説明

遊技台の検査方法、遊技台検査システム、検査用球、検査用メダル、および遊技台搬送装置

【課題】遊技台を構成する各種構成部品の不良などを容易且つ確実に見つけることができ、遊技台の品質を高めることができる遊技台の検査方法、遊技台検査システム、検査用球、検査用メダル、および遊技台搬送装置を提供する。
【解決手段】遊技台検査システムは、遊技に使用される所定の遊技媒体とは異なる検査用球または検査用メダルを用いて、遊技台を構成する各種構成部品が所定の基準を満たしているか否かの検査を行うように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンやパチンコ機に代表される遊技台の検査方法、遊技台検査システム、検査用球、検査用メダル、および遊技台搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技台を大量に生産して販売する場合、不良品の存在は市場の混乱を引き起こしかねないため、遊技台の製造工程の中でも、遊技台の品質をチェックする工程は特に重要な工程である。
【0003】
近年では、遊技媒体の大きさの違い、遊技媒体への塵の付着などによって引き起こされる不具合などが見受けられ、例えば、球には遊技店の店名の刻印がなされており、その表面加工によって僅かな質量の違いが生じ、それが原因で不具合が発生するケースがある。
【0004】
さらには、不良品により引き起こされる不具合のケースも見受けられる。例えば、部品の組み付け不良に伴う遊技球の詰まり不具合や、球通路の連結部の組み付け不良に伴う遊技球の球飛び不良や、外部に委託した部品の成型時の不良などであり、その原因は様々である。このような不具合に対しては、いずれの箇所で不具合が発生しているかについて把握することが重要であり、簡単にチェックできる方法が切望されている。さらに、外観で確認するには困難な組み付け不良や成型時の不良などを簡単にチェックすることなども切望される。品質のチェックには、検査員の検査の能力に依存する部分が大きいため、従来は人的作業に伴う品質レベルのバラツキが生じやすかった。また、遊技台を構成する各種構成部品の組み付け不良などのチェックは、一般的に作業性を考慮した上で、組み付けた後に検査することとなるが、奥まったところに配置されたり、部品同士の重なり具合や、部品の材質などにより、内部状況を外観で確認するには困難がある。
【0005】
このような場合、組み付け不良や、わずかな段差、隙間などを検査する場合に、非常に手間と時間がかかるといった問題があった。さらには、検査対象の部品を管理する際、品質チェックのレベルや異なった事案に対する品質チェックに対応すべく、検査結果を蓄積して、以後の部品検査の際に活用できるノウハウを蓄積することも課題であった。検査工程を効率的な作業工程にする課題もあった。
【0006】
上記の効率的な作業工程に関しては、リサイクル部品や新規の組み付け部品を効率的に収容した製造ラインが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−172219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載の製造工程は、部品を効率的に収容して効率的な製造工程を実現するものであり、効率的に品質チェックを行うことが困難であった。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、遊技台を構成する各種構成部品の不良などを容易且つ確実に見つけることができ、遊技台の品質を高めることができる遊技台の検査方法、遊技台検査システム、検査用球、検査用メダル、および遊技台搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明は、遊技に使用される所定の遊技媒体を受け入れる各種構成部品を搭載した遊技台の検査方法であって、前記所定の遊技媒体とは異なる検査用球または検査用メダルを用いて、前記各種構成部品が所定の基準を満たしているか否かの検査を行うことを特徴とする、遊技台の検査方法である。
【0010】
(2)本発明はまた、遊技に使用される所定の遊技媒体を受け入れる各種構成部品を搭載した遊技台の検査を行う遊技台検査システムであって、前記所定の遊技媒体とは異なる検査用球または検査用メダルを用いて、前記各種構成部品が所定の基準を満たしているか否かの検査を行うように構成されていることを特徴とする、遊技台検査システムである。
【0011】
(3)本発明はまた、前記検査用球または前記検査用メダルの動作態様を分析する分析手段と、前記分析手段による分析結果に基づいて、前記各種構成部品が前記所定の基準を満たしているか否かを判定する判定手段と、を備えることを特徴とする、前記(2)記載の遊技台検査システムである。
【0012】
(4)本発明はまた、前記検査用球または検査用メダルの動作態様を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された動作態様、または、前記判定手段による判定結果を示す情報を表示する表示手段と、をさらに備え、前記分析手段は、前記撮像手段によって撮像された前記検査用球または検査用メダルの動作態様に基づいて、前記検査用球または前記検査用メダルの動作態様を分析することを特徴とする、前記(3)に記載の遊技台検査システムである。
【0013】
(5)本発明はまた、前記撮像手段は、前記検査用球が遊技台の遊技盤面を通過する通過態様を撮像し、前記分析手段は、前記撮像手段によって撮像された前記検査用球の通過態様に基づいて、前記検査用球の通過数を特定し、前記判定手段は、前記分析手段が特定した前記検査用球の通過数に基づいて、前記遊技盤面に配設された各種構成部材が前記所定の基準を満たしているか否かを判定することを特徴とする、前記(4)記載の遊技台検査システムである。
【0014】
(6)本発明はまた、前記撮像手段は、前記検査用球が前記遊技台の遊技盤面を通過する通過態様を撮像し、前記分析手段は、前記撮像手段によって撮像された前記検査用球の通過態様に基づいて、前記検査用球の軌跡を特定し、前記判定手段は、前記分析手段が特定した前記検査用球の軌跡に基づいて、前記遊技盤面に配設された各種構成部材が前記所定の基準を満たしているか否かを判定することを特徴とする、前記(4)に記載の遊技台検査システムである。
【0015】
(7)本発明はまた、前記所定の遊技媒体を遊技盤面に向けて発射する発射装置をさらに備え、前記撮像手段は、前記検査用球が前記発射装置によって前記遊技盤面に向けて発射される発射態様を撮像し、前記分析手段は、前記撮像手段によって撮像された前記検査用球の発射態様に基づいて、前記発射装置と前記検査用球の相対位置を特定し、前記判定手段は、前記分析手段が特定した前記発射装置と前記検査用球の相対位置に基づいて、前記発射装置を構成する各種構成部材が前記所定の基準を満たしているか否かを判定することを特徴とする、前記(4)に記載の遊技台検査システムである。
【0016】
