説明

遊技機

【課題】基板ケースに対して閉鎖封止手段と装着封止手段とを効率よく配置して遊技機本体の限られたスペースを有効に活用することが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】第1ケース体41と第2ケース体42とで開閉自在に構成された基板ケース43と、基板ケース43を装着可能な基板ケース取付台45と、基板ケース43を閉鎖状態で封止可能な閉鎖封止手段47と、基板ケース43と基板ケース取付台45とを装着状態で封止可能な装着封止手段49とを備え、閉鎖封止手段47は、第1ケース体41側の被結合部101aと第2ケース体42側の封止部材102aとを備え、装着封止手段49は、基板ケース取付台45側の被結合部101bと基板ケース43側の封止部材102bとを備え、基板ケース43側の凹部71aに被結合部101bを嵌合させ、閉鎖封止手段47と装着封止手段49とを基板ケース43の一辺に沿って一列状に配置したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、スロットマシン等の遊技機に係り、詳しくは、閉状態で封止可能な基板ケースを遊技機本体側にも封止可能とした遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機、スロットマシン等の遊技機では、各種制御基板等が基板ケースに格納された状態で本体裏側等に装着されている。一般的な基板ケースは、第1ケース体と第2ケース体とを開閉可能に組み合わせることにより略箱形となるように構成され、遊技機本体側に設けられた基板ケース取付台に対して着脱自在に装着されている。
【0003】
また、遊技機の基板ケースには、制御基板に対する不正防止のための封止手段を備えたものがある。この封止手段には、基板ケースを構成する第1ケース体と第2ケース体とを閉鎖状態で現状復帰不能に封止する閉鎖封止手段と、その基板ケースと基板ケース取付台とを装着状態で現状復帰不能に封止する装着封止手段とがあり、例えば特許文献1に記載された基板ケースはそれら二種類の封止手段を共に備えている。
【特許文献1】特開2000−334142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された発明では、閉鎖封止手段と装着封止手段とを基板ケースの異なる辺に沿って別々に配置し、しかも装着封止手段は基板ケースの外側に突出するように配置されているため、基板ケース内における閉鎖封止手段の周辺にはデッドスペースが存在するにも拘わらず、遊技機本体側には基板ケースから突出した装着封止手段のためのスペースを設けなければならず、遊技機本体内の限られたスペースを有効に活用できていないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、基板ケースに対して閉鎖封止手段と装着封止手段とを効率よく配置して遊技機本体の限られたスペースを有効に活用することが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1ケース体41と第2ケース体42とで開閉自在に構成され且つ内部に基板13を格納可能な基板ケース43と、遊技機筐体1に設けられ且つ前記基板ケース43を装着可能な基板ケース取付台45と、前記第1ケース体41と前記第2ケース体42とを閉鎖状態で封止可能な一又は複数の閉鎖封止手段47と、前記基板ケース43と前記基板ケース取付台45とを装着状態で封止可能な一又は複数の装着封止手段49とを備えた遊技機において、前記閉鎖封止手段47は、前記第1ケース体41側の閉鎖封止側被結合部101aと、前記第2ケース体42側に設けられ且つ前記閉鎖封止側被結合部101aに離脱不能に結合することにより前記第1ケース体41に対する前記第2ケース体42の離脱を阻止する閉鎖封止側封止部材102aとを備え、前記装着封止手段49は、前記基板ケース取付台45側の装着封止側被結合部101bと、前記基板ケース43側に設けられ且つ前記装着封止側被結合部101bに離脱不能に結合することにより前記基板ケース取付台45に対する前記基板ケース43の離脱を阻止する装着封止側封止部材102bとを備え、前記基板ケース43側に設けた凹部71aに前記装着封止側被結合部101bを嵌合させ、前記閉鎖封止手段47と前記装着封止手段49とを前記基板ケース43の一辺に沿って一列状に配置したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、基板ケース43に対して閉鎖封止手段47と装着封止手段49とを効率よく配置して基板ケース43の内外のデッドスペースを少なくすることができ、遊技機筐体1内の限られたスペースを有効に活用することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図28は本発明をスロットマシンに採用した一実施形態を例示している。なお、以下の説明における上下左右の方向については、特に基準を示さない限り遊技機本体を前側から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0009】
図1及び図2において、1は遊技機本体を構成する筐体であり、本体ケース2と、この本体ケース2の前側に配置された矩形状の前面パネル3とを備えている。本体ケース2は例えば木製で、左右一対の側板4a,4bと、それら左右の側板4a,4bの上下両端側を左右に連結する上板5及び底板6と、背面側を略塞ぐ背板7とにより、前側が開放する箱形に形成されており、その前側を開閉自在に閉鎖するように前面パネル3が装着されている。
【0010】
本体ケース2内には、図2に示すように、複数個の図柄表示リール8a〜8cが左右方向に配列された表示リールユニット9の他、メダル払い出し装置10、メダル補助ケース11、電源基板が格納された電源基板ケース12、主制御基板13が搭載された主制御基板ユニット14等が配置されている。表示リールユニット9は、左右の側板4a,4b間に架設された中間棚15上に着脱自在に装着されている。
【0011】
メダル払い出し装置10は、払い出し用のメダルを貯留するメダルホッパー16、メダルホッパー16内のメダルを払い出すメダル払い出し手段17、メダルホッパー16から溢れたメダルをメダル補助ケース11側に排出する余剰メダル排出口18等を備え、底板6上に着脱自在に装着されている。メダル補助ケース11は側板4bに近接して底板6上に装着され、電源基板ケース12はメダル補助ケース11と反対側で側板4aの下部側に装着されている。また、主制御基板ユニット14は、本体ケース2内の縦壁面、例えば背板7の前面側で且つ表示リールユニット9の上側近傍に固定されている。
