説明

遊技場用表示システム

【課題】動作状態を告知する告知ランプを備えた遊技機に対応可能な遊技場用表示システムであって、告知ランプの検知不良に対処するために必要な情報を提示可能な遊技場用表示システムを提供すること。
【解決手段】発光に応じてボーナス役が内部当選している旨を遊技者に告知する告知ランプ637を備えたスロットマシン5の遊技情報を表示する遊技場用表示システム1は、告知ランプ637の発光検知に応じて検知信号を出力する光センサ18と、検知信号に応じてボーナス役当選を検知するボーナス当選検知手段104と、ボーナス役当選が検知されていない状態でボーナス状態が判定されたときに非検知判定を行う非検知判定手段106と、非検知判定に応じて、その旨を報知する報知手段301と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作状態を告知する告知ランプを備えた遊技機が設置された遊技場向けの遊技場用表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、多くの遊技場では、大当たりの発生回数や役物の作動回数などの各種の遊技情報を表示する遊技場用表示システムが利用されている。このような遊技場用表示システムの多くは、パチンコ遊技機やスロットマシンなどの遊技機が外部出力する各種の信号に基づいて遊技機の動作状態等を判定している。さらに、近年では、動作状態の判定に必要な信号を外部出力しない遊技機に対応可能な遊技場用表示システムも提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この遊技場用表示システムでは、遊技機の状態変化に応じて作動する発光部の近傍に光センサが配置され、発光部の発光を検知することで遊技機が所定の遊技状態へ移行したことが検知される。このような光センサを採用した遊技場用表示システムであれば、状態移行を表す信号を外部出力しない遊技機にも対応でき、外部出力される信号に拠らずに状態移行を検知できるようになる。
【0004】
しかしながら、上記従来の遊技場用表示システムでは、次のような問題がある。遊技機の種類によっては発光部の周囲に光センサを上手く配置することが難しい筐体構造を採用する機種があり、そのような機種の遊技機では、光センサの取付精度等に応じて発光の検知精度が不足するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−49332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、動作状態を告知する告知ランプを備えた遊技機に対応可能な遊技場用表示システムであって、告知ランプの検知不良に対処するために必要な情報を提示可能な遊技場用表示システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数の図柄表示領域において複数種類の図柄を所定の配列に従って変動表示する図柄変動表示手段と、
遊技価値が賭けられた状態でゲームを開始するために遊技者が操作するゲーム開始操作手段と、
前記ゲーム開始操作手段が操作されたときに、小役及びボーナス役を含む複数種類の役の中から内部当選役を決定するための内部抽選を実行する内部抽選手段と、
前記図柄変動表示手段による図柄の変動表示を停止させるために遊技者が操作する停止操作手段と、
前記停止操作手段が操作されたときに、内部当選役に対応する図柄を予め規定された引込範囲内で引き込んで図柄表示領域に停止表示させる表示制御手段と、
前記図柄変動表示手段の各図柄表示領域に停止表示された図柄の組合せに基づいて入賞が発生したか否かを判定する入賞判定手段と、
前記入賞判定手段により小役が入賞したと判定されたときに、当該小役に対応する遊技価値を遊技者に付与する利益付与手段と、
前記入賞判定手段によりボーナス役が入賞したと判定されたときに、予め定められた終了条件が成立するまで少なくとも何れかの小役の内部当選確率を高めたボーナス状態を発生するボーナス状態発生手段と、
ボーナス状態が発生しているときに、その旨を示すボーナス状態信号を外部出力する信号出力手段と、
ボーナス役が内部当選役として決定されたゲームで当該ボーナス役が入賞しなかったときに、発光することによってボーナス役が内部当選している旨を遊技者に告知する発光手段と、を備えたスロットマシンの遊技情報を表示可能な遊技場用表示システムにおいて、
前記発光手段の発光を検知可能なように配設されると共に、当該発光を検知したときに検知信号を出力する発光検知手段と、
該発光検知手段から出力される検知信号に基づいてボーナス役が内部当選したことを検知するボーナス当選検知手段と、
該ボーナス当選検知手段がボーナス役の内部当選を検知したときにボーナス役が内部当選したと判定し、所定の演出を実行する演出実行手段と、
