説明

部品の自重を取得して可撓性部品の輪郭のズレを取得する装置およびその方法

部品12を支点8〜11において収容するスタンプ領域6を形成するために、ベース領域1上に配列された複数のスタンプ2〜5を用いて、部品の自重を取得し、可撓性部品12、特に、大面の金属板の、所望の輪郭と実際の輪郭との間のズレを取得するための方法および装置であり、各スタンプ2〜5は、支点において作用する重量(力)Fmを測定するための少なくとも1つの力測定センサ18〜21と、各スタンプ2〜5によって移動された移動経路Smを測定するための少なくとも1つの距離測定センサ(14−17)と備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の参照]本出願は、2006年1月17日に出願の独国特許出願第10 2006 002 093.6号明細書の出願日の利益を主張するものであり、その開示を参照することによって本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、部品を支点において収容するためのスタンプ領域を形成するために、ベース領域上に配列された複数のスタンプを用いて、部品の自重を取得し、可撓性部品、特に、大面の金属板の、所望の輪郭と実際の輪郭との間のズレを取得する装置であり、各スタンプは、支点において作用する重量(力)を測定するための少なくとも1つの力測定センサと、各スタンプによって移動された移動経路を測定するための少なくとも1つの距離測定センサとを備える。
【0003】
さらに、本発明は、特に、請求項1乃至8のうちの少なくとも1つに従った装置を用いて、部品の所望の輪郭と実際の輪郭との間のズレを取得し補正するための方法に関する。
【0004】
さらに、本発明は、特に、請求項1乃至8のうちの少なくとも1つに従った装置を用いて、部品の所望の輪郭と実際の輪郭との間のズレを取得するための方法に関する。
【背景技術】
【0005】
従来技術によれば、これまで、大型および小型の可撓性部品について、力作用の影響を受けない(force−free)輪郭測定を実行することは可能ではなかった。なぜならば、部品の輪郭は、その部品自体の重さおよびその部品が測定される空間における配置によって変化するからである。
さらに、例えば、成形作業および/または生産工程にて部品に加えられる力は、その部品の好ましくない空間的位置によって変化してしまうことがある。
その結果、実行された位置合わせ工程などにおいて、所望の結果が得られないことがある。
【0006】
概して、機体の胴体部、翼、水平尾翼部などの溶接外領域は、溶接工程の後、溶接時に負荷された力の結果、歪められ、実際の輪郭は所望の輪郭とは異なってしまう。
しかしながら、外領域の中央の領域は、以前として所望の輪郭の範囲内であり得る。
その理由は、とりわけ、外領域の自重のためであり、その自重によって輪郭が変化してしまうことがある。
【0007】
自動化された位置合わせ工程は、所望の輪郭と実際の輪郭との間のズレに依存して、制御方法(例えば、ショットピーニング法、曲げ工程、圧延工程などによる)において、部品を変形させるが、その外領域の中央の領域は影響を受けない。
この場合、輪郭の精度は、外領域の他の部分に対してのみ影響を及ぼすことで達成される。
しかしながら、空間における外領域の一部が変化すると、所定の状況下において、その部品の自重のために生じてしまう輪郭のズレにより、取り付けが困難になったり、あるいは、その部品を不良品にしてしまうことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それゆえ、部品の自重に関係なく、部品の輪郭におけるズレを取得し、必要に応じて、その輪郭のズレを補正することが可能となる、輪郭測定を実行するための装置およびその方法を創出する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このことは、請求項1の特徴を有する装置によって達成し得る。
【0010】
各支点に対する演算部によって、部品データから理論重量(力)Fg、理論移動経路Sgの少なくとも一方が決定でき、力測定センサおよび距離測定センサは演算部と連結され、スタンプが演算部によって制御されるように設計され、互いに関係なく、少なくともベース領域と略垂直に移動することができ、可撓性部品の実際の輪郭と所望の輪郭との間のズレは、部品の自重に関係なく正確に決定されることができる。
