遊技機
【課題】遊技への注目度の向上を良好に図ることが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】遊技盤20は始動入球部として第1作動口33、第2作動口34が備えられている。いずれかの作動口33,34へ遊技球が入賞すると数値情報の取得を通じた大当たり抽選が行われ、当選結果の場合は大入賞口32aへ入賞可能となる開閉実行モードへ移行する特典が付与される。開閉実行モードは複数設定されており、第1作動口33より、第2作動口34へ入賞するほうが有利となるよう設定されている。第1作動口33へ遊技球が入賞したことを契機に、第2作動口34が開放状態へと遷移する。
【解決手段】遊技盤20は始動入球部として第1作動口33、第2作動口34が備えられている。いずれかの作動口33,34へ遊技球が入賞すると数値情報の取得を通じた大当たり抽選が行われ、当選結果の場合は大入賞口32aへ入賞可能となる開閉実行モードへ移行する特典が付与される。開閉実行モードは複数設定されており、第1作動口33より、第2作動口34へ入賞するほうが有利となるよう設定されている。第1作動口33へ遊技球が入賞したことを契機に、第2作動口34が開放状態へと遷移する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動入球部に入球したことを契機として、特別遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われ、当選となれば可変入賞装置が開放状態となるといった特典が遊技者に付与される。また、遊技状態に応じて入賞頻度を変化させる構成が付随して設けられていない始動入球部と、遊技状態に応じて入賞頻度を変化させる構成が付随して設けられている始動入球部を有する遊技機においては、特別遊技状態を契機として後者の始動入球部が入賞し易い状態へ移行し得る(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−1904101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで遊技機においては、遊技の多様化を図ることで、遊技への注目度を高める必要がある。しかし上記のような構成の場合は、始動入球部の状態変化の契機である特別遊技状態への当選までの間、遊技が単調なものとなるという問題があり、遊技への注目度を高めるという点においては未だ改良の余地がある。
【0005】
本発明は、上記例示した事情等を鑑みてなされたものであり、遊技への注目度を良好に高めることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
【0007】
請求項1に記載の発明は、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
遊技球が流下する遊技領域に対して設けられ、当該流下する遊技球が入賞可能な第1始動入球部と、
当該第1始動入球部への入賞が発生したことに基づいて第1抽選を行う第1抽選手段と、
当該第1抽選の抽選結果が当選結果であることに基づいて遊技者に特典を付与する第1特典付与手段と、
前記遊技領域に対して設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入賞可能であって、遊技球が入賞し易い第1状態となることが可能であり、且つそれよりも入賞しにくい第2状態となることが可能な第2始動入球部と、
当該第2始動入球部への入賞が発生したことに基づいて第2抽選を行う第2抽選手段と、
当該第2抽選の抽選結果が当選結果であることに基づいて遊技者に特典を付与する第2特典付与手段と、
前記第1始動入球部への入賞が発生したことに基づいて、前記第2始動入球部を前記第1状態とする切換手段と、
を備え、
前記第1抽選手段及び前記第2抽選手段のいずれもが、数値情報の取得を通じた抽選を行うものであり、
前記切換手段による切換が行われることにより、前記第1抽選の結果が外れ結果である場合に前記第2始動入球部が前記第1状態となることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
遊技への注目度を良好に高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】パチンコ機の斜視図である。
【図2】パチンコ機の主要な構成を分解して示す斜視図である。
【図3】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図4】(a)役物ユニットの主要な構成を一部破断して示す破断図であり、(b)役物ユニットの断面図である。
【図5】(a−1)閉鎖状態の役物ユニットを一部破断して示す破断図であり、(a−2)閉鎖状態の役物ユニットの断面図であり、(b−1)開放状態の役物ユニットを一部破断して示す破断図であり、(b−2)開放状態の役物ユニットの断面図である。
【図6】(a)閉鎖状態の第3作動口の概略図であり、(b)開放状態の第3作動口の概略図である。
【図7】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための説明図である。
【図9】当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するためのブロック図である。
【図10】(a)低確率モード用の当否テーブルであり、(b)高確率モード用の当否テーブルである。
【図11】(a)第1特図表示部用の振分テーブルであり、(b)第2特図表示部用の振分テーブルである。
【図12】保留球格納エリアの構成を説明するための説明図である。
【図13】主制御装置のMPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図14】作動口用の入賞処理を示すフローチャートである。
【図15】不正検知処理を示すフローチャートである。
【図16】通常処理を示すフローチャートである。
【図17】遊技回制御処理を示すフローチャートである。
【図18】データ設定処理を示すフローチャートである。
【図19】変動開始処理を示すフローチャートである。
【図20】遊技状態移行処理を示すフローチャートである。
【図21】開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。
【図22】電役サポート用処理を示すフローチャートである。
【図23】各作動口への入賞を契機としたパチンコ機の各部の作用を示すタイミングチャートである。
【図24】第2の実施形態における作動口用の入賞処理を示すフローチャートである。
【図25】第3の実施形態における遊技盤の構成を示す正面図である。
【図26】第4の実施形態における遊技回制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図、図2はパチンコ機10の主要な構成を分解して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
【0011】
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
【0012】
遊技機本体12は、図2に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
【0013】
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
【0014】
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠16に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
【0015】
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
【0016】
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤20が着脱可能に取り付けられている。遊技盤20は合板よりなり、遊技盤20の前面に形成された遊技領域PEが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
【0017】
ここで、遊技盤20の構成を図3に基づいて説明する。図3は遊技盤20の正面図である。
【0018】
遊技盤20には、遊技領域PEの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。樹脂ベース21において窓孔23の下方に取り付けられた遊技球発射機構101から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PEの上部に案内されるようになっている。
【0019】
ちなみに、遊技球発射機構101は、誘導レールに向けて延びる発射レール102と、後述する上皿76aに貯留されている遊技球を発射レール102上に供給する球送り装置103と、発射レール102上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド104と、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置(又は発射ハンドル)105が回動操作されることによりソレノイド104が駆動制御され、遊技球が発射される。
【0020】
遊技盤20には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、特別入球手段として設けられた可変入賞装置32、第1作動口(又は第1始動入球部)33、第2作動口(又は第2始動入球部)34、第3作動口(又は第3始動入球部)35、スルーゲート36、可変表示ユニット40、特図表示部37及び普図表示部39等がそれぞれ設けられている。なお、一般入賞口31は複数設けられている。
【0021】
スルーゲート36への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35への入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、第1作動口33への入球が発生した場合、第2作動口34への入球が発生した場合、第3作動口35への入球が発生した場合には、3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合及び可変入賞装置32への入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行される。
【0022】
なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。第1作動口33に係る払出個数よりも第2作動口34及び第3作動口35に係る払出個数を多く設定すると、第1作動口33に対する第2作動口34及び第3作動口35の有利性を高めることが可能となる。また、各作動口33〜35に対する可変入賞装置32の有利性を高める上では、各作動口33〜35に係る払出個数よりも可変入賞装置32に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
【0023】
その他に、遊技盤20の最下部にはアウト口24が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口24を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤20には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘27が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0024】
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口24への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、第3作動口35、スルーゲート36への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
【0025】
遊技領域PEの中央部を含むようにして可変表示ユニット40が設けられている。当該可変表示ユニット40の周縁部が遊技盤20の表面よりもパチンコ機10前方に突出していることに起因して、遊技領域PEに発射された遊技球が流下可能な領域が区画されている。具体的には、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット40の所定の高さ位置よりも上方の領域である上側領域PE1と、当該上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット40よりも左方の領域である左側領域PE2と、上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット40よりも右方の領域である右側領域PE3と、左側領域PE2及び右側領域PE3のそれぞれに対してその下方にて連続し可変表示ユニット40よりも下方の領域である下側領域PE4と、に区画されている。
【0026】
遊技者が第1発射操作として基準回動量未満である第1範囲の回動量で発射操作装置105の操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも左方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→左側領域PE2→下側領域PE4の順で流下することとなる。その一方、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動量で発射操作装置105の操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも右方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→右側領域PE3→下側領域PE4の順で流下することとなる。つまり、遊技者は発射操作装置105の回動操作量を調整することで、左側領域PE2及び右側領域PE3のうち左側領域PE2を遊技球が流下するように遊技を行うことができるとともに、右側領域PE3を遊技球が流下するように遊技を行うことができる。
【0027】
第1作動口33及び第2作動口34は、下側領域PE4に配置されている。第1作動口33及び第2作動口34は役物ユニット50によって形成されている。
【0028】
ここで、役物ユニット50の構成について図4及び図5を用いて説明する。図4(a)は役物ユニット50の主要な構成を一部破断して示す破断図であり、図4(b)は図4(a)におけるA−A線断面図である。図5(a−1)は役物ユニット50が閉鎖状態である場合における概略を一部破断して示す破断図であり、図5(a−2)は図5(a−1)におけるA−A線断面図であり、図5(b−1)は役物ユニット50が開放状態である場合における概略を一部破断して示す破断図であり、図5(b−2)は図5(b−1)におけるA−A線断面図である。
【0029】
図4(a)及び図4(b)に示すとおり、役物ユニット50はベース部材51と、当該ベース部材51にパチンコ機10の前側から組付けられる組付け部材52とを備えており、これらベース部材51及び組付け部材52により中空状の内部空間53を有する立体構造となっている。ベース部材51及び組付け部材52は合成樹脂材料により形成されている。役物ユニット50は、ベース部材51に形成されたフランジにより遊技盤20に対して固定(ネジ止め)される。
【0030】
ベース部材51の前面の壁部である前側壁部51aには、前後方向に遊技球が通過可能な開口である上開口部51bと下開口部51cが形成されている。上開口部51bは前側壁部51aの上下方向で中央よりも上側に位置する。下開口部51cは上開口部51bの下方に位置し、上開口部51bよりも上下方向に長く略長方形状の開口である。
【0031】
ベース部材51の上開口部51b及び下開口部51cを覆うように組付け部材52が組付けられ、上下方向に遊技球が通過可能な第1作動口33及び第2作動口34が形成される。すなわち、組付け部材52の前側の壁部である組付け壁部52aと、組付け壁部52aの上側において前後方向に起立しU字の上部が上方へ向くように屈曲した上側壁部52bと、ベース部材51の前側壁部51aと、により第1作動口33が形成されている。上側壁部52bの底部は奥側に行くほど下方へ傾斜しており、上開口部51bへと遊技球が誘導されるよう形成されている。また、組付け壁部52aと、組付け壁部52aの下側において前後方向に起立しU字の上部が上方へ向くように屈曲した下側壁部52cと、ベース部材51の前側壁部51aと、により第2作動口34が形成されている。下側壁部52cの底部は奥側にいくほど下方へ傾斜しており、下開口部51cへと遊技球が誘導されるよう形成されている。
【0032】
第2作動口34の上方であり上側壁部52bの下方には、左右一対のガイド片54が設けられている。一対のガイド片54は、組付け部材52の組付け壁部52aから前後方向に延びる一対のガイド片回動軸55により回動可能に支持されている。当該ガイド片回動軸55は、両ガイド片54の上下方向の中央よりも下方であって両ガイド片54が向き合う側において両ガイド片54を支持している。これにより両ガイド片54は、前後方向の回動軸を中心に横方向に回動可能となっている。
【0033】
また、組付け部材52における下側壁部52cの左右の上端からは、一対の制限板52dが上方向に起立している。両ガイド片54の下部には当該制限板52dが挿入可能な制限陥没部54aが形成されており、当該制限陥没部54aの陥没範囲において両ガイド片54は回動可能となっている。具体的には図5(a−1)に示すように両ガイド片54が起立した状態から、図5(b−1)に示すように両ガイド片54がV字状になるまでの範囲で回動可能となっている。両ガイド片54が起立した状態の場合、両ガイド片54の上端と組付け部材52の上側壁部52bの底部との離隔距離は遊技球の直径よりも小さくなっている。また、両ガイド片54が起立した状態の場合、両ガイド片54の横方向の離隔距離は遊技球の直径よりも大きく、両ガイド片54がV字状になった場合、両ガイド片54の下端の離隔距離は遊技球の直径よりも小さくなっている。
【0034】
図4の説明に戻り、両ガイド片54の内部には、一対のガイド片錘56が内蔵されている。一対のガイド片錘56は、両ガイド片54が起立状態である場合、一方のガイド片回動軸55を基準としてもう一方のガイド片回動軸55と横方向において反対側にそれぞれ位置し、両ガイド片54がV字状である場合、ガイド片回動軸55の下方にそれぞれ位置する。これにより、それぞれのガイド片54は、ガイド片錘56の自重によって、相互の先端を離隔する方向に付勢されている。
【0035】
下開口部51cは、ベース部材51において内部空間53の一部である集合領域53aとつながっている。集合領域53aの奥側には、上下方向に遊技球が通過可能な排出通路53bが下方向へ延びている。排出通路53bの最下流部において、ベース部材51には上下方向に遊技球が通過可能な開口として下排出口51dが形成されている。
【0036】
上記構成により、第2作動口34から入賞した遊技球は組付け壁部52aと下側壁部52cとにより下開口部51cへ誘導され、集合領域53aへ移動し、集合領域53aの奥側の排出通路53bを通り下排出口51dから排出される。
【0037】
なお、排出通路53bには第2入賞検知センサ58が形成されており、当該第2入賞検知センサ58により第2作動口34への入賞と判断される。
【0038】
一方、上開口部51bから奥側には遊技球が通過可能で奥側に行くほど下方へ傾斜した誘導通路53cが形成され、誘導通路53cはその奥側で集合領域53aとつながっている。集合領域53aの横側の一端には遊技球が横方向に通過可能な分岐通路53dが形成されている。当該分岐通路53dは下方へ傾斜し、分岐通路53dの最下流部においてベース部材51には横方向に遊技球が通過可能な開口として横排出口51eが形成されている。
【0039】
上記構成により、第1作動口33から入賞した遊技球は、組付け壁部52aと上側壁部52bとにより誘導され、上開口部51bを通過する。上開口部51bを通過した遊技球は、誘導通路53cを通過し、集合領域53aへ落下し、集合領域53aにおいて後述する切換部材60により分岐通路53dへ誘導され横排出口51eから排出される。
【0040】
なお、第1作動口33の下方であり上側壁部52bの底部よりも上方には第1入賞検知センサ57が形成されており、当該第1入賞検知センサ57により第1作動口33への入賞と判断される。
【0041】
集合領域53aには第1作動口33に入賞した遊技球を分岐通路53dに誘導すると共に、第1作動口33及び第2作動口34への入賞に伴ってガイド片54を動作させるための切換部材60が設けられている。
【0042】
当該切換部材60について詳細には、図4(b)に示すとおり、第1作動口33に入賞した遊技球を下方から受ける上段部60aと、第2作動口34に入賞した遊技球を下方から受ける下段部60bとを有しており、これらが横方向の一端において縦方向に延びるように形成された連結部60cにより連結された構成となっている。
【0043】
上段部60aの上面においては、横方向の一端から上方向へ横ガイド板60dが起立し、また上段部60aの奥側の先端からも上方向へ奥ガイド板60eが起立している。また、上段部60aの奥側において、上段部60aの上面には、横ガイド板60dから左右反対方向の端へ下方向に傾斜するように窪んだガイド溝60fが形成されている。
【0044】
上段部60aの前側の先端は、ストッパー60gが上段部60aの上面から上方向に突出している。ストッパー60gにより、下開口部51cの上側において前後方向の遊技球の移動が阻止されている。ストッパー60gは手前側にいくほど下方へ傾斜しており、遊技球が第2作動口34へ誘導されるように形成されている。また、ストッパー60gの手前側の先端はベース部材51の前側壁部51aよりも手前側へ突出し、一対のガイド片54の下部に当接しており、両方のガイド片54の回動を阻止し、起立状態に保持している。
【0045】
下段部60bの手前側の先端はベース部材51の前側壁部51aよりも手前側に突出しており、当該突出している部分の先端には上方向に傾斜した球受け部60hが形成されている。第2作動口34へ入賞した遊技球は当該球受け部60hにより奥側へ誘導されるように構成されている。
【0046】
上段部60aには横方向に延びる回動軸部61が設けられており、この回動軸部61がベース部材51に形成された図示しない支持部により支持されている。これにより、切換部材60は横方向の回動軸を中心として縦方向に回動可能となっている。
【0047】
下段部60b及び連結部60cは回動軸部61よりも手前側に形成されており、切換部材60は下段部60b及び連結部60cの自重によって付勢され、図5(a−2)に示すように組付け部材52の下側壁部52cの底部と下段部60bが当接した位置にて初期状態を保っている。
【0048】
また、集合領域53aには横方向に延びる金属製の金属管62が回動軸部61よりも奥側かつ下側に設けられており、この金属管62がベース部材51に形成された図示しない支持部により支持されている。切換部材60が回動した場合において、上段部60aの下面が金属管62と当接する位置には、下側に膨出した磁石受け60iが形成されており、弱い磁力を有する永久磁石である磁石63を支持している。図5(b−2)に示すように、切換部材60が回動すると、切換部材60の金属管62は磁石63の磁力により引き付けられ、切換部材60は当該位置において保持された切換状態となる。
【0049】
ただし、磁石63の磁力は初期状態にある切換部材60を引き寄せて回動させるほどの磁力は有しておらず、あくまでも切換部材60を一時的に保持する程度の磁力である。また、遊技球を保持する磁力も有しておらず、各種センサに異常をもたらすほどの磁力も有していない。したがって、切換部材60は集合領域53aにおいて、下段部60b及び連結部60cの自重によって組付け部材52の下側壁部52cの底部と下段部60bが当接した初期状態と、磁石63の磁力により金属管62が保持された切換状態のいずれかに配置され、初期状態から切換状態までの範囲で回動可能である。
【0050】
下段部60bと組付け部材52の下側壁部52cの底部との当接は、下段部60bが奥側へいくほど下方へ傾斜する形で当接しており、切換部材60の上段部60a及び下段部60bは、初期状態及び切換状態のいずれにおいても、奥側へいくほど下方へ傾斜した状態となっている。
【0051】
ここで、切換部材60の回動をいずれかの状態に保持する保持力は、遊技球の重力よりも小さいものであり、遊技球が切換部材60の各部に衝突することで容易に状態遷移が行われる。
【0052】
分岐通路53dは切換部材60が初期状態である場合において遊技球は入ることができず、切換状態である場合においてはガイド溝60fから入ることが可能な位置に配置されている。
【0053】
次に、切換部材60とガイド片54の連動による役物ユニット50の閉鎖状態と開放状態について図5を用いて説明する。
【0054】
切換部材60が初期状態にある場合においては、一対のガイド片54は切換部材60のストッパー60gにより回動が阻止されており、起立した状態で停止している。両ガイド片54が起立した状態の場合、両ガイド片54の上端と組付け部材52の上側壁部52bの底部との距離は遊技球の直径よりも小さいため、遊技球は通過できない。また、いずれかのガイド片54に対して遊技球が遊技領域PEから衝突したとしても、ガイド片54とストッパー60gの当接と、組付け部材52の制限板52dとによりガイド片54の回動が停止されているため、起立状態からいずれの回動方向へも回動しない。したがって、パチンコ機10において切換部材60が初期状態のとき役物ユニット50は閉鎖状態となり、遊技球は、第1作動口33へは入賞可能だが第2作動口34へは入賞できない。
【0055】
遊技球が第1作動口33へ入賞すると、上側壁部52bの底部の傾斜により奥側へと誘導され誘導通路53cへ移動する。誘導通路53cを通過した遊技球は集合領域53aへ落下し、切換部材60の上段部60aにより受けられる。上段部60aに受けられた遊技球は、上段部60aの傾斜により奥側へと誘導され、ストッパー60g、横ガイド板60d及び奥ガイド板60eを壁面とすることによりガイド溝60fへ誘導される。さらに、遊技球の自重により切換部材60を初期状態から切換状態へ遷移させる。切換部材60が切換状態となると、遊技球はガイド溝60fから分岐通路53dへ通過可能となり、分岐通路53dを通過し、横排出口51eから排出される。
【0056】
切換部材60が切換状態となると、ストッパー60gも切換部材60の回動に従い移動する。ストッパー60gが移動すると、手間側の先端と一対のガイド片54との当接が離れ、ガイド片54は回動可能となる。一対のガイド片54はガイド片54に内蔵されたガイド片錘56の自重によって、相互の先端を離隔するように回動し、制限板52dにより回動が停止されV字状となる。
【0057】
切換部材60が切換状態の場合、ストッパー60gは初期状態の場合よりも奥側で上側に位置することとなるが、下開口部51cの上側においては初期状態と同じように遊技球は通過できない位置に配置される。すなわち遊技球は、切換部材60がいずれの状態においても下開口部51cの上側においては前後方向に通過できず、第2作動口34の上方から切換部材60の上段部60a側へ、又は切換部材60の上段部60a側から第2作動口34の上方へ遊技球が移動することはない。したがって、切換部材60において上段部60a側と下段部60b側を遊技球が行き来することは出来ず、第1作動口33に入賞した遊技球が第2作動口34へ重複して入賞することはない。また、第2作動口34の上方から遊技球が上段部60aへ移動し、第1入賞検知センサ57と第2入賞検知センサ58とのいずれにも検知されずに役物ユニット50を通過することはない。
【0058】
両ガイド片54がV字状となった場合、両ガイド片54の下端は遊技球の直径よりも小さい位置で近接しているが、ガイド片54は閉鎖方向の回動は制限されていない。したがって、遊技球は通過可能で第2作動口34へ入賞可能となっている。
【0059】
遊技球がいずれかのガイド片54の上方より流下すると、V字状となったガイド片54の斜面により下方向へガイドされる。このとき遊技球は自重によってガイド片54を閉鎖方向へ回動させつつ第2作動口34へ入賞する。第2作動口34へ入賞した遊技球は、球受け部60hと当接し、自重により切換部材60を回動させて初期状態へと遷移させつつ、集合領域53aの奥側の排出通路53bへ誘導され、下排出口51dから排出される。したがって、パチンコ機10において遊技球は、切換部材60が切換状態のとき役物ユニット50は開放状態となり、第1作動口33だけでなく第2作動口34へも入賞可能となっている。また、第2作動口34へ遊技球が入賞すると切換部材60は切換状態から初期状態へと遷移し、役物ユニット50は開放状態から閉鎖状態へと遷移する。
【0060】
なお、切換部材60が切換状態の場合、すなわち役物ユニット50が開放状態のときに第1作動口33へ入賞した場合、状態遷移は起こらない。この場合、切換部材60は切換状態を維持し、役物ユニット50は開放状態のまま遷移しない。
【0061】
ここで、第1作動口33及び第2作動口34が下側領域PE4に設けられていることにより、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置105が操作されている場合、及び右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置105が操作されている場合のいずれにおいても、第1作動口33及び第2作動口34への入賞が可能である。但し、可変表示ユニット40に構成されたステージ40aへの通過通路の入口が左側領域PE2に対して設けられており、右側領域PE3に対して設けられていないことにより、左側領域PE2を流下した方が右側領域PE3を流下する場合に比べて第1作動口33及び第2作動口34への入賞が発生し易い。また、左側領域PE2及び右側領域PE3における遊技部品や釘27の配列も、左側領域PE2を流下した方が右側領域PE3を流下する場合に比べて第1作動口33への入賞が発生し易いように設定されている。そして、右側領域PE3を流下した遊技球は第1作動口33及び第2作動口34への入賞がほとんど発生しないようになっている。
【0062】
第3作動口35は、右側領域PE3に設置されている。つまり、第3作動口35は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置105が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置105が操作されている場合には入賞が可能である。
【0063】
第3作動口35の構成について図6を参照しながら説明する。図6(a),(b)は第3作動口35の構成を示す概略図である。第3作動口35には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物35aが設けられている。
【0064】
電動役物35aは遊技盤20の背面側に搭載された普電用の電動役物駆動部35bに連結されており、当該普電用の電動役物駆動部35bにより駆動されて図6(a)に示す閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び図6(b)に示す開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。電動役物35aの閉鎖状態では遊技球が第3作動口35に入賞できず、電動役物35aが開放状態となることで第3作動口35への入賞が可能となる。ちなみに、開放状態となった場合には、電動役物35aが遊技領域PE側に突出し、第3作動口35への入賞をガイドする。第3作動口35には第3入賞検知センサ35cが設けられており、当該第3入賞検知センサ35cにより第3作動口35に入賞した遊技球が検知される。
【0065】
なお、第3作動口35への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物35aが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物35aが前後方向に移動又は回動することで入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが行われる構成としてもよい。また、電動役物35aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、第3作動口35自身の変位により行われる構成としてもよい。
【0066】
右側領域PE3において第3作動口35の上方にはスルーゲート36が設けられている。つまり、スルーゲート36は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置105が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置105が操作されている場合には入賞が可能である。
【0067】
スルーゲート36は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート36に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PEを流下する。これにより、スルーゲート36に入賞した遊技球が第3作動口35へ入賞することが可能となっている。スルーゲート36には入賞検知センサ36aが設けられており、当該入賞検知センサ36aによりスルーゲート36に入賞した遊技球が検知される。
【0068】
スルーゲート36への入賞に基づき第3作動口35の電動役物35aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート36への入賞を契機として内部抽選が行われるとともに、遊技領域PEにおいて遊技球が通過しない領域である左下の隅部に設けられた普図表示部39にて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果がサポート当選であり、当該結果に対応した停止結果が表示されて変動表示が終了された場合に、サポート実行モードへ移行する。サポート実行モードでは、電動役物35aが所定の態様で開放状態となる。
【0069】
なお、普図表示部39は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、普図表示部39にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
【0070】
また、普図表示部39に隣接した位置には、普図保留ランプ部42が設けられている。遊技球がスルーゲート36を入賞した個数(普図保留記憶数)は最大4個まで保留され、普図保留ランプ部42の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0071】
第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35への入賞を契機として大当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図表示部37及び可変表示ユニット40の図柄表示装置41における表示演出を通じて明示される。
【0072】
特図表示部37は、遊技領域PEにおいて遊技球が通過しない領域である右下の隅部に設けられている。特図表示部37には、第1特図表示部ASと、第2特図表示部BS、ラウンド表示部RSとが設けられている。第1特図表示部ASでは、第1作動口33への入賞を契機として大当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。また、第2特図表示部BSでは、第2作動口34及び第3作動口35への入賞を契機として大当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。ラウンド表示部RSでは、後述する開閉実行モードにおけるラウンド回数の表示が行われる。
【0073】
なお、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
【0074】
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置120により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
【0075】
図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、いずれかの作動口33〜35への入賞に基づいて開始される。すなわち、第1特図表示部ASにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われるとともに、第2特図表示部BSにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
【0076】
ちなみに、いずれかの作動口33〜35への入賞に基づいて、特図表示部37及び図柄表示装置41にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
【0077】
また、可変表示ユニット40の前面側において図柄表示装置41の下方には、図3に示すように、特図保留ランプ部43として、第1特図保留ランプ部43a及び第2特図保留ランプ部43bが設けられている。遊技球が第1作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1特図保留ランプ部43aの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、遊技球が第2作動口34及び第3作動口35に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2特図保留ランプ部43bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0078】
可変入賞装置32は、右側領域PE3において第3作動口35の下方であり、かつ、第1作動口33及び第2作動口34より上方の位置に設けられている。つまり、可変入賞装置32は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置105が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置105が操作されている場合には入賞が可能である。また、役物ユニット50が開放状態となっている場合において、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置105を操作したとしても、可変入賞装置32の入賞には影響しない。
【0079】
可変入賞装置32は、遊技盤20の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉部材32bを備えている。開閉部材32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、いずれかの作動口33〜35への入賞に基づく大当たり抽選にて当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に可変入賞駆動部32cにより切り換えられるようになっている。また、大入賞口32aへの入賞は入賞検知センサ32dによって検知される。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
【0080】
上記構成の遊技盤20が樹脂ベース21に取り付けられてなる内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部71が形成されている。窓部71は、略楕円形状をなし、窓パネル72が嵌め込まれている。窓パネル72は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル72を通じて遊技領域PEを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
【0081】
窓部71の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。各種ランプ部の一部として表示ランプ部73が窓部71の右方に設けられている。また、窓部71の上方にはエラーランプ部74が設けられている。また、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部75が設けられている。
【0082】
前扉枠14における窓部71の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部76と下側膨出部77とが上下に並設されている。上側膨出部76の内側には上方に開口した上皿76aが設けられており、下側膨出部77の内側には同じく上方に開口した下皿77aが設けられている。上皿76aは、後述する払出装置91より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構101側へ導くための機能を有する。また、下皿77aは、上皿76a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
【0083】
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
【0084】
図2に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤20)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置80が搭載されている。主制御装置80は主制御基板81が基板ボックスに収容されてなる。
【0085】
主制御装置80を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック15aを備えており、当該裏パック15aに対して、払出機構部17及び制御装置集合ユニット18が取り付けられている。
【0086】
払出機構部17は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク19と、当該タンク19に貯留された遊技球を払い出すための払出装置91と、を備えている。払出装置91より払い出された遊技球は、当該払出装置91の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿76a又は下皿77aに排出される。なお、払出機構部17には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
【0087】
制御装置集合ユニット18は、払出装置91を制御する機能を有する払出制御装置90と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置105の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源及び発射制御装置100と、を備えている。これら払出制御装置90と電源及び発射制御装置100とは、払出制御装置90がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0088】
裏パック15aには、払出機構部17及び制御装置集合ユニット18以外にも、外部端子板130が設けられている。外部端子板130は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板130は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うための基板である。
【0089】
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図7のブロック図に基づいて説明する。
【0090】
主制御装置80は、遊技の主たる制御を司る主制御基板81と、電源を監視する停電監視基板85と、を具備している。なお、主制御装置80において主制御基板81などを収容する基板ボックスに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けておくようにしてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
【0091】
主制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、当該MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83と、そのROM83内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU82が有する機能の一部、例えば、ROM83の機能やRAM84の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
【0092】
MPU82には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU82の入力側には、主制御装置80に設けられた停電監視基板85、払出制御装置90及び各種検知センサなどが接続されている。この場合に、停電監視基板85には電源及び発射制御装置100が接続されており、MPU82には停電監視基板85を介して電力が供給される。また、各種検知センサの一部として、入賞検知センサ32d,35c,36a,57,58では、主制御装置80のMPU82において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU82では、第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート36への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
【0093】
MPU82の出力側には、停電監視基板85、払出制御装置90、音声ランプ制御装置110及び外部端子板130が接続されている。外部端子板130には、複数の外部端子(出力端子)が設けられている。
【0094】
外部端子は例えば8個設けられており、管理コンピュータに向けて外部出力する情報の種類が相違している。これら複数の外部端子には、後述する不正検知処理における不正検知を外部出力するための端子や、開閉実行モード中であることを示す開閉実行信号の外部出力を行うための端子、高頻度サポートモード中であることを示す高頻度信号の外部出力を行うための端子が含まれている。MPU82は、RAM84に設けられた外部出力バッファに対して、不正の検知や遊技の進行に応じた情報の設定を行う。そして、外部出力バッファに設定された情報に応じて、信号出力用の設定を外部端子板130に対して行い、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させる。なお、各外部端子は、主制御装置80から管理コンピュータへ向けた電気信号の送信を可能としながら、その逆の流れを防止すべく、フォトカプラを用いて構成されている。