前記信号出力手段から出力されるボーナス状態信号に基づいてボーナス状態であるか否かを判定するボーナス状態判定手段と、
前記ボーナス当選検知手段がボーナス役の内部当選を検知していない状態において、前記ボーナス状態判定手段がボーナス状態である旨を判定したときに、非検知判定を行う非検知判定手段と、
該非検知判定手段による非検知判定に応じて、その旨を報知する報知手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用表示システムにある。
【0008】
本発明の遊技場用表示システムは、ボーナス役の内部当選が検知されていない状態でボーナス状態である旨が判定されたときに非検知判定を行う前記非検知判定手段と、この非検知判定に応じて、その旨を報知する報知手段と、を備えている。前記非検知判定が発生した旨の報知によれば、前記発光検知手段の検知不良の可能性を遊技場の従業員等に知らしめることができる。
【0009】
一方、前記スロットマシンでは、ボーナス役が内部当選したゲームで直ちにボーナス役が入賞した場合、前記発光手段が作動することなくボーナス状態が発生する。それ故、前記遊技場用表示システムでは、検知不良が生じていないにも関わらず前記非検知判定が行われる可能性もある。遊技場側では、前記非検知判定が発生した旨の報知が行われた際、前記発光検知手段の検知不良を疑って注意し、その後も繰り返し非検知判定が発生したときに検知不良と判断できる。検知不良と判断できた場合には、前記発光検知手段の取付調整等の対処を適切に行うことが可能になる。
【0010】
以上の通り、本発明の遊技場用表示システムは、前記発光検知手段による検知不良に適切に対処するために必要な情報を提示可能な表示システムである。
【0011】
本発明のスロットマシンとしては、前記遊技価値としてメダルやコイン等の遊技媒体を使用するスロットマシンだけでなく、パチンコ玉を遊技媒体としたパロット(R)などであっても良い。さらに、遊技価値として遊技媒体を使用するスロットマシンのみならず、遊技媒体を使用しない完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。
【0012】
また、前記非検知判定に応じて、その旨を報知することの意味は、前記非検知判定が発生したときに直ちにその旨を報知することや、前記非検知判定が所定回数、発生したときにその旨を報知することや、正常な検知が行われることなく前記非検知判定が所定回数、連続的に発生したときにその旨を報知すること、等にある。
【0013】
また、前記報知手段としては、複数のスロットマシンを管理する管理装置が備える液晶ディスプレイ等の表示手段を利用して構成しても良く、スロットマシンに対応して個別に設けられた表示装置が備える液晶ディスプレイやランプ等の表示手段を利用して構成しても良い。管理装置及び表示装置の両方に前記報知手段を設けても良い。
【0014】
また、前記非検知判定手段による非検知判定の回数である非検知回数を計数して表示する非検知回数表示手段を備えていることが好ましい。
前記非検知回数表示手段としては、前記管理装置に設けられた手段であっても良いし、スロットマシンに対応して個別に設けられた表示装置に設けられた手段であっても良い。特に、前記管理装置により各スロットマシンの前記非検知回数を報知すれば、スロットマシンにおける検知不良の有無や度合いを一括管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例における、遊技場用表示システムの構成を示すブロック図。
【図2】実施例における、スロットマシンの外観を示す正面図。
【図3】実施例における、入賞ラインが設定された図柄表示窓の正面図。
【図4】実施例における、リールの外周に配置された図柄の配列を展開して示す展開図。
【図5】実施例における、スロットマシンの役、入賞図柄、利益を示す説明図。
【図6】実施例における、スロットマシンの電気的な構成を示すブロック図。
【図7】実施例における、遊技情報表示装置を示す正面図。
【図8】実施例における、遊技情報表示装置の電気的な構成を示すブロック図。
【図9】実施例における、通常画面を示す正面図。
【図10】実施例における、ボーナス当選画面を示す正面図。
【図11】実施例における、ボーナス検知処理の流れを示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例)
本例は、ボーナス役の内部当選を告知する告知ランプ(発光手段)637を備えたスロットマシン5に対応する遊技場用表示システム1に関する例である。この内容について、図1〜図11を用いて説明する。
【0017】
本例の遊技場用表示システム1(以下、表示システム1という。)は、表示装置10と管理装置30との組合せにより構成されている。本例の表示システム1は、告知ランプ637の発光を検知したときにボーナス役の内部当選を祝福する演出を実行する一方、告知ランプ637の検知不良を報知できるように構成されたシステムである。
