説明

遠隔タイヤ監視システムツール

【課題】異なる製造業者によって製造された遠隔タイヤ監視システムと共に作業できるように使用されるタイヤ位置付けツールが提供される。
【解決手段】本タイヤ位置付けツールは、複数の方法の1つを使用してRTMSタイヤセンサを起動させることができる。タイヤ位置付けツールは、複数の異なる周波数を使用してRTMSタイヤセンサから信号を受信することができるように製造することができる。タイヤ位置付けツールは、複数の信号周波数を使用して、データをRTMS受信ユニットへ送信し、及び/またはRTMS受信ユニットからデータを受信できるように製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔タイヤ監視システムと通信するために有用な装置及び方法に関する。詳述すれば、本発明は、異なる製造業者によって製造された別の遠隔タイヤ監視システムと通信することができる装置及び方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
遠隔タイヤ監視システム(“RTMS”)は当分野においては公知である。これらのシステムは、典型的に、自動車、トラック、または他の車輪付きビークルのようなビークルのタイヤに組合わされている複数のセンサユニット、または送信機(“タイヤセンサ”)を、受信ユニットと共に含んでいる。センサはタイヤの特性(最も一般的には、関連するタイヤの空気圧)を測定し、そのタイヤ特性に対応するデータをビークル上の受信ユニットへ通信する。データは、典型的に、無線周波数(“RF”)信号を介して受信ユニットへ通信される。RF信号は、タイヤ圧、固有の識別子等のようなデータを送信するために、変調し、エンコードすることができる。受信機は、典型的に、送信されたデータの受信に応答して警報を発生するような動作を起こすか、またはタイヤ特性を指示する表示をビークルのオペレータに提供する。従って、もしタイヤ内の空気圧が低過ぎれば(または、高過ぎれば)、RTMSタイヤセンサはこの低空気圧を検出し、RTMS受信ユニットへ信号する。RTMSは、どのタイヤが低空気圧であるのかをビークルのオペレータに指示する。
【0003】
受信機にタイヤ特性をビークルオペレータに確実に指示させるために、受信機とビークル上の1つのタイヤ位置にタイヤセンサ(従って、タイヤ特性データ)とを関連付けることが好ましい。この関連付けは、ビークルに最初にタイヤを取付ける時に行われ、タイヤ位置を変化させる(例えば、タイヤのローテーションの後に、または新しいタイヤを取付けた時に)度に繰り返さなければならない。
【0004】
ビークルに新しいタイヤを取付けた時に、またはビークル上のタイヤの位置を変化させた(即ち、タイヤをローテーションさせた)時に、技術者は先ず受信ユニットを学習モード、またはプログラミングモードに投入し、次いでRTMS受信ユニットの製造業者によって指定されている順序でタイヤセンサを起動させることによって、ビークル上のタイヤとそれらのタイヤ位置とを関連付けるようにビークルのRTMS受信ユニットをプログラムすることができる。受信ユニットをプログラミングモードに投入する方法は、典型的には製造業者依存であるが、当分野においては公知である。例えば、フォードモーターカンパニーによって製造されている若干のRTMS受信ユニットは、先ずイグニッションのオン(始動位置ではない)及びオフを3回繰り返し、次いでビークルのブレーキを踏み、次いで再度イグニッションのオン、オフを3回繰り返すことによって、プログラミングモードに投入できることが当分野において公知である。
【0005】
受信ユニットがプログラミングモードになると、タイヤセンサが特定の順序で起動されることが期待される。即ち、受信ユニットが先ず右前輪のタイヤセンサを起動させ、次に左後輪のタイヤセンサを起動させる等々である。タイヤセンサを起動させる正確な順序はRTMSの製造業者によって決定されており、また製造業者から容易に入手することができる。
【0006】
起動された各タイヤセンサは、信号(“タイヤセンサ信号”)を受信ユニットへ送信する。タイヤセンサ信号は、典型的に、タイヤセンサ信号を送信する特定のタイヤ(即ち、タイヤセンサ)を識別する固有のIDを含む。受信ユニットは、この固有IDと、信号を送信してきたタイヤの位置とを関連付ける。このようにして、受信ユニットは、各タイヤセンサが起動されるにつれてそのタイヤの位置を学習する。各タイヤが起動された後に、受信ユニットは、典型的に、受信ユニットが起動されたタイヤからタイヤセンサ信号を受信したこと、及び順序内の次のタイヤを起動させることができることを指示するために、ビープ音のような音響を発生する。
【0007】
あるタイヤセンサが起動されている間の後の時点に、そのタイヤセンサはその固有IDをタイヤに関する関連データ(例えば、タイヤ圧)と共に送信し、受信ユニットは必要に応じて送信されたデータをビークルのオペレータに表示し、またタイヤ位置をオペレータに指示することもできる。例えば、もしビークルが動作中に右前輪のタイヤの空気圧が低下し始めれば、その空気圧の低下は右前輪タイヤ内のタイヤセンサによって検出され、そのタイヤセンサはタイヤ圧(その固有IDと共に)を受信ユニットへ送信する。受信ユニットは、先の固有IDとタイヤの位置との関連付けから、送信中のタイヤセンサのタイヤ位置(即ち、右前輪)を決定し、次いでビークルのオペレータに右前輪タイヤのタイヤ圧が低下したことを指示する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
遠隔タイヤ監視システムは、多くの製造業者によって製造されている。異なる製造業者によって設計されたRTMSタイヤセンサは、タイヤセンサを起動させるために異なる方法を使用する。例えば、あるRTMS製造業者は、タイヤセンサを、それらが磁石が発生することができる磁場によって起動されるように製造することができる。若干のタイヤセンサを起動させることができる第2の方法は、タイヤの空気圧の変化によるものである。若干のタイヤセンサを起動させることができる第3の方法は、タイヤの回転によるものである。若干のタイヤセンサを起動させることができる第4の方法は、温度によるものである。RTMS製造業者は、タイヤセンサを、それらが低周波数(“LF”)または無線周波数(“RF”)の連続波信号によって起動されるように製造することもできる。更に他の製造業者は、タイヤセンサを、それらが低周波数(“LF”)または無線周波数(“RF”)の被変調信号によって起動されるように製造することができる。
【0009】
