説明

遊技台

【課題】弾球遊技機(パチンコ機)や回胴遊技機(スロットマシン)に代表される遊技台に関し、遊技状態が切り替わる前に所定の外部装置に遊技価値の付与量を出力する確率を高めることができる。
【解決手段】付与条件に応じた量の遊技価値を付与する遊技価値付与手段600と、現在の遊技状態を表す情報および遊技価値付与部600が付与した遊技価値の量を表す情報を所定の外部装置350に出力する外部出力手段300,600と、所定の報知手段208に、遊技価値付与手段600が付与する遊技価値の量がその付与条件に応じた量とは異なっている異常状態であることを表す異常状態報知を行わせる報知制御を実行する報知制御手段400とを備え、報知制御手段400が、遊技状態が切り替わるまでの残期間の長さを表す残期間情報に基づいて上記報知制御を実行するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機(パチンコ機)や回胴遊技機(スロットマシン)に代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機に代表される遊技台は、所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値を付与するように構成されている。遊技台には、様々な遊技状態が用意されており、遊技の進行に応じて遊技状態は切り替わる。特定の遊技状態によっては、付与される遊技価値の量が変わることがある。
【0003】
このような遊技台において、現在の遊技状態を表す情報および当該付与条件が付与した遊技価値の量を表す情報を所定の外部装置(ホールコンピュータなど)に出力する遊技台が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【0004】
ところで、ホールコンピュータが、遊技台から取得した情報に基づいて遊技状態毎に遊技価値の付与量(払出数)を集計している場合等には、遊技者に付与する遊技価値の量が付与条件に応じた量とは異なっている異常状態(例えば、皿満タン状態、払出装置の不良状態、払出装置に遊技球が供給されない状態など)であることにより、所定の付与条件の成立から異常状態が解消して遊技価値の付与が実際に行われるまでの時間が開いてしまうことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−183317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
こうなると、遊技価値の付与が実際に行われた時点では、遊技状態が、所定の付与条件が成立したときから他の遊技状態へ切り替わってしまっていて、遊技状態毎に行われる遊技価値の付与量(払出数)の集計が正確に行われない虞がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑み、遊技状態が切り替わる前に所定の外部装置に遊技価値の付与量を出力する確率を高めることができる遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を解決する本発明の遊技台は、遊技の進行に応じて遊技状態が切り替わる遊技台において、
所定の付与条件が成立した場合に遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
現在の遊技状態を表す情報および前記遊技価値付与部が付与した遊技価値の量を表す情報を所定の外部装置に出力する外部出力手段と、
所定の報知手段と、
上記報知手段に、上記遊技価値付与手段が付与する遊技価値の量が上記付与条件に応じた量とは異なっている異常状態であることを表す異常状態報知を行わせる報知制御を実行する報知制御手段とを備え、
上記報知制御手段が、遊技状態が切り替わるまでの残期間の長さを表す残期間情報を取得し、取得したその残期間情報に基づいて上記報知制御を実行するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の遊技台によれば、遊技状態が切り替わる前に所定の外部装置に遊技価値の付与量を出力する確率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】パチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【図2】パチンコ機100を裏側から見た外観斜視図である。
【図3】遊技盤200を正面側(遊技者側)から見た略示正面図である。
【図4】制御部の回路ブロック図を示したものである。
【図5】(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものであり、(b)は装飾図柄の一例を示したものであり、(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。
【図6】主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートであり、同図(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートであり、同図(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
【図9】図8に示す第1副制御部400メイン処理における演出制御処理(S309)のフローチャートである。
【図10】(a)は払出制御部リセット割り込み処理の流れを示すフローチャートであり、(b)は払出制御部コマンド受信割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】図10(a)に示す払出制御部リセット割り込み処理におけるコマンド解析処理(ステップS517)の流れを示すフローチャートである。
【図12】払出制御部割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】図12に示す払出制御部割込み処理における払出処理(ステップS616)の流れを示すフローチャートである。
【図14】図12に示す払出制御部割込み処理における信号出力処理(ステップS618)の流れを示すフローチャートである。
【図15】本実施形態のパチンコ機100における異常状態報知の一例を説明するための図である。
【図16】第1変形例における、図7に示す主制御部タイマ割込処理の一つであるデバイス監視処理(ステップS237)の流れを示すフローチャートである。
【図17】本実施形態の第2変形例になる演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】(a)は、残りラウンド数が所定ラウウンド数(ここでは3R)以上となる13R中の装飾図柄表示装置208の表示画面を示す図であり、(b)は、残りラウンド数が所定ラウウンド数(ここでは3R)未満となった14Rに突入した時の装飾図柄表示装置208の表示画面を示す図である。
【図19】本実施形態の第3変形例になる演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】本実施形態の第4変形例になる演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】(a)〜(c)は、図20に示すステップS868で普通大当り演出データがRAM408に設定された場合の装飾図柄表示装置208の表示画面を示す図であり、(d)〜(f)は、図20に示すステップS869で満タン報知系大当り演出データがRAM408に設定された場合の装飾図柄表示装置208の表示画面を示す図である。
【図22】本実施形態の第5変形例になる演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図23】本発明を適用可能なスロットマシンの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて、本発明に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。
[実施形態1]
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の実施形態1に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【0012】
パチンコ機100は、所定条件が成立すると遊技者が利益を獲得することができる遊技台であって、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面(遊技者側)に備える。
【0013】
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
【0014】
本体104は、外枠102の内部に備えられ、施錠機能付きで且つ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる扉部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。このパチンコ機100を設置した店舗(遊技店)の店員は、この本体104を開閉操作することが可能であり、本体104が開いたことを検出する本体開放センサ1041が設けられている。
【0015】
前面枠扉106は、施錠機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部116とした扉部材である。遊技店の店員は、この前面枠扉106も開閉操作することが可能であり、前面枠扉106が開いたことを検出する前面枠扉センサ1061も設けられている。なお、この前面枠扉106には、開口部116にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124が設けられる空間を区画形成する。なお、本実施形態では、光源をLEDとするものもランプと称する。
【0016】
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、施錠機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。この球貯留皿付扉108は、前面枠扉106を開放した状態で操作可能となる開放レバー1081を押すことによって開く。また、球貯留皿付扉108が開いたことを検出する球貯留皿付扉センサ1082も設けられている。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126(本発明にいう収容部の一例に相当)と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128(本発明にいう貯留部の一例に相当)と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる所定の排出操作子(球排出レバー132)と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206(図2参照)の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136に内蔵され、そのチャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、図1に示すパチンコ機100には、下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサ(不図示)が設けられている。
【0017】
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。
【0018】
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。なお、図1では遊技領域124の具体的構成は図示省略してあり、その具体的構成は図3に示す。
【0019】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機100には、所定の扉部材(104,106,108)と、その扉部材が開いたことを検知する所定の開放検知センサ(1041,1061,1082)が設けられている。
【0020】
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。
【0021】
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
【0022】
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。この払出装置152は、着脱自在なものであり、所定位置に装着されると、タンクレール154の下流端に接続する。
【0023】
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。すなわち、払出装置152は、遊技球に駆動力を与えてその遊技球を搬送する球送り装置の一種である。
【0024】
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。すなわち、払出センサは、払出装置152が実際に払出した球の数(払出数)を検出するものである。この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の前面側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値(遊技球)をこの構成により付与する(払い出す)。なお、以下の説明では特に断らなくても、遊技球を払い出すとは、所定の遊技価値を付与することを意味する。
【0025】
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300(図4参照)を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400(図4参照)を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500(図4参照)を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630(図4参照)を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源管理部660(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRAMクリア信号を主制御部300に出力するRAMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
【0026】
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。
【0027】
遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。
【0028】
遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。この演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
【0029】
演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
【0030】
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLumineS3ence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
【0031】
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。これらの第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、所定の図柄表示手段である。なお、装飾図柄表示装置208に表示される装飾図柄は、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214に表示される図柄を、演出を高めた形で表す図柄であり、装飾図柄表示装置208も、所定の図柄表示手段といえる。
【0032】
普図保留ランプ216は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ218および第2特図保留ランプ220は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ222は、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
【0033】
また、この演出装置206の周囲には、一般入賞口226と、普図始動口228と、第1特図始動口230と、第2特図始動口232と、可変入賞口234を配設している。
【0034】
一般入賞口226は、本実施形態では遊技盤200に複数配設しており、この一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として図1に示す上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
【0035】
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤200の左側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
【0036】
第1特図始動口230は、本実施形態では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第1特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0037】
第2特図始動口232は、本実施形態では第1特図始動口230の真下に1つだけ配設している。第2特図始動口232の近傍には、ソレノイドによって左右に開閉自在な一対の羽根部材2321が設けられており、一対の羽根部材2321と第2特図始動口232を併せて、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれることがある。一対の羽根部材2321の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当り図柄を停止表示した場合に一対の羽根部材2321が所定の時間間隔、所定の回数で開閉し、第2特図始動口232への球の入球が可能になる。第2特図始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0038】
可変入賞口234は、本実施形態では遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口234は、ソレノイドによって開閉自在な扉部材2341を備えている。可変入賞口234は大入賞口と呼ばれることがあり、扉部材2341と可変入賞口234を併せてアタッカと呼ばれることがある。扉部材2341の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材2341が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0039】
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
【0040】
上皿126に収容されている球は発射レールの発射位置に供給される。このパチンコ機100では、遊技者の球発射ハンドル134の操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(第1特図始動口230、第2特図始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