【0095】
払出制御装置90には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM83のコマンド情報記憶エリア83eが参照される。そして、一般入賞口31及び可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、いずれかの作動口33〜35への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
【0096】
音声ランプ制御装置110には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM83のコマンド情報記憶エリア83eが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
【0097】
また、MPU82の出力側には、可変入賞装置32の開閉部材32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、第3作動口35の電動役物35aを開閉動作させる電動役物駆動部35b、及び特図表示部37が接続されている。主制御基板81には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU82は各種駆動部の駆動制御を実行する。
【0098】
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU82において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物35aの開放状態当選となった場合には、電動役物35aが開閉されるように、MPU82において電動役物駆動部35bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU82において特図表示部37における第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSの表示制御が実行されるとともに、可変入賞装置32の開閉実行モードに際しては特図表示部37におけるラウンド表示部RSの表示制御が実行される。
【0099】
停電監視基板85は、主制御基板81と電源及び発射制御装置100とを中継し、また電源及び発射制御装置100から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置90は、主制御装置80から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置91により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
【0100】
電源及び発射制御装置100は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板81や払出制御装置90等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置100は、遊技球発射機構101の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構101は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
【0101】
音声ランプ制御装置110は、主制御装置80から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット40に設けられた各保留ランプ部42,43a,43b及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部73やスピーカ部75を駆動制御するとともに、表示制御装置120を制御するものである。
【0102】
表示制御装置120では、音声ランプ制御装置110から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置110では、主制御装置80から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
【0103】
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図8に基づいて説明する。図8は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
【0104】
図8(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、複数の変動表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図8(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
【0105】
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
【0106】
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
【0107】
また、後述する明示2R確変大当たり結果となる場合には、同一の図柄の組み合わせとは異なる所定の図柄の組み合わせ、具体的にはリーチ外れとなる図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、所定の動画が表示されるようになっている。また、後述する非明示2R確変大当たり結果となる場合には、同一の図柄の組み合わせとは異なる所定の図柄の組み合わせ、具体的にはリーチ外れとなる図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、所定の動画が表示されるようになっている。
【0108】
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
【0109】
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
【0110】
MPU82は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図表示部37の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、普図表示部39の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図9に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部37の第1特図表示部AS及び第2特図表示部BS並びに図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、第3作動口35の電動役物35aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
【0111】
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM84の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ84aに適宜格納される。RAM84には、第1特図表示部用保留エリアRaと、第2特図表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア84bが設けられている。そして、この保留球格納エリア84bに、各作動口33〜35への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
【0112】
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。
【0113】
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が各作動口33〜35に入賞したタイミングでRAM84の保留球格納エリア84bに格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM84の第1特図表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34又は第3作動口35に遊技球が入賞したタイミングでRAM84の第2特図表示部用保留エリアRbに格納される。
【0114】
大当たり当選となる乱数の値は、ROM83における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア83aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図10を用いて説明する。図10に示すように、当否テーブルとしては、図10(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図10(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率対応状態)と高確率モード(高確率対応状態)とが設定されている。
【0115】
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図10(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図10(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は21個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
【0116】
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が各作動口33〜35に入賞したタイミングでRAM84の保留球格納エリア84bに格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM84の第1特図表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34又は第3作動口35に遊技球が入賞したタイミングでRAM84の第2特図表示部用保留エリアRbに格納される。
【0117】
ここで、本実施形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の第3作動口35の電動役物35aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
【0118】
開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が6個(低頻度個数)となるまで継続される。
【0119】
この場合に、本パチンコ機10では、発射操作装置105が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PEに向けて発射されるように遊技球発射機構101が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口32aの開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口32aの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
【0120】
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口32aの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間及び1回の開放に対する開放限度個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。
【0121】
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口32aの開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
【0122】
第3作動口35の電動役物35aにおけるサポートモードとしては、右側領域PE3へ遊技球が発射される第2発射操作により遊技が継続されている状況で比較した場合に、第3作動口35の電動役物35aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
【0123】
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物35aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物35aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
【0124】
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第3作動口35への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第3作動口35よりも第1作動口33及び第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなるため、遊技者は第1発射操作にて左側領域PE2へ遊技球を発射し、逆に高頻度サポートモードでは、第1作動口33及び第2作動口34よりも第3作動口35への入賞が発生する確率が高くなるため、遊技者は第2発射操作にて右側領域PE3へ遊技球を発射する。このようにサポートモードの状態に応じて発射操作を変更するため、遊技を多様なものとすることができる。また、第3作動口35への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
【0125】
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート36への入賞に基づき普図表示部39にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、普図表示部39における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
【0126】
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM83における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア83bに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルの内容について図11を用いて説明する。図11に示すように、振分テーブルとしては、図11(a)の第1特図表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図11(b)の第2特図表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
【0127】
第1特図表示部用の振分テーブルでは、図11(a)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、非明示2R確変大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)、明示2R確変大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)、15R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
【0128】
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0129】
非明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持される大当たり結果である。換言すれば、非明示2R確変大当たり結果は、非明示2R確変大当たり状態(非明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0130】
明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、明示2R確変大当たり結果は、明示2R確変大当たり状態(明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0131】
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0132】
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
【0133】
第1特図表示部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜14」が非明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15〜19」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「20〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
【0134】
上記のように、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、3種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる明示2R確変大当たり結果が次に高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるとともにサポートモードではそれまでのモードが維持される非明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
【0135】
特に、非明示2R確変大当たり結果では、開閉実行モードの終了後において、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードがそれまでのモードに維持される。つまり、通常遊技状態において非明示2R確変大当たり結果となった場合には、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードが低頻度サポートモードに維持される。そうすると、遊技状態として、電動役物35aのサポートモードが低頻度サポートモードで共通しているにも関わらず、当否抽選モードが高確率モードとなる遊技状態を作り出すことができ、遊技者に対して当否抽選モードが高確率モード又は低確率モードのいずれであるか予測させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
【0136】
なお、当否抽選における外れ結果の一種として、低頻度入賞モードの開閉実行モードに移行するとともに、その終了後において当否抽選モード及びサポートモードの移行が発生しない特別外れ結果が含まれていてもよい。上記のような非明示2R確変大当たり結果と当該特別外れ結果との両方が設定されている構成においては、開閉実行モードが低頻度入賞モードに移行すること、及びサポートモードがそれまでのモードに維持されることで共通しているのに対して、当否抽選モードの移行態様が異なっていることにより、例えば通常遊技状態において非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果の一方が発生した場合に、それが実際にいずれの結果に対応しているのかを遊技者に予測させることが可能となる。
【0137】
一方、第2特図表示部用の振分テーブルでは、図11(b)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されている。そして、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
【0138】
上記のように本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、第1作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、第2作動口34又は第3作動口35への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
【0139】
ここで、第1特図表示部用の振分テーブル及び第2特図表示部用の振分テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に確変大当たり結果となる確率は、同一となっている。つまり、第1特図表示部用の振分テーブルでは、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。また、第2特図表示部用の振分テーブルでは、15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。したがって、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる確率は、第1作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、第2作動口34又は第3作動口35への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで同一となっている(具体的には、2/3)。
【0140】
但し、第2作動口34又は第3作動口35への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果が発生する場合、必ず15R確変大当たり結果となるのに対して、第1作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果となる場合、1/4の確率で非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果となり、1/2の確率で15R確変大当たり結果となる。つまり、確変大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R確変大当たり結果の発生確率は、第2作動口34又は第3作動口35への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、第1作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
【0141】
また、非明示2R確変大当たり結果では、上記のとおり開閉実行モードの終了後に当否抽選モードは高確率モードに移行するものの、サポートモードはそれまでのモードが維持される。したがって、サポートモードが低頻度サポートモードのまま維持された場合は、通常遊技状態と同様に遊技者は第1発射操作により左側領域PE2へ遊技球を発射することになる。
【0142】
一方で、低頻度サポートモード時における遊技においても、第1作動口33への入賞を契機に役物ユニット50が開放状態となり、第2作動口34へ入賞し易くなる。つまり、左側領域PE2へ遊技球を発射している状態でも、第2作動口34へ遊技球が入賞することで第2特図表示部用の振分テーブルに基づいて振分抽選が行われる。
【0143】
ここで上述のとおり本構成によると、役物ユニット50の開放状態は、第2作動口34へ遊技球が少なくとも1個入賞することで、閉鎖状態へと戻る。この構成により、第2特図表示部用の振分テーブルに基づいて振分け抽選が行われる頻度は、低頻度サポートモード時における遊技と高頻度サポートモード時における遊技とを比較すると高頻度サポートモード時のほうが高くなっている。
【0144】
以上のとおり、第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35において、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35のうち、第2作動口34及び第3作動口35への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、第3作動口35への入賞頻度が最も高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。一方で、通常遊技状態等の低頻度サポートモード時においても、第2作動口34へ入賞することが可能な構成であることから、遊技の単調化を抑制することが可能となっている。
【0145】
なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、さらに当否抽選モード及びサポートモードの変更は発生しない。
【0146】
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球がいずれかの作動口33〜35に入賞したタイミングでRAM84の保留球格納エリア84bに格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM84の第1特図表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34又は第3作動口35に遊技球が入賞したタイミングでRAM84の第2特図表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM83のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU82では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
【0147】
なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
【0148】
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
【0149】
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。なお、本パチンコ機10において大当たり図柄の組み合わせとは、同一の図柄の組み合わせのことをいう。
【0150】
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
【0151】
図8の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
【0152】
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
【0153】
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部37の第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU82において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
【0154】
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート36に遊技球が入賞したタイミングでRAM84の電役保留エリア84cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物35aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物35aを開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物35aを開放状態に制御しない。
【0155】
既に説明したように、MPU82では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM83の変動表示時間テーブル記憶エリア83cが用いられる。また、MPU82では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM83の停止結果テーブル記憶エリア83dが用いられる。
【0156】
<保留球格納エリア84bの構成>
次に、保留球格納エリア84bの構成を、図12を用いてより詳細に説明する。
【0157】
第1取得情報記憶手段として設けられた第1特図表示部用保留エリアRaは、第1作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。なお、当該第1特図表示部用保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の1組の組み合わせが、第1作動口33に係る保留情報に相当し、当該保留情報が本パチンコ機10における第1特別情報に相当する。
【0158】
また、第2取得情報記憶手段として設けられた第2特図表示部用保留エリアRbは、第2作動口34及び第3作動口35への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。なお、当該第2特図表示部用保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の1組の組み合わせが、第2作動口34及び第3作動口35に係る保留情報に相当し、当該保留情報が本パチンコ機10における第2特別情報に相当する。
【0159】
ここで、第1特図表示部用保留エリアRa及び第2特図表示部用保留エリアRbは、同一の構成となっているため、以下には、両保留エリアRa,Rbのうち第1特図表示部用保留エリアRaの構成について説明する。
【0160】
第1特図表示部用保留エリアRaは、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアと、保留数記憶領域とより構成されている。各記憶エリアは、大当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのC1記憶領域と、大当たり種別カウンタC2の値を格納するためのC2記憶領域と、リーチ乱数カウンタC3の値を格納するためのC3記憶領域とより構成されている。この第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアにより、第1作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
【0161】
C1記憶領域は2バイトで構成されており、0〜599のいずれかの大当たり乱数カウンタC1値が0〜9の下位10ビットを用いて格納されるようになっている。C1記憶領域のうち10〜15の上位6ビットは未使用領域となっている。
【0162】
C2記憶領域は1バイトで構成されており、0〜29のいずれかの大当たり種別カウンタC2値が0〜4の下位5ビットを用いて格納されるようになっている。C2記憶領域のうち5〜7の上位2ビットは未使用領域となっている。
【0163】
C3記憶領域は1バイトで構成されており、0〜238のいずれかのリーチ乱数カウンタC3値が0〜7の全8ビットを用いて格納されるようになっている。
【0164】
保留数記憶領域は、記憶エリアの使用数、すなわち第1作動口33に遊技球が入賞して保留された個数を記憶するための記憶領域である。保留数記憶領域は1バイトで構成されており、0〜4のいずれかの値が0〜2の下位3ビットを用いて格納されるようになっている。保留数記憶領域のうち3〜7の上位5ビットは未使用領域となっている。
【0165】
また、保留球格納エリア84bには、第1特図表示部用保留エリアRaにおける保留数と第2特図表示部用保留エリアRbにおける保留数との和の数の情報を記憶するための総保留数記憶領域が設けられている。総保留数記憶領域は1バイトで構成されており、0〜8のいずれかの値が0〜3の下位4ビットを用いて格納されるようになっている。総保留数記憶領域のうち4〜7の上位4ビットは未使用領域となっている。
【0166】
図9に示す実行エリアAEは、各特図表示部AS,BSの変動表示を開始する際に、第1特図表示部用保留エリアRa又は第2特図表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された各値を移動させるためのエリアである。実行エリアAEは、各特図表示部用保留エリアRa,Rbの1つ分の記憶エリアと同一構成、すなわち、2バイト構成のC1記憶領域と、1バイト構成のC2記憶領域と、1バイト構成のC3記憶領域とにより構成されている。
【0167】
<主制御装置80にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置80内のMPU82にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU82では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理とNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
【0168】
先ず、タイマ割込み処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU82により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
【0169】
ステップS101では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置80に接続されている各種入賞スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
【0170】
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM84の該当するバッファ領域に格納する。
【0171】
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM84の該当するバッファ領域に格納する。
【0172】
続くステップS104ではスルーゲート36への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。本スルー用の入賞処理では、遊技球がスルーゲート36に入賞したと判定した場合、普図保留記憶数が上限値(本実施形態では4)未満であることを条件として、普図保留記憶数を1加算するとともに、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM84の電役保留エリア84cに格納する。また、音声ランプ制御装置110に対して、普図保留記憶数と対応する普図保留ランプ部42を点灯させるための信号を出力する。音声ランプ制御装置110は、当該信号が受信されたことに基づいて普図保留ランプ部42を点灯させるための処理を実行する。
【0173】
その後、ステップS105にて作動口用の入賞処理を実行する。ここで、作動口用の入賞処理について説明する。
【0174】
<作動口用の入賞処理>
作動口用の入賞処理について図14のフローチャートを参照しながら説明する。
【0175】
ステップS201では、遊技球が第1作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを第1入賞検知センサ57の検知状態により判定する。遊技球が第1作動口33に入賞したと判定すると、ステップS202にて不正入賞フラグが各種フラグ格納エリア84eにセットさているか否か(「1」であるか否か)を判定する。不正入賞フラグとは、後述する不正検知処理にて、第1作動口33への遊技球の入賞を伴わない第2作動口34への遊技球の連続入賞を不正行為として記憶するフラグである。ステップS202にて不正入賞フラグがセットされていた場合は、ステップS203にて当該不正入賞フラグを消去する。ステップS202にて不正入賞フラグがセットされていないと判定した場合、又はステップS203にて不正入賞フラグを消去した後は、ステップS204にて第1作動口33への入賞を記憶するフラグである第1入賞フラグが各種フラグ格納エリア84eセットされているか否か(「1」であるか否か)を判定する。第1入賞フラグがセットされていない場合には、続くステップS205にて各種フラグ格納エリア84eに第1入賞フラグをセットする。
【0176】
ステップS204にて第1入賞フラグがセットされていると判定した場合、又はステップS205にて第1入賞フラグをセットした場合は、続くステップS206にて払出制御装置90に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。さらにステップS207では、第1作動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS208では、第1特図表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1特図表示部用保留エリアRaに保留記憶されている第1始動保留記憶数RaNをセットする。
【0177】
ステップS201にて遊技球が第1作動口33に入賞していないと判定した場合、ステップS210では、遊技球が第2作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを第2入賞検知センサ58の検知状態により判定する。遊技球が第2作動口34に入賞したと判定すると、ステップS211にて第2作動口34への入賞を記憶するフラグである第2入賞フラグが各種フラグ格納エリア84eにセットされているか否か(「1」であるか否か)を判定する。第2入賞フラグがセットされていない場合には、続くステップS212にて第2入賞フラグをセットする。
【0178】
またステップS210にて遊技球が第2作動口34に入賞していないと判定した場合、ステップS213では、遊技球が第3作動口35に入賞(始動入賞)したか否かを第3入賞検知センサ35cの検知状態により判定する。
【0179】
ステップS211にて第2入賞フラグがセットされていると判定した場合、ステップS212にて第2入賞フラグをセットした場合、又はステップS213にて第3作動口35に入賞したと判定した場合は、続くステップS214にて払出制御装置90に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS215では、第2作動口34又は第3作動口35に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS216では、第2特図表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2特図表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNをセットする。
【0180】
その後、ステップS209では、ステップS208又はステップS216にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満である場合に、対応する特図表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nと総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1加算する。また、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する特図表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリアに格納し、いずれかの作動口33〜35への入賞が発生したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置110及び表示制御装置120に認識させる。その後、本作動口用の入賞処理を終了する。
【0181】
一方、ステップS201,ステップS210及びステップS213が共にNOの場合、すなわち第1作動口33,第2作動口34、第3作動口35のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。なお、上記ステップS206,S214にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S403にて払出制御装置90に対して送信される。
【0182】
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS105にて作動口用の入賞処理を行った後、続くステップS106では、遊技球が不正に第2作動口34へ入賞したか否かを判定する不正検知処理を行う。上述のとおり、本構成では、役物ユニット50は第1作動口33への入賞を契機に第2作動口34へ入賞し易い開放状態となる。第2作動口34では第2特図表示用の振分テーブルが参照され遊技者にとっては有利となるため、不正行為者が第2作動口34へ不正に入賞させた場合には、遊技ホールに当該不正を通知すると共に、遊技を停止させる等の措置をとる必要がある。ここで、不正検知処理について説明する。
【0183】
<不正検知処理>
不正検知処理について図15のフローチャートを参照しながら説明する。
【0184】
不正検知処理ではまず、ステップS301にて第2入賞フラグがセットされているか否かを判定する。第2入賞フラグがセットされていない場合には、本不正検知処理を行わずそのまま終了する。
【0185】
一方で、第2入賞フラグがセットされていた場合には、ステップS302にて第1入賞フラグがセットさているか否かを判定する。第1入賞フラグがセットされている場合には、ステップS303にて第1入賞フラグを消去し、続くステップS304にて第2入賞フラグを消去し、本不正検知処理を終了する。
【0186】
ステップS302にて第1入賞フラグがセットされていない場合は、続くステップS305にて不正入賞フラグがセットさているか否か判定する。不正入賞フラグがセットされていない場合は、ステップS306にて第2入賞フラグを消去し、ステップS307にて不正入賞フラグをセットし本不正検知処理を終了する。ここで、ステップS305にて否定判定をした場合とは、パチンコ機10において、第1作動口33への入賞を伴わずに第2作動口34へ遊技球が入賞した場合である。一方で、ステップS305にて肯定判定をした場合とは、パチンコ機10において、第1作動口33への入賞を伴わずに第2作動口34へ遊技球が入賞した場合においてさらに第1作動口33への入賞を伴わずに第2作動口34へ遊技球が入賞した場合である。
【0187】
ステップS305にて肯定判定をした場合は、ステップS308にて不正入賞コマンドを出力対象に設定する。不正入賞コマンドは、第1作動口33への入賞を伴わずに第2作動口34へ遊技球が連続して入賞したこと(不正行為)を音声ランプ制御装置110及び表示制御装置120に認識させるためのコマンドである。当該不正入賞コマンドを受信した場合、音声ランプ制御装置110は、不正行為に対応した報知をエラーランプ部74及びスピーカ部75により行う。また、表示制御装置120は、不正行為に対応した報知を図柄表示装置41により行う。
【0188】
ステップS309では、当該不正行為を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるため、異常用の外部出力処理を外部端子板130を通じて実行し、続くステップS310では各種フラグ格納エリア84eに遊技停止フラグをセットし本パチンコ機10の遊技を停止させる。例えば、払出制御装置90に停止コマンドを出力することで払出装置91による遊技球の払出しを停止させる。その後、本不正検知処理を終了する。
【0189】
本パチンコ機10において、役物ユニット50は第1作動口33へ遊技球が入賞することで開放状態となり、第2作動口34へ遊技球が1個入賞すると閉鎖状態となる構成である。正規の遊技者による遊技においては、第1作動口33へ遊技球が入賞し役物ユニット50が開放状態となった場合に、第2作動口34へ遊技球が入賞すると、役物ユニット50は閉鎖状態へと遷移するとともに、作動口用の入賞処理(図14)でセットされた第1入賞フラグと第2入賞フラグはステップS303及びステップS304にて消去される。
【0190】
ここで、遊技球の流下の偏りにより2個連続で第2作動口34へ入賞する可能性もある。この場合、既に第1入賞フラグを消去しているため、ステップS306にて不正入賞フラグがセットされるが、この不正入賞フラグは次に第1作動口33へ遊技球が入賞することで作動口用の入賞処理(図14)におけるステップS203にて消去される。一方不正行為に対しては、第1作動口33へ遊技球を入賞させることなく第2作動口34へ遊技球を入賞させる行為が行われた場合、すなわち第1入賞フラグがセットされていない状態で第2入賞フラグを確認すると、不正入賞フラグがセットされ、この不正入賞フラグが消去されないまま第2作動口34への入賞を確認した場合は不正行為として認定しステップS308〜ステップS310において遊技ホールや遊技者への報知及び遊技停止を実行する。本構成により、不正行為に対して対処しつつ、正規の遊技者の遊技を停止させてしまう可能性を低減させることが可能となっている。
【0191】
なお、不正行為として認定した後、遊技停止までの制御を段階的なものとしても良い。すなわち、第1作動口33への入賞を伴わず第2作動口34へ入賞した場合に、不正入賞フラグをセットすると共に、不正入賞コマンドを音声ランプ制御装置110及び表示制御装置120への出力対象として設定し、その後、さらに第1作動口33への入賞を伴わない第2作動口34への入賞により遊技停止を実行しても良い。
【0192】
また、不正行為と認定する第2作動口34への連続入賞数は上記構成に限られず、例えば、不正入賞フラグを消去することなく第2入賞フラグを2回確認した場合に不正行為と認定する構成でも良い。この場合、遊技球の流下の偏りにより、3個連続して第2作動口34へ入賞した場合の遊技を不正とは認定しない為、不正を行っていない正規の遊技者の遊技を停止させてしまう可能性はさらに低くなる。この場合においても、不正行為の認定から遊技停止までの制御を段階的なものとしても良い。また、遊技停止は行わず、報知の実行のみ行う構成としても良い。
【0193】
さらに、第2作動口34への入賞を契機に監視時間を計測し、監視時間を経過したにもかかわらず、第1作動口33への入賞が発生することなく第2作動口34への入賞が発生した場合には、異常と判断する構成でもよい。具体的には、監視時間の計測をRAM84における各種カウンタエリア84dにより開始し、タイマ割込み処理が実行されるたびに当該監視時間を「1」減算し、監視時間の値が「0」となった場合において、不正入賞フラグをセットする。その後、作動口用の入賞処理(図14)におけるステップS201〜ステップS203の処理がされず(第1作動口33への入賞に伴い不正入賞フラグが消去されず)にステップS210で第2作動口34への入賞を確認した場合に、不正行為として認定し不正検知処理におけるステップS308〜ステップS310を実行する構成としても良い。この場合、不正検知処理におけるステップS301〜ステップS308は不具備となる。