【0018】
管理装置30は、遊技場に設置された各スロットマシン5の遊技データや稼動状況や売上等を管理する装置である。この管理装置30は、液晶ディスプレイ350や図示しないプリンタ等を含む出力部35と、各種の演算処理を実行する装置本体31と、キーボード360及び図示しないマウスを含む入力部36とを備えている。出力部35は、告知ランプ637の検知不良を報知する報知手段301としての機能を備えている。
【0019】
表示装置10は、貸出用のメダル(遊技価値をなす遊技媒体)を払い出す貸出装置38と共に各スロットマシン5に対応して個別に設けられている。遊技場では、表示装置10、貸出装置38、及びスロットマシン5の組合せが、管理装置30により管理され、全体として遊技場管理システム3が形成されている。この遊技場管理システム3では、管理装置30のほか、中継端末としての機能を備えた表示装置10が通信ネットワーク300に接続されている。スロットマシン5及び貸出装置38は、表示装置10を介して通信可能な状態で通信ネットワーク300に接続されている。本例の表示システム1は、この遊技場管理システム3の一部を構成している。
【0020】
まず、本例のスロットマシン5について説明する。スロットマシン5は、図2のごとく外観的な構成を有している。スロットマシン5の前面部分は、略矩形状の図柄表示窓51を略中央に設けた前面枠体50によって形成されている。前面枠体50は、向かって左側に設けられた図示しないヒンジを介して回動可能な状態で台枠に固定されている。
【0021】
前面枠体50では、図柄表示窓51の上側に、液晶表示部638、左右一対のスピーカ59及び装飾ランプ部636が配置されている。図柄表示窓51の下側には、スロットマシン5の基部をなすベース部500が形成されている。図柄表示窓51の右側には、メダルの付与数を表示する付与数表示部551、及びクレジット数を表示するクレジット表示部552が配置され、左側には、ボーナス当選(ボーナス役の内部当選)を告知する告知ランプ637が配置されている。
【0022】
ベース部500は、遊技者から奥まって位置する図柄表示窓51に相対して張り出すように形成されている。ベース部500は、図柄表示窓51に隣り合う上端部に棚面状の操作面54を有し、下端部にメダルの受け皿55を有し、操作面54の下側に隣接して操作パネル53を有している。
【0023】
操作面54には、クレジット機能によりクレジット(貯留)されたメダルを投入するためのベットボタン64と、クレジットされたメダルを払い出させるための精算ボタン65と、メダルを直接投入するためのメダル投入口630と、が配置されている。操作パネル53には、リール52の図柄変動を開始させるためのスタートレバー(ゲーム開始操作手段)62、図柄変動を停止させるためのストップボタン(停止操作手段)61が配置されている。本例のスロットマシン5では、ベットボタン64の操作あるいはメダル投入口630へのメダル投入に応じて規定数のメダルがゲームに賭けられたときにゲームの開始が許可される。
【0024】
図柄表示窓51は、図3のごとく、図柄表示領域510L、C、Rを含む表示窓である。各図柄表示領域510L、C、Rは、いずれも3図柄分の図柄表示領域である。図柄表示窓51全体では、3行3列よりなる2次元マトリクス状に配置された9図柄分の図柄表示領域が形成されている。2次元マトリクス状に9個の図柄525が配置される図柄表示領域においては、入賞の対象となる入賞図柄の並び方向である入賞ライン511〜515が設定されている。
【0025】
各図柄表示領域510L、C、Rの裏側には、図2のごとく、図柄変動表示手段520(図6)を構成するリール52L、C、Rがそれぞれ配置されている。リール52L、C、Rは、図4のごとく、円柱形状の外周面に略一定の間隔を空けて21個の図柄525が配置された回転式のリールである。リール52L、C、Rにそれぞれ個別に対応するストップボタン61として、左ストップボタン61L、中ストップボタン61C、右ストップボタン61Rが設けられている。
液晶表示部638は、液晶ディスプレイよりなる。液晶表示部638は、遊技を演出するための各種の演出画面等を表示可能である。
【0026】
告知ランプ637は、ボーナス役が内部当選したときに成立するボーナス役フラグの持越し状態を告知するランプである。告知ランプ637は、ボーナス役が内部当選役として決定されたゲームでそのボーナス役が入賞せずボーナス役フラグが持ち越されたときに発光する。前面枠体50の回動に応じて開放されるスロットマシン5の内部では、前面枠体50の告知ランプ637に対応する位置に図示しないLED灯が配設されている。本例では、このLED灯の発光を検知可能なように前面枠体50の内側に光センサ18(図7を参照して後述する。)が取り付けられている。
【0027】
