説明

遊技機の梱包装置及び梱包装置の制御方法

【課題】簡明な構成で安定した梱包作動が可能な梱包装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】第1シートと第2シートとを重ね合わせて挟み込みシートの幅方向に溶着及び切断する溶着切断機構50と、遊技機を移動させてシートを巻き付けさせる移動機構30とを備えてなる梱包装置において、溶着切断機構50は、前後に対向して設けられ第1及び第2シートを外側から挟み込んで溶着する上下の溶着プレート61,62と、上下の溶着構造の間に設けられた切断プレート63,64とから構成される。この梱包装置では、上下の溶着プレートが第1及び第2シートを挟み込んだときに切断プレートが第1及び第2シートを斜め上下に挟み込んで重複部でシートを溶融させ、その後切断プレートがさらに相互に噛み込んで重複部を引き離して切断するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機を出荷する際に用いられる梱包装置に関し、なお詳細には薄いフィルム状のシートで遊技機を包み込んで包装する遊技機の梱包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やアレンジボール機、スロットマシンなどの遊技機は、出荷状態の厳格な管理が求められており、遊技機メーカでは工場から遊技施設に出荷する最終出荷段階で証紙番号が印字された証紙を1台ごとに貼付して出荷するようになっている。このため、遊技機メーカからトラックに荷積みされた遊技機は、出荷後比較的短期間で遊技施設に納入され遊技施設の島設備に設置固定される。このようなことから遊技機の梱包は、輸送中の防塵を主たる目的としており、一般的に薄いフィルム状のシートを証紙貼付後の遊技機に覆い被せて包む包装形態の梱包が用いられている。近年では、遊技機生産工場において自動化、省力化が進んでおり、出荷に際しての梱包についても、これを自動で行う梱包装置が考案されつつある。
【0003】
このような梱包装置として、薄いフィルム状のシートを筒状に形成した封袋材料を用い、これを遊技機に覆い被せて梱包する梱包装置が提案されている。具体的には、梱包ロールに巻き取られた封袋材料を遊技機の寸法に合わせて所定寸法繰り出し、上端部を溶着及び切断して上縁及び左右両側縁の三方が封止された封袋を作り、これを遊技機の上方から覆い被せて袋掛けする自動梱包装置が知られている。(例えば特許文献1を参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平10−1104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、遊技機の包装に用いられる梱包シートは、シート素材の厚さが薄い一方で幅及び長さ寸法が大きいため、梱包ロールから繰り出した後の取り扱いが難しく、自動機で安定した作動を確保し難いという問題がある。例えば、前後のシートを溶着し及び切断する溶着切断機構は、熱可塑性樹脂が比較的低温で軟化、溶融する性質を利用して、熱的に溶着し溶断する機構構成が一般的に用いられているが、この溶着、溶断部分の品質が気候変化や素材の変化等により影響を受けやすいという問題があった。
【0006】
すなわち、溶着切断機構では、樹脂材料の軟化温度まで昇温した溶着プレートで梱包シートを挟み込み前後のシートを軟化させて加圧接着し、また樹脂材料の溶融温度までヒータで昇温した切断プレートで梱包シートを挟み込んで前後のシートを溶融して切断(溶断)している。溶着プレート及び溶断プレートは各プレートごとに温度管理を行っているが、梱包装置が出荷ラインの終端近傍に配置される特異性も伴って、季節変化に伴う周囲温度の変化や風による冷却効果等によって、各プレート先端の機能部分(溶着部、切断部)の温度が変化しやすく、とくに高温に設定される溶断プレートではその温度変化が大きくなる。このような点から、季節に応じて各プレートの設定温度を変化させ、また出荷作業に先立って一定時間テスト運転を行っているが、それでも梱包シートがうまく切断されずにシートが引っ掛かったり引き裂かれたりする不具合が発生することがあり、作業が繁雑であるとともに自動化、省力化の効果が上がらないという問題があった。
【0007】
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、梱包シートを安定的に溶着・切断し作動安定性を高めた梱包装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の梱包装置は、遊技機を熱可塑性樹脂のシートで包装する梱包装置であって、遊技機の前面側を覆うための長尺状の第1シートが巻かれた第1梱包ロール及び遊技機の後面側を覆うための長尺状の第2シートが巻かれた第2梱包ロールを前後に並べて回動可能に支持し、各梱包ロールから引き出された第1シート及び第2シートを繰り出し自在に配設するロール保持部と、第1梱包ロールから繰り出されて下垂する第1シートと第2梱包ロールから繰り出されて下垂する第2シートとを前後に重ね合わせて外側から挟み込みこれらのシートを幅方向に溶着し及び切断する溶着切断機構と、溶着切断機構により溶着されて接合されたシートの内面に遊技機の一側面を当接させ、遊技機を相対的に下方に移動させて接合されたシートを巻き付けさせる移動機構(例えば、実施形態におけるハンドリングロボット30)とを備えて構成される。上記溶着切断機構は、下垂する第1シートの外面側及び第2シートの外面側に位置して前後に対向して設けられ、第1シート及び第2シートを外側から挟み込んで溶着する上下の溶着構造(例えば、実施形態における上下各一対の溶着プレートからなる溶着構造)と、上下の溶着構造の間に設けられて第1及び第2シートの被溶着部の間を切断する切断構造(例えば、実施形態における第1及び第2切断プレートからなる切断構造)とから構成される。そしてこの梱包装置では、上下の溶着構造が第1及び第2シートを挟み込んだときに切断構造が第1及び第2シートを斜め上下に挟み込んで重複部でこれらのシートを溶融させたうえ、切断構造がさらに相互に噛み込んで溶融させた重複部を引き離して切断するように構成される。
【0009】
なお、上記上下の溶着構造は、下垂する第1シートの外面側に位置して前後にスライド変位可能に設けられた上部第1溶着部材及び下部第1溶着部材(例えば、実施形態における上部第1溶着プレート61U及び下部第1溶着プレート61L)と、第2シートの外面側に位置して前後にスライド変位可能に設けられた上部第2溶着部材及び下部第2溶着部材(例えば、実施形態における上部第2溶着プレート62U及び下部第2溶着プレート62L)とを有し、切断構造は、上部第1溶着部材及び下部第1溶着部材の間に位置して前後にスライド変位可能に設けられた第1切断部材(例えば、実施形態における第1切断プレート63)と、上部第2溶着部材及び下部第2溶着部材の間に位置して前後にスライド変位可能に設けられた第2切断部材(例えば、実施形態における第2切断プレート64)とを有して構成され、上部第1溶着部材及び上部第2溶着部材からなる上部溶着構造と、下部第1溶着部材及び下部第2溶着部材からなる下部溶着構造とが、それぞれ第1及び第2シートを挟み込んでこれらのシートを上下で溶着し、第1切断部材と第2切断部材とが第1及び第2シートを斜め上下に挟み込んで重複部においてこれらのシートを溶融させたうえで、第1切断部材と第2切断部材とがさらに前後に噛み込んで溶融させた重複部を切断するときに、上部溶着構造と下部溶着構造とが第1及び第2シートを挟み込んだまま前後に相対変位して、重複部の切断を補助するように構成することが好ましい。
【0010】
また、上部第1溶着部材、下部第1溶着部材、上部第2溶着部材、下部第2溶着部材、第1切断部材、及び第2切断部材を前後にスライド変位させるスライド機構は、上部第1溶着部材と第1切断部材とを一体的に前後にスライド変位させる上部第1シリンダ、下部第1溶着部材を前後にスライドさせる下部第1シリンダ、上部第2溶着部材を前後にスライド変位させる上部第2シリンダ、及び第2切断部材と第2溶着部材とを一体的に前後にスライド変位させる下部第2シリンダと、これらのシリンダの作動を制御するシリンダ制御装置(例えば、実施形態における梱包制御装置)とを備え、シリンダ制御装置が各シリンダの作動を制御することにより、第1及び第2シートの溶着及び切断作動を制御するように構成することが好ましい。なお、シリンダの作動を制御する具体的手段として、例えば各シリンダに供給する作動媒体の圧力設定、供給タイミング、供給速度、設定圧力の変更、及びこれらの組み合わせなどが例示される。
【0011】
また上記目的を達成するため、本発明の梱包装置の制御方法は、遊技機の前面側を覆うための長尺状の第1シートが巻かれた第1梱包ロール及び遊技機の後面側を覆うための長尺状の第2シートが巻かれた第2梱包ロールを前後に並べて回動可能に支持し、各梱包ロールから引き出された第1シート及び第2シートを繰り出し自在に配設するロール保持部と、第1梱包ロールから繰り出されて下垂する第1シートと第2梱包ロールから繰り出されて下垂する第2シートとを前後に重ね合わせて外側から挟み込みこれらのシートを幅方向に溶着し及び切断する溶着切断機構と、溶着切断機構により溶着されて接合されたシートの内面に遊技機の一側面を当接させ、遊技機を相対的に下方に移動させて接合されたシートを巻き付けさせる移動機構(例えば、実施形態におけるハンドリングロボット30)とを備え、上記溶着切断機構が、下垂する第1シートの外面側及び第2シートの外面側に位置して前後に対向して設けられ、第1シート及び第2シートを外側から挟み込んで溶着する上下の溶着構造(例えば、実施形態における上下各一対の溶着プレートからなる溶着構造)と、上下の溶着構造の間に設けられて第1及び第2シートの被溶着部の間を切断する切断構造(例えば、実施形態における第1及び第2切断プレートからなる切断構造)とから構成される遊技機の梱包装置の制御方法である。そのうえで、この梱包装置の制御方法は、上下の溶着構造により第1及び第2シートを挟み込ませてこれらのシートを溶着させる第1の工程と、切断構造により第1及び第2シートを斜め上下に挟み込ませて重複部においてこれらのシートを溶融させる第2の工程と、切断構造をさらに相互に噛み込ませ溶融させた重複部を引き離して切断する第3の工程とを有して構成される。
【0012】