更に、製造業者が異なると、タイヤセンサ(起動された時に)から受信ユニットへデータを送信する方法が異なることが多い。例えば、ある製造業者は、タイヤセンサが315MHzのような特定周波数のRF信号を介してデータを送信し、受信ユニットがそれを受信するようにタイヤセンサを製造することができる。第2の製造業者は、タイヤセンサを、それらが433MHzのような異なる周波数のRF信号を介してデータを送信するように製造することができる。第3の製造業者は、タイヤセンサを、それらが916MHzのような更に別の周波数のRF信号を介してデータを送信するように製造することができる。
【0010】
本発明は、異なる製造業者によって製造された遠隔タイヤ監視システムと共に動作させることができるタイヤ位置付けツールを提供する。本発明のタイヤ位置付けツールは、1つまたは複数の手段を使用してRTMSタイヤセンサを起動させることができる。本発明の好ましいタイヤ位置付けツールは、起動されたRTMSタイヤセンサによって送信された複数の周波数の信号を受信することができる。本発明の好ましいタイヤ位置付けツールは、複数の信号周波数の1つを使用して、データをRTMS受信ユニットへ送信、及び/またはデータをRTMS受信ユニットから受信することもできる。これによって、新しいタイヤを取付ける、またはタイヤをローテーションさせる仕事をする技術者は、単一のツールを使用して、異なる製造業者によって製造された遠隔タイヤ監視システムと共に作業することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明によるタイヤ位置付けツールのブロック図である。
【図2】本発明による方法の実施の形態を表すフローチャートである。
【図3】本発明によるタイヤ位置付けツールの概要図である。
【図4】本発明によるタイヤ位置付けツールの概要図である。
【図5】本発明によるタイヤ位置付けツールの実施の形態の三次元図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、添付図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明するが、この説明は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定する意図はないことを理解されたい。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施の形態を使用することもできること、及び構造的な変化を考案できることも理解されたい。
【0013】
本発明は、異なる製造業者によって製造された複数の遠隔タイヤ監視システム(即ち、異なる型のRTMS)と共に動作させことができるタイヤ位置付けツールを提供する。第1の実施の形態においては、本発明のタイヤ位置付けツールは、タイヤセンサを起動させる複数の手段を含み、従って、複数の型のRTMSタイヤセンサを起動させることができる。第2の実施の形態においては、本発明のタイヤ位置付けツールは、付加的に、複数の異なる型の起動されたRTMSタイヤセンサから送信されたデータを受信することができる信号受信回路を含む。第3の実施の形態においては、本発明のタイヤ位置付けツールは、複数の異なる型のRTMS受信ユニットへデータを送信することができる信号送信回路を含む。第4の実施の形態においては、本発明のタイヤ位置付けツールは、付加的に、複数の型の起動されたRTMS受信ユニットから送信されたデータを受信することができる信号受信回路を含む。
【0014】
遠隔タイヤ監視システムは、複数の製造業者によって製造されている。RTMSタイヤセンサは、製造業者が異なるとタイヤセンサを起動させる方法が典型的に異なるように設計されている。例えば、あるRTMS製造業者は、タイヤセンサを、それらが磁石が発生することができる磁場によって起動されるように製造することができる。例えば、もし磁石がタイヤセンサから短い距離(例えば、数インチ)内に配置されれば、タイヤセンサが起動される。若干のタイヤセンサを起動させることができる第2の方法は、タイヤの空気圧の変化によるものである。即ち、もし空気圧がある量(典型的には、約5psi)だけ変化すれば、タイヤセンサが起動される。若干のタイヤセンサを起動させることができる第3の方法は、タイヤの回転によるものである。例えば、タイヤがある速度で(または、それより高い速度で)回転すると、タイヤセンサが起動される。若干のタイヤセンサを起動させることができる第4の方法は、温度によるものである。この場合、もしタイヤが過熱し始めれば、タイヤセンサが起動される。RTMS製造業者は、タイヤセンサを、それらが無線周波数信号によって起動されるように製造することもできる。約30MHzよりも低い周波数を有する無線周波数信号を低周波数(“LF”)と称し、約30MHzよりも高い周波数を有する信号を無線周波数(“RF”)信号と呼ぶ。従って、以下に30MHzより低いか、または等しい周波数を有する無線周波数信号を、LF信号と呼び、30MHzより高い周波数を有する無線周波数信号をRF信号と称することにする。従って、若干のタイヤセンサを起動させることができる第5の方法は、連続波LF信号、または連続波RF信号によるものである。典型的には、これらのタイヤセンサは、ある時間(普通は、少なくとも6秒)にわたって連続波信号を受信すると起動される。別のRTMS製造業者は、タイヤセンサを、それらが被変調LFまたは被変調RF信号によって起動されるように製造することができる。RTMSタイヤセンサを起動させる目的で送信されるLFまたはRF信号を、連続波であっても、または被変調波であっても、以下に起動信号という。
【0015】
本発明のタイヤ位置付けツールは、タイヤセンサを起動させるための複数の手段を含んでいる。本発明のタイヤ位置付けツールは、タイヤセンサを起動させるための2つ程度の少ない異なる手段を使用して製造することができる。例えば、もしタイヤ位置付けツールを、そのツールを使用することを必要とする環境だけにおいて、2つ程度の少ない異なる既知の型のRTMSと共に使用することが分かっていれば、2つ程度の少ない異なる手段を有する本発明のタイヤ位置付けツールを製造することは有用であり得る。タイヤセンサを起動させるための少ない異なる手段を有する本発明のタイヤ位置付けツールの製造は、一般的に、タイヤセンサを起動させるための多くの異なる手段を有する本発明のタイヤ位置付けツールより安価である。一方、もし本発明のタイヤ位置付けツールを、そのツールを使用することを必要とする環境において、多くの異なる型のRTMSと共に使用する意図があることが分かっていれば、本発明のタイヤ位置付けツールはタイヤセンサを起動させるための多くの異なる手段を用いて製造することができる。
【0016】
