説明

運転支援装置

【課題】切り返し運転において、他車や障害物との接触を防止するために適した運転支援装置を提供する。
【解決手段】自車周辺俯瞰画像を生成する俯瞰画像生成部と、算定された算定操舵角に基づく旋回における、車体進行方向の予想軌跡である正軌跡を決定する正軌跡決定部と、算定操舵角の逆方向の操舵角に基づく旋回における、車体進行方向又は車体進行逆方向の予想軌跡である逆軌跡を決定する逆軌跡決定部と、自車周辺俯瞰画像に対して正軌跡及び逆軌跡を合成してモニタ表示用の運転支援俯瞰画像を生成する画像合成部とが備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場など障害物との接触可能性の高い領域で旋回走行する際の運転支援をする運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
進入路に沿って駐車枠に縦列駐車または車庫入れ駐車しようとする際に駐車操作の案内をする運転支援装置が特許文献1に開示されている。この運転支援装置では、車両の複数位置に設置されたカメラで自車周囲を撮像し、その撮像信号をカメラ光軸を路面に垂直にした視点からの画像信号へ変換合成して俯瞰画像を作成し、俯瞰画像における自車の現在位置に基づく案内指標を設定して、俯瞰画像に案内指標を配置した重畳画像を作成し、この重畳画像を表示手段に表示する。その際、車庫入れ後退駐車用の案内指標として、前部最外周の案内指標と、後部最外周の案内指標と、後部最内周の案内指標とが提示されている。前部最外周の案内指標は、自車の旋回中心点を中心として自車の車体の左前端を通る旋回円軌跡の1/4の円弧を外縁とする扇形状である。後部最外周の案内指標は、同じ旋回中心点を中心として自車後端部を通る旋回円軌跡の1/4の円弧を外縁とする扇形状である。後部最内周の案内指標は、同じ旋回中心点を中心として、自車両後端部を通る旋回円軌跡の1/4の円弧である。このように、俯瞰画像における自車両の現在位置に基づく案内指標として車体端部の軌跡を設定し、俯瞰画像に重畳してモニタ表示することで、運転者が駐車枠への進入位置を容易に把握することができように意図されている。しかしながら、この運転支援装置は、案内指標としての車両端部の軌跡が車両の最小回転(旋回)半径に基づいているので、一方方向の操舵角から一転して他方方向の操舵角に切り替えられる切り返し運転の支援には適していない。また、操舵角を頻繁に変更するような運転、例えば、前進での駐車枠に進入する前進駐車プロセスや隣接駐車枠が駐車中である駐車枠から発進するような駐車発進プロセスのように、プロセスの前半において旋回半径が大きくなる緩い操舵角が使用されるようなケースでは、最小回転半径に基づく案内指標は使いづらい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010‐12836号公報(段落番号〔0005−0073〕、図1、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記実情に鑑み、一方方向の操舵角から他方方向の操舵角の切り替えが行われる切り返し運転において、他車や障害物との接触を防止するために適した運転支援装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明による運転支援装置では、自車の周辺を撮影するカメラによって取得された撮影画像から視点変換を通じてモニタに表示する自車周辺の表示画像としての自車周辺俯瞰画像を生成する俯瞰画像生成部と、自車の操舵角を算定する操舵角算定部と、前記操舵角算定部によって算定された算定操舵角に基づく旋回における、車体進行方向の予想軌跡である正軌跡を決定する正軌跡決定部と、前記算定操舵角の逆方向の操舵角に基づく旋回における、車体進行方向又は車体進行逆方向の予想軌跡である逆軌跡を決定する逆軌跡決定部と、前記自車周辺俯瞰画像での自車イメージが出発点となるように、前記自車周辺俯瞰画像に対して前記正軌跡及び前記逆軌跡を合成してモニタ表示用の運転支援俯瞰画像を生成する画像合成部とを備えている。
【0006】
この構成によれば、例えばスペースのない駐車領域への駐車や駐車領域からの発進において操舵操作を行って旋回走行する場合、その走行にともなって取得された撮影画像及び算定された操舵角に基づいてその都度更新された運転支援俯瞰画像がモニタ表示される。その際、運転支援俯瞰画像には、車体進行方向の予想軌跡である正軌跡だけでなく、算定操舵角の逆方向の操舵角での車体進行方向又は車体進行逆方向の予想軌跡である逆軌跡が付加される。これにより、一方方向の旋回走行中において障害物の接近等により走行上の問題が生じた場合に、逆方向の操舵角でその問題を切り抜けることができるかどうかを、運転者は逆軌跡から容易に判断することができる。
