遊技機
【課題】図柄変動ゲームの大当り信頼度に応じた遊技演出を実行させることができる遊技機を提供することにある。
【解決手段】統括制御用CPUは、図柄変動ゲームの第2期間において大当り期待演出を実行させるとき、決定した変動パターンが大当り演出用の変動パターンである場合、はずれ演出用の変動パターンである場合と比較して、第1期間が終了するまでに検知スイッチが検知した遊技球の個数と、第2期間における大当り期待演出の発射個数との合計個数が、高確率で多くなるように第2期間における大当り期待演出の発射個数を決定する。
【解決手段】統括制御用CPUは、図柄変動ゲームの第2期間において大当り期待演出を実行させるとき、決定した変動パターンが大当り演出用の変動パターンである場合、はずれ演出用の変動パターンである場合と比較して、第1期間が終了するまでに検知スイッチが検知した遊技球の個数と、第2期間における大当り期待演出の発射個数との合計個数が、高確率で多くなるように第2期間における大当り期待演出の発射個数を決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームにて予め決められた大当り表示結果が表示された場合、図柄変動ゲームの終了後に遊技球の入球が許容される入賞手段を開放するラウンド遊技により構成される大当り遊技が行われる遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、例えば、液晶ディスプレイ型の可変表示器を備え、当該可変表示器において複数種類の図柄を変動させて図柄組み合わせを表示する図柄変動ゲームが行われている。また、遊技者は、図柄変動ゲームで導出され、最終的に確定停止表示された図柄組み合わせから大当り、又ははずれを認識できる。そして、大当りの図柄組み合わせが表示された場合には、図柄変動ゲームの終了後に、遊技者が利益を獲得可能な大当り遊技が付与される。また、大当りの図柄組み合わせが表示されることを遊技者に期待させる予告演出が行われている。このようなパチンコ遊技機では、複数種類の予告演出を備え、図柄変動ゲームが開始してから終了までに複数のタイミングで予告演出を可変表示器などに表示させるなどしている(例えば、特許文献1参照)。そして、その予告演出の演出内容に応じて、遊技者は大当りの図柄組み合わせが表示されることに対しての期待感、所謂、大当り期待度を変化させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−211518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、大当り期待度の異なる予告演出を複数種類備え、図柄変動ゲームのあらゆるタイミングで何回か実行することで、大当り期待度がどのくらいなのか遊技者が認識できない場合がある。例えば、特許文献1では、リーチ前とリーチ後のタイミングで予告演出を異ならせている。そして、リーチ前の予告演出として、4種類の予告演出を備え、大当り期待度の低い「演出なし」の予告演出と、大当り期待度の高い「花火出現」の予告演出がある。また、リーチ後の予告演出として、3種類の予告演出を備え、大当り期待度の低い「表情変化なし」の予告演出と、大当り期待度の高い「喜ぶ」の予告演出がある。特許文献1のパチンコ遊技機では、リーチ前の予告演出によって、リーチ後の予告演出を決定している。しかし、大当りのときに、リーチ前の予告演出で「演出なし」の予告演出が行われた後、リーチ後の予告演出として大当り期待度の低い「表情変化なし」の予告演出が決定されることがある。この場合、大当りの図柄変動ゲームに対して、遊技者に適切な大当り期待度を抱かせることはできていない。また、遊技者は、適切な大当り期待度を抱いて遊技を行うことができない。
【0005】
また、役物を用いた予告演出で大当り期待度を変化させるパチンコ遊技機においては、最初の予告演出を実行させるタイミング(特許文献1では、リーチ前)において、実行を決定した演出内容の予告演出とは異なる演出内容の予告演出が実行されたとする。例えば、何らかの原因で、予告演出が実行されなかった場合、又は異なった演出内容の予告演出が実行されてしまった場合が考えられる。この場合、次のタイミング(特許文献1では、リーチ後)において、実行されなかった予告演出に対応する大当り期待度を補うことのできる演出内容の予告演出を実行するような構成を特許文献1では備えていない。よって、役物を用いた予告演出を実行するパチンコ遊技機においても、適切な大当り期待度を遊技者に抱かせることはできない。
【0006】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、図柄変動ゲームの大当り信頼度に応じた遊技演出を実行させることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、遊技球の入賞を検知する始動入賞手段と、前記始動入賞手段による遊技球の入賞検知を契機に複数種類の図柄を変動させて図柄変動ゲームを実行する表示手段と、を備え、前記図柄変動ゲームで予め決められた大当り表示結果が表示された場合には当該図柄変動ゲームの終了後に遊技球の入球が許容される入賞手段を開放するラウンド遊技により構成される大当り遊技が付与される遊技機において、前記図柄変動ゲームの開始時に、図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを判定する大当り判定手段と、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合には、前記図柄変動ゲームの演出時間を少なくとも特定可能な変動パターンを、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から決定し、前記大当り判定手段の判定結果が否定の場合には、複数種類のはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、遊技球が流下する遊技領域とは異なる演出領域に発射された遊技球の発射個数に応じて、図柄変動ゲームで大当り表示結果が表示される可能性を示す大当り期待演出を実行する演出装置と、前記大当り期待演出において、発射する遊技球の発射個数を決定する個数決定手段と、前記個数決定手段が決定した発射個数の遊技球を発射させて大当り期待演出を実行させるように前記演出装置を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出装置は、遊技球が流下する遊技領域とは異なる演出領域と、前記個数決定手段が決定した発射個数の遊技球を前記演出領域に発射する発射手段と、前記演出領域から排出される遊技球を検知する検知手段と、を有し、前記演出制御手段は、図柄変動ゲーム中に予め設定された複数の期間において、前記大当り期待演出を実行させ、前記変動パターン毎に、図柄変動ゲーム開始時から図柄変動ゲーム終了時までに大当り期待演出で発射される遊技球の個数が取り得る範囲は、予め設定されており、前記個数決定手段は、前記図柄変動ゲームの最初の期間において大当り期待演出を実行させるとき、前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンが大当り演出用の変動パターンである場合には、はずれ演出用の変動パターンである場合と比較して、最初の期間における発射個数が、高確率で多くなるように最初の期間における発射個数を決定し、前記図柄変動ゲームの最初の期間以外の期間において大当り期待演出を実行させるとき、前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンが大当り演出用の変動パターンである場合には、はずれ演出用の変動パターンである場合と比較して、前回の期間が終了するまでに検知手段により検知された遊技球の個数と、今回の期間における大当り期待演出の発射個数との合計個数が、高確率で多くなるように今回の期間における発射個数を決定するように構成されたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、遊技球の入賞を検知する始動入賞手段と、前記始動入賞手段による遊技球の入賞検知を契機に複数種類の図柄を変動させて図柄変動ゲームを実行する表示手段と、を備え、前記図柄変動ゲームで予め決められた大当り表示結果が表示された場合には当該図柄変動ゲームの終了後に遊技球の入球が許容される入賞手段を開放するラウンド遊技により構成される大当り遊技が付与される遊技機において、前記図柄変動ゲームの開始時に、図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを判定する大当り判定手段と、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合には、前記図柄変動ゲームの演出時間を少なくとも特定可能な変動パターンを、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から決定し、前記大当り判定手段の判定結果が否定の場合には、複数種類のはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、遊技球が流下する遊技領域とは異なる演出領域に発射された遊技球の発射個数に応じて、図柄変動ゲームで大当り表示結果が表示される可能性を示す大当り期待演出を実行する演出装置と、前記大当り期待演出において、発射する遊技球の発射個数を決定する個数決定手段と、前記個数決定手段が決定した発射個数の遊技球を発射させて大当り期待演出を実行させるように前記演出装置を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出装置は、遊技球が流下する遊技領域とは異なる演出領域と、前記個数決定手段が決定した発射個数の遊技球を前記演出領域に発射する発射手段と、前記演出領域から排出される遊技球を検知する検知手段と、を有し、前記演出制御手段は、図柄変動ゲーム中に予め設定された複数の期間において、前記大当り期待演出を実行させ、図柄変動ゲーム開始時から図柄変動ゲーム終了時までに大当り期待演出で発射される遊技球の発射個数が取り得る最大値は、前記変動パターン決定手段が大当り演出用の変動パターンを決定した場合、はずれ演出用の変動パターンを決定した場合よりも多くなるように設定されており、前記個数決定手段は、前記図柄変動ゲームの最初の期間において大当り期待演出を実行させるとき、前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに応じて設定された発射個数の最大値以下の発射個数を図柄変動ゲームの最初の期間における発射個数として決定し、前記図柄変動ゲームの最初の期間とは異なる期間において大当り期待演出を実行させるとき、前記検知手段によって図柄変動ゲームが開始してから前回の期間までに検知された発射個数と、今回の期間において決定する発射個数との合計個数が、前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに応じて設定された発射個数の最大値以下となるように、今回の期間における発射個数を決定することを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記演出装置は、前記演出領域の遊技球を排出する排出手段と、前記演出領域に発射する遊技球を貯留する貯留手段と、を更に有し、前記演出装置の発射手段は、前記貯留手段に貯留される遊技球を演出領域に発射し、前記排出手段は、前記演出領域の遊技球を当該演出領域から排出し、前記検知手段は、排出された遊技球を検知し、前記貯留手段は、前記検知手段により検知された遊技球を貯留するように構成されたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、図柄変動ゲームの大当り信頼度に応じた遊技演出を実行させることで、正確な大当り信頼度のもとで遊技者が遊技を楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】パチンコ遊技機の機表側を示す正面図。
【図2】遊技盤を示す拡大図。
【図3】演出用可動体の正面図。
【図4】発射装置の非可動時における演出用可動体の裏面図。
【図5】発射装置の可動時における演出用可動体の裏面図。
【図6】演出用可動体において、遊技球の移動態様を示す説明図。
【図7】(a)〜(b)は、演出用可動体において、遊技球の移動態様を示す説明図。
【図8】演出用可動体において、排出口から背面側通路へと遊技球が移動する態様を示す説明図。
【図9】大当り遊技の種類を説明する説明図。
【図10】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図11】変動パターンを説明する説明図。
【図12】通常状態時における第1期間テーブルFT1を示す説明図。
【図13】確変状態時における第1期間テーブルFT2を示す説明図。
【図14】0球検知時における第2期間テーブルST1を示す説明図。
【図15】1球検知時における第2期間テーブルST2を示す説明図。
【図16】2球検知時における第2期間テーブルST3を示す説明図。
【図17】3球検知時における第2期間テーブルST4を示す説明図。
【図18】4球検知時における第2期間テーブルST5を示す説明図。
【図19】5球検知時における第2期間テーブルST6を示す説明図。
【図20】6球検知時における第2期間テーブルST7を示す説明図。
【図21】(a)〜(b)は、第1期間において複数回の変動サイクル実行時の役物演出実行のタイムチャート。
【図22】(a)〜(b)は、第2期間においてリーチ演出実行時の役物演出実行のタイムチャート。
【図23】(a)〜(b)は、1回の図柄変動ゲームにおける役物演出実行のタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機(所謂、パチンコ機)に具体化した一実施形態を図1〜図23に基づいて説明する。
図1には、パチンコ遊技機10と該パチンコ遊技機10が遊技場の遊技機設置設備(遊技島)に設置された際に並設される遊技媒体貸出用ユニットとしてのカードユニット装置11が略示されている。カードユニット装置11には、遊技者に貸し出される貸出用遊技媒体としての遊技球(貸し球)と交換可能な交換媒体としてのプリペイドカードを投入するための投入口11aが設けられている。カードユニット装置11は、投入されたプリペイドカードの価値を読み書き可能な構成となっている。具体的に言えば、カードユニット装置11は、投入時にプリペイドカードの残金(価値)を読込むとともに、貸し球の払出しに伴ってプリペイドカードの残金(価値)を書き替える。
【0013】
パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠12の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠13が開放、及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠13の前面側には前枠14が開閉、及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠13に重なるように組み付けられている。このため、中枠13は、前枠14の後側に配置されており、機正面側からは視認し得ないようになっている。前枠14は、中央部に窓口15を有するとともに、該窓口15の下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な第1貯留皿としての上皿(貯留皿)16を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口15を覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱、及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠13に装着される。また、前枠14には、窓口15のほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う電飾表示部を構成する上側枠用ランプ部17と、左側枠用ランプ部18と、右側枠用ランプ部19とが配置されている。各枠用ランプ部17,18,19は、前枠14の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズ17a,18a,19aで覆って構成されている。
【0014】
前枠14には、窓口15の左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行う左スピーカ20と、右スピーカ21とが配置されている。左スピーカ20と右スピーカ21は、前枠14の裏面に装着されており、該前枠14の前面であって左スピーカ20、及び右スピーカ21の装着部位に対応する部位には図示しない放音孔が複数形成されている。
【0015】
中枠13の前面側であって前枠14の下部には、上皿16から溢れ出た遊技球を貯留する第2貯留皿としての下皿(貯留皿)23が装着されている。また、中枠13の前面側であって下皿23の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル24が装着されている。また、中枠13には、下皿23の左方に、各種音声を出力して音声演出を行う下スピーカ25が配置されている。下スピーカ25は、中枠13に装着されている。
【0016】
上皿16には、その左方側に機内部から払出される遊技球の払出口16aが設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路16bが連設されており、さらに右方側に貯留通路16b内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿16に貯留された遊技球は、貯留通路16bにより前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル24の回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、下皿23には、上皿16から溢れ出て流下した遊技球の出口23aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部23bが遊技球の出口23aに連設されている。
【0017】
次に、遊技盤YBの構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤YBの前面には、発射ハンドル24の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域H1を形成する誘導レール26が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール26によって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路26aが形成されるとともに、誘導レール26の内側に遊技領域H1が形成される。また、遊技盤YBの前面であって誘導レール26の外側となる遊技領域H1外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域H2とされている。
【0018】
遊技盤YBの遊技領域H1のほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)27が装着されている。表示枠体27の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口27aが形成されており、当該セット口27aに整合して表示枠体27には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段及び演出表示手段としての演出表示装置28が装着されている。演出表示装置28には、複数列(本実施形態では、3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、当該図柄変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において、演出表示装置28の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では、3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置28の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。また、表示枠体27には、発光により発光演出を行う盤用ランプ部27bが装着されている。
【0019】
また、表示枠体27の左下方には、表示手段としての特別図柄表示装置30が設けられている。特別図柄表示装置30は、例えば7セグメントLED型の発光装置から構成されている。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
【0020】
演出表示装置28と特別図柄表示装置30では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、特別図柄表示装置30では特別図柄の変動が開始する一方で、演出表示装置28では各列の飾り図柄の変動が開始する。そして、演出表示装置28と特別図柄表示装置30には、大当り抽選の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に大当り図柄(大当り表示結果)、又ははずれ図柄(はずれ表示結果)が確定的に停止表示される。このとき、特別図柄表示装置30と演出表示装置28では、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合には何れの表示装置にも大当り図柄が確定的に停止表示(確定停止表示)され、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合には何れの表示装置にもはずれ図柄が確定停止表示される。大当り図柄は、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものであり、はずれ図柄は、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものである。
【0021】
本実施形態において特別図柄表示装置30には、複数種類(本実施形態では、111種類)の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、その選択された特図が図柄変動ゲームの終了によって個別に確定停止表示される。111種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄と、小当りを認識し得る図柄となる10種類の小当り図柄と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。また、大当り図柄には、大当り抽選に当選し、大当り遊技を構成する規定ラウンド数が16回に設定されている16ラウンド大当り遊技の付与が決定された場合に選択される大当り図柄(本実施形態では、85種類)と、大当り遊技を構成する規定ラウンド数が2回に設定されている2ラウンド大当り遊技の付与が決定された場合に選択される大当り図柄(本実施形態では、15種類)とがある。また、特別図柄表示装置30に大当り図柄が表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。また、特別図柄表示装置30に小当り図柄が表示された場合、遊技者には、小当り遊技が付与される。
【0022】
また、本実施形態において演出表示装置28には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]の8種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態において演出表示装置28は、特別図柄表示装置30に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、演出表示装置28に停止表示された図柄組み合わせから大当り、又ははずれを認識できる。演出表示装置28に停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾図による大当りの図柄組み合わせ(大当り図柄)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置28に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][757]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ図柄)となる。なお、はずれの図柄組み合わせの中でも所定の図柄組み合わせ(例えば、[345][357]など)が表示された場合には、大当り及び小当りのいずれかに当選したことを認識できる。この大当り及び小当りの何れかに当選したことを認識できる図柄組み合わせが、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態となる確率変動状態(確変状態)が付与される可能性を示唆する確変示唆の図柄組み合わせとなる。
【0023】
また、本実施形態において、演出表示装置28における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾り図柄が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置28において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾図が停止表示されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では、左列と右列)の飾図が同一種類となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では、中列)の飾図が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾図によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾図を一旦停止表示させる左列が第1停止図柄列になるとともに、次に飾図を一旦停止表示させる右列が第2停止図柄列になり、さらに最後に飾図を一旦停止表示させる中列が第3停止図柄列となる。
【0024】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置28の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置30の表示領域よりも大きく形成し、演出表示装置28を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置30よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出(例えば、リーチ演出や予告演出)が行われる演出表示装置28の表示内容に注目し、当該演出表示装置28の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り、小当り、又ははずれを認識することになる。
【0025】
また、特別図柄表示装置30の下方には、普通図柄表示装置31が設けられている。普通図柄表示装置31は、例えば7セグメントLED型の発光装置から構成されている(本実施形態では、2つのLEDによって構成される)。普通図柄表示装置31では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う当りか否か(開閉羽根35の開動作により下始動入賞口34を開放するか否か)の内部抽選(当り抽選)の抽選結果を表示する。そして、本実施形態の普通図柄表示装置31では、当り抽選で当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで当りを認識できる発光態様で発光(本実施形態では、2つのLEDを点灯)させる一方で、当り抽選ではずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームではずれを認識できる発光態様で発光(本実施形態では、2つのLEDを消灯)させる。
【0026】
また、表示枠体27の下方の遊技領域H1には、遊技球の入球口33aを有する上始動入賞口33と遊技球の入球口34aを有する下始動入賞口34が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口33は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口33aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口34は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根35を備えており、開閉羽根35が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口34aを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口34は、開閉羽根35が開動作して入球口34aが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。なお、本実施形態では、上始動入賞口33及び下始動入賞口34が始動入賞手段として機能する。
【0027】
上始動入賞口33の奥方には、入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1(図10に示す)が配設されているとともに、下始動入賞口34の奥方には、入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2(図10に示す)が配設されている。上始動入賞口33と下始動入賞口34は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口34は開閉羽根35が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根35が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球の入球が不能となる状態とされる。
【0028】
また、図2に示すように、下始動入賞口34の下方には、図示しないアクシュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉40を備えた入賞手段としての大入賞口41が配設されている。大入賞口41の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図10に示す)が設けられている。そして、大当り遊技が生起されると、大入賞口扉40の開動作によって大入賞口41が開放されて遊技球が入球可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。また、小当り遊技は、内部抽選で小当りが決定し、図柄変動ゲームにて小当り図柄が確定停止表示されることを契機に付与される。
【0029】
大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該図柄変動ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉40の開動作により大入賞口41が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数(ラウンド遊技の上限回数)を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過する、又は予め定めた入球上限個数の遊技球が入球する、の何れか一方の条件を満たすことにより終了する。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。本実施形態のパチンコ遊技機10では、図9に示すように、規定ラウンド数を「16回」、又は「2回」に設定した大当り遊技が付与されるようになっている。
【0030】
また、表示枠体27の左方の遊技領域H1には、普通図柄作動ゲート42が配設されている。普通図柄作動ゲート42の奥方には、該普通図柄作動ゲート42へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図10に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート42は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件のみを付与し得る。
【0031】
また、遊技盤YBの遊技領域H1の最下方(大入賞口41よりも下方)には、遊技領域H1に発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト球口43が形成されている。アウト球口43を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。なお、本実施形態では、上始動入賞口33、下始動入賞口34、大入賞口41、及びアウト球口43が排除口として機能する。
【0032】
また、遊技盤YBの右下方の遊技領域H1には、演出装置及び演出実行手段としての演出用可動体50が配置されている。より詳しくは、遊技盤YBの右下方には、収容部60が貫通形成されており、当該収容部60に演出用可動体50が収納されている。
【0033】
ここで、演出用可動体50の構成について、図3〜図8に基づいて説明する。
演出用可動体50は、透明な樹脂により形成されており、略四角形の筒状に形成された露出部50aと、略L字状に形成された背面部50bにより構成されている。パチンコ遊技機10の表面(遊技者側)から見たとき(図3及び図6)において、前記露出部50aは、その長手方向が右上に傾斜するように設けられている。また、露出部50aは、遊技盤YBに形成された収容部60に収容された際、その表面部分が露出するように構成されている。さらに、露出部50aの内部には、その長手方向に沿って遊技球BLが通過することができるように演出通路(演出領域)59が形成されている。露出部50aは、透明な樹脂により形成されているため、演出通路59を通過する遊技球BLを視認することができるようになっている。
【0034】
一方、パチンコ遊技機10の裏側から見たとき(図4及び図5)において、背面部50bは、略L字状に形成されており、その上端が露出部50aの上端と一致するように設けられている。また、露出部50aの下端は、背面部50bの左右方向中央部分に配置されるように固定されている。そして、背面部50bの内部には、その形状に沿うように略L字状の背面側通路58が形成されている。また、背面側通路58の左右方向に延びる部分は、下方に向かって僅かに傾斜している。当該背面側通路58は、遊技球BLが通過可能に構成されている。このため、背面側通路58の上端に位置する遊技球BLは、背面側通路58の下端に向かって、略L字状の通路に沿って転動するようになっている。そして、背面側通路58の上端は、露出部50a内に形成された演出通路59の上端と排出口53を介して連通しているとともに、背面側通路58の下端は、露出部50a内に形成された演出通路59の下端と連通口54を介して連通している。すなわち、背面側通路58を通過した遊技球BLが、演出通路59を通過して再び背面側通路58に戻ってくるように背面側通路58と演出通路59が繋がっている。なお、背面部50bは、遊技盤YBの収容部60に収容されたとき、遊技盤YB及び露出部50aにより遮られて遊技者から見えないようになっている。
【0035】
また、演出用可動体50の背面部50bには、背面側通路58を移動する遊技球BLの移動を規制する一方、遊技球BLの移動規制を解除して、演出通路59側に移動させる発射装置51(球切りSOL)が設けられている。発射装置51は、背面側通路58の左右方向略中央に配置されている。発射装置51は、左右方向(背面側通路58に沿う方向)に可動する操作部51a(可動部)を有しており、制御信号(発射コマンド)を入力すると、操作部51aの先端が発射装置51の本体51c側に移動するように構成されている。一方、制御信号を入力していない場合には、操作部51aに取り付けられたバネの弾性力により、発射装置51の本体51cから離れるように操作部51aが移動することとなる。
【0036】
また、発射装置51は、略円盤状の規制部51bを有している。規制部51bは、背面側通路58を通過する遊技球の流下方向とは直行する方向を軸として回転可能に背面部50bに固定されている。そして、規制部51bには、その規制部51bの一部を切り欠くようにして爪部が形成されている。当該爪部は、規制部51bが背面部50bに固定されたとき、背面側通路58内に突出する部分の一部を切り欠くように形成されたものである。このため、爪部は、背面側通路58から突出することとなり、背面側通路58を下方に向かって移動する遊技球BLと係合してその移動を規制することとなる。また、爪部は、背面側通路58の下流側(図4の左右方向において右側)に位置するように形成されている。
【0037】
また、規制部51bの上端は、操作部51aの先端と回転可動に固定されている。すなわち、操作部51aが本体51cに近づく方向に移動すると、規制部51bの上端(操作部51aと規制部51bの固定点)が操作部51aの動きにしたがって本体51cに近づく方向に移動する。すると、規制部51bは、軸を中心として回転する。これにより、爪部が図4において上方に移動して、爪部による遊技球BLの移動規制を解除する。その際、爪部とは反対側(上流側、図4において左側)の部分が下方に移動して、2個目以降の遊技球BLの動きを規制するようになっている(図5参照)。なお、発射装置51は、複数の遊技球(本実施形態では、7球)が貯留できるように背面側通路58の途中に設置されている。
【0038】
そして、演出通路59には、演出通路59に沿って回転体55が回転可能に固定されている。前記回転体55は、パチンコ遊技機10の表面から見たとき(図3及び図6)において、その長手方向が右上に傾斜するように両端が固定されている。そして、回転体55の回転軸は、演出通路59に沿うように配置されている。また、回転体55の回転軸は、演出通路59のほぼ中央を貫くように配置されている。また、回転体55の表面には、誘導用突出部55aが形成されている。前記誘導用突出部55aは、回転体55の回転軸を中心として、(回転体55の下方から見たとき)右斜め上方向に向かって螺旋を巻くように形成されている。また、軸方向において、誘導用突出部55aは、所定の間隔を空けて形成されている。本実施形態では、誘導用突出部55aは、遊技球BLの直径よりも僅かに広い間隔を空けて形成されている。また、回転体55は、図7に示すように、パチンコ遊技機10の前後方向において、演出通路59の奥方に配置されている。すなわち、パチンコ遊技機10の前後方向において、演出通路59の前壁57から回転体55の表面までの距離は、遊技球BLの直径よりも僅かに大きく形成されている。その一方、パチンコ遊技機10の前後方向において、演出通路59の後壁56から回転体55の表面までの距離は、遊技球BLの直径よりも僅かに小さく、かつ、誘導用突出部55aの突出長よりも僅かに大きく形成されている。これにより、演出通路59に移動した遊技球BLは、パチンコ遊技機10の前後方向において、図7に示すように、演出通路59の前壁57と回転体55の間を移動することとなる。そして、遊技球BLが誘導用突出部55aの間に入り、回転体55が回転すると、誘導用突出部55aに沿って上昇する。
【0039】
また、背面部50bの上端には、図3に示すように、モータ52が取り付けられている。当該モータ52のモータ軸は、回転体55と平行となるように配置されている。そして、モータ軸には、回転体55の上端に取り付けられた回転体側ギアと噛合するモータ側ギアが取り付けられている。モータ52は、制御信号(回転コマンド)を入力すると、モータ軸を回転させるようになっている。そして、モータ52が駆動し、モータ軸が回転することにより、回転体55が回転することとなる。また、背面側通路58の上端には、背面側通路58の上端を通過した(すなわち、演出通路59の排出口53から排出された)遊技球BLを検知する検知スイッチSW5が設けられている。
【0040】
背面側通路58に遊技球BLが貯留されているとき、すなわち、発射装置51により遊技球BLの移動が規制されているときに、操作部51aが発射装置51の本体51cに近づく方向に移動して、爪部を上方に移動させると、遊技球BLの移動規制が解除される(図5参照)。移動規制が解除されると、遊技球BLは、背面側通路58の形状に沿って、背面側通路58の下端に移動する。そして、下端に形成された連通口54を通過して、演出通路59に移動する。演出通路59に移動した遊技球BLは、図6に示すように、演出通路59の下方(図6において地点a)に移動する。そして、遊技球BLが、誘導用突出部55aの間に入り込んだ状態で回転体55が回転軸の下方側から見て反時計周り(図6の矢印Ya方向)に回転すると、遊技球BLは、図7(a)、図7(b)に示すように、回転体55の誘導用突出部55aの形状に沿って持ち上げられるようにして上方に移動する。そして、上昇移動した遊技球BLは、演出通路59の上端(図6において地点b)に達すると、排出口53に入球し、図8に示すように、背面側通路58へと移動する。
【0041】
また、排出口53に入球した遊技球BLは、図8に示すように検知スイッチSW5に検知され、背面側通路58へと流れる。そして、背面側通路58において、連通口54へと転がることを規制されている数個の遊技球の最後の遊技球BLとして貯留される。なお、図8に示す説明図は、図3における演出用可動体50の右側からの側面図である。また、本実施形態では、背面側通路58及び発射装置51が、貯留手段として機能する。また、本実施形態では、モータ52及び回転体55が、排出手段として機能する。
【0042】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率(通常状態)である通常確率から高確率に変動する確変状態を付与する機能である。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、確変状態が付与されると、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート42の通過に基づく普通図柄変動ゲームの抽選確率(当り当選確率)が低確率である通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与される場合がある。下始動入賞口34の開閉羽根35は、入球率向上状態が付与されている場合と、入球率向上状態が付与されていない場合とでは、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。通常状態時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根35が1回開放し、開放してから100ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。また、入球率向上状態時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根35が開放する回数が増加(例えば、3回)するとともに、1回の開放において開放してから1400ms(通常状態に比較して長い時間)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根35は、入球率向上状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。
【0043】
また、確変状態は、次の大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、確変状態は、次回の大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。また、本実施形態の入球率向上状態は、確変図柄(大当り遊技)の種類、及び確変大当りとなる図柄変動ゲームがどのような遊技状態で行われたか(本実施形態では入球率向上状態であるか否か)によって付与されるか否かが決定される。
【0044】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「時短」と示す)機能を備えている。時短機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)を低確率(通常状態)として、入球率向上状態を特典として付与する機能である。また、時短状態が付与されると、大当りの抽選確率は低確率であるが、入球率向上状態が特典として付与されるようになっている。すなわち、開閉羽根35は、時短状態が付与されている場合、通常状態が付与されている場合と比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。そして、時短状態は、予め定めた回数(本実施形態では、100回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、時短状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。本実施形態では、非確変大当りとなるとき、大当り遊技終了後、時短状態が付与される場合がある。
【0045】
