説明

連続式予備乾燥方法および冷凍方法並びに連続式予備乾燥装置および冷凍装置

【課題】簡単に解凍時のドリップの発生を防止することが可能な連続式予備乾燥方法および冷凍方法並びに連続式予備乾燥装置および冷凍装置の提供。
【解決手段】密閉容器10の搬入口22aを開き、搬入口22aから密閉容器10内へ冷凍前の対象物Aを搬入し、搬送装置15上に載せ、搬入口22aを閉じて、密閉容器10を密閉し、対象物Aを所定温度以下に維持するため、この所定温度以下に対応する飽和蒸気圧以下に密閉容器10内を減圧し、密閉容器10の外部から密閉容器10内にキャリアガスを供給し、対象物Aを所定温度以下に維持してマイクロ波を照射するとともに、対象物Aにマイクロ波が均一に照射されるように搬送装置15を密閉容器10内で回転し、対象物Aの水分を所定量除去するように乾燥した後、密閉容器10の搬出口22bを開き、搬出口22bから密閉容器10外へ対象物Aを搬出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜、魚介類や果物等の生鮮食品等の冷凍対象物を、解凍の際にドリップが発生しないように冷凍するための連続式予備乾燥方法および冷凍方法並びに連続式予備乾燥装置および冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、野菜、魚介類や果物等の生鮮食品の鮮度を保つために、冷凍保存が行われている。冷凍保存は、凍結部内で被冷凍物を常温から−35℃〜−45℃まで急速冷凍することにより行われる。ところが、このような方法では、被冷凍物を解凍した際にドリップが発生してしまい、解凍物が水っぽくなってしまうという問題がある。ドリップの発生は、凍結時に細胞内の氷結晶が肥大化して細胞膜を破壊してしまうことに起因する。このように細胞膜が破壊されると、解凍時に、破壊された細胞膜から細胞内の水分が流出してドリップが発生することになる。
【0003】
このドリップの発生を防止する装置として、本発明者は、特許文献1に記載の連続式冷凍装置を開発している。この連続式冷凍装置では、対象物に高電圧を印加しながら常温から凍結点を基準にして0℃〜−5℃の範囲の温度まで凍結しないように冷却した後、凍結点〜−40℃まで急速凍結する。これにより、凍結時に細胞内の水分が肥大化されることなく、微細な氷結晶の状態を維持するようになるので、対象物は細胞膜を破壊されることなく冷凍される。
【0004】
ところで、特許文献2には、温度によって変質する対象物を変質させないようにマイクロ波を照射して減圧乾燥する方法が開示されている。この減圧乾燥方法では、減圧ポンプが接続されたチャンバ内に対象物を入れ、チャンバ内を減圧状態で、対象物にマイクロ波を照射して行うに際し、チャンバ内の減圧を対象物の変質温度に対応する飽和蒸気圧以下とし、チャンバの外部から該チャンバ内に気体を供給し、マイクロ波をオンオフ処理して、対象物の温度を対象物の変質温度未満に保持した状態で乾燥を行うことを特徴とする。
【0005】
また、この減圧乾燥装置は、対象物を搬送するコンベヤと、コンベヤによって搬送された対象物を減圧状態でマイクロ波を照射するマイクロ波乾燥室と、マイクロ波乾燥室の上流側に配置される予備減圧室と、マイクロ波乾燥室の下流側に配置される復圧室とを有しており、予備乾燥室、マイクロ波乾燥室、復圧室の順に、コンベヤによって対象物を所定間隔で連続的に搬送して乾燥することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−20116号公報
【特許文献2】国際公開第2005/100891号(段落0005,0050−0057、図12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の連続式冷凍装置では、対象物は細胞膜を破壊されることなく冷凍されるので、解凍時にドリップは発生しないが、対象物の温度および水分量に応じて冷却温度範囲を細かく制御する必要がある。
【0008】
