説明

適切なプロセス分離により基板をコーティングする装置および方法

基板をコーティングする装置は、ポンプ区画の両側に並置された2個のプロセス区画を備えている。ポンプ区画は、この2個のプロセス区画および通路からのガスをポンプによってポンピングするためにそれらと動作可能に連通しており、また、基板コーティングプロセスに際してガスをほぼ分離することが十分可能である。ポンプ区画は、通路長さが1個のプロセス区画に関連した通路長さ、別のプロセス区画に関連した通路長さ、またはこの2つの通路長さの平均の2倍未満である場合にこのような分離を十分行うことができる。また、基板コーティングプロセスに際してガスをポンピングする装置、基板のコーティングまたはガスのポンピングに関連した方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
[0001]様々な有用な用途に関連した、基板をコーティングする装置および方法が注目されている。例証として、例えば大型ガラス等の大型基板のコーティングにおいて真空および様々なプロセスガスを採用した装置および方法が以前より注目されている。例えば建築用ガラスのような大型基板に様々な材料をコーティングして、このガラスの光学的、熱的、および/または美的品質を変更することが可能である。例えば、光学コーティングを使用して可視光の透過を低減し、エネルギの吸収を減少させ、反射を低減し、および/または任意の品質の組み合わせを追求することができる。このような光学コーティングは各々太陽光制御コーティング、低放射率コーティング、反射防止コーティング、および/または多目的コーティングと呼ばれる場合がある。米国特許第6,589,657号の“Anti−reflection Coating and Associated Methods”、米国特許出願公開第2003/0043464号の“Optical Coatings and Associated Methods”は、各々が本明細書にそれらの全体が組み込まれており、また、ガラス基板の光学特性に影響を及ぼすコーティングの形成および使用について記載している。
【0002】
[0002]一般的に、コーティングシステムはコータ、いくつかの接続式・遠隔式のユニットを含む。コータ(コーティングシステムとも呼ばれる)は、一般的に、1または複数の基板を1つのプロセスモジュールから次のプロセスモジュールへ送ることができるように連続配列された複数のプロセスモジュール、またはチャンバを備えている。一般的に、基板は支持され、ローラによって上流から下流の方向に、基板通過線に沿ってコータを移動する。基板は、一端または上流端からコータに入り、複数のプロセスモジュールを通過しながら1種または他の種類の材料でコーティングされた後に、コータの他端または下流端から出る。基板は、水平またはほぼ水平となり、コータ全長に亘る水平またはほぼ水平な面に沿って移動できるように、垂直またはほぼ垂直となり、コータ全長に亘る垂直またはほぼ垂直な面に沿って移動できるように配向されてもよい。
【0003】
[0003]大型基板のコーティングは困難である。例証として、一般的に、建築用ガラスは、最大で3.2×6メートル(126×236インチ)の大型のシート状に製造されるため、コーティングシステム内での取り扱いおよび処理が難しい。例えば建築用ガラスのような大型基板のコーティングに適したコーティングシステムは、基板の通過線の方向に向かって数百フィートの長さがあり、プロセス設備内の大きな領域を占領してしまい、購入、収容、運転、維持に高額な費用がかかる。
【0004】
[0004]図1は、例えば先述の大型基板、または数枚のこのような基板をコーティングするような、基板4のコーティングに使用できるコータ2の概略図である。この図は、コータの頂部、側部、下流端部の立面図からコータ2を示しており、基板4がコータの下流端部から出て行く状態にある。コータ2は、図に示すように連続的に配列されたプロセスモジュールA、Bのような多数のプロセスモジュールを有していてもよく、処理中に、基板4がそれらのモジュールを上流から下流方向(方向矢印で概略的に示す)へ通過する。この例では、基板4は、図示するように、コータ2のプロセスモジュール全長に亘る水平面に沿って移動するために水平配向を有している。コータ2は、プロセスモジュール同士の間に位置した多数のスリットバルブを有しているが、それらのスリットバルブは、図1に示すようにスリットバルブチャンバ6、8および10等のチャンバ内に位置していてもよい。
【0005】
[0005]図2は、このようなコータの一部のより詳細な概略図を提供する。この図は、コータの頂部、コータの図1と同じ側部、図1に関連して述べたコータの下流端部と対向している上流端部付近の一部の立面図から見たコータ2を示す。この図では、コータ2を、スリットバルブチャンバ6と、区画A5およびA6を含む6個の区画14またはベイからなるプロセスモジュールAと、スリットバルブ8と、区画B1およびB2を含む数個の区画14からなるプロセスモジュールBとを有するものとして、透視図的に上流から下流に向かって見ている。コータ2は、1または複数の基板(図示せず)を基板通過線12に沿って移動させる数個のローラ10を有していてもよく、この基板通過線は、1または複数の基板をコータ全長に亘って上流から下流方向(基板通過線に関連した矢印で概略的に示す)へ移動させるものである。この図では、ローラ10は各区画内に配置されている。ローラ10の幅は、例えば約1000〜約3300mmの基板幅SW(図1)、最大で約1000〜約4210mmの区画幅とほぼ等しい、1または複数の基板の全幅と、例えば約300mmを超えない離間距離等の、1または複数の基板を支持するのに適した基板通過線と平行する離間距離SD(図2)とを支持するのに適した幅になっている。一般的に、コータ2内のすべてのローラ10をほぼ同じ速度で回転させることができ、また、コータ全体にかけて1または複数の基板の動作はほぼ一定の速度であってもよい。
【0006】
[0006]プロセスモジュール同士を分けるスリットバルブチャンバのスリットバルブは、処理中に、一方のプロセスモジュールから他方のプロセスモジュールへと基板が通過できるように開放していてもよい。そのため、プロセスモジュールは、スリットバルブ開口または複数を介して近隣の1個のプロセスモジュールと、または、複数のスリットバルブ開口を介して複数の近隣するプロセスモジュールと流体連通できる。この流体連通は様々な方法で低減することができる。例証として、例えば、1または複数のスリットバルブ開口のサイズを、基板が通過できるようにする一方で実行可能または可能な範囲にまで制限して、プロセスモジュール間におけるこの流体連通を低減することができる。さらに例証として、基板通過線に沿って通過する基板同士間のギャップまたは間隔を実行可能または可能な範囲にまで制限して、基板通過線に沿ってギャップ内にて、またはギャップによって搬送される流体の量を、さらにこれにより、プロセスモジュール間の流体連通を制限することができる。
【0007】
[0007]コータの各プロセスモジュールは、多数の区画14からなっていてもよい。1個のプロセスモジュールを構成する多数の区画14は同じもの、または異なるものであってもよい。図示するように、基板通過線と平行し、プロセスモジュールの入口から出口まで延びたプロセスモジュールの寸法は、別のプロセスモジュールのもの(図1に示す)と同じ、または別のプロセスモジュールと異なるものであってもよい。従来の方法によれば、基板通過線と平行するこのような寸法をここでは「長さ」と呼ぶが、これは対象物の最長の寸法である必要はない。(例えば、図1、図2中のプロセスモジュールAの長さALと、プロセスモジュールBの長さBLとを参照。)プロセスモジュールの区画のサイズは、図2の区画によって例証するように、例えば、長さ(例えば約600〜約1005mm)、幅(例えば約1000〜約4210mm)、高さ(例えば約350〜約1000mm)、容量(例えば約0.2〜約3m)のように均一であってもよく、これにより、プロセスモジュール、さらにはコータ全体の構成および/または再構成が容易になる。区画は、類似のまたは異なる目的に使用できる。例証として、プロセス区画内での基板のコーティングというように、1個の区画を1つのプロセスに使用することができる。さらに例証として、区画を別の目的または他の目的、例えばポンプ区画に動作可能に関連した1または複数のポンプによってポンピングするために使用することが可能である。堆積またはコーティング区画およびポンピング区画のように異なる機能を有する複数のプロセス区画は、互換性を有していてもよい。
【0008】
[0008]図1、図2のいずれかに示すようなコータは、例えば円筒形または平坦なターゲットからのターゲット材料を、ターゲットを通り過ぎる基板の上にスパッタリングするコーティングプロセスにおいて使用できる。ターゲット材料を大型基板上にスパッタリングすることには、例えば、スパッタリングに適した高出力電源の使用と、さらに、過熱の回避などの適切な熱制御を行うための冷却水の使用とが関与してもよい。円筒形ターゲットまたはマグネトロンを介して材料を堆積するシステムおよび方法は、本明細書に組み込まれる米国特許第6,736,948号、“Cylindrical AC/DC Magnetron with compliant Drive System and Improved Electrical and Thermal Isolation”に記載されている。平坦なターゲットまたはマグネトロンを介して材料を堆積するシステムおよび方法は、本明細書に組み込まれる米国特許第4,166,018号、“Sputtering Process and Apparatus”に記載されている。
【0009】
[0009]一般的に、スパッタリングは真空環境下で行う。この内容では「真空」という用語は、大気圧以下の任意の圧力にあるガスを意味する。一般的に、ガラスにコーティングを行うスパッタリングプロセスはミリトール範囲で実行される。大型のガラスシートにコーティングするためのスパッタリングプロセスでは、真空下において、ターゲットを回転させ、ターゲットがスパッタリングされている最中に、ターゲットを通過するまでガラスシートを移動させる。このプロセスでは、スパッタリングに適した真空環境を維持し、この真空環境内で部品を移動させる。いくつかのスパッタリングプロセスでは、スパッタリング区画内にガスを導入して、反応なスパッタリングが起こるようにする。一般的に、反応スパッタリングでは、ガスとスパッタリングされたターゲット材料とが相互作用または反応することで、基板上に層が形成される。プロセス圧力を上手く大気圧未満に維持し、プロセス区画は依然真空下にあると考えられる状態にするために、スパッタリングプロセス中に導入するガスの量を少量にする。
