説明

遊技機

【課題】目押しの際に問題となるリールの高速回転を考慮した目押し補助機能を提供する。
【解決手段】サブ制御基板60の演出制御部202は、リールの回転とリール上の複数の図柄のうちの所定の図柄に対応する画像の表示とを同期させる周期を任意に設定可能な周期可変部2021を含み、周期可変部2021によって設定された周期で所定の図柄に対応する画像をリールの回転に同期させて表示装置に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目押し補助機能を搭載した遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技者がスロットマシンの遊技を行う上で、目押しと呼ばれる操作技術がある。この目押しと呼ばれる操作技術は、不適当なタイミングでストップスイッチを操作しても当選した役を入賞させることができないことがあるため、リールを表示する表示窓内に当選役に係る図柄を表示させることができるようにタイミングを計ってストップスイッチを操作する技術である。
【0003】
この目押しは、遊技者によって得手、不得手があり、当選役を入賞させるために目押しが必要となった場合、それが不得手である遊技者はなかなか役を入賞させることができず、遊技者に不安感を与えるほか、メダルの消費も進み、遊技者に不利益を与えることもある。
【0004】
このような問題に対し、表示窓の上部及び下部に表示装置を備え、これらの表示装置上に表示窓内に表示されるリール上の図柄の上方及び下方に連続して設けられる図柄の画像を表示し、遊技者の目押しを補助する機能が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2005−287981号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示される発明は、リールの回転に同期させて表示窓の上部及び下部の表示装置に図柄を移動表示させるものであるため、それらの表示装置において表示される図柄の画像は、リール上の図柄と同じ速度で移動表示される。目押しが不得手とする遊技者にとって最も問題であるのは、高速に回転するリールに対し、所定の図柄が表示窓に近づくタイミングを適切に見計らうことである。従って、例え上記の表示装置において確認できるリール上の図柄の範囲が広まったとしても、目押しを容易にするための補助機能としては十分ではない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、目押しの際に問題となるリールの高速回転を考慮した目押し補助機能を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の遊技機は、役の抽選を行う役抽選手段と、複数の図柄を表示した複数のリールと、前記複数のリールのそれぞれに対応して備えられ、前記リールの回転を停止させるためのストップスイッチと、前記役抽選手段の抽選結果と前記ストップスイッチの操作タイミングとに基づいて、前記リールの停止位置を決定するとともに、その決定された位置に前記リールを停止制御するリール停止制御手段と、前記リールを視認可能な表示窓の近傍に配置され、演出のための画像表示を行う表示装置と、前記表示装置における画像表示を制御する演出制御手段とを有し、前記演出制御手段は、前記リールの回転と前記複数の図柄のうちの所定の図柄に対応する画像の表示とを同期させる周期を任意に設定可能な周期可変手段を含み、前記周期可変手段によって設定された周期で前記所定の図柄に対応する画像を前記リールの回転に同期させて前記表示装置に表示させることを特徴とする。
【0009】
上記のように、本発明においては、リールの回転と、リールに表示される複数の図柄のうちの所定の図柄に対応する画像の表示とを同期させる周期を任意に設定可能な周期可変手段を含み、その周期可変手段によって設定された周期で所定の図柄に対応する画像をリールの回転に同期させて表示装置において表示するように構成している。ここで「所定の図柄」とは、リールに表示される複数の図柄のうちの一部の図柄であってもよいし、全ての図柄であってもよい。このように構成したことで、本発明によれば、例えばリールの回転周期より長い周期で同期をとって所定の図柄に対応する画像を表示することが可能となる。これにより、表示装置上ではリールの回転速度より遅い速度で所定の図柄に対応する画像を移動表示させることができ、また、所定の図柄に対応する画像の移動表示のタイミングに合わせてストップスイッチを操作することにより、所定の図柄を目押しすることが可能となる。従って、本発明によれば、目押しの際に問題となるリールの高速回転を考慮した目押し補助機能を提供することが可能となる。
【0010】
本発明の遊技機においては、前記所定の図柄に係る役は、当選状態を次遊技に持ち越し可能な役を含み、前記周期可変手段は、前記当選状態を次遊技に持ち越し可能な役の当選状態が持ち越された遊技回数に応じて、前記リールの回転と前記複数の図柄のうちの所定の図柄に対応する画像の表示とを同期させる周期を変化させることを特徴とする。
【0011】
上記のように、本発明においては、所定の図柄に係る役の目押しが失敗するなどして当選状態が持ち越された遊技回数に応じて、リールの回転と前記複数の図柄のうちの所定の図柄に対応する画像の表示とを同期させる周期を変化させるように構成したので、例えば、当選状態が持ち越された遊技回数が増加する程、リールの回転と前記複数の図柄のうちの所定の図柄に対応する画像の表示とを同期させる周期をより長い周期とすることができる。このようにすることで、当選状態が持ち越された遊技回数が増加する程、より目押しを容易なものとする目押し補助機能を提供することができる。
【0012】
本発明の遊技機においては、前記演出制御手段は、前記リールの回転に従って、前記所定の図柄に対応する画像が前記表示窓の端部に近づいていくような画像又は前記表示窓の端部から遠ざかるような画像を前記表示装置に表示させることを特徴とする。
【0013】
上記のように構成することで、本発明によれば、表示窓に所定の図柄が近づいてきていること、表示窓から所定の図柄が遠ざかっていることを視覚的に認識することが可能となり、目押しのタイミングをより印象としてとらえ易い目押し補助機能を提供することができる。
【0014】
本発明の遊技機においては、前記演出制御手段は、前記所定の図柄に対応する画像が前記表示窓内の何れかの位置となるタイミングを報知する演出を表示させることを特徴とする。
【0015】
上記のように構成することで、遊技者は、所定の図柄が表示窓内に表示されるタイミングを把握することができるとともに、所定の図柄が表示窓内のどの位置に表示されるのかも把握することが可能となる。
【0016】
本発明の遊技機は、前記役抽選手段による役の抽選結果に応じて演出パターンを選択する演出パターン選択手段を更に有し、前記演出制御手段は、前記演出パターン選択手段により選択された演出パターンに応じて、前記所定の図柄に対応する画像を前記表示装置に表示させることを特徴とする。
【0017】
上記のように構成したことにより、本発明によれば、役の抽選の結果、当選した役に対応する所定の図柄を入賞させるための目押し補助機能を提供することができる。
【0018】
本発明の遊技機においては、前記演出制御手段は、前記演出パターン選択手段により選択された演出パターンに応じて、停止した図柄に応じた特定の画像を前記表示装置に表示させることを特徴とする。
【0019】
上記のように構成したことにより、本発明によれば、停止した図柄に応じて特定の画像により役の抽選結果を報知することが可能となる。
【0020】
本発明の遊技機は、演出の種類毎に分類される少なくとも一つの演出パターン群を演出タイプとして格納する演出タイプ格納手段と、前記演出タイプ格納手段に格納される複数の演出タイプから少なくとも一つの演出タイプを選択可能な演出タイプ選択手段とを更に有し、前記演出パターン選択手段は、前記演出タイプ選択手段により選択された演出タイプに含まれる演出パターンを選択することを特徴とする。
【0021】
上記のように、本発明においては、複数の演出タイプから少なくとも一つの演出タイプを選択し、演出パターン選択手段は、選択された演出タイプから演出パターンを選択するように構成している。従って、例えば遊技者が演出タイプを選択することができれば、遊技者は自らの嗜好にあった演出タイプを楽しむことができる。また、抽選等によりランダムに演出タイプを選択するようにすれば、演出タイプの切り替えに対する期待感や予測を楽しむことができる。
【0022】
本発明の遊技機においては、前記表示装置は、前記表示窓の上方及び下方の少なくとも何れか一方に配置されることを特徴とする。
【0023】
上記のように、本発明においては、表示窓の上方又は下方の少なくとも何れか一方に表示装置を配置するように構成したので、リールの図柄に対応する画像の移動表示と表示窓内のリールの図柄の移動が連動しているような演出を行うことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、目押しの際に問題となるリールの高速回転を考慮した目押し補助機能を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン(遊技機)の外観を示す正面図である。なお、以下の説明において、「遊技」とはメダル(遊技媒体)の投入からストップスイッチの操作を経た入賞処理までの一連の動作をいう。
【0026】
(スロットマシン10)
本実施形態に係るスロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けられ、このフロントパネル20には、透明な表示窓21が設けられている。一方、筐体内部であって表示窓21の後方には、3つのリール(回胴)31L、31C及び31Rが配置されている。遊技者から見て左側から、左リール31L、中リール31C、右リール31Rが配置されている。
【0027】