【0012】
前面パネル3は左右一端側、例えば左側に配置されたヒンジ手段(図示省略)を介して本体ケース2に対して開閉自在に装着されており、その上部側には第1表示窓21と第2表示窓22とが上下に配置されている。第1表示窓21は、前面パネル3の裏側に装着された液晶表示ユニット(図示省略)の表示画面23に対応して矩形状に形成されており、遊技者はこの第1表示窓21を介して表示画面23を前側から視認可能となっている。第2表示窓22は、本体ケース2側の図柄表示リール8a〜8cに対応して、第1表示窓21よりも大型の矩形状に形成されており、遊技者はこの第2表示窓22を介して図柄表示リール8a〜8cを前側から視認可能となっている。
【0013】
また第2表示窓22の下側には、横長状の操作パネル部24が設けられている。この操作パネル部24の上面側には、遊技媒体としてのメダルを投入可能なメダル投入口25の他、1ベットボタン26、マックスベットボタン27及びキャンセルボタン28が設けられている。操作パネル部24の前面側には、図柄表示リール8a〜8cの回転を開始させるためのスタートレバー31、回転中の図柄表示リール8a〜8cを夫々個別に停止させるためのストップボタン32a〜32c、メダル投入口25内に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン33等が設けられている。
【0014】
前面パネル3の下端部前側には、メダル払い出し手段17から払い出されたメダルや返却されたメダルを前側に排出するための排出口34が設けられ、その前側に、排出口34から排出されたメダルを受けるメダル受け皿35が横長状に配置されている。
【0015】
主制御基板ユニット14は、主制御基板13を保護しつつ本体ケース2内に装着するためのもので、主制御基板13と、第1ケース体41と第2ケース体42とで開閉自在に構成され且つ内部に主制御基板13が格納される主基板ケース43と、この主基板ケース43に装着され且つ主制御基板13の所定のコネクタをカバーするコネクタカバー44と、本体ケース2に固定され且つ主基板ケース43を保持する主基板ケース取付台45と、第1ケース体41と第2ケース体42とを閉状態でロックする閉鎖ロック手段46と、第1ケース体41と第2ケース体42とを閉状態で封止する閉鎖封止手段47と、主基板ケース43と主基板ケース取付台45とを装着状態でロックする装着ロック手段48と、主基板ケース43と主基板ケース取付台45とを装着状態で封止する装着封止手段49とを備えている。
【0016】
主制御基板13は、スタートレバー31、ストップボタン32a〜32c等の操作に応じて図柄表示リール8a〜8cの回転、停止その他の遊技動作を制御するためのもので、図3等に示すように例えば横長矩形状に形成され、その一面側の中央側にROM36等の電子部品が、外縁側に複数個のコネクタ37が夫々装着されている。
【0017】
主基板ケース43を構成する第2ケース体42は、図3,図4、図7等に示すように、主制御基板13の電子部品装着面13a側に対向する上壁51と、その上壁51の三辺、例えば上下辺及び右辺に沿って主制御基板13側に延設された周壁52〜54とを一体に備え、主制御基板13の裏面13b側に対応する面、及び外周側の残りの一方側、即ち左側の面はその略全面が開放されて開口55,56を形成している。
【0018】
そして、上壁51の内面側には、例えば左側の開口56から所定距離内側(右周壁54側)の位置に仕切り壁57(図4,図11)が右周壁54と略平行に配置されている。この仕切り壁57は、主基板ケース43内の空間を基板格納領域43aと封止領域43bとに仕切るもので、周壁52〜54と仕切り壁57とで取り囲まれた領域が基板格納領域43a、仕切り壁57よりも開口56側の領域が封止領域43bとなっている。
【0019】
上壁51のうち、仕切り壁57よりも右側の基板格納領域43aに対応する基板側上壁51aには、その内部に配置される主制御基板13との間に電子部品の収容空間を確保できるように外向きに膨出する膨出部61が形成されると共に、その膨出部61の周辺部には、例えば仕切り壁57、右周壁54及び下周壁53に沿って膨出部61よりも低い凹部62a〜62cが形成されている。
【0020】
凹部62a〜62cには、主制御基板13側のコネクタ37が内側から嵌合するコネクタ嵌合孔63が夫々1又は複数設けられており、主制御基板13は、コネクタ37をそれらコネクタ嵌合孔63に内側から嵌合させつつ第2ケース体42の基板格納領域43a内に嵌め込まれ、電子部品装着面13aを凹部62a〜62cの内面側に当接させた状態で第2ケース体42にねじ止め等により着脱自在に固定されている。
【0021】
また、膨出部61には、主制御基板13側のROM36に対応する位置に、ROM36側に凹入する凹部64が形成されると共に、その凹部64の側壁と膨出部61の側壁とを連結する複数の連結リブ65が膨出部61の内面側に沿って配置されている。
【0022】
上壁51のうち、仕切り壁57よりも左側の封止領域43bに対応する封止側上壁51bには、仕切り壁57に沿って開封用開口部66が、開口56側縁部に沿って一又は複数、の係止孔67が、開封用開口部66と係止孔67との間に開封用開口部66に沿って複数の操作孔68が夫々貫通状に形成され、また開口56及び上下の周壁52,53に沿う外縁部には外向きに突出する外周枠69が一体に設けられている。
【0023】
また、上下の周壁52,53には、係合爪70とロックカバー60とが外向きに突設されている。係合爪70は、開口55側の縁部に沿って間欠的に複数、例えば上下各4個配置され、ロックカバー60は開口55側縁部から所定距離の位置に複数、例えば上下各2個配置されている。
【0024】
第1ケース体41は、図3,図5,図7等に示すように、第2ケース体42側の開口55に対応する底壁71と、第2ケース体42側の開口56に対応して底壁71の一辺、即ち左辺に沿って第2ケース体42側に立設される側壁72と、底壁71の他の三辺、即ち上辺,下辺及び右辺に沿って第2ケース体42側に立設される嵌合壁73a,73b,73cとを一体に備えている。
【0025】
