説明

遊技機および遊技用プログラム

【課題】 大当たり図柄に特定の図柄が設定されているパチンコ遊技機等の遊技機において、大当たり図柄の出現率を調整可能としつつ、各パチンコ遊技機における遊技内容のバランスを確保可能にする。
【解決手段】 液晶表示装置に複数種類の識別図柄の可変表示を行わせるパチンコ遊技機1は、遊技状態が大当たり状態に移行することを示す複数種類の大当り図柄を含む識別図柄の表示態様を決定する。また、複数種類の確変大当りと通常大当りのそれぞれについて、ボタンユニット79を用いた入力操作により、確変大当りと通常大当りのそれぞれについて各大当り図柄の振分率を設定でき、設定された振分率が記憶されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球を通過させる遊技領域を備えた遊技盤と、表示装置とを有するパチンコ遊技機等の遊技機および遊技用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、発射装置を用いて打ち出された遊技球を遊技盤に沿って流下させる仕組みの遊技機(パチンコ遊技機、パチンコ機ともいう)が知られている。近年のパチンコ機は、液晶表示等により画像を表示する表示装置が遊技盤の一部を構成していて、始動入賞口への入賞を条件として、複数の図柄の可変表示画像がその表示装置に表示されるようになっている。また、大当たり図柄に特定の図柄が設定され、その特定の図柄が停止表示される大当たりになると、その大当たり状態の終了後に、大当たり図柄が選ばれる確率が高くなる高確率遊技状態(いわゆる確率変動、確変ともいう)に移行したり、図柄の可変表示される時間が短縮される遊技状態(いわゆる時短)に移行するものがある。
【0003】
この種の遊技機に関し、例えば特許文献1には、大当たり図柄として、通常図柄に特殊図柄(ラッキーナンバ)を設定でき、それぞれの発生比率を遊技店で調整できるようにしたパチンコ機が開示されている。
【特許文献1】特開平6−154394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の大当たり図柄に特定の図柄(確変になる確変図柄)が設定されているパチンコ機の場合、特殊図柄(ラッキーナンバ)の発生比率を遊技店で調整できるようにすると、特殊図柄の調整内容によって、特定の図柄が大当たり図柄に選ばれる確率がパチンコ機によって変わり得るため、各パチンコ機の出玉数に大きなばらつきが出たりして、各パチンコ機で遊技を行う遊技者にもたらされる利益や遊技内容におけるバランスが損なわれてしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたもので、大当たり図柄に特定の図柄が設定されているパチンコ遊技機等の遊技機において、大当たり図柄の出現率を調整可能としつつ、各パチンコ遊技機における遊技内容のバランスを確保可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、表示領域を有する表示装置と、その表示装置に複数種類の識別図柄の可変表示を行わせる表示制御手段と、表示装置に表示され、遊技状態が大当たり状態に移行することを示す複数種類の特別表示態様を含む識別図柄の表示態様を決定する決定手段とを有する遊技機であって、複数種類の特別表示態様のうち、大当たり状態終了後において、決定手段により、識別図柄の表示態様を特別表示態様にすると決定される確率が相違するそれぞれ複数種類の第1、第2の特別表示態様のそれぞれにおける各特別表示態様の振分率を設定するための入力操作を操作者が行う操作手段と、第1、第2の特別表示態様のそれぞれについて、操作手段を用いた操作者の入力操作にしたがい各特別表示態様の振分率を設定する設定手段と、その手段により設定された振分率を記憶する振分率記憶手段とを有する遊技機を特徴とする。
【0007】
この遊技機は、操作手段を用いて、第1、第2の特別表示態様のそれぞれについて各特別表示態様の振分率を設定でき、設定された振分率が記憶されるようになっている。
【0008】
また、上記遊技機は設定手段によって設定された振分率を報知する振分率報知手段を更に有することが好ましい。これにより、設定された振分率が操作者に報知されるようになる。
【0009】
さらに、操作手段を用いた振分率を設定するための入力操作を可能にする入力可能条件を設定する条件設定手段を更に有することが好ましい。これにより、操作手段を用いて行う振分率の設定に一定の制約をもたせることができる。
【0010】
条件設定手段は、電源が投入されたときに振分率の設定可となるようにして、入力可能条件を設定するようにすることができる。
こうすると、電源が投入されたことに基づいて振分率を設定できるようになり、制御上の安定性をより向上させることができる。
【0011】
入力可能条件に基づいて、振分率の設定可であることを報知する報知手段を更に有することが好ましい。この報知手段を有することにより、振分率の設定可であることが操作者に報知されるようになる。
【0012】
そして、本発明は、表示装置に複数種類の識別図柄の可変表示を行わせる表示制御機能と、表示装置に停止表示され、遊技状態が大当たり状態に移行することを示す複数種類の特別表示態様を含む識別図柄の表示態様を決定する決定機能とを有する遊技用プログラムであって、複数種類の特別表示態様のうち、大当たり状態終了後において、決定機能により、識別図柄の表示態様を特別表示態様にすると決定される確率が相違するそれぞれ複数種類の第1、第2の特別表示態様のそれぞれにおける各特別表示態様の振分率を設定するための入力操作を操作者に行わせる機能と、第1、第2の特別表示態様のそれぞれについて、操作者の入力操作にしたがい各特別表示態様の振分率を設定する機能と、その機能により設定された振分率を記憶させる機能とをコンピュータに実現させるための遊技用プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0013】
以上詳述したように、本発明によれば、大当たり図柄に特定の図柄が設定されているパチンコ遊技機等の遊技機において、大当たり図柄の出現率を調整可能としつつ、各パチンコ遊技機同士における遊技内容のバランスを確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図1は本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を正面側から示す斜視図、図2は図1に示すパチンコ遊技機の分解斜視図である。また、図3は図1に示すパチンコ遊技機を背面側から示す斜視図、図4は図2に示す遊技盤の正面図、図5は図1に示すパチンコ遊技機の部分断面図である。本実施形態では遊技機をデジタルパチンコ遊技機(デジパチ、第1種パチンコ遊技機と称される)とした場合について説明する。
【0015】
(パチンコ遊技機の構成)
図1に示すパチンコ遊技機1は、遊技場の所定の設置枠に収容されて設置される外枠2と、この外枠2の正面側に回動可能に設けられたベースドア(内枠)3と、このベースドア3に組み込まれた遊技盤4(図2参照)と、この遊技盤4の正面を覆うと共にベースドア3の正面側に開閉可能に設置されたフロント扉5とを有している。
【0016】
また、パチンコ遊技機1には、プリペイドカードなどが挿入されると、そのプリペイドカードの残高に応じて、遊技球が貸し出されるように構成されたカードユニット84が隣接して併設されるようになっている。
【0017】
フロント扉5は、その中央の略全域にガラス板5aを備え、その内側の遊技盤4が視認可能に構成されている。フロント扉5の下部には、カードユニット84のカード返却操作や遊技球の貸し出し(玉貸し)操作等を行う玉貸し操作パネル28が設けられている。また、この玉貸し操作パネル28には、後述するボタン操作を行うための決定ボタン20a及び選択ボタン20b、20cが設けられている。
【0018】
また、フロント扉5の下側には、外枠2に対して開閉可能な皿パネル6が設置されている。この皿パネル6の正面側には、カードユニット84により貸し出された遊技球及び後述する入賞口に入球した場合に払い出される遊技球を受け止める上皿6aと、この上皿6aの満杯時に球出口6dの内方で溢れた遊技球を受け止める下皿6bとが配置され、この下皿6bの右側には発射ハンドル6cと、発射ハンドル6cの下側に後述するボタンユニット79が配置されている。
【0019】
発射ハンドル6cは、上皿6aに受け止められている遊技球を発射するためのもので、皿パネル6に対して回動自在に設けられ、遊技者は発射ハンドル6cを操作することによりパチンコ遊技を進めることができる。この発射ハンドル6cが遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じて、発射ハンドル6cの背面側に設けられた発射モータに電力が供給され、遊技球が遊技盤4に順次発射される。