(8)本発明はまた、前記所定の遊技媒体を前記遊技台に供給する供給装置をさらに備え、前記撮像手段は、前記検査用球または前記検査用メダルが前記供給装置内を通過する通過態様を撮像し、前記分析手段は、前記撮像手段によって撮像された前記検査用球または前記検査用メダルの通過態様に基づいて、前記検査用球または前記検査用メダルの動きを分析し、前記判定手段は、前記分析手段が分析した前記検査用球または前記検査用メダルの動きに基づいて、前記供給装置を構成する各種構成部材が前記所定の基準を満たしているか否かを判定することを特徴とする、前記(4)に記載の遊技台検査システムである。
【0017】
(9)本発明はまた、前記所定の遊技媒体を前記遊技台から払い出す払出装置をさらに備え、前記撮像手段は、前記検査用球または前記検査用メダルが前記払出装置内を通過する通過態様を撮像し、前記分析手段は、前記撮像手段によって撮像された前記検査用球または前記検査用メダルの通過態様に基づいて、前記検査用球または前記検査用メダルの動きを分析し、前記判定手段は、前記分析手段が分析した前記検査用球または前記検査用メダルの動きに基づいて、前記払出装置を構成する各種構成部材が前記所定の基準を満たしているか否かを判定することを特徴とする、前記(4)に記載の遊技台検査システムである。
【0018】
(10)本発明はまた、所定量の前記検査用球または検査用メダルを前記各種構成部品に供給する供給手段と、前記供給手段によって供給された前記検査用球または前記検査用メダルを前記各種構成部品から回収する回収手段と、をさらに備えることを特徴とする、請求項2〜9のいずれかに記載の遊技台検査システムである。
【0019】
(11)本発明はまた、遊技に使用される所定の遊技媒体を受け入れる各種構成部品を搭載した遊技台の検査に用いられる検査用球または検査用メダルであって、前記各種構成部品が所定の基準を満たしているか否かの検査を行うため、少なくとも、真球度、真円度、質量、大きさのうち、いずれか1つの態様を異ならせ、且つ、所定の表面加工を施すことにより前記所定の遊技媒体との識別を可能としたことを特徴とする、検査用球または検査用メダルである。
【0020】
(12)本発明はまた、遊技に使用される所定の遊技媒体を受け入れる各種構成部品を搭載した遊技台を搬送手段によって搬送する遊技台搬送装置であって、前記所定の遊技媒体とは異なる検査用球又は検査用メダルを用いて、前記各種構成部品が所定の基準を満たしているか否かの検査を行った後、その検査の結果に応じて前記搬送手段を制御する制御部を有することを特徴とする、遊技台搬送装置である。
【0021】
(13)本発明はまた、所定量の前記検査用球または前記検査用メダルを前記各種構成部品に供給するとともに、供給した前記検査用球または前記検査用メダルの個数をカウントする供給手段と、前記供給手段によって供給された前記検査用球または前記検査用メダルを回収するとともに、回収した前記前記検査用球または前記検査用メダルの個数をカウントして回収する回収手段を備え、前記制御手段は、前記供給手段によってカウントした前記検査用球または検査用メダルの個数と、前記回収手段によってカウントした前記検査用球または前記検査用メダルの個数が一致した場合に、前記搬送手段を駆動して前記遊技台を次の検査位置まで搬送する制御を行うことを特徴とする、遊技台搬送装置である。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る遊技台の検査方法、遊技台検査システム、検査用球、検査用メダル、および遊技台搬送装置によれば、遊技台を構成する各種構成部品の不良などを容易且つ確実に見つけることができ、遊技台の品質を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を用いて、本発明の実施例1に係る遊技台検査システム150について詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
<遊技台検査ライン>
まず、図1を用いて、本実施例1に係る遊技台検査システム150を適用した遊技台検査ラインについて説明する。なお、同図は、遊技台検査システム150を適用した遊技台検査ラインの全体構成図である。
【0025】
遊技台検査ラインは、パチンコ機50を構成する各種構成部品を検査して遊技台の動作確認を行うための動作確認・構成部品検査ライン102と、パチンコ機50を構成する各種構成部品を解体するための構成部品解体ライン104によって構成されている。
【0026】
動作確認・構成部品検査ライン102では、後述する遊技検査システム150を用いて、払出個数検査、センサ入力検査、ランプ・音出力検査、発射動作検査、表示装置検査を行う。具体的には、払出個数検査では、パチンコ機50に供給する検査用球(詳細は後述)の個数と、パチンコ機50から払い出される検査用球の個数が一致するか否かの検査を行う。センサ入力検査では、パチンコ機50が備える各種センサが正常に動作するか否かの検査を行う。ランプ・音出力検査では、パチンコ機50が備えるランプ、スピーカなどの検査を行う。発射動作検査では、パチンコ機50が備える発射ハンドルの発射動作の検査を行う。表示装置検査では、パチンコ機50が備える図柄表示装置、装飾図柄表示装置などの表示装置の検査を行う。
【0027】
構成部品解体ライン104では、パチンコ機50の外枠を本体から分離する外枠分離工程と、パチンコ機50の動作を確認する動作確認工程と、解体された各種構成部品の中から、廃棄する部品とリサイクルする部品を分別するリサイクル・廃棄分離工程をそれぞれ実行する。なお、図中の部品収納エリア106は、リサイクル・廃棄分離工程で解体される各種構成部品を収納するための作業スペースであり、解体された各種部品のうち、廃棄する部品を収容する廃棄部品収容エリア106aと、解体された各種部品のうち、リサイクルを行う部品を収容するリサイクル部品収納エリア106bの2つの作業スペースを設けている。
【0028】
図2(a)は動作確認・構成部品検査ライン102を作業者側から見た正面図であり、同図(b)は動作確認・構成部品検査ライン102を斜め上方から見た外観斜視図である。動作確認・構成部品検査ライン102には、パチンコ機50を所定の検査位置まで搬送するためのローラコンベア201と、パチンコ機50の上皿50aに検査用球を供給するとともに、供給した検査用球の個数をカウントするための計数表示器付き検査用球供給装置204と、パチンコ機50から払い出される検査用球を回収するともに、回収した検査用球の個数をカウントするための計数表示器付き払出球カウンタ202と、パチンコ機50の遊技盤面50bを通過する検査用球を撮像するための遊技盤面・検査用球軌跡撮像装置206と、各種の報知を行うための報知装置208と、検査結果を集計するための検査端末210と、検査結果を表示するためのモニタ312が設置されている。
【0029】
