説明

遊技機

【課題】灰皿の煙草の消し忘れ消し残しを極力排除することが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】灰皿50の近傍に、火の付いた煙草があることを検知可能な煙草検知手段90を設け、遊技機内部に設置された消火作動部61と、この消火作動部61の作動により位置移動可能な可動部62とを備える消火機構60を設け、可動部62が移動することにより、灰皿50内の煙草の火が消える。消火機構60は、煙草検知手段90が火の付いた煙草を検知してから一定時間が経過した場合に、消火作動部61を作動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、灰皿を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンやパチンコ遊技機では、メダルやパチンコ球を払い出す下皿に灰皿が設けられている。そして、この灰皿において、煙草の火を消火する手段として、煙草を密閉収納する穴を設けたものが知られている(特許文献1参照)。
一方、床に設置するタイプの灰皿において、灰皿内部に設けられたローラベルトで煙草を押し潰して消火するというものがある(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平08−24420号公報
【特許文献2】特開平06−113808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、遊技者が自分で煙草の火を消す場合には、消し忘れや消し残しがどうしても発生し、灰皿から煙がいつまでも立ち昇って、周囲の遊技者に悪影響を与える場合も少なくなかった。一方、遊技機に備え付けの灰皿に、特許文献2のような大がかりな消火機構を設けるわけにもいかない。
そこで、請求項1、4、5記載の発明は、灰皿の煙草の消し忘れ消し残しを極力排除することが可能な遊技機を提供することを目的とする。また、上記目的に加え、請求項2記載の発明は、遊技中に自動的に煙草の火を消すことを目的とし、請求項3記載の発明は、遊技が行われていない場合に自動的に煙草の火を消すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項に記載された発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、本発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、遊技を行うために操作される遊技操作手段と、灰皿(50)とを少なくとも備えた遊技機に係り、前記灰皿(50)の近傍に、火の付いた煙草があることを検知可能な煙草検知手段(90)を設け、遊技機内部に設置された消火作動部(61)と、この消火作動部(61)の作動により位置移動可能な可動部(消火棒62、スライド板63)とを備える消火機構(60)を設けてある。そして、前記消火機構(60)は、前記煙草検知手段(90)が火の付いた煙草を検知してから一定時間が経過した場合に、前記消火作動部(61)を作動させることができ、前記消火作動部(61)の作動に伴い前記可動部(62,63)が移動することにより、前記灰皿(50)内の煙草の火が消火可能に形成されていることを特徴とする。
【0005】
本発明は、例えばスロットマシンやパチンコ機などの遊技機に適している。遊技機としては、回転リール(20)を備えたリールユニット(2)や、入賞装置や釘や役物を備えた盤面を有する遊技盤や、当選判定の抽選や、遊技媒体を払い出すための払い出し貯留装置(ホッパーユニット5)や、遊技機内部の装置の作動を制御するための制御装置(6)を備えていてもよい。
ここで、前記「遊技操作手段」は、回転リール(20)を回転開始あるいは回転停止させるためスタートスイッチ(41B)又はストップスイッチ(41C)や、遊技盤に遊技球を送りだす弾発射装置を作動させるためのハンドルなどを含むものであり、遊技機の態様に応じて遊技の流れの中で必ず操作をすることが想定されている操作手段である。
【0006】
なお、遊技機としては、前記遊技操作手段の他に、遊技の流れの中で必ず操作をするとは限らず所定の場合のみ操作される選択操作手段(例えばエラーを解除するためのリセットスイッチ等)を有していてもよい。前記選択操作手段として、その操作により前記消火機構(60)を作動させるためのスイッチを設けてもよい。
前記煙草検知手段(90)は、火の付いた煙草を検知可能な検知手段であって、感熱センサ(70)や煙感知器(80)を含むものである。
前記消火機構(60)は、「消火作動部」を作動させて「可動部」を位置移動させることにより、灰皿(50)内の煙草の火を消すことができる装置である。ここで、消火作動部(61)は、ソレノイドや駆動モータとすることができ、可動部(62,63)はソレノイドや駆動モータによって出没、スライド、回動、回転、開閉等する部材とすることができる。そして、「可動部(62,63)が移動することにより、前記灰皿(50)内の煙草の火が消火」とは、可動部(62)によって煙草が押し潰されるなどのように可動部(62)そのものが火を消すことに関わる場合と、可動部(63)の移動によって煙草が灰皿(50)の内部から別の場所(例えば灰皿(50)の下方に設けられた消火用容器)に排出され、その結果として火が消える場合の双方を含む。
【0007】
(作用)
本発明においては、煙草検知手段(90)が煙草の熱や煙を検知すると、タイマー(162)が一定時間の時計測を開始する。そして、一定時間が経過した場合には、消火機構(60)の消火作動部(61)が作動して、可動部(62,63)が位置移動する。これにより、灰皿(50)の内部の煙草が押し潰され又は灰皿(50)から排出されて、煙草の火が消える。可動部(62,63)は、消火に必要な時間(具体的には押し潰されている時間、灰皿(50)から排出されるまでの時間)が経過したら、元の位置に戻る。
なお、本発明において、「一定時間が経過した場合に、前記消火作動部(61)を作動させることができ」とは、一定時間が経過する前であっても、他の条件(例えば所定の操作手段が操作されることあるいは操作されないこと)により、消火作動部(61)を作動させる場合や、一定時間が経過しても、他の条件(例えば所定の操作手段が操作されることあるいは操作されないこと)により、消火作動部(61)を作動させない場合もあることを企図しているものである。
【0008】
本発明によれば、遊技者が意図しない煙草の火の消し忘れや消し残しがあっても、一定時間の経過によって消火することができる。
(請求項2)
(特徴点)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項2記載の発明は、前記消火機構(60)は、前記煙草検知手段(90)が火の付いた煙草を検知してから一定時間が経過する前であっても、前記遊技操作手段のいずれかが操作された場合には、前記消火作動部(61)を作動させることを特徴とする。
【0009】