さらに、本発明の方法を用いて、本装置は、部品の各支点において、任意の輪郭のズレを決定することが可能であり、ここで、達成可能な空間解像度は、力測定センサおよび距離測定センサを有するスタンプの数または密度のみによって画定される。
【0011】
本装置の有利な実施形態によると、スタンプは手動にて配置可能であり、互いに関係なく、ベース領域に関連して、およそ並行に、固定できる。
この方法において、本装置は、異なる形状設計を有する様々な部品に容易に適用可能である。
【0012】
さらなる有利な実施形態によると、部品は、少なくとも2つのストラップを備え、各ストラップが少なくとも1つのガイド穴を備える。
本実施形態は、ベース領域上において、部品の、画定された初期位置合わせおよび初期配置を確保する。
【0013】
さらなる有利な実施形態は、部品に対する支点としてのスタンプ、特に、吸着カップおよび/またはゴム緩衝器を備える。
これはスタンプ上の部品の滑り止め連結を確保する。
部品の誘起重力を支持することに加えて、例えば、スタンプによって部品の輪郭を直接変化させるために、吸着カップの使用により、部品に対して張力および圧力を働かせることが可能である。
【0014】
さらに、請求項9により、本発明の目的は、個々の支点において、部品データから、部品の理論重量(力)Fgを決定するステップと、部品の所望の輪郭が達成されるまで、スタンプを移動させるステップと、部品をスタンプ上に配置するステップと、個々のスタンプの各指示部において作用する重量(力)Fmを測定するステップと、測定された重量(力)Fmと理論重量(力)Fgとを比較するステップであって、その差が、部品の輪郭におけるズレを表す、ステップとを含む方法によって達成される。
【0015】
これにより、部品の自重とはおおむね無関係に可撓性部品の輪郭のズレを取得することが可能となる。
さらに、例えば、選択された領域のショットピーニング法などにより、装置によって支持された部品は、所望の輪郭を仮定するために、別個の成形装置において、前もって上方へ持ち上げられることなく、また、配置されることなく、直接にもたらされる。
この配置において、当該装置と組み合わせた本発明による方法により、部品の支点において、当該部品の所望の輪郭と実際の輪郭との間のズレを検出することが可能となり、当該支点には、少なくとも1つの力測定センサおよび距離測定センサを有するスタンプが配置される。
【0016】
さらに、請求項12により、本発明の目的は、支点における部品データから、部品の理論重量(力)Fgを決定するステップと、部品を少なくとも2つのスタンプ上に配置し、部品を収容および配置するステップと、支点において測定された重量(力)Fmが理論重量(力)Fgとほぼ一致し、部品の実際の輪郭が達成されるまで、部品に対して、下方から残りのスタンプを移動させるステップであって、スタンプの個々の移動経路Smを測定する、ステップと、スタンプの測定された移動経路Smと理論移動経路Sgとの比較によって、部品の実際の輪郭と所望の輪郭との間のズレを決定するステップであって、部品の所望の輪郭とほぼ一致する、ステップとを含む方法によって達成される。
【0017】
これにより、スタンプ上の部品の全ての支点において可撓性部品の輪郭のズレを測定することが可能である。
請求項9による方法とは対照的に、本配置において、可撓性部品は、例えば、4つのスタンプの使用とともに形成される「補助支点」の上に、まずは配置される。
ベース領域に関連して、残りのスタンプは、部品との接触を確立することなく、ベース位置に静止している。
次に、所望の輪郭と実際の輪郭との間のズレを決定するために、スタンプは、部品に対して、下方から移動される。
【0018】
本配置のさらなる有利な実施形態はさらなる請求の範囲において示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図において、同一の構成要素には同一の参照番号を付してある。
【0020】
図1は、本発明による方法を実施するための装置の概念図である。
【0021】
単純化のために、4つのスタンプ2〜5のみを、ベース領域1に示す。
ベース領域1に配置された4つのスタンプ2〜5はスタンプ領域6を形成し、該スタンプ領域6は図平面に対して垂直方向、すなわち、座標システム7のz方向と並行する方向に延びている。