リール31L、31C及び31Rはリング状体であり、その外周面には複数の入賞図柄(入賞役を構成する図柄)を印刷したリールテープが貼られている。1つのリールには、例えば21個の複数種類の図柄が等間隔で配列されている。但し、図柄の配列はリールごとに異なっている。そして、表示窓21内から、リール31L、31C及び31Rの上下方向で連続する3つの図柄が見えるようになっている。
【0028】
また、リール31L、31C及び31Rの中心部には、ステッピングモータ(図示せず)が連結されており、このステッピングモータの駆動によってリール31L、31C及び31Rが回転する。従って、遊技者の立場からすると、リール31L、31C及び31Rの図柄が表示窓21内で上下に移動しているように見える。更に、リール31L、31C及び31Rの内側には、バックランプ(図示せず)が設けられている。バックランプはリールごとに配置されており、リールが停止した時に表示窓21から見える総計で9個の図柄の夫々に対応するようにして、リール31L、31C及び31Rの内側に配置されている。また、リール31L、31C及び31Rは透光性を有する材料から形成されており、バックランプの点灯によりリール31L、31C及び31Rに付された図柄が照光されるように構成されている。なお、リール群31及びバックランプの配置は、この形態に限られるものではない。
【0029】
また、特別役等が当選した場合には、有効ライン上に当選役の図柄の組合せが停止するように、リール31L、31C及び31Rの停止制御の範囲内でできる限り当選役に係る図柄が揃うような引き込み制御が行われる。リール31L、31C及び31Rの停止制御の範囲は、本実施形態では、ストップスイッチが操作された時の図柄から当該図柄を含んで5図柄までとする。なお、リール31L、31C及び31Rの停止制御の範囲は、この形態に限られるものではない。
【0030】
フロントパネル20の表示窓21を含む部分には、図柄組合せライン22a、22b及び22cからなる図柄組合せライン群22が設定されている。ここで、図柄組合せライン群22とは、リール31L、31C及び31Rの停止時における図柄の並びラインであって、図柄の組合せを形成させるラインである。本実施形態では、水平方向の中段の図柄組合せライン22aと、水平方向の上段及び下段の2本の図柄組合せライン22bと、右下がり及び左下がりの斜め方向の2本の図柄組合せライン22cとが、図柄組合せライン群22として設けられている。そして、リール31L、31C及び31Rに付された図柄は、リール31L、31C及び31Rが停止した時に、表示窓21から見える9個の図柄が全てこれらの図柄組合せライン群22上に位置するような間隔で配置されている。なお、リール31L、31C及び31Rからリール群31が構成されている。なお、図柄組合せラインの形成方法は、上述した内容に限定されない。
【0031】
表示窓21の近傍の上方及び下方には、演出のための画像表示を行う上部表示装置24及び下部表示装置25が備えられている。上部表示装置24及び下部表示装置25の表示領域は、略均一な面積で左側表示領域24L、25L、中央表示領域24C、25C及び右側表示領域24R、25Rに区分され、これらの表示領域において、リール31L、31C及び31Rの回転に応じて移動する図柄に対応した演出画像を表示する。この演出画像の一例としては、リール31L、31C及び31Rの回転の任意の周期に同期させて、左側表示領域24L、25L、中央表示領域24C、25C及び右側表示領域24R、25Rにおいて、リール31L、31C及び31Rの回転によって移動する個々の図柄に対応する画像を移動表示させることが挙げられる。本実施形態における左側表示領域24L、25L、中央表示領域24C、25C及び右側表示領域24R、25Rを用いた演出はこの例に限られるものではなく、その詳細については後述する。
【0032】
フロントパネル20の右下側にはメダル投入口23が設けられており、ここから遊技者によってメダルが投入されると、投入されたメダル枚数に応じて、図柄組合せライン群22は有効ラインとして設定される。ここで、「有効ライン」とは、リール31L、31C、31Rの停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せであるか否かの判別対象となるラインである。投入されたメダルが1枚のときは水平方向の中段の図柄組合せライン22aが有効ラインとして設定され、2枚のときは水平方向の上段、中段及び下段の3本の図柄組合せライン22a及び22bが有効ラインとして設定される。また、投入されたメダルが3枚のときは、さらに加えて右下がり及び左下がりの斜め方向の2本の図柄組合せライン22cを含む総計で5本の図柄組合せライン22a〜22cが有効ラインとして設定される。なお、有効ラインの設定方法は、上述した内容に限定されない。
【0033】
そして、図柄組合せライン22a、22b及び22cの1ライン乃至5ラインが有効ラインとして設定されると、有効ラインランプ(図示せず)が点灯する。この制御は、後述のメインCPU51(図2参照)により行われる。例えば3枚のメダルが投入されている場合には、リール31L、31C及び31Rが停止した時に、少なくとも1本の図柄組合せライン22a〜22cに特定の図柄の組合せが停止していれば、その組合せに応じた役に入賞したこととなり、役に応じた枚数のメダルが払い出される。
【0034】
更に、フロントパネル20の表示窓21の左下には、クレジット数表示部26、ゲーム数表示部27及び払出数表示部28が設けられている。クレジット数表示部26には、クレジットされているメダルの枚数(クレジット数情報)が表示される。ゲーム数表示部27には、特別遊技等において、所定の遊技の残り数や既に行った遊技の数等が表示される。払出数表示部28には、メダルが払い出される際に、その枚数が表示される。
【0035】
フロントパネル20の表示窓21の上側には、カラー映像を表示する液晶表示パネル等の演出表示装置40が遊技者に対して目視可能に設けられている。演出表示装置40は、遊技中の演出を行うときに各種の画像を表示する。
【0036】
また、筐体の前面部には、遊技者が遊技を進行する上で操作する各種の操作スイッチ、例えば、スタートスイッチ41及びベットスイッチ43が設けられている。更に、演出表示装置40の左右及びフロントパネル20の下部(メダル払出口73の近傍)にスピーカ71が設けられている。
【0037】
スタートスイッチ41は、リール31L、31C及び31Rの回転をスタートさせるときに遊技者が操作するスイッチ、例えばレバーである。ベットスイッチ43は、遊技者がクレジット内のメダルを投入する際にベット枚数(賭数)を指定するスイッチ群であり、1ベット・2ベットスイッチ43a及びMAXベットスイッチ(3ベットスイッチ)43bから構成されている。これらのベットスイッチ43a及び43bも、例えばボタンとして配置されている。1ベット・2ベットスイッチ43aが操作される度に、ベット枚数が1枚と2枚との間で切り替えられ、MAXベットスイッチ43bが操作されると、ベット枚数が3枚となる。ベットスイッチ43a及び43bの上方には、投入枚数表示部29が設けられており、ベットスイッチ43a及び43bの操作やメダル投入口23からのメダルの投入に応じて、投入枚数表示部29にメダルの投入枚数が表示される。
【0038】
詳細は後述するが、通常ゲームでは、遊技者がメダル投入口23からメダルを投入するか、ベットスイッチ43を操作すると、図柄組合せライン22a〜22cがベット枚数に応じて有効ラインとして設定される。更に、遊技者がスタートスイッチ41を操作すると、役の抽選が行われると共に、リール31L、31C及び31Rが回転し始める。そして、遊技者がストップスイッチ42L、42C及び42Rを操作すると、操作されたボタンに応じてリール31L、31C及び31Rの回転が停止し、有効ライン上に並んだ図柄の組合せが予め定められた何らかの役の図柄の組合せと一致するときは入賞となり、その入賞役に応じたメダルの払い出し等が行われる。但し、リール31L、31C及び31Rの回転の停止に際しては、役の抽選結果に基づいた制御が行われる。
【0039】
また、遊技(ゲーム)中には、種々の演出、例えばバックランプの点灯、演出表示装置40を用いた画像表示及びスピーカ71からの音声の出力等が行われる。更に、このような演出として、役の当選可能性の告知演出が行われることもある。
【0040】
次に、スロットマシン10の内部構成等のシステム構成について説明する。図2は、本発明の実施形態に係るスロットマシン10のシステム構成を示すブロック図である。スロットマシン10の筐体内部には、メイン制御基板50、並びにこのメイン制御基板50に接続されたサブ制御基板60、リール基板11、中央表示基板12及び電源装置基板13が配置されている。
【0041】
(メイン制御基板50)
メイン制御基板50には、メインCPU51、ROM52、RAM53及びインタフェース回路(I/F回路)54が設けられており、これらはバス55を介して互いに接続されている。
【0042】
メインCPU51は、プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)及び実行を行う。そして、メインCPU51は、ROM52に記憶されているプログラム及びデータ等を読み出し、これらに基づいてスロットマシン10全体の制御を行う。
【0043】
ROM52には、後述の図6−1乃至図6−3に示すメインCPU51が行う処理、その他の遊技の制御に必要なプログラム並びにデータ等が記憶されている。また、RAM53は、メインCPU51が各種の制御を行う時に用いられ、データ等を一時的に記憶する。
【0044】
I/F回路54は、メイン制御基板50と、サブ制御基板60、リール基板11、中央表示基板12及び電源装置基板13との間で行われる信号の送受信を行う。但し、メイン制御基板50とサブ制御基板60との間では、メイン制御基板50からサブ制御基板60への信号の送信は行われるが、サブ制御基板60からメイン制御基板50への信号の送信は行われない。
【0045】
(サブ制御基板60)
