進路評価装置
【課題】他車両のドライバの操作を配慮した進路を走行することが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる進路評価装置を提供する。
【解決手段】進路評価装置60は、自車両81の進路候補a1,a2を生成する進路候補生成部61と、他車両82の進路b1,b2,・・・,b9を予測する進路予測部62と、自車両81の進路候補a1,a2と他車両82の予測進路b1,b2,・・・,b9との干渉状態を複数の干渉形態に分類する分類部63と、分類部63において分類された干渉形態に基づいて自車両81の進路を評価する進路評価部64とを備えている。
【解決手段】進路評価装置60は、自車両81の進路候補a1,a2を生成する進路候補生成部61と、他車両82の進路b1,b2,・・・,b9を予測する進路予測部62と、自車両81の進路候補a1,a2と他車両82の予測進路b1,b2,・・・,b9との干渉状態を複数の干渉形態に分類する分類部63と、分類部63において分類された干渉形態に基づいて自車両81の進路を評価する進路評価部64とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両を走行制御する際等に用いる自車両の進路を生成する進路評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自車両の周囲における可動物を検出し、この可動物と自車両との衝突可能性を判定し、この衝突可能性を危険度として出力する危険度取得装置が知られている。この危険度取得装置を用いる技術として、例えば、衝突防止装置がある。
【0003】
例えば、特許文献1では、自車両およびこの自車両の周囲にある他車両の可能進路をそれぞれの走行状態に基づいて複数算出し、これらの進路に基づいて最前自車両進路衝突確率(自車両危険度)を算出すると共に、自車両の走行状態をオフセットさせた自車両オフセット走行状態に基づいて算出された自車両の可能進路と他車両の可能進路とに基づいて、最前自車両進路衝突確率(オフセット危険度)を算出する衝突防止装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−20745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の危険度取得装置のように危険度を考慮することに加えて、例えば、自車両の走行により他車両のドライバに急激な回避操作や制動操作を強いることのないよう、他車両のドライバへも配慮した進路を生成することが好ましい。
【0006】
本発明の課題は、他車両のドライバの操作に配慮した進路を走行することが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる進路評価装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の進路評価装置は、自車両の進路候補を生成する進路候補生成手段と、他移動体の進路を予測する進路予測手段と、自車両の進路候補と他移動体の予測進路との干渉の形態を複数の干渉形態に分類する分類手段と、分類手段において分類された干渉形態に基づいて自車両の進路候補を評価する進路評価手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
なお、ここでいう「進路」とは、時間、速度等の時間的要素を含む概念をいい、これら時間的要素の概念を含まない「経路」とは異なる。また、「干渉」とは、車両幅、車両長さを考慮した自車両と他車両とが、平面的に交差することをいう。
【0009】
本発明の進路評価装置によれば、予め記憶された複数の干渉形態のパターンに基づいて自車両の進路候補と他移動体の予測進路との干渉の形態が複数の干渉形態に分類される。これにより、自車両が他移動体の進路を干渉する干渉の形態を1つの干渉形態として分類することができ、また、避けるべき進路候補として高く評価することが可能となる。この結果、他車両のドライバの操作に配慮した進路を走行することが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる。
【0010】
また、本発明の進路評価装置では、分類手段は、干渉に至るまでの自車両及び他移動体の挙動に基づいて干渉形態を分類してもよい。これにより、分類手段は、自車両が他移動体進路を干渉しているのか、他移動体が自車両進路を干渉しているのかという点を考慮して干渉形態を分類することが可能となる。
【0011】
また、本発明の進路評価装置では、分類手段は、少なくとも、自車両が他移動体の進路を干渉する形態と、他移動体が自車両の進路を干渉する形態とに分類し、進路評価手段は、他移動体が自車両の進路を干渉する形態と比べて、自車両が他移動体の進路を干渉する状態を回避すべき進路として高く評価してもよい。これにより、他移動体に対し自車両が避けるべき状況において生じる干渉を回避することができる。この結果、他車両のドライバの操作に配慮した進路を走行することが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる。
【0012】
本発明の進路評価装置は、自車両の進路候補を生成する進路候補生成手段と、他移動体の進路を予測する進路予測手段と、自車両の進路候補と他移動体の予測進路との干渉の形態を客観的な数値で示す客観化手段と、客観化手段において示された数値に基づいて自車両の進路候補を評価する進路評価手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
なお、ここでいう「進路」についても、時間、速度等の時間的要素を含む概念をいい、これら時間的要素の概念を含まない「経路」とは異なる。また、「干渉」も上記と同様に、車両幅、車両長さを考慮した自車両と他車両とが、平面的に交差することをいう。なお、干渉状態の客観的な数値化は、自車両、または、他車両の状態(例えば、位置、速度、方向)に基づいて算出される。
【0014】
本発明の進路評価装置によれば、予め定められた客観的な数値化のルールに従って干渉形態が数値化される。これにより、自車両が他移動体の進路を干渉する干渉の形態を数値化することができ、また、避けるべき進路候補として高く評価することが可能となる。この結果、他車両のドライバの操作を配慮した進路を走行することが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる。
【0015】
また、本発明の進路評価装置では、客観化手段は、干渉に至るまでの自車両及び他移動体の挙動に基づいて干渉の形態を客観的な数値で示してもよい。これにより、分類手段は、自車両が他移動体進路を干渉しているのか、他移動体が自車両進路を干渉しているのかという点を考慮して干渉形態を数値化することが可能となる。
【0016】
また、本発明の進路評価装置では、客観化手段は、自車両が移動体の進路を干渉する確率を示す干渉率を算出し、進路評価手段は、干渉率が高いほど、回避すべき進路として高く評価してもよい。これにより、他車両に対し自車両が避けるべき状況において生じる干渉を回避することができる。この結果、他車両のドライバの操作を配慮した進路を走行することが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、他車両のドライバの操作を配慮した進路を走行することが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る進路評価装置を含む走行支援装置の機能構成を示したブロック図である。
【図2】図1の進路候補生成部、進路予測部が生成する進路を示した図である。
【図3】図1の走行支援装置における動作を示したフローチャートである。
【図4】従来の進路予測演算の問題点を模式的に示す図である。
【図5】図1の走行支援装置の干渉評価方法における進路予測演算の利点を模式的に示す図である。