本例のスロットマシン5では、図5のごとく、ボーナス役(BB役、RB役)、4種類の小役のほか、リプレイ役が設定されている。同図では、各役の名称を左列に、各役に対応する図柄の組合せである入賞図柄を中列に、入賞に応じて遊技者に付与される利益を右列に、それぞれ示してある。利益としては、同図中「利益」欄の左側に示す通常状態下の利益と、同右側に示すボーナス状態下の利益と、がある。
【0028】
スロットマシン5の電気的な構成は、図6に示す通りである。スロットマシン5の全体動作を制御する制御部58に対しては、既出の構成のほか、メダル投入口630(図2)から投入されたメダルを検知する投入メダル検知部63、リール52と共に図柄変動表示手段520を構成するリール駆動部521、リール52の回転位置を検知する基準位置検知部632、メダルを受け皿55に払い出すメダル払出部633、付与数表示部551やクレジット表示部552を含む各種表示部634、遊技者の有利度合いを表す設定値を設定するための設定値操作部68、スピーカ59を制御する音声出力部639、各種の信号を出力する信号出力部(信号出力手段)635等が電気的に接続されている。
【0029】
リール駆動部521は、ステップ単位で制御可能なステッピングモータ(図示略)を含み、このステッピングモータの回転駆動力によりリール52を回転駆動する手段である。
基準位置検知部632は、各リール52L、C、Rについて基準位置片の通過を検知する毎に検知信号を出力する検知部である。
設定値操作部68は、設定キー680を利用して、ボーナス役及び小役の内部当選確率が異なる6段階の設定値を変更するための操作部である。
【0030】
制御部58は、図6のごとく、CPU581と、メモリ手段であるROM583・RAM584と、入出力インターフェースとしてのI/O部582と、内部当選役抽選用の乱数を抽出する乱数抽出部585と、乱数を発生する乱数発生部586と、を有している。CPU581は、ROM583から読み込みしたソフトウェアプログラムを実行することにより、内部当選役を抽選する内部抽選手段71、内部当選役に対応する内部当選フラグを制御するフラグ制御手段710、リール52を制御する表示制御手段72、入賞図柄を判定する入賞判定手段73、入賞に応じてメダルを付与する利益付与手段74、ボーナス状態発生手段75としての各機能を実現する。
【0031】
ROM583は、内部抽選手段71が内部当選役の抽選に用いる内部当選役抽選テーブル(図示略)、表示制御手段72がリール52の停止制御に用いるリール制御テーブル(図示略)を記憶している。
リール制御テーブルは、入賞ライン上に停止可能な停止位置が規定されたデータテーブルである。
【0032】
内部当選役抽選テーブルは、0〜65535の内部当選役抽選用の乱数のうち、各役の当選乱数の範囲が規定されたデータテーブルである。内部当選役抽選テーブルとしては、通常状態に適用されるテーブル、ボーナス状態に適用されるテーブルがある。通常状態用の内部当選役抽選テーブルは、1〜6の設定値毎に用意されている。また、ボーナス状態用の内部当選役抽選テーブルでは、いずれかの小役が内部当選する確率が100%近くになるように当選乱数が規定されている。一方、ボーナス役、リプレイ役の当選乱数が未設定となっており、これにより、ボーナス状態の発生中では、ボーナス役及びリプレイ役が内部抽選対象から除外されている。
【0033】
図6に示す乱数抽出部585は、乱数発生部586が発生する乱数(0〜65535)の中から内部当選役抽選用の乱数を抽出する。
内部抽選手段71は、内部抽選により内部当選役を決定し、その内部当選役に対応する内部当選フラグを成立させる手段である。内部抽選手段71は、内部当選役抽選テーブルに規定された各役の当選乱数に対して内部当選役抽選用の乱数を照合し、内部当選役を決定する。内部抽選手段71は、前記内部当選役抽選テーブルのうちの何れかを遊技状態及び設定値に応じて選択的に利用する。
【0034】
フラグ制御手段710は、内部抽選手段71が決定した内部当選役に対応する内部当選フラグを制御する手段である。フラグ制御手段710は、ボーナス役以外の他の役の内部当選フラグについては、その内部当選フラグが初めて成立したゲームで入賞したか否かに関わらず次のゲームを開始するまでにオフ状態(ゼロ)にリセットする。したがって、ボーナス役以外の各役が内部当選したゲームで入賞しなかった場合、全て取りこぼしとなる。一方、ボーナス役の内部当選フラグであるボーナス役フラグについては、内部当選フラグの成立状態が入賞するまで順次、次回のゲームに持ち越され、入賞に応じてオフ状態にリセットされる。
【0035】
