説明

適合性支持体を用いる熱現像向けの方法および装置

【課題】レリーフパターンを形成するために、感光性要素から印刷フォームを形成するための方法および装置の提供。
【解決手段】感光性要素の組成物層を加熱して層の一部分を液化させ、かつ感光性要素に現像媒体を提供して液化された組成物を除去することによって、感光性要素を熱現像する。感光性要素とベース支持体との間に適合層が配設され、これによって感光性要素と現像媒体との間の圧縮性および接触が改善する。この方法および装置は、感光性要素からの液化された部分の除去効率および形成されるレリーフパターンの均一性を改善する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性要素を熱現像するための方法に関し、詳細には感光性要素からレリーフ印刷フォームを形成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキソ(Flexographic)印刷版は、例えばカードボード、プラスチックフィルム、アルミ箔のような包装材料など、軟質で変形させ易いものから比較的硬質なものまで、印刷面に使用されることが周知である。フレキソ印刷版は、特許文献1および特許文献2に記載されているような光重合性組成物を含有する感光性要素から作製することができる。光重合性組成物は、一般に、エラストマー結合剤、少なくとも1つのモノマー、および光開始剤を含む。感光性要素は、一般に、支持体とカバーシートまたは多層カバー要素との間に介在する光重合性層を有する。化学線で像様に露光すると、露光領域で光重合性層の光重合が生じることにより、層の露光領域は硬化およびレンダリングによって不溶性になる。慣用的に、フレキソ印刷に使用することができる印刷レリーフを残して光重合性層の非露光領域を除去するために、感光性要素は、例えば溶媒または水性ベースのウォッシュアウト等の適当な溶液で処理される。しかし、溶液で要素を処理する現像システムは、吸収された現像剤溶液を除去するのに長時間(0.5時間から24時間)乾燥させる必要があるので、時間がかかる。
【0003】
溶液現像の代替として、時間のかかる後続の乾燥ステップがない、非露光領域を除去する「乾式」熱現像プロセスを用いることができる。熱現像プロセスでは、化学線で像様に露光された感光層を、この感光層の非露光部分の組成物を軟化または溶融させて吸収材料中へ流入させるのに十分な温度で、吸収材料に接触させる。特許文献3(Burgら)、特許文献4(Cohenら)、特許文献5(Martens)、特許文献6(Martens)、特許文献7(Martens)、および特許文献8(Petersonら)を参照されたい。感光層の露光部分は硬質のままであり、非露光部分向けの軟化温度では軟化も溶融もしない。吸収材料は、軟化した非照射材料を収集し、次いで感光層から分離される。感光層を加熱して接触させるサイクルは、非照射領域から流動性組成物を十分に除去して印刷に適したレリーフ構造を形成するために、数回繰り返す必要があり得る。そのような処理の後、照射された像を表す、照射されて硬化した組成物の隆起レリーフ構造が残る。
【0004】
フレキソ印刷要素の熱現像のための処理装置が知られている。特許文献8および特許文献9は、それぞれ、照射された印刷要素を扱いかつ吸収材料のウェブを用いて印刷要素から非照射組成物を除去するための、加熱と加圧を繰り返し遂行する自動化プロセスおよび装置を説明している。どちらの装置も、熱現像の間に感光性要素を支持するためのドラムを含む。ドラムの外表面は、感光性要素を一時的にドラムに付着させるように粘着性であってもよい。感光性要素は、粘着層上に存在するようにドラムに取り付けられ、熱現像中には感光性要素の外面に吸収材料が接触する。予熱ドラムは、ショアA硬度評点が約30と60の間のシリコンゴム組成物層でコーティングすることができる。このゴムのコーティングには、アルミニウム粒子を含浸させてよい。ゴムによってもたらされた弾性面は、ホットローラによってかけられた圧力下で表面が撓む結果として、より長いニップゾーンをもたらし得る。ホットローラは、感光性要素を加熱して溶融したポリマーを吸収材料で除去するために、吸収材料が感光性要素に接するのを支持する。
【0005】
特許文献10は、感光性要素が、除去可能な可撓性支持部材でベース部材上に支持される、熱現像のための方法および装置を説明している。一実施形態では、可撓性支持部材は担体を含む必要がなく、圧縮性材料など自立する材料の層から形成することができる。特許文献11は、感光性要素が、ベース部材上に支持される、熱現像のための方法および装置を説明している。特許文献12は、感光性要素が、除去可能な可撓性支持部材で外側がテクスチャード加工された面を有するベース部材上に支持される、熱現像のための方法および装置を説明している。これらの文献は、ベース部材(または支持部材)が弾性層を含み得ることを説明している。弾性層は、ゴム、シリコーンゴムおよび圧縮性発泡樹脂を含む、天然ゴムおよびエラストマー材料、ならびに合成ゴムおよびエラストマー材料など、約30と約75の間のショアA硬度をもたらす適当な任意の材料から成り得る。
【0006】
特許文献13は、フレキソ印刷版を処理するための方法および装置を説明している。一実施形態では、この装置は、フレキソ版を支持するクッション性表面を生成するために、フレキソ版と支持基盤の間に配置された、共形の熱伝導性のクッション性表面を含んでよい。
【0007】
商業上CYREL(登録商標)FAST 1000TDおよびCYREL(登録商標)FAST TD4260処理装置と認証される熱処理装置の2つの実施形態で、ドラムの外面は、ショアA硬度50を有するシリコーンゴム層および該ゴム層上の粘着性付与層を含む。粘着性付与層は、溶剤中のシリコーン分散液DOW 236であり、Dow Corning社から入手可能である。
【0008】
熱処理に関して、印刷要素のレリーフ面の陥凹領域からの、非硬化フォトポリマーの掃除または除去が必ずしも十分でないという問題が生じることがある。陥凹領域の掃除が十分でないと、所望のレリーフ深さに対してフォトポリマー材料の除去が不十分となり、かつ/またはオープンフロア領域の間、および大きな隆起領域(すなわち典型的に固体の印刷領域)の間の比較的狭いチャンネルまたは間隙において、レリーフ深さの不均一性が現われる恐れがある。レリーフ深さは、硬化ポリマーのフロアの厚さと印刷要素中の印刷層の厚さの間の差である。
【0009】
光重合性層が約100ミル(約0.25cm)を上回る厚さを有するレリーフ印刷フォーム中の非硬化フォトポリマー材料を十分に掃除または除去することは特に困難であり、光重合性層の厚さが増すと累進的により困難になる。いくつかの光重合性レリーフ印刷フォームの厚さは、250ミル(約0.625cm)程度またはそれを上回ることがある。厚いレリーフ印刷フォームは、段ボール板紙と称されることがある段ボールの印刷に主に使用される。厚い印刷フォーム向けのレリーフ深さは、フォトポリマー層の厚さの半分程度であり得る。
【0010】
しばしば、改善されたレリーフ均一性を達成するために、吸収材料を担持するホットロールと感光性要素を担持するドラムとの間のニップでの圧力が、陥凹領域へ吸収材料を押し付けるように増加される場合がある。ニップ圧力が増加すると、感光性要素を圧縮して、感光性要素上でドラムの軸方向長に沿ってニップのためのより広い接触ゾーン(すなわちフットプリント)を生成し、また、感光性要素に対する熱伝達のための滞留時間(すなわちドゥエル期間)も増加させる。しかし、滞留時間が増加すると、感光性要素のためのベース支持体のガラス遷移温度以上に温度が上昇し、結果として印刷フォームまたは印刷版の歪みまたは変形が生じる恐れがある。変形は、感光性要素の非平面状のトポグラフィーをもたらす局所的な歪みの波を含む。歪みの波は、処理された各要素における様々な位置に形成することがある。さらに、ホットロールは、その長手方向に沿って撓むかまたは曲がる傾向があり、感光性要素に対して接触ゾーンの軸方向長に沿って不均一な圧力を加えることになる。不均一な圧力が加わると、結果として不均一なレリーフ深さを有する印刷フォームのレリーフ構造をもたらす原因となる。
【0011】
レリーフ面の陥凹領域の掃除または除去が不完全であると、レリーフ印刷フォームが不十分なプリント性能(すなわち基板上に印刷された像の不十分な再生)をもたらす恐れがある。レリーフ印刷は、印刷フォームが像領域から印刷する印刷方法であり、印刷フォームの像領域が隆起し、非像領域が窪むかまたは凹んでいる。十分に掃除されないフロアなどの陥凹領域は浅く、したがってインクを拾い上げることがあり、印刷するべきでない領域内の基板上に接触してインクを転写する。これは、「フロアを印刷する」と称されることがある。別の例では、小さなダート粒子または綿屑が浅い陥凹領域にはりつき、インクを拾い上げて(ダート粒子と一緒に、またはダート粒子なしで)基板に転写することがあり、印刷像を「汚く」することがある。しばしば印刷フォームは基板と圧力接触するので、浅いフロアまたはダートを印刷するこの影響は悪化する恐れがある。
【0012】
支持体内および/または硬化したフォトポリマー性層内に1つまたは複数の歪みがあるレリーフ印刷フォームも、印刷性能が不十分になる。多色印刷では、1つまたは複数のレリーフ印刷フォームに歪みがあると、印刷像の刷合せ(registration)が不十分になる。単色印刷のときでさえ、レリーフ印刷フォームにおける歪みは、例えば直線を曲線として印刷することにより、いわゆる不正確な像となって、元の像の正確な再現でないものを印刷する恐れがある。1つまたは複数の歪みがあるレリーフ印刷フォームは、印刷された基板に対して印刷フォームのインク付けされた面が断続的に接触するために、像を不完全に印刷する恐れもある。
【0013】
【特許文献1】米国特許第4,323,637号明細書
【特許文献2】米国特許第4,427,759号明細書
【特許文献3】米国特許第3,060,023号明細書
【特許文献4】米国特許第3,264,103号明細書
【特許文献5】米国特許第5,015,556号明細書
【特許文献6】米国特許第5,175,072号明細書
【特許文献7】米国特許第5,215,859号明細書
【特許文献8】米国特許第5,279,697号明細書