【図6】(a)(b)は、図1の走行支援装置の効果を説明する図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る進路評価装置を含む走行支援装置の機能構成を示したブロック図である。
【図8】図7の進路候補生成部、進路予測部が生成する進路を示した図である。
【図9】図1、図7の分類部が干渉状態を分類する基準を説明する図である。
【図10】図1、図7の分類部が干渉状態を分類する基準を説明する図である。
【図11】図1、図7の分類部が干渉状態を分類する基準を説明する図である。
【図12】図1、図7の分類部が干渉状態を分類する基準を説明する図である。
【図13】(a)(b)は、図1、図7の分類部が干渉状態を分類する基準を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の第1実施形態に係る進路評価装置60を含む走行支援装置1について、図1〜図6を用いて説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図1は、本発明に係る進路評価装置60を含む走行支援装置1の機能構成を示したブロック図である。
【0020】
走行支援装置1は、車両状態検出部2、環境状況取得部3、車両制御ECU(Electronic Control Unit)6、表示部8及び走行出力部9を含んで構成されている。
【0021】
車両状態検出部2は、車両の位置情報、車速情報などを検出する車両状態検出手段として機能するものであり、例えば、GPS(Global Positioning System)や車輪速センサ等が用いられる。GPSは、車両の位置情報を取得する。車輪速センサは、例えば、車両のホイール部分に取り付けられており、車両の車輪速度を取得する。車両状態検出部2は、車両制御ECU6に接続されており、取得した位置情報や車輪速度情報等の車両状態情報を車両制御ECU6へ出力する。
【0022】
環境状況取得部3は、自車両81の周囲の環境状況情報を取得する環境状況取得手段として機能するものであり、例えば、車車間通信装置、路車間通信装置、ミリ波やレーザを用いたレーダセンサ等が用いられる。車車間通信装置、路車間通信装置を用いる場合、他車両(他移動体)82の位置情報、車速情報を取得することができる。また、ミリ波レーダセンサ等を用いることにより、他車両82及び進路上の障害物の位置情報、相対速度情報を取得することができる。環境状況取得部3は、車両制御ECU6に接続されており、取得した自車両81の周囲の環境状況情報を車両制御ECU6へ出力する。
【0023】
車両制御ECU6は、走行支援装置1の装置全体の制御を行うものであって、例えば、図示しないCPU、ROM、RAMを含むコンピュータを主体として構成されている。車両制御ECU6は、車両状態検出部2、環境状況取得部3、表示部8及び走行出力部9と接続されており、車両状態検出部2及び環境状況取得部3から各種情報の入力が行われ、表示部8及び走行出力部9に各種情報を出力する。また、車両制御ECU6は、進路候補生成部(進路候補生成手段)61と、進路予測部(進路予測手段)62と、分類部(分類手段)63と、進路評価部(進路評価手段)64とを含む進路評価装置60を有している。
【0024】
進路候補生成部61は、図2に示すように、自車両81の進路候補a1,a2を生成する。進路候補生成部61は、車両状態検出部2から入力される自車両81の位置、速度、向き等の情報から自車両81の未来の位置、速度、向き等の状態を予測する。そして、進路候補生成部61は、予測した自車両81の未来の状態における情報を進路候補a1,a2として生成し、分類部63に生成した進路候補a1,a2を出力する。
【0025】
進路予測部62は、図3に示すように、走行環境に基づいて他車両82等、他の移動体の進路b1,b2,・・・,bnを予測する。進路予測部62は、環境状況取得部3から入力される他の移動体の位置、速度、向き等の情報から他移動体の未来の位置、速度、向き等の状態を予測する。そして、進路予測部62は、予測した他移動体の未来の状態における情報を進路b1,b2,・・・,bnとして予測し、分類部63に予測した進路b1,b2,・・・,bnを出力する。なお、一般的に、他車両82の進路b1,b2,・・・,bnは、自車両81の進路候補と比べて網羅的に予測される。
【0026】
分類部63は、進路候補生成部61において生成された自車両81の進路候補a1,a2と、進路予測部62において予測された他移動体の予測進路b1,b2,・・・,bnとの干渉の状態を複数の干渉形態に分類する。具体的には、分類部63は、自車両81が他車両82の進路を干渉する干渉形態と、他車両82が自車両81の進路を干渉する干渉形態とに分類する。ここで、自車両81が他車両82の進路を干渉する状態とは、他車両82に対し自車両81が避けるべき状況において生じた干渉形態と定義する。
【0027】
進路評価部64は、分類部63において分類された干渉形態に基づいて自車両81の進路候補a1,a2を評価する。具体的には、進路評価部64は、分類部63によって自車両81が他車両82の進路を干渉する干渉形態と分類された進路候補を、自車両81が回避すべき進路として高く評価する。例えば、進路評価部64は、図2に示すように、自車両進路候補a1,a2と他車両予測進路b1,b2,・・・,b9との交差部について、自車両81が他車両82の進路を干渉しているのか、または、他車両82が自車両81の進路を干渉しているのかを判定する。次に、進路評価部64は、進路候補生成部61が生成したそれぞれの進路候補a1,a2について前述した交差部の干渉状態が、自車両81が他車両82の進路を干渉する交差部を1つでも有する場合、自車両81が回避すべき進路であるとして高く評価する。ここで、図2の○は、自車両81が他車両82の進路を干渉する交差部、図2の□は、他車両82が自車両81の進路を干渉する交差部を示している。
【0028】
なお、進路評価装置60を主に構成する進路候補生成部61と、進路予測部62と、分類部63と、進路評価部64とは、コンピュータにプログラムを導入することで構成してもよいし、個々のハードウェアによって構成してもよい。
【0029】
走行出力部9は、図1に示すように、車両制御ECU6に接続されており、車両制御ECU6の制御信号を受けて自車両81の運転走行、例えば、走行駆動、制動動作及び操舵操作を行う。走行出力部9としては、例えば、エンジンのスロットルバルブの開度を調整するアクチュエータを制御する走行駆動用ECU、ブレーキ油圧を調整するブレーキアクチュエータを制御する制動用ECU、操舵トルクを付与するステアリングアクチュエータを制御する操舵用ECU等が該当する。走行出力部9は、進路評価部64により自車両81が走行してもよいと高く評価された進路に従って自車両81の運転走行、例えば、走行駆動、制動動作及び操舵操作を行う。
【0030】
次に、進路評価装置60の動作について、図3を用いて説明する。図3は、進路評価装置60が実行する特徴的な処理の流れを示すフローチャートである。
【0031】
まず、車両状態検出部2は、自車両81の状態(位置、速度等)を取得する(S01)。そして、車両状態検出部2は、取得した情報を車両制御ECU6に出力する。
【0032】
次に、環境状況取得部3は、自車両81周辺にある他物体の位置および状態を取得し(S02)、取得した情報を車両制御ECU6に出力する。以後、他物体の位置は、他物体の中心の値であるとし、他物体の状態は、位置、速度等によって特定されるものとする。
【0033】
ところで、以下の工程で実行する軌跡を生成する演算を行う際、自車両81が予め設定された場所(目的地もしくは目的地に類する中間的な場所)に到達したか否かではなく、所定の期間で予測演算を打ち切る構成とすることは技術思想上重要である。一般に道路上では、事前に安全が保障されている場所はない。例えば、図4に示すように、3車線の道路Rdを走行する自車両O1が予め設定された場所Q1、Q2、Q3へ順次到達するとして予測を行うとき、その設定された場所に向けて自車両O1が同じ車線をほぼ直進していく場合を考慮に入れると、他車両O3が進路B3を取ることによって危険を回避するために進路B2をとって、他車両O2が自車両O1の走行している車線に進入してくるおそれがある。このように、従来の進路予測演算では、自車両O1が予め設定された場所へ走行するのが安全であるということまでは事前に保証されない。
