説明

遠隔コンピュータとの通信を使用し、多数のRFタグを読み取る機能を有するRF販売時点管理(POS)および配送の方法およびシステム

【課題】比較的狭い区域または容積内に置かれたRFタグを付けた多数の品目を追跡することを可能にする。
【解決手段】装置は、RFIDタグを使用して、RFIDタグを有する物品の或る区域からの取り出しを、同じ区域の複数のRFIDスキャンの結果同士を比較することにより検出する検出ユニットを備える。当該検出ユニットにより上記の区域からの物品の取り出しが検出されるのに応答して、XMLメッセージが発生される。別の装置が、当該XMLメッセージを受け取り、当該XMLメッセージ及び所定の規則に従って別のそのような物品を前記区域に配送させるよう注文する手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2001年10月16日に出願された出願No.09/981,219の一部継続出願である。出願番号09/981,219は、2000年10月20日に出願された仮出願No.60/241,907の利益を請求する。
【0002】
[技術分野]
本発明は、顧客に製品を配送する方法およびシステムに関する。より詳細には、本発明は、無線周波(「RF」)タグを使用して製品の使用状況を追跡し、中央コンピュータに情報を提供して、自動化された製品の補充、在庫調べ、追跡、あるいは追加注文を可能にするシステムに関する。
【0003】
現在、各種の紙による注文システム、電子的な注文システム、インターネットの注文システムを利用することができ、実際に使用されている。また、バーコード方式を用いるシステムを含む複数の在庫追跡システムも使用されている。バーコードを超えて、RFタグを用いて在庫追跡を行えることが提案されている。しかし、商業的に許容できるRFシステム、特に比較的狭い場所で何百もの品目を追跡することが可能なRFシステムは、まだ開発されていない。さらに、商品が使用される場所に近い場所で消費者が商品を注文し、受け取ることができ、また人間による限られた介在で自動的に使用状況を追跡し、追加注文を開始する、商業的に許容できる統合システムも利用することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、消費者が、紙またはコンピュータによる注文を必要とせずに、商品を使用する場所に近い場所で商品の配送を経験するように商品の配送および追跡を改良する必要がある。また、比較的狭い区域または容積内に置かれたRFタグを付けた多数の品目を追跡することが可能な配送システムに対する必要性もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ユーザが対象となる製品を見つけ、その製品を取り出すだけでよいシステムおよび方法を提供する。大半のインターネットを利用したシステムおよび方法と比べると本発明は「クリックレス」である。すなわち、本発明は、ユーザによる手動の入力をほとんどあるいは全く必要としない。本発明は、複数の製品を配送するシステムを提供する。各製品には無線周波(「RF」)タグが付けられる。本明細書で使用する無線周波とは、可聴波の放射と赤外線放射の間に位置する電磁放射を意味し、マイクロ波の放射を含む。各タグには一意の識別コードでもって符号化される。一実施形態では、システムは、識別コードを有する無線周波ユーザ・バッジを所持する個人によってアクセスされる。あるいは、本システムは、磁気読み取りカード(magnetic swipe cards)、パスワード・システム、バイオメトリック認証装置(網膜スキャナ、指紋リーダ、音声識別装置など)、バーコード・カード、あるいは許可された者にアクセス権を制限する他のシステムに依拠することもできる。
【0006】
本システムは、1又はそれより多くの保管庫、冷蔵庫、同様の保管装置(「マイクロウェアハウス」と総称する)、あるいはRFタグを付けた製品が蓄えられ、上記の機構の1つを通じて個人によってアクセスされるセキュリティが保護された部屋をも含む。一実施形態では、各マイクロウェアハウスはRF空洞(cavity)を画定し、ロック(錠)(電気式のロックなど)を備えることが可能なドア、マイクロウェアハウスの表面または内部に取り付けられたアンテナまたはアンテナ・アレイ、ロックおよびアンテナに結合されたクライアント・コントローラ(または同様のプログラム可能なデバイス)、バッジ・リーダまたはキー・リーダ、およびライト、オーディオ・デバイス、またはディスプレイなどの出力装置あるいはユーザ・フィードバック装置を有する。バッジ・リーダまたはキー・リーダからの信号を使用して、クライアント・コントローラは、ユーザ・バッジのコードを読み取るなどにより、マイクロウェアハウスにアクセスしようとする個人の識別を調べる。次いで、ユーザ・フィードバック装置が起動されて、マイクロウェアハウスにアクセスしようとしている個人がユニットへのアクセスが許可されるかどうかを知らせる。コードまたは他の識別子が記憶された許可ユーザの記録と一致する場合、クライアント・コントローラはドアを開け、ユーザはマイクロウェアハウスから所望の製品を取り出すことができる。ひとたびユーザがドアを閉めると(そして一部の実施形態ではドアがロックされると)、クライアント・コントローラは、マイクロウェアハウスに残っている製品のスキャンを行って、それら各製品の識別を決定する。クライアント・コントローラは次いで、各製品の識別を含むメッセージ、または取り出された製品に関連する他のメッセージを発生する。そのメッセージまたは第1のメッセージに基づく第2のメッセージは、サーバに送信される。サーバは、自動的に、すなわちユーザ入力に依拠せずに、製品およびユーザ情報を追跡する。サーバは、ユーザによってマイクロウェアハウスから取り出された製品の注文も発生する。サーバは、その注文を自動的に発注するようにプログラムすることができる。これにより、顧客が消費した品目を再注文する必要がなくなる。
【0007】
あるいは、本システムは、自動販売機のように動作することができるが、製品の出口室、すなわち製品が保存場所から落下した後にユーザが製品を取り出すドアの後ろにある場所が、RF空洞として構成される。ユーザが取り出し区域に落下した製品を取り上げる時、またはその前に、製品のタグを読み取ることができる。
【0008】
各ユーザ・バッジは、識別情報を有する他に、請求情報および支払い形態情報も含むことができる。明らかであるように、請求情報は、料金を請求されるエンティティの形をとることができ、そのエンティティはタグに関連付けられた個人であっても、そうでなくともよい。支払い形態情報は、口座情報、クレジット・カード情報などを含むことができる。
【0009】
一実施形態では、各MWのドアの中にアンテナのアレイが配置される。各アンテナは、見通し伝送ライン(transmission line of sight)を有し、1又はそれより多くの所定の周波数で信号を発するように構成される。アンテナ・アレイは、MW内に電磁場を発生する。製品は、MW内に配置された1又はそれより多くの大型容器、区画、あるいは同様のデバイスに置かれる。電磁場は、反射板、またはアレイ内のアンテナを移動させる装置の使用を通じて、マイクロウェアハウスによって画定される空洞内で変化させることが好ましい。一実施形態では、ドア/保管棚の隙間の近くにRF信号を反射する材料を配置してRFエネルギーの放出を防ぐ。これにより、隙間の近くを除いてMW外部での偶発的なタグの読み取りと、MWの外部で人々および物がRF放射にさらされることが減る。
【0010】
好ましい一実施形態では、タグを付けた製品は、各製品の各タグが規則正しく編成されるように配置して、それにより、1)空洞内のRFを吸収する物質によってタグが遮蔽される可能性を低減し、2)過度の近接のために1つのタグが別のタグとエネルギーを共有する可能性を低減し、3)周辺RF範囲および空洞のヌル(null)内に位置するタグの向きが、RFの断面とそのような各タグのエネルギー吸収性を増すようにする。上記の3つの望ましい特性の一部は、アレイ内の少なくとも1つのアンテナの見通し伝送ラインに対してタグが概ね直交する(概ね平行に配置するのとは対照的に)ようにタグを配置することによって達成することができる。また、エネルギー共有が低減するように、複数の製品の少なくとも2つを相互から間隔を空けて配置することができる。(「エネルギー共有」とは、近接して配置された1又はそれより多くのタグが、容積(volume)を通じて伝播する電磁波からのエネルギーを共有し、それにより、それらタグの1つまたはそれより多くのものが動作されるのに十分なエネルギーを受け取ることができず、したがって識別信号を発することができない現象である。)本発明の一形態では、この距離は、アンテナ・アレイからの信号の波長に基づき、その波長の何分の1かである。好ましい一実施形態では、この距離は約3〜約6cmである。
【0011】
各タグが、所定の時間量にわたり自身をクローキング(cloak)する能力を備えることも好ましい。この時間量は、マイクロウェアハウス内のタグの最大数とタグの温度に基づく範囲内とすることができる。一実施形態では、この時間は、タグを付けた製品が−20℃の温度で保管される場合に約1〜5秒である。ただし、この時間量は可変であり、MW内部の温度、タグのタイプ、タグ送信アルゴリズム、およびウェイク(wake)機能あるいはクローキング解除機能があるかないかに依存する。クローキング時間は、アルゴリズム的に許容できる時間内に別のスキャンを行えるようにクローキング解除を可能にするような時間が選択される。
【0012】
コントローラ(多くの場合「クライアント・コントローラ」と呼ぶ)がアンテナ・アレイに結合され、一続きのスキャンあるいは実行が行われるようにアンテナ・アレイを制御するように動作する。好ましい実施形態では、コントローラは、ベースライン実行、在庫実行、およびバックグラウンド実行を行うように動作する。コントローラは、マイクロウェアハウス内のタグ付き品目の存在の変化を示すメッセージを生成し、それらのメッセージをキューまたはバッファに格納する。コントローラはまた、整合性値を計算し、その値を所定の整合性値と比較し、比較の結果をメッセージで報告する。
【0013】