一般的な切り返し運転の状況を考慮すると、前記逆方向の操舵角の大きさとしては、実質的には最大操舵角とすることが好ましい。ただし、この最大操舵角には、車両特性上の最大操舵角だけでなく、運転者によって操作できる最大操舵角も含まれるものであり、最大操舵角近傍の大きさも含まれる。
【0007】
特に、同方向の走行中に一方方向の操舵角から他方方向の操舵角の切り替えが行われる同方向切り返し走行が重要となる、後進での縦列駐車などでは、自車の後部が駐車領域に入った段階で、逆操舵で自車前部を駐車領域に入れるという操舵が要求される。その切り返しタイミングを適切に選択するためには、走行方向は同一で、現状の操舵角での予想軌跡と逆操舵での予想軌跡が必要となる。また、車庫入れ駐車状態から後進で駐車通路に出て、前進走行する際に行われる逆方向切り返しでは、現状操舵角での自車走行方向での予想軌跡と自車走行方向とは逆方向で逆操舵角での予想軌跡が必要となる。このため、本発明の好適な実施形態の1つでは、同方向切り返し走行においては前記逆軌跡として車体進行方向の予想軌跡が決定され、逆方向切り返し走行においては前記逆軌跡として車体進行逆方向の予想軌跡が決定されるように構成されている。
【0008】
さらに本発明の好適な実施形態の1つでは、前記正軌跡決定部は、後進旋回の場合、車体の旋回外側前端部軌跡である外端予想軌跡線と旋回外側後端部軌跡である先端予想軌跡線と旋回内側後端部軌跡である内端予想軌跡線とを正軌跡として決定するとともに、前進旋回の場合、車体の旋回外側前端部軌跡である外端予想軌跡線と旋回内側前端部軌跡である先端予想軌跡線と旋回内側後端部軌跡である内端予想軌跡線とを正軌跡として決定する。この構成では、例えば混み合った駐車場から後進で発進するような後進旋回走行において、他車や障害物との接触が生じやすい、車体の旋回外側前端部と旋回外側後端部と旋回内側後端部の3つの端部の予想軌跡線が表示される。また、前進旋回走行で他車や障害物との接触が生じやすい、車体の旋回外側前端部と旋回内側前端部と旋回内側後端部の3つの端部の予想軌跡線が表示される。したがって、運転者はその時点での自車位置と操舵角に基づく予想軌跡線から他車や障害物との接触可能性を容易に判断することができる。
【0009】
本発明による好適な実施形態の1つとして、前記正軌跡と前記逆軌跡とが視覚的に互いに異なるような形態でモニタ表示されるようにすると、小さい画面でおいても互いに区別しやすく、好都合である。
【0010】
各予想軌跡を操舵角毎に演算して描画するためにはかなり大きな演算負荷が要求される。このような演算負荷の増大を避けるため、前記正軌跡は操舵角毎に準備された予想軌跡線イメージとして前記正軌跡決定部によって抽出可能に軌跡イメージ格納部に格納され、前記逆軌跡は最大操舵角における予想軌跡線イメージとして前記逆軌跡決定部によって抽出可能に軌跡イメージ格納部に格納されることが提案される。これにより、自車周辺俯瞰画像と合成する各予想軌跡線のイメージを毎回生成する必要がなく、操舵角を検索条件として適切な予想軌跡線のイメージを抽出するだけでよい。
【0011】
自車と自車周辺の関係は自車の走行によって変化し、予想軌跡の形状は操舵角によって異なる。従って、最新の運転支援俯瞰画像をモニタ表示するためには、前記操舵角が所定角度変更される毎に、または自車が所定距離走行する毎に前記運転支援俯瞰画像を更新するとよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による運転支援装置で用いられている、撮影画像に基づく俯瞰画像に旋回時の予想軌跡線として正軌跡と逆軌跡を組み込んだ運転支援俯瞰画像の生成原理を説明する模式図である。
【図2】本発明による運転支援装置を搭載した車両の一部を切り欠いた車両斜視図である。
【図3】後進左・右旋回と前進左・右旋回における軌跡線との関係を説明する模式図である。
【図4】運転支援制御ユニットを含む車両制御システムの一部を模式的に示す機能ブロック図である。
【図5】入力画像処理モジュールと出力画像処理モジュールの機能ブロック図である。
【図6】撮影画像から周辺俯瞰画像が生成され、操舵角から正軌跡イメージと逆軌跡イメージが抽出される様子を模式的に示す説明図である。
【図7】車庫入れ駐車からの後進発車走行における運転支援表示画像を含むモニタ画面を示すモニタ画面図である。
【図8】縦列駐車のための後進駐車走行における運転支援表示画像を含むモニタ画面を示すモニタ画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、本発明による運転支援装置で用いられている、撮影画像に基づく自車周辺俯瞰画像(以後、単に俯瞰画像と略称されることが多い)に自車端部の予想軌跡線を組み込んだ運転支援俯瞰画像の生成原理を、図1の模式図を用いて説明する。この例では、自車が車庫入れ駐車から後進左旋回によって発進する様子を示している。車載カメラによる、ここでは(1a)、(1b)、(1c)、(1d)で符号付けられた4つの撮影画像によって、自車周囲は実質的に隙間なくカバーされている。
