説明

通話端末及び通信端末の動作方法

【課題】 所定の操作によって音を発生させる音情報発生機能を有し、この音情報発生機能を通話機能と関連づけて動作させて利便性を向上させる。
【解決手段】 トイレマナーボタン57が押下されると、トイレマナーモードに設定され、その状態で通話着信があった場合、着信音をスピーカ81から出力せずに予め記憶された応答メッセージで自動応答するとともに、予め設定された音情報をスピーカ81から出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の通信端末及び通信端末の動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、公共の場に設置されたトイレを使用する場合において、排泄音を外部の人に聞かれないようにするために、排泄時にトイレに水を流し、その水が流れる音によって排泄音を紛らわすことがある。このように排泄時にトイレに水を流した場合、排泄後にもトイレに水を流すことから、1回のトイレの使用について最低2回水が流されることになり、水資源が無駄に消費されてしまっている。
【0003】
そこで、水が流れる音等といった擬音を発生させる擬音発生装置が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載された擬音発生装置は、排泄音を紛らわすことができるような擬音が予め記憶されており、トイレの壁面等に取り付けられる。そして、排泄時にスイッチを操作すると、予め記憶された擬音がスピーカ等から出力され、この擬音によって排泄音を紛らわすことができる。
【0004】
また、同様に排泄音を紛らわすことができるような擬音が予め記憶された音声発生装置であって、携帯可能に構成されたものが考えられている(例えば、特許文献2参照。)。このように携帯可能な構成とすることにより、トイレに上述したような擬音発生装置が取り付けられているかどうかに関わらず、排泄時に擬音を発生させることができ、排泄音を紛らわすことができるようになる。
【特許文献1】特開2002−232960号公報
【特許文献2】特開平8−146982号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたものは、トイレの壁面等に取り付けられて使用されるものであるため、擬音発生装置が取り付けられていないトイレでは、擬音を発生させることができずに排泄音を外部の人に聞かれてしまうという問題点がある。
【0006】
また、特許文献2に記載されたものは、この音声発生装置を所持していれば、どこのトイレでも排泄時に擬音を発生させることができるものの、擬音を発生させるためだけに音声発生装置を常に持ち歩かなければならず、利便性に優れているとは言いがたい。
【0007】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、所定の操作によって音を発生させる音情報発生機能を有し、この音情報発生機能を通話機能と関連づけて動作させることができる通話端末及び通話端末の動作方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、
通話着信時に予め記憶された音声情報によって応答する自動応答モードに設定可能な通話手段と、
前記通話手段が前記自動応答モードに設定された場合に、予め設定された音情報を発生させる音情報発生手段とを有する。
【0009】
上記のように構成された本発明においては、通話手段がある特定の自動応答モードに設定されると、音情報発生手段から予め設定された音情報が発生する。そのため例えば、トイレを使用する際に通話手段を自動応答モードに設定すると、音情報発生手段から予め設定された音情報が発生するとともに、通話着信があった場合は予め記憶された音声情報によって応答が行われる。これにより、トイレ使用時において、音情報発生手段にて発生した音情報によって排泄音を紛らわすことができるとともに、通話着信時に自動応答することができる。また、非常事態発生時においては、音声情報発生手段にて発生する音情報を警報音としておくとともに、自動応答のメッセージとして非常事態が発生した旨のメッセージを設定しておけば、非常事態発生時にそれに応じた自動応答モードに設定することにより、警報音を出力することができるとともに、通話着信時に、非常事態が発生した旨を発信元に通知することができる。
【0010】
また、音情報の発生は、連続的であっても断続的であってもよく、この音情報は、通信回線を介して取得されたものであってもよい。
【0011】
また、音情報を記憶手段に記憶しておき、記憶手段に記憶された音情報のうち指定された音情報を発生させてもよく、また、この記憶手段に、音声情報に対するメッセージ情報を記憶してもよい。
【0012】