上記から明らかなように、本発明の利点は、製品の在庫調査を行い且つ配送する方法およびシステムを提供することである。本発明の他の特徴および利点は、詳細な説明および添付図面を検討することとにより明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明で述べ、図面に図示する構成要素の構造と構成の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明には、さらに他の実施形態が可能であり、各種の方式で実施または実行することができる。また、本明細書で使用する術語および用語は、説明を目的とするものであり、限定的なものと解釈すべきではないことも理解されたい。
【0015】
図1に、本発明を実施する例示的システム25を示す。システム25は、ユーザ・リストを作成および維持し、在庫確認、会計、注文の機能、およびマイクロウェアハウスの状態、温度の監視、および他の障害の監視などの監視機能を行う2つのサーバ(メンテナンス・サーバと商取引サーバ)26および27を含む。サーバ26および27は、TCP/IP、UDP、あるいはその他のプロトコルなどの標準的なプロトコルを使用して、ネットワーク28を通じて、クライアント(より詳細にはコンピュータ、または下記のマイクロウェアハウス(「MW」)内のコントローラなどの同様の装置)と通信することができる。ネットワーク28は、インターネット、電話網、無線ネットワーク、電力線搬送(「PLC」)ネットワーク、またはその他のタイプのネットワーク、およびそれらの組合せである。図の実施形態で、サーバ26および27は、標準的なハードウェアとオペレーティング・システム・ソフトウェア(図示せず)を含む。ハードウェアとオペレーティング・システム・ソフトウェアの上位ではMWエンタープライズ・アプリケーション29が実行される。MWエンタープライズ・アプリケーション29は、登録モジュール31、注文履歴モジュール32、アカウント・セットアップ・モジュール33、および在庫補充要求モジュール34を含むプロファイル・データベース30にアクセスする。モジュール31〜34はそれぞれ、サーバ27に結合されたクライアントごとに維持される。これらのモジュールは、インターネットのワールド・ワイド・ウェブ(WWW)部分用のプロトコルを使用してシステム管理者からアクセスできるように設計されたウェブ・コンテンツを用いて構成することができる。
【0016】
図2の参照から最もよく分かるように、MWエンタープライズ・アプリケーション29は多数の機能を行う。おおまかに述べると、MWエンタープライズ・アプリケーション29は、無線周波識別(「RFID」)バッジまたはその他のユーザ・バッジまたはキー(下記で説明する)の管理を制御し、サーバ27に接続されたクライアントとの通信セッションを管理し、サーバ26および27に接続されたクライアントごとに製品の在庫を維持し、製品を注文する前に、MW、および一部の実施形態では当該の特定のMWにローカルな他のMWの在庫を確認し、通信のセキュリティを管理し、システム管理機能を提供し、サーバに接続されたクライアントの健全性(health)を監視および維持する。
【0017】
登録モジュール31(図1)は、サーバ27に接続されたクライアントの位置に関する情報へのアクセスを提供することにより、サーバ27の在庫機能の一部を提供する。本発明の一実施形態では、クライアントはMWの形をとる。登録モジュールはまた、特定のMWに配属された販売員に関する情報と、各MWの識別、場所、および同様の情報へのアクセスも提供する。登録モジュール31は、MWデータベース34Aにアクセスすることができる。
【0018】
注文履歴モジュール32は、各MW36の注文の履歴と、各MW36の製品の嗜好を提供する。アカウント・セットアップ・モジュールは、支払いの承諾、ユーザ情報、および同様の情報のための管理画面を提供する。在庫補充要求モジュール34は、使用状況と、特定の顧客の要求および同様の情報に基づいて、在庫の補充を制御する。
【0019】
サーバ27は、クライアント(すなわちMW)から受け取った情報を使用してフルフィルメント(fulfillment)・インフラストラクチャ(図示せず)に伝えられる注文を発生する商取引エンジン35にもアクセスする。フルフィルメント・インフラストラクチャは、本発明のシステムおよび方法を使用して配送する製品を生産する。クライアントからの情報は、製造インフラストラクチャおよび販売、顧客関係管理(「CRM」)、料金の請求、およびその他のシステムおよび機能(いずれも図示せず)によって使用することができる。例えば、本発明は、酵素、アッセイ、クローニング・ベクター、コンピテント細胞などの生命科学研究製品の配送に使用することができる。(無論、本発明を使用して幅広い非生物学的な製品を配送することもできる)。サーバ27から提供される情報が製造インフラストラクチャで使用されて、上記のような製品に対する需要に応じて製品の適正な製造を保証する。上記のように、サーバ27は、複数のクライアントあるいはMWに結合することができる。MW36の形態の例示的クライアントを図1に示す。図には1つのみのクライアントを示すが、サーバ27に接続されるクライアントの数は、サーバの内部容量およびネットワーク28の容量のみによって制限される。
【0020】
MW36は、冷蔵保管庫、冷凍庫、あるいはその他の保管容器の形をとることができる。本明細書に記載するように、セキュリティが保護された貯蔵庫、同様の場所、あるいはその他の画定された区域にクライアント・コントローラおよびその他のコンポーネントを装備し、製品の保管に使用することができる。図の実施形態では、MW36はドア37を含む。これは好ましいが、MW36がドアを有することは必須ではない。MWの内部へのアクセスが試みられるとそれを感知するデバイス(ライトカーテンなど)も使用することができる。上記のように、別の実施形態では、本システムは、保管庫ではなく、画定された区域を利用して、タグ付けされた製品を包囲することができる。この画定された区域は、アクセス・ポイント(図示せず)を使用して、その入り口として機能させる。区域内の製品は、識別タグが取り付けられ、RF在庫質問機(コントローラ45およびアンテナ・アレイ(下記)など)によって読み取られる区域内に明確に置かれる。製品のスキャンは、センサ(例えば近接センサなど)が、ユーザがアクセス・ポイントを通過するのを感知すると開始する。アクセス・ポイントは、クライアント・コントローラ45などのプロセッサによって制御され、ドア、入り口、警報装置、あるいはその他の機構を制御して、区域および製品へのアクセスを制限することができる。
【0021】
図に示すように、MW36は、電気で作動する錠(ロック)39、近接センサ40、およびユーザ・フィードバック、より一般的にはオーディオ装置またはライト41の形をとる出力装置も含むことができる。音声合成装置、表示画面などの他の出力装置も使用することができる。MW36は、アンテナ・アレイ43を備えるよう構成される。アンテナ・アレイ43は、クライアント・コントローラ45に結合される。一実施形態では、本発明は、垂直偏波または円偏波の6本のアンテナを有するアンテナ・アレイを含むことができる。アンテナ・アレイ43は、応答機デバイスあるいはタグ(下記でより詳細に述べる)と通信するRF送受信システムである。一実施形態では、各タグは、受動型タグであり、アンテナ・アレイ43からのエネルギーによって給電される。
【0022】
MW36は、磁気カード読取装置(magnetic card swipe device)、アンテナ、指紋リーダ、あるいは同様の装置の形態をとる専用のバッジ・リーダまたはカードリーダ47(「キーリーダ」と総称する)を含むことができる。リーダ47は、通信リンク49を介してクライアント・コントローラ45に結合される。MW36は、内部温度センサ55および周辺温度センサ56も含むことができる。温度センサ55および56は、クライアント・コントローラ45に結合されて、クライアント・コントローラに温度情報を提供する。オプションの入力装置を通じてクライアント・コントローラに追加的な情報を提供することができる。MW36の位置は、全地球測位システム(GPS)装置(図示せず)に加えて、精密な測定とGPS衛星の取得結果の補間を行うための慣性系認識(inertial frame recognition)によって監視することができる。運搬の運動と衝撃は、加速度計(図示せず)で監視することができる。給電線の電圧、電流、およびその他の特性は、電力線監視装置(これも図示せず)によって監視し、クライアント・コントローラ45に提供することができる。冷却圧縮機に供給される電力のオン/オフ・デューティサイクルを内部温度および周囲温度と併せて使用して、圧縮機の相対的な健全性を示すことができる。カメラ、マイクロフォン、センサなどの追加的な入力装置をクライアント・コントローラに結合して、環境条件およびその他の条件を監視することができる。
【0023】
スマートカード・リーダ(図示せず)もコントローラ45に結合することができる。スマートカードは、入場を許可する目的で顧客を識別することに加えて、ドア・オープン・セッション中に持ち出された製品についてドアが閉まる時に引き落とすことができる、あらかじめ取り込まれた金銭相当物を含むことができる。
【0024】
クライアント・コントローラ45は、下記でより詳細に説明するいくつかの機能を実行するソフトウェアを含む。それが求められる場合は、クライアント・コントローラ45は、ここに記載する教示に従って変更されたPalm Pilot(登録商標)携帯情報端末、PacketPCデバイス、またはパーソナル・コンピュータなどの消費者品質の装置でよい。使用ハードウェアに応じて、クライアント・コントローラ45はグラフィカル・ユーザ・インタフェース(「GUI」)とともに構成してシステム25とユーザ間の対話を容易にすることができる。
【0025】
クライアント・コントローラ45は、MW36内のRFタグを付けた製品を問い合わせることができるソフトウェア(下記)を含む。この問合せプロセスは、アンテナから信号を送信し、受動的な応答機RFIDタグから信号を受信することを伴う。問合せは、通例複数の装置からのRF信号を読み取ることに伴う干渉の問題を解消または低減するような方式で行われることが好ましい。システム25は能動型タグ(図示せず)を用いて実現することもできるが、生命科学研究製品を配送するシステムの実施形態の予想動作温度で機能し、受動型タグの場合とおよそ同等のコストと消費電力で機能するには、現在利用可能な能動型タグは改良する必要がある。
【0026】