そこで、本発明においては、より簡単に解凍時のドリップの発生を防止することが可能な連続式予備乾燥方法および冷凍方法並びに連続式予備乾燥装置および冷凍装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の連続式予備乾燥方法は、それぞれ開閉可能な搬入口および搬出口を備えた密閉容器の搬入口を開き、搬入口から密閉容器内へ冷凍前の対象物を搬入し、搬入口から搬入される対象物を搬出口側まで搬送する搬送装置上に対象物を載せ、搬入口を閉じて、密閉容器を密閉すること、対象物を所定温度以下に維持するため、この所定温度以下に対応する飽和蒸気圧以下に密閉容器内を減圧すること、密閉容器の外部から密閉容器内にキャリアガスを供給すること、対象物を所定温度以下に維持して密閉容器内の対象物にマイクロ波を照射するとともに、対象物にマイクロ波が均一に照射されるように搬送装置を密閉容器内で回転し、対象物の水分を所定量除去するように乾燥すること、密閉容器の搬出口を開き、搬出口から密閉容器外へ対象物を搬出することを含む連続式予備乾燥方法である。また、本発明の冷凍方法は、上記連続式予備乾燥方法により水分を所定量除去した対象物を冷凍することを含む冷凍方法である。
【0010】
本発明の連続式予備乾燥装置は、対象物を入れる密閉容器であり、それぞれ開閉可能な搬入口および搬出口を備えた密閉容器と、密閉容器内の対象物にマイクロ波を照射するマイクロ波照射装置と、マイクロ波照射装置によるマイクロ波の照射時に対象物を所定温度以下に維持するため、この所定温度に対応する飽和蒸気圧以下に密閉容器内を減圧する減圧装置と、密閉容器の外部から密閉容器内にキャリアガスを供給するガス供給装置と、搬入口から搬入される対象物を搬出口側まで搬送する搬送装置であり、対象物にマイクロ波が均一に照射されるように対象物を載せたまま密閉容器内で回転する搬送装置とを含む連続式予備乾燥装置である。また、本発明の冷凍装置は、上記連続式予備乾燥装置から搬出される対象物を冷凍する冷凍手段を含む冷凍装置である。
【0011】
これらの発明によれば、密閉容器に対して対象物を連続的に搬入および搬出しつつ、減圧された密閉容器内で対象物を搬送装置上に載せて回転させることで、対象物を所定温度以下に維持したまま、対象物の水分が所定量除去されるまでマイクロ波を照射し、マイクロ波の照射により蒸発した水をキャリアガスにより除去することで、対象物を均一に乾燥することができる。このとき、所定温度以下に維持して乾燥しているため、対象物は変質しない。そして、この水分が所定量除去されて均一に乾燥された状態で対象物を冷凍すると、凍結時に細胞内の水分が対象物全体に亘って肥大化されることなく、微細な氷結晶の状態を維持するようになり、対象物は細胞膜を破壊されることなく冷凍される。なお、特許文献2に記載のようにコンベヤによって対象物を所定間隔で連続液に搬送して乾燥させた場合には、マイクロ波は常時同じ方向から対象物に対して照射されることになるので、対象物は均一に乾燥されず、凍結時に細胞内の水分が部分的に肥大化されてしまい、対象物全体に亘って微細な氷結晶の状態を維持することができなくなる。
【0012】
ここで、乾燥は、対象物の水分を3〜10質量%除去するものであることが望ましい。対象物の水分を3〜10質量%除去することで、凍結した野菜、魚介類や果物等の生鮮食品等の冷凍対象物を解凍した際に、凍結前と比較して質の劣化がほとんどない冷凍食品を得ることができる。なお、対象物の水分を3質量%未満しか除去しない場合には、ドリップが発生しないように冷凍するために冷凍条件に注意する必要がある。また、対象物の水分を10%超除去した場合には、さらにドリップは発生しにくくなるが、質が劣化するようになる。
【発明の効果】
【0013】
(1)それぞれ開閉可能な搬入口および搬出口を備えた密閉容器の搬入口を開き、搬入口から密閉容器内へ冷凍前の対象物を搬入し、搬入口から搬入される対象物を搬出口側まで搬送する搬送装置上に対象物を載せ、搬入口を閉じて、密閉容器を密閉し、対象物を所定温度以下に維持するため、この所定温度以下に対応する飽和蒸気圧以下に密閉容器内を減圧し、密閉容器の外部から密閉容器内にキャリアガスを供給し、対象物を所定温度以下に維持して密閉容器内の対象物にマイクロ波を照射するとともに、対象物にマイクロ波が均一に照射されるように搬送装置を密閉容器内で回転し、対象物の水分を所定量除去するように乾燥し、密閉容器の搬出口を開き、搬出口から密閉容器外へ対象物を搬出する構成により、連続的に対象物を所定温度以下に維持したまま、対象物の水分が所定量除去されるまで均一に乾燥することができ、この対象物を冷凍することにより、簡単に、野菜、魚介類や果物等の生鮮食品等の対象物を、解凍の際にドリップが発生しないように冷凍することが可能となる。
【0014】