【0194】
また、切換部材60が初期状態と切換状態とのいずれの状態にあるかを検知する切換検知センサを設け、当該切換検知センサにより不正行為を認定する構成でも良い。この場合、第1作動口33への入賞を伴わず第1入賞フラグがセットされていない状態で切換部材60が切換状態であると確認した場合に不正行為と認定し、不正検知処理におけるステップS308〜ステップS310を実行する構成となる。この構成においても、不正検知処理におけるステップS301〜ステップS307は不具備となる。
【0195】
本不正検知処理を行った後、上記のタイマ割込み処理は終了する。
【0196】
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図16のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS401〜S408の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS410,S411のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0197】
通常処理において、ステップS401では、まず上述の不正検知処理にて遊技停止となっているか否かの判定を行う。遊技停止中の場合には、ステップS402にて遊技停止中処理を実行し再びステップS401に戻る。この場合、ステップS403〜ステップS408の遊技の進行に係る処理は実行されない。このため、遊技の正常な進行が制限される。
【0198】
ステップS402の遊技停止中処理について具体的には、パチンコ機10の背面や内部といったように、前扉枠14の回動先端側を開放方向へ回動した場合に操作可能となる位置に設けられた操作部を操作する等の解除操作が遊技ホール管理者によって行われたか否かを判定し、解除操作が行われたと判定した場合には、遊技停止フラグを消去し遊技を復帰させる。
【0199】
遊技停止中でない場合には、ステップS403にて、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置90に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置110に対して送信する。
【0200】
次に、ステップS404では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM84の該当するバッファ領域に格納する。
【0201】
続くステップS405では、払出制御装置90より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS406では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う側の特図表示部AS,BSの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
【0202】
その後、ステップS407では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
【0203】
ステップS408では、第3作動口35に設けられた電動役物35aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、電動役物35aを開放状態とするか否かの判定、普図表示部39の表示制御などを行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。
【0204】
続くステップS409では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS410,S411)。つまり、ステップS410では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM84の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS411では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM84の該当するバッファ領域に格納する。
【0205】
ここで、ステップS401〜S408の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
【0206】
<遊技回制御処理>
次に、ステップS406の遊技回制御処理を図17〜図19のフローチャートを参照して説明する。
【0207】
図17に示す遊技回制御処理では、先ずステップS501にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM84の各種フラグ格納エリア84eにおける開閉実行モードフラグ格納エリアに開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
【0208】
開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理及びステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、いずれかの作動口33〜35への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
【0209】
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、特図表示部37が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM84の各種フラグ格納エリア84eにおける変動表示中フラグ格納エリアに変動表示中フラグが格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
【0210】
特図表示部37が変動表示中でない場合には、ステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS503にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、第1始動保留記憶数RaN、第2始動保留記憶数RbNのいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS504にて第1特図表示部用保留エリアRa又は第2特図表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS505にて特図表示部37における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
【0211】
ここで、ステップS504のデータ設定処理及びステップS505の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
【0212】
先ず、データ設定処理について、図18のフローチャートを参照して説明する。
【0213】
データ設定処理では、先ずステップS601にて、第2特図表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS602〜ステップS607の第1特図表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS608〜ステップS613の第2特図表示部用のデータ設定処理を実行する。
【0214】
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2特図表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2特図表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1特図表示部用保留エリアRa及び第2特図表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2作動口34及び第3作動口35に対応した第2特図表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
【0215】
第1特図表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS602にて、第1特図表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1減算する。続くステップS603では共通保留数CRNを1減算する。その後、ステップS604では、第1特図表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
【0216】
その後、ステップS605にて第1特図表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
【0217】
続くステップS606では、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられた第2特図表示部フラグ格納エリアに第2特図表示部フラグが記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2特図表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSのいずれであるかを特定するための情報である。
【0218】
続くステップS607では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置110に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。この場合、ROM83のコマンド情報記憶エリア83eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1特図表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1作動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置110への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
【0219】
ステップS607にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS403にて、音声ランプ制御装置110に送信される。音声ランプ制御装置110では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット40の第1特図保留ランプ部43aにおける表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
【0220】
第2特図表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS608にて、第2特図表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1減算する。続くステップS609では共通保留数CRNを1減算する。その後、ステップS610では、第2特図表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
【0221】
その後、ステップS611にて第2特図表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。続くステップS612では、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられた第2結特図表示部フラグ格納エリアに第2特図表示部フラグが記憶されていない場合には第2特図表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
【0222】
続くステップS613では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置110に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。この場合、ROM83のコマンド情報記憶エリア83eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2特図表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2作動口34又は第3作動口35に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置110への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
【0223】
ステップS613にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS403にて、音声ランプ制御装置110に送信される。音声ランプ制御装置110では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット40の第2特図保留ランプ部43bにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
【0224】
次に、変動開始処理について、図19のフローチャートを参照して説明する。
【0225】
変動開始処理では、先ずステップS701にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられた高確率モードフラグ格納エリアに高確率モードフラグが格納されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
【0226】
高確率モードでない場合には、ステップS702にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図10(a)に示すように低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS703にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図10(b)に示すように高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
【0227】
ステップS702又はステップS703の処理の後は、ステップS704にて、ステップS702又はステップS703における抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS705〜ステップS712において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理などを実行する。
【0228】
ステップS705では、RAM84に第2特図表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS706にて第1特図表示部用の振分テーブル(図11(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、非明示2R確変大当たり結果の数値範囲、明示2R確変大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
【0229】
一方、第2特図表示部フラグが格納されている場合には、ステップS707にて第2特図表示部用の振分テーブル(図11(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
【0230】
ステップS706又はステップS707の処理の後は、ステップS708にて、ステップS706又はステップS707において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS709にて、確変大当たり結果が発生することとなる今回の遊技回において第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。
【0231】
当該確変大当たり用の停止結果設定処理では、停止結果テーブル記憶エリア83dに記憶されている停止結果テーブルを参照することで、ステップS706又はステップS707において振り分けた大当たり結果に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM84の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。
【0232】
続くステップS710では、ステップS706又はステップS707において振り分けた大当たり結果に対応したフラグをRAM84の各種フラグ格納エリア84eにおける対応するエリアに格納する。具体的には、15R確変大当たり結果である場合には15R確変フラグを格納し、明示2R確変大当たり結果である場合には明示2R確変フラグを格納し、非明示2R確変大当たり結果である場合には非明示2R確変フラグを格納する。その後、ステップS814に進む。
【0233】
一方、ステップS706又はステップS707において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果でない場合には、ステップS708にて否定判定をし、ステップS711に進む。ステップS711では、停止結果テーブル記憶エリア83dにおける通常大当たり用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM84の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS712にて、RAM84の各種フラグ格納エリア84eにおける通常大当たりフラグ格納エリアに通常大当たりフラグを格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。その後、ステップS714に進む。
【0234】
また、ステップS702又はステップS703における抽選の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS704にて否定判定をし、ステップS713に進む。ステップS713では、外れ結果となる今回の遊技回において第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための外れ時用の停止結果設定処理を実行する。当該外れ時用の停止結果設定処理では、停止結果テーブル記憶エリア83dにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM84の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS714に進む。
【0235】
ステップS714では、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。変動表示時間の設定処理では、リーチ表示の発生の有無、いずれのサポートモードであるか、共通保留数CRNや第1始動保留記憶数RaN及び第2始動保留記憶数RbNにおける保留数、等に応じて異なる変動表示時間情報を変動表示時間カウンタエリアに設定する。
【0236】
続くステップS715では、RAM84に第2特図表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS716にて、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1作動口33への入賞に基づき取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれている。一方、第2特図表示部フラグが格納されている場合には、ステップS717にて、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2作動口34若しく第3作動口35への入賞に基づき取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれている。
【0237】
ステップS716又はステップS717の処理を実行した後は、ステップS718にて種別コマンドを設定する。種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、明示2R確変大当たり結果の情報、非明示2R確変大当たり結果の情報などが含まれる。
【0238】
ステップS716〜ステップS718にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS403にて、音声ランプ制御装置110に送信される。音声ランプ制御装置110では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、音声ランプ制御装置110では、その受信した変動用コマンド及び種別コマンドをそのまま表示制御装置120に送信する。表示制御装置120では、変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
【0239】
その後、ステップS719にて、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した特図表示部37において絵柄の変動表示を開始させる。この場合、RAM84に第2特図表示部フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回に対応した特図表示部37が第1特図表示部ASであると特定し、第2特図表示部フラグが格納されている場合には、今回の遊技回に対応した特図表示部37が第2特図表示部BSであると特定する。その後、本変動開始処理を終了する。
【0240】
遊技回制御処理(図17)の説明に戻り、特図表示部37が変動表示中である場合には、ステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS506にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM84の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図13)が起動される度に、1減算される。
【0241】
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS507にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る特図表示部37における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
【0242】
変動表示時間が経過している場合には、ステップS508にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS709,ステップS711又はステップS713のいずれかの処理にてRAM84に記憶したアドレス情報を特定し、そのアドレス情報に対応した絵柄の態様が今回の遊技回に係る特図表示部37にて表示されるように当該特図表示部37を表示制御する。
【0243】
続くステップS509では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS509にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS403にて、音声ランプ制御装置110に送信される。音声ランプ制御装置110では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置110から表示制御装置120に送信され、表示制御装置120では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
【0244】
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS405の遊技状態移行処理を図20及び図21のフローチャートを参照して説明する。
【0245】
図20に示す遊技状態移行処理では、先ずステップS801にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS802に進み、1の遊技回の第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【0246】
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS803にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM84に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【0247】
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS804にて、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。当該ラウンド表示の開始処理では、先ず、RAM84の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、ROM83に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、特図表示部37におけるラウンド表示部RSに出力する。これにより、ラウンド表示部RSでは上記出力に係るラウンドの情報が表示される。
【0248】
続くステップS805では、今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM84に、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS806にて、RAM84の各種カウンタエリア84dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「2」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、高頻度入賞モードである場合には、ステップS807にて、第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「15」をセットする。
【0249】
ステップS806又はステップS807の処理を実行した後は、ステップS808にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS403にて、音声ランプ制御装置110に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置110では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、当該オープニングコマンドは、音声ランプ制御装置110から表示制御装置120に送信され、表示制御装置120では当該オープニングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。ステップS808の処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。
【0250】
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS801にて肯定判定をし、ステップS809にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大入賞口32aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部32cを駆動状態とすることで大入賞口32aを開放させる。また、大入賞口32aが開放中である場合には、当該大入賞口32aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部32cの駆動状態を停止し、大入賞口32aを閉鎖させる。なお、開放限度時間及び開放限度個数は、既に説明したように、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとで異なっている。
【0251】
続くステップS810では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合には、ステップS811にてエンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS403にて、音声ランプ制御装置110に送信される。音声ランプ制御装置110では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。また、当該エンディングコマンドは、音声ランプ制御装置110から表示制御装置120に送信され、表示制御装置120では当該エンディングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示を終了させる。
【0252】
その後、ステップS812では、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について、図21のフローチャートを参照して説明する。
【0253】
先ずステップS901にて、RAM84に、15R確変フラグ又は明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、ステップS902にて遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。続くステップS903にて、高確率モードフラグを格納するとともに、ステップS904にて高頻度サポートフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。
【0254】
続くステップS905では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である高頻度サポートコマンド(高頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置110への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
【0255】
ステップS901にて、15R確変フラグ及び明示2R確変フラグの両方が格納されていないと判定した場合には、ステップS906にて非明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。非明示2R確変フラグが格納されている場合には、ステップS907にて、高頻度サポートフラグが格納されているか否かを判定し、高頻度サポートフラグが格納されていない場合には、ステップS908〜ステップS910の各処理を実行した後に、本移行処理を終了する。この場合、ステップS908では、上記フラグ消去処理を実行する。また、ステップS909では、高確率モードフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、高確率モードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。
【0256】
また、ステップS910では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置110への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
【0257】
一方、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、ステップS907にて肯定判定をし、ステップS902〜ステップS905の各処理を実行した後に、本移行処理を終了する。この場合、サポートモードが高頻度サポートモードとなるとともに、当該高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。
【0258】
ステップS906にて非明示2R確変フラグが格納されていないと判定した場合には、通常大当たりフラグが格納されていることに基づいて今回の開閉実行モードが行われたことを意味する。この場合、ステップS911〜ステップS914の処理を実行する。つまり、ステップS911にて、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS912にて、高頻度サポートフラグを格納するとともに、ステップS913にて、RAM84の各種カウンタエリア84dに設けられた遊技回数カウンタエリアに「100」をセットする。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
【0259】
続くステップS914では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である高頻度サポートコマンド(高頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置110への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
【0260】
ちなみに、ステップS905又はステップS914にて設定された高頻度サポートコマンド及びステップS910にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS403にて、音声ランプ制御装置110に送信される。音声ランプ制御装置110は高頻度サポートコマンド及び低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置120に送信する。表示制御装置120では、高頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが高頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。また、表示制御装置120では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。これらについては、後に詳細に説明する。
【0261】
遊技状態移行処理(図20)の説明に戻り、ステップS812の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS813にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、特図表示部37におけるラウンド表示部RSが消灯されるように当該ラウンド表示部RSの表示制御を終了する。
【0262】
その後、ステップS814にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。
【0263】
<電役サポート用処理>
次に、ステップS408の電役サポート用処理を図22のフローチャートを参照して説明する。
【0264】
図22に示すように、電役サポート用処理では先ずステップS1001にて、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、第3作動口35の電動役物35aを開放状態とする場合に格納され、閉鎖状態に復帰される場合に消去されるフラグである。
【0265】
サポート中フラグが格納されていない場合にはステップS1002に進み、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物35aを開放状態とするか否かの抽選において開放状態当選となった場合に格納され、サポート中フラグが格納される場合に消去されるフラグである。
【0266】
サポート当選フラグが格納されていない場合にはステップS1003に進み、RAM84の各種カウンタエリア84dに設けられた第2タイマエリアT2の値が「0」か否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
【0267】
第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1004にて、普図表示部39における絵柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS1005にて、外れ表示を設定した後に、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図表示部39における絵柄の変動表示が終了される。
【0268】
第2タイマエリアT2の値が「0」であって変動表示の終了タイミングでない場合には、ステップS1006にて、普図保留記憶数の値が「0」より大きいか否かを判定する。普図保留記憶数の値が「0」である場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。普図保留記憶数の値が「0」より大きい場合には、ステップS1007にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1008にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
【0269】
開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1009にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。なお、第2タイマエリアT2はタイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
【0270】
続くステップS1010では、ステップS1009の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、ステップS1011の処理を実行することなくステップS1012に進み、サポート当選である場合には、ステップS1011にてサポート当選フラグを格納するとともに、RAM84の各種カウンタエリア84dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットした後に、ステップS1012に進む。
【0271】
ステップS1012では、当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS1012にて否定判定をした場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。ステップS1012にて肯定判定をした場合には、ステップS1013にて遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。遊技回数カウンタエリアが「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。遊技回数カウンタエリアが「0」である場合には、ステップS1014にて高頻度サポートフラグを消去する。続くステップS1015では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置110への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
【0272】
ステップS1015にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS403にて、音声ランプ制御装置110に送信される。音声ランプ制御装置110は低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置120に送信する。表示制御装置120では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
【0273】
開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1016にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。
【0274】
続くステップS1017では、ステップS1016の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS1018にてサポート当選フラグを格納するとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
【0275】
サポート当選フラグが格納されている場合には、ステップS1002にて肯定判定をし、ステップS1019に進み、第2タイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、普図表示部39における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1020にて、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図表示部39における絵柄の変動表示が終了される。続くステップS1221では、サポート中フラグを格納するとともに、サポート当選フラグを消去した後に、本電役サポート用処理を終了する。
【0276】
サポート中フラグが格納されている場合には、ステップS1022に進み、電動役物35aを開閉制御するための電役開閉処理を実行した後に、本電役サポート用処理を終了する。電役開閉制御処理は、第2タイマエリアT2の値が「0」である場合において実行される処理である。このとき電動役物35aが開放されている場合には、電動役物35aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を実行し、第2タイマエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットし、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」となった場合は、サポート中フラグを消去する。また、電動役物35aが閉鎖されている状態の場合には、電動役物35aを開放状態に制御する開放処理を実行し、開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードであるときには、第2タイマエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)を、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでないときには、第2タイマエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする処理である。本電役開閉処理を行った後電役サポート用処理を終了する。
【0277】
上記構成による作用効果について以下に説明する。
【0278】
図23は、各作動口33〜35への入賞を契機としたパチンコ機10の各部の作用を示すタイミングチャートである。図23(a)は役物ユニット50の開閉動作を示し、図23(b)は第1作動口33への入賞状況を示し、図23(c)は第2作動口34への入賞状況を示し、図23(d)は第3作動口35への入賞状況を示す。図23(e),(f)は大当たり乱数カウンタC1の保留球格納エリア84bへの格納先を示し、図23(e)は第1特図表示部用保留エリアRaへ、図23(f)は第2特図表示部用保留エリアRbへ格納される状況を示している。また、図23(g)は不正検知処理における不正入賞フラグの格納状況を示し、図23(h)は不正検知処理における遊技停止状況を示す。
【0279】
まず、第1作動口33への入賞によって役物ユニット50が開放状態となり、第2作動口34への入賞によって役物ユニット50が閉鎖状態となる様態について説明する。
【0280】
発射操作装置105を操作することによって遊技球が遊技領域PEへ発射され流下した結果、t1のタイミングで第1作動口33へ入賞すると、役物ユニット50が開放状態となる。次にt2のタイミングで第2作動口34へ遊技球が入賞すると役物ユニット50は閉鎖状態となる。
【0281】
またt3のタイミングで第1作動口33へ遊技球が入賞すると、t1と同様に役物ユニット50が開放状態となる。ここで、t4のタイミングで第1作動口33へ遊技球が入賞しても役物ユニット50は動作しない。t5のタイミングで第2作動口34へ遊技球が入賞すると役物ユニット50が閉鎖状態となる。
【0282】
次に高頻度サポートモード時における各作動口33〜34への入賞と役物ユニット50の動作について説明する。
【0283】
高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードに比べて、電動役物35aが開放状態となる回数が多く、さらに1回の開放時間が長く設定されている。したがって、高頻度サポートモードでは第3作動口35へ遊技球が入賞する確率は高くなり、t6及びt7のタイミングで連続して第3作動口35へ遊技球が入賞することも可能である。一方、t6及びt7のタイミングで第3作動口35へ入賞しても、役物ユニット50は動作しない。
【0284】
また、高頻度サポートモード時には発射操作装置105を操作して、第3作動口35へ入賞可能となるように右側領域PE3へ遊技球を発射するが、下側領域PE4に設けられた第1作動口33及び第2作動口34へも遊技球が入賞可能となっている。したがって、t8のタイミングで第1作動口33に遊技球が入賞すると役物ユニット50は開放状態となる。一方で、t9のタイミングで第3作動口35へ遊技球が入賞しても役物ユニット50は動作しない。t10のタイミングで第2作動口34へ遊技球が入賞すると役物ユニット50は閉鎖状態となる。
【0285】
次に各作動口33〜35へ遊技球が入賞した際に取得した大当たり乱数カウンタC1の保留球格納エリア84bへの格納先について説明する。なお、本説明においては、特に明記しない限りいずれの場合も、第1始動保留記憶数RaN及び第2始動保留記憶数RbNは4よりも少ないものとして説明する。
【0286】
t1,t3,t4,t8のタイミングで第1作動口33へ遊技球が入賞すると、取得した大当たり乱数カウンタC1は第1特図表示部用保留エリアRaへ格納される。
【0287】
一方、t2,t5,t10のタイミングで第2作動口34へ遊技球が入賞すると、取得した大当たり乱数カウンタC1は第2特図表示部用保留エリアRbへ格納される。さらにt6,t7,t9のタイミングで第3作動口35へ遊技球が入賞しても、取得した大当たり乱数カウンタC1は第2特図表示部用保留エリアRbへ格納される。
【0288】
