要求情報から通信種類情報を抽出し、抽出した通信種類情報が前記所定の近距離無線通信とは異なる種類の近距離無線通信プロトコルである場合に前記第3の通信部を起動し、
前記第3の通信部は、前記設定情報を前記第2の通信装置に送信することにより、前記第2の通信装置とのコネクションを確立し、前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の通信装置に送信する手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記所定の近距離無線通信プロトコルはNFC(Near Field Communication)に従った通信方式であり、前記所定の近距離無線通信とは異なる種類の近距離無線通信プロトコルはBluetoothに従った通信方式である、
ことを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記第2の制御部のアプリケーション一覧送信要求手段は、前記第1の通信装置からポーリング返信情報を受信すると、乱数を生成し、この乱数を含む初期セッション情報を生成し、前記アプリケーション一覧送信要求情報とともに前記第1の通信装置に送信し、前記第2の記憶部に記録する手段をさらに備え、
前記第1の制御部のアプリケーション一覧返信手段は、前記第2の通信装置から受信したアプリケーション一覧送信要求情報と前記初期セッション情報と、前記アプリケーション一覧情報のハッシュ値をそれぞれ算出し、算出した各ハッシュ値の排他的論理和を算出して第1のセッション情報とし、前記返送メッセージ情報とともに前記第2の通信装置に送信し、前記第1の記憶部に記録する手段をさらに備え、
前記第2の通信装置は、前記第1の通信装置からアプリケーション一覧情報と第1のセッション情報を受信すると、前記第2の記憶部から前記アプリケーション一覧送信要求情報を読み出し、前記アプリケーション一覧情報と前記第1のセッション情報と前記アプリケーション一覧送信要求情報のハッシュ値をそれぞれ算出し、算出した各ハッシュ値の排他的論理和を算出してセッション情報確認データとし、前記第1の通信装置から受信した前記第1のセッション情報と照合し、一致した場合にセッション情報が正しいと判断し前記ダウンロード要求処理手段を実行するセッション情報検査手段をさらに備え、
前記第2の制御部のダウンロード要求手段は、生成したアプリケーションダウンロード要求情報のハッシュ値を算出し、前記第1の通信装置から受信した前記第1のセッション情報との排他的論理和を算出して第2のセッション情報とし、前記アプリケーションダウンロード要求情報とともに前記第1の通信装置に送信し、前記第2の記憶部に記録する手段をさらに備え、
前記第1の通信装置の第2の通信装置用アプリケーション送信処理手段は、前記第2の通信装置から受信した前記ダウンロード要求情報のハッシュ値を算出し、前記第1の記憶部から読み出した前記アプリケーション一覧情報のハッシュ値と前記アプリケーション一覧送信要求情報のハッシュ値と前記初期セッション情報のハッシュ値との排他的論理和を算出して第2のセッション情報確認データとし、前記第2の通信装置から受信した前記第2のセッション情報と照合し、一致している場合、前記第3の通信部を起動する、
ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項7】
前記アプリケーション一覧情報は、前記アプリケーション識別子と前記アプリケーション名を秘密鍵で署名した署名データを含み、
前記第2の記憶部は、前記秘密鍵と対になる公開鍵を予め記憶しており、
前記第2の通信装置は、前記第1の通信装置から受信したアプリケーション一覧情報からアプリケーション識別子とアプリケーション名を抽出してハッシュ値を算出し、前記アプリケーション一覧情報から署名データを抽出して前記第2の記憶部から読み出した前記公開鍵で署名データを復号し、算出したハッシュ値と復号した復号結果を検証することにより、前記アプリケーション一覧情報の正当性を検証する、
ことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項8】
通信機能を備えるコンピュータを、所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信システムの第1の通信装置として機能させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
前記第2の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第1の通信部、
第1の制御部、
前記第2の通信装置との通信を開始するための情報であって少なくとも自身の通信種別情報を含むポーリング返信情報と、前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールに対応し前記第2の通信装置にインストール可能な第2の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーション識別子とアプリケーション名を少なくとも含むアプリケーション一覧と、を予め記憶する第1の記憶部、
として機能させ、
さらに、前記第1の通信部を、前記第2の通信装置から通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を受信すると、前記第1の記憶部からポーリング返信情報を読み出し、前記第2の通信装置に送信することにより該ポーリングリクエスト情報に応答し通信を開始するポーリング返信手段として機能させ、
さらに、前記第1の制御部を、
前記第1の通信部を介して前記第2の通信装置から前記アプリケーション一覧の送信を要求するアプリケーション一覧送信要求情報を受信すると、前記第1の記憶部から前記アプリケーション一覧を読み出し、アプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を生成し、生成したアプリケーション一覧情報を前記第2の通信装置に送信するとともに前記第1の記憶部に記録するアプリケーション一覧返信手段、
前記第2の通信装置から前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのダウンロード要求であって前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含むアプリケーションダウンロード要求情報を受信すると、前記アプリケーションダウンロード要求情報に含まれるアプリケーション識別子に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第1の記憶部から読み出し、読み出した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の通信装置に送信する第2の通信装置用アプリケーション送信処理手段、