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技について、図9に基づいて詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、3種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技の種類が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、3種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技を付与するかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において、100種類の特別図柄の大当り図柄は、図9に示すように、特別図柄A、特別図柄B、特別図柄Cの3種類に分類されている。
【0046】
そして、特別図柄Aには50種類の大当り図柄が、特別図柄Bには35種類の大当り図柄が、特別図柄Cには15種類の大当り図柄がそれぞれ属している。このように特別図柄を振分けた場合、特別図柄Aに基づく大当り遊技は大当り全体の50%(100分の50)となり、特別図柄Bに基づく大当り遊技は大当り全体の35%(100分の35)となる。また、特別図柄Cに基づく大当り遊技は大当り全体の15%(100分の15)となる。また、図9に示す特別図柄Dには、小当りに対応する10種類の特別図柄の小当り図柄が振分けられている。なお、はずれの場合には、1種類の特別図柄のはずれ図柄が振り分けられている。
【0047】
特別図柄Aに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「16回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口41を「1回」開放させることにより大当り遊技中に大入賞口41を「16回(16ラウンド×1回)」開放させる大当り遊技となっている。以下、特別図柄Aに基づく大当り遊技を「16R確変大当り遊技」と示す(なお、「R」は、「ラウンド」を示している)。16R確変大当り遊技は、大入賞口41を開放させて行い、その大当り遊技終了後には大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、確変状態と、その確変状態の終了時まで入球率向上状態が付与されるようになっている。すなわち、本実施形態において、16R確変大当り遊技では、確変状態と入球率向上状態が確変状態の最大付与期間(次に大当り遊技が付与されるまで)の間付与されるようになっている。そして、16R確変大当り遊技は、オープニング演出時間として「7000(ms)」が、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25000(ms)」が、エンディング演出時間として「12000(ms)」が設定されている。また、16R確変大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「10球」に設定されている。
【0048】
特別図柄Bに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「16回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口41を「1回」開放させることにより大当り遊技中に大入賞口41を「16回(16ラウンド×1回)」開放させる大当り遊技となっている。以下、特別図柄Bに基づく大当り遊技を「16R非確変大当り遊技」と示す。16R非確変大当り遊技は、大入賞口41を開放させて行い、その大当り遊技終了後には大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、確変状態は付与されず、大当り遊技終了後に予め定めた回数(本実施形態では、100回)の図柄変動ゲームが終了するまでの間、入球率向上状態が付与されるようになっている。すなわち、本実施形態において、16R非確変大当り遊技では、予め定めた回数(本実施形態では、100回)を上限回数として入球率向上状態のみ付与されるようになっている。そして、16R非確変大当り遊技は、オープニング演出時間として「7000(ms)」が、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25000(ms)」が、エンディング演出時間として「12000(ms)」が設定されている。また、16R非確変大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「10球」に設定されている。
【0049】
特別図柄Cに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「2回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口41を「1回」開放させることにより大当り遊技中に大入賞口41を「2回(2ラウンド×1回)」開放させる大当り遊技となっている。以下、特別図柄Cに基づく大当り遊技を「2R確変大当り遊技」と示す。2R確変大当り遊技は、大入賞口41を開放させて行い、大当り抽選の当選時における遊技状態に応じて、大当り遊技終了後に確変状態及び入球率向上状態が付与される場合と、大当り遊技終了後に確変状態のみが付与される場合とがある。具体的には、大当り抽選の当選時において、入球率向上状態が付与されていなければ、大当り遊技終了後に確変状態は付与されるが入球率向上状態は付与されない。結果、確変状態のみが付与される(入球率向上状態が0(零)回付与される)。すなわち、本実施形態において、2R確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時において、入球率向上状態が付与されていなければ、確変状態のみが確変状態の最大付与期間(次に大当り遊技が付与されるまで)の間付与されるようになっている。その一方で、2R確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時において、入球率向上状態が付与されていれば、確変状態及び入球率向上状態が確変状態の最大付与期間(次に大当り遊技が付与されるまで)の間付与されるようになっている。
【0050】
また、2R確変大当り遊技では、オープニング時間として「4(ms)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「500(ms)」が、エンディング時間として「996(ms)」それぞれ設定されている。なお、2R確変大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「2000(ms)」に設定されている。よって、2R確変大当り遊技において1ラウンド目の大入賞口41が開放(1回目のラウンド遊技が開始)してから2ラウンド目の大入賞口41が閉鎖(2回目のラウンド遊技が終了)するまでの時間は、「500(ms)+2000(ms)+500(ms)」からなる「3000(ms)」に設定されていることになる。また、2R確変大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「10球」に設定されている。
【0051】
特別図柄Dに基づく小当り遊技は、規定ラウンド数が「1回」に設定されているとともに、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「10球」に設定されている。また、小当り遊技の1回のラウンド遊技では、大入賞口41を「2回」開放させるように設定されている。また、小当り遊技では、当該小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態で継続させるようになっている。すなわち、小当り遊技では、小当り抽選の当選時の遊技状態が確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が時短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を時短状態に継続させる。また、小当り遊技では、小当り抽選の当選時の遊技状態が非確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が非時短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非時短状態に継続させる。
【0052】
また、小当り遊技では、オープニング時間として「0(ms)」が、エンディング時間として「1000(ms)」がそれぞれ設定されている。そして、小当り遊技におけるラウンド遊技の大入賞口41の開放態様として、開放1回目と開放2回目の開放時間がそれぞれ「500(ms)」に設定されているとともに、開放1回目と開放2回目(開放1回目の終了から開放2回目の開始まで)の間にはインターバル時間として「2000(ms)」が設定されている。これにより、小当り遊技における1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間は、「500(ms)+2000(ms)+500(ms)」からなる「3000(ms)」に設定されていることになる。
【0053】
このため、大入賞口扉40の開放態様や、ラウンド遊技時間等から2R確変大当り遊技と、小当り遊技のうち何れが付与されたかを、遊技者が判別することはできないようになっている。同様に、当り抽選の当選時の遊技状態や、当り遊技終了後に入球率向上状態が付与されるか否かにより、2R確変大当り遊技と小当り遊技のうち何れが付与されたかを、遊技者が判別することはできないようになっている。
【0054】
なお、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間は、各ラウンド遊技が入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。しかしながら、2R確変大当り遊技のラウンド遊技における大入賞口41の開放時間(500(ms))は、1回のラウンド遊技において、大入賞口41に入球する遊技球の入球個数が、入球上限個数を満たさないような時間に設定されている。因みに、パチンコ遊技機10では、1分間あたりの遊技球の発射個数がおおよそ「100球」に設定されているので、遊技球を1球発射させるために要する時間は「600(ms)」となる。すなわち、2R確変大当り遊技の各ラウンド遊技において、ラウンド遊技時間(500(ms))内に、入球上限数となる「10球」の遊技球を発射して、入球させるのは実質的に無理である。また、小当り遊技のラウンド遊技の大入賞口41の合計開放時間(1000(ms)(500(ms)×2))内に、入球上限個数となる「10球」の遊技球を発射して、入球させるのは実質的に無理である。
【0055】
本実施形態のパチンコ遊技機10は、1回の図柄変動ゲームにおいて、少なくとも図柄の変動開始から3列の図柄が一旦停止表示するまでを1回の変動サイクルとして演出を実行し、複数回の変動サイクルを連続して実行することで前記演出が複数回、連続して実行される連続予告演出(擬似連続予告演出(擬似連))を実行可能に構成されている。なお、本実施形態では、1回の図柄変動ゲームにおいて図柄の変動開始から3列の図柄が一旦停止表示するまでを1回実行する場合と、2回以上実行する場合とがある(少なくとも1回は実行される)。また、擬似連は、演出表示装置28と特別図柄表示装置30で行われる1回の図柄変動ゲームにおいて、演出表示装置28のみで演出として表現される。1回の図柄変動ゲームは、図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動開始によって開始し、図柄の変動が停止した後に図柄が確定停止表示されることによって終了する。この1回の図柄変動ゲームは、1球の保留記憶数に対応して実行されるものである。すなわち、擬似連を伴う1回の図柄変動ゲームは、内部制御において1回の図柄変動ゲームを、恰も複数回の図柄変動ゲームが連続して行われているかのように擬似的に演出表現してなされるものである。そして、本実施形態の擬似連を伴う1回の図柄変動ゲームは、当該ゲームを構成する演出を伴って実行される変動サイクルの実行回数によって大当り表示結果(大当り図柄)が表示されるか否かの可能性が変化するように構成されている。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機10は、大当り抽選に当選した場合には大当り抽選に当選していない場合に比して、変動サイクルの実行回数が多い擬似連を伴って図柄変動ゲームが行われ易くなっている。
【0056】
図柄の変動とは、演出表示装置28、及び特別図柄表示装置30における表示図柄の種類を変化させながら図柄又は図柄列が動作している状態を示す。例えば、演出表示装置28における図柄の変動は、画像表示部GHにおいて図柄列が予め定めた表示順序にしたがって図柄をスクロール表示させるように動作している状態を示す。また、図柄の一旦停止表示とは、演出表示装置28において図柄が揺れた状態で停止して表示されている状態を示し、特別図柄表示装置30において図柄が停止していない(変動している)状態のことである。また、図柄の確定停止表示とは、演出表示装置28において図柄が揺れていない状態で停止表示されている状態を示し、特別図柄表示装置30において図柄が停止して表示されている状態を示す。そして、演出表示装置28における図柄の停止には、一旦停止表示と確定停止表示がある。
【0057】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について図10にしたがって説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御装置としての主制御基板45が装着されている。主制御基板45は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板46と、演出表示制御基板47と、音声・ランプ制御基板48が装着されている。
【0058】
サブ統括制御基板46は、主制御基板45が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板47、音声・ランプ制御基板48、及び演出用可動体50を統括的に制御する。演出表示制御基板47は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置28の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板48は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ部17〜19,27bの発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)、及びスピーカ20,21,25の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。また、演出用可動体50は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、モータ52の回転態様(回転の速さ、回転動作開始のタイミングなど)、及び発射装置51の可動態様(発射のタイミング、発射する遊技球の個数など)を制御する。
【0059】
以下、主制御基板45、サブ統括制御基板46、及び演出表示制御基板47について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板45には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU45aと、主制御用CPU45aの制御プログラムを格納する主制御用ROM45bと、必要なデータの書き込み、及び読み出しができる主制御用RAM45cが設けられている。主制御用CPU45aには、主制御用ROM45bと主制御用RAM45cが接続されている。また、主制御用CPU45aには、上始動入賞口33に入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1と、下始動入賞口34に入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2が接続されている。また、主制御用CPU45aには、大入賞口41に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3と、普通図柄作動ゲート42を通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4が接続されている。また、主制御用CPU45aには、図柄表示基板49を介して、特別図柄表示装置30と普通図柄表示装置31が接続されている。図柄表示基板49は、特別図柄表示装置30、及び普通図柄表示装置31と対応する位置にそれぞれ装着されており、主制御基板45が出力する制御信号を入力し、特別図柄表示装置30、及び普通図柄表示装置31の表示内容を制御する。
【0060】
また、主制御用CPU45aは、当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM45cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、主制御用CPU45aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、主制御用CPU45aには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
【0061】
主制御用ROM45bには、パチンコ遊技機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM45bには、メイン制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、演出表示装置28、及び特別図柄表示装置30において図柄の変動開始による図柄変動ゲームが開始してから、演出表示装置28、及び特別図柄表示装置30において図柄が確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了するまでの間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出など)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特別図柄が変動開始してから特別図柄が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。そして、変動パターンは、当り演出用(当り変動用)、はずれリーチ演出用(はずれリーチ変動用)、及びはずれ演出用(通常変動用)からなる変動内容毎に分類されている。
【0062】
変動パターンは、図11に示すように、大当り抽選、及び小当り抽選に当選しなかったはずれの場合に選択されるはずれ演出用(はずれリーチなし演出用)の変動パターンP1と、はずれリーチ演出用の変動パターンP2〜P4がある。また、変動パターンは、大当り抽選に当選した際、又は小当り抽選に当選した際に選択される当り演出用の変動パターンP5〜P8がある。
【0063】
本実施形態において、当り演出用の変動パターンには、16R確変大当り遊技、又は16R非確変大当り遊技が決定された際に選択される変動パターンP5〜P7(大当り演出用の変動パターン)がある。また、当り演出用の変動パターンには、2R確変大当り遊技、又は小当り遊技が決定された際に選択される変動パターンP8がある。本実施形態のパチンコ遊技機10では、2R確変大当り遊技、又は小当り遊技が決定された際には、同一の変動パターンP8が選択されるようになっており、図柄変動ゲームの演出内容が同一内容(同一変動時間)となるようになっている。
【0064】
なお、変動パターンP5〜P7に基づき行われる当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される当り演出である。また、変動パターンP8に基づき行われる当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的に確変示唆の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される当り演出である。また、変動パターンP2〜P4に基づき行われるはずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開されるはずれ演出である。また、変動パターンP1に基づき行われるはずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開されるはずれ演出である。リーチ演出は、演出表示装置28の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当りの図柄組み合わせ、又ははずれの図柄組み合わせ)が導出される迄の間に行われる演出である。また、特別図柄表示装置30では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。また、はずれ演出用の変動パターンP1に基づき行われるはずれ演出、及び変動パターンP8に基づき行われる当り演出は、図柄変動ゲームの開始後、各列の図柄を予め定めた変動停止順序(例えば、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて各列に図柄を導出させる演出である。
【0065】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、変動パターンP2〜P7には、リーチ変動を伴う。そして、これら変動パターンP2〜P7に基づいて図柄変動ゲームを展開させる具体的な表示演出内容を特定する。また、本実施形態のパチンコ遊技機10において、変動パターンP2〜P7に基づく図柄変動ゲームでは、原則、当該図柄変動ゲームの演出内容を視認しても、図柄変動ゲームで図柄組み合わせが確定停止表示される、及び最終的に演出結果が導出されるまでの間、何れの変動パターンに基づく図柄変動ゲームであるか(大当り演出、及びはずれリーチ演出)を遊技者に認識させないようになっている。
【0066】
図11に示す変動パターンP1は、通常変動を行うはずれ演出のパターンとなっている。また、変動パターンP2は、ノーマルリーチ変動を行うはずれリーチ演出用の変動パターンとなっている。変動パターンP5は、ノーマルリーチ変動を行う当り演出用の変動パターンとなっている。また、変動パターンP3,P4は、スーパーリーチ変動を行うはずれリーチ演出用の変動パターンとなっている。また、変動パターンP6,P7は、スーパーリーチ変動を行う当り演出のパターンとなっている。また、変動パターンP8は、通常変動を行う当り演出のパターンとなっている。なお、本実施形態の「通常変動」とは、図柄変動ゲームの開始後、各列の図柄を予め定めた変動停止順序(例えば、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて各列に図柄を導出させる演出である。
【0067】
また、ノーマルリーチ変動とスーパーリーチ変動はリーチ演出の種類を示している。ノーマルリーチ変動とは、演出表示装置28において、リーチの図柄組み合わせが一旦停止表示された後、残り1列(本実施形態では、中列)を変動させて飾図を導出する演出内容のリーチ演出である。スーパーリーチ変動とは、リーチ演出の演出内容が2段階で構成されたものであり、ノーマルリーチ変動が実行されて、全列の飾図が一旦停止表示した後又は中列の飾図が変動表示中、例えば、特定のキャラクタが登場し、登場キャラクタの名称で呼ばれる「○○リーチ」へ移行(発展)して飾図を導出する演出内容のリーチ演出である。スーパーリーチ変動では、ノーマルリーチ変動が1段階目となり、ノーマルリーチ変動から発展する内容となっている。なお、図11では、ノーマルリーチ変動を「NR」、スーパーリーチ変動を「SR」と示す。
【0068】
また、本実施形態では、主制御用CPU45aは、大当り抽選に当選した際(大当りのとき)、スーパーリーチ変動を行う変動パターンを決定しやすい。一方、主制御用CPU45aは、大当り抽選に当選しなかった際(はずれのとき)、スーパーリーチ変動を行う変動パターンを決定し難い。よって、スーパーリーチ変動(スーパーリーチのリーチ演出)が行われると、遊技者の大当り期待度が高まる構成となっている。
【0069】
本実施形態において、変動パターンP1,P8は、変動内容として擬似連を伴わない図柄変動ゲームを行うパターンとされている。そして、変動パターンP1,P8には、擬似連を伴わないで、それぞれに定めた演出内容で図柄変動ゲームを実行する変動パターンである。本実施形態において、擬似連を実行する(伴わせる)とは、複数回(2回〜4回)の変動サイクルを実行することであって、擬似連を実行しないとは、1回の変動サイクルのみを実行することとなる。
【0070】
また、本実施形態において、変動パターンP2〜P7は、変動内容として擬似連を伴う図柄変動ゲームを行うことの可能な変動パターンである。また、同一の変動パターンで図柄変動ゲームが実行されるとき、擬似連が実行される場合、と実行されない場合とで、リーチの図柄組み合わせが一旦停止表示するまでの時間が変わることはない。例えば、変動パターンP3に基づいた図柄変動ゲームにおいて、擬似連を伴わせる場合に図柄変動ゲームが開始してから変動サイクルが3回行われて演出表示装置28にリーチの図柄組み合わせが一旦停止するまでの時間と、擬似連を伴わせない場合に図柄変動ゲームが開始してから演出表示装置28にリーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されるまでの時間は同一である。
【0071】
変動パターンP2,P5は、擬似連を伴う図柄変動ゲームを行う場合、擬似連を構成する擬似連回数を「2回」に定めた変動パターンとなっている。これら擬似連回数を「2回」とする変動パターンP2,P5では、1回の変動サイクルを実行した後、2回目(最終回)の変動サイクルでそれぞれに定めた演出内容のリーチ演出(本実施形態ではノーマルリーチ変動)を実行可能になっている。また、変動パターンP2,P5の変動時間は、変動パターンP1に基づく変動時間(本実施形態では12000(ms))と、保留記憶数が存在する場合に連続して図柄変動ゲームの実行を指示するまでのゲームインターバル時間(600(ms))と、ノーマルリーチ変動の変動時間から構成されている。
【0072】
また、変動パターンP3,P6は、擬似連を伴う図柄変動ゲームを行う場合、擬似連を構成する擬似連回数を「3回」に定めた変動パターンとなっている。これら擬似連回数を「3回」とする変動パターンP3,P6では、2回の変動サイクルを実行した後、3回目(最終回)の変動サイクルでそれぞれに定めた演出内容のリーチ演出(本実施形態では、スーパーリーチ変動)を実行可能になっている。また、変動パターンP3,P6の変動時間は、変動パターンP1に基づく変動時間と、保留記憶数が存在する場合に連続して図柄変動ゲームの実行を指示するまでのゲームインターバル時間の2セット分と、スーパーリーチ変動の変動時間から構成されている。
【0073】
また、変動パターンP4,P7は、擬似連を伴う図柄変動ゲームを行う場合、擬似連を構成する擬似連回数を「4回」に定めた変動パターンとなっている。これら擬似連回数を「4回」とする変動パターンP4,P7では、3回の変動サイクルを実行した後、4回目(最終回)の変動サイクルでそれぞれに定めた演出内容のリーチ演出(本実施形態では、スーパーリーチ変動)を実行可能になっている。また、変動パターンP4,P7の変動時間は、変動パターンP1に基づく変動時間と、保留記憶数が存在する場合に連続して図柄変動ゲームの実行を指示するまでのゲームインターバル時間の3セット分と、スーパーリーチ変動の変動時間から構成されている。
【0074】
また、本実施形態では、図柄変動ゲームにて、リーチ演出が行われる場合、変動パターンにより特定される演出時間が長いほど大当り期待度(大当り信頼度)が高くなるように設定されている。すなわち、主制御用CPU45aは、大当り遊技の付与を決定している場合、演出時間が短い変動パターンよりも長い変動パターンを決定し易くなっている。一方、主制御用CPU45aは、大当り判定の判定結果が否定であって、リーチ判定の判定結果が肯定の場合、演出時間が長い変動パターンよりも短い変動パターンを決定し易くなっている。したがって、本実施形態では、擬似連回数が多くなるほど(すなわち、演出時間が長くなるほど)、大当り期待度が高まる。また、本実施形態では、演出時間が短くなるリーチ演出(本実施形態では、ノーマルリーチ変動のみの場合)よりも演出時間が長くなるリーチ演出(本実施形態では、スーパーリーチ変動)ほど、大当り期待度が高まるようになっている。
【0075】
また、主制御用ROM45bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り判定で用いる判定値があり、当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。例えば、当り判定用乱数の取り得る数値を「0(零)」〜「1438」までの全1439通りの整数に設定し、その値の中から大当り判定値として4つの値を設定した場合、大当り判定の判定結果が肯定とされる割合、すなわち大当りの当選確率は1439分の4となる。なお、通常状態と、確変状態では、大当り判定値の数が異なり、確変状態の方が大当り判定値の数が多くなっている。例えば、通常状態(非確変状態)では、大当り判定値として4個の値を取り得る場合、確変状態では、大当り判定値として36個の値を取り得るようになっている。これより、確変状態時、大当り判定における当選確率が高くなる。
【0076】
また、主制御用ROM45bには、小当り判定値が記憶されている。小当り判定値は、小当り判定で用いる判定値であり、大当り判定値とはことなる値で当り判定用乱数が取り得る数値の中から定められている。例えば、当り判定用乱数の取り得る値を「0(零)」〜「1438」までの全1439通りの整数に設定し、その値の中から小当り判定値として8つの値を設定した場合、小当り判定の判定結果が肯定とされる割合、すなわち、小当りの当選確率は1439分の8となる。
【0077】
次に、サブ統括制御基板46について説明する。
サブ統括制御基板46には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU46aと、統括制御用CPU46aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM46bと、必要なデータの書き込み、及び読み出しができる統括制御用RAM46cが設けられている。統括制御用CPU46aには、統括制御用ROM46bと統括制御用RAM46cが接続されている。そして、統括制御用CPU46aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、統括制御用ROM46bには、前記制御プログラムに加え、各種演出のうち何れの演出を行うか決定するための演出データが記憶されている。
【0078】
また、統括制御用CPU46aには、演出用可動体50が接続されており、演出用可動体50の検知スイッチSW5から検知信号を入力することができるようになっている。すなわち、統括制御用CPU46aは、排出口53へ遊技球が入球したことを検知することができる。また、統括制御用CPU46aは、1回の図柄変動ゲームの開始から終了までを検知有効期間として設定するようになっている。また、統括制御用CPU46aは、この検知有効期間中に検知スイッチSW5が、遊技球が排出口53に入球したことを検知する。また、統括制御用CPU46aは、当該検知スイッチSW5が1回の図柄変動ゲーム中に検知した回数を検知回数として、統括制御用RAM46cに記憶する。そして、本実施形態では、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている検知回数を演出表示装置28に表示する指示を演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aに出力する。なお、本実施形態では、演出用可動体50の検知スイッチSW5が検知手段として機能する。また、本実施形態では、発射装置51が発射手段として機能する。
【0079】
次に、演出表示制御基板47について説明する。
演出表示制御基板47には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU47aと、表示制御用CPU47aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM47bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM47cが設けられている。表示制御用CPU47aには、演出表示装置28(画像表示部GH)が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU47aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。表示制御用ROM47bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。なお、表示制御用ROM47bには、統括制御用CPU46aによって実行が指示される各種演出に応じて実行させる内容を特定したりする演出データなどが記憶されている。なお、本実施形態では、演出表示制御基板47が予告演出制御手段として機能する。
【0080】
以下、主制御基板45、サブ統括制御基板46、及び演出表示制御基板47が実行する制御内容を説明する。最初に、主制御基板45、サブ統括制御基板46、及び演出表示制御基板47が実行する制御内容として、図柄変動ゲームの実行に係る制御内容を説明する。
【0081】
主制御基板45の主制御用CPU45aは、上始動入賞口33、又は下始動入賞口34へ遊技球が入球し、当該遊技球を検知した始動口スイッチSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM45cに記憶されている特別図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では、4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特別図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU45aは、特別図柄用の保留記憶数を1加算(+1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU45aは、保留判定の判定結果を肯定としている場合、当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、その取得した当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を特別図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU45aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特別図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を取得しない。
【0082】
そして、主制御用CPU45aは、大当り遊技中ではなく、かつ図柄変動ゲームの実行中でない場合、図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納した当り判定用乱数の値を読み出し、その読み出した当り判定用乱数の値と、主制御用ROM45bに記憶されている大当り判定値と、を比較し、大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。大当り判定の判定結果が肯定(当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU45aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU45aは、大当り図柄用乱数の値をもとに、特別図柄表示装置30で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる大当り図柄(特別図柄)を決定する。特別図柄の大当り図柄は、図9に示すように、大当り遊技の種類毎に振り分けられていることから、大当り図柄を決定することによって遊技者に付与する大当り遊技の種類を決定したことになる。また、大当り判定の結果が否定(当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、当り判定用乱数の値と、主制御用ROM45bに記憶されている小当り判定値と、を比較し、小当りか否かの小当り判定(小当り抽選)を行う。小当り判定の判定結果が肯定(当り判定用乱数の値と小当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU45aは、小当りを決定する。小当りを決定した主制御用CPU45aは、特別図柄表示装置30で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる小当り図柄(特別図柄)を決定する。
【0083】
そして、大当り図柄を決定した主制御用CPU45aは、決定した大当り図柄を主制御用RAM45cに記憶する。また、大当りを決定した主制御用CPU45aは、変動パターンを当り演出用の変動パターンの中から選択して決定する。なお、本実施形態において、主制御用CPU45aは、大当り図柄として特別図柄A、又は特別図柄Bを決定する場合には、当り演出用の変動パターンとして変動パターンP5〜P7のうち何れかを決定する。そして、大当り図柄として特別図柄Cを決定する場合には、当り演出用の変動パターンとして変動パターンP8を決定する。
【0084】
また、小当り図柄を決定した主制御用CPU45aは、決定した小当り図柄を主制御用RAM45cに記憶する。また、小当りを決定した主制御用CPU45aは、当り演出用の変動パターンとして変動パターンP8を決定する。
【0085】
一方、主制御用CPU45aは、大当り判定の判定結果が否定(当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)で、かつ、小当り判定の判定結果が否定(当り判定用乱数の値と小当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、はずれを決定した主制御用CPU45aは、特別図柄表示装置30に確定停止表示させるはずれ図柄(特別図柄)を決定する。また、はずれを決定した主制御用CPU45aは、はずれリーチ演出を実行するか否かを乱数抽選により決定する。この判定結果が肯定(はずれリーチ演出を実行する)の場合、主制御用CPU45aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、当該変動パターン振分用乱数の値に対応する変動パターンをはずれリーチ演出用の変動パターンの中から選択して決定する。なお、本実施形態において、主制御用CPU45aは、はずれ図柄を決定するとともにはずれリーチ演出の実行を決定する場合には、はずれリーチ演出用の変動パターンとして変動パターンP2〜P4のうち何れかの変動パターンを決定する。
【0086】
一方、主制御用CPU45aは、はずれリーチ演出を実行するか否かの判定結果が否定(はずれリーチ演出を実行しない)の場合、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、変動パターン振分用乱数の値に対応する変動パターンをはずれ演出用の変動パターンの中から選択して決定する。なお、本実施形態において、主制御用CPU45aは、はずれ図柄を決定するとともに、はずれリーチ演出の実行を決定しない場合には、はずれ演出用の変動パターンとして変動パターンP1を決定する。(削除)
特別図柄、及び変動パターンを決定した主制御用CPU45aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板46(統括制御用CPU46a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU45aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。次に、主制御用CPU45aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを出力する。本実施形態では、特別図柄として大当り図柄を指示する場合の停止図柄指定コマンドが、大当り図柄コマンドとなる。そして、主制御用CPU45aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを出力する。また、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始時に特別図柄用の保留記憶数を1減算(−1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。そして、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置30の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(大当り図柄、小当り図柄、又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
【0087】
また、主制御用CPU45aは、大当りを決定した場合、又は小当りを決定した場合、当り演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技に係る制御(オープニング演出などの演出指示や大入賞口扉40開閉動作の制御)を実行する。なお、本実施形態では、主制御用CPU45aが大当り判定手段、変動パターン決定手段、リーチ判定手段、確変判定手段、確変状態付与手段、モード設定手段、及び変動サイクル回数決定手段として機能する。
【0088】
次に、サブ統括制御基板46について説明する。
サブ統括制御基板46の統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドに基づき図柄変動ゲームの具体的な表示演出内容を決定する。
【0089】
そして、統括制御用CPU46aは、入力した変動パターン指定コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、統括制御用CPU46aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力した際、当該停止図柄指定コマンドにより大当り図柄又は小当り図柄が指定されている場合には、その指定された特別図柄を統括制御用RAM46cに記憶する。また、統括制御用CPU46aは、図柄停止コマンドを入力すると、当該コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。そして、統括制御用CPU46aは、1回の図柄変動ゲームが終了されるので、次の図柄変動ゲームの実行に係る処理に移行する。
【0090】
また、統括制御用CPU46aは、当り演出用の変動パターンが指定され、かつ指定された特別図柄が16R確変大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、又は指定された特別図柄が16R非確変大当り遊技に対応する大当り図柄の場合には、最終的に停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄として大当りの図柄組み合わせ([111][222][333][444][555][666][777][888])を決定する。
【0091】
また、統括制御用CPU46aは、変動パターンP2〜P7の変動パターンが指定された場合、その図柄変動ゲームにおいて擬似連を伴わせるか否かを乱数抽選により決定する。統括制御用CPU46aは、擬似連を伴わせることを決定した場合、指定された変動パターンにより擬似連の回数を特定する。そして、統括制御用CPU46aは、最後の変動サイクル以外の変動サイクル終了時において一旦停止表示させる飾図によるはずれの図柄組み合わせを決定する。また、統括制御用CPU46aは、擬似連を伴わせる場合、擬似連の実行を指示する擬似連指定コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。
【0092】
また、統括制御用CPU46aは、指定された最終停止図柄が、2R確変大当り遊技に対応する大当り図柄又は小当り遊技に対応する小当り図柄の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、確変示唆の図柄組み合わせを決定する。このように、本実施形態では、2R確変大当り遊技又は小当り遊技の場合、確変示唆の図柄組み合わせのみを決定し得るようにした。このため、2R確変大当り遊技又は小当り遊技では、2R確変大当り遊技又は小当り遊技の態様を同一態様にし、入球率向上状態の付与態様が同一態様となる場合においては遊技態様からだけでなく演出表示装置28の表示内容からも2R確変大当り遊技と小当り遊技の何れが付与されているかを、遊技者に認識し得ないようになっている。
【0093】