本発明では、煙草検知手段(90)が火の付いた煙草を検知後、遊技操作手段のいずれかひとつ、例えばスタートスイッチ(41B)などが操作されると、消火作動部(61)が可動部(62,63)を移動させる。従って、灰皿(50)に火の付いた煙草を置いたまま遊技をしようとすると、自動的に消火されることとなる。
なお、本発明では、所定の遊技操作手段が操作されなかった場合には一定時間の経過後に消火作動部(61)が作動し、所定の遊技操作手段が操作されている場合には、煙草検知手段(90)が火の付いた煙草を検知している限り、消火作動部(61)が作動することとなる。
(請求項3)
(特徴点)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1記載の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0010】
すなわち、請求項3記載の発明は、前記消火機構(60)は、前記遊技操作手段のいずれかが操作されている場合には、前記煙草検知手段(90)が火の付いた煙草を検知していても消火作動部(61)を作動させず、前記前記遊技操作手段のいずれもが操作されないまま、前記煙草検知手段(90)が火の付いた煙草を検知してから一定時間が経過した場合に、前記消火作動部(61)を作動させることを特徴とする。
本発明は、遊技が行われている場合には灰皿(50)に火の付いた煙草があっても消火されず、遊技が行われないで一定時間が経過した場合には自動的に消火されるように形成したものである。
【0011】
本発明によれば、遊技中に消火機構(60)が作動することがないので、煙草を吸いながら遊技を行っていた場合に、吸いかけの煙草を消されてしまうという不便がない。
(請求項4)
(特徴点)
請求項4記載の発明は、上記した請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記載の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項4記載の発明は、前記消火機構(60)は、前記消火作動部(61)の作動によって、前記可動部としての押圧部材(消火棒61)を前記灰皿(50)内部に突出させることにより、火の付いた煙草を押圧して消火するように形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明及び次項の発明は、消火機構(60)の構成を限定したものである。
前記押圧部材(62)は、例えば灰皿の内部にすっぽり入る大きさの棒状又はブロック状の部材とすることができ、灰皿(50)の内部に突出して、消火棒(62)と灰皿(50)の底面や立面との間に挟まれた煙草を押し潰すことにより、煙草の火を消すものである。押圧部材(62)の突出方向は、下方に向かって突出するのでもよいし、左右方向に突出するのであってもよいし、あるいは手前側に突出するのであってもよい。
なお、消火機構(60)は、押圧部材(62)を、煙草が押し潰されて消火されるのに必要十分な一定時間突出させた後に、元の位置に戻すようにするのが好適である。
【0013】
(請求項5)
(特徴点)
請求項5記載の発明は、上記した請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記載の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項5記載の発明は、前記灰皿(50)に底部開口(53)を設け、前記灰皿(50)の下方に取り付け又は設置された下部受け皿(64)を設け、前記消火機構(60)は、前記消火作動部(61)の作動によって、前記可動部としての開閉部材(スライド板62)を開状態にして前記灰皿(50)の底部開口(53)を開放し、前記灰皿(50)内の火の付いた煙草を前記下部受け皿(64)に落下させて消火するように形成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明は、灰皿(50)から内部の煙草を落下させて消火するものである。
ここで、前記「開閉部材」としては、例えば消火作動部(61)としてのソレノイドの作動により水平方向に移動して底部開口(53)を開閉可能なスライド材や、消火作動部(61)としての駆動モータの駆動により回動して底部開口(53)を開閉可能な開閉板とすることができる。「開閉部材」の移動方向は問わないが、開閉板を回動させる場合には、下側に回動して底部開口(53)を開放するように形成するのが好ましい。
また、前記下部受け皿(64)は、遊技機に取り付けられているものであってもよいし、遊技機以外の場所、例えば遊技機が設置されている台などに取り付けられていてもよい。あるいは、遊技場において灰皿(50)から落下する煙草を受け入れ可能な位置に設置された容器であってもよい。下部受け皿(64)の内部には水などの消化液を張っておくと好適である。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上のように構成されているので、以下のような効果を奏する。
すなわち、請求項1、4、5記載の発明によれば、灰皿の煙草の消し忘れ消し残しを極力排除することが可能な遊技機を提供することができる。また、上記効果に加え、請求項2記載の発明によれば、遊技中に自動的に煙草の火を消すことができ、請求項3記載の発明によれば、遊技が行われていない場合に自動的に煙草の火を消すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を実施するための最良の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、図面に基づき説明する。
(図面の説明)
図1乃至図11は、本発明の実施の形態を示すものである。
図1及び図2はスロットマシンSの斜視図、図3はスロットマシンSの断面図、図4乃至図8は灰皿50及び消火機構60を示す図、図9はスロットマシンSの制御装置6の入力出力の概略を示すブロック図、図10及び図11は消火機構60の作動例を示す流れ図である。
【0017】
本実施の形態におけるスロットマシンSは、図2に示すように、大きく分けて、正面側に開口部11を有する筐体1と、筐体1に着脱自在に取り付けられるリールユニット2と、筐体1の開口部11を開閉可能に塞ぐ前扉3とから構成されており、さらにこの前扉3は、筐体1の開口上部13を開閉可能に塞ぐ上扉30、筐体1の開口下部14を開閉可能に塞ぐ下扉40とから構成されている。
(筐体1)
筐体1は、底板15及び側板16及び天板及び裏板(図3参照)からなる正面側に開口する箱であり、図2に示すように、高さ方向略中央部には、二つの側板16の間に水平方向に中板12が設けられている。前記中板12の下側の空間部である開口下部14には、底板15の上に電源装置4及びホッパーユニット5が載置されている。また、側板16の正面左側には、前扉3を係合させ、回転自在に支持するためのヒンジが設けられている。
【0018】
ここで、電源装置4は、特に図示しないが電源基板が内装されていると共に、正面側にはスロットマシンSの主電源を入れるための電源スイッチ等が設けられている。前記ホッパーユニット5は、メダルを貯留するとともに払い出すためのものである。