図3はパチンコ機50の各種構成部品のうち、動作確認・構成部品検査ライン102で検査の対象となる構成部品の一例を示した図である。パチンコ機50の筺体は、外枠52、内枠54、遊技盤56、機構板58に大別することができる。内枠54の表側からは、各種演出に用いられるランプや、球を一時的に貯留するための上皿および下皿や、球を遊技盤面50bに向けて発射するための発射ハンドルなどの部材を検査することができ、内枠54の裏側からは、演出に用いられるランプや、遊技盤面50bに配設される釘、風車、各種入賞口、レールや、発射ハンドルを制御するための発射回路、発射モータなどの部材を検査することができる。また、遊技盤56の裏側からは、普図や特図などの図柄表示を行うための図柄表示装置や、球を所定位置まで導くための球誘導ユニットや、球の入賞を検出するための入賞検出センサなどの部材を検査することができ、機構板58の裏側からは、球を一時的に貯留するための貯留タンクや、球を所定位置に導くためのタンクレール、球通路や、球の払出を行うための払出ユニットや、制御回路などが収容される回路基板ボックスなどを検査することができる。
【0030】
図4は構成部品解体ライン104を作業者の後方から見た正面図である。構成部品解体ライン104では、作業者が、ローラコンベア201によって搬送されるパチンコ機50の解体を行う。具体的には、作業者は、パチンコ機50の外枠を本体から取り外した後、本体に取り付けられた各種構成部品を取り外し、廃棄する部品を廃棄部品収容エリア106aに収容し、リサイクルを行う部品をリサイクル部品収納エリア106bに収容する。
【0031】
<遊技台検査システム>
次に、図5を用いて、遊技台検査システム150について説明する。なお。同図は遊技台検査システム150の主要な構成を示したブロック図である。
【0032】
遊技台検査システム150は、遊技台搬送装置200と、この遊技台搬送装置200と相互に通信可能に接続された搬送管理システム300によって構成されている。
【0033】
遊技台搬送装置200は、上述のローラコンベア201、計数表示器付き払出球カウンタ(払出球カウンタ)202、計数表示器付き検査用球供給装置(検査用球供給装置)204、遊技盤面・検査用球軌跡撮像装置206、報知装置208を備え、これらを制御部212で制御するように構成されている。ローラコンベア201は、制御部212から入力する駆動信号によって駆動または停止されるとともに、制御部212に駆動または停止の情報を示す駆動停止情報を出力する。払出球カウンタ202は、パチンコ機50から払い出される検査用球の個数をカウントし、その個数を検査用球回収数情報として制御部212に出力するとともに、検査用球回収数情報をLEDに表示する。検査用球供給装置204は、パチンコ機50の上皿50aに供給される検査用球の個数をカウントし、その個数を検査用球供給数情報として制御部212に出力するともに、検査用球供給数情報をLEDに表示する。遊技盤面・検査用球軌跡撮像装置206は、制御部212から入力する撮像指示情報に基づいてパチンコ機50の遊技盤面50bを撮像し、撮像データを搬送管理システム300に送信する。報知装置208は、制御部212から入力する駆動信号に基づいてランプの点灯や消灯を行う。
【0034】
また、搬送管理システム300は、遊技台搬送装置200の遊技盤面・検査用球軌跡撮像装置206から撮像データを受信して記憶する撮像データ記憶部304と、撮像データなどに基づいて検査用球の動作態様などの解析を行う解析データ判定部306と、上述の検査端末210と、部品情報を記憶する部品データ記憶部310と、解析情報などを表示するためのモニタ312を備え、これらを制御部302で制御するように構成されている。
【0035】
<検査用球>
次に、図6および図7を用いて、遊技台検査システム150を用いた遊技台の検査に使用する検査用球について説明する。図6(a)は検査用球の正面図であり、同図(b)は種類の異なる検査用球1〜10を示した図である。また、図7は検査用球1〜10の球径、重量の一例を示した図である。
【0036】
検査用球1〜10は、その表面に「TEST」という文字が刻印されている点で共通するが、それぞれの色、球径、重量が異なっている。例えば、検査用球1は球径が一番小さく、検査用球の番号が大きいほど球径が大きくなっている。また、検査用球1は重量が一番軽く、検査用球の番号が大きいほど重量が重くなっている。なお、検査用球6〜8は、パチンコ機の規格に準拠する規格内の球であり、検査用球1〜5は、規格内の検査用球6〜8よりも球径が小さく、重量が軽い、規格外の球であり、検査用球9〜10は、規格内の検査用球6〜8よりも球径が大きく、重量が重い、規格外の球である。なお、この例では、検査用球の球径(大きさ)と重量を異ならせたが、例えば、検査用球の真球度を異ならせてもよい。
【0037】
このような検査用球を用いて遊技台の検査を行うことは、通常の遊技球を使用する場合に比べて、次のような利点が挙げられる。
【0038】
通常の遊技球を使用して遊技台の検査を行う際に、球径、重量など違いによる原因で不具合を生じさせていることを視覚的に選別することができない。その点で検査用球はそれぞれの色が異なっている点で、わずかな球径の違いや、わずかな重量の違いを容易に認識できる。
【0039】
また、製品出荷前の動作確認の工程などにおいて、通常の遊技球を使用し、万が一、遊技台の内部に検査のために用いられた遊技球が混入してしまった場合を想定する。その場合に遊技店に納入され、さらにはそのまま、営業開始まで混入状態が継続してしまう場合もある。しかも、検査に用いた遊技球と、市場に流通している遊技球とは一見判断が付かずに、そのまま遊技店で検査のために用いられた遊技球が流通してしまう可能性もある。その点で検査用球はそれぞれの色が異なり、さらには通常の遊技球とは識別しやすいように色彩が施されているため、万が一混入したとしても容易に遊技球とは異なることが判断できる。しかも刻印に「TEST」と表面加工されているため、通常の遊技球とは異なることを、遊技店の店員や遊技客の手に渡ったとしても、その客は通常の遊技球とは異なることを判断しやすい。
【0040】
<遊技検査システムを用いた発射動作検査>
次に、遊技検査システム150を用いた発射動作検査の一例について説明する。遊技検査システム150の遊技台搬送装置200は、動作確認・構成部品検査ライン102において、払出個数検査、センサ入力検査、ランプ・音出力検査を行うと、次に制御部212によってローラコンベア201を駆動してパチンコ機50をランプ・音出力検査位置から発射動作検査位置に搬送した後に、発射動作検査を開始する。
【0041】
この発射動作検査では、最初に、遊技台搬送装置200の制御部212が遊技盤面・検査用球軌跡撮像装置206に撮像指示情報を出力する。この撮像指示情報を入力した遊技盤面・検査用球軌跡撮像装置206は、パチンコ機50の遊技盤面50bを撮像する。
【0042】
続いて、遊技台搬送装置200の制御部212は、遊技盤面・検査用球軌跡撮像装置206が生成した撮像データを、搬送管理システム300の撮像データ記憶部304に送信する。撮像データを受信した撮像データ記憶部304は、撮像データを所定の記憶領域に記憶する。
【0043】