底壁71には、左辺の下部側の所定範囲に対応して内向きに略矩形状の凹部71aが形成されており、側壁72はその凹部71aに対応する部分が欠損し、上部側壁72aと下部側壁72bとに分断されている。そして、この第1ケース体41を第2ケース体42に組み合わせたとき、底壁71,側壁72が、凹部71aに対応する部分を除いて第2ケース体42側の開口55,56を夫々略閉鎖すると共に、嵌合壁73a〜73cが夫々第2ケース体42側の周壁52〜54の外側に嵌合するようになっている。なお、底壁71には、凹部71aの内縁部のうち、上下の嵌合壁73a,73bに平行な一対の側縁部に沿って側縁板74a,74bが、右嵌合壁73cに平行な内縁部に沿って内縁板75が、夫々内向きに立設されている。
【0026】
また、底壁71には、主制御基板13の裏面13bに略当接する一対の案内壁76,77が嵌合壁73a,73bの内側に平行に配置されており、これら案内壁76,77と嵌合壁73a,73bとの間は、第2ケース体42側の周壁52,53が摺動自在に嵌合する案内溝78,79となっている。なお、案内壁76,77には、嵌合壁73a,73b側に向けて夫々複数の突起部76a,77aが一体に設けられており、これら突起部76a,77aの先端が第2ケース体42側の周壁52,53の内面側に摺接するようになっている。
【0027】
また、上下の嵌合壁73a,73bには、第2ケース体42側の係合爪70に対応する係合受け部81が設けられている。この係合受け部81は、図7に示すように、係合爪70が嵌脱自在に嵌合する切り欠き部81aと、案内溝78,79に沿ってこれら切り欠き部81aに対して例えば封止領域43bとは反対側(右側)に隣接して設けられ且つ係合爪70が夫々係合する係止部81bとを備えている。また、側壁72の縁部には、第2ケース体42側の係止孔67に係脱自在に係合する断面略L字型の係合爪82が突設されている。なお、案内壁76,77側の突起部76a,77aは、例えば嵌合壁73a,73b側の切り欠き部81aに対応する位置に配置されている。
【0028】
主基板ケース43を閉じる際には、第2ケース体42側の係合爪70を第1ケース体41側の切り欠き部81aに、第1ケース体41側の係合爪82を第2ケース体42側の係止孔67に夫々嵌合させるように第2ケース体42と第1ケース体41とを互いに嵌め合わせ(アンロック状態)、第2ケース体42を第1ケース体41に対して封止領域43bとは反対側(右側)に向けて相対的にスライドさせることにより(以下、この方向をスライド方向という)、係合爪70が係止部81bに、係合爪82が係止孔67の縁部に夫々係合して、第1ケース体41と第2ケース体42とが互いに結合状態でロックされる(ロック状態)。また、第1ケース体41と第2ケース体42とをロック状態から逆方向にスライドさせてアンロック状態にすれば、主基板ケース43を開くことができる。
【0029】
なお、第2ケース体42側の係合爪70と第1ケース体41側の係合受け部81、第1ケース体41側の係合爪83と第2ケース体42側の係止孔67が、第1ケース体41と第2ケース体42とを閉状態でロックする閉鎖ロック手段46を構成している。
【0030】
また、上下の嵌合壁73a,73bには、係合受け部81とは異なる位置に夫々複数の係合突起84が外向き突出状に一体形成されている。この係合突起84は、その先端側がスライド方向に向けて略直角に屈曲している。
【0031】
コネクタカバー44は、主制御基板13に設けられた複数のコネクタ37のうち、例えば下側の凹部62c内に配置されるコネクタ37a,37bを覆うもので、図9等に示すように、凹部62cに対応する蓋状に形成された本体部85と、この本体部85の一端側に一体に設けられたヒンジピン86と、本体部85の他端側近傍に設けられたカバー側結束部87とを備えている。凹部62cは、第2ケース体42の下縁部に沿って右縁部側から左縁部側に向けて所定範囲に設けられ、その右端側は凹部62bの下端側に連結しており、その底壁に設けられたコネクタ嵌合孔63a,63b(図4)にコネクタ37a,37bが嵌合している。
【0032】
本体部85は、コネクタ37a,37bとこれに結合されたハーネス側コネクタ88a,88bとを覆うように凹部62cに装着されるようになっている。この本体部85には、凹部62c側のケース側結束部89が嵌合可能な嵌合孔90が、カバー側結束部87に隣接して設けられており、コネクタカバー44を主基板ケース43に装着したとき、凹部62c側のケース側結束部89が嵌合孔90を貫通してコネクタカバー44側のカバー側結束部87と重なるように構成されている。なお、カバー側結束部87とケース側結束部89とは例えば共に門型状に形成されている。また、本体部85には、凹部62cの底壁に対向する縁部に沿って切欠状のハーネス引出部85aが、例えば各コネクタ37a,37bに対応して設けられている。
【0033】
ヒンジピン86は、主基板ケース43の例えば右縁部に沿って上下方向に配置されており、第1ケース体41側の右嵌合壁73cに一体に設けられた軸保持部91により着脱自在且つ回転自在に保持されるようになっている。なお、軸保持部91は、例えば右嵌合壁73cの縁部から外向きに延設された半円筒状で、ヒンジピン86を内側から抱き込むように保持するようになっている。
【0034】
コネクタカバー44を主基板ケース43に装着する際には、コネクタカバー44のヒンジピン86を第1ケース体41側の軸保持部91に係合させ(図9に二点鎖線で示す)、そのヒンジピン86廻りに回転させることにより、本体部85をコネクタ37a,37b及びこれに結合されたハーネス側コネクタ88a,88bに覆い被せる。そしてその状態で、カバー側結束部87とケース側結束部89とを結束バンド(図示省略)等により抜脱不能に結束する。
【0035】
これにより、結束バンド92を切断してコネクタカバー44を取り外さない限り、ハーネス側コネクタ88a,88bをコネクタ37a,37bから抜き取ることができなくなり、コネクタ37a,37bへの不正部品の接続による不正行為を効果的に防止できる。また、コネクタカバー44は第1ケース体41と第2ケース体42とに跨って装着されているため、このコネクタカバー44を取り外さない限り主基板ケース43を開くことはできない。
【0036】