(リールユニット2)
リールユニット2は、スロットマシンSの主たる遊技装置であって、図2及び図3に示すように、支持枠21に固定された3個のリールモータ(図示せず)と、このリールモータの駆動軸に軸着された3個の回転リール20を有している。また、リールユニット2の支持枠21には、制御装置6が取り付けられている。前記回転リール20は、円筒形のリールドラムの表面に複数の図柄を表示したリールテープを貼付したものである。また、前記制御装置6は、スロットマシンSの遊技及び演出を制御するためのものであるが、これについては後述する。
【0019】
リールユニット2は、筐体1の中板12の上に乗せ、開口上部13内部に収納固定されるものである。そして、スロットマシンSの機種交換の際には、制御装置6とともに筐体1から取り出して、新たな機種に対応したリールユニット2と交換することができる。
(上扉30)
上扉30は、筐体1の側板16に回動自在かつ着脱自在に取り付けられた板状の扉であり、図示しないロック機構により筐体1に対してロック可能に形成されている。そして、上扉30は、図1に示すように、略中央部に前記回転リール20の図柄を正面側から見ることができる図柄表示窓32を有する上パネル31を備え、上パネル31の周囲には、報知などを行うためのランプ33が形成されている。上パネル31には、前記図柄表示窓32の下方に、7セグメント表示器や液晶表示装置を用いて遊技に関する数字その他を表示するための表示部が設けられている。さらに、図柄表示窓32の上方には、液晶表示装置やCRT、ドットマトリックスなどを用いて遊技に付随する演出を行うための画像表示部34が設けられている。そして、上扉30の裏面上部には、図2に示すように、音声を出力するためのスピーカ35が設けられている。
【0020】
なお、上扉30をリールユニット2の支持枠21に回動自在に取り付けてもよい。この場合には、リールユニット2を筐体1に収納して固定することにより、開口上部13が上扉30によって開閉自在となる。
(下扉40)
下扉40は、筐体1の開口下部14を塞ぐための、上扉30よりも幅厚の扉であり、筐体1の側板16に回動自在に固定されているとともに、図示しないロック機構により筐体1に対してロック可能に形成されているものである。
下扉40の上部は、図1に示すように、スロットマシンを作動させるための操作部41となっており、下扉40の上面は、閉扉時においては、上扉30よりも前側に突出するようになっている。ここで、前記操作部41としては、遊技メダルを投入するためのメダル投入口42、貯留メダル数を減じてメダル投入に代えるためのベットスイッチ41A、貯留した投入メダルを払い出すための精算スイッチ41D、回転リール20の回転を開始させるためのスタートスイッチ41B、回転リール20の回転を停止させるためのストップスイッチ41Cが設けられている。
【0021】
また、前記操作部41の下方には、遊技内容その他の表示をするための下パネル43が取り付けられているとともに、下パネル43の下方には、下皿47が設けられている。さらに、図2に示すように、下扉40の裏面側には、前記メダル投入口42から投入されたメダルを誘導しながらメダルの正偽を判断するためのメダルセレクター44が設けられている。
また、メダルセレクター44の下方には、箱形のメダル通路45が設けられている。メダル通路45には、メダルセレクター44からキャンセルされたメダルを受け入れる上部開口45Aと、閉扉時にホッパーユニット5のメダル排出口5Aから排出される払い出しメダルを受け入れる側面開口45Bとが形成されている。そして、メダル通路45は下パネル43の下方に設けられたメダル払い出し口46(図1参照)に連通しており、上部開口45A及び側面開口45Bから受け手入れたメダルを下皿47に誘導するようになっている。
【0022】
また、下扉40のロック機構は、下扉40を閉めることにより自動的にロックされ、前記操作部41の正面右側に設けられた鍵穴に所定の鍵を差し込んで回すことによりロック解除されるようになっている。さらに、前記上扉30のロック機構も下扉40のロック機構とほぼ同様の構成を有しているが、上扉30のロック機構は、下扉40を開放してロック解除操作を行うようになっている。すなわち、上扉30は、下扉40を開放しないと開くことができないものである。
ここで、下皿47は、図1に示すように、底板47A、二つの側板47B,47B'、前板47D、奥板47Eを有する箱形の容器であり、側板47B'寄りには仕切り板47Cが設けられている。前記奥板47Eにはメダル払い出し口46が形成されており、底板47A、仕切り板47C、正面右側の側板47B、前板47D、奥板47Eに囲まれた凹部にメダルを貯留可能になっている。また、仕切り板47Cと正面左側の側板47B'の間の前板47Dは切り欠かれており、ここに灰皿50が取り付けられている。さらに、本実施の形態においては、前記灰皿50に置かれた煙草の火を消すための消火機構60が設けられている。
【0023】
(灰皿50)
灰皿50は、図1に示すように、下皿47の正面左側端部に設けられた箱形の容器であり、側板47B'と仕切り板47Cとの間に位置して、図3に示すように、灰皿乗せ板47Fにより下方から支持されている。また、灰皿50の前方側両側面には、図3及び図5に示すように、横方向に突出する軸支部51が設けられており、この軸支部51を側板47B'及び仕切り板47Cに設けられた孔に係合させることにより、図3に二点鎖線で示すように、奥側が手前側に回動可能に形成されている。これは、吸い殻を片付けるときの便に鑑みたものである。
また、灰皿50の皿底部には、図5に示すように、断面半円形の案内溝52が複数形成されている。案内溝52は、図3に示すように、灰皿50の皿底部のほぼ前後方向に渡って形成されており、灰皿50に煙草を置いたときその先端部が引っかかり、煙草が灰皿50内で転がらないようになっている。
【0024】
(消火機構60)
消火機構60は、遊技状態及び煙草検知センサ90の検知に基づいて、灰皿50の内部にある煙草の消火をするための機構である。ここで、煙草検知センサ90は、灰皿50の内部に火の付いた煙草が置かれていることを検知可能な検知手段である。
本実施の形態における消火機構60は、図3及び図4に示すように、下扉40の裏面下側に固定された消火作動部61と、この消火作動部61から下方に突出可能な消火棒62とから成る。消火作動部61はソレノイドであって、図1に示すように、灰皿50の上方に位置し、図3に示すように、下パネル43の裏側に、消火棒62が灰皿50の最奥部に突出可能となるよう配置されている。
【0025】
前記消火棒62は、消火作動部61の作動により位置移動可能な可動部であって、図5に示すように、灰皿50の凹部の横幅とほぼ同じ横幅を有する直方体形状のブロック部材である。そして、ソレノイドが非通電状態のときには、図4(A)に示すように、その下端部が灰皿50の手前側への回動を妨げない位置(図3参照)まで没入しており、ソレノイドが通電することにより消火作動部61から下方に向かって突出する。また、消火棒62は、図4(B)及び図5の二点鎖線で示すように、最大限突出したときに、その下端部が灰皿50の案内溝52のほぼ上端部に位置するまで下降する。これにより、図4(B)に示すように、案内溝52に置かれている煙草の先端が押し潰されるものである。