続いて、搬送管理システム300の制御部302は、撮像データ記憶部304から撮像情報(撮像データ)を読み出すとともに、この撮像情報に基づいて解析データ判定部306において各種の解析を行う。また、搬送管理システム300の制御部302は、モニタ312を用いて撮像情報の解析中であることを外部に報知する。図8は検査用球6を用いた発射動作検査における報知例を示した図である。この例では、搬送管理システム300の制御部302は、モニタ312を用いて、検査用球6を用いた発射動作検査中であること、および、撮像情報の解析中であることを外部に報知している。
【0044】
続いて、搬送管理システム300の制御部302は、解析データ判定部306から解析情報を読み出すとともに、この解析情報に基づいてモニタ312に解析結果を表示させる。図9および図10は解析結果の一例を示した図であり、図9は検査用球6の単位時間当たりの通過率が高い遊技盤面50bの位置を上位3つまで示した図であり、図10(a)は図9における第1位分布から第3位分布における検査用球6の通過数を示した図であり、同図(b)は発射検査における検査用球6の通過率が所定の基準を満たしたことを外部に報知する報知例を示した図である。この例では、搬送管理システム300の制御部302は、所定の期間中に遊技盤面50bを通過する検査用球6の撮像データを撮像データ記憶部304に記憶した後、解析データ判定部306によって、撮像データに基づいて、検査用球6の単位時間当たりの通過率が高い遊技盤面50bの位置を特定している。そして、制御部302は、通過率が高かった上位3か所の位置の座標や、通過した検査用球6の数をモニタ312に表示させている。
【0045】
図11および図12は解析結果の他の一例を示した図であり、図11は検査用球6が通過する遊技盤面50b上の軌跡を示した図であり、図12(a)は図11における各軌跡を通過した検査用球6の数を示した図であり、同図(b)は発射検査における検査用球6の軌跡が所定の基準を満たしたことを外部に報知する報知例を示した図である。この例では、搬送管理システム300の制御部302は、所定の期間中に遊技盤面50bを通過する検査用球6の撮像データを撮像データ記憶部304に記憶した後、解析データ判定部306によって、撮像データに基づいて、検査用球6が通過した遊技盤面50b上の軌跡を特定する。そして、検査用球の目標軌跡を示す目標軌跡パターン、検査用球の平均的な軌跡を示す平均軌跡パターン、検査用球の例外的な軌跡を示す例外軌跡パターンや、通過した検査用球6の数をモニタ312に表示させている。
【0046】
なお、本実施例では、遊技台の遊技盤面50bを撮像して発射動作検査を行う例を示したが、本発明はこれに限定されず、以下に説明するような検査を行ってもよい。図13は、上皿50aの平面図である。この例に係る発射検査では、上皿50aに貯留された検査用球60を上方から撮像し、撮像した撮像データに基づいて、検査用球60が、上皿50aと発射装置(図示省略)をつなぐ球通路62上を滞りなく流れるか否かを検査する。このような構成とすれば、上皿50aの成型不良などを迅速且つ確実に見つけることができる場合がある。
【0047】
図14図(a)は検査用球6が発射装置64にセットされた状態を示す図であり、同図(b)は検査用球1が発射装置64にセットされた状態を示す図である。また、図15(a)〜(c)は、検査用球6が発射杵64aによって遊技盤面50bに向けて打ち出される状態を示した図であり、図16(a)〜(c)は、検査用球1が発射杵64aによって遊技盤面50bに向けて打ち出される状態を示した図である。この例に係る発射検査では、発射装置64の近傍を撮像し、撮像した撮像データに基づいて、図17(a)、(b)に示すように、セットされた検査用球と発射杵64aの相対位置が所定の基準に合致しているか否かなどを検査する。このような発射検査では、例えば、図17(a)に示す発射杵64aは、その軸心が検査用球6の中心よりも少し下方を通る位置に配設されており、同図(b)に示す発射杵64aは、その軸心が検査用球1の中心を通る位置に配設されていることが分かる。このような構成とすれば、発射装置64を構成する部材の組み付け不良などを迅速且つ確実に見つけることができる場合がある。
【0048】
図18(a)は動作確認・構成部品検査ライン102においてパチンコ機50の裏側に配設される各種構成部材を検査する例を示した図であり、図(b)は同図(a)の動作確認・構成部品検査ライン102を斜め上方から見た外観斜視図である。また、図19は、パチンコ機50の裏側に配設される球供給装置400の外観斜視図である。
【0049】
球供給装置400は、上方に開口した開口部を有し、球を一時的に貯留するための球タンク402と、この球タンク402の下方に位置し、球タンク402の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置406に導くためのタンクレール404を備えている。払出装置406は、筒状の部材からなり、その内部には、球を上方から下方へ導くための球レール408と、この球レール408を通過する球を一時的に滞留させると共に、モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した球を1個ずつ送り出すスプロケット(図示省略)と、このスプロケットが送り出した球の通過を検知するための払出センサ(図示省略)を備えている。
【0050】
この例では、タンクレール404と払出装置406の筺体を透明部材で形成しており、タンクレール404や球レール408を通過する検査用球が外部から視認可能に構成している。また、パチンコ機50の検査では、タンクレール404や球レール408を撮像し、撮像した撮像データに基づいて、検査用球がタンクレール404や球レール408を正常に通過しているか否かなどを検査する。
【実施例2】
【0051】
次に、本発明の実施例2に係る遊技台検査システム500について詳細に説明する。図20(a)は遊技台検査システム500を適用した動作確認・構成部品検査ラインを斜め上方から見た外観斜視図である。
【0052】
動作確認・構成部品検査ラインでは、後述する遊技検査システム500を用いて、スロットマシン600のメダル投入検査、払出個数検査などを行う。詳細は後述するが、メダル投入検査では、検査用メダルを用いてスロットマシン600に検査用メダルが正常に投入されるか否かなどを検査する。払出個数検査では、スロットマシン600から払い出される検査用メダルの個数を検査する。
【0053】
図20(b)は動作確認・構成部品検査ラインに設けられた検査用メダル供給装置704の外観斜視図であり、図21は構成部品解体ラインを作業者の後方から見た正面図である。また、図22は動作確認・構成部品検査ラインを斜め上方から見た外観斜視図である。
【0054】
動作確認・構成部品検査ラインには、スロットマシン600を所定の検査位置まで搬送するためのローラコンベア702と、スロットマシン600に検査用メダルを供給するための検査用メダル供給装置704と、スロットマシン600の背面に設けた排出口から払い出される検査用メダルの個数をカウントするための計数表示器付き払出メダルカウンタ706と、スロットマシン600の背面に設けられたメダルセレクタ707を側面から撮像するための第1撮像装置708aと、メダルセレクタ707を背面から撮像するための第2撮像装置708bと、検査結果を集計するための検査端末710が設置されている。なお、スロットマシン600の背面にはメダルセレクタ707を外部から視認可能とするための開口部が形成されている。そのため、スロットマシン600は、検査用筐体としての役割を持ち、この検査用筐体を用いて動作確認・構成部品検査を行う。