また、統括制御用CPU46aは、はずれリーチ演出用、又ははずれ演出用の変動パターンが指定され、特別図柄の停止図柄指定がはずれ図柄の場合には、最終的に確定停止表示させるはずれの図柄組み合わせ(はずれリーチ演出用の場合は、はずれリーチの図柄組み合わせ)を決定する。そして、飾り図柄を決定した統括制御用CPU46aは、飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板47に出力する。また、統括制御用CPU46aは、全図柄停止コマンドを入力すると、当該コマンドを演出表示制御基板47に出力する。
【0094】
次に、演出表示制御基板47について説明する。
演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aは、統括制御用CPU46aが出力した変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドで指示される図柄変動ゲームを実行させるように演出表示装置28(画像表示部GH)の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU47aは、擬似連指定コマンドを入力すると、変動パターンに基づき擬似連の回数を特定する。そして、表示制御用CPU47aは、変動サイクル終了毎に入力した停止図柄指定コマンドに基づき飾り図柄を一旦停止表示させる。また、表示制御用CPU47aは、統括制御用CPU46aが出力した図柄停止コマンドを入力すると、図柄変動ゲームの表示結果として、停止図柄指定コマンドで指示される飾り図柄の図柄組み合わせを表示させるように演出表示装置28(画像表示部GH)の表示内容を制御する。
【0095】
次に、主制御基板45、サブ統括制御基板46、及び演出表示制御基板47が実行する制御内容として、大当り遊技及び小当り遊技を実行する際の制御内容について説明する。
主制御基板45の主制御用CPU45aは、当り演出用の変動パターンに基づいて行われた図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技又は小当り遊技を付与する。このとき、主制御用CPU45aは、当り演出となる図柄変動ゲームの開始直前に決定した特別図柄(大当り図柄又は小当り図柄)の種類から、付与する大当り遊技又は小当り遊技を特定し、その特定した大当り遊技又は小当り遊技に応じた制御を実行する。
【0096】
そして、主制御用CPU45aは、決定した特別図柄が16R大当り遊技に対応する特別図柄A、又は特別図柄Bの場合、最初にオープニング演出を実行させる。そして、オープニング演出の終了後、主制御用CPU45aは、16回のラウンド遊技を実行させる。これらの大当り遊技では、1回のラウンド遊技において大入賞口41が1回開放する。そして、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間、すなわち大入賞口41の開放時間は、図9に示すように、「25000(ms)」に設定されている。また、主制御用CPU45aは、大入賞口41を開放させてラウンド遊技を開始させると、ラウンド遊技時間が経過したか否かの判定と規定入球個数(本実施形態では、10球)の遊技球が入球したか否かの判定を行う。また、主制御用CPU45aは、ラウンド遊技の開始時に、開始させたラウンド遊技の回数を示すラウンド開放指定コマンドをサブ統括制御基板46に出力する。そして、主制御用CPU45aは、何れか一方を肯定判定すると、ラウンド遊技の終了条件が成立したことにより、大入賞口41を閉鎖してラウンド遊技を終了させる。また、このとき、主制御用CPU45aは、ラウンド閉鎖指定コマンドを出力する。
【0097】
1回のラウンド遊技を終了させた主制御用CPU45aは、ラウンド間インターバル時間(本実施形態では1000(ms))の経過後に、次のラウンド遊技を開始させるべく大入賞口41を開放させる。そして、16回のラウンド遊技が終了したならば、主制御用CPU45aは、エンディング処理を実行して、エンディング演出を実行させる。
【0098】
また、主制御用CPU45aは、特別図柄Aに基づく大当り遊技が付与された場合には、エンディング処理において確変状態を付与することを示す確変フラグに、「1」を設定するとともに、入球率向上状態を付与することを示す作動フラグに、「1」を設定する。また、主制御用CPU45aは、特別図柄Aに基づく大当り遊技が付与され、作動フラグに、「1」を設定するとき、入球率向上状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数を設定しない。つまり、入球率向上状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数が設定されるまで入球率向上状態を付与する。
【0099】
また、主制御用CPU45aは、特別図柄Bに基づく大当り遊技が付与された場合には、エンディング処理において確変状態を付与することを示す確変フラグに、「0」を設定するとともに、入球率向上状態を付与することを示す作動フラグに、「1」を設定する。また、主制御用CPU45aは、特別図柄Bに基づく大当り遊技が付与され、作動フラグに、「1」を設定するとき、入球率向上状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数に100回を設定する。
【0100】
また、主制御用CPU45aは、決定した特別図柄が2R確変大当り遊技に対応する特別図柄Cの場合、最初にオープニング演出を実行させる。そして、オープニング演出の終了後、主制御用CPU45aは、2回のラウンド遊技を実行させる。この2R確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技において大入賞口41が1回開放する。そして、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間、すなわち大入賞口41の開放時間は、図9に示すように、「500(ms)」に設定されている。また、主制御用CPU45aは、大入賞口41を開放させてラウンド遊技を開始させると、ラウンド遊技時間が経過したか否かの判定と規定入球個数(本実施形態では、10球)の遊技球が入球したか否かの判定を行う。また、主制御用CPU45aは、ラウンド遊技の開始時に、開始させたラウンド遊技の回数を示すラウンド開放指定コマンドをサブ統括制御基板46に出力する。そして、主制御用CPU45aは、何れか一方を肯定判定すると、ラウンド遊技の終了条件が成立したことにより、大入賞口41を閉鎖してラウンド遊技を終了させる。また、このとき、主制御用CPU45aは、ラウンド閉鎖指定コマンドを出力する。
【0101】
1回のラウンド遊技を終了させた主制御用CPU45aは、ラウンド間インターバル時間(本実施形態では、2000(ms))の経過後に、次のラウンド遊技を開始させるべく大入賞口41を開放させる。そして、2回のラウンド遊技が終了したならば、主制御用CPU45aは、エンディング処理を実行して、エンディング演出を実行させる。
【0102】
また、主制御用CPU45aは、特別図柄Cに基づく大当り遊技が付与され、エンディング処理において入球率向上状態を付与する場合(大当り当選時に入球率向上状態が付与されていた場合)には、入球率向上状態を付与することを示す作動フラグに、「1」を設定するとともに、確変状態を付与することを示す確変フラグに、「1」を設定する。また、主制御用CPU45aは、特別図柄Cに基づく大当り遊技が付与され、作動フラグに、「1」を設定する場合、入球率向上状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数を設定しない。つまり、入球率向上状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数が設定されるまで入球率向上状態を付与する。また、主制御用CPU45aは、特別図柄Cに基づく大当り遊技が付与され、エンディング処理において入球率向上状態を付与しない場合(大当り当選時に入球率向上状態が付与されていなかった場合)には、作動フラグに、「0」を設定するとともに、確変フラグに、「1」を設定する。
【0103】
また、主制御用CPU45aは、決定した特別図柄が小当り遊技に対応する特別図柄Dの場合、主制御用CPU45aは、1回のラウンド遊技を実行させる。この小当り遊技では、1回のラウンド遊技において大入賞口41が2回開放する。そして、1回のラウンド遊技におけるそれぞれの大入賞口41の開放時間は、図9に示すように、「500(ms)」に設定されている。また、1回目の大入賞口41の開放が終了(閉鎖)してから2回目の大入賞口41の開放が開始(開放)するまでのインターバル時間は、「2000(ms)」に設定されている。また、主制御用CPU45aは、大入賞口41を開放させてラウンド遊技を開始させると、ラウンド遊技時間が経過したか否かの判定と規定入球個数(本実施形態では、10球)の遊技球が入球したか否かの判定を行う。また、主制御用CPU45aは、ラウンド遊技の開始時に、開始させたラウンド遊技の回数を示すラウンド開放指定コマンドをサブ統括制御基板46に出力する。そして、主制御用CPU45aは、何れか一方を肯定判定すると、ラウンド遊技の終了条件が成立したことにより、大入賞口41を閉鎖してラウンド遊技を終了させる。また、このとき、主制御用CPU45aは、ラウンド閉鎖指定コマンドを出力する。
【0104】
1回のラウンド遊技を終了させた主制御用CPU45aは、1回のラウンド遊技が終了したならば、主制御用CPU45aは、エンディング処理を実行して、エンディング演出を実行させる。
【0105】
また、主制御用CPU45aは、特別図柄Dに基づく大当り遊技が付与され、エンディング処理において、入球率向上状態を付与することを示す作動フラグ、および確変状態を付与することを示す確変フラグを設定しない。つまり、小当り遊技が付与された場合には、作動フラグ、確変フラグを新たに設定しないことから、小当り遊技の当選時の作動フラグの設定状態、及び確変フラグの設定状態を引き継ぐ。
【0106】
次に、サブ統括制御基板46の大当り遊技の実行に係る制御内容について説明する。
サブ統括制御基板46の統括制御用CPU46aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出の演出内容を決定し、オープニング演出の演出内容を指示するオープニング演出コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、統括制御用CPU46aは、ラウンド開放指定コマンドを入力すると、ラウンド遊技中の演出を指示するために、ラウンド演出コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板に出力する。また、統括制御用CPU46aは、ラウンド閉鎖指定コマンドを入力すると、ラウンド閉鎖指定コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板に出力する。そして、統括制御用CPU46aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出の演出内容を決定し、エンディング演出の演出内容を指示するエンディング演出コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力し、16R確変大当り遊技、16R非確変大当り遊技、2R確変大当り遊技、又は小当り遊技の実行にかかる制御を終了する。
【0107】
次に、演出表示制御基板47による大当り遊技の実行に係る制御内容を説明する。
演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aは、統括制御用CPU46aが出力するオープニング演出コマンドを入力すると、そのオープニング演出コマンドで指示された演出内容(大当り遊技中演出)でオープニング演出を実行させるように演出表示装置28(画像表示部GH)の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU47aは、各ラウンド演出コマンドを入力すると、そのラウンド演出コマンドで指示された演出内容(大当り遊技中演出)で各ラウンド演出を実行させるように演出表示装置28(画像表示部GH)の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU47aは、エンディング演出コマンドを入力すると、そのエンディング演出コマンドで指示された演出内容(大当り遊技中演出)でエンディング演出を実行させるように演出表示装置28(画像表示部GH)の表示内容を制御する。
【0108】
なお、音声・ランプ制御基板48は、オープニング演出コマンド、エンディング演出コマンド、各ラウンド演出コマンドを入力すると、各種ランプ部17〜19,27bの発光態様及びスピーカ20,21,25の音声出力態様を制御する。すなわち、音声・ランプ制御基板48は、演出表示制御基板47と同様にこれらのコマンドで指示された演出内容に応じた演出を行わせるように制御を行う。
【0109】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲーム中に大当り期待演出を行う。大当り期待演出とは、図柄変動ゲームの開始から図柄変動ゲームの終了までに段階的に行われるもので、その段階数に応じて遊技者の大当り期待度を高める演出である。本実施形態では、演出用可動体50を用いて、大当り期待演出を行っている。また、本実施形態では、大当り期待演出の段階が進む毎に、演出用可動体50の背面側通路58から遊技球BLが演出通路59に発射される構成としている。また、本実施形態では、1回の図柄変動ゲームにおいて背面側通路58から演出通路59に発射された遊技球の個数(大当り期待演出の段階数)が多いほど大当り期待度が高くなる構成としている。つまり、大当り抽選に当選した場合(大当りのとき)には、背面側通路58から演出通路59への発射個数(大当り期待演出の段階数)が多くなりやすい。一方、大当り抽選に当選しなかった場合(はずれのとき)には、背面側通路58から演出通路59への発射個数が少なくなりやすい構成としている。
【0110】
以下、サブ統括制御基板46、及び演出用可動体50の大当り期待演出に係る制御について説明する。これより、演出用可動体50の背面側通路58から演出通路59に発射される遊技球の個数を単に「発射個数」と示す場合がある。
【0111】
サブ統括制御基板46の統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドに基づき図柄変動ゲームで実行する大当り期待演出の演出内容(段階数)を決定する。
【0112】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、1回の図柄変動ゲームを複数の期間に分けている。具体的には、1回の図柄変動ゲームにおいて、図柄変動ゲームが開始してから演出表示装置28においてリーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されるまでを第1期間とし、演出表示装置28にリーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されてから図柄変動ゲームが終了するまでを第2期間としている。つまり、本実施形態では、1回の図柄変動ゲームを2つの期間に分けている。そして、第1期間と第2期間において、それぞれ大当り期待演出の発射個数を決定し、演出通路59に遊技球BLを発射する。また、本実施形態では、1回の図柄変動ゲーム中における発射個数に応じて大当り期待度が高まる構成としているため、第1期間における発射個数と、第2期間における発射個数との合計個数で遊技者の大当り期待度が高まる構成としている。なお、変動パターンP1,P8に基づく図柄変動ゲームでは、リーチの図柄組み合わせが一旦停止することがないことから、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了するまでを第1期間としている。つまり、変動パターンP1,P8では、第2期間が設定されていない。
【0113】
まず、図柄変動ゲームの第1期間における大当り期待演出の発射個数の決定態様について図12,13に基づき説明する。
統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、確変フラグに設定されている値に応じて第1期間での発射個数を決定するための第1期間テーブルを決定する。
【0114】
具体的には、確変フラグに「0」が設定されているとき、つまり、遊技状態が通常状態のときには、第1期間テーブルFT1(図12に示す)を参照することを決定する。また、確変フラグに「1」が設定されているとき、つまり、遊技状態が確変状態のときには、第1期間テーブルFT2(図13に示す)を参照することを決定する。ここで、第1期間テーブルFT1,FT2について、図12,13に基づいて説明する。なお、図12,13に示す第1期間テーブルFT1,FT2は、統括制御用ROM46bに記憶されている。
【0115】
図12に示す第1期間テーブルFT1には、変動パターンの種類毎に、第1期間における発射個数が複数対応付けられており、対応付けられた各発射個数に、乱数が1又は複数個ずつ振り分けられている。例えば、第1期間テーブルFT1では、変動パターンP1が指定されている場合に、146個の乱数を発射個数「0球」に、50個の乱数を発射個数「1球」に、30個の乱数を発射個数「2球」に、25個の乱数を発射個数「3球」に振り分けている。このため、第1期間テーブルFT1では、変動パターンP1が指定されている場合に、発射個数「0球」が選択される確率を146/251とし、発射個数「1球」が選択される確率を50/251とし、発射個数「2球」が選択される確率を30/251とし、発射個数「3球」が選択される確率を25/251としている。
【0116】
図13に示す第1期間テーブルFT2には、第1期間テーブルFT1と同様に、変動パターンの種類毎に、第1期間における発射個数が複数対応付けられており、対応付けられた各発射個数に、乱数が1又は複数個ずつ振り分けられている。例えば、第1期間テーブルFT2では、変動パターンP1が指定されている場合に、161個の乱数を発射個数「0球」に、5個の乱数を発射個数「1球」に、5個の乱数を発射個数「2球」に、80個の乱数を発射個数「3球」に振り分けている。このため、第1期間テーブルFT2では、変動パターンP1が指定されている場合に、発射個数「0球」が選択される確率を161/251とし、発射個数「1球」が選択される確率を5/251とし、発射個数「2球」が選択される確率を5/251とし、発射個数「3球」が選択される確率を80/251としている。
【0117】
そして、参照する第1期間テーブルを決定した統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドに基づいて、大当り期待演出の発射個数を決定する。第1期間テーブルFT1,FT2における乱数の振り分けにおいて、図12,13に示すように、変動パターンP1が指定されている場合にのみ乱数の振り分けが異なっている。具体的には、変動パターンP1が指定されている場合に、第1期間テーブルFT2を参照しているときには、第1期間テーブルFT1を参照しているときよりも、発射個数「0球」又は「3球」を選択しやすい。つまり、通常変動では、遊技状態が確変状態にあるときには、通常状態であるときよりも、発射個数として「0球」、又は「3球」が選択されやすい。これにより、通常変動において発射個数「0球」、及び発射個数「3球」の大当り期待演出が実行されることが多いと、遊技者は、遊技状態が確変状態にあるのではないかと期待することができる。また、リーチ演出が行われる変動パターン(本実施形態では、変動パターンP2〜P7)では、変動パターン毎に設定された上限個数が「4球」以上に設定されている。一方、リーチ演出が行われない変動パターン(本実施形態では、変動パターンP1,P8)では、変動パターン毎に設定された上限個数が「4球」未満に設定されている。これより、本実施形態では、大当り期待演出の発射個数が「4球」を超えた場合に、リーチの図柄組み合わせが一旦停止することを認識することができる構成となっている。
【0118】
また、擬似連を伴う図柄変動ゲームを行う場合、統括制御用CPU46aは、第1期間における変動サイクル毎に、第1期間テーブルを参照して決定した第1期間における発射個数を振り分ける。
【0119】
具体的には、第1期間での大当り期待演出の発射個数と、変動パターンにより特定される変動サイクル回数から、複数種類の振り分けパターンから振り分けパターンを決定する。前記振り分けパターンは、変動サイクルの回数毎に、発射個数を定められたものであり、第1期間での大当り期待演出の発射個数と、変動パターン毎の変動サイクル回数から1つの振り分けパターンを特定できるようになっている。例えば、発射個数が「5球」であって、変動サイクル数が「3回」である場合には、1回目の変動サイクルにおける発射個数が「2球」、2回目の変動サイクルにおける発射個数が「0球」、3回目の変動サイクルにおける発射個数が「3球」の振り分けパターンが決定されるようになっている。
【0120】
また、振り分けパターンは、図柄変動ゲームの最後の変動サイクルでは、必ず発射個数を「1球」以上に設定している。また、振り分けパターンには、図柄変動ゲームの最後の変動サイクル以外の変動サイクルで、発射個数を「0球」に振り分けた振り分けパターンもある。よって、本実施形態では、変動サイクルにおいて、大当り期待演出の発射個数が「0球」の場合には、次回の変動サイクルが行われることを遊技者が認識することができる構成となっている。なお、複数種類の振り分けパターンは、統括制御用ROM46bに記憶されている。
【0121】
そして、決定した振り分けパターンに従って、統括制御用CPU46aは、変動サイクル毎に、振り分けられた発射個数分の発射コマンドを、変動サイクル毎に演出用可動体50の発射装置51に出力する。なお、発射コマンドは、変動サイクルの開始時に出力されるようになっている。すなわち、変動サイクルにて発射された遊技球BLが、変動サイクル中に検知スイッチSW5によって検知されるようにしている。
【0122】
また、擬似連を伴う図柄変動ゲームを行わない場合、統括制御用CPU46aは、第1期間テーブルを参照して決定した第1期間における発射個数分の発射コマンドを、発射装置51に出力する。なお、発射コマンドは、図柄変動ゲームの開始時に出力されるようになっている。すなわち、第1期間中に、発射された遊技球BLが、検知スイッチSW5によって検知されるようにしている。
【0123】
次に、図柄変動ゲームの第2期間における大当り期待演出の発射個数の決定態様について図14〜図20に基づき説明する。
統括制御用CPU46aは、第1期間が終了すると、統括制御用RAM46cに記憶されている演出用可動体50の検知スイッチSW5が第1期間で検知した検知回数、つまり、第1期間で検知した遊技球BLの個数を読み出す。そして、統括制御用CPU46aは、読み出した遊技球BLの検知個数に応じて、第2期間で実行する大当り期待演出の発射個数を決定するために参照する第2期間テーブルを決定する。
【0124】
具体的には、第2期間の移行時に、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている検知回数が「0」のときには、図14に示す0球検知時用の第2期間テーブルST1を参照する。また、第2期間の移行時に、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている検知回数が「1」のときには、図15に示す1球検知時用の第2期間テーブルST2を参照する。また、第2期間の移行時に、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている検知回数が「2」のときには、図16に示す2球検知時用の第2期間テーブルST3を参照する。また、第2期間の移行時に、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている検知回数が「3」のときには、図17に示す3球検知時用の第2期間テーブルST4を参照する。また、第2期間の移行時に、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている検知回数が「4」のときには、図18に示す4球検知時用の第2期間テーブルST5を参照する。また、第2期間の移行時に、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている検知回数が「5」のときには、図19に示す5球検知時用の第2期間テーブルST6を参照する。また、第2期間の移行時に、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている検知回数が「6」のときには、図20に示す6球検知時用の第2期間テーブルST7を参照する。なお、第1期間に7球以上の遊技球が発射された、つまり、統括制御用RAM46cに記憶されている検知回数が「7」以上の場合には、統括制御用CPU46aは、第2期間において大当り期待演出を行わないことを決定する。よって、第2期間テーブルを決定しない。また、図14〜図20に示す第2期間テーブルST1〜ST7は、統括制御用ROM46bに記憶されている。
【0125】
ここで、第2期間テーブルST1〜ST7について、図14〜図20に基づいて説明する。なお、図14〜図20に示す第2期間テーブルST1〜ST7は、統括制御用ROM46bに記憶されている。
【0126】
図14に示す第2期間テーブルST1には、変動パターンの種類毎に、第2期間における発射個数が複数対応付けられており、対応付けられた各発射個数に、乱数が1又は複数ずつ振り分けられている。例えば、第2期間テーブルST1では、変動パターンP6が指定されている場合に、31個の乱数を発射個数「5球」に、175個の乱数を発射個数「6球」に、45個の乱数を発射個数「7球」に振り分けている。このため、第2期間テーブルST1では、変動パターンP6が指定されている場合に、発射個数「5球」が選択される確率を31/251とし、発射個数「6球」が選択される確率を175/251とし、発射個数「7球」が選択される確率を45/251としている。
【0127】
図15に示す第2期間テーブルST2には、第2期間テーブルST1と同様に、変動パターンの種類毎に、第2期間における発射個数が複数対応付けられており、対応付けられた各発射個数に、乱数が1又は複数個ずつ振り分けられている。例えば、第2期間テーブルST2では、変動パターンP6が指定されている場合に、31個の乱数を発射個数「4球」に、175個の乱数を発射個数「5球」に、45個の乱数を発射個数「6球」に振り分けている。このため、第2期間テーブルST2では、変動パターンP6が指定されている場合に、発射個数「4球」が選択される確率を31/251とし、発射個数「5球」が選択される確率を175/251とし、発射個数「6球」が選択される確率を45/251としている。
【0128】
図16に示す第2期間テーブルST3には、第2期間テーブルST1と同様に、変動パターンの種類毎に、第2期間における発射個数が複数対応付けられており、対応付けられた各発射個数に、乱数が1又は複数個ずつ振り分けられている。例えば、第2期間テーブルST3では、変動パターンP6が指定されている場合に、31個の乱数を発射個数「3球」に、175個の乱数を発射個数「4球」に、45個の乱数を発射個数「5球」に振り分けている。このため、第2期間テーブルST3では、変動パターンP6が指定されている場合に、発射個数「3球」が選択される確率を31/251とし、発射個数「4球」が選択される確率を175/251とし、発射個数「5球」が選択される確率を45/251としている。
【0129】
図17に示す第2期間テーブルST4には、第2期間テーブルST1と同様に、変動パターンの種類毎に、第2期間における発射個数が複数対応付けられており、対応付けられた各発射個数に、乱数が1又は複数個ずつ振り分けられている。例えば、第2期間テーブルST4では、変動パターンP6が指定されている場合に、31個の乱数を発射個数「2球」に、175個の乱数を発射個数「3球」に、45個の乱数を発射個数「4球」に振り分けている。このため、第2期間テーブルST2では、変動パターンP6が指定されている場合に、発射個数「2球」が選択される確率を31/251とし、発射個数「3球」が選択される確率を175/251とし、発射個数「4球」が選択される確率を45/251としている。
【0130】
図18に示す第2期間テーブルST5には、第2期間テーブルST1と同様に、変動パターンの種類毎に、第2期間における発射個数が複数対応付けられており、対応付けられた各発射個数に、乱数が1又は複数個ずつ振り分けられている。例えば、第2期間テーブルST5では、変動パターンP6が指定されている場合に、10個の乱数を発射個数「0球」に、10個の乱数を発射個数「1球」に、175個の乱数を発射個数「2球」に、56個の乱数を発射個数「3球」に振り分けている。このため、第2期間テーブルST5では、変動パターンP6が指定されている場合に、発射個数「0球」が選択される確率を10/251とし、発射個数「1球」が選択される確率を10/251とし、発射個数「2球」が選択される確率を175/251とし、発射個数「3球」が選択される確率を56/251としている。
【0131】
図19に示す第2期間テーブルST6には、第2期間テーブルST1と同様に、変動パターンの種類毎に、第2期間における発射個数が複数対応付けられており、対応付けられた各発射個数に、乱数が1又は複数個ずつ振り分けられている。例えば、第2期間テーブルST6では、変動パターンP6が指定されている場合に、216個の乱数を発射個数「1球」に、35個の乱数を発射個数「2球」に振り分けている。このため、第2期間テーブルST6では、変動パターンP6が指定されている場合に、発射個数「1球」が選択される確率を216/251とし、発射個数「2球」が選択される確率を35/251としている。
【0132】
図20に示す第2期間テーブルST7には、第2期間テーブルST1と同様に、変動パターンの種類毎に、第2期間における発射個数が複数対応付けられており、対応付けられた各発射個数に、乱数が1又は複数個ずつ振り分けられている。例えば、第2期間テーブルST7では、変動パターンP6が指定されている場合に、100個の乱数を発射個数「0球」に、151個の乱数を発射個数「1球」に振り分けている。このため、第2期間テーブルST7では、変動パターンP6が指定されている場合に、発射個数「0球」が選択される確率を100/251とし、発射個数「1球」が選択される確率を151/251としている。
【0133】
そして、統括制御用CPU46aは、第2期間テーブルを決定すると、図柄変動ゲームの第2期間での大当り期待演出の発射個数を、第2期間テーブルを参照して、入力した変動パターン指定コマンドに基づいて決定している。なお、変動パターンP1,P8に基づいて行われる図柄変動ゲームでは、第2期間が設定されないことから、主制御用CPU45aが変動パターンP1,P8を決定した場合には、第2期間テーブルを決定しない。第2期間テーブルST1〜ST7における乱数の振り分けにおいて、図14〜図20に示すように、第1期間の発射個数と、第2期間の発射個数との合計個数が、変動パターン毎に設定された上限個数を超えないように、統括制御用CPU46aは、第2期間での大当り期待演出の発射個数を決定している。また、スーパーリーチ変動が行われるはずれリーチ演出用の変動パターン(本実施形態では、変動パターンP3,P4)には、「5球」以上の上限個数が設定されている。よって、本実施形態では、1回の図柄変動ゲームにおいて、発射個数が「5球」以上の場合には、スーパーリーチ変動が実行されること、又はスーパーリーチ変動が実行されなくても大当りとなること(例えば、変動パターンP5)を遊技者が認識することができる構成となっている。また、大当り演出用の変動パターン(本実施形態では、変動パターンP5〜P7)のときには、変動パターン毎に設定された上限個数が「7球」となっており、他の変動パターンでは、上限個数が「7球」未満に設定されている。これより、本実施形態では、大当り期待演出の発射個数が「7球」となった場合には、大当りとなることを遊技者が認識することができる構成となっている。
【0134】
また、第2期間における大当り期待演出の発射個数を決定した統括制御用CPU46aは、入力した変動パターン指定コマンドに基づいて、第2期間中にノーマルリーチ変動が実行されるか否かを判定する。第2期間中にノーマルリーチ変動が実行される場合(本実施形態では、変動パターンP2,P5のとき)、統括制御用CPU46aは、決定した第2期間での発射個数を2つのタイミングで発射させるように発射個数を振り分ける。本実施形態では、第2期間中にノーマルリーチ変動が実行される場合、ノーマルリーチ変動が開始された時間(タイミング)と、ノーマルリーチ変動が終了する直前の時間(タイミング)において遊技球BLが演出通路59に発射されるようになっている。
【0135】
具体的には、統括制御用CPU46aは、第2期間での発射個数と、入力した変動パターン指定コマンドから、複数種類の振り分けパターンの中から振り分けパターンを決定するようになっている。前記振り分けパターンは、変動パターン毎に、各タイミングにおける発射個数を定められたものであり、第2期間での大当り期待演出の発射個数と、変動パターンから1つの振り分けパターンを特定できるようになっている。例えば、変動パターンP5であって、第2期間の発射個数が「2球」である場合には、ノーマルリーチ変動開始時における発射個数が「1球」、ノーマルリーチ変動終了直前における発射個数が「1球」の振り分けパターンが決定されるようになっている。
【0136】
また、振り分けパターンの中には、2つのタイミングのうち何れか一方の発射個数を「0球」に振り分けた振り分けパターンも存在する。また、第2期間での大当り期待演出の発射個数を「0球」と決定した場合には、統括制御用CPU46aは、振り分けパターンを決定しない。なお、ノーマルリーチ変動が終了する直前の時間(タイミング)とは、ノーマルリーチ変動において第3停止図柄列(中列)の図柄が一旦停止する前、又は一旦停止しようとするときを示している。なお、複数種類の振り分けパターンは、統括制御用ROM46bに記憶されている。
【0137】
また、統括制御用CPU46aは、第2期間中にスーパーリーチ変動が実行されると判定した場合(本実施形態では、変動パターンP3,P4,P6,P7のとき)、決定した第2期間での大当り期待演出の発射個数を、3つのタイミングで発射させるように発射個数を振り分ける。本実施形態では、第2期間中にスーパーリーチ変動が実行される場合、ノーマルリーチ変動が開始された時間(タイミング)と、ノーマルリーチ変動が終了する直前の時間(タイミング)と、スーパーリーチ変動が終了する直前の時間(タイミング)と、で振り分ける。
【0138】
具体的には、統括制御用CPU46aは、第2期間での発射個数と、入力した変動パターン指定コマンドから、複数種類の振り分けパターンの中から振り分けパターンを決定するようになっている。前記振り分けパターンは、変動パターン毎に、各タイミングにおける発射個数を定められたものであり、第2期間での大当り期待演出の発射個数と、変動パターンから1つの振り分けパターンを特定できるようになっている。例えば、変動パターンP6であって、第2期間の発射個数が「3球」である場合には、ノーマルリーチ変動開始時における発射個数が「1球」、ノーマルリーチ変動終了直前における発射個数が「1球」、スーパーリーチ変動終了直前における発射個数が「1球」の振り分けパターンが決定されるようになっている。
【0139】
また、振り分けパターンの中には、3つのタイミングのうち1つのタイミングに、第2期間での発射個数をすべて発射するように発射個数を振り分けた振り分けパターンも存在する。また、第2期間での大当り期待演出の発射個数を「0球」と決定した場合には、統括制御用CPU46aは、振り分けパターンを決定しない。なお、スーパーリーチ変動が終了する直前の時間(タイミング)とは、スーパーリーチ変動において第3停止図柄列(中列)の図柄が一旦停止する前、又は一旦停止しようとするときを示している。また、ノーマルリーチ変動終了直前とは、スーパーリーチ変動開始直前のことを示している。なお、複数種類の振り分けパターンは、統括制御用ROM46bに記憶されている。
【0140】
そして、決定した振り分けパターンに従って、統括制御用CPU46aは、第2期間でのタイミング毎に、振り分けられた発射個数分の発射コマンドを、発射装置51に出力する。
【0141】
また、統括制御用CPU46aは、図柄変動ゲームが開始すると、図柄変動ゲームが終了するまで、演出用可動体50のモータ52に回転コマンドを出力し続ける。なお、本実施形態では、統括制御用CPU46aが演出制御手段、段階数決定手段、個数決定手段、第1期間段階数決定手段、及び第2期間段階数決定手段として機能する。
【0142】
次に、演出用可動体50の大当り期待演出に係る制御について説明する。
演出用可動体50のモータ52は、回転コマンドを入力すると、回転体55を図6において矢印Ya方向(回転体55の下方からみたとき反時計周り)に回転動作する。つまり、モータ52が回転コマンドを入力すると、演出用可動体50の演出通路59の遊技球BLが回転体55により上方に移動することとなる。
【0143】
また、演出用可動体50の発射装置51は、発射コマンドを入力すると、一定の時間だけ、操作部51aを図4に示す位置から、図5に示す位置まで可動させる。つまり、発射装置51は、発射コマンドを入力すると、図4に示す操作部51aを図4において左方向に可動させる。よって、発射装置51は、発射コマンドを入力すると、遊技球を「1球」発射する。
【0144】
ここで、擬似連が実行されるときにおいて、統括制御用CPU46aが、第1期間の発射個数を、振り分けパターンに基づいて、変動サイクル毎に振り分けて発射させる例を図21に基づいて説明する。なお、図21において、統括制御用CPU46aは、第1期間での大当り期待演出の発射個数を「4球」に決定したものとする。また、図21(a)に示す時間t1〜t5、及び図21(b)に示す時間t11〜t14の期間は、第1期間、すなわち、図柄変動ゲームの開始から、最後の変動サイクルにおいてリーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されるまでの期間である。
【0145】
まず、図21(a)について説明する。
図21(a)では、主制御用CPU45aがはずれリーチ演出用の変動パターンP4を決定し、統括制御用CPU46aが擬似連を伴う図柄変動ゲームを行うことを決定したときを例に挙げたものである。また、このとき、統括制御用CPU46aは、図12に示す第1期間テーブルFT1を参照して「5球」の遊技球を第1期間での大当り期待演出の発射個数として決定したものである。
【0146】
統括制御用CPU46aは、主制御用CPU45aが決定した変動パターンP4から、4回の変動サイクルを実行することを認識する。ここで、1回目の変動サイクルにおいて、「1球」の遊技球を発射し、2回目の変動サイクルにおいて、「0球」の遊技球を発射し、3回目の変動サイクルにおいて、「2球」の遊技球を発射し、及び4回目の変動サイクルにおいて、「2球」の遊技球を発射する振り分けパターンを、変動パターン及び発射個数に基づき統括制御用CPU46aが決定するものとして説明する。
【0147】
そして、図柄変動ゲームでは、1回目の変動サイクル中(時間t1〜t2の間)に「1球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。すなわち、第1段階の大当り期待演出が実行されたこととなる。また、2回目の変動サイクル中(時間t2〜t3の間)に遊技球BLは発射されない。また、3回目の変動サイクル中(時間t3〜t4の間)に「2球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。すなわち、第3段階までの大当り期待演出が実行される。また、4回目の変動サイクル中(時間t4〜t5の間)に「2球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。すなわち、第5段階までの大当り期待演出が実行される。
【0148】
次に、図21(b)について説明する。
図21(b)では、主制御用CPU45aが当り演出用の変動パターンP6を決定し、統括制御用CPU46aが擬似連を伴う図柄変動ゲームを行うことを決定したときを例に挙げたものである。また、このとき、統括制御用CPU46aは、図12に示す第1期間テーブルFT1を参照して「4球」の遊技球を第1期間での大当り期待演出の発射個数として決定したものである。
【0149】
統括制御用CPU46aは、主制御用CPU45aが決定した変動パターンP6から、3回の変動サイクルを実行することを認識する。ここで、1回目の変動サイクルにおいて、「1球」の遊技球を発射し、2回目の変動サイクルにおいて、「2球」の遊技球を発射し、3回目の変動サイクルにおいて、「1球」の遊技球を発射する振り分けパターンを、変動パターン及び発射個数に基づき統括制御用CPU46aが決定するものとして説明する。
【0150】
そして、図柄変動ゲームでは、1回目の変動サイクル中(時間t11〜t12の間)に「1球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。すなわち、第1段階までの大当り期待演出が実行される。また、2回目の変動サイクル中(時間t12〜t13の間)に「2球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。すなわち、第3段階までの大当り期待演出が実行される。3回目の変動サイクル中(時間t13〜t14の間)に「1球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。すなわち、第4段階までの大当り期待演出が実行される。
【0151】
本実施形態では、擬似連が実行される場合、最後の変動サイクルでは、「1球」以上の遊技球BLを発射するように振り分けパターンに基づき発射個数が振り分けられている。そのため、変動サイクルにおいて遊技球が発射されなかった場合には、大当り期待演出の発射個数は増えないものの、次回の変動サイクルが行われることが確実となり、変動サイクルが続くことで遊技者の大当りに対する期待感は高まるようになっている。
【0152】
次に、統括制御用CPU46aが、第2期間の発射個数を、振り分けパターンに基づいて、第2期間のタイミング毎に振り分けて発射させる例を図22に基づいて説明する。なお、図22(a)において、統括制御用CPU46aは、第2期間での大当り期待演出の発射個数を「2球」に決定したものとする。また、図22(b)において、統括制御用CPU46aは、第2期間での大当り期待演出の発射個数を「6球」に決定したものとする。また、図22(a)に示す時間t21〜t22、及び図22(b)に示す時間t31〜t33の期間は、第2期間、すなわち、演出表示装置28においてリーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されてから、図柄変動ゲームの終了までの期間である。
【0153】
まず、図22(a)について説明する。
図22(a)では、主制御用CPU45aがはずれリーチ演出用の変動パターンP2を決定したときを例に挙げたものである。また、このとき、第1期間において「2球」の遊技球BLを、演出用可動体50の検知スイッチSW5が検知したものとする。このため、統括制御用CPU46aは、第2期間開始時において、図16に示す第2期間テーブルST3を参照して第2期間での大当り期待演出の発射個数を決定する。このとき、前提より「2球」の遊技球BLを第2期間での大当り期待演出の発射個数として決定する。
【0154】
そして、主制御用CPU45aが決定した変動パターンP2から、第2期間において2つのタイミングが存在することを判定する。統括制御用CPU46aは、2つのタイミング毎に第2期間での大当り期待演出の発射個数を、統括制御用CPU46aが決定した振り分けパターンに基づいて振り分ける。図22(a)では、ノーマルリーチ変動開始時の時間t21に「1球」の遊技球BLを発射し、ノーマルリーチ変動終了直前の時間t22に「1球」の遊技球BLを発射する振り分けパターンを決定したものとする。
【0155】
これにより、統括制御用CPU46aは、図22(a)に示す図柄変動ゲームでは、第2期間においてノーマルリーチ変動が開始する時間(タイミング)t21において、「1球」の遊技球BLを演出通路59に発射される。これにより、第3段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。また、統括制御用CPU46aは、ノーマルリーチ変動の終了直前の時間(タイミング)t22で「1球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。これにより、第4段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。
【0156】
次に、図22(b)について説明する。
図22(b)では、主制御用CPU45aが当り演出用の変動パターンP7を決定したときを例に挙げたものである。また、このとき、第1期間において演出用可動体50の検知スイッチSW5は、遊技球BLを検知しなかったものとする。
【0157】
また、統括制御用CPU46aは、第2期間テーブルST1を参照して、「6球」の遊技球BLを第2期間での大当り期待演出の発射個数として決定したものとする。なお、第1期間テーブルにおいて、変動パターンP7が決定された際に「0球」が選択されることがないが、今回、何らかの原因(例えば、演出用可動体50の背面側通路58において遊技球が詰まってしまい、発射装置51が可動しても遊技球が発射されないなどの原因)で、第1期間において演出用可動体50の検知スイッチSW5が「0球」の遊技球を検知したものとする。
【0158】