表示制御手段72は、ゲームの開始が許可された状態でスタートレバー62が操作されたときにリール52の図柄変動を開始し、ストップボタン61の操作に応じてリール52の図柄変動を停止させる手段である。表示制御手段72は、リール駆動部521を構成するステッピングモータに制御パルスを入力し、1パルス毎に1ステップずつステッピングモータを回転させる。表示制御手段72は、リール駆動部521に入力した制御パルス数、すなわちステッピングモータが回転したステップ数をカウントする。特に、本例の表示制御手段72は、各リール52の基準位置片の検知信号を取り込むごとにステップ数をゼロリセットすることで、直近の検知信号の後に生じたステップ数をカウントしている。
【0036】
表示制御手段72は、規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)等が定める所定の引込範囲内の図柄を入賞ライン上に停止させる、いわゆる引込制御を実行する。本例では、引込範囲として4図柄分に相当する範囲が設定されている。表示制御手段72は、入賞ライン上に停止可能な停止位置が規定されたリール制御テーブルに対してストップボタン61が操作された時のステップ数を照合し、停止位置を決定する。表示制御手段72は、内部当選フラグに対応する図柄をその停止位置に引き込んでリール52を停止させる。
【0037】
入賞判定手段73は、3基のリール52L、C、Rが停止表示する図柄の組合せが所定の入賞図柄であるか否かを判定する手段である。入賞判定手段73は、3基のリール52L、C、Rを横断するように設定された入賞ライン511〜515(図3参照。)上に停止した図柄の組合せに応じて入賞役を判定する。入賞判定手段73は、各リール52L、C、Rが停止した後、対応する各ステッピングモータ(リール駆動部521)のステップ数を取り込む。入賞判定手段73は、このステップ数に基づき入賞ライン511〜515上に停止した図柄525の種類を求め、その図柄525の組合せについて入賞役が成立するか否かを判定する。
【0038】
利益付与手段74は、入賞判定手段73により判定された入賞役に対応する数のメダル(遊技価値をなす遊技媒体)を付与する手段である。例えば、15枚役が入賞役である場合には15枚のメダルを付与する(図5参照。)。但し、ボーナス状態では、全ての小役についてメダルの付与枚数が15枚となっている。
【0039】
ボーナス状態発生手段75は、ボーナス役の入賞に応じてボーナス状態を発生させると共に、所定の終了条件の成立に応じてボーナス状態を終了させる手段である。ボーナス状態としては、BB役の入賞に応じたBB状態と、RB役の入賞に応じたRB状態がある。BB状態の終了条件は、付与したメダルが360枚を超過したことであり、RB状態の終了条件は、付与したメダルが120枚を超過したことである。
【0040】
以上のように構成されたスロットマシン5が、信号出力部635(図6)を介して表示装置10に向けて外部出力する信号としては、少なくとも以下の各信号がある。
(1)セーフ信号:入賞に応じてメダルが1枚付与される毎に出力される信号。
(2)アウト信号:ゲームに使用されたメダル数分、ゲームの開始に応じて連続的に出力される信号。
(3)RB信号:RB状態の発生中に出力される信号(ボーナス状態信号)。
(4)BB信号:BB状態の発生中に出力される信号(ボーナス状態信号)。
【0041】
さらに、本例のスロットマシン5は、告知ランプ637(図2)が発光することによりボーナス役の内部当選を告知する。表示システム1では、この告知ランプ637の発光が表示装置10により検知されるようになっている。告知ランプ637の発光が開始されるタイミングは、ボーナス役が内部当選したゲームでそのボーナス役が入賞しなかったときである。つまり、告知ランプ637は、ボーナス役フラグについて、次のゲームへの持ち越しが確定したときに発光する。ボーナス役が内部当選したゲームでボーナス役が直ちに入賞した場合には、告知ランプ637による告知が行われることなくボーナス状態が発生する。
【0042】
次に、表示装置10について説明する。表示装置10は、図1及び図7のごとく、スロットマシン5の上側のスペースに配設される横長の装置である。表示装置10の正面では、液晶ディスプレイよりなる情報表示部15を中心として、左右両側にランプ部165が配置されている。情報表示部15の下側には、向かって左側から順番に、データ切換ボタン161及び呼出ボタン162が配置されている。なお、表示装置10は、スロットマシン5に対応して個別に設置されていれば良く、その設置場所は本例に限定されない。例えば、スロットマシン5の側方や前方であってもよい。
【0043】
ランプ部165は、呼出ボタン162の操作に応じて点灯する呼出ランプ165A、及びボーナス状態の発生中に点灯するボーナスランプ165Bにより構成されている。
データ切換ボタン161は、情報表示部15に表示させる遊技データを切り換えるための操作ボタンである。
情報表示部15は、対応するスロットマシン5の各種の遊技データを表示する表示手段としての機能を備えている。
【0044】