【0020】
発射された遊技球は、図4に示すように、遊技盤4の左側に設けられたガイドレール7により案内され、遊技盤4の上部に移動し、その後、遊技釘8等との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤4の下方に向かって流下する。
【0021】
遊技盤4は、遊技状態において遊技球が流下する領域が、遊技領域4aとされ、この遊技領域4a内に、遊技球の流下方向を変更させる遊技釘8が多数設けられている。また、遊技領域4aは、所定の位置に始動入賞口9、普通図柄作動ゲート10、大入賞口11、一般入賞口12a〜12d及びアウト口13をそれぞれ有している。
【0022】
始動入賞口9は、この始動入賞口9に具備されている始動領域を遊技球が通過したことを条件として、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態(いわゆる大当たり状態)に移行するか否かを判定するための大当たり判定用乱数値が抽出される入賞口となっている。また、始動入賞口9は、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(例えば4個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口となっている。
【0023】
普通図柄作動ゲート10は、この普通図柄作動ゲート10を遊技球が通過したことを条件として普通図柄当たり判定用乱数値を抽出するトリガーとなる通過ゲートとされている。この普通図柄当たり判定用乱数値の抽出により遊技状態が普通図柄当たり状態となったときに、始動入賞口9に具備されている1対の羽根9aが所定秒数開閉し、入賞がしやすくなる。
【0024】
大入賞口11は、上述した大当たり判定用乱数値の抽出により遊技状態が大当たり状態となったときに、閉じているシャッタが開閉し、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(例えば15個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。
【0025】
一般入賞口12a〜12dは、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(例えば10個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。
【0026】
アウト口13は、始動入賞口9、大入賞口11、一般入賞口12a〜12dなどの何れにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。
【0027】
また、遊技盤4は、図5に示すように、透光性基板14から成り、この透光性基板14は、例えばポリカーボネートなどの合成樹脂あるいはその他の透明な部材(透光性部材)で形成された透明部を有している。ここで、「透明な部材」とは、光透過率が100%又はその部材を通して対象を視認可能な程度に光透過率が高いものをいう。以下、遊技領域4a中の透明部によって形成された領域を「透明遊技領域」と呼ぶ。本実施形態の遊技領域4aはその大半が透明遊技領域となっている。この透光性基板14には、上述した遊技釘8が少なくともその先端部を埋設されて固定され、この透光性基板14と上述したフロント扉5のガラス板5aにより形成された領域が遊技領域4aとされている。そして、この透光性基板14の背面側には、図2及び図5に示すように、各種画像情報を表示する大画面の表示領域15aを有する画像表示手段としての液晶表示装置15が配置されている。すなわち、この液晶表示装置15に表示された画像は、透光性基板14の略中央の遊技釘8が設けられていない部分と、その周辺の遊技釘8が設けられている部分を通して、遊技者がパチンコ遊技機1の正面側から視認することができる。
【0028】
また、透明性基板14の下部側の背面側には、入賞口に入賞した遊技球を入賞球センサに案内する入賞球集合アッセンブリ16等の部材が配設されている。この入賞球集合アッセンブリ16等の部材を遊技者から視認不可能とすべく、透光性基板14の背面に例えばCAB(セルロースアセトブチレート)から成るセルシート19を張り、不透明領域としている。
【0029】
このように、透光性基板14は、その全部を透明部とする必要はなく、光透過率が低い部分や光透過率が0の領域を部分的に有していてもよい。光透過率を低くしたり0にする手段としては、上記背面のセルシート19の他に、表面に塗装、もしくは物理的蒸着法、化学的蒸着法等を施して模様層、色彩層を形成したり、あるいは、基材となる合成樹脂に染料や顔料を含浸させて、光透過率を低下させたものであってもよい。また、透光性基板14の背面に設けられるアッセンブリ16等の部材自体を不透明にしてもよい。
【0030】
液晶表示装置15は、図2に示すように、その表示領域15aに、後述のようにして、装飾用の図柄である飾り図柄や、判定用図柄、キャラクタ等を可変表示する。この飾り図柄は大当たりか否かを判定する特別図柄ゲームで用いられるもので、本発明における識別図柄に相当している。その識別図柄としての飾り図柄は数字や記号等が用いられ、本実施形態においては、「0」から「9」までの数字が用いられている。なお、特別図柄ゲームおよび飾り図柄の詳細については後述する。
【0031】
また、ここで言う「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。また、これらの他に、単に飾り図柄や判定用図柄が出現するように仮に停止表示される「出現表示」、特別図柄ゲームの結果として飾り図柄等が表示される「導出表示」等を可能とするものである。
【0032】
また、表示領域15aには、複数列(本実施形態においては3列)の飾り図柄が可変表示され、判定用図柄の可変表示も行われる。この複数列の飾り図柄の導出表示とともに、判定用図柄の導出表示が行われ、その導出表示された判定用図柄や飾り図柄の表示態様に基づいて、遊技状態を大当たり状態に移行するか否かが遊技者に識別可能になっている。また、これらの判定用図柄や飾り図柄の他にも、背景画像、キャラクタ画像、普通図柄画像等が表示される。
【0033】
さらに、パチンコ遊技機1は、図2に示すように、液晶表示装置15の上方に、所定の遊技状態となったことを遊技者に報知する効果音や音声などを出力するスピーカ17L,17R、図4に示すように、遊技盤4の下部に、所定の遊技状態となったことを所定のパターンで点灯・消灯することによって報知する装飾ランプ18L,18R、上述したカードユニット84により貸し出された遊技球及び始動入賞口9、大入賞口11、一般入賞口12により賞球された遊技球を上皿6aに払い出す払出装置81(図6参照)等を具備している。
【0034】
また、パチンコ遊技機1の背面側には、図3に示すように、遊技者に有利な遊技状態に移行するか否かを判定する主制御回路30を備える主制御基板21、映像及び音声等の演出を制御する副制御回路40を備える副制御基板22、遊技球の払出・発射を制御する払出・発射制御回路80を備える払出・発射制御基板23、電源を供給する電源供給ユニット24、電源スイッチ25、各種操作を行うバックアップクリアスイッチ26及びモード切換スイッチ(切換操作手段)27が、それぞれ配置されている。
【0035】
図6は、内部の構成を中心に示すパチンコ遊技機1のブロック図である。パチンコ遊技機1は、主制御回路30と副制御回路40を中心に複数の構成要素を有している。主制御回路30はメインCPU(Central Processing Unit)31、メインROM(Read Only Memory)32およびメインRAM(Random Access Memory)33を有し、他に初期リセット回路34とコマンド出力ポート35を有している。
【0036】
メインCPU31は、後述するVカウントスイッチ11Sなどから遊技球の検出信号を入力する一方、メインROM32に記憶されている制御プログラムにしたがい作動して、パチンコ遊技機1における大当たり抽選や、賞球排出といったパチンコ遊技機1全体の動作制御を司り、コマンド出力ポート35を介して副制御回路40に各種のコマンドを送信する。メインROM32はメインCPU31が実行する制御プログラムと、恒久的なデータが記憶されている。メインRAM33はメインCPU31が作動する際に用いるデータやプログラムが一時的に記憶されるようになっている(なお、メインRAM33は電源が断たれた電断時においてもバックアップ用電源から電力が供給されて記憶内容が保持可能になっている)。初期リセット回路34は、リセット信号をメインCPU31に定期的に出力する。このリセット信号により、メインCPU31は制御プログラムの先頭から処理を実行する。
