説明

遊技データ表示装置

【課題】大当たり状態の他に有利な特定状態を発生する機能を備えた遊技機の遊技情報を分かり易く表示できる遊技データ表示装置を提供すること。
【解決手段】遊技データ表示装置1は、ボーナス状態を判定する大当たり状態判定手段21と、ART状態を判定する特定状態判定手段22と、ゲーム数を計数する計数手段23と、ボーナス状態及びART状態のうち何れか一方が発生する毎に、直前のボーナス状態又はART状態が終了してからのゲーム数の度合いを棒の長さで表す棒グラフを表示する表示手段13と、を備え、表示手段13は、ART状態で実行されたゲーム数に応じて、ART状態が発生するまでに要したゲーム数を棒グラフの外観を異ならせて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大当たり状態を発生させる遊技機に対応して設けられる遊技データ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、所定の押し順で停止操作した場合に限り入賞可能な役を設定する一方、特定状態下でその所定の押し順を遊技者に報知することで実質的に有利な状態を作り出すAT(ART)機能を採用したスロットマシン等の遊技機が知られている。そして、このような遊技機の遊技データを表示する表示装置として、大当たり状態間のゲーム数履歴を棒グラフで表示するに当たって、棒グラフ中のAT発生区間に対応する部分を色分けする表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
しかしながら、上記のような色分けによってAT発生区間を表示したとしても、ボーナス状態でもAT等の特定状態でもない不利な状態がどの程度発生しているのかを把握したいという遊技者のニーズには不適当である。ゲーム数履歴の区切りとなる遊技状態として、大当たり状態に加えて特定状態を設定すれば、大当たり状態でも特定状態でもない通常状態のゲーム数を把握したいという遊技者のニーズに応えることができる可能性がある。しかし、AT等の特定状態の継続ゲーム数は、ボーナス状態等の大当たり状態とは異なり一定ではない場合が多く、大当たりの抽選が実行される特定状態を大当たり状態と同様にゲーム数履歴の区切りとして取り扱い、隙間のゲーム数を表示したとしても、出玉感等を遊技者に伝えることが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−285138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、大当たり状態の他に有利な特定状態を発生する機能を備えた遊技機の遊技情報を分かり易く表示できる遊技データ表示装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、大当たりの抽選を実行する大当たり抽選手段と、
前記大当たり抽選手段による抽選結果に応じて図柄の変動表示を行う図柄変動表示手段と、
大当たりの当選に応じて大当たり状態を発生する大当たり発生手段と、
通常状態と同様に前記大当たり抽選手段による大当たりの抽選が実行されると共に、通常状態よりも遊技者にとって有利な特定状態を発生する特定状態発生手段と、を有する遊技機の遊技データを表示する遊技データ表示装置であって、
前記大当たり状態を判定する大当たり状態判定手段と、
前記特定状態を判定する特定状態判定手段と、
前記図柄変動表示手段による変動表示回数を計数する計数手段と、
前記大当たり状態及び前記特定状態が発生する毎に、直前の大当たり状態又は特定状態が終了してからの変動表示回数の度合いを棒の長さで表す棒グラフを表示する表示手段と、を備え、
前記表示手段は、前記特定状態における変動表示回数に応じて、当該特定状態が発生するまでに要した変動表示回数を表す前記棒グラフの外観を異ならせて表示することを特徴とする遊技データ表示装置にある(請求項1)。
【0007】
本発明の遊技データ表示装置は、大当たり状態及び特定状態のうち何れか一方が発生する毎に、直前の大当たり状態又は特定状態が終了してからの前記変動表示回数を前記棒グラフにより表示する。このように、大当たり状態及び特定状態の履歴を棒グラフで表示すれば、通常状態等の不利な遊技状態がどの程度発生したかを遊技者が即座に判別できるようになる。
【0008】
さらに、本発明の遊技データ表示装置は、前記特定状態における変動表示回数に応じて、当該特定状態に対応する棒グラフの外観を異ならせて表示する。遊技者は、特定状態に対応する棒グラフの外観に応じて、当該特定状態が継続した度合いを把握可能である。
【0009】
以上のように、本発明の遊技データ表示装置によれば、大当たり状態の他に有利な特定状態を発生する機能を備えた遊技機の遊技情報を分かり易く表示可能である。
【0010】
本発明の遊技データ表示装置を組み合わせる遊技機は、始動口への入賞に応じて内部抽選を実行し、その抽選結果に応じて図柄の変動表示を実行する、いわゆるセブン機と呼ばれるパチンコ遊技機であっても良く、ゲームの開始に応じて内部抽選を実行し、その抽選結果に応じて図柄の変動表示を実行するスロットマシンであっても良い。前記遊技機がスロットマシンである場合における前記変動表示回数は、実行されたゲーム数に等しくなる。また、スロットマシンの場合の前記大当たり状態は、いわゆるボーナス状態である。さらに、スロットマシンとしては、パチンコ玉を遊技媒体としたパロット(R)であっても良い。なお、遊技機としては、玉やメダル等の遊技媒体の払出を伴わない、いわゆる封入式のパチンコ遊技機や、完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。
【0011】
また、前記特定状態としては、パチンコ遊技機の場合であれば確変状態、時短状態等の遊技状態があり、スロットマシンの場合であればAT(アシストタイム)、RT(リプレイタイム)、ART(アシストリプレイタイム)、CT(チャンスタイム)等の遊技状態がある。
【0012】
また、前記遊技機は、前記特定状態の発生中に点灯する点灯手段を有しており、
前記点灯手段による点灯を検知する点灯検知手段を備え、
前記特定状態判定手段は、前記点灯検知手段が点灯を検知しているときに特定状態と判定することが好ましい(請求項2)。
この場合には、前記特定状態を表す遊技信号を外部出力しない遊技機にも対応できるようになる。
【0013】
また、直前の大当たり状態が終了してからの変動表示回数が予め設定された判定回数以内で新たな大当たり状態が発生した場合、及び直前の大当たり状態が終了してから前記判定回数以内で発生した前記特定状態の継続中に大当たりが当選して新たな大当たり状態が発生した場合に連チャンが生じたと判定する連チャン判定手段と、を備え、