すなわち、第2作動口34及び第3作動口35へ遊技球が入賞したことによる大当たり乱数カウンタC1は第2特図表示部用保留エリアRbへ格納され共通なものとして扱われる。これにより、第2作動口34へ入賞し易い発射操作である第1発射操作により左側領域PE2に遊技球を発射している場合と、第3作動口35へ入賞し易い発射操作である第2発射操作により右側領域PE3に遊技球を発射している場合と、のいずれの場合においても、大当たり乱数カウンタC1は第2特図表示部用保留エリアRbへ格納され、大当たりが発生する際には変動開始処理(図19)におけるステップS707にて第2特図表示部用の振分テーブルが参照される。
【0289】
次に、不正検知処理について説明する。なお、ここでは各作動口33〜35へ遊技球が入賞したことによって取得した大当たり乱数カウンタC1の保留球格納エリア84bへの格納先についての説明は省略する。
【0290】
t11のタイミングで第1作動口33へ遊技球が入賞し役物ユニット50が開放状態となり、t12及びt13のタイミングで連続して第2作動口34へ遊技球が入賞すると、不正入賞フラグが格納される。なお、役物ユニット50はt13のタイミングで閉鎖状態となっている。
【0291】
次にt14のタイミングで第1作動口33へ遊技球が入賞すると不正入賞フラグが消去されると共に役物ユニット50は再び開放状態となる。
【0292】
ここで、t15,t16のタイミングで第2作動口34へ遊技球が連続入賞し、t16のタイミングで不正入賞フラグが格納された状態において、t17のタイミングでさらに第2作動口34へ遊技球が連続入賞すると、不正行為と認定される。不正行為として認定されると不正入賞コマンドが音声ランプ制御装置110及び表示制御装置120へ送信されるとともに、遊技ホールの管理コンピュータへ外部出力処理が行われ、遊技停止フラグがセットされてパチンコ機10の遊技が停止される。
【0293】
上記構成により、遊技球の流下の偏りにより、第2作動口34へ2個連続して遊技球が入賞したとしても、直ちに遊技停止とはせず、次の第1作動口33への遊技球の入賞を契機に不正入賞フラグが消去され、遊技は続行可能となっている。
【0294】
一方で、不正行為者が、第1作動口33へ遊技球を入賞させずに第2作動口34へ入賞させた場合においては、第1入賞フラグがセットされていないため、まず不正入賞フラグがセットされ、続く第2作動口34への連続入賞で不正行為と認定される。したがって、t14のタイミングでの第1作動口33への遊技球の入賞に伴う役物ユニット50の開放を介さない場合、t15のタイミングで不正入賞フラグがセットされ、t16のタイミングで不正行為と認定されることになる。不正行為と認定されると、エラーランプ部74、スピーカ部75及び図柄表示装置41を通じて不正行為の報知が行われ、遊技ホールの管理コンピュータへ通知されると共に、払出装置91による遊技球の払出しが停止される等の遊技停止が実行される。したがって、正規の遊技者の遊技を停止させてしまう可能性を低減させつつ、不正行為に対して対処し、各処理を実行する構成となっている。
【0295】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0296】
本パチンコ機10では、第1作動口33への入賞に伴い抽選が行われ大当たり当選の場合には可変入賞装置32の大入賞口32aへ入賞可能な開閉実行モードへ移行する特典と、当該抽選が外れ結果であっても機械式に動作する役物ユニット50が開放状態となり第2作動口34への入賞が許容されるという特典と、が付与される。このことにより、開閉実行モードへ移行するまでの遊技が単調なものとなることなく、第1作動口33へ入賞することの価値を高めることが可能となっている。
【0297】
また、遊技球が第2作動口34へ入賞しても抽選が行われ、大当たり当選の場合には可変入賞装置32の大入賞口32aへ入賞可能な開閉実行モードへ移行する。開閉実行モードは複数設定されており、第1作動口33又は第2作動口34への入賞による抽選で大当たり当選となった場合は、それぞれ第1作動口33への入賞による場合は第1特図表示部用の振分テーブルを参照し、第2作動口34への入賞による場合は第2特図表示部用の振分テーブルを参照して開閉実行モードへ移行する。この振分テーブルは第2特図表示部用の振分テーブルのほうが、第1特図表示部用の振分テーブルよりも遊技者にとって有利なものと設定されている。したがって、第1作動口33へ遊技球が入賞して役物ユニット50が開放状態となり第2作動口34への入賞が許容され、第2作動口34へ遊技球が入賞すると、遊技者にとって有利な第2特図表示部用の振分テーブルを参照とする抽選を受けられることになる。このことにより、第1作動口33へ入賞することの価値がさらに高まり、遊技の単調化を抑制することが可能となっている。
【0298】
また、役物ユニット50は第2作動口34へ遊技球が入賞することによって閉鎖状態となり、第2作動口34への入賞を許容するという特典は、第2作動口34へ入賞することによって制限されることになる。このことにより、第1作動口33への入賞によって得られる特典を過度に高めることなく、また、役物ユニット50が開放状態であることの価値を高めることが可能となっている。
【0299】
さらに本実施の形態では、第1作動口33及び第2作動口34の他に、電動役物35aを有する第3作動口35を別途設けている。第3作動口35の電動役物35aは電動役物駆動部35bにより開閉動作が可能となっており、いずれかの大当たり結果の後に電動役物35aの開放時間と開放回数が増える高頻度サポートモードへ移行し得る。高頻度サポートモードにおいては、第3作動口35へ入賞が容易なものとなる。また、第3作動口35への入賞によって大当たり当選した場合も、遊技者にとって有利である第2特図表示部用の振分テーブルを参照する。
【0300】
このことにより、機械式にて開閉動作する役物ユニット50の第2作動口34を備えつつも、電動式にて開閉動作を行う電動役物35aを備えた第3作動口35が構成されている為、持ち球の減少が抑えられる高頻度サポートモードを実行可能としている。また、第2作動口34又は第3作動口35への入賞によって大当たり当選した場合には第2特図表示部用の振分テーブルが参照されるため、第3作動口35への入賞が容易となる高頻度サポートモードの価値を高めることが可能となっている。さらに、機械式に開閉動作する役物ユニット50は第1作動口33への入賞により開放状態となり、低頻度サポートモード時においても、第2作動口34へ入賞が発生し得る為、高頻度サポートモードの価値を高めつつも低頻度サポートモード時における遊技の単調化が抑制されている。
【0301】
また、限られた遊技領域PEに第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35を配置させる構成において、第3作動口35への遊技球の流下路上には第2作動口34が配置されない構成となっている。具体的には、第3作動口35は第2作動口34が設けられた下側領域PE4とは別の領域である右側領域PE3に設けられている。ここで、第2作動口34へは、左側領域PE2へ遊技球を発射するほうが、右側領域PE3へ遊技球を発射するよりも入賞しやすくなっている。一方で、第3作動口35へは右側領域PE3へ遊技球を発射しなければ入賞できない。このことにより、左側領域PE2へ遊技球を発射している場合には第3作動口35へは入賞できず、第1作動口33又は第2作動口34へ入賞可能である。また、右側領域PE3へ遊技球を発射している場合にはいずれの作動口33〜35へも入賞可能であるが、第1作動口33への入賞を契機として役物ユニット50が開放状態となった場合でも、第3作動口35への入賞が妨げられることはない。したがって、右側領域PE3へ遊技球を発射している場合にも第2作動口34への入賞を可能とし、かつ、第3作動口35へ入賞し易い高頻度サポートモード時においては、第3作動口35への入賞を妨げないような配置となっている。
【0302】
いずれかの作動口33〜35による大当たり抽選に当選した場合には開閉実行モードへ移行し、可変入賞装置32の大入賞口32aへ入賞可能となる。大入賞口32aは第1作動口33及び第2作動口34よりも上方に設けられている。このことにより、第1作動口33への入賞を契機として役物ユニット50が開放状態となった場合でも、開閉実行モード時に大入賞口32aへの入賞が妨げられることはない。
【0303】
ここで、役物ユニット50は第2作動口34への入賞を契機に閉鎖状態へ遷移するが、第2作動口34への入賞は第1作動口33への入賞よりも有利な構成となっているため、不正に第2作動口34へ遊技球を入賞させる不正行為が行われる可能性もある。その為、本実施形態では不正対策として、遊技者及び遊技ホールへの報知と遊技停止という構成がなされている。ただし、遊技球の流下の偏りによって第2作動口34へ2個連続で入賞した場合には当該不正対策は実行されない。したがって、正規な遊技を行っている遊技者の遊技を妨げることなく、悪意で第2作動口34へ連続入賞させる不正行為を防止することが可能となっている。
【0304】
また、役物ユニット50は電気的処理によらず状態遷移を可能としているため、主制御装置80の処理負担の軽減を図ることが可能となっている。
【0305】
<第2の実施形態>
本実施の形態では、第1作動口33と第2作動口34の構成が上記第1の実施の形態と異なっている。当該相違する構成について以下に説明する。なお以下の説明では、上記第1の実施形態と同様の構成については基本的にその説明を省略する。
【0306】
本実施の形態では、第1作動口33及び第2作動口34を非電動役物によって連動させずに、電動式により第2作動口34の開閉動作を実行する。すなわち、第1作動口33は上方に遊技球が通過可能に開口され、図示しない第1入賞検知センサを有し、第2作動口34に図示はしない第2電動役物、第2電動役物駆動部、第2入賞検知センサを有する構造とする。第2作動口34の構造としては、第1の実施形態における第3作動口35と同様の構造をとることとなる。
【0307】
具体的には、第2電動役物は遊技盤20の背面側に搭載された普電用の第2電動役物駆動部に連結されており、当該普電用の第2電動役物駆動部により駆動されて閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。第2電動役物の閉鎖状態では遊技球が第2作動口34に入賞できず、第2電動役物が開放状態となることで第2作動口34への入賞が可能となる。ちなみに、開放状態となった場合には、第2電動役物が遊技領域PE側に突出し、第2作動口34への入賞をガイドする。第2作動口34には第2入賞検知センサが設けられており、当該第2入賞検知センサにより第2作動口34に入賞した遊技球が検知される。
【0308】
なお、第2作動口34への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、第2電動役物が切り換えられる構成としてもよい。また、第2電動役物が前後方向に移動又は回動することで入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが行われる構成としてもよい。また、第2電動役物を不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、第2作動口34自身の変位により行われる構成としてもよい。
【0309】
図24は本実施の形態における作動口用の入賞処理のフローチャートである。第2作動口34の第2電動役物は、第1作動口33への入賞を契機に、第2電動役物駆動部が駆動され開放状態へ遷移し、また、第2作動口34への入賞を契機に、第2電動役物駆動部が駆動され閉鎖状態に遷移する。
【0310】
詳しくは、第1の実施形態における図14の作動口用の入賞処理と同様に、第1作動口33への入賞に基づくステップS1101からステップS1105まで処理を実行した後、ステップS1106にて第2電動役物が閉鎖状態であることを条件として第2電動役物駆動部を制御して第2電動役物を開放状態とさせる。その後のステップS1107からステップS1110までの処理は第1の実施形態と同様である。一方で、第2作動口34へ入賞に基づくステップS1111からステップS1113の処理を実行した後には、ステップS1115にて第2電動役物駆動部を制御して第2電動役物を閉鎖状態とさせる。その後のステップS1116からステップS1118までの処理は第1の実施形態と同様である。また、第3作動口35への入賞に基づく場合、又はいずれの作動口33〜35にも入賞していない場合の処理はステップS1114で行われる。
【0311】
本構成によると、電動式による制御により、第2作動口34へ入賞可能な第2電動役物の開放状態と入賞できない閉鎖状態とを制御することになる。このことにより、開閉動作が確実なものとなる。また、不正行為によって開放状態が続く場合の検知が容易なものとなる。
【0312】
なお、第2電動役物駆動部を駆動させるタイミングは上記構成に限らず、ステップS1101によって第1作動口33への入賞を検知した後であれば、ステップS1106の第2電動役物を開放状態とする処理は、ステップS1102からステップS1109までのいずれにも挿入可能であり、ステップS1111によって第2作動口34への入賞を検知した後であれば、ステップS1115の第2電動役物を閉鎖状態とする処理はステップS1112からステップS1113、又はステップS1116からステップS1118までのいずれにも挿入可能である。
【0313】
また、第3作動口35を不具備としても良い。この場合いずれのサポートモードも構成されない為、第1作動口33の入賞により第2電動役物が開放状態となることでのみ第2作動口34へ入賞し得る。したがって、第1作動口33への入賞により第2作動口34への入賞が許容されるといった特典がよりいっそう明確なものとなり、遊技の単調化を抑制することが可能となる。
【0314】
さらに、第3作動口35を不具備とし、サポートモードを第2作動口34にて実行する構成としても良い。この場合、通常遊技状態では第1作動口33への入賞に伴い第2作動口34の第2電動役物を開放し、いずれかの開閉実行モード後にサポートモードへ移行する場合は第2作動口34へ入賞しやすいサポートモードを実行する。サポートモードについて具体的には、スルーゲート36への入賞を契機に、第2作動口34に設けられた第2電動役物の開放抽選を行い、当該抽選に当選した場合に一定時間第2電動役物を開放する。ここで、サポートモードの優位性を高めるためには、サポートモード時におけるスルーゲート36への入賞頻度と第2電動役物の開放抽選の当選確率と開放時間とをふまえた第2作動口34への入賞頻度を、通常遊技状態における第2作動口34への入賞頻度よりも多くなるように設定すると良い。
【0315】
<第3の実施形態>
本実施の形態では、第2の実施形態と同様に第2作動口34を第2電動役物駆動部で第2電動役物を開閉動作させる形態とし、第2電動役物の開閉動作の契機は第1作動口33及び第2作動口34への入賞とした上で、第2作動口34を遊技盤20において別領域に配置している。図25は第3の実施形態における遊技盤20の正面図である。
【0316】
第1作動口33、第3作動口35及び可変入賞装置32は上記実施の形態と同様の位置に配置され、第2作動口34は左側領域PE2に配置される。
【0317】
本構成によると、通常遊技状態等の低頻度サポートモード時の遊技においては、上記実施の形態と同様に左側領域PE2へ遊技球を流下させる様態で遊技することとなる。この場合、第2電動役物が開放状態となり第2作動口34へ入賞し易くなった場合には、第1作動口33よりも第2作動口34へ先に遊技球が入賞し易くなる。
【0318】
第1の実施形態及び第2の実施形態の場合、役物ユニット50及び第2電動役物が既に開放状態となっている場合において、第2作動口34よりも先に第1作動口33へ遊技球が入賞した場合、役物ユニット50及び第2電動役物は動作しない。すなわち、既に第2作動口34への入賞が許容されている状態で、第2作動口34へ入賞せずに第1作動口33へ入賞すると、その分の第2作動口34への入賞が許容されるという特典が得られない構成となっている。
【0319】
一方で、本構成によると、第2作動口34の第2電動役物が開放状態となった場合には、第1作動口33よりも先に第2作動口34へ入賞し易くなり、上述のような第1作動口33への連続して入賞した場合に起こる、第2作動口34への入賞機会の損失が抑制される。
【0320】
なお、第2作動口34の配置は本構成に限られず、例えば上側領域PE1において可変表示ユニット40の左上等に配置しても同様の効果が得られる。
【0321】
また、第2電動役物を、第1作動口33へ入賞した際には必ず開放するという構成ではなく、第1の実施形態における第3作動口35の開閉様態と同様に、電動役物開放カウンタC4を参照して開放抽選する形態としても良い。すなわち、第1作動口33への入賞により第2電動役物の開放抽選を行い、開放当選の場合は開放状態とし、一定時間経過後、閉鎖状態としても良い。本構成によると、第2電動役物は第2作動口34への入賞を契機に閉鎖状態とはならず、設定された開放時間を経過すると閉鎖状態へと移行する。したがって、第2電動役物が開放状態である期間において、第2作動口34へ複数個入賞することもあればまったく入賞しないという状況も発生し得る。このことにより、遊技の注目度が高められると共に、遊技者が遊技を終了する際、第2作動口34が入賞し易い状態となっていたとしても一定時間経過後に入賞しにくい状態へと遷移するため、射幸心を抑制することにもつながる。
【0322】
<第4の実施形態>
上記それぞれの実施の形態においては、第1作動口33に遊技球が入賞したことによって常に、又は一定の確率で第2作動口34へ入賞し易い状態に遷移させたが、本構成においては、第1作動口33への入賞によって取得した大当たり乱数カウンタC1が外れ結果である場合に、第2作動口34が入賞し易い状態に遷移する。図26は本実施の形態における遊技回制御処理を示している。
【0323】
第2作動口34には、第2、第3の実施形態と同様に、第2電動役物及び第2電動役物駆動部が備えられている。図26におけるステップS1201からステップS1209までの処理は上述の第1から第3の実施形態における図20の遊技状態移行処理と同様に処理が実行される。ステップS1209において変動終了コマンドを設定した後、ステップS1210にてRAM84に第1特図表示部用の振分テーブルを参照とした大当たりフラグが格納されているかを確認し、いずれかの大当たりが発生する場合には遊技回制御処理をそのまま終了する。一方で、いずれかの大当たりが発生しない場合、変動終了後に第2電動役物を開放状態へと遷移させる。また、第2、第3の実施形態における図24の作動口用の入賞処理のステップS1115と同様に、第2作動口34への入賞を検知して第2電動役物を閉鎖状態へと遷移させる。
【0324】
本構成によると、第1作動口33への入賞に伴う第1特図表示部用の当否抽選で非当選となった場合に、第2作動口34への入賞が許容されるという特典が付与される。したがって、第1特図表示部用の当否抽選において、当選となった場合には、開閉実行モードへ移行する特典が得られ、非当選となった場合には、第2作動口34への入賞が許容されるという特典が得られることになる。このことにより、第1特図表示部用の当否抽選の結果が、いずれの場合であっても、どちらかの特典を得られることとなり、第1作動口33への遊技球の入賞に対する注目度が高まり、遊技の単調化を抑制することが出来る。
【0325】
ここで、第2電動役物の開放は、図柄表示装置41及び特図表示部37の変動終了と同時、又はそれよりも遅れたタイミングで開放すると良い。これらの変動終了よりも前に開放してしまうと、第1特図表示部用の非当選を事前に認識してしまうため、遊技の注目度が低下してしまう。
【0326】
なお、第2電動役物を、第1特図表示部用の当否抽選に非当選であった場合には必ず開放するという構成ではなく、第1の実施形態における第3作動口35の開閉様態と同様に、電動役物開放カウンタC4を参照して開放抽選する形態としても良い。すなわち、第1特図表示部用の当否抽選に非当選であった場合、第2電動役物の開放抽選を行い、開放当選の場合は開放状態とし、一定時間経過後、閉鎖状態としても良い。
【0327】
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態に対して適用してもよい。また、以下の各構成を、その構成の適用対象として例示していない実施形態に適用してもよい。
【0328】
(1)上記各実施形態において、第1作動口33に係る当否抽選及び振分抽選による大当たり結果の種類と第2作動口34及び第3作動口35に係る当否抽選及び振分抽選による大当たり結果の種類とが完全に同一となる構成としてもよく、完全に異なる構成としてもよい。完全に同一となる構成とする場合として具体的には、第1作動口33に係る当否抽選及び振分抽選による大当たり結果の種類として、明示2R確変大当たり結果及び非明示2R確変大当たり結果を設定しない構成としてもよく、第2作動口34及び第3作動口35に係る当否抽選及び振分抽選による大当たり結果の種類として、明示2R確変大当たり結果及び非明示2R確変大当たり結果を設定してもよい。
【0329】
また、大当たり結果として、開閉実行モードが発生しないまま高確率モードや高頻度サポートモードに移行することとなる大当たり結果を設定してもよい。また、通常遊技状態よりも不利な遊技状態を設定するとともに、当否抽選による当否結果として上記不利な遊技状態となる当否結果を設定してもよい。
【0330】
(2)上記各実施形態において、保留個数は、第1特図表示部用保留エリアRaが4個であり、第2特図表示部用保留エリアRbが4個である構成に限定されることはなく、各3個又は各5個以上であってもよく、両保留個数が異なる構成としてもよい。
【0331】
(3)第1作動口33への遊技球の入賞と第2作動口34への遊技球の入賞とをより確実に交互に発生させるという観点からすると、第2作動口34への入賞を伴わない第1作動口33への連続入賞を無効化する構成としてもよく、第2作動口34への入賞を伴わない第1作動口33への連続入賞を第2作動口34への入賞として取り扱う構成としてもよい。第2作動口34への入賞を伴わない第1作動口33への連続入賞を無効化する構成としては、例えば、第1作動口33から通じる通路として検知用通路とそこから分岐する分岐通路を設け、第1作動口33への入賞を検知する入賞センサを検知用通路において分岐通路へ分岐させる位置よりも下流側に設ける。そして、第1作動口33への遊技球の入賞が、第2作動口34が閉鎖状態である場合に発生した際は検知用通路へ誘導し、その後に第2作動口34を開放状態とし、第2作動口34が開放状態である場合に発生した際は分岐通路を通過するように遊技球の流下方向を切り換える部材を設けるとよい。これらにより、第2作動口34への入賞を伴わない第1作動口33への連続入賞を無効化することが可能となる。なお、これらの動作や検知を上記第2の実施の形態における第2電動役物にて実現してもよい。
【0332】
第2作動口34への入賞を伴わない第1作動口33への連続入賞を第2作動口34への入賞として取り扱う構成としては、例えば、上記第2の実施の形態における作動口用の入賞処理(図24)において、ステップS1104における処理を実行する前に、第2電動役物が開放状態であるか否かを判断する処理を加え、当該処理にて開放状態であると判断した場合は、第2電動役物を閉鎖状態にするとともに第1入賞フラグではなく第2入賞フラグをセットする処理を加える構成が考えられる。
【0333】
(4)第1作動口33及び第2作動口34は左側領域PE2と右側領域PE3のいずれの領域に遊技球を発射しても入賞可能な構成としたが、左右別々の領域へ遊技球を発射させた場合に入賞可となる構成としてもよい。例えば、第1作動口33の右上方と可変表示ユニット40との間に遊技球が横方向に通過不可となる障害物を設けることで第1作動口33へは右側領域PE3へ遊技球を発射している場合には入賞不可となる。また第2作動口34のガイド片54が右側のみ開放される構成とすることで、第2作動口34へは左側領域PE2へ遊技球を発射している場合に入賞が不可となる。この場合、遊技者は第1作動口33へ遊技球を入賞させるべく左側領域PE2へ遊技球を発射し、第2作動口34が開放状態となった場合には右側領域PE3へ遊技球を発射させるべく、発射操作装置105の操作を切り換える必要が生じる。したがって、遊技をより多様なものとすることが可能となる。なお、この効果を奏するためには、上記構成を左右逆の構成としてもよい。
【0334】
(5)第2作動口34及び第3作動口35の配置位置は上記各実施形態に示した位置に限られない。例えば、第2作動口34及び第3作動口35を下側領域PE4にて横方向に並ぶように配置し、第2作動口34へは左側領域PE2へ遊技球を発射したほうが入賞しやすく、第3作動口35へは右側領域PE3へ遊技球を発射したほうが入賞しやすい構成、またはそれとは左右逆の構成としても良い。また、左側領域PE2、右側領域PE3又は下側領域PE4において、第2作動口34及び第3作動口35を上下に並べ、第3作動口35を第2作動口34よりも上流に配置しても良い。いずれの場合においても、第2作動口34が開放状態である場合にも、サポートモード時の第3作動口35への入賞は妨げられない。
【0335】
さらに、左側領域PE2、右側領域PE3又は下側領域PE4において、第2作動口34及び第3作動口35を上下に並べ、第2作動口34を第3作動口35よりも上流に配置しても良い。また、第3作動口35を上側領域PE1に配置し、第2作動口34をそれとは別の領域PE2〜4に配置しても良い。この場合、低頻度サポートモード時において第3作動口35の電動役物35aの開放時間をより短く設定し、且つ開放頻度をより少なく設定し、又はいずれか一方を設定することにより、低頻度サポートモード時においては第3作動口35よりも第2作動口34への入賞が優先されることとなる。
【0336】
(6)第2作動口34及び可変入賞装置32の配置位置は上記各実施形態に示した位置に限られない。例えば、第2作動口34及び可変入賞装置32を下側領域PE4にて横方向に並ぶように配置し、第2作動口34へは左側領域PE2へ遊技球を発射したほうが入賞しやすく、可変入賞装置32へは右側領域PE3へ遊技球を発射したほうが入賞しやすい構成、またはそれとは左右逆の構成としても良い。また、左側領域PE2,右側領域PE3又は下側領域PE4において、第2作動口34及び可変入賞装置32を上下に並べ、可変入賞装置32を第2作動口34よりも上流に配置しても良い。いずれの場合においても、第2作動口34が開放状態である場合にも、開閉実行モード時の大入賞口32aへの入賞は妨げられない。
【0337】
さらに、左側領域PE2,右側領域PE3又は下側領域PE4において、第2作動口34及び可変入賞装置32を上下に並べ、第2作動口34を可変入賞装置32よりも上流に配置しても良い。また、可変入賞装置32を上側領域PE1に配置し、第2作動口34をそれとは別の領域PE2〜4に配置しても良い。
【0338】
(7)上記各実施形態において、主制御装置80のRAM84に設けられた保留球格納エリア84bには、第1作動口33用の保留エリアとして第1特図表示部用保留エリアRaと、第2作動口34及び第3作動口35用の保留エリアとして第2特図表示部用保留エリアRbとが設けられていたが、これに代えて、保留情報を格納可能なエリアを第1作動口33と第2作動口34及び第3作動口35との総保留個数分備えるとともに、各エリアには、第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35のいずれに対応しているかの情報を格納可能な部分エリアが設定された共通保留エリアを備える構成としてもよい。当該共通保留エリアの各エリアとしては、例えば、各エリアを1バイトなどの記憶領域として構成し、当該記憶領域の所定のビット部分を第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35のいずれに対応しているかの情報を格納可能な部分エリアとして設定する構成が考えられる。この場合であっても、本パチンコ機10は、第1取得情報記憶手段と第2取得情報記憶手段を備えた構成となる。
【0339】
(8)上記各実施形態において、データ設定処理(図18)にて、第1特図表示部用保留エリアRa及び第2特図表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2作動口34及び第3作動口35に対応した第2特図表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報を優先して消化する構成としたが、これに代えて、いずれかの作動口33〜35への入賞順序に従い保留情報を消化する構成としても良い。具体的には、保留情報を格納可能なエリアを第1作動口33と第2作動口34及び第3作動口35との総保留個数分備えるとともに、各エリアには、第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35のいずれに対応しているかの情報を格納可能な部分エリアが設定された共通保留エリアを備える構成としたうえで、保留情報が格納された順にデータ設定処理を行う構成が考えられる。
【0340】
(9)上記各実施形態において、第1作動口33への入賞に係る保留情報と第2作動口34及び第3作動口35への入賞に係る保留情報とで、大当たり乱数カウンタや大当たり種別カウンタについてそれぞれ異なるカウンタを用いる構成としてもよい。
【0341】
(10)上記各実施形態において、図柄表示装置41にて図柄の変動表示が行われている場合に、その図柄の変動表示が、第1作動口33への入賞に係るものか、第2作動口34及び第3作動口35への入賞に係るものかを表示するための始動対応表示領域が図柄表示装置41の表示画面において設定される構成としてもよい。この場合、当該始動対応表示領域は、第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35のそれぞれに1対1で対応させて設定されていてもよく、第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35に対して共通の領域を設定し、当該領域における表示内容により、いずれの作動口への入賞に係るものかを表示する構成としてもよい。
【0342】
(11)上記各実施形態において、図柄表示装置41にて図柄の変動表示が行われる演出内容として、第1作動口33への入賞に係るものか、第2作動口34及び第3作動口35への入賞に係るものか、によってその変動表示の演出内容が共通となる構成としてもよく、異なる構成としてもよい。また、各作動口33〜35への入賞によってその変動表示の演出内容がそれぞれ異なる構成としてもよい。
【0343】
(12)上記各実施形態では、当否抽選モードの高確率モードと低確率モードとの間の移行が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果が発生することを契機として行われる構成としたが、これに限定されることはなく、例えば、高確率モードにおいて予め定められた所定回数の遊技回が消化された場合に低確率モードに移行する構成としてもよい。また、例えば、低確率モードにおいて予め定められた所定回数の遊技回が消化された場合に高確率モードに移行する構成としてもよい。
【0344】
また、大当たり抽選とは別の抽選契機が成立した場合に当否抽選モードの移行抽選を行い、当該移行抽選において昇格当選となった場合に低確率モードから高確率モードとなり、当該移行抽選において転落当選となった場合に高確率モードから低確率モードとなる構成としてもよい。
【0345】
(13)上記各実施形態では、相対的に有利な所定遊技状態として15R確変大当たり結果に対応した状態が設定されており、相対的に不利な所定遊技状態として通常大当たり結果に対応した状態が設定されている構成としたが、これに限定されることはない。例えば、開閉実行モード後の電動役物35aにおいて高頻度サポートモードが継続される遊技回数の違いにより、相対的に有利な所定遊技状態と不利な所定遊技状態とが設定されている構成としてもよい。また、開閉実行モード後の高確率モードが継続される遊技回数の違いにより、相対的に有利な所定遊技状態と不利な所定遊技状態とが設定されている構成としてもよい。また、開閉実行モード後に電動役物35aが高頻度サポートモードになるか否かにより、相対的に有利な所定遊技状態と不利な所定遊技状態とが設定されている構成としてもよい。
【0346】
(14)上記各実施形態とは異なる他のタイプの遊技機、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
【0347】
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0348】
特徴1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構101)と、
遊技球が流下する遊技領域に対して設けられ、当該流下する遊技球が入賞可能な第1始動入球部(第1作動口33)と、
当該第1始動入球部への入賞が発生したことに基づいて第1抽選を行う第1抽選手段(第1作動口33への入賞に基づき取得した大当たり乱数カウンタC1を、図10の当否テーブルにて参照する当否抽選)と、
当該第1抽選の抽選結果が当選結果であることに基づいて遊技者に特典を付与する第1特典付与手段(図11(a)における第1特図表示部用の振分テーブルを参照し振分けられる各開閉実行モード)と、
前記遊技領域に対して設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入賞可能であって、遊技球が入賞し易い第1状態となることが可能であり、且つそれよりも入賞しにくい第2状態となることが可能な第2始動入球部(第2作動口34)と、
前記第1始動入球部への入賞が発生したことに基づいて、前記第2始動入球部を前記第1状態とする切換手段(役物ユニット50の切換部材60)と、
を備え、
当該切換手段による切換が行われることにより、前記第1抽選の結果が外れ結果である場合に前記第2始動入球部が前記第1状態となることを特徴とする遊技機。
【0349】
特徴1の遊技機では、第1始動入球部への遊技球の入賞に基づいて、第1抽選手段により当選となった場合に付与される第1特典付与手段という特典と、第1抽選手段によらず、第1抽選手段による抽選が外れ結果であったとしても付与される特典として、第2始動入球部への入賞が許容されるという特典と、が付与される。したがって、第1特典付与手段を得られるまでの遊技が単調なものとなることなく、遊技者の第1始動入球部へ遊技球が入賞することに対して期待感が高まり、遊技の注目度が良好に向上される。
【0350】
特徴2.前記第2始動入球部へ前記遊技球が入賞したことに基づいて第2抽選を行う第2抽選手段(第2作動口34への入賞に基づき取得した大当たり乱数カウンタC1を、図10の当否テーブルにて参照する当否抽選)と、
当該第2抽選の抽選結果が当選結果であることに基づいて遊技者に特典を付与する第2特典付与手段(図11(a)における第1特図表示部用の振分テーブルを参照し振分けられる各開閉実行モード)と、
を備え、
前記第1特典付与手段よりも当該第2特典付与手段のほうが遊技者にとって有利となることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
【0351】
特徴2の遊技機では、第1始動入球部への入賞によって得られる第1特典付与手段とは別の特典は、第2始動入球部への入賞が許容されるという特典だけでなく第2抽選手段を介した第2特典付与手段によって付与されることとなる。また、当該第2抽選に当選することによって得られる第2特典付与手段のほうが、前記第1特典付与手段よりも遊技者にとって有利となる。これにより、第2始動入球部へ遊技球が入賞することに対する価値が高まり、それに伴い第1始動入球部へ遊技球が入賞することの価値が高まる。
【0352】
特徴3.前記第1抽選手段及び前記第2抽選手段のいずれもが、数値情報の取得を通じた抽選を行うことを特徴とする特徴2に記載の遊技機。
【0353】
特徴3の遊技機では、いずれの抽選手段も遊技球の動作によらず数値情報の取得を通じた抽選となる。数値情報の取得を通じた抽選の場合、遊技が単調化しやすいが、特徴1で示したように、第1始動入球部へ遊技球が入賞することに基づいて第2始動入球部が第1状態となることから、遊技の単調化が抑制されている。これにより、数値情報の取得を通じた抽選においても注目度を良好に高めることが可能となっている。
【0354】
特徴4.前記切換手段は、前記第1抽選とは関係なく前記第2始動入球部を前記第2状態から前記第1状態とするものであることを特徴とする特徴1乃至3のいずれか1に記載の遊技機。
【0355】
特徴4の遊技機では、第1抽選の抽選結果によらず、当選結果であっても外れ結果であっても第2始動入球部を第1状態へ状態遷移させる。このことにより、第2始動入球部を第1状態へとする構成を簡素化することが出来る。
【0356】
特徴5.前記第1抽選手段の抽選結果には、当選結果と外れ結果との2種類のみが設定されていることを特徴とする特徴1乃至4のいずれか1に記載の遊技機。
【0357】
特徴5の遊技機では、第1抽選手段の抽選結果が外れ結果及び当選結果以外の結果がなくなることで、遊技が単調化しやすいが、特徴1に記載したように、第1始動入球部へ遊技球が入賞することに基づいて第2始動入球部が第1状態となることから、遊技の単調化が抑制されている。
【0358】
特徴6.前記切換手段は、前記第2始動入球部への入賞に基づいて前記第1状態を前記第2状態とすることを特徴とする特徴1乃至5のいずれか1に記載の遊技機。
【0359】
特徴6の遊技機では、第2始動入球部への遊技球の入賞が制限されることとなり、第2始動入球部が開放状態であることの価値が高まり、それに伴い第1始動入球部への入賞価値も高まる。
【0360】
特徴7.前記切換手段は、前記第2始動入球部への入賞が1回発生することにより前記第1状態を前記第2状態とすることを特徴とする特徴1乃至6のいずれか1に記載の遊技機。
【0361】
特徴7の遊技機では、第2始動入球部への1回の入賞を契機として第2始動入球部は第1状態から第2状態へと遷移されるため、第2始動入球部が第1状態であることの価値がいっそう高まり、それに伴い第1始動入球部への入賞価値もさらに高まる。また、第2始動入球部が第1状態から第2状態、または第2状態から第1状態への状態遷移が頻繁に行われることなり、遊技の単調化を抑制することも可能である。
【0362】
特徴8.前記第2始動入球部を前記第1状態とする第1位置へ移動可能であり、且つ前記第2始動入球部を前記第2状態とする第2位置へ移動可能である遷移手段(役物ユニット50の一対のガイド片54)を備え、
前記切換手段は、前記第1始動入球部に入賞した遊技球の自重を受けることが可能な位置に設けられ、且つ前記第2始動入球部に入賞した遊技球の自重を受けることが可能な位置に設けられ、前記第1始動入球部に入賞した遊技球の自重を受けることで変位して前記遷移手段の前記第1位置への移動を可能とし、前記第2始動入球部に入賞した遊技球の自重を受けることで変位して前記遷移手段の前記第2位置への移動を可能とするものであることを特徴とする特徴6又は特徴7に記載の遊技機。
【0363】
特徴8の遊技機では、電気的制御によらないため、遊技機の制御処理負担を軽減することが可能となる。
【0364】
特徴9.前記第1始動入球部への入賞を介することなく前記第2始動入球部が前記第1状態となる特定事象の発生を、前記第1始動入球部への入賞を検知する第1入賞検知手段及び前記第2始動入球部への入賞を検知する第2入賞検知手段のうち少なくとも一方の検知結果を用いて特定する特定手段(作動口用の入賞処理(図14)におけるステップS201〜ステップS203の処理がされていない場合おける不正検知処理(図14))と、
当該特定手段により前記特定事象の発生が特定されたことに基づいて、特別処理(不正検知処理(図15)におけるステップS308〜ステップS310)を実行する特別処理実行手段(MPU82)と、
を備えていることを特徴とする特徴8に記載の遊技機。
【0365】
特徴9の遊技機では、機械式に状態遷移する第2始動入球部を有する遊技機において、第1始動入球部への入賞を伴わない第2始動入球部への入賞を不正行為として認定し特別処理により対応可能となる。
【0366】
特徴10.前記遊技領域に対して設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入賞可能であって、遊技球が入賞しやすい第1状態となることが可能であるとともに、それよりも入賞しにくい第2状態となることが可能な第3始動入球部(第3作動口35)を備え、
前記第1状態と前記第2状態との状態遷移は電気的駆動(電動役物駆動部35b)により制御されることを特徴とする特徴8又は特徴9に記載の遊技機。
【0367】
特徴10の遊技機では、機械式に状態遷移する第2始動入球部を備えつつも、電動式にて状態遷移を行う第3始動入球部が構成されている為、遊技状態に応じて入賞頻度を変化させる構成を設けることが可能となる。
【0368】
特徴11.前記第2始動入球部へ前記遊技球が入賞したことに基づいて第2抽選を行う第2抽選手段と、
当該第2抽選の抽選結果が当選結果であることに基づいて遊技者に特典を付与する第2特典付与手段と、
を備え、
前記第2抽選手段は前記第3始動入球部への入賞が発生したことに基づいても前記第2抽選を行うことを特徴とする特徴10に記載の遊技機。
【0369】
特徴11の遊技機では、遊技者は、第2始動入球部への入賞のみならず第3始動入球部への入賞によっても第2抽選を受けることが可能となり、第2特典付与手段を得るための契機を多様化することが可能となる。
【0370】
特徴12.前記第3始動入球部への遊技球の流下路には前記第2始動入球部が配置されていないことを特徴とする特徴10又は特徴11に記載の遊技機。
【0371】
特徴12の遊技機では、限られた遊技領域にそれぞれの入賞部を配置させる遊技機において、第3始動入球部への遊技球の流下路には第2始動入球部は配置されていない構成となる。したがって、第2始動入球部が第1状態にある場合でも、第3始動入球部への入賞が妨げられることはなく、遊技の進行を良好なものとすることが出来る。
【0372】
特徴13.遊技球が流下する遊技領域に対して設けられ、当該流下する遊技球が入賞可能な可変入賞装置を備え、
当該可変入賞装置は前記第2始動入球部よりも上流に設けられていることを特徴とする特徴1乃至12のいずれか1に記載の遊技機。
【0373】
特徴13の遊技機では、可変入賞装置は第2始動入球部よりも上流に位置することとなり、第2始動入球部が第1状態の場合において、可変入賞装置への入賞を阻害することがないため、遊技の進行を良好なものとすることが出来る。
【符号の説明】
【0374】
10…パチンコ機、32…可変入賞装置、32a…大入賞口、33…第1作動口、34…第2作動口、35…第3作動口、36…スルーゲート、41…図柄表示装置、50…役物ユニット、80…主制御装置、90…払出制御装置、100…発射制御装置、110…音声ランプ制御装置、120…表示制御装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動入球部に入球したことを契機として、特別遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われ、当選となれば可変入賞装置が開放状態となるといった特典が遊技者に付与される。また、遊技状態に応じて入賞頻度を変化させる構成が付随して設けられていない始動入球部と、遊技状態に応じて入賞頻度を変化させる構成が付随して設けられている始動入球部を有する遊技機においては、特別遊技状態を契機として後者の始動入球部が入賞し易い状態へ移行し得る(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−1904101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで遊技機においては、遊技の多様化を図ることで、遊技への注目度を高める必要がある。しかし上記のような構成の場合は、始動入球部の状態変化の契機である特別遊技状態への当選までの間、遊技が単調なものとなるという問題があり、遊技への注目度を高めるという点においては未だ改良の余地がある。
【0005】
本発明は、上記例示した事情等を鑑みてなされたものであり、遊技への注目度を良好に高めることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
【0007】
請求項1に記載の発明は、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
遊技球が流下する遊技領域に対して設けられ、当該流下する遊技球が入賞可能な第1始動入球部と、
当該第1始動入球部への入賞が発生したことに基づいて第1抽選を行う第1抽選手段と、
当該第1抽選の抽選結果が当選結果であることに基づいて遊技者に特典を付与する第1特典付与手段と、
前記遊技領域に対して設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入賞可能であって、遊技球が入賞し易い第1状態となることが可能であり、且つそれよりも入賞しにくい第2状態となることが可能な第2始動入球部と、
当該第2始動入球部への入賞が発生したことに基づいて第2抽選を行う第2抽選手段と、
当該第2抽選の抽選結果が当選結果であることに基づいて遊技者に特典を付与する第2特典付与手段と、
前記第1始動入球部への入賞が発生したことに基づいて、前記第2始動入球部を前記第1状態とする切換手段と、
を備え、
前記第1抽選手段及び前記第2抽選手段のいずれもが、数値情報の取得を通じた抽選を行うものであり、
前記切換手段による切換が行われることにより、前記第1抽選の結果が外れ結果である場合に前記第2始動入球部が前記第1状態となることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
遊技への注目度を良好に高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】パチンコ機の斜視図である。
【図2】パチンコ機の主要な構成を分解して示す斜視図である。
【図3】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図4】(a)役物ユニットの主要な構成を一部破断して示す破断図であり、(b)役物ユニットの断面図である。
【図5】(a−1)閉鎖状態の役物ユニットを一部破断して示す破断図であり、(a−2)閉鎖状態の役物ユニットの断面図であり、(b−1)開放状態の役物ユニットを一部破断して示す破断図であり、(b−2)開放状態の役物ユニットの断面図である。
【図6】(a)閉鎖状態の第3作動口の概略図であり、(b)開放状態の第3作動口の概略図である。
【図7】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための説明図である。
【図9】当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するためのブロック図である。
【図10】(a)低確率モード用の当否テーブルであり、(b)高確率モード用の当否テーブルである。