【0034】
本実施形態においては、自車両O1が到達すべき目的地等の場所を予め定めることなく、その都度最適な進路を判断しているため、図4と同じ状況下で、例えば、図5に示すような進路B1を自車両O1の進路として選択することができ、自車両O1が走行する際の危険を適確に回避して、安全性を確保することが可能となる。
【0035】
図3に戻り、進路予測部62は、環境状況取得部3において取得された他物体の位置及び状態に関する情報から他物体の未来の位置、状態を予測し、図3に示すような他物体の進路b1,b2,・・・,b9を予測する(S03)。なお、以下の説明では、他物体を他車両82として説明を行うが、車両以外の人、障害物等を対象としてもよい。
【0036】
次に、進路候補生成部61は、車両状態検出部2において取得された自車両81周辺の物体の状態に関する情報から、自車両81の未来の位置、状態を予測し、図3に示すような進路候補a1,a2を生成する(S04)。具体的には、進路候補生成部61は、物体ごとに時間および空間から構成される時空間上の進路を生成する。なお、上記進路を生成するにあたっては、環境状況取得部3で取得した物体の総数(自車両81を含む)をKとし、一つの物体Ok(1≦k≦K、kは自然数)に対して進路を生成する演算をNk回行うものとする(この意味で、kおよびNkはともに自然数)。また、進路を生成する時間(軌跡生成時間)をT(>0)とする。なお、上記進路は、公知の方法によって算出することが可能であり、例えば、特開2007−230454公報に記載される方法によって算出することができる。
【0037】
次に、分類部63は、進路候補生成部61において生成された自車両81の進路候補a1,a2と、進路予測部62において予測された他移動体の予測進路b1,b2,・・・,b9との干渉状態を判定する(S05)。具体的には、図3に示すように、自車両81の進路候補a1,a2と、他車両82の予測進路b1,b2,・・・,b9との交差部について、自車両81が他車両82の進路を干渉しているのか、他車両82が自車両81の進路を干渉しているのかを判定する。なお、分類部63が上記干渉状態を分類するにあたっては、他車両への配慮を実現可能となる分類方法であればよく、例えば、干渉直前の進路のスムーズさ(曲率、加減速度等)の力学的な条件に基づく分類、交通ルールやマナーの遵守度、自動車保険の過失割合、裁判判例等の社会的規範に基づく分類、さらには各車両性能をも考慮した分類(自転車、小型車両には、より慎重を期する)等を行うことが可能である。
【0038】
次に、分類部63は、ステップS05において判定された干渉状態に基づいて、進路候補を干渉形態別に分類する(S06)。ここでは、「自車両81が他車両進路を干渉する干渉形態」と「他車両82が自車両進路を干渉する干渉形態」とに分類される。分類部63は、図2示すように、進路候補a1,a2の中に自車両81が他車両進路を干渉する交差部(図3で示す○)を1つでも有する場合、その進路候補を、「自車両81が他車両進路を干渉する干渉形態」に分類する。図3において具体的に示すと、進路候補a1は、自車両81が他車両進路を干渉する交差部(図3で示す○)を有しているので、「自車両81が他車両進路を干渉する干渉形態」に分類され、進路候補a2は、他車両82が自車両進路を干渉する交差部(図3で示す□)のみで構成され、自車両81が他車両進路を干渉する交差部(図3で示す○)を有していないので、「他車両82が自車両進路を干渉する干渉形態」に分類される。ここで、進路候補の中に「他車両82が自車両進路を干渉する干渉形態」がない場合(S06:NO)、ステップS04に戻り、もう一度、進路候補を生成する(S04)。
【0039】
次に、ステップS06において、進路候補a1,a2の中に「自車両81が他車両進路を干渉する干渉形態」がない場合(S06:YES)、進路評価部64は、その進路候補を自車両81が進むべき進路として高く評価する(S07)。そして、走行出力部9は、進路評価部64により自車両81が走行してもよいと高く評価された進路に従って自車両81の運転走行、例えば、走行駆動、制動動作及び操舵操作を行う(S08)。
【0040】
以上に説明したように本実施形態の走行支援装置1によれば、分類部63が、予め記憶された複数の干渉形態のパターンに基づいて干渉形態を分類し、進路評価部64が、その分類結果に基づいて進路候補を評価する。これにより、自車両81が他車両82の進路を干渉する干渉の形態を1つの干渉形態として分類することができ、また、避けるべき進路候補として高く評価することが可能となる。この結果、他車両82のドライバの操作を配慮した進路を走行することが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる。
【0041】
ここで、図6(a)、図6(b)を用いて、T字路に他車両82aと連なって本線道路90に進入する場合の走行制御について、本実施形態の走行支援装置1による効果を説明する。
【0042】
従来の走行支援装置によれば、自車両の進路候補と他車両の予測進路との干渉形態を区別せずに、危険度が小さいと判定された進路に従って自車両81が走行制御される。このため、危険度が小さい場合には、例え、図6(a)に示すように、自車両81が本線道路90に進入する進路が他車両82aの進路を干渉する場合であっても、本線道路90に進入するように自車両81が走行制御される。そして、この場合の自車両81の動きは、他車両82aの進路を干渉するもの、すなわち、他車両82aに対し自車両81が避けるべき状況において生じる干渉である。このため、他車両82aのドライバに対して、急激な回避操作、制動操作を強いらせてしまうおそれがある。
【0043】
一方、本実施形態の走行支援装置1によれば、複数の進路候補において、前述したような本線道路90に進入する進路が最も危険度が低いと判定された場合であっても、分類部63が、その進路を「自車両81が他車両進路を干渉する干渉形態」に分類した場合、進路評価部64は、その進路を自車両81が回避すべき進路であると高く評価する。そして、進路評価部64は、分類部63によって「他車両82bが自車両進路を干渉する干渉形態」に分類された進路、すなわち、図6(b)に示すように、本線道路90に進入しない進路を自車両81が進むべき進路であると高く評価する。これにより、他車両82aに対し自車両81が避けるべき状況において生じる干渉を回避することができる。この結果、他車両82aのドライバの操作を配慮した進路を走行することが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる。一方、他車両82aに対しては、自車両81に対し他車両82bが避けるべき状況において生じる干渉となり、自車両81と協力して干渉を避けることが可能となる。
【0044】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0045】
上記実施形態においては、図1に示すように、進路評価装置60は、進路候補生成部61と、進路予測部62と、分類部63と、進路評価部64とを含む例を挙げて説明したがこれに限るものではない。例えば、進路評価装置65は、図7に示すように、進路候補生成部61と、進路予測部62と、客観化部(客観化手段)66と、進路評価部(進路評価手段)67とを含んでいてもよい。なお、進路候補生成部61と進路予測部62とは、上記実施形態の進路評価装置60に含まれるものと同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0046】