【特許文献9】米国特許第6,797,454号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2005/0142494号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2006/0029880号明細書
【特許文献12】米国特許出願公開第2006/0134557号明細書
【特許文献13】国際公開第2007/012023号パンフレット
【特許文献14】国際公開第98/13730号パンフレット
【特許文献15】米国特許出願公開第2006/0104675号明細書
【特許文献16】米国特許第6,998,218号明細書
【特許文献17】米国特許第7,041,432号明細書
【特許文献18】米国特許第7,237,482号明細書
【特許文献19】米国特許第7,044,055号明細書
【特許文献20】米国特許第7,152,529号明細書
【特許文献21】米国特許第4,323,636号明細書
【特許文献22】米国特許第4,753,865号明細書
【特許文献23】米国特許第4,726,877号明細書
【特許文献24】米国特許第4,460,675号明細書
【特許文献25】米国特許第5,262,275号明細書
【特許文献26】米国特許第5,719,009号明細書
【特許文献27】米国特許第5,607,814号明細書
【特許文献28】米国特許第5,506,086号明細書
【特許文献29】米国特許第5,766,819号明細書
【特許文献30】米国特許第5,840,463号明細書
【特許文献31】欧州特許出願公開第0741330号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、外面を有して部分的に液化され得る組成物層を含む感光性要素から印刷フォームを形成するための方法を提供する。この方法は、外面に現像媒体を供給するステップと、ベース部材上に感光性要素を支持するステップと、組成物層の一部分を液化させるのに十分な温度まで外面を加熱するステップと、感光性要素を現像媒体と接触させて、組成物層の液化物の少なくとも一部分が現像媒体によって除去されるのを可能にするステップとを含み、ベース部材と感光性要素の面の間に3psiと1500psiの間の圧縮係数を有する適合性材料が配設される。
【0015】
本発明は、外面に現像媒体を供給するための手段と、感光性要素を支持するための、外表面を有する支持手段と、組成物層の一部分を液化させるのに十分な温度まで外面を加熱するための手段と、感光性要素を現像媒体と接触させて、組成物層の液化物の少なくとも一部分が現像媒体によって除去されるのを可能にするための手段とを備える、感光性要素から印刷フォームを形成するための装置であって、3psiと1500psiの間の圧縮係数を有する適合性材料が支持手段の外表面に隣接して配設される装置も提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、感光性要素から印刷フォームを形成するための方法に関し、具体的には感光性要素からレリーフ印刷フォームを形成するための方法に関する。いくつかの実施形態では、この印刷フォームは、フレキソ印刷フォームおよび凸版印刷フォームとしての用途を含むレリーフ印刷に特に適するレリーフパターンを含む。レリーフ印刷は、印刷フォームが像領域から印刷する印刷方法であり、印刷フォームの像領域が隆起し、非像領域が窪んでいる。いくつかの実施形態では、この印刷フォームは、グラビア印刷またはグラビア状印刷に適する。グラビア印刷は、印刷フォームが像領域から印刷する印刷方法であり、像領域は窪んでおり、インクまたは印刷材料を含むように小さな凹んだカップまたはウェルから成り、非像領域がフォームの表面である。グラビア状印刷は、レリーフ印刷フォームが使用されるという点を除くとグラビア印刷に類似しており、像領域は窪んでいて、印刷中に転写されるインクを運ぶためのウェルを形成する陥凹領域から成る。本発明は、任意の目的のために層の少なくとも一部分を溶融、軟化、または液化させて、液化された材料の部分を除去するのに十分な温度に対して部分的に液化することができる組成物の層を有する感光性要素を熱処理するための方法も企図する。
【0017】
具体的には、本発明は、感光性要素から印刷フォームを形成するための方法に関し、処理中に感光性要素を支持するために、感光性要素とベース部材の間に適合性材料が配設される。ほとんどの実施形態では、適合性材料は、組成物層の一部分が液化する外面の反対側にある支持体を有する感光性要素の面に隣接する層である。熱処理中に、感光性要素と隣接して適合層が存在することによって、先行技術の熱現像システムと比べて、感光性要素と現像媒体の間のより優れた適合が可能になる。適合性が向上すると、現像媒体の、印刷要素中に形成しているレリーフ面への接触が向上し、それによって、レリーフ面の陥凹領域からの非硬化または未重合の材料の除去が改善する。感光性要素に隣接して配設された適合層の存在によって、非硬化ポリマーがより効率的に除去されるだけでなく、固体の隆起した(印刷)領域の間、オープンフロア領域、ならびにハーフトーンドット、リバースおよび線の間の狭い間隙およびチャンネルなどにおける様々な像のフィーチャにわたる陥凹領域内の掃除の均一性も改善する。感光性要素とベース部材の間に適合層を使用することによって、印刷フォーム内にも印刷層の厚さの約半分までの深いレリーフ深さを達成することができる。
【0018】
さらに、本方法は、より少ない熱入力で、例えばより低いホットロール温度および低減された赤外線加熱を行うことができ、印刷フォームを歪ませるほどの温度での過度の熱を回避する。感光性要素の外面の反対側に適合性材料が存在することによって、感光性要素と現像媒体の間の適合性および接触が向上する。適合性が向上すると、ニップでの圧力を増加させる必要性および感光性要素に熱を伝達するための滞留時間が低減され、したがって要素が歪む温度を上回って温度を上昇させる可能性が低下する。より低い温度で動作することの別の利点には装置によるエネルギー消費の低減があり、すなわち、より高温で動作する他の熱現像装置より装置の運転コストが低い。より低い温度で動作すると、熱現像によって感光性要素の非硬化部分から生成する蒸気(ならびに凝縮液)が低減されるという点で利点をもたらすこともできる。
【0019】
熱処理(熱現像と称されてもよい)は、感光性要素を、組成物層の非硬化部分が液化、すなわち溶融し、または軟化し、または流動して、現像媒体との接触によって、運び去られるかあるいは除去される現像温度まで加熱する。現像媒体は、本明細書では、現像材料、吸収材料、吸収性ウェブおよびウェブと称されることもある。感光層の硬化した部分は、非硬化部分より高い溶融温度、軟化温度、または液化温度を有し、したがって、熱現像温度で、溶融、軟化または流動しない。フレキソ印刷版を形成するための感光性要素の熱現像は、特許文献5、特許文献6、特許文献7、および特許文献14に説明されている。感光性要素は、支持体(またはベース支持体)および支持体と隣接した少なくとも1つの組成物層を含む。組成物層は、部分的に液化させることができる。
【0020】
用語「溶融する」は、組成物層の非照射部分が、軟化し、粘性が低下して、現像媒体による除去が可能になるような高温にさらされたときの挙動を記述するのに用いられる。組成物層の溶融性部分の材料は、通常、固体と液体の間の急激な転移がない粘弾性材料であり、このため、このプロセスは、吸収材料中に吸収させるためのある閾値より高い任意の温度で加熱した組成物層を吸収するように機能する。したがって、高温にさらされたとき、組成物層の非照射部分は軟化または液化する。しかし、この明細書の全体を通して、用語「溶融する」、「軟化する」、および「液化する」は、組成物の固体状態と液体状態の間に急激な転移温度があるか否かにかかわらず、組成物層の加熱した非照射部分の挙動について記述するために用いられてよい。本発明の目的のために、組成物層を「溶融する」のに広い温度範囲が利用されてよい。現像媒体による除去は、吸収材料と見なすことができる現像媒体による吸収を包含する。プロセスの正常な動作中、除去は、低温度ではより遅く、また高温度ではより速くなり得る。
【0021】
感光性要素を熱現像するのに適する装置は、Petersonらによる特許文献8に開示されており、Johnsonらによる特許文献9にも開示されている。特許文献8は、感光性要素が、熱処理のために平面上またはドラム上に置かれる装置の実施形態を示している。特許文献9は、熱処理のために感光性要素を支持するドラムを示している。当業者がこの装置を変更して、感光性要素を処理するために、ベルトで支持されたシステムなど、2つ以上の支持ロール上、1つまたは複数の平面と1つまたは複数のロールの組合せ上に感光性要素を置くことができることを理解されたい。感光性要素を熱現像するのに適する別の装置が、Dudekらによる特許文献15に開示されており、筒状の支持体を有する感光性要素から印刷フォームが形成される。特許文献16、特許文献17、特許文献18は、フレキソ印刷要素の支持手段が回転可能な支持体である、フレキソ印刷スリーブを熱現像するための装置、方法およびシステムについて説明している。特許文献19および特許文献20は、コンベアの連続したループ上に感光性印刷要素が置かれて、コンベア上の感光性要素の方へ加熱可能なローラが動かされる、フレキソ印刷版の熱現像のための方法およびシステムを説明している。当業者なら、前述の装置の各々を変更して、感光性要素とベース部材の間に適合性材料を配設することにより印刷フォームを形成する斬新な本方法に適応することができることを理解されたい。ドラム、1つまたは複数の支持ロール、ベルトで支持されたシステム、プレートまたは平面状の部材、アーチ形の台など、熱処理中に感光性要素を支持しまたは保持するあらゆる構造は、ベース部材または感光性要素の支持手段と見なすことができるが、これらの構造には限定されない。ベース部材の一実施形態にはドラムがある。ベース部材の別の実施形態には支持ロールがある。
【0022】