また、自動応答モードとして、音声情報が互いに異なる複数の応答モードが設定されており、音情報発生手段において、通話手段が複数の応答モードのうち予め決められた1つの応答モードに設定された場合に音情報を発生させる。
【0013】
また、音情報発生手段は、応答モードの設定を解除する旨が指定された場合、予め登録された情報が入力された場合にのみ、音情報の発生を停止する。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明においては、通話手段が自動応答モードに設定された場合に音情報発生手段から予め設定された音情報が発生する構成としたため、トイレ使用時に音情報を発生させながら通話着信時に自動応答したり、非常事態発生時に警報音を発生させながら通話着信時に非常事態が発生した旨を示すメッセージで応答したりするといった利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の通話端末の実施の一形態となる携帯電話機の構成を示す機能ブロック図である。
【0017】
本形態は図1に示すように、無線回線を介しての通信を行う無線制御部20及びアンテナ10と、情報を表示するための表示部30と、音声を入力するための音声入力部40と、情報を入力したり指定したりするための操作部50と、処理プログラムや音声情報等が記憶された記憶部60と、通話音声を出力するための通話音声出力部70と、着信音やトイレマナー音や警報音や音楽等の音情報を出力するための音情報出力部80と、これらを制御する制御部90とから構成されている。また、制御部90は、無線回線を介しての通話を制御する通話制御部91と、音情報出力部80からの音情報の出力を制御する音発生制御部92と、インターネットの利用等の通信を制御する通信制御部93とから構成されている。
【0018】
通話制御部91は、無線制御部20、表示部30、音声入力部40、操作部50、記憶部60及び通話音声出力部80を制御して通話手段となる。無線制御部20にて通話着信が検出された場合、その旨を表示部30に表示し、通話相手が番号表示を指定している場合はその番号を表示部30に表示し、また、その番号が記憶部60に記憶されている場合は記憶部60にてその番号に対応づけて登録された氏名等を表示部30に表示する。また、記憶部60に記憶された音情報のうち、予め指定された着信音を読み出して音情報出力部80から出力する。そして、操作部50にて通話を行う旨が指定された場合(いわゆるオンフック動作)に通話動作を開始し、音声入力部40に入力された音声情報を無線制御部20に与え、また、無線制御部20にて受信されて処理された音声情報を通話音声出力部70から出力する。また、操作部50にて自動応答モードの設定が行われた状態においては、無線制御部20にて通話着信が検出された場合、記憶部60に予め記憶された音声情報を応答メッセージとして無線制御部20に与えるとともに、その応答メッセージに対するメッセージ情報がアンテナ10及び無線制御部20にて受信された場合にそのメッセージ情報を記憶部60に記憶する。
【0019】
音発生制御部92は、無線制御部20、操作部50、記憶部60及び音情報出力部80を制御して音情報発生手段となり、通話制御部91が自動応答モードに設定された場合に記憶部60に記憶された音情報を音情報出力部80から出力したり、着信時に記憶部60に記憶された音情報を着信音として音情報出力部80から出力したりする。また、操作部50に対する操作によって音情報出力部80から音情報を出力したり、音情報出力部80からの音情報の出力を停止したりする。
【0020】
通信制御部93は、無線制御部20、表示部30、操作部50、記憶部60及び音情報出力部80を制御し、電子メールやインターネット利用時の通信を制御する。すわなち、メールソフトウェアやブラウザソフトウェアを有し、メールソフトウェア起動時は、アンテナ10及び無線制御部20にて受信された電子メールを表示部30に表示したり、操作部50を介して入力された情報を用いて電子メールを作成し、アンテナ10及び無線制御部20を介してこの電子メールを送信したりする。また、ブラウザソフトウェア起動時は、アクセス先のサイト上の情報を表示部30に表示したり、操作部50にて指定あるいは入力された情報をアンテナ10及び無線制御部20を介してサイトに送信したりする。
【0021】
また、無線制御部20は、送受信部(不図示)及びベースバンド処理部(不図示)を有し、アンテナ10を介して無線回線から受信された情報を制御部90に与え、また、制御部90からの情報をアンテナ10を介して無線回線に送信する。
【0022】
また、記憶部60には、上述したようなメールソフトウェアやブラウザソフトウェア等の動作プログラムや、音情報出力部80から出力される音情報や、操作部50にて自動応答モードの設定が行われた場合に通話着信時にアンテナ10及び無線制御部20を介して送信される応答メッセージが予め記憶されている。また、この応答メッセージに対するメッセージ情報がアンテナ10及び無線制御部20を介して受信された場合、通話制御部91の制御によってそのメッセージ情報が記憶される。