【0055】
<遊技台検査システム>
次に、図23を用いて、遊技台検査システム500について説明する。なお、同図は遊技台検査システム500の主要な構成を示したブロック図である。
【0056】
遊技台検査システム500は、遊技台搬送装置800と、この遊技台搬送装置800と相互に通信可能に接続された搬送管理システム900と、によって構成されている。
【0057】
遊技台搬送装置800は、上述のローラコンベア701、計数表示器付き払出メダルカウンタ(払出メダルカウンタ)702、検査用メダル供給装置704、第1撮像装置708a、第2撮像装置708bを備え、これらを制御部812で制御するように構成されている。ローラコンベア701は、制御部812から入力する駆動信号によって駆動または停止されるとともに、制御部812に駆動または停止の情報を示す駆動停止情報を出力する。払出メダルカウンタ202は、スロットマシン600から払い出される検査用メダルの個数をカウントし、その個数を検査用メダル回収数情報として制御部812に出力するとともに、検査用メダル回収数情報をLEDに表示する。検査用メダル供給装置704は、スロットマシン600に供給される検査用メダルの個数をカウントし、その個数と検査用メダルの種類を検査用メダル供給情報として制御部812に出力する。第1撮像装置708aは、制御部812から入力する撮像指示情報に基づいてスロットマシン600のメダルセレクタ707を側面から撮像し、撮像データを搬送管理システム900に送信する。第2撮像装置708bは、制御部812から入力する撮像指示情報に基づいてスロットマシン600のメダルセレクタ707を背面から撮像し、撮像データを搬送管理システム900に送信する。
【0058】
また、搬送管理システム900は、遊技台搬送装置800の第1、第2撮像装置708a、708bから撮像データを受信して記憶する撮像データ記憶部904と、解析データ判定部906と、検査端末908と、部品情報を記憶する部品データ記憶部910と、解析情報などを表示するためのモニタ912を備え、これらを制御部902で制御するように構成されている。
【0059】
<検査用メダル>
次に、図24および図25を用いて、遊技台検査システム500を用いた検査に使用する検査用メダルについて説明する。図24(a)は検査用メダルの正面図であり、同図(b)は種類の異なる検査用メダル1〜10を示した図である。また、図25は検査用メダル1〜10のメダル径、厚みの一例を示した図である。
【0060】
検査用メダル1〜10は、その表面に「TEST」という文字が刻印されている点で共通するが、それぞれの色、メダル径、厚みが異なっている。例えば、検査用メダル1はメダル径が一番小さく、検査用メダルの番号が大きいほどメダル径が大きくなっている。また、検査用メダル1は厚みが一番薄く、検査用メダルの番号が大きいほど厚みが厚くなっている。
【0061】
このような検査用メダルを用いて遊技台の検査を行うことは、通常の遊技メダルを使用する場合に比べて、次のような利点が挙げられる。
【0062】
通常の遊技メダルを使用して遊技台の検査を行う際に、メダル径、厚みなど違いによる原因で不具合を生じさせていることを視覚的に選別することができない。その点で検査用メダルはそれぞれの色が異なっている点で、わずかな径の違いや、わずかな厚みの違いを容易に認識できる。
【0063】
また、製品出荷前の動作確認の工程などにおいて、通常の遊技メダルを使用し、万が一、遊技台の内部に検査のために用いられた遊技メダルが混入してしまった場合を想定する。その場合に遊技店に納入され、さらにはそのまま、営業開始まで混入状態が継続してしまう場合もある。しかも、検査に用いた遊技メダルと通常の遊技メダルとは一見判断が付かずに、そのまま遊技店で検査に用いた遊技メダルが流通してしまう可能性もある。その点で検査用メダルはそれぞれの色が異なり、さらには通常の遊技メダルとは識別しやすいように色彩が施されているため、万が一混入したとしても容易に通常の遊技メダルとは異なることが判断できる。しかも刻印に「TEST」と表面加工されているため、通常の遊技メダルとは異なることを、遊技店の店員や遊技客の手に渡ったとしても、その客は通常の遊技メダルとは異なることを判断しやすい。
【0064】
<遊技検査システムを用いたメダル投入検査>
次に、遊技検査システム500を用いたメダル投入検査の一例について説明する。このメダル投入検査では、最初に、遊技台搬送装置800の制御部812が第1、第2撮像装置708a、708bに撮像指示情報を出力する。この撮像指示情報を入力した第1、第2撮像装置708a、708bは、スロットマシン600のセレクタ707の側面と背面を撮像する。なお、本実施例に係るメダルセレクタ707は一部、又は、全部が透明部材で構成しており、メダルセレクタ707の内部を通過する検査用メダルの様子を外部から視認しやすいよう、また、撮像しやすいように構成している。すなわち、メダルセレクタ707は、メダル投入検査がしやすいように構成されている。
【0065】
続いて、遊技台搬送装置800の制御部812は、第1、第2撮像装置708a、708bが生成した撮像データを、搬送管理システム900の撮像データ記憶部904に送信する。撮像データを受信した撮像データ記憶部904は、撮像データを所定の記憶領域に記憶する。
【0066】
続いて、搬送管理システム900の制御部902は、撮像データ記憶部904から撮像情報(撮像データ)を読み出すとともに、この撮像情報に基づいて解析データ判定部906において各種の解析を行う。また、搬送管理システム900の制御部902は、モニタ912を用いて撮像結果を表示させる。図26は検査用メダルを用いたメダル投入検査における撮像結果の一例を示した図である。この例では、搬送管理システム900の制御部902は、モニタ312を用いて、同図(a)の背面検査画像、同図(b)の側面検査画像、同図(c)の背面側面同時検査画像のいずれかを表示可能に構成している。
【0067】
図27(a)はメダルセレクタ707の正面図である。メダルセレクタ707は、メダルをメダル投入口707aからメダル排出口707bへ導くための移送ガイド707cを備えている。メダル投入検査においてメダル投入に関する不具合が見つかった場合には、移送ガイド707cの位置決めを行うための調整治具950を用いて、移送ガイド707cの取り付け位置を仮決めした後、同図(b)に示すように、ネジによって移送ガイド707cを固定する。このような作業により、メダル投入に関する不具合を解消することができる。
【0068】