システム25の一実施形態では、1又はそれより多くのRFIDアクセス・バッジ75(図1および3)が生成される。RFIDバッジ75とその他のRFIDタグ(下記)は、受動型応答機タグであることが好ましい。RFIDバッジ75には、デジタル署名に基づくアカウント・セットアップ・モジュール33からの一意の識別情報が符号化されることが好ましい。また、在庫補充サービスによって用いられる、RFIDバッジ75に符号化されたデジタル署名は、特定のMWへの一度限りのアクセス権を提供し、その後有効期限が切れ、使い捨て型であることが好ましい。一度限りのアクセスが可能なバッジは、一定の時間量の後、または設定時間に期限が切れるように設定することができる。ただし、バッジ75は、次の在庫補充イベント時に再び一度限りのアクセスができるように使用可能にできる形態をとることもできる。RFIDアクセス・バッジは、製品の箱80(図3)に固定することができる。あるいは、RFIDアクセス・バッジは、当該のMWが位置する施設に別に送付してもよい。あるいは、現場要員か、指定された権限のある現場サポート要員のバッジとしてもよい。
【0027】
図3の参照から最もよく分かるように、製品の箱80は、それぞれに識別タグ95が付けられた複数の個々の製品90を含む。各識別タグ95はRFIDバッジ75と構造的に同じであってよいが、異なる情報が符号化され、タグ95のデジタル署名が一般には失効しないように構成される。本発明の一形態では、各タグ95は、16ビットのグループ識別コードと32ビットの品目識別コードを有する。16ビットのグループ識別コードには、製品の製造元や配送経路などの情報をプログラムすることができる。配送経路の情報は、ある製品に関連するトランザクションを正しいエンタープライズ・システムに送ることを可能にする。32ビットの品目識別コードは、通し番号、製品タイプ、日付、ロット番号、および同様の情報、またはサーバのデータベース中のそのような情報に対応する一意のIDなど、その製品に関する説明的な情報を提供するために使用される。
【0028】
すべての製品90に一意のRFIDタグ95が付けられると、製品は箱80に入れてMW36など指定されたMWに発送することができる。箱80は、顧客(図示せず)からの最初の注文に基づくフルフィルメント要求か、サーバ27が準拠するMW固有のビジネス規則に基づくフルフィルメント要求に従って荷詰めされる。箱80にRFIDアクセス・バッジ75を装着しても、またはRFIDアクセス・バッジ75を別個に当該MWの場所に発送してもよい。RFIDアクセス・バッジ75が装着された場合、箱80は、MW36への荷物の運送を契約した運送サービスによって発送することができる。箱が運送されると、受取人またはユーザは、RFIDアクセス・バッジ75を使用して、RFIDアクセス・バッジ75をリーダ47の前に通すことによりMW36のドア37を開けることができる。クライアント・コントローラ45は、RFIDアクセス・バッジ75のデジタル署名を読み取り、音声合成モジュールまたはライト41などのユーザ・フィードバック装置を作動させることによりそのコードの読み取りを確認する。サーバ27がローカルなユーザ・リストをクライアント・コントローラ45に提供するので、クライアント・コントローラ45は、RFIDアクセス・バッジ75から読み取られたデジタルコードの認証を監視する。クライアント・コントローラ45は、コードをユーザ・リストと照合することにより、読み取られたコードの真正性を調べる。そしてクライアント・コントローラ45は、任意で、温度センサ55および56を読み取り、温度情報をサーバ26に送信することができる。使用される場合、温度センサ55および56は周期的に読み取られ、温度が読み取られるたびに温度情報がサーバ26に送信されることが好ましい。クライアント・コントローラ45は、内部温度が所定範囲を下回るか上回ると温度データを送信するようにプログラムすることもできる。多くの事例では、MWの温度が製品90を保管するのに適切な範囲内にあるようにすることが重要である。MW36の温度が適切な範囲内であり、ユーザが認証されると、クライアント・コントローラ45は錠39を作動させてドア37を開ける(言うまでもなくMWは錠39を備えなくともよい)。MW36の温度が適正範囲内でない場合は、錠39を閉じた状態に保つことによりMW36へのアクセスを阻むことができる。これにより、ドアを開けることにより外気をMW36に流入させる前に、MW36に関連付けられた冷却ユニット(図示せず)がMW36の内部空間を所望の温度に冷却することが可能になる。これにより、停電時に製品90の完全性も得ることができる。
【0029】
ドア37が開く(近接センサ40で感知することができる)か、MW36の内部へのアクセス権が得られると、MW36とサーバ27の通信セッションが開始する。この通信セッションは、適切なイベントに基づいて区分して、ユーザ応答とネットワーク使用を最適化することができる。MW36への完全なアクセス権を得ると、箱80を運送してきた運送業者または物流サービス(UPS、Airborne Expressなど)の従業員は、次いで個々の品目90をMW36内に配置する。製品の箱80が空になると、運送従業員は、ドア37を閉め、必要な場合は箱を持ち去る。近接センサ40は、ドア37が閉じられるのを感知する。クライアント・コントローラ45は、このセンサの状態を感知する。錠39(使用する場合)は、例えば5秒間など所定の時間にわたる解除後に自動的にリセットすることが好ましい。ユーザは、この所定の時間だけドアを開けておくことができる。ドア37が開くと、アンテナ・アレイ43への電力が停止される。ドア37が閉じるか、アクセスが禁止されると、MW36内に置かれた製品90のスキャンが行われる。スキャンを完了すると、クライアント・コントローラ45は、在庫変化メッセージ100を商取引サーバ27に送信する。顧客に請求される在庫変化の整合性を保証するために、クライアント・コントローラ45は、MW36のスキャン時に整合性アルゴリズムを用いる。このアルゴリズムは、統計的情報、履歴情報、およびRFアルゴリズムと遅延データを含む他の要素に基づく。
【0030】
下記でさらに説明するように、一実施形態では、MW36内のタグ付けされた品目の数を正確に決定するため(すなわちシステムに許容可能な整合性を提供するため)には、タグが付けられた品目を複数回スキャンすることが最良であることが判明した。さらに、MWが冷凍庫、冷蔵庫、またはその他の保管庫の形をとる実施形態では、整合性を実現するには、一般に、すべてのスキャンからタグ付けされた品目の上位集合(superset)を選択することと、スキャンの多数セット(50%以上)、非クロークド・モード(uncloaked mode)でのスキャン回数(この数は経験的な数とすることができる。図6のMW36の場合は10であることが判明)、およびクロークド・モード(cloaked mode)でのスキャン回数(同じ実施形態で3であることが経験的に判明)を表す集合に注目することが必要となる。より高いシステム整合性(一実施形態では5000個のタグ付けされた品目でわずか1エラー)を実現するために、スキャンまたは問合せで得られた情報を所定の時間量(例えば24時間)にわたりサーバ27に保持する。この時間中、かつ対象となるMWが顧客によってアクセスされていない時に、コントローラ45はバックグラウンドの在庫チェックを行う。このバックグラウンドの在庫チェックを使用して、在庫の標本母集団データセットを、断面が5000分の1レベルに対応する統計的に有意のレベルまで引き上げる。発見された不整合はサーバ27に送信し、その不整合を使用して、サーバ27に保持された情報を変更することが好ましい。
【0031】
MW36には、顧客に直接発送された別個のRFIDバッジ75(または他の識別バッジまたはキー)を用いてMWの場所で顧客によってアクセスすることができる。あるいは、先に述べたように、リーダ47を、スマートカード、磁気カード読取装置、バーコード装置、指紋リーダ、あるいはMW36へのアクセスを制御する何らかの同様の装置として構成することができる。その正確な構成に関係なく、リーダは、バッジまたはキーを読み取り、キーに保持されているID情報をクライアント・コントローラ45に記憶された許可ユーザのリストと比較することが好ましく、そしてユーザのキーが許可ユーザの一人と一致する場合は、クライアント・コントローラ45がライト41を点灯させるなどにより出力を発生することによって権限付与を承認する。許可ユーザのリストは、クライアント・コントローラ45に送信され、必要に応じてサーバ26によって更新される。サーバ26は、ユーザのキーを認証する能力を備えるように構成することもできる。認証が行われると、クライアント・コントローラ45はドア37を開けて、顧客またはユーザがMW36の内部にアクセスできるようにする。そして、顧客はMW36の内部から1又はそれより多くの製品90を取り出し、ドア37を閉める。ドアが閉じられると、クライアント・コントローラ45は、MW36内の製品90をスキャンし、欠品または追加された製品90を識別する在庫メッセージをサーバ27に送信する。サーバ27は、ドアが開けられる前の以前の在庫を現在の在庫と比較する。この比較から、サーバ27は、MW36内の欠品している品目または追加された品目を決定する。次いで、在庫情報が商取引エンジン35に通信され、商取引エンジン35は、販売機能および在庫機能両方についての将来の使用のためにこの情報を記憶することが好ましい。そして、使用された製品についての領収書を電子メールで送信するか、印刷し、普通の郵便でMWの位置にいる顧客に発送することができる。他の電子および非電子式の通信機構を用いて、送り状の送付も行うことができる。
【0032】
在庫メッセージは他の目的にも使用することができる。例えば、在庫メッセージは、個々の製品90に関する情報を含む。したがって、特定の製品90がMW36内にある時間量をサーバにより記録することができ、また製品の温度の履歴も記録することができる。時間を記録する場合は、特定の製品90がMW36にある時間量を、その製品の保存期間または許容できる耐用期間と比較することも可能である。温度の履歴も記憶し、他のデータと比較することができる。保存期間を過ぎた場合は、ピック・リスト(取り出しリスト)などの期限切れメッセージを生成し、MW36またはシステムのユーザの電子メール・アドレスに送信して、特定の製品をMW36から取り除き、使用すべきでないことをユーザに知らせることができる。MW36からサーバ27に送信される温度の履歴および時間を使用して、MW36の各製品90の「保管度日(storage−degree−day:保管期間が延びた時に1日に要する保管コスト)」の値を計算することもできる。そして、この値を使用して、対象製品90についての行動計画と有効期限の閾値を作成することができる。MW36の管理者は、この情報を使用して、期限が切れた製品をMW36から取り除くことができる。