駐車場などの駐車領域から発進する時に、運転支援が開始される。まず、車載カメラによって自車を取り巻く周辺領域の4つの撮影画像が取り込まれる(#1)。取り込まれた撮影画像は、それ自体は公知であるマッピングテーブルを用いた視点変換処理によって所定の上方仮想視点から見た俯瞰画像に変換される(#2)。撮影画像が取り込まれる時点の走行方向(前進:Dまたは後進:R、ここでは後進)と操向車輪(ここでは前輪)の操舵角とが算定される(#3)。なお、本発明では後進旋回または前進旋回のそれぞれにおいて、操舵角別の自車端部の予想軌跡線のイメージが予め準備されている。
【0014】
なお、本発明では、後進旋回における自車端部の予想軌跡線には、車体の旋回外側前端部軌跡である外端予想軌跡線と旋回外側後端部軌跡である先端予想軌跡線と旋回内側後端部軌跡である内端予想軌跡線とが含まれている。また、前進旋回における自車端部の予想軌跡線には、車体の旋回外側前端部軌跡である外端予想軌跡線と旋回内側前端部軌跡である先端予想軌跡線と旋回内側後端部軌跡である内端予想軌跡線とが含まれている。
【0015】
走行方向(前進D又は後進R)及び算定された操舵角:θ(中立位置をゼロとして左操舵をプラス、右操舵をマイナスとする符号付き角度値としてここではθと表現しておく)、から、適切な自車端部の予想軌跡線を抽出するための2つの抽出条件が生成される。その1つは、(1)後進旋回予想軌跡データ群を指定することに「進行方向=R」、及び後進旋回予想軌跡データ群から正軌跡イメージとしての後進旋回予想軌跡を選び出す「操舵角=θ」の組み合わせである。他の1つは、(2)適宜に行われる切り返し進行方向である「進行方向=D」、及び切り返し操舵角としての逆方向最大操舵角である「操舵角=−θmax」の組み合わせである。この例では、(1)の抽出条件、「進行方向=R」かつ「操舵角=θ」に基づいて条件に一致する後進旋回予想軌跡線が正軌跡イメージとして抽出される(#4a)。さらに、(2)の抽出条件、「進行方向=D」かつ「操舵角=−θmax」に基づいて条件に一致する前進旋回予想軌跡線が逆軌跡イメージとして抽出される(#4b)。
【0016】
ステップ#2で生成された俯瞰画像と、ステップ#4aで抽出された後進旋回予想軌跡線と、ステップ#4bで抽出された後進旋回予想軌跡線とが、俯瞰画像における自車位置と後進旋回予想軌跡線における自車位置とを一致させるように合成されて、モニタ表示用の運転支援俯瞰画像を生成する(#5)。生成された運転支援俯瞰画像は、例えば、自車進行方向の撮影画像であるバックモニタ画像などとともにモニタに表示される(#6)。
【0017】
なお、切り返しポイントの判断に好都合な逆軌跡イメージは切り返しポイントが迫っているときに必要となる。従って、切り返しポイントが迫っていることを装置側で認識できるかあるいは運転者によってマニュアル設定するような構成を採用している場合は、そのタイミングで逆軌跡イメージを抽出して、モニタ表示すればよい。しかしながら、そのような切り返しポイントが迫っていることを、この装置が知ることができない場合、最初から、正軌跡イメージとともに逆軌跡イメージをモニタ表示してもよいし、この運転支援の開始後、所定距離の車両移動後に逆軌跡イメージをモニタ表示するようにしてもよい。
上述したステップ#1からステップ#6が、自車が所定距離走行する毎にまたは操舵角が所定角度変更される毎に繰り返されることで、車庫入れ駐車から抜け出すためのプロセスの間に運転支援俯瞰画像が適時更新され、運転者の運転が支援される。
図1での車庫入れ駐車から抜け出すためのプロセスが逆方向切り返し走行の一例として示された。同方向切り返し走行の例としては縦列駐車での駐車プロセスが挙げられる。この場合、後進で車両後部を駐車領域に入れた後、逆操舵角で駐車領域の前方に駐車している他車との接触を避けながら車両前部も駐車領域に入れる運転時には、少なくとも逆軌跡イメージが俯瞰画像としてモニタ表示されると好都合である。
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、自車に備えられた前方カメラ、左右サイドカメラ、後方カメラのうちの駐車方向と左右方向とを撮影するカメラの撮影画像とから生成される俯瞰画像と、自車の車体端部の軌跡を運転支援俯瞰画像とする運転支援装置が示されている。
図2に示すように、この車両は、左右の前輪11aと11bが操向車輪として、左右の後輪12aと12bが非操向車輪として構成されている。車両後部、即ちバックドア91には後方カメラ1aが備えられている。左前部ドアに備えられた左サイドミラー92の下部には左サイドカメラ1bが備えられ、右前部ドアに備えられた右サイドミラー93の下部には右サイドカメラ1cが備えられている。また、車両前部には、前方カメラ1dが備えられている。以下の説明において、適宜、これらのカメラ1a〜1dを総称してカメラ1(車載カメラ)と称する。
【0019】
