説明

遊技機の制御素子

【課題】正規実装方向と異なる方向には差し込み不可能である制御素子を提供する。
【解決手段】CPU1は、集積回路等を内蔵した略直方体の本体部分2と、その長辺両側部に多数配設された鉤型の端子3,3・・とからなる。本体部分2短辺の一側面には窪み4が刻設されている。そして本体部分2の裏面側(制御基板側)の中央より窪み4寄りには、端子3,3・・より長い円柱状の突起5が突設されている。一方制御基板6には、端子3,3・・に対応する位置に接続口9,9・・が穿設された梯子状のソケット7が設置されている。そして、突起5に対応する位置に逃げ口8が穿設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機をはじめとする遊技機に内蔵されている制御素子に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種であるパチンコ機には遊技内容を制御する制御装置が内蔵されており、その中には情報を処理する制御素子(CPU・ROM等)が実装されている。その実装手段として図13に示すように、制御素子90の端子91,91・・をソケット(端子91,91・・に対応する接続口92,92・・をもつ梯子状部材)93に差し込み実装する方法が一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】平成9年特許願第336153号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来の制御素子90は、端子91,91・・の配置及び形状が中心に関して点対称に形成されているので、正規方向と逆方向に差し込むことが可能である。もし誤って逆方向に差し込んで通電すると、制御素子90のみならず制御装置全体を破損してしまうおそれがある。遊技機の制御装置においては特に制御素子90の一種であるCPU(中央処理装置)がたびたびチェックされるため、この差し込みミスが問題となる。
【0005】
本発明は、そのような差し込みミスが起こらないような遊技機の制御素子を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため請求項1に記載の発明は、制御素子の本体部分に、端子を中心に関して非点対称となるように配設することによって逆方向に差し込み不可としたものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、制御素子の本体部分に、他の端子と形状の異なる端子を少なくとも1つ、中心に関して非点対称となるように配設することによって逆方向に差し込み不可としたものである。
【0008】
加えて、制御素子は、本体部分の裏面側に、突起が中心に関して非点対称に突設されているものとし、正規実装方向と逆方向に差し込み不可とすることも可能である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によって、遊技機の制御装置に実装する制御素子を、誤って逆方向に差し込んで通電し、制御装置の一部または全体を破損してしまうという事態を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る制御素子であるCPUおよびソケットの斜視図である。
【図2】CPUが制御基板に実装される状況を示す説明図である。
【図3】CPUが制御基板に実装される状況を示す説明図である。
【図4】CPUを収納するケースの斜視説明図およびその拡大図である。
【図5】CPUおよびソケットの斜視図である。
【図6】CPUが制御基板に実装される状況を示す説明図である。
【図7】CPUが制御基板に実装される状況を示す説明図である。
【図8】CPUを収納するケースの斜視説明図およびその拡大図である。
【図9】CPUおよびソケットの斜視図である。
【図10】CPUが制御基板に実装される状況を示す説明図である。
【図11】CPUが制御基板に実装される状況を示す説明図である。
【図12】CPUを収納するケースの斜視説明図である。
【図13】従来のCPUおよびソケットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[発明の実施の形態1]
以下、本発明に係る制御素子について図面に基いて説明する。図1(A)は制御素子の一種であるCPU1の斜視図であり、図1(B)はソケット7の斜視図である。図2および図3はCPU1が制御基板6に実装される状況を示す説明図である。CPU1は、集積回路等を内蔵した略直方体の本体部分2と、その長辺両側部に多数配設された鉤型の端子3,3・・とからなる。本体部分2短辺の一側面には窪み4が刻設されている。そして本体部分2の裏面側(制御基板側)の、中央より窪み4寄りには端子3,3・・より長い円柱状の突起5が突設されている。
【0012】
一方、制御基板6にはソケット7が設置されているとともに、突起5に対応する位置に逃げ口8が穿設されている。ソケット7は梯子状を呈し、その長辺表側には端子3,3・・に対応する接続口9,9・・が穿設されている。接続口9,9・・の裏側にはピン10,10・・が垂設されており、制御基板6を貫通して裏面ではんだ付けされている。制御基板6にはその表裏面に回路網(図示せず)が張りめぐらされているので、図3に示すようにCPU1を正規方向で実装すると、端子3,3・・と、ピン10,10・・と、および制御基板6上の回路(図示せず)とが電気的に接触し、他の制御素子と情報伝達がなされる。このように構成されたCPU1は、正規方向ならば突起5は逃げ口8に入って差し込み可能であるが、逆方向では突起5が制御基板6につかえて差し込めず実装できない。
【0013】
図4はCPU1の収納ケース11の斜視図およびその拡大図である。CPU1は、筒状で断面略凹型(ただし中央は仕切られていない)を呈した樹脂製の収納ケース11に、縦一列に収納可能となっている。収納ケース11の両端にはストッパー12が着脱自在に設けられている。
【0014】
CPU1は点検のためたびたび脱着することがあるが、上記実施形態1の構成を採用すれば正規方向以外には差し込み不可能であるから、誤って逆方向に差し込んで通電し制御装置を破損してしまうようなことは起こらない。また、ケース11に収納されたCPU1は突起5を持ってスライドさせることができるので扱いやすい上に、突出した突起5を見ればケース11内のCPU1の残数がすぐにわかる。