これらの装置で示された多くの実施形態において、感光性要素はプレートの形をしている。このプレートは、熱現像向けのドラム上その周囲に、あるいは平面状の配向または加圧での熱現像向けの平坦なベース上にクランプされてよい。しかし、当業者なら、開示された装置の各々を変更して、感光性要素の取付けを印刷に適する任意のフォームにおいて適応させることができることを理解されたい。感光性要素は、プレートの形に加えて、円筒すなわちスリーブ、スリーブ上のプレート、または担体上のプレートの形を含むことができる。感光性要素は、円筒状に成形された支持体に隣接する、連続的な、シームレスな、または実質的にシームレスな光重合性組成物層でよい。円筒状に形成された支持体は、スリーブと称されてよい。典型的には、スリーブ上のプレートは、少なくとも平面状の支持体上の組成物層を含む感光性要素が、次いで円筒状に成形された支持体上に取り付けられるものである。典型的には、担体上のプレートは、少なくとも平面状の支持体上の組成物層を含む感光性要素が、次いで担体シートとして知られている可撓性シート上に取り付けられるものである。しばしば、多数の感光性要素が、様々な離隔された位置で担体上に取り付けられる。
【0023】
この方法は、ベース部材上に感光性要素を支持するステップを含み、適合性材料が、ベース部材と感光性要素の外面の反対側の面との間に配設され、適合性材料は、およそ、3ポンド/平方インチ(psi)と1500psi(20.7キロパスカル(kPa)と10342.1kPa)の間の圧縮係数を有する。典型的には、感光性要素が支持体または光重合性組成物の層のためのベースを含むので、要素の外面の反対側の面は、要素の背面または支持面またはベース面と称されてもよい。いくつかの実施形態では、適合層は、感光性要素の支持面の隣に接触して存在する。いくつかの他の実施形態では、適合層は、感光性要素の支持面の隣に、直接接触することなく存在し、例えば、適合層と感光性要素との間に付加層が介在してよい。適合性材料の圧縮性の特質を妨げたり著しく変化させたりしないならば、1つまたは複数の付加層が、適合性材料の層上に、またはそれと独立して介在してよいように企図される。適合性材料上の付加層の例には、保護層としての用途向けのフィルムまたはコーティング、剥離層、帯電防止層または粘着層などの材料の層があるが、これらには限定されない。付加層は比較的薄いものであり、その意図した目的に適した厚さを有して、適合層の圧縮性に著しく影響を及ぼすことがない。一実施形態では、付加層の厚さは約0.001mmから10mmである。また、感光性要素の支持面が、外面の反対側に1つまたは複数の付加層を含んでよいことが企図されている。
【0024】
適合性材料の層は、処理される感光性要素の寸法の1つまたは複数と等しいかまたは異なる1つまたは複数の寸法を有してよい。例えば、感光性要素がプレートまたは平面構造である実施形態では、適合層の長さおよび幅は、各々、感光性要素の長さおよび幅に対して、等しいか、より長いか、またはより短いものでよい。いくつかの実施形態では、適合層の平面の寸法(長さおよび幅)は、感光性要素の平面の寸法と一致する。層が圧縮係数の所望の範囲に合うならば、適合性材料の層の厚さは特に限定されない。いくつかの実施形態では、適合性材料の層の厚さは0.1mmと50mmの間である。いくつかの実施形態では、適合性材料の層の厚さは0.1mmと25mmの間である。他の実施形態では、適合性材料の層の厚さは1mmと20mmの間である。さらに他の実施形態では、適合性材料の層の厚さは1mmと15mmの間である。
【0025】
いくつかの実施形態では、適合性材料の層はベース部材から除去可能でよく、適合性材料が損耗したときに、迅速かつ容易な交換が可能になる。適合性材料が除去可能であると、熱処理を受ける各感光性要素に対して適合性材料を独立して選択することも可能になり、装置で処理することができる要素の、あり得る多くの様々なタイプ、サイズ、および/または厚さに適応する。適合性材料の層は、感光性要素を固定するのと同じ方法またはデバイスによって、ベース部材に固定または保持されることができる。いくつかの実施形態では、適合性材料は、ベース部材に取り付けるか、またはベース部材に恒久的に固定して、適合性材料とベース部材を一体化することができる。適合性材料をベース部材に取り付けるかまたは固定する手段は限定されない。さらに別の実施形態では、Hacklerらによる特許文献10で説明されているように、適合性材料は、除去可能な可撓性支持部材上の層として含まれてよい。可撓性支持部材は除去可能であり、印刷要素を支持する面の磨耗または劣化に際して容易に交換することが可能になる。可撓性支持部材は、典型的に、熱現像中に感光性要素を支持するベース部材(例えばドラム)の外面上に張力をかけて取り付ける。一実施形態では、可撓性支持部材は担体部材を含み、かつ変更材料の層を含むことができる。本発明の目的のために、およそ3psiから1500psiの圧縮係数を有する適合性材料が変更材料として使用されてよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、ベース部材上に弾性層および/または粘着層が存在し得るので、適合性材料は、感光性要素に隣接する(および、より近くなる)ように、この弾性層および/または粘着層の上または上方に存在してよく、感光性要素の現像媒体に対する適合性および接触において所望の改善をもたらす。ドラムなど先行技術のベース支持体上の弾性面をもたらすゴムのコーティングは、適合性材料がおよそ3psiから1500psiの間の圧縮係数を有する本発明とは異なることを理解されたい。先行技術では、ドラム上の弾性面は、およそ30と75の間のショアA硬度評点を有する。デュロメータは、材料の硬度を示すいくつかの方法のうちの1つであり、恒久的な押し込みに対する材料の抵抗と定義される。デュロメータは、標準化された押さえ金(pressor foot)上の所与の力によって生成された材料の押し込みの深さを測定する。デュロメータにはいくつかのスケールがあるが、ショアAスケールは、典型的には、より軟質のプラスチック向けに用いられる。各スケールは0と100の間の値をもたらし、より高い値はより固い材料を示す。いくつかの実施形態では、約30未満のショアAデュロメータを有する適合性材料が、現像媒体に対する感光性要素の適合性および接触における所望の改善をもたらす。いくつかの実施形態では、約25未満のショアAデュロメータを有する適合性材料が、現像媒体に対する感光性要素の適合性および接触における所望の改善をもたらす。(いくつかの例では、10未満(すなわち0から10の範囲)のショアAデュロメータを有する材料は、再現性を伴って特徴づけることはできないかもしれないが、依然として本発明に包含されることに留意されたい。)さらに他の実施形態では、本発明の適合性材料は、ショアAデュロメータによって特徴づけることができないほど著しく軟性(あまり固くないかまたはあまり弾力性がない)であり、したがって、この適合性材料は圧縮係数によって特徴づけられる。およそ3psiから1500psiの圧縮係数の範囲が、現像媒体に対する要素の適合性および接触における所望の改善をもたらし、約30未満のショアAデュロメータを有する適合性材料の実施形態と一部重複し得る適合性材料を表す。いくつかの実施形態では、およそ3psiから1500psiの圧縮係数の範囲が、現像媒体に対する要素の適合性および接触における所望の改善をもたらし、約25未満のショアAデュロメータを有する適合性材料の実施形態と一部重複し得る適合性材料を表す。さらにいくつかの他の実施形態では、およそ3psiから1500psiの圧縮係数の範囲が、現像媒体に対する要素の適合性および接触における所望の改善をもたらし、約35未満のショアAデュロメータを有する弾性層を有するベース部材の実施形態と一部重複し得る適合性材料を表す。
【0027】
適合性材料の圧縮係数は、材料が圧縮されて様々な荷重での変形が記録される簡単な圧縮試験から求められる。圧縮応力およびひずみは、記録された圧縮荷重と材料の変形から計算され、応力−ひずみ線図における曲線としてプロットされる。圧縮係数は、応力−ひずみ曲線の初期領域の傾斜から求められる。典型的に、応力−ひずみ曲線の初期領域は、この曲線の直線部分である。圧縮係数は、ひずみの増分に対する応力の増分の比、すなわち応力をひずみで割ったものである。本発明に関しては、圧縮係数は応力−ひずみ曲線の初期の傾斜であり、この領域では、応力とひずみの関係が線形であって、応力およびひずみから材料が回復することができる。圧縮係数は、係数または支持因子とも称されることがある。応力−ひずみ線図および圧縮係数は、当業者に周知の機械的性質である。材料のこれらおよび他の機械的性質の説明およびその解析は、ポリマーフォームおよびゴムに関する何らかのハンドブックまたは参照で見つけ出すことができる。
【0028】
適合性材料の圧縮を測定するのに適する測定器には、材料の圧縮(および伸び)を試験するための汎用試験機がある。圧縮を測定するのに適する汎用試験機には、Instron社(マサチューセッツ州ノーウッド)製のModel 1125がある。圧縮試験向けの測定器は、試験される適合性材料の供試体より大きい平坦な圧縮脚(compression foot)を含み、これは力測定デバイスに接続され、供試体を撓ませるか圧縮することができるように取り付けられる。圧縮脚上のロードセルには0ポンドから5000ポンドの範囲が使用される。測定器は、テスト中に空気を急速に逃がすことを可能にするように孔を空けられた平坦な水平プレート上に供試体を支持するように配置される。圧縮脚の表面と水平プレートの表面の両方を平行に保つために、JT&M Die Setから圧縮取付け具(部品番号3MDS、米国ウィスコンシン州ミルトンのJanesville Tool & Manufacturing社製)を使用することができる。この測定器は、圧縮ひずみを正確に測定するために、EIN−5レーザ伸び計で機能強化してもよい。圧縮試験のために、圧縮脚は、適合性材料の供試体に対して0ポンドから5000ポンドの間の荷重を加え、かつ毎分50±5mmの速度で移動する。この簡単な圧縮試験は、基本的に、圧縮力撓み(CFD)の測定のためのプロトコルにより、「Standard Test Method for Flexible Cellular Materials - Slab, Bonded, and Molded Urethane Foams」という名称の標準試験法のASTM規格D3574−05の試験Cに従うものである。しかし、CFD値は用いられない。というのは、ASTMのD3574−5の方法は、供試体に予荷重(例えば接触荷重)をかけ、かつ供試体が60秒間ゆるやかに変形することを許容しており、このことによって、CFD試験は、本方法における簡単な圧縮試験として、適合性材料によって経験される1つまたは複数の圧縮条件の代表と考えられないからである。圧縮力撓み試験は、フォームの供試体の50%圧縮変形をもたらすのに必要な力だけを測定をする。また、ASTM規格は、試験用に25mm(1インチ)の厚さの材料の供試体を要求するが、本発明に有用な適合性材料の層はこの列挙された厚さに限定されない。