以上説明したように、上記実施例1、2に係る遊技台の検査方法は、遊技に使用される所定の遊技媒体(例えば、球やメダル)を受け入れる各種構成部品(例えば、遊技盤面50bに配設される各種部品、上皿50a、メダルセレクタ707)を搭載した遊技台(例えば、パチンコ機50、スロットマシン600)の検査方法であって、前記所定の遊技媒体とは異なる検査用球(例えば、検査用球1〜10)または検査用メダル(例えば、検査用メダル1〜6)を用いて、前記各種構成部品が所定の基準を満たしているか否かの検査を行うことを特徴とする、遊技台の検査方法である。
【0069】
また、上記実施例1、2に係る遊技台検査システム150、500は、遊技に使用される所定の遊技媒体を受け入れる各種構成部品を搭載した遊技台の検査を行う遊技台検査システムであって、前記所定の遊技媒体とは異なる検査用球または検査用メダルを用いて、前記各種構成部品が所定の基準を満たしているか否かの検査を行うように構成されていることを特徴とする、遊技台検査システムである。
【0070】
上記実施例1、2に係る遊技台の検査方法や、遊技台検査システム150、500によれば、遊技台を構成する各種構成部品の不良などを容易且つ確実に見つけることができ、遊技台の品質を高めることができる場合がある。
【0071】
また、前記検査用球または前記検査用メダルの動作態様を分析する分析手段(例えば、搬送管理システムの制御部)と、前記分析手段による分析結果に基づいて、前記各種構成部品が前記所定の基準を満たしているか否かを判定する判定手段(例えば、搬送管理システムの解析データ判定部)と、を備えてもよい。このような構成とすれば、遊技台を構成する各種構成部品の不良などを、より確実に見つけることができ、遊技台の品質を高めることができる場合がある。
【0072】
また、前記検査用球または検査用メダルの動作態様を撮像する撮像手段(例えば、遊技盤面・検査用球軌跡撮像装置206、第1撮像装置708a、第2撮像装置708b)と、前記撮像手段によって撮像された動作態様、または、前記判定手段による判定結果を示す情報を表示する表示手段(例えば、モニタ312、912)と、をさらに備え、前記分析手段は、前記撮像手段によって撮像された前記検査用球または検査用メダルの動作態様に基づいて、前記検査用球または前記検査用メダルの動作態様を分析するように構成してもよい。このような構成とすれば、検査員等の視認による検査が困難な不良などを見つけることができる場合があり、遊技台を構成する各種構成部品の不良などを、より確実に見つけることができ、遊技台の品質を高めることができる場合がある。
【0073】
また、前記撮像手段は、前記検査用球が遊技台の遊技盤面(例えば、パチンコ機50の遊技盤面50b)を通過する通過態様を撮像し、前記分析手段は、前記撮像手段によって撮像された前記検査用球の通過態様に基づいて、前記検査用球の通過数を特定し、前記判定手段は、前記分析手段が特定した前記検査用球の通過数に基づいて、前記遊技盤面に配設された各種構成部材が前記所定の基準を満たしているか否か(例えば、通過数が所定の通過数以上であるか否か)を判定してもよい。このような構成とすれば、遊技盤面に配設された各種構成部材(例えば、釘、風車、各種入賞口、レール)の不良などを簡易且つ確実に見つけることができ、遊技台の品質を高めることができる場合がある。
【0074】
また、前記撮像手段は、前記検査用球が前記遊技台の遊技盤面を通過する通過態様を撮像し、前記分析手段は、前記撮像手段によって撮像された前記検査用球の通過態様に基づいて、前記検査用球の軌跡を特定し、前記判定手段は、前記分析手段が特定した前記検査用球の軌跡に基づいて、前記遊技盤面に配設された各種構成部材が前記所定の基準を満たしているか否か(例えば、検査用球の軌跡パターンが目標軌跡パターンに合致するか否か)を判定してもよい。このような構成とすれば、遊技盤面に配設された各種構成部材(例えば、釘、風車、各種入賞口、レール)の不良などを簡易且つ確実に見つけることができ、遊技台の品質を高めることができる場合がある。
【0075】
また、前記所定の遊技媒体を遊技盤面に向けて発射する発射装置(例えば、発射装置64)をさらに備え、前記撮像手段は、前記検査用球が前記発射装置によって前記遊技盤面に向けて発射される発射態様を撮像し、前記分析手段は、前記撮像手段によって撮像された前記検査用球の発射態様に基づいて、前記発射装置と前記検査用球の相対位置を特定し、前記判定手段は、前記分析手段が特定した前記発射装置と前記検査用球の相対位置に基づいて、前記発射装置を構成する各種構成部材が前記所定の基準を満たしているか否か(例えば、発射杵64aの軸心が検査用球の中心を通過する位置に発射杵64aが設置されているか否か)を判定してもよい。このような構成とすれば、発射装置を構成する各種構成部材(例えば、発射杵)の不良などを簡易且つ確実に見つけることができ、遊技台の品質を高めることができる場合がある。
【0076】
また、前記所定の遊技媒体(例えば、球やメダル)を前記遊技台に供給する供給装置(例えば、球供給装置400やメダルセレクタ707)をさらに備え、前記撮像手段は、前記検査用球または前記検査用メダルが前記供給装置内を通過する通過態様を撮像し、前記分析手段は、前記撮像手段によって撮像された前記検査用球または前記検査用メダルの通過態様に基づいて、前記検査用球または前記検査用メダルの動きを分析し、前記判定手段は、前記分析手段が分析した前記検査用球または前記検査用メダルの動きに基づいて、前記供給装置を構成する各種構成部材が前記所定の基準を満たしているか否か(例えば、球レール408やタンクレール404に球が詰まっていないかどうか、メダルセレクタ707の移送ガイド707cの取り付け位置が間違っていないかどうか)を判定してもよい。このような構成とすれば、供給装置を構成する各種構成部材(例えば、球レールやタンクレール、移送ガイド)の不良などを簡易且つ確実に見つけることができ、遊技台の品質を高めることができる場合がある。
【0077】
また、前記所定の遊技媒体を前記遊技台から払い出す払出装置をさらに備え、前記撮像手段は、前記検査用球または前記検査用メダルが前記払出装置内を通過する通過態様を撮像し、前記分析手段は、前記撮像手段によって撮像された前記検査用球または前記検査用メダルの通過態様に基づいて、前記検査用球または前記検査用メダルの動きを分析し、前記判定手段は、前記分析手段が分析した前記検査用球または前記検査用メダルの動きに基づいて、前記払出装置を構成する各種構成部材が前記所定の基準を満たしているか否かを判定してもよい。このような構成とすれば、払出装置を構成する各種構成部材(例えば、遊技媒体が通過する遊技媒体通路)の不良などを簡易且つ確実に見つけることができ、遊技台の品質を高めることができる場合がある。
【0078】
また、所定量の前記検査用球または検査用メダルを前記各種構成部品に供給する供給手段と、前記供給手段によって供給された前記検査用球または前記検査用メダルを前記各種構成部品から回収する回収手段と、をさらに備えてもよい。このような構成とすれば、遊技台を構成する各種構成部品の検査工数を削減することができる場合がある。
【0079】