【0026】
一方、灰皿50の底部を支持している灰皿乗せ板47Fには、図4に示すように、煙草検知センサ90としての感熱センサ70が設けられている。感熱センサ70は、例えばバイメタルを用いて温度が一定以上になると所定の検知信号が出力されるように形成したものとすることができる。そして、灰皿50の内部(特に奥側)に火の付いた煙草を放置すると、灰皿50の底部の温度が上昇して、感熱センサ70が反応するようになっている。
本実施の形態においては、感熱センサ70の検知に基づいて、前記消火作動部61が消火棒62を下降(突出)させるように作動するものとなっているが、これについては後述する。
なお、図6(A)に示すように、消火棒62の下端部に、案内溝52の断面形状に合致する正面視半円型の突起62Aを設けてもよい。このように形成すれば、案内溝52に挟まっている煙草を確実に押しつぶすことができる。あるいは、図6(B)に示すように、消火棒62の下端部に、手前側に向かって張り出す張り出し片62Bを形成してもよい。この出す張り出し片62Bによって、灰皿50の中央付近にある短くなった吸い殻も押し潰すことができる。
【0027】
また、消火作動部61は、消火棒62を出没作動可能であれば、ソレノイドに限られず、例えば駆動モータや油圧・空気圧シリンダーであってもよい。消火棒62を駆動モータで上下動させる場合には、下降速度を緩くして、手指を急に挟まれたり灰が飛び散ったりしないようにすると好適である。さらに、灰皿50の案内溝52の手前部分を高く形成し、灰皿50の奥に手指を突っ込めないようにして、消火棒62に触れることができないようにしてもよい。
さらに、特に図示しないが、消火作動部61を灰皿50の奥側もしくは側方に設け、消火棒62を灰皿50の内部に水平方向に突出させることにより、消火棒62と灰皿50の前壁もしくは側壁との間に煙草が挟まれて、火が消えるようにしてもよい。要は、消火棒62によって煙草が押し潰されることにより消火できればよい。
【0028】
また、煙草検知センサ90としては、感熱センサ70に限られず、後述する煙感知器80としてもよい。
(消火機構60の変形例)
上記した消火機構60は、煙草を押し潰して消火するものであったが、灰皿50内の内煙草を下方に落下させて消火するように形成してもよい。
図7及び図8は、消火機構60の変形例を示す図である。本変形例における消火機構60は、図7に示すように、灰皿50に底部開口53を設け、この底部開口53をスライド板63により開閉可能に形成したものである。また、灰皿50の下部であって、スロットマシンSを設置する台の正面側の立壁には、水などを入れた下部受け皿64を設け、灰皿50の底部開口53から落下する煙草を受け入れ可能になっている。さらに、灰皿50の正面下部には、下部受け皿64の上端部とほぼ同じ高さまで垂下する飛散防止板65が設けられている。
【0029】
前記スライド板63は、消火作動部61の作動により位置移動可能な可動部であって、図7に示すように、灰皿50の底部開口53の前後側に形成されたガイド突起53Aにより下方から支持されつつ、灰皿50の正面右側にスライド自在に形成されている(図8参照)。
一方、図8に示すように、下皿47の底板47Bの内部には、前記スライド板63を収納可能なスライド板収納部47Hが形成されているとともに、このスライド板収納部47Hの右側には消火作動部61が内蔵されている。消火作動部61は、スライド板63の端部に固定された棒などの連結部材を出没作動可能なソレノイドであって、非通電状態ではスライド板63が底部開口53を閉塞する位置となるよう連結部材を突出させており、通電状態でスライド板63が底部開口53を開放する位置まで連結部材を没入させるように形成されている。
【0030】
そして、スライド板63が、図7(A)に示すように底部開口53を塞ぐ位置にある場合には、灰皿50の内部に煙草を置いたり煙草の灰を落とすことができる。一方、スライド板63が、図7(B)及び図8に二点鎖線で示すように底部開口53を開放する位置まで移動すると、灰皿50の底部に穴が空き、内部に置いてあった煙草や灰はスライド開口53から下方に落下する。この際、飛散防止板65により、座っている遊技者が火の付いた煙草に接触することはない。そして、落下した吸いかけの煙草は、下部受け皿64に溜まっている消火液(水)によって消火される。
さらに、本変形例では、灰皿50の上方であって下扉40の下パネル43の底部に、煙草検知センサ90としての煙感知器80が設けられている。煙感知器80は、煙による空気の電離状態の変化を検出するものや、煙による光の乱反射または遮光を光学センサで検出するものとすることができる。そして、灰皿50の内部に火の付いた煙草を放置すると、煙感知器80が反応し、煙感知器80の検知に基づいて、前記消火作動部61が底部開口53を開くように作動するものとなっている。
【0031】
なお、飛散防止板65で、下部受け皿64の正面側をすっぽり覆うようにしてもよい。この際、飛散防止板65を、手前側に跳ね上げ可能もしくは上方に巻き上げ可能に形成するか、カーテンのように側方に引き寄せ可能に形成すると、下部受け皿64に溜まった吸い殻等を片付けるときの邪魔にならない。また、下部受け皿64は、床に設置した可動式灰皿であってもよい。
また、本変形例では、灰皿50を手前側に回動可能にしなくても、消火作動部61を作動させてスライド板63をスライドさせ底部開口53を開放することにより、内部の吸い殻を片付けることができる。従って、消火作動部61は、煙感知器80の検知がなくても、特定の操作、例えば専用スイッチの操作によって作動するように形成するのが好ましい。
【0032】
ここで、下部受け皿64を、灰皿50の底部に取り付けるようにしてもよいが、底部開口53が開いたときに、長さのある煙草でもその全体が灰皿50から下方に落下して、煙草の上端が灰皿50内部にはみ出さない程度の深さが必要である。そうしないと、スライド板63を閉じたときに煙草が挟まってしまうというトラブルが生じるからである。そして、この場合には下部受け皿64を灰皿50から着脱自在とし、灰皿50に溜まった吸い殻を下部受け皿64に落下させて取り出し掃除ができるようにするとともに、スロットマシンSの梱包搬送時には、下部受け皿64を取り外しておけるようにするのが好ましい。
なお、本変形例では、スライド板63を左右方向にスライドするように形成してあったが、前後方向にスライドさせるようにしてもよい。あるいは、2枚のスライド板をそれぞれ左右又は前後の逆方向にスライドさせて底部開口53を開放するようにしてもよい。
【0033】