(2)乾燥は、対象物の水分を3〜10質量%除去するので、凍結した野菜、魚介類や果物等の生鮮食品等の冷凍対象物を解凍した際に、凍結前と比較して質の劣化がほとんどない冷凍食品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態における冷凍装置の概略構成図である。
【図2】図1の連続式予備乾燥装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は本発明の実施の形態における冷凍装置の概略構成図、図2は図1の連続式予備乾燥装置の分解斜視図である。
【0017】
図1および図2に示すように、本発明の実施の形態における冷凍装置は、主に連続式予備乾燥装置1と冷凍部2とから構成される。連続式予備乾燥装置1は、予備乾燥装置本体3、入口側および出口側それぞれの搬送装置4,5により構成される。予備乾燥装置本体3は、対象物Aを入れて密閉される密閉容器10と、マイクロ波を照射するマイクロ波照射装置11と、密閉容器10内を減圧する減圧装置12と、密閉容器10内にキャリアガスを供給するガス供給装置13と、密閉容器10内の圧力を示す圧力ゲージ14と、密閉容器10内で対象物Aを搬送する搬送装置15とを備えている。
【0018】
密閉容器10は、それぞれ開閉可能な開閉扉21a,21bを備えた搬入口22aおよび搬出口22bを有している。搬送装置15は、一対のローラ15a,15b、およびこれらのローラ15a,15bに掛け回された無端環状体としてのコンベアネット15c等から構成される。また、密閉容器10内には、この搬送装置15を鉛直軸周りに回転させる回転装置16を備えている。
【0019】
マイクロ波照射装置11は、マイクロ波発生素子としてのマグネトロンによって、周波数が2450MHz(2.45GHz)のマイクロ波を発生するものである。マイクロ波は、波長の範囲がおよそ1〜30cm、周波数の範囲が1000MHz〜30GHzの電磁波である。マイクロ波照射装置11によって、マグネトロンで発生するマイクロ波を回転装置16によって回転させる搬送装置15上の対象物Aに照射して、対象物A中の水分子を振動させ、水だけを温めて蒸発させて対象物Aを乾燥する。なお、マイクロ波照射装置11としては、導波管やアンテナなども使用できる。
【0020】
減圧装置12は、密閉された密閉容器10内の空気を減圧ポンプ(図示せず。)によって吸引することにより、所定の圧力まで減圧するものである。減圧装置12は、圧力調整弁17を介して密閉容器10に接続されている。なお、減圧装置12による密閉容器10内の減圧は、対象物Aを所定温度以下に維持して乾燥させるため、この所定温度以下に対応する飽和蒸気圧以下まで行うものとする。
【0021】
ガス供給装置13は、圧力調整弁18および流量調整弁19を介して密閉容器10に接続されている。ガス供給装置13により供給するキャリアガスとしては、窒素や空気などがある。このキャリアガスにより、マイクロ波の照射によって蒸発した水を密閉容器10外へ放出することができる。このように密閉容器10内の水を除去することにより、密閉容器10内の湿度を下げることができるので、乾燥が促進される。
【0022】
搬送装置4,5は、搬送装置15と同様に、それぞれ一対のローラ30a,30b、およびこれらのローラ30a,30bに掛け回された無端環状体としてのコンベアネット30c等から構成される。また、搬送装置4,5は、それぞれ密閉容器10の搬入口22aおよび搬出口22bに向かって進退移動するようになっている。また、搬送装置4には、入口側(図1の左側)に対象物Aを検知する入口センサ31aが、出口側(図1の右側)に対象物Aを検知する出口センサ31bが設けられている。
【0023】
冷凍部2は、搬送装置6と、冷凍機40と、この冷凍機40により−35℃〜−45℃に冷却された空気(冷気)を対象物Aに吹き付けるファン41とを備えている。搬送装置6は、搬送装置15と同様に、それぞれ一対のローラ60a,60b、およびこれらのローラ60a,60bに掛け回された無端環状体としてのコンベアネット60c等から構成される。
【0024】
次に、上記構成の冷凍装置による野菜、魚介類や果物等の生鮮食品等の対象物の冷凍方法について説明する。
【0025】
まず、対象物Aが、搬送装置4の入口センサ31aによりコンベアネット30c上に入ったことが検知されると、コンベアネット30cの運転が開始され、対象物Aが入口側から出口側に向かって搬送される。そして、出口センサ31bにより対象物Aが検知されると、コンベアネット30cの運転が停止される。