そして、主制御用CPU45aが決定した変動パターンP7から、第2期間において3つのタイミングが存在することを判定する。統括制御用CPU46aは、3つのタイミング毎に第2期間での大当り期待演出の発射個数を、統括制御用CPU46aが決定した振り分けパターンに基づいて振り分ける。図22(b)では、ノーマルリーチ変動開始時の時間t31に「1球」の遊技球BLを発射し、ノーマルリーチ変動終了直前の時間t32に「5球」の遊技球BLを発射し、スーパーリーチ変動終了直前の時間t33に「0球」の遊技球BLを発射する振り分けパターンを決定したものとする。
【0159】
これにより、統括制御用CPU46aは、図22(b)に示す図柄変動ゲームでは、第2期間においてノーマルリーチ変動が開始する時間(タイミング)t31において、「1球」の遊技球BLを演出通路59に発射される。これにより、第1段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。また、統括制御用CPU46aは、ノーマルリーチ変動の終了直前の時間(タイミング)t32で「5球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。これにより、第6段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。また、統括制御用CPU46aは、スーパーリーチ変動の終了直前の時間(タイミング)t33では、遊技球BLを発射しない。
【0160】
ここで、主制御用CPU45aがリーチ演出の行われる変動パターンを決定し、かつ統括制御用CPU46aが擬似連を伴う図柄変動ゲームを行うと決定した図柄変動ゲームにおける大当り期待演出の発射態様について図23に基づき説明する。
【0161】
まず、図23(a)について説明する。
図23(a)では、主制御用CPU45aがはずれリーチ演出用の変動パターンP4を決定し、統括制御用CPU46aが擬似連を伴う図柄変動ゲームを行うことを決定したときを例に挙げたものである。また、このとき、統括制御用CPU46aは、図12に示す第1期間テーブルFT1を参照して「4球」の遊技球を第1期間での大当り期待演出の発射個数として決定したものである。
【0162】
統括制御用CPU46aは、主制御用CPU45aが決定した変動パターンP4から、4回の変動サイクルを実行することを認識する。ここで、1回目の変動サイクルにおいて、「0球」の遊技球を発射し、2回目の変動サイクルにおいて、「1球」の遊技球を発射し、3回目の変動サイクルにおいて、「0球」の遊技球を発射し、及び4回目の変動サイクルにおいて、「3球」の遊技球を発射する振り分けパターンを、変動パターン及び発射個数に基づき統括制御用CPU46aが決定するものとして説明する。
【0163】
そして、図柄変動ゲームでは、1回目の変動サイクル中(時間t41〜t42の間)に遊技球BLは発射されない。また、2回目の変動サイクル中(時間t42〜t43の間)に「1球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。すなわち、第1段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。また、3回目の変動サイクル中(時間t43〜t44の間)に遊技球BLは発射されない。また、4回目の変動サイクル中(時間t44〜t45の間)に「3球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。すなわち、第4段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。また、このとき、第1期間において演出用可動体50の検知スイッチSW5は、「4球」の遊技球BLを検知したものとする。
【0164】
また、統括制御用CPU46aは、第2期間テーブルST5を参照して、「2球」の遊技球BLを第2期間での大当り期待演出の発射個数として決定したものとする。
そして、主制御用CPU45aが決定した変動パターンP4から、第2期間において3つのタイミングが存在することを判定する。統括制御用CPU46aは、3つのタイミング毎に第2期間での大当り期待演出の発射個数を、統括制御用CPU46aが決定した振り分けパターンに基づいて振り分ける。図23(a)では、ノーマルリーチ変動開始時の時間t45に「0球」の遊技球BLを発射し、ノーマルリーチ変動終了直前の時間t46に「1球」の遊技球BLを発射し、スーパーリーチ変動終了直前の時間t47に「1球」の遊技球BLを発射する振り分けパターンを決定したものとする。
【0165】
これにより、統括制御用CPU46aは、図23(a)に示す図柄変動ゲームでは、第2期間においてノーマルリーチ変動が開始する時間(タイミング)t45では、遊技球BLを発射しない。また、統括制御用CPU46aは、ノーマルリーチ変動の終了直前の時間(タイミング)t46で「1球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。これにより、第5段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。また、統括制御用CPU46aは、スーパーリーチ変動の終了直前の時間(タイミング)t47で「1球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。これにより、第6段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。
【0166】
次に、図23(b)について説明する。
図23(b)では、主制御用CPU45aが当り演出用の変動パターンP7を決定し、統括制御用CPU46aが擬似連を伴う図柄変動ゲームを行うことを決定したときを例に挙げたものである。また、このとき、統括制御用CPU46aは、図12に示す第1期間テーブルFT1を参照して「6球」の遊技球を第1期間での大当り期待演出の発射個数として決定したものである。
【0167】
統括制御用CPU46aは、主制御用CPU45aが決定した変動パターンP7から、4回の変動サイクルを実行することを認識する。ここで、1回目の変動サイクルにおいて、「0球」の遊技球を発射し、2回目の変動サイクルにおいて、「0球」の遊技球を発射し、3回目の変動サイクルにおいて、「0球」の遊技球を発射し、及び4回目の変動サイクルにおいて、「6球」の遊技球を発射する振り分けパターンを、変動パターン及び発射個数に基づき統括制御用CPU46aが決定するものとして説明する。
【0168】
そして、図柄変動ゲームでは、1回目の変動サイクル中(時間t51〜t52の間)に遊技球BLは発射されない。また、2回目の変動サイクル中(時間t52〜t53の間)に遊技球BLは発射されない。また、3回目の変動サイクル中(時間t53〜t54の間)に遊技球BLは発射されない。また、4回目の変動サイクル中(時間t54〜t55の間)に「6球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。しかし、このとき、演出用可動体50の背面側通路58において遊技球BLが詰まっており、統括制御用CPU46aからの4回目の発射コマンドによって発射装置51が可動した振動によって遊技球BLの球詰まりが解消されたとする。そして、4回目の変動サイクル中に、実際に発射された遊技球の個数は「2球」であった。すなわち、第2段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。また、このとき、第1期間において演出用可動体50の検知スイッチSW5は、「2球」の遊技球BLを検知したものとする。
【0169】
また、統括制御用CPU46aは、第2期間テーブルST3を参照して、「4球」の遊技球BLを第2期間での大当り期待演出の発射個数として決定したものとする。
そして、主制御用CPU45aが決定した変動パターンP7から、第2期間において3つのタイミングが存在することを判定する。統括制御用CPU46aは、3つのタイミング毎に第2期間での大当り期待演出の発射個数を、統括制御用CPU46aが決定した振り分けパターンに基づいて振り分ける。図23(b)では、ノーマルリーチ変動開始時の時間t55に「1球」の遊技球BLを発射し、ノーマルリーチ変動終了直前の時間t56に「2球」の遊技球BLを発射し、スーパーリーチ変動終了直前の時間t57に「1球」の遊技球BLを発射する振り分けパターンを決定したものとする。
【0170】
これにより、統括制御用CPU46aは、図23(b)に示す図柄変動ゲームでは、第2期間においてノーマルリーチ変動が開始する時間(タイミング)t55で「1球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。これにより、第3段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。また、統括制御用CPU46aは、ノーマルリーチ変動の終了直前の時間(タイミング)t56で「2球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。これにより、第5段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。また、統括制御用CPU46aは、スーパーリーチ変動の終了直前の時間(タイミング)t57で「1球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。これにより、第6段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。
【0171】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)図柄変動ゲームの第1期間において大当り期待演出を実行させるとき、変動パターンに基づき、図柄変動ゲームの第1期間での大当り期待演出の発射個数を決定する。また、第2期間中に演出用可動体50で大当り期待演出を行う場合、第1期間における演出用可動体50において発射された遊技球の個数(演出用可動体50の検知スイッチSW5が検知した遊技球の個数)に基づいて、第2期間での大当り期待演出の発射個数を決定する。また、第1期間での大当り期待演出の発射個数と、第2期間での大当り期待演出の発射個数との合計個数は、図柄変動ゲームの大当り期待度を示すものとした。このため、変動パターンに対応付けられた発射個数の上限を超えないように、1回の図柄変動ゲームでの大当り期待演出の発射個数が決定される。このようにすることにより、遊技者は、第1期間における大当り期待演出の発射個数が少ない場合であっても、第2期間における大当り期待演出の発射個数が多くなることを期待することができる。よって、図柄変動ゲームの終了まで大当り期待演出の発射個数が増加することを遊技者に期待させることができ、遊技者の遊技への興趣を向上させることができる。
【0172】
また、第1期間における大当り期待演出の発射個数と、第2期間における大当り期待演出の発射個数の合計段階数によって大当り期待度を表すため、遊技者は図柄変動ゲームの正確な大当り期待度を知ることができる。よって、図柄変動ゲームの第1期間、第2期間のそれぞれの大当り期待演出の発射個数ではなく、1回の図柄変動ゲーム全体における大当り期待演出の発射個数に遊技者を注目させることができる。また、期間毎の発射個数によって遊技者の興趣を低下させることを防ぐことができるとともに、図柄変動ゲーム全体の大当り期待度が高いのか否かについて遊技者が混乱することを防ぐことができる。
【0173】
(2)はずれ演出用の変動パターンに基づき図柄変動ゲームが実行される場合、大当り期待演出の発射個数の上限個数は、当り演出用の変動パターン、又ははずれリーチ演出用の変動パターンを決定した場合よりも少なく設定されている(本実施形態では、3球)。このため、第1期間における発射個数が、はずれ演出用の変動パターンに基づき図柄変動ゲームが実行される場合における大当り期待演出の発射個数の上限個数よりも多い場合には、遊技者は、はずれ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームでないことを認識することができる。すなわち、第1期間において、遊技者は、リーチ演出が実行されること、又は図柄変動ゲームが大当りとなることを期待することができる。
【0174】
(3)はずれ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームにおいて、遊技状態が通常状態時よりも確変状態時の方が多い発射個数を決定しやすくした。このため、図柄変動ゲームがはずれとなるときに発射個数が多い場合には、確変状態が付与されているのでは、と遊技者に期待させることができ、遊技者に遊技を継続する意欲を持たせることができる。
【0175】
(4)図柄変動ゲームの第1期間において、複数回の変動サイクルが実行され、それぞれの変動サイクル毎に大当り期待演出を実行する構成とした。また、変動サイクルの回数が多いほど、大当り表示結果が表示される期待度(大当り期待度)が高くなる構成とした。このため、変動サイクルが多く実行されればされるほど、変動サイクルの回数に基づく大当り期待度が増加するとともに、大当り期待演出の発射個数も増加することで大当り期待演出に基づく大当り期待度も増加し、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0176】
(5)次回の変動サイクルが存在する変動サイクルには、大当り期待演出の発射個数を「0球」に振り分ける振り分けパターンを有するようにした。このため、変動サイクルが継続するほど大当り期待度が増加し、大当り期待演出の発射個数が多いほど大当り期待度が増加する遊技者にとって、大当り期待演出の発射個数が増加しなかった場合であっても、次の変動サイクルが実行されて、大当り期待演出の発射個数が増加することを期待することができる。
【0177】
(6)演出用可動体50において、遊技球を用いて大当り期待演出を実行するようにした。これにより、大当り期待演出の発射個数が1つ増える態様を、遊技者が認識しやすくなった。
【0178】
(7)ノーマルリーチ変動を演出内容に含むはずれリーチ演出用の変動パターンを決定した場合に決定される大当り期待演出の発射個数の上限個数(本実施形態では、4球)は、スーパーリーチ変動を演出内容に含むはずれリーチ演出用の変動パターンを決定した場合に決定される大当り期待演出の発射個数の上限個数(本実施形態では、6球)よりも少なく設定されている。このため、遊技者は、ノーマルリーチ変動を演出内容に含むはずれリーチ演出用の変動パターンを決定した場合に決定される大当り期待演出の上限発射個数を超えた個数(本実施形態では、5球以上)の遊技球が発射された場合には、少なくとも大当り期待度の高いスーパーリーチ変動が実行されることを認識することができる。
【0179】
そして、大当り期待演出の発射個数は、ノーマルリーチ変動が開始された時間(タイミング)と、ノーマルリーチ変動が終了する直前の時間(すなわち、スーパーリーチ変動が実行される場合には、ノーマルリーチ変動からスーパーリーチ変動に発展するタイミング)に分けて発射するようになっている。このため、スーパーリーチ変動が確定するか否かについて注目する遊技者に対して、ノーマルリーチ変動の開始時、又は発展のタイミングにおいて、発射された遊技球の合計個数がどのくらいかに注目させることができる。また、ノーマルリーチ変動が終了する直前のタイミングにおいても、大当り期待演出の発射個数(合計個数)が増えるように構成されているため、この終了直前のタイミングにおいて演出通路59に発射される遊技球の個数に対して注目させることができる。また、複数のタイミングで実行されたとしても大当り期待演出の発射個数が減少、つまり、大当り期待度が減少することがないため、各タイミングにおいてどれだけの大当り期待演出の発射個数が実行されて、図柄変動ゲーム全体での大当り期待演出の発射個数が増加したかについて注目させることができる。
【0180】
(8)第1期間においてリーチ演出が実行されることが確定する発射個数(本実施形態では、4球)が選択され難いため、第2期間が開始するまで、つまり、リーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されるまで、図柄変動ゲームの展開に注目させることができる。
【0181】
(9)大当り演出用の変動パターン(本実施形態では、変動パターンP5〜P7)に基づいて決定される大当り期待演出の発射個数の上限発射個数は、はずれリーチ演出用の変動パターンとはずれ演出用の変動パターンの何れを選択した場合においても決定される可能性がある大当り期待演出の発射個数の上限発射個数(本実施形態では、6球と3球)よりも多い発射個数(本実施形態では、7球)が設定されている。そのため、はずれリーチ演出用の変動パターンとはずれ演出用の変動パターンの何れを選択した場合においても決定される可能性がある上限発射個数よりも多い発射個数(本実施形態では、7球)に達した場合、遊技者は、大当り演出用の変動パターンによって実行されている図柄変動ゲームであることを認識するとともに、当該図柄変動ゲームにおいて大当り表示結果が表示されることを認識することができる。大当り期待演出の発射個数が大当りになることが確定する発射個数(本実施形態では、7球)に達することによって、遊技者ははずれるかもしれないという危機感を抱くことなく、安心して図柄変動ゲームが終了するまでを楽しむことができる。また、大当りとなることが確定する発射個数だけ遊技球が発射された場合には、遊技者の興趣を一気に向上させることができる。
【0182】
(10)1回の図柄変動ゲームで演出用可動体50の演出通路59に発射された遊技球の個数(又は、演出用可動体50の検知スイッチSW5が検知した検知回数)を演出表示装置28に表示させる。これにより、演出用可動体50の検知スイッチSW5が検知した個数、つまり、発射された遊技球の個数が分からなくなった遊技者が実行された大当り期待演出の発射個数を確認することができるとともに、正確な大当り期待度を遊技者に認識させることができる。
【0183】
(11)図柄変動ゲーム中に複数の期間を設定し、期間毎に大当り期待演出を行うこととした。そして、統括制御用CPU46aは、図柄変動ゲームの最初の期間(本実施形態では、第1期間)において大当り期待演出を実行させるとき、決定した変動パターンが大当り演出用の変動パターンである場合には、はずれ演出用(本実施形態では、はずれ演出用とはずれリーチ演出用)の変動パターンである場合と比較して、最初の期間(本実施形態では、第1期間)が終了するまでに行われる大当り期待演出の発射個数が、高確率で多くなるように最初の期間における大当り期待演出の発射個数を決定する。また、統括制御用CPU46aは、図柄変動ゲームの最初の期間以外の期間(本実施形態では、第2期間)において大当り期待演出を実行させるとき、決定した変動パターンがはずれ演出用(本実施形態では、はずれ演出用とはずれリーチ演出用)の変動パターンである場合と比較して、前回の期間(本実施形態では、第1期間)が終了するまでに検知スイッチSW5が検知した遊技球の個数と、今回の期間(本実施形態では、第2期間)における大当り期待演出の発射個数との合計個数が、高確率で多くなるように今回における大当り期待演出の発射個数を決定する。これにより、大当り期待演出が実行された場合、図柄変動ゲームが終了するまでの間に、大当り期待度に応じた発射個数となる。すなわち、ある期間(本実施形態では、第1期間)において、万が一演出領域内の遊技球が球詰まりにより排出されなかった場合、次の期間(本実施形態では、第2期間)において、検知された個数と発射個数の合計個数が大当り期待度に応じた発射個数となるように発射個数を決定することができる。また、ある期間(本実施形態では、第1期間)において、万が一演出領域内の遊技球が球詰まりにより排出されなかった場合や、次の期間(本実施形態では、第2期間)において発射個数が補正され、図柄変動ゲームが終了するまでの間に、大当り期待演度に応じた発射個数とすることができる。
【0184】
(12)図柄変動ゲーム中に複数回の期間を設定し、期間毎に大当り期待演出を行うこととした。統括制御用CPU46aは、図柄変動ゲーム中に予め設定された最初の期間以外(本実施形態では、第2期間)の期間において大当り期待演出を実行させるとき、検知スイッチSW5によって図柄変動ゲームが開始してから前回の期間(本実施形態では、第1期間)までに検出された発射個数と、今回の期間(本実施形態では、第2期間)において決定する発射個数との合計個数が、決定された変動パターンに応じて設定された発射個数の最大値以下となるように、今回の期間における発射個数を決定する。これにより、例え、ある期間(本実施形態では、第1期間)において、統括制御用CPU46aが決定した発射個数よりも多くの遊技球が発射されたとしても、次の期間(第2期間)において、統括制御用CPU46aは、検知スイッチSW5によって検知された遊技球の個数と、今回の期間において決定する発射個数との合計個数が、変動パターンに応じて設定された発射個数の最大値以下となるように、今回の期間における発射個数を決定する。このため、大当り期待度を超えるような遊技球が発射されることがなくなり、遊技者の期待感を裏切ることがない。
【0185】
(13)演出用可動体50において、演出用可動体50の演出通路59に発射される遊技球BLは、演出用可動体50の背面側通路58に貯留されている。また、演出用可動体50の演出通路59に発射された遊技球BLは、もう一度背面側通路58に貯留されるようにした。つまり、演出用可動体50内で遊技球BLが循環する構成とした。このようにすることで、演出用可動体50の外部から遊技球が混ざることがなくなる。また、演出用可動体50内の遊技球BLが遊技機外部、つまり演出用可動体50の外に排出されることがないため、演出通路59に発射すべき遊技球BLを失うことがなくなる。
【0186】
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、ラウンド遊技の規定ラウンド数、大入賞口41の1回の開閉動作に係る時間、ラウンド遊技時間を変更しても良い。
【0187】
・上記実施形態は、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機10に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
・上記実施形態において、サブ統括制御基板46を省略し、主制御基板45から直接、開放コマンドや閉鎖コマンドなどの大当り遊技に係るコマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力するようにしても良い。
【0188】
・上記実施形態において、大当り遊技の種類は、任意に変更しても良い。例えば、大当り遊技の規定ラウンド数や、入球上限個数を変更しても良い。また、大入賞口41の開閉動作回数を変更しても良い。例えば、1回のラウンド遊技中に大入賞口41を3回、開閉動作させるようにしても良い。
【0189】
・上記実施形態では、演出表示装置28を液晶式としたが、ドットマトリクス式や7セグメントLED式の演出表示装置としても良いし、ドラム式などの機械式の演出表示装置としても良い。
【0190】
・上記実施形態では、図柄変動ゲームの第1期間において複数の変動サイクルによる擬似連の演出を備えたが、備えなくても良い。
・上記実施形態では、1回の図柄変動ゲームにおける変動サイクルの最高回数を4回としたが、何回にしても良い。例えば、変動サイクルの最高回数を3回、5回、7回にしても良い。
【0191】
・上記実施形態において、統括制御用CPU46aが擬似連を伴う図柄変動ゲームを行うか否かを決定したが、そのようにしなくても良い。例えば、主制御用CPU45aが、擬似連を伴う図柄変動ゲームを行うか否かを決定する構成としても良い。
【0192】
・上記実施形態において、図柄変動ゲームで実行可能な変動サイクルの回数は変動パターンに基づいて決定されているが、そのようにしなくても良い。例えば、何回の変動サイクルを行うかを抽選で決定しても良い。
【0193】
・上記実施形態において、擬似連を伴う図柄変動ゲームでは、必ず1球以上の大当り期待演出の発射個数が、第1期間における大当り期待演出の発射個数として決定されるようにしたが、そのようにしなくても良い。この場合、大当り期待演出の発射個数を「0球」と決定した場合、統括制御用CPU46aが振り分けパターンを決定しない、若しくは、「0球」が決定されたとき用の振り分けパターンを備えるなどの構成を備えなければならない。
【0194】
・上記実施形態において、第1期間において大当り期待演出の発射個数を変動サイクル毎に振り分ける際に、最後の変動サイクルにおいてリーチの図柄組み合わせが形成されるまでに発射される遊技球の個数を「1球」以上にするようにしたが、そのようにしなくても良い。例えば、最後の変動サイクルにおいて「0球」を設定しても良い。
【0195】
・上記実施形態において、第1期間における大当り期待演出の発射個数を決定した後に、振り分けパターンに基づいて、変動サイクル毎に発射個数を振り分けたが、変動サイクル毎にテーブルを参照して発射個数を決定しても良い。なお、この場合には、複数種類の期間テーブルを備える必要がある。
【0196】
・上記実施形態において、第1期間における大当り期待演出の発射個数を決定した後に、統括制御用CPU46aが振り分けパターンを決定し、決定した振り分けパターンに基づいて、第1期間の変動サイクル毎に発射個数を振り分けたが、振り分けパターンを使用せず、統括制御用CPU46aが変動サイクル毎に発射個数を振り分けても良い。
【0197】
・上記実施形態において、第1期間での発射個数と、変動サイクルの回数に対応して特定の振り分けパターンが決定されるようにしたが、第1期間での発射個数と、変動サイクルの回数に対応した振り分けパターンを複数種類備え、その中から振り分けパターンを決定する構成としても良い。
【0198】
・上記実施形態において、第2期間においてノーマルリーチ変動を行う変動パターンと、スーパーリーチ変動を行う変動パターンを備えたが、ノーマルリーチ変動を行う変動パターンのみを有する構成としても良い。また、スーパーリーチ変動を行う変動パターンのみを有する構成としても良い。
【0199】
・上記実施形態において、スーパーリーチ変動から発展するウルトラスーパーリーチ変動を備えても良い。この場合、スーパーリーチ変動からウルトラスーパーリーチ変動へ発展することが、大当り期待度が高くなるような構成としても良い。
【0200】
・上記実施形態において、第2期間がノーマルリーチ変動のみのときは演出用可動体50に遊技球を発射するタイミングを2つとし、第2期間がノーマルリーチ変動とスーパーリーチ変動のときは演出用可動体50に遊技球を発射するタイミングを3つとしたが、そのようにしなくても良い。例えば、第2期間で遊技球が発射されるタイミングを同一として、発射される回数によって遊技者のスーパーリーチ変動へ発展する期待感を高くしても良い。この場合、第2期間に4回のタイミングが設定される構成としたとき、ノーマルリーチ変動中に1球以上発射された回数が1回であっても、3回のタイミングで「0球」発射を振り分けて4回のタイミングが行われたような構成とすることにより、遊技者が視認した回数と制御上の回数を異ならせて遊技者の期待感を向上させる構成とすることができる。
【0201】
・上記実施形態において、スーパーリーチ変動を1種類としたが何種類備えても良い。例えば、3種類、6種類、10種類備えても良い。また、それぞれのスーパーリーチ変動に大当り期待度の差をつけても良い。また、それぞれのスーパーリーチ変動にかかる時間を異ならせても良い。
【0202】
・上記実施形態において、ノーマルリーチ変動を1種類としたが1種類にしなくても良い。例えば、3種類、5種類、7種類備えても良い。また、それぞれのノーマルリーチ変動に大当り期待度の差をつけても良い。これに伴い、スーパーリーチ変動に発展する期待度を異ならせても良い。つまり、第1のノーマルリーチは、第2期間がノーマルリーチ変動で構成された変動パターンが決定されたときに実行されやすく、第2のノーマルリーチは、第2期間がスーパーリーチ変動で構成された変動パターンが決定されたときに実行されやすくする構成としても良い。
【0203】
・上記実施形態において、変動パターンP6,P7が決定されたときに、スーパーリーチ変動で大当りの図柄組み合わせを一旦停止表示するようにしたが、大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されれば良い。例えば、スーパーリーチ変動では、はずれの図柄組み合わせを一旦停止表示した後、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止させる演出を行っても良い。このようにすることで、一度はずれになったと思った遊技者を驚かせることができる。
【0204】
・上記実施形態において、第2期間における大当り期待演出の発射個数を決定した後に、振り分けパターンに基づいて、第2期間におけるタイミング毎に発射個数を振り分けたが、タイミング毎にテーブルを参照して発射個数を決定しても良い。なお、この場合には、複数種類の期間テーブルを備える必要がある。
【0205】
・上記実施形態において、第2期間における大当り期待演出の発射個数を決定した後に、統括制御用CPU46aが振り分けパターンを決定し、決定した振り分けパターンに基づいて、第2期間におけるタイミング毎に発射個数を振り分けたが、振り分けパターンを使用せず、統括制御用CPU46aが第2期間におけるタイミング毎に発射個数を振り分けても良い。
【0206】
・上記実施形態において、第2期間での発射個数と、変動パターンに対応して特定の振り分けパターンが決定されるようにしたが、第2期間での発射個数と、変動パターンに対応した振り分けパターンを複数種類備え、その中から振り分けパターンを決定する構成としても良い。
【0207】
・上記実施形態において、小当りに当選した際と、2R確変大当りに当選した際には、リーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されない構成としたがそのようにしなくても良い。例えば、確変示唆の図柄組み合わせをリーチの図柄組み合わせがはずれとなった表示結果(例えば、[343][767]など)にしても良い。
【0208】
・上記実施形態において、小当りと2R確変大当りによって、確変秘匿状態を作り出したが、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない2R非確変大当り遊技を備えて確変秘匿状態を作り出しても良い。この場合、2R確変大当りと2R非確変大当りによって確変秘匿状態を作り出しても良いし、2R確変大当りと2R非確変大当りと小当りによって確変秘匿状態を作り出しても良い。
【0209】
・上記実施形態において、確変秘匿状態を備えなくても良い。
・上記実施形態において、遊技状態が確変状態にあるときには、通常状態のときよりもはずれ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームで大当り期待演出の発射個数が多いものを決定しやすくしたが、通常状態と同じにしても良い。なお、この場合、図13に示す確変状態時の第1期間テーブルFT2は必要ない。
【0210】
・上記実施形態において、演出用可動体50を遊技盤YBの右下方に配置したが、遊技者の視認可能な場所で、パチンコ遊技機10に配置されていればどこでも良い。例えば、遊技盤YBの上方や、パチンコ遊技機10の枠(例えば、前枠14)などに配置しても良い。
【0211】
・上記実施形態において、演出用可動体50を用いて大当り期待演出を行ったが演出用可動体50を用いなくても良い。例えば、演出表示装置28や他の役物を用いて大当り期待演出を行っても良い。この場合、図柄変動ゲームの第1期間と第2期間において、大当り期待度が上昇する構成を備えていなくてはならない。例えば、パチンコ遊技機10の前枠14に、複数のランプを備え、当該ランプを段階的に点灯させることで、大当り期待度を変化させる態様としても良い。
【0212】
・上記実施形態において、演出用可動体50の検知スイッチSW5を、排出口53を通ったところに設置したが、演出通路59に発射された遊技球を検知できればどこに設置しても良い。例えば、連通口54と規制部51bの間の通路に設置しても良い。
【0213】
・上記実施形態において、演出用可動体50の検知スイッチSW5が検知した遊技球の個数を演出表示装置28に表示するようにしたが、演出表示装置28で表示しなくても良いし、検知個数を一切表示しないようにしても良い。また、例えば、遊技者が視認可能な遊技機の場所に検知個数を表示する7セグメント型のLEDを配置し、そこで検知個数を表示しても良い。
【0214】
・上記実施形態において、演出通路59に発射する遊技球を貯留して、演出用可動体50内で遊技球を循環させる構造にしたがそのようにしなくても良い。例えば、遊技盤YBの排除口(例えば、アウト口43)から排出される遊技球を貯留し、演出通路59に発射された遊技球は検知スイッチSW5に検知されると遊技機の外部に排出されるような構成としても良い。このようにすることで、ある程度の遊技球が貯留されないと、正確な大当り期待演出が実行されなくなる。このため、大当り期待演出が見たい遊技者は、遊技領域に遊技球を打ち込むこととなり、遊技の興趣が向上する。なお、この場合の貯留手段が、排出遊技球貯留手段として機能する。
【0215】
・上記実施形態において、演出用可動体50の裏面で貯留可能な遊技球の個数を「7球」としたが、そのようにしなくても良い。例えば、循環する構成であれば、「1球」、「5球」、「10球」としても良い。また、発射して検知した遊技球を遊技盤の外部に排出する構成であれば、1回の図柄変動ゲームで発射可能な最大個数以上の遊技球が貯留されていれば良い。
【0216】
・上記実施形態において、大当り期待演出の発射個数の最大個数を「7球」としたが何球にしても良い。例えば、「5球」、「10球」、「20球」にしても良い。
・上記実施形態において、リーチの図柄組み合わせが導出されることが確定する大当り期待演出の発射個数を「4球」としたが、何球にしても良い。例えば、「3球」、「5球」、「10球」としても良い。この場合、リーチの図柄組み合わせが導出されることが確定する態様としなければならない。また、そのような、リーチの図柄組み合わせが導出されることが確定する大当り期待演出の発射個数を設定しなくても良い。
【0217】
・上記実施形態において、リーチの図柄組み合わせが導出されることが確定する大当り期待演出の発射個数(本実施形態では、4球)に第1期間では達し難い構成としても良い。また、第1期間では、リーチの図柄組み合わせが導出されることが確定する大当り期待演出の発射個数(本実施形態では、4球)に達しないような構成としても良い。
【0218】
・上記実施形態において、スーパーリーチ変動に発展することが確定する大当り期待演出の発射個数を「5球」としたが、何球にしても良い。例えば、「3球」、「7球」、「10球」としても良い。この場合、スーパーリーチ変動に発展することが確定する態様としなければならない。また、そのような、スーパーリーチ変動に発展することが確定する大当り期待演出の発射個数を設定しなくても良い。
【0219】
・上記実施形態において、スーパーリーチ変動に発展することが確定する大当り期待演出の発射個数(本実施形態では、5球)に第1期間では達し難い構成としても良い。また、第1期間では、スーパーリーチ変動に発展することが確定する大当り期待演出の発射個数(本実施形態では、5球)に達しないような構成としても良い。
【0220】
・上記実施形態において、第2期間のノーマルリーチ変動の終了直前のタイミングにおいて、スーパーリーチ変動に発展することが確定する大当り期待演出の発射個数(本実施形態では、5球)に達するように振り分けても良い。
【0221】
・上記実施形態において、大当り表示結果が導出されることが確定する大当り期待演出の発射個数を「7球」としたが、何球にしても良い。例えば、「5球」、「10球」、「20球」としても良い。この場合、大当り表示結果が導出されることが確定する態様としなければならない。また、そのような、大当り表示結果が導出されることが確定する大当り期待演出の発射個数を設定しなくても良い。
【0222】
・上記実施形態において、大当り表示結果が導出されることが確定する大当り期待演出の発射個数(本実施形態では、7球)に第1期間では達し難い構成としても良い。また、第1期間では、大当り表示結果が導出されることが確定する大当り期待演出の発射個数(本実施形態では、7球)に達しないような構成としても良い。
【0223】
・上記実施形態において、変動パターン毎に設定された図柄変動ゲーム全体で発射可能な遊技球の最大個数を図柄変動ゲーム中に発射しない場合も存在するが、必ず最大個数の遊技球を1回の図柄変動ゲーム中に演出用可動体50に発射するようにしても良い。このようにすることで、図柄変動ゲームの正確な大当り期待度を遊技者に抱かせることができる。
【0224】
・上記実施形態において、大当り演出用の変動パターンP5〜P7が決定された場合には、大当り表示結果が導出されることが確定する「7球」の遊技球が発射され得る構成としたが、そのようにしなくても良い。例えば、図柄変動ゲーム全体で発射可能な遊技球の最大個数を「6球」とする大当り演出用の変動パターンを備えても良い。なお、この場合、発射される遊技球の個数に対応した大当り信頼度を損なわないように設定しなくてはならない。
【0225】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記個数決定手段は、変動パターン毎に大当り期待演出で演出装置の演出領域に発射される遊技球の発射個数が取り得る最大値を、1回の図柄変動ゲーム中に必ず発射するように発射個数を決定するようにした請求項2に記載の遊技機。
【0226】
(ロ)前記遊技領域には、遊技領域内に発射された遊技球を遊技機の外部に排出する排除口を複数備えるとともに、前記演出装置は、前記複数の排除口のうち予め決められた排除口に入球した遊技球の一部を遊技機の外部に排出する前に、一定量貯留する排出遊技球貯留手段を備え、前記発射手段は、前記排出遊技球貯留手段に貯留される遊技球を演出領域に発射し、前記排出手段は、前記演出領域の遊技球を当該演出領域外に排出し、前記検知手段は、排出された遊技球を検知した後、遊技機の外部へと排出するようにした請求項1、請求項2、及び技術的思想(イ)のうち何れか一項に記載の遊技機。
【0227】
(ハ)1回の図柄変動ゲームにおいて、前記演出装置の検知手段が検知した回数を前記表示手段に表示する請求項1〜請求項3、技術的思想(イ)、及び技術的思想(ロ)のうち何れか一項に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0228】
10…パチンコ遊技機、28…演出表示装置、41…大入賞口、45…主制御基板、45a…主制御用CPU、45b…主制御用ROM、45c…主制御用RAM、46…サブ統括制御基板、46a…統括制御用CPU、46b…統括制御用ROM、46c…統括制御用RAM、47…演出表示制御基板、47a…表示制御用CPU、47b…表示制御用ROM、47c…表示制御用RAM、50…演出用可動体、51…発射装置、52…モータ、58…背面側通路、59…演出通路、SW5…検知スイッチ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームにて予め決められた大当り表示結果が表示された場合、図柄変動ゲームの終了後に遊技球の入球が許容される入賞手段を開放するラウンド遊技により構成される大当り遊技が行われる遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、例えば、液晶ディスプレイ型の可変表示器を備え、当該可変表示器において複数種類の図柄を変動させて図柄組み合わせを表示する図柄変動ゲームが行われている。また、遊技者は、図柄変動ゲームで導出され、最終的に確定停止表示された図柄組み合わせから大当り、又ははずれを認識できる。そして、大当りの図柄組み合わせが表示された場合には、図柄変動ゲームの終了後に、遊技者が利益を獲得可能な大当り遊技が付与される。また、大当りの図柄組み合わせが表示されることを遊技者に期待させる予告演出が行われている。このようなパチンコ遊技機では、複数種類の予告演出を備え、図柄変動ゲームが開始してから終了までに複数のタイミングで予告演出を可変表示器などに表示させるなどしている(例えば、特許文献1参照)。そして、その予告演出の演出内容に応じて、遊技者は大当りの図柄組み合わせが表示されることに対しての期待感、所謂、大当り期待度を変化させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−211518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、大当り期待度の異なる予告演出を複数種類備え、図柄変動ゲームのあらゆるタイミングで何回か実行することで、大当り期待度がどのくらいなのか遊技者が認識できない場合がある。例えば、特許文献1では、リーチ前とリーチ後のタイミングで予告演出を異ならせている。そして、リーチ前の予告演出として、4種類の予告演出を備え、大当り期待度の低い「演出なし」の予告演出と、大当り期待度の高い「花火出現」の予告演出がある。また、リーチ後の予告演出として、3種類の予告演出を備え、大当り期待度の低い「表情変化なし」の予告演出と、大当り期待度の高い「喜ぶ」の予告演出がある。特許文献1のパチンコ遊技機では、リーチ前の予告演出によって、リーチ後の予告演出を決定している。しかし、大当りのときに、リーチ前の予告演出で「演出なし」の予告演出が行われた後、リーチ後の予告演出として大当り期待度の低い「表情変化なし」の予告演出が決定されることがある。この場合、大当りの図柄変動ゲームに対して、遊技者に適切な大当り期待度を抱かせることはできていない。また、遊技者は、適切な大当り期待度を抱いて遊技を行うことができない。
【0005】
また、役物を用いた予告演出で大当り期待度を変化させるパチンコ遊技機においては、最初の予告演出を実行させるタイミング(特許文献1では、リーチ前)において、実行を決定した演出内容の予告演出とは異なる演出内容の予告演出が実行されたとする。例えば、何らかの原因で、予告演出が実行されなかった場合、又は異なった演出内容の予告演出が実行されてしまった場合が考えられる。この場合、次のタイミング(特許文献1では、リーチ後)において、実行されなかった予告演出に対応する大当り期待度を補うことのできる演出内容の予告演出を実行するような構成を特許文献1では備えていない。よって、役物を用いた予告演出を実行するパチンコ遊技機においても、適切な大当り期待度を遊技者に抱かせることはできない。
