過電圧保護機能を備えたデバイス及びその試験のための方法
【課題】サージ・アレスタが接続された高電圧システムの試験時に、サージ・アレスタの損傷を防止できる課電圧保護機能を備えたデバイス及び高電圧システムの試験方法を提供する。
【解決手段】過電圧保護機能を備えたデバイスは、バリスタ5を有し、第一の接続部7により、第一のライン30を介して回路装置2の高電位に接続され、また第二の接続部8は第二のライン10を介してアースに接続される。更なるインピーダンス17を有し、このインピーダンス17は、高電圧システムの試験時には第二の接続部8とアースとの間に接続される。対応するライン10,30は、スイッチング装置11により遮断され、第一のライン30および/または第二のライン10が、先ず最初に遮断され、そして、インピーダンス17が挿入される。試験電圧が前記回路装置2に加えられると、前記バリスタ5の電圧は、加えられた試験電圧よりも低く、バリスタ5の過負荷が防止される。
【解決手段】過電圧保護機能を備えたデバイスは、バリスタ5を有し、第一の接続部7により、第一のライン30を介して回路装置2の高電位に接続され、また第二の接続部8は第二のライン10を介してアースに接続される。更なるインピーダンス17を有し、このインピーダンス17は、高電圧システムの試験時には第二の接続部8とアースとの間に接続される。対応するライン10,30は、スイッチング装置11により遮断され、第一のライン30および/または第二のライン10が、先ず最初に遮断され、そして、インピーダンス17が挿入される。試験電圧が前記回路装置2に加えられると、前記バリスタ5の電圧は、加えられた試験電圧よりも低く、バリスタ5の過負荷が防止される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つのサージ・アレスタが接続された回路装置の中で、過電圧試験を実施するための方法に係る。本発明は、更にまた、この方法を実施するための過電圧保護機能を備えたデバイスに係る。
【背景技術】
【0002】
高電圧システムにおいて、許容されない過電圧をアースにを放散するために、サージ・アレスタが使用されている。典型的に、そのようなサージ・アレスタは、バリスタを有していて、このバリスタは、比較的低い電圧で高いインピーダンスを有しているが、許容されない過電圧で導通し始め、それにより、過電圧を制限することができる。
【0003】
高電圧システムを試験するために、試験フェーズの間に、試験電圧が当該システムに接続され、当該システムがこの電圧に耐えることが可能であるかどうか決定するために、チェックが実施される。この場合において、高電圧システムに接続されているサージ・アレスタが試験電圧に応答しない状態を確保するため、注意が払われなければならない。その理由は、もしそうでない場合には、サージア・アレスタが、試験電圧を制限することがあり、あるいは、試験電圧により損傷されることがあるからである。それ故に、サージ・アレスタは、試験フェーズの間、通常、取り外される。
【0004】
特に、ガス絶縁された継手の場合には、その中に高電圧システム及び前記サージ・アレスタがガスで絶縁されているので、過電圧試験を実施するための、前記サージ・アレスタの取り外しは、しかしながら、極めて複雑な作業になる。
【発明の概要】
【0005】
それ故に、本発明の目的は、最初に挙げたタイプの方法及びデバイスを提供することであり、それらは、過電圧試験がより容易に実施されることを可能にする。
【0006】
この目的は、独立クレームの中に規定された方法及びデバイスにより実現される。
【0007】
従って、本発明は、少なくとも一つのサージ・アレスタが接続された回路装置の中で、過電圧試験を実施するための方法に係る。このサージ・アレスタは、バリスタを有していて、このバリスタは、第一の接続部で、第一のラインを介して高電位に接続され、第二の接続部で、第二のラインを介してアースに接続されることが可能である。試験フェーズの間、試験電圧が前記回路装置に加えられる。バリスタが試験電圧に応答することをを防止するために、この場合に、以下のステップが実施される:
− 試験フェーズの前に、第一のラインまたは第二のラインが遮断される;
− 試験フェーズの間、第一のラインまたは第二のラインのどちらが最初に遮断されたかに依存して、以下のステップの内の一つが採用される。
【0008】
a) もし、第二のライン(アース側の)が最初に遮断された場合には、第一の接続部は、前記回路装置に接続された状態で留まり、これに対して、第二の接続部は、更なるインピーダンスを介してアースに接続される。
【0009】
b) もし、第一のライン(高電圧側の)が最初に遮断された場合には、第二の接続部は、アースに接続された状態で留まり、これに対して、第一の接続部は、前記更なるインピーダンスを介して、前記回路装置に、即ち高電圧に、接続される。
【0010】
両方の場合に、前記更なるインピーダンスは、遮断されたラインより高いインピーダンスを有している。
【0011】
− 試験フェーズの後で、第一のラインおよび/または第二のラインの遮断が再び解除される、その結果として、前記サージ・アレスタは、その通常の保護機能を再開する。
【0012】
前記更なるインピーダンスの目的は、この場合において、前記サージ・アレスタが応答しない試験フェーズの間、バリスタと共に、十分に高いインピーダンスを作り出すことにあり、もしそうでなければ、サージ・アレスタに過負荷が掛かる可能性があり、または、試験電圧の制限をもたらす可能性がある。しかしながら、既知のソリューションとは異なり、バリスタを高電圧から完全に切り離す必要は無い。
【0013】
第二のライン(アース側の)は、好ましくは遮断され、そして、前記更なるインピーダンスは、第二の接続部とアースとの間に、好ましくは配置される。この場合に、前記更なるインピーダンスは、試験フェーズの間、アース側のバリスタの第二の接続部で、試験電圧と比較して電位を減少させることを可能にし、このようにして、この領域におけるフラッシュオーバーを防止する。
【0014】
本発明によれば、前記デバイスは、以下のコンポーネントを有している:
− バリスタが、既知のやり方で過電圧を放散するために使用され、即ち、そのインピーダンスが限界電圧より上で急激に減少する。このバリスタは、第一の接続部を有していて、この第一の接続を介して高電位に接続され、それとともに、それをアースに接続するために、第二の接続部を有している;
− 第一のラインが、第一の接続部を高電位に接続するために設けられる;
− 第二のラインが、第二の接続部をアースに、即ちアース電位に、接続するために、設けられる;
− 更にまた、更なるインピーダンスが設けられ、この更なるインピーダンスは、第一のラインまたは第二のラインより高いインピーダンスを有していて、且つ、第一の接続部と高電圧との間に、または、第二の接続部とアースとの間に、配置されることが可能である。前記更なるインピーダンスは、試験フェーズの間、先に記載されたやり方で、前記サージ・アレスタのインピーダンスを増大させる。
【0015】
このタイプのデバイスは、例えば、サージ・アレスタ、または、このようなサージ・アレスタを含む機器は、例えば、過電圧保護機能を備えたブッシングであっても良い。
【0016】
機械的なスイッチング装置が、好ましくは設けられる。これは、試験フェーズの間、シンプルなやり方で、第一のラインまたは第二のラインを遮断することを可能にする。
【0017】
第二の接続部とアースとの間に、前記更なるインピーダンスを配置することが好ましく、このとき、このスイッチング装置が、第二のラインが遮断されることを可能にする。換言すれば、この実施形態において、前記更なるインピーダンスは、それ故に、アース側でバリスタに対して直列に挿入され、これは、比較的容易に行われることが可能である。しかしながら、バリスタの高電圧側に配置することもまた、可能であって、この場合には、前記スイッチング装置は、第一のラインを遮断することが可能である。更にまた、アース側に更なるインピーダンスを、また高電圧側にもう一つの更なるインピーダンスを配置することもまた実現可能であって、この場合には、前記スイッチング装置は、第一のライン及び第二のラインを遮断することが可能である。
【0018】
前記更なるインピーダンスの大きさは、好ましくは、試験電圧がバリスタの最大の電圧より高いときであっても、試験フェーズの間、バリスタを挟む電圧低下が、定められた試験期間の間、最大の許容可能なバリスタ電圧を超えることが無いような値である。これは、バリスタが電流を過剰に引き出すことが無いと言う状態を確保することを可能にする。
【0019】
一つの好ましい実施形態において、前記更なるインピーダンス、及び、好ましくは、前記スイッチング装置もまた、前記カプセルの中に配置される。これは、耐電圧ブッシングを省略することを可能にし、そして更にまた、前記更なるインピーダンスの領域において、前記カプセルの中に収容された不活性ガスが、フラッシュオーバーを防止することも可能である。
【0020】
その代わりに、前記更なるインピーダンスが、前記カプセルの外側に配置されることも可能である。この場合には、アース接続部を有することが好ましく、このアース接続は、バリスタの第二の接続部(アース側の)に接続され、且つ、前記カプセル上で、絶縁ブッシングを通って伸びている。前記カプセルの外側に、前記更なるインピーダンスを装置することは、より容易なアクセスの可能性をもたらす。更にまた、この場合には、試験フェーズの後で、前記更なるインピーダンスが最早必要とされないときに、前記更なるインピーダンスを容易に取り外すことが可能である。
【0021】
この場合には、ガス絶縁されたデバイスに対して、“カプセル”とは、絶縁ガスの周りを取り囲む気密性のカプセルを意味している。そうでない場合には、カプセルと言う用語は、前記デバイスのハウジングまたは外側の表面を意味している。しかしながら、本発明は、液体絶縁されまたは固体絶縁された部品のために使用されることも可能である。
【0022】
“機械的なスイッチング装置”と言う用語は、この文脈において、それが、実際のスイッチ並びに切り離し機構の両方の機能を有していると言うことを意味していて、この切り離し機構は、例えば、以下において記載される、図3の中に示されているような実施形態の意味において、前記サージ・アレスタのパーツを装着することにより、および/または、それらを取り外すことにより、第一のラインおよび/または第二のラインを遮断することを可能にする。
【0023】
本発明は、特に好ましくは、ガス絶縁され、液体絶縁され、または固体絶縁されたサージ・アレスタを備えた、ガス絶縁され、液体絶縁され、または固体絶縁された回路装置に適用されることが可能であり、その理由は、この場合には、試験フェーズの間にサージ・アレスタを取り外すことが、特に複雑になるからである。しかしながら、本発明に基づく原理は、ガス絶縁され、液体絶縁されまたは固体絶縁されていない、他のサージ・アレスタに対して、また、回路装置に対しても、同一の意味において、適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、サージ・アレスタの第一の実施形態を示している。
【図2】図2は、サージ・アレスタの第二の実施形態を示している。
【図3】図3は、サージ・アレスタの第三の実施形態を示している。
【図4】図4は、サージ・アレスタの第四の実施形態を示している。
【図5】図5は、ロータリー・スイッチを備えたサージ・アレスタの第五の実施形態を示している。
【図6】図6は、ロータリー・スイッチを備えたサージ・アレスタの第六の実施形態を示している。
【図7】図7は、ロッカスイッチを備えたサージ・アレスタの第七の実施形態を示している。
【図8】図8は、横方向の金属ピンを備えたサージ・アレスタの第八の実施形態を示している。