【0010】
[0010]図2のコータ2では、堆積またはコーティング区画やポンピング区画のような異なる機能を有するプロセス区画は互換性を有してもよい。例えば、このコータでは、区画A5、B2は、例えばスパッタリングによって材料を基板上に堆積するためのプロセス区画であってもよく、プロセス区画A5とB2との間に配置された区画A6、B1は、適切な真空を提供するために使用されるポンプ区画であってもよい。図3は、このようなコータ2の一部をコータの側部から見て、垂直断面にて示した概略図である。この図に示すように、コータ2は、上流から下流にかけ、プロセスモジュールAに関連したポンプ区画A6、スリットバルブチャンバ8、プロセスモジュールBに関連したポンプ区画B1を有している。ポンプ区画A6、B1の各々は、先述したとおりの数個のローラ10、ポンプ区画の頂部上に配置されたポンプ16、18を各々装備している。典型的に、ポンプ区画A6、B1の各々は、2個以上のポンプ16、18を各々装備している。ポンプ16、18の各々は、1個または数個のバッキングポンプ(図示せず)にさらに関連していてもよい。
【0011】
[0011]先述したように、プロセスモジュールは近隣の1個または複数のプロセスモジュールと流体連通していてもよい。これにより、図1〜図3のプロセスモジュールA、Bのように隣接し合ったプロセスモジュール間にガスが流れるようになる。一般的に、処理中には、プロセスモジュール間におけるこのガスの流れを減少、最小化、除去することが望ましい。これは、プロセスモジュールに関連した処理が十分に適合しない、または不適合である場合には特に当てはまる。一般的に、不適合な処理は同じプロセスモジュール内で実行されないが、隣接したプロセスモジュールにおいて実行することができる。
【0012】
[0012]同様に、プロセス区画は隣接する1または複数のプロセス区画と流体連通していてもよい。このため、隣接し合ったプロセス区画、例えば図2中のプロセスモジュールA5とA6、A6とB1、B1とB2との間にガスを流すことができる。一般的に、処理中には、プロセス区画間でのこのガスの流れを減少、最小化、除去することが望ましい。これは、プロセス区画に関連した処理同士が十分に適合しない、または不適合である場合には特に当てはまる。一般的に、不適合な処理は隣接し合ったプロセス区画内では実行されないが、ポンプ区画によって分けられたプロセス区画内で実行することができる。例証として、酸素環境を使用して酸化被膜を生成する反応スパッタリングプロセスに使用されるプロセス区画は、酸素の存在または酸素汚染に反応しやすい酸素プロセスに使用するプロセス区画に関連して上流または下流に配置することができる。このようなケース、または他の任意の適切なケースにおいては、ポンプ区画、これに関連するポンプの各々を2個のプロセス区画の間に配置でき、また、スリットバルブチャンバの各々一側部と他側部の上に、あるいは並べて採用することができ、これにより、2個のプロセス区画間におけるガス流または汚染を低減することができる。こうすることで、1個のプロセス区画内における、または十分な量の、プロセスに際してガスまたは汚染が、スリットバルブチャンバまたは隣接するプロセス区画に到達する前に、コータからポンプアウトされる傾向にある。
【0013】
[0013]図示の方法によれば、プロセス区画A5とポンプ区画A6はプロセスモジュールA内に構成され、ポンプ区画B1とプロセス区画B2はプロセスモジュールB内に構成され、また、図2に示すように、プロセスモジュールAとプロセスモジュールBはスリットバルブチャンバ8の対向する側部に配置され、図3に示すようにポンプ区画A6に関連したポンプ16は、ポンプ区画A6からスリットバルブチャンバ8へ到達または拡散するガスの量を低減するために使用でき、図3に示すようにポンプ区画B1に関連したポンプ18は、ポンプ区画B1からプロセス区画B2へ到達または拡散するガスの量を低減するために使用できる。ポンプ区画A6とB1、およびこれに関連するポンプ16と18の各々は、プロセス区画A5からプロセス区画B2へのガス流れを低減するために、あるいは、それらのプロセス区画間にいくつかのレベルのガス分離を提供するために使用できる。前述したような、少なくとも2個のポンプ区画、これに関連するポンプ、スリットバルブチャンバの構成を採用するシステムおよび方法は、隣接し合ったプロセス区画および/またはモジュール間にいくつかのレベルのガス分離を提供するために使用されてきた。
【0014】
[0014]基板をコーティングする装置、システム、方法の開発が一般的に望ましい。
【概要】
【0015】
[0015]通過する基板をコーティングする装置を提供する。この装置は、基板が通路を通って通過でき、ガスによってこの基板をコーティングするのに十分なプロセス区画と、これと類似した特徴部を持った別のプロセス区画と、それら2個のプロセス区画間に配置されたポンプ区画とを備えていてもよい。各プロセス区画については、通路の長さはプロセス区画の入口から出口まで延びていてもよい。2個のプロセス区画内で使用するガスは同一または異なっていてもよい。ポンプ区画は、基板がポンプ区画の入口から出口までの長さの通路を通って十分に通過できるものである。この通路は、2個のポンプ区画に関連した通路と動作可能に連通している。
【0016】
[0016]記載したこの装置では、ポンプ区画は、2個のプロセス区画および通路と動作可能に連通し、ポンプによってそれらからガスをポンピングできるようになっている。ポンプ区画は、基板コーティングプロセスに関して、1個のプロセス区画に関連したガスと、他のプロセス区画に関連したガスとを相互にほぼ分離するのに十分なものである。ポンプ区画は、1個のプロセス区画に関連した通路長さ、別のプロセス区画に関連した通路長さ、この2つの通路長さの平均の2倍未満である場合には、同様に十分なものとなる。この装置は、基板コーティングプロセスに関して、一方のプロセス区画に関連したガス圧と、他方のプロセス区画に関連したガス圧との最大で約35:1の比率を十分提供することができる。
【0017】
[0017]さらに、通過する基板をコーティングする装置からのガスをポンピングする方法を提供する。この方法では、説明したこの装置を提供し、さらに、基板コーティングプロセスに際してポンプにより、通路および2個のプロセス区画からのガスをポンピングしてもよい。このポンピングは、基板コーティングプロセスに関して、一方のプロセス区画に関連したガスと、他方のプロセス区画に関連したガスを相互にほぼ分離するのに十分なものであってもよい。
【0018】
[0018]さらに、基板コーティングプロセスに際してガスをポンピングする装置を提供する。本装置はポンプ区画と高真空ポンプを備えていてもよい。ポンプ区画は、ポンプ区画の片側に隣接するプロセス区画と、また、もう片側に隣接する別のプロセス区画と動作可能に連通するように適合されている。片側にあるプロセス区画は或る長さを有し、もう片側にあるプロセス区画は別の長さを有する。ポンプ区画は、基板がこれを通過するための通路を有している。この通路の長さは、一方のプロセス区画に関連した長さ、他方のプロセス区画に関連した長さ、それら2つの長さの平均の2倍よりも短い。高真空ポンプはポンプ区画と動作可能に関連しており、また、基板コーティングプロセスに関して、一方のプロセス区画に関連したガスと、他方のプロセス区画に関連したガスを相互にほぼ分離するのに十分なものである。それらのガスは同一または異なっていてもよい。
【0019】
[0019]さらに、基板コーティングプロセスに関してガスをポンピングする方法を提供する。この方法では、説明したこの装置を提供し、さらに、基板コーティングプロセスに関し、通路、一方のプロセス区画、他方のプロセス区画からポンプによってガスをポンピングしてもよい。このポンピングは、基板コーティングプロセスに関して、一方のプロセス区画に関連したガスと、他方のプロセス区画に関連したガスを相互にほぼ分離するのに十分なものであってもよい。
【0020】
[0020]シングルポンプ区画は、望ましいまたは必要な場合に、プロセス区画またはコーティング区画間に許容レベルのガス分離を十分に提供できるものであってもよい。このようなシングルポンプ区画は、コータ内で使用する場合、約20:1以上、例えば約35:1のガス分離比に対応することができる。シングルポンプ区画の使用は、設備コスト、コータ設置面積、構成時間および労力、動作時間および労力、コータの複雑性などの面で有利であり、基板を5層以上の材料、例えば6〜8層の材料でコーティングするために採用され、したがって多数のガス分離区画を採用した、大型のマルチモジュールコータで使用する場合に特に有利であると考えられる。例えば、本明細書で記載したものなどの、内部においてシングルポンプ区画の両側には2個のコーティング区画が並置されている、3区画またはベイ構成を備えた様々なマルチモードコータが有用であると考えられる。
【0021】
[0021]次に、それらおよび様々な他の態様、特徴部、実施形態についてさらに説明する。
【0022】
[0022]ここでは、様々な態様、特徴部、実施形態を、以降で簡単に述べる添付の図面を参照しながら説明する。それらの図面は例示的なものであり、実際の縮尺通りである必要はない。またそれらの図面は様々な背景材料、様々な態様や特徴部を図示しており、さらに、1または複数の実施形態あるいは例を全体的または一部のみを例証することができる。特定の要素や特徴部を参照するために1つの図面で使用されている参照符号、文字、および/または記号を、別の図面でも同様の要素や特徴部を参照するために使用している。
【説明】
【0023】
[0031]この記載では、暗黙的あるいは明示的に理解され記載されていない限り、単数形で表された用語が複数の同等物を包括する、また、複数形で表された用語が単数の同等物を包括することが理解されるであろう。さらに、暗黙的あるいは明示的に理解され記載されていない限り、本明細書で記載している任意の所与の構成部分、この構成部品に挙げられた任意の候補または代替品は、単独で、または相互に組み合わせて使用できることが理解されるであろう。さらに加えて、暗黙的あるいは明示的に理解され記載されていない限り、このような候補または代替品の任意のリストは単なる例示的なものであり、限定的なものではない。またさらに、暗黙的あるいは明示的に理解され記載されていない限り、ここで提示している任意の数字、個数、量は、「含む」などの言葉を採用しているか否かに関わらず、概略的なものであり、また、任意の数値範囲はこの範囲を定義する最小値と最大値を含むことが理解されるであろう。さらに、暗黙的あるいは明示的に理解され記載されていない限り、許可的、オープン、無制限な言葉は、比較的許可的な言葉から制限的な言葉、それほどオープンでない言葉から閉鎖的な言葉、それほど無制限ではない言葉から制限的な言葉を各々包括する。単に例証として、「備えている」という言葉は「備えている」、「本質的に〜からなる」、および/または「からなる」という形式の言葉を包括してもよい。