サブ制御基板60には、サブCPU61、ROM62、RAM63、画像制御プロセッサ64、画像データROM65、ビデオRAM66、音源回路67、アンプ68及びインタフェース回路(I/F回路)69が設けられている。サブCPU61、ROM62、RAM63、画像制御プロセッサ64、音源回路67及びI/F回路69はバス70を介して互いに接続されている。また、画像データROM65及びビデオRAM66は画像制御プロセッサ64に接続され、アンプ68は音源回路67に接続されている。また、演出用ランプ72は、バス70を介してサブCPU61に接続されている。
【0046】
サブCPU61は、プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)及び実行を行う。そして、サブCPU61は、ROM62に記憶されているプログラム及びデータ等を読み出し、サブ制御基板60全体の制御、特に遊技者に対する演出の制御を行う。なお、サブCPU61の処理能力や開発言語等には、何らの制約もない。
【0047】
ROM62には、後述の図7及び図8に示すサブCPU61が行う処理、その他の遊技中の演出に必要なプログラム及びデータ等が記憶されている。また、RAM63は、サブCPU61が各種の制御を行う時に用いられ、データ等を一時的に記憶する。
【0048】
これらのサブCPU61、ROM62及びRAM63は、夫々メイン制御基板50に設けられたメインCPU51、ROM52及びRAM53と同様の機能を有するものである。なお、ROM62及びRAM63は、夫々ROM52及びRAM53と同一のものを用いても良いが、これらよりも容量の大きいものを用いても良い。
【0049】
上述の演出表示装置40は画像制御プロセッサ64に接続されている。画像データROM65には、演出表示装置40に表示されるキャラクタ、文字及び背景等の複数種類の画像データが記憶されている。また、ビデオRAM66は、画像制御プロセッサ64が演出表示装置40に表示しようとする画像を作成する時に用いられ、画像データROM65から読み出したデータ等に基づき表示すべき画像データがビデオRAM66に展開される。
【0050】
他に、本実施形態においては、演出用周辺機器として、演出表示装置40の他にスピーカ71、上述のバックランプ等が設けられている。スピーカ71はアンプ68に接続されている。これらの演出用周辺機器は、遊技に直接関係しない周辺機器であって、遊技中の演出(役の当選可能性の告知演出等)の出力を行うものであり、サブ制御基板60にのみ接続されており、メイン制御基板50には接続されていない。
【0051】
I/F回路69は、メイン制御基板50からの信号の受信の際に、タイミングの制御等を行う。なお、上述のように、メイン制御基板50からサブ制御基板60への信号の送信は行われるが、サブ制御基板60からメイン制御基板50への信号の送信は行われない。即ち、一方向の送信のみが可能となっている。
【0052】
(リール基板11)
リール基板11には、左リール31L、中リール31C及び右リール31Rを駆動するためのステッピングモータ(図示せず)が接続されている。これらのリール31L、31C及び31Rの動作の制御は、リール基板11を介してメインCPU51によって行われる。また、左リール31L、中リール31C及び右リール31Rの夫々に対応して所定の位置にセンサ(図示せず)が設置されており、これらのセンサはリールの基準位置の通過を検知する。基準位置の通過が検知されると、センサから検知信号が出力され、リール基板11を介してメインCPU51に入力される。また、ステッピングモータのステップ数もリール基板11を介してメインCPU51に対して入力される。
【0053】
(中央表示基板12)
中央表示基板12は、例えばフロントパネル20の裏側の中央部に取り付けられる。中央表示基板12には、クレジット数表示部26、セレクタ81、1ベット・2ベットスイッチ43a、MAXベットスイッチ(3ベットスイッチ)43b、スタートスイッチ(レバー)41、左ストップスイッチ42L、中ストップスイッチ42C、右ストップスイッチ42R、設定表示部82及び設定変更スイッチ83が接続されている。
【0054】
セレクタ81は、メダル投入口23から投入されたメダルが正規のものであるか識別し、不正なメダルを排除する。設定表示部82は、フロントパネル20の裏側から見えるように配置されており、確率や払い出しに関する設定(例えば、設定1〜設定6)等が表示される。設定変更スイッチ83は、確率や払い出しに関する設定等を変更する際に操作されるスイッチである。
【0055】
(電源装置基板13)
電源装置基板13には、設定変更有効化スイッチ91、電源スイッチ92、ホッパ装置93及び電源装置94が接続されている。設定変更有効化スイッチ91は、設定変更スイッチ83を用いた設定の変更を可能な状態にする際に操作するスイッチである。即ち、設定変更有効化スイッチ91がオンの状態になっているときに限り、設定変更スイッチ83を用いた設定の変更が可能になる。電源スイッチ92は、電源装置94のオン/オフを切り替えるためのスイッチである。ホッパ装置93は、メダルの貯蔵及び払い出しを行う装置であり、電源装置基板13を介したメインCPU51からの指示に基づいて、予め貯蔵しておいたメダルから所定枚数のメダルを遊技者に払い出す。
【0056】
次に、メイン制御基板50の機能的な構成について説明する。図3は、メイン制御基板50の機能的な構成を示す機能ブロック図である。本実施形態においては、例えばメインCPU51及びROM52のプログラムから、以下の各部101、102、106、107、108及び110が構成され、例えばRAM53に、後述する記憶部103が備えられ、例えばROM52に、後述する役抽選テーブル121等のデータが記憶されている。
【0057】
(役抽選部101)
役抽選部101は、後述の遊技進行制御部102によるタイミング制御に応じて、役(特別役、小役、リプレイ等)の抽選を行う。ここで、特別役とは、通常遊技とは異なる遊技であって遊技者にとって有利な特別遊技に移行させるための役である。通常遊技における役の抽選において特別役に当選し、役別役の図柄の組合せが有効ラインに停止したとき、即ち特別役に入賞したことを条件として、通常遊技から特別遊技に移行させる。特別遊技は、通常遊技以上にメダル獲得枚数期待値が大きく、遊技者にとって有利となる遊技である。ここで、特別遊技には、例えばBB(ビッグボーナス)ゲーム及びRB(レギュラーボーナス)ゲームが含まれる。
【0058】
本実施形態においては、例えば、有効ライン上に3つの「赤7」が停止した場合に、ビッグボーナスの入賞となってBBゲームに移行するが、このBBゲームは所定の終了条件が満たされるまで行われる。この特別遊技(BBゲーム)の終了条件についての詳細は後述するが、本実施形態においてはJACゲーム(ボーナスゲーム)を繰り返し、この特別遊技(BBゲーム)中におけるメダルの総払い出し枚数(総払出数)が所定の範囲の終了枚数(終了数)、例えば465枚に達した時点で特別遊技(BBゲーム)が終了するように制御されている。
【0059】
また、本実施形態においては、例えば、有効ライン上に3つの「黒BAR」が停止した場合に、レギュラーボーナスの入賞となってRBゲームに移行する。このRBゲームはJACゲームが連続して12ゲーム行われるか、又はJACゲーム中で合計8回の入賞することにより終了し、通常遊技に移行する。このように、本実施形態においては、RBゲームは終了条件としてゲーム回数を規定しているのに対し、BBゲームは終了条件として払出枚数を規定している。
【0060】
なお、小役とは、所定枚数のメダルを遊技者に払い出す役であり、例えば複数種類設けられている。リプレイとは、前の遊技で投入したメダル枚数を維持した再遊技を行う権利を遊技者に与える役である。
【0061】
役抽選部101は、遊技毎に、内部で乱数を発生させた後に一の乱数を取得すると共に、ROM52に記憶されている役抽選テーブル121内の取得した乱数が属する領域に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する。
【0062】
なお、役抽選部101は、例えば所定の領域(10進法で0〜65535)の乱数を発生させ、例えばスタートスイッチ41が操作されたとき等、所定の条件が満たされたときに一の乱数値を取得する。役抽選テーブル121には、役抽選部101が取得可能な乱数値に対して、図5に示すように、BB当選領域、RB当選領域、小役当選領域、リプレイ(RP)当選領域、及び非当選(ハズレ)領域等が、所定の割合で設定されている。即ち、役抽選テーブル121には、乱数値と各役との関係が定められており、例えば、乱数値(a)からある乱数値(a+α)がBB当選領域に対して割り当てられ、次の乱数値(a+α+1)から他の乱数値(a+α+1+β)がRB当選領域に割り当てられ、小役当選領域等についても、同様にして乱数値が割り当てられている。そして、役抽選部101が取得した乱数値が含まれる領域の役が、役抽選の結果、当選した役となる。尚、本実施形態では、図5に示す役のうち、BB及びRBが特別役に該当し、チェリー、スイカ及びベルが小役に該当する。また、図5に示す例の他に、特別遊技において用いられる役抽選テーブル(図示せず)等が設けられている。
【0063】
そして、役抽選部101は使用する役抽選テーブルを選択し、取得した乱数値を選択した役抽選テーブルと照らし合わせることにより、その乱数値が属する領域を判定し、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値が特別役当選領域に属する場合は、特別役の当選と判定し、非当選領域に属する場合は、ハズレと判定する。そして、何らかの役が当選した場合には、その役に対するフラグをオンにする。なお、本実施形態において、不適当なタイミングでストップスイッチを操作した場合、当選した役を入賞させることができないリール配列又はリール制御となっている役のうち、ビッグボーナスやレギュラーボーナスなどの特別遊技の開始に係る役が特別役である。また、当選した役を入賞させることができないリール配列又はリール制御となっている役のうち、上述の特別役以外の役が特定役である。
【0064】