【0023】
以下に、上記のように構成された携帯電話機の動作方法について複数の実施の形態を例に挙げて説明する。
【0024】
(第1の実施の形態)
図2は、図1に示した携帯電話機100の第1の実施の形態の外部構造を示す図であり、(a)は折り畳み状態における一方の面を示す図、(b)は見開いた状態における見開き面を示す図である。
【0025】
図2に示すように、本形態における携帯電話機100においては、表示部30としてディスプレイ31が設けられ、音声入力部40としてマイク41が設けられ、操作部50としてテンキー51、移動/指定ボタン52、機能設定ボタン53a〜53d、通話ボタン54、電源ボタン55、伝言モードボタン56及びトイレマナーモードボタン57が設けられ、通話音声出力部70としてスピーカ71が設けられ、音情報出力部80としてスピーカ81が設けられている。なお、図示していないが、着信時に着信音をスピーカ81から出力せずに振動で着信を通知するマナーモードに設定するマナーモードボタンも一般的に設けられている。
【0026】
図3は、図1及び図2に示した携帯電話機100の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【0027】
電源ボタン55が押下されることにより電源が投入された待ち受け状態において(ステップS1)、トイレマナーモードボタン57が押下されると(ステップS2)、このトイレマナーモードボタン57の押下が制御部90にて検出され、トイレマナーモードへの設定が行われる(ステップS3)。
【0028】
トイレマナーモードへの設定が行われると、通話制御部91において、無線制御部20にて通話着信が検出された場合に、音情報出力部80であるスピーカ81から通話着信音を出力することなく自動的に通話状態とし、記憶部60に予め記憶された応答メッセージが無線制御部20及びアンテナ10を介して送信される自動応答モードが設定される。この自動応答モードは、伝言モードボタン56を押下することによっても設定することができる。自動応答モードに設定された場合に記憶部60から読み出される音声メッセージは、携帯電話機100の販売時に既に記憶部60に記憶されているメッセージや、音声入力部40であるマイク41を介して入力されて記憶部60に記憶されているメッセージや、通信回線を介してダウンロードされた音楽等を適宜選択することができる。
【0029】
また、トイレマナーモードへの設定が行われると、音発生制御部92の制御によって、記憶部60に記憶された音情報が読み出され、音情報出力部80となるスピーカ81から出力される(ステップS4)。なお、この際、スピーカ81から出力される音情報は予め設定されている。例えば、ディスプレイ31にメニュー画面を表示させ、このメニュー画面において、トイレマナーモードに設定された場合にスピーカ81から出力される音情報の選択を指定する。すると、記憶部60に記憶された音情報の一覧がディスプレイ31に表示され、その中から所望の音情報を選択することにより、トイレマナーモードに設定された場合にスピーカ81から出力される音情報が設定されることになる。また、スピーカ81から出力されるものとして記憶部60に記憶された音情報は、通信回線を介してダウンロードされたものであってもよい。その場合、インターネット上の特定のサイトにアクセスし、そのサイトから音情報をダウンロードすると、通信制御部93の制御によってダウンロードされた情報が記憶部60に記憶されることになる。また、スピーカ81からの音情報の出力は、トイレマナーモードが有効に設定されている間中、連続的に出力されてもよいし、断続的に出力されてもよい。また、音楽等であれば継続的であってもよい。これは、設定された音情報の種類によって決められるものであってもよいし、音情報が選択される際にその音情報の出力パターンを連続的とするか断続的とするかが選択されるものであってもよい。このように選択される音情報としては、例えば、川に水が流れる音等といった自然界の音や、機械音、あるいは音楽等といった様々なものが適用可能である。また、上述したようにトイレマナーボタン57が押下されると記憶部60に記憶された音情報がスピーカ81から出力されるため、トイレマナーモードボタン57が押下されたことによるトイレマナーモードへの設定は、トイレマナーモードボタン57が一定時間(例えば2秒)押下された場合に行われる構成とすることが好ましく、伝言モードボタン56が押下されたことによる自動応答モードへの設定についても同様の構成とすることが考えられる。
【0030】
