説明

運転支援システム

【課題】自車両が複数車線の道路を走行する場合に、運転者が道路を横断する歩行者に対して注意を適切に払えるようにする。
【解決手段】運転支援システム1は、自車両の車載カメラ3が撮影した自車両の進行方向の画像を取得すると共に、自車両が走行している車線とは異なる車線を走行している他車両21の車載カメラ23が撮影した自車両の進行方向の画像を取得し、それら取得した自車両の進行方向の複数の画像を合成してパノラマ画像を作成し、その作成したパノラマ画像を表示装置5に表示する。自車両の進行方向の画像を広角で表示することができ、自車両が複数車線の道路を走行する場合に、運転者が歩行者に対して適切に注意を払うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者の運転を支援する運転支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
運転者の運転を支援する運転支援システムとして、自車両が他車両と擦れ違い走行する場合に、自車両において、自車両に搭載されている車載カメラが自車両の進行方向を撮影すると共に、自車両に向かって走行している他車両(対向車両)から当該他車両に搭載されている車載カメラが当該他車両の進行方向を撮影した画像を車々間通信により取得し、自車両に搭載されている車載カメラが撮影した画像と他車両から取得した画像とから共通物体を認識し、それらの位置関係を表示することにより、自車両が他車両と擦れ違い走行可能であるか否かを運転者に知らせるシステムがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、自車両において、自車両に搭載されている車載カメラが撮影した自車両の進行方向の画像や自車両の進行方向を走行している他車両に搭載されている車載カメラが撮影した他車両の進行方向の画像を画像解析し、歩行者を検出して危険度を判定し、その判定した危険度に応じて走行制御を行うシステムもある(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−327250号公報
【特許文献2】特開2006−151114号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自車両が複数車線の道路を走行する場合には、運転者が例えば道路を横断する歩行者に対して注意を払わなければならない範囲は広角となるが、自車両が走行している車線に隣接する車線を他車両が走行しているような場合には、他車両の陰となる死角が発生し、運転者が歩行者に対して十分に注意を払うことができないという問題がある。このような問題に対して、特許文献1,2に記載されている技術では解決するには至らないものであり、上記した問題を解決する手段が要望されている。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、自車両が複数車線の道路を走行する場合に、運転者が例えば道路を横断する歩行者に対して適切に注意を払うことができ、運転者の運転を適切に支援することができる運転支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明によれば、制御手段は、自車両側撮影手段が撮影した自車両の進行方向の画像を取得すると共に、自車両が走行している車線とは異なる車線を走行している他車両に搭載されている他車両側通信手段との間で自車両側通信手段に車々間通信を行わせて当該他車両に搭載されている他車両側撮影手段が撮影した自車両の進行方向の画像を取得し、それら取得した自車両の進行方向の複数の画像を表示手段に表示させる。
【0007】
これにより、自車両に搭載されている自車両側撮影手段が撮影した自車両の進行方向の画像を表示するのみでなく、自車両が走行している車線とは異なる車線(例えば隣接する車線)を走行している他車両に搭載されている他車両側撮影手段が撮影した自車両の進行方向の画像をも表示することにより、自車両の進行方向の画像を広角で表示することができる。その結果、自車両が複数車線の道路を走行する場合に、運転者が例えば道路を横断する歩行者に対して適切に注意を払うことができ、運転者の運転を適切に支援することができる。特に渋滞している場合では、歩行者が車両の他車両の陰から急に飛び出すことが予測されるという事情から、その効果は大きい。
【0008】