さらに、底部開口53を開閉する手段としては、上記したスライド板63に限られず、特に図示しないが、軸支部を中心に回動自在に形成された開閉板を設けてもよい。開閉板は単数でも複数でもよく、消火作動部61の作動によって反軸支部側が下側に回動し、底部開口53を開放するように形成することができる。例えば、軸支部が消火作動部61としてのソレノイドや駆動モータによって回転することにより、開閉板が回動するようにしてもよいし、開閉板の裏側にピストンの先端部を揺動自在に固定して、ピストンを伸縮させることにより開閉板が回動するようにしてもよい。
(制御装置6)
続いて、制御装置6の概略を説明する。
【0034】
制御装置6は、図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。ここでCPUは、一個に限定されず、二個以上のCPUで制御するようにしてもよい。また、CPU、ROM、RAM及びI/O等は一体化されてワンチップを構成してもよい。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図9に示すように、主制御装置6A及び副制御装置6Bを構成する。
ここで、主制御装置6Aは、いわゆるメイン基板と呼ばれている制御基板であり、スタートスイッチ41B及びストップスイッチ41Cの操作により、回転リール20の回転及び停止を制御するためのものである。また、副制御装置6Bは、いわゆるサブ基板と呼ばれている制御基板であり、ランプ33やスピーカ35等の演出表示装置を制御するためのものである。
【0035】
上記制御装置6の入力段には、図9に示すように、投入スイッチ44A、ベットスイッチ41A、スタートスイッチ41B、ストップスイッチ41C、精算スイッチ41D、感熱検知センサ70の6つのパーツが接続されている。なお、入力段としては、上記したパーツに限定されるものではない。
投入スイッチ44Aは、特に図示しないが、メダルセレクター44に内蔵されたスイッチであって、メダル投入口42から投入された遊技メダルを検知するためのものである。
ベットスイッチ41Aは、図1に示すように、下扉40の操作部41の上面に設けられたスイッチであって、クレジットをメダル投入に代えるためのものである。ここで、クレジットとは、次遊技以降に使用するためのメダルをあらかじめ遊技機内部に貯留しておくことであり、スロットマシンSは、メダル投入口42から投入され投入スイッチ44Aを通過した遊技メダル、又は入賞により払い出される遊技メダルを、最大50枚まで、遊技機内部に貯留する扱いができるように形成されている。
【0036】
スタートスイッチ41Bは、図1に示すように、操作部41の正面に設けられたレバーであって、遊技メダルの投入若しくはベットスイッチ41Aの投入を条件に、または、「再遊技(Replay)」時には前遊技から所定時間経過を条件に、リールユニット60の駆動を開始させるためのものである。ここで、「再遊技(Replay)」とは、当選抽選手段110の抽選により、「再遊技(Replay)」のフラグが成立し、「再遊技(Replay)」の図柄が入賞有効ライン上に揃うことにより、次の遊技において、遊技メダルを新たに投入することなく、再度、遊技を行うことができるものである。
ストップスイッチ41Cは、リールユニット2の駆動を停止させるためのものである。具体的には、ストップスイッチ41Cは、図1に示すように、各回転リール20に対応した三個の押圧ボタンから構成され、各回転リール20の下方に1個ずつ配置されているものである。そして、回転リール20に対応したストップスイッチ41Cの操作により、当該対応した回転リール20が回転を停止するように設定されているものである。
【0037】
精算スイッチ41Dは、図1に示すように、操作部41の上面左端に設けられたスイッチであって、クレジットメダルを払い戻すためのものである。
煙草検知センサ90については前述したとおりである。
前記制御装置6の出力段には、図9に示すように、リールユニット2、ホッパーユニット5、消火機構60の消火作動部61、ランプ33、画像表示部34、スピーカ35の6つのパーツが接続されている。これらの各パーツの構成は前述したとおりである。なお、出力段としては、上記したパーツに限定されるものではない。
(主制御装置6A)
主制御装置6Aは、図9に示すように、遊技実行制御手段100、当選抽選手段110、リール制御手段120、入賞判定手段130、ホッパー制御手段140の5つの手段を備えている。遊技制御装置6Aとしては、上記以外の手段を備えていてもかまわない。
【0038】
(遊技実行制御手段100)
遊技実行制御手段100は、通常行われる通常遊技と、特定の当選又は抽選結果に基づいて開始される特別遊技を行わせるためのものである。
前記特別遊技とは、通常遊技よりも大きな利益を遊技者に付与可能な遊技であって、ビッグボーナスゲーム(BBゲーム)やレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)を含むものである。
(当選抽選手段110)
当選抽選手段110は、予め定めた抽選確率に基づいて当選か否かの当選判定の抽選を行うものである。そして、当選抽選手段110による抽選の結果、所定の当選役に当選した場合に当選フラグが成立し、この当選フラグ成立中に、回転リール20の停止図柄の組み合わせが予め定められた当選図柄と一致したことを条件に入賞し、遊技者にメダルの払い出しや、特別遊技等の利益が付与されるように設定されている。
【0039】
具体的には、当選抽選手段110は、スタートスイッチ41Bの操作タイミングで、カウント抽出手段が乱数発生手段の発生した乱数を読み取り、この数値と、乱数発生手段が発生する数値を全領域として各当選項目の当選領域を規定した当選判定テーブルとを比較して、抽出カウントデータが属する当選領域に対応する当選を決定する。
なお、乱数発生手段は、一定範囲の数字、例えば、0〜16383の範囲の数字を、1秒間に700万回程度順次繰り返すようにしたカウンタとすることができ、上記のようにしてカウント抽出手段が読み取るループカウンタの数値は、あたかも乱数のような分布をとるものとなる。このように、結果として乱数のような分布を示す数字が得られるものも、「乱数発生手段」に含まれるものとする。
【0040】
(リール制御手段120)
リール制御手段120は、スタートスイッチ41Bの操作信号に基づいて回転リール20を回転させると共に、特に図示しないがリール回転検知センサの検知信号に基づいて図柄の現在位置を認識しつつ、当選抽選手段110の抽選結果及びストップスイッチ41Cの操作タイミングに基づいて、回転リール20の停止を制御するためのものである。
具体的には、リール制御手段120は、回転リール20を停止させる際、当選抽選手段110の抽選結果がハズレの場合には、3個の回転リール20の図柄が如何なる入賞の態様にも揃わないように蹴飛ばし制御を行い、抽選結果が所定の当選役に当選の場合には、3個の回転リール20の図柄が極力当該当選に係る入賞の態様となるように蹴飛ばし及び引き込み制御を行う。これらの制御は、ストップスイッチ41Cの操作信号受信とストップ信号出力のタイミングをずらして、回転リール20が停止するまでの時間を遅らせることにより行われる。
【0041】