【0015】
[発明の実施の形態2]
図5(A)は本発明に係る制御素子の一種である別のCPU13の斜視図であり、図5(B)はソケット18の斜視図である。図6および図7はCPU13が制御基板17に実装される状況を示す説明図である。CPU13は、集積回路等を内蔵した略直方体の本体部分14と、その長辺両側部に多数配設された鉤型の端子15,15・・と、および短辺の一側部に設けられた、前記端子15,15・・よりも幅広い一対の大端子16,16とからなる。
【0016】
一方、制御基板17にはソケット18が設置されている。ソケット18は梯子状を呈し、その長辺表側には端子15,15・・に対応する接続口19,19・・が、またソケット18の短辺表側には大端子16,16に対応する接続口20,20が、それぞれ穿設されている。各接続口19,19・・、20,20の裏側にはピン21,21・・が垂設されており、制御基板17を貫通して裏面ではんだ付けされている。制御基板17にはその表裏面に回路網(図示せず)が張りめぐらされているので、図7に示すようにCPU13を正規方向で実装すると、端子15,15・・と、大端子16,16と、ピン21,21・・と、および制御基板17上の回路(図示せず)とが電気的に接触し、他の制御素子と情報伝達がなされる。このように、大端子16,16および接続口20,20はCPU13およびソケット18の一側部だけに設けられたものであるから、CPU13は逆方向には差し込めず実装できない。
【0017】
図8はCPU13の収納ケース22の斜視図およびその拡大図である。CPU13は筒状の収納ケース22に縦一列に収納可能となっている。収納ケース22の両端にはストッパー23が着脱自在に設けられている。
【0018】
CPU13は点検のためたびたび脱着することがあるが、上記実施形態2の構成を採用すれば正規方向以外には差し込み不可能であるから、誤って逆方向に差し込んで通電し制御装置を破損してしまうようなことは起こらない。
【0019】
[発明の実施の形態3]
図9(A)は本発明に係る制御素子の一種であるさらに別のCPU24の斜視図であり、図9(B)はソケット28の斜視図である。図10および図11はCPU24が制御基板27に実装される状況を示す説明図である。CPU24は、集積回路等を内蔵した台形の本体部分25と、その斜辺両側部に多数配設された鉤型の端子26,26・・とからなる。
【0020】
制御基板27にはソケット28が設置されている。ソケット28は台形で梯子状を呈し、その斜辺表側には端子26,26・・に対応する接続口29,29・・が穿設されている。接続口29,29・・の裏側にはピン30,30・・が垂設されており、制御基板27を貫通して裏面ではんだ付けされている。制御基板27にはその表裏面に回路網(図示せず)が張りめぐらされているので、図11に示すようにCPU24を正規方向で実装すると、端子26,26・・と、ピン30,30・・と、および制御基板27上の回路(図示せず)とが電気的に接触し、他の制御素子と情報伝達がなされる。このように、本体部分25およびそれに対応するソケット28は台形であるから、CPU24は逆方向には差し込めず実装できない。
【0021】
図12はCPU24の収納ケース31の斜視図である。収納ケース31は外箱32と内箱33とからなり、両者は摺動してマッチ箱様の形態となっている。内箱33には、台形のCPU24を横姿勢に交互に並べられるようにジグザグに溝34が設けられている。
【0022】
CPU24は点検のためたびたび脱着することがあるが、上記実施形態3の構成を採用すれば正規方向以外には差し込み不可能であるから、誤って逆方向に差し込んで通電し制御装置を破損してしまうようなことは起こらない。また、箱様の収納ケース31を採用すれば、台形のCPU24をコンパクトに保管できる。
【0023】
なお、本発明の制御素子は上記実施形態1乃至3に何ら限定されるものではなく、本体部分の形状、端子の形状や数、突起の形状や配置、制御基板、ソケット、接続口、ピン、収納ケースの材質・形状、ストッパー、など、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で適宜変更できる。また、上記実施形態1乃至3ではいずれもCPUに本発明を実施した場合について説明したが、勿論ROMその他の制御素子にも適用できる。
【符号の説明】
【0024】
1・・CPU(中央処理装置)
2・・本体部分
3・・端子
4・・窪み
5・・突起
6・・制御基板
7・・ソケット
8・・逃げ口
9・・接続口
10・・ピン
11・・収納ケース
12・・ストッパー
13・・CPU
14・・本体部分
15・・端子
16・・大端子
17・・制御基板
18・・ソケット
19・・接続口
20・・接続口
21・・ピン
22・・収納ケース
23・・ストッパー
24・・CPU
25・・本体部分
26・・端子
27・・制御基板
28・・ソケット
29・・接続口
30・・ピン
31・・収納ケース
32・・外箱
33・・内箱
34・・溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の制御基板上に実装される制御素子であって、本体部分に、端子が中心に関して非点対称となるように配設されていることを特徴とする遊技機の制御素子。
【請求項2】
遊技機の制御基板上に実装される制御素子であって、本体部分に、他の端子と形状の異なる端子が少なくとも1つ、中心に関して非点対称となるように配設されていることを特徴とする遊技機の制御素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−254900(P2009−254900A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−185934(P2009−185934)
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【分割の表示】特願平11−54266の分割
【原出願日】平成11年3月2日(1999.3.2)
【出願人】(000241234)豊丸産業株式会社 (428)
【Fターム(参考)】