【0037】
また、主制御回路30には、Vカウントスイッチ11Sをはじめとする各スイッチ等が接続されている。Vカウントスイッチ11Sは大入賞口11内に設けられたVゾーンを通過したことを検出するとともに、大入賞口11内に入賞した遊技球の個数を計測するための検出信号を主制御回路30に出力する。カウントスイッチ11CSは大入賞口11に入賞した遊技球の個数を計測するための検出信号を主制御回路30に出力する。一般入賞口スイッチ12Sは各一般入賞口12a〜12dに入賞した遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。作動ゲートスイッチ10Sは普通図柄作動ゲート10を通過する遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。始動入賞口スイッチ9Sは始動入賞口9に入賞した遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。
【0038】
始動口ソレノイド9Lは始動入賞口9に設けられた電動役物(チューリップ)を開閉させ、大入賞口ソレノイド11Lは大入賞口11を開閉させる。シーソーソレノイド11Mは大入賞口11に設けられた図示しないシーソーを駆動する。バックアップクリアスイッチ26は、電断時等におけるバックアップデータを操作者の操作に応じてクリアする。
【0039】
パチンコ遊技機1では、始動入賞口スイッチ9Sが遊技球の入賞を検出して検出信号を出力したときに主制御回路30から副制御回路40に図柄指定コマンドを出力して、副制御回路40において、乱数抽出を行い、抽出した乱数値を用いて液晶表示装置15における飾り図柄の表示態様を決定している。また、判定用図柄は主制御回路30からの図柄指定コマンドにしたがった表示態様で導出表示される。
【0040】
副制御回路40は、主制御回路30からコマンドを入力し、その入力したコマンドにしたがい、液晶表示装置15による判定用図柄や飾り図柄の可変表示、リーチ演出、予告演出といった演出に必要な制御を行う一方、本発明における表示制御手段として作動して、後述する設定画像91やロゴ選択画像101を液晶表示装置15に表示させる。また、副制御回路40は、スピーカ17L、17Rを用いた音声出力による演出や装飾ランプ18L、18Rを用いた点滅表示による演出を行うのに必要な制御も行う。
【0041】
この副制御回路40は、サブCPU41を中心に構成され、サブROM42と、サブRAM43およびコマンド入力ポート48を有し、画像制御回路50と、音声制御回路60、ランプ制御回路70および広告画像データ記憶部73を有している。
【0042】
サブCPU41は、主制御回路30から入力したコマンドにしたがいサブROM42に記憶されているプログラムに沿った処理を実行し、画像制御回路50、音声制御回路60およびランプ制御回路70を作動させる。サブROM42にはサブCPU41が実行するプログラムと、恒久的なデータが記憶され、サブRAM43はサブCPU41が作動する際に用いるデータやプログラムが記憶されている。
【0043】
画像制御回路50は、VDP(Video Display Processor)51と、D/Aコンバータ52と、初期リセット回路53と、画像データROM54とを有している。VDP51は、サブCPU41で決定された液晶表示装置15に表示させる内容に応じた画像を形成し、その形成された画像をD/Aコンバータ52に出力する。D/Aコンバータ52はVDP51から出力される画像データをD/A変換して、変換により得られたアナログ信号を液晶表示装置15に出力し、画像を表示させる。初期リセット回路53はサブCPU41からのリセット命令を受けて、VDP51を初期状態に戻す処理を実行する。画像データROM54には、判定用図柄、飾り図柄、キャラクタ、背景などを示す画像のデータ(画像データ)を記憶し、設定画像91やロゴ選択画像101などを液晶表示装置15に表示させるための画像データも記憶している。
【0044】
音声制御回路60は、音源IC61と、アンプ(AMP)62と、音声データROM63とを有している。音源IC61は、サブCPU41からの指示にしたがい、音声データROM63に記憶されている音声データを用いて音声信号を生成する。アンプ(AMP)62は、音源IC61により生成された音声信号を適切なレベルに増幅し、増幅した音声信号をスピーカ17L、17Rに供給して音声を出力させる。音声データROM63は予告演出、リーチ演出、大当たり演出などに用いられる音楽、音声、効果音などのデータ(音声データ)を記憶している。
【0045】
ランプ制御回路70は、装飾ランプ18L、18Rの点灯パターンを示す装飾データを記憶した装飾データROM71と、サブCPU41からの指示にしたがい、装飾データROM71に記憶されている装飾データを用いて装飾ランプ18L、18Rを点灯させるドライブ回路72とを有している。
【0046】
広告画像データ記憶部73は、例えばHDD(Hard Disk Drive)からなり、液晶表示装置15に広告画像を表示させるための複数種類の広告画像データが記憶されている。この広告画像データは、広告宣伝の対象となる遊技店舗、遊技場、ホール、企業、会社等、その他広告宣伝対象に関連する画像を有し、好ましくは広告宣伝対象を特定するための名称を示す画像を有している。本実施の形態では、広告画像データはパチンコ遊技機1の製造や販売を行う企業の名称やロゴを示す画像のデータとなっているが、パチンコ遊技機1の設置される遊技店舗の名称を示す画像でもよく、パチンコ遊技機1を含む遊技機に関連する特定の団体に加盟している店舗名を示す画像でもよい。そのほか、店舗名を示す画像だけでなく、遊技店舗における新装開店やイベントの案内といった広告宣伝に用いられる画像のデータを含むようにしてもよい。
【0047】
ボタンユニット79は本発明における操作手段であって、図15に示すように、十字操作ボタン79aと、決定ボタン79bおよび取消ボタン79cを有している。十字操作ボタン79aは、後述する設定画像91やロゴ選択画像101を表示している液晶表示装置15において、カーソルを上下または左右に移動させて振分率を設定するまたは広告画像を選択するための入力操作を操作者が行うための操作ボタンである。決定ボタン79bはカーソルの示す項目を選択するための操作を行い、後述する設定画像91またはロゴ選択画像101を表示している液晶表示装置15において、振分率を設定するための、または広告画像を指定するための指定情報を出力してサブCPU41に入力するためのボタンである。取消ボタン79cは項目の選択や決定を取消しするための操作を行うボタンである。
【0048】
また、パチンコ遊技機1は、払出発射制御回路80を有している。この払出発射制御回路80は、主制御回路30の制御にしたがい払出装置81と発射装置82を作動させて、所定数の遊技球を賞球として払出させるとともに、遊技球を遊技盤4の遊技領域4aに向けて発射させる。
【0049】
(パチンコ機の動作内容)
次に、パチンコ遊技機1の動作内容のうち、主制御回路30および副制御回路40による制御処理の手順について、図7〜図14までのフローチャートを参照して説明する。図7はパチンコ遊技機1において、電源を投入したあとに主制御回路30により繰返し実行されるメイン制御処理の動作手順を示すフローチャート(メインフローチャート)である。なお、図7および後述する図8〜14では、ステップをSと略記している。
【0050】
(メイン制御処理の動作手順)
図7に示すように、パチンコ遊技機1は、電源投入に伴い主制御回路30のメインCPU31がメイン制御処理を開始してステップ1に進み、初期設定処理を行う。続いて、ステップ2の特別図柄制御処理、ステップ3の普通図柄制御処理およびステップ4の乱数更新処理を順次実行する繰返ルーチンに進む。なお、繰返ルーチンはパチンコ遊技機1の電源が投入されている間、繰返し行われるようになっている(詳しくは後述する)。
【0051】
そして、ステップ1の初期設定を開始すると、図8に示すように、ステップ5に進み、電源投入後、初期リセット回路34から供給されるシステムリセットがあった場合にメインRAM33にアクセスを許可するRAMアクセス許可処理を実行する。続くステップ6では、バックアップクリアスイッチ26の入力検出結果や、電断検知フラグ、作業領域の損傷等からバックアップ条件の成否を判定することによってバックアップ復帰可能か否かを判定し、復帰可能な場合はステップ7に進み、そうでなければステップ17に進む。
【0052】
ステップ7に進むと、メインCPU31は作業領域に記憶されたデータにしたがって正常に動作復帰するためのバックアップ復帰処理を行い、続くステップ8ではメインRAM33に位置づけられている変数やフラグを更新することにより、割込み設定等の動作設定処理を行う。