なお、上記上下の溶着構造が、下垂する第1シートの外面側に位置して前後にスライド変位可能に設けられた上部第1溶着部材及び下部第1溶着部材(例えば、実施形態における上部第1溶着プレート61U及び下部第1溶着プレート61L)と、第2シートの外面側に位置して前後にスライド変位可能に設けられた上部第2溶着部材及び下部第2溶着部材(例えば、実施形態における上部第2溶着プレート62U及び下部第2溶着プレート62L)とを有して構成され、切断構造は、上部第1溶着部材及び下部第1溶着部材の間に位置して前後にスライド変位可能に設けられた第1切断部材(例えば、実施形態における第1切断プレート63)と、上部第2溶着部材及び下部第2溶着部材の間に位置して前後にスライド変位可能に設けられた第2切断部材(例えば、実施形態における第2切断プレート64)とを有して構成される梱包装置について、上記第1の工程では、上部第1溶着部材及び上部第2溶着部材からなる上部溶着構造と、下部第1溶着部材及び下部第2溶着部材からなる下部溶着構造とが、それぞれ第1及び第2シートを挟み込んでこれらのシートを上下で溶着し、第2の工程では、第1切断部材と第2切断部材とが第1及び第2シートを斜め上下に挟み込んで重複部においてこれらのシートを溶融させ、第3の工程で第1切断部材と第2切断部材とがさらに前後に噛み込んで溶融させた重複部を切断するときに、上部溶着構造と下部溶着構造とが第1及び第2シートを挟み込んだまま前後に相対変位して、重複部の切断を補助するように構成することが好ましい。
【0013】
また、上部第1溶着部材、下部第1溶着部材、上部第2溶着部材、下部第2溶着部材、第1切断部材、及び第2切断部材を前後にスライド変位させるスライド機構が、上部第1溶着部材と第1切断部材とを一体的に前後にスライド変位させる上部第1シリンダ、下部第1溶着部材を前後にスライド変位させる下部第1シリンダ、上部第2溶着部材を前後にスライド変位させる上部第2シリンダ、及び下部第2溶着部材と第2切断部材とを一体的に前後にスライド変位させる下部第2シリンダと、これらのシリンダの作動を制御するシリンダ制御装置(例えば、実施形態における梱包制御装置)とを備えて構成される梱包装置について、上記第1の工程及び第2の工程は、シリンダ制御装置が上部第1シリンダ、下部第1シリンダ、上部第2シリンダ、及び下部第2シリンダを同時に作動させて、上部溶着構造及び下部溶着構造による溶着と、切断構造による重複部の溶融とを行わせ、第3の工程で、シリンダ制御装置がそれぞれ対向するシリンダの作動を制御することにより、切断構造による第1及び第2シートの切断と、上部溶着構造及び下部溶着構造の相対変位による切断補助とを行わせるように構成することが好ましい。なお、シリンダの作動を制御する具体的手段として、例えば対向するシリンダに供給する作動媒体の圧力設定、供給タイミング、供給速度、設定圧力の変更、及びこれらの組み合わせなどが例示される。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の梱包装置では、第1シートと第2シートとを前後に重ね合わせて挟み込みこれらのシートを幅方向に溶着し及び切断する溶着切断機構が、第1及び第2シートを外側から挟み込んで溶着する上下の溶着構造と、これら上下の溶着構造により溶着された第1及び第2シートの被溶着部の間を切断する切断構造とから構成され、上下の溶着構造が第1及び第2シートを挟み込んだときに切断構造が第1及び第2シートを斜め上下に挟み込んで重複部でこれらのシートを溶融させたうえ、切断構造がさらに相互に噛み込んで溶融させた重複部を引き離して切断するように構成される。すなわち、本構成の梱包装置では、単に溶融温度まで昇温した前後の切断プレートを突き当てて先端部で梱包シートを挟み込みシートを溶断するのではなく、第1及び第2シートを斜め上下に挟み込む重複部を設けてシートを溶融させたうえ、切断構造がさらに相互に噛み込んで溶融させた重複部を引き離して切断するように構成される。このため、第1及び第2シートは、比較的周囲温度変化等の影響を受けにくい重複部において充分に溶融されたうえ、溶融した重複部が引き離されることで確実に切断される。これにより、梱包シートを安定して切断し作動安定性を高めた梱包装置を提供することができる。
【0015】
請求項2に記載の梱包装置では、上下の溶着構造が、第1シートの外面側に位置して前後にスライド変位可能に設けられた上部及び下部第1溶着部材と、第2シートの外面側に位置して前後にスライド変位可能に設けられた上部及び下部第2溶着部材とを有して構成され、切断構造が、上下の第1溶着部材の間に位置して前後にスライド変位可能に設けられた第1切断部材と、上下の第2溶着部材の間に位置して前後にスライド変位可能に設けられた第2切断部材とを有して構成される。そして、上部第1溶着部材及び上部第2溶着部材からなる上部溶着構造と、下部第1溶着部材及び下部第2溶着部材からなる下部溶着構造とが、それぞれ第1及び第2シートを挟み込んでこれらのシートを上下で溶着し、第1切断部材と第2切断部材とが第1及び第2シートを斜め上下に挟み込んで重複部においてこれらのシートを溶融させたうえ、第1切断部材と第2切断部材とがさらに前後に噛み込んで溶融させた重複部を切断するときに、上部溶着構造と下部溶着構造とが第1及び第2シートを挟み込んだまま前後に相対変位して重複部の切断を補助するように構成される。すなわち、本構成の梱包装置では、第1切断部材と第2切断部材とが溶融した重複部を切断するときに、上下の溶着構造がシートを挟み込んだまま前後に相対変位して重複部を挟む前方と後方とに移動する。このため、重複部において溶融した第1,第2シートが上下の溶着構造に引っ張られるように引き離され、重複部を境にして確実に切断される。これにより、梱包シートの切断がより確実かつ安定的に行われ、作動安定性をさらに高めた梱包装置を提供することができる。
【0016】
請求項3に記載の梱包装置では、上下の第1溶着部材、上下の第2溶着部材、第1及び第2切断部材を前後にスライド変位させるスライド機構が、上部第1溶着部材と第1切断部材とを一体的にスライド変位させる上部第1シリンダ、下部第1溶着部材をスライド変位させる下部第1シリンダ、上部第2溶着部材をスライド変位させる上部第2シリンダ、及び下部第2溶着部材と第2切断部材とを一体的にスライド変位させる下部第2シリンダと、これらのシリンダの作動を制御するシリンダ制御装置とを備え、シリンダ制御装置が各シリンダの作動を制御することにより、第1及び第2シートの溶着及び切断作動を制御するように構成される。すなわち、本構成の梱包装置では、上部第1溶着部材と第1切断部材とを上部第1シリンダにより一体的に駆動し、下部第2溶着部材と第2切断部材とを下部第2シリンダにより一体的に駆動することで、6つの被駆動部材を4本のシリンダで駆動し上記機能を達成する。このためスライド機構を含む梱包装置全体の機構構成を簡明化することができ、簡明かつ低コストの構成で作動安定性を高めた梱包装置を提供することができる。
【0017】
請求項4に記載の梱包装置の制御方法は、第1シートと第2シートとを前後に重ね合わせて挟み込みこれらのシートを幅方向に溶着し及び切断する溶着切断機構が、第1及び第2シートを外側から挟み込んで溶着する上下の溶着構造と、これら上下の溶着構造により溶着された第1及び第2シートの被溶着部の間を切断する切断構造とから構成される梱包装置の制御方法であり、上下の溶着構造により第1及び第2シートを挟み込ませてこれらのシートを溶着させる第1の工程と、切断構造により第1及び第2シートを斜め上下に挟み込ませて重複部においてこれらのシートを溶融させる第2の工程と、切断構造をさらに相互に噛み込ませ溶融させた重複部を引き離して切断する第3の工程とを有して構成される。すなわち、この制御方法では、第2の工程で第1及び第2シートを斜め上下に挟み込んで重複部を溶融させ、第3の工程で切断構造をさらに相互に噛み込ませて溶融させた重複部を引き離して切断するように構成される。このため、第1及び第2シートは、第2の工程で重複部が充分に溶融され、第3の工程でこの溶融した重複部が引き離されることで確実に切断される。従って、梱包シートを安定して切断し梱包装置の作動安定性を高めた制御方法を提供することができる。なお第1の工程と第2の工程とを同時に行うように構成しても良い。
【0018】
請求項5に記載の梱包装置の制御方法は、上下の溶着構造が、第1シートの外面側に位置して前後にスライド変位可能に設けられた上部及び下部第1溶着部材と、第2シートの外面側に位置して前後にスライド変位可能に設けられた上部及び下部第2溶着部材とを有して構成され、切断構造が、上下の第1溶着部材の間に位置して前後にスライド変位可能に設けられた第1切断部材と、上下の第2溶着部材の間に位置して前後にスライド変位可能に設けられた第2切断部材とを有して構成される梱包装置について、第1の工程では、上部第1溶着部材及び上部第2溶着部材からなる上部溶着構造と、下部第1溶着部材及び下部第2溶着部材からなる下部溶着構造とが、それぞれ第1及び第2シートを挟み込んでこれらのシートを上下で溶着し、第2の工程では、第1切断部材と第2切断部材とが第1及び第2シートを斜め上下に挟み込んで重複部においてこれらのシートを溶融させ、第3の工程で第1切断部材と第2切断部材とがさらに前後に噛み込んで溶融させた重複部を切断するときに、上部溶着構造と下部溶着構造とが第1及び第2シートを挟み込んだまま前後に相対変位して、重複部の切断を補助するように構成される。すなわち、本構成の制御方法では、第2の工程において溶融させた重複部を、第3の工程で切断するときに上下の溶着構造がシートを挟み込んだまま前後に相対変位して重複部を挟む前方と後方とに移動するように制御される。このため、第2の工程において溶融した第1,第2シートの重複部が第3の工程において上下の溶着構造に引っ張られるように引き離され、重複部を境にして確実に切断される。従って、梱包シートの切断がより確実かつ安定的に行われ、梱包装置の作動安定性をさらに高めた制御方法を提供することができる。
【0019】