【0041】
<演出装置206>
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。
【0042】
この演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246(以下、扉と称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。
【0043】
ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。
【0044】
ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技釘238などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が第1特図始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
【0045】
演出可動体224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部224aと前腕部224bとからなり、肩の位置に上腕部224aを回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部224bを回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置208の前方を移動する。
【0046】
遮蔽装置246は、格子状の左扉246aおよび右扉246bからなり、装飾図柄表示装置208および前面ステージ244の間に配設する。左扉246aおよび右扉246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽装置246は、左扉246aおよび右扉246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉246aおよび右扉246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉246aおよび右扉246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉246aおよび右扉246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
【0047】
<制御部>
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
【0048】
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部660と、によって構成している。本実施形態では、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500はそれぞれ別の回路基板からなるものであるが、これら3つの制御部(300,400,500)は、共通の一つの回路基板からなるものであってもよいし、第1副制御部400と第2副制御部500が、主制御部300の回路基板とは別の共通の一つの回路基板からなるものであってもよい。したがって、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500それぞれを所定の制御手段ととらえることもでるし、これら3つの制御部(300,400,500)を併せた一つのものを所定の制御手段ととらえることもできるし、第1副制御部400および第2副制御部500を併せた一つのものを所定の制御手段ととらえることもできる。
【0049】
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
【0050】
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0051】
また、基本回路302には、水晶発振器316が出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路318(この回路には2つのカウンタを内臓しているものとする)と、本体開放センサ1041、前面枠扉センサ1061、球貯留皿付扉センサ1082、および図1に示す下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサや、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、第1特図保留ランプ218、第2特図保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、第2特図始動口232や可変入賞口234等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
【0052】
なお、第1特図始動口126に球が入賞したことを、各種センサ320のうちの球検出センサが検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路316に出力する。この信号を受信したカウンタ回路316は、第1特図始動口126に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口126に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路316は、第2特図始動口128に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口128に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口128に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
【0053】
また、この明細書にいう球検出センサとしては、具体的には、一般入賞口226、第1特図始動口230、第2特図始動口232、可変入賞口234など所定の入賞口に入賞した球を検出するセンサや、普図始動口228を通過する球を検出するセンサがあげられる。
【0054】
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態を表す情報等)を出力する。すなわち、主制御部300は、情報出力回路336を介して、現在の遊技状態を表す情報(所定の遊技状態情報)を、不図示のホールコンピュータに出力する。また、付与した遊技価値の量を表す情報として、払出制御部600は、払出センサ604によって検出された球数(払出数)を表す情報(所定の付与情報)を、不図示のホールコンピュータに出力する。主制御部300と払出制御部600を併せたものが、本発明にいう外部出力手段の一例に相当する。また、これらの情報(遊技状態情報および付与情報)を取得した不図示のホールコンピュータは、遊技状態毎に遊技価値の付与量(ここでは払出数)を集計する。このホールコンピュータは、本発明にいう外部装置の一例に相当する。
【0055】
また、主制御部300には、電源管理部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
【0056】
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0057】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0058】
<副制御部>
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路402には、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406が接続されている。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
【0059】
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418の制御を行うための駆動回路420と、演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路422と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424と、図1に示すチャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、演出可動体センサ424やチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、を接続している。
【0060】
さらに、第1副制御部400には、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)208および遮蔽装置246の制御を行うための第2副制御部500が接続されている。
【0061】
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源管理部660について説明する。
【0062】
払出制御部600は、いずれも不図示のCPU、一時的にデータを記憶するためのRAM、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350に情報を出力する情報出力回路等を備えている。この払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて図2に示す払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出装置152が実際に払出した球を検出する払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
【0063】
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、図1に示す発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
【0064】
電源管理部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給する。主制御部300、第1副制御部400、および発射制御部630は、払出制御部600から所定電圧の供給を受ける。また、電源管理部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源管理部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第1副制御部400と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
【0065】
<図柄の種類>
次に、図5(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の第1特別図柄表示装置212、第2特別図柄表示装置214、装飾図柄表示装置208、普通図柄表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
【0066】
図5(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。
【0067】
第1特図始動口230に球が入球したことを球検出センサである第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、第2特図始動口232に球が入球したことを球検出センサである第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称することがある。この図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。図5(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」までの10種類の特図が示されている。図5(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
【0068】
「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当り図柄であり、「特図B」は15R大当り図柄である。ここにいうラウンドは、図3に示す扉部材2341の開閉回数の最大値を表すものであり、15ラウンドとは、扉部材2341が開いて閉じる開閉動作を1回として、この開閉動作が最大で15回続くことを意味する。本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。特図高確率状態も特図低確率状態も、このパチンコ機100に用意された遊技状態の一つであり、大当り遊技が行われている大当り遊技状態も、このパチンコ機100に用意された遊技状態の一つである。また、15R特別遊技終了後および15R大当り遊技終了後はいずれも時短状態に移行する。時短については詳しくは後述するが、時短状態に移行する状態のことを普図高確率状態と称し、時短状態に移行しない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当り図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当り図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者にとってパチンコ機100を相対的に有利な状態とする図柄である。
【0069】
「特図C」は突然確変と称される2R大当り図柄であり、特図高確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図A」と比べて、「特図C」は2Rである点が異なる。「特図D」は突然時短と称される2R大当り図柄であり、特図低確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図B」と比べて、「特図D」は2Rである点が異なる。
【0070】
「特図E」は隠れ確変と称される2R大当り図柄であり、特図高確率普図低確率状態である。「特図F」は突然通常と称される2R大当り図柄であり、特図低確率普図低確率状態である。これら「特図E」および「特図F」はいずれも、2Rであるとともに、時短状態に移行しない状態である。
【0071】
「特図G」は第1小当り図柄であり、「特図H」は第2小当り図柄であり、何れも特図低確率普図低確率状態である。ここにいう小当りは、2R時短無し大当りと同じものに相当する。すなわち、この「特図G」、「特図H」は「特図F」と同じ状態であるが、両者では装飾図柄表示装置208に表示される演出が異なり、あえて、同じ状態でも「特図G」、「特図H」と「特図F」を設けておくことで、遊技の興趣を高めている。
【0072】
また、「特図I」は第1はずれ図柄であり、「特図J」は第2はずれ図柄であり、遊技者にとってパチンコ機100を相対的に不利な状態とする図柄である。
【0073】
なお、本実施形態のパチンコ機100には、15R特別大当り図柄として「特図A」以外の図柄も用意されており、15R大当り図柄等の他の図柄についても同様である。
【0074】
図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230または第2特図始動口232に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。すなわち、装飾図柄表示装置208は、第1特別図柄表示装置212および第2特別図柄表示装置214とは別に、装飾図柄を変動表示するものである。そして、「特図B」の15R大当りを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに15R大当りに対応する、同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾2−装飾2−装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当りを報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾7−装飾7−装飾7」等)を停止表示する。
【0075】
また、「特図E」の隠れ確変と称される2R大当り、「特図F」の突然通常と称される2R大当り、あるいは「特図G」の第1小当り、「特図H」の第2小当りを報知する場合には、「装飾1−装飾2−装飾3」を停止表示する。さらに、「特図C」の突然確変と称される2R大当り、あるいは「特図D」の突然時短と称される2R大当りを報知する場合には、「装飾1−装飾3−装飾5」を停止表示する。
【0076】
一方、「特図I」の第1はずれ、「特図J」の第2はずれを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに図5(b)に示す図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示する。
【0077】
図5(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、はずれ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを球検出センサであるゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図A」を停止表示し、普図変動遊技のはずれを報知する場合には「普図B」を停止表示する。この図5(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
【0078】
<主制御部メイン処理>
次に、図6を用いて、図4に示す主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0079】
上述したように、図4に示す主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図6に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0080】
ステップS101では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
【0081】
ステップS103では、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する。
【0082】
ステップS105では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660が第2副制御部500を介して主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS103に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS107に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。
【0083】
ステップS107では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
【0084】
ステップS109では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップS113)に進む。
【0085】
具体的には、最初に、図2に示す電源基板182に設けたRAMクリアスイッチ180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS111に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS113に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS113に進む。