(入賞判定手段130)
入賞判定手段130は、入賞したかどうかの判定を行うとともに、入賞の場合には所定の入賞処理を行わせるためのものである。
すなわち、入賞判定手段130は、当選判定の抽選結果が当選の場合に、ストップスイッチ41Cの操作で3個の回転リール20の当選図柄を入賞の態様に停止させることができたかどうかを判断し、当選図柄を入賞の態様に停止させることができた場合には入賞を決定する。そして、入賞がメダル払い出しを伴う払い出し入賞である場合には、ホッパーユニット5に遊技メダルの払い出し信号を出力し、リプレイなどの非払い出し入賞である場合には、メダル投入又はベットスイッチ41Aの操作なしで次遊技を開始可能な状態にする。またボーナスゲーム入賞などの特別入賞の場合には、遊技実行制御手段100に特別遊技を開始させるための信号を出力する。
【0042】
(ホッパー制御手段140)
ホッパー制御手段140は、入賞判定手段130からのメダル払い出し信号や、精算スイッチ41Dの操作信号に基づいて、ホッパーユニット5を作動させるためのものである。
(副制御装置6B)
副制御装置6Bは、主制御装置6Aからの出力信号、スタートスイッチ41B等の操作手段からの操作信号に基づいて、ランプ33、画像表示部34、スピーカ34に、遊技に付随する演出の実行を行わせるとともに、消火機構60の作動を制御するためのものである。そして副制御装置6Bは、図9に示すように、灰皿消火制御手段150と、演出制御手段160とを少なくとも備えている。なお、副制御装置6Bは、上記以外の手段を有していても構わない。
【0043】
(演出制御手段150)
演出制御手段150は、遊技に付随する演出を行わせるためのものであり、特に図示しないが、複数の演出データを記憶している。そして、当選や入賞などの遊技状態や、演出を行うか否かの抽選結果に基づいて、所定の演出データを選択し、当該データをランプ33、画像表示部34、スピーカ34に出力するものである。そして、所定のパターンのランプの点滅、画像表示部34での所定の画像表示、スピーカ34からの所定の音声出力により、当選、入賞の報知、その他遊技に関する演出表示が行われる。
(灰皿消火制御手段160)
灰皿消火制御手段160は、煙草検知センサ90の検知信号及び所定の操作手段の操作信号に基づいて、消火機構60の消火作動部61を作動させるためのものである。具体的には、灰皿消火制御手段160は、図9に示すように、信号入出力手段161と、タイマー132とを備えている。
【0044】
前記信号入出力手段161は、煙草検知センサ90の検知信号、及び遊技が行われている時に操作される所定の操作手段、例えばベットスイッチ41Aやスタートスイッチ41Bの操作信号を受信するとともに、消火作動部61に作動指令信号を出力するためのものである。
前記タイマー162は、パルス発信手段の発信パルスをカウントするタイムカウンターであり、前記信号入出力手段161が煙草検知センサ90の検知信号を受信した場合にタイムカウントを開始する。そして、信号入出力手段161が所定の操作手段の操作信号を受信した場合又は一定時間が経過した場合には、タイムカウントを終了してカウントをリセットする。さらに、タイマー162は、消火作動部61の作動、あるいは信号入出力手段161の作動指令信号出力を契機にタイムカウントを再開し、この場合には一定時間が経過したらタイムカウントを終了してカウントをリセットする。なお、一定時間の経過でタイムカウントを終了した場合には、タイムアップ信号を出力するようになっている。
【0045】
灰皿消火制御手段160の作用については後述する。
(スロットマシンSの作動)
上記構成を有するスロットマシンSは、メダルの投入若しくはベットスイッチ41Aの押下を条件に、または、「再遊技(Replay)」時には前遊技から所定時間経過を条件に、スタートスイッチ41Bを操作すると、リールユニット2が駆動し、3個の回転リール20が回転を開始する。
その後、ストップスイッチ41Cの1個を操作すると、当該対応する回転リール20の回転が停止する。
【0046】
そして、ストップスイッチ41Cを3個全て操作し終わると、3個の回転リール20の回転が全て停止する。このとき、入賞有効ライン上に予め設定された図柄が停止すると、ホッパーユニット5を介して所定枚数のメダルが払い出される。ここで、入賞有効ラインとは、入賞するために有効な図柄配列を表すものであって、図柄表示窓32から視認可能な3個の回転リール20の三列の図柄をそれぞれ結ぶラインとして設定されている。具体的には、センターライン、上段ライン、下段ラインと、二つの斜めラインが設けられている。
当選には、入賞により遊技メダルの払い出しを伴い、遊技者に利益を付与する小役当選と、この小役当選よりもさらに大きな利益を遊技者に付与する特別当選と、遊技メダルの払い出しは無いが、遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行うことができる「再遊技(Replay)」とを備えている。そして、その抽選結果がいずれかの役に当選となった場合、その当選に対応した当選フラグが成立する。そして、抽選結果が特別当選である場合に、特別当選フラグが成立し、この特別当選フラグ成立中に、回転リール20の停止図柄の組み合わせが、予め定められた所定の特別当選図柄(例えば、入賞有効ライン上に「7」が3個揃うもの)と一致したことを条件に入賞し、遊技者に有利な特別遊技を行わせるように形成されている。
【0047】
一方、抽選により特別当選フラグが成立したが、回転リール20の停止図柄の組み合わせが特別当選図柄と一致していない場合には、それ以後の遊技に特別当選フラグ成立の権利が持ち越されるように設定されている。なお、小役の当選フラグは、当選フラグが成立した遊技で入賞させられない場合、当選フラグ成立の権利の次の遊技への持ち越しはない。
また、いずれかの当選フラグが成立中に、対応する当選図柄を入賞有効ライン上に揃えることができるか否かは、回転リール20の回転速度が一定の場合、ストップスイッチ41Cのタイミングによるものである。具体的には、ストップスイッチ41Cを操作した後、190ms以内に回転リール20が停止するように設定されているため、ストップスイッチ4Cを操作した後、そのまま停止させるか、或いは190ms以内に停止可能な回転リール20の円周上の引き込み可能図柄、例えば停止図柄から連続する4個の引き込み可能図柄の中に、対応する当選図柄が含まれているような場合には、停止するまでの時間を遅らせて、回転リール20は入賞有効ライン上にその当選図柄を引き込んで停止する。一方、かかる4個の引き込み可能図柄の中に、対応する当選図柄が含まれていないような場合には、入賞有効ライン上にその当選図柄を引き込んで停止することができない。
【0048】
そして、通常遊技において、例えば「7」等の図柄が入賞有効ライン上に3個揃うと、BBゲームが開始される。BBゲームに移行すると、通常遊技と同様に最大3枚のメダルの投入によって開始され、3つの回転リールの回転を各々停止させた際に、入賞有効ライン上に当選図柄が揃っているか否かによって、メダルの払い出しが行われるものである。