【0024】
[0032]ここでは、理解を容易にする目的で一般的に様々な用語を記載している。対応する全般的な説明、またはそれらの様々な用語の使用は、対応する言語または文法的な応用形や、それらの様々な用語の形式に適用されることが理解されるであろう。また、ここでの全般的な詳細な説明、使用、関連する詳細な説明の使用、任意の用語の使用は、使用する用語が一般的でなくてもよく、あるいはより具体的な方法で使用される場合には適用されなくてもよく、もしくは完全に適用されなくてもよい点も理解されるであろう。さらに、特定の実施形態を説明するためにここで使用している専門用語、またはその説明は限定的なものではないことが理解されるであろう。また、さらに、本明細書で記載する実施形態、本明細書で記載する用途は限定的なものではないため、変更される可能性があることも理解されるであろう。
【0025】
[0033]図4に示すように、コータ40は、多数の区画またはベイ44を有する少なくとも1つのプロセスモジュール42を備えていてもよい。モジューラコータは、例えば均等なサイズの確立されたプロセス区画およびポンプ区画等の特定の方法で構成することができ、また、再構成し難くあってもよい。例証として、モジューラコータ40は、上流端部から下流端部までのセット構成のプロセスモジュール42で構成することができ、このセット構成はポンプ区画(P)、別のポンプ区画(P)、例えば3個等の多数のプロセスまたはコーティング区画(CCC)、さらなるポンプ区画(P)からなり、したがって、6個の区画44によるセット構成(例えばPPCCCP)ができあがる。建築用ガラスのような大型基板用のコータは、このようなプロセスモジュールを連続して並べることで構成できる。本明細書中に全体が組み込まれた米国特許出願第11/150、360号、“Dual Gate Isolating Maintenance Slit Valve Chamber with Pumping Option”の図5〜図9に関連して図示および説明されているものなどの適切なスリットバルブまたはスリットバルブチャンバを、隣接するプロセスモジュール同士の間に採用することができる。
【0026】
[0034]そのため、コータ全体は、隣接するプロセスモジュールの1組の構成(図示のPPCCCP/PPCCCP/PPCCCPなど、またはPCCCPP/PCCCPP/PCCCPPなど)を有することができる。図4に一部示すこのようなマルチモジュールコータは、5個の区画またはベイ(図示のようなCP/PPC、またはCPP/PCなど)からなる組構成を含んでいてもよい。図4中にポンプ区画46、50に関連した矢印で概略的に示すように、マルチモジューラ構成(図示のCP/PPC)内のコート区画に隣接して配列された2個のポンプ区画46、50を使用して隣接するコート区画をポンピングすることができ、また、これ以外のポンプ区画48(時に分離ベイと呼ばれる)を使用して、基板の通路に関連し、ポンプ区画46、48、50を通る通路(図示せず)をポンピングすることができる。図4中に分離ベイ48に関連した矢印で概略的に示すように、分離ベイ48内に適切なバフリング52を採用して、分離ベイのいくつかの部分または半ベイを個別にポンピングするようにしてもよい。バフリング52はまた、ポンプ区画48内に分離トンネルを作成する内部プレナムとも呼ばれる。各ポンプ区画は、図示のように、大きな設置面積のために区画の両端に1つずつ垂直に支持される2個の拡散ポンプ54を装備していてもよい。
【0027】
[0035]説明したところのこのモジューラコータでは、拡散ポンプ54は一般的に高速の熱油真空ポンプであるが、このポンプは、ポンプ容量が比較的大きく、またはポンプ速度が速く、さらに経費を抑えたターボ分子ポンプに関連して有利であり、潜在的な油汚染が生じ、所要電力がかなり大きく(例えば、1個のポンプにつき9kW)、設置面積が大型であるターボ分子ポンプに関連して不利である。単に例証として、例えば容量が約9000リットル/秒の熱油ポンプは、特にポンプの高さを収容するためにコーティングシステムの側部に沿って配置された対応するトレンチングを考慮して、一般的に大型の設置面積に関連している。この大型設置面積には設備コストがかかる。さらに例証として、一般的に、熱油ポンプに関連した油汚染は失敗モード中のみに発生する一方で、処理に手間のかかる洗浄にも関連しているため、別の設備コストもかかる。
【0028】
[0036]このようなモジューラコータでは、少なくとも3個のフルポンプ区画(例えばP/PP)を使用して、所望または必要に応じて、プロセスまたはコーティング区画の間に許容レベルのガス分離を提供している。図4Bに示すように、流体連通またはガスコンダクタンススロット55、57、59の各々は、約200〜約300ミリメートルの長さに対応していてもよい。このようなコンダクタンススロットはコンダクタンストンネルと呼ばれる場合がある。このようなモジュールコータでは約20〜約30:1ガス分離率を達成できる。この場合、このガス分離率は、3個のフルポンプ区画下流のコート区画内のガス圧に対する、3個のフルポンプ区画上流のコート区画内のガス圧の比率であり、また、図に示すように、ポンプ区画46、50内でプロセスポンピングが、ポンプ区画48内でガス分離ポンピングが、ガスコンダクタンススロット55、57、59に通じたそれらのハーフベイ47、49を介して生じる。先述したように、ガス分離を促進するためには、ハーフベイ47を区画の遠い側(図4Aの最上部)にあるガスコンダクタンススロット55、57に通じさせながら、手前側(図4Aの最下部分)にあるそれらスロットへのアクセスを遮断するもの、また、ハーフベイ49を手前側(図4Aの最下部分)にあるガスコンダクタンススロット57、59に通じさせながら、離れた側(図4Aの最上部)にあるそれらスロットへのアクセスを遮断するバフリングのような、適切なバフリング52を採用できる。
【0029】
[0037]構成および再構成にさらに高い柔軟性を持たせたモジューラコータを設計することができる。このようなモジューラコータの1例に、アプライド・フィルム・コーポレーション(Applied Films Corporation)(カリフォルニア州フェアフィールド)より市販されているVAC870コータがある。コータの頂部、側部、下流端部の立面図から見た、このようなモジューラコータ60の構造64を図5Aに概略的に示す。この図に示すように、複数の区画62は実質的に一様なサイズのものであってもよく、これにより、プロセスモジュール、さらにはコータ全体の構成および/または再構成が容易になる。そのため、コータ60をモジューラで区画タイプのコータと呼ぶこともできる。複数の区画62は同じ目的、または異なる目的、例えばコーティング、ポンピング、他の目的で使用することができる。区画コータ60の構造64は、区画62用の頂部構造またはカバーと、端部構造またはカバーとを設けていないオープン構造として表されている。このオープン構造64は非常に柔軟であり、手近な用途に適した頂部構造および端部構造を単に追加するのみで、特定の用途に適した方法で構成または再構成することができる。単に例証として、例えばポンプアクセスのような区画62へのアクセスを許容しながら、この区画62の頂部を閉鎖または密封する頂部構造(図示せず)や、これと類似する、例えばポンプアクセスのような区画62へのアクセスを許容しながら、区画62の端部を閉鎖または密封する端部構造(図示せず)をオープン構造に追加することができる。さらに、単に例証として、例えばポンプモジュールまたはコーティングモジュールのようなモジュールは、次の出願に示すように、区画、例えば区画頂部に関連していてもよい2005年5月20日に提出されたフィリップ・M・ペトラック(Philip M.Petrach)による米国仮特許出願60/682,985号、“Modular Coating System”、2006年5月8日に提出されたフィリップ・M・ペトラックによる同時係属中の米国特許出願第 / 、 号、“Module for a Coating System and Associated Technology”。それらの出願の全体は本明細書に組み込まれる。図示するように、オープン構造64の区画62の各々は、基板に区画を通過させるための開口またはスロット66、例えばポンピングに関連した流体連通のように区画に関連した流体連通を行うための開口またはスロット68を有する。
【0030】
[0038]例証として、モジューラコータ60は、上流端部から下流端部までのセット構成のプロセスモジュール62で構成することができ、このセット構成はポンプ区画(P)、例えば2個のような多数のコーティング区画(CC)、別のポンプ区画(P)からなる。これにより、図5Aに示すように、6個の区画62からなるセット構成(例えばPCCPCC)ができあがる。このようなケースでは、シングルポンプ区画の上流側と下流側には隣接するコーティング区画が1個ずつ並置されており、このポンプ区画は、上流側および下流側からプロセスガスを十分にポンピングすることができる。しかし、このようなケースでは、特に上流プロセスガスと下流ガスが異なる場合や、それらのガスが最大で約5:1のガス分離比に関連した互換性を有していない場合には、一般的にシングルポンプ区画では許容可能または望ましいガス分離を十分に提供することができない。
【0031】
[0039]さらに例証として、建築用ガラスのような大型基板用のコータを、各々が同一または異なった構成のコーティング区画とポンプ区画を設けたこのようなプロセスモジュールを次々と並べることで構成でき、これにより、コータ全体が、隣接するプロセスモジュールのセット構成(例えばPCCPCC/PCPPCP/PCCPCPなど)を持つようになる。このようなケースでは、ポンプ区画の両側に、隣接するコーティング区画が上流側に1つ、下流側にもう1つという形で並置される場合、一般的に、ポンプ区画は先述したように許容可能または望ましいガス分離を提供することができない。しかし、このようなケースでは、図5B、図5Cに示すように、2つの隣接したポンプ区画の両側に隣接するコーティング区画が上流側に1つ、下流側にもう1つという形で並置されている場合には、それらの2つのポンプ区画が、以下でさらに詳細に記載するような許容可能なガス分離を提供することができる。