【0033】
さらに別の実施では、在庫メッセージを使用して、MW36内の製品90のタイプを決定することができる。MW36にある製品が製造者によるリコールの対象となった場合はMW36を「ロックダウン(lock down)」状態に置くことができ、それにより、管理者またはその他の権限のある者がリコールされた製品を取り除くか、または他の方法でその状況に対処するまで、MW36へのアクセスが拒否される。リコール製品の使用を防止するための使用法に加えて、ロックダウン機能は、損傷または劣化している可能性のある製品、および薬剤製品や規制薬物など厳しい製品の規格と品質管理が求められるその他の製品の配送を制御するために有用である。
【0034】
図4および5にシステム25の追加的な特徴を示す。図4に示すように、システム25は、MW36が無線通信リンク107を通じて電話システムまたは同様のアクセス・ポイント105と通信するように実行することができる。アクセス・ポイント105は、インターネット・サービス・プロバイダ(「ISP」)110などのネットワーク・サービス・プロバイダに接続することができる。サービス・プロバイダ110は、ネットワーク28(図4ではインターネットとして図示)との接続を提供することができる。図5に、上記の例示的なフルフィルメント・インフラストラクチャに関する追加的な詳細を提供する。サーバ26および27は、ミドルウェア・サーバ114を有するクラスタ112として構成することができ、ミドルウェア・サーバ114は、本発明の一形態では拡張可能マークアップ言語(「XML」)ミドルウェア・サーバ114の形をとる。クラスタ112はファイアウォール116によって保護され、各種のエンタープライズ・リソース・プランニング(「ERP」)、CRM、製造、およびその他の業務過程プログラムを実行することが可能なエンタープライズ・コンピュータ118(メインフレームなど)と通信する。エンタープライズ・コンピュータ118は、同じくサーバ27からアクセス可能なエンタープライズデータベース120と通信する。クラスタ112は任意数のハードウェアまたはソフトウェア・サーバからなることが可能であること、およびその正確な構成は本発明の実施方式に応じて変更可能であることを理解されたい。一般には、本明細書に図示し、説明するもの以外に、機能を1つのサーバにまとめる、または複数のサーバに動作および機能を分けることが可能である。
【0035】
図の実施形態では、各MW36内のタグ付き品目90から受け取られた情報は、XMLフォーマットでウェブ・クラスタ112、特にサーバ27に送信される。XMLフォーマットのメッセージはサーバ27から、Biz Talk(登録商標)ソフトウェアなどのXMLミドルウェア120(図5)をホストするミドルウェア・サーバ114に転送される。XMLソフトウェア120は、ERPシステム124、ウェブ注文システム126、RFIDバッジ、キー、またはパスキー管理システム128、およびMW管理システム130などの他のソフトウェア/システムと通信する。ERPシステム124は、選択された製品または製品のロットにRFタグ95を割り当て、各MW36に識別を割り当て、在庫計画を処理し、MWの補充を処理し、販売注文を処理するように構成することができる。ウェブ注文システム126は、顧客注文の照会、在庫の照会、パスキーの更新、および発注書の更新を処理するように構成することができる。
【0036】
図6に、冷凍庫230の形態の例示的なマイクロウェアハウスを示す。ここで説明し、図示する実施形態では、構成要素は、約5立方フィート(約142リットル)の容積を有し、数百個のRFタグ付け品目を保持することが可能なマイクロウェアハウスで効率的に機能するように調整される。しかし、例えば21立方フィート(約425リットル)の冷凍庫や、15立方フィート(約595リットル)の室温の病院機材保管庫を含む他の実施形態が可能である。冷凍庫230は、開口部234と内部235とを有する筐体232を含む。ドア236は、ドア236を閉じて開口部234をふさぎ、ドア236を開けて冷凍庫232の内部235へのアクセスを提供できるように筐体232に取り付けられる。内部235内には複数の棚238が配置される。各棚238は、1又はそれより多くの保管棚240を保持することができる。各保管棚240は、1又はそれより多くの引き出し242を含むことができる。各引き出し242は、梱包した複数の製品を保持することができる(下記で述べる)。製品、特に大きめの製品は、大型容器244内にも置くことができる。大き目の製品の梱包の大きさは、多くの場合、タグの望ましい分離を作り出す(下記で述べるようにそれによりエネルギーの共有が低減される)。
【0037】
冷凍庫232は、ここに記載されるように変更され、装備した標準的な冷凍庫を使用して構築することができる。例えば、ドア236は、標準的な冷凍庫に備えられるドアから構築することができる。標準的なドアの絶縁材を除去するか、または他の形で形成または配置し、冷凍庫230内(例えば保管棚240の引き出し242の中)に保管された製品のRFタグをスキャンするのに必要な各種構成要素を追加する。冷凍庫230は、開口部234の周辺部に配置されたRF反射性の材料でできた条片(図示せず)を備えて、RFエネルギーの放出または漏れを防止することができる。
【0038】
図6および7の参照から最もよく分かるように、ドア236は前面パネル250を含み、パネル250は一実施形態では、パネル250によって空洞またはくぼみ252が形成されるように湾曲した側面を有する。くぼみ252の中に絶縁材254が配置される。パネル250の中心近くでは、コントローラ256(下記でさらに説明する)をドア236内に配置できるように絶縁体254がくりぬかれるか、その他の形で形成または配置される。パネル250の1つの隅の近くでは、バッジ・リーダあるいはキーリーダ258または同様の装置をドア236内に配置できるように絶縁体254の第2の部分もくりぬかれるか、その他の形で形成または配置される。絶縁体254、コントローラ256、およびキーリーダ258は、取り付け板260によりくぼみ252の中に保持される。取り付け板260は金属製であることが好ましい。取り付け板260は、アンテナ・アレイ261を支持する。好ましい実施形態では、アンテナ・アレイ261は、アンテナ262、アンテナ263、アンテナ264、アンテナ265、アンテナ266、およびアンテナ267を含む(図6)。図には6個のアンテナを示すが、ドア236内のアンテナの数と配置は、アンテナの利得、ビームの形状および指向性、送信電力、RF空洞の形状寸法、反応性および反射性、位置の利便性、送信機からの距離、コスト、アンテナ間の干渉、アンテナビーム量の効果的な使用、空洞からのRFエネルギーの放出、アンテナのサイズおよび形状、アンテナ−タグの向き、アンテナの多重化パターン、およびその他の要素などの各種の要素によって決まる。したがって、本発明はここに示すアレイに限定されず、他のアレイも使用することができ、異なるマイクロウェアハウスには他のアレイがより適する可能性がある。アンテナ・アレイ261は、1又はそれより多くのアクチュエータまたは同様の装置を使用してRF空洞中のビームの干渉パターンまたは電磁場を移動して、例えばRFのヌルまたは遮蔽を緩和することにより、単独または何らかの組合せで小さな弧を通じて回転させることもできる。アンテナを異なる時間および異なるパターンで作動させてビームの干渉パターンを移動するか、RF空洞中の電磁場を変化させることもできる。
【0039】
棚238、保管棚240、引き出し242、製品、およびタグの存在が、冷凍庫230内の電磁場に影響を与えることができる。上で挙げた項目の大半は、実質的にRFを通す材料製であることが好ましいが、それでもRF信号の強度を阻止または下げることができる。さらに、製品に付けられたタグと製品自体はRF透過性の材料から作られず、RF信号を受信する他のタグを阻害するか、その他の形で干渉する可能性がある。これらの現象は遮蔽として様々に認識され得る。遮蔽の影響は、タグを付けた製品を、保管棚240、引き出し242、大型容器244、または他の区画、容器、または分離の提供を助けることができるデバイスに置くことによって低減することができる。
【0040】
各アンテナからの波と冷凍庫230の内部表面からの反射が相互に作用して、多数のヌル(波が組み合わさって相互を打ち消しあい、受動型RFタグを給電するエネルギーが不十分になる領域)がある電磁場を形成する。ヌルの影響は、形成されたヌルが時間の経過とともに場所を変えるように冷凍庫230の内部の電磁場をある速度とパターンで移動することによって軽減することができる。あるいは、この影響の軽減は、鋭角のこぎり歯状パターンなどRF空洞中の1又はそれより多くの反射面の幾何学的形状を変えることにより、または電力を調整して内部の反射電力を可能な限り抑えることにより、またはアンテナ電力および周波数の選択と変動により行うこともできる。場合によっては、これらの選択肢の複数が使用される。反射板670(図12)などの反射板を使用することが好ましい。(図示するように反射板670は冷凍庫230の後部に配置されるが、冷凍庫内の他の配置も可能である)。ただし、アクチュエータ、ピボット、および他の装置を使用してアンテナ262〜267を移動して多くの異なる干渉パターンを生成し、内部235におけるヌルの位置を変えて、タグが十分な長さの時間にわたりヌルにまたはヌル中に位置しないようにすることができる。例えば、図8に示すように、アンテナ262〜267をピボット269に取り付け、空洞252中に配置され、取り付け板260上に取り付けられた小型の電気または空気式のアクチュエータ270に結合することができる。本発明の少なくとも一部の実施形態で使用するのに適したアンテナには、商業的な供給元から入手可能なHuber&Suhnerモデル2400/70/9/0/CPアンテナが含まれる。アンテナ262〜267は、RFを通すレードーム272で保護されることが好ましい。レードーム272は、アンテナ262〜267をドア236に沿った所望の位置に配置することも助ける。下記でより詳細に述べるように、コントローラ256は、アンテナ262〜267に信号を送受信する。アンテナ262〜267から送信された信号を使用して、冷凍庫230または当該MW内に保管された製品272(図13)に取り付けられた受動型RF応答機タグ270(図13)を励起させる。好ましい実施形態では、製品は、保管棚240の引き出し242か、または大型容器(大きめの製品を保管する場合)にある。応答機タグ270によって生成された信号は、アンテナ262〜267によって受信され、コントローラ256によって処理される。