前記表示手段は、前記連チャン判定手段により連チャンが生じたと判定された大当たり状態、及び連チャンが生じたと判定された大当たり状態の契機となった大当たりの当選が前記特定状態の継続中であった場合の当該特定状態について、連チャンを表す連チャン表示を行うことが好ましい(請求項3)。
【0014】
上記のような連チャン表示を実行すれば、前記大当たり状態が連続して発生する、いわゆる連チャン状態を遊技者が直感的に把握できるようになる。このとき、前記特定状態を考慮して連チャンを判定すれば、遊技者の感覚に合致した前記連チャン表示が可能になる。なお、前記連チャン表示としては、連チャンが生じたと判定されたときに前記棒グラフが短くなって生じる未表示部分に表示することも良い。この場合には、前記連チャン表示のための表示領域を別途確保しておく必要がなくなり、前記連チャン表示によるコスト上昇を未然に回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例における、遊技データ表示装置を含む遊技データ管理システムの構成を示すシステム図。
【図2】実施例における、スロットマシンを示す正面図。
【図3】実施例における、入賞ラインを説明する説明図。
【図4】実施例における、スロットマシンのリールの外周に配置された図柄の配列を展開して示す展開図。
【図5】実施例における、スロットマシンの役、入賞図柄、利益を示す説明図。
【図6】実施例における、スロットマシンの電気的な構成を示すブロック図。
【図7】実施例における、内部当選役抽選テーブルを説明する説明図。
【図8】実施例における、ART抽選テーブルを示す説明図。
【図9】実施例における、ART抽選テーブルを示す説明図。
【図10】実施例における、ARTゲーム数上乗せ抽選テーブルを示す説明図。
【図11】実施例における、遊技状態の遷移を示す状態遷移図。
【図12】実施例における、遊技データ表示装置を示す正面図。
【図13】実施例における、遊技データ表示装置の電気的な構成を示すブロック図。。
【図14】実施例における、当日のボーナス状態及びART状態の履歴データを示す説明図。
【図15】実施例における、データ表示画面を示す正面図。
【図16】実施例における、その他のデータ表示画面を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例)
本例は、スロットマシン5(遊技機)の遊技データを表示する遊技データ表示装置1に関する例である。この内容について、図1〜図16を用いて説明する。
【0017】
本例の遊技データ表示装置1は、スロットマシン5に対して個別に設置され、対応するスロットマシン5の各種の遊技データを表示する装置である。遊技データ表示装置1は、スロットマシン5、貸出装置43と共に中継器42に接続されている。遊技場では、スロットマシン5を含む多数の遊技機を管理する管理装置41を中心とした遊技場管理システム4が構築されている。
【0018】
遊技場管理システム4では、図1に示すごとく、スロットマシン5、遊技データ表示装置1及び貸出装置43が2台ずつ接続された中継器42、及び管理装置41が通信ネットワーク40に接続されている。なお、遊技場では、貸出装置43から借り受けたメダルを利用してスロットマシン5の遊技を楽しむことができる。
【0019】
管理装置41は、CPU、ROM、RAM、I/O等を含む制御部、HDD(ハードディスクドライブ)等よりなる記憶部、モニタ411及びプリンタ等の出力部、キーボード412及びマウス等の入力操作部を備えている。管理装置41は、遊技機IDが割り当てられた各スロットマシン5の遊技データを個別に集計する機能を備えている。
【0020】
まず、本例のスロットマシン5は、図2に示すごとく外観的な構成を有している。スロットマシン5では、略矩形状の図柄表示窓51を設けた前面枠体50によって前面部分が形成されている。前面枠体50は、図柄表示窓51の上側に、液晶表示部638、装飾ランプ部639を配設してなる。図柄表示窓51の下側には、スロットマシン5の基部をなすベース部500が設けられている。
【0021】
ベース部500は、遊技者から奥まって位置する図柄表示窓51に対して相対的に張り出すように形成されている。ベース部500は、図柄表示窓51に隣り合う上端部に棚面状の操作面54を有し、下端部にメダルを払い出す受皿55を有し、操作面54の下側に隣接して操作パネル53を有している。図柄表示窓51の右側には、後述するART状態(特定状態)の発生中に点灯するART表示ランプ(点灯手段)555、入賞時の払出数を表示する払出数表示部551、及びクレジットされたメダル数を表示するクレジット表示部552が配置されている。
【0022】
操作面54には、クレジット機能によりクレジットされたメダルを投入するためのベットボタン64と、クレジットの精算ボタン65と、メダルを直接投入するためのメダル投入口630と、が配置されている。操作パネル53には、リール52の図柄変動を開始させるためのスタートレバー62と、図柄変動を停止させるためのストップボタン61と、が配置されている。
【0023】
ベットボタン64は、クレジットされたメダルの中から所定数のメダルを投入するためのボタンである。3枚賭け遊技の非ボーナス状態では、ベットボタン64の操作に応じて投入数3を表す3ベット信号が発生する。一方、2枚賭け遊技のボーナス状態(BB状態、RB状態)では、ベットボタン64の操作に応じて2ベット信号が発生する。ただし、残りのクレジットが不足している場合には、1ベット信号等が発生し、クレジットがゼロの場合は、ベット信号は発生しない。
【0024】
スタートレバー62は、遊技者の操作に応じてリール52の制御信号であるゲーム開始信号を発生する操作レバーである。スロットマシン5では、メダルの直接投入、あるいはベットボタン64の操作によるメダルの投入に応じてスタートレバー62が有効状態に設定される。なお、リプレイ役が入賞した場合には、メダルの直接投入、あるいはベット操作がされなくても自動的にメダルが投入された状態、すなわち次のゲームを開始可能な状態が設定される。
【0025】
図柄表示窓51は、図柄表示領域510L、C、Rを含む表示窓である。各図柄表示領域510L、C、Rは、いずれも3図柄分の図柄表示領域である。図柄表示窓51全体では、3行3列よりなる2次元マトリクス状に配置された9図柄分の図柄表示領域が形成されている。図柄表示窓51は、遊技者側から図柄520が見えるように、窓全体が透明な樹脂プレートにより形成されている。2次元マトリクス状に9個の図柄520が配置される図柄表示領域においては、入賞の対象となる入賞図柄の並び方向である入賞ライン511〜514が設定されている。本例の入賞ラインは、図3に示すごとく、最下段を除く2本の水平方向の入賞ライン511、512、及び対角方向の入賞ライン513、514よりなる4ラインにより構成されている。