【0053】
そして、メインCPU31はステップ9に進むと遊技状態フラグを読み出し、後続のステップ10では読み出した遊技状態フラグに対応した電断復帰コマンドを副制御回路40に送信する。また、ステップ11では、副制御回路40に送信すべき送信コマンドの有無を判定し、それがあればステップ12に進んで電断前にコマンド出力ポート35にセットされているコマンドを送信するが、なければステップ12を実行することなくステップ13に進む。ステップ13では、電断発生前の割込状態を割込状態フラグをみてチェックする処理を行い、続くステップ14では、ステップ13の結果から、電断発生前が割込禁止状態であったか否かを判定する。ここで、割込禁止状態であったと判定された場合はステップ16に進み、そうでなければステップ15に進む。そして、ステップ15に進むと、メインCPU31がメインRAM33に位置づけられている変数やフラグを更新して割込許可を実行する。また、ステップ16に進み、電断時にメインRAM33に退避させたレジスタの値を再度格納して、レジスタ復帰処理を行うと初期設定処理が終了し、電断発生前のアドレスに復帰する。
【0054】
そして、ステップ17では作業領域の初期化を行い、続くステップ18ではデモ表示フラグのセットを行う。後続のステップ19では、メインRAM33などに位置づけられている変数やフラグを更新することにより、割込み設定等の動作設定処理を行う。また、ステップ20で初期化コマンドを副制御回路40に送信すると、初期設定処理が終了する。主制御回路30がステップ10またはステップ20で電断復帰コマンドまたは初期化コマンドを副制御回路40に送信し、そのいずれかを副制御回路40が受信したことによって、後述する入力可能条件または選択可能条件が設定されるようになっている。
【0055】
(副制御回路の動作手順)
一方、副制御回路40は、コマンド入力ポート48を通じて主制御回路30からのコマンドを受信すると、図9に示すフローチャートに沿ってサブ制御処理を行う。図9は副制御回路40におけるサブ制御処理の動作手順を示すフローチャートである。
【0056】
サブCPU41は、主制御回路30で決定された可変パターンを示す可変パターン指定コマンドおよび図柄指定コマンドを受信しているか否かで処理を分岐する。可変パターン指定コマンドを受信したときは受信した可変パターン指定コマンドの種類に応じた判定用図柄および飾り図柄の可変表示演出が行われるように、画像制御回路50、音声制御回路60およびランプ制御回路70を制御する。また、図柄指定コマンドを受信したときは、サブCPU41は液晶表示装置15における判定用図柄および飾り図柄の表示態様を決定し、その判定用図柄および飾り図柄の可変表示を行わせる。ここで、飾り図柄は判定用図柄の可変表示における遊技の進行を盛り上げるための装飾用の図柄であって、本発明の識別図柄に対応している。本実施の形態では、図18(A),(B),(C),(D)に示すように、表示領域15aのほぼ中央に配置された図柄表示部15bにおいて、「1,2,3,4・・・7・・」の数字を示す左、中、右の一列に並んだ3列で表示されるようになっている(図18(B)の下向き矢印は図柄の可変表示状態を示している)。以下、詳しく説明する。
【0057】
サブCPU41は、サブ制御処理を開始すると、ステップ31に進み、可変パターン指定コマンドを受信したか否かを判定し、受信していればステップ32に進み、受信していなければステップ33に進む。ステップ32では、受信した可変パターン指定コマンドに対応する演出データをセットして図柄可変表示演出を行わせ、サブ制御処理を終了する。ステップ33では、図柄指定コマンドを受信しているか否かをサブCPU41が判定し、受信しているときはステップ34に進み、受信していなければステップ41に進む。
【0058】
ステップ34に進むと、サブCPU41が本発明における決定手段として作動してステップ40までの処理で液晶表示装置15に表示させる飾り図柄の表示態様を決定する。このとき、ステップ34では、はずれ図柄の指定になっているか否かでステップ35,36に処理を分岐させ、はずれ図柄の指定になっているときはステップ35、そうでなければステップ36に進む。そして、ステップ35では、はずれ図柄決定処理を行い、はずれ図柄(大当たり状態に移行することを示す大当り図柄(本発明における特別表示態様)とは異なる飾り図柄の表示態様)を決定するとサブ制御処理を終了する。はずれ図柄決定処理では、受信した可変パターンコマンドがいわゆるリーチであるか否かを判定する。そして、リーチの場合は図18(C)に示すように、飾り図柄の「左」と「右」を一致させ(双方とも“7”)、リーチでない場合は「左」と「右」を不一致にして「中」も決定する。なお、「左」、「中」、「右」がすべて一致するときは「中」の図柄を変更する。
【0059】
また、ステップ36に進むと、この場合は受信した図柄指定コマンドが大当たり図柄(本発明における特別表示態様)の指定になっているため、確変大当たり図柄の指定になっているか否かでステップ37,40に処理を分岐させ、確変大当たり図柄の指定になっているときはステップ37、そうでないときはステップ40に進む。そして、ステップ37では後述する確変図柄決定用テーブル93a、ステップ40では非確変図柄決定用テーブル93bを作業領域(サブRAM33)にセットして、ステップ38に進み、飾り図柄決定用の乱数値の抽出を行う。続くステップ39では、ステップ38の抽出された乱数値を用いて、確変図柄決定用テーブル93aまたは非確変図柄決定用テーブル93bをサーチしてその乱数値に対応する飾り図柄の表示態様を液晶表示装置15に表示させる飾り図柄の表示態様に決定し、その表示態様を確変および通常それぞれの大当たり図柄とし、サブ制御処理を終了する。ここで決定された内容にしたがって、後述する表示制御処理により、図18(A),(B),(C),(D)に示すようにして、飾り図柄が表示され、表示される飾り図柄に対応して補助的に表示される判定用図柄(「◎」と「○」と「−」の3つの図柄を有し、「◎」が確変大当たり、「○」が通常大当たり、「−」がはずれをそれぞれ示している)が右隅の表示部15cに表示されるようになっている。確変図柄決定用テーブル93a、非確変図柄決定用テーブル93bはサブRAM43に記憶され、確変大当たりと、通常大当たりとで別々に大当り図柄の出現率を設定できるようになっている(後述する)。
【0060】
一方、ステップ41に進むと、ステップ10,20における初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信しているか否かを判定し、受信しているときはステップ42に進み、そうでなければステップ45に進む。ステップ42では、ボタンユニット79における決定ボタン79bおよび取消ボタン79cの同時入力があるか否かによって処理を分岐させ、同時入力があるときはステップ43、ないときはステップ44に進む。ステップ43に進むと、サブCPU41が店舗広告選択フラグに所定のデータ(本実施の形態では“1”)をセットして、その後サブ制御処理を終了する。ステップ44に進むと、サブCPU41は、飾り図柄振分率設定フラグに所定のデータ(本実施の形態では“2”)をセットして、その後サブ制御処理を終了する。この場合、サブCPU41は本発明における条件設定手段として作動していて、主制御回路30から初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信したとき、すなわち、電源が投入されたときに振分率の設定が可能となるようにしている。こうして、サブCPU41は、電源が投入されたときに行われる初期設定処理で生成される初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信したことを本発明における入力可能条件に設定している(後述する飾り図柄振分率設定処理は、飾り図柄振分率設定フラグに所定のデータがセットされていることが条件になっている)。また、ステップ45に進むと、そのほかの受信したコマンドに対応するデータをセットして、その後サブ制御処理を終了する。
【0061】
サブ制御処理のほか、副制御回路40は図10に示す演出制御処理を定期的に実行している。図10は演出制御処理の動作手順を示すフローチャートである。
【0062】
サブCPU41は、演出制御処理を開始するとステップ51,52,53と処理を順に進め、サブ制御処理で決められた内容にしたがって液晶表示装置15、スピーカ17L、17R、装飾ランプ18L、18Rを作動させるための表示制御処理、音制御処理およびランプ制御処理を行う。次に、ステップ54に進み、飾り図柄振分率設定フラグに所定のデータ(本実施の形態では“2”)がセットされているか否かを判定し、セットされているときはステップ55に進み、セットされていなければステップ55を実行することなくステップ56に進む。ステップ56に進むと、店舗広告選択フラグに所定のデータ(本実施の形態では“1”)がセットされているか否かを判定し、セットされているときはステップ57に進み、セットされていなければステップ57を実行することなく演出制御処理を終了する。