輪郭のズレを調べる部品の大きさに依存して、測定を実行するために、500個までのスタンプを備えるスタンプ領域を必要としてもよい。
一般に、スタンプは、ほぼ互いに等しく距離を置いて配置されるように設計され、かつ、ほぼベース領域1においてマトリクス状に配置されるように設計される。
スタンプ領域6内のスタンプ間の距離は、典型的には、200ミリメートルから1000ミリメートルの間である。
【0022】
スタンプ2〜5のそれぞれは、部品12を支持するために、支点8〜11を備える。
支点8〜11は、例えば、ゴム緩衝器または吸着カップであってもよく、部品12の滑り止め支持を確保する。
スタンプ2〜5は、ベース領域1上において座標システム7のx方向およびy方向に(ベース領域と並行して)、自由に配置し、固定することができる。
この方法において、本発明による装置は、様々な部品の配置形状に適合させることができる。
【0023】
例えば、部品12は、大面の可撓性金属板であってもよく、特に、胴体部、胴体シェル、エアロフォイル、水平尾翼または垂直尾翼のための、アルミニウム合金からなる外板であってもよい。
これらの金属板は、硬化のための補強形状(水平材)を備えてもよい。
基本的に、装置、あるいは2つの方法の変形例、CFP材料からなる部品に適用できる。
さらに、本発明による装置あるいは方法の変形例、板状の対象物の測定を実行することを制限しない。
その代わり、部品12はまた、線状の部品を含むことが可能であり、あらゆるタイプの外領域、例えば、支点、側面支点、水平材、強化要素などを補強する。
【0024】
スタンプ2〜5は、例えば、水圧式または空気圧式のシリンダーを備えてもよい。
別の方法として、スタンプ2〜5はまた、ランクアンドピニオン(粗動)式の駆動、またはネジ式の心棒を用い作動されてもよい。
演算部13によって制御され、スタンプ2〜5は、個々に、座標システム7のz方向に移動されるか、または配置され、部品12のほぼ全ての輪郭または表面形状に合致することが可能となる。
【0025】
スタンプ2〜5のそれぞれは、距離測定センサおよび力測定センサを備えてもよい。
測定精度を向上させるために、各スタンプに対して、2つ以上の距離測定センサおよび/または力測定センサを提供することも可能である。
距離測定センサ14〜17により、演算部13は、スタンプ2〜5がz方向に移動する個々の経路を測定することができる。
個々のスタンプ2〜5の、測定されたz方向への経路は、以下において、変数Smとして省略され、図に示される実施形態においては、4つの測定値が存在する。
さらに、4つの力測定センサ18〜21は、支点8〜11上にて作用する、被支点品12の重量(力)を測定することを可能にする。
以下において、支点8〜11において測定された重量(力)は、変数Fmとして省略され、図に示される実施形態においては、4つの測定値が存在する。
距離測定センサおよび力測定センサの数は、スタンプ領域に実際に存在するスタンプの数と一致して増加する。
【0026】
測定された移動経路Smおよび決定された重量(力)Fmは、さらなる評価のために、演算部13に送られる。
制御ライン22により、演算部13は、各スタンプ2〜5の移動経路を変化させるか、または制御することができる。
【0027】
さらに、多数の部品12の部品データ23が、演算部13に保存される。
この構成において、部品データ23は、特に、形状データおよび部品の材料の性質に関するデータ、例えば、使用される材料の密度およびタイプを含む。
形状データは、例えば、部品12の完全なCADデータであってもよく、部品12の構造の任意の箇所において現われる。
最後に、実際の部品12のデジタル化された画像が演算部13に保存され、当該デジタル化された画像は、実際の部品12の、全ての実質的な物理パラメータを反映する。
【0028】
部品データ23に基づき、部品ユニット13により、部品12が、個々の支点8〜11において、達成されるべき所望の輪郭を得るための理論上の重量(力)Fg1~4を数値的に計算することができる。
さらに、必要であれば、これらの数値的に決定された重量(力)は、省略の変数Fgに組み込まれる。