カメラ1はCCD(charge coupled device)やCIS(CMOS image sensor)などの撮像素子を用いて、毎秒15〜30フレームの2次元画像を時系列に撮影し、デジタル変換してその撮影画像をリアルタイムに出力するデジタルカメラである。カメラ1は、広角レンズを備えて構成される。特に、本実施形態においては、水平方向に140〜190°の視野角が確保されている。後方カメラ1a及び前方カメラ1dは、光軸に約30度程度の俯角を有して車両に設置され、車両からおおよそ8m程度までの領域を撮影可能である。左サイドカメラ1b及び右サイドカメラ1cはサイドミラー92及び93の底部に光軸を下方に向けて設置され、車両側面の一部と路面(地面)とがその被写体となる。駐車や発進時の運転支援においては、カメラ1による撮影画像ないしは当該撮影画像を用いて生成された運転支援用画像がモニタ21に表示される。また、駐車出発点から目標とする駐車領域までの駐車経路に基づく音声による駐車案内もスピーカ22から発せられる。駐車領域の確認やその他の操作入力はモニタ21に装着されたタッチパネル21を通じて行われる。
【0020】
この運転支援装置は、駐車場における駐車領域への駐車や駐車領域からの発進において行われる前進旋回時及び後進旋回時に特に効果的である車体端部の予想軌跡線を表示するが、この予想軌跡線について図3を用いて説明する。
図3では、旋回走行時に他車や障害物との接触可能性が高い車体端部(4つの車体コーナ部)として、左側後端部2a、右側後端部2b、左側前端部2c、右側前端部2dが示されている。
図3(a)には、後進右旋回において本発明で取り扱われる重要な車体端部の予想軌跡線として、旋回外側前端部となる左側前端部2cの軌跡である外端予想軌跡線R1、旋回外側後端部となる左側後端部2aの軌跡である先端予想軌跡線R2、旋回内側後端部となる右側後端部2bの軌跡である内端予想軌跡線R3が定義されている。
図3(b)には、後進左旋回において本発明で取り扱われる重要な車体端部の予想軌跡線として、旋回外側前端部となる右側前端部2dの軌跡である外端予想軌跡線R1、旋回外側後端部となる右側後端部2bの軌跡である先端予想軌跡線R2、旋回内側後端部となる左側後端部2aの軌跡である内端予想軌跡線R3が定義されている。
図3(c)には、前進右旋回において本発明で取り扱われる重要な車体端部の予想軌跡線として、旋回外側前端部となる左側前端部2cの軌跡である外端予想軌跡線D1、旋回外側後端部となる右側後端部2bの軌跡である先端予想軌跡線D2、旋回内側後端部となる右側後端部2bの軌跡である内端予想軌跡線D3が定義されている。
図3(d)には、前記左旋回において本発明で取り扱われる重要な車体端部の予想軌跡線として、旋回外側前端部となる右側前端部2dの軌跡である外端予想軌跡線D1、旋回外側後端部となる左側前端部2cの軌跡である先端予想軌跡線D2、旋回内側後端部となる左側後端部2aの軌跡である内端予想軌跡線D3が定義されている。
以上の全ての予想軌跡線は関数であり、操舵角の値によって異なる形状をもつ。また、この出願では、算定された操舵角:θの逆方向の最大操舵角:−θmaxでの車体進行方向又は車体進行予想軌跡逆軌跡を逆軌跡と称している。また、この逆軌跡に対比するため先の予想軌跡逆軌跡を正軌跡とも称する。
【0021】
車両内部には、本発明の運転支援装置の中核をなす運転支援制御ユニット(以下単にECUと称する)20が配置されている。このECU20は、図4に示すように、情報の入出力を行う入出力インターフェースとしてセンサ入力インターフェース23や通信インターフェース80などを備えると共に、入出力インターフェースを介して得られる情報を処理するマイクロプロセッサや、DSP(digital signal processor)を備えている。また、入出力インターフェースの一部又は全てがこのようなプロセッサに含まれていてもよい。
【0022】
センサ入力インターフェース23には、運転操作や移動状態を検出するための車両状態検出センサ群が接続されている。車両状態検出センサ群には、ステアリング操作方向(操舵方向)と操作量(操舵量)とを計測するステアリングセンサ24、シフトレバーのシフト位置を判別するシフト位置センサ25、アクセルペダルの操作量を計測するアクセルセンサ26、ブレーキペダルの操作量を検出するブレーキセンサ27、自車の走行距離を検出する距離センサ28などが含まれている。
また、通信インターフェース80は、車載LANを採用しており、タッチパネル21Tやモニタ21だけでなく、パワーステアリングユニットPS、変速機構T、ブレーキ装置BKなどの制御ユニットがデータ伝送可能に接続されている。
【0023】