客観化部66は、図8に示すように、進路候補生成部61において生成された自車両81の進路候補a11,a12,a13と、進路予測部62において予測された他車両82の予測進路b11,b12,・・・,b20との干渉状態を客観的な数値で示す。具体的には、客観化部66は、他車両干渉率を算出する。ここで、「他車両干渉率」とは、進路候補a11,a12,a13と予測進路b11,b12,・・・,b20との全交差部における自車両81が他車両進路を干渉する交差部(図8で示す○)の割合をいう。図8において具体的に示すと、進路候補a11は、全交差部が10箇所、自車両81が他車両進路を干渉する交差部(図3で示す○)が8箇所有るので、他車両干渉率は80%となる。同様に、進路候補a11の他車両干渉率は50%、進路候補a13は0%となる。
【0047】
進路評価部67は、客観化部66において示された数値に基づいて自車両81の進路を評価する。具体的には、進路評価部64は、客観化部66によって示された他車両干渉率の低い進路候補を、自車両81が回避すべき進路として高く評価する。例えば、進路評価部67は、他車両干渉率が20%以下の進路候補を自車両81が回避すべき進路であるとして高く評価する。なお、他車両干渉率の閾値は適宜設定することが可能である。
【0048】
本実施形態の進路評価装置65によれば、予め定められた客観的な数値化のルールに従って干渉形態を数値化している。これにより、自車両81が他車両進路を干渉する干渉形態を特定することが可能となり、また、避けるべき進路候補として高く評価することが可能となる。この結果、他車両82のドライバの操作を配慮した進路を走行することが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる。
【0049】
また、走行支援装置1は、図7に示すように、表示部8をさらに備えていてもよい。表示部8は、進路評価部67において評価された進路候補の内容を表示する手段であり、例えば、モニタに表示したり、フロントガラスに投影したりする。具体的には、表示部8は、進路評価部67による進路候補の評価において、例えば、「他車両が自車両進路を干渉する干渉形態」と特定された進路と、「自車両が他車両進路を干渉する干渉形態」と特定された進路とを色分けして表示する。これにより、ドライバに対して自車両が進むべき進路、または、回避すべき進路を示すことが可能となる。
【0050】
また、走行支援装置1は、表示部8を有し、走行出力部9は有していなくてもよい。この場合であっても、ドライバに対して「他車両が自車両進路を干渉する干渉形態」である進路を認識させることができる。この場合であっても、ドライバは表示部8に示された進路に従って自車両を制御することが可能となる。この結果、自車両81を、他車両82のドライバの操作を配慮した進路を走行させることが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる。
【0051】
また、上記実施形態の走行支援装置1においては、分類部63が上記干渉状態を分類するにあたって、他車両への配慮を実現可能となる分類方法であればよく、例えば、干渉直前の進路のスムーズさ(曲率、加減速度等)の力学的な条件に基づく分類、交通ルールやマナーの遵守度、自動車保険の過失割合、裁判判例等の社会的規範に基づく分類、さらには各車両性能をも考慮した分類(自転車、小型車両には、より慎重を期する)等を行うことが可能であることを示した。以下に、分類部63が干渉状態を分類する方法を具体的に説明する。
【0052】
例えば、図9に示すように、自車両81の向きと自車両81が位置する領域A1の進行方向との角度αに基づいて他車両82の進路を干渉する可能性を判定してもよい。例えば、自車両81の向きと自車両81が存在する領域の進行方向との角度αが所定角度以上(例えば、45度)の場合、自車両81は、他車両82の進路を干渉すると判定してもよい。
【0053】
また、例えば、図10に示すように、自車両81の位置する領域A3と他車両82の位置する領域A2との優先順位に基づいて他車両82の進路を干渉する可能性を判定してもよい。例えば、自車両81の位置する領域A3が他車両82の位置する領域A2よりも低い場合、自車両81は、他車両82の進路を干渉すると判定してもよい。なお、自車両81の位置する領域A3と他車両82の位置する領域A2との優先順位の比較によれば、図11に示すような交差点において、自車両81が他車両82の進路を干渉する可能性を判定することも可能となる。また、自車両81が位置する領域に基づいた優先順位だけでなく、信号情報に基づいた優先順位を使用することも可能である。例えば、青信号であれば、その灯火が指し示された車両の優先順位は高く、赤信号であれば、その灯火が指し示された車両の優先順位は低い。
【0054】
また、例えば、図12に示すように、道路標示91,92に基づいて、自車両81が他車両82の進路を干渉する可能性を判定してもよい。ここで、道路標示91が白線、道路標示92が黄線である場合、領域A1を走行する自車両81が領域A2に車線変更することは交通ルールに違反する。そして、このような交通ルールを違反する走行は、自車両81が他車両82の進路を干渉すると判定してもよい。なお、交通ルールの違反の判定については、道路標示だけでなく、道路標識等も使用することができる。
【0055】
また、例えば、図13(a)に示すように、自車両81と他車両82との干渉する部位を利用して、他車両82の進路を干渉する可能性を判定してもよい。なお、図13(a)に示す「A」は、自車両81が他車両82の進路を干渉、「B」は、他車両82が自車両81の進路を干渉することを示す。例えば、図13(b)に示すように、自車両81の進行方向前面と、他車両82の進行方向側面とが干渉する場合、図13(a)に示すように、自車両81が他車両82の進路を干渉すると判定してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…走行支援装置、2…車両状態検出部、3…環境状況取得部、6…車両制御ECU、8…表示部、9…走行出力部、60,65…進路評価装置、61…進路候補生成部、62…進路予測部、63…分類部、64…進路評価部、66…客観化部、67…進路評価部、81…自車両、82,82a,82b…他車両、90…本線道路、91,92…道路標示、a1,a2…進路候補、a11,a12,a13…進路候補、b1,b2,・・・,b9…予測進路、b11,b12,・・・,b20…予測進路。
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両を走行制御する際等に用いる自車両の進路を生成する進路評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自車両の周囲における可動物を検出し、この可動物と自車両との衝突可能性を判定し、この衝突可能性を危険度として出力する危険度取得装置が知られている。この危険度取得装置を用いる技術として、例えば、衝突防止装置がある。
【0003】
例えば、特許文献1では、自車両およびこの自車両の周囲にある他車両の可能進路をそれぞれの走行状態に基づいて複数算出し、これらの進路に基づいて最前自車両進路衝突確率(自車両危険度)を算出すると共に、自車両の走行状態をオフセットさせた自車両オフセット走行状態に基づいて算出された自車両の可能進路と他車両の可能進路とに基づいて、最前自車両進路衝突確率(オフセット危険度)を算出する衝突防止装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−20745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の危険度取得装置のように危険度を考慮することに加えて、例えば、自車両の走行により他車両のドライバに急激な回避操作や制動操作を強いることのないよう、他車両のドライバへも配慮した進路を生成することが好ましい。
【0006】