【0026】
各図柄表示領域510L、C、Rの裏側には、円柱形状のリール52L、C、Rがそれぞれ配置されている。リール52L、C、Rは、図4に示すごとく、その外周面に略一定の間隔を空けて21個の図柄520が配置された回転式のリールである。なお、リール52としては、本例の回転式のリールに代えて、液晶ディスプレイに図柄を変動表示する画像式のリールを採用することもできる。
【0027】
ストップボタン61は、図2に示すごとく、遊技者の操作に応じてリール52の制御信号である変動停止信号を発生させる操作ボタンである。本例のストップボタン61は、左リール52Lに対応する左ストップボタン61L、中リール52Cに対応する中ストップボタン61C、及び右リール52Rに対応する右ストップボタン61Rを組み合わせてなる。
【0028】
スロットマシン5では、図5に示すごとく、BB状態の契機となるBB役、RB状態の契機となるRB役、6種類の5枚役A〜Fを含む小役、通常リプレイ役、昇格リプレイ役、及び3種類の転落リプレイ役A〜Cが設定されている。昇格リプレイ役は、リプレイ高確状態であるRT2状態(ATに当選していればART状態となる)への昇格契機となる役である。転落リプレイ役は、通常状態であるRT1状態からRT0状態への転落契機となる役である。5枚役Aは、中リール52Cの中段に「ベル」が停止すれば、入賞ライン511、513、514(図3参照。)が有効ラインとなってトリプル入賞する役となっている。なお、同図では、左列に入賞役の名称を、中列に入賞図柄を、右列に入賞に応じた利益を示してある。
【0029】
スロットマシン5は、図6に示すごとく、電気的な構成を備えている。スロットマシン5の全体動作を制御する制御部58、及びこの制御部58に電気的に接続された各部について説明する。制御部58に対しては、前出の構成のほか、遊技媒体として投入されたメダルを検知する投入メダル検知部631、リール52を回転駆動するリール駆動部521、リール52の回転位置を検知する基準位置検知部636、メダルを受皿55に払い出すメダル払出部634、遊技を演出するための各種表示部635、遊技者の有利度合いを表す設定値を設定する設定値操作部68、スピーカ57を制御する音声出力部632、及び各種の遊技信号を出力する信号出力部637が電気的に接続されている。
【0030】
投入メダル検知部631は、メダル投入口630から直接投入されたメダルの検知部である。メダル投入口630から投入されたメダルが投入メダル検知部631により検知される毎に、インサート信号が出力される。なお、本例のスロットマシン5では、メダルの直接投入、あるいはベットボタン64の操作等により所定数のメダルが投入された際、スタートレバー62が有効な状態に設定され、新たなゲームを開始可能な状態となる。
【0031】
リール駆動部521は、ステップ単位で制御可能なステッピングモータ(図示略)を含み、このステッピングモータの回転駆動力によりリール52を回転駆動する手段である。
基準位置検知部636は、各リール52L、C、Rについて基準位置片の通過を検知し、検知信号を出力する検知部である。
設定値操作部68は、設定キー680を利用して、ボーナス役の当選確率を6段階に規定した設定値を変更するための操作部である。
【0032】
制御部58は、CPU581と、メモリ手段であるROM583、RAM584と、入出力インターフェースとしてのI/O部582と、内部当選役抽選用の乱数を抽出する乱数抽出部78と、乱数を発生する乱数発生部780と、を有している。
CPU581は、ROM583から読み込みしたソフトウェアプログラムを実行することにより、内部抽選手段(大当たり抽選手段)71、フラグ制御手段710、表示制御手段72、入賞役判定手段73、利益付与手段74、ART抽選手段75、ボーナス状態発生手段(大当たり発生手段)76、特定状態発生手段77としての各機能を実現する。なお、各手段の内容については後述する通りである。
【0033】
RAM584は、残りのARTゲーム数を記憶するARTカウンタ(図示略)としての機能を備えている。
ROM583は、内部当選役抽選テーブル(図7)、ART抽選テーブル(図8及び図9)、ARTゲーム数上乗せ抽選テーブル(図10)、ART継続抽選テーブル(図示略)、ART確率移行抽選テーブル(図示略)、及びリール制御テーブル(図示略)を記憶している。
【0034】
リール制御テーブルは、リール52の停止制御に適用される制御テーブルである。このリール制御テーブルでは、入賞ライン上に停止可能な停止位置が規定されている。
内部当選役抽選テーブルは、0〜65535の内部当選役抽選用の乱数のうちの各役の当選乱数が規定された抽選テーブルである。この内部当選役抽選テーブルでは、各役の当選乱数の個数が図7のごとく設定されている。なお、同図では、リプレイ役及び小役についてのみ当選乱数の個数を示し、ボーナス役については当選乱数の個数表示を省略してある。内部当選役抽選テーブルとしては、通常状態であるRT0状態及びRT1状態に適用される各テーブルと、ATに当選していればART状態となるRT2状態に適用されるテーブルと、RB状態に適用されるテーブルと、BB状態に適用されるテーブルと、がある。
【0035】
ここで、本例では、5枚役A〜Fについて、5枚役Aが単独で内部当選する場合と、5枚役B〜Fの何れか1つと同時に内部当選する場合と、の全部で6通りが設定されている。何れの場合も5枚役Aのみが入賞する。但し、5枚役B〜Fの何れか1つと同時当選した場合は、その組み合わせと押し順に応じて「ベル」が中リール52Cの上段か中段に停止するように制御される。上段に停止した場合(有効ライン1本でシングル入賞)には5枚、中段に停止した場合(有効ライン3本のトリプル入賞)には15枚のメダルが払い出される。なお、5枚役Aの単独当選時は押し順に関わらず「ベル」が中リール52Cの中段に停止する。
【0036】
具体的には、以下の各場合の所定の操作に応じて「ベル」が中段で停止し、その他の操作がなされた場合には上段で停止する。
・5枚役A+5枚役Bが同時当選の場合について、中リール52Cを最初に停止(中⇒右⇒左、又は中⇒左⇒右)する操作。
・5枚役A+5枚役Cが同時当選の場合について、左⇒中⇒右の操作。
・5枚役A+5枚役Dが同時当選の場合について、左⇒右⇒中の操作。
・5枚役A+5枚役Eが同時当選の場合について、右⇒中⇒左の操作。