また、役抽選部101は、抽選の結果を示す情報、例えばどの役が当選したかを示す情報である当選役情報や現在の遊技状態を示す遊技状態情報等をサブ制御基板60に毎遊技送信する。
【0065】
(遊技進行制御部102)
遊技進行制御部102は、役抽選部101や、後述のリール制御部106及び入賞判定部107等の動作タイミングを制御する。例えば、遊技進行制御部102は、スタートスイッチ41が操作されたことを条件として、役抽選部101に役の抽選を行わせると共に、リール制御部106にリール群31の回転を開始させ、また、ストップスイッチ群42が操作されたことを条件として、リール制御部106にリール群31の停止制御を行わせ、更に、リール群31が停止したことを条件として、入賞判定部107に入賞判定を行わせる。なお、遊技進行制御部102の動作はこれらに限定されるものではない。
【0066】
(フラグ情報記憶部103)
フラグ情報記憶部103は、役抽選部101によって何らかの役に対するフラグがオンになった場合に、当選した役の種類及びそのフラグがオンになったことを記憶する。なお、後述のように、フラグ情報記憶部103に記憶されている情報が消去されるタイミング(当選フラグがオフとなるタイミング)は、特別役とそれ以外の役とで異なっている。即ち、特別役の場合、フラグ情報記憶部103に記憶されている情報は、特別遊技が開始したことを条件として消去され、特別遊技が開始していなければ次遊技以降まで持ち越されるのに対し、それ以外の役の場合には、その役の入賞の有無に拘わらず、当該遊技の終了の際に消去され、次遊技まで持ち越されることはない。
【0067】
(リール制御部106)
リール制御部106は、遊技進行制御部102によるタイミング制御に応じて、リール群31(リール31L、31C及び31R)の回転の開始及び停止の制御を行う。より具体的には、リール制御部106は、遊技状態(例えば、通常遊技状態、特別遊技状態等)、役抽選部101による抽選の結果、並びにストップスイッチ群42(ストップスイッチ42L、42C及び42R)が操作されたタイミング等に基づいて、リール31L、31C及び31Rの停止位置を決定すると共に、ステッピングモータの駆動を制御して、その決定した位置でリール31L、31C及び31Rの回転を停止させる。
【0068】
特に、当該遊技で特別役に当選している場合や、特別役の当選が前遊技から持ち越されていて、且つ当該遊技で小役やリプレイに当選していない場合には、有効ライン上に特別役の図柄の組合せが停止するように、リール31L、31C及び31Rの停止制御の範囲内(例えば、ストップスイッチが操作された時の図柄から当該図柄を含む5図柄以内)でできる限り特別図柄が揃うような引き込み制御を行う。なお、特別役の当選が持ち越されている場合に、小役やリプレイに当選したときは、そのときのリール制御に応じて、有効ライン上に特別役の図柄の組合せが停止したり、停止しなかったりする。さらにまた、このようなリール31L、31C及び31Rを停止させる際の制御は、リール制御用のテーブルを用いて行ってもよい。
【0069】
(入賞判定部107)
入賞判定部107は、遊技進行制御部102によるタイミング制御に応じて、図柄組合せライン群22のうち、1本〜複数本の有効ラインのいずれかに役の図柄の組合せが並んでいるか否かを判定し、並んでいるものがあれば当該遊技でその役に入賞したと判定する。このとき、入賞判定部107は、例えばステッピングモータの停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ラインに位置する図柄を判定し、これに基づいて、役の入賞の有無を判定すると共に、判定結果の情報(入賞役情報)等をサブ制御基板60に送信する。
【0070】
なお、リール31L、31C及び31Rを停止させる際の制御にリール制御用のテーブルを用いている場合には、リール31L、31C及び31Rが実際に停止してから入賞判定部107が図柄の組合せを判定するのではなく、リール制御部106によってリール制御用のテーブルを用いてリール群31の停止位置が定められた時に、有効ライン上に停止する図柄の組合せを判別するようにしてもよい。
【0071】
(特別遊技制御部108)
特別遊技制御部108は、入賞判定部107による判定の結果、特別役に入賞していた場合に、特別遊技の制御を行う。例えば、特別遊技制御部108は、特別遊技中における役抽選部101の抽選結果に応じて、リール制御部106に特別遊技用のリール制御を行わせたり、サブ制御基板60に特別遊技用の演出を行わせたりする。特に、入賞判定部107による判定の結果、BBに入賞していた場合には、次遊技から役に入賞した場合に払い出されるメダルの総数が所定の終了枚数に達するまでの間、特別遊技(BBゲーム)の制御を行う。例えば、この特別遊技の制御としては、リール制御部106に特別遊技(BBゲーム)用のリール制御を行わせる。また、特別遊技(BBゲーム)においては、上述のように、役抽選テーブル121とは異なる抽選テーブル(図示せず)が用いられ、この抽選テーブルの変更も特別遊技制御部108の指示に基づいて行われる。
【0072】
また、特別遊技制御部108は、入賞判定部107による判定の結果、RBに入賞していた場合には、次遊技から所定の遊技数に達するまでの間、特別遊技(RBゲーム)の制御を行う。この場合においても、特別遊技制御部108の指示により、上述の役抽選テーブル121から特別遊技(RBゲーム)用の抽選テーブル(図示せず)に変更して、リール制御部106に制御を行わせる。
【0073】
(払出制御部110)
払出制御部110は、入賞判定部107による判定の結果、入賞している役に応じたメダルの払い出しをホッパ装置93に行わせたり、クレジット数表示部26におけるクレジット数情報の表示を更新したりする。払出制御部110には払出枚数カウンタ111が含まれている。入賞役がBBである場合、払出枚数カウンタ111は、BBゲーム中のメダルの払出枚数をカウントし、その総数を求める。そして、払出制御部110は、総払出枚数が所定の範囲の終了枚数、例えば465枚に達すると、その旨を特別遊技制御部108に知らせ、特別遊技を終了させる。なお、払出枚数カウンタ111により求められたメダルの総払出枚数の情報は、総払出枚数が所定の終了枚数に達し、一連の特別遊技(BBゲーム)が終了した時点で消去され、総払出枚数はリセットされる。
【0074】
次に、サブ制御基板60の機能的な構成について説明する。図4は、サブ制御基板60の機能的な構成を示すブロック図である。本実施形態においては、例えばサブCPU61及びROM62のプログラムから、以下の各部(機能ブロック)が構成されている。
【0075】
(演出パターン選択部201)
演出パターン選択部201は、スタートスイッチ41が操作されてから3個目のストップスイッチが操作されて全てのリール31L、31C及び31Rが停止するまでの間に行う演出パターン、3個目のストップスイッチが操作されて全てのリール31L、31C及び31Rが停止した時に何らかの役に入賞していた場合に行う演出パターン、ベットスイッチ43a又は43bの操作時に行う演出パターン等に応じて選択する。
【0076】
(演出タイプ格納部203)
演出タイプ格納部203は、演出の種類(演出タイプ)毎に演出パターン群を分類して格納する。ここでは、目押し補助演出タイプ、リール演出タイプ、通常演出タイプの3つの演出タイプを想定している。目押し補助演出タイプに分類される演出パターンとしては、図9−1乃至図9−3、図10、図11及び図13に示す演出パターンを、リール演出タイプに分類される演出パターンとしては、図12及び図14に示す演出パターンを、通常演出タイプに分類される演出パターンとしては、前述した演出タイプ以外の通常遊技時において実行される演出パターンを想定している。これらの演出パターンの詳細については後述する。
【0077】
(演出タイプ選択部204)
演出タイプ選択部204は、遊技者の操作手段(図示せず)による操作に応じて、演出タイプ格納部203に格納される複数の演出タイプから少なくとも一つの演出タイプを選択する。演出パターン選択部201は、演出タイプ選択部204により選択された演出タイプに含まれる演出パターンを選択する。
【0078】
(演出制御部202)
演出制御部202は、演出パターン選択部201によって選択された演出パターンに基づく演出の制御を行う。そして、演出制御部202による制御に基づいて、画像制御プロセッサ64が上部表示装置24及び下部表示装置25に表示する画像データを作成し、また、音源回路67で生成された音信号がアンプ68によって増幅された後、スピーカ71から出力される。
【0079】
(周期可変部2021)
周期可変部2021は、リールの回転とリールの図柄に対応する画像の表示とを同期させる周期を任意に設定することが可能である。この周期の設定は、当選状態を次遊技に持ち越し可能な役の当選状態が持ち越された遊技回数に応じて、リールの回転とリールの図柄に対応する画像の表示とを同期させる周期を変化させて設定するものである。本実施形態においては、当選状態を次遊技に持ち越し可能な役として特別役及び特定役を想定している。演出制御部202は、上部表示装置24及び下部表示装置25において、周期可変部2021によって設定された周期でリールの回転に同期させてリールの図柄に対応する画像を移動表示させる。例えば、リールの回転周期と同じ周期でリールの図柄に対応する画像を移動表示させたり、リールの回転周期の1/2の周期でリールの図柄に対応する画像を移動表示させたり、リールの回転周期の1/3の周期でリールの図柄に対応する画像を移動表示させたりすることができる。リールの回転周期と同じ周期でリールの図柄に対応する画像を移動表示させる場合には、リールの図柄に対応する画像が、リールが1周する周期に合わせて移動表示される(周期:n=1)。リールの回転周期の1/2の周期でリールの図柄に対応する画像を移動表示させる場合には、リールの図柄に対応する画像が、リールが2周する周期に合わせて移動表示される(周期:n=2)。リールの回転周期の1/3の周期でリールの図柄に対応する画像を移動表示させる場合には、リールの図柄に対応する画像が、リールが3周する周期に合わせて移動表示される(周期:n=3)。
【0080】