【0063】
ステップ55に進むと、飾り図柄振分率設定処理が開始される。これは、図11に示すフローチャートに沿って行われる。サブCPU41は、処理開始後、ステップ61において、飾り図柄振分率設定フラグをクリアしてステップ62,63と続いて飾り図柄選択処理、振分率登録処理を行う。すると、サブCPU41が本発明における表示制御手段として作動して、確変大当たりと通常大当たりのそれぞれにおいて、合計100%の出現率を複数の大当たり図柄それぞれに振り分けて設定する(各大当たり図柄に振り分けて設定された出現率を「振分率」という)ための設定画像91を表示させる。なお、本実施の形態では、大当たり図柄は遊技状態が大当たり状態に移行することを示す本発明における特別表示態様に相当し、確変大当たりの大当たり図柄が「1,3,5,7,9」の3つ揃い(第1の特別表示態様)で、通常大当たりの大当たり図柄が「0,2,4,6,8」の3つ揃い(第2の特別表示態様)となっていて、第1、第2の特別表示態様とも、複数種類の特別表示態様が用意されている。
【0064】
設定画像91は、図16に示すように、確変大当たりの大当たり図柄(確変図柄)と、通常大当たりの大当たり図柄(非確変図柄)のそれぞれについて、各大当たり図柄と出現率とが対応付けて表示される表示部91a,91bを有し、十字操作ボタン79aの操作(左右方向)により、各表示部91a,91bに沿ってカーソルが移動し、上下方向の操作で表示部91aと表示部91bとの間でカーソルが移動するようになっている。そして、まず、操作者は十字操作ボタン79aを上下方向に操作して表示部91aまたは表示部91bにカーソルを移動させて確変大当たりか通常大当たりかを選択した上で、十字操作ボタン79aを左右方向に移動させて大当たり図柄を選び、決定ボタン79bを押下する。すると、ステップ62から63に処理が進み、続いて、その箇所の出現率が十字操作ボタン79aの上下方向の操作で昇降させられるようになる(図16は確変図柄の「333」の出現率を35%に設定した状態を示している)。
【0065】
以上の要領で各表示部91a,91bについて、各大当たり図柄の出現率(振分率)を登録するとステップ64に進む。ここで、決定キー91cにカーソルを移動させて決定ボタン79bを入力するとステップ65に進み、そうでないときはステップ67に進んで取消キー91dの入力有無を判定して、取消キー91dの入力があれば処理を終了し、入力がなければステップ62に戻る。
【0066】
そして、ステップ65に進むと表示部91a,91bにおける振分率の合計がそれぞれ100%になっているか否かが判定され、100%になっているときはステップ66に進むが、なっていなければステップ62に戻る。ステップ66に進むと、サブCPU41が本発明における設定手段として作動して、確変大当たりと通常大当たりのそれぞれ別々に、サブRAM43(本発明における振分率記憶手段)に記憶されている確変図柄決定テーブル93a,93b(図19参照)に書込みを行って、大当り図柄の振分率を設定する。これ以降、電源が遮断されるまで設定された振分率で大当たり図柄が決まるようになる。なお、振分率の登録や修正中に電源が遮断されたり、ステップ67で取消キー91dの入力ありと判定されたり、始動入賞口9に遊技球が入賞して識別図柄の可変表示が開始されたときは、振分率の設定が解除され、設定前の振分率で飾り図柄の決定が行われる。
【0067】
さらに、サブCPU41が画像制御回路50に指示して液晶表示装置15を振分率報知手段として作動させ、図17に示すように「設定変更完了」と表示され、設定された振分率を確認するための設定確認画像92を表示させる(設定を取消すときは再度、電源を投入し直し、初期設定処理を起動させる)。ステップ66を終えると飾り図柄振分率設定処理が終了し、ステップ56に進む。
【0068】
以上のように、パチンコ遊技機1では、確変大当たりと通常大当たりのそれぞれにおける大当たり図柄の発生比率ではなく、確変大当たりと通常大当たりのそれぞれについて、複数ある大当たり図柄の出現率を振り分けて設定できるようになっており、確変大当たりと通常大当たりにおける双方の比率のバランスが確保されるようになっている。そのため、確変大当たりに移行しやすいパチンコ機と、そうでないパチンコ機とが並存するようなことはなく、各大当たり図柄の出現率を変えて可変表示に偏りをもたせても、パチンコ機で遊技を行う遊技者にもたらされる利益や遊技内容におけるバランスが確保されるようになっている。また、設定された出現率を確認するための設定確認画像92が表示されるので操作ミスがあっても、すみやかに修正することができ、利便性が高くなっている。
【0069】
一方、ステップ57に進むと、店舗広告選択処理が開始される。すなわち、サブCPU41が店舗広告選択フラグをクリアした上で、画像制御回路50に指示し、選択操作画像を液晶表示装置15に表示させる表示制御処理を行う。このとき、サブCPU41が広告画像データ記憶部73に記憶されている広告画像データを読み出す一方、VDP51に指示して、その読み出した広告画像データを用いて図20に示すレイアウトのロゴ選択画像101(ホールロゴ選択画面)を形成させ、ロゴ選択画像101を液晶表示装置15に表示させる。このロゴ選択画像101は、広告画像データ記憶部73に記憶されている各広告画像の中から、液晶表示装置15に定常的に表示させることを希望する広告画像をボタンユニット79を用いて操作者に選択させるための画像である。ロゴ選択画像101には、各広告画像による広告宣伝の対象とする会社(企業)名、遊技場、ホールの名称、以下「宣伝対象名」という)の頭文字が行(あ行、か行、さ行・・・)ごとに分類して表示されるようになっている。
【0070】
そして、操作者がボタンユニット79を操作すると、十字操作ボタン79aの操作(左右方向)により、行エリア101aに沿ってカーソルが移動し、所望の行にカーソルを合わせて決定ボタン79bを入力すると(図20では「あ行」を選択)、カーソルが選択エリア101b(宣伝対象名が列挙されている)に移動し、図21に示すように、十字操作ボタン79aの操作(上下方向)により、選択エリア101bに沿ってカーソルが移動する。なお、カーソルの移動にともない、ロゴ表示エリア101cに、カーソルに対応する宣伝対象名のロゴ表示画像101dが表示される。そして、所望の箇所にあわせて決定ボタン79bを入力すると(図21では、「株式会社アクト××」を選択)、サブCPU41は、ロゴ表示画像101dを操作者により選択された液晶表示装置15に表示させる広告画像として決定する。
【0071】
次に、サブCPU41は、画像制御回路50に指示して、その決定した広告画像を操作者が確認するための、図22に示す選択確認画像102を液晶表示装置15に表示させる。この選択確認画像102には、操作者による選択が完了したことを示す「選択完了」のタイトル表示部102aと、選択した宣伝対象名を表示する対象名表示部102bと、ロゴ表示画像101dの表示部102cを有し、表示部102cに宣伝対象名のロゴ表示画像101dが表示されるようになっている。
【0072】
また、サブCPU41は決定した広告画像に対応する広告画像データを広告画像データ記憶部73から読み出し、図23に示すように、読み出した広告画像データを用いて、客待ち画像103の右隅に決定した広告画像(図23では、ロゴ表示画像101d)を定常的に表示させることとなる。
【0073】
以上のように、パチンコ遊技機1では、表示しようとする宣伝対象名の広告画像が広告画像データ記憶部73に複数記憶されていて、ロゴ選択画像101におけるボタンユニット79を用いた入力操作によって、液晶表示装置15に定常的に表示させる宣伝対象名を選択することができ、その選択した宣伝対象名の広告画像を液晶表示装置15に定常的に表示させることができるようになっている。そのため、パチンコ遊技機1の設置される遊技場のニーズや店舗における営業戦略などに応じて、臨機応変に広告画像を変更して表示させることができ、それにより、広告等の表示に関する自由度を拡大して遊技者に対する宣伝効果を高めることができる。また、ロゴ表示画像101dを表示するのにパチンコ遊技機1外の装置等との接続も不要であるため、設置のための労力が軽減される。
【0074】
また、宣伝対象名の広告画像を選択すると、選択した広告画像を表示する前に、選択確認画像102によって、表示内容を確認することができるから、操作者の操作ミスなどがあっても、パチンコ遊技機1に表示する前に修正することができ、利便性の高いものとなっている。