請求項2に記載した発明によれば、制御手段は、自車両側現在位置特定手段が取得した自車両の現在位置を取得すると共に、他車両に搭載されている他車両側通信手段との間で自車両側通信手段に車々間通信を行わせて当該他車両に搭載されている他車両側現在位置特定手段が特定した他車両の現在位置を取得し、それら取得した自車両の現在位置と他車両の現在位置との関係から自車両と他車両との相対位置を認識し、その認識結果にしたがって自車両の進行方向の複数の画像を縮小または拡大して表示手段に表示させる。これにより、自車両側撮影手段が撮影した自車両の進行方向の画像と他車両側撮影手段が撮影した自車両の進行方向の画像とを例えば遠近感を調和するように縮小または拡大して表示することにより、それら複数の画像を適切な遠近感により違和感なく表示することができる。
【0009】
請求項3に記載した発明によれば、制御手段は、自車両の進行方向の複数の画像を水平方向に連続的に合成してパノラマ画像を作成し、その作成したパノラマ画像を表示手段に表示させる。これにより、実際の状況に極めて近いパノラマ画像を表示することにより、運転者が例えば歩行者に対して適切に注意を払うことができる。
【0010】
請求項4に記載した発明によれば、画像解析手段は、制御手段が取得した自車両の進行方向の画像を解析し、制御手段は、自車両の進行方向の画像を画像解析手段に解析させて当該画像内に移動体が存在するか否かを判定し、移動体が存在する旨を判定すると、その移動体を表す移動体情報を表示手段に表示させる。これにより、単に撮影した画像を表示するのみでなく、移動体情報として移動体を強調して表示することにより、移動体の存在を運転者に把握させることができ、例えば歩行者の存在を運転者に確実に把握させることができる。
【0011】
請求項5に記載した発明によれば、制御手段は、移動体の移動方向を特定し、その特定した移動体の移動方向を表す移動方向情報を表示手段に表示させる。これにより、例えば歩行者の移動方向をも運転者に把握させることができ、その歩行者が危険であるか否かを運転者に判断させることができる。
【0012】
請求項6に記載した発明によれば、制御手段は、移動体の移動速度を特定し、その特定した移動体の移動速度を表す移動速度情報を表示手段に表示させる。これにより、例えば歩行者の移動速度をも運転者に把握させることができ、その歩行者が危険であるか否かを運転者に判断させることができる。
【0013】
請求項7に記載した発明によれば、制御手段は、移動体の移動方向及び移動方向のうち少なくともいずれかを判定して当該移動体が自車両の走行にとって危険であるか否かを判定し、当該移動体が自車両の走行にとって危険である旨を判定すると、報知手段から警告情報を報知させる。これにより、例えば歩行者が自車両の走行にとって危険である旨を運転者に把握させることができる。
【0014】
請求項8に記載した発明によれば、制御手段は、移動体の移動方向及び移動方向のうち少なくともいずれかを判定して当該移動体が自車両の走行にとって危険であるか否かを判定し、当該移動体が自車両の走行にとって危険である旨を判定すると、自車両と進行方向が同一の車線を走行している他車両に搭載されている他車両側通信手段との間で自車両側通信手段に車々間通信を行わせて危険通知信号を通知する。これにより、例えば歩行者が自車両の走行にとって危険である旨を例えば後続車両に通知することができ、自車両が当該危険を回避するために走行制御する旨を後続車両に通知することができる。
【0015】
請求項9に記載した発明によれば、制御手段は、移動体の移動方向及び移動方向のうち少なくともいずれかを判定して当該移動体が自車両の走行にとって危険であるか否かを判定し、当該移動体が自車両の走行にとって危険である旨を判定すると、その危険を回避するように走行制御手段により自車両の走行を制御させる。これにより、例えば制動したり加速や旋回を制限したりするなど自車両の走行を制御することにより、例えば歩行者が自車両の走行にとって危険である状況を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、運転支援システムの全体構成を示している。運転支援システム1は、運転支援制御装置2、車載カメラ3(本発明でいう自車両側撮影手段)、車載ナビゲーション装置4(本発明でいう自車両側現在位置特定手段)、表示装置5(本発明でいう表示手段、報知手段)、走行制御装置6(本発明でいう走行制御手段)を備えて構成されている。
【0017】