【図9】図9は、高電圧ブッシングの中のサージ・アレスタの第一の実施形態を示している。
【図10】図10は、通常動作の間の、高電圧ブッシングの中のサージ・アレスタの第二の実施形態を示している。
【図11】図11は、試験運転の間の、図10の中に示された実施形態を示している。
【図12】図12は、通常動作の間の、高電圧ブッシングの中の、サージ・アレスタの第三の実施形態を示している。
【図13】図13は、試験運転の間の、図12の中に示された実施形態を示している。
【図14】図14は、組み込まれたサージ・アレスタを備えた高電圧デバイスを示している。
【図15】図15は、通常動作の間の、図14の中に示されたデバイスを示している。
【図16】図16は、図5に関係する詳細な変形形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明の、更なる改善、優位性及び適用が、図面を参照しながらの、従属請求項及び以下の説明から明らかになる。
【0026】
図1は、ガス絶縁されたサージ・アレスタ1を示していて、このサージ・アレスタは、破線で示されているように、同様にガス絶縁された回路装置2に接続されている。この回路装置2は、高電圧を運ぶ装置、例えば、ガス絶縁型スイッチ、トランス、またはその他の機器であっても良い。スイッチング装置2は、DC電圧、AC電圧、またはそれらが重複されたもの、及び他の電圧の形態のために、デザインされていても良い。
【0027】
サージ・アレスタ1は、金属製の気密性のカプセル3を有していて、その内側領域4は、加圧された不活性ガスで、例えばSF6で、満たされている。バリスタ5がカプセル3の中に配置されている。このバリスタは、一つまたはそれ以上の個々のボディ6から構成されいて、電圧依存性のインピーダンスを形成し、例えば、金属酸化物系であり、特に適切なものはドープされたZnOである。個々のボディ6は、既知のやり方で機械的に及び電気的に互いに接続されている。
【0028】
バリスタ5は、高電圧側に第一の接続部7を有し、アース側に第二の接続部8を有している。第一の接続部7は、絶縁ブッシング9の中を通って、第一のライン30を介して回路装置2に接続されている。第二の接続部8は、第二のライン10(以下のテキストにおいてアース・ラインとも呼ばれている)及び機械的に動作可能なスイッチング装置11を介して、アースに、即ちアース電位に、接続されている。
【0029】
示された実施形態において、アース・ライン10は、金属製の導電体セクション12、並びに金属ピン13を有している。金属ピン13は、それが、気密状態の電気的に絶縁性のブッシング14の中で、長手方向に移動されることが可能であるように、構成されている。その外側の端部は、オプションの測定装置15を介して、アースに接続されている。
【0030】
導電体セクション12及び金属ピン13は、スイッチング装置11の中で、共にスイッチを形成していて、このスイッチは、カプセル3の中に配置され、このスイッチによりアース・ライン10が遮断されることが可能である。金属ピン13が図1の中に示された位置にあるとき、アース・ライン10は、遮断されない。しかしながら、もし、金属ピンが、導電体セクション12との接触を断つように、部分的に引き込まれた場合には、アース・ライン10が遮断される。
【0031】
金属ピン13及び導電体セクション12により形成されるスイッチは、それ故に、カプセル3を通って操作されることが可能であり、それによって、カプセル3を開ける必要無しに、アース・ライン10が遮断されることが可能であるようになる。しかしながら、このスイッチは、異なるやり方で構成されても良い。例えば、異なるタイプの可動要素が設けられても良く、この可動要素は、カプセルの中のブッシングを通って伸び、且つその中に移動可能に保持され、この可動要素により、スイッチが操作されされることが可能である。この可動要素は、図1の中の実施形態の中に示されているように、同時に、アース・ライン10の一部を形成しても良いが、それは、絶縁要素であっても良く、この絶縁要素は、それ自身で、アース・ライン10の一部を形成しない。スイッチ11の更なる改良が、他の代表的な実施形態を参照しながら、以下において更に説明される。
【0032】
図1がまた示しているように、この実施形態において、電気的に絶縁性のボディ16が、バリスタ5の第二の接続部8とカプセル3との間に、更に設けられ、この電気的に絶縁性のボディ16の上に、導電体セクション12及びバリスタ5が機械的に支持されている。
【0033】
更にまた、更なるインピーダンス17が第二の接続部8に接続されている。この更なるインピーダンス17は、抵抗または容量、またはそれらの混合物の形態である。換言すれば、更なるインピーダンスのインピーダンス値は、それ故に、容量性のおよび/または抵抗性の値である。このインピーダンス値は、好ましくは、電圧が増大するのに伴い減少する。例として、更なるインピーダンス17は、バリスタ5と同一の材料、または同様な材料から作られても良い。しかしながら、前記更なるインピーダンスは、バリスタ5と比べて低い電圧及び電流レベルに対してのみ、デザインされる必要があり、その理由は、更なるインピーダンスは、試験フェーズの間にのみ高い電圧に曝され、通常動作の間には曝されることがないからである。これについては、以下において更に説明される。
【0034】
更なるインピーダンスは、バリスタ5の第二の接続部8とサージ・アレスタ1のアース接続部18との間に、電気的に配置される。例として、アース接続部18は、カプセル3により形成される。
【0035】
次に、以下のテキストにおいて、どのようにして、図1の中に示されたタイプのサージ・アレスタ1を有する回路装置2で、過電圧試験が実施されることが可能であるかについて説明される。同一の方法は、本質的に、サージ・アレスタ1の更なる実施形態のために使用されることも可能であり、それについては、以下において更に説明される。
【0036】
過電圧試験を実施するために、実際の試験フェーズの前に、アース・ライン10が先ず最初に遮断される。図1の中に示されている代表的な実施形態において、これは、金属ピン13を十分に外側に引き出すことにより行われ、それによって、金属ピン13が、導電体セクション12との接触を断って、導電体セクション12から十分遠くに移動され、それによってスイッチング装置11が、そのとき生じている電圧に対して、フラッシュオーバー無しで、アース・ライン10を遮断することになる。
【0037】
実際の試験フェーズは、その後で行われる。この試験フェーズにおいて、試験電圧が、回路装置2の生きている部分の少なくとも一部に加えられ、この試験電圧は、その公称電圧よりも高い。もし、例えば、公称電圧が相対相で420kV、または、相対アースで242kVとすると、その場合には、相対アースで515kVの試験電圧が加えられる。
【0038】
この515kVの試験電圧は、本質的に、バリスタ5の最大の連続的な電圧(例えば、317kV)をかなり上回ることになる。しかしながら、ここで、アース・ライン10が遮断されているので、バリスタ5及び更なるインピーダンス17が、電圧デバイダを形成し、その結果として、試験電圧の一部のみが、バリスタ5を挟んで低下する。特に、この場合には、更なるインピーダンス17は、試験電圧が加えられたときに、バリスタ5を挟む電圧低下が、試験期間の間にバリスタ5に加えられる最大の許容可能な電圧を超えることが無いような大きさである。上記の数値の例において、それ故に、少なくとも198kVが、更なるインピーダンス17を挟んで低下されなければならないことになり、即ち、更なるインピーダンス17は、過剰に低いインピーダンス値を有していてはならない。
【0039】
他方、更なるインピーダンスのインピーダンス値17は、過度に大きい値であるべきでもなく、その理由は、もしそうでない場合には、第二の接続部8とアースとの間での電圧低下が高過ぎる値になって、放電が、サージ・アレスタの下部において、例えば、スイッチング装置11を挟んで、生ずることになるからである。
【0040】
試験フェーズの最後に、試験電圧が、そのとき、回路装置2から取り外される。試験フェーズの後で、金属ピン13を挿入して、スイッチング装置11を閉じることにより、アース・ライン10の遮断が再び解除されることが可能である。回路装置2の通常動作が、そのとき、開始することが可能である。この場合には、更なるインピーダンスが、スイッチング装置11及びアース・ライン10を介して、実質的に短絡されるので、生ずるであろう過電圧は、その全体として、バリスタ5を挟んで存在していて、これに対して、更なるインピーダンス17(より弱いデザインである)には、負荷が掛からない。
【0041】
図2は、サージ・アレスタ1の第二の実施形態を示している。この実施形態は、下側の部分のデザインに関して、図1の中に示された実施形態と異なっていて、特に、更なるインピーダンス17の配置及びアース・ライン10の配置に関して、並びに、スイッチング装置11に関して異なっている。
【0042】
先ず第一に、図1とは異なり、更なるインピーダンス17は、第二の接続部8に及びバリスタ5の下端部にに直接的に接続され、バリスタ5とカプセル3の接地されたアースベースとの間に伸びている。
【0043】
それに加えて、金属ピン13は、直接的にまたはシンプルな接触機構19を介して、第二の接続部8と接触し、その結果として、スイッチング装置11が、第二の接続部8と金属ピン13との間に形成される。再び、金属ピン13は、カプセル3の中の、気密で、電気的に絶縁性のブッシング14の中で、それが長手方向に移動されることが可能であるように保持され、その結果として、それが、スイッチング装置11を開くために、カプセルから部分的に引き出されることが可能である。
【0044】
絶縁支持ボディ20は、金属ピン13の周りに配置され、バリスタ5の下端部をカプセル3のベースに接続する。
【0045】
図2の中に示された実施形態による運転の方法は、本質的に、図1の中に示された方法に対応している。試験フェーズの間、金属ピン13は、それ故に、カプセル3から部分的に引き出され、その結果として、アース・ライン10が遮断される。更なるインピーダンス17は、ここで、バリスタ5を挟む電圧を低下させ、試験電圧が加えられることが可能である。
【0046】
図3の中に示された実施形態において、更なるインピーダンス17は、カプセル3の外側に配置される。この更なるインピーダンスは、更なるモジュール21の中に組み込まれ、この更なるモジュールは、過電圧試験の間にのみ必要とされる。通常動作の間、この更なるモジュール21は、接地要素28により置き換えられる。
【0047】
試験フェーズの間、フラッシュオーバー無しで、電圧が第二の接続部8から外部に引き出されることを可能にするために、高電圧ブッシング22が、カプセル3の中に、特にそのベースの中に、設けられ、この高電圧ブッシング22の中を通って、導電体23が、第二の接続部8からアース接続部18まで伸び、そして、この高電圧ブッシングが、カプセル3の外側で外側のコーンを形成する。図1及び2の中の実施形態の中に示されているブッシング14とは異なり、高電圧ブッシング22は、試験フェーズの間、第二の接続部8で電圧に耐えることが可能でなければならない。他方、導電体23は、高電圧ブッシング23の中に固定されて保持されることが可能であり、図1または2の中に示されている実施形態の中のブッシング14の中の金属ピン13の場合のように、移動されまたは変位される能力は、必要とされない。それに加えて、内側領域4が最小に維持されることが可能である。
【0048】