【0086】
ステップS111では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS115、ステップS117内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図4に示す主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS111では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
【0087】
ステップS113では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップS113)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
【0088】
ステップS115では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、および特図タイマ乱数値それぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。また、この基本乱数初期値更新処理の終了後に割込許可の設定を行ってステップS117に進む。
【0089】
ステップS117では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。主制御部300のRAM308には、0から127の範囲の値を取り得る特図1予告抽選乱数値を生成する特図1予告抽選乱数カウンタ、および同じく0から127の範囲の値を取り得る特図2予告抽選乱数値を生成する特図2予告抽選乱数カウンタが設けられている。このステップS117では、これらのカウンタそれぞれの値を更新する。
【0090】
主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、ステップS115およびステップS117の処理を繰り返し実行する。
【0091】
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【0092】
図4に示す主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
【0093】
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
【0094】
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
【0095】
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、本体開放センサ1041、前面枠扉センサ1061、球貯留皿付扉センサ1082、あるいは下皿満タン検知センサ等、また各種の球検出センサを含む図4に示す各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
【0096】
また、ステップS205では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、第1特図始動口230、および第2特図始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口234、230やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
【0097】
ステップS207およびステップS209では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS115で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する、普図当選乱数値、特図1乱数値、および特図2乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。また、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。なお、本実施形態では特図1の乱数値を取得するためのカウンタと特図2の乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けたが、同一のカウンタを用いてもよい。
【0098】
ステップS211では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。ここでは上記ステップS117で行った演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。上述した特図1予告抽選乱数カウンタおよび特図2予告抽選乱数カウンタそれぞれの値は、このステップS211で更新される。
【0099】
ステップS213では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特図表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、第2特図表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
【0100】
ステップS215では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口234、230や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
【0101】
また、ステップS217では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1特図始動口230に入賞があり、且つ、保留している特図1変動遊技の数が4未満である場合には、第1特図始動口230に対応するカウンタ回路318のカウンタ値記憶用レジスタから値を特図1当選乱数値として取得する。また、特図1乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図1乱数値として取得し、RAM308に設けた乱数値記憶領域に特図1当選乱数値と共に記憶する。また、第1特図始動口232に入賞があり、且つ、保留している特図2変動遊技の数が4未満である場合には、第2特図始動口232に対応するカウンタ回路318のカウンタ値記憶用レジスタから値を特図2当選乱数値として取得する。また、特図2乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図2乱数値として取得し、RAM308に設けた乱数値記憶領域に特図2当選乱数値と共に記憶する。さらに、普図始動口228を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が2未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図当選乱数値として取得し、RAM308に設けた特図用とは別の乱数値記憶領域に記憶する。また、この入賞受付処理では、所定の球検出センサにより、第1特図始動口230、は第2特図始動口232、普図始動口228、または可変入賞口234の入賞(入球)を検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、第1特図始動口230、は第2特図始動口232、普図始動口228、および可変入賞口234の入賞(入球)の有無を示す入賞受付情報を設定する。
【0102】
ステップS219では、払出要求数送信処理を行う。図4に示す払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。すなわち、払出制御部600には、主制御部300から暗号化された払出要求数を表す所定の付与要求情報が送信される。
【0103】
ステップS221では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
【0104】
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、当り図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、はずれ図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は、当り図柄(図5(c)に示す普図A)およびはずれ図柄(図5(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
【0105】
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口232の羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
【0106】
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
【0107】
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果がはずれであれば、後述するように、普図はずれフラグがオンされる。この普図はずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
【0108】
ステップS223では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
【0109】
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップS225)。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。
【0110】
また、主制御部300のRAM308には、15R大当りフラグ、2R大当りフラグ、第1小当りフラグ、第2小当りフラグ、第1はずれフラグ、第2はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には図5(a)に示す特図A、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図B、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には特図C、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図D、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグはオンの場合には特図E、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグもオフの場合には特図F、第1小当りフラグがオンの場合には特図G、第2小当りフラグがオンの場合には特図H、第1はずれフラグがオンの場合には特図I、第2はずれフラグがオンの場合には特図Iそれぞれの態様となるように、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は、15R特別大当り図柄(特図A)、15R大当り図柄(特図B)、突然確変図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当り図柄(特図G)、第2小当り図柄(特図H)、第1はずれ図柄(特図I)、および第1はずれ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた時短回数記憶部に記憶された時短回数が1以上であれば、その時短回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフする。
【0111】
また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に4Hを送信情報(一般情報)として追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
【0112】
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に5Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
【0113】
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで。)図3に示す可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に7Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
【0114】
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に8Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
【0115】
また、この扉部材2341の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施形態では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた時短回数記憶部に時短回数100回をセットするともに、RAM308に設けられた時短フラグをオンする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、時短回数記憶部に時短回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンすることもない。ここにいう時短とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くするため、パチンコ機100が遊技者にとって有利な状態になることをいう。時短状態は、このパチンコ機100に用意された遊技状態の一つであり、電チューサポート有りの状態と称されることもある。時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に大当りすると、変動時間が短くなる可能性が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、第2特別始動口232の一対の羽根部材2321の1回の開放における開放時間が長くなりやすい。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、一対の羽根部材2321は多く開きやすい。また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当り遊技中に普図高確率状態であると、大当り遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図始動口232に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。
【0116】
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に6Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
【0117】
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果がはずれであれば、後述するように、はずれフラグがオンされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次のステップS227に移行するようにしている。
【0118】
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
【0119】
以上説明した、特図2状態更新処理(S225)および特図1状態更新処理(S227)では、現在のパチンコ機100の遊技状態が、大当り遊技状態であるか、小当り遊技状態であるか、非当り遊技状態かをRAM308(遊技状態記憶部の一例に相当)に記憶するとともに、大当り遊技状態または小当り遊技状態である当り遊技状態であれば、現在のラウンド数も記憶する。ここにいう非当り遊技状態とは、当り遊技状態よりも遊技者に付与する利益量が少ない普通遊技状態が相当する。
【0120】
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも、最初に、特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行う(ステップS229)。この特図2関連抽選処理では、特図1変動遊技、特図2動遊技および可変入賞口234の開閉制御を行っておらず(特図1および特図2双方の状態が非作動中)、且つ、保留している特図2変動遊技の数が1以上である場合に、大当り判定テーブル、高確率状態移行判定テーブル、タイマ番号決定テーブルなどを使用した各種抽選のうち、最初に大当り判定を行う。具体的には、ステップS217で乱数値記憶領域に記憶した特図2当選乱数値が、大当り判定テーブルの特図始動口用抽選データの数値範囲であるか否かを判定し、特図2当選乱数値が特図2始動口用抽選データの数値範囲である場合には、特図2変動遊技の当選と判定してRAM308に設けた大当りフラグの格納領域に大当りとなることを示す情報を設定する(ここで、大当りの情報をRAM308に設定することを大当りフラグをオンに設定するという)。大当りフラグがオンに設定されると、本実施形態のパチンコ機100では遊技者にとって相対的に有利な状態(可変入賞口234への入球が可能な状態)になる。一方、特図2当選乱数値が特図2始動口用抽選データの数値範囲外である場合には、特図2変動遊技のはずれと判定してRAM308に設けた大当りフラグの格納領域にはずれとなることを示す情報を設定する(ここで、はずれの情報をRAM308に設定することを大当りフラグをオフに設定するという)。大当りフラグがオフに設定されると、本実施形態のパチンコ機100では遊技者にとって相対的に不利な状態(可変入賞口234への入球が不可能な状態)になる。なお、保留している特図2変動遊技の数は、RAM308に設けた特図2保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している特図2変動遊技の数から1を減算した値を、この特図2保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また、当り判定に使用した乱数値を消去する。
【0121】
大当りフラグにオンを設定した場合には、次に確変移行判定を行う。具体的には、ステップS217で乱数値記憶領域に記憶した特図2乱数値が、移行判定データの数値範囲であるか否かを判定し、特図2乱数値が移行判定データの数値範囲である場合には、RAM308に設けた確変(確率変動)フラグの格納領域に、特別大当り遊技を開始することを示す情報を設定する。(ここで、特別大当り遊技開始の情報をRAM308に設定することを確変フラグをオンに設定するという)。一方、特図2乱数値が抽選データの数値範囲以外である場合には、上述の確変フラグの格納領域に、大当り遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、大当り遊技開始の情報をRAM308に設定することを確変フラグをオフに設定するという)。
【0122】