運転支援制御装置2は、システム全体を制御する制御部7(本発明でいう制御手段)、近距離無線通信を行う近距離無線通信部8(本発明でいう自車両側通信手段)、車載カメラ3が撮影した画像を入力する画像入力部9、車載ナビゲーション装置4が特定した現在位置を入力する現在位置入力部10、表示装置5の表示動作を制御する表示制御部11、走行制御装置6の走行制御動作を制御する走行制御部12、画像を記憶する画像記憶部13、画像を解析する画像解析部14(本発明でいう画像解析手段)及びミリ波レーダ15などを備えて構成されている。
【0018】
車載カメラ3は、所定範囲の撮影視野角を実現する例えば魚眼レンズを有するカメラから構成されている。尚、単一のカメラに限らず、複数のカメラにより所定範囲の撮影視野角を実現する構成であっても良い。近距離無線通信部8は、近距離無線通信圏内を所定範囲に形成し、自車両の周囲を走行する他車両21が近距離無線通信圏内に進入すると、他車両21に搭載されている近距離無線通信部22(本発明でいう他車両側通信手段)との間で近距離無線通信回線を接続する。尚、近距離無線通信部8は、混信を避けるために光や指向性の高い電磁波を使用するのが望ましい。
【0019】
制御部7は、近距離無線通信部8が他車両21に搭載されている近距離無線通信部22との間で近距離無線通信回線を接続すると、送信要求信号を近距離無線通信部8から他車両21に送信させ、他車両21から当該他車両21に搭載されている車載カメラ23(本発明でいう他車両側撮影手段)が撮影した画像及び当該他車両21に搭載されている車載ナビゲーション装置24(本発明でいう他車両側現在位置特定手段)が特定した現在位置を近距離無線通信部8により受信させる。
【0020】
表示装置5は、例えばセンターコンソールに設置されており、制御部7から表示制御部12を介して表示制御信号を入力すると、表示画面を表示する。走行制御装置6は、エンジンを制御するエンジン制御装置16、ブレーキを制御するブレーキ制御装置17、パワーステアリングを制御するパワーステアリング制御装置18、自動変速機を制御する自動変速機制御装置19などを備えて構成されており、制御部7から走行制御部12を介して走行制御信号を入力すると、いずれかの装置を制御して自車両の走行を制御する。
【0021】
次に、上記した構成の作用について、図2ないし図8を参照して説明する。尚、ここでは、図2に示すように、上記した運転支援システムを搭載した自車両が片側3車線の右端車線(対向車線側の車線)を走行しており、他車両A及び他車両Bが自車両の進行方向と同一方向の車線を走行しており、他車両Cが自車両の進行方向とは反対方向の車線を走行していることを前提として説明する。また、図3に示すように、他車両A〜Cが自車両の近距離無線通信部8の近距離無線通信圏内を走行しており、自車両の近距離無線通信部8が他車両A〜Cの近距離無線通信部との間で近距離無線通信を可能であることを前提として説明する。
【0022】
尚、自車両に搭載されている当該自車両の進行方向を撮影する車載カメラ3の撮影視野角はm1,m2に示す範囲であり、他車両Aに搭載されている当該他車両Aの進行方向を撮影する車載カメラの撮影視野角はa1,a2に示す範囲であり、他車両Bに搭載されている当該他車両Bの進行方向を撮影する車載カメラの撮影視野角はb1,b2に示す範囲であり、他車両Cに搭載されている当該他車両Cの進行方向とは反対方向を撮影する車載カメラの撮影視野角はc1,c2に示す範囲である。また、制御部7は、車載カメラ3が撮影した画像を画像入力部9により定期的に入力していると共に、車載ナビゲーション装置4が特定した現在位置を現在位置入力部10により定期的に入力している。図4は、運転支援制御装置2の制御部7が行う処理をフローチャートとして示している。
【0023】
運転支援制御装置2において、制御部7は、ミリ波レーダ15による検出結果に基づいて自車両の周辺を他車両21(図2及び図3では、他車両A〜C)が走行しているか否かを判定する(ステップS1)。ここで、制御部7は、自車両の周辺を他車両21が走行している旨を判定すると(ステップS1にて「YES」)、それら他車両21が近距離無線通信部8の近距離無線通信圏内であるか否かを判定し(ステップS2)、他車両21が近距離無線通信部8の近距離無線通信圏内である旨を判定すると(ステップS2にて「YES」)、送信要求信号を近距離無線通信部8から他車両21に送信させ(ステップS3)、計時を開始する(ステップS4)。
【0024】