【0041】
本発明の実施形態をより詳細に説明する前に、その設計、特に図6以降に示す設計の前提の一部を取り上げる必要がある。第1に、マイクロウェアハウスとして実施される実施形態では、RF空洞の考慮が重要である。第2に、ここに記載する特定の実施形態は、合衆国連邦通信委員会(「FCC」)によって発行された規制のパート15に準拠するように設計される。FCC規制のパート15は、RFタグをスキャンする本システムなどのシステムで使用できるアンテナ電力と周波数に制限を課す。パート15の要件と、比較的小さな容積(すなわちRF空洞)内で多数のタグをスキャンする際の要件を満たすために、GHz範囲(すなわちマイクロ波範囲)のアンテナ周波数が選択された。詳細には、発明者は、約2.45GHzの周波数がここに述べる適用例に最適であることを発見した。それでも本明細書に述べる設計と教示を精読した後に当業者に明らかになるように、本発明の代替実施形態は、異なる電力定格および周波数(例えばMHzの実施形態)で動作するように構成することもできる。
【0042】
図9に、冷凍庫230内で使用される例示的保管棚240を示す。保管棚240は、上部280、下部282、後部284と、側部286および288を含む。図の実施形態で、保管棚240は、4つの区画290を含む。各区画290は、引き出し242を収納するように設計される。各引き出しは、引き手300または同様のデバイスと、角度がつけられた複数の分離板302を含む。角度のついた分離板302は、複数の溝304を定義し、複数の溝304内にRF応答機タグ272が付けられた梱包製品270を置くことができる。分離板302は、1つの引き出し242に保持される製品270に付けられた複数のタグ272が最小の分離距離に保たれ、一実施形態では当該の引き出し242の最も近くに位置するアンテナの見通し伝送ラインに対して概ね直交する位置に保たれるように冷凍庫230の内部235に製品を配置するように設計される。ただし、直交する配置は必須ではない。タグを付けた製品同士の間隔をあける目的には、近接するタグ間のエネルギー共有を低減して、冷凍庫230内の各製品の各タグが各自の必要レベルで給電されるようにすることが含まれる。このレベルは一実施形態では最低約0.23mW/cm2である。図の実施形態では、分離板302間の距離は、アンテナ262〜267からの信号の周波数に基づくことができる。詳細には、2.45GHzの励起信号の波長の何分の1かに対応する間隔、好ましい実施形態では約2分の1に対応する間隔(約3〜6cm)がタグ間のエネルギー共有を低減させることが判明している。可能な限り最小の間隔が使用されることが好ましく、また指定される距離よりも短い分離が、一部の状況、特に周波数、アンテナ電力、およびその他のパラメータなどの他のパラメータがここに提供する特定の例と異なる状況では十分であることが分かっている。
【0043】
引き出しおよび保管棚の代わりに、分離板を有する大型容器または同様の物品を冷凍庫230内の棚または面に直接置いてもよい。また、一部の適用例では、冷凍庫230内に無作為または無計画に製品を配置できるように周波数、RF電力、および応答機の設計(主にサイズ)を選択することにより、エネルギー共有の影響を軽減することができる。
【0044】
図10に、コントローラ256のアーキテクチャの例示的な一実施形態を概略的に示す。コントローラ256は、リアルタイム・クロック402から時間信号(例えば、時刻など)を受信する中央演算処理装置あるいはプロセッサ400を含む。一実施形態では、リアルタイム・クロックは、ネットワーク28を通じてリアルタイム・クロック402に接続された国立標準技術研究所(「NIST」)の原子標準時計などの標準時間基準と周期的に同期される。リアルタイム・クロック402を同期することにより、コントローラ256によって制御されるトランザクション(例えば、冷凍庫230内のタグ付き製品の取り出しと配置など)にタイムスタンプする際の精度を保証する助けとなる。プロセッサ400は、オプションのバイオメトリック認証装置404、バッジ・リーダまたはキー・リーダあるいは同様の装置408、およびアンテナ262〜267から入力を受け取る。アンテナ262〜267は、冷凍庫230内のタグ付き製品270から情報を受信する。製品270に付けられたタグ272は、アンテナ262〜267から送信される信号によって励起されるのに応答して識別信号を生成する。プロセッサ400は、コントローラ412を通じてアンテナ262〜267に信号を送信する。コントローラ412は、各アンテナ262〜267を扱うマルチプレクサ413にコマンド信号を提供する。コントローラ412として使用するのに適したコントローラの1つは、カリフォルニア州サンディエゴのSingle Chip Systems(「SCS」)社から販売される100 398マルチプレクサを備えるSCS511スキャナである。コントローラ412およびアンテナ・アレイ261によって行われる問合せ動作(タグに給電し、次いでタグから発される信号を読み取る)については下記でより詳細に述べる。
【0045】
プロセッサ400は、メモリ414にデータを読み書きする。プロセッサ400は、冷凍庫230のユーザと通信するために用いられるディスプレイ416も制御する。ディスプレイ416は、点灯した時に冷凍庫230へのアクセスの許可を示し、点灯しないか別の色で点灯した時は冷凍庫230へのアクセスの拒否を示す、単純な点灯ロゴ・ディスプレイでよい。近接センサ、例えばセンサ420をドア236の上または開口部234の周囲に配置して、ドア236が開いているか、閉じているか、またはMWを備える区域がアクセスされているかに関する情報をプロセッサ400に提供することができる。温度、電力状態などのような冷凍庫230の動作と冷凍庫内の製品の保護に関連する情報(「動作状態」、「ハートビート」、あるいは「健全性」情報と称することもある)が、枠424として表す温度、電力、および配置のセンサから、通信リンク422として表す1又はそれより多くの入力線を通じて受信される。プロセッサ400とサーバ26および27(あるいはサーバ・クラスタ112)間の通信は、各種の技術およびハードウェアを用いて実現することができる。図10に、通信リンク432を介してアクセス・ポート430に接続された無線システム425を示す。多数のベンダから入手可能な802.11b無線リンクが本発明で使用するのに適している。好ましい一実施形態では、Aerocomm社の無線リンクを使用する。アクセス・ポート430は、モデムまたはネットワーク・インタフェース装置の形を取ることができ、モデムまたはネットワーク・インタフェース装置は、陸線434、無線ネットワー436、ローカル・エリア・ネットワーク438などの適切で互換性のある通信リンクに接続することができる。アクセス・ポート430は、最終的には、サーバ・クラスタ112にリンクされた通信リンクまたはネットワーク(ネットワーク28など)に接続する。
【0046】
図11に、図10に示すプロセッサ400の一実施を示す。この実施は、Mitsubishi社製のM16C/80チップの形態のプロセッサ400の一例を含む。当業者には明らかであるように、各種の他のチップを使用することもできる。プロセッサ400は、発振器600からクロック信号を、電源回路601から電力を、リアルタイム・クロック402から時間信号をそれぞれ受け取る。プロセッサ400によって使用されるソフトウェア命令は、不揮発性メモリ(EEPROMなど)602に記憶される。メモリ602は、512kBフラッシュ・メモリ集積回路603と、512kBSRAM集積回路604を使用して実現することができる。
【0047】
関連するMWの動作状態(「健全性」)および関連情報は、MW温度センサ605および周辺温度センサ606から受け取られる。バッテリ・モニタ608は、プロセッサ400に供給される電力を監視する。電流スイッチ609を使用して、冷凍庫230内の冷却圧縮機(図示せず)に供給される電流のオン/オフ・デューティサイクルを監視する。スイッチ609からの情報ならびに内部温度センサ605および周辺温度センサ606からの情報を使用して、圧縮機の相対的な健全性を決定することができる。
【0048】
プロセッサ400は、パワー・フェイル/ロックダウン回路610に接続される。パワー・フェイル/ロックダウン回路610は、電源回路601に結合されて、警報回路612と連動して機能する。プロセッサ400への電力が切られると、パワー・フェイル/ロックダウン回路610は、電源異常状態についてユーザに注意を促すために警報回路612に音声信号を発生させる。また、ロックダウン/パワー・フェイル回路は、冷凍庫へのさらなるアクセスを防止するために冷凍庫230の錠613(図10)をロック(施錠)する。この動作により、在庫の盗難が防止され、冷凍庫内の絶縁された空気の容積の完全性を維持することにより冷凍庫の内部温度を維持する(冷凍庫内の製品を保護するために重要)助けとなる。
【0049】
図11に示す実施形態では、2つの機械式スイッチ、すなわちドア・スイッチまたはセンサ614とキー・スイッチ615が用いられる。センサ614は、センサ420に相当し、ドア236が開いているか、閉まっているか(あるいは、アクセスが規制または制限された領域への進入または領域からの退出が行われたことが何らの他のセンサによって検出されるかどうか)についての指示を提供する。キー・スイッチ615は、プロセッサ400をリブート(「ハード」リブート)する機械的機構を提供する。また、オフまたはディスアーム(解除)(disarm)の位置(図示せず)に設定されると、キー・スイッチ615はプロセッサ400に入力を提供し、それによりプロセッサ400が停止する。プロセッサ400が停止すると、冷凍庫230は、それが求められる場合は、アクセスの制約あるいは在庫の監視を行わない通常の冷凍庫として作動させることができる。明らかと思われるが、キー・スイッチ615と互換性のあるキーの配布は、サービス要員またはその他の権限のある要員に限ることが好ましい。
【0050】
プロセッサ400は、錠613中の電磁アクチュエータ619に結合された線617上の電磁錠(使用される場合)に制御信号を送信する。冷凍庫230の安定性に関する情報は加速度計621によって提供される。加速度計621は、冷凍庫の230の不適切な配置、またはドア236または錠613(使用される場合)を破壊することにより冷凍庫230を改ざんする、またはその他の方法で冷凍庫230へのアクセスを得ようとする試みなどの各種の状況によって生じる振動や他の運動を検出することができる。