【0075】
さらに、広告画像データが広告宣伝の対象を特定するための名称を示す画像を有するときは、ロゴ表示画像101dによって広告宣伝の対象が特定できるので、ロゴ表示画像101dを定常的に表示することによって、遊技店舗や企業の広告宣伝効果を高めることができる。
【0076】
ところで、ステップ55,57ではそれぞれ飾り図柄振分率設定処理、店舗広告選択処理が行われるが、それぞれの処理は飾り図柄振分率設定フラグ、店舗広告選択フラグに所定のデータがセットされているとき、すなわち、上述のサブ制御処理において、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した場合に行われるようになっている。こうして、飾り図柄振分率設定処理と店舗広告選択処理は、パチンコ遊技機1の電源を投入したときに行えるようにしている。したがって、出現率の設定、修正、変更と、広告画像の表示およびその修正や変更に、一定の条件が設定されていることになるから、パチンコ遊技機1の制御上の不都合が生じるおそれを防止することができる。また、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドの受信によって、出現率の設定、修正、変更と、広告画像の表示およびその修正や変更が可能になるが、その双方のコマンドは電源を投入したときに、主制御回路30から送信されるので、出現率の設定、修正、変更と、広告画像の表示、修正等を電源投入に関連付けて行え、操作者の利便性が高く、制御上の安定性が向上するようになっている。
【0077】
パチンコ遊技機1はボタンユニット79の入力操作の仕方(決定ボタン79bおよび取消ボタン79cの同時入力をするかどうか)によって、飾り図柄振分率設定フラグと店舗広告選択フラグのどちらにデータを設定するのかが変わるようになっている。パチンコ遊技機1は電源が投入されると、サブCPU41が液晶表示装置15を報知手段として作動させて、飾り図柄振分率設定処理と店舗広告選択処理のどちらかを操作者に選択させる図示しない処理選択画像(メニュー画面)を表示させ、双方の作業が可能(振分率の設定可および店舗広告の選択可)であることを操作者に報知している。そうすると、操作者にとって、いつ作業を行えるのかが明らかになり、しかもメニュー画面を確認して、参照しながら決定ボタン79bおよび取消ボタン79cの同時入力をするかどうかでどちらかの処理を行えるようになる。
【0078】
(繰返ルーチンの動作手順)
繰返ルーチンでは、まず、図7に示したステップ2の特別図柄制御処理が行われる。これは図12に示すフローチャートにしたがって行われる。処理開始後ステップ71に進み、メインCPU31は制御状態フラグを読み取る。この制御状態フラグは、液晶表示装置15における図柄の可変表示画像を用いた特別図柄ゲームの状態を示すフラグであって、メインCPU31が後続の各ステップ72〜80までのいずれを実行するかを判定するためのデータが設定されている。
【0079】
そして、ステップ71に続いてステップ72に進み、特別図柄記憶チェック処理が行われる。この特別図柄記憶チェック処理を開始すると、メインCPU31は図14に示すステップ111に進み、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示すデータ“00”か否かを判断し、“00”ならステップ112に進み、“00”でなければ処理を終了する。続くステップ112では、保留個数が“0”か否かを判定し、“0”であればステップ113に進んでデモ表示処理を行い処理を終了するが、そうでなければステップ114に進み、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理を示すデータ“01”をセットする。続いてステップ115に進んで大当り判定用前処理を行う。このとき、メインCPU31は後述する高確率フラグを読み出して大当り判定テーブルを選択し、大当り判定用乱数値を用いて選択された大当り判定テーブルをサーチする。
【0080】
続いてステップ116に進み、ステップ115のサーチ結果から、大当りか否かを判定する大当り判定処理を行い、大当りの場合はステップ117、そうでない場合はステップ118に進む。ステップ117に進むと、大当り図柄用乱数カウンタから大当り図柄用乱数値を抽出し、その大当り図柄用乱数値に基づいて、サブCPU41において、左、中、右の3つのそれぞれにおける飾り図柄になる大当たり図柄の種類を決定するための判定に用いられる判定用図柄の決定(大当たりの図柄決定)を行い、その判定用図柄を示すデータをメインRAM33に記憶させる。また、この判定用図柄を示すデータは図13に示す後述するコマンド出力処理により、メインCPU31により、上述した図柄指定コマンドとしてサブCPU41に送信される。この図柄指定コマンドを用いて、サブCPU41が上述のサブ制御処理で液晶表示装置15における飾り図柄の表示態様を決定する。
【0081】
また、ステップ118に進むと、サブCPU41において、飾り図柄によるはずれ図柄を決定するための判定に用いられる判定用図柄の決定(はずれの図柄決定)を行い、その判定用図柄を示すデータをメインRAM33に記憶させる。また、この判定用図柄を示すデータは図13に示すコマンド出力処理により、メインCPU31により、図柄指定コマンドとしてサブCPU41に送信され、サブCPU41が液晶表示装置15における飾り図柄の表示態様を決定する。
【0082】
次に、メインCPU31はステップ119に進むと可変パターンの決定を行い、決定された可変パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットすると特別図柄記憶チェック処理が終了する。これにより、変動時間を経過したのち、ステップ73の処理を行うようにしている。
【0083】
ステップ73では、特別図柄変動時間管理処理が行われる。このステップは、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示すデータ“01”のときに以下の処理が行われ、“01”でなければ行われないようになっている。すなわち、メインCPU31は待ち時間タイマが0となったときに、制御状態フラグに特別図柄表示時間管理を示すデータ“02”をセットし、確定後待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。これにより、確定後待ち時間を経過したのち、ステップ74の処理を行うようにしている。
【0084】
続くステップ74では、特別図柄表示時間管理処理が行われる。このステップは、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示すデータ“02”のときに以下の処理が行われ、“02”でなければ行われないようになっている。すなわち、メインCPU31は待ち時間タイマが0となり、大当たりのときには制御状態フラグに大当たり開始インターバル管理を示すデータ“03”をセットした上で、大当たり開始インターバルに対応する時間(例えば10秒、以下「大当たり開始対応時間」という)を待ち時間タイマにセットし、大当たりでないときは制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示す値“03”をセットして処理を終了する。
【0085】
さらに、続くステップ75では、大当たり開始インターバル管理処理が行われる。このステップでは、制御状態フラグが大当たり開始インターバル管理を示すデータ“03”であるときは、ステップ73でセットされた大当たり開始対応時間だけ待機し、大当たり開始対応時間が経過したのち、大入賞口を開放させるため、メインROM32から読み出されたデータに基づいてメインRAM33に位置づけられた変数を更新する。さらに、メインCPU31は大入賞口開放中を示すデータ“04”を制御状態フラグにセットし、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口時間タイマにセットする。つまり、ステップ77の処理が行われるようにする。
【0086】
ステップ76に進むと、大入賞口再開放前待ち時間管理処理が行われる。このステップでは、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示すデータ“06”であるときは、ラウンド間インターバルに対応する時間だけ待機する。メインCPU31はラウンド間インターバルに対応する時間を経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”加算して更新し、大入賞口開放中を示すデータ“04”を制御状態フラグにセットし、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口時間タイマにセットする。