【図11】(a)第1特図表示部用の振分テーブルであり、(b)第2特図表示部用の振分テーブルである。
【図12】保留球格納エリアの構成を説明するための説明図である。
【図13】主制御装置のMPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図14】作動口用の入賞処理を示すフローチャートである。
【図15】不正検知処理を示すフローチャートである。
【図16】通常処理を示すフローチャートである。
【図17】遊技回制御処理を示すフローチャートである。
【図18】データ設定処理を示すフローチャートである。
【図19】変動開始処理を示すフローチャートである。
【図20】遊技状態移行処理を示すフローチャートである。
【図21】開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。
【図22】電役サポート用処理を示すフローチャートである。
【図23】各作動口への入賞を契機としたパチンコ機の各部の作用を示すタイミングチャートである。
【図24】第2の実施形態における作動口用の入賞処理を示すフローチャートである。
【図25】第3の実施形態における遊技盤の構成を示す正面図である。
【図26】第4の実施形態における遊技回制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図、図2はパチンコ機10の主要な構成を分解して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
【0011】
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
【0012】
遊技機本体12は、図2に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
【0013】
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
【0014】
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠16に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
【0015】
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
【0016】
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤20が着脱可能に取り付けられている。遊技盤20は合板よりなり、遊技盤20の前面に形成された遊技領域PEが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
【0017】
ここで、遊技盤20の構成を図3に基づいて説明する。図3は遊技盤20の正面図である。
【0018】
遊技盤20には、遊技領域PEの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。樹脂ベース21において窓孔23の下方に取り付けられた遊技球発射機構101から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PEの上部に案内されるようになっている。
【0019】
ちなみに、遊技球発射機構101は、誘導レールに向けて延びる発射レール102と、後述する上皿76aに貯留されている遊技球を発射レール102上に供給する球送り装置103と、発射レール102上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド104と、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置(又は発射ハンドル)105が回動操作されることによりソレノイド104が駆動制御され、遊技球が発射される。
【0020】
遊技盤20には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、特別入球手段として設けられた可変入賞装置32、第1作動口(又は第1始動入球部)33、第2作動口(又は第2始動入球部)34、第3作動口(又は第3始動入球部)35、スルーゲート36、可変表示ユニット40、特図表示部37及び普図表示部39等がそれぞれ設けられている。なお、一般入賞口31は複数設けられている。
【0021】
スルーゲート36への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35への入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、第1作動口33への入球が発生した場合、第2作動口34への入球が発生した場合、第3作動口35への入球が発生した場合には、3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合及び可変入賞装置32への入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行される。
【0022】
なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。第1作動口33に係る払出個数よりも第2作動口34及び第3作動口35に係る払出個数を多く設定すると、第1作動口33に対する第2作動口34及び第3作動口35の有利性を高めることが可能となる。また、各作動口33〜35に対する可変入賞装置32の有利性を高める上では、各作動口33〜35に係る払出個数よりも可変入賞装置32に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
【0023】
その他に、遊技盤20の最下部にはアウト口24が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口24を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤20には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘27が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0024】
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口24への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、第3作動口35、スルーゲート36への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
【0025】
遊技領域PEの中央部を含むようにして可変表示ユニット40が設けられている。当該可変表示ユニット40の周縁部が遊技盤20の表面よりもパチンコ機10前方に突出していることに起因して、遊技領域PEに発射された遊技球が流下可能な領域が区画されている。具体的には、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット40の所定の高さ位置よりも上方の領域である上側領域PE1と、当該上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット40よりも左方の領域である左側領域PE2と、上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット40よりも右方の領域である右側領域PE3と、左側領域PE2及び右側領域PE3のそれぞれに対してその下方にて連続し可変表示ユニット40よりも下方の領域である下側領域PE4と、に区画されている。
【0026】
遊技者が第1発射操作として基準回動量未満である第1範囲の回動量で発射操作装置105の操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも左方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→左側領域PE2→下側領域PE4の順で流下することとなる。その一方、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動量で発射操作装置105の操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも右方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→右側領域PE3→下側領域PE4の順で流下することとなる。つまり、遊技者は発射操作装置105の回動操作量を調整することで、左側領域PE2及び右側領域PE3のうち左側領域PE2を遊技球が流下するように遊技を行うことができるとともに、右側領域PE3を遊技球が流下するように遊技を行うことができる。
【0027】
第1作動口33及び第2作動口34は、下側領域PE4に配置されている。第1作動口33及び第2作動口34は役物ユニット50によって形成されている。
【0028】
ここで、役物ユニット50の構成について図4及び図5を用いて説明する。図4(a)は役物ユニット50の主要な構成を一部破断して示す破断図であり、図4(b)は図4(a)におけるA−A線断面図である。図5(a−1)は役物ユニット50が閉鎖状態である場合における概略を一部破断して示す破断図であり、図5(a−2)は図5(a−1)におけるA−A線断面図であり、図5(b−1)は役物ユニット50が開放状態である場合における概略を一部破断して示す破断図であり、図5(b−2)は図5(b−1)におけるA−A線断面図である。
【0029】
図4(a)及び図4(b)に示すとおり、役物ユニット50はベース部材51と、当該ベース部材51にパチンコ機10の前側から組付けられる組付け部材52とを備えており、これらベース部材51及び組付け部材52により中空状の内部空間53を有する立体構造となっている。ベース部材51及び組付け部材52は合成樹脂材料により形成されている。役物ユニット50は、ベース部材51に形成されたフランジにより遊技盤20に対して固定(ネジ止め)される。
【0030】
ベース部材51の前面の壁部である前側壁部51aには、前後方向に遊技球が通過可能な開口である上開口部51bと下開口部51cが形成されている。上開口部51bは前側壁部51aの上下方向で中央よりも上側に位置する。下開口部51cは上開口部51bの下方に位置し、上開口部51bよりも上下方向に長く略長方形状の開口である。
【0031】
ベース部材51の上開口部51b及び下開口部51cを覆うように組付け部材52が組付けられ、上下方向に遊技球が通過可能な第1作動口33及び第2作動口34が形成される。すなわち、組付け部材52の前側の壁部である組付け壁部52aと、組付け壁部52aの上側において前後方向に起立しU字の上部が上方へ向くように屈曲した上側壁部52bと、ベース部材51の前側壁部51aと、により第1作動口33が形成されている。上側壁部52bの底部は奥側に行くほど下方へ傾斜しており、上開口部51bへと遊技球が誘導されるよう形成されている。また、組付け壁部52aと、組付け壁部52aの下側において前後方向に起立しU字の上部が上方へ向くように屈曲した下側壁部52cと、ベース部材51の前側壁部51aと、により第2作動口34が形成されている。下側壁部52cの底部は奥側にいくほど下方へ傾斜しており、下開口部51cへと遊技球が誘導されるよう形成されている。
【0032】
第2作動口34の上方であり上側壁部52bの下方には、左右一対のガイド片54が設けられている。一対のガイド片54は、組付け部材52の組付け壁部52aから前後方向に延びる一対のガイド片回動軸55により回動可能に支持されている。当該ガイド片回動軸55は、両ガイド片54の上下方向の中央よりも下方であって両ガイド片54が向き合う側において両ガイド片54を支持している。これにより両ガイド片54は、前後方向の回動軸を中心に横方向に回動可能となっている。
【0033】
また、組付け部材52における下側壁部52cの左右の上端からは、一対の制限板52dが上方向に起立している。両ガイド片54の下部には当該制限板52dが挿入可能な制限陥没部54aが形成されており、当該制限陥没部54aの陥没範囲において両ガイド片54は回動可能となっている。具体的には図5(a−1)に示すように両ガイド片54が起立した状態から、図5(b−1)に示すように両ガイド片54がV字状になるまでの範囲で回動可能となっている。両ガイド片54が起立した状態の場合、両ガイド片54の上端と組付け部材52の上側壁部52bの底部との離隔距離は遊技球の直径よりも小さくなっている。また、両ガイド片54が起立した状態の場合、両ガイド片54の横方向の離隔距離は遊技球の直径よりも大きく、両ガイド片54がV字状になった場合、両ガイド片54の下端の離隔距離は遊技球の直径よりも小さくなっている。
【0034】
図4の説明に戻り、両ガイド片54の内部には、一対のガイド片錘56が内蔵されている。一対のガイド片錘56は、両ガイド片54が起立状態である場合、一方のガイド片回動軸55を基準としてもう一方のガイド片回動軸55と横方向において反対側にそれぞれ位置し、両ガイド片54がV字状である場合、ガイド片回動軸55の下方にそれぞれ位置する。これにより、それぞれのガイド片54は、ガイド片錘56の自重によって、相互の先端を離隔する方向に付勢されている。
【0035】
下開口部51cは、ベース部材51において内部空間53の一部である集合領域53aとつながっている。集合領域53aの奥側には、上下方向に遊技球が通過可能な排出通路53bが下方向へ延びている。排出通路53bの最下流部において、ベース部材51には上下方向に遊技球が通過可能な開口として下排出口51dが形成されている。
【0036】
上記構成により、第2作動口34から入賞した遊技球は組付け壁部52aと下側壁部52cとにより下開口部51cへ誘導され、集合領域53aへ移動し、集合領域53aの奥側の排出通路53bを通り下排出口51dから排出される。
【0037】
なお、排出通路53bには第2入賞検知センサ58が形成されており、当該第2入賞検知センサ58により第2作動口34への入賞と判断される。
【0038】
一方、上開口部51bから奥側には遊技球が通過可能で奥側に行くほど下方へ傾斜した誘導通路53cが形成され、誘導通路53cはその奥側で集合領域53aとつながっている。集合領域53aの横側の一端には遊技球が横方向に通過可能な分岐通路53dが形成されている。当該分岐通路53dは下方へ傾斜し、分岐通路53dの最下流部においてベース部材51には横方向に遊技球が通過可能な開口として横排出口51eが形成されている。
【0039】
上記構成により、第1作動口33から入賞した遊技球は、組付け壁部52aと上側壁部52bとにより誘導され、上開口部51bを通過する。上開口部51bを通過した遊技球は、誘導通路53cを通過し、集合領域53aへ落下し、集合領域53aにおいて後述する切換部材60により分岐通路53dへ誘導され横排出口51eから排出される。
【0040】
なお、第1作動口33の下方であり上側壁部52bの底部よりも上方には第1入賞検知センサ57が形成されており、当該第1入賞検知センサ57により第1作動口33への入賞と判断される。
【0041】
集合領域53aには第1作動口33に入賞した遊技球を分岐通路53dに誘導すると共に、第1作動口33及び第2作動口34への入賞に伴ってガイド片54を動作させるための切換部材60が設けられている。
【0042】
当該切換部材60について詳細には、図4(b)に示すとおり、第1作動口33に入賞した遊技球を下方から受ける上段部60aと、第2作動口34に入賞した遊技球を下方から受ける下段部60bとを有しており、これらが横方向の一端において縦方向に延びるように形成された連結部60cにより連結された構成となっている。
【0043】
上段部60aの上面においては、横方向の一端から上方向へ横ガイド板60dが起立し、また上段部60aの奥側の先端からも上方向へ奥ガイド板60eが起立している。また、上段部60aの奥側において、上段部60aの上面には、横ガイド板60dから左右反対方向の端へ下方向に傾斜するように窪んだガイド溝60fが形成されている。
【0044】
上段部60aの前側の先端は、ストッパー60gが上段部60aの上面から上方向に突出している。ストッパー60gにより、下開口部51cの上側において前後方向の遊技球の移動が阻止されている。ストッパー60gは手前側にいくほど下方へ傾斜しており、遊技球が第2作動口34へ誘導されるように形成されている。また、ストッパー60gの手前側の先端はベース部材51の前側壁部51aよりも手前側へ突出し、一対のガイド片54の下部に当接しており、両方のガイド片54の回動を阻止し、起立状態に保持している。
【0045】
下段部60bの手前側の先端はベース部材51の前側壁部51aよりも手前側に突出しており、当該突出している部分の先端には上方向に傾斜した球受け部60hが形成されている。第2作動口34へ入賞した遊技球は当該球受け部60hにより奥側へ誘導されるように構成されている。
【0046】
上段部60aには横方向に延びる回動軸部61が設けられており、この回動軸部61がベース部材51に形成された図示しない支持部により支持されている。これにより、切換部材60は横方向の回動軸を中心として縦方向に回動可能となっている。
【0047】
下段部60b及び連結部60cは回動軸部61よりも手前側に形成されており、切換部材60は下段部60b及び連結部60cの自重によって付勢され、図5(a−2)に示すように組付け部材52の下側壁部52cの底部と下段部60bが当接した位置にて初期状態を保っている。
【0048】
また、集合領域53aには横方向に延びる金属製の金属管62が回動軸部61よりも奥側かつ下側に設けられており、この金属管62がベース部材51に形成された図示しない支持部により支持されている。切換部材60が回動した場合において、上段部60aの下面が金属管62と当接する位置には、下側に膨出した磁石受け60iが形成されており、弱い磁力を有する永久磁石である磁石63を支持している。図5(b−2)に示すように、切換部材60が回動すると、切換部材60の金属管62は磁石63の磁力により引き付けられ、切換部材60は当該位置において保持された切換状態となる。
【0049】
ただし、磁石63の磁力は初期状態にある切換部材60を引き寄せて回動させるほどの磁力は有しておらず、あくまでも切換部材60を一時的に保持する程度の磁力である。また、遊技球を保持する磁力も有しておらず、各種センサに異常をもたらすほどの磁力も有していない。したがって、切換部材60は集合領域53aにおいて、下段部60b及び連結部60cの自重によって組付け部材52の下側壁部52cの底部と下段部60bが当接した初期状態と、磁石63の磁力により金属管62が保持された切換状態のいずれかに配置され、初期状態から切換状態までの範囲で回動可能である。
【0050】
下段部60bと組付け部材52の下側壁部52cの底部との当接は、下段部60bが奥側へいくほど下方へ傾斜する形で当接しており、切換部材60の上段部60a及び下段部60bは、初期状態及び切換状態のいずれにおいても、奥側へいくほど下方へ傾斜した状態となっている。
【0051】
ここで、切換部材60の回動をいずれかの状態に保持する保持力は、遊技球の重力よりも小さいものであり、遊技球が切換部材60の各部に衝突することで容易に状態遷移が行われる。
【0052】
分岐通路53dは切換部材60が初期状態である場合において遊技球は入ることができず、切換状態である場合においてはガイド溝60fから入ることが可能な位置に配置されている。
【0053】
次に、切換部材60とガイド片54の連動による役物ユニット50の閉鎖状態と開放状態について図5を用いて説明する。
【0054】
切換部材60が初期状態にある場合においては、一対のガイド片54は切換部材60のストッパー60gにより回動が阻止されており、起立した状態で停止している。両ガイド片54が起立した状態の場合、両ガイド片54の上端と組付け部材52の上側壁部52bの底部との距離は遊技球の直径よりも小さいため、遊技球は通過できない。また、いずれかのガイド片54に対して遊技球が遊技領域PEから衝突したとしても、ガイド片54とストッパー60gの当接と、組付け部材52の制限板52dとによりガイド片54の回動が停止されているため、起立状態からいずれの回動方向へも回動しない。したがって、パチンコ機10において切換部材60が初期状態のとき役物ユニット50は閉鎖状態となり、遊技球は、第1作動口33へは入賞可能だが第2作動口34へは入賞できない。
【0055】
遊技球が第1作動口33へ入賞すると、上側壁部52bの底部の傾斜により奥側へと誘導され誘導通路53cへ移動する。誘導通路53cを通過した遊技球は集合領域53aへ落下し、切換部材60の上段部60aにより受けられる。上段部60aに受けられた遊技球は、上段部60aの傾斜により奥側へと誘導され、ストッパー60g、横ガイド板60d及び奥ガイド板60eを壁面とすることによりガイド溝60fへ誘導される。さらに、遊技球の自重により切換部材60を初期状態から切換状態へ遷移させる。切換部材60が切換状態となると、遊技球はガイド溝60fから分岐通路53dへ通過可能となり、分岐通路53dを通過し、横排出口51eから排出される。
【0056】
切換部材60が切換状態となると、ストッパー60gも切換部材60の回動に従い移動する。ストッパー60gが移動すると、手間側の先端と一対のガイド片54との当接が離れ、ガイド片54は回動可能となる。一対のガイド片54はガイド片54に内蔵されたガイド片錘56の自重によって、相互の先端を離隔するように回動し、制限板52dにより回動が停止されV字状となる。
【0057】
切換部材60が切換状態の場合、ストッパー60gは初期状態の場合よりも奥側で上側に位置することとなるが、下開口部51cの上側においては初期状態と同じように遊技球は通過できない位置に配置される。すなわち遊技球は、切換部材60がいずれの状態においても下開口部51cの上側においては前後方向に通過できず、第2作動口34の上方から切換部材60の上段部60a側へ、又は切換部材60の上段部60a側から第2作動口34の上方へ遊技球が移動することはない。したがって、切換部材60において上段部60a側と下段部60b側を遊技球が行き来することは出来ず、第1作動口33に入賞した遊技球が第2作動口34へ重複して入賞することはない。また、第2作動口34の上方から遊技球が上段部60aへ移動し、第1入賞検知センサ57と第2入賞検知センサ58とのいずれにも検知されずに役物ユニット50を通過することはない。
【0058】
両ガイド片54がV字状となった場合、両ガイド片54の下端は遊技球の直径よりも小さい位置で近接しているが、ガイド片54は閉鎖方向の回動は制限されていない。したがって、遊技球は通過可能で第2作動口34へ入賞可能となっている。
【0059】
遊技球がいずれかのガイド片54の上方より流下すると、V字状となったガイド片54の斜面により下方向へガイドされる。このとき遊技球は自重によってガイド片54を閉鎖方向へ回動させつつ第2作動口34へ入賞する。第2作動口34へ入賞した遊技球は、球受け部60hと当接し、自重により切換部材60を回動させて初期状態へと遷移させつつ、集合領域53aの奥側の排出通路53bへ誘導され、下排出口51dから排出される。したがって、パチンコ機10において遊技球は、切換部材60が切換状態のとき役物ユニット50は開放状態となり、第1作動口33だけでなく第2作動口34へも入賞可能となっている。また、第2作動口34へ遊技球が入賞すると切換部材60は切換状態から初期状態へと遷移し、役物ユニット50は開放状態から閉鎖状態へと遷移する。
【0060】
なお、切換部材60が切換状態の場合、すなわち役物ユニット50が開放状態のときに第1作動口33へ入賞した場合、状態遷移は起こらない。この場合、切換部材60は切換状態を維持し、役物ユニット50は開放状態のまま遷移しない。
【0061】
ここで、第1作動口33及び第2作動口34が下側領域PE4に設けられていることにより、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置105が操作されている場合、及び右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置105が操作されている場合のいずれにおいても、第1作動口33及び第2作動口34への入賞が可能である。但し、可変表示ユニット40に構成されたステージ40aへの通過通路の入口が左側領域PE2に対して設けられており、右側領域PE3に対して設けられていないことにより、左側領域PE2を流下した方が右側領域PE3を流下する場合に比べて第1作動口33及び第2作動口34への入賞が発生し易い。また、左側領域PE2及び右側領域PE3における遊技部品や釘27の配列も、左側領域PE2を流下した方が右側領域PE3を流下する場合に比べて第1作動口33への入賞が発生し易いように設定されている。そして、右側領域PE3を流下した遊技球は第1作動口33及び第2作動口34への入賞がほとんど発生しないようになっている。
【0062】
第3作動口35は、右側領域PE3に設置されている。つまり、第3作動口35は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置105が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置105が操作されている場合には入賞が可能である。
【0063】
第3作動口35の構成について図6を参照しながら説明する。図6(a),(b)は第3作動口35の構成を示す概略図である。第3作動口35には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物35aが設けられている。
【0064】
電動役物35aは遊技盤20の背面側に搭載された普電用の電動役物駆動部35bに連結されており、当該普電用の電動役物駆動部35bにより駆動されて図6(a)に示す閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び図6(b)に示す開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。電動役物35aの閉鎖状態では遊技球が第3作動口35に入賞できず、電動役物35aが開放状態となることで第3作動口35への入賞が可能となる。ちなみに、開放状態となった場合には、電動役物35aが遊技領域PE側に突出し、第3作動口35への入賞をガイドする。第3作動口35には第3入賞検知センサ35cが設けられており、当該第3入賞検知センサ35cにより第3作動口35に入賞した遊技球が検知される。
【0065】
なお、第3作動口35への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物35aが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物35aが前後方向に移動又は回動することで入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが行われる構成としてもよい。また、電動役物35aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、第3作動口35自身の変位により行われる構成としてもよい。
【0066】
右側領域PE3において第3作動口35の上方にはスルーゲート36が設けられている。つまり、スルーゲート36は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置105が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置105が操作されている場合には入賞が可能である。
【0067】
スルーゲート36は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート36に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PEを流下する。これにより、スルーゲート36に入賞した遊技球が第3作動口35へ入賞することが可能となっている。スルーゲート36には入賞検知センサ36aが設けられており、当該入賞検知センサ36aによりスルーゲート36に入賞した遊技球が検知される。
【0068】
スルーゲート36への入賞に基づき第3作動口35の電動役物35aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート36への入賞を契機として内部抽選が行われるとともに、遊技領域PEにおいて遊技球が通過しない領域である左下の隅部に設けられた普図表示部39にて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果がサポート当選であり、当該結果に対応した停止結果が表示されて変動表示が終了された場合に、サポート実行モードへ移行する。サポート実行モードでは、電動役物35aが所定の態様で開放状態となる。
【0069】
なお、普図表示部39は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、普図表示部39にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
【0070】
また、普図表示部39に隣接した位置には、普図保留ランプ部42が設けられている。遊技球がスルーゲート36を入賞した個数(普図保留記憶数)は最大4個まで保留され、普図保留ランプ部42の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0071】
第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35への入賞を契機として大当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図表示部37及び可変表示ユニット40の図柄表示装置41における表示演出を通じて明示される。
【0072】
特図表示部37は、遊技領域PEにおいて遊技球が通過しない領域である右下の隅部に設けられている。特図表示部37には、第1特図表示部ASと、第2特図表示部BS、ラウンド表示部RSとが設けられている。第1特図表示部ASでは、第1作動口33への入賞を契機として大当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。また、第2特図表示部BSでは、第2作動口34及び第3作動口35への入賞を契機として大当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。ラウンド表示部RSでは、後述する開閉実行モードにおけるラウンド回数の表示が行われる。
【0073】
なお、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
【0074】
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置120により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
【0075】
図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、いずれかの作動口33〜35への入賞に基づいて開始される。すなわち、第1特図表示部ASにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われるとともに、第2特図表示部BSにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
【0076】
ちなみに、いずれかの作動口33〜35への入賞に基づいて、特図表示部37及び図柄表示装置41にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
【0077】
また、可変表示ユニット40の前面側において図柄表示装置41の下方には、図3に示すように、特図保留ランプ部43として、第1特図保留ランプ部43a及び第2特図保留ランプ部43bが設けられている。遊技球が第1作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1特図保留ランプ部43aの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、遊技球が第2作動口34及び第3作動口35に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2特図保留ランプ部43bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0078】
可変入賞装置32は、右側領域PE3において第3作動口35の下方であり、かつ、第1作動口33及び第2作動口34より上方の位置に設けられている。つまり、可変入賞装置32は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置105が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置105が操作されている場合には入賞が可能である。また、役物ユニット50が開放状態となっている場合において、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置105を操作したとしても、可変入賞装置32の入賞には影響しない。
【0079】
可変入賞装置32は、遊技盤20の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉部材32bを備えている。開閉部材32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、いずれかの作動口33〜35への入賞に基づく大当たり抽選にて当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に可変入賞駆動部32cにより切り換えられるようになっている。また、大入賞口32aへの入賞は入賞検知センサ32dによって検知される。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
【0080】
上記構成の遊技盤20が樹脂ベース21に取り付けられてなる内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部71が形成されている。窓部71は、略楕円形状をなし、窓パネル72が嵌め込まれている。窓パネル72は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル72を通じて遊技領域PEを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
【0081】
窓部71の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。各種ランプ部の一部として表示ランプ部73が窓部71の右方に設けられている。また、窓部71の上方にはエラーランプ部74が設けられている。また、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部75が設けられている。
【0082】
前扉枠14における窓部71の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部76と下側膨出部77とが上下に並設されている。上側膨出部76の内側には上方に開口した上皿76aが設けられており、下側膨出部77の内側には同じく上方に開口した下皿77aが設けられている。上皿76aは、後述する払出装置91より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構101側へ導くための機能を有する。また、下皿77aは、上皿76a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
【0083】
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
【0084】
図2に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤20)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置80が搭載されている。主制御装置80は主制御基板81が基板ボックスに収容されてなる。
【0085】
主制御装置80を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック15aを備えており、当該裏パック15aに対して、払出機構部17及び制御装置集合ユニット18が取り付けられている。
【0086】
払出機構部17は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク19と、当該タンク19に貯留された遊技球を払い出すための払出装置91と、を備えている。払出装置91より払い出された遊技球は、当該払出装置91の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿76a又は下皿77aに排出される。なお、払出機構部17には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
【0087】
制御装置集合ユニット18は、払出装置91を制御する機能を有する払出制御装置90と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置105の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源及び発射制御装置100と、を備えている。これら払出制御装置90と電源及び発射制御装置100とは、払出制御装置90がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0088】
裏パック15aには、払出機構部17及び制御装置集合ユニット18以外にも、外部端子板130が設けられている。外部端子板130は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板130は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うための基板である。
【0089】
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図7のブロック図に基づいて説明する。
【0090】
主制御装置80は、遊技の主たる制御を司る主制御基板81と、電源を監視する停電監視基板85と、を具備している。なお、主制御装置80において主制御基板81などを収容する基板ボックスに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けておくようにしてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
【0091】
主制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、当該MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83と、そのROM83内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU82が有する機能の一部、例えば、ROM83の機能やRAM84の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
【0092】
MPU82には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU82の入力側には、主制御装置80に設けられた停電監視基板85、払出制御装置90及び各種検知センサなどが接続されている。この場合に、停電監視基板85には電源及び発射制御装置100が接続されており、MPU82には停電監視基板85を介して電力が供給される。また、各種検知センサの一部として、入賞検知センサ32d,35c,36a,57,58では、主制御装置80のMPU82において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU82では、第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート36への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
【0093】
MPU82の出力側には、停電監視基板85、払出制御装置90、音声ランプ制御装置110及び外部端子板130が接続されている。外部端子板130には、複数の外部端子(出力端子)が設けられている。
【0094】
外部端子は例えば8個設けられており、管理コンピュータに向けて外部出力する情報の種類が相違している。これら複数の外部端子には、後述する不正検知処理における不正検知を外部出力するための端子や、開閉実行モード中であることを示す開閉実行信号の外部出力を行うための端子、高頻度サポートモード中であることを示す高頻度信号の外部出力を行うための端子が含まれている。MPU82は、RAM84に設けられた外部出力バッファに対して、不正の検知や遊技の進行に応じた情報の設定を行う。そして、外部出力バッファに設定された情報に応じて、信号出力用の設定を外部端子板130に対して行い、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させる。なお、各外部端子は、主制御装置80から管理コンピュータへ向けた電気信号の送信を可能としながら、その逆の流れを防止すべく、フォトカプラを用いて構成されている。
【0095】
払出制御装置90には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM83のコマンド情報記憶エリア83eが参照される。そして、一般入賞口31及び可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、いずれかの作動口33〜35への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
【0096】
音声ランプ制御装置110には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM83のコマンド情報記憶エリア83eが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
【0097】
また、MPU82の出力側には、可変入賞装置32の開閉部材32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、第3作動口35の電動役物35aを開閉動作させる電動役物駆動部35b、及び特図表示部37が接続されている。主制御基板81には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU82は各種駆動部の駆動制御を実行する。
【0098】
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU82において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物35aの開放状態当選となった場合には、電動役物35aが開閉されるように、MPU82において電動役物駆動部35bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU82において特図表示部37における第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSの表示制御が実行されるとともに、可変入賞装置32の開閉実行モードに際しては特図表示部37におけるラウンド表示部RSの表示制御が実行される。
【0099】
停電監視基板85は、主制御基板81と電源及び発射制御装置100とを中継し、また電源及び発射制御装置100から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置90は、主制御装置80から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置91により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
【0100】
電源及び発射制御装置100は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板81や払出制御装置90等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置100は、遊技球発射機構101の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構101は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
【0101】
音声ランプ制御装置110は、主制御装置80から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット40に設けられた各保留ランプ部42,43a,43b及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部73やスピーカ部75を駆動制御するとともに、表示制御装置120を制御するものである。
【0102】
表示制御装置120では、音声ランプ制御装置110から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置110では、主制御装置80から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
【0103】
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図8に基づいて説明する。図8は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
【0104】
図8(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、複数の変動表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図8(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
【0105】
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
【0106】
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