なお、メイン制御基板50及びサブ制御基板60にこれらの機能以外の機能が設けられていてもよい。
【0081】
次に、上述のように構成された本実施形態に係るスロットマシンの動作について説明する。図6−1乃至図6−3は、メイン制御基板50による制御を示すフローチャートである。図7及び図8は、サブ制御基板60による制御を示すフローチャートである。
【0082】
先ず、メイン制御基板50によって制御される遊技の流れについて説明する。図6−1において、遊技進行制御部102は、メダルの投入を監視しており、メダル投入口23からのメダルの投入があるか、又はクレジットがある場合にベットスイッチ43a又は43bが操作されると、メダルが投入されたと判断し(ステップS1)、投入されたメダルの数を求める(ステップS2)。そして、投入されたメダルの数が1枚未満であれば、再度、ステップS1において、メダルの投入の有無を判断する(ステップS3)。
【0083】
投入されたメダルの数が1枚未満ではない場合、即ち1枚以上のメダルが投入された場合又はベットスイッチが操作された場合に、遊技者によってスタートスイッチ41が操作されると、遊技進行制御部102はスタートスイッチ41がオンになったことを検知し(ステップS4)、役抽選部101が乱数を取得する(ステップS5)。なお、遊技進行制御部102は、スタートスイッチ41が操作されるまで、ステップS1〜ステップS4の処理を繰り返す。
【0084】
次いで、役抽選部101は、遊技状態に基づいて役抽選テーブルを選択した後、取得した乱数と選択した役抽選テーブルとを照らし合わせて役の抽選処理を行う(ステップS6)。そして、この抽選の結果、何らかの役の当選があった場合、当該役のフラグをオンにして、そのことをフラグ情報記憶部103に記憶させる(ステップS7)。また、役抽選部101は、サブ制御基板60に当選した役の情報等を送信する(ステップS8)。
【0085】
そして、役抽選部101によるこれらの処理が終了した後、図6−2に示すように、遊技進行制御部102はリール制御部106に第1、第2、第3リールであるリール31L、31C及び31Rの回転を開始させる(ステップS10)。ここでいう第1リールとは、後述する第1ストップスイッチが操作されることにより停止するリールであり、第2リールとは、後述する第2ストップスイッチが操作されることにより停止するリールであり、第3リールとは、後述する第3ストップスイッチが操作されることにより停止するリールのことである。
【0086】
次いで、リール制御部106は、第1リール〜第3リールに夫々対応するセンサから各リールの基準位置の通過を示す検知信号を入力すると、その検知信号をサブ制御基板60に対して送信するとともに、適宜、ステッピングモータのステップ数をサブ制御基板60に対して送信する(ステップS29)。
【0087】
その後、リール制御部106は、ストップスイッチ群42のいずれか1個(第1ストップスイッチ)が操作されると(ステップS11)、当選役に入賞可能となるようなリール制御を行って、操作されたストップスイッチに対応する第1リールの回転を停止させる(ステップS12)。第1ストップスイッチが未だ操作されていない場合には、第1ストップスイッチが操作されるまで、ステップS29における検知信号とステッピングモータのステップ数との送信処理を繰り返す。
【0088】
次いで、リール制御部106は、第1リール以外の第2、第3リールに夫々対応するセンサから各リールの基準位置の通過を示す検知信号を入力すると、その検知信号をサブ制御基板60に対して送信するとともに、適宜、ステッピングモータのステップ数をサブ制御基板60に対して送信する(ステップS30)。
【0089】
その後、ストップスイッチ群42の他の1個(第2ストップスイッチ)が操作されると(ステップS13)、リール制御部106は当選役に入賞可能となるようなリール制御を行って、操作されたストップスイッチに対応する第2リールの回転を停止させる(ステップS14)。第2ストップスイッチが未だ操作されていない場合には、第2ストップスイッチが操作されるまで、ステップS30における検知信号とステッピングモータのステップ数との送信処理を繰り返す。
【0090】
次いで、リール制御部106は、第1、第2リール以外の第3リールに対応するセンサからリールの基準位置の通過を示す検知信号を入力すると、その検知信号をサブ制御基板60に対して送信するとともに、適宜、ステッピングモータのステップ数をサブ制御基板60に対して送信する(ステップS31)。
【0091】
その後、ストップスイッチ群42の残りの1個(第3ストップスイッチ)が操作されると(ステップS15)、リール制御部106は当選役に入賞するようなリール制御を行って、操作されたストップスイッチに対応する第3リールの回転を停止させる(ステップS16)。第3ストップスイッチが未だ操作されていない場合には、第3ストップスイッチが操作されるまで、ステップS31における検知信号とステッピングモータのステップ数との送信処理を繰り返す。
【0092】
なお、ステップS12、S14及びS16において、当選役に入賞するために必要な図柄が引き込み可能な位置にない場合、リール制御部106は、リールの停止を制御するための停止制御情報を用いて、ハズレとなるようなリール制御を行う。
【0093】
また、特別役のフラグがオンになっている場合には、上記のリール制御と並行して告知ランプ(図示せず)を激しく点滅させてもよい。また、特別役のフラグがオンになっている場合に、2個のリールの停止までは有効ライン上に他の特別役の入賞となる図柄の組合せの一部を配列させ、残りの1個のリールの停止において当該他の特別役の入賞とならないようにリール制御を行うことにより、上記特別役のフラグがオンになっていることを遊技者に知らせるようにしてもよい。
【0094】
そして、図6−3に示すように、リール制御部106が全てのリール31L、31C及び31Rの回転を停止させた後、有効ライン上に並んでいる図柄の組合せに基づいて入賞判定部107が入賞の有無を判断する(ステップS17)。この結果、いずれの役の入賞もない場合には、入賞判定部107は、その旨を示す信号をサブ制御基板60に送信する(ステップS18)。一方、何らかの入賞がある場合には、入賞判定部107は入賞している役の情報(入賞役情報)をサブ制御基板60に送信する(ステップS19)。
【0095】
入賞役が特別役である場合には、特別遊技に移行される(ステップS20、S21)。特別遊技としてはBBゲーム及びRBゲームがあるが、例えば、BBゲームに入賞した場合には、次の遊技から所定の終了条件が満たされるまでの間、BBゲームとしてJACゲームが繰り返し行われる。また、図示しないが、RBに入賞した場合には、JACゲームが連続して12ゲーム実行するか、又はJACゲーム中で合計8回の入賞があると、特別遊技(RBゲーム)は終了し、一般遊技に移行する。このように、RBゲームでは、RBゲームへの移行後の遊技から所定のゲーム数を終了するまでの間、特別遊技(RBゲーム)が実行される。
【0096】
入賞役が特別役でない場合で、特別役に当選しているそのフラグがオンになっているときには、特別役のフラグを次遊技に持ち越すこととする(ステップS20、S24)。つまり、フラグ情報記憶部103の記憶状態が保持される。
【0097】
また、入賞役がリプレイである場合、入賞判定部107は遊技進行制御部102に対して当該遊技でのベット数(賭数)を次遊技に持ち越させる(ステップS25、S26)。一方、入賞役が特別役でもリプレイでもない場合には、払出制御部110が入賞役に応じた枚数のメダルの払い出しをホッパ装置93に行わせる(ステップS25、S27)。その後、フラグ情報記憶部103に記憶されていた当選役の種類及びそのフラグがオンになっているという情報が消去される(ステップS28)。但し、特別役のフラグがオンになっているという情報は、そのまま消去されずに、保持される。
【0098】
次に、サブ制御基板60の動作について説明する。図7において、演出パターン選択部201は、メイン制御基板50から当選役情報を受信したか否かを判定する(ステップS101)。当選役情報を受信していない場合、演出パターン選択部201は、メイン制御基板50からの当選役情報の受信を待つ。一方、当選役情報を受信した場合、演出パターン選択部201は、遊技者による操作手段(図示せず)の操作により選択された演出タイプを判定する(ステップS102)。この演出タイプを選択するための操作手段(図示せず)は、スロットマシン10上に別途設けられた専用のボタンであってもよいし、図1に示したスタートスイッチ41、ストップスイッチ群42及びベットスイッチ43などの操作手段のうちの何れかであってもよい。
【0099】
選択された演出タイプがリール演出タイプである場合、演出パターン選択部201は、当選役情報から当選している役が特別役又は特定役であるか否かを判定する(ステップS103)。
【0100】
当選している役が特別役又は特定役である場合、演出パターン選択部201は、第1のリール演出パターンを選択する(ステップS104)。第1のリール演出パターンは、図12(b)に示す演出パターンであり、遊技者に対して特別役又は特定役の当選を報知するための演出パターンである。
【0101】
図12は、通常の演出パターンが選択されている状態で第1のリール演出パターンが選択された状態を示す図である。図7のステップS103からステップS112に分岐する流れにおいては、図12(a)に示すように、上部表示装置24及び下部表示装置25における左側表示領域24L、25Lにおいて、リール31Lの回転の1周期に同期して上方から下方へ図柄に対応する画像が移動表示する。上部表示装置24及び下部表示装置25における中央表示領域24C、25Cにおいて、リール31Cの回転の1周期に同期して上方から下方へ図柄に対応する画像が移動表示し、上部表示装置24及び下部表示装置25における右側表示領域24R、25Rにおいて、リール31Rの回転の1周期に同期して上方から下方へリールの図柄に対応する画像が移動表示する演出パターンが選択されている。
【0102】