ECU20には、運転情報生成部30と、位置情報算定部35と、障害物検出部36と、入力画像処理モジュール50と、出力画像処理モジュール60と、音声処理モジュール70が備えられている。運転情報生成部30には、操舵角算定部31と前後進判定部32とが含まれている。操舵角算定部31は、ステアリングセンサ24から送られてくる操舵方向と操舵量との検出データから、符号付(左右方向)の操舵角を算定する。前後進判定部32は、シフト位置センサ25から送られてくるシフト位置検出データから自車が前進又は後進のいずれの方向に進行するかを判定する。運転情報生成部30は、所定タイミング(所定時間、所定走行距離など)で、操舵角算定部31で算定された操舵角と前後進判定部32で判定された自車進行方向を含む運転情報を生成して出力画像処理モジュール60に送る。出力画像処理モジュール60で生成されたモニタ表示画像は図示されていない表示制御部でビデオ信号に変換されてモニタ21に送られる。音声処理モジュール70で生成された運転支援のための音声ガイドや緊急時の警告音などはスピーカ22から出力される。入力画像処理モジュール50は、カメラ1からの撮影画像を処理した得られた処理済み画像を、出力画像処理モジュール60やこの画像を利用する他の機能部に送る。
【0024】
位置情報算定部35は、自車の移動に伴って変化する自車の位置情報を検出する。この処理は距離センサ28で取得する車両移動量と、ステアリングセンサ24で計測されるステアリングホイール34の操舵量とに基づいて行われる。障害物検出部36は、それ自体はよく知られているので詳しい説明は省略するが、距離計測処理及び画像認識処理を用いて車両周辺近傍に存在する物体(障害物)を検出する。このため、ここでは図示されていない、車両前部、後部、左側部、右側部のそれぞれにおける両端箇所と中央箇所とに配置された複数の超音波センサが接続されている。なお、超音波センサに代えてレーザレーダ等の他の物体検出センサを用いても良い。障害物検出部36は、各超音波センサにおける反射波の戻り時間や振幅を処理することで車両から物体までの距離や物体の大きさを推定できるだけでなく、全ての超音波センサの検出結果を経時的に処理することで、物体の動きや横方向の外形形状を推定することも可能である。障害物検出部36は車両周辺の障害物の存在に関する障害物情報を生成して、出力画像処理モジュール60や音声処理モジュール70に送る。
【0025】
図5に、ECU20の入力画像処理モジュール50と出力画像処理モジュール60の機能ブロック図が示されている。入力画像処理モジュール50は、自車周辺を撮影するカメラによって取得された撮影画像から自車上方を視点とする視点変換によって自車周辺俯瞰画像(単に俯瞰画像とも称する)を生成する機能を有している。出力画像処理モジュール60は、入力画像処理モジュール50によって生成された俯瞰画像に、図3で定義された車体端部予想軌跡線を組み合わせて運転支援俯瞰画像を生成し、モニタ画面の所定の表示領域に表示させる。
【0026】
入力画像処理モジュール50は、撮影画像メモリ51、前処理部52、画像生成部53、表示用画像メモリ57を含んでいる。カメラ1によって取得された撮影画像は撮影画像メモリ51に展開され、前処理部52は4つのカメラ1a〜1dによって個々に取得された撮影画像間の輝度バランスやカラーバランス等を調整して、適切な画像境界線で区分けする。画像生成部53には、通常画像生成部54と俯瞰画像生成部55とマッピングテーブル56が含まれている。通常画像生成部54は、撮影画像をそのまま車両周辺画像としてモニタ表示するために適した画質に調整する。モニタ表示される車両周辺画像はカメラ1a〜1d毎に独立しており、そのモニタ表示を任意に選択することができる。
【0027】
俯瞰画像生成部55は、撮影画像メモリ51に展開されている撮影画像を、マッピングテーブル56に記録されている変換情報に基づいて自車の周囲を上方から見たときの俯瞰画像に変換し表示用画像メモリ57に格納する。マッピングテーブル56は種々の形態で構築することができるが、撮影画像の画素データと俯瞰画像の画素データとの対応関係が記述されたテーブルとして構築し、1フレームの撮影画像の各画素に、俯瞰画像における行き先画素座標が記述されたものとするのが好都合である。図6には、縦列駐車時の4つの撮影画像から俯瞰画像への変換の様子が模式的に示されている。後方カメラ1aによる撮影画像はマッピング56によって後方撮影画像が俯瞰画像の後方領域画像に座標変換される。前方カメラ1dによる撮影画像はマッピング56によって前方撮影画像が俯瞰画像の前方領域画像に座標変換される。左サイドカメラ1bによる撮影画像はマッピング56によって左サイド撮影画像を俯瞰画像の左領域画像に座標変換される。右サイドカメラ1cによる撮影画像はマッピングテーブル56によって右サイド撮影画像が俯瞰画像の右領域画像に座標変換される。このため、マッピングテーブル56は各カメラの撮影画像を俯瞰画像に変換するために4つの異なる俯瞰画像マッピングテーブルを備えている。
【0028】
出力画像処理モジュール60は、運転情報取得部61、予想軌跡線決定部62、軌跡イメージ格納部63、自車イメージ管理部64aを有する俯瞰画像取得部64、報知イメージ生成部65、画像合成部66、フレームメモリ67を含んでいる。