本発明の課題は、他車両のドライバの操作に配慮した進路を走行することが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる進路評価装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の進路評価装置は、自車両の進路候補を生成する進路候補生成手段と、他移動体の進路を予測する進路予測手段と、自車両の進路候補と他移動体の予測進路との干渉の形態を複数の干渉形態に分類する分類手段と、分類手段において分類された干渉形態に基づいて自車両の進路候補を評価する進路評価手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
なお、ここでいう「進路」とは、時間、速度等の時間的要素を含む概念をいい、これら時間的要素の概念を含まない「経路」とは異なる。また、「干渉」とは、車両幅、車両長さを考慮した自車両と他車両とが、平面的に交差することをいう。
【0009】
本発明の進路評価装置によれば、予め記憶された複数の干渉形態のパターンに基づいて自車両の進路候補と他移動体の予測進路との干渉の形態が複数の干渉形態に分類される。これにより、自車両が他移動体の進路を干渉する干渉の形態を1つの干渉形態として分類することができ、また、避けるべき進路候補として高く評価することが可能となる。この結果、他車両のドライバの操作に配慮した進路を走行することが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる。
【0010】
また、本発明の進路評価装置では、分類手段は、干渉に至るまでの自車両及び他移動体の挙動に基づいて干渉形態を分類してもよい。これにより、分類手段は、自車両が他移動体進路を干渉しているのか、他移動体が自車両進路を干渉しているのかという点を考慮して干渉形態を分類することが可能となる。
【0011】
また、本発明の進路評価装置では、分類手段は、少なくとも、自車両が他移動体の進路を干渉する形態と、他移動体が自車両の進路を干渉する形態とに分類し、進路評価手段は、他移動体が自車両の進路を干渉する形態と比べて、自車両が他移動体の進路を干渉する状態を回避すべき進路として高く評価してもよい。これにより、他移動体に対し自車両が避けるべき状況において生じる干渉を回避することができる。この結果、他車両のドライバの操作に配慮した進路を走行することが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる。
【0012】
本発明の進路評価装置は、自車両の進路候補を生成する進路候補生成手段と、他移動体の進路を予測する進路予測手段と、自車両の進路候補と他移動体の予測進路との干渉の形態を客観的な数値で示す客観化手段と、客観化手段において示された数値に基づいて自車両の進路候補を評価する進路評価手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
なお、ここでいう「進路」についても、時間、速度等の時間的要素を含む概念をいい、これら時間的要素の概念を含まない「経路」とは異なる。また、「干渉」も上記と同様に、車両幅、車両長さを考慮した自車両と他車両とが、平面的に交差することをいう。なお、干渉状態の客観的な数値化は、自車両、または、他車両の状態(例えば、位置、速度、方向)に基づいて算出される。
【0014】
本発明の進路評価装置によれば、予め定められた客観的な数値化のルールに従って干渉形態が数値化される。これにより、自車両が他移動体の進路を干渉する干渉の形態を数値化することができ、また、避けるべき進路候補として高く評価することが可能となる。この結果、他車両のドライバの操作を配慮した進路を走行することが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる。
【0015】
また、本発明の進路評価装置では、客観化手段は、干渉に至るまでの自車両及び他移動体の挙動に基づいて干渉の形態を客観的な数値で示してもよい。これにより、分類手段は、自車両が他移動体進路を干渉しているのか、他移動体が自車両進路を干渉しているのかという点を考慮して干渉形態を数値化することが可能となる。
【0016】
また、本発明の進路評価装置では、客観化手段は、自車両が移動体の進路を干渉する確率を示す干渉率を算出し、進路評価手段は、干渉率が高いほど、回避すべき進路として高く評価してもよい。これにより、他車両に対し自車両が避けるべき状況において生じる干渉を回避することができる。この結果、他車両のドライバの操作を配慮した進路を走行することが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、他車両のドライバの操作を配慮した進路を走行することが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る進路評価装置を含む走行支援装置の機能構成を示したブロック図である。
【図2】図1の進路候補生成部、進路予測部が生成する進路を示した図である。
【図3】図1の走行支援装置における動作を示したフローチャートである。
【図4】従来の進路予測演算の問題点を模式的に示す図である。
【図5】図1の走行支援装置の干渉評価方法における進路予測演算の利点を模式的に示す図である。
【図6】(a)(b)は、図1の走行支援装置の効果を説明する図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る進路評価装置を含む走行支援装置の機能構成を示したブロック図である。
【図8】図7の進路候補生成部、進路予測部が生成する進路を示した図である。
【図9】図1、図7の分類部が干渉状態を分類する基準を説明する図である。
【図10】図1、図7の分類部が干渉状態を分類する基準を説明する図である。
【図11】図1、図7の分類部が干渉状態を分類する基準を説明する図である。
【図12】図1、図7の分類部が干渉状態を分類する基準を説明する図である。
【図13】(a)(b)は、図1、図7の分類部が干渉状態を分類する基準を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の第1実施形態に係る進路評価装置60を含む走行支援装置1について、図1〜図6を用いて説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図1は、本発明に係る進路評価装置60を含む走行支援装置1の機能構成を示したブロック図である。
【0020】
走行支援装置1は、車両状態検出部2、環境状況取得部3、車両制御ECU(Electronic Control Unit)6、表示部8及び走行出力部9を含んで構成されている。
【0021】
車両状態検出部2は、車両の位置情報、車速情報などを検出する車両状態検出手段として機能するものであり、例えば、GPS(Global Positioning System)や車輪速センサ等が用いられる。GPSは、車両の位置情報を取得する。車輪速センサは、例えば、車両のホイール部分に取り付けられており、車両の車輪速度を取得する。車両状態検出部2は、車両制御ECU6に接続されており、取得した位置情報や車輪速度情報等の車両状態情報を車両制御ECU6へ出力する。
【0022】
環境状況取得部3は、自車両81の周囲の環境状況情報を取得する環境状況取得手段として機能するものであり、例えば、車車間通信装置、路車間通信装置、ミリ波やレーザを用いたレーダセンサ等が用いられる。車車間通信装置、路車間通信装置を用いる場合、他車両(他移動体)82の位置情報、車速情報を取得することができる。また、ミリ波レーダセンサ等を用いることにより、他車両82及び進路上の障害物の位置情報、相対速度情報を取得することができる。環境状況取得部3は、車両制御ECU6に接続されており、取得した自車両81の周囲の環境状況情報を車両制御ECU6へ出力する。
【0023】