表示装置10の内部には、図8のごとく、各種の演算処理を実行するCPU11、ROM121・RAM122を含む記憶部12、各種信号あるいは情報の入出力を行うI/O部13を含む制御部100が収容されている。
【0045】
表示装置10は、I/O部13の外部端子である信号入力端子130等を介してスロットマシン5に接続されている。なお、信号入力端子130を介してスロットマシン5側から取り込む信号としては、上記のごとく、セーフ信号、アウト信号、BB信号、RB信号等がある。
さらに、本例の表示装置10には、告知ランプ637の発光を検知できるようにスロットマシン5の内部に取り付けられた光センサ(発光検知手段)18が信号線180を介して接続されている。光センサ18は、告知ランプ637の発光を検知したとき、検知信号を出力する。
【0046】
記憶部12は、スロットマシン5の遊技データを記憶する遊技データ記憶手段102としての機能を備えている。遊技データ記憶手段102が記憶する遊技データとしては、下記の(1)〜(8)の各データがある。
【0047】
(1)只今ゲーム数:直近のボーナス状態が終了してからの消化ゲーム数。
(2)累計ゲーム数:通常状態下で実行された累計ゲーム数。
(3)本日BB回数:BB状態の発生回数。
(4)本日RB回数:RB状態の発生回数。
(5)連チャン回数:前回のボーナス状態の終了後、100ゲーム以内で再度ボーナス状態が発生した回数。
(6)連チャン突入回数:100ゲーム以内の通常状態を挟んでボーナス状態が連続的に発生する連チャン状態へ突入した回数。
(7)差枚数:遊技者が獲得したメダル数(付与数−賭け数)の当日の累計。
(8)非検知回数:光センサ18による検知なしにボーナス状態(BB状態、RB状態)が発生した回数。
【0048】
CPU11は、図8のごとく、ソフトウェアの実行により上記(1)〜(8)の各遊技データを生成する遊技データ生成手段101、情報表示部15の表示を制御する表示制御手段103、ボーナス当選検知手段104、ボーナス状態判定手段105、非検知判定手段106、告知ランプ637の検知不良を管理装置30に通知する通知手段107としての機能を備えている。
【0049】
ボーナス当選検知手段104は、光センサ18の検知信号を入力したときに、ボーナス役が内部当選したことを検知する手段である。本例の表示装置10では、スロットマシン5のボーナス役フラグとは別に、ボーナス役の内部当選を表す内部当選フラグが設定されている。この内部当選フラグは、ボーナス役の内部当選が検知されたときオン状態に設定され、その後、BB信号あるいはRB信号の受信開始に応じてオフ状態にリセットされる。
【0050】
ボーナス状態判定手段105は、スロットマシン5が外部出力するBB信号又はRB信号を受信したとき、スロットマシン5がBB状態又はRB状態である旨を判定する手段である。本例の表示装置10では、対応するスロットマシン5がボーナス状態(BB状態又はRB状態)である旨を表すボーナス状態フラグが設定されている。このボーナス状態フラグは、BB信号あるいはRB信号を受信している間、オン状態に設定され、受信終了に応じてオフ状態にリセットされる。
【0051】
非検知判定手段106は、ボーナス当選検知手段104がボーナス役の内部当選を検知することなく、ボーナス状態判定手段105によりボーナス状態である旨が判定されたときに、非検知判定を行う。
【0052】
遊技データ生成手段101は、以下に説明する方法で上記(1)〜(8)の各遊技データを生成する。
(1)只今ゲーム数:直近のボーナス状態が終了したときにゼロスタートで計数開始し、アウト信号を3回連続的に受信してゲームスタートを検知する毎に1ゲームずつ加算する。
(2)累計ゲーム数:通常状態においてアウト信号を3回連続的に受信したときにゲームスタートを検知し、検知する毎に1ゲームずつ加算する。
(3)本日BB回数:ボーナス状態判定手段105によりBB状態が判定される毎に1回ずつ加算する。
(4)本日RB回数:ボーナス状態判定手段105によりRB状態が判定される毎に1回ずつ加算する。
(5)連チャン回数:前回のボーナス状態の終了後、100ゲーム以内で再度ボーナス状態が発生する毎に1回ずつ加算する。
(6)連チャン突入回数:前回のボーナス状態が終了してから100ゲームを超えて発生したボーナス状態の終了後、100ゲーム以内で再度ボーナス状態が発生して新たな連チャン状態に突入したときに1回ずつ加算する。
(7)差枚数:セーフ信号の受信に応じて1枚ずつ加算し、アウト信号の受信に応じて1枚ずつ減算する。
(8)非検知回数:非検知判定手段106による非検知判定毎に1回ずつ加算する。なお、光センサ18により告知ランプ637の発光が検知されたときには、ゼロリセットされる。
【0053】
通知手段107は、上記(8)非検知回数が3回に到達したときに、検知不良の可能性がある旨を管理装置30に通知する。検知不良の可能性の通知を受けた管理装置30では、報知手段301が検知不良の可能性がある旨をその台番と共に報知し、これにより、従業員に対する注意を促す。