更なるモジュール21は、様々なやり方でデザインされても良く、図3においては、例として、金属製のキャップ24を有している。キャップ24の上のフランジ25は、試験フェーズの間、図に示されていない取り付け手段を介して、カプセル3のベースに接続されることが可能である。更なるインピーダンス17を保持するためのスペースが、キャップの中に設けられ、正確には、更なるモジュール21が組み立てられたときに、更なるインピーダンス17が、キャップ24とアース接続部18との間に伸びるように、キャップの中に設けられる。更なるインピーダンス17とアース接続部18との間の良好な接触を確保するために、適切なバネ式の接触要素26が設けられることが可能である。
【0049】
更なるインピーダンス17とキャップ24との間のサイドにあるスペースは、好ましくは、絶縁手段27で満たされる。これは、シリコーンまたはゲルであっても良い。不活性ガス(例えばSF6)で満たされた絶縁を使用することも、実現可能である。
【0050】
接地要素28は、本質的に、金属プレート29により形成され、この金属プレートは、更なるモジュール21の代わりに、サージ・アレスタ1に装着されることが可能である。接地要素28の形状は、以下のように選択される。即ち、この接地要素が装着された後に、この接地要素が、アース接続部18に接続されて、その上を覆い、次に、それをアースに接続し、例えば、オプションとしてまた、ブッシング31及び測定装置15を介して、またはカプセル3を介して、それをアースに接続する。
【0051】
図3の中に示されている実施形態において、接地要素28及び更なるインピーダンス17は、それ故に、アース接続部18に、択一的に接続されることが可能である。
【0052】
試験フェーズの前に、接地要素28は、サージ・アレスタ1から取り外され、更なるモジュール21により置き換えられ、それによって、試験電圧が加えられたとき、先に記載された電圧デバイダ(バリスタ5及び更なるインピーダンス17からなる)が、アースに作り出され、更なるインピーダンス17が、電圧の一部を受け入れることが可能であるようになる。試験フェーズの後で、更なるモジュール21が取り外され、そして、例えば、製造者に戻されることが可能である。その理由は、それが、通常動作の間には、必要ではないからである。更なるモジュール21の代わりに、接地要素28が装着され、それにより、導電体23と共に、第二の接続部からアースまでの電気的な接続を形成する。
【0053】
それ故に、図3の中に示されている実施形態において、アース・ラインは、導電体23及び接地要素28により形成される。このアース・ラインは、接地要素28を取り外すことにより遮断されることが可能である。その結果として、接地要素28は、機械的なスイッチング装置と呼ばれることも可能であり、このスイッチング装置により、アース・ラインが遮断されることが可能である。
【0054】
図4は、図3の中に示されている実施形態の代替形態を示していて、この代替形態において、バリスタ5の方へ向かう凹み32(内側のコーンの形態の)が、サージ・アレスタ1の下面に形成され、この凹み32の中に、更なるモジュール21または接地要素28が挿入されることが可能である。凹み32の代わりに、外側に突出する外側の輪郭を設けることも可能であり、この外側の輪郭は、例えば外側のコーンの形態であって、この外側の輪郭の上に、更なるモジュール21が置かれる。
【0055】
この場合には、更なるモジュール21は、凹み32の中に嵌り込むタブ33を有していて、接地要素28は、同様に凹み32の中に嵌り込むタブ34を有している。タブ33または34は、それぞれ、絶縁体35または36により形成されている。絶縁体35または36は、オプションとして、カプセル3の外側領域内で遮蔽されることが可能である。
【0056】
更なるインピーダンス17への導電体38は、更なるモジュール21の絶縁体35の中を通って伸びている。アース接続部18への導電体39は、接地要素28の絶縁体36の中を通って伸びている。
【0057】
図4の中に示されている実施形態において、導電体38は、真っ直ぐであるとして示され、絶縁体36は、回転対称であるとして示され、即ち、更なるモジュール21は、真っ直ぐな形状を有している。しかしながら、要求に応じて、更なるモジュール21は、例えばL字形で、タブ33に対して90°曲げられたボディを有するものであっても良く、あるいは、更なるモジュール21は、ケーブルのフレキシブルな部品であっても良く、または、そのようなケーブルのフレキシブルな部品を含んでいても良い。これはまた、接地要素38にも適用される。
【0058】
図4の中に示されている実施形態において、例えば、既知のタイプのプラグ引き出し導電体が、更なるモジュール21として使用されることが可能である。
【0059】
図5は、図1の中に示されている実施形態の代替形態を示していて、この代替形態において、スイッチング装置11は、ロータリー・スイッチの形態である。この目的のために、動作要素40のためのブッシングが、カプセル3の下面に設けられ、この動作要素40は、それがその長手方向の軸の周りで回転することが可能であるように、気密性の回転ベアリング41の中に保持されている。導電性のピボット・アーム42が、動作要素40の内側の端部に取り付けられ、、第一の端部で、バリスタの第二の接続部8に回転可能に接続され、その第二の端部が、金属ピン13と更なるインピーダンス17との間で、そこにそれぞれ接触するために、前後に向きを変えられることが可能である。図5は、ピボット・アーム42を示していて、このピボット・アームは、金属ピン13と接触する位置にあり、これに対して、このピボット・アームが更なるインピーダンスと接触する位置は、破線により示されている。
【0060】
図5の中に示されている実施形態において、動作要素40は、カプセルの外側から回転されるが、これに対して、図16は、動作要素40がカプセル3を貫通して伸びない変形形態を示している。実際、磁気駆動装置が設けられ、この磁気駆動装置は、カプセル3を通って動作する。この目的のために、永久磁石54が動作要素40の下端部に設けられ、例えば、捩りスプリングの力に抗して、カプセルの外側から、電磁石または永久磁石装置55により回転されることが可能である。磁石装置55の磁場は、例えばアルミニウム製の、カプセル3を通って作用する。
【0061】
対応する永久磁石または電磁石の装置が、直線の動きまたは傾動動きをもたらすために使用されても良い。
【0062】
電磁石装置55は、カプセル3の中に配置されることも可能である。
【0063】
図6の中に示されているように、動作要素40が金属ピン13により形成されても良い。この場合には、回転ベアリング41は、金属ピン13の周りに配置されることが可能である。
【0064】
図7の中に示された実施形態において、ピボット・アーム42が傾動アーム43により置き換えられていて、この傾動アームは、金属ピン13の長手方向の動きにより傾けられることが可能である。例として、この傾動アームは、第一の端部44で金属ピン13の上端部に、関節状のやり方で接続され、そして、傾動ベアリング45の中でその中心に保持され、それによって、その第二の端部46がバリスタ5の第二の接続部8と接触する状態にされ、また、金属ピン13の長手方向の動きにより、そこから切り離されることが可能であるようになっている。
【0065】
更なる変形形態が、図8の中に示されている。これは、図1の中に示されている実施形態とは、金属ピン13がカプセル3により側面でガイドされている点で、異なっている。
【0066】
図9は、本発明に基づく組み込まれたサージ・アレスタを備えた、高電圧ブッシング48の形態の、デバイスの中を通る断面を、概略的に示している。この場合には、高電圧導電体47が“回路装置”2に対応している。例として、バリスタ5が、高電圧導電体47の周りで円筒状の形状の中に配置されている。バリスタ5の第一の接続部7は、環状ディスクを形成し、この環状ディスクは、高電圧導電体47まで径方向内側で伸びる。第二の接続部8は、同様に、環状ディスクにより形成され、この環状ディスクは、通常動作の間、第一のライン10を介してアースに接続されている(図9の中で破線により示され)。例として、更なるインピーダンス17もまた、高電圧導電体47の周りで円筒状の形状の中に配置され、その高電圧側で第二の接続部8に接続され、そのアース側でアースに接続されている。
【0067】
先に述べたように、通常動作の間、第二の接続部8は、第一のライン10を介してアースに接続されている。試験運転の間、第一のライン10は、例えばスイッチを介して、または完全に取り外されることにより、遮断される。
【0068】
図10及び11は、高電圧ブッシングの第二の実施形態を示している。これは、再び、本質的に円筒形であって、そのために、半分のみが図の中に示されている。
【0069】
図9の中に示された実施形態と比較して、更なるインピーダンス17は、ここでは、径方向に配置され、ハウジング3は、隔離間隙56を含んでいる。これらの図の中に示されているように、この隔離間隙は、第二の接続部8とアースとの間に、接地ライン10の代替形態として、好ましくは導入される。
【0070】
図12及び13は、高電圧ブッシングの第三の実施形態を示している。
【0071】
先に記載された実施形態と比較して、更なるインピーダンス17は、この場合には、試験運転の間、バリスタ5の第一の接続部7と高電圧との間に配置される。原則として、この装置は、ブッシングためのみではなく、他の全ての装置のためにも適切である。
【0072】
図12及び13の中に示されている実施形態において、更なるインピーダンス17は、図3の中に示されている実施形態の中と同様なやり方で、更なるモジュール21の中に収容され、試験運転の間のみに必要になる。絶縁ブッシング52は、例えば外側のコーンの形態である。通常動作の間、更なるモジュール21は省略され、図3の中に示された実施形態の中の接地要素28と同様なやり方で、ブリッジング要素48が、その代わりに使用される。
【0073】
図12及び13の中に示されている実施形態において、バリスタ5の第二の接続部8は、恒久的にアースにある。通常動作の間、第一の接続部7は、ブリッジング要素48を介して高6電圧に接続され、このブリッジング要素が第一のライン30を形成する。このブリッジング要素48は、この実施形態の中で、高電圧ブッシングに対するキャップ状のアタッチメントの形態であって、外側のラインの接続部のための機械的な接続部49を形成する。
【0074】
ここに示された実施形態において、ブリッジング要素48は、試験フェーズの間、更なるモジュール21により置き換えられ、即ち、第一のライン30が遮断される。第一の接続部7は、それにより、更なるインピーダンス17を介して、高電圧にある。この目的のために、更なるモジュール21は、更なるインピーダンス17が第一の接続部7に接触するように、且つ、その反対側で、径方向の接触リング50及び軸方向の接触バー51を介して、高電圧ライン47に接続されるように、デザインされる。更なるモジュール21は、外側のラインの接続部のための機械的な接続部49を形成する。
【0075】
図9−13の中に示されている実施形態において、バリスタ5と高電圧導電体47との間のスペースは、不活性ガスでまたは保護液体で満たされることが可能であり、または、絶縁性の中実のボディが、このポイントに設けられることが可能である。ガスで満たされまたは液体で満たされた中間スペースを使用するとき、電気的に絶縁性のブッシング52が、機械的な頑丈さのため及び密封のために設けられる(例えば、図12,13を参照方)。
【0076】
図14及び15は、過電圧保護機能を備えた更なる高電圧デバイス53を示している。このデバイスは、例えばトランスであっても良い。
【0077】
バリスタ5が、過電圧保護として知られたやり方で設けられることが可能である。通常動作の間(図15)、バリスタ5の第一の接続部7は、高電圧にある回路装置2に第一のライン30を介して接続され、且つ、第二の接続部8が、第二のライン10を介してアースに接続される。
【0078】