前記第2の通信装置に送信したアプリケーションモジュールに対応する前記第1の通信装置のアプリケーションモジュールを用いて前記第2の通信装置との処理を実行するアプリケーション処理実行手段、
として機能させる、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項9】
通信機能を備えるコンピュータを、所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信システムの第2の通信装置として機能させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
前記第1の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第2の通信部、
第2の制御部、
前記第1の通信装置と通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を予め記憶する第2の記憶部、
として機能させ、
さらに、前記第2の通信部を、
前記第2の記憶部から前記ポーリングリクエスト情報を読み出し、読み出したポーリングリクエスト情報を前記第1の通信装置に送信するポーリングリクエスト情報送信手段、
前記第1の通信装置から該ポーリングリクエスト情報への応答であるポーリング返信情報を受信し通信を開始するポーリング返信情報受信手段、
として機能させ、
さらに、前記第2の制御部を、
前記第2の通信部を介して前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールの情報であるアプリケーション一覧の送信要求を行うアプリケーション一覧送信要求情報を生成し、生成した前記アプリケーション一覧送信要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するアプリケーション一覧送信要求手段、
前記第1の通信装置から前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を受信すると、前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含む第2の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーションダウンロード要求情報を生成し、生成したアプリケーションダウンロード要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するダウンロード要求処理手段、
前記第1の通信装置から前記アプリケーションダウンロード要求情報に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを受信すると、受信した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の記憶部に記録するとともに前記第2の通信装置にインストールする第2の通信装置用アプリケーションインストール手段、
インストールした前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを用いて前記第1の通信装置との処理を実行するアプリケーション処理実行手段、
として機能させる、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項10】
所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信方法であって、
前記第2の通信装置は、前記第1の通信装置との通信を開始するためのポーリングリクエスト情報を前記第1の通信装置に送信し、
前記第1の通信装置は、前記ポーリングリクエスト情報を受信し、受信に応答して、ポーリング返信情報を前記第2の通信装置に送信することにより該ポーリングリクエスト情報に応答した通信を開始し、
前記第2の通信装置は、前記ポーリング返信情報を受信し、受信に応答して、前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールの情報であるアプリケーション一覧の送信要求を行うアプリケーション一覧送信要求情報を生成し、生成した前記アプリケーション一覧送信要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに内部に記録し、
前記第1の通信装置は、前記アプリケーション一覧送信要求情報を受信し、受信に応答して、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を生成し、生成したアプリケーション一覧情報を前記第2の通信装置に送信するとともに内部に記録し、
前記第2の通信装置は、前記アプリケーション一覧情報を受信し、前記アプリケーション一覧情報中のアプリケーション識別子の1つを含む前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーションダウンロード要求情報を生成し、生成したアプリケーションダウンロード要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに内部に記録し、
前記第1の通信装置は、前記アプリケーションダウンロード要求情報を受信し、受信に応答し、前記アプリケーションダウンロード要求情報に含まれるアプリケーション識別子に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の通信装置に送信し、前記第2の通信装置に送信したアプリケーションモジュールに対応する前記第1の通信装置のアプリケーションモジュールを用いて前記第2の通信装置との処理を実行し、
前記第2の通信装置は、前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを受信し、受信した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールをインストールし、インストールした前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを用いて前記第1の通信装置との処理を実行する、
ことを特徴とする通信方法。