【0032】
[0040]図5B、図5Cに部分的に示すモジューラの区画タイプコータ60は、上流端部から下流端部へ向かい、プロセスまたはコーティング区画70、2つのポンプ区画72、74、別のコーティング区画76と並んだ4区画またはベイの構造(例えばCPPC、C/PPC、またはCPP/C)を含んでいてもよい。図5Cに示すように、単に例証として、先述したように隣接し合ったプロセスモジュールの間に適切なスリットバルブ63またはスリットバルブチャンバを採用することができる。ポンプ区画72、74の各々には、最大で6個のターボ分子ポンプ82、一般的には、区画の頂部上に支持できる高真空のバネロータポンプを装備することができる。ポンプ区画72、74の各々は、図5に集約的に示すように、2つの半ベイを備えており、即ち、隣接するコーティング区画をポンピングするための最大3個のポンプ82を装備した一方の半ベイ78をコーティング区画に隣接して備え、基板が区画を通過する通路86をポンピングするための同じく3個のポンプ82を装備した他方の半ベイ80を前述の半ベイ78に隣接して備えている。例証として、一方の半ベイ78(図5B、図5C中の最左部にある半ベイ78)を使用して、陰極またはターゲットを備えた隣接するコーティング区画70をポンピングでき、他方の半ベイ78(図5B、図5C中の最右部にある半ベイ78)を使用して、陰極またはターゲットを備えた隣接するコーティング区画76をポンピングできる。コーティング区画のポンピングは、先述したように開口またはスロット68を介して達成できる。ポンプ区画72、74内に適切なバフリング88を採用し、それら区画の各部または半ベイを個別にポンピングできるようにしてもよい。さらに例証として、一方の半ベイ80(図5B、図5C中の最左部にある半ベイ)を使用して、コンダクタンススロット71と73との間の通路をポンピングでき、他方の半ベイ80(図5B、図5C中の最右部にある半ベイ80)を使用して、コンダクタンススロット73と75との間の通路をポンピングできる。通路86のポンピングは開口またはスロット84を介して達成できる。適切なバフリング89をポンプ区画72、74内に採用することで、通路の各部または様々なコンダクタンススロットを個別にポンピングしてもよい。
【0033】
[0041]説明したモジューラ区画コータには、2個のフルポンプ区画72、74を採用して、3個のコンダクタンススロット71、73、75に関連した適切なガス分離を提供するようにしている。コンダクタンススロット71、73、75の長さは図5Cに示すとおり、これとほぼ同じ、または異なっていてもよい。コンダクタンススロットの長さ、またはすべてのコンダクタンススロットを合わせた合計長さは、ポンプ区画72、74、またはその半ベイに関連したガス分離比を決定する上での要因となる場合がある。コンダクタンススロットの長さは約400〜約500ミリメートルであってもよく、3個のコンダクタンススロットを合わせた全長は約1450ミリメートル(隣接し合ったコンダクタンススロット間の2個の開口またはギャップ各々の長さ(約150ミリメートル)を含まない)であってもよく、ガス分離比の範囲は、採用するポンプの個数、または2個の開口84に関連したポンピング容量に応じて約20〜約30:1であってもよい。
【0034】
[0042]説明したモジューラ区画コータでは、ターボ分子ポンプ82は、所要電力が比較的低く(例えば、ポンプ1個につき1kW以下)、設置面積が小さい拡散ポンプに関連して一般的に有利であり、ポンプ容量が比較的小さい、またはポンプ速度が遅い、さらに経費がかさむ(例えば2.5倍多くかかる)拡散ポンプに関連して一般的に不利である。単に例証として、ターボ分子ポンプは一般的に区画の頂部上に取り付けられており、側部に取り付けたトレンチングや関連する設置面積、例えば拡散ポンプに関連する設置面積などはない。説明したところの分子区画コータでは、少なくとも2個のフルポンプ区画を採用して、プロセス間またはコーティング区画間の望ましいまたは必要な場所に、許容レベルのガス分離を提供している。図5の2個のフルポンプ区画72、74は約1400〜約1800ミリメートルの長さと、約25〜約35:1の範囲のガス分離比に対応しており、例えば、ガス分離比が、隣接したコーティング区画76内のガス圧に対する隣接したコーティング区画70内のガス圧の比率である場合には、ガス分離比は約25〜約30:1になる。
【0035】
[0043]一実施形態によれば、図6A、図6B中に一部示したマルチモジュールコータ90は、プロセスまたはコーティング区画92、ポンプ区画94、別のコーティング区画96が上流端部から下流端部まで並んだ3区画またはベイ構成(例えばCPI、C/PC、CP/C)を含んでいてもよい。基板は、ポンプ区画94の側部に設けたギャップまたはスロット114を介してコータ90とポンプ区画94を通過する。コーティングする基板が、例えば1枚の薄いガラスのように薄型である場合には、スロット114をこのガラスの厚さよりも若干大きく設け、コーティングプロセスで使用する作業圧力においてこの狭いスロットがガス流と効果的に衝突できるようにすればよい。
【0036】
[0044]ポンプ区画94には、区画頂部上に支持できる最大6個のターボ分子ポンプ102と、区画の一端に1個、他端に1個の合計2個の、例えば垂直に設けられた拡散ポンプ104とを装備することができる。ポンプ区画94は2個の半ベイ、即ち、コーティング区画92をポンピングするための最大で3個のターボ分子ポンプ102を装備した、コーティング区画92に隣接して位置する一方の半ベイ98と、コーティング区画96をポンピングするための同じく最大3個のポンプ102を装備した、前述の半ベイ98およびコーティング区画96に隣接して位置する他方の半ベイ100とを備えていてもよい。コーティング区画のポンピングは、先述し、図6中に集約的に示した開口またはスロット112を介して達成できる。図6に集約的に示すように、基板が区画を通過する通路106をポンピングするために、ポンプ区画94に関連した拡散ポンプ104を採用することができる。図6に集約的に示すように、拡散ポンプ104は半ベイ98に関連し、別の拡散ポンプ104は半ベイ100に関連していてもよい。先述したように、通路106のポンピングは開口またはスロット108によって達成できる。ポンプ区画94内に適切なバフリング110、111を採用して、それら区画の半ベイの一部を個別にポンピングできるように、また、通路の一部または様々なコンダクタンススロットを個別にポンピングできるようにしてもよい。
【0037】
[0045]説明したこのコータでは、シングルポンプ区画94を採用することで、3個のコンダクタンススロット(図示せず)に関連した適切なガス分離を提供することができる。コンダクタンススロットは、以降で詳細に記載する図7Bのコンダクタンススロット201、203、205と類似した方法で構成できる。コンダクタンススロットの長さは、図7Bに示すように同じ長さ、ほぼ同じ長さ、またはこれと異なる長さであってもよい。各コンダクタンススロットの長さ、またはすべてのコンダクタンススロットを合わせた全長は、ポンプ区画94、またはその半ベイに関連したガス分離比を決定する要因となる。単に例証として、コンダクタンススロットの長さは約200〜約300ミリメートル、例えば約250ミリメートルであってもよく、また、3個のコンダクタンススロットの合計長さ(隣接し合ったコンダクタンススロット間の2個の開口またはギャップの各々の長さ(約150ミリメートル)を除く)は約700〜約900ミリメートル、例えば約770ミリメートルであってもよく、ガス分離比の範囲は、採用するポンプの個数、または2個の開口222に関連したポンピング容量に応じて、約20〜約35:1、例えば約20〜約30:1であってもよい。
【0038】
[0046]このようなコータでは、シングルポンプ区画を採用することで、所望または必要に応じて、プロセスまたはコーティング区画間に許容レベルのガス分離を提供することができる。このような区画に関連した1個のスロットコンダクタンスの長さは約200〜約250ミリメートルである。シングルポンプ区画は、コータ内で使用する場合、約20:1以上、例えば最大で約35:1のガス分離比に関連すると考えられる。シングルポンプ区画をここで説明したところの方法で使用することは、設備コスト、コータ設置面積、構成時間および応力、動作時間および労力、コータの複雑性、および/またはこの他に関連して有利であり、例えば6〜8層というように5層以上の材料を基板にコーティングするために採用された、したがって、多数のガス分離区画を採用する、または必要とする大型のマルチモジュールコータの場合には特に有利である。
【0039】
[0047]上述したようにシングルポンプ区画の両側に2個のコーティング区画が並置された3区画またはベイの構成を備えた様々なマルチモジュールコータが有用であると考えられる。図7A、図7Bに示す実施形態によれば、このようなシングルポンプ区画200は2個の半ベイ、即ちコーティング区画(図示せず)に隣接して配置された一方の半ベイ202と、別のコーティング区画(図示せず)に隣接して配置されていてもよい前述の半ベイ202に隣接した他方の半ベイ204とを備えている。先述したように、コーティングする基板(図示せず)は、ポンプ区画の側部に関連したギャップまたはスロット224からポンプ区画200を通過する。半ベイ202、204の各々は、半ベイの頂部上に支持され、隣接するコーティング区画をポンピングする最大3個のターボ分子ポンプ206を装備していてもよい。各半ベイは、図7に集約的に示すように、基板による区画を通過に関連して通路216をポンピングするために、半ベイの一端部212上に支持された拡散ポンプ208と、半ベイの他端部214上に支持された最大2個のターボ分子ポンプ210とを装備している。図7Aでは、各半ベイに関連した2個のターボ分子ポンプ206を示しており、また、半ベイ202に関連した拡散ポンプ208のみと、1個の半ベイにつき1個のターボ分子ポンプ220のみとを見ることができる。先述したように、隣接したコーティング区画(図示せず)と通路216のポンピングは、開口またはスロット220、222によって各々達成できる。ポンプ区画200内に適切なバフリング218と適切なバフリング219を採用することで、それら区画の半ベイの一部を個別にポンピングできるようにし、これにより、通路の一部または様々なコンダクタンススロットを各々個別にポンピングできるようにすることが可能になる。
【0040】