主基板ケース取付台45は、図3,図6,図8等に示すように、第1ケース体41側の底壁71に対応する略矩形状のベース板93と、このベース板93の外周に沿って後ろ向き突出状に設けられ且つ主基板ケース43を外周から囲繞する上下左右の囲繞壁94〜97とを一体に備えており、ベース板93に設けられた複数の固定孔93aにおいて本体ケース2の背板7の内面側にねじ止め固定されている。なお、主基板ケース取付台45に主基板ケース43を装着した状態ではその主基板ケース43によって固定孔93a及び固定ねじ(図示省略)が覆われてしまうため、本体ケース2から主基板ケース取付台45ごと主基板ケース43を取り外すことはできない。
【0037】
左側の囲繞壁96は、第1ケース体41側の側壁72a,72bに対応する部分が切り欠かれており、この囲繞壁96と第1ケース体41側の側壁72とで第2ケース体42側の開口56の略全体が閉鎖されるようになっている。
【0038】
また、上下の囲繞壁94,95には、第1ケース体41側の係合突起84が嵌脱自在に嵌合する複数の係合受け部98が設けられている。この係合受け部98は、図6等に示すように、係合突起84が嵌脱自在に嵌合する切り欠き部98aと、この切り欠き部98aに隣接して設けられ且つ係合突起84が係合可能な係止部98bと、これら切り欠き部98aと係止部98bとを外側から覆うカバー部98cとを備えている。
【0039】
主基板ケース43を主基板ケース取付台45に装着する際には、主基板ケース43側の係合突起84を主基板ケース取付台45側の切り欠き部98aに嵌合させるように主基板ケース43を主基板ケース取付台45の内側に嵌め込み(アンロック状態)、主基板ケース43を主基板ケース取付台45に対して主基板ケース43を閉じる際と同じ方向にスライドさせることにより、係合突起84が係止部98bに係合して、主基板ケース43が主基板ケース取付台45に対して装着状態でロックされる(ロック状態)。このとき、係合受け部98の切り欠き部98aは第2ケース体42側のロックカバー60によって塞がれる。また、主基板ケース取付台45に対してロック状態にある主基板ケース43をロック時とは逆方向にスライドさせてアンロック状態にすれば、主基板ケース取付台45から取り外すことができる。
【0040】
なお、第1ケース体41側の係合突起84と主基板ケース取付台45側の係合受け部98とが、主基板ケース43と主基板ケース取付台45とを装着状態でロックする装着ロック手段48を構成している。
【0041】
閉鎖封止手段47及び装着封止手段49は、図14等に示すように、主基板ケース43の封止領域43bに対応して、主基板ケース43の一辺、即ち第2ケース体42側の開口56及び第1ケース体41側の側壁72に沿って例えば一列状に夫々一又は複数(ここでは閉鎖封止手段47が2個、装着封止手段49が4個)配置されている。
【0042】
閉鎖封止手段47は、図3等に示すように、第1ケース体41側の被結合部(閉鎖封止側被結合部)101aと、第2ケース体42側の封止部材(閉鎖封止側封止部材)102a及び開封障害部103aとで構成されている。また、装着封止手段49は、図3等に示すように、主基板ケース取付台45側の被結合部(装着封止側被結合部)101bと、第2ケース体42側の封止部材(装着封止側封止部材)102b及び開封障害部103bとで構成されている。
【0043】
図12,図13等に示すように、閉鎖封止手段47側の被結合部101aは、第1ケース体41側の側壁72aの内面側に突設された嵌合支持部104a上に設けられており、装着封止手段49側の被係合部101bは、主基板ケース取付台45側の左囲繞壁96の内面側に突設された嵌合支持部104b上に設けられている。
【0044】
閉鎖封止手段47,装着封止手段49の嵌合支持部104a,104bは、夫々第1ケース体41側の底壁71、主基板ケース取付台45側のベース板93に平行な板状で、底壁71,ベース板93との間に所定距離をおいて側壁72a,左囲繞壁96の内側、即ち封止領域43b側に配置され、例えば底壁71,ベース板93から垂直に立設された支持壁105a,105bにより第1ケース体41,主基板ケース取付台45に一体に支持されており、側壁72a,左囲繞壁96に沿って、嵌合支持部104a側には2つの被結合部101aが、嵌合支持部104b側には4つの被係合部101bが夫々設けられている。
【0045】
なお、主基板ケース43を主基板ケース取付台45に装着したとき、図12,図13に示すように、主基板ケース取付台45側の嵌合支持部104bは第1ケース体41側の凹部71aに嵌合して第1ケース体41側の嵌合支持部104aと同じ平面上で隣接し、嵌合支持部104a側の2つの被結合部101aと嵌合支持部104b側の4つの被係合部101bとが一列状に整列するようになっている。
【0046】
各被結合部101a,101bは、図13,図17等に示すように、例えばスライド方向に平行に設けられた1つの挿通スリット106と、この挿通スリット106の両側に平行に配置された一対の逃げ用スリット107と、それら挿通スリット106と逃げ用スリット107との間に形成された一対の弾性係合部108とを備えている。挿通スリット106には、封止部材102a,102b側の結合部116に対応してその略中央に拡幅部109が形成されている。
【0047】
また、嵌合支持部104a,104bの第2ケース体42側の面(以下、表面という)には、各被結合部101a,101bに対してその配列方向の両側、即ち逃げ用スリット107の外側に互いに平行な一対の案内板110,110が第2ケース体42の封止側上壁51b側に向けて立設されている。また、案内板110,110の対向面側には、封止部材102a,102bにおける側壁72a,左囲繞壁96側の面に沿って規制部111が突設されている。
【0048】
封止部材102a,102bは、図10,図11等に示すようにそれら全てが連結部材112により連結された状態で封止部材連結体113として合成樹脂により一体形成されており、この封止部材連結体113が第2ケース体42に着脱自在に装着されている。封止部材102a,102bは、断面矩形状の軸部114と、この軸部114の一端側に設けられた鍔部115と、軸部114の他端側に設けられた台形状の結合部116と、鍔部115から上側に突出する被操作部117とを備えている。
【0049】