請求項6に記載の梱包装置の制御方法は、上下の第1溶着部材、上下の第2溶着部材、第1及び第2切断部材を前後にスライド変位させるスライド機構が、上部第1溶着部材と第1切断部材とを一体的にスライド変位させる上部第1シリンダ、下部第1溶着部材をスライド変位させる下部第1シリンダ、上部第2溶着部材をスライド変位させる上部第2シリンダ、及び下部第2切断部材と下部第2溶着部材とを一体的にスライド変位させる下部第2シリンダと、これらのシリンダの作動を制御するシリンダ制御装置とを備えて構成される梱包装置について、第1の工程及び第2の工程は、シリンダ制御装置が上部第1シリンダ、下部第1シリンダ、上部第2シリンダ、及び下部第2シリンダを同時に作動させて上部溶着構造及び下部溶着構造による溶着と切断構造による重複部の溶融とを行わせ、第3の工程で、シリンダ制御装置がそれぞれ対向するシリンダの作動を制御することにより切断構造による第1及び第2シートの切断と上部溶着構造及び下部溶着構造の相対変位による切断補助とを行わせるように構成される。すなわち、本構成の制御方法は、第1及び第2の工程において4本のシリンダが同時に作動されて溶着構造による溶着と切断構造による重複部の溶融が行われ、第3の工程において前後に対向するシリンダの作動を制御することにより、切断構造のさらなる食い込み作動によるシートの切断と、上部及び下部溶着構造の相対変位による切断補助とが行われるように構成される。このため6つの被駆動部材を駆動する4本のシリンダの作動を制御することで、確実な切断機能を実現することができ、簡明かつ低コストのシステム構成で作動安定性を高めた梱包装置の制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照しながら説明する。図1に製品倉庫10に一時保管されたパチンコ機等の遊技機が出荷ライン20を経てトラックTRに積み込まれるまでの工程を模式的に示しており、まずこの図面を参照して出荷工程の流れについて概要説明する。
【0021】
加工・組立工程を経て組み上げられたパチンコ機PMは、一枚当たり15台程度のパチンコ機を積載可能なパレット12に積載され、自動搬入搬出装置により入庫口から搬入されて製品倉庫10の保管棚11に保管される。製品倉庫10に隣接して出庫口15が設けられ出荷ライン20が設けられている。出庫口15と出荷ライン20との間には搬送ロボット18が配設されており、自動搬入搬出装置により出庫口15に導出されたパレット上のパチンコ機PMが搬送ロボット18により出荷ライン20に搬送される。
【0022】
出荷ライン20は、待機ステージ21、証紙貼付ステージ22、梱包ステージ23、出荷ラベル貼付ステージ24などからなり、搬送ロボット18によって待機ステージ21に搬送されたパチンコ機PMが、このラインに設けられた搬送機構25により順次待機ステージ21から証紙貼付ステージ22に送られて証紙が貼り付けられ、梱包ステージ23において樹脂シートで包装され、出荷ラベル貼付ステージ24において出荷ラベルが貼付され、出荷ヤードに停車されたトラックTRに積み込まれて納入先に出荷される。
【0023】
このように概要構成される出荷工程において、出荷ライン終端近傍の梱包ステージ23に自動梱包装置23Mが設けられており、証紙貼付ステージ22において証紙が貼り付けられたパチンコ機PMがこの梱包ステージ23で自動的に包装される。図2〜図4に自動梱包装置を示しており、まずこれらの図面を参照しながら自動梱包装置23Mの全体構成について説明する。ここで、図2は自動梱包装置23Mの正面図、図3は自動梱包装置23Mの平面図、図4は自動梱包装置における包装装置本体40を拡大して示す正面図(本体下部については後方の機構部の正面図)、図5は図4中に付記するV〜矢視のヘッドアッセンブリの側断面図である。なお梱包ステージ23の説明に当たっては、図2に示す正面図の姿勢を持って前後左右及び上下と称し、図2中に座標軸を付記するように、左右方向をX軸、上下方向をZ軸、(紙面直交の前後方向をY軸)と規定して説明する。
【0024】
自動梱包装置23Mは、搬送機構25により梱包ステージ23に搬入されたパチンコ機PMを受け入れて基準位置に位置決め停止させる導入機構26、基準位置に位置決め停止されたパチンコ機を把持し包装装置本体に対して相対移動させるハンドリングロボット30、ハンドリングロボット30により移動されるパチンコ機を樹脂シートで包装する包装装置本体40などからなり、このステージの基盤となるステージベース27に一体的に組付けられている。
【0025】
導入機構26は、ローラ内部にモータが組み込まれた回転ローラ(いわゆるモータローラ)を複数備えたローラコンベア26aを主体とし、ローラコンベア26aの上面には、パチンコ機PMの前後方向幅よりもわずかに広めの間隔をおいてガイドプレートが取り付けられるとともに、ローラにより導入されたパチンコ機の右端下部を当接支持してパチンコ機を基準位置に係止する突き当て突起(不図示)と、パチンコ機が基準位置に配設されたか否かを検出する導入検出器26cが設けられている。
【0026】
ローラコンベア26aは、搬送機構25と連絡して設けられており、搬送機構25から梱包ステージ23に導入されたパチンコ機PMが、前後のガイドプレートに案内されながら回転ローラにより導入されて、自動梱包装置23Mにおける基準位置に位置決め停止されるようになっている。導入検出器26cの信号は自動梱包装置23Mの作動を制御する梱包制御装置(不図示)に入力されている。
【0027】
ハンドリングロボット30は、ステージベース27に立設されたフレーム31と、このフレーム31の上部に左右方向(X軸方向)にスライド移動可能に配設されたX軸キャレッジ32、X軸キャレッジ32に上下(Z軸方向)にスライド移動可能に配設されたZ軸キャレッジ33、Z軸キャレッジ33に設けられてパチンコ機PMの外枠を左右から挟み込んで係止する左右一対のクランプ35,35などからなり、クランプにより挟み込んで把持したパチンコ機PMを持ち上げて移動させる。
【0028】
X軸キャレッジ32は、フレーム上部に左右に延びて形成されたキャレッジベース31bに、スライドレールとリニアベアリングとからなるスライドガイドを介して左右にスライド変位自在に配設され、スライドレールと平行に設けられたボールネジ及びこのボールネジを回転駆動するステッピングモータにより左右方向にスライド移動可能に配設される。そして、ステッピングモータの回転を制御することでX軸キャレッジ32を左右に移動させ、また任意のX軸方向位置で停止させることができる。
【0029】
Z軸キャレッジ33は、上記同様のスライドガイドを介してX軸キャレッジに上下にスライド変位自在に配設される一方、キャレッジの駆動機構はチェーンを用いて構成される。すなわち、軸端に駆動スプロケットが固定されたステッピングモータをX軸キャレッジ32の上部に設け、X軸キャレッジ32の下部に従動スプロケットを設けて、上下のスプロケット間にチェーンを巻き掛けるとともに、チェーンの中間部をZ軸キャレッジ33に固定してZ軸キャレッジの駆動機構を構成する。これによりステッピングモータの回転を制御することでZ軸キャレッジ33を上下に昇降させ、任意のZ軸方向位置に停止させることができる。
【0030】
クランプ35は、鉛直面内に揺動可能に枢支されたクランプアーム35aと、このクランプアーム35aを揺動させるシリンダ(以下「クランプシリンダ」という)35sとを主体として構成され、Z軸キャレッジ33の左右に対向して一対設けられている。クランプアーム35aの先端側には、木材を主体とする外枠に食い込むように先端が尖った係止ピンが各複数設けられており、左右のクランプシリンダ35sにエアを供給して伸長作動させたときに、クランプアーム35aがそれぞれ内側に揺動して外枠を左右から挟み込み、複数の係止ピンが外枠に食い込んでパチンコ機PMを持ち上げ支持可能になっている。
【0031】
ハンドリングロボット30の作動は自動梱包装置23Mの作動を制御する梱包制御装置により制御され、クランプシリンダ35sへのエアの供給を制御することでクランプ35の開閉作動が制御され、X軸及びZ軸のステッピングモータの回転を制御することでX軸キャレッジ32及びZ軸キャレッジ33の移動が制御されて、クランプ35に把持されたパチンコ機の包装装置本体40に対する移動が制御される。ハンドリングロボット30は、常にはクランプ35が基準位置のパチンコ機よりも幾分上方となる待機位置に配置され、左右のクランプアームがともに開いた状態で待機される。
【0032】
包装装置本体40は、全体的な配置構成から見ると、パチンコ機PMの前面側を覆う第1シートの供給機構が設けられた前方の機構部と、パチンコ機の後面側を覆う第2シートの供給機構が設けられた後方の機構部とからなり、基本的には、これらの前後の機構部がハンドリングロボット30によって移動されるパチンコ機PMの移動平面(X−Z平面)を挟んで前後対称に構成されている。
【0033】
包装装置本体40は、機構構成から見ると、パチンコ機の前面側を覆うための第1シート41が巻かれた第1梱包ロール41Rとパチンコ機の後面側を覆うための第2シート42が巻かれた第2梱包ロール42Rとを前後に並べて回動可能に支持し、各梱包ロールから引き出された第1シート及び第2シートを繰り出し自在に配設するロール保持部43、第1梱包ロールから繰り出されて下垂する第1シート41と第2梱包ロールから繰り出されて下垂する第2シート42とを前後に重ね合わせて外側から挟み込みこれらのシートを幅方向に溶着し及び切断する溶着切断機構50、及び第1第2シートを挟み込みこれらのシートを長尺方向に溶着する側部溶着機構70などからなり、ステージベース27に立設された前後の機構フレーム47に設けられている。
【0034】
ロール保持部43は、前後の機構フレーム47の各外側に位置して上下中間部に設けられ各梱包ロール41R,42Rを回動可能に支持するロールホルダ44と、機構フレーム47の上部に回動自在に設けられた各2本のガイドローラ45などから構成される。ロールホルダ44は、各梱包ロールの芯を貫通支持するとともに、支持された梱包ロールが空回りしないように一定のフリクションを発生させるように構成されており、各梱包ロールから引き出されたシート41,42が、ガイドローラ45によりそれぞれ上部中央に導かれて溶着切断機構50の前方に垂設され、シート先端側に作用する引っ張り力に応じて繰り出されるようになっている。
【0035】
なお、第1シート41、第2シート42は、熱可塑性樹脂のシートであり、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、塩化ビニール(PVC)等の熱可塑性樹脂材料に帯電防止剤を混練して薄いフィルム状のシートに加工成形し、これを所定長さ巻き取った梱包ロールとして供給される。第1シート41、第2シート42は前後共通のシートを用いることができる他、例えば、パチンコ機前面側の第1シート41に透明な素材を用い後面側の第2シート42に半透明若しくは不透明の素材を用いたり、第2シート42に導電性の素材を用いたり、その他目的に応じて適宜なシート素材を用いることが可能である。