トイレマナーモードボタン57の押下によってトイレマナーモードに設定されている状態、すなわち、音情報出力部80となるスピーカ81から音情報が出力されている状態において、トイレマナーモードボタン57が再度押下される前に(ステップS5)、無線制御部20にて通話着信が検出された場合(ステップS6)、通話制御部91の制御によって、記憶部60に記憶された応答メッセージが読み出され、無線制御部20及びアンテナ10を介して通話相手にこの応答メッセージが送信される(ステップS7)。なお、この際に記憶部60から読み出される応答メッセージは、上述したように、携帯電話機100の販売時に既に記憶部60に記憶されているメッセージや、音声入力部40であるマイク41を介して入力されて記憶部60に記憶されているメッセージ等を適宜選択することができる。また、応答メッセージが送信されている間、通話制御部91の制御によって、応答メッセージを送信している旨が表示部30に表示されたり、通話相手が番号表示を指定している場合はその番号が表示されたり、また、その番号が記憶部60に記憶されている場合は記憶部60にてその番号に対応づけて登録された氏名等が表示部30に表示されたりする構成とすることも考えられる。
【0031】
その後、無線制御部20及びアンテナ10を介して送信された応答メッセージに対するメッセージ情報がアンテナ10及び無線制御部20にて受信されると、通話制御部91の制御によってこのメッセージ情報が記憶部60に記憶される(ステップS8)。
【0032】
このようにトイレマナーモードに設定された状態においては、通話着信があった場合、音情報出力部80であるスピーカ81から通話着信音が出力されることなく自動的に通話状態とされ、記憶部60に予め記憶された応答メッセージが無線制御部20及びアンテナ10を介して送信されるが、電子メールの送受信やインターネットの利用等といった動作については、通信制御部93の制御によって、トイレマナーモードに設定されていない場合と同様に行うことができる。
【0033】
また、トイレマナーモードボタン57の押下によってトイレマナーモードに設定されている状態、すなわち、音情報出力部80となるスピーカ81から音情報が出力されている状態において、トイレマナーモードボタン57が再度押下されると、トイレマナーモードの設定が解除され(ステップS9)、通話制御部91の制御によって通話着信時にスピーカ81から着信音が出力される状態に切り替えられるとともに、音発生制御部92の制御によって、記憶部60から読み出された音情報のスピーカ81からの出力が停止する(ステップS10)。
【0034】
トイレマナーモードの設定が解除された後に通話着信があった場合、通話制御部91の制御によって、設定に応じて、記憶部60に記憶された音情報のうち、予め指定された着信音が読み出されて音情報出力部80となるスピーカ81から出力されたり、振動によって着信が通知されたりすることになる。
【0035】
(第2の実施の形態)
図4は、図1に示した携帯電話機100の第2の実施の形態の外部構造を示す図であり、(a)は折り畳み状態における一方の面を示す図、(b)は見開いた状態における見開き面を示す図である。
【0036】
図4に示すように、本形態における携帯電話機100においては、表示部30としてディスプレイ31が設けられ、音声入力部40としてマイク41が設けられ、操作部50としてテンキー51、移動/指定ボタン52、機能設定ボタン53a〜53d、通話ボタン54、電源ボタン55及び伝言モードボタン56が設けられ、通話音声出力部70としてスピーカ71が設けられ、音情報出力部80としてスピーカ81が設けられている。すなわち、第1の実施の形態に示したものに対して、トイレマナーボタン57が設けられていない点のみが異なるものである。なお、第1の実施の形態に示したものと同様に、図示していないが、着信時に着信音をスピーカ81から出力せずに振動で着信を通知するマナーモードに設定するマナーモードボタンも一般的に設けられている。
【0037】
図5は、図1及び図4に示した携帯電話機100の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【0038】
電源ボタン55が押下されることにより電源が投入された待ち受け状態において(ステップS101)、トイレマナーモードの設定が行われると(ステップS102,103)、通話制御部91において、通話着信時に着信音を出力することなく通話状態として応答メッセージを送信する自動応答モードが設定され、また、音発生制御部92の制御によって、記憶部60に記憶された音情報が読み出され、音情報出力部80となるスピーカ81から出力される(ステップS104)。ここで、本形態におけるトイレマナーモードへの設定は、第1の実施の形態に示したもののように操作部50として設けられたトイレマナーモードボタン57を押下することによって行うのではなく、表示部30となるディスプレイ31に表示されたメニュー画面を用いて指定することによって行う。例えば、ディスプレイ31にメニュー画面を表示させ、このメニュー画面において、トイレマナーモードの設定/解除を行うためのアイコンを選択し、トイレマナーモードへの設定を行う。