大当り判定の結果に関わらず、次にタイマ番号を決定する処理を行う。具体的には、上述の特図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を特図タイマ乱数値として取得する。大当りフラグの値ごとに、特図タイマ乱数値を含むタイマ乱数の数値範囲に対応するタイマ番号を選択し、RAM308に設けた所定のタイマ番号格納領域に記憶する。さらに、そのタイマ番号に対応する変動時間を、特図2変動表示時間として、上述の特図2表示図柄更新タイマに記憶し、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド回転開始設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に1Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶してから処理を終了する。
【0123】
続いて、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う(ステップS231)。この特図1関連抽選処理では、上述の特図2関連抽選処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。
【0124】
主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、装飾図柄表示装置208による、特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行われ、第2特図始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、第1特図始動口230への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。
【0125】
ステップS233では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
【0126】
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、特図確率変動フラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば特図確率変動フラグの値、大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口230への入賞の有無、第2特図始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
【0127】
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図1関連抽選処理および特図2関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している当りラウンド数(大当りラウンド数または小当りラウンド数)、現在のラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。また、このステップS233では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、予告情報(事前予告情報、偽事前予告情報、または事前予告無情報のいずれか)を設定する。
【0128】
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。また、第1副制御部400では、コマンドに含まれている、当りラウンド数と現在のラウンド数に基づき、当り全ラウンドが終了するまでの残りラウンド数を取得する。
【0129】
ステップS235では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、図4に示す情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。すなわち、上述の特図状態更新処理(ステップS225,S227)においてRAMに記憶した現在のパチンコ機100の遊技状態を、不図示のホールコンピュータが備える情報入力回路350に出力する。
【0130】
ステップS237では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、本体開放エラーの有無、前面枠開放エラーの有無、球貯留皿付扉開放エラーの有無、あるいは下皿満タンエラーの有無などを監視し、各種エラーの発生、解消を判定して、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、各種エラーの有無(発生や解消)を示すデバイス情報を設定する。ここで設定したデバイス情報は基本コマンドに含められて、第1副制御部400に送信される。また、図4に示す各種ソレノイド332を駆動して第2特図始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、表示回路324、326、330を介して普通図柄表示装置210、第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219)で設定した出力予定情報を出力ポート(I/O310)を介して第1副制御部400に出力する。
【0131】
ステップS239では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS243に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS241に進む。
【0132】
ステップS241では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0133】
一方、ステップS243では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部400の処理>
図8を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。
【0134】
まず、同図(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、ステップS301の初期設定が実行される。この初期設定では、図4に示すI/Oポート410の初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0135】
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。
【0136】
ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
【0137】
ステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
【0138】
ステップS309では、演出制御処理を行う。この演出制御処理については詳しくは後述するが、例えば、S307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理等を行う。
【0139】
ステップS311では、図1に示すチャンスボタン136の押下を検出していた場合、ステップS309で更新した演出データをチャンスボタン136の押下に応じた演出データに変更する処理を行う。
【0140】
ステップS313では、S309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
【0141】
ステップS315では、S309で読み出した演出データの中に各種ランプ418の駆動回路420への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
【0142】
ステップS317では、S309で読み出した演出データの中に演出可動体224の駆動回路422への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
【0143】
ステップS319では、S309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、S303へ戻る。
【0144】
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。同図(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS331では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0145】
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。同図(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。第1副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0146】
第1副制御部タイマ割込処理のステップS341では、図8(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0147】
第1副制御部タイマ割込処理のステップS343では、ステップS319で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0148】
図9は、図8に示す第1副制御部400メイン処理における演出制御処理(S309)のフローチャートである。
【0149】
まず、所定の異常発生情報を受信したか否か(ここではデバイス情報として下皿満タンエラー検出情報を含む基本コマンドを受信したか否か)を判定する(ステップS401)。なお、主制御部300から第1副制御部400に、異常発生を表す異常発生コマンドを送るようにして、この異常発生コマンドを受信したか否かを判定するようにしてもよい。
【0150】
図4に示す第1副制御部400のRAM408には所定の異常状態報知フラグ(ここでは下皿満タン報知フラグ)が用意されている。この異常状態報知フラグ(下皿満タン報知フラグ)は第1副制御部メイン処理における初期設定(ステップS301)でオフされている。パチンコ機100では、図1に示す下皿128が遊技球を貯留することができる状態(満タンでない状態)が正常であり、下皿128が遊技球を貯留することができない状態(満タン状態)が異常である。図7に示す主制御部タイマ割込処理におけるデバイス監視処理(ステップS237)では、主制御部300は、下皿満タン検知センサの信号状態を読み出し、その信号状態が「満タンでない」を表す信号状態から「満タンである」を表す信号状態に変化した時(異常発生時)に下皿満タンエラー検出情報をデバイス情報として設定し、この下皿満タンエラー検出情報は基本コマンドに含められて第1副制御部400に送信される。第1副制御部400は、基本コマンドを受信すると、図8(b)に示すコマンド受信割込処理において、基本コマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。ステップS401では、RAM408のコマンド記憶領域を参照して判定を行い、デバイス情報として下皿満タンエラー検出情報を含む基本コマンドが、コマンド記憶領域にあれば、下皿満タンエラー検出情報を受信しているとして、下皿満タン報知フラグをセット(オン)して(ステップS403)、ステップS405に進み、コマンド記憶領域になければ、ステップS405に直接進む。
【0151】
本実施形態のパチンコ機100では、異常(エラー)が発生すると、所定のタイミングで、その異常が発生したことの報知を行ったり、異常状態の解消方法を伝える報知を行ったり、あるいは異常状態を解消させることを指示する報知を行ったりする。ステップS405では、これらの報知(ここでは下皿128から球を抜くことを指示する下皿満タン報知)が行われていないか否かを判定し、その報知が行われていればステップS415へ進み、その報知が行われていなければ、今度は、下皿満タン報知フラグがセットされいるか否かを判定する(ステップS407)。このステップS407における判定で、下皿満タン報知フラグがセットされていなければステップS415へ進み、セットされていれば、続いて、現在のパチンコ機100の遊技状態が所定の遊技状態(ここでは大当り遊技状態)であるか否かを判定する(ステップS409)。上述のごとく、主制御部300から第1副制御部400に送信されてくる種々のコマンドには、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、あるいは大当りラウンド数などの情報が含まれており、第1副制御部400は、これらの情報をもとに、ステップS409の判定を行う。ROM406には、所定の下皿満タン報知演出データが記憶されており、ステップS409の判定で、所定の遊技状態以外の遊技状態であれば(大当り遊技状態でなければ)、下皿満タン報知演出データをROM406から読み出してRAM408に設定する(ステップS411)。本実施形態では、下皿満タン報知は、装飾図柄表示装置208を用いた報知である。したがって、装飾図柄表示装置208が本発明にいう報知手段の一例に相当する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)208および遮蔽装置246の制御を行う。すなわち、第2副制御部500は、遊技者の遊技の興趣を向上させる演出を装飾図柄表示装置208や遮蔽装置246に行わせるものであり、本発明にいう演出制御部の一例に相当する。ステップS409でRAM408に設定された下皿満タン報知演出データの中には、装飾図柄表示装置208の制御に関する制御コマンドが含まれており、図8(a)に示すステップS319において、この制御コマンドの出力設定が行われ、第2副制御部500にこの制御コマンドは出力される。ステップS411の設定が終了すると、ステップS415へ進む。なお、下皿満タン報知を図4に示すスピーカ120を用いて行う場合には、下皿満タン報知演出データには音源IC416への命令が含まれており、図8(a)に示すステップS313において、その命令を音源IC416に出力する。また、下皿満タン報知を図4に示す各種ランプ418を用いて行う場合には、下皿満タン報知演出データには各種ランプ418の駆動回路420への命令が含まれており、図8(a)に示すステップS315において、その命令を駆動回路420に出力する。さらに、下皿満タン報知を図3等に示す演出可動体224を用いて行う場合には、下皿満タン報知演出データには演出可動体224の駆動回路422への命令が含まれており、図8(a)に示すステップS317において、その命令を駆動回路422に出力する。一方、ステップS409の判定で、所定の遊技状態であれば(大当り遊技状態であれば)、今度は、遊技状態が切り替わるまでの残期間(ここでは現在の所定の遊技状態(大当り遊技状態)が終了するまでの残期間として現在の大当り遊技状態が終了するまでの残りラウンド数)が所定の残期間(所定のラウンド数として例えば残り2Rなど)以上であるか否かを判定する(ステップS413)。主制御部300から第1副制御部400に送信されてくるコマンドには、当りラウンド数と現在のラウンド数を表す情報が含まれており、第1副制御部400は、これらの情報をもとに、当り全ラウンドが終了するまでの残りラウンド数(残期間を表す情報)を取得する。ステップS413の判定で、残期間(残りラウンド数)が所定の残期間(所定のラウンド数)未満であれば上述のステップS411へ進み、下皿満タン報知演出データをROM406から読み出してRAM408に設定する。一方、残期間(残りラウンド数)が所定の残期間(所定のラウンド数)以上であれば、所定の異常解消情報を受信したか否か(ここではデバイス情報として下皿満タンエラー解消情報を含む基本コマンドを受信したか否か)を判定する(ステップS415)。なお、主制御部300から第1副制御部400に、異常解消を表す異常解消コマンドを送るようにして、この異常解消コマンドを受信したか否かを判定するようにしてもよい。図7に示す主制御部タイマ割込処理におけるデバイス監視処理(ステップS237)では、主制御部300は、下皿満タン検知センサの信号状態を読み出し、その信号状態が「満タンである」を表す信号状態から「満タンでない」を表す信号状態に変化した時(異常解消時)に下皿満タンエラー解消情報をデバイス情報として設定する。この下皿満タンエラー解消情報は基本コマンドに含められて第1副制御部400に送信され、第1副制御部400は、その基本コマンドをRAM408のコマンド記憶領域に記憶する。ステップS415では、RAM408のコマンド記憶領域を参照して判定を行い、デバイス情報として下皿満タンエラー解消情報を含む基本コマンドが、コマンド記憶領域にあれば、下皿満タンエラー解消情報を受信しているとして、下皿満タン報知フラグをクリア(オフ)し(ステップS417)、さらには、ステップS409でRAM408に設定された下皿満タン報知演出データのクリア(消去)を行って(ステップS419)、ステップS421に進む。反対に、下皿満タンエラー解消情報を含む基本コマンドがコマンド記憶領域になければ、ステップS421に直接進む。
【0152】
ステップS421では、その他の演出データをROM406から読み出してRAM408に設定し、図8(a)に示す第1副制御部メイン処理に復帰する。ここにいうその他の演出データとは、例えば、遊技者の遊技の興趣を向上させる演出のためのデータ等である。
【0153】
以上説明したように、第1副制御部400は、主制御部300から残りラウンド数(残期間を表す情報)を取得して、ステップS413における判定を行い、残りラウンド数に基づいて異常状態報知の一例である下皿満タン報知を行わせる報知制御を実行する。したがって、本実施形態では、第1副制御部400が、本発明にいう報知制御手段の一例に相当する。第1副制御部400は、残りラウンド数が所定数未満になるまで下皿満タン報知を行わせず、所定数未満になると下皿満タン報知を行わせる。したがって、遊技状態の変化までの期間が長い場合と短い場合とで差別化した報知を行うことができ、ホールコンピュータにおける集計の正確性を担保しつつ、異常状態報知を遊技者や店員に対して効果的に行うことができる場合がある。さらに、遊技状態が切り替わる前にホールコンピュータに払出量を出力する確率を高めることができる。また、第1副制御部400は、主制御部300から現在のパチンコ機100の遊技状態を表す情報も取得して、ステップS409における判定を行い、現在の遊技状態に基づいて下皿満タン報知を行わせる報知制御も実行する。第1副制御部400は、所定の遊技状態(ここでは大当り遊技状態)でなければ、異常状態報知の一例である下皿満タン報知を無条件に行わせる。特に、当り遊技状態にあっては、払出数が多くなるために払出規制状態(異常状態)となる場合が多い。このため、当り遊技状態の残り期間に関する情報に基づくことにより、当たり遊技状態または当たり終了後の遊技状態の、ホールコンピュータによる集計をより正確に行うことができる場合がある。
【0154】
次に、図10(a)を用いて、払出制御部600のCPUが実行する払出制御部リセット割り込み処理について説明する。なお、同図は払出制御部リセット割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
【0155】
払出制御部600には、電源が投入されるとリセット信号を出力するリセット信号出力回路を設けている。このリセット信号が入力された払出制御部600のCPUは、リセット割り込みによりリセットスタートして払出制御部600のROMに予め記憶している制御プログラムに従って処理を実行する。
【0156】
ステップS501では、初期設定1を行う。この初期設定1では、払出制御部600のCPUのスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定等を行う。
【0157】
ステップS503では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、払出制御部600は電圧監視回路を備えており、その電圧監視回路が、図4に示す電源管理部660から払出制御部600に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS503の処理を繰り返し実行し、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS505に進む。