【0029】
圧縮試験は、適合性材料の供試体に対して、適合層として使用されることになる厚さで行われる。したがって、応力−ひずみ曲線から求められた圧縮係数は、本方法で使用されるような適合層の厚さに基づくことになる。典型的には、適合層に適する材料は、25mm(1インチ)未満の厚さを有する1枚のプライとして供給されるが、必ずしもそれに限定されない。いくつかの実施形態では、使用される適合性材料の層は、25mm未満の厚さを有する1枚のプライになる。この例では、圧縮試験は材料の1枚のプライに対して行われることになる。他の実施形態では、使用される適合性材料の層は、25mm未満の合計の厚さを有する2枚以上のプライになる。この例では、適合性材料の圧縮係数は、材料の該2枚以上のプライを基に求められることになる。他の実施形態では、使用される適合性材料の層は、25mmを上回る合計の厚さを有する該1枚(または複数)のプライを有することになる。この例では、適合性材料の圧縮係数は、材料の1枚(または複数)のプライを基に求められることになる。
【0030】
いくつかの実施形態では、適合性材料の圧縮係数は、およそ3psiと1500psi(20.6kPaと10342.5kPa)の間である。いくつかの実施形態では、適合性材料の圧縮係数は、およそ3psiと100psiの間である。いくつかの実施形態では、適合性材料の圧縮係数は、およそ5psiと100psiの間である。他の実施形態では、適合性材料の圧縮係数は、およそ5psiと55psiの間である。他の実施形態では、適合性材料の圧縮係数は、およそ3psiと75psiの間である。さらに他の実施形態では、適合性材料の圧縮係数は、およそ55psiと100psiの間である。さらに他の実施形態では、適合性材料の圧縮係数は、およそ10psiと350psiの間である。
【0031】
いくつかの実施形態では、圧縮係数は、以下の値(単位はpsi)のうち任意の2つによって定義され、境界値を含む範囲内に存在し得る。3、5、10、25、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450および1500。
【0032】
適合性材料として適当な材料は限定されず、例えばポリエチレン、ポリウレタン、ポリエステル、天然ゴム、シリコンゴムおよびポリスチレンのフォームおよびエラストマーの材料を含む。フォームおよびエラストマーの材料は、天然のものまたは合成物であり得る。いくつかの実施形態では、適合性材料はポリエチレンフォームである。フォームはオープンセル構造またはクローズドセル構造を有してよい。適合性材料は、加熱中に感光性要素を処理するのに必要とされる温度に耐えなくてはならない。
【0033】
感光性要素に現像媒体を供給することによって、現像媒体が、感光性要素の外面に隣接して位置決めされる。感光性要素の外面に、供給部材を用いて現像媒体が供給される。現像媒体は供給部材上に存在する。供給部材は、要素の外面に現像媒体を供給するための手段である。供給部材の断面形状は限定されず、例えば、円形、半円、楕円、放物線、凸面および凹面を含むアーチ形、くさび形、三角形、長方形、および他の多角形状含むことができる。接触部材の形状は、対称または非対称であり得る。供給部材向けの一実施形態は、円筒状に成形されたロールである。典型的には、供給部材は円形の断面形状を有して加熱され、したがってホットロールまたはホットローラと称されてよい。供給部材は、ベース部材に支持される感光性要素に隣接して配置される。現像媒体が感光性要素の外面に接して供給されるとき、供給部材(例えばホットロール)によって供給される現像媒体とベース部材によって担持される感光性要素との間にニップが形成される。いくつかの実施形態では、現像媒体は、感光性要素に接したまま供給部材を横切ってよい。
【0034】
現像媒体は、吸収材料、ウェブおよび連続的ウェブと称されてもよい。現像媒体は、放射硬化性組成物の非照射部分または非硬化部分の溶融温度、軟化温度または液化温度を越える溶融温度を有し、かつ同じ動作温度で優れた引裂き抵抗を有するように選択される。好ましくは、選択された材料は、加熱中に感光性要素を処理するのに必要とされる温度に耐える。現像媒体として適当な材料は限定されず、不織材料、紙ストック、繊維織布材料、オープンセル型フォーム材料、その内包体積の実質的な部分を空隙の体積としてある程度含む多孔質材料から選択することができる。現像媒体は、ウェブ形態またはシート形態であり得る。現像媒体は、現像媒体の1平方センチメートル当りに吸収することができるエラストマー組成物のミリグラム数で測定したとき、溶融したエラストマー組成物に対して高い吸収力(すなわちポリマー除去効率)も有するべきである。現像中にプレート内に繊維が堆積しないように、現像媒体中に繊維を結合することも望ましい。ウェブ形態の不織材料が好ましい。
【0035】
感光性要素の組成物層の外面は、層の一部分すなわち非照射領域、あるいは非硬化または未重合の部分を液化させるのに十分な温度に加熱される。少なくとも1つの感光層(および、存在するなら1つまたは複数の付加層)を加熱するための手段は、伝導、対流、放射、または非硬化部分を溶融させるのに十分な温度であるがこの層の硬化部分が変形するほど高くはない温度まで層を加熱する他の加熱法によるものであり得る。組成物層上に配設された1つまたは複数の付加層は、軟化し、または溶融し、または流動することができ、現像媒体によって除去することもできる。組成物層の非硬化部分を溶融または流動させるために、感光性要素は、約40℃を上回る表面温度に、好ましくは約40℃から約230℃(104°F〜446°F)の表面温度に加熱する。
【0036】
感光性要素の外面は、熱現像装置内の1つまたは複数の熱源によって加熱することができる。諸熱源は、独立して、または任意の組合せで、組成物層の一部分を少なくとも部分的に液化させるのに十分な温度まで感光性要素の外面を加熱することができる。熱源の各々を加熱するための方法は限定されず、例えば、電気コアヒーター、電気加熱ブランケット、水蒸気、油、温風、および組成物層の一部分が溶融するように外面の温度を維持しまたは上昇させるのに十分な温度を与えることができる他の熱源を含むことができる。一実施形態では、感光性要素の外面の加熱には、支持部材を加熱するための放射ヒーターおよび熱源を用いる。
【0037】
一実施形態では、熱源は、要素に現像媒体を供給すると同時に組成物層の外面を加熱する供給部材に関連付けられる。熱は、接触したときに、供給部材から現像媒体を通じて要素の外面へ伝導によって移動し、要素の温度を上昇させ、感光性要素の組成物層の非硬化部分を溶融し、軟化し、または現像媒体中へ流動させる。
【0038】
処理装置は、感光性要素の外面に向けられた1つまたは複数の集束放射ヒーターである別の熱源を含んでよい。放射ヒーターは、組成物層の非照射部分を溶融してこの層の一部分を液化するのに十分な、組成物層の外面の温度を上昇させるのに組成物層の外面に必要とされる熱のすべてまたは一部を与えることができる。ヒーターは、終端支持体に取り付けられた1つまたは複数の管状赤外線加熱バルブを含むことができ、この支持体は赤外線加熱バルブとの電気的接続ももたらす。このヒーターは、要素の外面へ赤外線放射を合焦しかつ方向づける働きをする1つまたは複数のバルブに隣接した反射器を含むこともできる。
【0039】
別の熱源は、熱現像中に感光性要素を支持するベース部材に関連付けられる。ベース部材はブランケットヒーターなどのヒーターを装備してよく、これは、感光性要素を周囲の環境と無関係に安定した開始温度に保つために設けられるものである。ベース部材は、ベース部材の温度を制御するための手段を含んでよく、これは、感光性要素によって経験される熱的状態を管理するのに役立つ。具体的には、温度を制御するための手段は、感光性要素の支持面の温度を維持するのに使用することができる。ベース部材の温度を制御するための手段は、加熱手段、冷却手段およびこれらの組合せを含むことができる。ヒーターの電力容量が、ベース部材の外表面上で適正に一定の選択された表面温度を維持するのに十分である限り、ベース部材を加熱する任意の手段を許容することができる。この実施形態では、ベース部材を加熱するための熱源は、組成物層の非照射部分を溶融するのに十分な、組成物層の外面の温度を上昇させるための熱の一部を供給することができ、この層の一部分を液化する。通常の動作環境が、一定温度になるように注意深く制御されるなら、ヒーターは停止させるかまたは装置から省くことができる。特許文献9に開示されているように、空気流を感光性要素およびドラムの表面に送り出す送風器などの冷却手段によって、および/または感光性要素を冷却するようにベース部材の表面下に冷却流体を循環させることによって、ベース部材を冷却することも可能である。感光性要素が加熱および/または冷却されるように、ベース部材の表面下で水などの流体を循環させ得ることも企図される。ベース部材の外表面の温度は、およそ50°Fから150°F(10℃から65.6℃)、好ましくは75°Fから95°F(23.9℃から35℃)である。
【0040】
感光性要素を現像媒体と接触させると、組成物層上の液化物の少なくとも一部分を現像媒体によって除去することが可能になる。現像媒体と、非硬化領域内で溶融した組成物層とのある程度密接な接触を維持することによって、光重合性層(すなわち部分的に液化された部分)から現像媒体への非硬化感光性材料の移動が起こる。光重合性層に対する現像媒体の密接な接触は、光重合性層と現像媒体を一緒に押し付けることにより維持することができる。感光性要素を加熱するステップを含む熱現像すなわち熱処理と、現像媒体を感光性要素の外面に接触させるステップは、同時に行うことできるが、あるいは、光重合性層の非硬化部分が、現像媒体と接触するとき依然として柔軟であるかまたは溶融状態であるならば、順次に行うことができる。