・5枚役A+5枚役Fが同時当選の場合について、右⇒左⇒中の操作。
【0037】
一方、リプレイ役については、RT1状態において通常リプレイ役と転落リプレイ役が同時当選し、RT2状態において昇格リプレイ役と転落リプレイ役が同時当選する。通常リプレイ役(又は昇格リプレイ役)と転落リプレイ役とが同時当選した場合、以下の各場合の所定の操作に応じて通常リプレイ役が入賞し、その他の操作がなされた場合には転落リプレイ役が入賞する。
・通常リプレイ役+転落リプレイ役A+転落リプレイ役Bが同時当選の場合について、左リール52Lを最初に停止する操作。
・通常リプレイ役+転落リプレイ役B+転落リプレイ役Cが同時当選の場合について、右リール52Rを最初に停止する操作。
・通常リプレイ役+転落リプレイ役C+転落リプレイ役Aが同時当選の場合について、中リール52Cを最初に停止する操作。
【0038】
前記ART抽選テーブルとしては、通常状態下で所定の小役(6枚役及び2枚役)が内部当選した時に実行されるART抽選用の第1のART抽選テーブル(図8)と、BB状態下で1枚役が内部当選した時に実行されるART抽選用の第2のART抽選テーブル(図9)と、がある。ART抽選テーブルでは、ART当選乱数とARTハズレ乱数とが規定されている。ART当選乱数としては、ART開始後に実行されるART継続抽選での50%〜89%までの4段階の継続率に対応する4種類の当選乱数が設定されている。
【0039】
さらに、第1のART抽選テーブルとしては、ART当選確率が低い低確状態用のテーブル(図8の上段)と、ART当選確率が高い高確状態用のテーブル(図8の下段)と、が用意されている。さらに、この第1のART抽選テーブルでは、設定値に応じて当選乱数の個数に差が設けられており、高設定値ほどART抽選の当選確率が高くなっている。一方、BB状態下のART抽選では、高確状態と低確状態との差が設定されておらず、また、設定値に応じた差も設けられていない。それ故、第2のART抽選テーブルは、図9に示すごとく1通りのみになっている。
【0040】
ARTゲーム数上乗せ抽選テーブル(図10)は、ART状態下で所定の小役(6枚役及び2枚役)が内部当選した時に実行されるARTゲーム数上乗せ抽選用の抽選テーブルである。ARTゲーム数上乗せ抽選テーブルでは、0〜300ゲームまでの6段階の上乗せゲーム数の当選乱数が、2枚役当選時、6枚役当選時について、それぞれ規定されている。このART上乗せ抽選テーブルについては、前記第2のART抽選テーブルと同様、高確状態であるか低確状態であるか、及び設定値の高低に依らないため、1通りのみとなっている。
【0041】
図示しないART継続抽選テーブルは、1セット50ゲームのART状態のセット終了時に実行されるART継続抽選に適用される抽選テーブルである。本例では、図8及び図9を参照して上記したごとく、ART状態の継続確率(50〜89%の4種類)が異なる4種類のART当選乱数がART抽選テーブルにおいて規定されている(図8及び図9)。ART継続抽選テーブルは、上記の4種類の継続確率毎にそれぞれ設定されている。
【0042】
図示しないART確率移行抽選テーブルは、ART当選確率が高い高確状態(図8下段参照)と、同確率が低い低確状態(同図上段参照)と、の間の移行抽選に適用される抽選テーブルである。ART確率移行抽選テーブルとしては、低確状態から高確状態への第1の移行抽選テーブルと、高確状態から低確状態への第2の移行抽選テーブルと、が規定されている。第1の移行抽選テーブルでは、BB状態終了時、RB状態終了時、2枚役入賞時、6枚役入賞時の移行確率が、それぞれ、70%、50%、3%、20%に設定されている。一方、第2の移行抽選テーブルでは、ゲーム毎に実行される移行抽選における移行確率が0.2%に設定され、リプレイ役入賞時の移行確率が12%に設定されている。
【0043】
乱数抽出部78(図6)は、乱数発生部780が発生する0〜65535の範囲の乱数の中から抽選用の乱数を抽出する。抽選用の乱数としては、前記リール制御テーブルを除く各抽選テーブルに対応して抽出される乱数がある。
【0044】
以下、スロットマシン5の制御部58が備える各手段について、図6を参照して説明する。
内部抽選手段71は、内部抽選により内部当選役を決定し、その内部当選役に対応する内部当選フラグを成立させる手段である。内部抽選手段71は、内部当選役抽選テーブル(図7参照。)に規定された各役の当選乱数に対して内部当選役抽選用の乱数を照合し、内部当選役を決定する。内部抽選手段71は、前記内部当選役抽選テーブルのうちのいずれかを遊技状態に応じて選択的に利用する。
【0045】
フラグ制御手段710は、内部抽選手段71が成立させた内部当選フラグを制御する手段である。フラグ制御手段710は、ボーナス役以外の他の役の内部当選フラグについては、その内部当選フラグが初めて成立したゲームで入賞したか否かに関わらず次のゲームを開始するまでにオフ状態(ゼロ)にリセットする。したがって、ボーナス役以外の各役が内部当選したゲームで入賞しなかった場合、全て取りこぼしとなる。一方、ボーナス役の内部当選フラグであるボーナス役フラグについては、入賞するまで、内部当選フラグの成立状態が次回のゲームに順次、持ち越され、入賞に応じてオフ状態にリセットされる。
【0046】
ART抽選手段75は、ARTに関する各種抽選の実行手段である。ART抽選手段75が実行する抽選としては、ART状態を発生させるか否かのART抽選、ARTゲーム数に上乗せするゲーム数を抽選するARTゲーム数上乗せ抽選、ART状態をさらに1セット継続するか否かのART継続抽選、前記高確状態と前記低確状態との間の移行抽選を実行するART確率移行抽選がある。
【0047】
ART抽選は、通常状態(RT0状態及びRT1状態)下で6枚役又は2枚役が内部当選した時、及びBB状態下で1枚役が内部当選した時に実行される。前記ART抽選テーブル(図8及び図9)を利用したART抽選に当選すると、前記ARTカウンタのARTゲーム数に50ゲームがセットされる。
ARTゲーム数上乗せ抽選は、ART状態下が6枚役又は2枚役が内部当選した時に実行される。前記ARTゲーム数上乗せ抽選テーブル(図10)を利用した同抽選により当選した上乗せゲーム数は、ART状態の継続ゲーム数に上乗せされ、これにより1セットのART状態下で実行されるゲーム数が増加する。具体的には、上乗せゲーム数は、前記ARTカウンタのARTゲーム数に加算される。
【0048】
ART継続抽選は、ART状態のセット終了時に実行される。図示しない前記ART継続抽選テーブルを利用した同抽選に当選するとART状態がさらにもう1セット継続される。ハズレの場合には、直ちにART状態が終了する。ART継続抽選に当選すると、前記ARTカウンタのARTゲーム数に50ゲームがセットされる。