【0036】
溶着切断機構50は、ガイドローラ45,45に導かれて下垂する第1シート41及び第2シート42の外面側に位置して前後の機構フレームに対向して設けられており、それぞれ第1及び第2シートを溶着し及び切断する構造が設けられたヘッドアッセンブリと、各ヘッドアッセンブリを前後方向に駆動する駆動機構とを主体として構成される。
【0037】
前後のヘッドアッセンブリは、ともに左右方向(図5における紙面直交方向)に延びる上下5段のプレート構成で、各プレートが上下にそれぞれ所定の間隔をおいて平行に配設されている。これら各5段のプレートは、それぞれ上下のヘッドアッセンブリに分割して配設されており、前方の機構フレームでは、第1段〜第3段のプレート65U,61U,63が上側の上部第1ヘッドアッセンブリ51Uに、第4段及び第5段のプレート61L,65Lが下側の下部第1ヘッドアッセンブリ51Lに設けられている。一方、後方の機構フレームでは、第1段及び第2段のプレート66U,62Uが上側の上部第2ヘッドアッセンブリ52Uに、第3段〜第5段のプレート64,62L,66Lが下側の下部第2ヘッドアッセンブリ52Lに設けられている。
【0038】
この5段のプレート構成は、機能的には、第1シート41と第2シート42とを前後に重ね合わせた状態に保持する第1段目及び第5段目のシート押さえ構造と、上下のシート押さえ構造によって重ね合わされた第1シート41及び第2シート42を外側から挟み込んで溶着する第2段目及び第4段目の溶着構造、及び上下の溶着構造の間に設けられて第1シート41と第2シート42の被溶着部の間を切断する第3段目の切断構造から構成される。
【0039】
すなわち、シート押さえ構造は、上部第1ヘッドアッセンブリ51Uに設けられた上部第1押さえプレート65U、上部第2ヘッドアッセンブリ52Uに設けられた上部第2押さえプレート66U、下部第1ヘッドアッセンブリ51Lに設けられた下部第1押さえプレート65L、及び下部第2アッセンブリ52Lに設けられた下部第2押さえプレート66Lからなり、上部第1押さえプレート65Uと上部第2押さえプレート66Uとが対になって第1段目のシート押さえ構造を構成し、下部第1押さえプレート65Lと下部第2押さえプレート66Lが対となって第5段目のシート押さえ構造を構成する。
【0040】
押さえプレート65U,65L,66U,66Lは、平坦なプレートの先端縁面に直径φ5〜10mm程度の丸棒を溶着して構成され、例えばSS材やステンレス合金の板材及び棒材を利用して構成される。なお、押さえプレート先端の丸棒部分に樹脂製のチューブやゴム製のパッキン等を被せて固着し、挟み込んだ第1シート41及び第2シート42をさらに弾性的に押さえるように構成しても良い。
【0041】
溶着構造は、上部第1ヘッドアッセンブリ51Uに設けられた上部第1溶着プレート61U、上部第2ヘッドアッセンブリ52Uに設けられた上部第2溶着プレート62U、下部第1ヘッドアッセンブリ51Lに設けられた下部第1溶着プレート61L、及び下部第2アッセンブリ52Lに設けられた下部第2溶着プレート62Lからなり、上部第1溶着プレート61Uと上部第2溶着プレート62Uとが対になって第2段目の上部溶着構造を構成し、下部第1溶着プレート61Lと下部第2溶着プレート62Lとが対になって第4段目の下部溶着構造を構成する。
【0042】
本実施形態では、上下の第2ヘッドアッセンブリ側に溶着加熱用のヒータ67を配設した構成例を示しており、溶着線幅が3〜5mm程度となるように上部第2溶着プレート62U及び下部第2溶着プレート62Lの端面を上下面取りして細長い溶着加熱面を形成する一方、上部第1溶着プレート61U及び下部第1溶着プレート61Lは端面を平坦に加工して幅5〜8mm程度の溶着受け面を形成し、溶着加熱面を溶着受け面に突き当てて間に挟み込んだ第1シート41及び第2シート42を加熱し、シートを軟化させて加圧溶着するように構成している。
【0043】
上下の第2溶着プレート62U,62Lは、例えば所定板厚の快削黄銅やリン青銅などの銅合金板の端面を切削加工して溶着加熱面を形成し、先端部に溶けた樹脂の付着を防止するためのフッ素樹脂のコーティングを施して形成され、上部第2溶着プレート62Uの下面及び下部第2溶着プレート62Lの上面にシリコンラバーヒータなどの面状ヒータを貼付して構成される。また上下の第1溶着プレート61U,61Lは、例えば所定板厚のアルミ合金板の端面を切削加工して溶着受け面を形成し、先端部に同様のフッ素樹脂をコーティングして構成される。なお、溶着加熱用のヒータ67を上下の第1ヘッドアッセンブリ側(上下の第1溶着プレート61U,61L)に設ける構成としても良く、4枚の溶着プレート全てに設ける構成としても良い。
【0044】
切断構造は、上部第1ヘッドアッセンブリ51Uに設けられた第1切断プレート63と、下部第2ヘッドアッセンブリ52Lに設けられた第2切断プレート64とからなり、これらが対になって第3段目の切断構造を形成する。第1切断プレート63及び第2切断プレート64は、図5に示すように、その高さ位置が上下にわずかにオフセットされるとともに、各プレートの先端部は、第1切断プレート63の下端角部及び第2切断プレート64の上端角部がテーパ状に面取りされており、第1切断プレート63と第2切断プレート64とが第1及び第2シート41,42を挟み込みながら滑らかに噛み合うようになっている。
【0045】
本実施形態では、第1切断プレート63の上面に切断加熱用のヒータ68を配設した構成例を示しており、上述した第2溶着プレート62U,62Lと同様の板材を用いて同様に加工し、シリコンラバーヒータなどの面状ヒータを貼付して構成される。また第2切断プレート64は、第1溶着プレート61U,61Lと同様の板材を用いて同様に構成される。なお、切断加熱用のヒータ68を第2切断プレート64側に設けても良く、第1切断プレート63と第2切断プレート64の両方に設ける構成としても良い。
【0046】
溶着加熱用のヒータ67、及び切断加熱用のヒータ68の各加熱温度は、第1シート及び第2シートとして用いる樹脂シートの材質に応じて設定され、溶着加熱用のヒータ67では、樹脂シートを軟化させて溶着するのに適した温度(例えば150℃程度)にコントロールされ、切断加熱ヒータ68では、これよりも高く樹脂シートを溶融させて切断するのに適した温度(例えば200℃程度)にコントロールされる。
【0047】
一方、上下の第1ヘッドアッセンブリ51U,51Lを前後方向に駆動する駆動機構は、各ヘッドアッセンブリに対応して上下2段の構成になっており、上部第1ヘッドアッセンブリ51U及び下部第1ヘッドアッセンブリ51Lが、それぞれスライドシャフト57aとリニアブッシュ57bとからなる左右一対の直動ガイド57,57を介して前方の機構フレーム47に前後方向にスライド変位自在に取り付けられ、左右の直動ガイド57,57の中間に設けられた上部第1シリンダ55U及び下部第1シリンダ55Lにより、それぞれ独立して前後にスライド移動可能に配設される。
【0048】
上下の第2ヘッドアッセンブリ52U,52Lを前後方向に駆動する駆動機構も、上記第1ヘッドアッセンブリの駆動機構と同様に各ヘッドアッセンブリに対応した上下2段の構成になっており、上部第2ヘッドアッセンブリ52U及び下部第2ヘッドアッセンブリ52Lが、それぞれスライドシャフト57aとリニアブッシュ57bとからなる左右一対の直動ガイド57を介して後方の機構フレーム47に前後方向にスライド変位自在に取り付けられ、左右の直動ガイド57,57の中間に設けられた上部第2シリンダ及び下部第2シリンダ(56U,56L、ともに詳細図示を省略する)によりそれぞれ独立して前後にスライド移動可能に配設される。
【0049】
ここで、第1段〜第3段のプレート65U,61U,63が配設された上部第1ヘッドアッセンブリ51Uでは、第2段目の上部第1溶着プレート61Uと第3段目の第1切断プレート63とが上部連結ブラケット53Uによって連結されている。そしてこの上部連結ブラケット53Uの中央部に上部第1シリンダ55Uのロッド先端部が固定され、左右に所定間隔をおいて直動ガイド57のスライドシャフト57aの先端部(自由端側の先端固定部58)が固定されており、上部第1シリンダ55Uを伸縮作動させたときに、上部第1溶着プレート61U、第1切断プレート63、及び左右のスライドシャフト57aが一体的に前後にスライド変位するように構成されている。
【0050】
第1段目の上部第1押さえプレート65Uは、リニアブッシュ57cを介してスライドシャフト57aにスライド変位自在に支持され、上部第1押さえプレート65Uに植設されたバネ支柱と、スライドシャフトの先端固定部58に植設されたバネ支柱との間に張り渡されたコイルバネ59を介して上部連結ブラケット53Uと接続されている。このため、上部第1シリンダ55Uを伸縮作動させると、上部連結ブラケット53Uにより連結された上部第1溶着プレート61U、第1切断プレート63及び左右のスライドシャフト57aが直接前後にスライド駆動されるとともに、コイルバネ59を介して駆動力が伝達される上部第1押さえプレート65Uが同一方向にスライド変位され、これにより第1段〜第3段のプレート65U,61U,63から構成される上部第1ヘッドアッセンブリ51Uが一体的に前後にスライド変位される。
【0051】
第3段〜第5段のプレート64,62L,65Lが配設された下部第2ヘッドアッセンブリ52Lも上部第1ヘッドアッセンブリ51Uと同様に構成されており、第3段目の第2切断プレート64と第4段目の下部第2溶着プレート62Lとが下部連結ブラケット53Lによって連結されている。下部連結ブラケット53Lには下部第2シリンダ56Lのロッド先端部、及び左右のスライドシャフト57aの先端部(自由端側の先端固定部58)が固定されており、下部第2シリンダ56Lを伸縮作動させたときに、第2切断プレート64、下部第2溶着プレート62L、及び左右のスライドシャフト57aが一体的に前後にスライド変位するように構成されている。
【0052】
第5段目の下部第2押さえプレート66Lは、リニアブッシュ57cを介してスライドシャフト57aにスライド変位自在に支持され、下部第2押さえプレート66Lに植設されたバネ支柱と、スライドシャフトの先端固定部58に植設されたバネ支柱との間に張り渡されたコイルバネ59を介して下部連結ブラケット53Lと接続されている。このため、下部第2シリンダ56Lを伸縮作動させると、下部連結ブラケット53Lにより連結された第2切断プレート64、下部第2溶着プレート62L、及び左右のスライドシャフト57aが直接前後にスライド駆動されるとともに、コイルバネ59を介して駆動力が伝達される下部押さえプレート65Lが同一方向にスライド変位され、これにより第3段〜第5段のプレート64,62L,65Lから構成される下部第2ヘッドアッセンブリ52Lが一体的に前後にスライド変位される。