図15の中に示されている実施形態において、第二のライン10は、図4の中に示されている実施形態の中と同様なやり方で、接地要素28の中を通過し、この接地要素28は、デバイスのカプセル3の中の凹みの中に挿入される。第二のライン10は、接地要素28を取り外すことにより遮断されることが可能である。
【0079】
図14の中に示されているように、試験フェーズの間、接地要素28は、更なるモジュール21により置き換えられ、この更なるモジュールは、図4の中に示されたものとほぼ同一のやり方でデザインされ、更なるインピーダンス17を含んでいる。
【0080】
ここで留意すべきことは、以上の図の中に示された実施形態は、様々な異なるやり方で、変形することも可能であると言うことである。
【0081】
例えば、図2の中に示されている実施形態において、更なるインピーダンス17の直径は、バリスタ5の直径に対応しても良く、この場合には、第二の接続部は、バリスタ上で、側面で内側にネジ切りされることが可能であり、このバリスタは、そのとき、実際にはより長くなる。このサイド・タップは、その場合、例えば図1の中に示されたやり方で、金属ピン13と接触しても良い。
【0082】
更にまた、ここで留意すべきことは、本発明は、ガス絶縁され、液体絶縁され、または固体絶縁されたコンポーネントと共に使用されることが、明らかに、大いに好ましいことである。その理由は、試験の間、操作が必要とされず、また、そのような操作は、不活性ガスまたは保護液体の取り出しを必要とすることになるからである。しかしながら、上記の多数の例を参照しながら示されているように、本発明は、ガス、液体または固体絶縁の無いコンポーネントのための使用されることも可能である。
【0083】
本発明は、特に、好ましくは、アース側に、図4の中に示されたタイプのプラグ接続部を有するプラグ引き出し導電体に対して、使用されることも可能である。高電圧サイドで、プラグ引き出し導電体は、タブ(タブ33または34に対応している)を形成し、高電圧にあるデバイスの中の凹みの中に挿入される。
【0084】
もし、機械的なスイッチング装置が設けられる場合には、電磁石装置55を使用することが好ましく、それは、例えば、図16の中に示されたタイプの電磁石装置である。スイッチング装置の運転のための電磁石装置(スイッチング装置の全ての実施形態に対して使用されることが可能である)の使用は、カプセル3の中を通って機械的に可動なブッシングが必要とされないと言う優位性を有している。
【0085】
更にまた、スイッチング装置の機械的な運転のために、カプセルの中に可動ベロウズを設けることも、実現可能であり、このベロウズを介して操作が実施されることが可能である。このソリューションはまた、完全に気密性のやり方で実現されることが可能である。
【0086】
好ましい本発明の実施形態が、この出願において説明されたが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、以下の請求項の範囲の中で、様々なやり方で実現されることも可能であると言うことに、明確に留意すべきである。
【符号の説明】
【0087】
1・・・サージ・アレスタ、2・・・回路装置、3・・・カプセル、4・・・内側領域、5・・・バリスタ、6・・・個々のボディ、7,8・・・第一及び第二の接続部、9・・・ブッシング、10・・・第二のライン(アース・ライン)、11・・・スイッチング装置、12・・・導電体セクション、13・・・金属ピン、14・・・ブッシング、15・・・測定装置、16・・・絶縁ボディ、17・・・更なるインピーダンス、18・・・アース接続部、19・・・接触機構、20・・・支持ボディ、21・・・更なるモジュール、22・・・高電圧ブッシング、23・・・導電体、24・・・キャップ、25・・・フランジ、26・・・接触要素、27・・・絶縁手段、28・・・接地要素、29・・・金属プレート、30・・・第一のライン、31・・・ブッシング、32・・・凹み、33,34・・・タブ、35,36・・・絶縁体、38,39・・・導電体、40・・・動作要素、41・・・回転ベアリング、42・・・ピボット・アーム、43・・・傾動アーム、44・・・傾動アームの第一の端部、45・・・傾動ベアリング、46・・・傾動アームの第二の端部、47・・・高電圧導電体、48・・・ブリッジング要素、49・・・接続部、50・・・接触リング、51・・・接触バー、52・・・ブッシング、53・・・高電圧デバイス、54・・・永久磁石、55・・・磁石装置、56・・・隔離間隙。
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つのサージ・アレスタが接続された回路装置の中で、過電圧試験を実施するための方法に係る。本発明は、更にまた、この方法を実施するための過電圧保護機能を備えたデバイスに係る。
【背景技術】
【0002】
高電圧システムにおいて、許容されない過電圧をアースにを放散するために、サージ・アレスタが使用されている。典型的に、そのようなサージ・アレスタは、バリスタを有していて、このバリスタは、比較的低い電圧で高いインピーダンスを有しているが、許容されない過電圧で導通し始め、それにより、過電圧を制限することができる。
【0003】
高電圧システムを試験するために、試験フェーズの間に、試験電圧が当該システムに接続され、当該システムがこの電圧に耐えることが可能であるかどうか決定するために、チェックが実施される。この場合において、高電圧システムに接続されているサージ・アレスタが試験電圧に応答しない状態を確保するため、注意が払われなければならない。その理由は、もしそうでない場合には、サージア・アレスタが、試験電圧を制限することがあり、あるいは、試験電圧により損傷されることがあるからである。それ故に、サージ・アレスタは、試験フェーズの間、通常、取り外される。
【0004】
特に、ガス絶縁された継手の場合には、その中に高電圧システム及び前記サージ・アレスタがガスで絶縁されているので、過電圧試験を実施するための、前記サージ・アレスタの取り外しは、しかしながら、極めて複雑な作業になる。
【発明の概要】
【0005】
それ故に、本発明の目的は、最初に挙げたタイプの方法及びデバイスを提供することであり、それらは、過電圧試験がより容易に実施されることを可能にする。
【0006】
この目的は、独立クレームの中に規定された方法及びデバイスにより実現される。
【0007】
従って、本発明は、少なくとも一つのサージ・アレスタが接続された回路装置の中で、過電圧試験を実施するための方法に係る。このサージ・アレスタは、バリスタを有していて、このバリスタは、第一の接続部で、第一のラインを介して高電位に接続され、第二の接続部で、第二のラインを介してアースに接続されることが可能である。試験フェーズの間、試験電圧が前記回路装置に加えられる。バリスタが試験電圧に応答することをを防止するために、この場合に、以下のステップが実施される:
− 試験フェーズの前に、第一のラインまたは第二のラインが遮断される;
− 試験フェーズの間、第一のラインまたは第二のラインのどちらが最初に遮断されたかに依存して、以下のステップの内の一つが採用される。
【0008】
a) もし、第二のライン(アース側の)が最初に遮断された場合には、第一の接続部は、前記回路装置に接続された状態で留まり、これに対して、第二の接続部は、更なるインピーダンスを介してアースに接続される。
【0009】
b) もし、第一のライン(高電圧側の)が最初に遮断された場合には、第二の接続部は、アースに接続された状態で留まり、これに対して、第一の接続部は、前記更なるインピーダンスを介して、前記回路装置に、即ち高電圧に、接続される。
【0010】
両方の場合に、前記更なるインピーダンスは、遮断されたラインより高いインピーダンスを有している。
【0011】
− 試験フェーズの後で、第一のラインおよび/または第二のラインの遮断が再び解除される、その結果として、前記サージ・アレスタは、その通常の保護機能を再開する。
【0012】
前記更なるインピーダンスの目的は、この場合において、前記サージ・アレスタが応答しない試験フェーズの間、バリスタと共に、十分に高いインピーダンスを作り出すことにあり、もしそうでなければ、サージ・アレスタに過負荷が掛かる可能性があり、または、試験電圧の制限をもたらす可能性がある。しかしながら、既知のソリューションとは異なり、バリスタを高電圧から完全に切り離す必要は無い。
【0013】
第二のライン(アース側の)は、好ましくは遮断され、そして、前記更なるインピーダンスは、第二の接続部とアースとの間に、好ましくは配置される。この場合に、前記更なるインピーダンスは、試験フェーズの間、アース側のバリスタの第二の接続部で、試験電圧と比較して電位を減少させることを可能にし、このようにして、この領域におけるフラッシュオーバーを防止する。
【0014】
本発明によれば、前記デバイスは、以下のコンポーネントを有している:
− バリスタが、既知のやり方で過電圧を放散するために使用され、即ち、そのインピーダンスが限界電圧より上で急激に減少する。このバリスタは、第一の接続部を有していて、この第一の接続を介して高電位に接続され、それとともに、それをアースに接続するために、第二の接続部を有している;
− 第一のラインが、第一の接続部を高電位に接続するために設けられる;
− 第二のラインが、第二の接続部をアースに、即ちアース電位に、接続するために、設けられる;
− 更にまた、更なるインピーダンスが設けられ、この更なるインピーダンスは、第一のラインまたは第二のラインより高いインピーダンスを有していて、且つ、第一の接続部と高電圧との間に、または、第二の接続部とアースとの間に、配置されることが可能である。前記更なるインピーダンスは、試験フェーズの間、先に記載されたやり方で、前記サージ・アレスタのインピーダンスを増大させる。
【0015】
このタイプのデバイスは、例えば、サージ・アレスタ、または、このようなサージ・アレスタを含む機器は、例えば、過電圧保護機能を備えたブッシングであっても良い。
【0016】
機械的なスイッチング装置が、好ましくは設けられる。これは、試験フェーズの間、シンプルなやり方で、第一のラインまたは第二のラインを遮断することを可能にする。
【0017】
第二の接続部とアースとの間に、前記更なるインピーダンスを配置することが好ましく、このとき、このスイッチング装置が、第二のラインが遮断されることを可能にする。換言すれば、この実施形態において、前記更なるインピーダンスは、それ故に、アース側でバリスタに対して直列に挿入され、これは、比較的容易に行われることが可能である。しかしながら、バリスタの高電圧側に配置することもまた、可能であって、この場合には、前記スイッチング装置は、第一のラインを遮断することが可能である。更にまた、アース側に更なるインピーダンスを、また高電圧側にもう一つの更なるインピーダンスを配置することもまた実現可能であって、この場合には、前記スイッチング装置は、第一のライン及び第二のラインを遮断することが可能である。
【0018】
前記更なるインピーダンスの大きさは、好ましくは、試験電圧がバリスタの最大の電圧より高いときであっても、試験フェーズの間、バリスタを挟む電圧低下が、定められた試験期間の間、最大の許容可能なバリスタ電圧を超えることが無いような値である。これは、バリスタが電流を過剰に引き出すことが無いと言う状態を確保することを可能にする。
【0019】
一つの好ましい実施形態において、前記更なるインピーダンス、及び、好ましくは、前記スイッチング装置もまた、前記カプセルの中に配置される。これは、耐電圧ブッシングを省略することを可能にし、そして更にまた、前記更なるインピーダンスの領域において、前記カプセルの中に収容された不活性ガスが、フラッシュオーバーを防止することも可能である。
【0020】