【請求項1】
所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信システムであって、
前記第1の通信装置は、
第1の近距離無線通信アンテナと、
前記第2の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第1の通信部と、
第1の制御部と、
前記第2の通信装置との通信を開始するための情報であって少なくとも自身の通信種別情報を含むポーリング返信情報と、前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールに対応し前記第2の通信装置にインストール可能な第2の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーション識別子とアプリケーション名を少なくとも含むアプリケーション一覧と、を予め記憶する第1の記憶部と、
を備え、
前記第1の通信部は、前記第1の近距離無線通信アンテナを介して前記第2の通信装置から通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を受信すると、前記第1の記憶部からポーリング返信情報を読み出し、前記第2の通信装置に送信することにより該ポーリングリクエスト情報に応答し通信を開始するポーリング返信手段を備え、
前記第1の制御部は、
前記第1の近距離無線通信アンテナと前記第1の通信部とを介して前記第2の通信装置から前記アプリケーション一覧の送信を要求するアプリケーション一覧送信要求情報を受信すると、前記第1の記憶部から前記アプリケーション一覧を読み出し、アプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を生成し、生成したアプリケーション一覧情報を前記第2の通信装置に送信するとともに前記第1の記憶部に記録するアプリケーション一覧返信手段と、
前記第2の通信装置から前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのダウンロード要求であって前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含むアプリケーションダウンロード要求情報を受信すると、前記アプリケーションダウンロード要求情報に含まれるアプリケーション識別子に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第1の記憶部から読み出し、読み出した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の通信装置に送信する第2の通信装置用アプリケーション送信処理手段と、
前記第2の通信装置に送信したアプリケーションモジュールに対応する前記第1の通信装置のアプリケーションモジュールを用いて前記第2の通信装置との処理を実行するアプリケーション処理実行手段と、
を備える、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信システムであって、
前記第2の通信装置は、
第2の近距離無線通信アンテナと、
前記第1の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第2の通信部と、
第2の制御部と、
前記第1の通信装置と通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を予め記憶する第2の記憶部と、
を備え、
前記第2の通信部は、
前記第2の記憶部から前記ポーリングリクエスト情報を読み出し、前記第2の近距離無線通信アンテナを介して読み出したポーリングリクエスト情報を前記第1の通信装置に送信するポーリングリクエスト情報送信手段と、
前記第1の通信装置から該ポーリングリクエスト情報への応答であるポーリング返信情報を受信し通信を開始するポーリング返信情報受信手段と、
を備え、
前記第2の制御部は、
前記第2の近距離無線通信アンテナと前記第2の通信部とを介して前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールの情報であるアプリケーション一覧の送信要求を行うアプリケーション一覧送信要求情報を生成し、生成した前記アプリケーション一覧送信要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するアプリケーション一覧送信要求手段と、
前記第1の通信装置から前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールの情報であるアプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を受信すると、前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含む第2の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーションダウンロード要求情報を生成し、生成したアプリケーションダウンロード要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するダウンロード要求処理手段と、
前記第1の通信装置から前記アプリケーションダウンロード要求情報に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを受信すると、受信した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の記憶部に記録するとともに前記第2の通信装置にインストールする第2の通信装置用アプリケーションインストール手段と、
インストールした前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを用いて前記第1の通信装置との処理を実行するアプリケーション処理実行手段と、
を備える、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項3】
所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信システムであって、
前記第1の通信装置は、
第1の近距離無線通信アンテナと、
前記第2の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第1の通信部と、
第1の制御部と、