次いで、制御部7は、他車両21から当該他車両21に搭載されている車載カメラ23が撮影した画像及び当該他車両21に搭載されている車載ナビゲーション装置24が特定した現在位置を所定時間が経過するまでに受信したか否かを判定する(待機する)(ステップS5,S6)。
【0025】
ここで、制御部7は、他車両21から画像及び現在位置を所定時間が経過するよりも先に受信した旨を判定すると(ステップS5にて「YES」)、その受信した画像を画像記憶部13に記憶させる(ステップS7)。次いで、制御部7は、自車両の車載ナビゲーション装置4が特定した自車両の現在位置と他車両21から受信した他車両21の現在位置(他車両21の車載ナビゲーション装置24が特定した他車両21の現在位置)との関係を計算して自車両と他車両21との相対位置を計算し(ステップS8)、図5に示すように、自車両の車載カメラ3が撮影した画像と他車両21から受信した画像(他車両21の車載カメラ23が撮影した画像)とを合成してパノラマ画像を作成する(ステップS9)。この場合、制御部7は、画像が重複する箇所では、該当する画像を自車両からの距離を基準として縮小または拡大することにより連続性を持たせる。
【0026】
次いで、制御部7は、このようにして作成したパノラマ画像を画像解析部14により画像解析し(ステップS10)、パノラマ画像内に移動体(例えば歩行者)が存在するか否かを判定する(ステップS11)。ここで、制御部7は、パノラマ画像内に移動体が存在体する旨を判定すると(ステップS11にて「YES」)、その移動体の移動方向を特定し(ステップS12)、その移動体の移動速度を特定する(ステップS13)、この場合、制御部7は、パノラマ画像内で基準点に対する移動体の位置の変化(変位)を計算し、変位方向を計算することにより、移動体の移動方向を特定し、変位速度(単位時間あたりの変位量)を計算することにより、移動体の移動速度を特定する。
【0027】
次いで、制御部7は、図6に示すように、パノラマ画像を表示装置5に表示させる(ステップS13)。この場合、制御部7は、パノラマ画像内に移動体が存在している場合であれば、図6(a)に示すように、その移動体を表す移動体情報(本実施形態では歩行者P〜Rに相当する)を表示させる。また、その移動体の移動方向及び移動速度を特定しているときには、図6(b)に示すように、その移動体に例えば当該移動体の移動方向を表す移動方向情報及び移動速度を表す移動速度情報となる矢印を付加して表示させる。この場合、矢印は、その向きが移動体の移動方向を表し、その長さが移動体の移動速度を表す。尚、重心の位置を傾けて移動体情報を表示させることにより、移動体の移動方向を表すようにしても良い。また、制御部7は、図6(c)に示すように、運転者が指定した範囲(図6(c)では例えばZにて示す範囲)を拡大表示して表示させる。
【0028】
このようにして、制御部7は、自車両の車載カメラ3が撮影した画像を表示させるのみならず、他車両A〜Cの車載カメラ3が撮影した画像を表示させることができ、自車両の車載カメラ3が撮影することができない歩行者P〜Rを表示させることができる。
【0029】
尚、上記した構成において、制御部7は、このように移動体の移動方向及び移動速度を特定したことにより、その特定した移動体の移動方向及び移動速度を判定して当該移動体が自車両の走行にとって危険であるか否かを判定し、移動体が自車両の走行にとって危険である旨を判定したときに、警告メッセージ(本発明でいう警告情報)を表示装置5に表示させたり、危険通知信号を近距離無線通信部8から他車両21に送信させたり、その危険を回避するように走行制御装置6を制御したりする。
【0030】
また、制御部7は、図7に示すように、例えば他車両Bと他車両Dとが車々間通信することにより、他車両Dに搭載されている車載カメラが撮影した画像を他車両Bを介して受信したり、他車両Cと他車両Eとが車々間通信することにより、他車両Eに搭載されている車載カメラが撮影した画像を他車両Cを介して受信したりし、自車両に搭載されている車載カメラ3が撮影した画像と他車両A〜Eに搭載されている車載カメラが撮影した画像とを合成してパノラマ画像を作成しても良い。さらに、表示装置5は、図8に示すように、実際の景色に重畳表示するウインドシールドディスプレイであっても良く、制御部7は、運転者の運転に支障を来たさない範囲に画像を表示させても良い。
【0031】