【0051】
プロセッサ400は、当該のMW36内に置かれた製品の製造者の商品名を表示するために使用できるロゴ・ライト624などの出力光を制御することができる。プロセッサ400は、緑色LED626および赤色LED629を通じて、冷凍庫230へのアクセス権をユーザに付与または拒否することを示す出力も提供することができる。プロセッサの障害や同様の状態情報などの音声出力は、オーディオ回路630に伝達される。プロセッサ400は、リーダ636の形態のバッジ・リーダまたはキー・リーダの実施からの入力も受け取る。本発明で使用するのに適したリーダは、Visonics社から入手可能なVisonics Key Readerである。
【0052】
プロセッサ400とサーバ・クラスタ112などの他のデバイス間の通信は、デュアル汎用非同期送受信(「UART」)集積回路638を使用して実現することができる。例えば、回路638は、無線システム425と通信することができる。回路638は、インタフェース回路640を通じてGPSシステム(図示せず)とも通信することができる。プロセッサ400とコントローラ412間の通信は、2つの線642および644を通じて行われる。コントローラ400は、コネクタ・インタフェース回路650を通じてメンテナンス・コンピュータとも通信することができる。
【0053】
図12に、冷凍庫230内の電磁場の簡略化した電磁場モデルを示す。アレイ261の各アンテナは、個々のアンテナ262〜267から発する直線で表す見通し線または視程を有する。約2.45GHzの周波数の電磁波が、各アンテナ262〜267から外に向かって、冷凍庫230の壁面によって画定される空間(すなわちRF空洞)に伝播する。この波のエネルギーは減衰する。図のモデルは、波のエネルギーが約−10dBのレベルにある箇所と約−20dBのレベルにある箇所を表す2本の線を含む。
【0054】
図13に、冷凍庫230に保管することが可能な製品270の形態の例示的な梱包物品を示す。図の実施形態では、製品270は、生物学的アッセイが入った1又はそれより多くのバイアル(ガラス瓶)702を含む。製品270は、袋704および周囲部706を含む梱包品も含む。バイアル702は、袋704の中に配置される。各製品270は、1つのタグ272、好ましくは受動型RFタグも含む。図13に、周辺部706上のタグ272を付けることが可能な位置(点線で図示)および袋704上のタグ272を付けることが可能な複数の位置を示す。タグ272は、折り返しダイポールの読み取り専用タグでよいが、実施形態によってはボウタイ型アンテナなど他のアンテナ・ジオメトリを有する他のタグが適する場合もある。ここに述べ、図示する実施形態の少なくとも一部で使用するのに適した読み取り専用タグは、SCS社から入手することができる。先に触れたように、少なくとも1つの実施形態では、製品が当該の引き出し242の近くにあるアンテナ262〜267の見通し伝送ラインに概ね直交するように、各製品270を引き出し242の1つに配置することが好ましい。また、引き出し242の1つに入れた時にタグ272が曲がらないように、タグ272を梱包品の一部分に配置することも好ましい。袋704の上にタグ272を配置すると、周辺部706上の位置に比べて曲がりにくい位置が得られる。あるいは、剛性のタグ基板または剛性のカバーラベルを使用してタグが曲がるのを防いでもよい。
【0055】
本発明の実施形態の機械的およびハードウェアに関する態様の多くについて説明したので、ソフトウェアの追加的な詳細についてさらに説明する。上記で述べたように、一般にはコントローラ256がアンテナ・アレイ261を作動させる。アンテナ262〜267は、冷凍庫230内の製品に付けられたタグ272に給電する信号を発する。各タグ272は、識別信号を発する。タグ272からの識別信号は、アンテナ262〜267によって受信され、コントローラ256に伝達される。
【0056】
明らかであると思われるが、比較的狭い画定された容積(例えば冷凍庫230の内部壁面によって画定されるRF空洞)内で複数のタグに給電されると、タグ272が同時またはほぼ同時に識別信号を発する。この信号は相互に干渉し、ある特定のタグ272からの個々の信号を識別することが難しく、場合によってはほとんど不可能になる。多数のタグ272を読み取るために「クローキング(cloaking)」システムを使用することができる。一般に、クローキングとは、タグが給電され、質問機(例えばコントローラ256)によって識別されると、タグの送信を停止するか、その他の形で使用不能にすることを指す。クローキングは一般に知られているが、発明者等は、RF空洞の温度に対する、最小および最大のクローキング時間の指定、およびクローキング時間の分布を含む、本明細書に記載されるクローキング技術の独自の使用法を開発した。
【0057】
コントローラ256は、在庫制御ソフトウェアを実行する。ここに記載される実施形態では、このソフトウェアは6つの基本ステップを実行する。最初に、コントローラ256を初期化する。2番目に、ベースライン・スキャンを行う。3番目に、バッジ・リーダまたはキーリーダ258あるいは同様の装置を使用したユーザ・パス・キーの存在の感知と、そのパスキーの有効性の決定に基づいて、冷凍庫230あるいは関連するマイクロウェアハウスへのアクセスを制御する。4番目に、マイクロウェアハウスの動作状態あるいは健全性を調べる。5番目に、ユーザがマイクロウェアハウスにアクセスした後(例えば冷凍庫のドア236を閉じることによって感知される)の製品の在庫レベルを確認する。最後に、コントローラ256によって収集された情報をサーバ・クラスタ112に通信する。
【0058】
在庫制御ソフトウェアによって行われる手順のより詳細な定義を表1に示す。
【0059】
【表1】

【0060】
表1に示すように、スキャンの読み取り時間(あるいはここで述べる特定実施形態では「ReadTime」)は、スキャンの開始から、アンテナによって発生された電磁場内のタグのいずれかまたはすべてが読み取られるまでの経過時間である。読み取り時間は、非クロークド・モードまたはクロークド・モードで収集することができる。読み取り時間(読み取り時間のセットであってもよい)は、スキャンの結果として生じる各トランザクションの一部としてサーバ・クラスタ112に送信することができる。読み取り時間は、温度、RF空洞における製品タグの位置、空洞内のRF干渉などのいくつかの動作パラメータの複合標識として使用することができる。例えば、RF空洞内ですべてのタグの読み取り時間が徐々に長くなっていくことは、内部温度の上昇に対応することができる。タグ対読み取り時間の曲線(図21に示す曲線725など)の変化から温度の変化を定量化することが可能である。別の例として、読み取られた最後の数個のタグに対応するタグ対読み取り時間の曲線の形状を、タグが応答するのに十分な電力を得ることを妨げているRF空洞中のRFの異常を示す標識として使用することができる。その場合は、通常は線形の曲線が最後の数個のタグについては指数関数的になる。温度センサなどRF空洞内の他のセンサから読み取られた動作パラメータを読み取り時間の曲線と併せて使用して、結果として読み取り時間曲線の変化として現れた条件を予測することができる。
【0061】
一実施形態では、在庫制御ソフトウェアは、ベースライン実行、在庫実行、およびバックグラウンド実行の3クラスの実行を含む。これらの実行に対応するメソッドの定義を表2に示す。
【0062】
【表2】

【0063】
実行のクラス
ベースライン実行
開始在庫リストを確立するクロークド・モードの実行。
【0064】
IntegrityLevelが指定されない場合は、実際の読み取られた整合性レベル、すなわち多数スキャン・リストが行われる回数が返される。ベースライン・スキャン全体で読み取られたすべての在庫IDの上位集合からなる最初のマスタ在庫リストを作成する。読み取られた整合性は、入力整合性レベルが設定されている場合でも返される。
【0065】
在庫実行
在庫リストの変更を決定するための非クロークド・モード(またはクロークド・モード)での実行。すべての在庫実行スキャンの上位集合を新しい在庫リストとして使用する。マスタ在庫リスト(ベースライン実行および/またはバックグラウンド実行で作成される)か、最も新しい一時的なマスタ在庫リストのうちより新しい方を使用し、マスタ在庫リストと新しい在庫リストとの変化を、プラスのデルタ在庫(差分在庫)およびマイナスのデルタ在庫として返す。新しい一時的なマスタ在庫リストを作成する。
【0066】
バックグラウンド実行
終了イベントが生じるまで行われるクロークド・モードの連続的な一連のスキャン。すべてのスキャンの上位集合を在庫リストとして使用する。新しいマスタ在庫リストを作成する。
【0067】
在庫の開示
スキャンは行われない。最も新しいマスタ在庫リストを返す。
ここに記載される実施形態の有用な特徴の1つは、コントローラ256がアンテナ・アレイ261を制御する方式を調整できる点である。この調整は、表1および表2に示すパラメータ(整合性レベル、読み取り時間、実行時間、待機時間、スキャン間隔など)を含む特定のソフトウェア・パラメータを、状況の変化(例えば温度、タグのタイプ、RF空洞などの変化)に応じて変更することによって達成することができる。下記でさらに詳細に説明するように、この変更は、変更後のパラメータをサーバ・クラスタ112からコントローラ256に送信することにより遠隔から行うことができる。
【0068】
在庫制御ソフトウェアによって行われる動作の概要を図14に示す。ステップ750で、例えばキー・スイッチ615をアーム(arm)位置(図示せず)にすることによるハード・リセットを介して、コントローラ256をリセットする。ステップ752で、コントローラがサーバ・クラスタ112を検査して、新しいバージョンのコントローラ・ソフトウェアが利用できるかどうかを調べる。新しいバージョンを利用できる場合は、ステップ754に示すように、そのバージョンをダウンロードし、メモリ602にロードし、ソフト・リセットを行う。必要なソフトウェアの更新が行われると、ステップ756に示すように、コントローラ256は、必要とされるパラメータをロードし、セーブされたトランザクションを再ロードし、存在する場合はマスタ在庫情報を再ロードする。ステップ758で、コントローラ256は自身の状態(ステータス)を確認する。ステップ760で、コントローラ256は、ロックダウン状態が存在するかどうかを決定する。ロックダウン状態が存在する場合は、コントローラは、フラグまたは同様のデバイスを設定して、ロックダウン状態の存在を知らせ(ステップ762)、そしてロックダウン状態が存在するかどうかを引き続きチェックする(ループ764で示す)。