前記第2の通信装置との通信を開始するための情報であって少なくとも自身の通信種別情報を含むポーリング返信情報と、前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールに対応し前記第2の通信装置にインストール可能な第2の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールの識別子を示すアプリケーション識別子とアプリケーション名を少なくとも含むアプリケーション一覧と、を予め記憶する第1の記憶部と、
を備え、
前記第1の通信部は、前記第1の近距離無線通信アンテナを介して前記第2の通信装置から通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を受信すると、前記第1の記憶部からポーリング返信情報を読み出し、前記第2の通信装置に送信することにより該ポーリングリクエスト情報に応答し通信を開始するポーリング返信手段を備え、
前記第1の制御部は、
前記第1の近距離無線通信アンテナと前記第1の通信部とを介して前記第2の通信装置から前記アプリケーション一覧の送信を要求するアプリケーション一覧送信要求情報を受信すると、前記第1の記憶部から前記アプリケーション一覧を読み出し、アプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を生成し、生成したアプリケーション一覧情報を前記第2の通信装置に送信するとともに前記第1の記憶部に記録するアプリケーション一覧返信手段と、
前記第2の通信装置から前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのダウンロード要求であって前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含むアプリケーションダウンロード要求情報を受信すると、前記アプリケーションダウンロード要求情報に含まれるアプリケーション識別子に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第1の記憶部から読み出し、読み出した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の通信装置に送信する第2の通信装置用アプリケーション送信処理手段と、
前記第2の通信装置に送信したアプリケーションモジュールに対応する前記第1の通信装置のアプリケーションモジュールを用いて前記第2の通信装置とのアプリケーションの処理を実行するアプリケーション処理実行手段と、
を備え、
前記第2の通信装置は、
第2の近距離無線通信アンテナと、
前記第1の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第2の通信部と、
第2の制御部と、
前記第1の通信装置と通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を予め記憶する第2の記憶部と、
を備え、
前記第2の通信部は、
前記第2の記憶部から前記ポーリングリクエスト情報を読み出し、前記第2の近距離無線通信アンテナを介して読み出したポーリングリクエスト情報を前記第1の通信装置に送信するポーリングリクエスト情報送信手段と、
前記第1の通信装置から該ポーリングリクエスト情報への応答であるポーリング返信情報を受信し通信を開始するポーリング返信情報受信手段と、
を備え、
前記第2の制御部は、
前記第2の近距離無線通信アンテナと前記第2の通信部とを介して前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールの情報であるアプリケーション一覧の送信要求を行うアプリケーション一覧送信要求情報を生成し、生成した前記アプリケーション一覧送信要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するアプリケーション一覧送信要求手段と、
前記第1の通信装置から前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を受信すると、前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含む前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーションダウンロード要求情報を生成し、生成したアプリケーションダウンロード要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するダウンロード要求処理手段と、
前記第1の通信装置から前記アプリケーションダウンロード要求情報に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを受信すると、受信した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の記憶部に記録するとともに前記第2の通信装置にインストールする第2の通信装置用アプリケーションインストール手段と、
インストールした前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを用いて前記第1の通信装置との処理を実行するアプリケーション処理実行手段と、
を備える、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項4】
前記第1の通信装置の第1の制御部は、前記所定の近距離無線通信とは異なる種類の近距離無線通信プロトコルで前記第2の通信装置と通信可能な第3の通信部を備え、
前記アプリケーションダウンロード要求情報は、前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのダウンロードに使用する通信種類を示す通信種類情報と設定情報を含み、
前記第1の制御部の第2の通信装置用アプリケーション送信処理手段は、前記第1の近距離無線通信アンテナと前記第1の通信部を介して前記第2の通信装置から受信した前記アプリケーションダウンロード要求情報から通信種類情報を抽出し、抽出した通信種類情報が前記所定の近距離無線通信とは異なる種類の近距離無線通信プロトコルである場合に前記第3の通信部を起動し、
前記第3の通信部は、前記設定情報を前記第2の通信装置に送信することにより、前記第2の通信装置とのコネクションを確立し、前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の通信装置に送信する手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記所定の近距離無線通信プロトコルはNFC(Near Field Communication)に従った通信方式であり、前記所定の近距離無線通信とは異なる種類の近距離無線通信プロトコルはBluetoothに従った通信方式である、