【0158】
ステップS505では、初期設定2を行う。払出制御部600は、カウンタ・タイマやI/Oポートも備えている。この初期設定2では、後述する払出制御部タイマ割り込み処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタ・タイマに設定する処理、払出制御部600のRAMへの書き込みを許可する設定、I/Oポートの初期設定等を行う。なお、図10〜図13の説明の中で単にRAMと称することがあるが、単にRAMと称するものは、払出制御部600のRAMを意味する。
【0159】
ステップS507では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(パチンコ機100を初期状態にする場合)にはステップS509に進み、電断前の状態に復帰する場合にはステップS511に進む。
【0160】
具体的には、最初に、図2に示す電源基板182に設けたRAMクリアスイッチ180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、払出制御部600を初期状態にすべくステップS509に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)は、RAMに設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS509に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAMの所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が0の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS511に進み、チェックサムの結果が0以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS509に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS509に進む。
【0161】
ステップS511では、復電時処理を行う。この復電時処理では、RAMの記憶領域のうち、復電時にクリアすべき記憶領域(コマンドを格納するためのコマンドバッファ、エラー状態を記憶するためのエラーステータスなどを除く記憶領域)の初期化などを行う。
【0162】
ステップS509では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割り込み禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定、RAMの所定の領域(例えば、全ての記憶領域)の初期化などを行う。
【0163】
ステップS513では、初期設定3を行う。払出装置152は、下皿128が満タンになると、所定の付与条件に応じた量の遊技球を付与することができなくなるものである。払出関係のエラー(異常)としては、払出センサ604が、払出装置152を駆動していないにも関わらず、所定数(例えば0個、1個など)を超えた払出球を検出した場合の不正払出エラーや、所定数の球を払出するために払出装置152を駆動したにも関わらず、該所定数の払出球が検出されなかった場合の未払出エラーや、所定数の球を払出するために払出装置を駆動したにも関わらず、該所定数を超える払出球が検出された場合の払出超過エラーや、払出装置152に供給する球が不足していることを検出した場合の払出球不足エラーなどがある。ステップS513における初期設定3では、RAMに設けたエラーステータス記憶領域に記憶したエラーステータスのうち、不正払出エラーと払出超過エラー以外の情報をクリアしたり、割り込み許可の設定などを行う。
【0164】
ステップS515では、主制御部300から送られてきたコマンド(付与要求情報)の中に未解析データがあるか無いかを判定し、未解析データがある場合にはステップS517でコマンド解析処理(詳細は後述する)を行い、未解析データがない場合にはステップS519に進む。
【0165】
ステップS519では、低電圧信号がオフであるか否かを監視し、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS515に戻り、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS521に進む。
【0166】
ステップS521では、電断時処理を行う。この電断時処理では、RAMに設けたスタックポインタ退避領域に現在のスタックポインタの値を記憶し、上述の電源ステータス記憶領域にサスペンドを示す情報を設定する。また、RAMの所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算し、チェックサム算出用数値記憶領域に記憶している値からその加算した結果を減算した値をチェックサム(電断時チェックサム)として算出し、算出した電断時チェックサムを上述のチェックサム算出用数値記憶領域に記憶し、RAMへの書き込みを禁止する設定などを行う。
【0167】
ステップS523では、低電圧信号がオンであるか否かを監視し、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはこのステップS523の処理を繰返し実行して低電圧信号がオフになるのを待ち、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS501に戻り、払出制御部リセット割り込み処理を最初から開始する。すなわち、このステップS523では、ステップS519で低電圧信号がオンであると判定した後(電源の遮断を検知した後)で、この低電圧信号の出力が停止したことを検知した場合(電源の復帰を検知した場合)に払出制御部を初期化する初期化処理を行う。
【0168】
次に、図10(b)を用いて、払出制御部600のCPUが実行する払出制御部コマンド受信割り込み処理について説明する。なお、同図は払出制御部コマンド受信割り込み処理の流れを示すフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、払出制御部600のCPUが、主制御部300が出力するストローブ情報を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS531では、主制御部300が出力したコマンド(付与要求情報)を未処理コマンドとしてRAMに設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0169】
図11は、図10(a)に示す払出制御部リセット割り込み処理におけるコマンド解析処理(ステップS517)の流れを示すフローチャートである。
【0170】
上述のごとく、払出制御部600には、主制御部300から、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)とビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すコマンド付与要求情報)が送信される。ステップS5171では、ビット4〜5の加工種別に基づいて、ビット0〜3の暗号化された払出要求数をデコードする。
【0171】
続いて、正常にデコードされたか否かを判定し、正常にデコードされていなければ払出制御部リセット割り込み処理に復帰する。払出制御部600のRAMには所定の付与量記憶部(本実施形態では払出用払出数記憶部と貸出用払出数記憶部)が設けられている。この付与量記憶部には、付与条件(例えば、入賞口への入球や球貸操作の検知等)に応じた付与量が加算されていく。すなわち、賞球(入賞口への入球等に基づいて付与する球)の場合は、払出用払出数記憶部に加算され、貸球(球貸操作を検知したことに基づいて付与する球)の場合は貸出用払出数記憶部に加算される。ここでは、正常にデコードされていれば、デコードにより判定した賞球の払出数(付与量)を、払出用払出数記憶部の払出数情報(付与量情報)に加算する(ステップS5175)。ステップS5175の処理が終了すると、払出制御部リセット割り込み処理に復帰する。
【0172】
次に、図12を用いて、払出制御部600のCPUが実行する払出制御部割り込み処理について説明する。なお、同図は、払出制御部割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【0173】
払出制御部600は、所定の周期(本実施形態では1msに1回)でタイマ割り込みを発生するカウンタ・タイマを備えており、このタイマ割り込みを契機として払出制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で開始する。
【0174】
ステップS611では、ポート入力処理を行う。このポート入力処理では、I/Oポートの値を取得して、各種センサの状態などを検出する。具体的には、図4に示すカードユニット608からインターフェース部606を介して入力する各種信号の状態、不図示の下皿満タン検知センサから入力する信号、図2に示すRWMクリアスイッチ180から入力する信号、図2に示すエラー解除スイッチ168から入力する信号、図4に示す払出センサ604から入力する球払出信号、主制御部300と払出制御部600を接続する主制御接続確認信号の状態などを取得して、RAMに設けた入力信号情報記憶領域に記憶する。
【0175】
ステップS612では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、後述する貸出要求待ちタイマおよび貸出指示待ちタイマや、払出報知用LEDの点灯/消灯時間、払出モータ602の駆動/非駆動時間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
【0176】
ステップS613では、エラー管理処理を行う。このエラー管理処理では、不正払出エラーや未払出エラー等の各種の払出エラーが発生しているか否かを判定し、RAMに設けた払出エラーステータス記憶領域に払出エラーに関する情報を記憶する。
【0177】
ステップS614では、図2に示すエラー解除スイッチ168が操作されたか(オンされたか)否かを監視するエラー解除スイッチ監視処理を行う。ステップS615では、図4に示すカードユニット608との通信を管理するCRユニット通信管理処理を行う。払出制御部600とカードユニット608との通信はこのステップで行われる。例えば、図1に示す球貸操作ボタン140が操作されると、図4に示すカードユニット608に球貸し指示が行われ、そのカードユニット608から払出制御部600に貸球の払出要求数が送信されてくる。貸球の払出要求数が送信されてきた場合には、貸球の払出数(付与量)を、上述の貸出用払出数記憶部の払出数情報(付与量情報)に加算する。また、カードユニット608へ情報を送信すると、カードユニット608からは情報を受け取ったことを表す所定の信号が返信されてくる。
【0178】
ステップS616では、払出処理を行う。詳細は後述するが、この払出処理では、払出モータ602の制御を行う。
【0179】
ステップS617では、LED処理を行う。このLED処理では、パチンコ機100が払出エラー状態になった場合に、払出エラーが発生していることを遊技者に報知するための専用のLED(例えば、パチンコ機100の上部に配設されたLED)を点灯させるとともに、払出エラーが解消した場合には、そのLEDを消灯させる。例えば、後述する払出超過エラーフラグがセットされている場合には、払出超過エラーが発生していることを遊技者に報知するためのLEDを点灯させるとともに、払出超過エラーフラグがクリアされた場合には、そのLEDを消灯させる。なお、上術の下皿満タン報知フラグの設定状況(オン状態かオフ状態か)を表す情報も、払出制御部600に送信するようにしておけば、下皿満タン報知フラグがオンされている場合には、払出エラー専用のLEDを用いて、下皿満タンエラーを報知することもできる。
【0180】
ステップS618では、信号出力管理処理を行う。この信号出力管理処理については、詳細は後述するが、払出装置152が実際に払い出した球数(実付与量)を、所定の外部装置(ここでは不図示のホールコンピュータが備える情報入力回路350)に出力する。
【0181】
図13は、図12に示す払出制御部割込み処理における払出処理(ステップS616)の流れを示すフローチャートである。
【0182】
払出制御部600のRAMに設けられた入力信号情報記憶領域には、図4に示す払出センサ604から入力された球払出信号に基づいて、払出センサ604が実際に払出された球を検出したことを表す払出検出情報が記憶される(図12に示すステップS631)。払出センサ604は所定球(ここでは1球)ずつ球を検出し、払出検出情報は、実際に所定球(1球)払い出されたことを表す情報になる。ステップS631では、その入力信号情報記憶領域に払出検出情報が記憶されているか否かを判定し、記憶されていなければステップS641に進み、記憶されていれば、RAMに設けられた貸出用払出数記憶部の払出数情報(付与量情報)が表す値が0より大きいか否かを判定する(ステップS632)。ここで0より大きければ貸玉を払い出す必要があったことになり、まず、貸出用払出数記憶部の払出数情報が表す値を、先のステップS631で判定した払出検出情報に応じた分(ここでは1球分)だけディクリメントして(ステップS633)、ステップS641に進む。一方、0であれば貸玉を払い出す必要はなかったことになり、今度は、RAMに設けられた払出用払出数記憶部の払出数情報(付与量情報)が表す値が0より大きいか否かを判定する(ステップS634)。ここでも0であれば賞球も払い出す必要はなかったはずであるが、ステップS631の判定結果は、払出センサ604が実際に払出された球を検出したことを表す払出検出情報が記憶されているという判定結果である。そのため、払出超過エラーが発生したことになる。払出制御部600のRAMには払出超過エラーフラグが用意されており、払出用払出数記憶部の払出数情報が表す値も0であれば、払出超過エラー状態と判定し、その払出超過エラーフラグをセット(オン)して(ステップS635)、ステップS641に進む。なお、この払出超過エラーフラグは、店員が図2に示すRAMクリアスイッチ180あるいはエラー解除スイッチ168を押下するまでオン状態を維持し、これらのスイッチが押下されるとクリア(オフ)される。一方、払出用払出数記憶部の払出数情報が表す値が0より大きければ賞球を払い出す必要があったことになり、まず、払出用払出数記憶部の払出数情報が表す値を、先のステップS631で判定した払出検出情報に応じた分(ここでは1球分)だけディクリメントする(ステップS636)。払出制御部600のRAMには、外部出力用払出数記憶部も用意されている。払出制御部600は、不図示のホールコンピュータ(外部装置)が備える情報入力回路350に、所定球数(例えば10球)ごとに送信する。すなわち、詳しくは後述するように、払出制御部600は、実際に払い出した球数が所定球数に達すると、外部装置に所定球数払い出したことを送信する。外部出力用払出数記憶部は、この所定球分をカウントするためのものである。ステップS636に続いて実行されるステップS637では、この外部出力用払出数記憶部の払出数情報が表す値を払出検出情報に応じた分(ここでは1球分)だけインクリメントする。次いで、外部出力用払出数記憶部の払出数情報が表す値が所定球数(ここでは10球)以上であるか否かを判定する(ステップS638)。払出制御部600のRAMには、所定の外部装置(ここでは不図示のホールコンピュータ)に出力する遊技価値の付与量(ここでは実際の払出数)を所定量(ここでは10球)ごとにカウントする外部装置出力カウンタも設けられている。外部出力用払出数記憶部の払出数情報が表す値が10以下であればステップS641へ進み、10以上であればその外部装置出力カウンタのカウント値をインクリメントし(ステップS639)、さらに、外部出力用払出数記憶部の払出数情報が表す値から10を引いて(ステップS640)からステップS641へ進む。
【0183】
払出制御部600には、主制御部300との未接続を検出する主制御部未接続検出回路や、カードユニット608との未接続を検出するカードユニット未接続検出回路が設けられている。また、上述のごとく、第1副制御部400がカードユニット608へ情報を送信すると、第1副制御部400にはカードユニット608から、情報を受け取ったことを表す所定の信号が返信されてくる。ステップS641では所定の異常状態(ここでは払出異常状態)であるか否かを判定する。このステップS641では、払出超過エラーフラグがセットされていれば払出異常状態であると判定する他、上記主制御部未接続検出回路によって主制御部300との未接続が検出された場合や、カードユニット未接続検出回路によってカードユニット608との未接続が検出された場合、さらには、カードユニット608へ情報を送信したのに、カードユニット608から所定期間内に所定の信号が返信されてこなかった場合も払出異常状態であると判定する。
【0184】
なお、上術の下皿満タン報知フラグの設定状況(オン状態かオフ状態か)を表す情報も、払出制御部600に送信するようにしておけば、下皿満タン報知フラグがオンされていれば、このステップS641で払出異常状態であると判定することができる。またここでは、払出関係のエラーとして払出超過エラーを扱ったが、不正払出エラーや、未払出エラーや、払出球不足エラーなどを検出できるようにして、これらのエラーが検出されれば、払出異常状態であると判定してもよい。
【0185】
ステップS641における判定で払出異常状態はないという判定がなされれば、図12に示す払出制御部割込み処理に復帰し、払出異常状態であるとういう判定がなされれば、ステップS632と同様に、RAMの貸出用払出数記憶部の払出数情報が表す値が0より大きいか否かを再度判定し(ステップS642)、0であれば、今度は、ステップS634と同様に、RAMの払出用払出数記憶部の払出数情報が表す値が0より大きいか否かを再度判定し(ステップS643)、ここでも0であれば、払出しを行う必要がないため、図12に示す払出制御部割込み処理に復帰する。一方、RAMの貸出用払出数記憶部の払出数情報が表す値が0より大きかったり、払出用払出数記憶部の払出数情報が表す値が0より大きければ、払出しを行う必要があるため、払出モータ602を所定数(ここでは1球)の払い出しを行うように駆動する(ステップS644)。この結果、払出装置152から所定数(1球)の払い出しが行われる。ステップS644の処理を終えると、図12に示す払出制御部割込み処理に復帰する。
【0186】
以上説明した払出処理(ステップS616)を実行する払出制御部600を備える払出装置152が、本発明にいう遊技価値付与手段の一例に相当する。
【0187】
図14は、図12に示す払出制御部割込み処理における信号出力処理(ステップS618)の流れを示すフローチャートである。
【0188】
この信号出力処理では、RAMに設けられた外部装置出力カウンタのカウント値が0より大きいか否かを判定する(S651)。上述のごとく、外部装置出力カウンタは、10球ごとにカウントするカウンタであり、外部装置出力カウンタのカウント値が1であれば、ホールコンピュータに前回出力してから10球の遊技球が実際に払い出されたことになる。一方、そのカウント値が0であれば、ホールコンピュータに前回出力してから10球までは遊技球が実際に払い出されていない(実際に払い出された遊技球は0球かもしれないし9球かもしれない)ことになる。カウント値が、0であればその他の処理を実行し(ステップS654)、0より大きければ、払出制御部600のCPUは、払出制御部600の情報出力回路に対して、外部装置出力カウンタのカウント値に応じた払出数情報を出力することを指示する(ステップS652)。このステップS652が実行されることで、払出制御部600からホールコンピュータに、実際に付与した遊技価値の量(払出数)を表す情報が送信される。