鍔部115は、例えば略矩形状で、スライド方向に対する左右両縁側が被結合部101a,101b側の案内板110,110の対向面側に略接し、スライド方向一端側の縁部が被結合部101a,101b側の規制部111に略接するように形成されている。なお鍔部115には、その外周に沿って軸部114とは反対側に向けて周壁118が突設されている。軸部114は、鍔部115の中心部から被結合部101a,101b側に向けて突設され、例えばスライド方向に対する左右方向に偏平な断面矩形状に形成されており、その幅は被結合部101a,101b側の拡幅部109の内幅と略同じか若干小さく形成されている。なお、鍔部115には、軸部114と共に被結合部101a,101b側の挿通スリット106に嵌合する嵌合リブ119が、例えば軸部114の一方の側面に沿って突設されている。
【0050】
結合部116は、軸部114の先端側に設けられ、軸部114からスライド方向に対する左右方向に張り出す断面台形状に形成されており、その張り出し幅は被結合部101a,101b側の拡幅部109の幅よりも大きくなっている。被操作部117は、封止部材102a,102bを被結合部101a,101b側に押し込む際に押圧される部分で、例えば断面略矩形状で鍔部115の中心部から外向きに突出しており、その端部側には凹部120が形成されている。
【0051】
以上のように構成された封止部材102a,102bは、夫々被結合部101a,101bに対応する間隔で一列状に整列された状態で、連結部材112により一体に連結されている。連結部材112は、封止部材102a,102bに対してその整列方向両端側及び各封止部材102a,102b間に配置されるスライド方向の支持枠121と、この支持枠121の少なくとも一端側、例えば開口56側端部を互いに連結する連結枠122と、両端側の支持枠121,121から封止部材102a,102bの整列方向外向きに突設された固定部123とを一体に備え、支持枠121と封止部材102a,102b側の鍔部115との間が損壊容易な連結部124により複数箇所で一体に連結されている。
【0052】
各支持枠121には、封止部材102a,102bの軸部114と同じ側に突出するリブ125が、各支持枠121の長手方向、即ちスライド方向に沿って配置されている。また、連結枠122は、それらリブ125と略同じ幅に形成されると共に、更に封止部材102a,102bの軸部114と同じ側に突出する突出部126が各封止部材102a,102bに対応して間欠的に複数設けられている。
【0053】
連結部材112には、例えば支持枠121上の複数箇所に、第2ケース体42側の封止側上壁51bの内面側に設けられた位置決め突起127(図11)に対応する位置決め穴128(図10)が設けられている。また、固定部123は連結枠122と平行な板状で、その少なくとも一面側に固定爪129が突設されている。
【0054】
この封止部材連結体113は、第2ケース体42側の封止部材保持部130により着脱自在に保持されている。封止部材保持部130は、上下の周壁52,53の内側近傍で封止側上壁51bの内面側に突設された各一対の挟持板130a,130aと、封止部材連結体113側の固定爪129に対応して挟持板130aに設けられた固定孔130bとで構成されている。封止部材連結体113は、封止側上壁51b側の位置決め突起127を位置決め穴128に嵌合させた状態で固定部123が夫々一対の挟持板130a,130a間に差し込まれ、固定部123の固定爪129が挟持板130aの固定孔130bに係合することにより第2ケース体42側に着脱自在に保持されている。
【0055】
封止部材連結体113が第2ケース体42側に装着された状態(図12,図13等)では、各封止部材102a,102bの被操作部117が封止側上壁51b上の操作孔68に夫々内側から隙間無く嵌合し、図15〜図17に示すように、鍔部115の周壁118の縁部が封止側上壁51bの内面側に略当接した状態となる。なお、操作孔68は、嵌合支持部104a,104b側の被結合部101a,101bに夫々対応するように封止側上壁51b上に一列状に設けられている。
【0056】
また、第1ケース体41と第2ケース体42、及びそれらと主基板ケース取付台45を互いに嵌め合わせて夫々ロック状態としたときには、図17等に示すように嵌合支持部104a,104b側の案内板110,110が各封止部材102a,102bの鍔部115の両側面に略接すると共にその縁部が連結部124に下側から略当接し、また図15,図16に示すように連結枠122の突出部126が案内板110,110間に嵌合してその先端側が嵌合支持部104a,104bに略当接するようになっている。
【0057】
そして、第1ケース体41と第2ケース体42、又はそれらと主基板ケース取付台45をロック状態で封止する際に、操作孔68の外側から封止部材102a,102bの被操作部117が内向きに押圧されると、連結部124が損壊して封止部材102a,102bは第2ケース体42から切り離され、被結合部101a,101bに離脱不能に結合する。
【0058】
開封障害部103a,103bは、図10〜図18に示すように、第2ケース体42側の開封用開口部66内に各封止部材102a,102bに対応して設けられている。即ち、開封用開口部66は、区分壁131により、封止部材102aに対応する1又は複数、例えば2つの開封用開口部66aと、封止部材102bに対応する1又は複数、例えば4つの開封用開口部66bとに区分されており、各開封用開口部66a,66b内に夫々開封障害部103a,103bが配置され、損壊容易な第1,第2損壊部132,133を介して第2ケース体42に一体成形されている。
【0059】
開封障害部103a,103bは、開封用開口部66a,66b内の例えば封止部材102a,102b側に仕切り壁57と略平行に配置される支持板134と、その支持板134の嵌合支持部104a,104b側端部から封止部材102a,102b側に延設された横当接板135と、支持板134から横当接板135に沿って封止部材102a,102b側に突設された縦当接板136とを備えている。当接板135,136は、図15に示すように封止部材102a,102bが第2ケース体42側から切り離されて被結合部101a,101bに結合したとき、その封止部材102a,102bのスライド方向端面に当接又は近接するようになっている。
【0060】
第1損壊部132は、支持板134の外側端部における両端側と開封用開口部66a,66bの縁部との間を夫々連結するように設けられ、主基板ケース43の外側からニッパー等により容易に損壊可能となっている。また、第2損壊部133は、支持板134と仕切り壁57との間を、開封用開口部66a,66b内をスライド方向に横切って連結するように設けられており、主基板ケース43の外側からニッパー等により損壊可能となっている。これら第1,第2損壊部132,133を共に損壊することにより、開封障害部103a,103bを第2ケース体42から除去することができる。