【0054】
表示制御手段103は、データ切換ボタン161の操作に応じて、情報表示部15が表示する遊技データを切り換える。本例の表示制御手段103は、ボーナス役の内部当選の祝福演出を実行する演出実行手段としての機能を備えている。
表示制御手段103による表示画面について、図9及び図10を用いて説明する。図9は、スロットマシン5が非ボーナス状態のときに表示される通常画面21である。図10は、ボーナス役の内部当選が検知されたとき、演出実行手段としての表示制御手段103によるボーナス当選画面23である。
【0055】
通常画面21は、図9のごとく、遊技データを表示するデータ表示エリア211とグラフ表示エリア212とが配置された画面である。データ表示エリア211には、只今ゲーム数及び累計ゲーム数を表示するゲーム数表示欄211A、本日BB回数及び本日RB回数を表示するボーナス回数表示欄211B、連チャン回数及び連チャン突入回数を表示する連チャン表示欄211Cが配置されている。グラフ表示エリア212には、投入枚数(横軸)に対する差枚数(縦軸)の変動が折れ線グラフで表示される。同図の通常画面21は、連チャン状態へ6回突入し、連チャン状態下でボーナス状態が20回発生している状況での表示例である。
【0056】
ボーナス当選画面23は、図10のごとく、通常画面21に対して、ボーナス役の内部当選を報知する当選報知表示欄230がポップアップ表示された画面である。このボーナス当選画面23は、その後、BB信号あるいはRB信号の入力開始に応じて前記ボーナス状態判定手段105がボーナス状態である旨を判定したときに表示終了される。
【0057】
以上のように構成された本例の表示装置10の動作について、図11を参照して説明する。図11は、ボーナス検知処理の流れを示すフロー図である。
ボーナス検知処理では、まず、光センサ18の検知信号が入力開始されたか否かが判断される(S101)。検知信号の入力が開始された場合には(S101:YES)、内部当選フラグがオン状態に設定され(S102)、ボーナス当選画面23が表示される(S103)。
【0058】
光センサ18の検知信号の入力が開始されない場合には(S101:NO)、BB信号又はRB信号の入力開始が判断される(S112)。BB信号又はRB信号の入力が開始された場合には(S112:YES)、ボーナス状態フラグがオン状態に設定され(S113)、図示しないボーナス状態画面の表示が開始される(S114)。このボーナス状態画面では、ボーナス状態が発生中である旨、及びボーナス状態開始後の差枚数(払出メダル数−投入メダル数)が表示される。
【0059】
さらに、内部当選フラグのフラグ状態が判断され(S115)、オフ状態であれば(S115:NO)、非検知回数が1回加算される(S116)。非検知回数が3回に到達した場合には(S117:YES)、検知不良の可能性が有る旨が管理装置30に通知される(S118)。通知を受けた管理装置30は、検知不良の可能性があるスロットマシン5の台番と共にその旨を報知する。
【0060】
一方、上記ステップS115において内部当選フラグがオン状態であれば(S115:YES)、オフ状態へのリセット後に(S126)、非検知回数が判断される(S127)。非検知回数が1回以上であれば(S127:YES)、その回数がゼロリセットされる(S128)。
【0061】
以上のように構成された本例の遊技場用表示システム1では、ボーナス役の内部当選が検知されていない状態でボーナス状態が判定されたときに非検知判定がなされる。そして、この非検知判定が3回連続して発生すると、その旨の通知を受けた管理装置30により台番と共に検知不良が報知される。遊技場の従業員等は、管理装置30による報知に応じて検知不良を認識できる。検知不良の可能性があるスロットマシン5については、光センサ18の取付調整などの対処を適切に行うことができる。
【0062】
このように本例の遊技場用表示システム1は、光センサ18による検知不良に適切に対処するために必要な情報を提示可能な表示システムである。
【0063】
なお、本例の構成に代えて、以下の構成を採用することもできる。
本例では、表示装置10側で非検知回数を計数したが、管理装置30側で非検知回数を計数しても良い。この場合は、表示装置10から管理装置30に対して非検知判定が発生する毎にその旨を通知する必要がある。
非検知回数を表示する非検知回数表示手段を表示装置10や管理装置30に設けることも良い。表示装置10に非検知回数表示手段を設ける場合には、従業員等による特定の操作に応じて非検知回数が表示されるように構成することが良い。
【0064】
非検知回数が所定回数に達した旨を表示装置10の情報表示部15に表示することも良い。この場合には、管理装置30だけでなく、表示装置10によっても検知不良を報知できるようになる。表示装置10が非検知回数を表示する際の所定回数は、管理装置30に通知するときと同じ3回であっても良いが、異なる回数であっても良い。