【0087】
ステップ77に進むと、大入賞口開放中処理が行われる。このステップでは、制御状態フラグが大入賞口開放中を示すデータ“04”であるときに以下の処理が行われ、“04”でなければ行われないようになっている。すなわち、メインCPU31は、大入賞口入賞カウンタが10以上であるか、開放上限時間を経過した(大入賞口時間タイマが“0”)のいずれかを満たすときに、大入賞口を閉鎖させるためメインRAM33に位置づけられた変数を更新する。また、メインCPU31は制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示すデータ“05”をセットして、大入賞口内残留監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットし、大入賞口内残留監視時間を経過したのち、ステップ78を実行するように設定する。いずれも満たしたと判定されないときは、上述の処理を実行することなくステップ78に進む。
【0088】
ステップ78に進むと、大入賞口内残留球監視処理が行われる。このステップでは制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示すデータ“05”であるときに以下の処理が行われ、“05”でなければ行われないようになっている。メインCPU31は、大入賞口内残留球監視時間が経過したときに、大入賞口における特定領域を遊技球が通過しなかったこと、または大入賞口開放回数カウンタが15以上であるか(最終ラウンドか)否かの条件のいずれかを満たしたかどうかを判定し、いずれかを満たしているときは大当たり終了インターバルを示すデータ“07”を制御状態フラグにセットして大当たり終了インターバルに対応する時間(以下「大当たり終了対応時間」という)を待ち時間タイマにセットする。これにより、大当たり終了対応時間を経過したのち、ステップ79を実行するように設定する。いすれも満たされない場合は大入賞口再開放待ち時間管理を示すデータ“06”を制御状態フラグにセットする。また、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットし、その待ち時間を経過したのち、ステップ76を実行するように設定する。
【0089】
ステップ79に進むと、大当たり終了インターバルが行われる。このステップでは制御状態フラグが大当たり終了インターバルを示すデータ“07”であるときに以下の処理が行われ、“07”でなければ行われないようになっている。メインCPU31は、大当たり終了インターバルに対応する時間だけ待機して、特別図柄ゲーム終了を示すデータ“08”を制御状態フラグにセットする。メインCPU31は所定の確率変動条件を満たした場合(大当たり図柄が確変大当たり図柄になったとき)に、大当たり確率を変動させるため、高確率フラグに所定のデータをセットする。
【0090】
ステップ80に進むと、特別図柄ゲーム終了処理を行う。制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示すデータ“08”であるときに以下の処理が行われ、“08”でなければ行われないようになっている。メインCPU31は、保留個数を示すデータを“1”減らすように更新し、大当たり判定用乱数カウンタ、大当たり停止態様選択用乱数カウンタの各カウント値を順次シフトさせる。ステップ80が終了すると、ステップ2の特別図柄制御処理が終了し、ステップ3に進む。
【0091】
ステップ3では、液晶表示装置15に表示される普通図柄に関する制御を行う普通図柄制御処理が行われる。処理を開始すると、普通図柄制御状態フラグを読出し、そのフラグに応じて普通図柄の可変表示時間、停止表示された普通図柄の態様を監視する。そして、その普通図柄の態様が所定の態様であるときは普通電動役物の開放、閉鎖を示す変数をメインRAM33に記憶して、普通図柄制御処理が終了する。
【0092】
ステップ3に続いてステップ4に進み、乱数更新処理を行う。ここでは、はずれ図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、演出条件選択用乱数値などを所定の演算方法により更新する乱数更新処理を行って処理を終了する。そして、ステップ2に戻り繰返しルーチンが繰り返し行われる。
【0093】
(システムタイマ割込処理の動作手順)
主制御回路30では、上述したメイン制御処理とともに、割込許可フラグが設定されていることを条件に、主として、メイン制御処理で用いられる乱数を更新するため、定期的(例えば2msごと)にメイン制御処理に割込むシステムタイマ割込み処理を図13に示すフローチャートに沿って実行している。以下、システムタイマ割込処理の動作手順を図13に示すフローチャートを参照して説明する。
【0094】
図13に示すように、パチンコ遊技機1は、システムタイマ割込処理を開始すると、ステップ91で、メモリ内の記憶領域(レジスタ)に記憶された、メイン制御処理における実行中のプログラムを一旦退避させてステップ92に進む。ステップ92ではメインCPU31が、大当たりの判定や識別図柄の可変パターンに用いる乱数の更新処理を行い、続くステップ93ではスイッチ入力検出処理を行う。
【0095】
スイッチ入力検出処理では、賞球関連スイッチの入力チェック、特別図柄ゲーム関連のスイッチ入力チェック、普通図柄関連のスイッチ入力チェックを行う。特別図柄ゲーム関連のスイッチ入力チェックでは、Vカウントスイッチ11S、カウントスイッチ11CS、始動入賞口スイッチ9Sそれぞれの検出信号の出力チェックを行い、始動入賞口スイッチ9Sからの出力があると、始動記憶数カウンタが4未満のときに以下の処理を行い、4以上の場合は以下の処理を行わない(可変表示中や大当り中に始動入賞口9に遊技球が入賞した場合は最大4つまで始動記憶として乱数を記憶するため)。
【0096】
そして、大当たり判定用乱数カウンタから大当たり判定用乱数値を抽出し、大当たり停止態様選択用乱数カウンタから大当たり図柄用乱数値を抽出する。また、抽出した大当たり判定用乱数値および大当たり図柄用乱数値をメインRAM33に記憶させ、これらの乱数値がステップ115〜ステップ117における大当たり判定用前処理、大当たり判定処理および大当りの図柄決定処理に用いられる。これをもってスイッチ入力検出処理を終了する。
【0097】
次にステップ94に進み、タイマ更新処理によって、主制御回路30と副制御回路40の同期をとるタイマなどを更新し、続くステップ95では、遊技情報データ生成処理を行い、パチンコ遊技機1から図示しないホールコンピュータへの出力信号を生成する。続いてステップ96に進み、メインRAM33に記憶されているデータに基づき各ソレノイド、モータのON,OFFを制御するなどして出力処理を行い、続くステップ97で図柄指定コマンド等各種コマンドを出力するコマンド出力を行い、各種コマンドを副制御回路40に出力する。また、ステップ98,99と続いて、ランプ制御処理(ランプ点灯用の信号を副制御回路40に出力する処理)および払出処理(賞球数を示すデータを含む賞球コマンドを払出装置81に出力する処理)を順次実行する。なお、払出装置81は賞球コマンドに対応する賞球の払出しを行う。また、ステップ100では退避させたメイン制御処理のプログラムのレジスタを復帰させ、メイン制御処理を中断した(退避させた)時点から再開する。さらに、ステップ101に進んで、メインRAM33の変数、フラグ等を更新して割込許可を行うと、システムタイマ割込処理が終了する。
【0098】
(遊技用プログラムの実施の形態)
パーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という)などの情報処理装置を用いて上述のパチンコ遊技機1で実現されるパチンコ遊技を行うための遊技用プログラムの実施の形態について説明する。図24は、遊技用プログラムを実行するパソコン300を示す正面図である。なお、パソコン300は、パチンコ遊技機1に備えられている遊技釘や遊技球を備えていないので、パソコン300におけるパチンコ遊技はあたかも遊技釘を備えた遊技領域を遊技球が通過するような画像を用いて行われ、パチンコ遊技機1で実現されるパチンコ遊技の擬似的なものとなっている。
【0099】
図24に示すように、パソコン300は、コンピュータ本体301と、表示領域302に画像を表示する表示装置303と、遊技者や操作者が操作入力を行うキーボード、マウスを含み、発射ハンドル6cと同様の機能を実現し得る操作入力装置304とを有している。コンピュータ本体301には表示装置303と操作入力装置304とが接続されている。
【0100】