本発明のタイヤ位置付けツール内に組入れることができるタイヤセンサを起動させるための1つの手段は、磁石の使用を含む。例えば、本発明のタイヤ位置付けツールは、タイヤ位置付けツールに近接させて(典型的には、ツールの内側に配置する)取付けられた磁石を有することができる。若干のタイヤセンサは、タイヤセンサが磁石によって発生される磁場内に配置された時に、センサが起動されるように製造される。一般的に、磁石を含むタイヤ位置付けツールは、タイヤセンサが磁石によって起動されるまでタイヤセンサから数インチ以内に位置決めする必要がある。タイヤセンサを起動させるのに有用な磁石の型は当分野においては公知であり、当業者ならば本発明のタイヤ位置付けツール内に含ませるのに適切な磁石を容易に決定することができよう。技術者が磁石によって起動されるタイヤセンサを含む遠隔タイヤ監視システムを用いて作業する場合、技術者は先ずRTMS受信ユニットをプログラミングモードに投入し、次いで各タイヤ上において本発明のタイヤ位置付けツールを適切な順序で使用し、タイヤセンサが磁石の磁場内に入るようにタイヤ位置付けツールをタイヤに十分に接近させることによって、タイヤセンサを起動させることができる。
【0017】
本発明のタイヤ位置付けツール内に組入れることができるタイヤセンサを起動させるための第2の手段は、バルブコアデプレッサ(valve core depressor)の使用を含む。当分野においては、バルブコアを押し、空気をタイヤ外へ流出させることによってタイヤの空気圧を低下させることが知られている。バルブコアを押して空気をタイヤから流出させるために使用される当分野において公知のツールが存在している。これらのツールを、バルブコアデプレッサと呼ぶ。本発明の位置付けツールは、ツールのケーシングに取付けられているか、またはその中に作られていて技術者が容易にタイヤ内の空気圧を低下させることが可能なバルブコアデプレッサを有することができる。技術者がタイヤ圧の変化によって起動されるタイヤセンサを含む遠隔タイヤ監視システムを用いて作業する場合、技術者は先ずRTMS受信ユニットをプログラミングモードに投入し、次いで各タイヤ上において本発明のタイヤ位置付けツールを適切な順序で使用し、センサを起動させるようにタイヤ圧を十分に低下させるのに十分な量の空気を流出させる。
【0018】
本発明のタイヤ位置付けツール内に組入れることができるタイヤセンサを起動させるための第3の手段は、連続波(“CW”)LFまたはRF信号の使用を含む。若干のタイヤセンサは、それらが特定周波数のCW信号を受信した時に起動されるように製造することができる。特定周波数のCW信号を発生させる手段は当分野においては公知であり、当分野において公知のどの手段も本発明のタイヤ位置付けツール内においてCW信号を発生させるために使用することができる。本発明のタイヤ位置付けツール内においてCW信号を発生させる手段は、CW信号を発生し、次いで増幅器またはドライバ回路を用いてこのCW信号を増幅するための周波数発生回路を含む。周波数発生回路、並びに増幅器及びドライバ回路は当分野においては公知であり、当業者ならば本発明のタイヤ位置付けツール内に容易に組込むことができよう。
【0019】
本発明の位置付けツールは、単一の周波数を発生することができる周波数発生回路を含むことも、または複数の異なる周波数を発生することができる周波数発生回路を含むこともできる。RTMSタイヤセンサの型が異なれば、異なる周波数のCW信号を起動させる必要があろう。従って、発生される各異なる周波数のCW信号は、RTMSタイヤセンサを起動させる別の手段を構成する。もし、本発明のタイヤ位置付けツールが1つの周波数のCW信号だけしか発生できなければ、ツールは、RTMSタイヤセンサを起動させる少なくとも1つの他の手段(磁石のような)も含むことになろう。最も一般的には、本発明のタイヤ位置付けツールは、複数の異なる周波数を発生することができる周波数発生回路を含む。CW信号の周波数は、異なる型のRTMSタイヤセンサを起動させることが知られている周波数から選択される。本発明のタイヤ位置付けツールにおけるCW信号のための有用な信号は、例えば、125kHz、13.56MHz、928MHz、及び2.4GHzを含むことができる。
【0020】
本発明のタイヤ位置付けツール内に組入れることができるタイヤセンサを起動させるための第4の手段は、被変調信号の使用を含む。若干のタイヤセンサは、それらが特定周波数の被変調信号を受信した時に起動されるように製造することができる。特定周波数で被変調信号を発生させる手段は当分野においては公知であり、当分野において公知のどの手段も本発明のタイヤ位置付けツール内において被変調信号を発生させるために使用することができる。本発明のタイヤ位置付けツール内において被変調信号を発生させる1つの手段は、周波数発生回路に加えてマイクロプロセッサを含む。当分野においては公知のように、信号を増幅するために増幅器またはドライバ回路も含むことができる。
【0021】
前記発生されたCW信号と同様に、本発明のタイヤ位置付けツールは、単一の周波数の被変調信号だけを発生することも、または複数の周波数の1つで被変調信号を発生することもできる。RTMSタイヤセンサの型が異なれば、異なる周波数の被変調信号を起動させる必要があろう。従って、発生される別の周波数で発生される各被変調信号は、RTMSタイヤセンサを起動させる別の手段を構成する。もし、本発明のタイヤ位置付けツールが1つの周波数の被変調信号だけしか発生できなければ、ツールは、RTMSタイヤセンサを起動させる少なくとも1つの他の手段(磁石、またはCW信号を送信する手段のような)も含むことになろう。最も一般的には、本発明のタイヤ位置付けツールは、複数の異なる周波数で被変調信号を発生することができる周波数発生回路を含む。被変調信号の周波数は、異なる型のRTMSタイヤセンサを起動させることが知られている周波数から選択される。本発明のタイヤ位置付けツールにおける被変調信号のための有用な周波数は、例えば、125kHz、13.56MHz、928MHz、及び2.4GHzを含むことができる。
【0022】
上述したように、本発明のタイヤ位置付けツールは、RTMSタイヤセンサを起動させるための複数の手段を含む。RTMSタイヤセンサを起動させるための複数の手段は、上述した手段の如何なる組合わせであることもできる。例えば、本発明のタイヤ位置付けツールは、2つまたはそれ以上の異なる周波数でCW信号を発生するための手段だけを含み、RTMSタイヤセンサを起動させるための他の如何なる手段も含まないことができる。同様に、本発明のタイヤ位置付けツールは、2つまたはそれ以上の異なる周波数で被変調信号を発生するための手段だけを含み、RTMSタイヤセンサを起動させるための他の如何なる手段も含まないことができる。代替として、本発明のタイヤ位置付けツールは、1つの特定周波数だけのCW信号を発生するための手段を含み、また1つの特定周波数だけの被変調信号を発生するための手段をも含むことができる。最も一般的には、本発明のタイヤ位置付けツールは、磁石、コアバルブデプレッサ、2つまたはそれ以上の異なる周波数でCW信号を発生する手段、及び2つまたはそれ以上の異なる周波数で被変調信号を発生する手段を含む。