【0107】
また、後述する明示2R確変大当たり結果となる場合には、同一の図柄の組み合わせとは異なる所定の図柄の組み合わせ、具体的にはリーチ外れとなる図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、所定の動画が表示されるようになっている。また、後述する非明示2R確変大当たり結果となる場合には、同一の図柄の組み合わせとは異なる所定の図柄の組み合わせ、具体的にはリーチ外れとなる図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、所定の動画が表示されるようになっている。
【0108】
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
【0109】
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
【0110】
MPU82は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図表示部37の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、普図表示部39の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図9に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部37の第1特図表示部AS及び第2特図表示部BS並びに図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、第3作動口35の電動役物35aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
【0111】
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM84の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ84aに適宜格納される。RAM84には、第1特図表示部用保留エリアRaと、第2特図表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア84bが設けられている。そして、この保留球格納エリア84bに、各作動口33〜35への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
【0112】
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。
【0113】
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が各作動口33〜35に入賞したタイミングでRAM84の保留球格納エリア84bに格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM84の第1特図表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34又は第3作動口35に遊技球が入賞したタイミングでRAM84の第2特図表示部用保留エリアRbに格納される。
【0114】
大当たり当選となる乱数の値は、ROM83における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア83aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図10を用いて説明する。図10に示すように、当否テーブルとしては、図10(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図10(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率対応状態)と高確率モード(高確率対応状態)とが設定されている。
【0115】
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図10(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図10(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は21個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
【0116】
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が各作動口33〜35に入賞したタイミングでRAM84の保留球格納エリア84bに格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM84の第1特図表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34又は第3作動口35に遊技球が入賞したタイミングでRAM84の第2特図表示部用保留エリアRbに格納される。
【0117】
ここで、本実施形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の第3作動口35の電動役物35aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
【0118】
開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が6個(低頻度個数)となるまで継続される。
【0119】
この場合に、本パチンコ機10では、発射操作装置105が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PEに向けて発射されるように遊技球発射機構101が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口32aの開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口32aの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
【0120】
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口32aの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間及び1回の開放に対する開放限度個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。
【0121】
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口32aの開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
【0122】
第3作動口35の電動役物35aにおけるサポートモードとしては、右側領域PE3へ遊技球が発射される第2発射操作により遊技が継続されている状況で比較した場合に、第3作動口35の電動役物35aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
【0123】
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物35aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物35aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
【0124】
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第3作動口35への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第3作動口35よりも第1作動口33及び第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなるため、遊技者は第1発射操作にて左側領域PE2へ遊技球を発射し、逆に高頻度サポートモードでは、第1作動口33及び第2作動口34よりも第3作動口35への入賞が発生する確率が高くなるため、遊技者は第2発射操作にて右側領域PE3へ遊技球を発射する。このようにサポートモードの状態に応じて発射操作を変更するため、遊技を多様なものとすることができる。また、第3作動口35への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
【0125】
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート36への入賞に基づき普図表示部39にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、普図表示部39における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
【0126】
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM83における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア83bに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルの内容について図11を用いて説明する。図11に示すように、振分テーブルとしては、図11(a)の第1特図表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図11(b)の第2特図表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
【0127】
第1特図表示部用の振分テーブルでは、図11(a)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、非明示2R確変大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)、明示2R確変大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)、15R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
【0128】
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0129】
非明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持される大当たり結果である。換言すれば、非明示2R確変大当たり結果は、非明示2R確変大当たり状態(非明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0130】
明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、明示2R確変大当たり結果は、明示2R確変大当たり状態(明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0131】
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0132】
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
【0133】
第1特図表示部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜14」が非明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15〜19」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「20〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
【0134】
上記のように、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、3種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる明示2R確変大当たり結果が次に高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるとともにサポートモードではそれまでのモードが維持される非明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
【0135】
特に、非明示2R確変大当たり結果では、開閉実行モードの終了後において、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードがそれまでのモードに維持される。つまり、通常遊技状態において非明示2R確変大当たり結果となった場合には、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードが低頻度サポートモードに維持される。そうすると、遊技状態として、電動役物35aのサポートモードが低頻度サポートモードで共通しているにも関わらず、当否抽選モードが高確率モードとなる遊技状態を作り出すことができ、遊技者に対して当否抽選モードが高確率モード又は低確率モードのいずれであるか予測させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
【0136】
なお、当否抽選における外れ結果の一種として、低頻度入賞モードの開閉実行モードに移行するとともに、その終了後において当否抽選モード及びサポートモードの移行が発生しない特別外れ結果が含まれていてもよい。上記のような非明示2R確変大当たり結果と当該特別外れ結果との両方が設定されている構成においては、開閉実行モードが低頻度入賞モードに移行すること、及びサポートモードがそれまでのモードに維持されることで共通しているのに対して、当否抽選モードの移行態様が異なっていることにより、例えば通常遊技状態において非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果の一方が発生した場合に、それが実際にいずれの結果に対応しているのかを遊技者に予測させることが可能となる。
【0137】
一方、第2特図表示部用の振分テーブルでは、図11(b)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されている。そして、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
【0138】
上記のように本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、第1作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、第2作動口34又は第3作動口35への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
【0139】
ここで、第1特図表示部用の振分テーブル及び第2特図表示部用の振分テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に確変大当たり結果となる確率は、同一となっている。つまり、第1特図表示部用の振分テーブルでは、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。また、第2特図表示部用の振分テーブルでは、15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。したがって、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる確率は、第1作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、第2作動口34又は第3作動口35への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで同一となっている(具体的には、2/3)。
【0140】
但し、第2作動口34又は第3作動口35への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果が発生する場合、必ず15R確変大当たり結果となるのに対して、第1作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果となる場合、1/4の確率で非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果となり、1/2の確率で15R確変大当たり結果となる。つまり、確変大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R確変大当たり結果の発生確率は、第2作動口34又は第3作動口35への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、第1作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
【0141】
また、非明示2R確変大当たり結果では、上記のとおり開閉実行モードの終了後に当否抽選モードは高確率モードに移行するものの、サポートモードはそれまでのモードが維持される。したがって、サポートモードが低頻度サポートモードのまま維持された場合は、通常遊技状態と同様に遊技者は第1発射操作により左側領域PE2へ遊技球を発射することになる。
【0142】
一方で、低頻度サポートモード時における遊技においても、第1作動口33への入賞を契機に役物ユニット50が開放状態となり、第2作動口34へ入賞し易くなる。つまり、左側領域PE2へ遊技球を発射している状態でも、第2作動口34へ遊技球が入賞することで第2特図表示部用の振分テーブルに基づいて振分抽選が行われる。
【0143】
ここで上述のとおり本構成によると、役物ユニット50の開放状態は、第2作動口34へ遊技球が少なくとも1個入賞することで、閉鎖状態へと戻る。この構成により、第2特図表示部用の振分テーブルに基づいて振分け抽選が行われる頻度は、低頻度サポートモード時における遊技と高頻度サポートモード時における遊技とを比較すると高頻度サポートモード時のほうが高くなっている。
【0144】
以上のとおり、第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35において、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35のうち、第2作動口34及び第3作動口35への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、第3作動口35への入賞頻度が最も高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。一方で、通常遊技状態等の低頻度サポートモード時においても、第2作動口34へ入賞することが可能な構成であることから、遊技の単調化を抑制することが可能となっている。
【0145】
なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、さらに当否抽選モード及びサポートモードの変更は発生しない。
【0146】
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球がいずれかの作動口33〜35に入賞したタイミングでRAM84の保留球格納エリア84bに格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM84の第1特図表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34又は第3作動口35に遊技球が入賞したタイミングでRAM84の第2特図表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM83のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU82では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
【0147】
なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
【0148】
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
【0149】
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。なお、本パチンコ機10において大当たり図柄の組み合わせとは、同一の図柄の組み合わせのことをいう。
【0150】
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
【0151】
図8の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
【0152】
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
【0153】
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部37の第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU82において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
【0154】
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート36に遊技球が入賞したタイミングでRAM84の電役保留エリア84cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物35aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物35aを開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物35aを開放状態に制御しない。
【0155】
既に説明したように、MPU82では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM83の変動表示時間テーブル記憶エリア83cが用いられる。また、MPU82では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM83の停止結果テーブル記憶エリア83dが用いられる。
【0156】
<保留球格納エリア84bの構成>
次に、保留球格納エリア84bの構成を、図12を用いてより詳細に説明する。
【0157】
第1取得情報記憶手段として設けられた第1特図表示部用保留エリアRaは、第1作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。なお、当該第1特図表示部用保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の1組の組み合わせが、第1作動口33に係る保留情報に相当し、当該保留情報が本パチンコ機10における第1特別情報に相当する。
【0158】
また、第2取得情報記憶手段として設けられた第2特図表示部用保留エリアRbは、第2作動口34及び第3作動口35への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。なお、当該第2特図表示部用保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の1組の組み合わせが、第2作動口34及び第3作動口35に係る保留情報に相当し、当該保留情報が本パチンコ機10における第2特別情報に相当する。
【0159】
ここで、第1特図表示部用保留エリアRa及び第2特図表示部用保留エリアRbは、同一の構成となっているため、以下には、両保留エリアRa,Rbのうち第1特図表示部用保留エリアRaの構成について説明する。
【0160】
第1特図表示部用保留エリアRaは、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアと、保留数記憶領域とより構成されている。各記憶エリアは、大当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのC1記憶領域と、大当たり種別カウンタC2の値を格納するためのC2記憶領域と、リーチ乱数カウンタC3の値を格納するためのC3記憶領域とより構成されている。この第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアにより、第1作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
【0161】
C1記憶領域は2バイトで構成されており、0〜599のいずれかの大当たり乱数カウンタC1値が0〜9の下位10ビットを用いて格納されるようになっている。C1記憶領域のうち10〜15の上位6ビットは未使用領域となっている。
【0162】
C2記憶領域は1バイトで構成されており、0〜29のいずれかの大当たり種別カウンタC2値が0〜4の下位5ビットを用いて格納されるようになっている。C2記憶領域のうち5〜7の上位2ビットは未使用領域となっている。
【0163】
C3記憶領域は1バイトで構成されており、0〜238のいずれかのリーチ乱数カウンタC3値が0〜7の全8ビットを用いて格納されるようになっている。
【0164】
保留数記憶領域は、記憶エリアの使用数、すなわち第1作動口33に遊技球が入賞して保留された個数を記憶するための記憶領域である。保留数記憶領域は1バイトで構成されており、0〜4のいずれかの値が0〜2の下位3ビットを用いて格納されるようになっている。保留数記憶領域のうち3〜7の上位5ビットは未使用領域となっている。
【0165】
また、保留球格納エリア84bには、第1特図表示部用保留エリアRaにおける保留数と第2特図表示部用保留エリアRbにおける保留数との和の数の情報を記憶するための総保留数記憶領域が設けられている。総保留数記憶領域は1バイトで構成されており、0〜8のいずれかの値が0〜3の下位4ビットを用いて格納されるようになっている。総保留数記憶領域のうち4〜7の上位4ビットは未使用領域となっている。
【0166】
図9に示す実行エリアAEは、各特図表示部AS,BSの変動表示を開始する際に、第1特図表示部用保留エリアRa又は第2特図表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された各値を移動させるためのエリアである。実行エリアAEは、各特図表示部用保留エリアRa,Rbの1つ分の記憶エリアと同一構成、すなわち、2バイト構成のC1記憶領域と、1バイト構成のC2記憶領域と、1バイト構成のC3記憶領域とにより構成されている。
【0167】
<主制御装置80にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置80内のMPU82にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU82では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理とNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
【0168】
先ず、タイマ割込み処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU82により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
【0169】
ステップS101では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置80に接続されている各種入賞スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
【0170】
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM84の該当するバッファ領域に格納する。
【0171】
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM84の該当するバッファ領域に格納する。
【0172】
続くステップS104ではスルーゲート36への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。本スルー用の入賞処理では、遊技球がスルーゲート36に入賞したと判定した場合、普図保留記憶数が上限値(本実施形態では4)未満であることを条件として、普図保留記憶数を1加算するとともに、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM84の電役保留エリア84cに格納する。また、音声ランプ制御装置110に対して、普図保留記憶数と対応する普図保留ランプ部42を点灯させるための信号を出力する。音声ランプ制御装置110は、当該信号が受信されたことに基づいて普図保留ランプ部42を点灯させるための処理を実行する。
【0173】
その後、ステップS105にて作動口用の入賞処理を実行する。ここで、作動口用の入賞処理について説明する。
【0174】
<作動口用の入賞処理>
作動口用の入賞処理について図14のフローチャートを参照しながら説明する。
【0175】
ステップS201では、遊技球が第1作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを第1入賞検知センサ57の検知状態により判定する。遊技球が第1作動口33に入賞したと判定すると、ステップS202にて不正入賞フラグが各種フラグ格納エリア84eにセットさているか否か(「1」であるか否か)を判定する。不正入賞フラグとは、後述する不正検知処理にて、第1作動口33への遊技球の入賞を伴わない第2作動口34への遊技球の連続入賞を不正行為として記憶するフラグである。ステップS202にて不正入賞フラグがセットされていた場合は、ステップS203にて当該不正入賞フラグを消去する。ステップS202にて不正入賞フラグがセットされていないと判定した場合、又はステップS203にて不正入賞フラグを消去した後は、ステップS204にて第1作動口33への入賞を記憶するフラグである第1入賞フラグが各種フラグ格納エリア84eセットされているか否か(「1」であるか否か)を判定する。第1入賞フラグがセットされていない場合には、続くステップS205にて各種フラグ格納エリア84eに第1入賞フラグをセットする。
【0176】
ステップS204にて第1入賞フラグがセットされていると判定した場合、又はステップS205にて第1入賞フラグをセットした場合は、続くステップS206にて払出制御装置90に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。さらにステップS207では、第1作動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS208では、第1特図表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1特図表示部用保留エリアRaに保留記憶されている第1始動保留記憶数RaNをセットする。
【0177】
ステップS201にて遊技球が第1作動口33に入賞していないと判定した場合、ステップS210では、遊技球が第2作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを第2入賞検知センサ58の検知状態により判定する。遊技球が第2作動口34に入賞したと判定すると、ステップS211にて第2作動口34への入賞を記憶するフラグである第2入賞フラグが各種フラグ格納エリア84eにセットされているか否か(「1」であるか否か)を判定する。第2入賞フラグがセットされていない場合には、続くステップS212にて第2入賞フラグをセットする。
【0178】
またステップS210にて遊技球が第2作動口34に入賞していないと判定した場合、ステップS213では、遊技球が第3作動口35に入賞(始動入賞)したか否かを第3入賞検知センサ35cの検知状態により判定する。
【0179】
ステップS211にて第2入賞フラグがセットされていると判定した場合、ステップS212にて第2入賞フラグをセットした場合、又はステップS213にて第3作動口35に入賞したと判定した場合は、続くステップS214にて払出制御装置90に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS215では、第2作動口34又は第3作動口35に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS216では、第2特図表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2特図表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNをセットする。
【0180】
その後、ステップS209では、ステップS208又はステップS216にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満である場合に、対応する特図表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nと総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1加算する。また、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する特図表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリアに格納し、いずれかの作動口33〜35への入賞が発生したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置110及び表示制御装置120に認識させる。その後、本作動口用の入賞処理を終了する。
【0181】
一方、ステップS201,ステップS210及びステップS213が共にNOの場合、すなわち第1作動口33,第2作動口34、第3作動口35のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。なお、上記ステップS206,S214にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S403にて払出制御装置90に対して送信される。
【0182】
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS105にて作動口用の入賞処理を行った後、続くステップS106では、遊技球が不正に第2作動口34へ入賞したか否かを判定する不正検知処理を行う。上述のとおり、本構成では、役物ユニット50は第1作動口33への入賞を契機に第2作動口34へ入賞し易い開放状態となる。第2作動口34では第2特図表示用の振分テーブルが参照され遊技者にとっては有利となるため、不正行為者が第2作動口34へ不正に入賞させた場合には、遊技ホールに当該不正を通知すると共に、遊技を停止させる等の措置をとる必要がある。ここで、不正検知処理について説明する。
【0183】
<不正検知処理>
不正検知処理について図15のフローチャートを参照しながら説明する。
【0184】
不正検知処理ではまず、ステップS301にて第2入賞フラグがセットされているか否かを判定する。第2入賞フラグがセットされていない場合には、本不正検知処理を行わずそのまま終了する。
【0185】
一方で、第2入賞フラグがセットされていた場合には、ステップS302にて第1入賞フラグがセットさているか否かを判定する。第1入賞フラグがセットされている場合には、ステップS303にて第1入賞フラグを消去し、続くステップS304にて第2入賞フラグを消去し、本不正検知処理を終了する。
【0186】
ステップS302にて第1入賞フラグがセットされていない場合は、続くステップS305にて不正入賞フラグがセットさているか否か判定する。不正入賞フラグがセットされていない場合は、ステップS306にて第2入賞フラグを消去し、ステップS307にて不正入賞フラグをセットし本不正検知処理を終了する。ここで、ステップS305にて否定判定をした場合とは、パチンコ機10において、第1作動口33への入賞を伴わずに第2作動口34へ遊技球が入賞した場合である。一方で、ステップS305にて肯定判定をした場合とは、パチンコ機10において、第1作動口33への入賞を伴わずに第2作動口34へ遊技球が入賞した場合においてさらに第1作動口33への入賞を伴わずに第2作動口34へ遊技球が入賞した場合である。
【0187】
ステップS305にて肯定判定をした場合は、ステップS308にて不正入賞コマンドを出力対象に設定する。不正入賞コマンドは、第1作動口33への入賞を伴わずに第2作動口34へ遊技球が連続して入賞したこと(不正行為)を音声ランプ制御装置110及び表示制御装置120に認識させるためのコマンドである。当該不正入賞コマンドを受信した場合、音声ランプ制御装置110は、不正行為に対応した報知をエラーランプ部74及びスピーカ部75により行う。また、表示制御装置120は、不正行為に対応した報知を図柄表示装置41により行う。
【0188】
ステップS309では、当該不正行為を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるため、異常用の外部出力処理を外部端子板130を通じて実行し、続くステップS310では各種フラグ格納エリア84eに遊技停止フラグをセットし本パチンコ機10の遊技を停止させる。例えば、払出制御装置90に停止コマンドを出力することで払出装置91による遊技球の払出しを停止させる。その後、本不正検知処理を終了する。
【0189】
本パチンコ機10において、役物ユニット50は第1作動口33へ遊技球が入賞することで開放状態となり、第2作動口34へ遊技球が1個入賞すると閉鎖状態となる構成である。正規の遊技者による遊技においては、第1作動口33へ遊技球が入賞し役物ユニット50が開放状態となった場合に、第2作動口34へ遊技球が入賞すると、役物ユニット50は閉鎖状態へと遷移するとともに、作動口用の入賞処理(図14)でセットされた第1入賞フラグと第2入賞フラグはステップS303及びステップS304にて消去される。
【0190】
ここで、遊技球の流下の偏りにより2個連続で第2作動口34へ入賞する可能性もある。この場合、既に第1入賞フラグを消去しているため、ステップS306にて不正入賞フラグがセットされるが、この不正入賞フラグは次に第1作動口33へ遊技球が入賞することで作動口用の入賞処理(図14)におけるステップS203にて消去される。一方不正行為に対しては、第1作動口33へ遊技球を入賞させることなく第2作動口34へ遊技球を入賞させる行為が行われた場合、すなわち第1入賞フラグがセットされていない状態で第2入賞フラグを確認すると、不正入賞フラグがセットされ、この不正入賞フラグが消去されないまま第2作動口34への入賞を確認した場合は不正行為として認定しステップS308〜ステップS310において遊技ホールや遊技者への報知及び遊技停止を実行する。本構成により、不正行為に対して対処しつつ、正規の遊技者の遊技を停止させてしまう可能性を低減させることが可能となっている。
【0191】
なお、不正行為として認定した後、遊技停止までの制御を段階的なものとしても良い。すなわち、第1作動口33への入賞を伴わず第2作動口34へ入賞した場合に、不正入賞フラグをセットすると共に、不正入賞コマンドを音声ランプ制御装置110及び表示制御装置120への出力対象として設定し、その後、さらに第1作動口33への入賞を伴わない第2作動口34への入賞により遊技停止を実行しても良い。
【0192】
また、不正行為と認定する第2作動口34への連続入賞数は上記構成に限られず、例えば、不正入賞フラグを消去することなく第2入賞フラグを2回確認した場合に不正行為と認定する構成でも良い。この場合、遊技球の流下の偏りにより、3個連続して第2作動口34へ入賞した場合の遊技を不正とは認定しない為、不正を行っていない正規の遊技者の遊技を停止させてしまう可能性はさらに低くなる。この場合においても、不正行為の認定から遊技停止までの制御を段階的なものとしても良い。また、遊技停止は行わず、報知の実行のみ行う構成としても良い。
【0193】
さらに、第2作動口34への入賞を契機に監視時間を計測し、監視時間を経過したにもかかわらず、第1作動口33への入賞が発生することなく第2作動口34への入賞が発生した場合には、異常と判断する構成でもよい。具体的には、監視時間の計測をRAM84における各種カウンタエリア84dにより開始し、タイマ割込み処理が実行されるたびに当該監視時間を「1」減算し、監視時間の値が「0」となった場合において、不正入賞フラグをセットする。その後、作動口用の入賞処理(図14)におけるステップS201〜ステップS203の処理がされず(第1作動口33への入賞に伴い不正入賞フラグが消去されず)にステップS210で第2作動口34への入賞を確認した場合に、不正行為として認定し不正検知処理におけるステップS308〜ステップS310を実行する構成としても良い。この場合、不正検知処理におけるステップS301〜ステップS308は不具備となる。
【0194】
また、切換部材60が初期状態と切換状態とのいずれの状態にあるかを検知する切換検知センサを設け、当該切換検知センサにより不正行為を認定する構成でも良い。この場合、第1作動口33への入賞を伴わず第1入賞フラグがセットされていない状態で切換部材60が切換状態であると確認した場合に不正行為と認定し、不正検知処理におけるステップS308〜ステップS310を実行する構成となる。この構成においても、不正検知処理におけるステップS301〜ステップS307は不具備となる。
【0195】
本不正検知処理を行った後、上記のタイマ割込み処理は終了する。
【0196】
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図16のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS401〜S408の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS410,S411のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0197】
通常処理において、ステップS401では、まず上述の不正検知処理にて遊技停止となっているか否かの判定を行う。遊技停止中の場合には、ステップS402にて遊技停止中処理を実行し再びステップS401に戻る。この場合、ステップS403〜ステップS408の遊技の進行に係る処理は実行されない。このため、遊技の正常な進行が制限される。
【0198】
ステップS402の遊技停止中処理について具体的には、パチンコ機10の背面や内部といったように、前扉枠14の回動先端側を開放方向へ回動した場合に操作可能となる位置に設けられた操作部を操作する等の解除操作が遊技ホール管理者によって行われたか否かを判定し、解除操作が行われたと判定した場合には、遊技停止フラグを消去し遊技を復帰させる。
【0199】
遊技停止中でない場合には、ステップS403にて、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置90に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置110に対して送信する。
【0200】
次に、ステップS404では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM84の該当するバッファ領域に格納する。
【0201】
続くステップS405では、払出制御装置90より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS406では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う側の特図表示部AS,BSの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
【0202】
その後、ステップS407では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
【0203】
ステップS408では、第3作動口35に設けられた電動役物35aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、電動役物35aを開放状態とするか否かの判定、普図表示部39の表示制御などを行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。
【0204】
続くステップS409では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS410,S411)。つまり、ステップS410では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM84の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS411では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM84の該当するバッファ領域に格納する。
【0205】
ここで、ステップS401〜S408の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
【0206】
<遊技回制御処理>
次に、ステップS406の遊技回制御処理を図17〜図19のフローチャートを参照して説明する。
【0207】
図17に示す遊技回制御処理では、先ずステップS501にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM84の各種フラグ格納エリア84eにおける開閉実行モードフラグ格納エリアに開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
【0208】
開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理及びステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、いずれかの作動口33〜35への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