運転情報取得部61には、さらに操舵角取得部61aと進行方向取得部61bが含まれている。操舵角取得部61aは受け取った運転情報から現時点の自車の操舵角を読み取り、進行方向取得部61bは現時点の自車の進行方向を読み取る。
【0029】
予想軌跡線決定部62は、運転情報取得部61から得られた操舵角と進行方向とに基づいて自車が後進旋回しているか、前進旋回しているかを判断することができるので、適切な車体端部軌跡線を軌跡イメージ格納部63から抽出することができる。抽出された車体端部軌跡線は俯瞰画像生成部55で生成された俯瞰画像とともにモニタ表示される。予想軌跡線決定部62は、正軌跡決定部62aと逆軌跡決定部62bを備えている。
【0030】
運転支援において、後進旋回と判断された場合、正軌跡決定部62aは、得られた操舵角:θでの後進旋回における、車体の旋回外側前端部軌跡である外端予想軌跡線R1と旋回外側後端部軌跡である先端予想軌跡線R2と旋回内側後端部軌跡である内端予想軌跡線R3とを正軌跡イメージとして抽出する。逆軌跡決定部62bは、以下に述べるような逆軌跡イメージを抽出する。つまり、運転情報から同方向切り返し走行が確認されている場合は、逆軌跡決定部62bは、得られた操舵角:θの逆方向の最大操舵角:−θmaxでの後進旋回における、車体の旋回外側前端部軌跡である外端予想軌跡線R1と旋回外側後端部軌跡である先端予想軌跡線R2と旋回内側後端部軌跡である内端予想軌跡線R3とを逆軌跡イメージとして抽出する。また、運転情報から逆方向切り返し走行が確認されている場合は、逆軌跡決定部62bは、得られた操舵角:θの逆方向の最大操舵角:−θmaxでの前進旋回における、車体の旋回外側前端部軌跡である外端予想軌跡線D1と旋回外側後端部軌跡である先端予想軌跡線D2と旋回内側後端部軌跡である内端予想軌跡線D3とを逆軌跡イメージとして抽出する。もし、切り返し走行の方向が確認できない場合は、左右両方向の逆軌跡イメージを抽出して、モニタ表示されるようにするとよい。
【0031】
また、運転支援において、後進旋回と判断された場合、正軌跡決定部62aは、得られた操舵角:θでの前進旋回における、車体の旋回外側前端部軌跡である外端予想軌跡線D1と先端予想軌跡線D2と旋回内側後端部軌跡である内端予想軌跡線D3とを正軌跡イメージとして抽出する。同様に、逆軌跡決定部62bは、前進旋回または後進旋回あるいはその両方での逆軌跡イメージを抽出する。
【0032】
この実施形態では、後進旋回時の外端予想軌跡線R1と先端予想軌跡線R2と内端予想軌跡線R3、及び前進旋回時の外端予想軌跡線D1と先端予想軌跡線D2と内端予想軌跡線D3は、所定単位操舵角毎に準備された、俯瞰画像生成部55によって生成された俯瞰画像に合成される予想軌跡線イメージとして軌跡イメージ格納部63に格納されている。なお、正軌跡イメージと逆軌跡イメージとは、モニタ表示の形態を視覚的に異なるものとするため、最大操舵角の予想軌跡線を、正軌跡イメージ用と逆軌跡イメージ用と別々に用意し、それぞれ実線と点線、不透明線と透明線、色合いの異なる線、といったような区別可能なものにしておくとよい。
従って、正軌跡決定部62aと逆軌跡決定部62bとを備える予想軌跡線決定部62は、図6で模式的に示すように、現時点の操舵角:θと進行方向:DまたはRとに基づいて、適切な正軌跡イメージと逆軌跡イメージとを軌跡イメージ格納部63から抽出することができる。この抽出した正軌跡イメージと逆軌跡イメージは、4つのカメラ1による撮影画像から生成された俯瞰画像に合成されてモニタ表示することが可能である。
【0033】
俯瞰画像取得部64は、俯瞰画像生成部55によって生成された現時点の俯瞰画像を取得し、自車イメージ管理部64aで用意された自車イメージを所定の位置、通常は俯瞰画像の中心位置にはめ込む。なお、自車イメージが予想軌跡線イメージに予め組み込まれている場合には、ここでの自車イメージ管理部64aは不要となる。
【0034】
画像合成部66は、俯瞰画像取得部64で用意された俯瞰画像に、予想軌跡線決定部62によって用意された正軌跡イメージを、場合によっては正軌跡イメージと逆軌跡イメージとを、互いの仮想的な自車位置を合わせるように合成して、運転支援表示画像を生成する。より具体的には、自車イメージにおける対応端部(実際の車両端部2a,2b,2c,2dに対応する部分)が出発点となるように、俯瞰画像に対して外端予想軌跡線R1、D1と先端予想軌跡線R2、D2と内端予想軌跡線R3、D3とを合成する。この合成の際に、報知イメージ生成部65で駐車案内メッセージなどの報知情報をイメージ化した報知イメージも付加的に合成することができる。
なお、自車イメージにおける対応端部が出発点となるようにする表示形態としては、自車イメージにおける対応端部と軌跡線R1,D1,R2,D2,R3、D3の端部とが一致する場合と、自車イメージにおける対応端部と軌跡線R1,D1,R2,D2,R3、D3の端部との対応関係が分かる程度に、自車イメージにおける対応端部と軌跡線R1,D1,R2,D2,R3、D3の端部とが離間して近くに位置する場合とがある。