【0061】
主制御基板13を主基板ケース43に封入して本体ケース2に装着する際の手順を説明する。第1段階として、主制御基板13を主基板ケース43に封入する。即ち、まず主制御基板13の内側に主制御基板13を嵌め込んでねじ止めし、その第2ケース体42側の上下の周壁52,53を第1ケース体41側の案内溝78,79に嵌合させ、第2ケース体42側の係合爪70を第1ケース体41側の切り欠き部81aに、第1ケース体41側の係合爪82を第2ケース体42側の係止孔67に、それぞれ嵌合させてアンロック状態に組み合わせる(図19→図20)。
【0062】
そして、第2ケース体42と第1ケース体41とを案内溝78,79に沿って相対的にスライドさせて、第2ケース体42側の係合爪70を第1ケース体41側の係止部81bに、第1ケース体41側の係合爪82を第2ケース体42側の係止孔67の縁部にそれぞれ係合させ、第1ケース体41と第2ケース体42とを結合状態でロックする(図20→図21)。これにより、第1ケース体41側の被結合部101a及び凹部71aは第2ケース体42側の封止側上壁51bにより後側から覆われた状態となり、第2ケース体42側の封止部材102aは、第1ケース体41側の被結合部101aと前後方向に合致した状態となる。
【0063】
続いて、複数(2組)の閉鎖封止手段47のうちの1つを用いて主基板ケース43を封止する。即ち、封止に用いる1つの封止部材102aの被操作部117をドライバー等の工具で主基板ケース43の内側に向けて押圧する。これにより、連結部124が損壊して封止部材102aは封止部材連結体113側、即ち第2ケース体42側から切り離され、その先端側の結合部116が弾性係合部108を両側に押し広げながら挿通スリット106内に嵌合する。このとき、封止部材102aは、その周囲に配置されている案内板110,110、規制部111及び縦当接板136に沿って摺動することにより押圧方向に真っ直ぐに案内される。そして、封止部材102aの鍔部115が嵌合支持部104aの表面に当接したとき、結合部116が挿通スリット106を貫通して弾性係合部108の裏側に係合し、その封止部材102aは第2ケース体42から完全に独立した状態で第1ケース体41側に離脱不能に結合した状態となる(図22)。
【0064】
このとき、その封止部材102aに対応する開封障害部103aの横当接板135及び縦当接板136が、その封止部材102aに当接又は近接した状態となる。従って、その状態で、第2ケース体42と第1ケース体41とをアンロック方向に相対的にスライドさせようとしても、第1ケース体41側に結合している封止部材102aが、横当接板135及び縦当接板136を介して第2ケース体42の開方向への相対移動を規制するため、そのままでは主基板ケース43を開封することはできない。
【0065】
また第2段階として、コネクタカバー44を主基板ケース43に装着する。即ち、コネクタカバー44のヒンジピン86を第1ケース体41側の軸保持部91に係合させ、コネクタカバー44をそのヒンジピン86廻りに回転させることにより、本体部85をコネクタ37a,37b及びこれに結合されたハーネス側コネクタ88a,88bに覆い被せ、カバー側結束部87とケース側結束部89とを結束バンド(図示省略)等により抜脱不能に結束する(図9)。
【0066】
続いて第3段階として、以上のようにして封止した主基板ケース43を、本体ケース2側に固定されている主基板ケース取付台45に装着する。即ち、主基板ケース43側の係合突起84を主基板ケース取付台45側の切り欠き部98aに嵌合させてアンロック状態に組み合わせる(図23→図24)。このとき、被係合部101bが設けられた主基板ケース取付台45側の嵌合支持部104bが主基板ケース43側の凹部71aに嵌合した状態となる。
【0067】
そして、主基板ケース43を主基板ケース取付台45に対して上下の囲繞壁94,95に沿って相対的にスライドさせて、主基板ケース43側の係合突起84を主基板ケース取付台45側の係止部98bに係合させ、主基板ケース43を主基板ケース取付台45に対して装着状態でロックする(図24→図25)。これにより、主基板ケース43側の2組の閉鎖封止手段47と、主基板ケース取付台45側の4組の装着封止手段49とが一列状に整列した状態になると共に、主基板ケース43側の封止部材102bは、主基板ケース取付台45側の被結合部101bと前後方向に合致した状態となる。
【0068】
続いて、複数(4組)の装着封止手段49のうちの1つを用いて主基板ケース43を主基板ケース取付台45に装着状態で封止する。即ち、封止に用いる1つの封止部材102bの被操作部117をドライバー等の工具で主基板ケース43の内側に向けて押圧する。これにより、連結部124が損壊して封止部材102bは封止部材連結体113側、即ち第2ケース体42側から切り離され、その先端側の結合部116が弾性係合部108を両側に押し広げながら挿通スリット106内に嵌合する。このとき、封止部材102bは、その周囲に配置されている案内板110,110、規制部111及び縦当接板136に沿って摺動することにより押圧方向に真っ直ぐに案内される。そして、封止部材102bの鍔部115が嵌合支持部104bの表面に当接したとき、結合部116が挿通スリット106を貫通して弾性係合部108の裏側に係合し、その封止部材102bは第2ケース体42から完全に独立した状態で主基板ケース取付台45側に離脱不能に結合した状態となる(図26)。
【0069】
このとき、その封止部材102bに対応する開封障害部103bの横当接板135及び縦当接板136が、その封止部材102bに当接又は近接した状態となる。従って、その状態で、主基板ケース43を主基板ケース取付台45に対してアンロック方向に相対的にスライドさせようとしても、主基板ケース取付台45側に結合している封止部材102bが、横当接板135及び縦当接板136を介して主基板ケース43の主基板ケース取付台45に対するアンロック側への相対移動を規制するため、そのままでは主基板ケース43を主基板ケース取付台45から取り外すことはできない。
【0070】