【0189】
続いて、外部装置出力カウンタのカウント値をデクリメントして、ステップS654へ進み、その他の処理を実行する。ステップS654の処理を終えると、図12に示す払出制御部割込み処理に復帰する。
【0190】
図15は、本実施形態のパチンコ機100における異常状態報知の一例を説明するための図である。この図15では、異常状態報知の一例として、下皿128の満タンエラーの報知を例にあげて説明する。
【0191】
図15(a)は、下皿満タン検知センサからの信号状態と、満タンエラー報知の状態とを表すタイミングチャートである。
【0192】
この図15(a)では、左から右に時間が経過し、所定の普通遊技状態(非当り遊技状態)から所定の大当り遊技状態(ここでは15Rの大当り遊技状態)を経て、再び所定の普通遊技状態へ戻る。図15(a)に示すタイミングチャートの上方には、下皿満タン検知センサからの信号状態が示されている。下皿満タン検知センサからの信号は、ハイレベルがオン(満タンである)を表し、ローレベルがオフ(満タンでない)を表す。下皿満タン検知センサは、本発明にいう貯留部満タン判定手段の一例に相当する。また、このタイミングチャートの下方には、下皿満タンエラーの報知が、報知状態か非報知状態かが示されている。
【0193】
ここでの例では、下皿128が満タンでない状態から、15Rの大当り遊技状態へ移行し、12ラウンド(12R)の途中で下皿128が満タンになり、下皿満タン検知センサからの信号がローレベルからハイレベルへ切り替わる。本実施形態のパチンコ機100では、下皿満タン検知センサからの信号がローレベルからハイレベルへ切り替わっても、所定のラウンド(ここでは14R)になるまで下皿満タンエラーの報知を開始しない。すなわち、遊技状態が所定の大当り遊技状態から所定の普通遊技状態へ切り替わるまでの残期間が所定ラウンド数分の期間(2R分の期間)になるまで異常状態報知を開始しない。
【0194】
図15(b)は、13R中の装飾図柄表示装置208の表示画面を示す図である。
【0195】
図15(b)に示す装飾図柄表示装置208の表示画面には、現在のラウンド数の表示(ROUND 13)とともに、殿様のキャラクターとお姫様のキャラクターによる大当り演出がなされている。同図(a)に示すように、13Rの状態では、下皿128の満タン検知中であるが、大当り中の所定の演出を阻害しないように、下皿満タンエラーの報知はなされていない。
【0196】
図15(c)は、14Rに突入した時の装飾図柄表示装置208の表示画面を示す図である。
【0197】
図15(c)に示す装飾図柄表示装置208の表示画面にも、現在のラウンド数の表示(ROUND 14)とともに、殿様のキャラクターとお姫様のキャラクターによる大当り演出がなされている。さらに、この時の表示画面の右下には、「球を抜いてください」といった文字表示がなされている。この文字表示は、異常解消を促す報知である下皿満タンエラーの報知(下皿満タン報知)であり、大当り演出が行われている状態の表示画面に異常状態報知が追加して表示された態様である。下皿満タンエラーは、払出禁止状態(異常状態)の中でも不正や故障といった原因で発生するものでないため、残り期間に応じた報知を行っても、不正防止や故障防止の観点から影響がない場合がある。また、ここでの下皿満タン報知は、大当り演出に重ならないように表示画面の右下に示されている。しかしながら、この場面は、13Rから14Rへ突入して遊技が大いに盛り上がっている場面である。この場面で、下皿満タンエラーの報知が、大当り演出と同時に表示されており、大当り演出による演出効果を多少なりとも阻害してしまっている感は否めないが、現在実行中の大当り演出を邪魔しないように最小限に留めた態様である。したがって、実行中の大当り演出の阻害性を可能な限り抑えることも可能となり、ホールコンピュータの集計の正確性を担保しつつ、下皿満タンエラーの報知を遊技者や遊技店員に対して効果的に行うことが可能となる場合がある。遊技者は、この文字表示に気付き、図1に示す球排出レバー132を操作して、下皿128からの球抜きを行い、15Rの途中で下皿満タン検知センサからの信号がハイレベルからローレベルに切り替わり、下皿128の満タンエラーが解消される。下皿128の満タンエラーが解消されると同時に「球を抜いてください」といった文字表示の下皿満タンエラーの報知が終了する。
【0198】
以上の説明では、第1副制御部400が、本発明にいう報知制御手段の一例に相当したが、本発明にいう報知制御手段はこれに限らず、例えば、主制御部300であってもよい。以下、主制御部300が本発明にいう報知制御手段の一例に相当する第1変形例について説明する。
【0199】
図16は、第1変形例における、図7に示す主制御部タイマ割込処理の一つであるデバイス監視処理(ステップS237)の流れを示すフローチャートである。
【0200】
主制御部300のRAM308には、前回の主制御部タイマ割り込みにおける下皿満タン検知センサの状態(オン:満タンである/オフ:満タンでない)を記憶しておく前回検出信号記憶領域が用意されている。この変形例のデバイス監視処理では、まず、その前回検出信号記憶領域を参照して、前回の割り込みでの下皿満タン検知センサの状態はオフ状態(満タンでない)であったか否かを判定する(ステップS701)。ここで、オン状態(満タンである)であればステップS707に進み、オフ状態(満タンでない)であれば、今度は、今回の主制御部タイマ割込処理におけるステップS205で今回検出信号記憶領域に記憶した下皿満タン検知センサの状態は、オン状態(満タンである)であるか否かを判定する(ステップS702)。ここでは、オフ状態(満タンでない)であればステップS707に進む。このステップS701およびステップS702の判定によって、主制御部300は、下皿満タンエラーが発生したか否かを判定することができる。すなわち、下皿満タンエラーが発生した時点の割り込み処理では、ステップS701の判定はオフ状態であり、ステップS702の判定はオン状態になる。
【0201】
上述のごとく、主制御部タイマ割込処理における特図2状態更新処理(S225)や特図1状態更新処理(S227)では、現在のパチンコ機100の遊技状態が、大当り遊技状態であるか、小当り遊技状態であるか、非当り遊技状態(普通遊技状態)かをRAM308に記憶するとともに、大当り遊技状態または小当り遊技状態である当り遊技状態であれば、現在のラウンド数も記憶する。ステップS702における判定で、オン状態(満タンである)であるという判定結果であれば、RAM308を参照して、現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを判定し(ステップS703)、大当り遊技状態でなければ、RAM308に用意された所定の出力フラグをセット(オン)する(ステップS704)。ステップS704の処理を終えると、ステップS707に進む。一方、現在の遊技状態が大当り遊技状態であれば、RAM308を参照して現在のラウンド数から残りラウンド数を取得し、その残りラウンド数が所定ラウンド数(例えば2R)以下か否かを判定する(ステップS705)。すなわち、大当り遊技状態が他の遊技状態に切り替わるまでの残期間(現在の遊技状態が終了するまでの期間)が所定の期間以下か否かを判定する。残りラウンド数が、所定ラウンド数以下であればステップS704に進み、所定ラウンド数より残っていれば、RAM308に用意された所定の遅延フラグをセット(オン)して(ステップS706)、ステップS707に進む。
【0202】
ステップS707では、RAM308に、遅延フラグがセット(オン)されているか否かを判定し、セットされていなければ(オフであれば)、今度は、出力フラグがセット(オン)されているか否かを判定し(ステップS708)、出力フラグもセットされていなければ(オフであれば)、ステップS711に進む。一方、遅延フラグがセットされていれば(オンであれば)、ステップS705と同様の判定を再度行う(ステップS709)。残りラウンド数が所定ラウンド数より残っていればステップS711に進み、所定ラウンド数以下であれば、所定の異常状態検出情報出力(ここでは下皿満タンエラー検出情報出力)を、RAM308の送信情報記憶領域に出力情報としてセットする(ステップS710)。ここでセットした出力情報は、基本コマンドに含められて、第1副制御部400に送信され、さらに、第1副制御部400は第2副制御部500に制御コマンドを送信する。第2副制御部500は、その制御コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)208の制御を行い、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)208の表示画面には、下皿128から球を抜くことを指示する下皿満タン報知がなされる。なお、ここで、上記出力情報が、払出制御部600にも出力されるようにセットしてもよい。ステップS710の処理を終えると、ステップS711に進む。また、ステップS708における判定で、出力フラグがセットされていれば(オンであれば)、ステップS710に進み、出力情報をセットする。
【0203】
ステップS711では、ステップS701とは反対に、前回の割り込みでの下皿満タン検知センサの状態はオン状態(満タンである)であったか否かを判定し、オフ状態(満タンでない)であればステップS717に進む。一方、オン状態(満タンである)であれば、今度は、ステップS702とは反対に、今回の割り込みでの下皿満タン検知センサの状態はオフ状態(満タンでない)であったか否かを判定する(ステップS712)。このステップS711およびステップS712の判定によって、主制御部300は、下皿満タンエラーが解消したか否かを判定することができる。すなわち、下皿満タンエラーが解消した時点の割り込み処理では、ステップS711の判定はオン状態であり、ステップS712の判定はオフ状態になる。ステップS712における判定が、オン状態(満タンである)であればステップS717に進み、オフ状態であれば、ステップS703と同様の判定を行い(ステップS713)、現在の遊技状態が、大当り遊技状態でなければステップS715に進み、大当り遊技状態であれば、今度は、ステップS705と同様の判定を行う(ステップS714)。ここで、残りラウンド数が、所定のラウンド数より残っていれば、ステップS716に進み、所定ラウンド数以下であればステップS715に進む。
【0204】
ステップS715では、所定の異常状態解消情報出力(ここでは下皿満タンエラー解消情報出力)を、RAM308の送信情報記憶領域に出力情報としてセットする。ここでセットした出力情報も、基本コマンドに含められて、第1副制御部400に送信され、さらに、第1副制御部400は第2副制御部500に制御コマンドを送信する。第2副制御部500は、下皿満タンエラー解消情報出力に基づく制御コマンドに応じて、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)208の制御を行い、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)208の表示画面には、「下皿満タンエラーが解消されました」という文字表示、あるいはキャラクター等を用いた演出風の所定表示が、所定の異常状態解消報知(ここでは下皿満タンエラー解消報知)として行われる。
【0205】
ステップS717では、その他の処理として、例えば、その他のエラー(例えば本体開放エラー、前面枠開放エラー等)の有無(発生や解消)を示すデバイス情報等を設定する。ステップS714の処理を終えると、図7に示す主制御部タイマ割込処理に復帰する。
【0206】
以上説明した第1変形例によれば、主制御部300が、残りラウンド数に基づいて、異常に関する所定報知(ここでは下皿満タン報知および下皿満タンエラー解消報知)を行わせる報知制御を実行する。主制御部300は、残りラウンド数が所定数以下になるまで異常に関する所定報知を行わせず、残りラウンド数が所定数以下になると、異常に関する所定報知を行わせる。また、主制御部300は、現在のパチンコ機100の遊技状態に基づいて異常に関する所定報知を行わせる報知制御も実行する。主制御部300は、所定の遊技状態(ここでは大当り遊技状態)でなければ、異常に関する所定報知を無条件に行わせる。
【0207】
続いて、第1副制御部400メイン処理における演出制御処理の変形例についていくつか説明する。以下の説明では、図9を用いて説明した演出制御処理との相違点を中心に説明する。
【0208】
図17は、本実施形態の第2変形例になる演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0209】
この第2変形例では、下皿満タン報知演出データとしてROM406に2種類の下皿満タン報知演出データ(第1の下皿満タン報知演出データと第2の下皿満タン報知演出データ)が用意されている。第2の下皿満タン報知演出データは、第1の下皿満タン報知演出データよりも報知効果が大きな報知になるデータである。なお、下皿満タン報知演出データとして2種類に限らず、3種類以上の演出データを用意しておき、乱数抽選等によってそれらのデータを使い分けてもよい。
【0210】
図17に示す演出制御処理のステップS801〜ステップ809、ステップS813、ステップS815〜ステップS821それぞれは、図9に示す演出制御処理のステップS401〜ステップ409、ステップS413、ステップS415〜ステップS421それぞれと同じであるため、説明は省略する。
【0211】
図17に示すステップS809の判定が、大当り遊技状態でなければ、また、その判定が大当り遊技状態であってもステップS813の判定で残りラウンド数が所定のラウンド数未満であれば、第2の下皿満タン報知演出データをROM406から読み出してRAM408に設定する(ステップS810)。一方、ステップS809の判定が、大当り遊技状態であって、かつステップS813の判定で残りラウンド数が所定のラウンド数以上であれば、第1の下皿満タン報知演出データをROM406から読み出してRAM408に設定する(ステップS814)。
【0212】
図18(a)は、残りラウンド数が所定ラウウンド数(ここでは3R)以上となる13R中の装飾図柄表示装置208の表示画面を示す図である。
【0213】
図18(a)に示す装飾図柄表示装置208の表示画面には、現在のラウンド数の表示(ROUND 13)とともに、殿様のキャラクターとお姫様のキャラクターによる大当り演出がなされている。また、第1の下皿満タン報知演出データに基づく下皿満タン報知の一例として、異常解消を促す報知である「球を抜いて」とう文字表示が、大当り演出に重ならないように表示画面の右下に示されている。
【0214】
図18(b)は、残りラウンド数が所定ラウウンド数(ここでは3R)未満となった14Rに突入した時の装飾図柄表示装置208の表示画面を示す図である。
【0215】
図18(b)に示す装飾図柄表示装置208の表示画面にも、現在のラウンド数の表示(ROUND 14)とともに、殿様のキャラクターとお姫様のキャラクターによる大当り演出がなされている。さらに、この時の表示画面の下中央には、第2の下皿満タン報知演出データに基づく下皿満タン報知の一例として、「球を抜け」といった太文字が相対的に大きく表示されている。図18(a)に示す装飾図柄表示装置208の表示画面と比較すればわかるように、図18(b)に示す装飾図柄表示装置208の表示画面に表示された下皿満タン報知は、報知度合いが大きな報知である。
【0216】
13Rまでは残りラウンド数が相対的に長く、14R以降は残りラウンド数が相対的に短い。第2変形例では、残りラウンド数が相対的に短い場合(14R以降)には、相対的に長い場合(13R以前)に比べて報知効果が大きな報知態様で異常状態報知(下皿満タン報知)を行わせる。こうすることで、残りラウンド数が相対的に短い場合の下皿満タン報知は、残りラウンド数が相対的に長い場合の下皿満タン報知よりも重要性が高いことが遊技者または店員に認識可能となり、ホールコンピュータの集計の正確性を担保しつつ、異常状態報知を遊技者や店員に対して効果的に行うことができる場合がある。また、遊技者が自発的に球排出レバー132を操作して下皿満タンエラーが解消される場合があり、下皿満タン報知を行わなくてもそのエラーが解消する場合があり、下皿満タンエラーが検出されても、遊技状態の変化が間近に迫るまでは解消する必要がないこともある。何回も下皿満タン報知を行うと遊技者をイラつかせてしまう恐れがあるが、残りラウンド数が相対的に長い場合にあっては自然解消を待つことで、その恐れも低減することができる。
【0217】
図19は、本実施形態の第3変形例になる演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0218】
この図19に示す演出制御処理のステップS831〜ステップ839、ステップS843、ステップS845〜ステップS851それぞれは、図9に示す演出制御処理のステップS401〜ステップ409、ステップS413、ステップS415〜ステップS421それぞれと同じであるため、説明は省略する。
【0219】
図19に示す演出制御処理では、遊技状態が大当り遊技状態とは異なる遊技状態であっても下皿満タン報知を行わせない。また、遊技状態が大当り遊技状態であっても、当り種別が所定の当り種別である場合に限って、残りラウンド数に応じて報知制御を実行する。すなわち、当り種別に基づいても異常状態報知の一例である下皿満タン報知を行わせる報知制御を実行する。所定の当り種別とは、所定長以上の長さ(例えば3R以上の長さとか当り演出開始から終了までが所定時間以上の長さ等)を有する当り種別であり、ここでは、15R大当りか否かを判定する(ステップS840)。当り種別が15R大当りでなければ(2R大当りであれば)、下皿満タン報知を行わせず、15R大当りに限って、残りラウンド数が所定のラウンド数以上残っていれば、下皿満タン報知演出データをROM406から読み出してRAM408に設定する(ステップS844)。一方、当り種別が15R大当りであっても、残りラウンド数が所定のラウンド数未満であれば、下皿満タン報知を行わせず、本実施形態とは逆である。
【0220】
この第3変形例によれば、当り演出が早く終わってしまう場合は、下皿満タン報知は行われず、また、あと少しで当り演出が終わってしまう場合にも、下皿満タン報知は行われない。
【0221】
図20は、本実施形態の第4変形例になる演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0222】
この第4変形例では、ROM406に普通大当り演出データと満タン報知系大当り演出データが用意されている。また、普通演出モードとペナルティ系演出モードが用意されている。大当り終了時に特図確率変動状態に移行する場合には、普通演出モードではその移行を報知するが、ペナルティ系演出モードその移行を報知しない。
【0223】
この図20に示す演出制御処理のステップS861、863、867、875、877、881それぞれは、図9に示す演出制御処理のステップS401、403、407、415、417、421それぞれと同じであるため、説明は省略する。
【0224】