したがって、BBゲーム中では、通常遊技と同様に小役を含めた抽選が毎回行われるものである。ただ、このBBゲーム中にRBゲームに移行するための特定当選図柄が入賞有効ライン上に揃った場合には、その後RBゲームに移行するものである。
RBゲームに移行すると、メダルが1枚投入となり、回転リール20の所定の図柄が図柄表示窓32のセンターライン上に揃った場合に入賞となる特定当選遊技が行われるものである。そして、RBゲームでは、入賞するか否かの特定当選遊技が最大12回行えるものであり、そのうち、最大8回の入賞が可能である。すなわち、最大8回の入賞するか、或いは最大12回の特定当選遊技の終了により、RBゲームは終了するものである。
【0049】
なお、BBゲーム中は、RBゲームが終了した後は、また前述したような通常遊技と同様な抽選及び制御が行われ、RBゲームと通常遊技とが交互に繰り返されるものである。そして、BBゲームは、一定枚数のメダル払い出し終了により終了する。
(消火機構60の作動)
次に、灰皿消火制御手段160の制御に基づく消火機構60の作動の一例を、図10のフローに基づき説明する。なお、初期状態において、消火作動部61は非作動状態である。具体的には、突出棒62は没入しており、スライド板63は底部開口53を閉じている。
まず、図10のステップ100において、煙草検知センサ90がONになったか、すなわち図4に示す感熱センサ70又は図7に示す煙感知器80が検知信号を出力したか否かを判断する。煙草検知センサ90がONにならない場合にはステップ100に戻る。一方、煙草検知センサ90がONになった場合、すなわち火の付いた煙草が灰皿50に置かれている場合には、次のステップ101に進む。
【0050】
ステップ101において、タイマー162がタイムカウントをスタートする。そして、次のステップ102に進む。
ステップ102において、所定の操作手段(ベットスイッチ41A又はスタートスイッチ41B)が操作されたか否か、すなわち所定の操作手段の操作信号を受信したか否かが判断される。所定の操作手段が操作されない場合には、次のステップ103に進む。
ステップ103において、一定時間(例えば60秒)が経過したか、すなわちタイマー162がタイムアップしたか否かが判断される。一定時間が経過していない場合には、ステップ102に戻る。一方、一定時間が経過した場合には、次のステップ104に進む。
【0051】
前記ステップ102において、所定の操作手段が操作された場合には、ステップ103を飛び越してステップ104に進む。
ステップ104において、消火作動部61を作動させる。すなわち、消火棒62を灰皿50内に突出させ、あるいはスライド板63を移動させて底部開口53を開放する。なお、このとき、タイマー162がタイムカウントを再開する。そして、次のステップ105に進む。
ステップ105において、タイマー162はカウントをリセットして、新たにタイムカウントを再開する。そして、次のステップ106に進む。
ステップ106において、一定時間(例えば10秒)が経過したか否かが判断される。一定時間が経過していない場合には、ステップ106に戻る。すなわち、消火作動部61は一定時間作動状態のままとなり、突出棒62は一定時間突出状態となり、スライド板62は一定時間底部開口53を開放した状態になる。この間に、突出棒62が灰皿50内の煙草の火を押し消し、あるいは灰皿50内の煙草が底部開口53から落下して下部受け皿64に落ちて火が消える。一方、一定時間が経過した場合には、次のステップ107に進む。
【0052】
ステップ107において、消火作動部61を非作動状態にする。すなわち、消火棒62を没入させて元の位置に戻し、あるいはスライド板63を移動させて底部開口53を閉塞する。そして、次のステップ108に進む。
ステップ108において、タイマー162はカウントをリセットして初期状態に戻る。そして消火機構60の作動を終了する。
なお、上記ステップ106の一定時間は、消火機構60の形態に応じて設定することが好ましい。例えば、突出棒62で煙草を押し消す場合にはある程度の時間を掛けた方がよく、スライド板63の開放状態は煙草を押し消す時間よりも短くてよい。
【0053】
このように、上記作動例によれば、灰皿50の付近に設けた煙草検知センサ90により、灰皿50内部に火の付いた煙草があることを検知した場合には、スタートスイッチ41Bなどの遊技を行う際に操作する操作手段が操作された時に消火機構60を作動させるようにしてあるので、遊技の最中に自動的に煙草の火を消すことができる。
また、煙草検知センサ90が火の付いた煙草を検知してから、一定時間操作手段が操作されない場合にも、消火機構60を作動させるように形成してあるため、遊技者が煙草の火を消し忘れて席を離れたり、消したつもりの火が十分に消えていなかった場合でも、消火を行うことができる。従って、煙草の煙がいつまでも灰皿50から立ち昇っていることがなく、空気が清浄に保たれて近隣の遊技者への悪影響も最低限に止めることができるものである。
【0054】
なお、上記した作動例では、消火機構60の作動条件となる操作手段を遊技時に必ず操作するスイッチ類(遊技操作手段)としてあったが、消火機構60の作動条件となる操作手段は、遊技操作手段以外の操作手段であってもよい。例えば、消火作動用の専用スイッチを設けてもよいし、エラー解除用のリセットスイッチや演出表示解除用のリセットスイッチを兼用してもよい。この場合、遊技中には遊技操作手段の操作によっても消火作動が行われるようにしてもよい。
続いて、灰皿消火制御手段160の制御に基づく消火機構60の作動の他の例を、図11のフローに基づき説明する。
【0055】
まず、図11のステップ200において、煙草検知センサ90がONになったか否かを判断する。煙草検知センサ90がONにならない場合にはステップ200に戻る。一方、煙草検知センサ90がONになった場合には、次のステップ201に進む。
ステップ201において、タイマー162がタイムカウントをスタートする。そして、次のステップ202に進む。
ステップ202において、所定の操作手段が操作されたか否かが判断される。所定の操作手段が操作されない場合には、次のステップ203に進む。
ステップ203において、タイマー162はカウントをリセットする。そして、ステップ201に戻る。すなわち、タイマー162は所定の操作手段が操作される毎にタイムカウントをリセットして新たなタイムカウントを開始する。
【0056】
前記ステップ202において、所定の操作手段が操作されない場合には、次のステップ204に進む。
ステップ204において、煙草検知センサ90がOFFになったか、すなわち図4に示す感熱センサ70又は図7に示す煙感知器80が検知信号の出力を停止したか否かを判断する。なお、この場合の煙草検知センサ90は、熱又は煙を検知している場合に検知信号を出力し続けるように形成されているものとする。煙草検知センサ90がOFFにならない場合には、次のステップ205に進む。
ステップ205において、一定時間が経過したか否かが判断される。一定時間が経過していない場合には、ステップ202に戻る。一方、一定時間が経過した場合には、次のステップ206に進む。