この状態で、第1のリール演出パターンが選択されると(ステップS104)、リール31Lの回転の1周期に同期させて、上部表示装置24における右側表示領域24Rの中段まで、リール31Lの図柄に対応する画像が上方から移動表示され、その中段の位置からリール31Lの図柄に対応する画像が中央表示領域24Cを交差し、左側表示領域24Lの中段から下方にリール31Lの図柄に対応する画像が移動表示される。また、リール31Rの回転の1周期に同期させて、上部表示装置24における左側表示領域24Lの中段まで、リール31Rの図柄に対応する画像が上方から移動表示され、その中段の位置からリール31Rの図柄に対応する画像が中央表示領域24Cを交差し、右側表示領域24Rの中段から下方に対応するリール31Rの図柄に対応する画像が移動表示される。なお、上部表示装置24における中央表示領域24Cにおいては、リール31Cの回転の1周期に同期させて上方から下方にリール31Cの図柄に対応する画像が移動表示される。
【0103】
下部表示装置25においては、リール31Lの回転の1周期に同期させて、下部表示装置25における左側表示領域25Lの上方から中段までリール31Lの図柄に対応する画像が移動表示され、その中段の位置から中央表示領域25Cの中段にリール31Lの図柄に対応する画像が移動し、そこから下方に移動表示される。また、リール31Cの回転の1周期に同期させて、下部表示装置25における中央表示領域25Cの上方から中段までリール31Cの図柄に対応する画像が移動表示され、その中段の位置から右側表示領域25Rの中段にリール31Cの図柄に対応する画像が移動し、そこから下方に移動表示される。また、リール31Rの回転の1周期に同期させて、下部表示装置25における右側表示領域25Rの上方から中段までリール31Rの図柄に対応する画像が移動表示され、その中段の位置から中央表示領域25Cを交差し、左側表示領域25Lの中段から下方にリール31Rの図柄に対応する画像が移動表示される。上述の第1のリール演出パターンは例示であり、上部表示装置24及び下部表示装置25に移動表示される画像(第1のリール演出パターン)はこれに限定されない。
【0104】
演出制御部202は、演出パターン選択部201により選択された第1のリール演出パターンに基づく演出制御を行う(ステップS105)。これにより、図12(b)に示す演出パターンの演出が上部表示装置24及び下部表示装置25において行われる。
【0105】
続いて、演出パターン選択部201は、メイン制御基板50から入賞役情報を受信したか否かを判定する(ステップS106)。ステップS106では、入賞役情報を受信するまで入賞役情報の受信判定を継続する。入賞役情報を受信すると、処理はステップS107に移行する。
【0106】
ステップS107において、演出パターン選択部201は、入賞役情報に基づいて当該遊技時に入賞した役が特別役又は特定役であるか否かを判定する。入賞した役が特別役でも特定役でもない場合、処理はステップS108に移行し、入賞した役が特別役又は特定役である場合、処理はステップS110に移行する。
【0107】
ステップS108では、演出パターン選択部201は、第2のリール演出パターンを選択する(ステップS108)。第2のリール演出パターンは、図14に示す演出パターンであり、リール31L、31C及び31Rの回転停止後において、遊技者に対して特別役又は特定役の当選を報知するための演出パターンである。
【0108】
図14は、第2のリール演出パターンを示す図である。図14の例では、リール群31が停止した状態における上部表示装置24及び下部表示装置25の表示画像の例を示す図である。図14の例においては、リール31Cの中段のみに特別図柄が表示され、他のリール31L、31Rには特別図柄が表示されない状態でリール群31が停止した例を示している。このリール群31の停止状態に対し、上部表示装置24では、左側表示領域24Lの上段及び下段、並びに、右側表示領域24Rの上段及び下段に特別図柄に対応する画像を表示し、下部表示装置25では、左側表示領域25Lの中段、中央表示領域25Cの上段及び下段、並びに、右側表示領域25Rの中段に特別図柄に対応する画像を表示する。このように、特別図柄に係る役である特別役が当選しているにも関わらず、特別役が入賞しなかった場合、遊技者に対して特別役の当選を連想させるような、リール群31の停止図柄に応じた特定の演出画像を上部表示装置24及び下部表示装置25に表示することで、特別役の当選を報知する。
【0109】
続いて、演出制御部202は、演出パターン選択部201により選択された第2のリール演出パターンに基づく演出を制御する(ステップS109)。これにより、図14に示すような演出画像が上部表示装置24及び下部表示装置25に対して表示されることになる。なお、上述の第2のリール演出パターンは例示であり、上部表示装置24及び下部表示装置25に表示される画像(第2のリール演出パターン)はこれに限定されない。
【0110】
ステップS110において、演出パターン選択部201は、入賞した役が特別役であれば、特別役の入賞を報知するための演出パターン(特別役入賞演出パターン)を選択し、入賞した役が特定役であれば、特定役の入賞を報知するための演出パターン(特定役入賞演出パターン)を選択する。
【0111】
続いて、演出制御部202は、演出パターン選択部201により選択された演出パターンに基づく演出を制御する(ステップS111)。即ち、ここでは、特別役入賞演出パターンか特定役入賞演出パターンの演出が制御される。
【0112】
一方、ステップS103において、当選役情報に基づき、特別役及び特定役が当選していないと判定された場合、特別役及び特定役の当選を示していない当選役情報に基づく演出パターンが演出パターン選択部201により選択される(ステップS112)。
【0113】
続いて、演出制御部202は、演出パターン選択部201により選択された演出パターンに基づく演出が制御される(ステップS113)。
【0114】
選択された演出タイプが目押し補助タイプである場合、演出パターン選択部201は、当選役情報から当選している役が特別役又は特定役であるか否かを判定する(ステップS114)。
【0115】
当選している役が特別役又は特定役である場合、演出パターン選択部201は、目押し補助演出パターンを選択する(ステップS115)。この目押し補助演出パターンの選択処理の詳細は後述する。
【0116】
続いて、演出制御部202は、目押し補助演出パターンに基づく演出を制御する(ステップS116)。
【0117】
一方、ステップS114において、当選している役が特別役でも特定役でもないと判定された場合、演出パターン選択部201は、特別役及び特定役の当選を示していない当選役情報に基づく演出パターンが演出パターン選択部201により選択される(ステップS117)。
【0118】
続いて、演出制御部202は、演出パターン選択部201により選択された演出パターンに基づく演出を制御する(ステップS118)。
【0119】
選択された演出タイプが通常演出タイプである場合、演出パターン選択部201は、当選役情報に該当する演出パターンを通常演出タイプから選択する(ステップS119)。
【0120】
続いて、演出制御部202は、演出パターン選択部201により選択された演出パターンに基づく演出を制御する(ステップS120)。
【0121】
図8は、図7のステップS116における目押し補助演出パターンの演出制御を詳細に示すフローチャートである。
【0122】
演出制御部202は、第1〜第3リール夫々の基準位置の通過を示す検知信号と、第1〜第3リール夫々に対応するステッピングモータのステップ数とを受信したか否かを判定する(ステップS1041)。第1〜第3リールに対応する検知信号と第1〜第3リールに対応するステップ数とを受信した場合、即ち、第1〜第3リールが回転中である場合、処理はステップS1042に移行する。一方、第1〜第3リールに対応する検知信号と第1〜第3リールに対応するステップ数とを受信しなかった場合、即ち、第1リールの回転が停止している場合、処理はステップS1044に移行する。
【0123】
ステップS1042では、演出制御部202は、第1〜第3リールの回転周期のn周期で同期させて、上部表示装置24及び下部表示装置25の全表示領域において、第1〜第3リールの図柄に対応する画像を移動表示させる。これは、演出制御部202が検知信号を受信すると、その時点において該当するリールの基準位置がセンサの検知位置にあることが分かる。また、ステップ数は適宜受信しているため、検知信号の受信時点からどれだけ回転しているかも分かる。これらから、各図柄の位置をリアルタイムに認識することができる。従って、演出制御部202は、第1〜第3リールの回転周期のn周期で同期させて、第1〜第3リールの各図柄に対応する画像を移動表示させることが可能となる。
【0124】
ステップS1044では、演出制御部202は、第2、第3リールの回転周期のn周期で同期させて、上部表示装置24及び下部表示装置25の第2、第3リールに対応する表示領域(第2、第3リールの上部及び下部に位置する表示領域)において、第2、第3リールの各図柄に対応する画像を移動表示させる。ステップS1044の後、処理はステップS1043に移行する。
【0125】
ステップS1043では、演出制御部202は、第2、第3リール夫々の基準位置の通過を示す検知信号と、第2、第3リール夫々に対応するステッピングモータのステップ数とを受信したか否かを判定する。第2、第3リールに対応する検知信号と第2、第3リールに対応するステップ数とを受信した場合、即ち、第2、第3リールが回転中である場合、処理はステップS1044に移行する。一方、第2、第3リールに対応する検知信号と第2、第3リールに対応するステップ数とを受信しなかった場合、即ち、第1、第2リールの回転が停止している場合、処理はステップS1046に移行する。
【0126】
ステップS1046では、演出制御部202は、第3リールの回転周期のn周期で同期させて、上部表示装置24及び下部表示装置25の第3リールに対応する表示領域(第3リールの上部及び下部に位置する表示領域)において、第3リールの各図柄に対応する画像を移動表示させる。ステップS1046の後、処理はステップS1045に移行する。