[0048]説明したこのコータでは、シングルポンプ区画200を採用することで、3個のコンダクタンススロット201、203、205に関連した適切なガス分離を提供することができる。コンダクタンススロット201、203、205の長さは、図7Bに示すように同じ長さ、ほぼ同じ長さ、異なる長さであってもよい。コンダクタンススロットの長さ、またはすべてのコンダクタンススロットの合計長さは、ポンプ区画200、またはその半ベイに関連したガス分離比を決定する上での要因となる。それらのパラメータは、例えば図6で先述したものと同じであってもよい。シングルポンプ区画をコータ内に採用して、所望または必要な場合に、プロセスまたはコーティング区画間に許容レベルのガス分離を提供することが考えられる。さらに、ポンプ区画は、図6のポンプ区画に関して上述した長さおよびガス分離比に関連するとも考えられる。
【0041】
[0049]別の実施形態によれば、図8A、図8B、図8Cに図示したシングルポンプ区画250の両側には、先述したように2個のコーティング区画(図示せず)が並置されていてもよい。先述したように、コーティングする基板(図示せず)は、ポンプ区画の側部に関連したギャップまたはスロット266からポンプ区画250を通過する。ポンプ区画250は2個の半ベイ、即ち、コーティング区画(図示せず)に隣接して配置された一方の半ベイ252と、別のコーティング区画(図示せず)に隣接している前述の半ベイ252に隣接して配置された他方の半ベイ254とを備えていてもよい。図8に集約的に示すように、各半ベイは、最大3個のターボ分子ポンプ256を装備していてもよく、それらのターボ分子ポンプは、隣接するコーティング区画をポンピングするため、基板が区画を通過する通路とをポンピングするために、半ベイの頂部上に支持されている。先述したように、コーティング区画(図示せず)および通路262のポンピングは、開口またはスロット258、260によって各々達成される。図8に示すように、ポンプ区画250内に適切なバフリング264、265を採用することで、それら区画の半ベイの一部を個別にポンピングできるようになり、これにより、通路の一部または様々なコンダクタンススロットを各々個別にポンピングできるようになる。単に例証として、6個の内4個のターボ分子ポンプ256を使用して隣接するコーティング区画をポンピングし、残り2個のターボ分子ポンプ256を使用して通路262をポンピングすることができる。
【0042】
[0050]説明したこのコータでは、シングルポンプ区画250を採用することで、3個のコンダクタンススロット(図示せず)に関連した適切なガス分離を提供することができる。先述したように、それらのコンダクタンススロットは、図7Bのコンダクタンススロット201、203、205と類似した方法で構成できる。コンダクタンススロットの長さは図7Bに示すように同じ長さ、ほぼ同じ長さ、異なる長さであってもよい。コンダクタンススロットの長さ、またはすべてのコンダクタンススロットの合計長さは、ポンプ区画94またはその半ベイに関連したガス分離比を決定する上での要因となる。それらのパラメータは、例えば図6に関連して先述したとおりであってもよい。シングルポンプ区画をコータ内に採用して、所望または必要に応じて、プロセスまたはコーティング区画間に許容レベルのガス分離を提供することが考えられる。さらに、このようなポンプ区画は、図6のポンプ区画に関して上述した長さおよびガス分離比に関連していてもよいとも考えられる。
【0043】
[0051]本明細書で記載または考慮された装置に関連すると、ポンピング用途に適していれば、拡散ポンプおよびターボ分子ポンプ以外のポンプ、例えば超低温ポンプまたは他の高真空ポンプを使用できることが理解されるであろう。このような任意のポンプは、単独または他のポンプとの組み合わせにより、ターゲット領域内で約10−3〜約10−7または約10−8トール、例えば約10−4トール以下等のほぼ高真空条件や、分子流および遷移流方式に関連した圧力を達成するのに適した容量を有する。これに加え、ポンプの任意の適切な組み合わせおよび/または個数を使用できることが理解されるであろう。単に例証として、一般的に、ポンプが十分に小さい設置面積を有する場合、および/または、支持要件が十分に低い、あるいは比較的面倒でない場合には、大きな設置面積を有する、または支持要件がより面倒であるポンプに関連して、より多くのこのようなポンプを使用することができる。ポンプは、ポンプ区画に関連して、任意の適切な方法で、任意の適切な場所に構成できることが理解されるであろう。例えば、任意の適切な1個または複数のポンプを、区画の頂部および/または、底部(可能な場合)、および/または端部などによって搭載または支持する任意の適切な方法を採用できると理解されるであろう。さらに、任意の適切なポンプまたはポンプの組み合わせを、基板通路のポンピング、および/または1個または複数のコーティング区画のポンピングに関連して使用できることが理解されるであろう。
【0044】
[0052]任意の適切な形態のバフリングまたは内部プレナム(1個または複数)を採用して、所望または必要に応じて区画の一部を分離できることが理解されるであろう。少なくとも1個のバフルを備えたバフリングを配列して、区画を個別の区間に分割することができる。各々の個別区間に関連して個別のポンピングを行うことができる。例えば、図6〜図8の実施形態では、フルポンプ区画を、各自がポンピング配列を有した4個の個別区間に分けている。図に示すように、ガス分離を行うために、区間のうち2個を隣接する区画からのプロセスガスのポンピング専用にし、別の2個を通路またはコンダクタンススロットからのガスのポンピング専用にすることができる。2個のガス分離区間のうち一方を、全部で3個のコンダクタンススロットのうちの2個の組に関連させるか、またはこの間に置き、他方を全部で3個のコンダクタンススロットのうちの別の2個の組に関連させるか、またはこの間に置くことができる。3個のコンダクタンススロットは類似した長さであっても、異なる長さであってもよい。バフリングを使用して、ガス分離の区間または段階をコータの側部または頂部のいずれか、または、一般的にポンピングが生じるコータの他の適切な部分に関連付けすることができる。バフリングを使用して、プロセスポンピングの区間または段階を別のプロセスポンピングの区間または段階から、および/またはガス分離の区間または段階から分離することができる。バフリングを採用して、1区間または段階を別の区間または段階からほぼ分離させることで、それらの間におけるクロストークや相互汚染を低減または最小化することができる。1区間または段階に関連したバフリングは、この区間または段階に関連したポンプへの開口の断面積の約5%以下のみがガス漏れまたはクロストークを生じるようにしなければならない。例えば、プロセスポンプ段階またはガス分離段階に関連したポンプスロットが合計で600平方インチの断面積を有する場合には、この段階に関連したバフリングのギャップまたは開口の合計断面積は約30平方インチ以下となるはずである。
【0045】
[0053]一実施形態によれば、装置のポンプは、基板がポンプ区画を通過するための通路からのガスをポンピングする少なくとも1個の拡散ポンプと、このポンプ区画の両側に並置された少なくとも1個のプロセス区画からのガスをポンピングする、拡散ポンプ以外の少なくとも1個のポンプを備えていてもよい。後者のポンプは、例えばターボ分子ポンプであってもよい。単に例証として、後者のポンプを少なくとも2個採用することができる。
【0046】
[0054]別の実施形態によれば、装置のポンプは、ポンプ区画の端部を介してこのポンプ区画と動作可能に連通する少なくとも1個のポンプを備えていてもよい。単に例証として、このようなポンプを使用して、通路からのガスをポンピングすることができる。さらに、単に例証として、このようなポンプは、例えば拡散ポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオポンプのような任意の適切なポンプを備えることができる。このようなポンプを2個以上採用する場合には、ポンプは例えば拡散ポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、および/またはそれらの任意の組み合わせ等の任意の適切なポンプを備えることができる。
【0047】
[0055]別の実施形態によれば、この装置のポンプは、ポンプ区画の頂部を介してこのポンプ区画と動作可能に連通する少なくとも1個のポンプを備えていてもよい。単に例証として、このようなポンプは、ポンプ区画の両側に並置されている少なくとも1個のプロセス区画からのガスをポンピングするために使用できる。さらに単に例証として、このようなポンプは、例えば拡散ポンプやターボ分子ポンプのような任意の適切なポンプを備えていてもよい。このようなポンプを2個以上採用している場合には、ポンプは、例えば拡散ポンプ、ターボ分子ポンプのような任意の適切なポンプ、および/またはそれらの任意の組み合わせを備えることができる。単に例証として、このようなポンプの少なくとも2個を採用できる。
【0048】
[0056]一実施形態によれば、この装置のポンプは、基板がポンプ区画を通過する通路からのガスをポンピングするための、ポンプ区画の端部を介してこのポンプ区画と動作可能に連通している少なくとも1個の拡散ポンプと、および/または、同通路からのガスをポンピングするために、ポンプ区画の他端と動作可能に連通している少なくとも1個のターボ分子ポンプと、ポンプ区画の両側に並置された少なくとも1個のプロセス区画からのガスをポンピングするために、ポンプ区画との頂部を介してこのポンプ区画と動作可能に連通している少なくとも1個のターボ分子ポンプとを備えていてもよい。単に例証として、後者のターボ分子ポンプのうち少なくとも2個を、ポンプ区画(1個または複数)からのガスをポンピングするために採用できる。図7に、このようなポンピング構成の1例を示す。
【0049】
[0057]別の実施形態によれば、この装置のポンプは、基板がポンプ区画、ポンプ区画の両側に並置されたプロセス区画、ポンプ区画の両側に並置された別のプロセス区画を通過する通路からのガスをポンピングするために、ポンプ区画の頂部を介してこのポンプ区画と連通しているターボ分子ポンプを備えていてもよい。図8に、このようなポンプ構成の1例を示す。
【0050】
[0058]一実施形態によれば、この装置のポンプ区画は少なくとも1個のバフルを備え、これにより、ポンプ区画内で、ポンプ区画の両側に並置されたプロセス区画からのガスをポンピングする領域と、ポンプ小室の両側に並置された別のプロセス区画からのガスをポンピングする別の領域とを分けることができる。別の実施形態によれば、この装置のポンプ区画は少なくとも1個のバフルを備え、これにより、ポンプ区画内で、基板がポンプ区画を通過するための通路からのガスをポンピングする領域と、ポンプ区画の両側に並置されている少なくとも1個のプロセス区画からのガスをポンピングする別の領域とを分けることができる。図6〜図8に、このようなポンプ区画の例を示す。