車両制御ECU6は、走行支援装置1の装置全体の制御を行うものであって、例えば、図示しないCPU、ROM、RAMを含むコンピュータを主体として構成されている。車両制御ECU6は、車両状態検出部2、環境状況取得部3、表示部8及び走行出力部9と接続されており、車両状態検出部2及び環境状況取得部3から各種情報の入力が行われ、表示部8及び走行出力部9に各種情報を出力する。また、車両制御ECU6は、進路候補生成部(進路候補生成手段)61と、進路予測部(進路予測手段)62と、分類部(分類手段)63と、進路評価部(進路評価手段)64とを含む進路評価装置60を有している。
【0024】
進路候補生成部61は、図2に示すように、自車両81の進路候補a1,a2を生成する。進路候補生成部61は、車両状態検出部2から入力される自車両81の位置、速度、向き等の情報から自車両81の未来の位置、速度、向き等の状態を予測する。そして、進路候補生成部61は、予測した自車両81の未来の状態における情報を進路候補a1,a2として生成し、分類部63に生成した進路候補a1,a2を出力する。
【0025】
進路予測部62は、図3に示すように、走行環境に基づいて他車両82等、他の移動体の進路b1,b2,・・・,bnを予測する。進路予測部62は、環境状況取得部3から入力される他の移動体の位置、速度、向き等の情報から他移動体の未来の位置、速度、向き等の状態を予測する。そして、進路予測部62は、予測した他移動体の未来の状態における情報を進路b1,b2,・・・,bnとして予測し、分類部63に予測した進路b1,b2,・・・,bnを出力する。なお、一般的に、他車両82の進路b1,b2,・・・,bnは、自車両81の進路候補と比べて網羅的に予測される。
【0026】
分類部63は、進路候補生成部61において生成された自車両81の進路候補a1,a2と、進路予測部62において予測された他移動体の予測進路b1,b2,・・・,bnとの干渉の状態を複数の干渉形態に分類する。具体的には、分類部63は、自車両81が他車両82の進路を干渉する干渉形態と、他車両82が自車両81の進路を干渉する干渉形態とに分類する。ここで、自車両81が他車両82の進路を干渉する状態とは、他車両82に対し自車両81が避けるべき状況において生じた干渉形態と定義する。
【0027】
進路評価部64は、分類部63において分類された干渉形態に基づいて自車両81の進路候補a1,a2を評価する。具体的には、進路評価部64は、分類部63によって自車両81が他車両82の進路を干渉する干渉形態と分類された進路候補を、自車両81が回避すべき進路として高く評価する。例えば、進路評価部64は、図2に示すように、自車両進路候補a1,a2と他車両予測進路b1,b2,・・・,b9との交差部について、自車両81が他車両82の進路を干渉しているのか、または、他車両82が自車両81の進路を干渉しているのかを判定する。次に、進路評価部64は、進路候補生成部61が生成したそれぞれの進路候補a1,a2について前述した交差部の干渉状態が、自車両81が他車両82の進路を干渉する交差部を1つでも有する場合、自車両81が回避すべき進路であるとして高く評価する。ここで、図2の○は、自車両81が他車両82の進路を干渉する交差部、図2の□は、他車両82が自車両81の進路を干渉する交差部を示している。
【0028】
なお、進路評価装置60を主に構成する進路候補生成部61と、進路予測部62と、分類部63と、進路評価部64とは、コンピュータにプログラムを導入することで構成してもよいし、個々のハードウェアによって構成してもよい。
【0029】
走行出力部9は、図1に示すように、車両制御ECU6に接続されており、車両制御ECU6の制御信号を受けて自車両81の運転走行、例えば、走行駆動、制動動作及び操舵操作を行う。走行出力部9としては、例えば、エンジンのスロットルバルブの開度を調整するアクチュエータを制御する走行駆動用ECU、ブレーキ油圧を調整するブレーキアクチュエータを制御する制動用ECU、操舵トルクを付与するステアリングアクチュエータを制御する操舵用ECU等が該当する。走行出力部9は、進路評価部64により自車両81が走行してもよいと高く評価された進路に従って自車両81の運転走行、例えば、走行駆動、制動動作及び操舵操作を行う。
【0030】
次に、進路評価装置60の動作について、図3を用いて説明する。図3は、進路評価装置60が実行する特徴的な処理の流れを示すフローチャートである。
【0031】
まず、車両状態検出部2は、自車両81の状態(位置、速度等)を取得する(S01)。そして、車両状態検出部2は、取得した情報を車両制御ECU6に出力する。
【0032】
次に、環境状況取得部3は、自車両81周辺にある他物体の位置および状態を取得し(S02)、取得した情報を車両制御ECU6に出力する。以後、他物体の位置は、他物体の中心の値であるとし、他物体の状態は、位置、速度等によって特定されるものとする。
【0033】
ところで、以下の工程で実行する軌跡を生成する演算を行う際、自車両81が予め設定された場所(目的地もしくは目的地に類する中間的な場所)に到達したか否かではなく、所定の期間で予測演算を打ち切る構成とすることは技術思想上重要である。一般に道路上では、事前に安全が保障されている場所はない。例えば、図4に示すように、3車線の道路Rdを走行する自車両O1が予め設定された場所Q1、Q2、Q3へ順次到達するとして予測を行うとき、その設定された場所に向けて自車両O1が同じ車線をほぼ直進していく場合を考慮に入れると、他車両O3が進路B3を取ることによって危険を回避するために進路B2をとって、他車両O2が自車両O1の走行している車線に進入してくるおそれがある。このように、従来の進路予測演算では、自車両O1が予め設定された場所へ走行するのが安全であるということまでは事前に保証されない。
【0034】
本実施形態においては、自車両O1が到達すべき目的地等の場所を予め定めることなく、その都度最適な進路を判断しているため、図4と同じ状況下で、例えば、図5に示すような進路B1を自車両O1の進路として選択することができ、自車両O1が走行する際の危険を適確に回避して、安全性を確保することが可能となる。
【0035】
図3に戻り、進路予測部62は、環境状況取得部3において取得された他物体の位置及び状態に関する情報から他物体の未来の位置、状態を予測し、図3に示すような他物体の進路b1,b2,・・・,b9を予測する(S03)。なお、以下の説明では、他物体を他車両82として説明を行うが、車両以外の人、障害物等を対象としてもよい。
【0036】
次に、進路候補生成部61は、車両状態検出部2において取得された自車両81周辺の物体の状態に関する情報から、自車両81の未来の位置、状態を予測し、図3に示すような進路候補a1,a2を生成する(S04)。具体的には、進路候補生成部61は、物体ごとに時間および空間から構成される時空間上の進路を生成する。なお、上記進路を生成するにあたっては、環境状況取得部3で取得した物体の総数(自車両81を含む)をKとし、一つの物体Ok(1≦k≦K、kは自然数)に対して進路を生成する演算をNk回行うものとする(この意味で、kおよびNkはともに自然数)。また、進路を生成する時間(軌跡生成時間)をT(>0)とする。なお、上記進路は、公知の方法によって算出することが可能であり、例えば、特開2007−230454公報に記載される方法によって算出することができる。
【0037】
次に、分類部63は、進路候補生成部61において生成された自車両81の進路候補a1,a2と、進路予測部62において予測された他移動体の予測進路b1,b2,・・・,b9との干渉状態を判定する(S05)。具体的には、図3に示すように、自車両81の進路候補a1,a2と、他車両82の予測進路b1,b2,・・・,b9との交差部について、自車両81が他車両82の進路を干渉しているのか、他車両82が自車両81の進路を干渉しているのかを判定する。なお、分類部63が上記干渉状態を分類するにあたっては、他車両への配慮を実現可能となる分類方法であればよく、例えば、干渉直前の進路のスムーズさ(曲率、加減速度等)の力学的な条件に基づく分類、交通ルールやマナーの遵守度、自動車保険の過失割合、裁判判例等の社会的規範に基づく分類、さらには各車両性能をも考慮した分類(自転車、小型車両には、より慎重を期する)等を行うことが可能である。