【0041】
感光性要素から現像媒体への液化部分の除去または移動は、吸収と称することもある。しかし、現像媒体と溶融された非硬化重合体の組成物の間の相対的な物理的性質を定義するのに用語「吸収」を使用することは、特定の吸収性の現象に限定されるようには意図されない。吸収材料向けに使用された繊維、フィラメントまたは粒子の本体内へ、溶融された組成物を浸透させる必要はない。現像材料のバルク内への吸収は、内部バルクの表面の濡れによるのみでよい。現像媒体の吸収領域内へ溶融されたエラストマー組成物を移動させるための推進力は、表面張力、電気的な力、極性求引力、あるいは材料の、philicity(すなわち親和性)、吸着、または吸収の促進を支援することが知られているその他の物理的な力の1つまたは複数でよい。この推進力は、多孔質媒体内への圧力推進流も含んでよい。
【0042】
感光性要素と現像媒体は、供給部材とベース部材との間の相対運動によって互いに接触する。特許文献8および特許文献9は、各々ドラム(すなわちベース部材)とホットローラ(すなわち供給部材)との間の相対運動を説明している。感光性要素を現像媒体と接触させるために、熱現像装置においてベース部材と供給部材との間に相対運動を与えることは、十分に当業者の通常技術の範囲内にある。ベース部材と供給部材との間の相対運動は、感光性要素を現像媒体と接触させるための手段である。供給部材および/またはベース部材を互いの方へ移動させると、感光性要素(ベース部材に支持される)と供給部材との間にニップが形成され、感光性要素と供給部材との間に現像媒体が存在する。このニップは、供給部材がベース部材に関与する位置である。現像媒体を担持する供給部材は、感光性要素に関与して少なくとも接触し、いくつかの実施形態では圧力がかかって接触する。いくつかの実施形態では、処理中に、ニップでは要素の全幅にわたって均一または実質的に均一な圧力が印加される。この均一な圧力は、ニップにわたって像が均一であると想定しているが、当業者なら、像要素がニップを通過するとき印加される圧力が局所的に変化するはずであるということを理解するであろう。現像媒体を感光性要素と強制的に密接に接触させるために圧力が印加される。ニップ領域では、約0.70kg/cm2と約24kg/cm2の間、好ましくは約2kg/cm2と約12kg/cm2間の圧力が、感光性要素上のレリーフのフィーチャを歪めずに感光性要素の面から現像媒体への移動を促進させるのに適切である。感光性要素の下に適合性材料の層が存在すると、感光性要素のレリーフ面に対する現像媒体の接触を増加させるので、レリーフのフィーチャを歪める可能性を最小化するために、ニップでの圧力が上記圧力範囲の最低で動作することができ、0.7kg/cm2未満に低下され得ることが企図される。また、所与の圧力で、感光性要素の下に適合性材料の層が存在すると、要素のレリーフ面に対する現像媒体の接触が増加するので(すなわち適合性が向上するので)、レリーフ面内の陥凹領域からの未重合材料の除去が、より効率的かつより徹底的になる。感光性要素の下に適合層が存在すると、印刷要素のレリーフ面内の様々な像フィーチャにわたって、陥凹領域内の掃除の均一性が改善する。
【0043】
現像媒体は、特に連続的なウェブフォーム中にあるとき、典型的には、熱現像中に張力を受ける。ウェブとしての現像媒体は、処理装置による移送のために、張力制御、速度制御またはそれらの組合せの制御下にあり得るが、少なくとも、現像媒体が感光性要素から分離する点から、下流の推進機構まで、現像媒体が依然として張力を受ける可能性があることを理解されたい。装置による現像媒体の移送のために、ウェブに張力をかけ、かつ張力制御、速度制御またはそれらの組合せを実施する実施形態を企図することは、当技術分野で通常技術の範囲内にある。ウェブに張力をかけるための実施形態は、1つまたは複数のローラにブレーキを与えるステップおよび/または供給から巻上げへ1つまたは複数のローラのまわりにウェブを移送するステップ含む。駆動ローラによって、現像媒体が処理装置を通って移送されるとき、ブレーキが現像媒体に対して張力を与える。現像媒体が連続的なウェブである一実施形態では、張力の適当な範囲は、およそ0.1ポンド/インチから10ポンド/インチ(0.2N/cmから17.5N/cm)、好ましくは0.3ポンド/インチから5ポンド/インチ(0.5N/cmから8.8N/cm)であり、別の実施形態では0.5ポンド/インチから1.0ポンド/インチ(0.875N/cmから1.75N/cm)である。
【0044】
感光性要素
本発明は、熱処理される要素のタイプには限定されない。一実施形態では、感光性要素は、可撓性基板および基板上に取り付けられた組成物層を含む。組成物層は、部分的に液化することができる基板上の少なくとも1つの層である。一実施形態では、感光性要素は、フレキソ印刷フォームとしての用途に適するエラストマーの印刷要素である。別の実施形態では、感光性要素は、凸版印刷での用途に適するレリーフ印刷フォームである。別の実施形態では、感光性要素は、グラビア状印刷に適するレリーフ印刷フォームである。基板上の少なくとも1つの層は、好ましくは感光層であり、最も好ましくは、化学線によって感光層を選択的に硬化させることができるエラストマー組成物の光重合性層である。本明細書で用いられる際に、用語「光重合性」は光重合性システム、光架橋性システム、または両方を包含する。組成物層が可撓性基板上に複数の感光層を含むとき、個々の感光層の組成は、他の感光層のうち任意のものと同一または異なるものであり得る。
【0045】
感光性組成物層は、熱現像したとき部分的に液化することができる。すなわち、非硬化組成物は、適切な処理温度または現像温度で熱現像中に軟化するか溶融しなければならない。少なくとも組成物層の外面は、層の一部分を液化させるか、軟化させるかまたは溶融させるのに十分な温度まで加熱される。
【0046】
感光層は、少なくとも1つのモノマーおよび光開始剤を含み、任意選択で結合剤を含む。少なくとも1つのモノマーは、少なくとも1つの末端エチレン基を有する、付加重合可能なエチレン様不飽和化合物である。感光層で使用することができるモノマーは当技術分野で周知であり、単官能性のアクリレートおよびメタクリレート、多官能性のアクリレートおよびメタクリレート、ならびにポリアクリロイルオリゴマーを含む。さらなるモノマーの例は、特許文献21、特許文献22、特許文献23で見つけることができる。モノマーの混合物が使用されてよい。
【0047】
光開始剤は、化学線に露光したとき遊離基を生成する化合物である。光開始剤の知られているクラスのうちの任意のもの、特に遊離基光開始剤が使用されてよい。あるいは、光開始剤は化合物の混合物でよく、そのうちの1つは、放射によって活性化された増感剤が原因となって遊離基をもたらす。
【0048】
任意選択の結合剤は、露光に先立ってモノマーおよび光開始剤向けのマトリクスとして役立つ予め形成されたポリマーであり、露光の前と後の両方で、フォトポリマーの物理的性質に対する寄与因子である。一実施形態では、任意選択の結合剤はエラストマーである。エラストマーの結合剤の限定的でない例にA−B−Aタイプのブロックコポリマーがあり、Aは非エラストマーブロックを表し、好ましくはビニルポリマーであり、最も好ましくはポリスチレンであり、また、Bはエラストマーブロックを表し、好ましくはポリブタジエンまたはポリイソプレンである。使用され得るその他の適当な感光性エラストマーには、特許文献5および特許文献6に説明されているものなどのポリウレタンエラストマーが含まれる。モノマーまたはモノマーの混合物は、透明で曇りのない感光層が生成される程度まで結合剤に対して相溶性がなければならない。
【0049】
感光層への追加の添加剤には、着色剤、加工助剤、酸化防止剤、およびオゾン劣化防止剤が含まれる。加工助剤は、エラストマーのブロックコポリマーに対して相溶性がある低分子量ポリマーのようなものでよい。オゾン劣化防止剤には、炭化水素ワックス、ノルボルネン、および植物油が含まれる。適当な酸化防止剤には、アルキル化フェノール、アルキル化ビスフェノール、重合トリメチルジヒドロキノン、およびジラウリルチオプロピノエートが含まれる。
【0050】
感光性要素は、基板と反対側の感光層の面に、1つまたは複数の付加層を含んでよい。付加層の例には、剥離層、キャップ層、エラストマー層、レーザ放射感受性層、化学線不透過層、障壁層、およびこれらの組合せが含まれるが、これらには限定されない。1つまたは複数の付加層は、その全体または一部分が、使用される感光性要素にとって許容できる現像温度の範囲内で、現像媒体との接触によって除去可能であることが好ましい。その他の付加層の1つまたは複数は、感光性組成物層を覆うかまたは一部分のみ覆うことができる。感光性組成物層の一部分のみ覆う付加層の一例に、化学線遮断材料またはインクを例えばインクジェット塗布で像様に塗布することによって形成されるマスク層がある。
【0051】
剥離層によって、組成物層の表面が保護され、また、感光性要素の像様の露光に使用されたマスクを容易に除去することが可能になる。剥離層として適当な材料は、当技術分野で周知である。キャップ層に適する組成物、および感光性要素上にこの層を形成する方法は、Gruetzmacherらの特許文献2および特許文献24に説明された多層カバー要素内のエラストマー組成物として開示されている。エラストマーのキャップ層は、像様の露光の後、使用される感光性要素にとって許容できる温度の範囲内で、吸収材料との接触によって少なくとも部分的に除去可能であるという点で感光層と類似している。
【0052】
一実施形態では、レーザ放射感受性層は、赤外線レーザ放射に対して感受性があり、したがって赤外線感受性層として特定されてよい。レーザ放射感受性層は、感光層上に、または感光層上にある障壁層上に、または感光性要素と一緒になって集合体を形成する一時的な支持体上に存在することができる。赤外線感受性層および化学線不透過層は、当技術分野でよく知られている。赤外線感受性層は、赤外線レーザ放射で露光することにより、可撓性基板の反対側の感光層から融蝕することができる(すなわち蒸発または除去され得る)。あるいは、感光性要素が赤外線感受性層を担持する支持体と共に集合体を形成する場合、赤外線感受性層は、赤外線レーザ放射で露光することによって、一時的な支持体から感光層の外面(可撓性基板と反対側の面)へ移すことができる。赤外線感受性層は、単独で、またはその他の層(例えば突出層、加熱層など)と共に使用することができる。