【0023】
RTMSタイヤセンサを起動させるための複数の手段を使用することの1つの利点は、複数の型のRTMSタイヤセンサを起動させるために、技術者が単一の本発明のタイヤ位置付けツールを使用できることである。これは、技術者が特定の型のRTMSタイヤセンサのことを知っているか否かには無関係に行うことができる。RTMS受信ユニットがプログラミングモードに投入されると、技術者は本発明のタイヤ位置付けツールを使用して適切な順番でタイヤセンサを起動させ、各タイヤの位置を受信ユニットへ指示することができる。
【0024】
本発明のタイヤ位置付けツールは、タイヤ位置をRTMS受信ユニットに指示するために有利に使用することができる。本発明のタイヤ位置付けツールを使用する技術者は、先ずRTMS受信ユニットをプログラミングモードに投入する。次いで、技術者はツールを使用して、受信ユニットが予測する順序で各タイヤセンサを起動させる。
【0025】
もし技術者が、どの製造業者がそのRTMSを製造したのか、及びタイヤセンサを起動させるにはどの手段が必要かを知っていれば、技術者は各タイヤを起動させるためにその手段を使用しよう。例えば、技術者は適切な順序で各タイヤに接近し、タイヤセンサがタイヤ位置付けツールからのCW信号を受信する距離内にあるようにタイヤ位置付けツールを十分に接近させて配置し、次いで所望の特定周波数でCW信号を発生する手法でタイヤ位置付けツールを起動させる。タイヤセンサ信号を受信したことをRTMS受信ユニットが指示すると技術者は順序内の次のタイヤへ進み、そのタイヤセンサを起動させる。同様に技術者は、全てのセンサが起動されるまで、順序内の各タイヤセンサを起動させる。
【0026】
もし技術者が、タイヤセンサを起動させるのにどの手段が必要かを知っていなければ、RTMS受信ユニットをプログラミングモードに投入した後に、技術者は最初のタイヤへ進み、タイヤセンサ信号を受信したことを受信ユニットが指示するまで、異なる手段を使用してタイヤセンサを起動させることを試みることができる。例えば、技術者は、先ずタイヤセンサをツールの磁石の磁場内に配置することによってタイヤセンサを起動させようと試みることができる。もしタイヤセンサが起動されなければ(即ち、受信ユニットがタイヤセンサ信号を受信したことを指示しなければ)、技術者はツールに特定周波数のCW信号を発生させることによってタイヤセンサを起動させようと試みることができる。それでもタイヤセンサが起動されなければ、技術者はツールに異なる周波数のCW信号を発生させるか、または特定周波数の被変調信号を発生させることによってタイヤセンサを起動させるように試みることができる。タイヤセンサを起動させる試みは、タイヤセンサが起動されるか、またはタイヤセンサを起動させるための全ての利用可能な手段で試みても不首尾に終わるまで続行される。ある手段が順序内の最初のタイヤセンサの起動に成功すると、技術者は、最初に他の何れの手段も試行することなく、順序内の残余の各タイヤのためにその手段を使用することができる。
【0027】
本発明のタイヤ位置付けツールの好ましい実施の形態は、起動されたRTMSタイヤセンサによって送信される信号を受信するための手段をも含む。RTMSタイヤセンサが起動されると、タイヤセンサは特定周波数のLFまたはRF信号(即ち、タイヤセンサ信号)を介してデータを受信ユニットへ送信する。本発明の好ましいタイヤ位置付けツールは、タイヤセンサ信号を受信することができる受信回路に接続されているアンテナを含む。受信回路は、単一の周波数を受信することができる単一の受信機、複数の周波数を受信することができる単一の受信機、または各々が単一の周波数を受信することができる複数の受信機を含むことができる。本発明の好ましいタイヤ位置付けツールは、タイヤセンサ信号をデコードするためのマイクロプロセッサを更に含む。本発明に有用なアンテナ、受信回路、及びマイクロプロセッサは当分野においては公知であり、当業者ならば本発明のタイヤ位置付けツール内に容易に組入れることができよう。RTMSタイヤセンサの型が異なれば、異なる周波数でタイヤセンサ信号を送信し得る。従って、本発明のタイヤ位置付けツールが受信することができる各異なる周波数のタイヤセンサ信号は、タイヤセンサ信号を受信するための異なる手段を構成する。即ち、もし本発明のタイヤ位置付けツールが複数の周波数のタイヤセンサ信号を受信する手段を含んでいれば、タイヤ位置付けツールはタイヤセンサ信号を受信するための複数の手段を含むことになる。
【0028】
典型的には、好ましいタイヤ位置付けツールは、複数のタイヤセンサ信号の周波数を受信することができる。これは、本発明のタイヤ位置付けツール内に、各々が特定周波数の信号を受信するように設計されている複数の受信機を含ませることによって達成することができる。代替として、これは、複数の異なる周波数を受信することができる単一の受信機を含ませることによって達成することができる。あるRTMSタイヤセンサが送信することが分かっている信号の各周波数毎に、タイヤ位置付けツールがその周波数のタイヤセンサ信号を受信し、デコードするように、受信回路を本発明のタイヤ位置付けツール内に含ませることができる。本発明のタイヤ位置付けツールが受信するのに有用なRTMSタイヤセンサ信号の周波数は、例えば、125kHz、13.56MHz、315MHz、433MHz、848MHz、916MHz、及び2.4GHzを含むことができる。
【0029】
複数の周波数を受信することができる単一の受信機を含ませるか、または各々が単一の周波数を受信することができる複数の受信機を含ませるかは、技術的な問題ではなく、主として経済的に決定されるものである。一般に、複数の周波数を受信することができる受信機は、単一の周波数を受信することができる受信機よりも製造コストが高い。もしタイヤ位置付けツールを、少数の異なる周波数だけを受信するように設計するのであれば、それは、各々が単一の周波数を受信する複数の受信機を含ませるより経済的であり得る。しかしながら、もしタイヤ位置付けツールを、多くの異なる周波数を受信するように設計するのであれば、それは、全ての目標周波数を受信することができる単一の受信機を含ませるより経済的であり得る。
【0030】
本発明のタイヤ位置付けツールが受信することができる周波数の数は、技術者がツールを使用する特定の環境に適応させることができる。多数の異なる周波数を受信することができるタイヤ位置付けツールを多数の型の遠隔タイヤ監視システムと共に使用することができるが、少数の異なる周波数を受信することができるタイヤ位置付けツールは典型的に製造コストがより安価であろう。
【0031】