ART確率移行抽選としては、低確状態から高確状態への移行抽選と、高確状態から低確状態への移行抽選と、がある。ART確率移行抽選のうち、前記第1の移行抽選テーブル(図示略)を利用した低確状態から高確状態への移行抽選は、BB状態終了時、RB状態終了時、2枚役入賞時、6枚役入賞時に実行される。前記第2の移行抽選テーブル(図示略)を利用した高確状態から低確状態への移行抽選は、リプレイ役入賞時を含め、毎ゲーム実行される。
【0049】
表示制御手段72は、ゲーム開始信号に応じてリール52の図柄変動を開始すると共に、変動停止信号に応じてリール52の図柄変動を停止させる手段である。表示制御手段72は、リール駆動部521を構成するステッピングモータに制御パルスを入力し、1パルス毎に1ステップずつステッピングモータを回転させる。表示制御手段72は、リール駆動部521に入力した制御パルス数、すなわちステッピングモータが回転したステップ数をカウントする。特に、本例の表示制御手段72は、各リール52の基準位置片の検知信号を取り込むごとにステップ数をゼロリセットすることで、直近の検知信号の後に生じたステップ数をカウントしている。
【0050】
表示制御手段72は、規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)等が定める所定の引込範囲内の図柄を入賞ライン上に停止させる、いわゆる引込制御を実行する。本例では、引込範囲として4図柄分に相当する範囲が設定されている。表示制御手段72は、入賞ライン上に停止可能な停止位置が規定されたリール制御テーブルに対して変動停止信号を取り込みした際のステップ数を照合し、停止位置を決定する。表示制御手段72は、内部当選フラグに対応する図柄を決定した停止位置に引き込んでリール52を停止させる。なお、本例のスロットマシン5では、リール52の変動開始に応じて、そのゲームに対するメダルの使用数分のアウト信号が外部出力される。
【0051】
入賞役判定手段73は、3基のリール52L、C、Rが停止表示する図柄の組合せが所定の入賞図柄であるか否かを判定する手段である。具体的には、入賞役判定手段73は、3基のリール52L、C、Rを横断するように設定された入賞ライン511〜514上に停止した図柄の組合せに応じて入賞役を判定する。入賞役判定手段73は、各リール52L、C、Rが停止した後、対応する各ステッピングモータ(リール駆動部521)のステップ数を取り込む。入賞役判定手段73は、このステップ数に基づき入賞ライン511〜514上に停止した図柄520の種類を求め、その図柄520の組合せについて入賞役が成立するか否かを判定する。
【0052】
利益付与手段74は、入賞役判定手段73により判定された入賞役に対応する利益を付与する手段である。例えば、ボーナス役が入賞役である場合には、ボーナス状態の発生という利益が付与される。また、例えば、6枚役が入賞役である場合には6枚のメダルの払い出しという利益を付与する。6枚のメダルが払い出されるとき、払出数6枚に対応してセーフ信号が6回、外部出力される。
【0053】
ボーナス状態発生手段76は、ボーナス役の入賞に応じてボーナス状態を発生させる手段である。ボーナス状態としては、BB役に対応するBB状態と、RB役に対応するRB状態と、がある。BB状態は、払出数が300枚を超えたときに終了する最も有利なボーナス状態である。RB状態は、入賞回数が8回に達したときに終了するボーナス状態である。BB状態、RB状態の発生中には、それぞれ、BB信号、RB信号が外部出力される。
【0054】
特定状態発生手段77は、特定状態であるART状態を発生させる手段である。特定状態発生手段77は、RT2状態下でゲームが開始される毎に前記ARTカウンタのARTゲーム数を参照する。ARTゲーム数が1ゲーム以上であれば、リプレイ役の入賞確率が高く、かつ、ATによる報知が行われるART状態(特定状態)を発生させる。ART状態では、5枚役Aをトリプル入賞させるための押し順、及び転落リプレイ役の入賞を回避するための押し順が報知される。なお、ART状態においては、ゲームが実行される毎にARTゲーム数が1ゲームずつ減算更新される。なお、ART状態の発生中では、前記ART表示ランプ555(図2)が点灯する。
【0055】
以上のように構成されたスロットマシン5における遊技状態の遷移について、図11を参照して説明する。
(RT0状態)
BB状態又はRB状態の終了に応じて発生する通常状態である。RT0状態は、ボーナス役の入賞、又は1枚役の取りこぼしに応じたRT1状態への移行に応じて終了する。AT状態が発生すれば、5枚役Aを含む同時当選したゲームで中リール52Cの中段に「ベル」を停止(5枚役Aのトリプル入賞)させるための押し順が報知される。
【0056】
(RT1状態)
通常状態であるRT1状態は、ボーナス役の入賞、昇格リプレイ役の入賞に応じたRT2状態への移行、あるいは転落リプレイ役の入賞に応じたRT0状態への転落に応じて終了する。RT1状態では、通常リプレイ役と転落リプレイ役の何れか2つとの同時当選が1/7.3の確率で発生し、押し順に応じて何れかが入賞する。AT状態が発生すれば、5枚役Aを含む同時当選ゲームで中リール52Cの中段に「ベル」を停止させるための押し順、及び昇格リプレイ役を含む同時当選ゲームで昇格リプレイ役を入賞させるための押し順が報知される。
【0057】
(RT2状態)
RT2状態は、リプレイ役の内部当選確率が高い有利な遊技状態(リプレイ高確状態)である。RT2状態は、RT1状態下で昇格リプレイ役が入賞したときに発生し、ボーナス役の入賞、転落リプレイ役の入賞に応じたRT0状態への移行に応じて終了する。RT2状態では、通常リプレイ役と転落リプレイ役の何れか2つとの同時当選が1/1.3の確率で発生し、押し順に応じて何れかが入賞する。AT状態を伴うRT1状態から移行したときにART状態となり、5枚役Aを含む同時当選ゲームで中リール52Cの中段に「ベル」を停止させるための押し順、及び転落リプレイ役を含む同時当選ゲームで転落リプレイ役の入賞を回避するための押し順が報知される。
【0058】
以上のような構成の本例のスロットマシン5の遊技では、通常状態あるいはBB状態下のART抽選に当選すると、まず、AT状態が発生し、AT状態の発生中に昇格リプレイ役が入賞するとART状態が発生する。ART抽選に当選した場合には、抽選により0〜32ゲームの潜伏ゲーム数が決定される。通常状態下の当選の場合には、潜伏ゲーム数の消化後にAT状態が発生する。BB状態下の当選の場合には、RT0状態への移行後、潜伏ゲーム数が消化された後にAT状態が発生する。AT状態の発生中では、昇格リプレイ役を入賞させるための報知が行われる。このような報知に応じてRT1状態下で昇格リプレイ役を入賞できると、RT2状態への移行に応じてART状態が発生する。