【0053】
また、下部第1溶着プレート61L及び下部第1押さえプレート65Lが設けられた下部第1ヘッドアッセンブリ51Lでは、下部第1溶着プレート61Lの中央部にL字アングル状のブラケット(不図示)を介して下部第1シリンダ55Lのロッド先端部が固定され、左右に所定間隔をおいて直動ガイド57のスライドシャフト57aの先端部(自由端側の先端固定部58)が固定されている。下部第1押さえプレート65Lは、リニアブッシュ57cを介してスライドシャフト57aにスライド変位自在に支持され、下部第1押さえプレート65Lに植設されたバネ支柱と、スライドシャフトの先端固定部58に植設されたバネ支柱との間に張り渡されたコイルバネ59を介して下部第1溶着プレート61Lと接続されている。
【0054】
このため、下部第1シリンダ55Lを伸縮作動させると、下部第1溶着プレート61Lと左右のスライドシャフト57aとが直接前後にスライド駆動され、コイルバネ59を介して駆動力が伝達される下部第1押さえプレート65Lが同一方向にスライド変位されて下部第1溶着プレート61L及び下部第1押さえプレート65Lから構成される下部第1ヘッドアッセンブリ51Lが一体的に前後にスライド変位される。
【0055】
上部第2押さえプレート66U及び上部第2溶着プレート62Uが設けられた上部第2ヘッドアッセンブリ52Uも、下部第1ヘッドアッセンブリ51Lと同様に構成されており、上部第2溶着プレート62Uの中央部にL字アングル状のブラケット(不図示)を介して上部第2シリンダ56Uのロッド先端部が固定され、左右に所定間隔をおいてスライドシャフト57aの先端固定部58が固定されている。上部第2押さえプレート66Uは、リニアブッシュ57cを介してスライドシャフト57aにスライド変位自在に支持され、上部第2押さえプレート66Uに植設されたバネ支柱と、スライドシャフトの先端固定部58に植設されたバネ支柱との間に張り渡されたコイルバネ59を介して上部第2溶着プレート62Uと接続されている。
【0056】
このため、上部第2シリンダ56Uを伸縮作動させると、上部第2溶着プレート62Uと左右のスライドシャフト57aとが直接前後にスライド駆動され、コイルバネ59を介して駆動力が伝達される第2押さえプレート66Uが同一方向にスライド変位されて上部第2押さえプレート66U及び上部第2溶着プレート62Uから構成される上部第2ヘッドアッセンブリ52Uが一体的に前後にスライド変位される。
【0057】
溶着切断機構50は、上下各5段のプレートが正面視において同一線上で重なるように設定されており、対向するヘッドアッセンブリを前後の機構フレーム47から中央に向けて張り出させたときに、第1段目と第5段目のシート押さえ構造で第1シート41と第2シート42を重ね合わせて挟み込み、第2段目及び第4段目の溶着構造により重ね合わされた第1及び第2シートを挟み込んで溶着し、第3段目の切断構造により上下の溶着線の間で第1及び第2シートを切断する。
【0058】
溶着切断機構50の作動は、詳細図示省略する梱包制御装置によって制御され、梱包制御装置は、上部第1シリンダ55U、下部第1シリンダ55L、上部第2シリンダ56U、下部第2シリンダ56Lの作動を制御することにより、第1、第2シートの溶着及び切断作動を制御する。図6(a)(b)(c)及び図7(a)(b)に、溶着切断機構50による第1及び第2シートの最初の溶着、切断過程を段階的に示しており、以下、これらの各図を参照して溶着切断機構50の作動制御について説明する。
【0059】
最初に、図6(a)に示すように、第1梱包ロール41Rから繰り出した第1シート41、第2梱包ロールから繰り出した第2ロール42を、それぞれガイドローラ45を介して上下の第1ヘッドアッセンブリ51U,51Lの前方、第2ヘッドアッセンブリ52U,52Lの前方に下垂させておく。そして梱包制御装置において溶着切断制御をスタートさせると、梱包制御装置は、上下の第1シリンダ55U,55L及び第2シリンダ56U,56Lのボトム側ポートにエア(圧縮空気)を供給し、前後の4つのヘッドアッセンブリ51U,51L,52U,52Lを中央に向けて同時に張り出させる。
【0060】
前後の4つのヘッドアッセンブリが同時駆動され中央に張り出されると、まず、それぞれ対となる前後の上部第1,第2押さえプレート65U,66U、及び下部第1,第2押さえプレート65L,66Lが前後の機構フレームの中央部において当接する。このとき第1シート41及び第2シート42は、上部押さえプレート65U,66Uの前縁部にガイドされ幾分巻き上げられながら中央に導かれて、対となる上部押さえプレート65U,66U、及び下部押さえプレート65L,66Lに挟み込まれ、前後に重ね合わされた状態で固定される(図6(a)→(b))。
【0061】
ここで、上部第1シリンダ55U及び下部第2シリンダ56Lのシリンダロッド先端部はそれぞれ上下の連結ブラケット53U,53Lに固定され、下部第1シリンダ55L及び上部第2シリンダ56Uのシリンダロッド先端部はそれぞれ溶着プレート61L,62Uに固定されており、前後の押さえプレート65U,66U,65L,66Lは、何れもコイルバネ59を介して上記各部材と連結されている。またコイルバネ59が発生するバネ力(抗力)は、このコイルバネの伸縮範囲内で各シリンダの発生する推力よりも小さく設定されている。このため、上下の押さえプレートがそれぞれ当接した後も各シリンダ55U,55L,56U,56Lの張出作動が行われ、コイルバネ59,59…を伸長させながら、前後の上部第1,第2溶着プレート61U,62U、下部第1,第2溶着プレート61L,62L、及び第1,第2切断プレート63,64をそれぞれ中央に張り出させる。
【0062】
各シリンダの張出作動が継続されると、それぞれ対となる前後の上部第1,第2溶着プレート61U,62U、及び下部第1,第2溶着プレート61L,62Lが当接し、これらの中間で前後の第1,第2切断プレート63,64がスリ合うように重複部をもって係合する。このとき、重ね合わされた第1,第2シート41,42は、それぞれ突き合わされた上部第1溶着プレート61Uと上部第2溶着プレート62U、下部第1溶着プレート61Lと下部第2溶着プレート62Lに挟み込まれて加熱され、溶着加熱面において第1,第2シートが軟化されて加圧溶着される。またこれら上下の溶着線の中間において、第1切断プレート63と第2切断プレート64に挟み込まれて加熱され、重複部において第1,第2シートが溶融される。
【0063】
ここで、本実施形態の梱包装置では、上部第1シリンダ55Uに供給する圧縮空気の圧力(以下、エア圧という)を上部第2シリンダ56Uに供給するエア圧よりも高めに設定し、下部第2シリンダ56Lに供給するエア圧を下部第1シリンダ55Lに供給するエア圧よりも高めに設定している。例えば、上部第1シリンダ55U及び下部第2シリンダ56Lに供給するエア圧を0.6MPa(≒6kg/cm2)、下部第1シリンダ55L及び上部第2シリンダ56Uに供給するエア圧を0.4MPa(≒4kg/cm2)程度に設定している。このため、前後で対になる溶着プレート同士が当接して各シリンダのシリンダ内圧が上昇するまでは全シリンダが同時に伸長し、図6(a)〜(c)に示したように、上下の第1ヘッドアッセンブリ51U,51Lと第2ヘッドアッセンブリ51U,52Lが中央で第1シート41及び第2シート42を挟み込む。
【0064】
一方、前後で対になる溶着プレート同士(61Uと62U、61Lと62L)が当接してシリンダロッドの自由な伸長作動が抑制されると、今度は各シリンダのシリンダ内圧が上昇し、前後のシリンダの発生推力に圧力差に応じた差異が生じてくる。このため、相対的にエア圧が高い上部第1シリンダ55Uが上部第2シリンダ56Uを押し込んで、上部第1ヘッドアッセンブリ51U及び上部第2ヘッドアッセンブリ52Uを後方(図6及び図7における右方)に移動させ、下部第2シリンダ56Lが下部第1シリンダ55Lを押し込んで、下部第2ヘッドアッセンブリ56L及び下部第1ヘッドアッセンブリ55Lを前方(図6及び図7における左方)に移動させる(図6(c)→図7(a))。
【0065】
このため、斜め上下の位置関係にあった第1切断プレート63と第2切断プレート64とがさらに相互に噛み込んで溶融させた重複部を切断するとともに、これより上方において第1及び第2シートを挟み込んだ状態の上部押さえプレート65U,66U及び溶着プレート61U,62Uと、下方において第1及び第2シートを挟み込んだ状態の下部押さえプレート65L,66L及び溶着プレート61L,62Lとが、第1及び第2シート41,42を挟み込んだまま前後に相対変位し、溶融させた重複部を境に互いに引き離すように移動して切断を補助する。これにより第1,第2シート41,42が重複部を境にして確実に切断される。
【0066】
梱包制御装置は、上下の第1シリンダ55U,55L及び第2シリンダ56U,56Lにエア供給を開始してから所定時間の経過後、あるいは上部第1シリンダ55U及び下部第2シリンダ56Lのシリンダ内圧が所定圧力に上昇した後に、各シリンダのボトム側ポートへのエア供給を停止し、今度は各シリンダのロッド側ポートにエアを供給して全シリンダのシリンダロッドを格納方向に縮小作動させる(図7(a)→(b))。これにより上下の第1ヘッドアッセンブリ51U,51Lが前方に、第2ヘッドアッセンブリ52U,52Lが後方に退避し、それぞれ前後の機構フレーム内に引き込まれる。第1シート41及び第2シート42は、上下2箇所の溶着線の間で切断され、下方で第1及び第2シートの溶着が完了するとともに(この最初の段階の溶着物のみ端材となる)、上方ではパチンコ機PMを包装するための下面側の溶着線が形成される。
【0067】
そこで、以降行われるパチンコ機PMの梱包作動では、図8(a)(b)に示すように、(a)溶着接合されたシートの内面にパチンコ機PMの下面を当接させて下方に移動させ、これに応じて第1,第2梱包ロールからシート41,42を繰り出させて、(b)上下の第1及び第2ヘッドアッセンブリ51U,51L,52U,52Lによりパチンコ機PMの上方で第1シート41と第2シート42を溶着し及び切断することで、パチンコ機PMが上部及び下部の両方でヒートシールされ、切断線の上方では次のパチンコ機を包装するための溶着線が形成される(図7(b)を併せて参照)。すなわち、溶着切断機構50によれば、前後のヘッドアッセンブリを1回張り出させる作動制御で、包装対象であるパチンコ機PMの上面側の溶着と、次の包装対象であるパチンコ機の下面側の溶着とが、同時に一工程で行われるようになっている。