【0026】
次に、密閉容器10の搬入口22aおよび搬出口22bの開閉扉21a,21bが開き、搬送装置4が密閉容器10の搬入口22aに向かって進行する。そして、コンベアネット30c上の対象物Aを搬送装置15のコンベアネット15c上へ移送可能な位置へ達すると搬送装置4の進行を停止する。このとき、密閉容器10の搬出口22b側の搬送装置5も同様に搬出口22bに向かって進行し、コンベアネット15c上の対象物Aを搬送装置5のコンベアネット30c上に移送可能な位置へ達すると停止する。
【0027】
そして、搬送装置4,15,5のそれぞれのコンベアネット30c,15c,30cを運転し、搬送装置4のコンベアネット30c上の対象物Aを搬送装置15のコンベアネット15c上へ移送する。このとき、前工程において水分除去された搬送装置4のコンベアネット30c上の対象物Aは、搬送装置5のコンベアネット30c上に移送される。そして、出口センサ31bにより対象物Aが搬送装置15のコンベアネット15c上に移送されたことが検知されると、コンベアネット30c,15c,30cを停止し、搬送装置4,5をそれぞれ搬入口22aおよび搬出口22bから後退させる。
【0028】
続いて、密閉容器10の搬入口22aおよび搬出口22bの開閉扉21a,21bを閉じて密閉し、減圧装置12により密閉容器内の空気を吸引して所定圧力まで減圧する。減圧装置12による密閉容器10内の減圧は、対象物Aを所定温度以下に維持して乾燥させるため、この所定温度以下に対応する飽和蒸気圧以下まで行う。また、回転装置16により搬送装置15の回転を開始する。
【0029】
そして、回転装置16により搬送装置15を回転させたまま、マイクロ波照射装置11によりマイクロ波を照射する。これにより、対象物A中の水分子が振動し、水だけが温められて蒸発し、対象物Aが乾燥される。また、このとき、ガス供給装置13により密閉容器10内にキャリアガスを供給しながら、減圧装置12による吸引を行うことで、マイクロ波の照射によって蒸発した水を密閉容器10外へ放出する。
【0030】
この対象物Aの水分除去は、対象物Aの3〜10質量%、例えば対象物Aが魚介類の場合には3〜7質量%、野菜や果物などの場合には7〜10質量%が除去されるように、マイクロ波の照射時間を調整する。そして、所定量の水分除去が完了すると、マイクロ波照射装置11、減圧装置12、ガス供給装置13および回転装置16を停止する。なお、回転装置16は、搬送装置15のコンベアネット15cが搬送装置4,5のコンベアネット30cと対象物Aの移送可能な位置で停止する。
【0031】
そして、密閉容器10の搬入口22aおよび搬出口22bの開閉扉21a,21bが開き、搬送装置5が密閉容器10の搬出口22bに向かって進行する。そして、コンベアネット15c上の対象物Aを搬送装置5のコンベアネット30c上へ移送可能な位置へ達すると、搬送装置5の進行を停止する。そして、コンベアネット15c,30cを運転し、搬送装置15のコンベアネット15c上の対象物Aを搬送装置5のコンベアネット30c上へ移送する。このとき、前述のように密閉容器10の搬入口21a側の搬送装置4も動作させ、次の対象物Aを搬送装置15のコンベアネット15c上へ移送することで、連続的に乾燥を行う。
【0032】
こうして、搬送装置5のコンベアネット30c上に対象物Aが移送されると、コンベアネット30cを停止し、搬送装置5を搬出口22bから後退させ、冷凍部2の搬送装置6のコンベアネット60c上へ移送可能な位置で停止する。そして、搬送装置5,6のコンベアネット30c,60cを運転し、対象物Aをコンベアネット30cからコンベアネット60cへ移送する。
【0033】
コンベアネット60c上へ移送された対象物Aは、コンベアネット60cにより冷凍部2内を移動し、冷凍機40により−35℃〜−45℃に冷却された冷気がファン41により吹き付けられ、急速冷凍されて、冷凍部2外へ搬送される。これにより、冷凍された対象物Aが得られる。この冷凍された対象物Aは、解凍した際にドリップが発生することがなく、凍結前と比較して質の劣化がほとんどないものとなる。
【0034】