その代わりに、前記更なるインピーダンスが、前記カプセルの外側に配置されることも可能である。この場合には、アース接続部を有することが好ましく、このアース接続は、バリスタの第二の接続部(アース側の)に接続され、且つ、前記カプセル上で、絶縁ブッシングを通って伸びている。前記カプセルの外側に、前記更なるインピーダンスを装置することは、より容易なアクセスの可能性をもたらす。更にまた、この場合には、試験フェーズの後で、前記更なるインピーダンスが最早必要とされないときに、前記更なるインピーダンスを容易に取り外すことが可能である。
【0021】
この場合には、ガス絶縁されたデバイスに対して、“カプセル”とは、絶縁ガスの周りを取り囲む気密性のカプセルを意味している。そうでない場合には、カプセルと言う用語は、前記デバイスのハウジングまたは外側の表面を意味している。しかしながら、本発明は、液体絶縁されまたは固体絶縁された部品のために使用されることも可能である。
【0022】
“機械的なスイッチング装置”と言う用語は、この文脈において、それが、実際のスイッチ並びに切り離し機構の両方の機能を有していると言うことを意味していて、この切り離し機構は、例えば、以下において記載される、図3の中に示されているような実施形態の意味において、前記サージ・アレスタのパーツを装着することにより、および/または、それらを取り外すことにより、第一のラインおよび/または第二のラインを遮断することを可能にする。
【0023】
本発明は、特に好ましくは、ガス絶縁され、液体絶縁され、または固体絶縁されたサージ・アレスタを備えた、ガス絶縁され、液体絶縁され、または固体絶縁された回路装置に適用されることが可能であり、その理由は、この場合には、試験フェーズの間にサージ・アレスタを取り外すことが、特に複雑になるからである。しかしながら、本発明に基づく原理は、ガス絶縁され、液体絶縁されまたは固体絶縁されていない、他のサージ・アレスタに対して、また、回路装置に対しても、同一の意味において、適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、サージ・アレスタの第一の実施形態を示している。
【図2】図2は、サージ・アレスタの第二の実施形態を示している。
【図3】図3は、サージ・アレスタの第三の実施形態を示している。
【図4】図4は、サージ・アレスタの第四の実施形態を示している。
【図5】図5は、ロータリー・スイッチを備えたサージ・アレスタの第五の実施形態を示している。
【図6】図6は、ロータリー・スイッチを備えたサージ・アレスタの第六の実施形態を示している。
【図7】図7は、ロッカスイッチを備えたサージ・アレスタの第七の実施形態を示している。
【図8】図8は、横方向の金属ピンを備えたサージ・アレスタの第八の実施形態を示している。
【図9】図9は、高電圧ブッシングの中のサージ・アレスタの第一の実施形態を示している。
【図10】図10は、通常動作の間の、高電圧ブッシングの中のサージ・アレスタの第二の実施形態を示している。
【図11】図11は、試験運転の間の、図10の中に示された実施形態を示している。
【図12】図12は、通常動作の間の、高電圧ブッシングの中の、サージ・アレスタの第三の実施形態を示している。
【図13】図13は、試験運転の間の、図12の中に示された実施形態を示している。
【図14】図14は、組み込まれたサージ・アレスタを備えた高電圧デバイスを示している。
【図15】図15は、通常動作の間の、図14の中に示されたデバイスを示している。
【図16】図16は、図5に関係する詳細な変形形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明の、更なる改善、優位性及び適用が、図面を参照しながらの、従属請求項及び以下の説明から明らかになる。
【0026】
図1は、ガス絶縁されたサージ・アレスタ1を示していて、このサージ・アレスタは、破線で示されているように、同様にガス絶縁された回路装置2に接続されている。この回路装置2は、高電圧を運ぶ装置、例えば、ガス絶縁型スイッチ、トランス、またはその他の機器であっても良い。スイッチング装置2は、DC電圧、AC電圧、またはそれらが重複されたもの、及び他の電圧の形態のために、デザインされていても良い。
【0027】
サージ・アレスタ1は、金属製の気密性のカプセル3を有していて、その内側領域4は、加圧された不活性ガスで、例えばSF6で、満たされている。バリスタ5がカプセル3の中に配置されている。このバリスタは、一つまたはそれ以上の個々のボディ6から構成されいて、電圧依存性のインピーダンスを形成し、例えば、金属酸化物系であり、特に適切なものはドープされたZnOである。個々のボディ6は、既知のやり方で機械的に及び電気的に互いに接続されている。
【0028】
バリスタ5は、高電圧側に第一の接続部7を有し、アース側に第二の接続部8を有している。第一の接続部7は、絶縁ブッシング9の中を通って、第一のライン30を介して回路装置2に接続されている。第二の接続部8は、第二のライン10(以下のテキストにおいてアース・ラインとも呼ばれている)及び機械的に動作可能なスイッチング装置11を介して、アースに、即ちアース電位に、接続されている。
【0029】
示された実施形態において、アース・ライン10は、金属製の導電体セクション12、並びに金属ピン13を有している。金属ピン13は、それが、気密状態の電気的に絶縁性のブッシング14の中で、長手方向に移動されることが可能であるように、構成されている。その外側の端部は、オプションの測定装置15を介して、アースに接続されている。
【0030】
導電体セクション12及び金属ピン13は、スイッチング装置11の中で、共にスイッチを形成していて、このスイッチは、カプセル3の中に配置され、このスイッチによりアース・ライン10が遮断されることが可能である。金属ピン13が図1の中に示された位置にあるとき、アース・ライン10は、遮断されない。しかしながら、もし、金属ピンが、導電体セクション12との接触を断つように、部分的に引き込まれた場合には、アース・ライン10が遮断される。
【0031】
金属ピン13及び導電体セクション12により形成されるスイッチは、それ故に、カプセル3を通って操作されることが可能であり、それによって、カプセル3を開ける必要無しに、アース・ライン10が遮断されることが可能であるようになる。しかしながら、このスイッチは、異なるやり方で構成されても良い。例えば、異なるタイプの可動要素が設けられても良く、この可動要素は、カプセルの中のブッシングを通って伸び、且つその中に移動可能に保持され、この可動要素により、スイッチが操作されされることが可能である。この可動要素は、図1の中の実施形態の中に示されているように、同時に、アース・ライン10の一部を形成しても良いが、それは、絶縁要素であっても良く、この絶縁要素は、それ自身で、アース・ライン10の一部を形成しない。スイッチ11の更なる改良が、他の代表的な実施形態を参照しながら、以下において更に説明される。
【0032】
図1がまた示しているように、この実施形態において、電気的に絶縁性のボディ16が、バリスタ5の第二の接続部8とカプセル3との間に、更に設けられ、この電気的に絶縁性のボディ16の上に、導電体セクション12及びバリスタ5が機械的に支持されている。
【0033】
更にまた、更なるインピーダンス17が第二の接続部8に接続されている。この更なるインピーダンス17は、抵抗または容量、またはそれらの混合物の形態である。換言すれば、更なるインピーダンスのインピーダンス値は、それ故に、容量性のおよび/または抵抗性の値である。このインピーダンス値は、好ましくは、電圧が増大するのに伴い減少する。例として、更なるインピーダンス17は、バリスタ5と同一の材料、または同様な材料から作られても良い。しかしながら、前記更なるインピーダンスは、バリスタ5と比べて低い電圧及び電流レベルに対してのみ、デザインされる必要があり、その理由は、更なるインピーダンスは、試験フェーズの間にのみ高い電圧に曝され、通常動作の間には曝されることがないからである。これについては、以下において更に説明される。
【0034】
更なるインピーダンスは、バリスタ5の第二の接続部8とサージ・アレスタ1のアース接続部18との間に、電気的に配置される。例として、アース接続部18は、カプセル3により形成される。
【0035】
次に、以下のテキストにおいて、どのようにして、図1の中に示されたタイプのサージ・アレスタ1を有する回路装置2で、過電圧試験が実施されることが可能であるかについて説明される。同一の方法は、本質的に、サージ・アレスタ1の更なる実施形態のために使用されることも可能であり、それについては、以下において更に説明される。
【0036】
過電圧試験を実施するために、実際の試験フェーズの前に、アース・ライン10が先ず最初に遮断される。図1の中に示されている代表的な実施形態において、これは、金属ピン13を十分に外側に引き出すことにより行われ、それによって、金属ピン13が、導電体セクション12との接触を断って、導電体セクション12から十分遠くに移動され、それによってスイッチング装置11が、そのとき生じている電圧に対して、フラッシュオーバー無しで、アース・ライン10を遮断することになる。
【0037】
実際の試験フェーズは、その後で行われる。この試験フェーズにおいて、試験電圧が、回路装置2の生きている部分の少なくとも一部に加えられ、この試験電圧は、その公称電圧よりも高い。もし、例えば、公称電圧が相対相で420kV、または、相対アースで242kVとすると、その場合には、相対アースで515kVの試験電圧が加えられる。
【0038】
この515kVの試験電圧は、本質的に、バリスタ5の最大の連続的な電圧(例えば、317kV)をかなり上回ることになる。しかしながら、ここで、アース・ライン10が遮断されているので、バリスタ5及び更なるインピーダンス17が、電圧デバイダを形成し、その結果として、試験電圧の一部のみが、バリスタ5を挟んで低下する。特に、この場合には、更なるインピーダンス17は、試験電圧が加えられたときに、バリスタ5を挟む電圧低下が、試験期間の間にバリスタ5に加えられる最大の許容可能な電圧を超えることが無いような大きさである。上記の数値の例において、それ故に、少なくとも198kVが、更なるインピーダンス17を挟んで低下されなければならないことになり、即ち、更なるインピーダンス17は、過剰に低いインピーダンス値を有していてはならない。
【0039】
他方、更なるインピーダンスのインピーダンス値17は、過度に大きい値であるべきでもなく、その理由は、もしそうでない場合には、第二の接続部8とアースとの間での電圧低下が高過ぎる値になって、放電が、サージ・アレスタの下部において、例えば、スイッチング装置11を挟んで、生ずることになるからである。
【0040】
試験フェーズの最後に、試験電圧が、そのとき、回路装置2から取り外される。試験フェーズの後で、金属ピン13を挿入して、スイッチング装置11を閉じることにより、アース・ライン10の遮断が再び解除されることが可能である。回路装置2の通常動作が、そのとき、開始することが可能である。この場合には、更なるインピーダンスが、スイッチング装置11及びアース・ライン10を介して、実質的に短絡されるので、生ずるであろう過電圧は、その全体として、バリスタ5を挟んで存在していて、これに対して、更なるインピーダンス17(より弱いデザインである)には、負荷が掛からない。
【0041】
図2は、サージ・アレスタ1の第二の実施形態を示している。この実施形態は、下側の部分のデザインに関して、図1の中に示された実施形態と異なっていて、特に、更なるインピーダンス17の配置及びアース・ライン10の配置に関して、並びに、スイッチング装置11に関して異なっている。
【0042】
先ず第一に、図1とは異なり、更なるインピーダンス17は、第二の接続部8に及びバリスタ5の下端部にに直接的に接続され、バリスタ5とカプセル3の接地されたアースベースとの間に伸びている。