【0068】
一方、側部溶着機構70は、溶着切断機構50の下方に位置して前後の機構フレーム47に左右各1対設けられており、前方の機構フレームに設けられた左右の第1ヘッドアッセンブリ71,71、第1ヘッドアッセンブリに対向して後方の機構フレーム47に設けられた左右の第2ヘッドアッセンブリ72,72、各ヘッドアッセンブリを前後方向に駆動する駆動機構を主体として構成される。
【0069】
第1及び第2ヘッドアッセンブリ71,72は、正面右側の側部溶着機構70の平断面図を図9に示すように、何れも上下方向に細長く延びる左右3段のプレート構成で、各プレートが左右に所定の間隔をおいて平行に配設されている。3段のプレート構成は、機能的には、第1シート41と第2シート42とを前後に重ね合わせた状態に保持する左右(第1段目及び第3段目)のシート押さえ構造と、これらのシート押さえ構造によって重ね合わされた第1シート41及び第2シート42を外側から挟み込んで溶着する中央(第2段目)の溶着構造から構成される。
【0070】
シート押さえ構造は、第1ヘッドアッセンブリ71に設けられた左右の第1押さえプレート85L,85Rと、第2ヘッドアッセンブリ72に設けられた左右の第2押さえプレート86L,86Rとからなり、対向する各押さえプレート同士が対になってシート押さえ構造を形成する。各押さえプレートは、平坦なプレートの先端縁面に直径φ5〜10mm程度の丸棒を溶着して構成され、各左右の押さえプレート(85Lと85R、86Lと86R)が上下の端部においてスペーサ73を介して連結され、左右に所定間隔を隔てて平行に配設される。押さえプレート85L,85R,86L,86Rは、SS材やステンレス合金の板材及び棒材を利用して構成される。
【0071】
溶着構造は、第1ヘッドアッセンブリ71に設けられた第1溶着プレート81と、第2ヘッドアッセンブリ72に設けられた第2溶着プレート82とからなり、これらの溶着プレート81,82が対になって溶着構造を形成する。本実施形態では、第2ヘッドアッセンブリ72側に溶着加熱用のヒータ87を配設した構成例を示しており、溶着線幅が3〜5mm程度となるように第2溶着プレート82の端面を左右面取りして細長い溶着加熱面を形成する一方、第1溶着プレート81は端面を平坦に加工して幅5〜8mm程度の溶着受け面を形成し、溶着加熱面を溶着受け面に突き当てて間に第1シート41と第2シート42を挟み込み、シートを軟化させて加圧溶着するように構成している。
【0072】
第2溶着プレート82は、例えば所定板厚の快削黄銅やリン青銅などの銅合金板の端面を切削加工して溶着加熱面を形成し、先端部に溶けた樹脂の付着を防止するためのフッ素樹脂のコーティングを施して形成され、側面にシリコンラバーヒータなどの面状ヒータを貼付して構成される。また第1溶着プレート81は、例えば所定板厚のアルミ合金板の端面を切削加工して溶着受け面を形成し、先端部に同様のフッ素樹脂をコーティングして構成される。溶着加熱用のヒータ87の温度は、前述した溶着加熱用のヒータ67と同様に、樹脂シートを軟化させて溶着するのに適した温度(例えば150℃程度)にコントロールされる。なお、ヒータ87を第1ヘッドアッセンブリ側(第1溶着プレート81)に設ける構成としても良く、第1及び第2溶着プレートの両方に設ける構成としても良い。
【0073】
第1、第2ヘッドアッセンブリ71,72を前後方向に駆動する駆動機構は、各ヘッドアッセンブリに対応して前後の機構フレーム47の左右に設けられており、それぞれスライドシャフト77aとリニアブッシュ77bとからなる上下一対の直動ガイド77,77を介して機構フレーム47に前後方向にスライド変位自在に取り付けられている。上下の直動ガイド77,77の間には伸縮シリンダが設けられており、第1ヘッドアッセンブリ71を駆動する第1シリンダ(75、詳細図示を省略する)、第2ヘッドアッセンブリ72を駆動する第2シリンダ76により、各ヘッドアッセンブリがそれぞれ独立して前後にスライド移動可能に配設されている。
【0074】
ここで、第1ヘッドアッセンブリ71では、第1溶着プレート81に、L字アングル状のブラケットを介して第1シリンダ75のロッド先端部が固定されるとともに、その上下に直動ガイド77のスライドシャフト77aの先端部(自由端側の先端固定部78)が固定されている。また、上下の端部でスペーサにより連結された左右の第1押さえプレート85L,85Rは、リニアブッシュ77cを介してスライドシャフト77aにスライド変位自在に支持され、リニアブッシュ77cに固定されたバネ支柱と、スライドシャフトの先端固定部78に植設されたバネ支柱との間に張り渡されたコイルバネ79を介して第1溶着プレート81と接続されている。
【0075】
このため、第1シリンダ75を伸縮作動させると、第1溶着プレート81と上下のスライドシャフト77aとが直接前後にスライド駆動され、コイルバネ79を介して駆動力が伝達される左右の第1押さえプレート85L,85Rが同一方向にスライド変位されて、第1溶着プレート81及び第1押さえプレート85L,85Rからなる第1ヘッドアッセンブリ71が一体的に前後にスライド変位される。
【0076】
第2ヘッドアッセンブリ72は、第1ヘッドアッセンブリ71と前後対称に構成されており、第2溶着プレート82にL字アングル状のブラケットを介して第2シリンダ76のロッド先端部が固定されるとともに、その上下にスライドシャフト77aの先端固定部78が固定されている。また、上下端部でスペーサにより連結された左右の第2押さえプレート86L,86Rは、リニアブッシュ77cを介してスライドシャフト77aにスライド変位自在に支持され、リニアブッシュ77cに固定されたバネ支柱と、スライドシャフトの先端固定部78に植設されたバネ支柱との間に張り渡されたコイルバネ79を介して第2溶着プレート82と接続されている。
【0077】
このため、第2シリンダ76を伸縮作動させると、第2溶着プレート82と上下のスライドシャフト77aとが直接前後にスライド駆動され、コイルバネ79を介して駆動力が伝達される左右の第2押さえプレート86L,86Rが同一方向にスライド変位されて、第2溶着プレート82及び第2押さえプレート86L,86Rからなる第2ヘッドアッセンブリ72が一体的に前後にスライド変位される。
【0078】
側部溶着機構70は、前後のヘッドアッセンブリ71,72の各3段のプレートが正面視において同一線上で重なるように設定されており、前後に対向するヘッドアッセンブリ71,72を機構フレーム47から中央に向けて張り出させたときに、第1押さえプレート85L,85Rと第2押さえプレート86L,86Rとで第1シート41及び第2シート42を重ね合わせて固定し、第1溶着プレート81と第2溶着プレート82とで第1シート41及び第2シート42を挟み込んで溶着するようになっている。なお、左右の側部溶着機構70は、それぞれ機構フレーム47に対して左右位置が調整可能に取り付けられており、パチンコ機の横幅(例えば関東枠サイズと関西枠サイズなど)に合わせて左右位置を調整して固定できるように構成されている。
【0079】
側部溶着機構70の作動も梱包制御装置によって制御され、梱包制御装置は、前後左右の第1シリンダ75,75、第2シリンダ76,76の作動を制御することにより、第1、第2シートの溶着作動を制御する。側部溶着機構70の作動は溶着切断機構50の作動と近似しており以下、適宜図6を参照しながら側部溶着機構70の作動制御について説明する。
【0080】
第1梱包ロール41Rから繰り出した第1シート41、第2梱包ロールから繰り出した第2ロール42を、それぞれ左右の第1ヘッドアッセンブリ71,71の前方、第2ヘッドアッセンブリ72,72の前方に下垂させ、溶着切断制御をスタートさせると、梱包制御装置は、前述した溶着切断機構50の各シリンダへのエア供給とともに、左右の第1シリンダ75,75及び第2シリンダ76,76のボトム側ポートにエアを供給し、前後のヘッドアッセンブリ71,71,72,72を中央に向けて同時に張り出させる。
【0081】
4つのヘッドアッセンブリが同時駆動され中央に張り出されると、前後に対向するヘッドアッセンブリ71,72が前後の機構フレームの中央部において当接し、それぞれ対となる右側の押さえプレート85R,86Rと左側の押さえプレート85L,86Lとに挟み込まれて、第1シート41と第2シート42とが前後に重ね合わされた状態で固定される。
【0082】
前述したように、第1シリンダ75及び第2シリンダ76のロッド先端部は、それぞれ第1溶着プレート81及び第2溶着プレート82に固定されており、左右一体に連結された押さえプレート85L,85R及び86L,86Rは、コイルバネ79を介して各溶着プレートと連結されている。コイルバネ79の発生するバネ力は、コイルバネの伸縮範囲内で各シリンダの発生する推力よりも小さく設定されている。このため、左右の押さえプレートがそれぞれ当接した後も各シリンダ75,75,76,76の張出作動が行われ、コイルバネ59,59…を伸長させながら、前方の第1溶着プレート81,81と後方の第2溶着プレート82,82をそれぞれ中央に張り出させる(図6(c)を参照)。
【0083】
各シリンダの張出作動が継続されると、それぞれ対になる前方の第1溶着プレート81と後方の第2溶着プレート82が当接して係合する。このとき、左右の押さえプレートにより重ね合わされた第1,第2シート41,42は、第1溶着プレート81と第2溶着プレート82とに挟み込まれて加熱され、溶着加熱面において第1,第2シートが軟化されて加圧溶着される。側部溶着機構70では、4本のシリンダ75,75,76,76に供給する圧縮空気の圧力(エア圧)を全て同一圧力に設定している(例えば、4本のエア圧を0.4 MPa(≒4kg/cm2)程度に設定している)。このため、前後で対になる溶着プレート同士が中央部で当接するまで全シリンダが同時に伸長し、その後各シリンダ内圧が上昇しても前後の第1ヘッドアッセンブリ71と第2ヘッドアッセンブリ72が中央で第1シート41及び第2シート42を挟み込んだ状態で保持される。
【0084】