【0051】
[0059]内部を通過する基板をコーティングする装置を提供する。この装置は、区画の入口から出口まで延びた通路を通って基板を十分に通過させることができるプロセスまたはコーティング区画を備えていてもよい。このプロセスまたはコーティング区画は、コーティングプロセスに採用した、1または複数の成分ガスを備えるガスによって基板を十分にコーティングすることができる。この装置は、基板をこの方法でコーティングするいくつかのこのようなプロセスまたはコーティング区画を備えることができ、また備えることが典型的である。1個のこのような区画内で使用するガスは、同様の別の区画内で使用するガスと同じまたは異なっていてもよい。異なるプロセス区画内で使用された同一または異なるガス同士を、図6〜図8に関連して上述した分離ポンプ区画のような適切なポンプ区画によって分離することが可能である。ポンプ区画は1個のプロセス区画と別のプロセス区画との間に配置されており、このポンプ区画内部を、区画の入口から出口まで延びた通路を通って基板が十分に通過することができるようになっている。この通路は、2個のプロセス区画に関連した通路と動作可能に連通しているため、基板は3個すべての区画を、先述したようにローラを介して通過することができる。
【0052】
[0060]ポンプ区画は、2個のプロセス区画の各々と、および、ポンプ区画の全長に亘って延びた通路とに動作可能に連通しているため、ポンプによって区画および通路からガスをポンピングすることができる。2個未満のフルサイズのポンプ区画、例えば1個のフルサイズポンプ区画を使用することで、十分なポンピングが達成できる。単に例証として、複数のプロセス区画が同サイズである場合、例えば上述の通路長さがすべて同じ長さである場合には、通路長さを有する1個のポンプ区画、または、いずれかのプロセス区画の通路長さの2倍未満の合計通路長さを有する複数のポンプ区画を採用できる。さらに単に例証として、プロセス区画およびポンプ区画のサイズが同じであり、したがって、上述した複数の通路長さと1本の通路長さが同じである場合には、2個のフルサイズのポンプ区画の長さよりも長さが短い、単独のポンプ区画、または集約的に複数のポンプ区画を採用できる。またさらに、単なる例証として、複数のプロセス区画のサイズが異なる場合には、2個のプロセス区画の平均長さの2倍よりも長さが短い、単独のポンプ区画、または集約的に複数のポンプ区画を採用できる。
【0053】
[0061]このようなポンプ区画(1または複数)は、一方のプロセス区画で使用されているガスを、他方のプロセス区画で使用されているガスからほぼ分離させるのに十分なものであると考えられる。適切なガス分離のレベルは、プロセス毎、または使用者毎に異なる。一般的には、同じガス環境、または類似の互換性のあるガス環境を採用した2個のプロセス区画間における許容レベルのガス分離は、例えば約1:1〜約6:1のガス分離比によって表すことができる。一般的に、異なる、または互換性のないガス環境を採用した2個のプロセス区画間における許容レベルのガス分離は、例えば約20:1〜約35:1のガス分離比で表すことができる。本明細書で記載または考慮されたポンプ構成は、例えばより高感度のコーティングの開発等の、さらなる開発に関連したより最適なガス分離比を行うのに十分なものであると考慮される。このようなシングルポンプ区画は、コーティング装置またはコーティングプロセスにおいておおよそのガス分離を行うためには十分であるが、このようなポンプ区画をさらに少なくとも1個採用してもよいと考えられる。単に例証として、より少数、またはより小型のポンプ区画を使用することは、機器設置面積の縮小、プロセス時間および複雑性の削減、動作および構成コストの削減などのような様々な理由から有用あるいは望ましい。単に例証として、より多数のポンプ区画を使用することは、冗長性またはより大きなガス分離容量において有用または望ましい。コーティングシステムにポンプ区画を何個使用するかを選択するためには、先述の要因と他の適用可能な考慮から見た適切なバランスを見つける。
【0054】
[0062]説明したように、図6〜図8に関連して上述した分離ポンプ区画のようなポンプ区画、または複数のこのようなポンプ区画は、プロセス区画のうち1個の内部にあるガスを、別のプロセス区画内で使用しているガスからほぼ分離させるのに十分であると考えられる。次に、単に便宜的な方法により、このようなおおよそのガス分離を行うのに十分なポンプ区画について説明する。ここで説明した2個のプロセス区画が両側に並置されているこのようなポンプ区画は、プロセス区画のうち1個の内部のガス圧と、別のプロセス区画のガス圧との比率を、基板コーティングプロセスに際して少なくとも約20:1にすることが十分に可能であると考えられる。単に例証として、このような比率は、約20:1〜約25:1〜約35:1、またはこれ以上であると考えられる。コーティング装置内では、このようなポンプ区画の片側または両側には一連のプロセス区画が並置されていてもよい。単に例証として、このような一連のプロセス区画には、最大約60個程度のプロセス区画、例えば最大約20個程度のプロセス区画が含まれる。
【0055】
[0063]先述したように、このようなポンプ区画の1つは、おおよそのガス分離を十分に提供できるものであり、複数のこのような区画の使用が可能であると考えられる。1または複数のこのようなポンプ区画(1または複数)を採用する場合、おおよそのガス分離を十分提供するために採用されるこのようなポンプ区画の個数は、別の場合にこのようなおおよそのガス分離を十分に提供できるポンプ区画の個数よりも少なく、おおよそのガス分離を提供するために採用されたこのようなポンプ区画の全長または通路の全長は、別の場合にこのようなおおよそのガス分離を十分に提供できるポンプ区画の全長または通路の全長よりも短いと考えられる。単に例証として、コーティング区画間に許容可能なガス分離を提供するために、特定のポンプ区画長さを持った2個または3個または4個などのポンプ区画を採用している、またはこれが必要となっている場合には、各々2個または3個または4個などよりも少ない数、例えば図6〜図8に関連して上述したような数の、同じ長さの分離ポンプ区画を使用することができると考えられる。さらに単に例証として、コーティング区画間に許容可能なガス分離を提供するために、全体的または集約的なポンプ区画長さまたは通路長さを持った2個以上のポンプ区画を採用している、またはこれが必要となっている場合には、例えば図6〜図8に関連して上述したものなどの、全体的または集約的なポンプ区画長さまたは通路長さを備えた1または複数の分離ポンプ区画を代わりに使用することができる。これは、先述したようにコスト、スペースなどの削減の点からして非常に有利である。
【0056】
[0064]一実施形態によれば、ポンプ区画の通路長さ、または複数のポンプ区画の全体的または集約的な通路長さは、ポンプ区画と側面を接して並置されたプロセス区画の長さの2倍よりも短い、あるいは、ポンプ区画と側面を接して並置された2個のプロセス区画の平均長さの2倍よりも短い。単に例証として、このような通路長さ、または集約的な通路長さは、ポンプ区画と側面を接して並置されたプロセス区画の長さよりも長い、または等しいか、あるいは、ポンプ区画と側面を接して並置された2個のプロセス区画の平均長さとほぼ同じ長さであってもよい。さらに単なる例証として、このような通路の長さ、または集約的な通路の長さは、約600ミリメートルよりも長い、またはこれと等しく、さらに約2010ミリメートルよりも短いかこれと等しい長さであってもよいと考えられる。さらに単に例証として、このような通路の長さ、または集約的な通路の長さは、例えば約750または850ミリメートルから約900〜約1000ミリメートルであってもよいと考えられる。
【0057】
[0065]一実施形態によれば、本明細書で記載および考慮した装置を提供することにより、装置を通過する基板をコーティングするために同装置からガスをポンピングし、また、通路、およびポンプ区画の両側に並置された各プロセス区画から、基板コーティングプロセスに際して装置のポンプによってガスをポンピングすることができる。この方法によれば、ここで先述したとおりの適切なレベルのガス分離を達成できると考えられる。
【0058】
[0066]本明細書で記載または考慮されたポンプ区画を備えた装置を評価するには、ポンプ区画の両側に並置された2個のコーティングまたはプロセス区画の間で達成されるガス分離の評価を始めることができる。単に例証として、このような評価には、2個のコーティング区画内に、例えば約8×10−6トール等の基礎圧力適切な真空条件を作成することと、例えば約3×10−3トール等のプロセス圧力を確立するために、コーティング区画のうち一方(「区画1」)にプロセスガスを提供することと、ポンプ区画に関連したポンプを動作させることを含むコーティングプロセスを実行することと、他方のコーティング区画(「区画2」)内のプロセスガス圧を測定することとが関与してもよい。このような評価には、プロセスガスを区画2に提供し、区画1内で測定することを除き、前出のプロセスが関与してもよい。それらの測定から、先述したようにガス分離比を決定することができるが、この場合、ここで先述した、または所与のプロセスに適合するガス分離比に関連して成功を決定できる。例証として、本明細書で記載または考慮された装置を使用して達成できる分離レベルは、図4または図5に関連して記載したモジューラコータを使用して達成されるレベルとほぼ同じか、またはこれよりも高いと考えられる。
【0059】
[0067]前述した評価のいずれか一方または両方を、ガラス基板のような基板を使用して、または使用せずに実行することができる。ガラスがあることにより、一方のコーティング区画から他方のコーティング区画へ流れるガス流が妨害されることが予測されるため、基板を使用して評価を実行した場合、ガラス分離比は、基板を使用せずに実行した同じ評価と比較して例えば約20%高くなると予測される。このような増加、または所与のプロセスまたは装置に適した増加は、プロセスまたは装置の成功を表すことになる。これと同様の評価(1または複数)を、コーティング区画を通過する多数の基板を使用して実施することも可能であり、この場合、基板通過線に沿って移動する基板が、例えば約2〜約3インチのギャップによって分けられる。ギャップ内には、一方のコーティング区画から他方のコーティング区画へ流れるガスが溜まっていることが予測される。このような評価を実施する場合、ガス分離比が、ギャップによって基板を分けなかった場合の結果と比較して、例えば約2%以下低下することが予測される。このような低下、または所与のプロセスまたは装置に適した低下は、プロセスまたは装置の成功を表す。