【0043】
それに加えて、金属ピン13は、直接的にまたはシンプルな接触機構19を介して、第二の接続部8と接触し、その結果として、スイッチング装置11が、第二の接続部8と金属ピン13との間に形成される。再び、金属ピン13は、カプセル3の中の、気密で、電気的に絶縁性のブッシング14の中で、それが長手方向に移動されることが可能であるように保持され、その結果として、それが、スイッチング装置11を開くために、カプセルから部分的に引き出されることが可能である。
【0044】
絶縁支持ボディ20は、金属ピン13の周りに配置され、バリスタ5の下端部をカプセル3のベースに接続する。
【0045】
図2の中に示された実施形態による運転の方法は、本質的に、図1の中に示された方法に対応している。試験フェーズの間、金属ピン13は、それ故に、カプセル3から部分的に引き出され、その結果として、アース・ライン10が遮断される。更なるインピーダンス17は、ここで、バリスタ5を挟む電圧を低下させ、試験電圧が加えられることが可能である。
【0046】
図3の中に示された実施形態において、更なるインピーダンス17は、カプセル3の外側に配置される。この更なるインピーダンスは、更なるモジュール21の中に組み込まれ、この更なるモジュールは、過電圧試験の間にのみ必要とされる。通常動作の間、この更なるモジュール21は、接地要素28により置き換えられる。
【0047】
試験フェーズの間、フラッシュオーバー無しで、電圧が第二の接続部8から外部に引き出されることを可能にするために、高電圧ブッシング22が、カプセル3の中に、特にそのベースの中に、設けられ、この高電圧ブッシング22の中を通って、導電体23が、第二の接続部8からアース接続部18まで伸び、そして、この高電圧ブッシングが、カプセル3の外側で外側のコーンを形成する。図1及び2の中の実施形態の中に示されているブッシング14とは異なり、高電圧ブッシング22は、試験フェーズの間、第二の接続部8で電圧に耐えることが可能でなければならない。他方、導電体23は、高電圧ブッシング23の中に固定されて保持されることが可能であり、図1または2の中に示されている実施形態の中のブッシング14の中の金属ピン13の場合のように、移動されまたは変位される能力は、必要とされない。それに加えて、内側領域4が最小に維持されることが可能である。
【0048】
更なるモジュール21は、様々なやり方でデザインされても良く、図3においては、例として、金属製のキャップ24を有している。キャップ24の上のフランジ25は、試験フェーズの間、図に示されていない取り付け手段を介して、カプセル3のベースに接続されることが可能である。更なるインピーダンス17を保持するためのスペースが、キャップの中に設けられ、正確には、更なるモジュール21が組み立てられたときに、更なるインピーダンス17が、キャップ24とアース接続部18との間に伸びるように、キャップの中に設けられる。更なるインピーダンス17とアース接続部18との間の良好な接触を確保するために、適切なバネ式の接触要素26が設けられることが可能である。
【0049】
更なるインピーダンス17とキャップ24との間のサイドにあるスペースは、好ましくは、絶縁手段27で満たされる。これは、シリコーンまたはゲルであっても良い。不活性ガス(例えばSF6)で満たされた絶縁を使用することも、実現可能である。
【0050】
接地要素28は、本質的に、金属プレート29により形成され、この金属プレートは、更なるモジュール21の代わりに、サージ・アレスタ1に装着されることが可能である。接地要素28の形状は、以下のように選択される。即ち、この接地要素が装着された後に、この接地要素が、アース接続部18に接続されて、その上を覆い、次に、それをアースに接続し、例えば、オプションとしてまた、ブッシング31及び測定装置15を介して、またはカプセル3を介して、それをアースに接続する。
【0051】
図3の中に示されている実施形態において、接地要素28及び更なるインピーダンス17は、それ故に、アース接続部18に、択一的に接続されることが可能である。
【0052】
試験フェーズの前に、接地要素28は、サージ・アレスタ1から取り外され、更なるモジュール21により置き換えられ、それによって、試験電圧が加えられたとき、先に記載された電圧デバイダ(バリスタ5及び更なるインピーダンス17からなる)が、アースに作り出され、更なるインピーダンス17が、電圧の一部を受け入れることが可能であるようになる。試験フェーズの後で、更なるモジュール21が取り外され、そして、例えば、製造者に戻されることが可能である。その理由は、それが、通常動作の間には、必要ではないからである。更なるモジュール21の代わりに、接地要素28が装着され、それにより、導電体23と共に、第二の接続部からアースまでの電気的な接続を形成する。
【0053】
それ故に、図3の中に示されている実施形態において、アース・ラインは、導電体23及び接地要素28により形成される。このアース・ラインは、接地要素28を取り外すことにより遮断されることが可能である。その結果として、接地要素28は、機械的なスイッチング装置と呼ばれることも可能であり、このスイッチング装置により、アース・ラインが遮断されることが可能である。
【0054】
図4は、図3の中に示されている実施形態の代替形態を示していて、この代替形態において、バリスタ5の方へ向かう凹み32(内側のコーンの形態の)が、サージ・アレスタ1の下面に形成され、この凹み32の中に、更なるモジュール21または接地要素28が挿入されることが可能である。凹み32の代わりに、外側に突出する外側の輪郭を設けることも可能であり、この外側の輪郭は、例えば外側のコーンの形態であって、この外側の輪郭の上に、更なるモジュール21が置かれる。
【0055】
この場合には、更なるモジュール21は、凹み32の中に嵌り込むタブ33を有していて、接地要素28は、同様に凹み32の中に嵌り込むタブ34を有している。タブ33または34は、それぞれ、絶縁体35または36により形成されている。絶縁体35または36は、オプションとして、カプセル3の外側領域内で遮蔽されることが可能である。
【0056】
更なるインピーダンス17への導電体38は、更なるモジュール21の絶縁体35の中を通って伸びている。アース接続部18への導電体39は、接地要素28の絶縁体36の中を通って伸びている。
【0057】
図4の中に示されている実施形態において、導電体38は、真っ直ぐであるとして示され、絶縁体36は、回転対称であるとして示され、即ち、更なるモジュール21は、真っ直ぐな形状を有している。しかしながら、要求に応じて、更なるモジュール21は、例えばL字形で、タブ33に対して90°曲げられたボディを有するものであっても良く、あるいは、更なるモジュール21は、ケーブルのフレキシブルな部品であっても良く、または、そのようなケーブルのフレキシブルな部品を含んでいても良い。これはまた、接地要素38にも適用される。
【0058】
図4の中に示されている実施形態において、例えば、既知のタイプのプラグ引き出し導電体が、更なるモジュール21として使用されることが可能である。
【0059】
図5は、図1の中に示されている実施形態の代替形態を示していて、この代替形態において、スイッチング装置11は、ロータリー・スイッチの形態である。この目的のために、動作要素40のためのブッシングが、カプセル3の下面に設けられ、この動作要素40は、それがその長手方向の軸の周りで回転することが可能であるように、気密性の回転ベアリング41の中に保持されている。導電性のピボット・アーム42が、動作要素40の内側の端部に取り付けられ、、第一の端部で、バリスタの第二の接続部8に回転可能に接続され、その第二の端部が、金属ピン13と更なるインピーダンス17との間で、そこにそれぞれ接触するために、前後に向きを変えられることが可能である。図5は、ピボット・アーム42を示していて、このピボット・アームは、金属ピン13と接触する位置にあり、これに対して、このピボット・アームが更なるインピーダンスと接触する位置は、破線により示されている。
【0060】
図5の中に示されている実施形態において、動作要素40は、カプセルの外側から回転されるが、これに対して、図16は、動作要素40がカプセル3を貫通して伸びない変形形態を示している。実際、磁気駆動装置が設けられ、この磁気駆動装置は、カプセル3を通って動作する。この目的のために、永久磁石54が動作要素40の下端部に設けられ、例えば、捩りスプリングの力に抗して、カプセルの外側から、電磁石または永久磁石装置55により回転されることが可能である。磁石装置55の磁場は、例えばアルミニウム製の、カプセル3を通って作用する。
【0061】
対応する永久磁石または電磁石の装置が、直線の動きまたは傾動動きをもたらすために使用されても良い。
【0062】
電磁石装置55は、カプセル3の中に配置されることも可能である。
【0063】
図6の中に示されているように、動作要素40が金属ピン13により形成されても良い。この場合には、回転ベアリング41は、金属ピン13の周りに配置されることが可能である。
【0064】
図7の中に示された実施形態において、ピボット・アーム42が傾動アーム43により置き換えられていて、この傾動アームは、金属ピン13の長手方向の動きにより傾けられることが可能である。例として、この傾動アームは、第一の端部44で金属ピン13の上端部に、関節状のやり方で接続され、そして、傾動ベアリング45の中でその中心に保持され、それによって、その第二の端部46がバリスタ5の第二の接続部8と接触する状態にされ、また、金属ピン13の長手方向の動きにより、そこから切り離されることが可能であるようになっている。
【0065】
更なる変形形態が、図8の中に示されている。これは、図1の中に示されている実施形態とは、金属ピン13がカプセル3により側面でガイドされている点で、異なっている。
【0066】
図9は、本発明に基づく組み込まれたサージ・アレスタを備えた、高電圧ブッシング48の形態の、デバイスの中を通る断面を、概略的に示している。この場合には、高電圧導電体47が“回路装置”2に対応している。例として、バリスタ5が、高電圧導電体47の周りで円筒状の形状の中に配置されている。バリスタ5の第一の接続部7は、環状ディスクを形成し、この環状ディスクは、高電圧導電体47まで径方向内側で伸びる。第二の接続部8は、同様に、環状ディスクにより形成され、この環状ディスクは、通常動作の間、第一のライン10を介してアースに接続されている(図9の中で破線により示され)。例として、更なるインピーダンス17もまた、高電圧導電体47の周りで円筒状の形状の中に配置され、その高電圧側で第二の接続部8に接続され、そのアース側でアースに接続されている。
【0067】
先に述べたように、通常動作の間、第二の接続部8は、第一のライン10を介してアースに接続されている。試験運転の間、第一のライン10は、例えばスイッチを介して、または完全に取り外されることにより、遮断される。
【0068】
図10及び11は、高電圧ブッシングの第二の実施形態を示している。これは、再び、本質的に円筒形であって、そのために、半分のみが図の中に示されている。
【0069】
図9の中に示された実施形態と比較して、更なるインピーダンス17は、ここでは、径方向に配置され、ハウジング3は、隔離間隙56を含んでいる。これらの図の中に示されているように、この隔離間隙は、第二の接続部8とアースとの間に、接地ライン10の代替形態として、好ましくは導入される。
【0070】
図12及び13は、高電圧ブッシングの第三の実施形態を示している。
【0071】
先に記載された実施形態と比較して、更なるインピーダンス17は、この場合には、試験運転の間、バリスタ5の第一の接続部7と高電圧との間に配置される。原則として、この装置は、ブッシングためのみではなく、他の全ての装置のためにも適切である。