【0006】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、図柄変動ゲームの大当り信頼度に応じた遊技演出を実行させることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、遊技球の入賞を検知する始動入賞手段と、前記始動入賞手段による遊技球の入賞検知を契機に複数種類の図柄を変動させて図柄変動ゲームを実行する表示手段と、を備え、前記図柄変動ゲームで予め決められた大当り表示結果が表示された場合には当該図柄変動ゲームの終了後に遊技球の入球が許容される入賞手段を開放するラウンド遊技により構成される大当り遊技が付与される遊技機において、前記図柄変動ゲームの開始時に、図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを判定する大当り判定手段と、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合には、前記図柄変動ゲームの演出時間を少なくとも特定可能な変動パターンを、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から決定し、前記大当り判定手段の判定結果が否定の場合には、複数種類のはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、遊技球が流下する遊技領域とは異なる演出領域に発射された遊技球の発射個数に応じて、図柄変動ゲームで大当り表示結果が表示される可能性を示す大当り期待演出を実行する演出装置と、前記大当り期待演出において、発射する遊技球の発射個数を決定する個数決定手段と、前記個数決定手段が決定した発射個数の遊技球を発射させて大当り期待演出を実行させるように前記演出装置を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出装置は、遊技球が流下する遊技領域とは異なる演出領域と、前記個数決定手段が決定した発射個数の遊技球を前記演出領域に発射する発射手段と、前記演出領域から排出される遊技球を検知する検知手段と、を有し、前記演出制御手段は、図柄変動ゲーム中に予め設定された複数の期間において、前記大当り期待演出を実行させ、前記変動パターン毎に、図柄変動ゲーム開始時から図柄変動ゲーム終了時までに大当り期待演出で発射される遊技球の個数が取り得る範囲は、予め設定されており、前記個数決定手段は、前記図柄変動ゲームの最初の期間において大当り期待演出を実行させるとき、前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンが大当り演出用の変動パターンである場合には、はずれ演出用の変動パターンである場合と比較して、最初の期間における発射個数が、高確率で多くなるように最初の期間における発射個数を決定し、前記図柄変動ゲームの最初の期間以外の期間において大当り期待演出を実行させるとき、前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンが大当り演出用の変動パターンである場合には、はずれ演出用の変動パターンである場合と比較して、前回の期間が終了するまでに検知手段により検知された遊技球の個数と、今回の期間における大当り期待演出の発射個数との合計個数が、高確率で多くなるように今回の期間における発射個数を決定するように構成されたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、遊技球の入賞を検知する始動入賞手段と、前記始動入賞手段による遊技球の入賞検知を契機に複数種類の図柄を変動させて図柄変動ゲームを実行する表示手段と、を備え、前記図柄変動ゲームで予め決められた大当り表示結果が表示された場合には当該図柄変動ゲームの終了後に遊技球の入球が許容される入賞手段を開放するラウンド遊技により構成される大当り遊技が付与される遊技機において、前記図柄変動ゲームの開始時に、図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを判定する大当り判定手段と、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合には、前記図柄変動ゲームの演出時間を少なくとも特定可能な変動パターンを、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から決定し、前記大当り判定手段の判定結果が否定の場合には、複数種類のはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、遊技球が流下する遊技領域とは異なる演出領域に発射された遊技球の発射個数に応じて、図柄変動ゲームで大当り表示結果が表示される可能性を示す大当り期待演出を実行する演出装置と、前記大当り期待演出において、発射する遊技球の発射個数を決定する個数決定手段と、前記個数決定手段が決定した発射個数の遊技球を発射させて大当り期待演出を実行させるように前記演出装置を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出装置は、遊技球が流下する遊技領域とは異なる演出領域と、前記個数決定手段が決定した発射個数の遊技球を前記演出領域に発射する発射手段と、前記演出領域から排出される遊技球を検知する検知手段と、を有し、前記演出制御手段は、図柄変動ゲーム中に予め設定された複数の期間において、前記大当り期待演出を実行させ、図柄変動ゲーム開始時から図柄変動ゲーム終了時までに大当り期待演出で発射される遊技球の発射個数が取り得る最大値は、前記変動パターン決定手段が大当り演出用の変動パターンを決定した場合、はずれ演出用の変動パターンを決定した場合よりも多くなるように設定されており、前記個数決定手段は、前記図柄変動ゲームの最初の期間において大当り期待演出を実行させるとき、前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに応じて設定された発射個数の最大値以下の発射個数を図柄変動ゲームの最初の期間における発射個数として決定し、前記図柄変動ゲームの最初の期間とは異なる期間において大当り期待演出を実行させるとき、前記検知手段によって図柄変動ゲームが開始してから前回の期間までに検知された発射個数と、今回の期間において決定する発射個数との合計個数が、前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに応じて設定された発射個数の最大値以下となるように、今回の期間における発射個数を決定することを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記演出装置は、前記演出領域の遊技球を排出する排出手段と、前記演出領域に発射する遊技球を貯留する貯留手段と、を更に有し、前記演出装置の発射手段は、前記貯留手段に貯留される遊技球を演出領域に発射し、前記排出手段は、前記演出領域の遊技球を当該演出領域から排出し、前記検知手段は、排出された遊技球を検知し、前記貯留手段は、前記検知手段により検知された遊技球を貯留するように構成されたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、図柄変動ゲームの大当り信頼度に応じた遊技演出を実行させることで、正確な大当り信頼度のもとで遊技者が遊技を楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】パチンコ遊技機の機表側を示す正面図。
【図2】遊技盤を示す拡大図。
【図3】演出用可動体の正面図。
【図4】発射装置の非可動時における演出用可動体の裏面図。
【図5】発射装置の可動時における演出用可動体の裏面図。
【図6】演出用可動体において、遊技球の移動態様を示す説明図。
【図7】(a)〜(b)は、演出用可動体において、遊技球の移動態様を示す説明図。
【図8】演出用可動体において、排出口から背面側通路へと遊技球が移動する態様を示す説明図。
【図9】大当り遊技の種類を説明する説明図。
【図10】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図11】変動パターンを説明する説明図。
【図12】通常状態時における第1期間テーブルFT1を示す説明図。
【図13】確変状態時における第1期間テーブルFT2を示す説明図。
【図14】0球検知時における第2期間テーブルST1を示す説明図。
【図15】1球検知時における第2期間テーブルST2を示す説明図。
【図16】2球検知時における第2期間テーブルST3を示す説明図。
【図17】3球検知時における第2期間テーブルST4を示す説明図。
【図18】4球検知時における第2期間テーブルST5を示す説明図。
【図19】5球検知時における第2期間テーブルST6を示す説明図。
【図20】6球検知時における第2期間テーブルST7を示す説明図。
【図21】(a)〜(b)は、第1期間において複数回の変動サイクル実行時の役物演出実行のタイムチャート。
【図22】(a)〜(b)は、第2期間においてリーチ演出実行時の役物演出実行のタイムチャート。
【図23】(a)〜(b)は、1回の図柄変動ゲームにおける役物演出実行のタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機(所謂、パチンコ機)に具体化した一実施形態を図1〜図23に基づいて説明する。
図1には、パチンコ遊技機10と該パチンコ遊技機10が遊技場の遊技機設置設備(遊技島)に設置された際に並設される遊技媒体貸出用ユニットとしてのカードユニット装置11が略示されている。カードユニット装置11には、遊技者に貸し出される貸出用遊技媒体としての遊技球(貸し球)と交換可能な交換媒体としてのプリペイドカードを投入するための投入口11aが設けられている。カードユニット装置11は、投入されたプリペイドカードの価値を読み書き可能な構成となっている。具体的に言えば、カードユニット装置11は、投入時にプリペイドカードの残金(価値)を読込むとともに、貸し球の払出しに伴ってプリペイドカードの残金(価値)を書き替える。
【0013】
パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠12の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠13が開放、及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠13の前面側には前枠14が開閉、及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠13に重なるように組み付けられている。このため、中枠13は、前枠14の後側に配置されており、機正面側からは視認し得ないようになっている。前枠14は、中央部に窓口15を有するとともに、該窓口15の下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な第1貯留皿としての上皿(貯留皿)16を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口15を覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱、及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠13に装着される。また、前枠14には、窓口15のほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う電飾表示部を構成する上側枠用ランプ部17と、左側枠用ランプ部18と、右側枠用ランプ部19とが配置されている。各枠用ランプ部17,18,19は、前枠14の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズ17a,18a,19aで覆って構成されている。
【0014】
前枠14には、窓口15の左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行う左スピーカ20と、右スピーカ21とが配置されている。左スピーカ20と右スピーカ21は、前枠14の裏面に装着されており、該前枠14の前面であって左スピーカ20、及び右スピーカ21の装着部位に対応する部位には図示しない放音孔が複数形成されている。
【0015】
中枠13の前面側であって前枠14の下部には、上皿16から溢れ出た遊技球を貯留する第2貯留皿としての下皿(貯留皿)23が装着されている。また、中枠13の前面側であって下皿23の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル24が装着されている。また、中枠13には、下皿23の左方に、各種音声を出力して音声演出を行う下スピーカ25が配置されている。下スピーカ25は、中枠13に装着されている。
【0016】
上皿16には、その左方側に機内部から払出される遊技球の払出口16aが設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路16bが連設されており、さらに右方側に貯留通路16b内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿16に貯留された遊技球は、貯留通路16bにより前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル24の回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、下皿23には、上皿16から溢れ出て流下した遊技球の出口23aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部23bが遊技球の出口23aに連設されている。
【0017】
次に、遊技盤YBの構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤YBの前面には、発射ハンドル24の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域H1を形成する誘導レール26が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール26によって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路26aが形成されるとともに、誘導レール26の内側に遊技領域H1が形成される。また、遊技盤YBの前面であって誘導レール26の外側となる遊技領域H1外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域H2とされている。
【0018】
遊技盤YBの遊技領域H1のほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)27が装着されている。表示枠体27の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口27aが形成されており、当該セット口27aに整合して表示枠体27には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段及び演出表示手段としての演出表示装置28が装着されている。演出表示装置28には、複数列(本実施形態では、3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、当該図柄変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において、演出表示装置28の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では、3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置28の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。また、表示枠体27には、発光により発光演出を行う盤用ランプ部27bが装着されている。
【0019】
また、表示枠体27の左下方には、表示手段としての特別図柄表示装置30が設けられている。特別図柄表示装置30は、例えば7セグメントLED型の発光装置から構成されている。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
【0020】
演出表示装置28と特別図柄表示装置30では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、特別図柄表示装置30では特別図柄の変動が開始する一方で、演出表示装置28では各列の飾り図柄の変動が開始する。そして、演出表示装置28と特別図柄表示装置30には、大当り抽選の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に大当り図柄(大当り表示結果)、又ははずれ図柄(はずれ表示結果)が確定的に停止表示される。このとき、特別図柄表示装置30と演出表示装置28では、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合には何れの表示装置にも大当り図柄が確定的に停止表示(確定停止表示)され、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合には何れの表示装置にもはずれ図柄が確定停止表示される。大当り図柄は、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものであり、はずれ図柄は、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものである。
【0021】
本実施形態において特別図柄表示装置30には、複数種類(本実施形態では、111種類)の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、その選択された特図が図柄変動ゲームの終了によって個別に確定停止表示される。111種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄と、小当りを認識し得る図柄となる10種類の小当り図柄と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。また、大当り図柄には、大当り抽選に当選し、大当り遊技を構成する規定ラウンド数が16回に設定されている16ラウンド大当り遊技の付与が決定された場合に選択される大当り図柄(本実施形態では、85種類)と、大当り遊技を構成する規定ラウンド数が2回に設定されている2ラウンド大当り遊技の付与が決定された場合に選択される大当り図柄(本実施形態では、15種類)とがある。また、特別図柄表示装置30に大当り図柄が表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。また、特別図柄表示装置30に小当り図柄が表示された場合、遊技者には、小当り遊技が付与される。
【0022】
また、本実施形態において演出表示装置28には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]の8種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態において演出表示装置28は、特別図柄表示装置30に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、演出表示装置28に停止表示された図柄組み合わせから大当り、又ははずれを認識できる。演出表示装置28に停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾図による大当りの図柄組み合わせ(大当り図柄)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置28に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][757]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ図柄)となる。なお、はずれの図柄組み合わせの中でも所定の図柄組み合わせ(例えば、[345][357]など)が表示された場合には、大当り及び小当りのいずれかに当選したことを認識できる。この大当り及び小当りの何れかに当選したことを認識できる図柄組み合わせが、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態となる確率変動状態(確変状態)が付与される可能性を示唆する確変示唆の図柄組み合わせとなる。
【0023】
また、本実施形態において、演出表示装置28における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾り図柄が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置28において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾図が停止表示されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では、左列と右列)の飾図が同一種類となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では、中列)の飾図が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾図によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾図を一旦停止表示させる左列が第1停止図柄列になるとともに、次に飾図を一旦停止表示させる右列が第2停止図柄列になり、さらに最後に飾図を一旦停止表示させる中列が第3停止図柄列となる。
【0024】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置28の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置30の表示領域よりも大きく形成し、演出表示装置28を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置30よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出(例えば、リーチ演出や予告演出)が行われる演出表示装置28の表示内容に注目し、当該演出表示装置28の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り、小当り、又ははずれを認識することになる。
【0025】
また、特別図柄表示装置30の下方には、普通図柄表示装置31が設けられている。普通図柄表示装置31は、例えば7セグメントLED型の発光装置から構成されている(本実施形態では、2つのLEDによって構成される)。普通図柄表示装置31では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う当りか否か(開閉羽根35の開動作により下始動入賞口34を開放するか否か)の内部抽選(当り抽選)の抽選結果を表示する。そして、本実施形態の普通図柄表示装置31では、当り抽選で当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで当りを認識できる発光態様で発光(本実施形態では、2つのLEDを点灯)させる一方で、当り抽選ではずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームではずれを認識できる発光態様で発光(本実施形態では、2つのLEDを消灯)させる。
【0026】
また、表示枠体27の下方の遊技領域H1には、遊技球の入球口33aを有する上始動入賞口33と遊技球の入球口34aを有する下始動入賞口34が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口33は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口33aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口34は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根35を備えており、開閉羽根35が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口34aを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口34は、開閉羽根35が開動作して入球口34aが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。なお、本実施形態では、上始動入賞口33及び下始動入賞口34が始動入賞手段として機能する。
【0027】
上始動入賞口33の奥方には、入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1(図10に示す)が配設されているとともに、下始動入賞口34の奥方には、入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2(図10に示す)が配設されている。上始動入賞口33と下始動入賞口34は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口34は開閉羽根35が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根35が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球の入球が不能となる状態とされる。
【0028】
また、図2に示すように、下始動入賞口34の下方には、図示しないアクシュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉40を備えた入賞手段としての大入賞口41が配設されている。大入賞口41の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図10に示す)が設けられている。そして、大当り遊技が生起されると、大入賞口扉40の開動作によって大入賞口41が開放されて遊技球が入球可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。また、小当り遊技は、内部抽選で小当りが決定し、図柄変動ゲームにて小当り図柄が確定停止表示されることを契機に付与される。
【0029】
大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該図柄変動ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉40の開動作により大入賞口41が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数(ラウンド遊技の上限回数)を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過する、又は予め定めた入球上限個数の遊技球が入球する、の何れか一方の条件を満たすことにより終了する。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。本実施形態のパチンコ遊技機10では、図9に示すように、規定ラウンド数を「16回」、又は「2回」に設定した大当り遊技が付与されるようになっている。
【0030】
また、表示枠体27の左方の遊技領域H1には、普通図柄作動ゲート42が配設されている。普通図柄作動ゲート42の奥方には、該普通図柄作動ゲート42へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図10に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート42は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件のみを付与し得る。
【0031】
また、遊技盤YBの遊技領域H1の最下方(大入賞口41よりも下方)には、遊技領域H1に発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト球口43が形成されている。アウト球口43を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。なお、本実施形態では、上始動入賞口33、下始動入賞口34、大入賞口41、及びアウト球口43が排除口として機能する。
【0032】
また、遊技盤YBの右下方の遊技領域H1には、演出装置及び演出実行手段としての演出用可動体50が配置されている。より詳しくは、遊技盤YBの右下方には、収容部60が貫通形成されており、当該収容部60に演出用可動体50が収納されている。
【0033】
ここで、演出用可動体50の構成について、図3〜図8に基づいて説明する。
演出用可動体50は、透明な樹脂により形成されており、略四角形の筒状に形成された露出部50aと、略L字状に形成された背面部50bにより構成されている。パチンコ遊技機10の表面(遊技者側)から見たとき(図3及び図6)において、前記露出部50aは、その長手方向が右上に傾斜するように設けられている。また、露出部50aは、遊技盤YBに形成された収容部60に収容された際、その表面部分が露出するように構成されている。さらに、露出部50aの内部には、その長手方向に沿って遊技球BLが通過することができるように演出通路(演出領域)59が形成されている。露出部50aは、透明な樹脂により形成されているため、演出通路59を通過する遊技球BLを視認することができるようになっている。
【0034】
一方、パチンコ遊技機10の裏側から見たとき(図4及び図5)において、背面部50bは、略L字状に形成されており、その上端が露出部50aの上端と一致するように設けられている。また、露出部50aの下端は、背面部50bの左右方向中央部分に配置されるように固定されている。そして、背面部50bの内部には、その形状に沿うように略L字状の背面側通路58が形成されている。また、背面側通路58の左右方向に延びる部分は、下方に向かって僅かに傾斜している。当該背面側通路58は、遊技球BLが通過可能に構成されている。このため、背面側通路58の上端に位置する遊技球BLは、背面側通路58の下端に向かって、略L字状の通路に沿って転動するようになっている。そして、背面側通路58の上端は、露出部50a内に形成された演出通路59の上端と排出口53を介して連通しているとともに、背面側通路58の下端は、露出部50a内に形成された演出通路59の下端と連通口54を介して連通している。すなわち、背面側通路58を通過した遊技球BLが、演出通路59を通過して再び背面側通路58に戻ってくるように背面側通路58と演出通路59が繋がっている。なお、背面部50bは、遊技盤YBの収容部60に収容されたとき、遊技盤YB及び露出部50aにより遮られて遊技者から見えないようになっている。
【0035】
また、演出用可動体50の背面部50bには、背面側通路58を移動する遊技球BLの移動を規制する一方、遊技球BLの移動規制を解除して、演出通路59側に移動させる発射装置51(球切りSOL)が設けられている。発射装置51は、背面側通路58の左右方向略中央に配置されている。発射装置51は、左右方向(背面側通路58に沿う方向)に可動する操作部51a(可動部)を有しており、制御信号(発射コマンド)を入力すると、操作部51aの先端が発射装置51の本体51c側に移動するように構成されている。一方、制御信号を入力していない場合には、操作部51aに取り付けられたバネの弾性力により、発射装置51の本体51cから離れるように操作部51aが移動することとなる。
【0036】
また、発射装置51は、略円盤状の規制部51bを有している。規制部51bは、背面側通路58を通過する遊技球の流下方向とは直行する方向を軸として回転可能に背面部50bに固定されている。そして、規制部51bには、その規制部51bの一部を切り欠くようにして爪部が形成されている。当該爪部は、規制部51bが背面部50bに固定されたとき、背面側通路58内に突出する部分の一部を切り欠くように形成されたものである。このため、爪部は、背面側通路58から突出することとなり、背面側通路58を下方に向かって移動する遊技球BLと係合してその移動を規制することとなる。また、爪部は、背面側通路58の下流側(図4の左右方向において右側)に位置するように形成されている。
【0037】
また、規制部51bの上端は、操作部51aの先端と回転可動に固定されている。すなわち、操作部51aが本体51cに近づく方向に移動すると、規制部51bの上端(操作部51aと規制部51bの固定点)が操作部51aの動きにしたがって本体51cに近づく方向に移動する。すると、規制部51bは、軸を中心として回転する。これにより、爪部が図4において上方に移動して、爪部による遊技球BLの移動規制を解除する。その際、爪部とは反対側(上流側、図4において左側)の部分が下方に移動して、2個目以降の遊技球BLの動きを規制するようになっている(図5参照)。なお、発射装置51は、複数の遊技球(本実施形態では、7球)が貯留できるように背面側通路58の途中に設置されている。
【0038】
そして、演出通路59には、演出通路59に沿って回転体55が回転可能に固定されている。前記回転体55は、パチンコ遊技機10の表面から見たとき(図3及び図6)において、その長手方向が右上に傾斜するように両端が固定されている。そして、回転体55の回転軸は、演出通路59に沿うように配置されている。また、回転体55の回転軸は、演出通路59のほぼ中央を貫くように配置されている。また、回転体55の表面には、誘導用突出部55aが形成されている。前記誘導用突出部55aは、回転体55の回転軸を中心として、(回転体55の下方から見たとき)右斜め上方向に向かって螺旋を巻くように形成されている。また、軸方向において、誘導用突出部55aは、所定の間隔を空けて形成されている。本実施形態では、誘導用突出部55aは、遊技球BLの直径よりも僅かに広い間隔を空けて形成されている。また、回転体55は、図7に示すように、パチンコ遊技機10の前後方向において、演出通路59の奥方に配置されている。すなわち、パチンコ遊技機10の前後方向において、演出通路59の前壁57から回転体55の表面までの距離は、遊技球BLの直径よりも僅かに大きく形成されている。その一方、パチンコ遊技機10の前後方向において、演出通路59の後壁56から回転体55の表面までの距離は、遊技球BLの直径よりも僅かに小さく、かつ、誘導用突出部55aの突出長よりも僅かに大きく形成されている。これにより、演出通路59に移動した遊技球BLは、パチンコ遊技機10の前後方向において、図7に示すように、演出通路59の前壁57と回転体55の間を移動することとなる。そして、遊技球BLが誘導用突出部55aの間に入り、回転体55が回転すると、誘導用突出部55aに沿って上昇する。
【0039】
また、背面部50bの上端には、図3に示すように、モータ52が取り付けられている。当該モータ52のモータ軸は、回転体55と平行となるように配置されている。そして、モータ軸には、回転体55の上端に取り付けられた回転体側ギアと噛合するモータ側ギアが取り付けられている。モータ52は、制御信号(回転コマンド)を入力すると、モータ軸を回転させるようになっている。そして、モータ52が駆動し、モータ軸が回転することにより、回転体55が回転することとなる。また、背面側通路58の上端には、背面側通路58の上端を通過した(すなわち、演出通路59の排出口53から排出された)遊技球BLを検知する検知スイッチSW5が設けられている。
【0040】
背面側通路58に遊技球BLが貯留されているとき、すなわち、発射装置51により遊技球BLの移動が規制されているときに、操作部51aが発射装置51の本体51cに近づく方向に移動して、爪部を上方に移動させると、遊技球BLの移動規制が解除される(図5参照)。移動規制が解除されると、遊技球BLは、背面側通路58の形状に沿って、背面側通路58の下端に移動する。そして、下端に形成された連通口54を通過して、演出通路59に移動する。演出通路59に移動した遊技球BLは、図6に示すように、演出通路59の下方(図6において地点a)に移動する。そして、遊技球BLが、誘導用突出部55aの間に入り込んだ状態で回転体55が回転軸の下方側から見て反時計周り(図6の矢印Ya方向)に回転すると、遊技球BLは、図7(a)、図7(b)に示すように、回転体55の誘導用突出部55aの形状に沿って持ち上げられるようにして上方に移動する。そして、上昇移動した遊技球BLは、演出通路59の上端(図6において地点b)に達すると、排出口53に入球し、図8に示すように、背面側通路58へと移動する。
【0041】
また、排出口53に入球した遊技球BLは、図8に示すように検知スイッチSW5に検知され、背面側通路58へと流れる。そして、背面側通路58において、連通口54へと転がることを規制されている数個の遊技球の最後の遊技球BLとして貯留される。なお、図8に示す説明図は、図3における演出用可動体50の右側からの側面図である。また、本実施形態では、背面側通路58及び発射装置51が、貯留手段として機能する。また、本実施形態では、モータ52及び回転体55が、排出手段として機能する。
【0042】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率(通常状態)である通常確率から高確率に変動する確変状態を付与する機能である。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、確変状態が付与されると、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート42の通過に基づく普通図柄変動ゲームの抽選確率(当り当選確率)が低確率である通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与される場合がある。下始動入賞口34の開閉羽根35は、入球率向上状態が付与されている場合と、入球率向上状態が付与されていない場合とでは、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。通常状態時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根35が1回開放し、開放してから100ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。また、入球率向上状態時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根35が開放する回数が増加(例えば、3回)するとともに、1回の開放において開放してから1400ms(通常状態に比較して長い時間)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根35は、入球率向上状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。
【0043】
また、確変状態は、次の大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、確変状態は、次回の大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。また、本実施形態の入球率向上状態は、確変図柄(大当り遊技)の種類、及び確変大当りとなる図柄変動ゲームがどのような遊技状態で行われたか(本実施形態では入球率向上状態であるか否か)によって付与されるか否かが決定される。
【0044】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「時短」と示す)機能を備えている。時短機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)を低確率(通常状態)として、入球率向上状態を特典として付与する機能である。また、時短状態が付与されると、大当りの抽選確率は低確率であるが、入球率向上状態が特典として付与されるようになっている。すなわち、開閉羽根35は、時短状態が付与されている場合、通常状態が付与されている場合と比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。そして、時短状態は、予め定めた回数(本実施形態では、100回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、時短状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。本実施形態では、非確変大当りとなるとき、大当り遊技終了後、時短状態が付与される場合がある。
【0045】
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技について、図9に基づいて詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、3種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技の種類が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、3種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技を付与するかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において、100種類の特別図柄の大当り図柄は、図9に示すように、特別図柄A、特別図柄B、特別図柄Cの3種類に分類されている。
【0046】
そして、特別図柄Aには50種類の大当り図柄が、特別図柄Bには35種類の大当り図柄が、特別図柄Cには15種類の大当り図柄がそれぞれ属している。このように特別図柄を振分けた場合、特別図柄Aに基づく大当り遊技は大当り全体の50%(100分の50)となり、特別図柄Bに基づく大当り遊技は大当り全体の35%(100分の35)となる。また、特別図柄Cに基づく大当り遊技は大当り全体の15%(100分の15)となる。また、図9に示す特別図柄Dには、小当りに対応する10種類の特別図柄の小当り図柄が振分けられている。なお、はずれの場合には、1種類の特別図柄のはずれ図柄が振り分けられている。
【0047】
特別図柄Aに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「16回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口41を「1回」開放させることにより大当り遊技中に大入賞口41を「16回(16ラウンド×1回)」開放させる大当り遊技となっている。以下、特別図柄Aに基づく大当り遊技を「16R確変大当り遊技」と示す(なお、「R」は、「ラウンド」を示している)。16R確変大当り遊技は、大入賞口41を開放させて行い、その大当り遊技終了後には大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、確変状態と、その確変状態の終了時まで入球率向上状態が付与されるようになっている。すなわち、本実施形態において、16R確変大当り遊技では、確変状態と入球率向上状態が確変状態の最大付与期間(次に大当り遊技が付与されるまで)の間付与されるようになっている。そして、16R確変大当り遊技は、オープニング演出時間として「7000(ms)」が、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25000(ms)」が、エンディング演出時間として「12000(ms)」が設定されている。また、16R確変大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「10球」に設定されている。
【0048】
特別図柄Bに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「16回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口41を「1回」開放させることにより大当り遊技中に大入賞口41を「16回(16ラウンド×1回)」開放させる大当り遊技となっている。以下、特別図柄Bに基づく大当り遊技を「16R非確変大当り遊技」と示す。16R非確変大当り遊技は、大入賞口41を開放させて行い、その大当り遊技終了後には大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、確変状態は付与されず、大当り遊技終了後に予め定めた回数(本実施形態では、100回)の図柄変動ゲームが終了するまでの間、入球率向上状態が付与されるようになっている。すなわち、本実施形態において、16R非確変大当り遊技では、予め定めた回数(本実施形態では、100回)を上限回数として入球率向上状態のみ付与されるようになっている。そして、16R非確変大当り遊技は、オープニング演出時間として「7000(ms)」が、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25000(ms)」が、エンディング演出時間として「12000(ms)」が設定されている。また、16R非確変大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「10球」に設定されている。
【0049】
特別図柄Cに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「2回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口41を「1回」開放させることにより大当り遊技中に大入賞口41を「2回(2ラウンド×1回)」開放させる大当り遊技となっている。以下、特別図柄Cに基づく大当り遊技を「2R確変大当り遊技」と示す。2R確変大当り遊技は、大入賞口41を開放させて行い、大当り抽選の当選時における遊技状態に応じて、大当り遊技終了後に確変状態及び入球率向上状態が付与される場合と、大当り遊技終了後に確変状態のみが付与される場合とがある。具体的には、大当り抽選の当選時において、入球率向上状態が付与されていなければ、大当り遊技終了後に確変状態は付与されるが入球率向上状態は付与されない。結果、確変状態のみが付与される(入球率向上状態が0(零)回付与される)。すなわち、本実施形態において、2R確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時において、入球率向上状態が付与されていなければ、確変状態のみが確変状態の最大付与期間(次に大当り遊技が付与されるまで)の間付与されるようになっている。その一方で、2R確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時において、入球率向上状態が付与されていれば、確変状態及び入球率向上状態が確変状態の最大付与期間(次に大当り遊技が付与されるまで)の間付与されるようになっている。
【0050】
また、2R確変大当り遊技では、オープニング時間として「4(ms)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「500(ms)」が、エンディング時間として「996(ms)」それぞれ設定されている。なお、2R確変大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「2000(ms)」に設定されている。よって、2R確変大当り遊技において1ラウンド目の大入賞口41が開放(1回目のラウンド遊技が開始)してから2ラウンド目の大入賞口41が閉鎖(2回目のラウンド遊技が終了)するまでの時間は、「500(ms)+2000(ms)+500(ms)」からなる「3000(ms)」に設定されていることになる。また、2R確変大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「10球」に設定されている。
【0051】