梱包制御装置は、第1シリンダ75,75及び第2シリンダ76,76にエア供給を開始してから所定時間の経過後、あるいは各シリンダのシリンダ内圧が所定圧力に上昇した後に、各シリンダのボトム側ポートへのエア供給を停止し、今度は各シリンダのロッド側ポートにエアを供給して全シリンダを縮小作動させる。これにより第1ヘッドアッセンブリ71,71が前方に、第2ヘッドアッセンブリ72,72が後方に退避し、それぞれ前後の機構フレーム47内に引き込まれる。
【0085】
側部溶着機構70の作動制御と溶着切断機構50の作動制御は同時に並行して行われており、第1シート41及び第2シート42は、上下、左右の4辺で溶着されてパチンコ機が梱包され、溶着切断機構50における上下2箇所の溶着線の間で切断されて次のパチンコ機を包装するための溶着線が形成される。
【0086】
側部溶着機構70の下方には、前後の機構フレームの間に位置して送り出し機構48が設けられている。送り出し機構48は、ローラ内部にモータが組み込まれた回転ローラを複数備えたローラコンベア48aを主体とし、ローラコンベア48aの上面には、パチンコ機PMの前後方向幅よりもわずかに広めの間隔をおいて取り付けられたガイドプレートにより、パチンコ機が案内されて隣接する出荷ラベル貼付ステージ24に導かれるようになっている。
【0087】
さて、以上説明した包装装置本体40のみならず自動梱包装置全体の作動が梱包制御装置により制御されており、梱包制御装置は、ハンドリングロボット30、包装装置本体40の各部の作動を制御してパチンコ機PMの自動梱包を行わせる。以下、梱包制御装置による自動梱包装置23M全体の作動制御について概要説明する。
【0088】
まず、証紙貼付ステージ22から搬送機構25よって送り出され、梱包ステージ23に搬入されたパチンコ機PMは、導入機構26のローラコンベア26aによりステージ内部に導入されて導入検出器26cにより検出され、基準位置に位置決め停止される。
【0089】
導入検出器26cから検出信号が入力されると、梱包制御装置はハンドリングロボット30のZ軸キャレッジ33を下降させてクランプアーム35aをパチンコ機の左右側方に配設させ、クランプシリンダ35sにエアを供給して左右のクランプアーム35aをそれぞれ内側に揺動させて外枠を左右から挟み込み、クランプアームに設けられた複数の係止ピンを外枠に食い込ませてパチンコ機PMを持ち上げ可能に把持する。次いで、Z軸のステッピングモータを回転駆動してZ軸キャレッジ33を上昇させ、またX軸のステッピングモータを回転駆動してX軸キャレッジ32を右動させて、クランプ35で把持したパチンコ機PMを包装装置本体40の上方に配設させる(図4を参照)。そして、Z軸のステッピングモータを回転駆動してZ軸キャレッジ33を低速で下降させ、パチンコ機PMを前後の機構フレームの間でゆっくり下降させる。
【0090】
すると、まずパチンコ機PMの底面が、予め溶着接合された第1及び第2シートの内面に当接し、適宜なフリクションが与えられた第1梱包ロール41R及び第2梱包ロール42Rからそれぞれパチンコ機PMの下降位置に応じた長さのシートを繰り出させながら下動して、パチンコ機の下面が送り出し機構48に支持される高さ位置でZ軸キャレッジ33の下降が停止される。そして左右のクランプ35が開放され、Z軸キャレッジ33が上昇、X軸キャレッジ32が左動されて、ハンドリングロボット30はもとの待機位置に復帰する。これにより、パチンコ機PMは、側面視においてV字状に張られた第1シート41と第2シート42との間に位置し(図8(a)を参照)、送り出し機構48上に支持される。このとき送り出し機構48の回転ローラは停止されている。
【0091】
左右のクランプ35が上方に待避した後、溶着切断機構50、側部溶着機構70による包装作動が開始される。梱包制御装置は、溶着切断機構50の4本のシリンダ55U,55L,56U,56Lのボトム側ポートにエアを供給して、上下の第1ヘッドアッセンブリ51U,51L及び第2ヘッドアッセンブリ52U,52Lを中央に張り出させ、図6及び図7を参照して説明したように、第1シート41及び第2シート42を上下2箇所で溶着し、その中間部で切断させる。また梱包制御装置は側部溶着機構70の4本のシリンダ75,75,76,76のボトム側ポートにエアを供給して、左右の第1ヘッドアッセンブリ71,71及び第2ヘッドアッセンブリ72,72を中央に張り出させ、第1シート41及び第2シート42の左右側辺を溶着させる。
【0092】
そして、各シリンダへのエア供給開始から所定時間の経過後、梱包制御装置は各シリンダのロッド側ポートにエアを供給し、各ヘッドアッセンブリをそれぞれ前後の機構フレーム47内に引き込ませる。溶着切断機構50及び側部溶着機構70の各ヘッドアッセンブリが機構フレーム47内に引き込まれると、パチンコ機PMは前面側の第1シート41と後面側の第2シート42に包まれて上下及び左右の全辺が溶着されるとともに、その上方で溶着接合された第1及び第2シートから切り離され、パチンコ機PMの包装が完了する。
【0093】
パチンコ機PMの包装が完了すると、送り出し機構48の回転ローラが回転駆動され、ローラコンベア48aの上面設けられたガイドプレートに案内されて、パチンコ機PMが出荷ラベル貼付ステージ24に送り出される。出荷ラベル貼付ステージ24には、シート梱包されて送り出されたパチンコ機PMのシート上面に、パチンコ機の納入先を明示した出荷ラベルを貼り付ける自動ラベル貼付機が設けられるとともに(不図示)、出荷ラベルが貼り付けられたパチンコ機を横倒しにして、出荷ライン20終端の搬出ローラウェイ95に送り出す横転搬送装置90が設けられている。
【0094】
横転搬送装置90は、送り出し機構48と連絡する底辺と右辺とにそれぞれ複数の回転ローラを有し正面視L字状のアングルフレーム91と、このアングルフレーム91を鉛直面内で揺動可能に支持する軸受92と、アングルフレーム91を軸受92の軸まわりに揺動させる横転シリンダ93などからなり、横転シリンダ93のボトム側ポートにエアを供給してロッドを伸長させたときに、図2中に二点鎖線で付記するように、アングルフレーム91が時計廻りに揺動され、自動ラベル貼付機によって出荷ラベルが貼り付けられたパチンコ機PMが横倒しの姿勢で搬出ローラウェイ95に送り出される。
【0095】
そして、出荷ライン20での証紙の貼り付け、樹脂シートによる梱包、出荷ラベルの貼り付けが終了し、ライン終端の搬出ローラウェイ95まで送り出されたパチンコ機PMは、この搬出ローラウェイ95の終端と出荷ヤードに停車されたトラックTRの荷台との間に設置された出荷補助装置を利用して荷台に積み込まれ各納入先に出荷される。
【0096】
以上説明したように、自動梱包装置23Mでは、溶着切断機構50の前後の切断プレート63,64に、第1及び第2シートを斜め上下に挟み込む重複部を設けてシートを溶融させたうえ、前後の切断プレートをさらに相互に噛み込ませて溶融した重複部を引き離して切断するように構成している。このため、第1シート41及び第2シート42が重複部において充分に加熱溶融され、溶融した重複部が確実に切断される。
【0097】
また、前後の切断プレートが重複部を切断するときに、上下の溶着プレート及び押さえプレートが第1及び第2シートを挟み込んだまま前後に相対変位して重複部の切断を補助するように構成している。このため、切断プレートの重複部において溶融した第1,第2シートが前後に引っ張られるように引き離され、重複部を境にして確実に切断される。これにより、梱包シートの切断が確実かつ安定的に行われる。
【0098】
さらに、自動梱包装置23Mでは、上部第1溶着プレートと第1切断プレート、下部第2溶着プレートと第2切断プレートをそれぞれ各1本のシリンダにより一体的に駆動するように構成し、6つの被駆動部材を4本のシリンダで駆動して上記機能を達成する。このためスライド機構を含む梱包装置全体の機構構成を簡明化することができる。また梱包制御装置がそれぞれ対向するシリンダの作動を制御することにより、第1及び第2シートの切断と上下の溶着プレートの相対変位による切断補助とを行わせるように構成しているため、簡明かつ低コストのシステム構成で作動安定性を高めた梱包装置を提供することができる。
【0099】
なお、以上説明した実施形態では、前方の第1切断プレートを上部第1ヘッドアッセンブリに配設し、後方の第2切断プレートを下部第2ヘッドアッセンブリに配設した構成例を示したが、切断プレートの配置構成を変更しても同様に構成することができる。例えば、第1切断プレートを下部第1ヘッドアッセンブリに配設し、第2切断プレートを上部第2ヘッドアッセンブリに配設して下部第1シリンダ及び上部第2シリンダのエア圧を高めに設定しても同様に構成することができる。
【0100】
また、前後に対向するシリンダの制御形態の一例として、各シリンダに供給する圧縮空気の設定圧力を前後のシリンダで相違させる構成例を示したが、本発明は係る構成例に限らず、例えば空電レギュレータを用いて当初の供給圧を同一圧力(例えば0.4MPa)とし前後のヘッドアッセンブリが中央で当接した後に、対向するシリンダの一方の圧力を変更する(例えば切断プレートが設けられたヘッドアッセンブリ側の供給圧を0.6MPaに変更する)ように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】製品倉庫に保管されたパチンコ機が出荷ラインを経てトラックに積み込まれるまでの工程を模式的に示す説明図である。
【図2】自動梱包装置の正面図である。
【図3】自動梱包装置の平面図である。
【図4】自動梱包装置における包装装置本体を拡大して示す正面図である。
【図5】図4中に付記するV〜矢視のヘッドアッセンブリの側断面図である。
【図6】溶着切断機構による第1及び第2シートの最初の溶着、切断過程を(a)〜(c)に段階的に示す説明図である。
【図7】図6(c)に続いて溶着切断機構による第1及び第2シートの最初の溶着、切断過程を段階的に示す説明図である。
【図8】溶着切断機構によるパチンコ機の包装過程を示す説明図である。
【図9】正面右側の側部溶着機構の平断面図である。
【符号の説明】
【0102】
PM パチンコ機
TR トラック
10 製品倉庫
11 保管棚
12 パレット
15 出庫口
18 搬送ロボット
20 出荷ライン
21 待機ステージ
22 証紙貼付ステージ
23 梱包ステージ(23M 自動梱包装置)
24 出荷ラベル貼付ステージ
25 搬送機構
26 導入機構(26aローラコンベア、26c 導入検出器)
27 ステージベース
30 ハンドリングロボット