【0209】
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、特図表示部37が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM84の各種フラグ格納エリア84eにおける変動表示中フラグ格納エリアに変動表示中フラグが格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
【0210】
特図表示部37が変動表示中でない場合には、ステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS503にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、第1始動保留記憶数RaN、第2始動保留記憶数RbNのいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS504にて第1特図表示部用保留エリアRa又は第2特図表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS505にて特図表示部37における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
【0211】
ここで、ステップS504のデータ設定処理及びステップS505の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
【0212】
先ず、データ設定処理について、図18のフローチャートを参照して説明する。
【0213】
データ設定処理では、先ずステップS601にて、第2特図表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS602〜ステップS607の第1特図表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS608〜ステップS613の第2特図表示部用のデータ設定処理を実行する。
【0214】
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2特図表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2特図表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1特図表示部用保留エリアRa及び第2特図表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2作動口34及び第3作動口35に対応した第2特図表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
【0215】
第1特図表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS602にて、第1特図表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1減算する。続くステップS603では共通保留数CRNを1減算する。その後、ステップS604では、第1特図表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
【0216】
その後、ステップS605にて第1特図表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
【0217】
続くステップS606では、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられた第2特図表示部フラグ格納エリアに第2特図表示部フラグが記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2特図表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSのいずれであるかを特定するための情報である。
【0218】
続くステップS607では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置110に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。この場合、ROM83のコマンド情報記憶エリア83eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1特図表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1作動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置110への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
【0219】
ステップS607にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS403にて、音声ランプ制御装置110に送信される。音声ランプ制御装置110では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット40の第1特図保留ランプ部43aにおける表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
【0220】
第2特図表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS608にて、第2特図表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1減算する。続くステップS609では共通保留数CRNを1減算する。その後、ステップS610では、第2特図表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
【0221】
その後、ステップS611にて第2特図表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。続くステップS612では、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられた第2結特図表示部フラグ格納エリアに第2特図表示部フラグが記憶されていない場合には第2特図表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
【0222】
続くステップS613では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置110に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。この場合、ROM83のコマンド情報記憶エリア83eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2特図表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2作動口34又は第3作動口35に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置110への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
【0223】
ステップS613にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS403にて、音声ランプ制御装置110に送信される。音声ランプ制御装置110では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット40の第2特図保留ランプ部43bにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
【0224】
次に、変動開始処理について、図19のフローチャートを参照して説明する。
【0225】
変動開始処理では、先ずステップS701にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられた高確率モードフラグ格納エリアに高確率モードフラグが格納されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
【0226】
高確率モードでない場合には、ステップS702にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図10(a)に示すように低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS703にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図10(b)に示すように高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
【0227】
ステップS702又はステップS703の処理の後は、ステップS704にて、ステップS702又はステップS703における抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS705〜ステップS712において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理などを実行する。
【0228】
ステップS705では、RAM84に第2特図表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS706にて第1特図表示部用の振分テーブル(図11(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、非明示2R確変大当たり結果の数値範囲、明示2R確変大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
【0229】
一方、第2特図表示部フラグが格納されている場合には、ステップS707にて第2特図表示部用の振分テーブル(図11(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
【0230】
ステップS706又はステップS707の処理の後は、ステップS708にて、ステップS706又はステップS707において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS709にて、確変大当たり結果が発生することとなる今回の遊技回において第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。
【0231】
当該確変大当たり用の停止結果設定処理では、停止結果テーブル記憶エリア83dに記憶されている停止結果テーブルを参照することで、ステップS706又はステップS707において振り分けた大当たり結果に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM84の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。
【0232】
続くステップS710では、ステップS706又はステップS707において振り分けた大当たり結果に対応したフラグをRAM84の各種フラグ格納エリア84eにおける対応するエリアに格納する。具体的には、15R確変大当たり結果である場合には15R確変フラグを格納し、明示2R確変大当たり結果である場合には明示2R確変フラグを格納し、非明示2R確変大当たり結果である場合には非明示2R確変フラグを格納する。その後、ステップS814に進む。
【0233】
一方、ステップS706又はステップS707において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果でない場合には、ステップS708にて否定判定をし、ステップS711に進む。ステップS711では、停止結果テーブル記憶エリア83dにおける通常大当たり用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM84の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS712にて、RAM84の各種フラグ格納エリア84eにおける通常大当たりフラグ格納エリアに通常大当たりフラグを格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。その後、ステップS714に進む。
【0234】
また、ステップS702又はステップS703における抽選の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS704にて否定判定をし、ステップS713に進む。ステップS713では、外れ結果となる今回の遊技回において第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための外れ時用の停止結果設定処理を実行する。当該外れ時用の停止結果設定処理では、停止結果テーブル記憶エリア83dにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM84の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS714に進む。
【0235】
ステップS714では、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。変動表示時間の設定処理では、リーチ表示の発生の有無、いずれのサポートモードであるか、共通保留数CRNや第1始動保留記憶数RaN及び第2始動保留記憶数RbNにおける保留数、等に応じて異なる変動表示時間情報を変動表示時間カウンタエリアに設定する。
【0236】
続くステップS715では、RAM84に第2特図表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS716にて、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1作動口33への入賞に基づき取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれている。一方、第2特図表示部フラグが格納されている場合には、ステップS717にて、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2作動口34若しく第3作動口35への入賞に基づき取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれている。
【0237】
ステップS716又はステップS717の処理を実行した後は、ステップS718にて種別コマンドを設定する。種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、明示2R確変大当たり結果の情報、非明示2R確変大当たり結果の情報などが含まれる。
【0238】
ステップS716〜ステップS718にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS403にて、音声ランプ制御装置110に送信される。音声ランプ制御装置110では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、音声ランプ制御装置110では、その受信した変動用コマンド及び種別コマンドをそのまま表示制御装置120に送信する。表示制御装置120では、変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
【0239】
その後、ステップS719にて、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した特図表示部37において絵柄の変動表示を開始させる。この場合、RAM84に第2特図表示部フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回に対応した特図表示部37が第1特図表示部ASであると特定し、第2特図表示部フラグが格納されている場合には、今回の遊技回に対応した特図表示部37が第2特図表示部BSであると特定する。その後、本変動開始処理を終了する。
【0240】
遊技回制御処理(図17)の説明に戻り、特図表示部37が変動表示中である場合には、ステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS506にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM84の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図13)が起動される度に、1減算される。
【0241】
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS507にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る特図表示部37における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
【0242】
変動表示時間が経過している場合には、ステップS508にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS709,ステップS711又はステップS713のいずれかの処理にてRAM84に記憶したアドレス情報を特定し、そのアドレス情報に対応した絵柄の態様が今回の遊技回に係る特図表示部37にて表示されるように当該特図表示部37を表示制御する。
【0243】
続くステップS509では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS509にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS403にて、音声ランプ制御装置110に送信される。音声ランプ制御装置110では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置110から表示制御装置120に送信され、表示制御装置120では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
【0244】
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS405の遊技状態移行処理を図20及び図21のフローチャートを参照して説明する。
【0245】
図20に示す遊技状態移行処理では、先ずステップS801にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS802に進み、1の遊技回の第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【0246】
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS803にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM84に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【0247】
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS804にて、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。当該ラウンド表示の開始処理では、先ず、RAM84の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、ROM83に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、特図表示部37におけるラウンド表示部RSに出力する。これにより、ラウンド表示部RSでは上記出力に係るラウンドの情報が表示される。
【0248】
続くステップS805では、今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM84に、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS806にて、RAM84の各種カウンタエリア84dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「2」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、高頻度入賞モードである場合には、ステップS807にて、第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「15」をセットする。
【0249】
ステップS806又はステップS807の処理を実行した後は、ステップS808にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS403にて、音声ランプ制御装置110に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置110では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、当該オープニングコマンドは、音声ランプ制御装置110から表示制御装置120に送信され、表示制御装置120では当該オープニングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。ステップS808の処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。
【0250】
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS801にて肯定判定をし、ステップS809にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大入賞口32aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部32cを駆動状態とすることで大入賞口32aを開放させる。また、大入賞口32aが開放中である場合には、当該大入賞口32aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部32cの駆動状態を停止し、大入賞口32aを閉鎖させる。なお、開放限度時間及び開放限度個数は、既に説明したように、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとで異なっている。
【0251】
続くステップS810では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合には、ステップS811にてエンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS403にて、音声ランプ制御装置110に送信される。音声ランプ制御装置110では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。また、当該エンディングコマンドは、音声ランプ制御装置110から表示制御装置120に送信され、表示制御装置120では当該エンディングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示を終了させる。
【0252】
その後、ステップS812では、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について、図21のフローチャートを参照して説明する。
【0253】
先ずステップS901にて、RAM84に、15R確変フラグ又は明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、ステップS902にて遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。続くステップS903にて、高確率モードフラグを格納するとともに、ステップS904にて高頻度サポートフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。
【0254】
続くステップS905では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である高頻度サポートコマンド(高頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置110への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
【0255】
ステップS901にて、15R確変フラグ及び明示2R確変フラグの両方が格納されていないと判定した場合には、ステップS906にて非明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。非明示2R確変フラグが格納されている場合には、ステップS907にて、高頻度サポートフラグが格納されているか否かを判定し、高頻度サポートフラグが格納されていない場合には、ステップS908〜ステップS910の各処理を実行した後に、本移行処理を終了する。この場合、ステップS908では、上記フラグ消去処理を実行する。また、ステップS909では、高確率モードフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、高確率モードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。
【0256】
また、ステップS910では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置110への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
【0257】
一方、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、ステップS907にて肯定判定をし、ステップS902〜ステップS905の各処理を実行した後に、本移行処理を終了する。この場合、サポートモードが高頻度サポートモードとなるとともに、当該高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。
【0258】
ステップS906にて非明示2R確変フラグが格納されていないと判定した場合には、通常大当たりフラグが格納されていることに基づいて今回の開閉実行モードが行われたことを意味する。この場合、ステップS911〜ステップS914の処理を実行する。つまり、ステップS911にて、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS912にて、高頻度サポートフラグを格納するとともに、ステップS913にて、RAM84の各種カウンタエリア84dに設けられた遊技回数カウンタエリアに「100」をセットする。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
【0259】
続くステップS914では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である高頻度サポートコマンド(高頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置110への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
【0260】
ちなみに、ステップS905又はステップS914にて設定された高頻度サポートコマンド及びステップS910にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS403にて、音声ランプ制御装置110に送信される。音声ランプ制御装置110は高頻度サポートコマンド及び低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置120に送信する。表示制御装置120では、高頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが高頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。また、表示制御装置120では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。これらについては、後に詳細に説明する。
【0261】
遊技状態移行処理(図20)の説明に戻り、ステップS812の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS813にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、特図表示部37におけるラウンド表示部RSが消灯されるように当該ラウンド表示部RSの表示制御を終了する。
【0262】
その後、ステップS814にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。
【0263】
<電役サポート用処理>
次に、ステップS408の電役サポート用処理を図22のフローチャートを参照して説明する。
【0264】
図22に示すように、電役サポート用処理では先ずステップS1001にて、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、第3作動口35の電動役物35aを開放状態とする場合に格納され、閉鎖状態に復帰される場合に消去されるフラグである。
【0265】
サポート中フラグが格納されていない場合にはステップS1002に進み、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物35aを開放状態とするか否かの抽選において開放状態当選となった場合に格納され、サポート中フラグが格納される場合に消去されるフラグである。
【0266】
サポート当選フラグが格納されていない場合にはステップS1003に進み、RAM84の各種カウンタエリア84dに設けられた第2タイマエリアT2の値が「0」か否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
【0267】
第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1004にて、普図表示部39における絵柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS1005にて、外れ表示を設定した後に、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図表示部39における絵柄の変動表示が終了される。
【0268】
第2タイマエリアT2の値が「0」であって変動表示の終了タイミングでない場合には、ステップS1006にて、普図保留記憶数の値が「0」より大きいか否かを判定する。普図保留記憶数の値が「0」である場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。普図保留記憶数の値が「0」より大きい場合には、ステップS1007にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1008にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
【0269】
開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1009にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。なお、第2タイマエリアT2はタイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
【0270】
続くステップS1010では、ステップS1009の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、ステップS1011の処理を実行することなくステップS1012に進み、サポート当選である場合には、ステップS1011にてサポート当選フラグを格納するとともに、RAM84の各種カウンタエリア84dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットした後に、ステップS1012に進む。
【0271】
ステップS1012では、当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS1012にて否定判定をした場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。ステップS1012にて肯定判定をした場合には、ステップS1013にて遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。遊技回数カウンタエリアが「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。遊技回数カウンタエリアが「0」である場合には、ステップS1014にて高頻度サポートフラグを消去する。続くステップS1015では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置110への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
【0272】
ステップS1015にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS403にて、音声ランプ制御装置110に送信される。音声ランプ制御装置110は低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置120に送信する。表示制御装置120では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
【0273】
開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1016にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。
【0274】
続くステップS1017では、ステップS1016の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS1018にてサポート当選フラグを格納するとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
【0275】
サポート当選フラグが格納されている場合には、ステップS1002にて肯定判定をし、ステップS1019に進み、第2タイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、普図表示部39における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1020にて、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図表示部39における絵柄の変動表示が終了される。続くステップS1221では、サポート中フラグを格納するとともに、サポート当選フラグを消去した後に、本電役サポート用処理を終了する。
【0276】
サポート中フラグが格納されている場合には、ステップS1022に進み、電動役物35aを開閉制御するための電役開閉処理を実行した後に、本電役サポート用処理を終了する。電役開閉制御処理は、第2タイマエリアT2の値が「0」である場合において実行される処理である。このとき電動役物35aが開放されている場合には、電動役物35aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を実行し、第2タイマエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットし、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」となった場合は、サポート中フラグを消去する。また、電動役物35aが閉鎖されている状態の場合には、電動役物35aを開放状態に制御する開放処理を実行し、開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードであるときには、第2タイマエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)を、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでないときには、第2タイマエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする処理である。本電役開閉処理を行った後電役サポート用処理を終了する。
【0277】
上記構成による作用効果について以下に説明する。
【0278】
図23は、各作動口33〜35への入賞を契機としたパチンコ機10の各部の作用を示すタイミングチャートである。図23(a)は役物ユニット50の開閉動作を示し、図23(b)は第1作動口33への入賞状況を示し、図23(c)は第2作動口34への入賞状況を示し、図23(d)は第3作動口35への入賞状況を示す。図23(e),(f)は大当たり乱数カウンタC1の保留球格納エリア84bへの格納先を示し、図23(e)は第1特図表示部用保留エリアRaへ、図23(f)は第2特図表示部用保留エリアRbへ格納される状況を示している。また、図23(g)は不正検知処理における不正入賞フラグの格納状況を示し、図23(h)は不正検知処理における遊技停止状況を示す。
【0279】
まず、第1作動口33への入賞によって役物ユニット50が開放状態となり、第2作動口34への入賞によって役物ユニット50が閉鎖状態となる様態について説明する。
【0280】
発射操作装置105を操作することによって遊技球が遊技領域PEへ発射され流下した結果、t1のタイミングで第1作動口33へ入賞すると、役物ユニット50が開放状態となる。次にt2のタイミングで第2作動口34へ遊技球が入賞すると役物ユニット50は閉鎖状態となる。
【0281】
またt3のタイミングで第1作動口33へ遊技球が入賞すると、t1と同様に役物ユニット50が開放状態となる。ここで、t4のタイミングで第1作動口33へ遊技球が入賞しても役物ユニット50は動作しない。t5のタイミングで第2作動口34へ遊技球が入賞すると役物ユニット50が閉鎖状態となる。
【0282】
次に高頻度サポートモード時における各作動口33〜34への入賞と役物ユニット50の動作について説明する。
【0283】
高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードに比べて、電動役物35aが開放状態となる回数が多く、さらに1回の開放時間が長く設定されている。したがって、高頻度サポートモードでは第3作動口35へ遊技球が入賞する確率は高くなり、t6及びt7のタイミングで連続して第3作動口35へ遊技球が入賞することも可能である。一方、t6及びt7のタイミングで第3作動口35へ入賞しても、役物ユニット50は動作しない。
【0284】
また、高頻度サポートモード時には発射操作装置105を操作して、第3作動口35へ入賞可能となるように右側領域PE3へ遊技球を発射するが、下側領域PE4に設けられた第1作動口33及び第2作動口34へも遊技球が入賞可能となっている。したがって、t8のタイミングで第1作動口33に遊技球が入賞すると役物ユニット50は開放状態となる。一方で、t9のタイミングで第3作動口35へ遊技球が入賞しても役物ユニット50は動作しない。t10のタイミングで第2作動口34へ遊技球が入賞すると役物ユニット50は閉鎖状態となる。
【0285】
次に各作動口33〜35へ遊技球が入賞した際に取得した大当たり乱数カウンタC1の保留球格納エリア84bへの格納先について説明する。なお、本説明においては、特に明記しない限りいずれの場合も、第1始動保留記憶数RaN及び第2始動保留記憶数RbNは4よりも少ないものとして説明する。
【0286】
t1,t3,t4,t8のタイミングで第1作動口33へ遊技球が入賞すると、取得した大当たり乱数カウンタC1は第1特図表示部用保留エリアRaへ格納される。
【0287】
一方、t2,t5,t10のタイミングで第2作動口34へ遊技球が入賞すると、取得した大当たり乱数カウンタC1は第2特図表示部用保留エリアRbへ格納される。さらにt6,t7,t9のタイミングで第3作動口35へ遊技球が入賞しても、取得した大当たり乱数カウンタC1は第2特図表示部用保留エリアRbへ格納される。
【0288】
すなわち、第2作動口34及び第3作動口35へ遊技球が入賞したことによる大当たり乱数カウンタC1は第2特図表示部用保留エリアRbへ格納され共通なものとして扱われる。これにより、第2作動口34へ入賞し易い発射操作である第1発射操作により左側領域PE2に遊技球を発射している場合と、第3作動口35へ入賞し易い発射操作である第2発射操作により右側領域PE3に遊技球を発射している場合と、のいずれの場合においても、大当たり乱数カウンタC1は第2特図表示部用保留エリアRbへ格納され、大当たりが発生する際には変動開始処理(図19)におけるステップS707にて第2特図表示部用の振分テーブルが参照される。
【0289】
次に、不正検知処理について説明する。なお、ここでは各作動口33〜35へ遊技球が入賞したことによって取得した大当たり乱数カウンタC1の保留球格納エリア84bへの格納先についての説明は省略する。
【0290】
t11のタイミングで第1作動口33へ遊技球が入賞し役物ユニット50が開放状態となり、t12及びt13のタイミングで連続して第2作動口34へ遊技球が入賞すると、不正入賞フラグが格納される。なお、役物ユニット50はt13のタイミングで閉鎖状態となっている。
【0291】
次にt14のタイミングで第1作動口33へ遊技球が入賞すると不正入賞フラグが消去されると共に役物ユニット50は再び開放状態となる。
【0292】
ここで、t15,t16のタイミングで第2作動口34へ遊技球が連続入賞し、t16のタイミングで不正入賞フラグが格納された状態において、t17のタイミングでさらに第2作動口34へ遊技球が連続入賞すると、不正行為と認定される。不正行為として認定されると不正入賞コマンドが音声ランプ制御装置110及び表示制御装置120へ送信されるとともに、遊技ホールの管理コンピュータへ外部出力処理が行われ、遊技停止フラグがセットされてパチンコ機10の遊技が停止される。
【0293】
上記構成により、遊技球の流下の偏りにより、第2作動口34へ2個連続して遊技球が入賞したとしても、直ちに遊技停止とはせず、次の第1作動口33への遊技球の入賞を契機に不正入賞フラグが消去され、遊技は続行可能となっている。
【0294】
一方で、不正行為者が、第1作動口33へ遊技球を入賞させずに第2作動口34へ入賞させた場合においては、第1入賞フラグがセットされていないため、まず不正入賞フラグがセットされ、続く第2作動口34への連続入賞で不正行為と認定される。したがって、t14のタイミングでの第1作動口33への遊技球の入賞に伴う役物ユニット50の開放を介さない場合、t15のタイミングで不正入賞フラグがセットされ、t16のタイミングで不正行為と認定されることになる。不正行為と認定されると、エラーランプ部74、スピーカ部75及び図柄表示装置41を通じて不正行為の報知が行われ、遊技ホールの管理コンピュータへ通知されると共に、払出装置91による遊技球の払出しが停止される等の遊技停止が実行される。したがって、正規の遊技者の遊技を停止させてしまう可能性を低減させつつ、不正行為に対して対処し、各処理を実行する構成となっている。
【0295】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0296】
本パチンコ機10では、第1作動口33への入賞に伴い抽選が行われ大当たり当選の場合には可変入賞装置32の大入賞口32aへ入賞可能な開閉実行モードへ移行する特典と、当該抽選が外れ結果であっても機械式に動作する役物ユニット50が開放状態となり第2作動口34への入賞が許容されるという特典と、が付与される。このことにより、開閉実行モードへ移行するまでの遊技が単調なものとなることなく、第1作動口33へ入賞することの価値を高めることが可能となっている。
【0297】
また、遊技球が第2作動口34へ入賞しても抽選が行われ、大当たり当選の場合には可変入賞装置32の大入賞口32aへ入賞可能な開閉実行モードへ移行する。開閉実行モードは複数設定されており、第1作動口33又は第2作動口34への入賞による抽選で大当たり当選となった場合は、それぞれ第1作動口33への入賞による場合は第1特図表示部用の振分テーブルを参照し、第2作動口34への入賞による場合は第2特図表示部用の振分テーブルを参照して開閉実行モードへ移行する。この振分テーブルは第2特図表示部用の振分テーブルのほうが、第1特図表示部用の振分テーブルよりも遊技者にとって有利なものと設定されている。したがって、第1作動口33へ遊技球が入賞して役物ユニット50が開放状態となり第2作動口34への入賞が許容され、第2作動口34へ遊技球が入賞すると、遊技者にとって有利な第2特図表示部用の振分テーブルを参照とする抽選を受けられることになる。このことにより、第1作動口33へ入賞することの価値がさらに高まり、遊技の単調化を抑制することが可能となっている。
【0298】
また、役物ユニット50は第2作動口34へ遊技球が入賞することによって閉鎖状態となり、第2作動口34への入賞を許容するという特典は、第2作動口34へ入賞することによって制限されることになる。このことにより、第1作動口33への入賞によって得られる特典を過度に高めることなく、また、役物ユニット50が開放状態であることの価値を高めることが可能となっている。
【0299】
さらに本実施の形態では、第1作動口33及び第2作動口34の他に、電動役物35aを有する第3作動口35を別途設けている。第3作動口35の電動役物35aは電動役物駆動部35bにより開閉動作が可能となっており、いずれかの大当たり結果の後に電動役物35aの開放時間と開放回数が増える高頻度サポートモードへ移行し得る。高頻度サポートモードにおいては、第3作動口35へ入賞が容易なものとなる。また、第3作動口35への入賞によって大当たり当選した場合も、遊技者にとって有利である第2特図表示部用の振分テーブルを参照する。