本発明のタイヤ位置付けツールによって受信されるRTMSタイヤセンサ信号は、データをタイヤ位置付けツールへ送信し、このデータは有利に表示することができる。例えばタイヤセンサは、タイヤセンサ信号を介して固有ID、タイヤ圧、タイヤ温度等のようなデータを送信することができる。本発明の好ましいタイヤ位置付けツールは、タイヤ位置付けツールを使用する技術者が確実な手法で被送信データを表示するために有利に使用することができるディスプレイ装置を含む。本発明のタイヤ位置付けツール内に有利に組込むことができるディスプレイ装置は当分野においては公知であり、例えば、LEDデバイス、LCDデバイス、VFデバイス、その他のデバイスを含むことができる。
【0032】
タイヤセンサ信号を受信することができる本発明のタイヤ位置付けツールは、技術者がさまざまな手法で有利に使用することができる。例えば、もし技術者が単にあるタイヤのタイヤセンサが動作しているか否かを決定したいだけであれば、技術者はツールを使用してタイヤセンサを起動させることができる。もしタイヤセンサのデータ(即ち、固有のID、タイヤ圧等)を表示させれば、技術者はタイヤセンサが動作していることを知る。技術者は、本発明のタイヤ位置付けツールを使用して各タイヤの空気圧をチェックし、各タイヤ内の圧力が十分なレベルにあることを確認することもできる。技術者がタイヤをバランスさせる場合、技術者はタイヤを回転させるデバイス上にタイヤを配置する。この回転によりタイヤセンサが起動し、タイヤの回転中に技術者はタイヤセンサのデータを受信することができる。勿論、技術者は、タイヤが回転している間にツールを使用してタイヤを起動させることもできる。
【0033】
本発明のタイヤ位置付けツールの好ましい実施の形態は、RTMS受信ユニットへ信号を送信するための手段を更に含む。この手段は、典型的に、信号を送信するための送信回路に接続されたアンテナと、信号をエンコードするためのマイクロプロセッサとを含む。送信回路は、単一の周波数を送信することができる単一の送信機、複数の周波数を送信することができる単一の送信機、または各々が単一の周波数を送信することができる複数の送信機を含むことができる。本発明の好ましいタイヤ位置付けツールは、受信ユニットへ送信される信号のためのマイクロプロセッサを更に含む。本発明に有用なアンテナ、送信回路、及びマイクロプロセッサは当分野においては公知であり、当業者ならば本発明のタイヤ位置付けツール内に容易に組入れることができよう。RTMS受信ユニットの型が異なれば、異なる周波数の信号を受信することができる。従って、本発明のタイヤ位置付けツールが送信することができる信号の異なる各周波数は、信号を送信するための異なる手段を構成する。即ち、もし本発明のタイヤ位置付けツールが信号を複数の周波数で送信する手段を含んでいれば、タイヤ位置付けツールは信号を送信するための複数の手段を含むことになる。
【0034】
典型的には、好ましいタイヤ位置付けツールは、複数の周波数の信号を送信することができる。これは、本発明のタイヤ位置付けツール内に、各々が特定周波数の信号を送信するように設計されている複数の送信機を含ませることによって達成することができる。代替として、これは、複数の異なる周波数を送信することができる単一の送信機を含ませることによって達成することができる。あるRTMS受信ユニットによって受信されることが分かっている信号の各周波数毎に、本発明のタイヤ位置付けツールがその周波数の信号をエンコードし、送信するように、送信回路をタイヤ位置付けツール内に含ませることができる。本発明のタイヤ位置付けツールが送信するのに有用なRTMS信号の周波数は、例えば、125kHz、13.56MHz、315MHz、433MHz、848MHz、916MHz、及び2.4GHzを含むことができる。
【0035】
複数の周波数を送信することができる単一の送信機を含ませるか、または各々が単一の周波数を送信することができる複数の送信機を含ませるかは、技術的な問題ではなく、主として経済的に決定されるものである。一般に、複数の周波数を送信することができる送信機は、単一の周波数を送信することができる送信機よりも製造コストが高い。もしタイヤ位置付けツールを、少数の異なる周波数だけを送信するように設計するのであれば、それは、各々が単一の周波数を送信する複数の送信機を含ませるより経済的であり得る。しかしながら、もしタイヤ位置付けツールを、多くの異なる周波数を送信するように設計するのであれば、それは、全ての目標周波数を送信することができる単一の送信機を含ませるより経済的であり得る。
【0036】
本発明のタイヤ位置付けツールが送信することができる周波数の数は、技術者がツールを使用する特定の環境に適応させることができる。多数の異なる周波数を送信することができるタイヤ位置付けツールを多数の型の遠隔タイヤ監視システムと共に使用することができるが、少数の異なる周波数を送信することができるタイヤ位置付けツールは典型的に製造コストがより安価であろう。
【0037】
以上のように、本発明の好ましいタイヤ位置付けツールは、起動されたRTMSタイヤセンサからの信号を受信し、信号をデコードし、必要な、または望ましいタイヤ位置のような付加的なデータを付加し、エンコードされたデータを信号を介してビークルの受信ユニットへ送信することができる。異なる周波数の信号を受信するために、異なる型のRTMS受信ユニットを設計することができる。従って、本発明のタイヤ位置付けツールが受信ユニットへ送信することができる信号の各異なる周波数は、これらの信号を送信するための異なる手段を構成する。即ち、もし本発明のタイヤ位置付けツールが信号を複数の周波数で受信ユニットへ送信する手段を含んでいれば、タイヤ位置付けツールはこれらの信号を送信するための複数の手段を含むことになる。
【0038】
タイヤセンサ信号を複数の異なる周波数で受信するための手段を有するのと同様に、本発明のタイヤ位置付けツールの好ましい実施の形態は、RTMS受信ユニットによって送信される信号を受信するための手段も含むことができる。以上説明したように、タイヤ位置付けツールは、ビークルの受信ユニットから信号を受信し、該ユニットへ信号を送信することによって、ビークルの受信ユニットと会話することができる。RTMS受信ユニットの型が異なれば、異なる周波数の信号を送信し得る。従って、本発明のタイヤ位置付けツールが受信することができる信号の各異なる周波数は、これらの信号を受信するための異なる手段を構成する。即ち、もし本発明のタイヤ位置付けツールがRTMS受信ユニットからの信号を複数の異なる周波数で受信する手段を含んでいれば、タイヤ位置付けツールはこれらの信号を受信するための複数の手段を含むことになる。
【0039】