【0060】
[0068]拡散ポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、および/または他の高真空ポンプ等の異なるポンプの組み合わせを1または複数の分離ポンプ区画と共に使用して得た結果の評価を行うことで、本明細書で記載した装置に関連した性能、効率、および/またはコストを最適化できると考えられる。このような最適化は、ポンプの容量または速度、ポンプの設置面積や、さらに例えば起こり得る油汚染や他の汚染、プロセス圧力におけるガスの逆流(ただし、分離ポンプ区画内の圧力状態を考慮すると、分離ポンプ区画内ではこれは問題とならない場合がある)、例えばクライオポンプに関連する再生問題等の任意のポンプの不利点、また、このような汚染や逆流などが相対的に生じない等の任意のポンプの有利点を考えさせる。さらに、このような最適化は、それらおよび/または他の関連要因との適切なバランスにおいて行われると考えられる。例えば、比較的大型の設置面積を有する拡散ポンプを収容することができない装置では、ポンプ容量とコストを犠牲にすることを了承するか、いくつかの方法でこれを受け入れなければならない場合がある。さらに例証として、装置を、比較的コスト高であるターボ分子ポンプの使用個数を減らすように設計することで、ポンプ容量を犠牲にすることを了承するか、いくつかの方法でこれを受け入れなければならない場合がある。またさらに例証として、いくつかのターボ分子ポンプを拡散ポンプに替えることができるが、油汚染または他の汚染、比較的大きい所要電力、拡散ポンプの設置面積が比較的大型である等の可能性を了承する、またはいくつかの方法で受け入れなければならない場合がある。
【0061】
[0069]コーティングプロセスまたは装置を最適化することで、ここで先述したようにコーティングプロセスを実行するため、また、この結果得られたガス分離比を評価するために、ここで述べたような任意のポンプ等の様々なポンプを装備した装置を構成することになる。上手くいった最適化では、ガス分離比と他の要因、例えば本明細書で記載または考慮したような要因との間の許容可能なバランスを見つけることを伴う。単に例証として、ガス分離結果がプロセスにとって適切である場合、本明細書で記載または考慮したコーティングプロセスまたは装置内に、約2〜約3または4このターボ分子ポンプを拡散ポンプの代わりに採用することで成功が得られると考えられる(ターボ分子ポンプは比較的高コストであることを考えると少ない個数が望ましい)。
【0062】
[0070]コーティングプロセスまたは装置の最適化は、例えばガス流およびガス圧、また、これに関連する計算、例えば選択した装置またはプロセス設計に基づいた計算等に、使用者によって提案されるプロセスまたは動作パラメータを考慮させることができる。最適化に関連して行われる測定には、選択したポンプ構成内でのガス流(1または複数)、選択したガス流(1または複数)の様々なポンプ構成との使用等のパラメータの変更が関与する。また、最適化には、既存のシステムに関連したガス分離比と一致する、または超えること、使用者が望むまたは必要とするガス分離比を満たす、あるいはこれを超えることとが関与する。
【0063】
[0071]通過する基板をコーティングする装置をもまた提供する。さらに、例えば基板コーティング装置と共に使用できる装置のように、基板コーティングプロセスに際してガスをポンピングする装置を提供する。一般的に、このような装置は、図6〜図8に関連して図示および記載したように、ポンプ区画の第1側部に隣接するプロセス区画と、また、ポンプ区画の第2側部に隣接して位置する別のプロセス区画と動作可能に連通するように適合させたポンプ区画を備えている。このポンプ区画は、基板がポンプ区画を通るための通路長さを持った通路を備えている。この通路長さは、隣接し合った処理区画のうちのいずれか一方の長さの2倍未満の長さ、または隣接し合った2個のプロセス区画の長さの平均の2倍未満の長さである。この装置はまた、例えば図6〜図8に関連して図示および記載したように、ポンプ区画と動作可能に関連した高真空ポンプを備えている。高真空ポンプは、隣接するプロセス区画のうち一方に関連したガスと、隣接するプロセス区画の他方に関連したガスとを、基板コーティングプロセスに際して相互にほぼ分離させるのに十分である。基板コーティングプロセスに際してガスをポンピングする、また、通路および隣接する2個のプロセス区画からのガスを基板コーティングプロセスに際してポンプによってポンピングするためのこのような装置を提供する関連方法を提供する。
【0064】
[0072]本明細書で記載しているように、コーティングシステムは、所望または必要に応じて許容レベルのガス分離を十分に提供できるシングルポンプ区画を、プロセス区画またはコーティング区画間に備えていてもよい。このようなシングルポンプ区画のガス分離比は、コータ内で使用する場合、例えば約20:1、最大で約35:1であってもよい。シングルポンプ区画を本明細書で記載した方法で使用することは、設備コスト、コータ設置面積、構成時間および労力、動作時間および労力、コータの複雑性などから見て有利であり、また、材料を5層以上、例えば6〜8層コーティングするために採用された、多数のガス分離区画を採用した、またはこれを必要とするような大型のマルチモジュールコータに関して特に有利である。本明細書で記載したような、シングルポンプ区画の両側に2個のコーティング区画が並置されている、3区画またはベイ構成を備えた様々なマルチモードコータが有用であると考えられる。
【0065】
[0073]適用可能な様々な変形、プロセス、並びに多数の構造が明白である。様々な態様、特徴部、実施形態について、理解、意見、理論、この下にある仮定、および/または、有効あるいは予言的な例に関連して説明または記載してきたが、どの具体的な理解、意見、理論、この下にある仮定、および/または有効あるいは予言的な例も限定的なものではないことが理解されるであろう。様々な態様および特徴部について、ここでの様々な実施形態および特定の例に関連して記載してきたが、それらは、付属の請求項、または本発明出願に関連する他の請求項の全範囲に関連して限定的なものではないことも理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本明細書で記載した観点から見たモジューラコータの概略図である。
【図2】モジューラコータの断面部分の概略図であり、本明細書で記載した観点から、例示的な目的でそのいくつかの内部の特徴部を見えるようにしてある。
【図3】コータの側部から見た、垂直断面図にて示すモジューラコータの断面部分の概略図である。
【図4A】コータの頂部から見たこのモジューラコータの一部の概略図である。
【図4B】コータの側部から見た、このモジューラコータの一部を垂直断面で示した概略図である。ここでは図4Aと図4Bを集約的に図4と呼ぶ。
【図5A】ここで述べた観点から見た、モジューラおよび区画タイプコータの構造の概略図である。
【図5B】コータの頂部から見た、モジューラコータの断面部分を水平断面で示した概略図である。
【図5C】コータの側部から見た、モジューラコータの断面部分を垂直断面で示した概略図である。ここでは、図5A、図5B、図5Cを集約的に図5と呼ぶ。
【図6A】コータの頂部から見た、モジューラコータの断面部を水平断面で示した概略図である。
【図6B】コータの側部から見た、モジューラコータの断面部分を垂直断面で示した概略図である。ここでは図6Aと図6Bを集約的に図6と呼ぶ。
【図7A】ポンプ区画の頂部から見た、このポンプ区画を水平断面で示す概略図である。
【図7B】ポンプ区画の端部から見た、このポンプ区画を垂直断面で示す概略図である。ここでは図7Aと図7Bを集約的に図7と呼ぶ。
【図8A】ポンプ区画の頂部から見た、このポンプ区画を水平断面で示す概略図である。
【図8B】ポンプ区画の端部から見た、このポンプ区画を或る垂直断面で示す概略図である。
【図8C】ポンプ区画の端部から見た、このポンプ区画を別の垂直断面で示す概略図である。ここでは図8A、図8B、図8Cを集約的に図8と呼ぶ。
【参照符号の説明】
【0067】
40…コータ、42…プロセスモジュール、44…多数の区画またはベイ、46、48、50…ポンプ区画、47、49…半ベイ、52…バフリング、54…拡散ポンプ、55、57、59…ガスコンダクタンススロット、60…モジューラコータ、62…区画、64…構造、66、68…開口またはスロット、70…プロセスまたはコーティング区画、72、74…2個のポンプ区画、76…別のコーティング区画、78、80…半ベイ、82…6個のターボ分子ポンプ、90…マルチモジュールコータ、92…プロセスまたはコーティング区画、94…ポンプ区画、96…別のコーティング区画、98、100…半ベイ、102…6個のターボ分子ポンプ、104…2個の拡散ポンプ、108…開口またはスロット、110、111…バフリング、112…開口またはスロット、200…シングルポンプ区画、201、203、205…コンダクタンススロット、202、204…半ベイ、208…拡散ポンプ、210…ターボ分子ポンプ、214…半ベイの端部、216…通路、218、219…バフリング、222…開口、224…ギャップまたはスロット、250…シングルポンプ区画、252、254…半ベイ、256…ターボ分子ポンプ、258…開口またはスロット、262…通路、265…バフリング、266…ギャップまたはスロット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通過する基板をコーティングする装置であって、
第1プロセス区画を備えており、前記第1プロセス区画において、その入口から出口までの第1長さを有する第1通路を前記基板が通過し、また、第1ガスによって前記基板をコーティングすることが十分でき、
第2プロセス区画をさらに備えており、前記第2プロセス区画において、その入口から出口までの第2長さを有する第2通路を前記基板が通過し、第2ガスによって前記基板をコーティングすることが十分でき、前記第1ガスと前記第2ガスとが同一または異なったものであり、
前記プロセス区画と前記第2プロセス区画との間に配置されたポンプ区画をさらに備えており、前記ポンプ区画が、その入口から出口までの通路長さを有する通路を通って基板が内部を通過することが十分でき、前記通路が前記第1通路および前記第2通路と動作可能に連通しており、