【0053】
赤外線感受性層は、一般に、赤外線吸収物質、放射線不透過材料、および任意選択の結合剤を含む。カーボンブラックおよび黒鉛などの暗色無機顔料は、一般に、赤外線感受性材料および放射線不透過材料の両方の働きをする。赤外線感受性層の厚さは、化学線に対する感受性および不透過性の両方を最適化する範囲内にあるべきである(例えば光学密度≧2.5を有する)。そのような赤外線感受性の光融蝕可能または光転写可能な層は、感光性要素上にin situマスクを形成するように、レーザ放射による露光によって赤外線感受性層を除去するかまたは転写するデジタル式ダイレクト刷版画像技術に利用することができる。適当な赤外線感受性の組成物、要素およびそれらの作製は、特許文献25、特許文献26、特許文献27、特許文献28、特許文献29、特許文献30、特許文献31に開示されている。赤外線感受性層は、使用される感光性要素にとって許容される現像温度の範囲内で、吸収剤材料と接触させることにより除去可能であることが好ましい。
【0054】
本発明の感光性要素は、感光性要素の最上層の上面に、一時的なカバーシートをさらに含んでよい。カバーシートの目的の1つに、保管および取扱い中に感光性要素の最上層を保護することがある。最終用途に応じて、像形成前にカバーシートを除去しても除去しなくてもよいが、現像前には除去される。カバーシート向けに適当な材料は、当技術分野でよく知られている。
【0055】
基板は、引裂き抵抗性があるように選択され、かなり高い融点(例えば基板上に形成される組成物層の液化温度よりも高い融点)を有する必要がある。基板用の材料は限定されず、ポリマーフィルム、フォーム、織布、ならびにアルミニウムおよび鋼などの金属から選択することができる。基板は、非反応性で処理条件の全体を通して安定であり続けるフィルムを形成する、ほとんどすべてのポリマー材料であり得る。適当なフィルム支持体の例には、セルロース系フィルムならびに、ポリオレフィン、ポリカーボネートおよびポリエステルなどの熱可塑性材料が含まれる。支持体の形状は限定されない。支持体は、シート形態、またはスリーブなどの円筒形態でよい。スリーブは、可撓性材料の単層または多層から形成されてよい。ポリマーフィルム製の可撓性スリーブは、典型的には、紫外線に対して透明であり、それによって円筒状印刷要素内にフロアを構築するためのバックフラッシュ露光に適合するのが好ましい。多層化したスリーブも許容できるものであり、このスリーブは、可撓性材料の層の間に接着層またはテープを含むことができる。スリーブは、ニッケルまたはガラスエポキシなど不透明な化学線遮断材料で作製してもよい。スリーブは、典型的には、10ミルから80ミル(0.025cmから0.203cm)以上の壁厚を有する。円筒形態に好ましい壁厚は、10ミルから40ミル(0.025cmから0.10cm)である。
【0056】
感光性要素の基板は、約0.01mmと約0.38mmの間の厚さを有する。放射硬化性組成物層は、厚さが約0.35mmと約7.6のmmの間であり、好ましい厚さは約0.5mmから3.9mm(20ミルから155ミル)である。
【0057】
感光性要素は、化学線で像様露光することによる熱現像向けに作製される。像様露光の後に、感光性要素は、放射線硬化性組成物層の露光領域に硬化部分を含み、放射線硬化性組成物層の非露光領域には非硬化部分を含む。像様露光は、像保持マスクを通して感光性要素を露光することにより実行する。像保持マスクは、印刷するべき対象を含む黒白のトランスペアレンシーまたはネガでよく、あるいは組成物層上にレーザ放射感受性層で形成されたin situマスクでよく、あるいは当技術分野で知られているその他の手段でよい。像様露光は、真空フレーム内または大気中の酸素の存在下で実行することができる。露光すると、マスクの透明領域で付加重合または架橋を生じさせることが可能になり、一方、化学線不透過領域は架橋しないままである。支持体または背面露光層(フロア)まで露光領域を架橋するのに十分な期間、露光する。像様露光の時間は、典型的にはバックフラッシュ時間よりもずっと長く、数分から数十分に及ぶ。
【0058】
特許文献25、特許文献26、特許文献27、特許文献28、特許文献29、特許文献30、および特許文献31に開示されているようなダイレクト刷版像形成に関して、像保持マスクは、赤外線レーザ露光エンジンを使用し、レーザ放射感受性層を用いてin situで形成する。像様レーザ露光は、750nmから20000nmの範囲、好ましくは780nmから2000nmの範囲で放射される様々なタイプの赤外線レーザを使用して実行することができる。ダイオードレーザを使用してよいが、1060nmで放射されるNd:YAGレーザが好ましい。
【0059】
化学線源は、紫外線、可視光線、および赤外線の波長領域を包含する。特定の化学線源が適当かどうかは、開始剤の感光性および感光性要素からフレキソ印刷版を作製するのに使用される少なくとも1つのモノマーの感光性によって支配される。ほとんどの一般的なフレキソ印刷版の好ましい感光性は、UVおよび深可視領域(deep visible area)内のスペクトルにある。というのは、これらが良好な室内照明安定性をもたらすからである。放射線で露光された組成物層の部分は、化学的に架橋し、硬化する。組成物層の非照射(非露光)部分は硬化せず、硬化した照射部分よりも低い溶融温度または液化温度を有する。次いで、像様露光された感光性要素は、レリーフパターンが形成されるように吸収材料で熱現像できる状態になる。
【0060】
全背面露光、いわゆるバックフラッシュ露光は、支持体に隣接するフォトポリマーの所定の厚さが重合するように、像様露光の前または露光の後に行うことができる。フォトポリマー層のこの重合部分を、フロアと呼ぶ。フロアの厚さは、露光時間、露光光源などに応じて変化する。この露光は、拡散または指向的に行われてよい。像様露光に適するすべての放射線源を使用してよい。露光は、一般に10秒から30分である。
【0061】
マスクを通してUV放射で全面露光した後に、前述のように感光性印刷要素を熱現像して、光重合性層内の非重合領域を除去し、それによってレリーフ像を形成する。熱現像ステップは、化学線で露光されていない領域の少なくとも光重合層、すなわち光重合性層の非露光領域または非硬化領域を除去する。エラストマーキャップ層を除き、典型的には、光重合性層上に存在する可能性のある付加層を光重合性層の重合領域から除去し、または実質的に除去する。
【0062】
熱現像後、光重合を完成し、かつフレキソ印刷フォーム表面の粘着性をなくすため、任意の順序で、フレキソ印刷フォームをポスト露光し、および/または化学的もしくは物理的に後処理してよい。
【実施例】
【0063】
以下の実施例では、CYREL(登録商標)フォトポリマー印刷要素、CYREL(登録商標)露光ユニット、CYREL(登録商標)FAST TD4260処理装置、CYREL(登録商標)Digital Imagerは、DuPont社(デラウェア州ウィルミントン)からすべて入手可能である。
【0064】
(実施例1)
この実施例は、熱現像装置内の感光性要素と感光性要素用支持面との間に適合層が存在すると、感光性要素からの非重合材料の除去または掃除が改善されることを実証する。
【0065】
使用した感光性要素はCYREL(登録商標)フォトポリマー印刷要素のタイプ67DFMであり、光重合性層および支持体の厚さは、どちらも67ミル(0.170cm)であった。印刷要素は、幅42インチ×長さ60インチ(106.7cm×152.4cm)であった。フォトポリマー印刷要素は、感光性要素と称してもよい。感光性要素は、光重合性層に隣接して赤外線感受性のレーザで融蝕することができる層(すなわち化学線不透過層)を含むものであった。感光性要素をCYREL(登録商標) Digital Imagerのドラムに取り付け、選択的に層を除去してin situマスク像を形成するように、化学線不透過層を、赤外線レーザ放射Nd:YAGレーザ(1064nmの光波長出力)に対して像様露光することにより、感光性要素上にin situマスクを形成した。熱現像に際して、オープンフロア部分に対して隆起した部分の間の十分な掃除またはレリーフ深さを達成するのは難題であったが、生成したマスク像は、その像パターンを含むものであった。マスク像は、133行/インチ(lpi)の線スクリーンワーク、最低限1%のドット、および大きな固体の印字領域が繰り返すパターン含むものであった。パターンは、およそ18.5インチ×3.5インチ(47cm×8.9cm)の2つの隣接した固体の長方形ブロックを含み、2つのブロック間の間隙は約2インチ(5.1cm)であった。ブロックのパターンは、感光性要素上で約2インチ間隔で繰り返すものであった。マスク像は、すべての要素に関して同一であった。感光性要素は、CYREL(登録商標)露光ユニット上で、全体的な露光のために支持体を通して21秒間にわたって、および像様露光のために空気中でin situマスクを通して6分間にわたって、365nmの紫外線放射に露光した。
【0066】
すべての感光性要素は、以下で説明するような同一の変更した処理条件を用いてCYREL(登録商標)FAST TD4260熱現像装置内で処理し、フレキソ印刷に適するレリーフ面を形成した。この装置は、Hereaus社の赤外線予熱器(型式番号74432)を含むものであった。現像媒体はポリエステル不織布であった。印刷要素の1サイクル(または1工程)は、基本的に熱処理装置内のドラムの1回転であり、感光性要素を加熱するステップと、感光性要素を現像媒体のウェブと接触させて非重合部分を除去するステップと、感光性要素から現像媒体を分離するステップとで構成する。感光性要素は、感光性要素が熱処理中に進行する(回転)方向に対して2つの長方形ブロックのパターンが横向きになるように、装置の支持ドラム上に配向した。熱処理の後に、レリーフ面を有する感光性要素(すなわち印刷版)を、それぞれ10分間および5分間にわたりポスト露光および光仕上げした。
【0067】
【表1】

【0068】