【0039】
トイレマナーモードに設定されている状態、すなわち、音情報出力部80となるスピーカ81から音情報が出力されている状態において、トイレマナーモードが解除される前に(ステップS105)、無線制御部20にて通話着信が検出された場合(ステップS106)、通話制御部91の制御によって、記憶部60に記憶された応答メッセージが読み出され、無線制御部20及びアンテナ10を介して通話相手にこの応答メッセージが送信される(ステップS107)。
【0040】
その後、無線制御部20及びアンテナ10を介して送信された応答メッセージに対するメッセージ情報がアンテナ10及び無線制御部20にて受信されると、通話制御部91の制御によってこのメッセージ情報が記憶部60に記憶される(ステップS108)。
【0041】
このようにトイレマナーモードに設定された状態においては、通話着信があった場合、音情報出力部80であるスピーカ81から通話着信音が出力されることなく自動的に通話状態とされ、記憶部60に予め記憶された応答メッセージが無線制御部20及びアンテナ10を介して送信されるが、電子メールの送受信やインターネットの利用等といった動作については、通信制御部93の制御によって、トイレマナーモードに設定されていない場合と同様に行うことができる。
【0042】
また、トイレマナーモードに設定されている状態、すなわち、音情報出力部80となるスピーカ81から音情報が出力されている状態において、トイレマナーモードが解除されると(ステップS109)、通話制御部91の制御によって通話着信時にスピーカ81から着信音が出力される状態に切り替えられるとともに、音発生制御部92の制御によって、記憶部60から読み出された音情報のスピーカ81からの出力が停止する(ステップS110)。ここで、本形態におけるトイレマナーモードの解除は、第1の実施の形態に示したもののように操作部50として設けられたトイレマナーモードボタン57を再度押下することによって行うのではなく、表示部30となるディスプレイ31に表示されたメニュー画面を用いて指定することによって行う。例えば、ディスプレイ31にメニュー画面を表示させ、このメニュー画面において、トイレマナーモードの設定/解除を行うためのアイコンを選択し、トイレマナーモードの解除を行う。
【0043】
トイレマナーモードの設定が解除された後に通話着信があった場合、通話制御部91の制御によって、設定に応じて、記憶部60に記憶された音情報のうち、予め指定された着信音が読み出されて音情報出力部80となるスピーカ81から出力されたり、振動によって着信が通知されたりすることになる。
【0044】
(第3の実施の形態)
図6は、図1に示した携帯電話機100の第3の実施の形態の外部構造を示す図であり、(a)は折り畳み状態における一方の面を示す図、(b)は見開いた状態における見開き面を示す図である。
【0045】
図6に示すように、本形態における携帯電話機100においては、表示部30としてディスプレイ31が設けられ、音声入力部40としてマイク41が設けられ、操作部50としてテンキー51、移動/指定ボタン52、機能設定ボタン53a〜53d、通話ボタン54、電源ボタン55、伝言モードボタン56及び防犯モードボタン58が設けられ、通話音声出力部70としてスピーカ71が設けられ、音情報出力部80としてスピーカ81が設けられている。なお、図示していないが、着信時に着信音をスピーカ81から出力せずに振動で着信を通知するマナーモードに設定するマナーモードボタンも一般的に設けられている。
【0046】
図7は、図1及び図6に示した携帯電話機100の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【0047】
電源ボタン55が押下されることにより電源が投入された待ち受け状態において(ステップS201)、防犯モードボタン58が押下されると(ステップS202)、この防犯モードボタン58の押下が制御部90にて検出され、防犯モードへの設定が行われる(ステップS203)。
【0048】
防犯モードへの設定が行われると、通話制御部91において、無線制御部20にて通話着信が検出された場合に、音情報出力部80であるスピーカ81から通話着信音を出力することなく自動的に通話状態とし、記憶部60に予め記憶された応答メッセージが無線制御部20及びアンテナ10を介して送信される自動応答モードが設定される。この自動応答モードは、伝言モードボタン56を押下することによっても設定することができる。自動応答モードに設定された場合に記憶部60から読み出される音声メッセージは、携帯電話機100の販売時に既に記憶部60に記憶されているメッセージや、音声入力部40であるマイク41を介して入力されて記憶部60に記憶されているメッセージ等を、伝言モードボタン56が押下された場合に設定される応答モードと防犯モードボタン58が押下された場合に設定される応答モードとでそれぞれ適宜選択することができる。例えば、伝言モードボタン56が押下された場合に設定される応答モードについては、「ただいま電話に出ることができません。メッセージをどうぞ。」という応答メッセージを選択し、防犯モードボタン58が押下された場合に設定される応答モードについては、「非常事態が発生しました。警察に連絡してください。」という応答メッセージを選択することが考えられる。すなわち、通話制御部91においては、伝言モードボタン56が押下された場合と防犯モードボタン58が押下された場合とで異なる応答モードが設定されることになり、それらの応答モードは応答メッセージが互いに異なるものとなる。