コンピュータ本体301は、少なくともCPU,ROM,RAMを有し、そのCPUがRAMに記憶されているデータを用い、ROMに記憶されている遊技用プログラムを含む制御プログラムにしたがい作動して、パチンコ遊技機1で実現されるパチンコ遊技が擬似的に行えるようになっている。
【0101】
そして、その遊技用プログラムは、上述したメイン制御処理、サブ制御処理、システムタイマ割込み処理を実行するためのプログラムが含まれていて、パソコン300に対し、以下の1)〜5)までの各機能を実現させることができるようになっている。
【0102】
1)表示装置303に複数種類の識別図柄の可変表示を行わせる表示制御機能
2)表示装置303に停止表示され、遊技状態が大当たり状態に移行することを示す複数種類の大当り図柄を含む識別図柄の表示態様を決定する決定機能
【0103】
3)複数種類の大当たり図柄のうち、それぞれ複数種類の確変大当りと通常大当りのそれぞれにおける各大当り図柄の振分率を設定するための入力操作を操作入力装置304を用いて操作者に行わせる機能
【0104】
4)確変大当りと通常大当りのそれぞれについて、操作者の操作入力装置304を用いて入力操作にしたがい各大当り図柄の振分率を設定する機能
5)設定された振分率を記憶させる機能
【0105】
この遊技用プログラムをCPUがROMから読み出し実行することによって、パソコン300において、上述したパチンコ遊技機1におけるパチンコ遊技の擬似的なパチンコ遊技を行える。
【0106】
パソコン300において、遊技用プログラムはROMに記憶されているが、CD−ROM等の記憶媒体に記憶させておいてもよい。また、図25に示すように、パソコン300がネットワーク400を介して、遊技用プログラムを記憶しているサーバ401に接続され、そのサーバ401から遊技用プログラムをダウンロードするようにしてもよい。パソコン300の代わりに、携帯電話などの携帯端末で遊技用プログラムを実行するようにしてもよい。
【0107】
(その他の変形例)
上述のパチンコ遊技機1では、ボタンユニット79を用いたボタン操作を行えるようにしているが、DIPスイッチやダイヤル操作によって、振分率の設定などが行えるようにしてもよい。設定された振分率と選択した広告画像を確認する画像を表示しないようにしてもよい。また、振分率の設定と広告画像の選択を行える状態に制約を設けているが、その制約を変えて図柄の可変表示が行われない客待ち状態で行えるようにしてもよいし、制約を無くし、いつでも行えるようにしてもよい。また、振分率の設定可能であることを報知しないようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を正面側から示す斜視図である。
【図2】図1に示すパチンコ遊技機の分解斜視図である。
【図3】図1に示すパチンコ遊技機の背面側から示す斜視図である。
【図4】図2に示す遊技盤の正面図である。
【図5】図1に示すパチンコ遊技機の部分断面図である。
【図6】内部の構成を中心に示すパチンコ機のブロック図である。
【図7】電源を投入したあとに主制御回路により繰返し実行されるメイン制御処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図8】初期設定処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図9】サブ制御処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図10】演出制御処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図11】飾り図柄振分率設定処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図12】特別図柄制御処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図13】システムタイマ割込処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図14】特別図柄記憶チェック処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図15】ボタンユニットを示す正面図である。
【図16】設定画像を示す図である。
【図17】設定確認画像を示す図である。
【図18】液晶表示装置に表示される飾り図柄および判定用図柄を示し、(A)ははずれ図柄、(B)は可変表示中、(C)はリーチ状態、(D)は大当たり図柄をそれぞれ示す図である。
【図19】(A)は確変図柄決定用テーブル、(B)は非確変図柄決定用テーブルを示す図である。
【図20】ホールロゴ選択画像を示す図である。
【図21】図20に続いて表示されるロゴ選択画像を示す図である。
【図22】選択確認画像を示す図である。
【図23】対応広告画像を含む客待ち画像を示す図である。
【図24】遊技用プログラムを実行するパソコンを示す正面図である。
【図25】図24のパソコンと、ネットワークを介して接続されるサーバとを示す正面図である。
【符号の説明】
【0109】
1…パチンコ遊技機、4…遊技盤、4a…遊技領域
15…液晶表示装置(表示装置)、15a…表示領域
24…電源供給ユニット(電源供給手段)
27…モード切換スイッチ(切換操作手段)
30…主制御回路、40…副制御回路
31…メインCPU、32…メインROM
33…メインRAM、43…サブRAM
41…サブCPU、42…サブROM
73…広告画像データ記憶部
79…ボタンユニット、91…設定画像
92…設定確認画像、101…ロゴ選択画像
300…パソコン、301…コンピュータ本体
302…表示領域、303…表示装置
304…操作入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域を有する表示装置と、該表示装置に複数種類の識別図柄の可変表示を行わせる表示制御手段と、前記表示装置に表示され、遊技状態が大当たり状態に移行することを示す複数種類の特別表示態様を含む前記識別図柄の表示態様を決定する決定手段とを有する遊技機であって、
前記複数種類の特別表示態様のうち、前記大当たり状態終了後において、前記決定手段により、前記識別図柄の表示態様を前記特別表示態様にすると決定される確率が相違するそれぞれ複数種類の第1、第2の特別表示態様のそれぞれにおける前記各特別表示態様の振分率を設定するための入力操作を操作者が行う操作手段と、
前記第1、第2の特別表示態様のそれぞれについて、前記操作手段を用いた操作者の入力操作にしたがい前記各特別表示態様の振分率を設定する設定手段と、
該手段により設定された前記振分率を記憶する振分率記憶手段とを有することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記設定手段によって設定された前記振分率を報知する振分率報知手段を更に有することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記操作手段を用いた前記振分率を設定するための入力操作を可能にする入力可能条件を設定する条件設定手段を更に有することを特徴とする請求項1または2記載の遊技機。
【請求項4】
前記条件設定手段は、電源が投入されたときに前記振分率の設定可となるようにして、前記入力可能条件を設定することを特徴とする請求項3記載の遊技機。
【請求項5】
前記入力可能条件に基づいて、前記振分率の設定可であることを報知する報知手段を更に有することを特徴とする請求項3または4記載の遊技機。
【請求項6】
表示装置に複数種類の識別図柄の可変表示を行わせる表示制御機能と、前記表示装置に停止表示され、遊技状態が大当たり状態に移行することを示す複数種類の特別表示態様を含む前記識別図柄の表示態様を決定する決定機能とを有する遊技用プログラムであって、
前記複数種類の特別表示態様のうち、前記大当たり状態終了後において、前記決定機能により、前記識別図柄の表示態様を前記特別表示態様にすると決定される確率が相違するそれぞれ複数種類の第1、第2の特別表示態様のそれぞれにおける前記各特別表示態様の振分率を設定するための入力操作を操作者に行わせる機能と、
前記第1、第2の特別表示態様のそれぞれについて、前記操作者の入力操作にしたがい前記各特別表示態様の振分率を設定する機能と、
該機能により設定された前記振分率を記憶させる機能とをコンピュータに実現させるための遊技用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2006−43219(P2006−43219A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−229877(P2004−229877)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】