実施例における各試験に関して、露光した感光性要素の支持面と熱現像装置の支持ドラムとの間に異なる適合層を配置した。感光性要素とドラムのコート面との間に適合層の1枚のプライを使用した。ドラム上のクランプが、ドラム上で感光性要素の先端および適合層を保持した。対照標準として、熱現像装置の支持ドラムのコート面上に、露光した感光性要素を直接配置した。ドラムのコート面は、ショアAデュロメータの50を有するシリコーンゴムの弾性層であった。試験1〜試験3では、ドラムの弾性層上に適合層を配置したが、2つの材料間の圧縮係数の差が2桁であるので、下にある弾性層は、結果に影響を及ぼさないか、または最小限の影響しか及ぼさないと考えられる。また、適合層の存在が、レリーフの掃除および均一性における顕著な改善をもたらすことを結果が実証した。
【0069】
適合層として試験した材料は、以下の通りであった。
【0070】
【表2】

【0071】
試験3向けの適合層および対照標準も、Shore Instrument & Manufacturing社(米国ニューヨーク州ジャマイカ)製のShore Durometer Hardness Gauge Type 「A−2」を使用して、ショアAを測定した。試験1および試験2向けの適合層のショアAは測定せず、代わりに、製造業者が公表しているショアAに依拠した。
【0072】
以下に示す例外を伴って、ASTM D3574−05の試験Cのプロトコルに基づいて、適合層の各々に対して圧縮試験を行った。圧縮試験は、圧縮脚および水平プレートの両方の表面を平行に保つためにJanesville Tool & Manufacturing社(米国ウィスコンシン州ミルトン)製のJT&M Setの部品番号3MDSの圧縮取付け具を使用し、かつ供試体上の圧縮ひずみを正確に測定するためのEIN−5レーザ伸び計を使用して、Instronの型式番号1125(マサチューセッツ州ノーウッドのInstron)上で行った。圧縮脚は、適合性材料の供試体に対して0ポンドから5000ポンドの間の荷重を与え、かつ毎分50±5mmの速度で移動した。熱現像プロセスで供給されかつ使用されるように、適合性材料の試験を行った(すなわち、定まった厚さを有するフォーム材料の1枚のプライ上で圧縮試験を行った)。試験および対照標準における各適合性材料に関して、圧縮の応力−ひずみ曲線は、フォームの荷重対変位の記録データからプロットし、圧縮係数は、応力−ひずみ曲線の初期領域の傾斜から求めた。試験結果は、圧縮係数としてポンド/平方インチ(psi)の単位で報告する。
【0073】
各プレートを、オープンフロア(長方形ブロックのパターンの間であり、プレートの横向き方向には隆起した像がない)内のレリーフ深さ、および臨界間隙または臨界間隙レリーフと称する、隣接した長方形の隆起したブロック間の2インチの間隙内のレリーフ深さに関して評価した。プレート上のこれらの領域のレリーフ深さに関していくつかの測定を行い、その平均を以下の表に報告する。
【0074】
【表3】

【0075】
結果は、ショアAが25以下の適合層によって、印刷版のレリーフ面内の陥凹領域の掃除が改善することを明白に実証した。試験1から試験3向けに臨界間隙内に形成したレリーフは、対照標準(ドラム面はショアAが50の弾性層を有するものであった)向けに臨界間隙内に形成したレリーフの約2倍の深さであった。臨界間隙内に形成したレリーフの深さがオープンフロアのレリーフ深さに近い(または極めて近い)ので(すなわち差がより小さいので)、試験1〜試験3は、熱処理中に感光性要素の下に適合層が存在することによって、陥凹領域またはレリーフ領域の掃除が著しく改善することを実証した。
【0076】
(実施例2)
この実施例は、熱現像装置内の感光性要素と感光性要素用支持面との間の適合層の存在が、感光性要素からの非重合材料の除去または掃除を改善することを実証する。
【0077】
使用した感光性要素はCYREL(登録商標)フォトポリマー印刷要素のタイプ67DFMであり、光重合性層および支持体の厚さは、どちらも67ミル(0.170cm)であった。印刷要素は、幅21インチ×長さ30インチ(53.3cm×76.2cm)であった。フォトポリマー印刷要素は、感光性要素と称してもよい。感光性要素は、光重合性層に隣接して赤外線感受性のレーザで融蝕することができる層(すなわち化学線不透過層)を含むものであった。感光性要素をCYREL(登録商標) Digital Imagerのドラムに取り付け、選択的に層を除去してin situマスク像を形成するように、化学線不透過層を、赤外線レーザ放射Nd:YAGレーザ(1064nmの光波長出力)に対して像様露光することにより、感光性要素上にin situマスクを形成した。熱現像に際して、オープンフロア部分に対して隆起した部分の間の十分な掃除またはレリーフ深さを達成するのは難題であったが、生成したマスク像は、その像パターンを含むものであった。マスク像(ならびにマスクを通した露光および処理の後に印刷版上に最終的に形成したレリーフ像)は2つの長方形の固体領域を含み、各長方形像は、およそ14インチ×8インチ(35.6cm×20.3cm)であり、プレート上に対称に配置した。各長方形像は、感光性要素上で、長い方の寸法すなわち長方形像の14インチ(35.6cm)の長さが感光性要素の30インチ(76.2cm)の長さと平行になるように配向し、かつ縦方向に、長方形像のエッジから感光性要素の先端および終端の各々に対して8インチ(20.3cm)とるように中央に置いた。2つの長方形像は並列に配置し、隣接した長方形像の間に2インチ(5.1cm)の間隙(すなわち印刷版内のレリーフに対する臨界間隙)があり、かつ感光性要素の各サイドエッジから長方形像のサイドエッジに対して1.5インチ(3.8cm)あるように、幅方向に、感光性要素の21インチ(53.3cm)の寸法上の中央に置いた。結果として生じる印刷版のオープンフロア部分がプレートの先端と終端に生じ、およそ8インチ×21インチ(20.3cm×53.3cm)であった。
【0078】
感光性要素は、CYREL(登録商標)露光ユニット上で、全体的な露光のために支持体を通して21秒間にわたって、および像様露光のために空気中でin situマスクを通して6分間にわたって、365nmの紫外線放射に露光した。2つの長方形ブロックのパターンが、感光性要素が熱処理中に進行する回転方向に対して横向きになるように、感光性要素を装置の支持ドラム上に配向した。すなわち、感光性要素の21インチ(53.3cm)の幅が回転方向に対して横向きとなり、30インチ(76.2cm)の長さがドラム支持体の周囲を巻いた。
【0079】
試験1から試験8向けのすべての感光性要素および対照標準は、以下で説明するような、同じ変更した処理条件を用いてCYREL(登録商標)FAST TD4260熱現像装置で処理し、フレキソ印刷に適するレリーフ面を形成した。この装置は、Hereaus社の赤外線予熱器(型式番号74432)を含むものであった。現像媒体はポリエステル不織布であった。印刷要素の1サイクル(または1工程)は、基本的に熱処理装置内のドラムの1回転であり、感光性要素を加熱するステップと、感光性要素を現像媒体のウェブと接触させて非重合部分を除去するステップと、感光性要素から現像媒体を分離するステップとで構成する。2つの長方形ブロックのパターンが、感光性要素が熱処理中に進行する(回転)方向に対して横向きになるように、装置の支持ドラム上に感光性要素を配向した。熱処理の後に、レリーフ面を有する感光性要素(すなわち印刷版)を、それぞれUV−AおよびUV−Cを使用してポスト露光および光仕上げした。UV−CおよびUV−Aは、フォトポリマーの完全な硬化を保証するために典型的に使用されるUV波長であり、UV−Cは、およそ200nmから300nmの放射波長を表し、UV−A放射は、およそ310nmから400nmの波長を表す。
【0080】
【表4】

【0081】
この実施例における各試験に関して、適合層を形成する試験材料の新規の(すなわち使用されていない)シートを、露光したDFM感光性要素の支持面と熱現像装置の支持ドラムとの間に配置した。試験1から試験8で使用した適合性材料は、熱処理したDFMプレートの幅および長さと少なくとも同じサイズの幅および長さを有するものであった。感光性要素とドラムのコート面との間に適合層の1枚のプライを使用した。ドラム上のクランプが、ドラム上で感光性要素の先端および適合層を保持した。対照標準として、熱現像装置の支持ドラムのコート面上に、露光した感光性要素を(適合層なしで)直接配置した。ドラムのコート面は、ショアAデュロメータの50を有するシリコーンゴムの弾性層であった。試験1から試験8では、ドラムの弾性層上に適合層を配置したが、2つの材料間の圧縮係数の差が2桁であったので、下にある弾性層は、結果に影響を及ぼさないか、または最小限の影響しか及ぼさないと考えられる。また、適合層が存在することによって、熱現像したレリーフ構造のレリーフの掃除および均一性が著しく改善することを結果が実証した。適合層として試験した材料は、以下の通りであった。
【0082】
【表5】

【0083】
ポリエチレンフォーム材料およびシリコーンフォーム材料は、それぞれSekisui Voltek社およびStockwell Elastomerics社(ペンシルベニア州フィラデルフィア)が加工および配給したものであった。試験5に関して、CYREL(登録商標)フォトポリマー印刷要素の型式DRC 155(光重合性層および支持体の厚さはどちらも155ミル(393.7cm)である)を、紫外線放射に対して20分間全体的露光(すなわちブランケット露光)した後(熱現像は不要であった)に、重合体のエラストマーの適合層として使用した。試験1から試験8に使用したすべての材料に関して、以下の注記を例外として、ショアAデュロメータおよび圧縮係数を測定した。試験5の重合体のエラストマー材料のデュロメータおよび圧縮係数は、印刷要素の全体的露光の後に測定した。
【0084】
試験1および試験2向けの適合層のショアAデュロメータは測定せず、代わりに、製造業者が公表しているショアA値に依拠した。試験3から試験8および対照標準に関して報告されたショアAデュロメータは、Shore Instrument & Manufacturing社(米国ニューヨーク州ジャマイカ)製のShore Durometer Hardness Gauge Type「A−2」を使用して測定した。ショアAデュロメータに関する最低5つの読取り値を得て、その平均を報告した。