【0049】
また、防犯モードへの設定が行われると、音発生制御部92の制御によって、記憶部60に記憶された警報音となる音情報が読み出され、音情報出力部80となるスピーカ81から出力される(ステップS204)。なお、この際、スピーカ81から出力される音情報は、第1の実施の形態にて示したものと同様に適宜設定することができるが、防犯モードに設定した際にスピーカ81から出力される音情報は警報音として予め決められていることが好ましい。なお、スピーカ81からの音情報の出力は、連続的であってもよいし断続的であってもよいが、警報音であることから連続音であることが好ましい。また、その音量は、警報音であることから、スピーカ81からの音情報の出力音量の設定によらずに大音量となるものであることが好ましい。また、上述したように防犯ボタン58が押下されると記憶部60に記憶された音情報がスピーカ81から出力されるため、防犯モードボタン58が押下されたことによる防犯モードへの設定は、防犯モードボタン58が一定時間(例えば1秒)押下された場合に行われる構成とすることが好ましく、伝言モードボタン56が押下されたことによる自動応答モードへの設定についても同様の構成とすることが考えられる。ただし、本形態においては、非常事態発生時に防犯モードボタン58が押下されることになるため、防犯モードに設定するために防犯モードボタン58を押下する必要がある時間をあまり長く設定することは好ましくはない。
【0050】
防犯モードボタン58の押下によって防犯モードに設定されている状態、すなわち、音情報出力部80となるスピーカ81から警報音となる音情報が出力されている状態において、防犯モードボタン58が再度押下される前に(ステップS205)、無線制御部20にて通話着信が検出された場合(ステップS206)、通話制御部91の制御によって、記憶部60に記憶された応答メッセージが読み出され、無線制御部20及びアンテナ10を介して通話相手にこの応答メッセージが送信される(ステップS207)。なお、この際に記憶部60から読み出される応答メッセージは、上述したように、「非常事態が発生しました。警察に連絡してください。」等といった、非常事態が発生したことを通知するものであることが好ましい。また、応答メッセージが送信されている間、通話制御部91の制御によって、応答メッセージを送信している旨が表示部30に表示されたり、通話相手が番号表示を指定している場合はその番号が表示されたり、また、その番号が記憶部60に記憶されている場合は記憶部60にてその番号に対応づけて登録された氏名等が表示部30に表示されたりする構成とすることも考えられる。あるいは、上述したような情報の表示部30への表示をあえて行わなず、防犯モード解除時に通信履歴を表示すること等も考えられる。
【0051】
また、防犯モードボタン58の押下によって防犯モードに設定されている状態、すなわち、音情報出力部80となるスピーカ81から警報音となる音情報が出力されている状態において、防犯モードボタン58が再度押下されると、まず、パスワードの入力を要求する画面が表示部30となるディスプレイ31に表示される。そして、操作部50を構成するテンキー51によってパスワードが入力されると、制御部90において、入力されたパスワードと記憶部60に予め記憶されたパスワードとが比較され、両者が一致した場合(ステップS208)、防犯モードの設定が解除され(ステップS209)、通話制御部91の制御によって通話着信時にスピーカ81から着信音が出力される状態に切り替えられるとともに、音発生制御部92の制御によって、記憶部60から読み出された音情報のスピーカ81からの出力が停止する(ステップS210)。なお、このパスワードは、携帯電話機100の全ての機能について1つ設定されたものであってもよいし、防犯モードを解除するためだけに予め設定されたものであってもよい。また、パスワードを用いるのではなく、指紋や虹彩、静脈等の生体情報を用いて利用者の認証を行い、防犯モードを解除してもよい。いずれの場合においても、予め設定されたパスワードや生体情報は記憶部60に記憶される。
【0052】