【0059】
1セット50ゲームのART状態が終了すると、ART抽選の当選時に決定された継続率に基づいてART継続抽選が行われ、当選に応じてさらに1セット50ゲームのART状態が発生する。また、ART状態の発生中に実行されるARTゲーム数上乗せ抽選に当選すれば、その当選に応じて決定された上乗せゲーム数が1セットのゲーム数に追加される。なお、本例では、通常状態下のART抽選について、当選確率が高い高確状態と、当選確率が低い低確状態と、が設定され、ART確率移行抽選の抽選結果に応じて相互に切り換えられる。
以上、本例の遊技データ表示装置1を組み合わせるスロットマシン5に関する説明である。
【0060】
次に、中継器42は、図1に示すごとく、スロットマシン5と遊技データ表示装置1との間の中継処理等を実行する装置である。中継処理では、スロットマシン5が出力する遊技信号が遊技データ表示装置1に転送される。この中継処理により、スロットマシン5から遊技データ表示装置1に転送される遊技信号としては、少なくとも以下の信号がある。
(1)セーフ信号:入賞に応じてメダルが1枚払い出される毎に出力される信号。
(2)アウト信号:ゲームに使用されたメダル数分、出力される信号。
(3)ゲーム開始信号:ゲーム開始に応じて出力される信号。
(4)RB信号:RB状態の発生中に出力される信号。
(5)BB信号:BB状態の発生中に出力される信号。
【0061】
次に、本例の遊技データ表示装置1は、図1及び図12に示すごとく、スロットマシン5に対応して個別に設置される前面横長の表示装置であり、スロットマシン5の上側に設置されている。この遊技データ表示装置1は、略矩形状のデータ表示画面130を備えたデータ表示部(表示手段)13を中央部分に配置してなると共に、データ表示部13の両側にランプ部111を備えている。データ表示部13の右側には、フロア係の従業員等を呼び出すための呼出ボタン112が配置されている。さらに、遊技データ表示装置1は、リード線を介して接続された光センサ(点灯検知手段)17(図13参照。図1及び図12では図示略)を備えている。この光センサ17は、スロットマシン5のART表示ランプ555(図2)の発光を検知できるように配設されている。
【0062】
遊技データ表示装置1は、図13に示すごとく、CPU101を含む制御部10を中心として電気的に構成されている。制御部10には、データ表示部13、タッチパネル15、及び光センサ17等が電気的に接続されている。データ表示部13は、スロットマシン5の遊技データを表示する表示手段としての機能を備えている。
【0063】
制御部10は、図13に示すごとく、ソフトウェアを実行して各種演算を実施するCPU101、メモリ手段としてのROM102、RAM103、信号の入出力を行うI/O部104を含んでいる。CPU101は、ソフトウェアの実行により、大当たり状態判定手段21、特定状態判定手段22、計数手段23、初当たり判定手段24、連チャン判定手段25、遊技データ生成手段27としての各機能を実現する。なお、各手段の内容については、後で説明する。
【0064】
I/O部104は、スロットマシン5の遊技信号を受信する信号受信手段26としての機能を備えている。本例の遊技データ表示装置1が中継器42を経由してスロットマシン5から取り込む遊技信号としては、ゲーム信号、BB信号、RB信号、セーフ信号、アウト信号等がある。
【0065】
RAM103などの記憶領域には、対応するスロットマシン5の遊技情報を記憶するデータ記憶エリア、及び後述する初当たりフラグや連チャンフラグ等のフラグエリアが形成されている。
データ記憶エリアに記憶される遊技データ等としては、以下のデータがある。
(1)(ボーナス+ART)間ゲーム数:直前のボーナス状態あるいはART状態が終了してから現在までのゲーム数。
(2)BB回数:当日のBB状態の発生回数。
(3)RB回数:当日のRB状態の発生回数。
(4)(ボーナス+ART)間履歴データ:当日のボーナス状態及びART状態の履歴データ(図14参照。)。
(5)1日前のボーナス発生回数:1日前のBB状態及びRB状態の発生回数。
(6)2日前のボーナス発生回数:2日前のBB状態及びRB状態の発生回数。
なお、上記の遊技データのうち(5)、(6)のボーナス発生回数については、日付更新の操作に応じて、当日→1日前、1日前→2日前というようにデータが入れ替えられる。
【0066】
以下、遊技データ表示装置1の制御部10が備える各手段について、図13を参照して説明する。
大当たり状態判定手段21は、中継器42を介してBB信号あるいはRB信号の受信が開始されたとき、対応するボーナス状態が開始されたと判断する。その後、BB信号あるいはRB信号の受信が終了したとき、対応するボーナス状態の終了を判断する。
特定状態判定手段22は、スロットマシン5のART表示ランプ555の点灯が光センサ17により検知されたとき、ART状態が開始されたと判断する。その後、光センサ17によるART表示ランプ555の消灯検知に応じてART状態の終了を判断する。
【0067】
計数手段23は、スロットマシン5の遊技データを計数する手段である。計数手段23が計数する遊技データとしては、前記データ記憶エリアに記憶される以下の各遊技データがある。
(1)(ボーナス+ART)間ゲーム数:直前のボーナス状態あるいはART状態が終了した後、ゼロスタートで計数開始され、ゲーム信号を受信する毎に1ゲームずつ加算される。
(2)BB回数:BB信号が非受信の状態から受信状態へ切り替わる毎に1回ずつ加算される。
(3)RB回数:RB信号が非受信の状態から受信状態へ切り替わる毎に1回ずつ加算される。
【0068】
初当たり判定手段24は、連チャンではない初当たりのボーナス状態を判定する手段である。初当たり判定手段24は、連チャンフラグがオフの状態でBB状態又はRB状態が開始されたとき、そのボーナス状態を初当たりと判定し、初当たりフラグをオン状態に設定する。この初当たりフラグは、以下の3条件のうちの何れかが満たされたときにオフ状態に切り換えられる。
【0069】
・第1の条件:ボーナス状態にもART状態にも移行することなく上記(1)(ボーナス+ART)間ゲーム数が100ゲームに到達したこと。
・第2の条件:上記(1)(ボーナス+ART)間ゲーム数が100ゲームに到達する前にART状態に移行し、その後、ボーナス役が入賞することなくそのART状態が終了したこと。