ステップS864では、ラウンド数が14R目になったか否かを判定し、そうでなければ、下皿満タンエラー解除情報を受信したか否かを判定するステップS875に進む。一方、14R目になると、下皿満タン報知フラグがセットされていなければ、14R目および15R目に普通大当り演出データをROM406から読み出してRAM408に設定し(ステップS868)、下皿満タン報知フラグがセットされていれば、14R目および15R目に満タン報知系大当り演出データをROM406から読み出してRAM408に設定する(ステップS869)。次いで、大当り(所定の大当り演出)が終了したか否かを判定する(ステップS870)。このステップS870は、遊技状態が切り替わるまでの残期間(残りラウンド数)がゼロ(所定のラウンド数として残り0R)であるか否かを判定することと同じであり、この第4変形例でも、残りラウンド数に基づいて下皿満タン報知を行わせる報知制御が行われる。大当りが終了していなけば(残りラウンド数がゼロでなければ)、ステップS875に進み、大当りが終了していれば(残りラウンド数がゼロであれば)、下皿満タン報知フラグがセットされいるか否かを再度判定する(ステップS871)。このステップS871における再度の判定で、下皿満タン報知フラグが、セットされていなければ普通演出モードを選択してRAM408に設定し(ステップS872)、セットされていればペナルティ系演出モードを選択してRAM408に設定する(ステップS873)。
【0225】
図21(a)〜(c)は、図20に示すステップS868で普通大当り演出データがRAM408に設定された場合の装飾図柄表示装置208の表示画面を示す図であり、図21(d)〜(f)は、図20に示すステップS869で満タン報知系大当り演出データがRAM408に設定された場合の装飾図柄表示装置208の表示画面を示す図である。図21(a)〜(c)と図21(d)〜(f)は、同じ遊技状態であり、ともに大当たり終了後に特図確率変動状態へ昇格する。すなわち、15R大当たり遊技状態から確変遊技状態へ切り替わる。
【0226】
図21(a)および同図(d)それぞれに示す装飾図柄表示装置208の表示画面には、現在のラウンド数の表示(ROUND 13)とともに、お姫様のキャラクターによる大当り演出がなされている。このお姫様のキャラクターからは「お願い神様」という吹き出しが表示されている。いずれの表示画面にも、下皿満タン報知も確変昇格演出もなされていない。
【0227】
図21(b)および図21(e)それぞれに示す、現在のラウンド数が14になった装飾図柄表示装置208の表示画面には、お姫様のキャラクターによる大当り演出がなされている。図21(b)に示す装飾図柄表示装置208の表示画面では、このお姫様のキャラクターから「溢れるこの恋心 彼に届いて」という吹き出しが表示されている。さらに、その表示画面下の左端からは文字(ここでは“変”という文字だけが見えている)が中央に向けて移動し始めてきている。この文字の移動表示は、予告的な確変昇格演出である。一方、同図(e)には、下皿満タンエラーが発生している状態で14Rを迎えた様子が示されており、装飾図柄表示装置208の表示画面では、お姫様のキャラクターから同図(b)とは異なる「溢れる遊技球 早く抜いて」という吹き出しが表示され、異常解消を促す下皿満タン報知が、大当り演出の中に組み込まれている。すなわち、図15(c)や図18に示す例のように、大当たり演出に下皿満タン報知を追加するのではなく、大当たり演出の一環として下皿満タン報知が行われ、下皿満タン報知によって大当り演出による演出効果を阻害してしまうことを低減している。
【0228】
図21(c)および図21(f)それぞれには、現在のラウンド数が15に到達し、大当り演出が終了した直後の装飾図柄表示装置208の表示画面が示されている。図21(c)に示す装飾図柄表示装置208の表示画面には、お姫様のキャラクターから「やったぁ」という吹き出しが表示されている。さらに、表示画面下の中央には、大きく「確変」という状態移行を告げる文字表示がなされている。これらの吹き出しや文字表示は、確変昇格演出に相当する。一方、同図(f)には、大当たりが終了しても下皿満タンエラーが解消されていない様子が示されており、装飾図柄表示装置208の表示画面には、お姫様のキャラクターから「早く球抜いて」を3回繰り返す吹き出しが表示されているが、何ら状態移行を告げる報知はなされていない。すなわち、この同図(f)に示す表示画面では、確変昇格演出はなされていない。
【0229】
以上説明した図21(b)から同図(c)にかけては、図20に示すステップ868でRAM408に設定した普通大当り演出データに基づく大当たり演出が示されており、図21(c)には、図20に示すステップ872で選択した普通演出モードに基づく確変昇格演出が示されている。一方、図21(e)から同図(f)にかけては、図20に示すステップ869でRAM408に設定した満タン報知系大当り演出データに基づく大当たり演出が示されており、図21(f)には、図20に示すステップ873で選択したペナルティ系演出モードに基づく下皿満タン報知演出が示されている。すなわち、球抜きを怠ったペナルティとして確変昇格を報知しない。ただし、下皿128の満タンという原因とは異なる原因で未付与量(ここでは未払出球数)がある場合(球詰まりなど)は、このペナルティ系演出モードを選択せず、普通演出モードを選択するようにしてもよい。また、ペナルティ系演出は、大当たり終了時に、所定の異常検知手段(ここでは下皿満タン検知センサ)が検知状態であり、かつ、その異常検知手段の検知タイミングが所定のタイミングより早い場合に行ってもよいし、あるいは、未払出球数が所定の球数以上である場合に行ってもよい。
【0230】
なお、大当たりが終了しても下皿満タンエラーが解消されていない場合(例えば、球抜きを行わないまま通常遊技状態に戻った場合等)は、潜伏確変の演出モードになってもよく、15R大当たり時の潜伏確変の演出モードは、異常状態が解消されないまま所定の遊技状態に切り替わった場合(例えば、球抜きを行わないまま通常モードに戻った場合)にのみ選択されるようにしてもよい。
【0231】
また、図20に示すステップS867やステップS871のように、下皿満タン検知に基づいて演出を設定する場合には、満タン検知の検知時間に基づいて演出内容を異ならせてもよい。さらに、満タン検知のタイミングが所定のタイミングより遅い場合は、単なる下皿満タン検知を行ってもよい。例えば、13Rの終わり辺りで下皿128が満タンになった場合には、遊技者には罪がないからである。
【0232】
図22は、本実施形態の第5変形例になる演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0233】
この第5変形例では、通常遊技状態では、保留内に当たりがある場合、あるいは、変動中の図柄が当たりの抽選結果を表示する場合に限って異常状態報知を行い、それ以外では異常状態報知を行わない。
【0234】
図22に示す演出制御処理のステップS901〜S907、およびステップS911〜S921それぞれは、図9に示す演出制御処理のステップS401〜S407、およびステップS411〜S421それぞれと同じであるため、説明は省略する。
【0235】
ステップS908では、現在のパチンコ機100の遊技状態が当たり遊技状態ではない所定の遊技状態(ここでは普通遊技状態)であるか否かを判定し、普通遊技状態でなければステップS915に進む。したがって、この第5変形例では、当たり遊技状態では下皿満タン報知を一切行わない。反対に、普通遊技状態であれば、保留に当たり(ここでは大当たり)となる乱数があるか否かを判定し(ステップS909)、その乱数があればステップS911に進み、下皿満タン報知が行われる。一方、その乱数がなければ、今度は、変動中の図柄は当たり(ここでは大当たり)の抽選結果を表す停止図柄になるか否かを判定し(ステップS910)、大当たりの停止図柄でなければ、ステップS915に進み、下皿満タン報知を行わない。反対に、大当たりの停止図柄であれば、ステップS911に進み、下皿満タン報知が行われる。
【0236】
なお、保留内に当たりがある場合、あるいは、変動中の図柄が当たりの抽選結果を表示する場合であっても、実際に抽選に当選した場合でなければ、異常状態報知を報知しないようにしてもよい。下皿満タン報知で大当たりか否かが遊技者に判別されてしまうと、大当たりに対する期待感が減少し、遊技の興趣が低下するからである。また、上記抽選は、未払出数が第1の数(例えば、相対的に多い数)である場合は、第2の数(例えば、相対的に少ない数)である場合よりも報知する抽選結果を得られやすくしてもよい。
【0237】
以上、いくつかの変形例を説明したが、異常状態報知は、下皿満タン報知に限らず、さらに、報知手段は、装飾図柄表示装置208といった液晶表示だけでなく、音、ランプ、可動物(例えば下皿が振動する)であってもよい。
【0238】
また、異常状態報知を開始するラウンドを店員の操作で設定可能にしてもよい。さらに、所定のラウンド以降は、異常状態検知(例えば下皿満タン検知)が非検知となった後も、未払出数が0になるまで異常状態報知をし続けるようにしてもよい。
【0239】
また、2R大当たりの場合は本発明を適用してもよいし、適用しなくてもよい。
【0240】
また、過去の大当たりのときに異常状態報知(下皿満タン報知)を行ったことに対してその異常の解消(球抜き)が行われていなかった場合は、異常状態検知手段(下皿満タン検知センサ)が検知したら1R目からでも異常状態報知(下皿満タン報知)を行うようにしてもよい。
【0241】
さらに、遊技状態の変更時に異常を解消(球抜き)してくれなかった場合は、次回の大当たりからは最初から異常状態報知(下皿満タン報知)を行うようにしてもよい。
【0242】
また、大当たりの種類で異常状態報知の報知態様を変えてもよい。例えば、2R確変はそもそも報知せず、ランクアップボーナスでは継続に応じて報知態様を変えてもよい。
【0243】
さらに、当たり演出が所定長よりも長い場合(例えば、所定のラウンド数以上の場合や演出を開始してから終了するまでの時間が所定時間よりも長い場合)には、異常状態報知を即行うようにしてもよい。
【0244】
また、1〜13Rは確変昇格演出やチャンスボタンを使用する演出などを盛り込んでもよい。
【0245】
また、大当り終了を条件に電サポを開始することを条件に、その大当り中は球受け皿が満タンであることや、球受け皿(下皿)から球を抜くことを促す報知を示す特定の球受け皿満タン報知しないように構成してもよい。
【0246】
また、大当りと該大当りの終了を条件に開始される電サポによって遊技者に有利な遊技状態(連荘中)を構成する場合には、大当り中の払出球数や電サポ中の払出球数のそれぞれを集計するのではなく、遊技者に有利な遊技状態(連荘中)の払出球数を集計することを前提とすれば、引き続き大当り状態があることが分かっている場合には、遊技者に有利な状態(連荘中)の途中である電サポ前の大当りでは特定の球受け皿満タン報知を行なわないようにしてもよい。
【0247】
また、大当り終了を条件に、特図変動表示の開始と停止を所定の回数行なうまで継続する電サポを開始する場合には、その電サポの開始前に行なわれる大当り中は特定の球受け皿満タン報知をしないようにしてもよい。
【0248】
また、その大当り終了を条件に開始した電サポ中の終了までの残りの期間の長さが所定の長さとなったことに基づいて特定の球受け皿満タン報知を実行するようにしてもよい。
【0249】
ここで残りの期間の長さが所定の長さとなったこととは、大当り終了してからの特図変動表示の開始と停止を行なった回数が特定の回数になったことを適用してもよい。ここで特定の回数は電サポを終了する条件である。さらに、所定の回数から特定回数を引いた値としてもよい。
【0250】
また、大当り終了を条件に次回の大当りまで電サポを継続する場合には、その電サポの開始前に行なわれる大当り中と電サポ中は特定の球受け皿満タン報知をしないようにしてもよい。
【0251】
大当りと該大当りの終了を条件に開始される電サポによって遊技者に有利な遊技状態(連荘中)を構成し、大当り中の払出球数や電サポ中の払出球数のそれぞれを集計するのではなく、遊技者に有利な遊技状態(連荘中)の払出球数を集計することを前提とすれば、引き続き大当り状態があることが分かっている場合には、遊技者に有利な状態(連荘中)の途中である電サポ前の大当りや電サポ中では特定の球受け皿満タン報知を行なわないようにしてもよい。
【0252】
球受け皿満タン報知を画像表示装置による画像報知、スピーカによる音報知、LEDによる発光報知など複数の装置による報知から構成し、このうちの一部の装置(例えば画像表示装置、スピーカ)を除く報知を特定の球受け皿としてもよい。ここで一部の装置は、画像表示装置、スピーカを例示したが、これに限定されず、他の装置や複数の装置の組合せとしてもよい。また特定の球受け皿満タン報知をドットマトリックス表示装置に行わせ、特定以外の球受け皿満タン報知をLEDによる発光報知およびスピーカによる音報知とするなど、特定の球受け皿満タン報知と特定以外の球受け皿満タン報知とで報知装置を異ならせても良い。
【0253】
また特定の球受け皿満タン報知を画像表示装置による人物キャラクタがぱちんこ機の受け皿から球を取り出して、球受け皿満タン異常を解消するアニメーション表示とし、特定の球受け皿満タン報知を該画像表示装置による受け皿から球を抜くことを促すメッセージ表示とするなど、特定の球受け皿満タン報知と特定以外の球受け皿満タン報知とで同一の報知装置または同一の複数の報知装置による報知ではあるが態様を異ならせるようにしても良い。
【0254】
以上、本発明をパチンコ機(弾球遊技機)に適用させた例について詳細に説明したが、本発明の遊技台は、これに限るものではなく、例えば、メダルや遊技球(パチンコ球)を使用する回胴遊技機(スロットマシン)にも適用可能である。
【0255】
図23は、本発明を適用可能なスロットマシンの一例を示す図である。
【0256】
本発明に係る遊技台は、図23に示す「複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール1002と、リールの回転を指示するためのスタートレバー1004と、各々のリールに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるための停止ボタン1006と、複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(入賞役内部抽選)と、抽選手段の抽選結果に基づいてリールの回転の停止に関する停止制御を行うリール停止制御手段(リール停止制御処理)と、抽選手段の抽選結果に基づいて停止されたリールによって表示される図柄組合せが、内部当選した役に対応して予め定めた図柄組合せであるか否かの判定をする判定手段(入賞判定処理)と、図柄の停止態様が所定の入賞態様である場合、所定の入賞態様に対応する遊技媒体を払出す遊技媒体払出処理を行う払出制御手段(メダル払出処理1008)と、に加え、抽選手段の抽選結果に基づいて演出を実行する演出手段1010を備え、この演出手段1010が、所定の遊技領域1012に球を発射する発射装置1014と、発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口1016と、入賞口1016に入球した球を検知する検知手段1018と、検知手段1018が球を検知した場合に球を払出す払出手段1020と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置1022と、可変表示装置1022を遮蔽する位置に移動可能なシャッタ1024と、所定動作態様で動作する可動体1026と、を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置1022が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技を演出するような演出装置1010、であるスロットマシン1000」にも好適である。図23に示すスロットマシン1000では、演出手段1010で用いられる遊技球がその演出手段1010に封入されているが、演出手段1010で用いられる遊技球は、その演出手段1010に必ずしも封入されていなければならないわけではない。
【0257】
最後に、本発明に関係することについて付記する。
【0258】
(付記1)
所定の付与条件が成立した場合に遊技者に所定の利益を付与する利益付与部と、
上記利益付与部が付与した利益に関する情報を所定の外部装置に出力する払出数外部出力制御部と、
上記利益付与部が行う上記所定の利益の付与が規制された利益付与規制状態であることを判定する利益付与規制状態判定部と、
上記利益付与規制状態判定部の判定結果に基づいて、上記利益付与規制状態に関する情報の報知である利益付与規制状態報知を制御する利益付与規制状態報知制御部と、
複数の遊技状態のうちいずれかの遊技状態を現在の遊技状態情報として記憶する遊技状態記憶部と、
遊技の進行に応じて上記遊技状態記憶部が記憶する現在の遊技状態を別の遊技状態に変更する遊技状態変更部と、
上記遊技状態記憶部が記憶する上記現在の遊技状態情報を上記外部装置に出力する遊技状態情報外部出力制御部と、
を備えた遊技台において、
上記遊技状態変更部が遊技状態を別の遊技状態に変更するまでの残り期間に関する残期間情報を取得する残期間情報取得部と、
を備え、
上記利益付与規制状態報知制御部は、上記残期間情報に基づいて、上記利益付与規制状態報知を実行する
ことを特徴とする遊技台。
【0259】
例えば、遊技の進行に応じて遊技状態が切り替わる遊技台において、
所定の付与条件が成立した場合に遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
現在の遊技状態を表す情報および前記遊技価値付与部が付与した遊技価値の量を表す情報を所定の外部装置に出力する外部出力手段と、
上記報知手段に、上記遊技価値付与手段が付与する遊技価値の量が上記付与条件に応じた量とは異なっている異常状態であることを表す異常状態報知を行わせる報知制御を実行する報知制御手段とを備え、
上記報知制御手段が、遊技状態が切り替わるまでの残期間の長さを表す残期間情報を取得し、取得したその残期間情報に基づいて上記報知制御を実行するものであることを特徴とする遊技台。
【0260】
ここにいう付与条件とは、例えば、球を所定球払い出すといった払出条件のことを意味し、付与条件が成立した場合には、例えば、入賞した場合や、貸球操作が行われた場合等が含まれる。また、ここにいう遊技状態には、例えば、保留数がどれだけであるかという状態や、普図高確率状態、普図低確率状態、特図高確率状態、特図低確率状態、大当り遊技状態(ラウンド数によっても分けることができる)、小当り遊技状態(ラウンド数によっても分けることができる)、はずれ遊技状態、基準となる普通遊技状態等が含まれる。
【0261】
また、利益付与規制状態(異常状態)とは、例えば、皿満タン、払出装置に遊技球が供給されない、払出超過エラー、主制御未接続、CRユニット未接続、CRユニットエラー状態など、所定の付与条件が成立した場合であっても払出を実行しない状態が含まれる。なお、払出装置への遊技球の供給がチョロチョロとしか供給されない場合など、払出の速度が遅くなっている場合も利益付与規制状態(異常状態)にその当する。
【0262】
また、残期間情報は、残りラウンド数、ラウンド数に基づいた残り大当たり時間判定用データなど遊技状態の変化までの期間に関する情報を含む。また、大当たり開始から現在までの経過期間(たとえば、15Rの大当たりで13Rであるという情報)も含む。これは、大当たりのおおよその期間が予め定められている場合は、15Rの大当たりで13Rであるという状態は残り2Rであるという情報と対応しているからである。
【0263】
さらに、利益付与規制状態報知(異常状態報知)には、利益付与規制状態(異常状態)の発生を報知するもののほか、状態の解消方法を伝える報知や、状態を解消させることを指示する報知や単なるアラーム等、広く含まれる。
【0264】
また、報知手段には、画像表示装置、スピーカ(発音装置)、ランプ(発光手段)、可動物(例えば、下皿であれば下皿が振動て報知するものや演出用の可動物であれば可動して報知するもの等)等が含まれる。
【0265】