【0038】
次に、分類部63は、ステップS05において判定された干渉状態に基づいて、進路候補を干渉形態別に分類する(S06)。ここでは、「自車両81が他車両進路を干渉する干渉形態」と「他車両82が自車両進路を干渉する干渉形態」とに分類される。分類部63は、図2示すように、進路候補a1,a2の中に自車両81が他車両進路を干渉する交差部(図3で示す○)を1つでも有する場合、その進路候補を、「自車両81が他車両進路を干渉する干渉形態」に分類する。図3において具体的に示すと、進路候補a1は、自車両81が他車両進路を干渉する交差部(図3で示す○)を有しているので、「自車両81が他車両進路を干渉する干渉形態」に分類され、進路候補a2は、他車両82が自車両進路を干渉する交差部(図3で示す□)のみで構成され、自車両81が他車両進路を干渉する交差部(図3で示す○)を有していないので、「他車両82が自車両進路を干渉する干渉形態」に分類される。ここで、進路候補の中に「他車両82が自車両進路を干渉する干渉形態」がない場合(S06:NO)、ステップS04に戻り、もう一度、進路候補を生成する(S04)。
【0039】
次に、ステップS06において、進路候補a1,a2の中に「自車両81が他車両進路を干渉する干渉形態」がない場合(S06:YES)、進路評価部64は、その進路候補を自車両81が進むべき進路として高く評価する(S07)。そして、走行出力部9は、進路評価部64により自車両81が走行してもよいと高く評価された進路に従って自車両81の運転走行、例えば、走行駆動、制動動作及び操舵操作を行う(S08)。
【0040】
以上に説明したように本実施形態の走行支援装置1によれば、分類部63が、予め記憶された複数の干渉形態のパターンに基づいて干渉形態を分類し、進路評価部64が、その分類結果に基づいて進路候補を評価する。これにより、自車両81が他車両82の進路を干渉する干渉の形態を1つの干渉形態として分類することができ、また、避けるべき進路候補として高く評価することが可能となる。この結果、他車両82のドライバの操作を配慮した進路を走行することが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる。
【0041】
ここで、図6(a)、図6(b)を用いて、T字路に他車両82aと連なって本線道路90に進入する場合の走行制御について、本実施形態の走行支援装置1による効果を説明する。
【0042】
従来の走行支援装置によれば、自車両の進路候補と他車両の予測進路との干渉形態を区別せずに、危険度が小さいと判定された進路に従って自車両81が走行制御される。このため、危険度が小さい場合には、例え、図6(a)に示すように、自車両81が本線道路90に進入する進路が他車両82aの進路を干渉する場合であっても、本線道路90に進入するように自車両81が走行制御される。そして、この場合の自車両81の動きは、他車両82aの進路を干渉するもの、すなわち、他車両82aに対し自車両81が避けるべき状況において生じる干渉である。このため、他車両82aのドライバに対して、急激な回避操作、制動操作を強いらせてしまうおそれがある。
【0043】
一方、本実施形態の走行支援装置1によれば、複数の進路候補において、前述したような本線道路90に進入する進路が最も危険度が低いと判定された場合であっても、分類部63が、その進路を「自車両81が他車両進路を干渉する干渉形態」に分類した場合、進路評価部64は、その進路を自車両81が回避すべき進路であると高く評価する。そして、進路評価部64は、分類部63によって「他車両82bが自車両進路を干渉する干渉形態」に分類された進路、すなわち、図6(b)に示すように、本線道路90に進入しない進路を自車両81が進むべき進路であると高く評価する。これにより、他車両82aに対し自車両81が避けるべき状況において生じる干渉を回避することができる。この結果、他車両82aのドライバの操作を配慮した進路を走行することが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる。一方、他車両82aに対しては、自車両81に対し他車両82bが避けるべき状況において生じる干渉となり、自車両81と協力して干渉を避けることが可能となる。
【0044】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0045】
上記実施形態においては、図1に示すように、進路評価装置60は、進路候補生成部61と、進路予測部62と、分類部63と、進路評価部64とを含む例を挙げて説明したがこれに限るものではない。例えば、進路評価装置65は、図7に示すように、進路候補生成部61と、進路予測部62と、客観化部(客観化手段)66と、進路評価部(進路評価手段)67とを含んでいてもよい。なお、進路候補生成部61と進路予測部62とは、上記実施形態の進路評価装置60に含まれるものと同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0046】
客観化部66は、図8に示すように、進路候補生成部61において生成された自車両81の進路候補a11,a12,a13と、進路予測部62において予測された他車両82の予測進路b11,b12,・・・,b20との干渉状態を客観的な数値で示す。具体的には、客観化部66は、他車両干渉率を算出する。ここで、「他車両干渉率」とは、進路候補a11,a12,a13と予測進路b11,b12,・・・,b20との全交差部における自車両81が他車両進路を干渉する交差部(図8で示す○)の割合をいう。図8において具体的に示すと、進路候補a11は、全交差部が10箇所、自車両81が他車両進路を干渉する交差部(図3で示す○)が8箇所有るので、他車両干渉率は80%となる。同様に、進路候補a11の他車両干渉率は50%、進路候補a13は0%となる。
【0047】
進路評価部67は、客観化部66において示された数値に基づいて自車両81の進路を評価する。具体的には、進路評価部64は、客観化部66によって示された他車両干渉率の低い進路候補を、自車両81が回避すべき進路として高く評価する。例えば、進路評価部67は、他車両干渉率が20%以下の進路候補を自車両81が回避すべき進路であるとして高く評価する。なお、他車両干渉率の閾値は適宜設定することが可能である。
【0048】
本実施形態の進路評価装置65によれば、予め定められた客観的な数値化のルールに従って干渉形態を数値化している。これにより、自車両81が他車両進路を干渉する干渉形態を特定することが可能となり、また、避けるべき進路候補として高く評価することが可能となる。この結果、他車両82のドライバの操作を配慮した進路を走行することが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる。
【0049】
また、走行支援装置1は、図7に示すように、表示部8をさらに備えていてもよい。表示部8は、進路評価部67において評価された進路候補の内容を表示する手段であり、例えば、モニタに表示したり、フロントガラスに投影したりする。具体的には、表示部8は、進路評価部67による進路候補の評価において、例えば、「他車両が自車両進路を干渉する干渉形態」と特定された進路と、「自車両が他車両進路を干渉する干渉形態」と特定された進路とを色分けして表示する。これにより、ドライバに対して自車両が進むべき進路、または、回避すべき進路を示すことが可能となる。
【0050】
また、走行支援装置1は、表示部8を有し、走行出力部9は有していなくてもよい。この場合であっても、ドライバに対して「他車両が自車両進路を干渉する干渉形態」である進路を認識させることができる。この場合であっても、ドライバは表示部8に示された進路に従って自車両を制御することが可能となる。この結果、自車両81を、他車両82のドライバの操作を配慮した進路を走行させることが可能となり、より安全な交通環境を実現することができる。
【0051】