・第3の条件:初当たりと判定されたボーナス状態の終了後、新たに発生したボーナス状態が連チャンと判定されたこと。
【0070】
連チャン判定手段25は、新たにボーナス状態が発生したとき、連チャンが生じたか否かを判定する。連チャン判定手段25は、初当たりのボーナス状態が終了した後、初当たりフラグがオン状態に設定されている間に発生した新たなボーナス状態を連チャンと判定し、連チャンフラグをオン状態に設定する。この連チャンフラグは、上記第1又は第2の条件が満たされたときにオフ状態に切り換えられる。連チャンフラグがオン状態からオフ状態に切り換えられたとき、連チャン終了となる。連チャン判定手段25は、連チャンと判定されたボーナス状態が終了した後、連チャンフラグがオン状態に設定されている間に発生した新たなボーナス状態を連チャンと判定し、連チャンフラグをそのままオン状態に保持する。
【0071】
遊技データ生成手段27は、スロットマシン5の各種の遊技データを生成する手段である。遊技データ生成手段27が生成する遊技データとしては、少なくとも、前記(4)(ボーナス+ART)間履歴データがある。
(4)(ボーナス+ART)間履歴データ:図14に示すごとく、新たなボーナス状態あるいはART状態の発生が検知される毎に新たな履歴データを生成し、既存の履歴データを1回前→2回前、2回前→3回前というように順次、繰り下げる。履歴データは、遊技状態の種類(BB状態、RB状態、ART状態)、直前のボーナス状態あるいはART状態の終了後の実行ゲーム数である(ボーナス+ART)間ゲーム数(上記(1)(ボーナス+ART)間ゲーム数)、初当たりのボーナス状態である旨を表す初当たりフラグ、連チャン中に発生した遊技状態である旨を表す連チャンフラグを含んでいる。さらに、ART状態については、そのART状態下の実行ゲーム数であるART実行ゲーム数が追加されている。
【0072】
なお、図14においては、初当たりフラグがオン状態に設定されたボーナス状態の同フラグ欄に○印が付されている。また、連チャンフラグがオン状態に設定されたボーナス状態あるいはART状態の同フラグ欄に○印が付されている。同図に基づけば、初当たりフラグ欄に○印が付されたボーナス状態を先頭とし、連チャンフラグ欄に○印が付されたボーナス状態あるいはART状態が連なる連チャンを把握できる。図14の例であれば、5回前のRB状態を先頭として、2回前のART状態までの連チャンが発生している。
【0073】
次に、データ表示部13のデータ表示画面130について、図15を参照して説明する。同図は、図14の(ボーナス+ART)間履歴データに基づくデータ表示画面130を示している。データ表示画面130は、左側のボーナスデータ表示欄131、上記(1)(ボーナス+ART)間ゲーム数を表示する右側上段の(ボーナス+ART)間ゲーム数表示欄132、及び上記(4)(ボーナス+ART)間履歴データ(図14)を棒グラフ表示する履歴表示欄133を含む表示画面である。
【0074】
ボーナスデータ表示欄131では、本日データ表示欄131A、前日データ表示欄131B、前々日データ表示欄131Cが上下3段に渡って配置されている。各データ表示欄は、BB状態の発生回数表示欄と、RB状態の発生回数表示欄と、により構成されている。本日データ表示欄131Aには、上記(2)BB回数、上記(3)RB回数が表示される。前日(前々日)データ表示欄131B(131C)には、上記(5)1日前のボーナス発生回数(上記(6)2日前のボーナス発生回数)が表示される。
【0075】
履歴表示欄133では、上記(4)(ボーナス+ART)間履歴データ(図14)中の各遊技状態に対応する(ボーナス+ART)間ゲーム数を棒グラフ表示する表示領域18が水平方向に配置されている。本例では、10回分のボーナス状態あるいはART状態に対応できるように10箇所の表示領域18が表示されている。発生時点が新しい遊技状態に対応する表示領域18ほど左側に、古い遊技状態に対応する表示領域18ほど右側に配置されている。図示しない履歴ボタンを操作すれば、左端の表示領域18を欄外に送り出し、それまで表示されていなかったボーナス状態の表示領域18を新しいものから順番に履歴表示欄133の右端に表示させることができる。例えば、1回前〜10回前の表示領域18が履歴表示欄133に表示された状態で履歴ボタンを1回操作すれば、2回前〜11回前の表示領域18を欄内に表示できる。
【0076】
各表示領域18の下段には、ボーナス状態であればその種類を「BB」又は「RB」のロゴで、ART状態であれば「ART」のロゴで表示する種類表示欄191が配置されている。表示領域18の棒グラフ185は、(ボーナス+ART)間ゲーム数100ゲーム分を表す横長矩形状のブロック180を積み重ねて表される。例えば、(ボーナス+ART)間ゲーム数が343ゲームである場合には、100未満切り上げにより4個のブロック180が積み重ねて表示される。また、例えば、29ゲームであれば、100未満切り上げにより1個のブロック180のみが表示され、ブロック9個分の空き領域が発生する。
【0077】
本例の遊技データ表示装置1では、この空き領域を活用して、連チャンを表す連チャン矢印192が表示される。連チャン矢印192は、初当たりフラグがセットされたボーナス状態(図14の例であれば5回前のRB状態)に対応する空き領域から、連チャンフラグがセットされた一連の遊技状態のうち最も新しいもの(同図の例であれば2回前のART状態)に対応する空き領域に渡って表示される。当然ながら、連チャンが長く継続するほど、水平方向に長い連チャン矢印192が表示されることになる。
【0078】
さらに、本例では、ART状態に対応する棒グラフ185が、上記(1)(ボーナス+ART)間ゲーム数だけでなく、そのART状態で実行された上記(4)(ボーナス+ART)間履歴データ中のART実行ゲーム数を表示している。このART実行ゲーム数は、棒グラフ185を構成するブロック180の種類に応じて表示される。白抜きブロックが1〜100ゲームを表し、斜線ハッチングブロックが101〜300ゲームを表し、塗りつぶしブロックが301ゲーム以上を表している。例えば、履歴表示欄133中の左から2番目の棒グラフ185で表示される図14中の2回前のART状態であれば、ART実行ゲーム数が210ゲームであるので、斜線ハッチングブロックにより棒グラフ185が表示されている。
【0079】
ここで、ART状態に対応する棒グラフ185中に表示されるブロック180の種類は、ART状態の進行に応じてART実行ゲーム数が100ゲーム、300ゲームに達する毎に、白抜き→斜線ハッチング、斜線ハッチング→塗りつぶし、というように順次、切り替えられる。なお、ART状態の進行中にブロック180の表示切替を実行せず、ART状態が終了してART実行ゲーム数が確定したときに、そのART実行ゲーム数に対応する種類のブロック180に表示を切り替えることも良い。