付記1記載の遊技台によれば、遊技状態変更までの時間に基づいて、利益付与規制状態報知(異常状態報知)を実行することができる。ホールコンピュータ等の外部装置における集計の正確性を担保しつつ、利益付与規制状態の報知(異常状態報知)を遊技者や店員に対して効果的に行う遊技台を提供することができる場合がある。
【0266】
背景技術で紹介した特許文献1に記載の遊技台にあっては、その特許文献1の公開公報段落0254に『・・・払出センサ信号を入力するたびに出力する賞球信号を・・・情報入力回路550に出力する』という記載があるように、遊技媒体の払出を検出したことに基づいて遊技媒体の払出数を出力するようにしているが、たとえばホールコンピュータが遊技台から入力した遊技状態に関する情報と払出数に関する情報に基づいて遊技状態毎の払出数を集計しているとすると、利益付与規制状態(皿満タン状態、払出装置の不良状態、払出装置に遊技球が供給されない状態など)であることにより遊技媒体の払出条件の成立から遊技媒体の払出が実際に行われるまでの時間が開き、その間に遊技状態が変化することで、遊技状態毎の払出数の集計が正確に行われない虞があった。これに対して、利益付与規制状態(異常状態)であることを遊技者や店員に報知し、利益付与規制状態になった場合に遊技者または店員の行動で利益付与規制状態が解消可能に設けられた公知の遊技台がある。たとえば、皿満タン状態であることを皿満タンセンサにより検知し、皿満タン状態であることを報知する遊技台などである。しかし、公知の遊技台にあっては、利益付与規制状態であることを検出した場合は、遊技状態が変化するまでの残り期間に基づいた報知を行っていなかったため、遊技状態の変化までの期間が長い場合も短い場合も同様の報知を行っていて差別化を図ることができていなかったが、付記1記載の遊技台では残り期間に応じた好適な報知を行うことができる場合がある。
【0267】
なお、遊技の進行に応じて遊技状態が切り替わる遊技台において、
所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
現在の遊技状態を表す情報および上記遊技価値付与部による遊技価値の付与量を表す情報を所定の外部装置に出力する外部出力手段と、
所定の報知手段と、
上記報知手段に、上記遊技価値付与手段が付与する遊技価値の量が上記付与条件に応じた量とは異なっている異常状態であることを表す異常状態報知を行わせる報知制御を実行する報知制御手段とを備え、
上記報知制御手段が、遊技状態が切り替わるまでの残期間の長さを表す残期間情報を取得し、取得したその残期間情報に基づいて上記報知制御を実行するものであることを特徴とする遊技台。
であってもよい。
【0268】
上記遊技価値付与部による遊技価値の付与量には、上記遊技価値付与部が遊技価値を実際に付与した量の他、付与する予定の量も含まれる。
【0269】
(付記2)
付記1に記載の遊技台において、
上記利益付与規制状態報知制御部は、
上記残期間情報が第1の残期間情報である場合は、上記残期間情報が上記第1の残期間情報よりも長い第2の残期間情報である場合よりも、報知度合いの大きい報知態様で上記利益付与規制状態報知を実行する
ことを特徴とする遊技台。
【0270】
例えば、上記報知制御手段は、取得した上記残期間情報が、上記残期間の長さが相対的に短い残期間短情報である場合には、上記報知制御として、その残期間の長さが相対的に長い残期間長情報である場合に比べて報知効果が大きな報知態様で上記報知手段に上記異常状態報知を行わせる制御を実行するものである。
【0271】
ここにいう上記残期間の長さが相対的に短いとか長いということは、所定時間を基準にその所定時間よりも短いとか長いということを含む。
【0272】
また、大きい報知態様や報知効果が大きな報知態様には、第2の期間(相対的に長い残期間)は報知を行わず、第1の期間(相対的に短い残期間)は報知を行う態様も含む。
【0273】
付記2記載の遊技台では、残期間情報取得部の取得結果に応じて報知態様が異なる。従来の遊技台では、上記第1の期間(短い残期間)の報知と第2の期間(長い残期間)の報知とで同じ内容の報知をしていたため、遊技台の集計に影響がでやすい第1の期間(短い残期間)の報知と、遊技台の集計に影響がでにくい第2の期間(長い残期間)の報知とを同じ重要性の報知であると遊技者または店員が認識してしまい、特に第1の期間(短い残期間)の報知の重要性の認識度が低減し、第2の期間(長い残期間)の報知に対する規制状態(異常状態)の解消が行われない場合が多くなり、正確な集計が行われにくくなっていた。付記2記載の遊技台によれば、第1の期間(短い残期間)の報知の報知度合いを大きくすることで、第1の期間(短い残期間)の報知は、第2の期間(長い残期間)の報知よりも重要性が高いことを遊技者または店員に認識可能となり、ホールコンピュータ等の外部装置の集計の正確性を担保しつつ、利益付与規制状態の報知(異常状態報知)を遊技者や店員に対して効果的に行うことを可能にした。
【0274】
また、利益付与規制状態(異常状態)は遊技者が自発的に解消したり、自然に解消したりするなど、報知を行わなくても解消する場合があり、利益付与規制状態であっても、遊技状態の変化が間近に迫るまでは解消する必要がないこともある。このため、第2の期間(長い残期間)にあっては自然解消を待つことで、何回も利益付与規制状態の報知を行うことにより遊技者のイラつきを解消することができる場合がある。
【0275】
(付記3)
付記1乃至2のいずれかに記載の遊技台において、
上記利益付与規制状態判定部は、
上記利益付与規制状態として遊技球貯留部(皿)が満タン状態である遊技球貯留部満タン状態であることを判定する遊技球貯留部満タン判定部(満タンセンサ、満タンセンサの入力に基づく判定処理)と、
を備え、
上記利益付与規制状態報知制御部は、
上記遊技球貯留部満タン検出部の判定結果に基づいて、上記遊技球貯留部満タン状態に関する情報の報知を実行することを特徴とする遊技台。
【0276】
例えば、上記遊技価値付与手段によって上記遊技価値として付与された遊技球を収容する収容部と、
上記収容部に収容しきれなくなった遊技球を貯留する貯留部と、
上記貯留部が満タンになったか否かを判定する貯留部満タン判定手段とを備え、
上記遊技価値付与手段は、上記貯留部が満タンになると、上記付与条件に応じた量の遊技球を付与することができなくなるものであり、
上記報知制御手段が、上記貯留部満タン判定手段による判定結果を受けて上記報知制御を実行するものであることを特徴とする。
【0277】
ここにいう遊技球貯留部満タン状態に関する情報の報知や、異常状態報知には、下皿満タン(貯留部満タン)であることの報知の他、遊技球(遊技媒体)を下皿(貯留部)から抜くことを促したり示唆する報知も含まれる。
【0278】
ここで、上記報知制御手段は、上記貯留部満タン判定手段による判定結果が貯留部が満タンであるという判定結果である場合には上記報知手段に上記異常状態報知を行わせるものであることを特徴とする。
【0279】
付記3記載の遊技台では、利益付与規制状態は、例えば、下皿満タン状態である。下皿満タン状態に関しては、払出禁止状態(異常状態)の中でも不正や故障といった原因で発生するものでないため、残り期間に応じた報知を行うことで、たとえば残り期間がまだある場合は報知度合いの低い報知を、残り期間がほぼない場合は報知度合いの高い報知を行うなどしても不正防止や故障防止の観点から影響がない場合がある。
【0280】
(付記4)
付記1乃至3のいずれかに記載の遊技台において、
遊技者の遊技の興趣を向上させる演出の報知を実行する演出報知部と、
をさらに備え、
上記利益付与規制状態報知制御部は、
上記利益付与規制状態報知を、前上記演出報知部が実行する報知に同時に、または、優先して報知するように制御することを特徴とする遊技台。
【0281】
ここにう同時に、または、優先して報知するとは、実行中の演出の音量を低下させたり消音させるなど、実行中の演出を異なる演出に変更したり、報知量を異ならせたりすることも含む。
【0282】
例えば、遊技者の遊技の興趣を向上させる演出を上記報知手段に行わせる演出制御部を備え、
上記報知制御手段は、上記演出制御部によって演出が行われている状態の上記報知手段に上記異常状態報知を行わせるものであることを特徴とする。
【0283】

ここにいう遊技の興趣を向上させる演出とは、例えば、大当たり時の演出などがあげられる。
【0284】
ここで、上記報知制御手段は、上記演出制御部によって演出が行われている状態の上記報知手段に上記異常状態報知をその演出と同時に行わせるものであってもよい。
【0285】
また、上記報知制御手段は、上記演出制御部によって演出が行われている状態の上記報知手段に上記異常状態報知をその演出よりも優先して行わせるものであってもよい。ここにいう優先して行わせるとは、上記異常状態報知をその演出よりも時間的に優先して行わせること(例えば、上記演出を一旦中断させて上記異常状態報知を行わせること)や、あるいは上記異常状態報知をその演出よりも報知効果が大きな報知態様で行わせること(例えば、上記演出に重ねて上記異常状態報知を行わせることや上記演出よりも目立つように上記異常状態報知を行わせること)が含まれる。
【0286】
付記4記載の遊技台では、利益付与規制状態報知(異常状態報知)は、遊技中の演出報知に並列的に行われるか上書きして行われる場合がある。利益付与規制状態の報知(異常状態報知)は、現在実行中の演出と同時にまたは優先して行われる場合は、現在実行中の演出を邪魔してしまうため、最小限に行うことが望ましい。付記4記載の遊技台によれば、残り期間に応じた好適な報知を行うことで、実行中の演出の阻害性を可能な限り抑えることも可能となり、ホールコンピュータの集計の正確性を担保しつつ、利益付与規制状態の報知を遊技者や遊技店員に対して効果的に行うことが可能となる場合がある。
【0287】
(付記5)
付記1乃至4のいずれかに記載の遊技台において、
上記遊技状態記憶部は、
複数の遊技状態として、当たり遊技状態およびその当たり遊技状態よりも遊技者に付与する利益量が少ない通常遊技状態のいずれかの遊技状態を現在の遊技状態として記憶し、
上記残期間情報取得部は、
上記遊技状態変更部が上記当たり遊技状態を、上記通常遊技状態に変更するまでの残り期間に関する当たり残期間情報を取得し、
上記利益付与規制状態報知制御部は、
上記当たり残期間情報に基づいて、上記利益付与規制状態報知を実行することを特徴とする遊技台。
【0288】
例えば、上記報知制御手段は、上記残期間情報として、遊技状態が、所定の当り遊技状態からその当り遊技状態よりも遊技者に付与する利益量が少ない普通遊技状態へ切り替わるまでの残期間の長さを表す当り残期間情報を取得し、取得したその当り残期間情報に基づいて上記報知制御を実行するものであることを特徴とする。
【0289】
ここにいう当たり遊技状態には、大当たり遊技状態や小当たり遊技状態などが含まれる。
【0290】
付記5記載の遊技台では、残期間情報取得部は、当たり遊技状態が終了するまでの残り期間に関する情報を取得する。特に、当り遊技状態にあっては、払出数が多くなるために払出規制状態(異常状態)となる場合が多い。このため、当り遊技状態の残り期間に関する情報に基づくことにより、当たり遊技状態または当たり終了後の遊技状態のベース集計をより正確に行うことができる場合がある。
【0291】
(付記6)
上記遊技状態記憶部は、
複数の遊技状態として、第1の当たり遊技状態および第1の当たり遊技状態とは利益量が異なる第2の当たり遊技状態のいずれかの遊技状態を現在の遊技状態情報として記憶し、
上記利益付与規制状態報知制御部は、
上記大当たり残期間情報と上記遊技状態情報に基づいて、上記利益付与規制状態報知を実行することを特徴とする遊技台。
【0292】
例えば、上記報知制御手段は、上記残期間情報として、遊技状態が、所定の第1の当たり遊技状態またはその第1の当たり遊技状態とは利益量が異なる第2の当たり遊技状態から、その第1の当り遊技状態およびその第2の当り遊技状態双方の遊技状態よりも遊技者に付与する利益量が少ない普通遊技状態へ切り替わるまでの残期間の長さを表す当り残期間情報を取得するとともに、現在の遊技状態がその第1の当たり遊技状態かその第2の当たり遊技状態かを認識し、取得したその当り残期間情報と認識した現在の遊技状態との両方に基づいて上記報知制御を実行するものである。
【0293】
付記6記載の遊技台によれば、たとえば、変動時間の少ない大当たりや利益度の低い大当たりに関しては利益付与規制状態報知(異常状態報知)を行わないことで、大当たりの種別に応じた適切かつ効果的な報知を行うことができる。
【0294】
(付記7)
上記利益付与規制状態における上記利益付与部が利益を付与していない未付与利益数情報を記憶する未付与利益数記憶部を備え、
上記利益付与規制状態報知制御部は、
上記残期間情報と上記未付与利益数記憶情報に基づいて、上記利益付与規制状態報知を実行することを特徴とする遊技台。
【0295】
ここにいう未付与利益数情報には、例えば、払出制御部600が記憶する未払出数の記憶のほか、主制御部300が下皿満タンを検知してから出球のある入賞口への入賞に対応する出球を記憶した情報も含まれる。
【0296】
例えば、上記報知制御手段は、上記遊技価値付与手段が付与する遊技価値の量が上記付与条件に応じた量とどれだけ異なっているかに関する異常状態情報も取得し、上記残期間情報とともにその異常状態情報にも基づいて上記報知制御を実行するものである。
【0297】
付記7記載の遊技台によれば、同じ残期間情報を取得した場合であっても、未払出数が多ければ(上記遊技価値付与手段が付与する遊技価値の量が上記付与条件に応じた量と所定量以上異なっていた場合には)未払出数が少ない場合(上記所定量未満しか異なっていない場合)よりも早く報知(異常状態報知)を開始したり、報知効果が大きな報知態様(例えば強調した報知態様)で報知を行うようにすることで、ホールコン集計の正確性を担保しつつ、利益付与規制状態の報知を遊技者や店員に対して効果的に行うことが可能となる。
【0298】
(付記8)
未払出球数が所定の数以上である場合は、残りラウンド数に関係なく上記利益付与規制状態報知を行う。なお、上記当り遊技状態は、1又は複数のラウンドが連続する遊技状態である。
【0299】
すなわち、上記報知制御手段は、取得した上記異常状態情報が、上記遊技価値付与手段が付与する遊技価値の量が上記付与条件に応じた量と所定量以上異なっている情報であった場合には、取得した残期間情報が表す残期間の長さに関係なく上記異常状態報知を行う(例えば開始する)ものであってもよい。
【0300】
また、未払出球数の数に応じて、報知を開始するラウンドを異ならせてもよい。例えば、未払出球数が100発ある場合は13Rから、未払出球数が50発である場合は14Rからといったようにである。
【0301】
すなわち、上記報知制御手段は、取得した上記異常状態情報に応じて、上記異常状態報知を開始するタイミングを異ならせるものであってもよい。
【0302】
さらに、第1の利益付与規制状態である場合と、第2の利益付与規制状態である場合とで、報知を開始するラウンドを異ならせてもよい。ここにいう第1の利益付与規制状態は、第2の利益付与規制状態よりも解消しやすい。第1の利益付与規制状態は、本体104や前面枠扉106や球貯留皿付扉108といった所定の扉部材を開放しなくても解消可能な状態であり、第2の利益付与規制状態は上記扉部材を開放しないと解消不可能な状態である。例えば、第1の利益付与規制状態は下皿満タン状態とし、第2の利益付与規制状態は下皿満タン状態以外(特に、払出装置へ遊技球を供給する通路の球詰まり、払出超過エラーなど。払い出し超過エラーの場合は残期間に関係なく報知するようにしてもよい)としてもよい。
【0303】
すなわち、上記報知制御手段は、上記異常状態を引き起こした要因を取得し、その要因の種類に応じて、上記報知制御を実行するものであってもよい。
【0304】
また、上記報知制御手段は、現在の遊技状態が時短ありの遊技状態か時短なしの遊技状態かを認識し、認識した遊技状態に応じて、上記報知制御を実行するものであってもよい。例えば、所定の図柄表示装置に時短ありの遊技状態であることが演出を加えて表示される場合等には、その演出の効果を低下させないために、時短ありの遊技状態であれば異常状態報知を行わず、時短なしの遊技状態であれば異常状態報知を行っても、行わなくてもよい。なお、時短ありの遊技状態であっても、報知態様を工夫するなどして異常状態報知を行っても良い。
【符号の説明】
【0305】
100 パチンコ機
120 スピーカ
208 装飾図柄表示装置
300 主制御部
336 情報出力回路
400 第1副制御部
500 第2副制御部
600 払出制御部
602 払出モータ
604 払出センサ
130 球抜ボタン
126 上皿
128 下皿
152 払出装置
350 情報入力回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の進行に応じて遊技状態が切り替わる遊技台において、
所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者に該付与条件に応じた量の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
現在の遊技状態を表す情報および前記遊技価値付与部が付与した遊技価値の量を表す情報を所定の外部装置に出力する外部出力手段と、
所定の報知手段と、
前記報知手段に、前記遊技価値付与手段が付与する遊技価値の量が前記付与条件に応じた量とは異なっている異常状態であることを表す異常状態報知を行わせる報知制御を実行する報知制御手段とを備え、
前記報知制御手段が、遊技状態が切り替わるまでの残期間の長さを表す残期間情報を取得し、取得した該残期間情報に基づいて前記報知制御を実行するものであることを特徴とする遊技台。
【請求項2】
前記報知制御手段は、取得した前記残期間情報が、前記残期間の長さが相対的に短い残期間短情報である場合には、前記報知制御として、該残期間の長さが相対的に長い残期間長情報である場合に比べて報知効果が大きな報知態様で前記報知手段に前記異常状態報知を行わせる制御を実行するものであることを特徴とする請求項1記載の遊技台。
【請求項3】
前記遊技価値付与手段によって前記遊技価値として付与された遊技球を収容する収容部と、
前記収容部に収容しきれなくなった遊技球を貯留する貯留部と、
前記貯留部が満タンになったか否かを判定する貯留部満タン判定手段とを備え、
前記遊技価値付与手段は、前記貯留部が満タンになると、前記付与条件に応じた量の遊技球を付与することができなくなるものであり、
前記報知制御手段が、前記貯留部満タン判定手段による判定結果を受けて前記報知制御を実行するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技台。
【請求項4】
遊技者の遊技の興趣を向上させる演出を前記報知手段に行わせる演出制御部を備え、
前記報知制御手段は、前記演出制御部によって演出が行われている状態の前記報知手段に前記異常状態報知を行わせるものであることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の遊技台。
【請求項5】
前記報知制御手段は、前記残期間情報として、遊技状態が、所定の当り遊技状態から該当り遊技状態よりも遊技者に付与する利益量が少ない普通遊技状態へ切り替わるまでの残期間の長さを表す当り残期間情報を取得し、取得した該当り残期間情報に基づいて前記報知制御を実行するものであることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項記載の遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−10905(P2011−10905A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−158287(P2009−158287)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】