特別図柄Dに基づく小当り遊技は、規定ラウンド数が「1回」に設定されているとともに、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「10球」に設定されている。また、小当り遊技の1回のラウンド遊技では、大入賞口41を「2回」開放させるように設定されている。また、小当り遊技では、当該小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態で継続させるようになっている。すなわち、小当り遊技では、小当り抽選の当選時の遊技状態が確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が時短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を時短状態に継続させる。また、小当り遊技では、小当り抽選の当選時の遊技状態が非確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が非時短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非時短状態に継続させる。
【0052】
また、小当り遊技では、オープニング時間として「0(ms)」が、エンディング時間として「1000(ms)」がそれぞれ設定されている。そして、小当り遊技におけるラウンド遊技の大入賞口41の開放態様として、開放1回目と開放2回目の開放時間がそれぞれ「500(ms)」に設定されているとともに、開放1回目と開放2回目(開放1回目の終了から開放2回目の開始まで)の間にはインターバル時間として「2000(ms)」が設定されている。これにより、小当り遊技における1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間は、「500(ms)+2000(ms)+500(ms)」からなる「3000(ms)」に設定されていることになる。
【0053】
このため、大入賞口扉40の開放態様や、ラウンド遊技時間等から2R確変大当り遊技と、小当り遊技のうち何れが付与されたかを、遊技者が判別することはできないようになっている。同様に、当り抽選の当選時の遊技状態や、当り遊技終了後に入球率向上状態が付与されるか否かにより、2R確変大当り遊技と小当り遊技のうち何れが付与されたかを、遊技者が判別することはできないようになっている。
【0054】
なお、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間は、各ラウンド遊技が入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。しかしながら、2R確変大当り遊技のラウンド遊技における大入賞口41の開放時間(500(ms))は、1回のラウンド遊技において、大入賞口41に入球する遊技球の入球個数が、入球上限個数を満たさないような時間に設定されている。因みに、パチンコ遊技機10では、1分間あたりの遊技球の発射個数がおおよそ「100球」に設定されているので、遊技球を1球発射させるために要する時間は「600(ms)」となる。すなわち、2R確変大当り遊技の各ラウンド遊技において、ラウンド遊技時間(500(ms))内に、入球上限数となる「10球」の遊技球を発射して、入球させるのは実質的に無理である。また、小当り遊技のラウンド遊技の大入賞口41の合計開放時間(1000(ms)(500(ms)×2))内に、入球上限個数となる「10球」の遊技球を発射して、入球させるのは実質的に無理である。
【0055】
本実施形態のパチンコ遊技機10は、1回の図柄変動ゲームにおいて、少なくとも図柄の変動開始から3列の図柄が一旦停止表示するまでを1回の変動サイクルとして演出を実行し、複数回の変動サイクルを連続して実行することで前記演出が複数回、連続して実行される連続予告演出(擬似連続予告演出(擬似連))を実行可能に構成されている。なお、本実施形態では、1回の図柄変動ゲームにおいて図柄の変動開始から3列の図柄が一旦停止表示するまでを1回実行する場合と、2回以上実行する場合とがある(少なくとも1回は実行される)。また、擬似連は、演出表示装置28と特別図柄表示装置30で行われる1回の図柄変動ゲームにおいて、演出表示装置28のみで演出として表現される。1回の図柄変動ゲームは、図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動開始によって開始し、図柄の変動が停止した後に図柄が確定停止表示されることによって終了する。この1回の図柄変動ゲームは、1球の保留記憶数に対応して実行されるものである。すなわち、擬似連を伴う1回の図柄変動ゲームは、内部制御において1回の図柄変動ゲームを、恰も複数回の図柄変動ゲームが連続して行われているかのように擬似的に演出表現してなされるものである。そして、本実施形態の擬似連を伴う1回の図柄変動ゲームは、当該ゲームを構成する演出を伴って実行される変動サイクルの実行回数によって大当り表示結果(大当り図柄)が表示されるか否かの可能性が変化するように構成されている。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機10は、大当り抽選に当選した場合には大当り抽選に当選していない場合に比して、変動サイクルの実行回数が多い擬似連を伴って図柄変動ゲームが行われ易くなっている。
【0056】
図柄の変動とは、演出表示装置28、及び特別図柄表示装置30における表示図柄の種類を変化させながら図柄又は図柄列が動作している状態を示す。例えば、演出表示装置28における図柄の変動は、画像表示部GHにおいて図柄列が予め定めた表示順序にしたがって図柄をスクロール表示させるように動作している状態を示す。また、図柄の一旦停止表示とは、演出表示装置28において図柄が揺れた状態で停止して表示されている状態を示し、特別図柄表示装置30において図柄が停止していない(変動している)状態のことである。また、図柄の確定停止表示とは、演出表示装置28において図柄が揺れていない状態で停止表示されている状態を示し、特別図柄表示装置30において図柄が停止して表示されている状態を示す。そして、演出表示装置28における図柄の停止には、一旦停止表示と確定停止表示がある。
【0057】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について図10にしたがって説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御装置としての主制御基板45が装着されている。主制御基板45は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板46と、演出表示制御基板47と、音声・ランプ制御基板48が装着されている。
【0058】
サブ統括制御基板46は、主制御基板45が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板47、音声・ランプ制御基板48、及び演出用可動体50を統括的に制御する。演出表示制御基板47は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置28の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板48は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ部17〜19,27bの発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)、及びスピーカ20,21,25の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。また、演出用可動体50は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、モータ52の回転態様(回転の速さ、回転動作開始のタイミングなど)、及び発射装置51の可動態様(発射のタイミング、発射する遊技球の個数など)を制御する。
【0059】
以下、主制御基板45、サブ統括制御基板46、及び演出表示制御基板47について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板45には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU45aと、主制御用CPU45aの制御プログラムを格納する主制御用ROM45bと、必要なデータの書き込み、及び読み出しができる主制御用RAM45cが設けられている。主制御用CPU45aには、主制御用ROM45bと主制御用RAM45cが接続されている。また、主制御用CPU45aには、上始動入賞口33に入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1と、下始動入賞口34に入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2が接続されている。また、主制御用CPU45aには、大入賞口41に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3と、普通図柄作動ゲート42を通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4が接続されている。また、主制御用CPU45aには、図柄表示基板49を介して、特別図柄表示装置30と普通図柄表示装置31が接続されている。図柄表示基板49は、特別図柄表示装置30、及び普通図柄表示装置31と対応する位置にそれぞれ装着されており、主制御基板45が出力する制御信号を入力し、特別図柄表示装置30、及び普通図柄表示装置31の表示内容を制御する。
【0060】
また、主制御用CPU45aは、当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM45cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、主制御用CPU45aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、主制御用CPU45aには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
【0061】
主制御用ROM45bには、パチンコ遊技機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM45bには、メイン制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、演出表示装置28、及び特別図柄表示装置30において図柄の変動開始による図柄変動ゲームが開始してから、演出表示装置28、及び特別図柄表示装置30において図柄が確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了するまでの間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出など)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特別図柄が変動開始してから特別図柄が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。そして、変動パターンは、当り演出用(当り変動用)、はずれリーチ演出用(はずれリーチ変動用)、及びはずれ演出用(通常変動用)からなる変動内容毎に分類されている。
【0062】
変動パターンは、図11に示すように、大当り抽選、及び小当り抽選に当選しなかったはずれの場合に選択されるはずれ演出用(はずれリーチなし演出用)の変動パターンP1と、はずれリーチ演出用の変動パターンP2〜P4がある。また、変動パターンは、大当り抽選に当選した際、又は小当り抽選に当選した際に選択される当り演出用の変動パターンP5〜P8がある。
【0063】
本実施形態において、当り演出用の変動パターンには、16R確変大当り遊技、又は16R非確変大当り遊技が決定された際に選択される変動パターンP5〜P7(大当り演出用の変動パターン)がある。また、当り演出用の変動パターンには、2R確変大当り遊技、又は小当り遊技が決定された際に選択される変動パターンP8がある。本実施形態のパチンコ遊技機10では、2R確変大当り遊技、又は小当り遊技が決定された際には、同一の変動パターンP8が選択されるようになっており、図柄変動ゲームの演出内容が同一内容(同一変動時間)となるようになっている。
【0064】
なお、変動パターンP5〜P7に基づき行われる当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される当り演出である。また、変動パターンP8に基づき行われる当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的に確変示唆の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される当り演出である。また、変動パターンP2〜P4に基づき行われるはずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開されるはずれ演出である。また、変動パターンP1に基づき行われるはずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開されるはずれ演出である。リーチ演出は、演出表示装置28の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当りの図柄組み合わせ、又ははずれの図柄組み合わせ)が導出される迄の間に行われる演出である。また、特別図柄表示装置30では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。また、はずれ演出用の変動パターンP1に基づき行われるはずれ演出、及び変動パターンP8に基づき行われる当り演出は、図柄変動ゲームの開始後、各列の図柄を予め定めた変動停止順序(例えば、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて各列に図柄を導出させる演出である。
【0065】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、変動パターンP2〜P7には、リーチ変動を伴う。そして、これら変動パターンP2〜P7に基づいて図柄変動ゲームを展開させる具体的な表示演出内容を特定する。また、本実施形態のパチンコ遊技機10において、変動パターンP2〜P7に基づく図柄変動ゲームでは、原則、当該図柄変動ゲームの演出内容を視認しても、図柄変動ゲームで図柄組み合わせが確定停止表示される、及び最終的に演出結果が導出されるまでの間、何れの変動パターンに基づく図柄変動ゲームであるか(大当り演出、及びはずれリーチ演出)を遊技者に認識させないようになっている。
【0066】
図11に示す変動パターンP1は、通常変動を行うはずれ演出のパターンとなっている。また、変動パターンP2は、ノーマルリーチ変動を行うはずれリーチ演出用の変動パターンとなっている。変動パターンP5は、ノーマルリーチ変動を行う当り演出用の変動パターンとなっている。また、変動パターンP3,P4は、スーパーリーチ変動を行うはずれリーチ演出用の変動パターンとなっている。また、変動パターンP6,P7は、スーパーリーチ変動を行う当り演出のパターンとなっている。また、変動パターンP8は、通常変動を行う当り演出のパターンとなっている。なお、本実施形態の「通常変動」とは、図柄変動ゲームの開始後、各列の図柄を予め定めた変動停止順序(例えば、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて各列に図柄を導出させる演出である。
【0067】
また、ノーマルリーチ変動とスーパーリーチ変動はリーチ演出の種類を示している。ノーマルリーチ変動とは、演出表示装置28において、リーチの図柄組み合わせが一旦停止表示された後、残り1列(本実施形態では、中列)を変動させて飾図を導出する演出内容のリーチ演出である。スーパーリーチ変動とは、リーチ演出の演出内容が2段階で構成されたものであり、ノーマルリーチ変動が実行されて、全列の飾図が一旦停止表示した後又は中列の飾図が変動表示中、例えば、特定のキャラクタが登場し、登場キャラクタの名称で呼ばれる「○○リーチ」へ移行(発展)して飾図を導出する演出内容のリーチ演出である。スーパーリーチ変動では、ノーマルリーチ変動が1段階目となり、ノーマルリーチ変動から発展する内容となっている。なお、図11では、ノーマルリーチ変動を「NR」、スーパーリーチ変動を「SR」と示す。
【0068】
また、本実施形態では、主制御用CPU45aは、大当り抽選に当選した際(大当りのとき)、スーパーリーチ変動を行う変動パターンを決定しやすい。一方、主制御用CPU45aは、大当り抽選に当選しなかった際(はずれのとき)、スーパーリーチ変動を行う変動パターンを決定し難い。よって、スーパーリーチ変動(スーパーリーチのリーチ演出)が行われると、遊技者の大当り期待度が高まる構成となっている。
【0069】
本実施形態において、変動パターンP1,P8は、変動内容として擬似連を伴わない図柄変動ゲームを行うパターンとされている。そして、変動パターンP1,P8には、擬似連を伴わないで、それぞれに定めた演出内容で図柄変動ゲームを実行する変動パターンである。本実施形態において、擬似連を実行する(伴わせる)とは、複数回(2回〜4回)の変動サイクルを実行することであって、擬似連を実行しないとは、1回の変動サイクルのみを実行することとなる。
【0070】
また、本実施形態において、変動パターンP2〜P7は、変動内容として擬似連を伴う図柄変動ゲームを行うことの可能な変動パターンである。また、同一の変動パターンで図柄変動ゲームが実行されるとき、擬似連が実行される場合、と実行されない場合とで、リーチの図柄組み合わせが一旦停止表示するまでの時間が変わることはない。例えば、変動パターンP3に基づいた図柄変動ゲームにおいて、擬似連を伴わせる場合に図柄変動ゲームが開始してから変動サイクルが3回行われて演出表示装置28にリーチの図柄組み合わせが一旦停止するまでの時間と、擬似連を伴わせない場合に図柄変動ゲームが開始してから演出表示装置28にリーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されるまでの時間は同一である。
【0071】
変動パターンP2,P5は、擬似連を伴う図柄変動ゲームを行う場合、擬似連を構成する擬似連回数を「2回」に定めた変動パターンとなっている。これら擬似連回数を「2回」とする変動パターンP2,P5では、1回の変動サイクルを実行した後、2回目(最終回)の変動サイクルでそれぞれに定めた演出内容のリーチ演出(本実施形態ではノーマルリーチ変動)を実行可能になっている。また、変動パターンP2,P5の変動時間は、変動パターンP1に基づく変動時間(本実施形態では12000(ms))と、保留記憶数が存在する場合に連続して図柄変動ゲームの実行を指示するまでのゲームインターバル時間(600(ms))と、ノーマルリーチ変動の変動時間から構成されている。
【0072】
また、変動パターンP3,P6は、擬似連を伴う図柄変動ゲームを行う場合、擬似連を構成する擬似連回数を「3回」に定めた変動パターンとなっている。これら擬似連回数を「3回」とする変動パターンP3,P6では、2回の変動サイクルを実行した後、3回目(最終回)の変動サイクルでそれぞれに定めた演出内容のリーチ演出(本実施形態では、スーパーリーチ変動)を実行可能になっている。また、変動パターンP3,P6の変動時間は、変動パターンP1に基づく変動時間と、保留記憶数が存在する場合に連続して図柄変動ゲームの実行を指示するまでのゲームインターバル時間の2セット分と、スーパーリーチ変動の変動時間から構成されている。
【0073】
また、変動パターンP4,P7は、擬似連を伴う図柄変動ゲームを行う場合、擬似連を構成する擬似連回数を「4回」に定めた変動パターンとなっている。これら擬似連回数を「4回」とする変動パターンP4,P7では、3回の変動サイクルを実行した後、4回目(最終回)の変動サイクルでそれぞれに定めた演出内容のリーチ演出(本実施形態では、スーパーリーチ変動)を実行可能になっている。また、変動パターンP4,P7の変動時間は、変動パターンP1に基づく変動時間と、保留記憶数が存在する場合に連続して図柄変動ゲームの実行を指示するまでのゲームインターバル時間の3セット分と、スーパーリーチ変動の変動時間から構成されている。
【0074】
また、本実施形態では、図柄変動ゲームにて、リーチ演出が行われる場合、変動パターンにより特定される演出時間が長いほど大当り期待度(大当り信頼度)が高くなるように設定されている。すなわち、主制御用CPU45aは、大当り遊技の付与を決定している場合、演出時間が短い変動パターンよりも長い変動パターンを決定し易くなっている。一方、主制御用CPU45aは、大当り判定の判定結果が否定であって、リーチ判定の判定結果が肯定の場合、演出時間が長い変動パターンよりも短い変動パターンを決定し易くなっている。したがって、本実施形態では、擬似連回数が多くなるほど(すなわち、演出時間が長くなるほど)、大当り期待度が高まる。また、本実施形態では、演出時間が短くなるリーチ演出(本実施形態では、ノーマルリーチ変動のみの場合)よりも演出時間が長くなるリーチ演出(本実施形態では、スーパーリーチ変動)ほど、大当り期待度が高まるようになっている。
【0075】
また、主制御用ROM45bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り判定で用いる判定値があり、当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。例えば、当り判定用乱数の取り得る数値を「0(零)」〜「1438」までの全1439通りの整数に設定し、その値の中から大当り判定値として4つの値を設定した場合、大当り判定の判定結果が肯定とされる割合、すなわち大当りの当選確率は1439分の4となる。なお、通常状態と、確変状態では、大当り判定値の数が異なり、確変状態の方が大当り判定値の数が多くなっている。例えば、通常状態(非確変状態)では、大当り判定値として4個の値を取り得る場合、確変状態では、大当り判定値として36個の値を取り得るようになっている。これより、確変状態時、大当り判定における当選確率が高くなる。
【0076】
また、主制御用ROM45bには、小当り判定値が記憶されている。小当り判定値は、小当り判定で用いる判定値であり、大当り判定値とはことなる値で当り判定用乱数が取り得る数値の中から定められている。例えば、当り判定用乱数の取り得る値を「0(零)」〜「1438」までの全1439通りの整数に設定し、その値の中から小当り判定値として8つの値を設定した場合、小当り判定の判定結果が肯定とされる割合、すなわち、小当りの当選確率は1439分の8となる。
【0077】
次に、サブ統括制御基板46について説明する。
サブ統括制御基板46には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU46aと、統括制御用CPU46aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM46bと、必要なデータの書き込み、及び読み出しができる統括制御用RAM46cが設けられている。統括制御用CPU46aには、統括制御用ROM46bと統括制御用RAM46cが接続されている。そして、統括制御用CPU46aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、統括制御用ROM46bには、前記制御プログラムに加え、各種演出のうち何れの演出を行うか決定するための演出データが記憶されている。
【0078】
また、統括制御用CPU46aには、演出用可動体50が接続されており、演出用可動体50の検知スイッチSW5から検知信号を入力することができるようになっている。すなわち、統括制御用CPU46aは、排出口53へ遊技球が入球したことを検知することができる。また、統括制御用CPU46aは、1回の図柄変動ゲームの開始から終了までを検知有効期間として設定するようになっている。また、統括制御用CPU46aは、この検知有効期間中に検知スイッチSW5が、遊技球が排出口53に入球したことを検知する。また、統括制御用CPU46aは、当該検知スイッチSW5が1回の図柄変動ゲーム中に検知した回数を検知回数として、統括制御用RAM46cに記憶する。そして、本実施形態では、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている検知回数を演出表示装置28に表示する指示を演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aに出力する。なお、本実施形態では、演出用可動体50の検知スイッチSW5が検知手段として機能する。また、本実施形態では、発射装置51が発射手段として機能する。
【0079】
次に、演出表示制御基板47について説明する。
演出表示制御基板47には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU47aと、表示制御用CPU47aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM47bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM47cが設けられている。表示制御用CPU47aには、演出表示装置28(画像表示部GH)が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU47aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。表示制御用ROM47bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。なお、表示制御用ROM47bには、統括制御用CPU46aによって実行が指示される各種演出に応じて実行させる内容を特定したりする演出データなどが記憶されている。なお、本実施形態では、演出表示制御基板47が予告演出制御手段として機能する。
【0080】
以下、主制御基板45、サブ統括制御基板46、及び演出表示制御基板47が実行する制御内容を説明する。最初に、主制御基板45、サブ統括制御基板46、及び演出表示制御基板47が実行する制御内容として、図柄変動ゲームの実行に係る制御内容を説明する。
【0081】
主制御基板45の主制御用CPU45aは、上始動入賞口33、又は下始動入賞口34へ遊技球が入球し、当該遊技球を検知した始動口スイッチSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM45cに記憶されている特別図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では、4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特別図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU45aは、特別図柄用の保留記憶数を1加算(+1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU45aは、保留判定の判定結果を肯定としている場合、当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、その取得した当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を特別図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU45aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特別図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を取得しない。
【0082】
そして、主制御用CPU45aは、大当り遊技中ではなく、かつ図柄変動ゲームの実行中でない場合、図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納した当り判定用乱数の値を読み出し、その読み出した当り判定用乱数の値と、主制御用ROM45bに記憶されている大当り判定値と、を比較し、大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。大当り判定の判定結果が肯定(当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU45aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU45aは、大当り図柄用乱数の値をもとに、特別図柄表示装置30で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる大当り図柄(特別図柄)を決定する。特別図柄の大当り図柄は、図9に示すように、大当り遊技の種類毎に振り分けられていることから、大当り図柄を決定することによって遊技者に付与する大当り遊技の種類を決定したことになる。また、大当り判定の結果が否定(当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、当り判定用乱数の値と、主制御用ROM45bに記憶されている小当り判定値と、を比較し、小当りか否かの小当り判定(小当り抽選)を行う。小当り判定の判定結果が肯定(当り判定用乱数の値と小当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU45aは、小当りを決定する。小当りを決定した主制御用CPU45aは、特別図柄表示装置30で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる小当り図柄(特別図柄)を決定する。
【0083】
そして、大当り図柄を決定した主制御用CPU45aは、決定した大当り図柄を主制御用RAM45cに記憶する。また、大当りを決定した主制御用CPU45aは、変動パターンを当り演出用の変動パターンの中から選択して決定する。なお、本実施形態において、主制御用CPU45aは、大当り図柄として特別図柄A、又は特別図柄Bを決定する場合には、当り演出用の変動パターンとして変動パターンP5〜P7のうち何れかを決定する。そして、大当り図柄として特別図柄Cを決定する場合には、当り演出用の変動パターンとして変動パターンP8を決定する。
【0084】
また、小当り図柄を決定した主制御用CPU45aは、決定した小当り図柄を主制御用RAM45cに記憶する。また、小当りを決定した主制御用CPU45aは、当り演出用の変動パターンとして変動パターンP8を決定する。
【0085】
一方、主制御用CPU45aは、大当り判定の判定結果が否定(当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)で、かつ、小当り判定の判定結果が否定(当り判定用乱数の値と小当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、はずれを決定した主制御用CPU45aは、特別図柄表示装置30に確定停止表示させるはずれ図柄(特別図柄)を決定する。また、はずれを決定した主制御用CPU45aは、はずれリーチ演出を実行するか否かを乱数抽選により決定する。この判定結果が肯定(はずれリーチ演出を実行する)の場合、主制御用CPU45aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、当該変動パターン振分用乱数の値に対応する変動パターンをはずれリーチ演出用の変動パターンの中から選択して決定する。なお、本実施形態において、主制御用CPU45aは、はずれ図柄を決定するとともにはずれリーチ演出の実行を決定する場合には、はずれリーチ演出用の変動パターンとして変動パターンP2〜P4のうち何れかの変動パターンを決定する。
【0086】
一方、主制御用CPU45aは、はずれリーチ演出を実行するか否かの判定結果が否定(はずれリーチ演出を実行しない)の場合、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、変動パターン振分用乱数の値に対応する変動パターンをはずれ演出用の変動パターンの中から選択して決定する。なお、本実施形態において、主制御用CPU45aは、はずれ図柄を決定するとともに、はずれリーチ演出の実行を決定しない場合には、はずれ演出用の変動パターンとして変動パターンP1を決定する。(削除)
特別図柄、及び変動パターンを決定した主制御用CPU45aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板46(統括制御用CPU46a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU45aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。次に、主制御用CPU45aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを出力する。本実施形態では、特別図柄として大当り図柄を指示する場合の停止図柄指定コマンドが、大当り図柄コマンドとなる。そして、主制御用CPU45aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを出力する。また、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始時に特別図柄用の保留記憶数を1減算(−1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。そして、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置30の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(大当り図柄、小当り図柄、又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
【0087】
また、主制御用CPU45aは、大当りを決定した場合、又は小当りを決定した場合、当り演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技に係る制御(オープニング演出などの演出指示や大入賞口扉40開閉動作の制御)を実行する。なお、本実施形態では、主制御用CPU45aが大当り判定手段、変動パターン決定手段、リーチ判定手段、確変判定手段、確変状態付与手段、モード設定手段、及び変動サイクル回数決定手段として機能する。
【0088】
次に、サブ統括制御基板46について説明する。
サブ統括制御基板46の統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドに基づき図柄変動ゲームの具体的な表示演出内容を決定する。
【0089】
そして、統括制御用CPU46aは、入力した変動パターン指定コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、統括制御用CPU46aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力した際、当該停止図柄指定コマンドにより大当り図柄又は小当り図柄が指定されている場合には、その指定された特別図柄を統括制御用RAM46cに記憶する。また、統括制御用CPU46aは、図柄停止コマンドを入力すると、当該コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。そして、統括制御用CPU46aは、1回の図柄変動ゲームが終了されるので、次の図柄変動ゲームの実行に係る処理に移行する。
【0090】
また、統括制御用CPU46aは、当り演出用の変動パターンが指定され、かつ指定された特別図柄が16R確変大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、又は指定された特別図柄が16R非確変大当り遊技に対応する大当り図柄の場合には、最終的に停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄として大当りの図柄組み合わせ([111][222][333][444][555][666][777][888])を決定する。
【0091】
また、統括制御用CPU46aは、変動パターンP2〜P7の変動パターンが指定された場合、その図柄変動ゲームにおいて擬似連を伴わせるか否かを乱数抽選により決定する。統括制御用CPU46aは、擬似連を伴わせることを決定した場合、指定された変動パターンにより擬似連の回数を特定する。そして、統括制御用CPU46aは、最後の変動サイクル以外の変動サイクル終了時において一旦停止表示させる飾図によるはずれの図柄組み合わせを決定する。また、統括制御用CPU46aは、擬似連を伴わせる場合、擬似連の実行を指示する擬似連指定コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。
【0092】
また、統括制御用CPU46aは、指定された最終停止図柄が、2R確変大当り遊技に対応する大当り図柄又は小当り遊技に対応する小当り図柄の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、確変示唆の図柄組み合わせを決定する。このように、本実施形態では、2R確変大当り遊技又は小当り遊技の場合、確変示唆の図柄組み合わせのみを決定し得るようにした。このため、2R確変大当り遊技又は小当り遊技では、2R確変大当り遊技又は小当り遊技の態様を同一態様にし、入球率向上状態の付与態様が同一態様となる場合においては遊技態様からだけでなく演出表示装置28の表示内容からも2R確変大当り遊技と小当り遊技の何れが付与されているかを、遊技者に認識し得ないようになっている。
【0093】
また、統括制御用CPU46aは、はずれリーチ演出用、又ははずれ演出用の変動パターンが指定され、特別図柄の停止図柄指定がはずれ図柄の場合には、最終的に確定停止表示させるはずれの図柄組み合わせ(はずれリーチ演出用の場合は、はずれリーチの図柄組み合わせ)を決定する。そして、飾り図柄を決定した統括制御用CPU46aは、飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板47に出力する。また、統括制御用CPU46aは、全図柄停止コマンドを入力すると、当該コマンドを演出表示制御基板47に出力する。
【0094】
次に、演出表示制御基板47について説明する。
演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aは、統括制御用CPU46aが出力した変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドで指示される図柄変動ゲームを実行させるように演出表示装置28(画像表示部GH)の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU47aは、擬似連指定コマンドを入力すると、変動パターンに基づき擬似連の回数を特定する。そして、表示制御用CPU47aは、変動サイクル終了毎に入力した停止図柄指定コマンドに基づき飾り図柄を一旦停止表示させる。また、表示制御用CPU47aは、統括制御用CPU46aが出力した図柄停止コマンドを入力すると、図柄変動ゲームの表示結果として、停止図柄指定コマンドで指示される飾り図柄の図柄組み合わせを表示させるように演出表示装置28(画像表示部GH)の表示内容を制御する。
【0095】
次に、主制御基板45、サブ統括制御基板46、及び演出表示制御基板47が実行する制御内容として、大当り遊技及び小当り遊技を実行する際の制御内容について説明する。
主制御基板45の主制御用CPU45aは、当り演出用の変動パターンに基づいて行われた図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技又は小当り遊技を付与する。このとき、主制御用CPU45aは、当り演出となる図柄変動ゲームの開始直前に決定した特別図柄(大当り図柄又は小当り図柄)の種類から、付与する大当り遊技又は小当り遊技を特定し、その特定した大当り遊技又は小当り遊技に応じた制御を実行する。
【0096】
そして、主制御用CPU45aは、決定した特別図柄が16R大当り遊技に対応する特別図柄A、又は特別図柄Bの場合、最初にオープニング演出を実行させる。そして、オープニング演出の終了後、主制御用CPU45aは、16回のラウンド遊技を実行させる。これらの大当り遊技では、1回のラウンド遊技において大入賞口41が1回開放する。そして、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間、すなわち大入賞口41の開放時間は、図9に示すように、「25000(ms)」に設定されている。また、主制御用CPU45aは、大入賞口41を開放させてラウンド遊技を開始させると、ラウンド遊技時間が経過したか否かの判定と規定入球個数(本実施形態では、10球)の遊技球が入球したか否かの判定を行う。また、主制御用CPU45aは、ラウンド遊技の開始時に、開始させたラウンド遊技の回数を示すラウンド開放指定コマンドをサブ統括制御基板46に出力する。そして、主制御用CPU45aは、何れか一方を肯定判定すると、ラウンド遊技の終了条件が成立したことにより、大入賞口41を閉鎖してラウンド遊技を終了させる。また、このとき、主制御用CPU45aは、ラウンド閉鎖指定コマンドを出力する。
【0097】
1回のラウンド遊技を終了させた主制御用CPU45aは、ラウンド間インターバル時間(本実施形態では1000(ms))の経過後に、次のラウンド遊技を開始させるべく大入賞口41を開放させる。そして、16回のラウンド遊技が終了したならば、主制御用CPU45aは、エンディング処理を実行して、エンディング演出を実行させる。
【0098】
また、主制御用CPU45aは、特別図柄Aに基づく大当り遊技が付与された場合には、エンディング処理において確変状態を付与することを示す確変フラグに、「1」を設定するとともに、入球率向上状態を付与することを示す作動フラグに、「1」を設定する。また、主制御用CPU45aは、特別図柄Aに基づく大当り遊技が付与され、作動フラグに、「1」を設定するとき、入球率向上状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数を設定しない。つまり、入球率向上状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数が設定されるまで入球率向上状態を付与する。
【0099】
また、主制御用CPU45aは、特別図柄Bに基づく大当り遊技が付与された場合には、エンディング処理において確変状態を付与することを示す確変フラグに、「0」を設定するとともに、入球率向上状態を付与することを示す作動フラグに、「1」を設定する。また、主制御用CPU45aは、特別図柄Bに基づく大当り遊技が付与され、作動フラグに、「1」を設定するとき、入球率向上状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数に100回を設定する。
【0100】
また、主制御用CPU45aは、決定した特別図柄が2R確変大当り遊技に対応する特別図柄Cの場合、最初にオープニング演出を実行させる。そして、オープニング演出の終了後、主制御用CPU45aは、2回のラウンド遊技を実行させる。この2R確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技において大入賞口41が1回開放する。そして、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間、すなわち大入賞口41の開放時間は、図9に示すように、「500(ms)」に設定されている。また、主制御用CPU45aは、大入賞口41を開放させてラウンド遊技を開始させると、ラウンド遊技時間が経過したか否かの判定と規定入球個数(本実施形態では、10球)の遊技球が入球したか否かの判定を行う。また、主制御用CPU45aは、ラウンド遊技の開始時に、開始させたラウンド遊技の回数を示すラウンド開放指定コマンドをサブ統括制御基板46に出力する。そして、主制御用CPU45aは、何れか一方を肯定判定すると、ラウンド遊技の終了条件が成立したことにより、大入賞口41を閉鎖してラウンド遊技を終了させる。また、このとき、主制御用CPU45aは、ラウンド閉鎖指定コマンドを出力する。
【0101】
1回のラウンド遊技を終了させた主制御用CPU45aは、ラウンド間インターバル時間(本実施形態では、2000(ms))の経過後に、次のラウンド遊技を開始させるべく大入賞口41を開放させる。そして、2回のラウンド遊技が終了したならば、主制御用CPU45aは、エンディング処理を実行して、エンディング演出を実行させる。
【0102】
また、主制御用CPU45aは、特別図柄Cに基づく大当り遊技が付与され、エンディング処理において入球率向上状態を付与する場合(大当り当選時に入球率向上状態が付与されていた場合)には、入球率向上状態を付与することを示す作動フラグに、「1」を設定するとともに、確変状態を付与することを示す確変フラグに、「1」を設定する。また、主制御用CPU45aは、特別図柄Cに基づく大当り遊技が付与され、作動フラグに、「1」を設定する場合、入球率向上状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数を設定しない。つまり、入球率向上状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数が設定されるまで入球率向上状態を付与する。また、主制御用CPU45aは、特別図柄Cに基づく大当り遊技が付与され、エンディング処理において入球率向上状態を付与しない場合(大当り当選時に入球率向上状態が付与されていなかった場合)には、作動フラグに、「0」を設定するとともに、確変フラグに、「1」を設定する。