【0069】
ロックダウン状態が存在しないと決定されると、コントローラ256は、ステップ766に示すように、ベースライン実行を行い、在庫マスタ値をキューに入れ(またはバッファに入れ)、ロックダウン・フラグを「オフ」に設定する。コントローラ256は、次いで制御アイドル・ループ(ステップ768)、より広く言うとメイン処理ループを実行する。図の実施形態では、制御アイドル・ループは、診断コマンドの検査動作(ステップ770)、ユーザ・パスのポーリング動作(ステップ772)、ステータスのポーリング動作(ステップ774)、セーブされたステータスの更新動作(ステップ776)、および警報条件の検査動作(ステップ778)の5つの基本動作を含む。これらのステップについて下記でより詳細に述べる。要約すると、これらの動作中に、コントローラ256は、ユーザが権限のあるキーを有するかどうか、および警報条件あるいは他の条件が存在するかどうかを決定する。警報条件またはステータス条件のいずれかがロックダウン状況の必要条件を満たす場合(ステップ780の決定)は、ロックダウン・フラグが「オン」に設定され(ステップ782)、MW36中の在庫とMW36のステータスについて得られた情報がサーバ・クラスタ112に送信され(ステップ784、バックグラウンド通信)、そして制御アイドル・ループが再実行される(ループ786で示す)。
【0070】
ロックダウン条件が存在しない場合は、コントローラ256は、例えばコントローラ256がドア236の開閉を感知することにより、ユーザがMWにアクセスしたと決定されるかどうかを決定する(ステップ788)。ユーザがMWにアクセスしている場合は、ブロック792に示すように、在庫実行が要求され、その実行で得られた情報がトランザクション・バッファでキューイングされる。在庫実行で収集された情報は次いでサーバ・クラスタ112に送信される(ステップ784)。コントローラ256は、リセットされるまで引き続きこのソフトウェアを実行する。
【0071】
図15から図21は、上記で図14に関して説明した動作(あるいはルーチン)に関する追加的情報を提供する。
図15に示すように、コントローラ256は、制御アイドル・ループを実行する時に、診断コマンドを処理する必要があるかどうかを決定する(ステップ793)。未処理のコマンドがある場合、コントローラ256は、それらのコマンドを処理し(ステップ794)、次いで制御アイドル・ループに戻る(ステップ768)。
【0072】
図16に示すように、診断コマンドを処理すると、コントローラ256は、ユーザによって提示されたキーまたはパスの有効性を確認する。キーが無効である場合は、例えば赤色LED628を点灯させることにより適切なフィードバックを提供する(ステップ796)。次いでコントローラは制御アイドル・ループに戻る。キーが有効である場合、コントローラは、ロックダウン条件が存在するかどうかを調べる(ステップ798)。ロックダウン条件が存在する場合、コントローラは、MWへのアクセスを拒否し、制御アイドル・ループに戻る。ロックダウン条件が存在しない場合は、アクセスが許可され、例えば緑色LED626を点灯させることにより適切なフィードバックが提供される(ステップ799)。
【0073】
図17は、ステータスのポーリング動作(ステップ774)で行われる動作を示す。コントローラ256は、各種センサから情報(温度、電力など)を検索して取得し、制御アイドル・ループに戻る(ステップ768)。図18に示すように、セーブされたステータス情報の更新には、ポーリング(ステップ774)中に検索して得られた情報を、以前のステータス情報を保持する変数またはレジスタに割り当てることが含まれる。
【0074】
図19に示すように、警報条件の検査(ステップ778)には、ステータス情報、および保存期間などの他の情報を所定の閾値と比較するか、またはその他の方法で評価する(ステップ800)ことが含まれる。状況に応じて、情報が所定の閾値を超える、または満たさない場合は、警報トランザクションをキューに入れる(ステップ802)。次いで制御アイドル・ループに制御が返される(ステップ768)。
【0075】
図20は、RF在庫動作を実行する際にコントローラ256によって行われる機能を示す。ステップ804〜806に示すように、コントローラ256はまず行われるスキャン動作がベースライン実行またはスキャンであるか、在庫実行であるか、またはバックグラウンド実行であるかを決定する。行われる実行のタイプが制御アイドル・ループからRF在庫モジュールに渡される。ステップ807〜810に示すように、要求される実行のタイプに応じて、適切なパラメータがロードされる。パラメータがロードされると、ステップ812に示すように適切なスキャンが行われる。スキャンの結果が所定の整合性レベルより高い場合は、ステップ814および816に示すように、その結果に基づく和集合が形成される。結果が所定の整合性レベルを満たさない場合は、ループ818で示すように、整合性レベルを満たすか超えるまで追加的なスキャンが行われる。行われる実行またはスキャンのタイプが在庫実行であった場合(ステップ819)は、ステップ820に示すように、在庫実行とそれまで記憶されていた情報(図の例では在庫マスタ)との変化を決定する。次いでステップ822に示すように、制御アイドル・ループに制御が返される。
【0076】
任意の実行で使用されるスキャンの数は可変であり、所定の整合性を保証するように設定される。この所定の整合性は、理想的なケースでは、記録される在庫の100%の整合性である。本発明の一実施形態では、経験的データに基づいて、指定された整合性レベルが達成されるように複数回のスキャンを行う。次いで、すべてのスキャン・セットの上位集合または和集合が形成される。例えば、50%の整合性レベルを達成するには、同一スキャンの数は多数セットでなければならない。一実施形態では、実験の結果、非クロークド・モードでのスキャン回数は約10回、クロークド・モードでは約3回であるとよいことが判明している。また、ドアが開く前とドアが閉じられた後に記録された在庫に基づく注文(製品の取り出しまたは購入のトランザクション)を時間経過またはバッファリングすることができ、すなわち、さらなるトランザクションが記録されるまでいくらかの時間にわたってコントローラまたはサーバで処理のために保持することができる。そのさらなるトランザクションから行われた追加的なスキャンで、前回のトランザクションで取り出されたと記録された製品が明らかになった場合は、顧客に料金を請求する前に間違いのあるトランザクションを補正することができる。スキャンの際にシステムがタグの付いた品目を見逃す可能性はあるが、本発明の実施形態のテストでは、関連するMWに物理的に存在しない品目がスキャンで存在すると示されるという状況は生じなかった。いずれの場合も、後のスキャンで拾われる、記録された在庫の不整合を使用して、請求情報を補正することができる。実際の使用では、このタイプの補正はめったに必要とされないと考えられ、また限定的なテストでそのような結果が出ている。さらに、ベースライン実行およびバックグラウンド実行はすべての応用例で必要であるわけではなく、製造時、現場への設置時、またはサービス間隔時に、特定のMWで使用するために選択することができる。
【0077】
タグ272には、スキャンの際に各自の温度を報告する能力を備えることができる。タグ272から得られた温度情報のファンクションを使用して、実行中の在庫整合性を保証するために、スキャン時間とスキャン待機時間(表1でScanおよびScanWaitとして定義)を調整して、温度を原因とするクローキング時間の変化を調整することができる。上の段落で挙げた例はすべて、クロークド・モードにおける読み取り時間を基準とする。
【0078】
コントローラ256がMW36または冷凍庫230内のタグ付けされた製品をスキャンすると、そのスキャンに関する情報を含むメッセージがサーバ・クラスタ112に送信される。図22に示すように、図の特定の実施形態では、このメッセージは、バックグラウンド通信の形をとる(ステップ784)。コントローラ256は、ステップ850で、コントローラ256とクラスタ112間の通信セッションまたはトランザクションがすでに開始されているかどうかを確認する。トランザクションまたは通信が開始されていない場合は、コントローラ256は、ステップ852で、クラスタ112に送信すべき情報があるかどうかを調べる。送信する情報がある場合、コントローラ256は、ステップ854でサーバ・クラスタ112との接続を生成する。
【0079】
処理中またはキューに入れられているトランザクションがない場合、コントローラ256は、リアルタイム・クロック402を標準時間基準と同期すべきかどうかを決定する(ステップ855)。例えば、最後の同期が行われてから一定量の時間が経過している場合は、再度リアルタイム・クロック402を同期して、最後の同期以降生じている可能性のある変化を補償する。同期が必要でない場合は、バックグラウンド通信モジュールを終了し、制御アイドル・ループに制御が返される。同期が必要な場合は、クロックが更新される(ステップ856および857に示す)。
【0080】
トランザクションが開始されているかキューにトランザクションがある場合、コントローラ256は、次のトランザクションまたはクラスタ112に通信すべきメッセージを処理する(ステップ860)。次のトランザクションの処理には、在庫、ステータス、警報、ハートビート、およびパス・キーの情報をサーバ・クラスタ112に送信することが含まれる。これらのトランザクションが処理されると、コントローラ256は、サーバ・クラスタ112に送信するために入力トランザクションを処理する(ステップ862)。更新後のパスキー情報、更新後のパラメータ、リセット、ロックダウン情報、ソフトウェアの更新、ステータス要求、およびパスキー・リストなどの情報がサーバ・クラスタ112に送信される。
【0081】
図23および図24に、キーの切り替えと割り込みイベントが生じた時にコントローラ256によって行われる動作を示す。上記のように、アーム(arm)位置からディスアーム(disarm)位置にキー・スイッチ615が遷移すると、コントローラが自身をリブートまたはリセットする(図23のステップ875および877に示す)。アーム位置からディスアーム位置への遷移が生じた場合、コントローラ256は、シャットダウン・シーケンスを開始し、情報をトランザクション・キューにセーブする(ステップ879および881)。