図1は、本発明のタイヤ位置付けツールの好ましい実施の形態のブロック図である。ツール100は、RTMSタイヤセンサを起動させる(センサは、磁石が発生する磁場内に配置されると起動され得る)ために有利に使用することができる磁石102を含む。ツール100は、ツール100の電子回路へ電力を供給するための電源104及びスイッチ106を更に含む。電源104は、典型的に電池である。スイッチ106を閉じると、電源104が電力をツールの電子回路へ供給する。周波数発生器108、増幅器110、及びインダクタ112は、RTMSタイヤセンサを起動させるための信号(即ち、起動信号)を送るために使用される。マイクロプロセッサ114は、当分野においては公知の種々の方法で信号を変調し、信号をエンコードし、信号をデコードする等に有利に使用することができる。本明細書の目的から、マイクロプロセッサという用語は、当分野においてはマイクロコントローラと呼ばれているデバイスを含むことを意図している。マイクロプロセッサ114は、本発明のタイヤ位置付けツールを制御するためのコンピュータプログラムを実行するために、メモリデバイス(図示してない)と共に有利に使用することもできる。
【0040】
アンテナ116は、RTMSタイヤセンサ、またはRTMS受信ユニットの何れかからの信号を受信するように設計されている。図1には、315MHzの周波数で信号を受信することができる第1受信機118、及び433MHzの周波数で信号を受信することができる第2受信機120の2つの受信機を含むように図示されている。2つの受信機の間に示されている省略符号(・・・)は、タイヤ位置付けツールの他の実施の形態が、信号を他の周波数で受信することができる付加的な受信機を含み得ることを表している。マイクロプロセッサ114は、受信機の1つによって受信される信号をデコードするために使用することができる。
【0041】
アンテナ122は、RTMS受信ユニット、またはRTMSタイヤセンサの何れかから信号を送信するように設計されている。図1には、315MHzの周波数で信号を送信することができる第1送信機124、及び433MHzの周波数で信号を送信することができる第2送信機126の2つの送信機を含むように図示されている。2つの送信機の間に示されている省略符号は、タイヤ位置付けツールの他の実施の形態が、信号を他の周波数で送信することができる付加的な送信機を含み得ることを表している。マイクロプロセッサ114は、送信機の1つによって送信される信号をエンコードするために使用することができる。
【0042】
図1に示すように、本発明のタイヤ位置付けツールは、典型的に、情報を作業中の技術者に視覚的に伝えるためのディスプレイデバイスをも含む。ディスプレイデバイス128は、LEDデバイス、LCDデバイス、VFデバイス、その他作業中の技術者に情報を表示するために有用な、当分野においては公知のどのようなデバイスであることもできる。表示される情報の型は、例えば、固有のタイヤID、タイヤ圧、及びタイヤ温度を含むことができる。
【0043】
図1に示すタイヤ位置付けツールの実施の形態は、ユーザスイッチ130も含む。技術者はユーザスイッチ130を使用して、異なる動作モードに切り替えることができる。本発明の異なる実施の形態は、異なる動作モードを有することができる。例えば、1つの動作モードは、RTMSタイヤセンサを起動させ、その情報をディスプレイデバイス128上に表示させることを含むことができる。別の動作モードは、技術者が、情報をRTMS受信ユニットへ送信させることができるように、情報をタイヤ位置付けツール内へ入力することを含むことができる。別の動作モードは、タイヤ位置付けツールが情報をビークルのRTMS受信ユニットへ送信することを含むことができる。タイヤ位置付けツール内へ入力することができる情報の型は、例えば、タイヤ位置、警告レベル(もしタイヤ内でそれらのレベルに到達すれば、受信ユニットがトリガされてビークルオペレータに警告を発させる、例えば、温度及び/または圧力レベル)、タイヤのブランド、センサのブランド、及びサービスのデータを含むことができる。本発明の好ましい実施の形態においては、技術者は、タイヤ位置付けツールを1つのモードに投入し、タイヤセンサを起動させて該センサから情報(固有ID、及び例えばタイヤ圧)を受信し、ツールを第2のモードに投入して情報(例えば、タイヤ位置)を入力できるようにし、次いでツールを第3のモードに投入してタイヤセンサから受信した情報を入力された情報と共に受信ユニットへ送信することができる。
【0044】
図2は、本発明による方法200の実施の形態を示すフローチャートである。図2に示した方法200のような方法は、コンピュータプログラミングに精通していればタイヤ位置付けツールのマイクロプロセッサ内に実現することができよう。
【0045】
技術者は、図1に示したスイッチ106のような始動スイッチを押す(202)ことによって、タイヤ位置付けツールの使用を開始する。始動スイッチを押す(202)と、ツールの全ての電子回路に電力が供給される(204)。次に、タイヤ位置付けツールは、遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサを起動させることができる複数の手段の1つを使用することによって、タイヤセンサを起動させるように試みる(206)。これは、起動信号を送信することによって、またはタイヤ位置付けツールをタイヤセンサに十分に接近させてタイヤ位置付けツール内に存在する磁石の磁場内に配置することによって、またはツールのバルブコアデプレッサ(もし存在すれば)を使用することによって遂行することができる。起動信号を送信する場合、ツールは特定周波数でCW信号または被変調信号の何れかを送信することによって目標とするタイヤセンサを起動させようと試みる。
【0046】
本発明の好ましい実施の形態においては、タイヤ位置付けツールは、タイヤセンサを起動させるのに成功した起動信号の最新の手段を記録し、タイヤセンサを起動させる最初の試みにその起動信号の記録された手段を起動信号の最初の手段として使用する(206)。一般的に、所与の型の全てのタイヤセンサは、起動のために同一の信号の手段を使用している。また、一般的に、ビークル上の全てのタイヤセンサは、同一の型であろう。従って、もし技術者がビークル上の1つまたはそれ以上のタイヤを既に起動させていれば、次のタイヤのための起動信号は、先行タイヤにおいて今使用した起動信号と同一の手段であろう。従って、最後に成功した起動信号を記録しておくことは、順序内の最初のタイヤを起動させた後に、起動信号の他の多くの手段をいろいろと試みる必要とせずに、次のタイヤに対して同一の活動信号の手段を使用することができるので時間の節約になる。最新の成功をもたらした型の起動信号は、如何なる適切な手段によっても記録することができる。例えば、各起動信号手段を独特な数と組合わせ、起動信号が成功である場合にはその独特な数をマイクロプロセッサによって記憶させることができる。タイヤセンサを起動させることを試みる場合(206)、その試みの中で組合わされた起動信号手段を使用してタイヤセンサを起動させることができる(206)。