本例の表示装置10は、スロットマシン5とは別体で構成されているが、スロットマシンに組み込まれ外観的に一体的に見える装置であっても良い。
【0065】
以上のごとく本発明の実施例を詳細に説明したが、これらの実施例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、実施例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して実施例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【符号の説明】
【0066】
1…遊技場用表示システム(表示システム)、10…表示装置、101…遊技データ生成手段、102…遊技データ記憶手段、103…表示制御手段、104…ボーナス当選検知手段、105…ボーナス状態判定手段、106…非検知判定手段、107…通知手段、15…情報表示部、18…光センサ(発光検知手段)、21…通常画面、23…ボーナス当選画面、3…遊技場管理システム、30…管理装置、301…報知手段、38…貸出装置、5…スロットマシン、520…図柄変動表示手段、61…ストップボタン(停止操作手段)、62…スタートレバー(ゲーム開始操作手段)、635…信号出力部(信号出力手段)、637…告知ランプ(発光手段)、71…内部抽選手段、72…表示制御手段、73…入賞判定手段、74…利益付与手段、75…ボーナス状態発生手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄表示領域において複数種類の図柄を所定の配列に従って変動表示する図柄変動表示手段と、
遊技価値が賭けられた状態でゲームを開始するために遊技者が操作するゲーム開始操作手段と、
前記ゲーム開始操作手段が操作されたときに、小役及びボーナス役を含む複数種類の役の中から内部当選役を決定するための内部抽選を実行する内部抽選手段と、
前記図柄変動表示手段による図柄の変動表示を停止させるために遊技者が操作する停止操作手段と、
前記停止操作手段が操作されたときに、内部当選役に対応する図柄を予め規定された引込範囲内で引き込んで図柄表示領域に停止表示させる表示制御手段と、
前記図柄変動表示手段の各図柄表示領域に停止表示された図柄の組合せに基づいて入賞が発生したか否かを判定する入賞判定手段と、
前記入賞判定手段により小役が入賞したと判定されたときに、当該小役に対応する遊技価値を遊技者に付与する利益付与手段と、
前記入賞判定手段によりボーナス役が入賞したと判定されたときに、予め定められた終了条件が成立するまで少なくとも何れかの小役の内部当選確率を高めたボーナス状態を発生するボーナス状態発生手段と、
ボーナス状態が発生しているときに、その旨を示すボーナス状態信号を外部出力する信号出力手段と、
ボーナス役が内部当選役として決定されたゲームで当該ボーナス役が入賞しなかったときに、発光することによってボーナス役が内部当選している旨を遊技者に告知する発光手段と、を備えたスロットマシンの遊技情報を表示可能な遊技場用表示システムにおいて、
前記発光手段の発光を検知可能なように配設されると共に、当該発光を検知したときに検知信号を出力する発光検知手段と、
該発光検知手段から出力される検知信号に基づいてボーナス役が内部当選したことを検知するボーナス当選検知手段と、
該ボーナス当選検知手段がボーナス役の内部当選を検知したときにボーナス役が内部当選したと判定し、所定の演出を実行する演出実行手段と、
前記信号出力手段から出力されるボーナス状態信号に基づいてボーナス状態であるか否かを判定するボーナス状態判定手段と、
前記ボーナス当選検知手段がボーナス役の内部当選を検知していない状態において、前記ボーナス状態判定手段がボーナス状態である旨を判定したときに、非検知判定を行う非検知判定手段と、
該非検知判定手段による非検知判定に応じて、その旨を報知する報知手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用表示システム。
【請求項2】
前記非検知判定手段による非検知判定の回数である非検知回数を計数して表示する非検知回数表示手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技場用表示システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−223244(P2012−223244A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91101(P2011−91101)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】