【0103】
また、主制御用CPU45aは、決定した特別図柄が小当り遊技に対応する特別図柄Dの場合、主制御用CPU45aは、1回のラウンド遊技を実行させる。この小当り遊技では、1回のラウンド遊技において大入賞口41が2回開放する。そして、1回のラウンド遊技におけるそれぞれの大入賞口41の開放時間は、図9に示すように、「500(ms)」に設定されている。また、1回目の大入賞口41の開放が終了(閉鎖)してから2回目の大入賞口41の開放が開始(開放)するまでのインターバル時間は、「2000(ms)」に設定されている。また、主制御用CPU45aは、大入賞口41を開放させてラウンド遊技を開始させると、ラウンド遊技時間が経過したか否かの判定と規定入球個数(本実施形態では、10球)の遊技球が入球したか否かの判定を行う。また、主制御用CPU45aは、ラウンド遊技の開始時に、開始させたラウンド遊技の回数を示すラウンド開放指定コマンドをサブ統括制御基板46に出力する。そして、主制御用CPU45aは、何れか一方を肯定判定すると、ラウンド遊技の終了条件が成立したことにより、大入賞口41を閉鎖してラウンド遊技を終了させる。また、このとき、主制御用CPU45aは、ラウンド閉鎖指定コマンドを出力する。
【0104】
1回のラウンド遊技を終了させた主制御用CPU45aは、1回のラウンド遊技が終了したならば、主制御用CPU45aは、エンディング処理を実行して、エンディング演出を実行させる。
【0105】
また、主制御用CPU45aは、特別図柄Dに基づく大当り遊技が付与され、エンディング処理において、入球率向上状態を付与することを示す作動フラグ、および確変状態を付与することを示す確変フラグを設定しない。つまり、小当り遊技が付与された場合には、作動フラグ、確変フラグを新たに設定しないことから、小当り遊技の当選時の作動フラグの設定状態、及び確変フラグの設定状態を引き継ぐ。
【0106】
次に、サブ統括制御基板46の大当り遊技の実行に係る制御内容について説明する。
サブ統括制御基板46の統括制御用CPU46aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出の演出内容を決定し、オープニング演出の演出内容を指示するオープニング演出コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、統括制御用CPU46aは、ラウンド開放指定コマンドを入力すると、ラウンド遊技中の演出を指示するために、ラウンド演出コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板に出力する。また、統括制御用CPU46aは、ラウンド閉鎖指定コマンドを入力すると、ラウンド閉鎖指定コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板に出力する。そして、統括制御用CPU46aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出の演出内容を決定し、エンディング演出の演出内容を指示するエンディング演出コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力し、16R確変大当り遊技、16R非確変大当り遊技、2R確変大当り遊技、又は小当り遊技の実行にかかる制御を終了する。
【0107】
次に、演出表示制御基板47による大当り遊技の実行に係る制御内容を説明する。
演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aは、統括制御用CPU46aが出力するオープニング演出コマンドを入力すると、そのオープニング演出コマンドで指示された演出内容(大当り遊技中演出)でオープニング演出を実行させるように演出表示装置28(画像表示部GH)の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU47aは、各ラウンド演出コマンドを入力すると、そのラウンド演出コマンドで指示された演出内容(大当り遊技中演出)で各ラウンド演出を実行させるように演出表示装置28(画像表示部GH)の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU47aは、エンディング演出コマンドを入力すると、そのエンディング演出コマンドで指示された演出内容(大当り遊技中演出)でエンディング演出を実行させるように演出表示装置28(画像表示部GH)の表示内容を制御する。
【0108】
なお、音声・ランプ制御基板48は、オープニング演出コマンド、エンディング演出コマンド、各ラウンド演出コマンドを入力すると、各種ランプ部17〜19,27bの発光態様及びスピーカ20,21,25の音声出力態様を制御する。すなわち、音声・ランプ制御基板48は、演出表示制御基板47と同様にこれらのコマンドで指示された演出内容に応じた演出を行わせるように制御を行う。
【0109】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲーム中に大当り期待演出を行う。大当り期待演出とは、図柄変動ゲームの開始から図柄変動ゲームの終了までに段階的に行われるもので、その段階数に応じて遊技者の大当り期待度を高める演出である。本実施形態では、演出用可動体50を用いて、大当り期待演出を行っている。また、本実施形態では、大当り期待演出の段階が進む毎に、演出用可動体50の背面側通路58から遊技球BLが演出通路59に発射される構成としている。また、本実施形態では、1回の図柄変動ゲームにおいて背面側通路58から演出通路59に発射された遊技球の個数(大当り期待演出の段階数)が多いほど大当り期待度が高くなる構成としている。つまり、大当り抽選に当選した場合(大当りのとき)には、背面側通路58から演出通路59への発射個数(大当り期待演出の段階数)が多くなりやすい。一方、大当り抽選に当選しなかった場合(はずれのとき)には、背面側通路58から演出通路59への発射個数が少なくなりやすい構成としている。
【0110】
以下、サブ統括制御基板46、及び演出用可動体50の大当り期待演出に係る制御について説明する。これより、演出用可動体50の背面側通路58から演出通路59に発射される遊技球の個数を単に「発射個数」と示す場合がある。
【0111】
サブ統括制御基板46の統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドに基づき図柄変動ゲームで実行する大当り期待演出の演出内容(段階数)を決定する。
【0112】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、1回の図柄変動ゲームを複数の期間に分けている。具体的には、1回の図柄変動ゲームにおいて、図柄変動ゲームが開始してから演出表示装置28においてリーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されるまでを第1期間とし、演出表示装置28にリーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されてから図柄変動ゲームが終了するまでを第2期間としている。つまり、本実施形態では、1回の図柄変動ゲームを2つの期間に分けている。そして、第1期間と第2期間において、それぞれ大当り期待演出の発射個数を決定し、演出通路59に遊技球BLを発射する。また、本実施形態では、1回の図柄変動ゲーム中における発射個数に応じて大当り期待度が高まる構成としているため、第1期間における発射個数と、第2期間における発射個数との合計個数で遊技者の大当り期待度が高まる構成としている。なお、変動パターンP1,P8に基づく図柄変動ゲームでは、リーチの図柄組み合わせが一旦停止することがないことから、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了するまでを第1期間としている。つまり、変動パターンP1,P8では、第2期間が設定されていない。
【0113】
まず、図柄変動ゲームの第1期間における大当り期待演出の発射個数の決定態様について図12,13に基づき説明する。
統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、確変フラグに設定されている値に応じて第1期間での発射個数を決定するための第1期間テーブルを決定する。
【0114】
具体的には、確変フラグに「0」が設定されているとき、つまり、遊技状態が通常状態のときには、第1期間テーブルFT1(図12に示す)を参照することを決定する。また、確変フラグに「1」が設定されているとき、つまり、遊技状態が確変状態のときには、第1期間テーブルFT2(図13に示す)を参照することを決定する。ここで、第1期間テーブルFT1,FT2について、図12,13に基づいて説明する。なお、図12,13に示す第1期間テーブルFT1,FT2は、統括制御用ROM46bに記憶されている。
【0115】
図12に示す第1期間テーブルFT1には、変動パターンの種類毎に、第1期間における発射個数が複数対応付けられており、対応付けられた各発射個数に、乱数が1又は複数個ずつ振り分けられている。例えば、第1期間テーブルFT1では、変動パターンP1が指定されている場合に、146個の乱数を発射個数「0球」に、50個の乱数を発射個数「1球」に、30個の乱数を発射個数「2球」に、25個の乱数を発射個数「3球」に振り分けている。このため、第1期間テーブルFT1では、変動パターンP1が指定されている場合に、発射個数「0球」が選択される確率を146/251とし、発射個数「1球」が選択される確率を50/251とし、発射個数「2球」が選択される確率を30/251とし、発射個数「3球」が選択される確率を25/251としている。
【0116】
図13に示す第1期間テーブルFT2には、第1期間テーブルFT1と同様に、変動パターンの種類毎に、第1期間における発射個数が複数対応付けられており、対応付けられた各発射個数に、乱数が1又は複数個ずつ振り分けられている。例えば、第1期間テーブルFT2では、変動パターンP1が指定されている場合に、161個の乱数を発射個数「0球」に、5個の乱数を発射個数「1球」に、5個の乱数を発射個数「2球」に、80個の乱数を発射個数「3球」に振り分けている。このため、第1期間テーブルFT2では、変動パターンP1が指定されている場合に、発射個数「0球」が選択される確率を161/251とし、発射個数「1球」が選択される確率を5/251とし、発射個数「2球」が選択される確率を5/251とし、発射個数「3球」が選択される確率を80/251としている。
【0117】
そして、参照する第1期間テーブルを決定した統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドに基づいて、大当り期待演出の発射個数を決定する。第1期間テーブルFT1,FT2における乱数の振り分けにおいて、図12,13に示すように、変動パターンP1が指定されている場合にのみ乱数の振り分けが異なっている。具体的には、変動パターンP1が指定されている場合に、第1期間テーブルFT2を参照しているときには、第1期間テーブルFT1を参照しているときよりも、発射個数「0球」又は「3球」を選択しやすい。つまり、通常変動では、遊技状態が確変状態にあるときには、通常状態であるときよりも、発射個数として「0球」、又は「3球」が選択されやすい。これにより、通常変動において発射個数「0球」、及び発射個数「3球」の大当り期待演出が実行されることが多いと、遊技者は、遊技状態が確変状態にあるのではないかと期待することができる。また、リーチ演出が行われる変動パターン(本実施形態では、変動パターンP2〜P7)では、変動パターン毎に設定された上限個数が「4球」以上に設定されている。一方、リーチ演出が行われない変動パターン(本実施形態では、変動パターンP1,P8)では、変動パターン毎に設定された上限個数が「4球」未満に設定されている。これより、本実施形態では、大当り期待演出の発射個数が「4球」を超えた場合に、リーチの図柄組み合わせが一旦停止することを認識することができる構成となっている。
【0118】
また、擬似連を伴う図柄変動ゲームを行う場合、統括制御用CPU46aは、第1期間における変動サイクル毎に、第1期間テーブルを参照して決定した第1期間における発射個数を振り分ける。
【0119】
具体的には、第1期間での大当り期待演出の発射個数と、変動パターンにより特定される変動サイクル回数から、複数種類の振り分けパターンから振り分けパターンを決定する。前記振り分けパターンは、変動サイクルの回数毎に、発射個数を定められたものであり、第1期間での大当り期待演出の発射個数と、変動パターン毎の変動サイクル回数から1つの振り分けパターンを特定できるようになっている。例えば、発射個数が「5球」であって、変動サイクル数が「3回」である場合には、1回目の変動サイクルにおける発射個数が「2球」、2回目の変動サイクルにおける発射個数が「0球」、3回目の変動サイクルにおける発射個数が「3球」の振り分けパターンが決定されるようになっている。
【0120】
また、振り分けパターンは、図柄変動ゲームの最後の変動サイクルでは、必ず発射個数を「1球」以上に設定している。また、振り分けパターンには、図柄変動ゲームの最後の変動サイクル以外の変動サイクルで、発射個数を「0球」に振り分けた振り分けパターンもある。よって、本実施形態では、変動サイクルにおいて、大当り期待演出の発射個数が「0球」の場合には、次回の変動サイクルが行われることを遊技者が認識することができる構成となっている。なお、複数種類の振り分けパターンは、統括制御用ROM46bに記憶されている。
【0121】
そして、決定した振り分けパターンに従って、統括制御用CPU46aは、変動サイクル毎に、振り分けられた発射個数分の発射コマンドを、変動サイクル毎に演出用可動体50の発射装置51に出力する。なお、発射コマンドは、変動サイクルの開始時に出力されるようになっている。すなわち、変動サイクルにて発射された遊技球BLが、変動サイクル中に検知スイッチSW5によって検知されるようにしている。
【0122】
また、擬似連を伴う図柄変動ゲームを行わない場合、統括制御用CPU46aは、第1期間テーブルを参照して決定した第1期間における発射個数分の発射コマンドを、発射装置51に出力する。なお、発射コマンドは、図柄変動ゲームの開始時に出力されるようになっている。すなわち、第1期間中に、発射された遊技球BLが、検知スイッチSW5によって検知されるようにしている。
【0123】
次に、図柄変動ゲームの第2期間における大当り期待演出の発射個数の決定態様について図14〜図20に基づき説明する。
統括制御用CPU46aは、第1期間が終了すると、統括制御用RAM46cに記憶されている演出用可動体50の検知スイッチSW5が第1期間で検知した検知回数、つまり、第1期間で検知した遊技球BLの個数を読み出す。そして、統括制御用CPU46aは、読み出した遊技球BLの検知個数に応じて、第2期間で実行する大当り期待演出の発射個数を決定するために参照する第2期間テーブルを決定する。
【0124】
具体的には、第2期間の移行時に、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている検知回数が「0」のときには、図14に示す0球検知時用の第2期間テーブルST1を参照する。また、第2期間の移行時に、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている検知回数が「1」のときには、図15に示す1球検知時用の第2期間テーブルST2を参照する。また、第2期間の移行時に、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている検知回数が「2」のときには、図16に示す2球検知時用の第2期間テーブルST3を参照する。また、第2期間の移行時に、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている検知回数が「3」のときには、図17に示す3球検知時用の第2期間テーブルST4を参照する。また、第2期間の移行時に、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている検知回数が「4」のときには、図18に示す4球検知時用の第2期間テーブルST5を参照する。また、第2期間の移行時に、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている検知回数が「5」のときには、図19に示す5球検知時用の第2期間テーブルST6を参照する。また、第2期間の移行時に、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている検知回数が「6」のときには、図20に示す6球検知時用の第2期間テーブルST7を参照する。なお、第1期間に7球以上の遊技球が発射された、つまり、統括制御用RAM46cに記憶されている検知回数が「7」以上の場合には、統括制御用CPU46aは、第2期間において大当り期待演出を行わないことを決定する。よって、第2期間テーブルを決定しない。また、図14〜図20に示す第2期間テーブルST1〜ST7は、統括制御用ROM46bに記憶されている。
【0125】
ここで、第2期間テーブルST1〜ST7について、図14〜図20に基づいて説明する。なお、図14〜図20に示す第2期間テーブルST1〜ST7は、統括制御用ROM46bに記憶されている。
【0126】
図14に示す第2期間テーブルST1には、変動パターンの種類毎に、第2期間における発射個数が複数対応付けられており、対応付けられた各発射個数に、乱数が1又は複数ずつ振り分けられている。例えば、第2期間テーブルST1では、変動パターンP6が指定されている場合に、31個の乱数を発射個数「5球」に、175個の乱数を発射個数「6球」に、45個の乱数を発射個数「7球」に振り分けている。このため、第2期間テーブルST1では、変動パターンP6が指定されている場合に、発射個数「5球」が選択される確率を31/251とし、発射個数「6球」が選択される確率を175/251とし、発射個数「7球」が選択される確率を45/251としている。
【0127】
図15に示す第2期間テーブルST2には、第2期間テーブルST1と同様に、変動パターンの種類毎に、第2期間における発射個数が複数対応付けられており、対応付けられた各発射個数に、乱数が1又は複数個ずつ振り分けられている。例えば、第2期間テーブルST2では、変動パターンP6が指定されている場合に、31個の乱数を発射個数「4球」に、175個の乱数を発射個数「5球」に、45個の乱数を発射個数「6球」に振り分けている。このため、第2期間テーブルST2では、変動パターンP6が指定されている場合に、発射個数「4球」が選択される確率を31/251とし、発射個数「5球」が選択される確率を175/251とし、発射個数「6球」が選択される確率を45/251としている。
【0128】
図16に示す第2期間テーブルST3には、第2期間テーブルST1と同様に、変動パターンの種類毎に、第2期間における発射個数が複数対応付けられており、対応付けられた各発射個数に、乱数が1又は複数個ずつ振り分けられている。例えば、第2期間テーブルST3では、変動パターンP6が指定されている場合に、31個の乱数を発射個数「3球」に、175個の乱数を発射個数「4球」に、45個の乱数を発射個数「5球」に振り分けている。このため、第2期間テーブルST3では、変動パターンP6が指定されている場合に、発射個数「3球」が選択される確率を31/251とし、発射個数「4球」が選択される確率を175/251とし、発射個数「5球」が選択される確率を45/251としている。
【0129】
図17に示す第2期間テーブルST4には、第2期間テーブルST1と同様に、変動パターンの種類毎に、第2期間における発射個数が複数対応付けられており、対応付けられた各発射個数に、乱数が1又は複数個ずつ振り分けられている。例えば、第2期間テーブルST4では、変動パターンP6が指定されている場合に、31個の乱数を発射個数「2球」に、175個の乱数を発射個数「3球」に、45個の乱数を発射個数「4球」に振り分けている。このため、第2期間テーブルST2では、変動パターンP6が指定されている場合に、発射個数「2球」が選択される確率を31/251とし、発射個数「3球」が選択される確率を175/251とし、発射個数「4球」が選択される確率を45/251としている。
【0130】
図18に示す第2期間テーブルST5には、第2期間テーブルST1と同様に、変動パターンの種類毎に、第2期間における発射個数が複数対応付けられており、対応付けられた各発射個数に、乱数が1又は複数個ずつ振り分けられている。例えば、第2期間テーブルST5では、変動パターンP6が指定されている場合に、10個の乱数を発射個数「0球」に、10個の乱数を発射個数「1球」に、175個の乱数を発射個数「2球」に、56個の乱数を発射個数「3球」に振り分けている。このため、第2期間テーブルST5では、変動パターンP6が指定されている場合に、発射個数「0球」が選択される確率を10/251とし、発射個数「1球」が選択される確率を10/251とし、発射個数「2球」が選択される確率を175/251とし、発射個数「3球」が選択される確率を56/251としている。
【0131】
図19に示す第2期間テーブルST6には、第2期間テーブルST1と同様に、変動パターンの種類毎に、第2期間における発射個数が複数対応付けられており、対応付けられた各発射個数に、乱数が1又は複数個ずつ振り分けられている。例えば、第2期間テーブルST6では、変動パターンP6が指定されている場合に、216個の乱数を発射個数「1球」に、35個の乱数を発射個数「2球」に振り分けている。このため、第2期間テーブルST6では、変動パターンP6が指定されている場合に、発射個数「1球」が選択される確率を216/251とし、発射個数「2球」が選択される確率を35/251としている。
【0132】
図20に示す第2期間テーブルST7には、第2期間テーブルST1と同様に、変動パターンの種類毎に、第2期間における発射個数が複数対応付けられており、対応付けられた各発射個数に、乱数が1又は複数個ずつ振り分けられている。例えば、第2期間テーブルST7では、変動パターンP6が指定されている場合に、100個の乱数を発射個数「0球」に、151個の乱数を発射個数「1球」に振り分けている。このため、第2期間テーブルST7では、変動パターンP6が指定されている場合に、発射個数「0球」が選択される確率を100/251とし、発射個数「1球」が選択される確率を151/251としている。
【0133】
そして、統括制御用CPU46aは、第2期間テーブルを決定すると、図柄変動ゲームの第2期間での大当り期待演出の発射個数を、第2期間テーブルを参照して、入力した変動パターン指定コマンドに基づいて決定している。なお、変動パターンP1,P8に基づいて行われる図柄変動ゲームでは、第2期間が設定されないことから、主制御用CPU45aが変動パターンP1,P8を決定した場合には、第2期間テーブルを決定しない。第2期間テーブルST1〜ST7における乱数の振り分けにおいて、図14〜図20に示すように、第1期間の発射個数と、第2期間の発射個数との合計個数が、変動パターン毎に設定された上限個数を超えないように、統括制御用CPU46aは、第2期間での大当り期待演出の発射個数を決定している。また、スーパーリーチ変動が行われるはずれリーチ演出用の変動パターン(本実施形態では、変動パターンP3,P4)には、「5球」以上の上限個数が設定されている。よって、本実施形態では、1回の図柄変動ゲームにおいて、発射個数が「5球」以上の場合には、スーパーリーチ変動が実行されること、又はスーパーリーチ変動が実行されなくても大当りとなること(例えば、変動パターンP5)を遊技者が認識することができる構成となっている。また、大当り演出用の変動パターン(本実施形態では、変動パターンP5〜P7)のときには、変動パターン毎に設定された上限個数が「7球」となっており、他の変動パターンでは、上限個数が「7球」未満に設定されている。これより、本実施形態では、大当り期待演出の発射個数が「7球」となった場合には、大当りとなることを遊技者が認識することができる構成となっている。
【0134】
また、第2期間における大当り期待演出の発射個数を決定した統括制御用CPU46aは、入力した変動パターン指定コマンドに基づいて、第2期間中にノーマルリーチ変動が実行されるか否かを判定する。第2期間中にノーマルリーチ変動が実行される場合(本実施形態では、変動パターンP2,P5のとき)、統括制御用CPU46aは、決定した第2期間での発射個数を2つのタイミングで発射させるように発射個数を振り分ける。本実施形態では、第2期間中にノーマルリーチ変動が実行される場合、ノーマルリーチ変動が開始された時間(タイミング)と、ノーマルリーチ変動が終了する直前の時間(タイミング)において遊技球BLが演出通路59に発射されるようになっている。
【0135】
具体的には、統括制御用CPU46aは、第2期間での発射個数と、入力した変動パターン指定コマンドから、複数種類の振り分けパターンの中から振り分けパターンを決定するようになっている。前記振り分けパターンは、変動パターン毎に、各タイミングにおける発射個数を定められたものであり、第2期間での大当り期待演出の発射個数と、変動パターンから1つの振り分けパターンを特定できるようになっている。例えば、変動パターンP5であって、第2期間の発射個数が「2球」である場合には、ノーマルリーチ変動開始時における発射個数が「1球」、ノーマルリーチ変動終了直前における発射個数が「1球」の振り分けパターンが決定されるようになっている。
【0136】
また、振り分けパターンの中には、2つのタイミングのうち何れか一方の発射個数を「0球」に振り分けた振り分けパターンも存在する。また、第2期間での大当り期待演出の発射個数を「0球」と決定した場合には、統括制御用CPU46aは、振り分けパターンを決定しない。なお、ノーマルリーチ変動が終了する直前の時間(タイミング)とは、ノーマルリーチ変動において第3停止図柄列(中列)の図柄が一旦停止する前、又は一旦停止しようとするときを示している。なお、複数種類の振り分けパターンは、統括制御用ROM46bに記憶されている。
【0137】
また、統括制御用CPU46aは、第2期間中にスーパーリーチ変動が実行されると判定した場合(本実施形態では、変動パターンP3,P4,P6,P7のとき)、決定した第2期間での大当り期待演出の発射個数を、3つのタイミングで発射させるように発射個数を振り分ける。本実施形態では、第2期間中にスーパーリーチ変動が実行される場合、ノーマルリーチ変動が開始された時間(タイミング)と、ノーマルリーチ変動が終了する直前の時間(タイミング)と、スーパーリーチ変動が終了する直前の時間(タイミング)と、で振り分ける。
【0138】
具体的には、統括制御用CPU46aは、第2期間での発射個数と、入力した変動パターン指定コマンドから、複数種類の振り分けパターンの中から振り分けパターンを決定するようになっている。前記振り分けパターンは、変動パターン毎に、各タイミングにおける発射個数を定められたものであり、第2期間での大当り期待演出の発射個数と、変動パターンから1つの振り分けパターンを特定できるようになっている。例えば、変動パターンP6であって、第2期間の発射個数が「3球」である場合には、ノーマルリーチ変動開始時における発射個数が「1球」、ノーマルリーチ変動終了直前における発射個数が「1球」、スーパーリーチ変動終了直前における発射個数が「1球」の振り分けパターンが決定されるようになっている。
【0139】
また、振り分けパターンの中には、3つのタイミングのうち1つのタイミングに、第2期間での発射個数をすべて発射するように発射個数を振り分けた振り分けパターンも存在する。また、第2期間での大当り期待演出の発射個数を「0球」と決定した場合には、統括制御用CPU46aは、振り分けパターンを決定しない。なお、スーパーリーチ変動が終了する直前の時間(タイミング)とは、スーパーリーチ変動において第3停止図柄列(中列)の図柄が一旦停止する前、又は一旦停止しようとするときを示している。また、ノーマルリーチ変動終了直前とは、スーパーリーチ変動開始直前のことを示している。なお、複数種類の振り分けパターンは、統括制御用ROM46bに記憶されている。
【0140】
そして、決定した振り分けパターンに従って、統括制御用CPU46aは、第2期間でのタイミング毎に、振り分けられた発射個数分の発射コマンドを、発射装置51に出力する。
【0141】
また、統括制御用CPU46aは、図柄変動ゲームが開始すると、図柄変動ゲームが終了するまで、演出用可動体50のモータ52に回転コマンドを出力し続ける。なお、本実施形態では、統括制御用CPU46aが演出制御手段、段階数決定手段、個数決定手段、第1期間段階数決定手段、及び第2期間段階数決定手段として機能する。
【0142】
次に、演出用可動体50の大当り期待演出に係る制御について説明する。
演出用可動体50のモータ52は、回転コマンドを入力すると、回転体55を図6において矢印Ya方向(回転体55の下方からみたとき反時計周り)に回転動作する。つまり、モータ52が回転コマンドを入力すると、演出用可動体50の演出通路59の遊技球BLが回転体55により上方に移動することとなる。
【0143】
また、演出用可動体50の発射装置51は、発射コマンドを入力すると、一定の時間だけ、操作部51aを図4に示す位置から、図5に示す位置まで可動させる。つまり、発射装置51は、発射コマンドを入力すると、図4に示す操作部51aを図4において左方向に可動させる。よって、発射装置51は、発射コマンドを入力すると、遊技球を「1球」発射する。
【0144】
ここで、擬似連が実行されるときにおいて、統括制御用CPU46aが、第1期間の発射個数を、振り分けパターンに基づいて、変動サイクル毎に振り分けて発射させる例を図21に基づいて説明する。なお、図21において、統括制御用CPU46aは、第1期間での大当り期待演出の発射個数を「4球」に決定したものとする。また、図21(a)に示す時間t1〜t5、及び図21(b)に示す時間t11〜t14の期間は、第1期間、すなわち、図柄変動ゲームの開始から、最後の変動サイクルにおいてリーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されるまでの期間である。
【0145】
まず、図21(a)について説明する。
図21(a)では、主制御用CPU45aがはずれリーチ演出用の変動パターンP4を決定し、統括制御用CPU46aが擬似連を伴う図柄変動ゲームを行うことを決定したときを例に挙げたものである。また、このとき、統括制御用CPU46aは、図12に示す第1期間テーブルFT1を参照して「5球」の遊技球を第1期間での大当り期待演出の発射個数として決定したものである。
【0146】
統括制御用CPU46aは、主制御用CPU45aが決定した変動パターンP4から、4回の変動サイクルを実行することを認識する。ここで、1回目の変動サイクルにおいて、「1球」の遊技球を発射し、2回目の変動サイクルにおいて、「0球」の遊技球を発射し、3回目の変動サイクルにおいて、「2球」の遊技球を発射し、及び4回目の変動サイクルにおいて、「2球」の遊技球を発射する振り分けパターンを、変動パターン及び発射個数に基づき統括制御用CPU46aが決定するものとして説明する。
【0147】
そして、図柄変動ゲームでは、1回目の変動サイクル中(時間t1〜t2の間)に「1球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。すなわち、第1段階の大当り期待演出が実行されたこととなる。また、2回目の変動サイクル中(時間t2〜t3の間)に遊技球BLは発射されない。また、3回目の変動サイクル中(時間t3〜t4の間)に「2球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。すなわち、第3段階までの大当り期待演出が実行される。また、4回目の変動サイクル中(時間t4〜t5の間)に「2球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。すなわち、第5段階までの大当り期待演出が実行される。
【0148】
次に、図21(b)について説明する。
図21(b)では、主制御用CPU45aが当り演出用の変動パターンP6を決定し、統括制御用CPU46aが擬似連を伴う図柄変動ゲームを行うことを決定したときを例に挙げたものである。また、このとき、統括制御用CPU46aは、図12に示す第1期間テーブルFT1を参照して「4球」の遊技球を第1期間での大当り期待演出の発射個数として決定したものである。
【0149】
統括制御用CPU46aは、主制御用CPU45aが決定した変動パターンP6から、3回の変動サイクルを実行することを認識する。ここで、1回目の変動サイクルにおいて、「1球」の遊技球を発射し、2回目の変動サイクルにおいて、「2球」の遊技球を発射し、3回目の変動サイクルにおいて、「1球」の遊技球を発射する振り分けパターンを、変動パターン及び発射個数に基づき統括制御用CPU46aが決定するものとして説明する。
【0150】
そして、図柄変動ゲームでは、1回目の変動サイクル中(時間t11〜t12の間)に「1球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。すなわち、第1段階までの大当り期待演出が実行される。また、2回目の変動サイクル中(時間t12〜t13の間)に「2球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。すなわち、第3段階までの大当り期待演出が実行される。3回目の変動サイクル中(時間t13〜t14の間)に「1球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。すなわち、第4段階までの大当り期待演出が実行される。
【0151】
本実施形態では、擬似連が実行される場合、最後の変動サイクルでは、「1球」以上の遊技球BLを発射するように振り分けパターンに基づき発射個数が振り分けられている。そのため、変動サイクルにおいて遊技球が発射されなかった場合には、大当り期待演出の発射個数は増えないものの、次回の変動サイクルが行われることが確実となり、変動サイクルが続くことで遊技者の大当りに対する期待感は高まるようになっている。
【0152】
次に、統括制御用CPU46aが、第2期間の発射個数を、振り分けパターンに基づいて、第2期間のタイミング毎に振り分けて発射させる例を図22に基づいて説明する。なお、図22(a)において、統括制御用CPU46aは、第2期間での大当り期待演出の発射個数を「2球」に決定したものとする。また、図22(b)において、統括制御用CPU46aは、第2期間での大当り期待演出の発射個数を「6球」に決定したものとする。また、図22(a)に示す時間t21〜t22、及び図22(b)に示す時間t31〜t33の期間は、第2期間、すなわち、演出表示装置28においてリーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されてから、図柄変動ゲームの終了までの期間である。
【0153】
まず、図22(a)について説明する。
図22(a)では、主制御用CPU45aがはずれリーチ演出用の変動パターンP2を決定したときを例に挙げたものである。また、このとき、第1期間において「2球」の遊技球BLを、演出用可動体50の検知スイッチSW5が検知したものとする。このため、統括制御用CPU46aは、第2期間開始時において、図16に示す第2期間テーブルST3を参照して第2期間での大当り期待演出の発射個数を決定する。このとき、前提より「2球」の遊技球BLを第2期間での大当り期待演出の発射個数として決定する。
【0154】
そして、主制御用CPU45aが決定した変動パターンP2から、第2期間において2つのタイミングが存在することを判定する。統括制御用CPU46aは、2つのタイミング毎に第2期間での大当り期待演出の発射個数を、統括制御用CPU46aが決定した振り分けパターンに基づいて振り分ける。図22(a)では、ノーマルリーチ変動開始時の時間t21に「1球」の遊技球BLを発射し、ノーマルリーチ変動終了直前の時間t22に「1球」の遊技球BLを発射する振り分けパターンを決定したものとする。
【0155】
これにより、統括制御用CPU46aは、図22(a)に示す図柄変動ゲームでは、第2期間においてノーマルリーチ変動が開始する時間(タイミング)t21において、「1球」の遊技球BLを演出通路59に発射される。これにより、第3段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。また、統括制御用CPU46aは、ノーマルリーチ変動の終了直前の時間(タイミング)t22で「1球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。これにより、第4段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。
【0156】
次に、図22(b)について説明する。
図22(b)では、主制御用CPU45aが当り演出用の変動パターンP7を決定したときを例に挙げたものである。また、このとき、第1期間において演出用可動体50の検知スイッチSW5は、遊技球BLを検知しなかったものとする。
【0157】
また、統括制御用CPU46aは、第2期間テーブルST1を参照して、「6球」の遊技球BLを第2期間での大当り期待演出の発射個数として決定したものとする。なお、第1期間テーブルにおいて、変動パターンP7が決定された際に「0球」が選択されることがないが、今回、何らかの原因(例えば、演出用可動体50の背面側通路58において遊技球が詰まってしまい、発射装置51が可動しても遊技球が発射されないなどの原因)で、第1期間において演出用可動体50の検知スイッチSW5が「0球」の遊技球を検知したものとする。
【0158】
そして、主制御用CPU45aが決定した変動パターンP7から、第2期間において3つのタイミングが存在することを判定する。統括制御用CPU46aは、3つのタイミング毎に第2期間での大当り期待演出の発射個数を、統括制御用CPU46aが決定した振り分けパターンに基づいて振り分ける。図22(b)では、ノーマルリーチ変動開始時の時間t31に「1球」の遊技球BLを発射し、ノーマルリーチ変動終了直前の時間t32に「5球」の遊技球BLを発射し、スーパーリーチ変動終了直前の時間t33に「0球」の遊技球BLを発射する振り分けパターンを決定したものとする。
【0159】
これにより、統括制御用CPU46aは、図22(b)に示す図柄変動ゲームでは、第2期間においてノーマルリーチ変動が開始する時間(タイミング)t31において、「1球」の遊技球BLを演出通路59に発射される。これにより、第1段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。また、統括制御用CPU46aは、ノーマルリーチ変動の終了直前の時間(タイミング)t32で「5球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。これにより、第6段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。また、統括制御用CPU46aは、スーパーリーチ変動の終了直前の時間(タイミング)t33では、遊技球BLを発射しない。
【0160】
ここで、主制御用CPU45aがリーチ演出の行われる変動パターンを決定し、かつ統括制御用CPU46aが擬似連を伴う図柄変動ゲームを行うと決定した図柄変動ゲームにおける大当り期待演出の発射態様について図23に基づき説明する。
【0161】
まず、図23(a)について説明する。
図23(a)では、主制御用CPU45aがはずれリーチ演出用の変動パターンP4を決定し、統括制御用CPU46aが擬似連を伴う図柄変動ゲームを行うことを決定したときを例に挙げたものである。また、このとき、統括制御用CPU46aは、図12に示す第1期間テーブルFT1を参照して「4球」の遊技球を第1期間での大当り期待演出の発射個数として決定したものである。
【0162】
統括制御用CPU46aは、主制御用CPU45aが決定した変動パターンP4から、4回の変動サイクルを実行することを認識する。ここで、1回目の変動サイクルにおいて、「0球」の遊技球を発射し、2回目の変動サイクルにおいて、「1球」の遊技球を発射し、3回目の変動サイクルにおいて、「0球」の遊技球を発射し、及び4回目の変動サイクルにおいて、「3球」の遊技球を発射する振り分けパターンを、変動パターン及び発射個数に基づき統括制御用CPU46aが決定するものとして説明する。
【0163】
そして、図柄変動ゲームでは、1回目の変動サイクル中(時間t41〜t42の間)に遊技球BLは発射されない。また、2回目の変動サイクル中(時間t42〜t43の間)に「1球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。すなわち、第1段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。また、3回目の変動サイクル中(時間t43〜t44の間)に遊技球BLは発射されない。また、4回目の変動サイクル中(時間t44〜t45の間)に「3球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。すなわち、第4段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。また、このとき、第1期間において演出用可動体50の検知スイッチSW5は、「4球」の遊技球BLを検知したものとする。
【0164】
また、統括制御用CPU46aは、第2期間テーブルST5を参照して、「2球」の遊技球BLを第2期間での大当り期待演出の発射個数として決定したものとする。
そして、主制御用CPU45aが決定した変動パターンP4から、第2期間において3つのタイミングが存在することを判定する。統括制御用CPU46aは、3つのタイミング毎に第2期間での大当り期待演出の発射個数を、統括制御用CPU46aが決定した振り分けパターンに基づいて振り分ける。図23(a)では、ノーマルリーチ変動開始時の時間t45に「0球」の遊技球BLを発射し、ノーマルリーチ変動終了直前の時間t46に「1球」の遊技球BLを発射し、スーパーリーチ変動終了直前の時間t47に「1球」の遊技球BLを発射する振り分けパターンを決定したものとする。
【0165】
これにより、統括制御用CPU46aは、図23(a)に示す図柄変動ゲームでは、第2期間においてノーマルリーチ変動が開始する時間(タイミング)t45では、遊技球BLを発射しない。また、統括制御用CPU46aは、ノーマルリーチ変動の終了直前の時間(タイミング)t46で「1球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。これにより、第5段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。また、統括制御用CPU46aは、スーパーリーチ変動の終了直前の時間(タイミング)t47で「1球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。これにより、第6段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。
【0166】
次に、図23(b)について説明する。
図23(b)では、主制御用CPU45aが当り演出用の変動パターンP7を決定し、統括制御用CPU46aが擬似連を伴う図柄変動ゲームを行うことを決定したときを例に挙げたものである。また、このとき、統括制御用CPU46aは、図12に示す第1期間テーブルFT1を参照して「6球」の遊技球を第1期間での大当り期待演出の発射個数として決定したものである。
【0167】
統括制御用CPU46aは、主制御用CPU45aが決定した変動パターンP7から、4回の変動サイクルを実行することを認識する。ここで、1回目の変動サイクルにおいて、「0球」の遊技球を発射し、2回目の変動サイクルにおいて、「0球」の遊技球を発射し、3回目の変動サイクルにおいて、「0球」の遊技球を発射し、及び4回目の変動サイクルにおいて、「6球」の遊技球を発射する振り分けパターンを、変動パターン及び発射個数に基づき統括制御用CPU46aが決定するものとして説明する。
【0168】
そして、図柄変動ゲームでは、1回目の変動サイクル中(時間t51〜t52の間)に遊技球BLは発射されない。また、2回目の変動サイクル中(時間t52〜t53の間)に遊技球BLは発射されない。また、3回目の変動サイクル中(時間t53〜t54の間)に遊技球BLは発射されない。また、4回目の変動サイクル中(時間t54〜t55の間)に「6球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。しかし、このとき、演出用可動体50の背面側通路58において遊技球BLが詰まっており、統括制御用CPU46aからの4回目の発射コマンドによって発射装置51が可動した振動によって遊技球BLの球詰まりが解消されたとする。そして、4回目の変動サイクル中に、実際に発射された遊技球の個数は「2球」であった。すなわち、第2段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。また、このとき、第1期間において演出用可動体50の検知スイッチSW5は、「2球」の遊技球BLを検知したものとする。
【0169】