【0047】
タイヤ位置付けツールがタイヤセンサを起動させることを試みた(206)後に、ツールはタイヤセンサ信号を受信するために十分な時間にわたって待機する(208)。起動され始めるための十分な時間をタイヤセンサに与えるために、及びタイヤセンサ信号を送信するための十分な時間をタイヤセンサに与えるために、及びタイヤセンサ信号を受信するための十分な時間をタイヤ位置付けツールに与えるために、タイヤ位置付けツールは十分に長く待機しなければならない。例えば、若干のタイヤセンサは、それらが起動するまでに少なくとも6秒間連続波信号を受信しなければならない。タイヤ位置付けツールがタイヤセンサ信号の受信を待機する時間は、典型的には約10秒以上にはならないであろう。次いで、タイヤ位置付けツールは、その時間内にタイヤセンサ信号を受信したか否かを決定する(210)。もしNOであれば、ツールは、遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサを起動させる別の手段を使用してタイヤセンサを起動させることを試みる(212)。例えば、もしタイヤセンサを起動させる先行の試みが特定周波数のCW信号を使用していれば、今度の試みは異なる周波数のCW信号を送信するか、または特定周波数の被変調信号を送信することができる。この最新のタイヤセンサ起動の試み(212)の後に、ツールは再度タイヤセンサ信号を受信するために待機する(208)。タイヤセンサを起動させ(212)、タイヤセンサを待機し(208)、そしてタイヤセンサを受信したか否かを決定するこの試みのループは、タイヤセンサを受信するか、またはタイヤセンサを起動させる全ての手段を試みてしまうまで続けられる。
【0048】
タイヤセンサ信号を受信すると、本発明の好ましい実施の形態はそのデータを格納し、表示することができる(214)。本発明の好ましい実施の形態は、ビークルのRTMS受信ユニットと通信することもできる(216)。ビークルのRTMS受信ユニットとの通信(216)は、例えばタイヤ位置のような付加的な情報を伝えることができる。ステップ214及び216の何れか、または両方は、本発明の種々の実施の形態においてはスキップすることができる。
【0049】
ステップ214及び216の両方が完了するか、またはスキップされると、タイヤ位置付けツールは今起動されたタイヤセンサが起動させるべき最後のタイヤセンサであるか否かを決定する(218)。もしYESであれば、全てのタイヤセンサが起動されたのであり、タイヤ位置付けツールをターンオフさせる(220)か、別のビークルのタイヤを取付けるか、ローテーションさせるために使用することができる。もしNOであれば、タイヤ位置付けツールを、起動させる必要があるタイヤセンサを有する次のタイヤへ移動させ(222)、始動スイッチを押して(202)、次のタイヤセンサを起動させる。
【0050】
電子技術に精通していれば、技術者が容易に運搬し、取扱える十分に小型のケーシング内に本発明のタイヤ位置付けツールの構成要素を統合することができよう。図3は、本発明の実施の形態の概要図である。図4は、本発明の実施の形態の別の概要図である。図5は、本発明によるタイヤ位置付けツールの実施の形態の三次元図である。
【0051】
以上に、本発明をその特定の実施の形態に関して詳細に説明したが、当業者ならば、以上の説明を十分に理解した上でこれらの実施の形態の代替、変化、及び等価を容易に考案することができよう。従って、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ限定されるものであることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサを起動させる複数の手段を含むツールにおいて、前記複数の手段は、磁石、バルブコアデプレッサ、連続波信号発生手段、及び被変調信号発生手段からなる群から選択されることを特徴とするツール。
【請求項2】
前記ツールは、磁石、及び少なくとも1つの連続波信号発生手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のツール。
【請求項3】
前記ツールは、磁石、及び少なくとも1つの被変調信号発生手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のツール。
【請求項4】
前記ツールは、少なくとも1つの連続波信号発生手段、及び少なくとも1つの被変調信号発生手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のツール。
【請求項5】
前記ツールは、複数の連続波信号発生手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のツール。
【請求項6】
前記ツールは、複数の被変調信号発生手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のツール。
【請求項7】
遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサを起動させる複数の手段を含み、
前記複数の手段は、磁石、バルブコアデプレッサ、連続波信号発生手段、及び被変調信号発生手段からなる群から選択され、
タイヤセンサ信号を受信する手段を更に含む、
ことを特徴とするツール。
【請求項8】
前記タイヤセンサ信号を受信する手段は、125kHz、13.56MHz、315MHz、433MHz、848MHz、916MHz、及び2.4GHzの周波数において前記タイヤセンサ信号を受信することができる手段の群から選択されることを特徴とする請求項7に記載のツール。
【請求項9】
遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサを起動させる複数の手段を含み、
前記複数の手段は、磁石、バルブコアデプレッサ、連続波信号発生手段、及び被変調信号発生手段からなる群から選択され、
複数のタイヤセンサ信号を受信する手段を更に含む、
ことを特徴とするツール。
【請求項10】
前記複数のタイヤセンサ信号を受信する手段は、125kHz、13.56MHz、315MHz、433MHz、848MHz、916MHz、及び2.4GHzの周波数において前記タイヤセンサ信号を受信することができる手段の群から選択されることを特徴とする請求項9に記載のツール。
【請求項11】
遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサを起動させる複数の手段を含み、
前記複数の手段は、磁石、バルブコアデプレッサ、連続波信号発生手段、及び被変調信号発生手段からなる群から選択され、