【0082】
各種のイベントが生じると、コントローラ256が特定の機能を行う。ここに説明する実施形態では、電力障害条件により、電源障害トランザクションがキューに入れられる(図24のステップ890および892)。シリアル・ポートで情報を入力または出力する必要があると、コントローラが入力情報をI/Oバッファに入れる(ステップ894および896)。動作状態(健全性あるいはハートビート)のチェックは、所定の時に行われる。状態チェックを行うべき時間になると状態チェックが行われ、そのチェックで得られた情報がサーバ・クラスタ112に送信するためにキューに入れられる(ステップ900および902)。ドアスイッチまたはセンサが切り替えられると、時刻およびMW36の温度が記録される(ステップ904および906)。電流センサがAC電流の切り替えを感知した場合は、その切り替えが記録される(ステップ908および910)。最後に、コントローラがユーザ・フィードバックを提供しなければならない場合(パスキーの有効性の提供および指示など)は、ユーザ・フィードバックが提供され、適切なフィードバック・フラグが切り替えられる(ステップ912および914)。
【0083】
上記から理解できるように、本発明は、エネルギー共有、ヌル及び遮蔽の影響、および在庫の変化を記録する上での整合性を低下させる他の影響を減らす特徴を備えたRF在庫および配送システムを提供する。
【0084】
本発明の各種の特徴および利点は特許請求の範囲に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明を実施するシステムの略図である。
【図2】図1に示すシステムで使用されるサーバおよびクライアント・デバイスの略図である。
【図3】図1に示すシステムの構成要素間のフルフィルメント、在庫、および他の情報の流れを示す略図である。
【図4】本発明を実施するシステムの略図である。
【図5】図4に示すシステムの構成要素間の情報の流れを示す略図である。
【図6】冷凍庫の形態の例示的マイクロウェアハウスの透視図である。
【図7】図6に示すマイクロウェアハウスのドアの断面図である。
【図8】本発明の別の実施形態により構成されたマイクロウェアハウスのドアの断面図である。
【図9】一部を想像線で表した、図6のマイクロウェアハウスで使用するのに適した複数の引き出しを保持することが可能な容器および引き出しの透視図である。
【図10】マイクロウェアハウスで使用される制御システムの略図である。
【図11】図10に示す制御システムの例示的実施形態の図である。
【図12】マイクロウェアハウス内の電磁場の略図である。
【図13】製品上のRFタグを付けることが可能な位置を示した例示的な梱包製品の透視図である。
【図14】本発明の一実施形態で使用されるソフトウェアのフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態のソフトウェアのフローチャートである。
【図16】本発明の一実施形態のソフトウェアのフローチャートである。
【図17】本発明の一実施形態のソフトウェアのフローチャートである。
【図18】本発明の一実施形態のソフトウェアのフローチャートである。
【図19】本発明の一実施形態のソフトウェアのフローチャートである。
【図20】本発明の一実施形態のソフトウェアのフローチャートである。
【図21】製品タグの読み取り時間対マイクロウェアハウス内のタグ付き製品の数のグラフである。
【図22】本発明の一実施形態のソフトウェアのフローチャートである。
【図23】本発明の一実施形態のソフトウェアのフローチャートである。
【図24】本発明の一実施形態のソフトウェアのフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグを使用して、RFIDタグを有する物品の或る区域からの取り出しを、前記同じ区域の複数のRFIDスキャンの結果同士を比較することにより検出する検出手段を備える装置であって、
前記検出手段により前記区域からの物品の取り出しが検出されるのに応答して、XMLメッセージが発生され、
別の装置が、前記XMLメッセージを受け取り、
前記別の装置が、前記XMLメッセージ及び所定の規則に従って別のそのような物品を前記区域に配送させるよう注文する手段を備える、装置。
【請求項2】
XMLメッセージが、無線接続を介して前記装置から前記別の別の装置に送信される請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記XMLメッセージが、ネットワークを介して前記装置から前記別の装置に送信される請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記装置が自動販売機である請求項1に記載の装置。
【請求項5】
あらかじめ取り込まれた金銭相当物を含むスマートカードを読み取るスマートカード読み取り手段と、
前記検出手段による物品の検出に応じて、あらかじめ取り込まれた金銭相当物を引き落とす引き落とし手段と
をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記装置が自動販売機である請求項5に記載の装置。
【請求項7】
RFIDを使用して、RFIDタグを有する物品の或る区域からの取り出しを、前記同じ区域の複数のRFIDスキャンの結果同士を比較することにより検出するステップと、
前記検出ステップにより前記区域からの物品の取り出しが検出されるのに応答して、XMLメッセージを発生するステップと、
前記XMLメッセージ及び所定の規則に従って別のそのような物品を前記区域に配送させるよう注文するかどうかを決定するステップと
を備える方法。
【請求項8】
前記検出ステップによる物品の検出に応じて、あらかじめ取り込まれたスマートカードの金銭相当物をスマートカード上で引き落とすステップ
をさらに備える請求項7に記載の方法。
【請求項9】
RFIDを使用して、或る区域からのRFIDタグの取り出しを、前記同じ区域の複数のRFIDスキャンの結果同士を比較することにより検出する検出手段を備える装置であって、
前記検出手段により前記区域からのRFIDタグの取り出しが検出されるのに応答して、マークアップ言語メッセージが発生され、
別の装置が、前記マークアップ言語メッセージを受け取り、
前記別の装置が、前記マークアップ言語メッセージ及び所定の規則に従って前記RFIDに対応する物品を前記区域に配送させるよう注文する手段を備える、装置。
【請求項10】
RFIDを使用して、或る区域からのRFIDタグの取り出しを、前記同じ区域の複数のRFIDスキャンの結果同士を比較することにより検出するステップと、
前記検出ステップにより前記区域からのRFIDタグの取り出しが検出されるのに応答して、マークアップ言語メッセージを発生するステップと、
前記マークアップ言語メッセージ及び所定の規則に従って前記RFIDタグに対応する物品を前記区域に配送させるよう注文するかどうかを決定するステップと
を備える方法。
【請求項11】
装置の一部分に可動式に取り付けられた、RFIDスキャンを行うアンテナと、
前記アンテナを自動的に移動するように構成されたアンテナ移動ユニットと
を備える装置。
【請求項12】
前記アンテナがピボットの上に取り付けられ、前記アンテナ移動ユニットが前記アンテナを軸回転させる請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記装置は冷凍庫である請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記アンテナが、前記冷凍庫のドアの内部に可動式に取り付けられる請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記アンテナは、RFIDスキャンを行って、前記冷凍庫内に配置されたRFIDタグを検出する請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記RFIDタグが前記冷凍庫内の棚の上に配置される請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記RFIDタグが前記冷凍庫内の引き出しに配置される請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記アンテナが2つ以上ある請求項11に記載の装置。
【請求項19】
装置の一部分に取り付けられ、前記装置内の或る区域のRFIDスキャンを行うように構成されたRFIDスキャン・ユニットを備え、
前記RFIDスキャン・ユニットが、(a)前記区域内の電磁場の構成を変化させるように構成された可動部と、(b)前記可動部の運動を制御する手段とを備える、装置。
【請求項20】
前記可動部がアンテナである請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記アンテナがピボットの上に取り付けられる請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記区域が前記装置の引き出しを含む請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記区域が前記装置の棚を含む請求項19に記載の装置。
【請求項24】
前記装置が冷凍庫である請求項19に記載の装置。
【請求項25】
装置の一部分に取り付けられ、前記装置内の或る区域のRFIDスキャンを行うように構成されたRFIDスキャン・ユニットを有する前記装置を設けるステップであって、前記RFIDスキャン・ユニットが、前記区域内の電磁場の構成を変化させるように構成された可動部を備える、前記装置を設けるステップと、
前記可動部を自動的に動かして前記区域内の電磁場の構成を変化させるステップと
を備える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2008−108276(P2008−108276A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−326923(P2007−326923)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【分割の表示】特願2003−571829(P2003−571829)の分割
【原出願日】平成15年2月18日(2003.2.18)
【出願人】(500430084)プロメガ・コーポレーション (18)
【Fターム(参考)】