【0080】
以上のように構成された本例の遊技データ表示装置1は、ボーナス状態及びART状態のうち何れか一方が発生する毎に、直前のボーナス状態又はART状態が終了してからのゲーム数である(ボーナス+ART)間ゲーム数を棒グラフ185により表示する。このように、直前のボーナス状態あるいはART状態が終了してから、ボーナス状態が発生するまでのゲーム数に加えて、ART状態間の履歴を棒グラフ185で表示すれば、通常状態等の不利な遊技状態がどの程度発生したかを遊技者が即座に判別できるようになる。
【0081】
さらに、本例の遊技データ表示装置1は、ART状態における実行ゲーム数に応じて、そのART状態に対応する棒グラフ185の外観を異ならせて表示する。遊技者は、ART状態に対応する棒グラフ185の外観に応じて、ART状態が継続した度合いを把握可能である。
【0082】
以上のように、本例の遊技データ表示装置1によれば、ボーナス状態の他に有利なART状態を発生するスロットマシン5の遊技情報を分かり易く表示可能である。
【0083】
なお、本例では、遊技者側に有利な特定状態としてART状態を設定したが、これに代えて、内部当選役の報知等の入賞ナビが行われるAT状態や、リプレイ役の入賞確率が高いRT状態や、大当たりの当選確率が高くなる確変状態等を特定状態として設定しても良い。
【0084】
なお、本例では、連チャンの判定回数として100ゲームを設定したが、判定回数は遊技場側で設定できるようにしても良い。また、本例では、棒グラフ185を構成するブロック1個分に当たる100ゲームが判定回数となっているが、1個のブロックが表すゲーム数とは異なる判定回数を設定しても良い。例えば、1ブロックが100ゲームの場合に、50ゲームを判定回数として設定しても良い。
【0085】
なお、本例のデータ表示画面130(図15参照。)では、ブロック180の塗り分けによってART実行ゲーム数を3段階で表している。これに代えて、図16のごとく、ブロック180の形によりART実行ゲーム数を表すことも良い。同図では、三角形のブロックにより1〜200ゲームのART実行ゲーム数を表し、楕円のブロックにより201ゲーム以上のART実行ゲーム数を表している。
ブロック180の種類を切り替えるART実行ゲーム数の設定は、図15のように100ゲーム、300ゲームであっても良く、図16のような200ゲームであっても良い。ブロック180の種類を切り替えるART実行ゲーム数の設定数、及びその値については、本例に限定されることなく適宜、変更可能である。
【0086】
以上のごとく本発明の実施例を詳細に説明したが、これらの実施例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、実施例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して実施例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【符号の説明】
【0087】
1…遊技データ表示装置、10…制御部、111…ランプ部、13…データ表示部(表示手段)、130…データ表示画面、133…履歴表示欄、17…光センサ(点灯検知手段)、18…表示領域、180…ブロック、185…棒グラフ、21…大当たり状態判定手段、22…特定状態判定手段、23…計数手段、24…初当たり判定手段、25…連チャン判定手段、26…信号受信手段、27…遊技データ生成手段、4…遊技場管理システム、41…管理装置、42…中継器、5…スロットマシン、555…ART表示ランプ(点灯手段)、58…制御部、71…内部抽選手段(大当たり抽選手段)、76…ボーナス状態発生手段(大当たり発生手段)、77…特定状態発生手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大当たりの抽選を実行する大当たり抽選手段と、
前記大当たり抽選手段による抽選結果に応じて図柄の変動表示を行う図柄変動表示手段と、
大当たりの当選に応じて大当たり状態を発生する大当たり発生手段と、
通常状態と同様に前記大当たり抽選手段による大当たりの抽選が実行されると共に、通常状態よりも遊技者にとって有利な特定状態を発生する特定状態発生手段と、を有する遊技機の遊技データを表示する遊技データ表示装置であって、
前記大当たり状態を判定する大当たり状態判定手段と、
前記特定状態を判定する特定状態判定手段と、
前記図柄変動表示手段による変動表示回数を計数する計数手段と、
前記大当たり状態及び前記特定状態が発生する毎に、直前の大当たり状態又は特定状態が終了してからの変動表示回数の度合いを棒の長さで表す棒グラフを表示する表示手段と、を備え、
前記表示手段は、前記特定状態における変動表示回数に応じて、当該特定状態が発生するまでに要した変動表示回数を表す前記棒グラフの外観を異ならせて表示することを特徴とする遊技データ表示装置。
【請求項2】
前記遊技機は、前記特定状態の発生中に点灯する点灯手段を有しており、
前記点灯手段による点灯を検知する点灯検知手段を備え、
前記特定状態判定手段は、前記点灯検知手段が点灯を検知しているときに特定状態と判定することを特徴とする請求項1に記載の遊技データ表示装置。
【請求項3】
直前の大当たり状態が終了してからの変動表示回数が予め設定された判定回数以内で新たな大当たり状態が発生した場合、及び直前の大当たり状態が終了してから前記判定回数以内で発生した前記特定状態の継続中に大当たりが当選して新たな大当たり状態が発生した場合に連チャンが生じたと判定する連チャン判定手段と、を備え、
前記表示手段は、前記連チャン判定手段により連チャンが生じたと判定された大当たり状態、及び連チャンが生じたと判定された大当たり状態の契機となった大当たりの当選が前記特定状態の継続中であった場合の当該特定状態について、連チャンを表す連チャン表示を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技データ表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−205809(P2012−205809A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74350(P2011−74350)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】