前記ポンプ区画が、前記第1プロセス区画、前記第2プロセス区画、前記通路と動作可能に連通し、ポンプによってそれらからガスをポンピングできるようになっており、
前記ポンプ区画が、通路長さが前記第1長さの2倍未満、前記第2長さの2倍未満、前記第1長さと前記第2長さの平均の2倍未満である場合には、基板コーティングプロセスに際して前記第1ガスと前記第2ガスを相互にほぼ分離させることが十分できる、装置。
【請求項2】
前記第1プロセス区画内の前記第1ガス圧と、前記第2プロセス区画内の前記第1ガス圧との間の、基板コーティングプロセスに際して最大で約35:1の比率を十分に提供できる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2プロセス区画内の前記第2ガス圧と、前記第1プロセス区画内の前記第2ガス圧との間の、前記基板コーティングプロセスに際して最大で約35:1の比率を十分に提供できる、請求項2および3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
前記基板コーティングプロセスに際して、約20:1よりも大きい、またはこれと等しい前記比率を十分提供できる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1プロセス区画に隣接して、少なくとも1個のさらなる第1プロセス区画をさらに備え、前記第2プロセス区画に隣接して、少なくとも1個のさらなる第2プロセス区画をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1プロセス区画と、前記少なくとも1個のさらなる第1プロセス区画または前記第2プロセス区画、少なくとも1個のさらなる第2プロセス区画が、1個のポンプ区画につき約20〜約40個である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ポンプ区画に隣接して少なくとも1個のさらなるポンプ区画をさらに備えており、多数の前記ポンプ区画の数と、前記少なくとも1個のさらなるポンプ区画の数が、別の状況において、このような前記第1ガスと前記第2ガスを、前記基板コーティングプロセスに際して相互にほぼ分離させることが十分にできるポンプ区画の数よりも少ない、請求項1、請求項5のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記ポンプが、拡散ポンプ、ターボ分子ポンプ、超低温ポンプ、これ以外の任意の高真空ポンプ、および/またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ポンプが、前記通路からのガスをポンピングする少なくとも1個の拡散ポンプと、前記第1プロセス区画と前記第2プロセス区画のうち少なくとも一方からのガスをポンピングする、拡散ポンプ以外の少なくとも1個のポンプとを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ポンプが、前記通路からのガスをポンピングする少なくとも1個の拡散ポンプと、前記第1プロセス区画と前記第2プロセス区画のうちの少なくとも一方からのガスをポンピングする、少なくとも1個のターボ分子ポンプとを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ポンプが、前記ポンプ区画の端部を介して前記ポンプ区画と動作可能に連通する少なくとも1個の端部ポンプを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1個の端部ポンプが、前記通路からのガスをポンピングするポンプを備えている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1個の端部ポンプが、拡散ポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、他の任意の高真空ポンプ、および/またはそれらの任意の組み合わせから選択したポンプを備えている、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記ポンプが、前記ポンプ区画の頂部を介して前記ポンプ区画と動作可能に連通する少なくとも1個の頂部ポンプを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1個の頂部ポンプが、前記第1プロセス区画または前記第2プロセス区画からのガスをポンピングするためのポンプを備えている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも1個の頂部ポンプが少なくとも2個の頂部ポンプを備えている、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記少なくとも2個の頂部ポンプの各々が、拡散ポンプ、ターボ分子ポンプ、他の任意の高真空ポンプ、および/またはそれらの任意の組み合わせから個別に選択される、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記通路長さが、別の状況において、前記基板コーティングプロセスに際して、前記第1ガスと前記第2ガスを相互にほぼ分離することが十分できるポンピング区画の通路長さよりも短い、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記通路長さが、前記第1長さまたは前記第2長さの2倍よりも短い、または、前記第1長さと前記第2長さの平均の2倍よりも短い、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記通路長さが、ほぼ前記第1長さ、ほぼ前記第2長さ、前記第1長さと前記第2長さのほぼ平均長さよりも長いまたはこれと等しい、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記通路長さが約600〜約2010ミリメートルである、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記通路長さが約750〜約1000ミリメートルである、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記ポンプ区画の、前記第1プロセス区画からのガスのポンピングに関連した領域と、前記ポンプ区画の、前記第2プロセス区画からのガスのポンピングに関連した別の領域とを分ける少なくとも1個のバフルをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記ポンプ区画の、前記通路からのガスのポンピングに関連した領域と、前記ポンプ区画の、前記第1プロセス区画および/または前記第2プロセス区画からのガスのポンピングに関連した別の領域とを分ける少なくとも1個のバフルをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
前記ポンプが、前記通路からのガスをポンピングするために、前記ポンプ区画の端部を介して前記ポンプ区画と動作可能に連通する少なくとも1個の拡散ポンプと、前記通路からのガスをポンピングするために、前記ポンプ区画の別の端部と動作可能に連通している少なくとも1個のターボ分子ポンプと、前記第1プロセス区画および前記第2プロセス区画からのガスをポンピングするために、前記ポンプ区画の頂部を介して前記ポンプ区画と動作可能に連通している少なくとも1個のターボ分子ポンプとを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前記ポンプが、前記通路、前記第1プロセス区画、前記第2プロセス区画からのガスをポンピングするために、前記ポンプ区画の頂部を介して前記ポンプ区画と動作可能に連通するターボ分子ポンプを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項27】
装置を通る基板をコーティングするために、前記装置からのガスをポンピングする方法であって、前記方法が、
請求項1の前記装置を提供するステップと、
前記基板コーティングプロセスに際して、前記ポンプを介して、前記通路、前記第1プロセス区画、前記第2プロセス区画からのガスをポンピングするステップと、
を備える方法。
【請求項28】
前記ポンピングが、基板コーティングプロセスに際して前記第1ガスと前記第2ガスを相互にほぼ分離させることが十分に可能である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
基板コーティングプロセスに際してガスをポンピングする装置であって、前記装置が、
前記ポンプ区画の第1側部、および基板が前記ポンプ区画を通過するための第1長さに隣接して位置する第1プロセス区画と、前記ポンプ区画の第2側部、および基板が前記ポンプ区画を通過するための第2長さに隣接して位置する第2プロセス区画とに動作可能に連通するよう適合されたポンピング区画を備えており、前記通路長さが、前記第1長さ、前記第2長さ、または前記第1長さと前記第2長さの平均の2倍未満であり、
前記ポンプ区画と動作可能に関連した高真空ポンプをさらに備えており、前記高真空ポンプが、前記第1プロセス区画に関連した第1ガスと、前記第2プロセス区画に関連した第2ガスとを、前記基板のコーティングプロセスに際して相互にほぼ分離させることが十分に可能である、装置。
【請求項30】
基板コーティングプロセスに際してガスをポンピングする方法であって、前記方法が、
請求項29に記載の装置を提供するステップと、
前記基板コーティングプロセスに際して、前記ポンプにより、前記通路、前記第1プロセス区画、前記第2プロセス区画からのガスをポンピングするステップと、
を備える、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【公表番号】特表2010−526932(P2010−526932A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510189(P2009−510189)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/068807
【国際公開番号】WO2008/014040
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】