このように、防犯モードを解除する旨、すなわち通信制御部91の自動応答モードを解除する旨が指定された場合、パスワードや生体情報の入力を要求し、操作部50を介して入力されたパスワードや生体情報が予め登録されたものである場合のみスピーカ81からの音情報の出力が停止する構成としたため、非常事態発生時において、携帯電話機100の所有者以外の者がスピーカ81からの音情報の出力を停止してしまうことを防止することができる。
【0053】
防犯モードの設定が解除された後に通話着信があった場合、通話制御部91の制御によって、設定に応じて、記憶部60に記憶された音情報のうち、予め指定された着信音が読み出されて音情報出力部80となるスピーカ81から出力されたり、振動によって着信が通知されたりすることになる。
【0054】
なお、上述した3つの実施の形態においては、通話制御部91が自動応答モードに設定された場合に、記憶部60に記憶された音情報がスピーカ81から出力されるものとして、トイレマナーモードや防犯モードを例に挙げて説明したが、その他に、インターネットのサイト上からダウンロードした音楽を記憶部60に記憶しておき、通話制御部91が自動応答モードに設定された状態において、この音楽をスピーカ81から出力するとともに、着信があった場合に自動応答する構成とすることも考えられる。このような構成とすることにより、記憶部60に記憶された音楽を視聴している間に着信があった場合、着信に応答することなく音楽を視聴し続けることができるようになる。なお、このように音楽を視聴するために設定される自動応答モードにおいては、記憶部60に記憶された音楽をスピーカ81から出力するのではなく、イヤホンを介して出力する構成としてもよい。また、このような音楽視聴モードにおいては、音楽を例えば1曲等の既定数曲(フレーズ単位や時間等の単位によって)出力した後に、利用者の設定解除の指示を待たずして、音楽視聴モードを解除してもよい。
【0055】
また、上述したように伝言モードボタン56を押下することによって設定されて音を出さずに自動応答する通常の自動応答モードと、例えばトイレマナーモード等の本発明の各種モードのいずれも設定可能な構成とすることはもちろんのこと、本発明の各種モード同士を組み合わせ、例えば、トイレマナーモードと防犯モードのいずれも設定可能な構成とすることも考えられる。その場合は例えば、トイレマナーモードについては、第2の実施の形態に示したもののように、表示部30となるディスプレイ31に表示されたメニュー画面を用いて設定を行い、防犯モードについては、第3の実施の形態し示したもののように、防犯モードボタン58を用いて設定を行うことが考えられる。また、この組み合わせに、上述した音楽視聴モードを組み合わせることも考えられる。
【0056】
また、上述した各種モードの設定を1つのボタンを用いて、1回押すと通常の自動応答モード、2回連続的に押すとトイレマナーモード、3回連続的に押すと防犯モードというようにしても良い。その場合、再度ボタンを押すことで、設定されたモードが解除されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の通話端末の実施の一形態となる携帯電話機の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1に示した携帯電話機の第1の実施の形態の外部構造を示す図であり、(a)は折り畳み状態における一方の面を示す図、(b)は見開いた状態における見開き面を示す図である。
【図3】図1及び図2に示した携帯電話機の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1に示した携帯電話機の第2の実施の形態の外部構造を示す図であり、(a)は折り畳み状態における一方の面を示す図、(b)は見開いた状態における見開き面を示す図である。
【図5】図1及び図4に示した携帯電話機の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【図6】図1に示した携帯電話機の第3の実施の形態の外部構造を示す図であり、(a)は折り畳み状態における一方の面を示す図、(b)は見開いた状態における見開き面を示す図である。
【図7】図1及び図6に示した携帯電話機100の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
10 アンテナ
20 無線制御部
30 表示部
31 ディスプレイ
40 音声入力部
41 マイク
50 操作部
51 テンキー
52 移動/指定ボタン
53a〜53d 機能設定ボタン
54 通話ボタン
55 電源ボタン
56 伝言モードボタン
57 トイレマナーボタン
58 防犯モードボタン
60 記憶部
70 通話音声出力部
71,81 スピーカ
80 音情報出力部
90 制御部
91 通話制御部
92 音発生制御部
93 通信制御部
100 携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話着信時に予め記憶された音声情報によって応答する自動応答モードに設定可能な通話手段と、