ことを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記第2の制御部のアプリケーション一覧送信要求手段は、前記第1の通信装置からポーリング返信情報を受信すると、乱数を生成し、この乱数を含む初期セッション情報を生成し、前記アプリケーション一覧送信要求情報とともに前記第1の通信装置に送信し、前記第2の記憶部に記録する手段をさらに備え、
前記第1の制御部のアプリケーション一覧返信手段は、前記第2の通信装置から受信したアプリケーション一覧送信要求情報と前記初期セッション情報と、前記アプリケーション一覧情報のハッシュ値をそれぞれ算出し、算出した各ハッシュ値の排他的論理和を算出して第1のセッション情報とし、前記返送メッセージ情報とともに前記第2の通信装置に送信し、前記第1の記憶部に記録する手段をさらに備え、
前記第2の通信装置は、前記第1の通信装置からアプリケーション一覧情報と第1のセッション情報を受信すると、前記第2の記憶部から前記アプリケーション一覧送信要求情報を読み出し、前記アプリケーション一覧情報と前記第1のセッション情報と前記アプリケーション一覧送信要求情報のハッシュ値をそれぞれ算出し、算出した各ハッシュ値の排他的論理和を算出してセッション情報確認データとし、前記第1の通信装置から受信した前記第1のセッション情報と照合し、一致した場合にセッション情報が正しいと判断し前記ダウンロード要求処理手段を実行するセッション情報検査手段をさらに備え、
前記第2の制御部のダウンロード要求手段は、生成したアプリケーションダウンロード要求情報のハッシュ値を算出し、前記第1の通信装置から受信した前記第1のセッション情報との排他的論理和を算出して第2のセッション情報とし、前記アプリケーションダウンロード要求情報とともに前記第1の通信装置に送信し、前記第2の記憶部に記録する手段をさらに備え、
前記第1の通信装置の第2の通信装置用アプリケーション送信処理手段は、前記第2の通信装置から受信した前記ダウンロード要求情報のハッシュ値を算出し、前記第1の記憶部から読み出した前記アプリケーション一覧情報のハッシュ値と前記アプリケーション一覧送信要求情報のハッシュ値と前記初期セッション情報のハッシュ値との排他的論理和を算出して第2のセッション情報確認データとし、前記第2の通信装置から受信した前記第2のセッション情報と照合し、一致している場合、前記第3の通信部を起動する、
ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項7】
前記アプリケーション一覧情報は、前記アプリケーション識別子と前記アプリケーション名を秘密鍵で署名した署名データを含み、
前記第2の記憶部は、前記秘密鍵と対になる公開鍵を予め記憶しており、
前記第2の通信装置は、前記第1の通信装置から受信したアプリケーション一覧情報からアプリケーション識別子とアプリケーション名を抽出してハッシュ値を算出し、前記アプリケーション一覧情報から署名データを抽出して前記第2の記憶部から読み出した前記公開鍵で署名データを復号し、算出したハッシュ値と復号した復号結果を検証することにより、前記アプリケーション一覧情報の正当性を検証する、
ことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項8】
通信機能を備えるコンピュータを、所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信システムの第1の通信装置として機能させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
前記第2の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第1の通信部、
第1の制御部、
前記第2の通信装置との通信を開始するための情報であって少なくとも自身の通信種別情報を含むポーリング返信情報と、前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールに対応し前記第2の通信装置にインストール可能な第2の通信装置用アプリケーションモジュールと、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーション識別子とアプリケーション名を少なくとも含むアプリケーション一覧と、を予め記憶する第1の記憶部、
として機能させ、
さらに、前記第1の通信部を、前記第2の通信装置から通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を受信すると、前記第1の記憶部からポーリング返信情報を読み出し、前記第2の通信装置に送信することにより該ポーリングリクエスト情報に応答し通信を開始するポーリング返信手段として機能させ、
さらに、前記第1の制御部を、
前記第1の通信部を介して前記第2の通信装置から前記アプリケーション一覧の送信を要求するアプリケーション一覧送信要求情報を受信すると、前記第1の記憶部から前記アプリケーション一覧を読み出し、アプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を生成し、生成したアプリケーション一覧情報を前記第2の通信装置に送信するとともに前記第1の記憶部に記録するアプリケーション一覧返信手段、
前記第2の通信装置から前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのダウンロード要求であって前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含むアプリケーションダウンロード要求情報を受信すると、前記アプリケーションダウンロード要求情報に含まれるアプリケーション識別子に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第1の記憶部から読み出し、読み出した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の通信装置に送信する第2の通信装置用アプリケーション送信処理手段、
前記第2の通信装置に送信したアプリケーションモジュールに対応する前記第1の通信装置のアプリケーションモジュールを用いて前記第2の通信装置との処理を実行するアプリケーション処理実行手段、