【0072】
図12及び13の中に示されている実施形態において、更なるインピーダンス17は、図3の中に示されている実施形態の中と同様なやり方で、更なるモジュール21の中に収容され、試験運転の間のみに必要になる。絶縁ブッシング52は、例えば外側のコーンの形態である。通常動作の間、更なるモジュール21は省略され、図3の中に示された実施形態の中の接地要素28と同様なやり方で、ブリッジング要素48が、その代わりに使用される。
【0073】
図12及び13の中に示されている実施形態において、バリスタ5の第二の接続部8は、恒久的にアースにある。通常動作の間、第一の接続部7は、ブリッジング要素48を介して高6電圧に接続され、このブリッジング要素が第一のライン30を形成する。このブリッジング要素48は、この実施形態の中で、高電圧ブッシングに対するキャップ状のアタッチメントの形態であって、外側のラインの接続部のための機械的な接続部49を形成する。
【0074】
ここに示された実施形態において、ブリッジング要素48は、試験フェーズの間、更なるモジュール21により置き換えられ、即ち、第一のライン30が遮断される。第一の接続部7は、それにより、更なるインピーダンス17を介して、高電圧にある。この目的のために、更なるモジュール21は、更なるインピーダンス17が第一の接続部7に接触するように、且つ、その反対側で、径方向の接触リング50及び軸方向の接触バー51を介して、高電圧ライン47に接続されるように、デザインされる。更なるモジュール21は、外側のラインの接続部のための機械的な接続部49を形成する。
【0075】
図9−13の中に示されている実施形態において、バリスタ5と高電圧導電体47との間のスペースは、不活性ガスでまたは保護液体で満たされることが可能であり、または、絶縁性の中実のボディが、このポイントに設けられることが可能である。ガスで満たされまたは液体で満たされた中間スペースを使用するとき、電気的に絶縁性のブッシング52が、機械的な頑丈さのため及び密封のために設けられる(例えば、図12,13を参照方)。
【0076】
図14及び15は、過電圧保護機能を備えた更なる高電圧デバイス53を示している。このデバイスは、例えばトランスであっても良い。
【0077】
バリスタ5が、過電圧保護として知られたやり方で設けられることが可能である。通常動作の間(図15)、バリスタ5の第一の接続部7は、高電圧にある回路装置2に第一のライン30を介して接続され、且つ、第二の接続部8が、第二のライン10を介してアースに接続される。
【0078】
図15の中に示されている実施形態において、第二のライン10は、図4の中に示されている実施形態の中と同様なやり方で、接地要素28の中を通過し、この接地要素28は、デバイスのカプセル3の中の凹みの中に挿入される。第二のライン10は、接地要素28を取り外すことにより遮断されることが可能である。
【0079】
図14の中に示されているように、試験フェーズの間、接地要素28は、更なるモジュール21により置き換えられ、この更なるモジュールは、図4の中に示されたものとほぼ同一のやり方でデザインされ、更なるインピーダンス17を含んでいる。
【0080】
ここで留意すべきことは、以上の図の中に示された実施形態は、様々な異なるやり方で、変形することも可能であると言うことである。
【0081】
例えば、図2の中に示されている実施形態において、更なるインピーダンス17の直径は、バリスタ5の直径に対応しても良く、この場合には、第二の接続部は、バリスタ上で、側面で内側にネジ切りされることが可能であり、このバリスタは、そのとき、実際にはより長くなる。このサイド・タップは、その場合、例えば図1の中に示されたやり方で、金属ピン13と接触しても良い。
【0082】
更にまた、ここで留意すべきことは、本発明は、ガス絶縁され、液体絶縁され、または固体絶縁されたコンポーネントと共に使用されることが、明らかに、大いに好ましいことである。その理由は、試験の間、操作が必要とされず、また、そのような操作は、不活性ガスまたは保護液体の取り出しを必要とすることになるからである。しかしながら、上記の多数の例を参照しながら示されているように、本発明は、ガス、液体または固体絶縁の無いコンポーネントのための使用されることも可能である。
【0083】
本発明は、特に、好ましくは、アース側に、図4の中に示されたタイプのプラグ接続部を有するプラグ引き出し導電体に対して、使用されることも可能である。高電圧サイドで、プラグ引き出し導電体は、タブ(タブ33または34に対応している)を形成し、高電圧にあるデバイスの中の凹みの中に挿入される。
【0084】
もし、機械的なスイッチング装置が設けられる場合には、電磁石装置55を使用することが好ましく、それは、例えば、図16の中に示されたタイプの電磁石装置である。スイッチング装置の運転のための電磁石装置(スイッチング装置の全ての実施形態に対して使用されることが可能である)の使用は、カプセル3の中を通って機械的に可動なブッシングが必要とされないと言う優位性を有している。
【0085】
更にまた、スイッチング装置の機械的な運転のために、カプセルの中に可動ベロウズを設けることも、実現可能であり、このベロウズを介して操作が実施されることが可能である。このソリューションはまた、完全に気密性のやり方で実現されることが可能である。
【0086】
好ましい本発明の実施形態が、この出願において説明されたが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、以下の請求項の範囲の中で、様々なやり方で実現されることも可能であると言うことに、明確に留意すべきである。
【符号の説明】
【0087】
1・・・サージ・アレスタ、2・・・回路装置、3・・・カプセル、4・・・内側領域、5・・・バリスタ、6・・・個々のボディ、7,8・・・第一及び第二の接続部、9・・・ブッシング、10・・・第二のライン(アース・ライン)、11・・・スイッチング装置、12・・・導電体セクション、13・・・金属ピン、14・・・ブッシング、15・・・測定装置、16・・・絶縁ボディ、17・・・更なるインピーダンス、18・・・アース接続部、19・・・接触機構、20・・・支持ボディ、21・・・更なるモジュール、22・・・高電圧ブッシング、23・・・導電体、24・・・キャップ、25・・・フランジ、26・・・接触要素、27・・・絶縁手段、28・・・接地要素、29・・・金属プレート、30・・・第一のライン、31・・・ブッシング、32・・・凹み、33,34・・・タブ、35,36・・・絶縁体、38,39・・・導電体、40・・・動作要素、41・・・回転ベアリング、42・・・ピボット・アーム、43・・・傾動アーム、44・・・傾動アームの第一の端部、45・・・傾動ベアリング、46・・・傾動アームの第二の端部、47・・・高電圧導電体、48・・・ブリッジング要素、49・・・接続部、50・・・接触リング、51・・・接触バー、52・・・ブッシング、53・・・高電圧デバイス、54・・・永久磁石、55・・・磁石装置、56・・・隔離間隙。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのサージ・アレスタ(1)が接続された回路装置(2)の中で、過電圧試験を実施するための方法であって、
前記サージ・アレスタ(1)は、バリスタ(5)を有していて、
このバリスタは、通常動作の間、第一のライン(30)を介して第一の接続部(7)で高電位に接続され、且つ、第二のライン(10)を介して第二の接続部(8)でアースに接続され、
試験フェーズの間、試験電圧が前記回路装置(2)に加えられる、
方法において、
試験フェーズの前に、第一のライン(30)および/または第二のライン(10)が遮断され、
試験フェーズの間、第一の接続部(7)は、前記回路装置(2)に接続された状態で留まり、且つ、第二の接続部(8)は、更なるインピーダンス(17)を介してアースに接続され、または、
第一の接続部は、前記更なるインピーダンス(17)を介して前記回路装置(2)に接続され、且つ、第二の接続部は、アースに接続された状態で留まり、または、
第一の接続部(7)及び第二の接続部(8)は、それぞれ、アースに接続され、且つ、それぞれの更なるインピーダンス(17)を介して前記回路装置(2)に接続され、
ここで、前記更なるインピーダンスは、遮断されたライン(30,10)より高いインピーダンスを有していること、及び、
試験フェーズの後で、第一のライン(30)および/または第二のライン(10)の遮断が、再び解除されること、を特徴とする方法。
【請求項2】
下記特徴を有する請求項1に記載の方法、
試験フェーズの間、第二のライン(10)は、遮断され、第二の接続部(8)は、前記更なるインピーダンス(17)を介してアースに接続される。
【請求項3】
下記特徴を有する請求項1または2に記載の方法、
第一のライン(30)および/または第二のライン(10)は、機械的なスイッチング装置(11)により遮断される。
【請求項4】
下記特徴を有する請求項1から3に何れか1項に記載の方法、
前記更なるインピーダンス(17)の大きさは、試験フェーズの間、前記バリスタ(5)を挟む電圧低下が、試験期間の間に許容可能な、前記バリスタ(5)に掛かる電圧を超えることが無いような値であり、他方、試験電圧は、この試験期間の間に許容可能な最大のバリスタ電圧より高い。
【請求項5】
下記特徴を有する請求項1から4の何れか1項に記載の方法、
前記回路装置(2)は、ガス絶縁され、液体絶縁され、または固体絶縁された回路装置であり、および/または、
前記サージ・アレスタ(1)は、ガス絶縁され、液体絶縁され、または固体絶縁されたサージ・アレスタである。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載の方法を実施するための過電圧保護機能を有するデバイスであって、
バリスタ(5)と、第一のライン(30)と、第二のライン(10)と、を有し、
このバリスタ(5)は、第一の接続部(7)で高電位に接続されることが可能であり、且つ、第二の接続部(8)でアースに接続されることが可能であり、
第一のライン(30)を介して、第一の接続部が高電位に接続されることが可能であり、
第二のライン(10)を介して、第二の接続部(8)がアースに接続されることが可能である、
デバイスにおいて、
少なくとも一つの更なるインピーダンス(17)を有していて、この更なるインピーダンスは、第一のライン(30)または第二のライン(10)より高いインピーダンスを有し、且つ、第一の接続部(7)と高電圧との間に、および/または、第二の接続部(8)とアースとの間に、配置されることが可能である。
【請求項7】
下記特徴を有する請求項6に記載のデバイス、
機械的なスイッチング装置(11)を有していて、この装置により、第一のライン(30)または第二のライン(10)が遮断されることが可能である。
【請求項8】
下記特徴を有する請求項6または7に記載のデバイス、
前記更なるインピーダンス(17)は、第二の接続部とアースとの間に、配置されることが可能であり、または、そこに配置されていて、
第二のライン(10)は、遮断されることが可能である。
【請求項9】
下記特徴を有する請求項7または8に記載のデバイス、
前記コンポーネントは、カプセル(3)を、特に、絶縁ガスまたは絶縁液体がその中に密閉されたカプセルを有していて、
、前記バリスタ(5)及び前記更なるインピーダンス(17)は、このカプセル(3)の中に配置されている。
【請求項10】
下記特徴を有する請求項9に記載のデバイス、
前記スイッチング装置(11)は、前記カプセル(3)の中に配置され且つ前記カプセル(3)を通って操作されることが可能な、スイッチ(12,13)を有している。
【請求項11】