【0057】
ステップ206〜210までの流れは、図10のステップ104〜108までと同様である。
前記ステップ204において、煙草検知センサ90がOFFになった場合、すなわち煙草が消されたか自然に消えた場合には、ステップ210に進む。すなわち、タイマー162はタイムカウントをリセットして、消火機構60の作動を終了する。
このように、図11の作動例によれば、煙草検知センサ90が煙草を検知した場合、所定の操作手段が操作されない場合(つまり遊技が行われていない場合)に限り、自動的に煙草の火を消すことができる。このため、遊技をしながら喫煙している場合に煙草の火が消されてしまうことがない。また、遊技が行われていない場合でも、煙草検知センサ90がOFFとなった場合(つまり煙草の火が消えた場合)には、消火作動部61が作動しないので、無駄な作動を避けることができる。
【0058】
なお、図11の作動例において、煙草検知センサ90がOFFになったか否かにかかわらず、煙草を検知してから一定時間が経過した場合のみ、消火機構60を作動させるようにしてもよい。
また、上記した実施の形態では、消火機構60の作動を制御する制御部(灰皿消火制御手段160)をスロットマシンSの制御装置6に設けてあったが、この制御部は消火機構60に設けることもできる。この場合には、スタートスイッチ20の操作信号、煙草検知センサ90の検知信号が消火機構60の制御部に出力されるように形成すればよい。
本発明は、前扉3が上扉30と下扉40に分割されていないスロットマシンにも利用できる。また、スロットマシン以外の遊技機にも応用できる。例えば遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機に利用することができる。あるいは、パチンコ遊技機の灰皿に利用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの外観斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態であって、前扉を開いたスロットマシンの斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの縦断面図である。
【図4】本発明の実施の形態であって、灰皿の縦断面図である。
【図5】本発明の実施の形態であって、灰皿の正面断面図である。
【図6】本発明の実施の形態であって、消火棒の変形例を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態であって、消火機構の変形例を示す縦断面図である。
【図8】本発明の実施の形態であって、消火機構の変形例を示す正面断面図である。
【図9】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの制御装置を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態であって、消火機構の作動の一例を示す流れ図である。
【図11】本発明の実施の形態であって、消火機構の作動の他の例を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0060】
S スロットマシン
1 筐体 2 リールユニット
3 前扉 4 電源装置
5 ホッパーユニット 6 制御装置
11 開口部 12 中板
13 開口上部 14 開口下部
15 底板 16 側板
20 回転リール 21 リール枠
30 上扉 31 上パネル
32 図柄表示窓 33 飾り部
34 画像表示部 35 スピーカ
40 下扉 41 操作部
41A ベットスイッチ 41B スタートスイッチ
41C ストップスイッチ 41D 精算スイッチ
42 メダル投入口 43 下パネル
44 メダルセレクター 45 メダル通路
46 メダル払い出し口 47 下皿
47A 底板 47B 側板
47C 仕切り板 47D 前板
47E 奥板 47F 灰皿乗せ板
47G ガイドレール 47H スライド板収納部
50 灰皿 51 軸支部
52 案内溝 53 底部開口
60 消火機構 61 消火作動部
62 消火棒(可動部、押圧部材) 63 スライド板(可動部、開閉部材)
64 下部受け皿 64A 突条
65 飛散防止板
70 感熱センサ 80 煙感知器
90 煙草検知センサ(煙草検知手段) 160 灰皿消火制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行うために操作される遊技操作手段と、灰皿とを少なくとも備えた遊技機において、
前記灰皿の近傍に、火の付いた煙草があることを検知可能な煙草検知手段を設け、
遊技機内部に設置された消火作動部と、この消火作動部の作動により位置移動可能な可動部とを備える消火機構を設け、
前記消火機構は、前記煙草検知手段が火の付いた煙草を検知してから一定時間が経過した場合に、前記消火作動部を作動させることができ、
前記消火作動部の作動に伴い前記可動部が移動することにより、前記灰皿内の煙草の火が消火可能に形成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記消火機構は、前記煙草検知手段が火の付いた煙草を検知してから一定時間が経過する前であっても、前記遊技操作手段のいずれかが操作された場合には、前記消火作動部を作動させることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記消火機構は、前記遊技操作手段のいずれかが操作されている場合には、前記煙草検知手段が火の付いた煙草を検知していても消火作動部を作動させず、前記前記遊技操作手段のいずれもが操作されないまま、前記煙草検知手段が火の付いた煙草を検知してから一定時間が経過した場合に、前記消火作動部を作動させることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項4】
前記消火機構は、前記消火作動部の作動によって、前記可動部としての押圧部材を前記灰皿内部に突出させることにより、火の付いた煙草を押圧して消火するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記灰皿に底部開口を設け、
前記灰皿の下方に取り付け又は設置された下部受け皿を設け、
前記消火機構は、前記消火作動部の作動によって、前記可動部としての開閉部材を開状態にして前記灰皿の底部開口を開放し、前記灰皿内の火の付いた煙草を前記下部受け皿に落下させて消火するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−172114(P2009−172114A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−13295(P2008−13295)
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】