【0035】
図7に、車庫入れ駐車している自車が後進でこの駐車領域から抜け出し、前進切り返しで、駐車通路に戻る後進−切り返し−前進の逆方向切り返し走行を含む後進発車プロセスにおける運転支援表示画像の一例が示されている。このモニタ画面には、運転支援表示画像と後方カメラ1aによる撮影画像であるバックモニタ画像が横並び配置されている。この実施形態での、運転支援表示画像には、正軌跡イメージとして、外端予想軌跡線R1と先端予想軌跡線R2と内端予想軌跡線R3が含まれる。さらに、少なくとも切り返し走行時には逆軌跡イメージとして外端予想軌跡線D1と先端予想軌跡線D2とが含まれる。このことより、現状の操舵角で自車が隣接する他車や壁などの障害物と接触する可能性を、特に切り返しのタイミングを運転者は容易に認識することができる。バックモニタ画像では後方の壁を確認でき、また前方に見える駐車中の他車両は肉眼で確認できるが、その間の距離感は理解しづらく、現状の操舵角での接触可能性を判断するのは普通の運転者では困難である。
後進発車プロセスの初期段階である図7(a)の状態(操舵角θ)では、運転支援表示画像が先端予想軌跡線R2を通じて自車の右側後端部2bが障害物(壁)に接触する可能性を示している。このため、運転者は慎重に操舵しながら、必要の場合操舵角を増大させる。操舵角が変更されると、その都度、正軌跡イメージも更新されるので、運転支援表示画像から自車が壁及び隣接車両に接触しないことを確認しながら後進することができる。
【0036】
さらに後進を続行し、切り返しポイント領域に達したことが、走行距離等の運転状況により、あるいは運転者によるマニュアル設定により認識された場合には、図7(b)の状態となる。この図7(b)の状態では、その時の操舵角:θでの正軌跡イメージととともに、操舵角:−θmaxでの逆軌跡イメージも表示されるので、前進外端予想軌跡線D1を通じて自車の右側前端部2cが駐車車両に接触する可能性を確認することができる。右側前端部2cが駐車車両に接触しない位置まで後進し、そこでハンドルを一杯まで切り返して前進することで逆方向切り返し走行がスムーズに行われる。
この図7では車庫入れ駐車から逆方向切り返し走行で抜け出す後進発車プロセスにおいて本発明の運転支援表示画像の有効性を説明したが、この図から明らかなように駐車通路から逆方向切り返し走行で車庫入れ駐車する前進駐車プロセスでも同様に本発明の運転支援表示画像が有効なことが理解できる。
【0037】
図8には、縦列駐車のための同方向切り返し走行を含む後進駐車プロセスにおける運転支援表示画像の一例が示されている。このモニタ画面でも、運転支援表示画像と後方カメラ1aによる撮影画像であるバックモニタ画像が横並び配置されている。
後進発車プロセスの初期段階である図8(a)の状態(操舵角θ)では、運転支援表示画像が内端予想軌跡線R3を通じて自車の左側後端部2aが最初は駐車車両、次いで障害物(壁)に接触する可能性を示す。このため、運転者は慎重に操舵しながら、必要の場合操舵角を増大させる。操舵角が変更されると、その都度、正軌跡イメージも更新されるので、運転支援表示画像から自車が壁及び隣接車両に接触しないことを確認しながら後進することができる。
【0038】
さらに後進を続行し、切り返しポイント領域に達したことが、走行距離等の運転状況により、あるいは運転者によるマニュアル設定により認識された場合には、図8(b)の状態となる。この図8(b)の状態では、その時の操舵角:θでの正軌跡イメージととともに、操舵角:−θmaxでの逆軌跡イメージも表示されるので、この逆軌跡イメージとして点線で示された後進外端予想軌跡線R1を通じて自車の右側前端部2cが駐車車両に接触する可能性を確認することができる。さらには、後進先端予想軌跡線R2によって自車の左側後端部2aが障害物(壁)に接触する可能性を、後進内端予想軌跡線R3によって自車の右側後端部2bが後方駐車車両に接触する可能性を確認することができる。
【0039】
〔別実施の形態〕
(1)上述した実施形態では、正軌跡イメージは、外端予想軌跡線R1またはD1、先端予想軌跡線R2またはD2、内端予想軌跡線R3またはD3の3つの軌跡線としてモニタ表示されていたが、どれか1本または2本を省略してもよい。また、その透明度を調整して任意の1本または2本をモニタ表示されないようにしてもよい。同様に、逆軌跡イメージも、1本または2本の軌跡線で表すようにしてもよい。
(2)実施形態の説明に用いた図面では示されていないが、外端予想軌跡線R1、D1と先端予想軌跡線R2、D2と内端予想軌跡線R3、D3に互いに異なるような形態、例えば実線や点線などの線種別、あるいは色別でモニタ表示することも可能である。
(3)外端予想軌跡線R1、D1と先端予想軌跡線R2、D2と内端予想軌跡線R3、D3による予想軌跡を明確にするために、外端予想軌跡線と先端予想軌跡線と内端予想軌跡線のいずれか2つによって囲まれる領域が車両予想軌跡面として塗りつぶし表示される構成も好適である。また、複数の塗りつぶし面を生成して、これらを異なるパターンや色を用いて作成することも可能である。