したがって、部品データ23から、部品12の所望の輪郭を正確に表すために、どの移動経路Sg1~4に沿ってスタンプ2〜5がz方向に移動する必要があるか、移動経路Sg1~4(例えば、基準点としてベース領域1に関して)を計算することもまた可能である。
明瞭さのために、以下において、これらの移動経路Sg1~4はまた、省略の変数Sgとして示される。
【0029】
力測定センサ18〜21によって測定された測定値Fmは、さらなる評価のために、データ線24によって、演算部13へ供給される。
距離測定センサ14〜17によって測定された、スタンプ2〜5の支点8〜11の距離または移動経路Smは、データ線25により、演算部13へ送られる。
演算部3は、例えば、従来のパーソナル・コンピュータ(PC)、プロセス制御コンピュータ、特殊な測定ハードウェアなどであってもよい。
さらに、演算部13は、例えば、モニタ、作図装置、棒グラフ表示、デジタル表示および/またはアナログ表示、特に、測定された重量(力)Fm、移動経路Sm、および部品データ23の、2Dまたは3D表示のための、視覚表示モニタ(詳細には図示せず)を備えてもよい。
さらに、演算部13は、最新技術による公知の入力装置を備えてもよい。
【0030】
平面図として示される図2および図3は、部品12を装置のベースプレート1上に最初に整列または配置することができる方法にて、補助装置の2つの変形例示す。
この場合、ストラップ26および27は、部品の端部に、部品の長手方向に対して対称にして配置されている。
部品12の外輪郭に沿ったストラップ26および27の数と位置は、図に示される構成と異なってもよい。
各場合において、ガイド穴28および29がストラップ26および27内に配置される。
【0031】
図2による第1の実施形態において、ベース領域1上に、ガイドピン(図示されず)を有する補助装置として、2つの受け部30および31がある。
ベース領域1に関連した部品12の初期の位置合わせまたは配置のために、これらのガイドピンを、ガイド穴28および29に、ポジティブ型ロックにて挿入できる。
【0032】
図3による第2の実施形態の変形例において、2つの横移動部32、33が、正面スタンプおよび背面スタンプ(指定なし)に配置または取り付けられる。
横移動部32、33は、スタンプ3、4または背面スタンプ(指定なし)に、適切な連結要素によって、堅固に連結でき、あるいは、横移動部32、33は、スタンプ3、4によって、ポジティブ型ロックにて、シンプルに支持される。
ここで重要なことは、横移動部32、33とスタンプとの間の連結において、ほぼ遊びがないようにされており、その結果、製造ばらつきを許容することができる。
さらに、スタンプと横移動部との間の連結は、必要に応じて、容易に切断されるように設計する必要がある。
ガイドピン(図面の明瞭さの簡単化のために図示せず)は、横移動部32および33上に配置され、横移動部は、ピンを上方に導き、ポジティブ型ロックにて(遊びを生じさせずに)ストラップ26および27のガイド穴28および29に挿入できる。
【0033】
補助装置の第2の実施形態の変形例は、第1の実施形態の変形例において、通常、ベース領域1上に特殊な受け部が必要である一方で、異なる形状の大きさまたは輪郭を有する単一の装置の構成要素を位置合わせまたは配置することができるという点において、第1の実施形態に関連した利点に関連付けられる。
【0034】
上述の2つの実施形態の変形例とは異なる方法において、部品12の初期位置合わせまたは配置のためのさらなる補助装置もまた考えられる。
【0035】
明瞭さのため、本方法における第1の実施形態の変形例、4つのスタンプ2〜5を参照して記載されるが、スタンプ領域6から、多数の残りのスタンプも示す。
請求項9に記載の上述の装置によって、可撓性部品12の、所望の輪郭と実際の輪郭との間のズレ(所望の表面形状と実際の表面形状との間のズレ)を取得し補正する方法を実施するために、スタンプ2〜5は、まず、z方向に配置または移動され、その結果、それらのスタンプは、部品12の所望の輪郭を正確に表す。
スタンプ2〜5を、x方向およびy方向に、さらに配置および加えることも必要であり得る。
代替的な実施形態において、ベース領域1上において、x方向およびy方向に、スタンプ2〜5を配置することはまた、演算部13によって制御または自動化されるために、行うことができる。
次の工程において、部品12はスタンプ2〜5上に配置される。