また、遊技に使用される所定の遊技媒体を受け入れる各種構成部品を搭載した遊技台の検査に用いられる検査用球または検査用メダルであって、前記各種構成部品が所定の基準を満たしているか否かの検査を行うため、少なくとも、真球度、真円度、質量、大きさのうち、いずれか1つの態様を異ならせ、且つ、所定の表面加工を施すことにより(例えば、TESTという文字を表面に刻印することにより)前記所定の遊技媒体との識別を可能としたことを特徴とする、検査用球または検査用メダルを遊技台の検査に用いてもよい。このような検査用球または検査用メダルを遊技台の検査に用いれば、より多くの種類の検査を行うことができ、遊技台の品質を一層高めることができる場合がある。
【0080】
また、上記実施例1、2に係る搬送管理システム300、900は、遊技に使用される所定の遊技媒体を受け入れる各種構成部品を搭載した遊技台を搬送手段(例えば、ローラコンベア201)によって搬送する遊技台搬送装置であって、前記所定の遊技媒体とは異なる検査用球又は検査用メダルを用いて、前記各種構成部品が所定の基準を満たしているか否かの検査を行った後、その検査の結果に応じて前記搬送手段を制御する制御部を有することを特徴とする、遊技台搬送装置である。このような遊技台搬送装置によれば、遊技台を構成する各種構成部品の不良などを容易且つ確実に見つけることができ、遊技台の品質を高めることができる場合がある。
【0081】
また、所定量の前記検査用球または前記検査用メダルを前記各種構成部品に供給するとともに、供給した前記検査用球または前記検査用メダルの個数をカウントする供給手段(例えば、検査用球供給装置204、検査用メダル供給装置704)と、前記供給手段によって供給された前記検査用球または前記検査用メダルを回収するとともに、回収した前記前記検査用球または前記検査用メダルの個数をカウントして回収する回収手段(例えば、払出球カウンタ202、払出メダルカウンタ702)を備え、前記制御手段は、前記供給手段によってカウントした前記検査用球または検査用メダルの個数と、前記回収手段によってカウントした前記検査用球または前記検査用メダルの個数が一致した場合に、前記搬送手段を駆動して前記遊技台を次の検査位置まで搬送する制御を行うように構成してもよい。このような構成とすれば、各種構成部品の不良などを確認した上で次の検査を行うことができ、検査の効率を高めることができる場合がある。
【0082】
さらに、検査した遊技台内部に検査のために用いられた検査用球や検査用メダルが混入したまま次の検査工程に搬送されないので、検査用球や検査用メダルが混入状態のまま次の検査工程に進まないで済む。さらには、工場出荷時に遊技台内部に検査用球、又は、検査用メダルが混入して市場へ流通してしまうことを事前に予防することができる。
【0083】
なお、上記実施例に記載された作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、上記実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明に係る遊技台の検査方法、遊技台検査システム、検査用球、検査用メダル、および遊技台搬送装置は、スロットマシンやパチンコ機に代表される遊技台の検査に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】遊技台検査システムを適用した遊技台検査ラインの全体構成図である。
【図2】(a)動作確認・構成部品検査ラインを作業者側から見た正面図である。(b)動作確認・構成部品検査ラインを斜め上方から見た外観斜視図である。
【図3】パチンコ機の各種構成部品のうち、動作確認・構成部品検査ラインで検査の対象となる構成部品の一例を示した図である。
【図4】構成部品解体ラインを作業者の後方から見た正面図である。
【図5】遊技台検査システムの主要な構成を示したブロック図である。
【図6】(a)検査用球の正面図である。(b)種類の異なる検査用球1〜10を示した図である
【図7】検査用球1〜10の球径、重量の一例を示した図である。
【図8】検査用球6を用いた発射動作検査における報知例を示した図である。
【図9】検査用球6の単位時間当たりの通過率が高い遊技盤面の位置を上位3つまで示した図である。
【図10】(a)図9における第1位分布から第3位分布における検査用球6の通過数を示した図である。(b)発射検査における検査用球6の通過率が所定の基準を満たしたことを外部に報知する報知例を示した図である。
【図11】検査用球6が通過する遊技盤面上の軌跡を示した図である。
【図12】(a)図11における各軌跡を通過した検査用球6の数を示した図である。(b)発射検査における検査用球6の軌跡が所定の基準を満たしたことを外部に報知する報知例を示した図である。
【図13】パチンコ機の上皿の平面図である。
【図14】(a)検査用球6が発射装置にセットされた状態を示す図である。(b)検査用球1が発射装置64にセットされた状態を示す図である。
【図15】(a)〜(c)検査用球6が発射杵によって遊技盤面に向けて打ち出される状態を示した図である。
【図16】(a)〜(c)検査用球1が発射杵によって遊技盤面に向けて打ち出される状態を示した図である。
【図17】(a)発射杵と検査用球6との相対位置を示した図である。(b)発射杵と検査用球1との相対位置を示した図である。
【図18】(a)動作確認・構成部品検査ラインにおいてパチンコ機の裏側に配設される各種構成部材を検査する例を示した図である。(b)(a)の動作確認・構成部品検査ラインを斜め上方から見た外観斜視図である。
【図19】パチンコ機の裏側に配設される球供給装置の外観斜視図である。
【図20】(a)実施例2に係る動作確認・構成部品検査ラインを斜め上方から見た外観斜視図である。(b)動作確認・構成部品検査ラインに設けられた検査用メダル供給装置の外観斜視図である。
【図21】構成部品解体ラインを作業者の後方から見た正面図である。
【図22】動作確認・構成部品検査ラインを斜め上方から見た外観斜視図である。
【図23】実施例2に係る遊技台検査システムの主要な構成を示したブロック図である。
【図24】(a)検査用メダルの正面図である。(b)種類の異なる検査用メダル1〜10を示した図である。
【図25】検査用メダル1〜10のメダル径、厚みの一例を示した図である。
【図26】(a)背面検査画像の一例である。(b)側面検査画像の一例である。(c)背面側面同時検査画像の一例である。
【図27】(a)メダルセレクタの正面図であり、メダルセレクタに調整治具をセットしている様子を示した図である。(b)メダルセレクタの移送ガイドを調整している様子を示した図である。
【符号の説明】
【0086】
50 パチンコ機
50a 上皿
50b 遊技盤面
64 発射装置
102 動作確認・構成部品検査ライン
104 構成部品解体ライン
106 部品収納エリア
150、500 遊技台検査システム
200、800 遊技台搬送装置
201、702 ローラコンベア
202 払出球カウンタ
204 検査用球供給装置
206 遊技盤面・検査用球軌跡撮像装置
208 報知装置
210、710 検査端末
212、302、812、902 制御部
300、900 搬送管理システム
304、904 撮像データ記憶部