として機能させる、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項9】
通信機能を備えるコンピュータを、所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信システムの第2の通信装置として機能させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
前記第1の通信装置と所定の近距離無線通信を行う第2の通信部、
第2の制御部、
前記第1の通信装置と通信を開始するための情報であるポーリングリクエスト情報を予め記憶する第2の記憶部、
として機能させ、
さらに、前記第2の通信部を、
前記第2の記憶部から前記ポーリングリクエスト情報を読み出し、読み出したポーリングリクエスト情報を前記第1の通信装置に送信するポーリングリクエスト情報送信手段、
前記第1の通信装置から該ポーリングリクエスト情報への応答であるポーリング返信情報を受信し通信を開始するポーリング返信情報受信手段、
として機能させ、
さらに、前記第2の制御部を、
前記第2の通信部を介して前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールの情報であるアプリケーション一覧の送信要求を行うアプリケーション一覧送信要求情報を生成し、生成した前記アプリケーション一覧送信要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するアプリケーション一覧送信要求手段、
前記第1の通信装置から前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を受信すると、前記アプリケーション一覧情報のアプリケーション識別子の1つを含む第2の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーションダウンロード要求情報を生成し、生成したアプリケーションダウンロード要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに前記第2の記憶部に記録するダウンロード要求処理手段、
前記第1の通信装置から前記アプリケーションダウンロード要求情報に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを受信すると、受信した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の記憶部に記録するとともに前記第2の通信装置にインストールする第2の通信装置用アプリケーションインストール手段、
インストールした前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを用いて前記第1の通信装置との処理を実行するアプリケーション処理実行手段、
として機能させる、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項10】
所定の近距離無線通信プロトコルに対応した第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の近距離無線通信を行う事によってサービスを提供する通信方法であって、
前記第2の通信装置は、前記第1の通信装置との通信を開始するためのポーリングリクエスト情報を前記第1の通信装置に送信し、
前記第1の通信装置は、前記ポーリングリクエスト情報を受信し、受信に応答して、ポーリング返信情報を前記第2の通信装置に送信することにより該ポーリングリクエスト情報に応答した通信を開始し、
前記第2の通信装置は、前記ポーリング返信情報を受信し、受信に応答して、前記第1の通信装置内で作動する1以上の第1の通信装置用アプリケーションモジュールの情報であるアプリケーション一覧の送信要求を行うアプリケーション一覧送信要求情報を生成し、生成した前記アプリケーション一覧送信要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに内部に記録し、
前記第1の通信装置は、前記アプリケーション一覧送信要求情報を受信し、受信に応答して、前記第1の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーション識別子とアプリケーション名とを少なくとも含むアプリケーション一覧情報を生成し、生成したアプリケーション一覧情報を前記第2の通信装置に送信するとともに内部に記録し、
前記第2の通信装置は、前記アプリケーション一覧情報を受信し、前記アプリケーション一覧情報中のアプリケーション識別子の1つを含む前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールのアプリケーションダウンロード要求情報を生成し、生成したアプリケーションダウンロード要求情報を前記第1の通信装置に送信するとともに内部に記録し、
前記第1の通信装置は、前記アプリケーションダウンロード要求情報を受信し、受信に応答し、前記アプリケーションダウンロード要求情報に含まれるアプリケーション識別子に対応する前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを前記第2の通信装置に送信し、前記第2の通信装置に送信したアプリケーションモジュールに対応する前記第1の通信装置のアプリケーションモジュールを用いて前記第2の通信装置との処理を実行し、
前記第2の通信装置は、前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを受信し、受信した前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールをインストールし、インストールした前記第2の通信装置用アプリケーションモジュールを用いて前記第1の通信装置との処理を実行する、
ことを特徴とする通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−100280(P2011−100280A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254269(P2009−254269)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)
【Fターム(参考)】
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