【0300】
このことにより、機械式にて開閉動作する役物ユニット50の第2作動口34を備えつつも、電動式にて開閉動作を行う電動役物35aを備えた第3作動口35が構成されている為、持ち球の減少が抑えられる高頻度サポートモードを実行可能としている。また、第2作動口34又は第3作動口35への入賞によって大当たり当選した場合には第2特図表示部用の振分テーブルが参照されるため、第3作動口35への入賞が容易となる高頻度サポートモードの価値を高めることが可能となっている。さらに、機械式に開閉動作する役物ユニット50は第1作動口33への入賞により開放状態となり、低頻度サポートモード時においても、第2作動口34へ入賞が発生し得る為、高頻度サポートモードの価値を高めつつも低頻度サポートモード時における遊技の単調化が抑制されている。
【0301】
また、限られた遊技領域PEに第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35を配置させる構成において、第3作動口35への遊技球の流下路上には第2作動口34が配置されない構成となっている。具体的には、第3作動口35は第2作動口34が設けられた下側領域PE4とは別の領域である右側領域PE3に設けられている。ここで、第2作動口34へは、左側領域PE2へ遊技球を発射するほうが、右側領域PE3へ遊技球を発射するよりも入賞しやすくなっている。一方で、第3作動口35へは右側領域PE3へ遊技球を発射しなければ入賞できない。このことにより、左側領域PE2へ遊技球を発射している場合には第3作動口35へは入賞できず、第1作動口33又は第2作動口34へ入賞可能である。また、右側領域PE3へ遊技球を発射している場合にはいずれの作動口33〜35へも入賞可能であるが、第1作動口33への入賞を契機として役物ユニット50が開放状態となった場合でも、第3作動口35への入賞が妨げられることはない。したがって、右側領域PE3へ遊技球を発射している場合にも第2作動口34への入賞を可能とし、かつ、第3作動口35へ入賞し易い高頻度サポートモード時においては、第3作動口35への入賞を妨げないような配置となっている。
【0302】
いずれかの作動口33〜35による大当たり抽選に当選した場合には開閉実行モードへ移行し、可変入賞装置32の大入賞口32aへ入賞可能となる。大入賞口32aは第1作動口33及び第2作動口34よりも上方に設けられている。このことにより、第1作動口33への入賞を契機として役物ユニット50が開放状態となった場合でも、開閉実行モード時に大入賞口32aへの入賞が妨げられることはない。
【0303】
ここで、役物ユニット50は第2作動口34への入賞を契機に閉鎖状態へ遷移するが、第2作動口34への入賞は第1作動口33への入賞よりも有利な構成となっているため、不正に第2作動口34へ遊技球を入賞させる不正行為が行われる可能性もある。その為、本実施形態では不正対策として、遊技者及び遊技ホールへの報知と遊技停止という構成がなされている。ただし、遊技球の流下の偏りによって第2作動口34へ2個連続で入賞した場合には当該不正対策は実行されない。したがって、正規な遊技を行っている遊技者の遊技を妨げることなく、悪意で第2作動口34へ連続入賞させる不正行為を防止することが可能となっている。
【0304】
また、役物ユニット50は電気的処理によらず状態遷移を可能としているため、主制御装置80の処理負担の軽減を図ることが可能となっている。
【0305】
<第2の実施形態>
本実施の形態では、第1作動口33と第2作動口34の構成が上記第1の実施の形態と異なっている。当該相違する構成について以下に説明する。なお以下の説明では、上記第1の実施形態と同様の構成については基本的にその説明を省略する。
【0306】
本実施の形態では、第1作動口33及び第2作動口34を非電動役物によって連動させずに、電動式により第2作動口34の開閉動作を実行する。すなわち、第1作動口33は上方に遊技球が通過可能に開口され、図示しない第1入賞検知センサを有し、第2作動口34に図示はしない第2電動役物、第2電動役物駆動部、第2入賞検知センサを有する構造とする。第2作動口34の構造としては、第1の実施形態における第3作動口35と同様の構造をとることとなる。
【0307】
具体的には、第2電動役物は遊技盤20の背面側に搭載された普電用の第2電動役物駆動部に連結されており、当該普電用の第2電動役物駆動部により駆動されて閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。第2電動役物の閉鎖状態では遊技球が第2作動口34に入賞できず、第2電動役物が開放状態となることで第2作動口34への入賞が可能となる。ちなみに、開放状態となった場合には、第2電動役物が遊技領域PE側に突出し、第2作動口34への入賞をガイドする。第2作動口34には第2入賞検知センサが設けられており、当該第2入賞検知センサにより第2作動口34に入賞した遊技球が検知される。
【0308】
なお、第2作動口34への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、第2電動役物が切り換えられる構成としてもよい。また、第2電動役物が前後方向に移動又は回動することで入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが行われる構成としてもよい。また、第2電動役物を不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、第2作動口34自身の変位により行われる構成としてもよい。
【0309】
図24は本実施の形態における作動口用の入賞処理のフローチャートである。第2作動口34の第2電動役物は、第1作動口33への入賞を契機に、第2電動役物駆動部が駆動され開放状態へ遷移し、また、第2作動口34への入賞を契機に、第2電動役物駆動部が駆動され閉鎖状態に遷移する。
【0310】
詳しくは、第1の実施形態における図14の作動口用の入賞処理と同様に、第1作動口33への入賞に基づくステップS1101からステップS1105まで処理を実行した後、ステップS1106にて第2電動役物が閉鎖状態であることを条件として第2電動役物駆動部を制御して第2電動役物を開放状態とさせる。その後のステップS1107からステップS1110までの処理は第1の実施形態と同様である。一方で、第2作動口34へ入賞に基づくステップS1111からステップS1113の処理を実行した後には、ステップS1115にて第2電動役物駆動部を制御して第2電動役物を閉鎖状態とさせる。その後のステップS1116からステップS1118までの処理は第1の実施形態と同様である。また、第3作動口35への入賞に基づく場合、又はいずれの作動口33〜35にも入賞していない場合の処理はステップS1114で行われる。
【0311】
本構成によると、電動式による制御により、第2作動口34へ入賞可能な第2電動役物の開放状態と入賞できない閉鎖状態とを制御することになる。このことにより、開閉動作が確実なものとなる。また、不正行為によって開放状態が続く場合の検知が容易なものとなる。
【0312】
なお、第2電動役物駆動部を駆動させるタイミングは上記構成に限らず、ステップS1101によって第1作動口33への入賞を検知した後であれば、ステップS1106の第2電動役物を開放状態とする処理は、ステップS1102からステップS1109までのいずれにも挿入可能であり、ステップS1111によって第2作動口34への入賞を検知した後であれば、ステップS1115の第2電動役物を閉鎖状態とする処理はステップS1112からステップS1113、又はステップS1116からステップS1118までのいずれにも挿入可能である。
【0313】
また、第3作動口35を不具備としても良い。この場合いずれのサポートモードも構成されない為、第1作動口33の入賞により第2電動役物が開放状態となることでのみ第2作動口34へ入賞し得る。したがって、第1作動口33への入賞により第2作動口34への入賞が許容されるといった特典がよりいっそう明確なものとなり、遊技の単調化を抑制することが可能となる。
【0314】
さらに、第3作動口35を不具備とし、サポートモードを第2作動口34にて実行する構成としても良い。この場合、通常遊技状態では第1作動口33への入賞に伴い第2作動口34の第2電動役物を開放し、いずれかの開閉実行モード後にサポートモードへ移行する場合は第2作動口34へ入賞しやすいサポートモードを実行する。サポートモードについて具体的には、スルーゲート36への入賞を契機に、第2作動口34に設けられた第2電動役物の開放抽選を行い、当該抽選に当選した場合に一定時間第2電動役物を開放する。ここで、サポートモードの優位性を高めるためには、サポートモード時におけるスルーゲート36への入賞頻度と第2電動役物の開放抽選の当選確率と開放時間とをふまえた第2作動口34への入賞頻度を、通常遊技状態における第2作動口34への入賞頻度よりも多くなるように設定すると良い。
【0315】
<第3の実施形態>
本実施の形態では、第2の実施形態と同様に第2作動口34を第2電動役物駆動部で第2電動役物を開閉動作させる形態とし、第2電動役物の開閉動作の契機は第1作動口33及び第2作動口34への入賞とした上で、第2作動口34を遊技盤20において別領域に配置している。図25は第3の実施形態における遊技盤20の正面図である。
【0316】
第1作動口33、第3作動口35及び可変入賞装置32は上記実施の形態と同様の位置に配置され、第2作動口34は左側領域PE2に配置される。
【0317】
本構成によると、通常遊技状態等の低頻度サポートモード時の遊技においては、上記実施の形態と同様に左側領域PE2へ遊技球を流下させる様態で遊技することとなる。この場合、第2電動役物が開放状態となり第2作動口34へ入賞し易くなった場合には、第1作動口33よりも第2作動口34へ先に遊技球が入賞し易くなる。
【0318】
第1の実施形態及び第2の実施形態の場合、役物ユニット50及び第2電動役物が既に開放状態となっている場合において、第2作動口34よりも先に第1作動口33へ遊技球が入賞した場合、役物ユニット50及び第2電動役物は動作しない。すなわち、既に第2作動口34への入賞が許容されている状態で、第2作動口34へ入賞せずに第1作動口33へ入賞すると、その分の第2作動口34への入賞が許容されるという特典が得られない構成となっている。
【0319】
一方で、本構成によると、第2作動口34の第2電動役物が開放状態となった場合には、第1作動口33よりも先に第2作動口34へ入賞し易くなり、上述のような第1作動口33への連続して入賞した場合に起こる、第2作動口34への入賞機会の損失が抑制される。
【0320】
なお、第2作動口34の配置は本構成に限られず、例えば上側領域PE1において可変表示ユニット40の左上等に配置しても同様の効果が得られる。
【0321】
また、第2電動役物を、第1作動口33へ入賞した際には必ず開放するという構成ではなく、第1の実施形態における第3作動口35の開閉様態と同様に、電動役物開放カウンタC4を参照して開放抽選する形態としても良い。すなわち、第1作動口33への入賞により第2電動役物の開放抽選を行い、開放当選の場合は開放状態とし、一定時間経過後、閉鎖状態としても良い。本構成によると、第2電動役物は第2作動口34への入賞を契機に閉鎖状態とはならず、設定された開放時間を経過すると閉鎖状態へと移行する。したがって、第2電動役物が開放状態である期間において、第2作動口34へ複数個入賞することもあればまったく入賞しないという状況も発生し得る。このことにより、遊技の注目度が高められると共に、遊技者が遊技を終了する際、第2作動口34が入賞し易い状態となっていたとしても一定時間経過後に入賞しにくい状態へと遷移するため、射幸心を抑制することにもつながる。
【0322】
<第4の実施形態>
上記それぞれの実施の形態においては、第1作動口33に遊技球が入賞したことによって常に、又は一定の確率で第2作動口34へ入賞し易い状態に遷移させたが、本構成においては、第1作動口33への入賞によって取得した大当たり乱数カウンタC1が外れ結果である場合に、第2作動口34が入賞し易い状態に遷移する。図26は本実施の形態における遊技回制御処理を示している。
【0323】
第2作動口34には、第2、第3の実施形態と同様に、第2電動役物及び第2電動役物駆動部が備えられている。図26におけるステップS1201からステップS1209までの処理は上述の第1から第3の実施形態における図20の遊技状態移行処理と同様に処理が実行される。ステップS1209において変動終了コマンドを設定した後、ステップS1210にてRAM84に第1特図表示部用の振分テーブルを参照とした大当たりフラグが格納されているかを確認し、いずれかの大当たりが発生する場合には遊技回制御処理をそのまま終了する。一方で、いずれかの大当たりが発生しない場合、変動終了後に第2電動役物を開放状態へと遷移させる。また、第2、第3の実施形態における図24の作動口用の入賞処理のステップS1115と同様に、第2作動口34への入賞を検知して第2電動役物を閉鎖状態へと遷移させる。
【0324】
本構成によると、第1作動口33への入賞に伴う第1特図表示部用の当否抽選で非当選となった場合に、第2作動口34への入賞が許容されるという特典が付与される。したがって、第1特図表示部用の当否抽選において、当選となった場合には、開閉実行モードへ移行する特典が得られ、非当選となった場合には、第2作動口34への入賞が許容されるという特典が得られることになる。このことにより、第1特図表示部用の当否抽選の結果が、いずれの場合であっても、どちらかの特典を得られることとなり、第1作動口33への遊技球の入賞に対する注目度が高まり、遊技の単調化を抑制することが出来る。
【0325】
ここで、第2電動役物の開放は、図柄表示装置41及び特図表示部37の変動終了と同時、又はそれよりも遅れたタイミングで開放すると良い。これらの変動終了よりも前に開放してしまうと、第1特図表示部用の非当選を事前に認識してしまうため、遊技の注目度が低下してしまう。
【0326】
なお、第2電動役物を、第1特図表示部用の当否抽選に非当選であった場合には必ず開放するという構成ではなく、第1の実施形態における第3作動口35の開閉様態と同様に、電動役物開放カウンタC4を参照して開放抽選する形態としても良い。すなわち、第1特図表示部用の当否抽選に非当選であった場合、第2電動役物の開放抽選を行い、開放当選の場合は開放状態とし、一定時間経過後、閉鎖状態としても良い。
【0327】
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態に対して適用してもよい。また、以下の各構成を、その構成の適用対象として例示していない実施形態に適用してもよい。
【0328】
(1)上記各実施形態において、第1作動口33に係る当否抽選及び振分抽選による大当たり結果の種類と第2作動口34及び第3作動口35に係る当否抽選及び振分抽選による大当たり結果の種類とが完全に同一となる構成としてもよく、完全に異なる構成としてもよい。完全に同一となる構成とする場合として具体的には、第1作動口33に係る当否抽選及び振分抽選による大当たり結果の種類として、明示2R確変大当たり結果及び非明示2R確変大当たり結果を設定しない構成としてもよく、第2作動口34及び第3作動口35に係る当否抽選及び振分抽選による大当たり結果の種類として、明示2R確変大当たり結果及び非明示2R確変大当たり結果を設定してもよい。
【0329】
また、大当たり結果として、開閉実行モードが発生しないまま高確率モードや高頻度サポートモードに移行することとなる大当たり結果を設定してもよい。また、通常遊技状態よりも不利な遊技状態を設定するとともに、当否抽選による当否結果として上記不利な遊技状態となる当否結果を設定してもよい。
【0330】
(2)上記各実施形態において、保留個数は、第1特図表示部用保留エリアRaが4個であり、第2特図表示部用保留エリアRbが4個である構成に限定されることはなく、各3個又は各5個以上であってもよく、両保留個数が異なる構成としてもよい。
【0331】
(3)第1作動口33への遊技球の入賞と第2作動口34への遊技球の入賞とをより確実に交互に発生させるという観点からすると、第2作動口34への入賞を伴わない第1作動口33への連続入賞を無効化する構成としてもよく、第2作動口34への入賞を伴わない第1作動口33への連続入賞を第2作動口34への入賞として取り扱う構成としてもよい。第2作動口34への入賞を伴わない第1作動口33への連続入賞を無効化する構成としては、例えば、第1作動口33から通じる通路として検知用通路とそこから分岐する分岐通路を設け、第1作動口33への入賞を検知する入賞センサを検知用通路において分岐通路へ分岐させる位置よりも下流側に設ける。そして、第1作動口33への遊技球の入賞が、第2作動口34が閉鎖状態である場合に発生した際は検知用通路へ誘導し、その後に第2作動口34を開放状態とし、第2作動口34が開放状態である場合に発生した際は分岐通路を通過するように遊技球の流下方向を切り換える部材を設けるとよい。これらにより、第2作動口34への入賞を伴わない第1作動口33への連続入賞を無効化することが可能となる。なお、これらの動作や検知を上記第2の実施の形態における第2電動役物にて実現してもよい。
【0332】
第2作動口34への入賞を伴わない第1作動口33への連続入賞を第2作動口34への入賞として取り扱う構成としては、例えば、上記第2の実施の形態における作動口用の入賞処理(図24)において、ステップS1104における処理を実行する前に、第2電動役物が開放状態であるか否かを判断する処理を加え、当該処理にて開放状態であると判断した場合は、第2電動役物を閉鎖状態にするとともに第1入賞フラグではなく第2入賞フラグをセットする処理を加える構成が考えられる。
【0333】
(4)第1作動口33及び第2作動口34は左側領域PE2と右側領域PE3のいずれの領域に遊技球を発射しても入賞可能な構成としたが、左右別々の領域へ遊技球を発射させた場合に入賞可となる構成としてもよい。例えば、第1作動口33の右上方と可変表示ユニット40との間に遊技球が横方向に通過不可となる障害物を設けることで第1作動口33へは右側領域PE3へ遊技球を発射している場合には入賞不可となる。また第2作動口34のガイド片54が右側のみ開放される構成とすることで、第2作動口34へは左側領域PE2へ遊技球を発射している場合に入賞が不可となる。この場合、遊技者は第1作動口33へ遊技球を入賞させるべく左側領域PE2へ遊技球を発射し、第2作動口34が開放状態となった場合には右側領域PE3へ遊技球を発射させるべく、発射操作装置105の操作を切り換える必要が生じる。したがって、遊技をより多様なものとすることが可能となる。なお、この効果を奏するためには、上記構成を左右逆の構成としてもよい。
【0334】
(5)第2作動口34及び第3作動口35の配置位置は上記各実施形態に示した位置に限られない。例えば、第2作動口34及び第3作動口35を下側領域PE4にて横方向に並ぶように配置し、第2作動口34へは左側領域PE2へ遊技球を発射したほうが入賞しやすく、第3作動口35へは右側領域PE3へ遊技球を発射したほうが入賞しやすい構成、またはそれとは左右逆の構成としても良い。また、左側領域PE2、右側領域PE3又は下側領域PE4において、第2作動口34及び第3作動口35を上下に並べ、第3作動口35を第2作動口34よりも上流に配置しても良い。いずれの場合においても、第2作動口34が開放状態である場合にも、サポートモード時の第3作動口35への入賞は妨げられない。
【0335】
さらに、左側領域PE2、右側領域PE3又は下側領域PE4において、第2作動口34及び第3作動口35を上下に並べ、第2作動口34を第3作動口35よりも上流に配置しても良い。また、第3作動口35を上側領域PE1に配置し、第2作動口34をそれとは別の領域PE2〜4に配置しても良い。この場合、低頻度サポートモード時において第3作動口35の電動役物35aの開放時間をより短く設定し、且つ開放頻度をより少なく設定し、又はいずれか一方を設定することにより、低頻度サポートモード時においては第3作動口35よりも第2作動口34への入賞が優先されることとなる。
【0336】
(6)第2作動口34及び可変入賞装置32の配置位置は上記各実施形態に示した位置に限られない。例えば、第2作動口34及び可変入賞装置32を下側領域PE4にて横方向に並ぶように配置し、第2作動口34へは左側領域PE2へ遊技球を発射したほうが入賞しやすく、可変入賞装置32へは右側領域PE3へ遊技球を発射したほうが入賞しやすい構成、またはそれとは左右逆の構成としても良い。また、左側領域PE2,右側領域PE3又は下側領域PE4において、第2作動口34及び可変入賞装置32を上下に並べ、可変入賞装置32を第2作動口34よりも上流に配置しても良い。いずれの場合においても、第2作動口34が開放状態である場合にも、開閉実行モード時の大入賞口32aへの入賞は妨げられない。
【0337】
さらに、左側領域PE2,右側領域PE3又は下側領域PE4において、第2作動口34及び可変入賞装置32を上下に並べ、第2作動口34を可変入賞装置32よりも上流に配置しても良い。また、可変入賞装置32を上側領域PE1に配置し、第2作動口34をそれとは別の領域PE2〜4に配置しても良い。
【0338】
(7)上記各実施形態において、主制御装置80のRAM84に設けられた保留球格納エリア84bには、第1作動口33用の保留エリアとして第1特図表示部用保留エリアRaと、第2作動口34及び第3作動口35用の保留エリアとして第2特図表示部用保留エリアRbとが設けられていたが、これに代えて、保留情報を格納可能なエリアを第1作動口33と第2作動口34及び第3作動口35との総保留個数分備えるとともに、各エリアには、第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35のいずれに対応しているかの情報を格納可能な部分エリアが設定された共通保留エリアを備える構成としてもよい。当該共通保留エリアの各エリアとしては、例えば、各エリアを1バイトなどの記憶領域として構成し、当該記憶領域の所定のビット部分を第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35のいずれに対応しているかの情報を格納可能な部分エリアとして設定する構成が考えられる。この場合であっても、本パチンコ機10は、第1取得情報記憶手段と第2取得情報記憶手段を備えた構成となる。
【0339】
(8)上記各実施形態において、データ設定処理(図18)にて、第1特図表示部用保留エリアRa及び第2特図表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2作動口34及び第3作動口35に対応した第2特図表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報を優先して消化する構成としたが、これに代えて、いずれかの作動口33〜35への入賞順序に従い保留情報を消化する構成としても良い。具体的には、保留情報を格納可能なエリアを第1作動口33と第2作動口34及び第3作動口35との総保留個数分備えるとともに、各エリアには、第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35のいずれに対応しているかの情報を格納可能な部分エリアが設定された共通保留エリアを備える構成としたうえで、保留情報が格納された順にデータ設定処理を行う構成が考えられる。
【0340】
(9)上記各実施形態において、第1作動口33への入賞に係る保留情報と第2作動口34及び第3作動口35への入賞に係る保留情報とで、大当たり乱数カウンタや大当たり種別カウンタについてそれぞれ異なるカウンタを用いる構成としてもよい。
【0341】
(10)上記各実施形態において、図柄表示装置41にて図柄の変動表示が行われている場合に、その図柄の変動表示が、第1作動口33への入賞に係るものか、第2作動口34及び第3作動口35への入賞に係るものかを表示するための始動対応表示領域が図柄表示装置41の表示画面において設定される構成としてもよい。この場合、当該始動対応表示領域は、第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35のそれぞれに1対1で対応させて設定されていてもよく、第1作動口33、第2作動口34及び第3作動口35に対して共通の領域を設定し、当該領域における表示内容により、いずれの作動口への入賞に係るものかを表示する構成としてもよい。
【0342】
(11)上記各実施形態において、図柄表示装置41にて図柄の変動表示が行われる演出内容として、第1作動口33への入賞に係るものか、第2作動口34及び第3作動口35への入賞に係るものか、によってその変動表示の演出内容が共通となる構成としてもよく、異なる構成としてもよい。また、各作動口33〜35への入賞によってその変動表示の演出内容がそれぞれ異なる構成としてもよい。
【0343】
(12)上記各実施形態では、当否抽選モードの高確率モードと低確率モードとの間の移行が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果が発生することを契機として行われる構成としたが、これに限定されることはなく、例えば、高確率モードにおいて予め定められた所定回数の遊技回が消化された場合に低確率モードに移行する構成としてもよい。また、例えば、低確率モードにおいて予め定められた所定回数の遊技回が消化された場合に高確率モードに移行する構成としてもよい。
【0344】
また、大当たり抽選とは別の抽選契機が成立した場合に当否抽選モードの移行抽選を行い、当該移行抽選において昇格当選となった場合に低確率モードから高確率モードとなり、当該移行抽選において転落当選となった場合に高確率モードから低確率モードとなる構成としてもよい。
【0345】
(13)上記各実施形態では、相対的に有利な所定遊技状態として15R確変大当たり結果に対応した状態が設定されており、相対的に不利な所定遊技状態として通常大当たり結果に対応した状態が設定されている構成としたが、これに限定されることはない。例えば、開閉実行モード後の電動役物35aにおいて高頻度サポートモードが継続される遊技回数の違いにより、相対的に有利な所定遊技状態と不利な所定遊技状態とが設定されている構成としてもよい。また、開閉実行モード後の高確率モードが継続される遊技回数の違いにより、相対的に有利な所定遊技状態と不利な所定遊技状態とが設定されている構成としてもよい。また、開閉実行モード後に電動役物35aが高頻度サポートモードになるか否かにより、相対的に有利な所定遊技状態と不利な所定遊技状態とが設定されている構成としてもよい。
【0346】
(14)上記各実施形態とは異なる他のタイプの遊技機、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
【0347】
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0348】
特徴1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構101)と、
遊技球が流下する遊技領域に対して設けられ、当該流下する遊技球が入賞可能な第1始動入球部(第1作動口33)と、
当該第1始動入球部への入賞が発生したことに基づいて第1抽選を行う第1抽選手段(第1作動口33への入賞に基づき取得した大当たり乱数カウンタC1を、図10の当否テーブルにて参照する当否抽選)と、
当該第1抽選の抽選結果が当選結果であることに基づいて遊技者に特典を付与する第1特典付与手段(図11(a)における第1特図表示部用の振分テーブルを参照し振分けられる各開閉実行モード)と、
前記遊技領域に対して設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入賞可能であって、遊技球が入賞し易い第1状態となることが可能であり、且つそれよりも入賞しにくい第2状態となることが可能な第2始動入球部(第2作動口34)と、
前記第1始動入球部への入賞が発生したことに基づいて、前記第2始動入球部を前記第1状態とする切換手段(役物ユニット50の切換部材60)と、
を備え、
当該切換手段による切換が行われることにより、前記第1抽選の結果が外れ結果である場合に前記第2始動入球部が前記第1状態となることを特徴とする遊技機。
【0349】
特徴1の遊技機では、第1始動入球部への遊技球の入賞に基づいて、第1抽選手段により当選となった場合に付与される第1特典付与手段という特典と、第1抽選手段によらず、第1抽選手段による抽選が外れ結果であったとしても付与される特典として、第2始動入球部への入賞が許容されるという特典と、が付与される。したがって、第1特典付与手段を得られるまでの遊技が単調なものとなることなく、遊技者の第1始動入球部へ遊技球が入賞することに対して期待感が高まり、遊技の注目度が良好に向上される。
【0350】
特徴2.前記第2始動入球部へ前記遊技球が入賞したことに基づいて第2抽選を行う第2抽選手段(第2作動口34への入賞に基づき取得した大当たり乱数カウンタC1を、図10の当否テーブルにて参照する当否抽選)と、
当該第2抽選の抽選結果が当選結果であることに基づいて遊技者に特典を付与する第2特典付与手段(図11(a)における第1特図表示部用の振分テーブルを参照し振分けられる各開閉実行モード)と、
を備え、
前記第1特典付与手段よりも当該第2特典付与手段のほうが遊技者にとって有利となることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
【0351】
特徴2の遊技機では、第1始動入球部への入賞によって得られる第1特典付与手段とは別の特典は、第2始動入球部への入賞が許容されるという特典だけでなく第2抽選手段を介した第2特典付与手段によって付与されることとなる。また、当該第2抽選に当選することによって得られる第2特典付与手段のほうが、前記第1特典付与手段よりも遊技者にとって有利となる。これにより、第2始動入球部へ遊技球が入賞することに対する価値が高まり、それに伴い第1始動入球部へ遊技球が入賞することの価値が高まる。
【0352】
特徴3.前記第1抽選手段及び前記第2抽選手段のいずれもが、数値情報の取得を通じた抽選を行うことを特徴とする特徴2に記載の遊技機。
【0353】
特徴3の遊技機では、いずれの抽選手段も遊技球の動作によらず数値情報の取得を通じた抽選となる。数値情報の取得を通じた抽選の場合、遊技が単調化しやすいが、特徴1で示したように、第1始動入球部へ遊技球が入賞することに基づいて第2始動入球部が第1状態となることから、遊技の単調化が抑制されている。これにより、数値情報の取得を通じた抽選においても注目度を良好に高めることが可能となっている。
【0354】
特徴4.前記切換手段は、前記第1抽選とは関係なく前記第2始動入球部を前記第2状態から前記第1状態とするものであることを特徴とする特徴1乃至3のいずれか1に記載の遊技機。
【0355】
特徴4の遊技機では、第1抽選の抽選結果によらず、当選結果であっても外れ結果であっても第2始動入球部を第1状態へ状態遷移させる。このことにより、第2始動入球部を第1状態へとする構成を簡素化することが出来る。
【0356】
特徴5.前記第1抽選手段の抽選結果には、当選結果と外れ結果との2種類のみが設定されていることを特徴とする特徴1乃至4のいずれか1に記載の遊技機。
【0357】
特徴5の遊技機では、第1抽選手段の抽選結果が外れ結果及び当選結果以外の結果がなくなることで、遊技が単調化しやすいが、特徴1に記載したように、第1始動入球部へ遊技球が入賞することに基づいて第2始動入球部が第1状態となることから、遊技の単調化が抑制されている。
【0358】
特徴6.前記切換手段は、前記第2始動入球部への入賞に基づいて前記第1状態を前記第2状態とすることを特徴とする特徴1乃至5のいずれか1に記載の遊技機。
【0359】
特徴6の遊技機では、第2始動入球部への遊技球の入賞が制限されることとなり、第2始動入球部が開放状態であることの価値が高まり、それに伴い第1始動入球部への入賞価値も高まる。
【0360】
特徴7.前記切換手段は、前記第2始動入球部への入賞が1回発生することにより前記第1状態を前記第2状態とすることを特徴とする特徴1乃至6のいずれか1に記載の遊技機。
【0361】
特徴7の遊技機では、第2始動入球部への1回の入賞を契機として第2始動入球部は第1状態から第2状態へと遷移されるため、第2始動入球部が第1状態であることの価値がいっそう高まり、それに伴い第1始動入球部への入賞価値もさらに高まる。また、第2始動入球部が第1状態から第2状態、または第2状態から第1状態への状態遷移が頻繁に行われることなり、遊技の単調化を抑制することも可能である。
【0362】
特徴8.前記第2始動入球部を前記第1状態とする第1位置へ移動可能であり、且つ前記第2始動入球部を前記第2状態とする第2位置へ移動可能である遷移手段(役物ユニット50の一対のガイド片54)を備え、
前記切換手段は、前記第1始動入球部に入賞した遊技球の自重を受けることが可能な位置に設けられ、且つ前記第2始動入球部に入賞した遊技球の自重を受けることが可能な位置に設けられ、前記第1始動入球部に入賞した遊技球の自重を受けることで変位して前記遷移手段の前記第1位置への移動を可能とし、前記第2始動入球部に入賞した遊技球の自重を受けることで変位して前記遷移手段の前記第2位置への移動を可能とするものであることを特徴とする特徴6又は特徴7に記載の遊技機。
【0363】
特徴8の遊技機では、電気的制御によらないため、遊技機の制御処理負担を軽減することが可能となる。
【0364】
特徴9.前記第1始動入球部への入賞を介することなく前記第2始動入球部が前記第1状態となる特定事象の発生を、前記第1始動入球部への入賞を検知する第1入賞検知手段及び前記第2始動入球部への入賞を検知する第2入賞検知手段のうち少なくとも一方の検知結果を用いて特定する特定手段(作動口用の入賞処理(図14)におけるステップS201〜ステップS203の処理がされていない場合おける不正検知処理(図14))と、
当該特定手段により前記特定事象の発生が特定されたことに基づいて、特別処理(不正検知処理(図15)におけるステップS308〜ステップS310)を実行する特別処理実行手段(MPU82)と、
を備えていることを特徴とする特徴8に記載の遊技機。
【0365】
特徴9の遊技機では、機械式に状態遷移する第2始動入球部を有する遊技機において、第1始動入球部への入賞を伴わない第2始動入球部への入賞を不正行為として認定し特別処理により対応可能となる。
【0366】
特徴10.前記遊技領域に対して設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入賞可能であって、遊技球が入賞しやすい第1状態となることが可能であるとともに、それよりも入賞しにくい第2状態となることが可能な第3始動入球部(第3作動口35)を備え、
前記第1状態と前記第2状態との状態遷移は電気的駆動(電動役物駆動部35b)により制御されることを特徴とする特徴8又は特徴9に記載の遊技機。
【0367】
特徴10の遊技機では、機械式に状態遷移する第2始動入球部を備えつつも、電動式にて状態遷移を行う第3始動入球部が構成されている為、遊技状態に応じて入賞頻度を変化させる構成を設けることが可能となる。
【0368】
特徴11.前記第2始動入球部へ前記遊技球が入賞したことに基づいて第2抽選を行う第2抽選手段と、
当該第2抽選の抽選結果が当選結果であることに基づいて遊技者に特典を付与する第2特典付与手段と、
を備え、
前記第2抽選手段は前記第3始動入球部への入賞が発生したことに基づいても前記第2抽選を行うことを特徴とする特徴10に記載の遊技機。
【0369】
特徴11の遊技機では、遊技者は、第2始動入球部への入賞のみならず第3始動入球部への入賞によっても第2抽選を受けることが可能となり、第2特典付与手段を得るための契機を多様化することが可能となる。
【0370】
特徴12.前記第3始動入球部への遊技球の流下路には前記第2始動入球部が配置されていないことを特徴とする特徴10又は特徴11に記載の遊技機。
【0371】
特徴12の遊技機では、限られた遊技領域にそれぞれの入賞部を配置させる遊技機において、第3始動入球部への遊技球の流下路には第2始動入球部は配置されていない構成となる。したがって、第2始動入球部が第1状態にある場合でも、第3始動入球部への入賞が妨げられることはなく、遊技の進行を良好なものとすることが出来る。
【0372】
特徴13.遊技球が流下する遊技領域に対して設けられ、当該流下する遊技球が入賞可能な可変入賞装置を備え、
当該可変入賞装置は前記第2始動入球部よりも上流に設けられていることを特徴とする特徴1乃至12のいずれか1に記載の遊技機。
【0373】
特徴13の遊技機では、可変入賞装置は第2始動入球部よりも上流に位置することとなり、第2始動入球部が第1状態の場合において、可変入賞装置への入賞を阻害することがないため、遊技の進行を良好なものとすることが出来る。
【符号の説明】
【0374】
10…パチンコ機、32…可変入賞装置、32a…大入賞口、33…第1作動口、34…第2作動口、35…第3作動口、36…スルーゲート、41…図柄表示装置、50…役物ユニット、80…主制御装置、90…払出制御装置、100…発射制御装置、110…音声ランプ制御装置、120…表示制御装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
遊技球が流下する遊技領域に対して設けられ、当該流下する遊技球が入賞可能な第1始動入球部と、
当該第1始動入球部への入賞が発生したことに基づいて第1抽選を行う第1抽選手段と、
当該第1抽選の抽選結果が当選結果であることに基づいて遊技者に特典を付与する第1特典付与手段と、
前記遊技領域に対して設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入賞可能であって、遊技球が入賞し易い第1状態となることが可能であり、且つそれよりも入賞しにくい第2状態となることが可能な第2始動入球部と、
当該第2始動入球部への入賞が発生したことに基づいて第2抽選を行う第2抽選手段と、
当該第2抽選の抽選結果が当選結果であることに基づいて遊技者に特典を付与する第2特典付与手段と、
前記第1始動入球部への入賞が発生したことに基づいて、前記第2始動入球部を前記第1状態とする切換手段と、
を備え、
前記第1抽選手段及び前記第2抽選手段のいずれもが、数値情報の取得を通じた抽選を行うものであり、
前記切換手段による切換が行われることにより、前記第1抽選の結果が外れ結果である場合に前記第2始動入球部が前記第1状態となることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記切換手段は、前記第1抽選の抽選結果とは関係なく前記第2始動入球部を前記第2状態から前記第1状態とするものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記切換手段は、前記第2始動入球部への入賞に基づいて前記第1状態を前記第2状態とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第2始動入球部を前記第1状態とする第1位置へ移動可能であり、且つ前記第2始動入球部を前記第2状態とする第2位置へ移動可能である遷移手段を備え、
前記切換手段は、前記第1始動入球部に入賞した遊技球の自重を受けることが可能な位置に設けられ、且つ前記第2始動入球部に入賞した遊技球の自重を受けることが可能な位置に設けられ、前記第1始動入球部に入賞した遊技球の自重を受けることで変位して前記遷移手段の前記第1位置への移動を可能とし、前記第2始動入球部に入賞した遊技球の自重を受けることで変位して前記遷移手段の前記第2位置への移動を可能とするものであることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記第1始動入球部への入賞を介することなく前記第2始動入球部が前記第1状態となる特定事象の発生を、前記第1始動入球部への入賞を検知する第1入賞検知手段及び前記第2始動入球部への入賞を検知する第2入賞検知手段のうち少なくとも一方の検知結果を用いて特定する特定手段と、
当該特定手段により前記特定事象の発生が特定されたことに基づいて、特別処理を実行する特別処理実行手段と、
を備えていることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記遊技領域に対して設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入賞可能であって、遊技球が入賞しやすい第1状態となることが可能であるとともに、それよりも入賞しにくい第2状態となることが可能な第3始動入球部を備え、
前記第1状態と前記第2状態との状態遷移は電気的駆動により制御されることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記第2始動入球部へ前記遊技球が入賞したことに基づいて第2抽選を行う第2抽選手段と、
当該第2抽選の抽選結果が当選結果であることに基づいて遊技者に特典を付与する第2特典付与手段と、
を備え、
前記第2抽選手段は前記第3始動入球部への入賞が発生したことに基づいても前記第2抽選を行うことを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
【請求項8】
前記第3始動入球部への遊技球の流下路には前記第2始動入球部が配置されていないことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の遊技機。
【請求項9】
遊技球が流下する遊技領域に対して設けられ、当該流下する遊技球が入賞可能な可変入賞装置を備え、
当該可変入賞装置は前記第2始動入球部よりも上流に設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1に記載の遊技機。
【請求項1】
遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
遊技球が流下する遊技領域に対して設けられ、当該流下する遊技球が入賞可能な第1始動入球部と、
当該第1始動入球部への入賞が発生したことに基づいて第1抽選を行う第1抽選手段と、
当該第1抽選の抽選結果が当選結果であることに基づいて遊技者に特典を付与する第1特典付与手段と、
前記遊技領域に対して設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入賞可能であって、遊技球が入賞し易い第1状態となることが可能であり、且つそれよりも入賞しにくい第2状態となることが可能な第2始動入球部と、
当該第2始動入球部への入賞が発生したことに基づいて第2抽選を行う第2抽選手段と、
当該第2抽選の抽選結果が当選結果であることに基づいて遊技者に特典を付与する第2特典付与手段と、
前記第1始動入球部への入賞が発生したことに基づいて、前記第2始動入球部を前記第1状態とする切換手段と、
を備え、
前記第1抽選手段及び前記第2抽選手段のいずれもが、数値情報の取得を通じた抽選を行うものであり、
前記切換手段による切換が行われることにより、前記第1抽選の結果が外れ結果である場合に前記第2始動入球部が前記第1状態となることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記切換手段は、前記第1抽選の抽選結果とは関係なく前記第2始動入球部を前記第2状態から前記第1状態とするものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記切換手段は、前記第2始動入球部への入賞に基づいて前記第1状態を前記第2状態とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第2始動入球部を前記第1状態とする第1位置へ移動可能であり、且つ前記第2始動入球部を前記第2状態とする第2位置へ移動可能である遷移手段を備え、
前記切換手段は、前記第1始動入球部に入賞した遊技球の自重を受けることが可能な位置に設けられ、且つ前記第2始動入球部に入賞した遊技球の自重を受けることが可能な位置に設けられ、前記第1始動入球部に入賞した遊技球の自重を受けることで変位して前記遷移手段の前記第1位置への移動を可能とし、前記第2始動入球部に入賞した遊技球の自重を受けることで変位して前記遷移手段の前記第2位置への移動を可能とするものであることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記第1始動入球部への入賞を介することなく前記第2始動入球部が前記第1状態となる特定事象の発生を、前記第1始動入球部への入賞を検知する第1入賞検知手段及び前記第2始動入球部への入賞を検知する第2入賞検知手段のうち少なくとも一方の検知結果を用いて特定する特定手段と、
当該特定手段により前記特定事象の発生が特定されたことに基づいて、特別処理を実行する特別処理実行手段と、
を備えていることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記遊技領域に対して設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入賞可能であって、遊技球が入賞しやすい第1状態となることが可能であるとともに、それよりも入賞しにくい第2状態となることが可能な第3始動入球部を備え、
前記第1状態と前記第2状態との状態遷移は電気的駆動により制御されることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記第2始動入球部へ前記遊技球が入賞したことに基づいて第2抽選を行う第2抽選手段と、
当該第2抽選の抽選結果が当選結果であることに基づいて遊技者に特典を付与する第2特典付与手段と、
を備え、
前記第2抽選手段は前記第3始動入球部への入賞が発生したことに基づいても前記第2抽選を行うことを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
【請求項8】
前記第3始動入球部への遊技球の流下路には前記第2始動入球部が配置されていないことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の遊技機。
【請求項9】
遊技球が流下する遊技領域に対して設けられ、当該流下する遊技球が入賞可能な可変入賞装置を備え、
当該可変入賞装置は前記第2始動入球部よりも上流に設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2012−217773(P2012−217773A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89547(P2011−89547)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
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