(4)障害物検出部36からの障害物情報は報知イメージとして利用されるが、その際、報知イメージ生成部65が、報知イメージとして、この障害物情報に基づいて運転支援俯瞰画像に組み込まれる障害物イメージを生成するように構成することも好適である。この場合、報知イメージ生成部65は、障害物イメージ生成部として機能することになる。
(5)上述した実施の形態では、逆軌跡イメージとして、逆方向の最大操舵角に基づくものとしたが、これに限定されるわけではなく、逆軌跡イメージとして逆方向であれば必ずしも最大操舵角でなくともよく、任意の操舵角を採用することができる。運転者によっては、後退後の切り返し操作を最小限で済ませたい場合もある。また、最大操舵角としても、この最大操舵角にはその近傍の角度も含まれるものであり、厳密な角度を規定しているわけではない。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、駐車時における自車両周囲の状況を運転者に認識させるための俯瞰画像を表示することで運転者の運転操作を支援する運転支援装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1:カメラ
30:運転情報生成部
31:操舵角算定部
32:前後進判定部
35:位置情報算定部
36:障害物検出部
50:入力画像処理モジュール
51:撮影画像メモリ
53:画像生成部
57:表示用画像メモリ
60:出力画像処理モジュール
61:運転情報取得部
61a:操舵角取得部
61b:進行方向取得部
62:予想軌跡線決定部
62a:正跡線決定部
62b:逆跡線決定部
63:軌跡イメージ格納部
64:俯瞰画像取得部
64a:自車イメージ管理部
65:報知イメージ生成部
66:画像合成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車の周辺を撮影するカメラによって取得された撮影画像から視点変換を通じてモニタに表示する自車周辺の表示画像としての自車周辺俯瞰画像を生成する俯瞰画像生成部と、
自車の操舵角を算定する操舵角算定部と、
前記操舵角算定部によって算定された算定操舵角に基づく旋回における、車体進行方向の予想軌跡である正軌跡を決定する正軌跡決定部と、
前記算定操舵角の逆方向の操舵角に基づく旋回における、車体進行方向又は車体進行逆方向の予想軌跡である逆軌跡を決定する逆軌跡決定部と、
前記自車周辺俯瞰画像での自車イメージが出発点となるように、前記自車周辺俯瞰画像に対して前記正軌跡及び前記逆軌跡を合成してモニタ表示用の運転支援俯瞰画像を生成する画像合成部と、を備えた運転支援装置。
【請求項2】
前記逆方向の操舵角は逆方向の最大操舵角である請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
同方向切り返し走行においては前記逆軌跡として車体進行方向の予想軌跡が決定され、逆方向切り返し走行においては前記逆軌跡として車体進行逆方向の予想軌跡が決定される請求項1または2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記正軌跡決定部は、後進旋回の場合、車体の旋回外側前端部軌跡である外端予想軌跡線と旋回外側後端部軌跡である先端予想軌跡線と旋回内側後端部軌跡である内端予想軌跡線とを正軌跡として決定するとともに、前進旋回の場合、車体の旋回外側前端部軌跡である外端予想軌跡線と旋回内側前端部軌跡である先端予想軌跡線と旋回内側後端部軌跡である内端予想軌跡線とを正軌跡として決定する請求項1から3のいずれか一項に記載の運転支援装置。
【請求項5】
前記正軌跡と前記逆軌跡とが視覚的に互いに異なるような形態でモニタ表示される請求項1から3のいずれか一項に記載の運転支援装置。
【請求項6】
前記正軌跡は操舵角毎に準備された予想軌跡線イメージとして前記正軌跡決定部によって抽出可能に軌跡イメージ格納部に格納されており、前記逆軌跡は最大操舵角における予想軌跡線イメージとして前記逆軌跡決定部によって抽出可能に軌跡イメージ格納部に格納されている請求項1から5のいずれか一項に記載の運転支援装置。
【請求項7】
前記運転支援俯瞰画像は、前記操舵角が所定角度変更される毎に、または自車が所定距離走行する毎に更新されてモニタ表示される請求項1から6のいずれか一項に記載の運転支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−66616(P2012−66616A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210820(P2010−210820)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】