タイヤセンサ信号を受信する手段と、
前記タイヤセンサ信号から受信したデータを表示するディスプレイ装置と、
を更に含むことを特徴とするツール。
【請求項12】
前記ディスプレイ装置は、LEDデバイス、LCDデバイス、またはVFデバイスであることを特徴とする請求項11に記載のツール。
【請求項13】
遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサを起動させる複数の手段を含み、
前記複数の手段は、磁石、バルブコアデプレッサ、連続波信号発生手段、及び被変調信号発生手段からなる群から選択され、
タイヤセンサ信号を受信する手段と、
信号を前記遠隔タイヤ監視システムの受信ユニットへ送信する手段と、
を更に含むことを特徴とするツール。
【請求項14】
前記信号を前記遠隔タイヤ監視システムの受信ユニットへ送信する手段は、125kHz、13.56MHz、315MHz、433MHz、848MHz、916MHz、及び2.4GHzの周波数において前記信号を送信することができる手段の群から選択されることを特徴とする請求項13に記載のツール。
【請求項15】
遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサを起動させる複数の手段を含み、
前記複数の手段は、磁石、バルブコアデプレッサ、連続波信号発生手段、及び被変調信号発生手段からなる群から選択され、
タイヤセンサ信号を受信する手段と、
信号を前記遠隔タイヤ監視システムの受信ユニットへ送信する手段と、
前記遠隔タイヤ監視システムの受信ユニットによって送信された前記信号を受信する手段と、
を更に含むことを特徴とするツール。
【請求項16】
タイヤセンサ信号を受信する手段と、
信号を遠隔タイヤ監視システムの受信ユニットへ送信する手段と、
を含むことを特徴とするツール。
【請求項17】
遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサを起動させる第1の手段を使用して、前記遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサの起動を試みるステップと、
タイヤセンサ信号の受信を待機するステップと、
もし前記タイヤセンサ信号を受信することがなければ、遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサを起動させる別の手段を使用して、前記遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサの起動を試みるステップと、
タイヤセンサ信号を受信するか、または前記遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサを起動させる別の手段が利用可能でないかの何れかまで、前記待機ステップ及び前記第2の試みステップを繰り返すステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサを起動させる第1の手段を使用して、前記遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサの起動を試みるステップと、
タイヤセンサ信号の受信を待機するステップと、
もし前記タイヤセンサ信号を受信することがなければ、遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサを起動させる別の手段を使用して、前記遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサの起動を試みるステップと、
もしタイヤセンサ信号を受信すれば、前記遠隔タイヤ監視のタイヤセンサを起動を試みるために使用された最新手段を記録するステップと、
タイヤセンサ信号を受信するか、または前記遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサを起動させる別の手段が利用可能でないかの何れかまで、前記待機ステップ及び前記第2の試みステップを繰り返すステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサを起動させる第1の手段を使用して、遠隔タイヤ監視システムの第1のタイヤセンサの起動を試みるステップと、
タイヤセンサ信号の受信を待機するステップと、
もし前記タイヤセンサ信号を受信することがなければ、遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサを起動させる別の手段を使用して、前記遠隔タイヤ監視システムの第1のタイヤセンサの起動を試みるステップと、
もしタイヤセンサ信号を受信すれば、前記遠隔タイヤ監視のタイヤセンサを起動を試みるために使用された最新手段を記録するステップと、
タイヤセンサ信号を受信するか、または前記遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサを起動させる別の手段が利用可能でないかの何れかまで、前記待機ステップ及び前記第2の試みステップを繰り返すステップと、
前記記録された手段を使用して、遠隔タイヤ監視システムの第2のタイヤセンサを起動させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサを起動させるステップと、
前記起動されたタイヤセンサから、データを含むタイヤセンサ信号を受信するステップと、
前記タイヤセンサから受信したデータの若干または全てを、遠隔タイヤ監視システムの受信ユニットへ送信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
前記遠隔タイヤ監視システムの受信ユニットへ送信されるデータは、前記遠隔タイヤ監視のタイヤセンサから受信したデータに付加される付加的なデータを含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記付加的なデータは、前記遠隔タイヤ監視システムのタイヤセンサのタイヤ位置を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−159048(P2010−159048A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206(P2010−206)
【出願日】平成22年1月4日(2010.1.4)
【分割の表示】特願2006−501287(P2006−501287)の分割
【原出願日】平成16年4月21日(2004.4.21)
【出願人】(505379559)ジー−ファイヴ エレクトロニクス リミテッド ライアビリティ カンパニー (2)
【Fターム(参考)】