306、906 解析データ判定部
310、910 部品データ記憶部
312、912 モニタ
600 スロットマシン
702 払出メダルカウンタ
704 検査用メダル供給装置
707 メダルセレクタ
708a 第1撮像装置
708b 第2撮像装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に使用される所定の遊技媒体を受け入れる各種構成部品を搭載した遊技台の検査方法であって、
前記所定の遊技媒体とは異なる検査用球または検査用メダルを用いて、前記各種構成部品が所定の基準を満たしているか否かの検査を行うことを特徴とする、
遊技台の検査方法。
【請求項2】
遊技に使用される所定の遊技媒体を受け入れる各種構成部品を搭載した遊技台の検査を行う遊技台検査システムであって、
前記所定の遊技媒体とは異なる検査用球または検査用メダルを用いて、前記各種構成部品が所定の基準を満たしているか否かの検査を行うように構成されていることを特徴とする、
遊技台検査システム。
【請求項3】
前記検査用球または前記検査用メダルの動作態様を分析する分析手段と、
前記分析手段による分析結果に基づいて、前記各種構成部品が前記所定の基準を満たしているか否かを判定する判定手段と、を備えることを特徴とする、
請求項2に記載の遊技台検査システム。
【請求項4】
前記検査用球または検査用メダルの動作態様を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された動作態様、または、前記判定手段による判定結果を示す情報を表示する表示手段と、をさらに備え、
前記分析手段は、
前記撮像手段によって撮像された前記検査用球または検査用メダルの動作態様に基づいて、前記検査用球または前記検査用メダルの動作態様を分析することを特徴とする、
請求項3に記載の遊技台検査システム。
【請求項5】
前記撮像手段は、
前記検査用球が遊技台の遊技盤面を通過する通過態様を撮像し、
前記分析手段は、
前記撮像手段によって撮像された前記検査用球の通過態様に基づいて、前記検査用球の通過数を特定し、
前記判定手段は、
前記分析手段が特定した前記検査用球の通過数に基づいて、前記遊技盤面に配設された各種構成部材が前記所定の基準を満たしているか否かを判定することを特徴とする、
請求項4に記載の遊技台検査システム。
【請求項6】
前記撮像手段は、
前記検査用球が前記遊技台の遊技盤面を通過する通過態様を撮像し、
前記分析手段は、
前記撮像手段によって撮像された前記検査用球の通過態様に基づいて、前記検査用球の軌跡を特定し、
前記判定手段は、
前記分析手段が特定した前記検査用球の軌跡に基づいて、前記遊技盤面に配設された各種構成部材が前記所定の基準を満たしているか否かを判定することを特徴とする、
請求項4に記載の遊技台検査システム。
【請求項7】
前記所定の遊技媒体を遊技盤面に向けて発射する発射装置をさらに備え、
前記撮像手段は、
前記検査用球が前記発射装置によって前記遊技盤面に向けて発射される発射態様を撮像し、
前記分析手段は、
前記撮像手段によって撮像された前記検査用球の発射態様に基づいて、前記発射装置と前記検査用球の相対位置を特定し、
前記判定手段は、
前記分析手段が特定した前記発射装置と前記検査用球の相対位置に基づいて、前記発射装置を構成する各種構成部材が前記所定の基準を満たしているか否かを判定することを特徴とする、
請求項4に記載の遊技台検査システム。
【請求項8】
前記所定の遊技媒体を前記遊技台に供給する供給装置をさらに備え、
前記撮像手段は、
前記検査用球または前記検査用メダルが前記供給装置内を通過する通過態様を撮像し、
前記分析手段は、
前記撮像手段によって撮像された前記検査用球または前記検査用メダルの通過態様に基づいて、前記検査用球または前記検査用メダルの動きを分析し、
前記判定手段は、
前記分析手段が分析した前記検査用球または前記検査用メダルの動きに基づいて、前記供給装置を構成する各種構成部材が前記所定の基準を満たしているか否かを判定することを特徴とする、
請求項4に記載の遊技台検査システム。
【請求項9】
前記所定の遊技媒体を前記遊技台から払い出す払出装置をさらに備え、
前記撮像手段は、
前記検査用球または前記検査用メダルが前記払出装置内を通過する通過態様を撮像し、
前記分析手段は、
前記撮像手段によって撮像された前記検査用球または前記検査用メダルの通過態様に基づいて、前記検査用球または前記検査用メダルの動きを分析し、
前記判定手段は、
前記分析手段が分析した前記検査用球または前記検査用メダルの動きに基づいて、前記払出装置を構成する各種構成部材が前記所定の基準を満たしているか否かを判定することを特徴とする、
請求項4に記載の遊技台検査システム。
【請求項10】
所定量の前記検査用球または検査用メダルを前記各種構成部品に供給する供給手段と、
前記供給手段によって供給された前記検査用球または前記検査用メダルを前記各種構成部品から回収する回収手段と、をさらに備えることを特徴とする、
請求項2〜9のいずれかに記載の遊技台検査システム。
【請求項11】
遊技に使用される所定の遊技媒体を受け入れる各種構成部品を搭載した遊技台の検査に用いられる検査用球または検査用メダルであって、
前記各種構成部品が所定の基準を満たしているか否かの検査を行うため、少なくとも、真球度、真円度、質量、大きさのうち、いずれか1つの態様を異ならせ、且つ、所定の表面加工を施すことにより前記所定の遊技媒体との識別を可能としたことを特徴とする、
検査用球または検査用メダル。
【請求項12】
遊技に使用される所定の遊技媒体を受け入れる各種構成部品を搭載した遊技台を搬送手段によって搬送する遊技台搬送装置であって、
前記所定の遊技媒体とは異なる検査用球または検査用メダルを用いて、前記各種構成部品が所定の基準を満たしているか否かの検査を行った後、その検査の結果に応じて前記搬送手段を制御する制御部を有することを特徴とする、
遊技台搬送装置。
【請求項13】
所定量の前記検査用球または前記検査用メダルを前記各種構成部品に供給するとともに、供給した前記検査用球または前記検査用メダルの個数をカウントする供給手段と、
前記供給手段によって供給された前記検査用球または前記検査用メダルを回収するとともに、回収した前記前記検査用球または前記検査用メダルの個数をカウントして回収する回収手段を備え、
前記制御手段は、
前記供給手段によってカウントした前記検査用球または検査用メダルの個数と、前記回収手段によってカウントした前記検査用球または前記検査用メダルの個数が一致した場合に、前記搬送手段を駆動して前記遊技台を次の検査位置まで搬送する制御を行うことを特徴とする、
遊技台搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2009−284937(P2009−284937A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−137836(P2008−137836)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】