以上に説明したように本実施形態によれば、運転支援システム1において、自車両の車載カメラ3が撮影した自車両の進行方向の画像を取得すると共に、自車両が走行している車線とは異なる車線を走行している他車両21の車載カメラ23が撮影した自車両の進行方向の画像を取得し、それら取得した自車両の進行方向の複数の画像を合成してパノラマ画像を作成し、その作成したパノラマ画像を表示するように構成したので、自車両の進行方向の画像を広角で表示することができ、その結果、自車両が複数車線の道路を走行する場合に、運転者が歩行者に対して適切に注意を払うことができ、運転者の運転を適切に支援することができる。
【0032】
また、自車両の現在位置と他車両21の現在位置とを認識し、その認識結果にしたがって自車両の進行方向の複数の画像を縮小または拡大して表示するように構成したので、自車両の車載カメラ3が撮影した自車両の進行方向の画像と他車両21の車載カメラ23が撮影した自車両の進行方向の画像とを例えば遠近感を調和するように縮小または拡大して表示することにより、それら画像を適切な遠近感により違和感なく表示することができる。
【0033】
また、自車両の進行方向の画像を画像解析して当該画像内に移動体が存在する旨を判定すると、その移動体を表す移動体情報を表示するように構成したので、移動体の存在を運転者に把握させることができ、例えば歩行者の存在を運転者に確実に把握させることができる。また、移動体の移動方向を特定し、その特定した移動体の移動方向を表す移動方向情報をも表示するように構成したので、歩行者の移動方向をも運転者に把握させることができ、さらに、移動体の移動速度を特定し、その特定した移動体の移動速度を表す移動速度情報をも表示するように構成したので、歩行者の移動速度をも運転者に把握させることができる。
【0034】
また、移動体の移動方向及び移動速度を判定して当該移動体が自車両の走行にとって危険であるか否かを判定し、移動体が自車両の走行にとって危険である旨を判定すると、警告メッセージを表示したり、危険通知信号を近距離無線通信部8から他車両21に送信したり、その危険を回避するように走行制御装置6を制御したりするように構成したので、歩行者が自車両の走行にとって危険である旨を運転者に把握させたり、歩行者が自車両の走行にとって危険である旨を例えば後続車両に通知して自車両が当該危険を回避するために走行制御する旨を後続車両に通知したり、例えば制動したり加速や旋回を制限したりするなど自車両の走行を制御して歩行者が自車両の走行にとって危険である状況を回避したりすることができる。
【0035】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
運転支援システムは、その機能が車載ナビゲーション装置に組込まれて構成されていても良い。
近距離無線通信部が路側に設置されている路側近距離無線通信装置との間で路車間通信することにより、他車両に搭載されている車載カメラが撮影した画像を受信すると共に路側に設置されている路側カメラが撮影した画像を受信し、それら画像を合成してパノラマ画像を作成する構成であっても良い。
移動体情報を表示する態様は、例えば点滅表示したり色付け表示したりするなどの態様であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態を示す機能ブロック図
【図2】各車両の走行位置及び撮影視野角を概略的に示す図
【図3】自車両が他車両との間で近距離無線通信を行う態様を示す図
【図4】制御部が行う処理を表すフローチャート
【図5】各車両の撮影視野角と撮影画像との対応を概略的に示す図
【図6】パノラマ画像の表示態様の一例を示す図
【図7】図3相当図
【図8】図6相当図
【符号の説明】
【0037】
図面中、1は運転支援システム、3は車載カメラ(自車両側撮影手段)、4は車載ナビゲーション装置(自車両側現在位置特定手段)、5は表示装置(表示手段、報知手段)、6は走行制御装置(走行制御手段)、7は制御部(制御手段)、8は近距離無線通信部(自車両側通信手段)、14は画像解析部(画像解析手段)、22は近距離無線通信部(他車両側通信手段)、23は車載カメラ(他車両側撮影手段)、24は車載ナビゲーション装置(他車両側現在位置特定手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の進行方向を撮影する自車両側撮影手段と、
他車両に搭載されている他車両側通信手段との間で車々間通信を行う自車両側通信手段と、