【0127】
ステップS1045では、演出制御部202は、第3リールの基準位置の通過を示す検知信号と、第3リールに対応するステッピングモータのステップ数とを受信したか否かを判定する。第3リールに対応する検知信号と第3リールに対応するステップ数とを受信した場合、即ち、第3リールが回転中である場合、処理はステップS1046に移行する。一方、第3リールに対応する検知信号と第3リールに対応するステップ数とを受信しなかった場合、即ち、第3リールの回転が停止している場合は本サブルーチンを終了する。
【0128】
以上のようにして、演出制御部202は、第1〜第3リールの各図柄に対応する画像を、第1〜第3リールの回転周期のn周期で同期させて表示されることが可能である。このn周期を決定する際には、演出制御部202は、特別役又は特定役の当選状態が持ち越された遊技回数を基にn周期の"n"の値を決定する。具体的には、メイン制御基板50から特別役又は特定役の当選を示す当選役情報を初めて受信した遊技を含めて、同じくメイン制御基板50から特別役又は特定役の入賞を示す入賞役情報を受信しなかった遊技回数をカウントし、そのカウント値に応じて"n"の値を決定する。
【0129】
例えば、特別役又は特定役の当選を示す当選役情報を初めて受信した遊技時において、特別役又は特定役の入賞を示す入賞役情報を受信しなかった場合、カウント値は"1"となる。これは、特別役又は特定役を当選した遊技時において、遊技者が特別役又は特定役を入賞させることができなかったことを意味しており、遊技者は目押しが不得手であることが予測されるため、上部表示装置24及び下部表示装置25においてリールの回転周期より長い周期でリールの図柄に対応する画像を移動表示させた方が遊技者の目押し補助としてより有効に機能することなる。本実施形態では、これに鑑みて、カウント値が"1"であれば、リールの回転周期の"2"周期で同期させてリールの図柄に対応する画像を移動表示させ、カウント値が"2"であれば、リールの回転周期の"3"周期で同期させてリールの図柄に対応する画像を移動表示させる等、カウント値の増加に応じて上記n周期の"n"の値も増加させるようにしている。遊技者が特別役又は特定役の目押しを失敗した回数に応じてリールの図柄に対応する画像を移動表示させる周期が増加し、画像の移動速度が遅くなることから、上部表示装置24及び下部表示装置25でリールの図柄に対応する画像が認識し易くなる。これにより、遊技者が当選役に係る図柄を表示させることが可能なタイミングでストップスイッチを操作し易くなり、目押し補助としての効果が高くなる。
【0130】
図9−1乃至図9−3は、上部表示装置24及び下部表示装置25の各表示領域において、第1〜第3リールの回転の2周期で同期させて、特別図柄に対応する画像を移動表示する動作を具体的に説明するための図である。図9−1乃至図9−3に示す例は、特別図柄以外の図柄に対応する画像は全て同一の画像で表現しており、特別図柄に対応する画像のみをリール群31上の特別図柄と同じ図柄の画像で表現している。
【0131】
図9−1では、上部表示装置24の左側表示領域24Lの上段に特別図柄に対応する画像が表示されており、リール31Rの中段に特別図柄が表示されている。この状態からリールの回転が継続し、図9−2に示すように、左側表示領域24Lの上段に表示されていた特別図柄に対応する画像が2マス下方に移動し、上部表示装置24の左側表示領域24Lの下段に特別図柄に対応する画像が表示されるタイミングにおいては、リール群31の回転の2周期で同期して特別図柄に対応する画像を移動表示しているため、リール31Rの中段に表示されていた特別図柄は4マス下方の、下部表示装置25の右側表示領域25Rの下段に相当する位置まで移動していることになる。ただし、下部表示装置25でもリールの回転の2周期に同期させて画像を移動表示させているため、下部表示装置25では、当該特別図柄に対応する画像は右側表示領域25Rの上段に表示される。更にリール群31の回転が継続し、図9−3に示すように、上部表示装置24の左側表示領域24Lの下段に表示されていた特別図柄に対応する画像が更に下方に1マス分移動表示されることにより、その画像が左側表示領域24Lから消え、当該特別図柄がリール31Lの上段に表示される。このタイミングにおいて、下部表示装置25の右側表示領域25Rの上段に表示されていた特別図柄に対応する画像は、図9−3に示すように、1マス下方に移動し、右側表示領域25Rの中段に移動表示される。
【0132】
図10は、上部表示装置24及び下部表示装置25の各表示領域において、リール群31の回転の任意の周期で同期させて、リール群31に表示される各図柄に対応する画像を移動表示させる他の例を示す図である。即ち、図10においては、上部表示装置24及び下部表示装置25の各表示領域において、リール31L、31C及び31Rに表示される全ての図柄に対応する画像を、リール31L、31C及び31Rの回転のn周期に同期させて移動表示させる例を示している。
【0133】
図11は、上部表示装置24及び下部表示装置25の各表示領域において、リール群31の回転の任意の周期で同期させて、リール群31に表示される特別図柄に対応する画像のみを表示し、その他の図柄に対応する画像は表示しない例を示す図である。即ち、図11においては、上部表示装置24及び下部表示装置25の各表示領域において、リール31L、31C及び31Rに表示される特別図柄に対応する画像のみを、リール31L、31C及び31Rの回転のn周期に同期させて移動表示させる例を示している。
【0134】
図10及び図11では、特別役の当選時における上部表示装置24及び下部表示装置24における目押し補助演出パターンのバリエーションを示した。本実施形態では、図9−1乃至図9−3、図10、図11で説明した目押し補助演出タイプに含まれる3通りの目押し補助演出パターンから、実際に演出を行う演出パターンを選択することができる。この演出パターンの選択は、遊技者の操作に応じた選択であってもよいし、抽選による選択であってもよい。
【0135】
図13は、特定役の当選時における目押し補助演出パターンの演出例を示す図である。この目押し補助演出パターンも目押し補助タイプに含まれる演出パターンである。図13に示すように、上部表示装置24において、当選している特定役であるスイカの図柄に対応する画像が3つ、これら個々のスイカの図柄に対応する画像と、ベルの図柄に対応する画像、チェリーの図柄に対応する画像及び特別図柄に対応する画像の夫々とが組となって回転しながら表示される。これら3組の画像は、夫々異なるタイミングで何れか一方の図柄に対応する画像が表示窓21内の何れかのリールに対応する位置に落ちてくるように表示される。遊技者は、落ちてくるタイミングで該当するストップスイッチを操作することにより、その図柄を表示窓21内に停止させることができる。図13の例では、スイカの図柄に対応する画像がリールに落ちてくるタイミングでストップスイッチを操作することにより、特定役であるスイカを入賞させることができる。
【0136】
なお、図13に示す目押し補助演出パターンは、目押しの対象となる図柄(ここでは、特定役であるスイカの図柄)と有効ライン上に停止させるタイミングの両方を報知する遊技状態に選択されるものである。例えば上述の遊技状態として、一般的な当選役に係る図柄を報知するAT(アシストタイム)では、上述の特別役と特定役に限らずATの対象となる役の図柄(例えば、図柄の組合せが「赤セブン・緑チェリー・赤チェリー」のように異なる図柄の組合せの役)が液晶表示器又はランプ等により報知されるが、ストップスイッチの操作タイミングは報知されない。目押しの操作技術レベルの低い遊技者にとっては、目押しの対象となる図柄のみが報知されているでは、適切な操作タイミングでストップスイッチを操作することは難しい。本実施形態のように、目押しの対象となる図柄とストップスイッチの操作タイミングとの両方が報知されることにより、上述のAT時においても目押し補助の効果が高くなる。
【0137】
また、上述した実施形態においては、上部表示装置24及び下部表示装置25の両方を備えた実施形態であるが、他の実施形態として、それらのうちの何れか一方の表示装置を備えたものであってもよい。
【0138】
上述した実施形態においては、リール群31の回転と、リール群31に表示される複数の図柄の一部又は全部の図柄に対応する画像の表示とを同期させる周期を任意に設定可能である。このように構成したことで、リール群31の回転周期より長い周期で同期をとって図柄に対応する画像を表示することが可能となる。これにより、上部表示装置24及び下部表示装置25上ではリール群31の回転速度より遅い速度で図柄に対応する画像を移動表示させることができる。また、図柄に対応する画像の移動表示のタイミングに合わせてストップスイッチを操作することにより、対象の図柄を目押しすることが可能となる。従って、上述した実施形態によれば、目押しの際に問題となるリールの高速回転を考慮した目押し補助機能を提供することが可能となる。
【0139】
また、上述した実施形態においては、目押しが失敗する等して当選状態が持ち越された遊技回数に応じて、リール群31の回転と上部表示装置24及び下部表示装置25上での図柄に対応する画像の表示とを同期させる周期を変化させるように構成したので、例えば、当選状態が持ち越された遊技回数が増加する程、リール群31の回転と図柄に対応する画像の表示とを同期させる周期をより長い周期とすることができる。このようにすることで、目押しを失敗する回数が増加する程、より目押しを容易なものとする目押し補助機能を提供することができる。
【0140】
上述した実施形態においては、リール群31の回転に従って、上部表示装置24では図柄に対応する画像が表示窓21の端部に近づいていくように、下部表示装置25では表示装置21の端部から遠ざかるような図柄に対応する画像を表示させている。このように構成することで、表示窓21に対象の図柄が近づいてきていること、表示窓21から対象の図柄が遠ざかっていることを視覚的に認識することが可能となり、目押しのタイミングをより印象としてとらえ易い目押し補助機能を提供することができる。