検査等のために主基板ケース24を開封する場合には、まず主基板ケース43を主基板ケース取付台45から取り外す必要がある。即ち、主基板ケース43を主基板ケース取付台45側に封止している装着封止手段49の第1,第2損壊部132,133をニッパー等の切断工具を用いて切断し、図27(a)に示すように、開封障害部103bを第2ケース体42から切り離して除去する。これにより、主基板ケース43を主基板ケース取付台45に対してアンロック方向にスライドさせる際に封止部材102bの移動を規制するものがなくなるため(図27(b))、主基板ケース43を主基板ケース取付台45から取り外すことができる。
【0071】
続いて、主基板ケース取付台45から取り外した主基板ケース43からコネクタカバー44を取り外し、主基板ケース43を封止している閉鎖封止手段47の第1,第2損壊部132,133をニッパー等の切断工具を用いて切断し、図28(a)に示すように、開封障害部103aを第2ケース体42から切り離して除去する。これにより、第2ケース体42を第1ケース体41に対してアンロック方向にスライドさせる際に封止部材102aの移動を規制するものがなくなるため(図28(b))、主基板ケース43を開封することができる。
【0072】
以上説明したように、本実施形態のスロットマシンは、第1ケース体41と第2ケース体42とを閉鎖状態で封止可能な複数の閉鎖封止手段47が、第1ケース体41側の被結合部101aと、第2ケース体42側に設けられ且つ被結合部101aに離脱不能に結合することにより第1ケース体41に対する第2ケース体42の離脱を阻止する封止部材102aとを備え、主基板ケース43と主基板ケース取付台45とを装着状態で封止可能な複数の装着封止手段49が、主基板ケース取付台45側の被結合部101bと、主基板ケース43側に設けられ且つ被結合部101bに離脱不能に結合することにより主基板ケース取付台45に対する主基板ケース43の離脱を阻止する封止部材102bとを備え、主基板ケース43側に設けた凹部71aに被結合部101bを嵌合させ、閉鎖封止手段47と装着封止手段49とを主基板ケース43の一辺に沿って一列状に配置しているため、主基板ケース43に対して閉鎖封止手段47と装着封止手段49とを効率よく配置して主基板ケース43の内外のデッドスペースを少なくすることができ、遊技機筐体1内の限られたスペースを有効に活用することが可能となる。
【0073】
また、閉鎖封止手段47及び装着封止手段49は、第1,第2損壊部132,133を介して第2ケース体42側に一体に形成され且つ第1,第2損壊部132,133を損壊することにより第2ケース体42から除去可能な開封障害部103a,103bを夫々備え、閉鎖封止手段47は、封止部材102aが第2ケース体42側から離れて被結合部101aに結合したとき、その封止部材102aが第1ケース体41に対する開封障害部103aの開方向への相対移動を規制することにより主基板ケース43の開封を阻止し、装着封止手段49は、封止部材102bが第2ケース体42側から離れて被結合部101bに結合したとき、その封止部材102bが主基板ケース取付台45に対する開封障害部103bの開方向への相対移動を規制することにより主基板ケース43の離脱を阻止するように構成されているため、閉鎖封止手段47及び装着封止手段49は、第1ケース体41と第2ケース体42、或いは主基板ケース43と主基板ケース取付台45の相対的なスライド移動さえ規制できればその配置位置は比較的自由であり、デッドスペースが最小となるような最適配置を容易に行うことができるという利点がある。
【0074】
封止部材102a,102bとそれらを連結する連結部材112とを合成樹脂により一体形成した封止部材連結体113を第2ケース体42の内側に着脱自在に装着しているため、部品点数の削減と組み立て工程の簡略化とによりコストを抑制できる。
【0075】
更に、封止部材102a,102bと連結部材112とは損壊容易な連結部124により連結されており、封止部材連結体113が第2ケース体42に装着された状態では封止部材102a,102bはその被操作部117のみが第2ケース体42側の操作孔68から外側に露出した状態となり、被操作部117が内向きに押圧されたとき、連結部124が損壊して封止部材102a,102bが封止部材連結体113から切り離されて被結合部101a,101bに結合するように構成されているため、封止作業は被操作部117の押圧操作のみで非常に簡単であり、また封止部材102a,102bを被結合部101a,101b側に結合させて封止した後にできる隙間等を最小限に抑えて不正行為を効果的に防止できる。
【0076】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では、遊技機が市場に出てからは、基板ケースごと取り外すことはあっても、その取り外した基板ケースを開封してまた元に戻すことは極希であることを考慮して、閉鎖封止手段47の数(2組)を装着封止手段49の数(4組)よりも少なくしたが、閉鎖封止手段47と装着封止手段49の数は夫々1又は複数であればよく、例えば閉鎖封止手段47と装着封止手段49とを同数としてもよいし、閉鎖封止手段47を1組にしてもよい。
【0077】
閉鎖封止手段47による封止構造は、実施形態のように封止部材102aにより第1ケース体41に対する開封障害部103aの開方向への相対移動を規制することにより基板ケース43の開封を阻止するものに限らず、どのような封止構造を採用してもよい。装着封止手段49についても同様である。
【0078】
また、実施形態では本発明をスロットマシンに適用した例を示したが、パチンコ機、アレンジボール機等の各種遊技機において同様に実施可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施形態を示すスロットマシンの全体斜視図である。
【図2】本体ケース側の正面図である。
【図3】主制御基板ユニットの分解斜視図である。
【図4】第2ケース体、封止部材連結体及びコネクタカバーの背面図である。
【図5】第1ケース体の背面図である。
【図6】主基板ケース取付台の背面図である。
【図7】主基板ケースの分解平面図である。
【図8】基板ケースと主基板ケース取付台の平面図である。
【図9】主制御基板ユニットにおけるコネクタカバー近傍の拡大斜視図である。
【図10】第2ケース体及び封止部材連結体の分解斜視図である。
【図11】第2ケース体及び封止部材連結体の分解斜視図である。
【図12】主制御基板ユニットから第2ケース体のみを取り外した状態での封止手段近傍の拡大斜視図である。
【図13】主制御基板ユニットから第2ケース体のみを取り外した状態での封止手段近傍の拡大背面図である。