前記通話手段が前記自動応答モードに設定された場合に、予め設定された音情報を発生させる音情報発生手段とを有する通話端末。
【請求項2】
請求項1に記載の通話端末において、
前記音情報発生手段は、前記通話手段が前記自動応答モードに設定された場合に前記音情報を連続的に発生させることを特徴とする通話端末。
【請求項3】
請求項1に記載の通話端末において、
前記音情報発生手段は、前記通話手段が前記自動応答モードに設定された場合に前記音情報を断続的に発生させることを特徴とする通話端末。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通話端末において、
前記自動応答モードに設定するための操作ボタンを有することを特徴とする通話端末。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通話端末において、
前記音情報発生手段は、通信回線を介して取得された音情報を発生させることを特徴とする通話端末。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の通話端末において、
前記音情報が記憶された記憶手段を有し、
前記音情報発生手段は、前記記憶手段に記憶された音情報のうち指定された音情報を発生させることを特徴とする通話端末。
【請求項7】
請求項6に記載の通話端末において、
前記通話手段は、前記音声情報に対するメッセージ情報を前記記憶手段に記憶することを特徴とする通話端末。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の通話端末において、
前記自動応答モードは、前記音声情報が互いに異なる複数の応答モードを有し、
前記音情報発生手段は、前記通話手段が前記複数の応答モードのうち予め決められた1つの応答モードに設定された場合に前記音情報を発生させることを特徴とする通話端末。
【請求項9】
請求項8に記載の通話端末において、
前記音情報発生手段は、前記応答モードの設定を解除する旨が指定された場合、予め登録された情報が入力された場合にのみ、前記音情報の発生を停止することを特徴とする通話端末。
【請求項10】
通話着信時に予め記憶された音声情報によって応答する自動応答モードに設定可能な通話手段と、予め設定された音情報を発生させる音情報発生手段とを有する通話端末の動作方法であって、
前記通話手段が前記自動応答モードに設定された場合に、前記音情報発生手段から予め設定された音情報を発生させる、通話端末の動作方法。
【請求項11】
請求項10に記載の通話端末の動作方法において、
前記通話手段が前記自動応答モードに設定された場合、前記音情報発生手段から前記音情報を連続的に発生させることを特徴とする通話端末の動作方法。
【請求項12】
請求項10に記載の通話端末の動作方法において、
前記通話手段が前記自動応答モードに設定された場合、前記音情報発生手段から前記音情報を断続的に発生させることを特徴とする通話端末の動作方法。
【請求項13】
請求項10乃至12のいずれか1項に記載の通話端末の動作方法において、
通信回線を介して取得された音情報を前記音情報発生手段から発生させることを特徴とする通話端末の動作方法。
【請求項14】
請求項10乃至13のいずれか1項に記載の通話端末の動作方法において、
前記音情報を記憶手段に複数記憶しておき、該複数の音情報のうち指定された音情報を前記音情報発生手段から発生させることを特徴とする通話端末の動作方法。
【請求項15】
請求項14に記載の通話端末の動作方法において、
前記通話手段が、前記音声情報に対するメッセージ情報を前記記憶手段に記憶することを特徴とする通話端末の動作方法。
【請求項16】
請求項10乃至15のいずれか1項に記載の通話端末の動作方法において、
前記自動応答モードが、前記音声情報が互いに異なる複数の応答モードからなり、前記通話手段が前記複数の応答モードのうち予め決められた1つの応答モードに設定された場合に前記音情報発生手段から前記音情報を発生させることを特徴とする通話端末の動作方法。
【請求項17】
請求項16に記載の通話端末の動作方法において、
前記応答モードの設定を解除する旨が指定された場合、予め登録された情報が入力された場合にのみ、前記音情報発生手段からの前記音情報の発生を停止することを特徴とする通話端末の動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−49525(P2007−49525A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−233097(P2005−233097)
【出願日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】