【0141】
また、上述した実施形態においては、図13に示すように、図柄に対応する画像が表示窓21内の何れかの位置に落ちてくるような演出を行っている。従って、遊技者は、対象の図柄が表示窓21内に表示されるタイミングを把握することができるとともに、対象の図柄が表示窓21内のどの位置に表示されるのかも把握することが可能となる。
【0142】
また、演出パターン選択部201は、役抽選部101による役の抽選結果に応じて演出パターンを選択し、演出制御部202は、演出パターン選択部201により選択された演出パターンに応じて、図柄に対応する画像を上部表示装置24、下部表示装置25に表示するようにしている。このように構成したことにより、役の抽選の結果、当選した役に対応する図柄を入賞させるための目押し補助機能を提供することができる。本実施形態では、目押し補助を行う対象の役として、特別役及び特定役を例に挙げたが、これに限定されず、その他の一般役も適用の対象とすることができる。
【0143】
また、演出制御部202は、図14に示すように、演出パターン選択部201により選択された演出パターンに応じて、停止した図柄に応じた特定の画像を上部表示装置24及び下部表示装置25に表示させる。このように構成したことにより、停止した図柄に応じて特定の画像により役の抽選結果を報知することが可能となる。
【0144】
また、上述した実施形態においては、演出の種類毎に分類される演出パターン群を演出タイプとして演出タイプ格納部203に格納し、演出パターン選択部201は、遊技者の操作に応じて演出タイプ選択部204によって選択された演出タイプから演出パターンを選択するようにしている。従って、遊技者は自らの嗜好にあった演出タイプを楽しむことができる。これに対する他の実施形態として、抽選等によりランダムに演出タイプを選択するようにすれば、演出タイプの切り替えに対する期待感や予測を楽しむことができる。
【0145】
さらに、上述した実施形態においては、表示窓21の上方及び下方に上部表示装置24及び下部表示装置25を配置するように構成したので、リール群31の図柄に対応する画像の移動表示と表示窓21内のリール群31の図柄の移動が連動しているような演出を行うことができる。
【0146】
更に、本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段としては、例えば、かかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体や、かかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】本発明の実施形態に係るスロットマシン(遊技機)の外観を示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るスロットマシンのシステム構成を示すブロック図である。
【図3】メイン制御基板の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【図4】サブ制御基板の機能的な構成を示すブロック図である。
【図5】役抽選テーブルの構成を模式的に示す図である。
【図6−1】メイン制御基板による制御を示すフローチャートである。
【図6−2】メイン制御基板による制御を示すフローチャートである。
【図6−3】メイン制御基板による制御を示すフローチャートである。
【図7】サブ制御基板による制御を示すフローチャートである。
【図8】サブ制御基板による制御を示すフローチャートである。
【図9−1】上部表示装置及び下部表示装置の各表示領域において、第1〜第3リールの回転の2周期で同期させて、特別図柄に対応する画像を移動表示する動作を具体的に説明するための図である。
【図9−2】上部表示装置及び下部表示装置の各表示領域において、第1〜第3リールの回転の2周期で同期させて、特別図柄に対応する画像を移動表示する動作を具体的に説明するための図である。
【図9−3】上部表示装置及び下部表示装置の各表示領域において、第1〜第3リールの回転の2周期で同期させて、特別図柄に対応する画像を移動表示する動作を具体的に説明するための図である。
【図10】上部表示装置及び下部表示装置の各表示領域において、全リールの回転の任意の周期で同期させて、リール表示される各図柄に対応する画像を移動表示させる他の例を示す図である。
【図11】上部表示装置及び下部表示装置の各表示領域において、全リールの回転の任意の周期で同期させて、リールに表示される特別図柄に対応する画像のみを表示し、その他の図柄に対応する画像は表示しない例を示す図である。
【図12】通常の演出パターンが選択されている状態で第1のリール演出パターンが選択された状態を示す図である。
【図13】特定役の当選時における目押し補助演出パターンの演出例を示す図である。
【図14】第2のリール演出パターンを示す図である。
【符号の説明】
【0148】
10:スロットマシン
11:リール基板
12:中央表示基板
13:電源装置基板
20:フロントパネル
21:表示窓
22a、22b、22c:図柄組合せライン
23:メダル投入口
24:上部表示装置
25:下部表示装置
26:クレジット数表示部
27:ゲーム数表示部
28:払出数表示部
29:投入枚数表示部
31L、31C、31R:リール
40:演出表示装置
41:スタートスイッチ
42L、42C、42R:ストップスイッチ
43a、43b:ベットスイッチ
50:メイン制御基板
51:メインCPU
52、62:ROM
53、63:RAM
54、69:I/F回路
60:サブ制御基板
71:スピーカ
73:メダル払出口
101:役抽選部
102:遊技進行制御部
103:フラグ情報記憶部
106:リール制御部
107:入賞判定部
108:特別遊技制御部
110:払出制御部
111:払出枚数カウンタ
121:役抽選テーブル
201:演出パターン選択部
202:演出制御部
203:演出タイプ格納部
204:演出タイプ選択部
2021:周期可変部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
役の抽選を行う役抽選手段と、
複数の図柄を表示した複数のリールと、
前記複数のリールのそれぞれに対応して備えられ、前記リールの回転を停止させるためのストップスイッチと、
前記役抽選手段の抽選結果と前記ストップスイッチの操作タイミングとに基づいて、前記リールの停止位置を決定するとともに、その決定された位置に前記リールを停止制御するリール停止制御手段と、
前記リールを視認可能な表示窓の近傍に配置され、演出のための画像表示を行う表示装置と、
前記表示装置における画像表示を制御する演出制御手段とを有し、
前記演出制御手段は、前記リールの回転と前記複数の図柄のうちの所定の図柄に対応する画像の表示とを同期させる周期を任意に設定可能な周期可変手段を含み、前記周期可変手段によって設定された周期で前記所定の図柄に対応する画像を前記リールの回転に同期させて前記表示装置に表示させることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記所定の図柄に係る役は、当選状態を次遊技に持ち越し可能な役を含み、
前記周期可変手段は、前記当選状態を次遊技に持ち越し可能な役の当選状態が持ち越された遊技回数に応じて、前記リールの回転と前記複数の図柄のうちの所定の図柄に対応する画像の表示とを同期させる周期を変化させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出制御手段は、前記リールの回転に従って、前記所定の図柄に対応する画像が前記表示窓の端部に近づいていくような画像又は前記表示窓の端部から遠ざかるような画像を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記演出制御手段は、前記所定の図柄に対応する画像が前記表示窓内の何れかの位置となるタイミングを報知する演出を表示させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記役抽選手段による役の抽選結果に応じて演出パターンを選択する演出パターン選択手段を更に有し、
前記演出制御手段は、前記演出パターン選択手段により選択された演出パターンに応じて、前記所定の図柄に対応する画像を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記演出制御手段は、前記演出パターン選択手段により選択された演出パターンに応じて、停止した図柄に応じた特定の画像を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
演出の種類毎に分類される少なくとも一つの演出パターン群を演出タイプとして格納する演出タイプ格納手段と、
前記演出タイプ格納手段に格納される複数の演出タイプから少なくとも一つの演出タイプを選択可能な演出タイプ選択手段とを更に有し、
前記演出パターン選択手段は、前記演出タイプ選択手段により選択された演出タイプに含まれる演出パターンを選択することを特徴とする請求項5又は6に記載の遊技機。
【請求項8】
前記表示装置は、前記表示窓の上方及び下方の少なくとも何れか一方に配置されることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図7】
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【図8】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図9−3】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−245806(P2008−245806A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−89207(P2007−89207)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】