以上のように、本実施形態における連続式予備乾燥装置1では、対象物Aを変質しない所定温度以下に維持するため、この所定温度以下に対応する飽和蒸気圧以下に密閉容器10内を減圧してマイクロ波を照射するとともに、対象物Aにマイクロ波が均一に照射されるように搬送装置15を密閉容器10内で回転し、対象物Aの水分を所定量除去するように乾燥するので、連続的に対象物を所定温度以下に維持したまま、対象物の水分が所定量除去されるまで均一に乾燥することができる。そして、この対象物Aを冷凍部2により冷凍することにより、簡単に、野菜、魚介類や果物等の生鮮食品等の対象物Aを、解凍の際にドリップが発生しないように冷凍することが可能である。
【0035】
なお、本実施形態においては、連続式予備乾燥装置1が1台の構成であるが、乾燥に長時間を要する対象物Aを乾燥する場合には、この連続式予備乾燥装置1を対象物Aの移送方向に2台以上複数並べて直列配置することにより対応可能である。また、大量の対象物Aを処理するためには、連続式予備乾燥装置1を並列配置することに対応可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、野菜、魚介類や果物等の生鮮食品等の冷凍対象物を、解凍の際にドリップが発生しないように冷凍するための方法および装置として有用である。
【符号の説明】
【0037】
A 対象物
1 連続式予備乾燥装置
2 冷凍部
3 予備乾燥装置本体
4,5,6 搬送装置
10 密閉容器
11 マイクロ波照射装置
12 減圧装置
13 ガス供給装置
14 圧力ゲージ
15 搬送装置
15a,15b ローラ
15c コンベアネット
16 回転装置
17,18 圧力調整弁
19 流量調整弁
21a,21b 開閉扉
22a 搬入口
22b 搬出口
30a,30b ローラ
30c コンベアネット
31a 入口センサ
31b 出口センサ
40 冷凍機
41 ファン
60a,60b ローラ
60c コンベアネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ開閉可能な搬入口および搬出口を備えた密閉容器の前記搬入口を開き、前記搬入口から前記密閉容器内へ冷凍前の対象物を搬入し、前記搬入口から搬入される前記対象物を前記搬出口側まで搬送する搬送装置上に前記対象物を載せ、前記搬入口を閉じて、前記密閉容器を密閉すること、
前記対象物を所定温度以下に維持するため、この所定温度以下に対応する飽和蒸気圧以下に前記密閉容器内を減圧すること、
前記密閉容器の外部から前記密閉容器内にキャリアガスを供給すること、
前記対象物を所定温度以下に維持して前記密閉容器内の前記対象物にマイクロ波を照射するとともに、前記対象物に前記マイクロ波が均一に照射されるように前記搬送装置を前記密閉容器内で回転し、前記対象物の水分を所定量除去するように乾燥すること、
前記密閉容器の前記搬出口を開き、前記搬出口から前記密閉容器外へ前記対象物を搬出すること
を含む連続式予備乾燥方法。
【請求項2】
前記乾燥は、前記対象物の水分を3〜10質量%除去するものである請求項1記載の連続式予備乾燥方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の連続式予備乾燥方法により水分を所定量除去した前記対象物を冷凍することを含む冷凍方法。
【請求項4】
対象物を入れる密閉容器であり、それぞれ開閉可能な搬入口および搬出口を備えた密閉容器と、
前記密閉容器内の前記対象物にマイクロ波を照射するマイクロ波照射装置と、
前記マイクロ波照射装置による前記マイクロ波の照射時に前記対象物を所定温度以下に維持するため、この所定温度に対応する飽和蒸気圧以下に前記密閉容器内を減圧する減圧装置と、
前記密閉容器の外部から前記密閉容器内にキャリアガスを供給するガス供給装置と、
前記搬入口から搬入される前記対象物を前記搬出口側まで搬送する搬送装置であり、前記対象物に前記マイクロ波が均一に照射されるように前記対象物を載せたまま前記密閉容器内で回転する搬送装置と
を含む連続式予備乾燥装置。
【請求項5】
請求項4記載の連続式予備乾燥装置から搬出される前記対象物を冷凍する冷凍手段を含む冷凍装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−210189(P2010−210189A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−58625(P2009−58625)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(302040054)株式会社フリーザーシステム (3)
【Fターム(参考)】