この工程において、ベース領域1に関連した部品12の初期の(およその)位置合わせは、図2および図3の記載との関連にて示された補助装置のうちの1つを用いて適切となるように、行うことができる。
【0036】
次いで、支点8〜11に関する力測定センサ18〜21によって、スタンプ2〜5において実際に決定された重量(力)Fmは、さらなる評価のために、データ線4により、演算部13に送られる。
【0037】
さらなる工程には、演算部13において、前もって、または同時に、支点8〜11において測定された重量(力)Fm1~4と、演算部13にて測定された理論重量(力)Fg1~4との比較を行う。ここで、理論重量(力)Fg1~4は、部品12において、輪郭のズレが存在しない場合に生じる必要がある。
【0038】
例えば、支点8〜11において測定された重量(力)Fm1,4が、これらの支点における、理論的に計算された期待の重量(力)よりも大きい場合、部品12の実際の輪郭と、所定の所望の輪郭との間にズレが存在することとなる。
【0039】
さらに、この比較によって、部品のズレにおけるタイプ、場所、およびサイズなどについての質的な結論を導き出すことが可能となる。
図に示されるように、図1の実施形態において、部品12の輪郭は、図1の点線におよそ対応している必要がある。なぜならば、重量(力)の比較において、測定された重量(力)Fm1,4が、支点8および11において、計算された期待の重量(力)Fg1,4よりも重いことを示しているからである。
したがって、点線にて示された、部品12の実際の輪郭は、部品12の所望の輪郭(実線)と比較した場合、より大きい半径(点線で記された方向矢印)を有するので、必要に応じて、半径を適宜小さくするまで、再加工する必要がある。
【0040】
図に示される輪郭のズレを再加工または補正するためには、部品12は、原則として、スタンプ領域6上に乗ったままである。
この場合、部品12の半径は、例えば、ショットピーニング法または相応の工程によって、所望の輪郭(実線)に到達するまで、測定された重量(力)Fm1~4を継続的に監視し、理論重量(力)Fg1~4との比較をしつつ、徐々に小さくされる。
【0041】
代替案として、部品12の輪郭のズレに対する補正はまた、別個の圧延装置、曲げ装置などにおいて行うこともできる。
しかしながら、この場合、部品12はスタンプ領域6から、いったん持ち上げて離されなければならず、配置が変化してしまい、新しい配置にて、部品12における所望の輪郭と実際の輪郭との間の残りのズレを再チェックする必要がある。その結果、さらなる測定エラーを生じる可能性がある。
【0042】
明瞭さのために、本方法における第2の実施形態の変形例もまた、4つのスタンプ2〜5を参照して記載され、スタンプ領域6から多数の残りのスタンプも示す。
請求項12に記載の上述の装置を用いて、可撓性部品12の、所望の輪郭と実際の輪郭との間のズレ(所望の表面形状と実際の表面形状との間のズレ)を取得する方法を実施するために、スタンプ2〜5は、まず、ベース領域1に関連して元の位置に移動される。
次に、例えば、スタンプ3および4はベース領域1に関連して、部品12の初期配置のために、規定の量Sm3,4だけ、z方向に移動させる。
この工程において、図2および図3の記載との関連において示される補助装置は、ベース領域1に関連して部品12の初期配置のために用いられる。
その後、支点8および11における、期待の理論重量(力)Fg1,4は、部品データ23から計算される。
さらに、部品12の所望の輪郭が達成されるまで必要とされる理論移動経路Sg14は、部品データ23から引き出される。
代替案として、これらの計算はまた、前もって計算されてもよい。
【0043】
その後、残りのスタンプ2および5は、スタンプ2および5の支点8および11において測定される重量(力)Fm2,5が、関連の、測定された重量(力)Fg2,5とおおむね一致し、部品12の所定の所望の輪郭(所望の表面形状)が達成されるまで、被支点品12に対して、下方から移動される。
大面の部品の場合、部品に、初期の支持を提供するために用いられるスタンプを除く全てのスタンプ領域のスタンプは、個々の支点にて測定された重量(力)Fmが、以前または同時に計算された重量Fgと、およそ対応するまで、部品12に対して、下方からz方向に、演算部13によって、移動(再調整)され、制御される。