前記自車両側撮影手段が撮影した自車両の進行方向の画像を取得すると共に、自車両が走行している車線とは異なる車線を走行している他車両に搭載されている他車両側通信手段との間で前記自車両側通信手段に車々間通信を行わせて当該他車両に搭載されている他車両側撮影手段が撮影した自車両の進行方向の画像を取得し、それら取得した自車両の進行方向の複数の画像を表示手段に表示させる制御手段とを備えてなることを特徴とする運転支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載した運転支援システムにおいて、
自車両の現在位置を特定する自車両側現在位置特定手段を備え、
前記制御手段は、前記自車両側現在位置特定手段が取得した自車両の現在位置を取得すると共に、他車両に搭載されている他車両側通信手段との間で前記自車両側通信手段に車々間通信を行わせて当該他車両に搭載されている他車両側現在位置特定手段が特定した他車両の現在位置を取得し、それら取得した自車両の現在位置と他車両の現在位置との関係から自車両と他車両との相対位置を認識し、その認識結果にしたがって自車両の進行方向の複数の画像を縮尺または拡大して前記表示手段に表示させることを特徴とする運転支援システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載した運転支援システムにおいて、
前記制御手段は、自車両の進行方向の複数の画像を水平方向に連続的に合成してパノラマ画像を作成し、その作成したパノラマ画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする運転支援システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載した運転支援システムにおいて、
前記制御手段が取得した自車両の進行方向の画像を解析する画像解析手段を備え、
前記制御手段は、自車両の進行方向の画像を前記画像解析手段に解析させて当該画像内に移動体が存在するか否かを判定し、移動体が存在する旨を判定したときに、その移動体を表す移動体情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする運転支援システム。
【請求項5】
請求項4に記載した運転支援システムにおいて、
前記制御手段は、移動体の移動方向を特定し、その特定した移動体の移動方向を表す移動方向情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする運転支援システム。
【請求項6】
請求項4または5に記載した運転支援システムにおいて、
前記制御手段は、移動体の移動速度を特定し、その特定した移動体の移動速度を表す移動速度情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする運転支援システム。
【請求項7】
請求項5または6に記載した運転支援システムにおいて、
警告情報を報知する報知手段を備え、
前記制御手段は、移動体の移動方向及び移動方向のうち少なくともいずれかを判定して当該移動体が自車両の走行にとって危険であるか否かを判定し、当該移動体が自車両の走行にとって危険である旨を判定したときに、前記報知手段から警告情報を報知させることを特徴とする運転支援システム。
【請求項8】
請求項5または6に記載した運転支援システムにおいて、
前記制御手段は、移動体の移動方向及び移動方向のうち少なくともいずれかを判定して当該移動体が自車両の走行にとって危険であるか否かを判定し、当該移動体が自車両の走行にとって危険である旨を判定したときに、他車両に搭載されている他車両側通信手段との間で前記自車両側通信手段に車々間通信を行わせて危険通知信号を通知することを特徴とする運転支援システム。
【請求項9】
請求項5または6に記載した運転支援システムにおいて、
自車両の走行を制御する走行制御手段を備え、
前記制御手段は、移動体の移動方向及び移動方向のうち少なくともいずれかを判定して当該移動体が自車両の走行にとって危険であるか否かを判定し、当顔移動体が自車両の走行にとって危険である旨を判定したときに、その危険を回避するように前記走行制御手段により自車両の走行を制御させることを特徴とする運転支援システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−293095(P2008−293095A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−135449(P2007−135449)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】