また、上記実施形態の走行支援装置1においては、分類部63が上記干渉状態を分類するにあたって、他車両への配慮を実現可能となる分類方法であればよく、例えば、干渉直前の進路のスムーズさ(曲率、加減速度等)の力学的な条件に基づく分類、交通ルールやマナーの遵守度、自動車保険の過失割合、裁判判例等の社会的規範に基づく分類、さらには各車両性能をも考慮した分類(自転車、小型車両には、より慎重を期する)等を行うことが可能であることを示した。以下に、分類部63が干渉状態を分類する方法を具体的に説明する。
【0052】
例えば、図9に示すように、自車両81の向きと自車両81が位置する領域A1の進行方向との角度αに基づいて他車両82の進路を干渉する可能性を判定してもよい。例えば、自車両81の向きと自車両81が存在する領域の進行方向との角度αが所定角度以上(例えば、45度)の場合、自車両81は、他車両82の進路を干渉すると判定してもよい。
【0053】
また、例えば、図10に示すように、自車両81の位置する領域A3と他車両82の位置する領域A2との優先順位に基づいて他車両82の進路を干渉する可能性を判定してもよい。例えば、自車両81の位置する領域A3が他車両82の位置する領域A2よりも低い場合、自車両81は、他車両82の進路を干渉すると判定してもよい。なお、自車両81の位置する領域A3と他車両82の位置する領域A2との優先順位の比較によれば、図11に示すような交差点において、自車両81が他車両82の進路を干渉する可能性を判定することも可能となる。また、自車両81が位置する領域に基づいた優先順位だけでなく、信号情報に基づいた優先順位を使用することも可能である。例えば、青信号であれば、その灯火が指し示された車両の優先順位は高く、赤信号であれば、その灯火が指し示された車両の優先順位は低い。
【0054】
また、例えば、図12に示すように、道路標示91,92に基づいて、自車両81が他車両82の進路を干渉する可能性を判定してもよい。ここで、道路標示91が白線、道路標示92が黄線である場合、領域A1を走行する自車両81が領域A2に車線変更することは交通ルールに違反する。そして、このような交通ルールを違反する走行は、自車両81が他車両82の進路を干渉すると判定してもよい。なお、交通ルールの違反の判定については、道路標示だけでなく、道路標識等も使用することができる。
【0055】
また、例えば、図13(a)に示すように、自車両81と他車両82との干渉する部位を利用して、他車両82の進路を干渉する可能性を判定してもよい。なお、図13(a)に示す「A」は、自車両81が他車両82の進路を干渉、「B」は、他車両82が自車両81の進路を干渉することを示す。例えば、図13(b)に示すように、自車両81の進行方向前面と、他車両82の進行方向側面とが干渉する場合、図13(a)に示すように、自車両81が他車両82の進路を干渉すると判定してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…走行支援装置、2…車両状態検出部、3…環境状況取得部、6…車両制御ECU、8…表示部、9…走行出力部、60,65…進路評価装置、61…進路候補生成部、62…進路予測部、63…分類部、64…進路評価部、66…客観化部、67…進路評価部、81…自車両、82,82a,82b…他車両、90…本線道路、91,92…道路標示、a1,a2…進路候補、a11,a12,a13…進路候補、b1,b2,・・・,b9…予測進路、b11,b12,・・・,b20…予測進路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の進路候補を生成する進路候補生成手段と、
他移動体の進路を予測する進路予測手段と、
前記自車両の進路候補と前記他移動体の予測進路との干渉の形態を複数の干渉形態に分類する分類手段と、
前記分類手段において分類された前記干渉形態に基づいて前記自車両の進路候補を評価する進路評価手段と、
を備えることを特徴とする進路評価装置。
【請求項2】
前記分類手段は、前記干渉に至るまでの前記自車両及び前記他移動体の挙動に基づいて前記干渉形態を分類する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の進路評価装置。
【請求項3】
前記分類手段は、少なくとも、前記自車両が前記他移動体の進路を干渉する形態と、前記移動体が前記自車両の進路を干渉する形態とに分類し、
前記進路評価手段は、前記他移動体が前記自車両の進路を干渉する形態と比べて、前記自車両が前記他移動体の進路を干渉する状態を、回避すべき進路として高く評価する、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の進路評価装置。
【請求項4】
自車両の進路候補を生成する進路候補生成手段と、
他移動体の進路を予測する進路予測手段と、
前記自車両の進路候補と前記他移動体の予測進路との干渉の形態を客観的な数値で示す客観化手段と、
前記客観化手段において示された前記数値に基づいて前記自車両の進路候補を評価する進路評価手段と、
を備えることを特徴とする進路評価装置。
【請求項5】
前記客観化手段は、前記干渉に至るまでの前記自車両及び前記他移動体の挙動に基づいて前記干渉の形態を客観的な数値で示す、
ことを特徴とする、請求項4に記載の進路評価装置。
【請求項6】
前記客観化手段は、前記自車両が前記他移動体の進路を干渉する確率を示す干渉率を算出し、
前記進路評価手段は、前記干渉率が高いほど、回避すべき進路として高く評価する、
ことを特徴とする、請求項4または5に記載の進路評価装置。
【請求項1】
自車両の進路候補を生成する進路候補生成手段と、
他移動体の進路を予測する進路予測手段と、
前記自車両の進路候補と前記他移動体の予測進路との干渉の形態を複数の干渉形態に分類する分類手段と、
前記分類手段において分類された前記干渉形態に基づいて前記自車両の進路候補を評価する進路評価手段と、
を備えることを特徴とする進路評価装置。
【請求項2】
前記分類手段は、前記干渉に至るまでの前記自車両及び前記他移動体の挙動に基づいて前記干渉形態を分類する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の進路評価装置。
【請求項3】
前記分類手段は、少なくとも、前記自車両が前記他移動体の進路を干渉する形態と、前記移動体が前記自車両の進路を干渉する形態とに分類し、
前記進路評価手段は、前記他移動体が前記自車両の進路を干渉する形態と比べて、前記自車両が前記他移動体の進路を干渉する状態を、回避すべき進路として高く評価する、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の進路評価装置。
【請求項4】
自車両の進路候補を生成する進路候補生成手段と、
他移動体の進路を予測する進路予測手段と、
前記自車両の進路候補と前記他移動体の予測進路との干渉の形態を客観的な数値で示す客観化手段と、
前記客観化手段において示された前記数値に基づいて前記自車両の進路候補を評価する進路評価手段と、
を備えることを特徴とする進路評価装置。
【請求項5】
前記客観化手段は、前記干渉に至るまでの前記自車両及び前記他移動体の挙動に基づいて前記干渉の形態を客観的な数値で示す、
ことを特徴とする、請求項4に記載の進路評価装置。
【請求項6】
前記客観化手段は、前記自車両が前記他移動体の進路を干渉する確率を示す干渉率を算出し、
前記進路評価手段は、前記干渉率が高いほど、回避すべき進路として高く評価する、
ことを特徴とする、請求項4または5に記載の進路評価装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−287109(P2010−287109A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141369(P2009−141369)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]