また、統括制御用CPU46aは、第2期間テーブルST3を参照して、「4球」の遊技球BLを第2期間での大当り期待演出の発射個数として決定したものとする。
そして、主制御用CPU45aが決定した変動パターンP7から、第2期間において3つのタイミングが存在することを判定する。統括制御用CPU46aは、3つのタイミング毎に第2期間での大当り期待演出の発射個数を、統括制御用CPU46aが決定した振り分けパターンに基づいて振り分ける。図23(b)では、ノーマルリーチ変動開始時の時間t55に「1球」の遊技球BLを発射し、ノーマルリーチ変動終了直前の時間t56に「2球」の遊技球BLを発射し、スーパーリーチ変動終了直前の時間t57に「1球」の遊技球BLを発射する振り分けパターンを決定したものとする。
【0170】
これにより、統括制御用CPU46aは、図23(b)に示す図柄変動ゲームでは、第2期間においてノーマルリーチ変動が開始する時間(タイミング)t55で「1球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。これにより、第3段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。また、統括制御用CPU46aは、ノーマルリーチ変動の終了直前の時間(タイミング)t56で「2球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。これにより、第5段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。また、統括制御用CPU46aは、スーパーリーチ変動の終了直前の時間(タイミング)t57で「1球」の遊技球BLが演出通路59に発射される。これにより、第6段階までの大当り期待演出が実行されたこととなる。
【0171】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)図柄変動ゲームの第1期間において大当り期待演出を実行させるとき、変動パターンに基づき、図柄変動ゲームの第1期間での大当り期待演出の発射個数を決定する。また、第2期間中に演出用可動体50で大当り期待演出を行う場合、第1期間における演出用可動体50において発射された遊技球の個数(演出用可動体50の検知スイッチSW5が検知した遊技球の個数)に基づいて、第2期間での大当り期待演出の発射個数を決定する。また、第1期間での大当り期待演出の発射個数と、第2期間での大当り期待演出の発射個数との合計個数は、図柄変動ゲームの大当り期待度を示すものとした。このため、変動パターンに対応付けられた発射個数の上限を超えないように、1回の図柄変動ゲームでの大当り期待演出の発射個数が決定される。このようにすることにより、遊技者は、第1期間における大当り期待演出の発射個数が少ない場合であっても、第2期間における大当り期待演出の発射個数が多くなることを期待することができる。よって、図柄変動ゲームの終了まで大当り期待演出の発射個数が増加することを遊技者に期待させることができ、遊技者の遊技への興趣を向上させることができる。
【0172】
また、第1期間における大当り期待演出の発射個数と、第2期間における大当り期待演出の発射個数の合計段階数によって大当り期待度を表すため、遊技者は図柄変動ゲームの正確な大当り期待度を知ることができる。よって、図柄変動ゲームの第1期間、第2期間のそれぞれの大当り期待演出の発射個数ではなく、1回の図柄変動ゲーム全体における大当り期待演出の発射個数に遊技者を注目させることができる。また、期間毎の発射個数によって遊技者の興趣を低下させることを防ぐことができるとともに、図柄変動ゲーム全体の大当り期待度が高いのか否かについて遊技者が混乱することを防ぐことができる。
【0173】
(2)はずれ演出用の変動パターンに基づき図柄変動ゲームが実行される場合、大当り期待演出の発射個数の上限個数は、当り演出用の変動パターン、又ははずれリーチ演出用の変動パターンを決定した場合よりも少なく設定されている(本実施形態では、3球)。このため、第1期間における発射個数が、はずれ演出用の変動パターンに基づき図柄変動ゲームが実行される場合における大当り期待演出の発射個数の上限個数よりも多い場合には、遊技者は、はずれ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームでないことを認識することができる。すなわち、第1期間において、遊技者は、リーチ演出が実行されること、又は図柄変動ゲームが大当りとなることを期待することができる。
【0174】
(3)はずれ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームにおいて、遊技状態が通常状態時よりも確変状態時の方が多い発射個数を決定しやすくした。このため、図柄変動ゲームがはずれとなるときに発射個数が多い場合には、確変状態が付与されているのでは、と遊技者に期待させることができ、遊技者に遊技を継続する意欲を持たせることができる。
【0175】
(4)図柄変動ゲームの第1期間において、複数回の変動サイクルが実行され、それぞれの変動サイクル毎に大当り期待演出を実行する構成とした。また、変動サイクルの回数が多いほど、大当り表示結果が表示される期待度(大当り期待度)が高くなる構成とした。このため、変動サイクルが多く実行されればされるほど、変動サイクルの回数に基づく大当り期待度が増加するとともに、大当り期待演出の発射個数も増加することで大当り期待演出に基づく大当り期待度も増加し、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0176】
(5)次回の変動サイクルが存在する変動サイクルには、大当り期待演出の発射個数を「0球」に振り分ける振り分けパターンを有するようにした。このため、変動サイクルが継続するほど大当り期待度が増加し、大当り期待演出の発射個数が多いほど大当り期待度が増加する遊技者にとって、大当り期待演出の発射個数が増加しなかった場合であっても、次の変動サイクルが実行されて、大当り期待演出の発射個数が増加することを期待することができる。
【0177】
(6)演出用可動体50において、遊技球を用いて大当り期待演出を実行するようにした。これにより、大当り期待演出の発射個数が1つ増える態様を、遊技者が認識しやすくなった。
【0178】
(7)ノーマルリーチ変動を演出内容に含むはずれリーチ演出用の変動パターンを決定した場合に決定される大当り期待演出の発射個数の上限個数(本実施形態では、4球)は、スーパーリーチ変動を演出内容に含むはずれリーチ演出用の変動パターンを決定した場合に決定される大当り期待演出の発射個数の上限個数(本実施形態では、6球)よりも少なく設定されている。このため、遊技者は、ノーマルリーチ変動を演出内容に含むはずれリーチ演出用の変動パターンを決定した場合に決定される大当り期待演出の上限発射個数を超えた個数(本実施形態では、5球以上)の遊技球が発射された場合には、少なくとも大当り期待度の高いスーパーリーチ変動が実行されることを認識することができる。
【0179】
そして、大当り期待演出の発射個数は、ノーマルリーチ変動が開始された時間(タイミング)と、ノーマルリーチ変動が終了する直前の時間(すなわち、スーパーリーチ変動が実行される場合には、ノーマルリーチ変動からスーパーリーチ変動に発展するタイミング)に分けて発射するようになっている。このため、スーパーリーチ変動が確定するか否かについて注目する遊技者に対して、ノーマルリーチ変動の開始時、又は発展のタイミングにおいて、発射された遊技球の合計個数がどのくらいかに注目させることができる。また、ノーマルリーチ変動が終了する直前のタイミングにおいても、大当り期待演出の発射個数(合計個数)が増えるように構成されているため、この終了直前のタイミングにおいて演出通路59に発射される遊技球の個数に対して注目させることができる。また、複数のタイミングで実行されたとしても大当り期待演出の発射個数が減少、つまり、大当り期待度が減少することがないため、各タイミングにおいてどれだけの大当り期待演出の発射個数が実行されて、図柄変動ゲーム全体での大当り期待演出の発射個数が増加したかについて注目させることができる。
【0180】
(8)第1期間においてリーチ演出が実行されることが確定する発射個数(本実施形態では、4球)が選択され難いため、第2期間が開始するまで、つまり、リーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されるまで、図柄変動ゲームの展開に注目させることができる。
【0181】
(9)大当り演出用の変動パターン(本実施形態では、変動パターンP5〜P7)に基づいて決定される大当り期待演出の発射個数の上限発射個数は、はずれリーチ演出用の変動パターンとはずれ演出用の変動パターンの何れを選択した場合においても決定される可能性がある大当り期待演出の発射個数の上限発射個数(本実施形態では、6球と3球)よりも多い発射個数(本実施形態では、7球)が設定されている。そのため、はずれリーチ演出用の変動パターンとはずれ演出用の変動パターンの何れを選択した場合においても決定される可能性がある上限発射個数よりも多い発射個数(本実施形態では、7球)に達した場合、遊技者は、大当り演出用の変動パターンによって実行されている図柄変動ゲームであることを認識するとともに、当該図柄変動ゲームにおいて大当り表示結果が表示されることを認識することができる。大当り期待演出の発射個数が大当りになることが確定する発射個数(本実施形態では、7球)に達することによって、遊技者ははずれるかもしれないという危機感を抱くことなく、安心して図柄変動ゲームが終了するまでを楽しむことができる。また、大当りとなることが確定する発射個数だけ遊技球が発射された場合には、遊技者の興趣を一気に向上させることができる。
【0182】
(10)1回の図柄変動ゲームで演出用可動体50の演出通路59に発射された遊技球の個数(又は、演出用可動体50の検知スイッチSW5が検知した検知回数)を演出表示装置28に表示させる。これにより、演出用可動体50の検知スイッチSW5が検知した個数、つまり、発射された遊技球の個数が分からなくなった遊技者が実行された大当り期待演出の発射個数を確認することができるとともに、正確な大当り期待度を遊技者に認識させることができる。
【0183】
(11)図柄変動ゲーム中に複数の期間を設定し、期間毎に大当り期待演出を行うこととした。そして、統括制御用CPU46aは、図柄変動ゲームの最初の期間(本実施形態では、第1期間)において大当り期待演出を実行させるとき、決定した変動パターンが大当り演出用の変動パターンである場合には、はずれ演出用(本実施形態では、はずれ演出用とはずれリーチ演出用)の変動パターンである場合と比較して、最初の期間(本実施形態では、第1期間)が終了するまでに行われる大当り期待演出の発射個数が、高確率で多くなるように最初の期間における大当り期待演出の発射個数を決定する。また、統括制御用CPU46aは、図柄変動ゲームの最初の期間以外の期間(本実施形態では、第2期間)において大当り期待演出を実行させるとき、決定した変動パターンがはずれ演出用(本実施形態では、はずれ演出用とはずれリーチ演出用)の変動パターンである場合と比較して、前回の期間(本実施形態では、第1期間)が終了するまでに検知スイッチSW5が検知した遊技球の個数と、今回の期間(本実施形態では、第2期間)における大当り期待演出の発射個数との合計個数が、高確率で多くなるように今回における大当り期待演出の発射個数を決定する。これにより、大当り期待演出が実行された場合、図柄変動ゲームが終了するまでの間に、大当り期待度に応じた発射個数となる。すなわち、ある期間(本実施形態では、第1期間)において、万が一演出領域内の遊技球が球詰まりにより排出されなかった場合、次の期間(本実施形態では、第2期間)において、検知された個数と発射個数の合計個数が大当り期待度に応じた発射個数となるように発射個数を決定することができる。また、ある期間(本実施形態では、第1期間)において、万が一演出領域内の遊技球が球詰まりにより排出されなかった場合や、次の期間(本実施形態では、第2期間)において発射個数が補正され、図柄変動ゲームが終了するまでの間に、大当り期待演度に応じた発射個数とすることができる。
【0184】
(12)図柄変動ゲーム中に複数回の期間を設定し、期間毎に大当り期待演出を行うこととした。統括制御用CPU46aは、図柄変動ゲーム中に予め設定された最初の期間以外(本実施形態では、第2期間)の期間において大当り期待演出を実行させるとき、検知スイッチSW5によって図柄変動ゲームが開始してから前回の期間(本実施形態では、第1期間)までに検出された発射個数と、今回の期間(本実施形態では、第2期間)において決定する発射個数との合計個数が、決定された変動パターンに応じて設定された発射個数の最大値以下となるように、今回の期間における発射個数を決定する。これにより、例え、ある期間(本実施形態では、第1期間)において、統括制御用CPU46aが決定した発射個数よりも多くの遊技球が発射されたとしても、次の期間(第2期間)において、統括制御用CPU46aは、検知スイッチSW5によって検知された遊技球の個数と、今回の期間において決定する発射個数との合計個数が、変動パターンに応じて設定された発射個数の最大値以下となるように、今回の期間における発射個数を決定する。このため、大当り期待度を超えるような遊技球が発射されることがなくなり、遊技者の期待感を裏切ることがない。
【0185】
(13)演出用可動体50において、演出用可動体50の演出通路59に発射される遊技球BLは、演出用可動体50の背面側通路58に貯留されている。また、演出用可動体50の演出通路59に発射された遊技球BLは、もう一度背面側通路58に貯留されるようにした。つまり、演出用可動体50内で遊技球BLが循環する構成とした。このようにすることで、演出用可動体50の外部から遊技球が混ざることがなくなる。また、演出用可動体50内の遊技球BLが遊技機外部、つまり演出用可動体50の外に排出されることがないため、演出通路59に発射すべき遊技球BLを失うことがなくなる。
【0186】
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、ラウンド遊技の規定ラウンド数、大入賞口41の1回の開閉動作に係る時間、ラウンド遊技時間を変更しても良い。
【0187】
・上記実施形態は、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機10に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
・上記実施形態において、サブ統括制御基板46を省略し、主制御基板45から直接、開放コマンドや閉鎖コマンドなどの大当り遊技に係るコマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力するようにしても良い。
【0188】
・上記実施形態において、大当り遊技の種類は、任意に変更しても良い。例えば、大当り遊技の規定ラウンド数や、入球上限個数を変更しても良い。また、大入賞口41の開閉動作回数を変更しても良い。例えば、1回のラウンド遊技中に大入賞口41を3回、開閉動作させるようにしても良い。
【0189】
・上記実施形態では、演出表示装置28を液晶式としたが、ドットマトリクス式や7セグメントLED式の演出表示装置としても良いし、ドラム式などの機械式の演出表示装置としても良い。
【0190】
・上記実施形態では、図柄変動ゲームの第1期間において複数の変動サイクルによる擬似連の演出を備えたが、備えなくても良い。
・上記実施形態では、1回の図柄変動ゲームにおける変動サイクルの最高回数を4回としたが、何回にしても良い。例えば、変動サイクルの最高回数を3回、5回、7回にしても良い。
【0191】
・上記実施形態において、統括制御用CPU46aが擬似連を伴う図柄変動ゲームを行うか否かを決定したが、そのようにしなくても良い。例えば、主制御用CPU45aが、擬似連を伴う図柄変動ゲームを行うか否かを決定する構成としても良い。
【0192】
・上記実施形態において、図柄変動ゲームで実行可能な変動サイクルの回数は変動パターンに基づいて決定されているが、そのようにしなくても良い。例えば、何回の変動サイクルを行うかを抽選で決定しても良い。
【0193】
・上記実施形態において、擬似連を伴う図柄変動ゲームでは、必ず1球以上の大当り期待演出の発射個数が、第1期間における大当り期待演出の発射個数として決定されるようにしたが、そのようにしなくても良い。この場合、大当り期待演出の発射個数を「0球」と決定した場合、統括制御用CPU46aが振り分けパターンを決定しない、若しくは、「0球」が決定されたとき用の振り分けパターンを備えるなどの構成を備えなければならない。
【0194】
・上記実施形態において、第1期間において大当り期待演出の発射個数を変動サイクル毎に振り分ける際に、最後の変動サイクルにおいてリーチの図柄組み合わせが形成されるまでに発射される遊技球の個数を「1球」以上にするようにしたが、そのようにしなくても良い。例えば、最後の変動サイクルにおいて「0球」を設定しても良い。
【0195】
・上記実施形態において、第1期間における大当り期待演出の発射個数を決定した後に、振り分けパターンに基づいて、変動サイクル毎に発射個数を振り分けたが、変動サイクル毎にテーブルを参照して発射個数を決定しても良い。なお、この場合には、複数種類の期間テーブルを備える必要がある。
【0196】
・上記実施形態において、第1期間における大当り期待演出の発射個数を決定した後に、統括制御用CPU46aが振り分けパターンを決定し、決定した振り分けパターンに基づいて、第1期間の変動サイクル毎に発射個数を振り分けたが、振り分けパターンを使用せず、統括制御用CPU46aが変動サイクル毎に発射個数を振り分けても良い。
【0197】
・上記実施形態において、第1期間での発射個数と、変動サイクルの回数に対応して特定の振り分けパターンが決定されるようにしたが、第1期間での発射個数と、変動サイクルの回数に対応した振り分けパターンを複数種類備え、その中から振り分けパターンを決定する構成としても良い。
【0198】
・上記実施形態において、第2期間においてノーマルリーチ変動を行う変動パターンと、スーパーリーチ変動を行う変動パターンを備えたが、ノーマルリーチ変動を行う変動パターンのみを有する構成としても良い。また、スーパーリーチ変動を行う変動パターンのみを有する構成としても良い。
【0199】
・上記実施形態において、スーパーリーチ変動から発展するウルトラスーパーリーチ変動を備えても良い。この場合、スーパーリーチ変動からウルトラスーパーリーチ変動へ発展することが、大当り期待度が高くなるような構成としても良い。
【0200】
・上記実施形態において、第2期間がノーマルリーチ変動のみのときは演出用可動体50に遊技球を発射するタイミングを2つとし、第2期間がノーマルリーチ変動とスーパーリーチ変動のときは演出用可動体50に遊技球を発射するタイミングを3つとしたが、そのようにしなくても良い。例えば、第2期間で遊技球が発射されるタイミングを同一として、発射される回数によって遊技者のスーパーリーチ変動へ発展する期待感を高くしても良い。この場合、第2期間に4回のタイミングが設定される構成としたとき、ノーマルリーチ変動中に1球以上発射された回数が1回であっても、3回のタイミングで「0球」発射を振り分けて4回のタイミングが行われたような構成とすることにより、遊技者が視認した回数と制御上の回数を異ならせて遊技者の期待感を向上させる構成とすることができる。
【0201】
・上記実施形態において、スーパーリーチ変動を1種類としたが何種類備えても良い。例えば、3種類、6種類、10種類備えても良い。また、それぞれのスーパーリーチ変動に大当り期待度の差をつけても良い。また、それぞれのスーパーリーチ変動にかかる時間を異ならせても良い。
【0202】
・上記実施形態において、ノーマルリーチ変動を1種類としたが1種類にしなくても良い。例えば、3種類、5種類、7種類備えても良い。また、それぞれのノーマルリーチ変動に大当り期待度の差をつけても良い。これに伴い、スーパーリーチ変動に発展する期待度を異ならせても良い。つまり、第1のノーマルリーチは、第2期間がノーマルリーチ変動で構成された変動パターンが決定されたときに実行されやすく、第2のノーマルリーチは、第2期間がスーパーリーチ変動で構成された変動パターンが決定されたときに実行されやすくする構成としても良い。
【0203】
・上記実施形態において、変動パターンP6,P7が決定されたときに、スーパーリーチ変動で大当りの図柄組み合わせを一旦停止表示するようにしたが、大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されれば良い。例えば、スーパーリーチ変動では、はずれの図柄組み合わせを一旦停止表示した後、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止させる演出を行っても良い。このようにすることで、一度はずれになったと思った遊技者を驚かせることができる。
【0204】
・上記実施形態において、第2期間における大当り期待演出の発射個数を決定した後に、振り分けパターンに基づいて、第2期間におけるタイミング毎に発射個数を振り分けたが、タイミング毎にテーブルを参照して発射個数を決定しても良い。なお、この場合には、複数種類の期間テーブルを備える必要がある。
【0205】
・上記実施形態において、第2期間における大当り期待演出の発射個数を決定した後に、統括制御用CPU46aが振り分けパターンを決定し、決定した振り分けパターンに基づいて、第2期間におけるタイミング毎に発射個数を振り分けたが、振り分けパターンを使用せず、統括制御用CPU46aが第2期間におけるタイミング毎に発射個数を振り分けても良い。
【0206】
・上記実施形態において、第2期間での発射個数と、変動パターンに対応して特定の振り分けパターンが決定されるようにしたが、第2期間での発射個数と、変動パターンに対応した振り分けパターンを複数種類備え、その中から振り分けパターンを決定する構成としても良い。
【0207】
・上記実施形態において、小当りに当選した際と、2R確変大当りに当選した際には、リーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されない構成としたがそのようにしなくても良い。例えば、確変示唆の図柄組み合わせをリーチの図柄組み合わせがはずれとなった表示結果(例えば、[343][767]など)にしても良い。
【0208】
・上記実施形態において、小当りと2R確変大当りによって、確変秘匿状態を作り出したが、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない2R非確変大当り遊技を備えて確変秘匿状態を作り出しても良い。この場合、2R確変大当りと2R非確変大当りによって確変秘匿状態を作り出しても良いし、2R確変大当りと2R非確変大当りと小当りによって確変秘匿状態を作り出しても良い。
【0209】
・上記実施形態において、確変秘匿状態を備えなくても良い。
・上記実施形態において、遊技状態が確変状態にあるときには、通常状態のときよりもはずれ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームで大当り期待演出の発射個数が多いものを決定しやすくしたが、通常状態と同じにしても良い。なお、この場合、図13に示す確変状態時の第1期間テーブルFT2は必要ない。
【0210】
・上記実施形態において、演出用可動体50を遊技盤YBの右下方に配置したが、遊技者の視認可能な場所で、パチンコ遊技機10に配置されていればどこでも良い。例えば、遊技盤YBの上方や、パチンコ遊技機10の枠(例えば、前枠14)などに配置しても良い。
【0211】
・上記実施形態において、演出用可動体50を用いて大当り期待演出を行ったが演出用可動体50を用いなくても良い。例えば、演出表示装置28や他の役物を用いて大当り期待演出を行っても良い。この場合、図柄変動ゲームの第1期間と第2期間において、大当り期待度が上昇する構成を備えていなくてはならない。例えば、パチンコ遊技機10の前枠14に、複数のランプを備え、当該ランプを段階的に点灯させることで、大当り期待度を変化させる態様としても良い。
【0212】
・上記実施形態において、演出用可動体50の検知スイッチSW5を、排出口53を通ったところに設置したが、演出通路59に発射された遊技球を検知できればどこに設置しても良い。例えば、連通口54と規制部51bの間の通路に設置しても良い。
【0213】
・上記実施形態において、演出用可動体50の検知スイッチSW5が検知した遊技球の個数を演出表示装置28に表示するようにしたが、演出表示装置28で表示しなくても良いし、検知個数を一切表示しないようにしても良い。また、例えば、遊技者が視認可能な遊技機の場所に検知個数を表示する7セグメント型のLEDを配置し、そこで検知個数を表示しても良い。
【0214】
・上記実施形態において、演出通路59に発射する遊技球を貯留して、演出用可動体50内で遊技球を循環させる構造にしたがそのようにしなくても良い。例えば、遊技盤YBの排除口(例えば、アウト口43)から排出される遊技球を貯留し、演出通路59に発射された遊技球は検知スイッチSW5に検知されると遊技機の外部に排出されるような構成としても良い。このようにすることで、ある程度の遊技球が貯留されないと、正確な大当り期待演出が実行されなくなる。このため、大当り期待演出が見たい遊技者は、遊技領域に遊技球を打ち込むこととなり、遊技の興趣が向上する。なお、この場合の貯留手段が、排出遊技球貯留手段として機能する。
【0215】
・上記実施形態において、演出用可動体50の裏面で貯留可能な遊技球の個数を「7球」としたが、そのようにしなくても良い。例えば、循環する構成であれば、「1球」、「5球」、「10球」としても良い。また、発射して検知した遊技球を遊技盤の外部に排出する構成であれば、1回の図柄変動ゲームで発射可能な最大個数以上の遊技球が貯留されていれば良い。
【0216】
・上記実施形態において、大当り期待演出の発射個数の最大個数を「7球」としたが何球にしても良い。例えば、「5球」、「10球」、「20球」にしても良い。
・上記実施形態において、リーチの図柄組み合わせが導出されることが確定する大当り期待演出の発射個数を「4球」としたが、何球にしても良い。例えば、「3球」、「5球」、「10球」としても良い。この場合、リーチの図柄組み合わせが導出されることが確定する態様としなければならない。また、そのような、リーチの図柄組み合わせが導出されることが確定する大当り期待演出の発射個数を設定しなくても良い。
【0217】
・上記実施形態において、リーチの図柄組み合わせが導出されることが確定する大当り期待演出の発射個数(本実施形態では、4球)に第1期間では達し難い構成としても良い。また、第1期間では、リーチの図柄組み合わせが導出されることが確定する大当り期待演出の発射個数(本実施形態では、4球)に達しないような構成としても良い。
【0218】
・上記実施形態において、スーパーリーチ変動に発展することが確定する大当り期待演出の発射個数を「5球」としたが、何球にしても良い。例えば、「3球」、「7球」、「10球」としても良い。この場合、スーパーリーチ変動に発展することが確定する態様としなければならない。また、そのような、スーパーリーチ変動に発展することが確定する大当り期待演出の発射個数を設定しなくても良い。
【0219】
・上記実施形態において、スーパーリーチ変動に発展することが確定する大当り期待演出の発射個数(本実施形態では、5球)に第1期間では達し難い構成としても良い。また、第1期間では、スーパーリーチ変動に発展することが確定する大当り期待演出の発射個数(本実施形態では、5球)に達しないような構成としても良い。
【0220】
・上記実施形態において、第2期間のノーマルリーチ変動の終了直前のタイミングにおいて、スーパーリーチ変動に発展することが確定する大当り期待演出の発射個数(本実施形態では、5球)に達するように振り分けても良い。
【0221】
・上記実施形態において、大当り表示結果が導出されることが確定する大当り期待演出の発射個数を「7球」としたが、何球にしても良い。例えば、「5球」、「10球」、「20球」としても良い。この場合、大当り表示結果が導出されることが確定する態様としなければならない。また、そのような、大当り表示結果が導出されることが確定する大当り期待演出の発射個数を設定しなくても良い。
【0222】
・上記実施形態において、大当り表示結果が導出されることが確定する大当り期待演出の発射個数(本実施形態では、7球)に第1期間では達し難い構成としても良い。また、第1期間では、大当り表示結果が導出されることが確定する大当り期待演出の発射個数(本実施形態では、7球)に達しないような構成としても良い。
【0223】
・上記実施形態において、変動パターン毎に設定された図柄変動ゲーム全体で発射可能な遊技球の最大個数を図柄変動ゲーム中に発射しない場合も存在するが、必ず最大個数の遊技球を1回の図柄変動ゲーム中に演出用可動体50に発射するようにしても良い。このようにすることで、図柄変動ゲームの正確な大当り期待度を遊技者に抱かせることができる。
【0224】
・上記実施形態において、大当り演出用の変動パターンP5〜P7が決定された場合には、大当り表示結果が導出されることが確定する「7球」の遊技球が発射され得る構成としたが、そのようにしなくても良い。例えば、図柄変動ゲーム全体で発射可能な遊技球の最大個数を「6球」とする大当り演出用の変動パターンを備えても良い。なお、この場合、発射される遊技球の個数に対応した大当り信頼度を損なわないように設定しなくてはならない。
【0225】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記個数決定手段は、変動パターン毎に大当り期待演出で演出装置の演出領域に発射される遊技球の発射個数が取り得る最大値を、1回の図柄変動ゲーム中に必ず発射するように発射個数を決定するようにした請求項2に記載の遊技機。
【0226】
(ロ)前記遊技領域には、遊技領域内に発射された遊技球を遊技機の外部に排出する排除口を複数備えるとともに、前記演出装置は、前記複数の排除口のうち予め決められた排除口に入球した遊技球の一部を遊技機の外部に排出する前に、一定量貯留する排出遊技球貯留手段を備え、前記発射手段は、前記排出遊技球貯留手段に貯留される遊技球を演出領域に発射し、前記排出手段は、前記演出領域の遊技球を当該演出領域外に排出し、前記検知手段は、排出された遊技球を検知した後、遊技機の外部へと排出するようにした請求項1、請求項2、及び技術的思想(イ)のうち何れか一項に記載の遊技機。
【0227】
(ハ)1回の図柄変動ゲームにおいて、前記演出装置の検知手段が検知した回数を前記表示手段に表示する請求項1〜請求項3、技術的思想(イ)、及び技術的思想(ロ)のうち何れか一項に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0228】
10…パチンコ遊技機、28…演出表示装置、41…大入賞口、45…主制御基板、45a…主制御用CPU、45b…主制御用ROM、45c…主制御用RAM、46…サブ統括制御基板、46a…統括制御用CPU、46b…統括制御用ROM、46c…統括制御用RAM、47…演出表示制御基板、47a…表示制御用CPU、47b…表示制御用ROM、47c…表示制御用RAM、50…演出用可動体、51…発射装置、52…モータ、58…背面側通路、59…演出通路、SW5…検知スイッチ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球の入賞を検知する始動入賞手段と、前記始動入賞手段による遊技球の入賞検知を契機に複数種類の図柄を変動させて図柄変動ゲームを実行する表示手段と、を備え、前記図柄変動ゲームで予め決められた大当り表示結果が表示された場合には当該図柄変動ゲームの終了後に遊技球の入球が許容される入賞手段を開放するラウンド遊技により構成される大当り遊技が付与される遊技機において、
前記図柄変動ゲームの開始時に、図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを判定する大当り判定手段と、
前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合には、前記図柄変動ゲームの演出時間を少なくとも特定可能な変動パターンを、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から決定し、前記大当り判定手段の判定結果が否定の場合には、複数種類のはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
遊技球が流下する遊技領域とは異なる演出領域に発射された遊技球の発射個数に応じて、図柄変動ゲームで大当り表示結果が表示される可能性を示す大当り期待演出を実行する演出装置と、
前記大当り期待演出において、発射する遊技球の発射個数を決定する個数決定手段と、
前記個数決定手段が決定した発射個数の遊技球を発射させて大当り期待演出を実行させるように前記演出装置を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出装置は、
遊技球が流下する遊技領域とは異なる演出領域と、前記個数決定手段が決定した発射個数の遊技球を前記演出領域に発射する発射手段と、前記演出領域から排出される遊技球を検知する検知手段と、を有し、
前記演出制御手段は、図柄変動ゲーム中に予め設定された複数の期間において、前記大当り期待演出を実行させ、
前記変動パターン毎に、図柄変動ゲーム開始時から図柄変動ゲーム終了時までに大当り期待演出で発射される遊技球の個数が取り得る範囲は、予め設定されており、
前記個数決定手段は、
前記図柄変動ゲームの最初の期間において大当り期待演出を実行させるとき、
前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンが大当り演出用の変動パターンである場合には、はずれ演出用の変動パターンである場合と比較して、最初の期間における発射個数が、高確率で多くなるように最初の期間における発射個数を決定し、
前記図柄変動ゲームの最初の期間以外の期間において大当り期待演出を実行させるとき、
前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンが大当り演出用の変動パターンである場合には、はずれ演出用の変動パターンである場合と比較して、前回の期間が終了するまでに検知手段により検知された遊技球の個数と、今回の期間における大当り期待演出の発射個数との合計個数が、高確率で多くなるように今回の期間における発射個数を決定するように構成されたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技球の入賞を検知する始動入賞手段と、前記始動入賞手段による遊技球の入賞検知を契機に複数種類の図柄を変動させて図柄変動ゲームを実行する表示手段と、を備え、前記図柄変動ゲームで予め決められた大当り表示結果が表示された場合には当該図柄変動ゲームの終了後に遊技球の入球が許容される入賞手段を開放するラウンド遊技により構成される大当り遊技が付与される遊技機において、
前記図柄変動ゲームの開始時に、図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを判定する大当り判定手段と、
前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合には、前記図柄変動ゲームの演出時間を少なくとも特定可能な変動パターンを、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から決定し、前記大当り判定手段の判定結果が否定の場合には、複数種類のはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
遊技球が流下する遊技領域とは異なる演出領域に発射された遊技球の発射個数に応じて、図柄変動ゲームで大当り表示結果が表示される可能性を示す大当り期待演出を実行する演出装置と、
前記大当り期待演出において、発射する遊技球の発射個数を決定する個数決定手段と、
前記個数決定手段が決定した発射個数の遊技球を発射させて大当り期待演出を実行させるように前記演出装置を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出装置は、
遊技球が流下する遊技領域とは異なる演出領域と、前記個数決定手段が決定した発射個数の遊技球を前記演出領域に発射する発射手段と、前記演出領域から排出される遊技球を検知する検知手段と、を有し、
前記演出制御手段は、図柄変動ゲーム中に予め設定された複数の期間において、前記大当り期待演出を実行させ、
図柄変動ゲーム開始時から図柄変動ゲーム終了時までに大当り期待演出で発射される遊技球の発射個数が取り得る最大値は、前記変動パターン決定手段が大当り演出用の変動パターンを決定した場合、はずれ演出用の変動パターンを決定した場合よりも多くなるように設定されており、
前記個数決定手段は、
前記図柄変動ゲームの最初の期間において大当り期待演出を実行させるとき、
前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに応じて設定された発射個数の最大値以下の発射個数を図柄変動ゲームの最初の期間における発射個数として決定し、
前記図柄変動ゲームの最初の期間とは異なる期間において大当り期待演出を実行させるとき、
前記検知手段によって図柄変動ゲームが開始してから前回の期間までに検知された発射個数と、今回の期間において決定する発射個数との合計個数が、前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに応じて設定された発射個数の最大値以下となるように、今回の期間における発射個数を決定する遊技機。
【請求項3】
前記演出装置は、前記演出領域の遊技球を排出する排出手段と、前記演出領域に発射する遊技球を貯留する貯留手段と、を更に有し、
前記演出装置の発射手段は、前記貯留手段に貯留される遊技球を演出領域に発射し、
前記排出手段は、前記演出領域の遊技球を当該演出領域から排出し、
前記検知手段は、排出された遊技球を検知し、
前記貯留手段は、前記検知手段により検知された遊技球を貯留するように構成された請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項1】
遊技球の入賞を検知する始動入賞手段と、前記始動入賞手段による遊技球の入賞検知を契機に複数種類の図柄を変動させて図柄変動ゲームを実行する表示手段と、を備え、前記図柄変動ゲームで予め決められた大当り表示結果が表示された場合には当該図柄変動ゲームの終了後に遊技球の入球が許容される入賞手段を開放するラウンド遊技により構成される大当り遊技が付与される遊技機において、
前記図柄変動ゲームの開始時に、図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを判定する大当り判定手段と、
前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合には、前記図柄変動ゲームの演出時間を少なくとも特定可能な変動パターンを、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から決定し、前記大当り判定手段の判定結果が否定の場合には、複数種類のはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
遊技球が流下する遊技領域とは異なる演出領域に発射された遊技球の発射個数に応じて、図柄変動ゲームで大当り表示結果が表示される可能性を示す大当り期待演出を実行する演出装置と、
前記大当り期待演出において、発射する遊技球の発射個数を決定する個数決定手段と、
前記個数決定手段が決定した発射個数の遊技球を発射させて大当り期待演出を実行させるように前記演出装置を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出装置は、
遊技球が流下する遊技領域とは異なる演出領域と、前記個数決定手段が決定した発射個数の遊技球を前記演出領域に発射する発射手段と、前記演出領域から排出される遊技球を検知する検知手段と、を有し、
前記演出制御手段は、図柄変動ゲーム中に予め設定された複数の期間において、前記大当り期待演出を実行させ、
前記変動パターン毎に、図柄変動ゲーム開始時から図柄変動ゲーム終了時までに大当り期待演出で発射される遊技球の個数が取り得る範囲は、予め設定されており、
前記個数決定手段は、
前記図柄変動ゲームの最初の期間において大当り期待演出を実行させるとき、
前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンが大当り演出用の変動パターンである場合には、はずれ演出用の変動パターンである場合と比較して、最初の期間における発射個数が、高確率で多くなるように最初の期間における発射個数を決定し、
前記図柄変動ゲームの最初の期間以外の期間において大当り期待演出を実行させるとき、
前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンが大当り演出用の変動パターンである場合には、はずれ演出用の変動パターンである場合と比較して、前回の期間が終了するまでに検知手段により検知された遊技球の個数と、今回の期間における大当り期待演出の発射個数との合計個数が、高確率で多くなるように今回の期間における発射個数を決定するように構成されたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技球の入賞を検知する始動入賞手段と、前記始動入賞手段による遊技球の入賞検知を契機に複数種類の図柄を変動させて図柄変動ゲームを実行する表示手段と、を備え、前記図柄変動ゲームで予め決められた大当り表示結果が表示された場合には当該図柄変動ゲームの終了後に遊技球の入球が許容される入賞手段を開放するラウンド遊技により構成される大当り遊技が付与される遊技機において、
前記図柄変動ゲームの開始時に、図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを判定する大当り判定手段と、
前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合には、前記図柄変動ゲームの演出時間を少なくとも特定可能な変動パターンを、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から決定し、前記大当り判定手段の判定結果が否定の場合には、複数種類のはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
遊技球が流下する遊技領域とは異なる演出領域に発射された遊技球の発射個数に応じて、図柄変動ゲームで大当り表示結果が表示される可能性を示す大当り期待演出を実行する演出装置と、
前記大当り期待演出において、発射する遊技球の発射個数を決定する個数決定手段と、
前記個数決定手段が決定した発射個数の遊技球を発射させて大当り期待演出を実行させるように前記演出装置を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出装置は、
遊技球が流下する遊技領域とは異なる演出領域と、前記個数決定手段が決定した発射個数の遊技球を前記演出領域に発射する発射手段と、前記演出領域から排出される遊技球を検知する検知手段と、を有し、
前記演出制御手段は、図柄変動ゲーム中に予め設定された複数の期間において、前記大当り期待演出を実行させ、
図柄変動ゲーム開始時から図柄変動ゲーム終了時までに大当り期待演出で発射される遊技球の発射個数が取り得る最大値は、前記変動パターン決定手段が大当り演出用の変動パターンを決定した場合、はずれ演出用の変動パターンを決定した場合よりも多くなるように設定されており、
前記個数決定手段は、
前記図柄変動ゲームの最初の期間において大当り期待演出を実行させるとき、
前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに応じて設定された発射個数の最大値以下の発射個数を図柄変動ゲームの最初の期間における発射個数として決定し、
前記図柄変動ゲームの最初の期間とは異なる期間において大当り期待演出を実行させるとき、
前記検知手段によって図柄変動ゲームが開始してから前回の期間までに検知された発射個数と、今回の期間において決定する発射個数との合計個数が、前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに応じて設定された発射個数の最大値以下となるように、今回の期間における発射個数を決定する遊技機。
【請求項3】
前記演出装置は、前記演出領域の遊技球を排出する排出手段と、前記演出領域に発射する遊技球を貯留する貯留手段と、を更に有し、
前記演出装置の発射手段は、前記貯留手段に貯留される遊技球を演出領域に発射し、
前記排出手段は、前記演出領域の遊技球を当該演出領域から排出し、
前記検知手段は、排出された遊技球を検知し、
前記貯留手段は、前記検知手段により検知された遊技球を貯留するように構成された請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2011−104161(P2011−104161A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263050(P2009−263050)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
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