【図14】主制御基板ユニットの背面図である。
【図15】図14におけるA−A断面図である。
【図16】図14におけるB−B断面図である。
【図17】図14におけるC−C断面図である。
【図18】図14におけるD−D断面図である。
【図19】主基板ケースの結合・封止手順を示す第1ステップの説明図である。
【図20】主基板ケースの結合・封止手順を示す第2ステップの説明図である。
【図21】主基板ケースの結合・封止手順を示す第3ステップの説明図である。
【図22】主基板ケースの結合・封止手順を示す第4ステップの説明図である。
【図23】主基板ケースの主基板ケース取付台への装着・封止手順を示す第1ステップの説明図である。
【図24】主基板ケースの主基板ケース取付台への装着・封止手順を示す第2ステップの説明図である。
【図25】主基板ケースの主基板ケース取付台への装着・封止手順を示す第3ステップの説明図である。
【図26】主基板ケースの主基板ケース取付台への装着・封止手順を示す第4ステップの説明図である。
【図27】主基板ケースの開封手順を示す説明図である。
【図28】主基板ケースの主基板ケース取付台45からの取り外し手順を示す説明図である。
【符号の説明】
【0080】
1 遊技機筐体
13 主制御基板(基板)
41 第1ケース体
42 第2ケース体
43 主基板ケース(基板ケース)
45 主基板ケース取付台(基板ケース取付台)
47 閉鎖封止手段
49 装着封止手段
68 操作孔
71a 凹部
101a 閉鎖封止側被結合部
101b 装着封止側被結合部
102a 閉鎖封止側封止部材
102b 装着封止側封止部材
103a 開封障害部
103b 開封障害部
112 連結部材
113 封止部材連結体
117 被操作部
124 連結部
132 第1損壊部
133 第2損壊部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ケース体(41)と第2ケース体(42)とで開閉自在に構成され且つ内部に基板(13)を格納可能な基板ケース(43)と、遊技機筐体(1)に設けられ且つ前記基板ケース(43)を装着可能な基板ケース取付台(45)と、前記第1ケース体(41)と前記第2ケース体(42)とを閉鎖状態で封止可能な一又は複数の閉鎖封止手段(47)と、前記基板ケース(43)と前記基板ケース取付台(45)とを装着状態で封止可能な一又は複数の装着封止手段(49)とを備えた遊技機において、前記閉鎖封止手段(47)は、前記第1ケース体(41)側の閉鎖封止側被結合部(101a)と、前記第2ケース体(42)側に設けられ且つ前記閉鎖封止側被結合部(101a)に離脱不能に結合することにより前記第1ケース体(41)に対する前記第2ケース体(42)の離脱を阻止する閉鎖封止側封止部材(102a)とを備え、前記装着封止手段(49)は、前記基板ケース取付台(45)側の装着封止側被結合部(101b)と、前記基板ケース(43)側に設けられ且つ前記装着封止側被結合部(101b)に離脱不能に結合することにより前記基板ケース取付台(45)に対する前記基板ケース(43)の離脱を阻止する装着封止側封止部材(102b)とを備え、前記基板ケース(43)側に設けた凹部(71a)に前記装着封止側被結合部(101b)を嵌合させ、前記閉鎖封止手段(47)と前記装着封止手段(49)とを前記基板ケース(43)の一辺に沿って一列状に配置したことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記閉鎖封止手段(47)及び前記装着封止手段(49)は、損壊部(132,133)を介して前記第2ケース体(42)側に一体に形成され且つ前記損壊部(132,133)を損壊することにより前記第2ケース体(42)から除去可能な開封障害部(103a,103b)を夫々備え、前記閉鎖封止手段(47)は、前記閉鎖封止側封止部材(102a)が前記第2ケース体(42)側から離れて前記閉鎖封止側被結合部(101a)に結合したとき、その閉鎖封止側封止部材(102a)が前記第1ケース体(41)に対する前記開封障害部(103a)の開方向への相対移動を規制することにより前記基板ケース(43)の開封を阻止し、前記装着封止手段(49)は、前記装着封止側封止部材(102b)が前記第2ケース体(42)側から離れて前記装着封止側被結合部(101b)に結合したとき、その装着封止側封止部材(102b)が前記基板ケース取付台(45)に対する前記開封障害部(103b)の開方向への相対移動を規制することにより前記基板ケース(43)の離脱を阻止するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記閉鎖封止側封止部材(102a)と前記装着封止側封止部材(102b)とそれらを連結する連結部材(112)とを合成樹脂により一体形成した封止部材連結体(113)を、前記第2ケース体(42)の内側に着脱自在に装着したことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記閉鎖封止側封止部材(102a)及び前記装着封止側封止部材(102b)と前記連結部材(112)とは損壊容易な連結部(124)により連結されており、前記封止部材連結体(113)が前記第2ケース体(42)に装着された状態では前記閉鎖封止側封止部材(102a)及び前記装着封止側封止部材(102b)はその被操作部(117)のみが前記第2ケース体(42)側の操作孔(68)から外側に露出した状態となり、前記被操作部(117)が内向きに押圧されたとき、前記連結部(124)が損壊して前記閉鎖封止側封止部材(102a)又は前記装着封止側封止部材(102b)が前記封止部材連結体(113)から切り離されて前記閉鎖封止側被結合部(101a)又は装着封止側被結合部(101b)に結合するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記閉鎖封止手段(47)の数を装着封止手段(49)よりも少なくしたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2009−247837(P2009−247837A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−103532(P2008−103532)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】