31 フレーム(31b キャレッジベース)
32 X軸キャレッジ
33 Z軸キャレッジ
35 クランプ(35a クランプアーム、35s クランプシリンダ)
40 包装装置本体
41 第1シート(41R 第1梱包ロール)
42 第2シート(42R 第2梱包ロール)
43 ロール保持部
44 ロールホルダ
45 ガイドローラ
47 機構フレーム
48 送り出し機構(48a ローラコンベア)
50 溶着切断機構
51U 上部第1ヘッドアッセンブリ、51L 下部第1ヘッドアッセンブリ
52U 上部第2ヘッドアッセンブリ、52L 下部第2ヘッドアッセンブリ
53U 上部連結ブラケット、53L 下部連結ブラケット
55U 上部第1シリンダ、55L 下部第1シリンダ
56U 上部第2シリンダ、56L 下部第2シリンダ
57 直動ガイド
(57a スライドシャフト、57b リニアブッシュ、57c リニアブッシュ)
58 先端固定部
59 コイルバネ
61U 上部第1溶着プレート、61L 下部第1溶着プレート
62U 上部第2溶着プレート、62L 下部第2溶着プレート
63 第1切断プレート
64 第2切断プレート
65U 上部第1押さえプレート、65L 下部第1押さえプレート
66U 上部第2押さえプレート、66L 下部第2押さえプレート
67 ヒータ
68 ヒータ
70 側部溶着機構
71 第1ヘッドアッセンブリ
72 第2ヘッドアッセンブリ
73 連結ブラケット
75 第1シリンダ
76 第2シリンダ
77 直動ガイド
(77a スライドシャフト、77b リニアブッシュ、77c リニアブッシュ)
79 コイルバネ
81 第1溶着プレート
82 第2溶着プレート
85L,85R 第1押さえプレート
86L,86R 第2押さえプレート
87 ヒータ
90 横転搬送装置
91 アングルフレーム
92 軸受
95 搬出ローラウェイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機を熱可塑性樹脂のシートで包装する梱包装置であって、
前記遊技機の前面側を覆うための長尺状の第1シートが巻かれた第1梱包ロール及び前記遊技機の後面側を覆うための長尺状の第2シートが巻かれた第2梱包ロールを前後に並べて回動可能に支持し、各梱包ロールから引き出された前記第1シート及び前記第2シートを繰り出し自在に配設するロール保持部と、
前記第1梱包ロールから繰り出されて下垂する前記第1シートと前記第2梱包ロールから繰り出されて下垂する前記第2シートとを前後に重ね合わせて外側から挟み込みこれらのシートを幅方向に溶着し及び切断する溶着切断機構と、
前記溶着切断機構により溶着されて接合されたシートの内面に前記遊技機の一側面を当接させ、前記遊技機を相対的に下方に移動させて前記接合されたシートを巻き付けさせる移動機構とを備え、
前記溶着切断機構は、下垂する前記第1シートの外面側及び前記第2シートの外面側に位置して前後に対向して設けられ、前記第1シート及び前記第2シートを外側から挟み込んで溶着する上下の溶着構造と、前記上下の溶着構造の間に設けられて前記第1及び前記第2シートの被溶着部の間を切断する切断構造とからなり、
前記上下の溶着構造が前記第1及び第2シートを挟み込んだときに前記切断構造が前記第1及び第2シートを斜め上下に挟み込んで重複部においてこれらのシートを溶融させ、さらに相互に噛み込んで前記溶融させた重複部を引き離して切断するように構成したことを特徴とする遊技機の梱包装置。
【請求項2】
前記上下の溶着構造は、下垂する前記第1シートの外面側に位置して前後にスライド変位可能に設けられた上部第1溶着部材及び下部第1溶着部材と、前記第2シートの外面側に位置して前後にスライド変位可能に設けられた上部第2溶着部材及び下部第2溶着部材とを有し、
前記切断構造は、前記上部第1溶着部材及び下部第1溶着部材の間に位置して前後にスライド変位可能に設けられた第1切断部材と、上部第2溶着部材及び下部第2溶着部材の間に位置して前後にスライド変位可能に設けられた第2切断部材とを有し、
前記上部第1溶着部材及び前記上部第2溶着部材からなる上部溶着構造と、前記下部第1溶着部材及び前記下部第2溶着部材からなる下部溶着構造とが、それぞれ前記第1及び第2シートを挟み込んでこれらのシートを上下で溶着し、前記第1切断部材と前記第2切断部材とが前記第1及び第2シートを斜め上下に挟み込んで重複部においてこれらのシートを溶融させ、
前記第1切断部材と前記第2切断部材とがさらに前後に噛み込んで前記溶融させた重複部を切断するときに、前記上部溶着構造と前記下部溶着構造とが前記第1及び第2シートを挟み込んだまま前後に相対変位して、前記重複部の切断を補助するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の遊技機の梱包装置。
【請求項3】
前記上部第1溶着部材、前記下部第1溶着部材、前記上部第2溶着部材、前記下部第2溶着部材、前記第1切断部材、及び前記第2切断部材を前後にスライド変位させるスライド機構は、
前記上部第1溶着部材と前記第1切断部材とを一体的に前後にスライド変位させる上部第1シリンダ、前記下部第1溶着部材を前後にスライド変位させる下部第1シリンダ、前記上部第2溶着部材を前後にスライド変位させる上部第2シリンダ、及び前記下部第2溶着部材と前記第2切断部材とを一体的に前後にスライド変位させる下部第2シリンダと、
前記上部第1シリンダ、前記下部第1シリンダ、前記上部第2シリンダ、及び前記下部第2シリンダの各シリンダの作動を制御するシリンダ制御装置とを備え、
前記シリンダ制御装置が前記各シリンダの作動を制御することにより、前記第1及び第2シートの溶着及び切断作動を制御するように構成したことを特徴とする請求項2に記載の遊技機の梱包装置。
【請求項4】
前記遊技機の前面側を覆うための長尺状の第1シートが巻かれた第1梱包ロール及び前記遊技機の後面側を覆うための長尺状の第2シートが巻かれた第2梱包ロールを前後に並べて回動可能に支持し、各梱包ロールから引き出された前記第1シート及び前記第2シートを繰り出し自在に配設するロール保持部と、
前記第1梱包ロールから繰り出されて下垂する前記第1シートと前記第2梱包ロールから繰り出されて下垂する前記第2シートとを前後に重ね合わせて外側から挟み込みこれらのシートを幅方向に溶着し及び切断する溶着切断機構と、
前記溶着切断機構により溶着されて接合されたシートの内面に前記遊技機の一側面を当接させ、前記遊技機を相対的に下方に移動させて前記接合されたシートを巻き付けさせる移動機構とを備え、
前記溶着切断機構が、下垂する前記第1シートの外面側及び前記第2シートの外面側に位置して前後に対向して設けられ、前記第1シート及び前記第2シートを外側から挟み込んで溶着する上下の溶着構造と、前記上下の溶着構造の間に設けられて前記第1及び前記第2シートの被溶着部の間を切断する切断構造とから構成される遊技機の梱包装置の制御方法であって、
前記上下の溶着構造により前記第1及び第2シートを挟み込ませてこれらのシートを溶着させる第1の工程と、
前記切断構造により前記第1及び第2シートを斜め上下に挟み込ませて重複部においてこれらのシートを溶融させる第2の工程と、
前記切断構造をさらに相互に噛み込ませ前記溶融させた重複部を引き離して切断する第3の工程と有して構成されることを特徴とする遊技機の梱包装置の制御方法。
【請求項5】
前記上下の溶着構造が、下垂する前記第1シートの外面側に位置して前後にスライド変位可能に設けられた上部第1溶着部材及び下部第1溶着部材と、前記第2シートの外面側に位置して前後にスライド変位可能に設けられた上部第2溶着部材及び下部第2溶着部材とを有して構成され、
前記切断構造は、前記上部第1溶着部材及び下部第1溶着部材の間に位置して前後にスライド変位可能に設けられた第1切断部材と、上部第2溶着部材及び下部第2溶着部材の間に位置して前後にスライド変位可能に設けられた第2切断部材とを有して構成され、
前記第1の工程では、前記上部第1溶着部材及び前記上部第2溶着部材からなる上部溶着構造と、前記下部第1溶着部材及び前記下部第2溶着部材からなる下部溶着構造とが、それぞれ前記第1及び第2シートを挟み込んでこれらのシートを上下で溶着し、
前記第2の工程では、前記第1切断部材と前記第2切断部材とが前記第1及び第2シートを斜め上下に挟み込んで重複部においてこれらのシートを溶融させ、
前記第3の工程では、前記第1切断部材と前記第2切断部材とがさらに前後に噛み込んで前記溶融させた重複部を切断するときに、前記上部溶着構造と前記下部溶着構造とが前記第1及び第2シートを挟み込んだまま前後に相対変位して、前記重複部の切断を補助するように構成したことを特徴とする請求項4に記載の遊技機の梱包装置の制御方法。
【請求項6】
前記上部第1溶着部材、前記下部第1溶着部材、前記上部第2溶着部材、前記下部第2溶着部材、前記第1切断部材、及び前記第2切断部材を前後にスライド変位させるスライド機構が、
前記上部第1溶着部材と前記第1切断部材とを一体的に前後にスライド変位させる上部第1シリンダ、前記下部第1溶着部材を前後にスライドさせる下部第1シリンダ、前記上部第2溶着部材を前後にスライド変位させる上部第2シリンダ、及び前記第2切断部材と前記第2溶着部材とを一体的に前後にスライド変位させる下部第2シリンダと、
前記上部第1シリンダ、前記下部第1シリンダ、前記上部第2シリンダ、及び前記下部第2シリンダの各シリンダの作動を制御するシリンダ制御装置とを備えて構成され、
前記第1の工程及び前記第2の工程は、前記シリンダ制御装置が前記上部第1シリンダ、前記下部第1シリンダ、前記上部第2シリンダ、及び前記下部第2シリンダを同時に作動させて、前記上部溶着構造及び前記下部溶着構造による溶着と、前記切断構造による前記重複部の溶融とを行わせ、
前記第3の工程では、前記シリンダ制御装置がそれぞれ対向するシリンダの作動を制御することにより、前記切断構造による前記第1及び第2シートの切断と、前記上部溶着構造及び前記下部溶着構造の相対変位による切断補助とを行わせることを特徴とする請求項5に記載の遊技機の梱包装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−99293(P2007−99293A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−287896(P2005−287896)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】