【0085】
以下に示す例外を伴って、ASTM D3574−05の試験Cのプロトコルに基づいて、適合層の各々に対して圧縮試験を行った。圧縮試験は、圧縮脚および水平プレートの両方の表面を平行に保つためにJanesville Tool & Manufacturing社(米国ウィスコンシン州ミルトン)製のJT&M Setの部品番号3MDSの圧縮取付け具を使用し、かつ供試体上の圧縮ひずみを正確に測定するためのEIN−5レーザ伸び計を使用して、Instronの型式番号1125(マサチューセッツ州ノーウッドのInstron)上で行った。圧縮脚は、適合性材料の供試体に対して0ポンドから5000ポンドの間の荷重を与え、かつ毎分50±5mmの速度で移動した。熱現像プロセスで供給されかつ使用されるように、適合性材料の試験を行った(すなわち、フォーム材料の1枚のプライ上で圧縮試験を行った)。試験および対照標準における各適合性材料に関して、圧縮の応力−ひずみ曲線は、フォームの荷重対変位の記録データからプロットし、圧縮係数は、応力−ひずみ曲線の初期領域の傾斜から求めた。試験結果は、圧縮係数としてポンド/平方インチ(psi)の単位で報告する。
【0086】
前述の特定の適合層を用いて熱処理したプレートを、それぞれオープンフロア(すなわちプレートの先端または終端と長方形の隆起した像との間の、隆起したフィーチャがない領域)内のレリーフ深さと、隣接した長方形の隆起した像ブロックの間の2インチ(5.1cm)の臨界間隙内のレリーフ深さに関して評価した。各プレート上のこれらの領域のレリーフ深さに関していくつかの測定を行い、その平均を以下の表に報告する。
【0087】
【表6】

【0088】
結果は、圧縮係数が約1500psi未満の適合層によって、印刷版のレリーフ面内の陥凹領域の掃除が改善することを明白に実証した。試験1から試験8向けに臨界間隙内に形成したレリーフは、対照標準(ドラム面はショアAが50で圧縮係数が1644の弾性層を有するものであった)向けに臨界間隙内に形成したレリーフのおよそ50%から100%の深さであった。臨界間隙内に形成したレリーフの深さがオープンフロアのレリーフ深さに近い(すなわち差は対照標準の1/6から1/2しかない)ので(すなわち差がより小さいので)、試験1〜試験8は、熱処理の間、感光性要素の下に適合層が存在すると、陥凹領域からより大きなレリーフ深さへと非重合材料の除去が向上することによって、プレートのレリーフ領域の掃除が改善することを実証した。
【0089】
結果は、弾性を測定するためのショアデュロメータ法(ショアAは12のスケールのうちの1つである)が、フォトポリマー印刷フォームの熱処理で使用するのに適する適合性材料の特性向けの適切なディスクリプタではないことも実証した。ショアデュロメータ法は、材料の基本特性(例えば係数および強度)と必ずしも優れた相関のない実験上の硬度値を与えるのみである。ショア硬度は、特定のタイプの押し込みに対する抵抗の指標であり、可撓性に対する代用としてしばしば用いるものである。ショア硬度と可撓性の間の相関は、とりわけ同じ生産ラインからの一連の等級内の類似の材料に対して適用できるが、これは実験上の関係であって、様々なタイプの材料(フォーム、ゴムなど)にわたる比較に使用することができる基本的関係ではない。フォトポリマー印刷フォームの熱処理の情況では、支持体層向けの可能な材料を識別するためにショアAデュロメータを用いても、圧縮し適合するその能力を適切に特徴づけることはない。対照的に、圧縮係数は、基本的な(代用でない)材料特性であり、本発明の情況では、適合し圧縮するための材料の必要な能力を特徴づける、より適当な特性である。試験4および試験5がこの点を明白に示しており、両適合性材料は同じショアAデュロメータ値35を有するが、圧縮係数がそれぞれ330psiと3790psiとで大きく異なる。試験4および試験5に使用した材料の圧縮係数における差は、著しく異なるそれぞれの臨界間隙内のレリーフ深さ値(20.7ミル対15.0ミル)と合致するものである。
【0090】
示した適合性材料を試験に使用する、掃除(すなわちポリマー除去)における改善は、67DFMプレート向けに典型的に用いるものより低いホットロール温度および低い赤外線加熱パワーでプレート供試体を熱処理することにより達成した。DFMプレートは、典型的には、330°F〜340°Fの加熱されたロール温度および50%〜80%の赤外線加熱パワーで熱処理する。したがって、熱現像装置のエネルギー消費は、処理中に印刷要素の下にある適合層の使用によって著しく低下させることができる。所望の掃除を達成するのに必要な熱入力がより低いので、熱処理中の感光性印刷要素からの蒸気および凝縮液の生成を低下させ得ることも期待できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面、前記外面の反対側の面を有し、かつ部分的に液化され得る組成物層を含む感光性要素から印刷フォームを形成するための方法であって、
前記外面に現像媒体を供給するステップと、
ベース部材上に前記感光性要素を支持するステップと、
前記層の一部分を液化させるのに十分な温度まで前記外面を加熱するステップと、
前記感光性要素を前記現像媒体と接触させて、前記組成物層の液化物の少なくとも一部分が前記現像媒体によって除去されるのを可能にするステップとを含み、
前記ベース部材と前記感光性要素の前記面との間に3psiと1500psiとの間の圧縮係数を有する適合性材料が配設されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記圧縮係数は、3psiと100psiとの間であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧縮係数は、5psiと75psiとの間であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記圧縮係数は、10psiと350psiとの間であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記圧縮係数は、10psiと1200psiとの間であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記適合性材料は、前記感光性要素の前記面と接触する層であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記適合性材料は、フォームおよびエラストマー材料から成るグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記フォームは、天然フォームおよび合成フォームから成るグループから選択されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記適合性材料は、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエステル、シリコンゴムおよびポリスチレンから成るグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記圧縮性の材料は、0.1mmと50mmとの間の厚さを有する層であることを特徴とする請求項1の方法。
【請求項11】
前記適合性材料の1枚または複数のプライから層を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記適合性材料の層を前記ベース部材に固定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記適合性材料は、前記ベース部材から除去可能な層であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記適合性材料は、前記ベース部材上に除去可能に取り付けられた可撓性担体上に層を形成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記現像媒体と前記外面を、接触するように、前記液化物の少なくとも一部分を前記現像媒体によって除去するのに十分な圧力で押し付けるステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記現像媒体は、不織布の材料、繊維性織布材料、紙ストック、多孔質材料、オープンセルフォームおよびそれらの組合せから成るグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記加熱ステップは、伝導、対流、放射およびそれらの組合せから成るグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記感光性要素を、前記加熱ステップに先立って化学線に対して像様に露光するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
外面、前記外面の反対側の面を有し、かつ部分的に液化され得る組成物層を含む感光性要素から印刷フォームを形成するための装置であって、
前記外面に現像媒体を供給するための手段と、
前記感光性要素を支持するための外表面を有する支持手段と、
前記層の一部分を液化させるのに十分な温度まで前記外面を加熱するための手段と、
前記感光性要素を前記現像媒体と接触させて、前記組成物層の液化物の少なくとも一部分が前記現像媒体によって除去されるのを可能にするための手段とを備え、
前記支持手段の前記外表面に隣接して、3psiと1500psiとの間の圧縮係数を有する適合性材料が配設されることを特徴とする装置。
【請求項20】
前記支持手段は外面を有し、その上に前記適合性材料が取り付けられることを特徴とする請求項19に記載の装置。

【公開番号】特開2009−265606(P2009−265606A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−276798(P2008−276798)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】