下記特徴を有する請求項10に記載のデバイス、
前記スイッチ(12,13)は、前記カプセル(3)を通って伸び且つ気密性のブッシング(14)の中に移動可能に保持された、可動要素(13)を有している。
【請求項12】
下記特徴を有する請求項11に記載のデバイス、
前記可動要素(13)は、導電性であって、第一のライン(30)または第二のライン(10)の一部を形成する。
【請求項13】
下記特徴を有する請求項10から12の何れか1項に記載のデバイス、
前記スイッチ(12,13)は、磁石装置(55)により操作されることが可能な可動要素(13)を有している。
【請求項14】
下記特徴を有する請求項6から8の何れか1項に記載のデバイス、
前記デバイスは、カプセル(3)を、特に、絶縁ガスまたは絶縁液体がその中に密封された状態で収容されたカプセルを有していて、
前記バリスタ(5)は、このカプセル(3)の中に配置され、且つ、
前記スイッチング装置(11)は、このカプセル(3)の外側に配置されている。
【請求項15】
下記特徴を有する請求項14に記載のデバイス、
第二の接続部とアースとの間に配置されることが可能な、導電性の、取り外し可能な接地要素(28)を有し、または、
第一の接続部と高電位との間に配置されることが可能な、導電性の、取り外し可能なブリッジング要素(48)を有している。
【請求項16】
下記特徴を有する請求項15に記載のデバイス、
前記接地要素(28)は、凹み(32)、または、前記デバイスの外側の輪郭の中に挿入されることが可能である。
【請求項17】
下記特徴を有する請求項6から15に記載のデバイス、
当該デバイスは、カプセル(3)を、特に、絶縁ガスまたは絶縁液体がその中に密封された状態で収容されたカプセルを有していて、
ここで、前記バリスタ(5)は、前記カプセル(3)の中に配置され、且つ、
前記更なるインピーダンス(17)は、前記カプセル(3)の外側に配置されている。
【請求項18】
下記特徴を有する請求項15または16及び請求項17に記載のデバイス、
前記更なるインピーダンス(17)は、更なるモジュール(21)の中に配置され、且つ、
前記接地要素(28)および/または前記ブリッジング要素(48)及び前記更なるモジュール(21)は、択一的に、前記カプセル(3)に装着されることが可能である。
【請求項19】
下記特徴を有する請求項6から17の何れか1項に記載のデバイス、
前記更なるインピーダンス(17)は、第二の接続部(8)とアースとの間に配置されることが可能である。
【請求項20】
下記特徴を有する請求項1から19の何れか1項に記載のデバイス、
前記更なるインピーダンス(17)は、容量性のおよび/または抵抗性のインピーダンス値を有している。
【請求項21】
下記特徴を有する請求項6から20の何れか1項に記載のデバイス、
前記更なるインピーダンス(17)は、電圧の増大に伴い減少するインピーダンス値を有している。
【請求項22】
下記特徴を有する請求項6から21の何れか1項に記載のデバイス、
前記デバイスは、サージ・アレスタまたはブッシングである。
【請求項1】
少なくとも一つのサージ・アレスタ(1)が接続された回路装置(2)の中で、過電圧試験を実施するための方法であって、
前記サージ・アレスタ(1)は、バリスタ(5)を有していて、
このバリスタは、通常動作の間、第一のライン(30)を介して第一の接続部(7)で高電位に接続され、且つ、第二のライン(10)を介して第二の接続部(8)でアースに接続され、
試験フェーズの間、試験電圧が前記回路装置(2)に加えられる、
方法において、
試験フェーズの前に、第一のライン(30)および/または第二のライン(10)が遮断され、
試験フェーズの間、第一の接続部(7)は、前記回路装置(2)に接続された状態で留まり、且つ、第二の接続部(8)は、更なるインピーダンス(17)を介してアースに接続され、または、
第一の接続部は、前記更なるインピーダンス(17)を介して前記回路装置(2)に接続され、且つ、第二の接続部は、アースに接続された状態で留まり、または、
第一の接続部(7)及び第二の接続部(8)は、それぞれ、アースに接続され、且つ、それぞれの更なるインピーダンス(17)を介して前記回路装置(2)に接続され、
ここで、前記更なるインピーダンスは、遮断されたライン(30,10)より高いインピーダンスを有していること、及び、
試験フェーズの後で、第一のライン(30)および/または第二のライン(10)の遮断が、再び解除されること、を特徴とする方法。
【請求項2】
下記特徴を有する請求項1に記載の方法、
試験フェーズの間、第二のライン(10)は、遮断され、第二の接続部(8)は、前記更なるインピーダンス(17)を介してアースに接続される。
【請求項3】
下記特徴を有する請求項1または2に記載の方法、
第一のライン(30)および/または第二のライン(10)は、機械的なスイッチング装置(11)により遮断される。
【請求項4】
下記特徴を有する請求項1から3に何れか1項に記載の方法、
前記更なるインピーダンス(17)の大きさは、試験フェーズの間、前記バリスタ(5)を挟む電圧低下が、試験期間の間に許容可能な、前記バリスタ(5)に掛かる電圧を超えることが無いような値であり、他方、試験電圧は、この試験期間の間に許容可能な最大のバリスタ電圧より高い。
【請求項5】
下記特徴を有する請求項1から4の何れか1項に記載の方法、
前記回路装置(2)は、ガス絶縁され、液体絶縁され、または固体絶縁された回路装置であり、および/または、
前記サージ・アレスタ(1)は、ガス絶縁され、液体絶縁され、または固体絶縁されたサージ・アレスタである。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載の方法を実施するための過電圧保護機能を有するデバイスであって、
バリスタ(5)と、第一のライン(30)と、第二のライン(10)と、を有し、
このバリスタ(5)は、第一の接続部(7)で高電位に接続されることが可能であり、且つ、第二の接続部(8)でアースに接続されることが可能であり、
第一のライン(30)を介して、第一の接続部が高電位に接続されることが可能であり、
第二のライン(10)を介して、第二の接続部(8)がアースに接続されることが可能である、
デバイスにおいて、
少なくとも一つの更なるインピーダンス(17)を有していて、この更なるインピーダンスは、第一のライン(30)または第二のライン(10)より高いインピーダンスを有し、且つ、第一の接続部(7)と高電圧との間に、および/または、第二の接続部(8)とアースとの間に、配置されることが可能である。
【請求項7】
下記特徴を有する請求項6に記載のデバイス、
機械的なスイッチング装置(11)を有していて、この装置により、第一のライン(30)または第二のライン(10)が遮断されることが可能である。
【請求項8】
下記特徴を有する請求項6または7に記載のデバイス、
前記更なるインピーダンス(17)は、第二の接続部とアースとの間に、配置されることが可能であり、または、そこに配置されていて、
第二のライン(10)は、遮断されることが可能である。
【請求項9】
下記特徴を有する請求項7または8に記載のデバイス、
前記コンポーネントは、カプセル(3)を、特に、絶縁ガスまたは絶縁液体がその中に密閉されたカプセルを有していて、
、前記バリスタ(5)及び前記更なるインピーダンス(17)は、このカプセル(3)の中に配置されている。
【請求項10】
下記特徴を有する請求項9に記載のデバイス、
前記スイッチング装置(11)は、前記カプセル(3)の中に配置され且つ前記カプセル(3)を通って操作されることが可能な、スイッチ(12,13)を有している。
【請求項11】
下記特徴を有する請求項10に記載のデバイス、
前記スイッチ(12,13)は、前記カプセル(3)を通って伸び且つ気密性のブッシング(14)の中に移動可能に保持された、可動要素(13)を有している。
【請求項12】
下記特徴を有する請求項11に記載のデバイス、
前記可動要素(13)は、導電性であって、第一のライン(30)または第二のライン(10)の一部を形成する。
【請求項13】
下記特徴を有する請求項10から12の何れか1項に記載のデバイス、
前記スイッチ(12,13)は、磁石装置(55)により操作されることが可能な可動要素(13)を有している。
【請求項14】
下記特徴を有する請求項6から8の何れか1項に記載のデバイス、
前記デバイスは、カプセル(3)を、特に、絶縁ガスまたは絶縁液体がその中に密封された状態で収容されたカプセルを有していて、
前記バリスタ(5)は、このカプセル(3)の中に配置され、且つ、
前記スイッチング装置(11)は、このカプセル(3)の外側に配置されている。
【請求項15】
下記特徴を有する請求項14に記載のデバイス、
第二の接続部とアースとの間に配置されることが可能な、導電性の、取り外し可能な接地要素(28)を有し、または、
第一の接続部と高電位との間に配置されることが可能な、導電性の、取り外し可能なブリッジング要素(48)を有している。
【請求項16】
下記特徴を有する請求項15に記載のデバイス、
前記接地要素(28)は、凹み(32)、または、前記デバイスの外側の輪郭の中に挿入されることが可能である。
【請求項17】
下記特徴を有する請求項6から15に記載のデバイス、
当該デバイスは、カプセル(3)を、特に、絶縁ガスまたは絶縁液体がその中に密封された状態で収容されたカプセルを有していて、
ここで、前記バリスタ(5)は、前記カプセル(3)の中に配置され、且つ、
前記更なるインピーダンス(17)は、前記カプセル(3)の外側に配置されている。
【請求項18】
下記特徴を有する請求項15または16及び請求項17に記載のデバイス、
前記更なるインピーダンス(17)は、更なるモジュール(21)の中に配置され、且つ、
前記接地要素(28)および/または前記ブリッジング要素(48)及び前記更なるモジュール(21)は、択一的に、前記カプセル(3)に装着されることが可能である。
【請求項19】
下記特徴を有する請求項6から17の何れか1項に記載のデバイス、
前記更なるインピーダンス(17)は、第二の接続部(8)とアースとの間に配置されることが可能である。
【請求項20】
下記特徴を有する請求項1から19の何れか1項に記載のデバイス、
前記更なるインピーダンス(17)は、容量性のおよび/または抵抗性のインピーダンス値を有している。
【請求項21】
下記特徴を有する請求項6から20の何れか1項に記載のデバイス、
前記更なるインピーダンス(17)は、電圧の増大に伴い減少するインピーダンス値を有している。
【請求項22】
下記特徴を有する請求項6から21の何れか1項に記載のデバイス、
前記デバイスは、サージ・アレスタまたはブッシングである。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−127968(P2012−127968A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−275674(P2011−275674)
【出願日】平成23年12月16日(2011.12.16)
【出願人】(594075499)アーベーベー・リサーチ・リミテッド (89)
【氏名又は名称原語表記】ABB RESEARCH LTD.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−275674(P2011−275674)
【出願日】平成23年12月16日(2011.12.16)
【出願人】(594075499)アーベーベー・リサーチ・リミテッド (89)
【氏名又は名称原語表記】ABB RESEARCH LTD.
【Fターム(参考)】
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