測定された重量(力)Fmと計算された重量(力)Fgとの間における比較の間、距離測定センサ14〜17および力測定センサ18〜21の測定上の誤差、ならびに、スタンプ2〜5の配置精度が、それらの一致の程度に対する要件が厳しすぎないように取得される。
【0044】
最後に、部品12に存在し得る任意の輪郭のズレは、部品12の所望の輪郭を達成するために、スタンプ2および5の測定された移動経路Sm2,5と、以前または同時に決定された理論移動経路Sg2,5との間の比較によって決定される。
【0045】
本方法は、部品12の特定の所望の輪郭と、部品12の決定された実際の輪郭との間の任意のズレ(特定の所望の表面形状と測定された実際の表面形状との間のズレ)を、迅速かつ確実に決定することができる。ここで、本発明によれば、可撓性部品12の自重によって生じる任意の変形は、ほぼ完全に補正され得る。
この補正は、実質的には、部品12の個々の支点に存在する、重量(力)Fmおよび/または移動経路Smを測定することによって、ならびに、個々の支点における、部品データ23から決定された理論重量(力)Fgおよび/または理論移動経路Sgとの比較によって、行ってもよい。
【0046】
特に、大面の板状の部品12の場合、スタンプ領域6におけるスタンプの数を増加してもよく(演算部13によって、合計500個まで制御可能)、その結果、明瞭さのため、例示的な方法にて記載された、4つのスタンプ2〜5を用いた装置と比較した場合、あるいは、前述において実施された二つの方法の変形例と比較した場合、測定、調整、および制御に掛かる経費は相当に増加する。
【0047】
実質的に剛体の部品12、または少なくとも1つのみの僅かに可撓性の部費12の場合、本方法は原則として適用できない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明による一方法を実施するための本発明による装置の側面図である。
【図2】部品の初期位置合わせまたは初期位置決めのための補助装置の変形である、第1の実施形態の平面図である。
【図3】補助装置の変形である、第2の実施形態の平面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 ベース領域
2 スタンプ
3 スタンプ
4 スタンプ
5 スタンプ
6 スタンプ領域
7 座標システム
8 支点
9 支点
10 支点
11 支点
12 部品
13 演算部
14 距離測定センサ
15 距離測定センサ
16 距離測定センサ
17 距離測定センサ
18 力測定センサ
19 力測定センサ
20 力測定センサ
21 力測定センサ
22 制御ライン
23 部品データ
24 データ線
25 データ線
26 ストラップ
27 ストラップ
28 ガイド穴
29 ガイド穴
30 受け部
31 受け部
32 横移動部
33 横移動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大面の可撓性部品(12)を複数の支点(8−11)において収容するスタンプ領域(6)を形成するために、ベース領域(1)上に配列された複数のスタンプ(2−5)を用いて、前記可撓性部品の自重を取得し、前記大面の可撓性部品(12)の所望の輪郭と実際の輪郭との間のズレを取得するための装置であって、
各スタンプ(2−5)は、
前記支点において作用する重量(力)Fmを測定するための少なくとも1つの力測定センサ(18−21)と、
前記各スタンプ(2−5)によって移動された移動経路Smを測定するための少なくとも1つの距離測定センサ(14−17)とを備え、
前記各支点(8−11)に対応する演算部(13)により部品データ(23)から理論重量(力)Fg、理論移動経路Sgの少なくとも一方を決定し、
前記力測定センサ(18−21)および前記距離測定センサ(14−17)は、前記演算部(13)と連結され、前記スタンプ(2−5)が前記演算部(13)によって制御されるように設計され、少なくとも前記ベース領域(1)と略垂直に互いに関係なく移動可能であり、
前記スタンプ(2−5)は、手動配置可能であり、前記ベース領域(1)に関連してほぼ並行に互いに関係なく固定する、ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記大面の可撓性部品(12)は、少なくとも2つのストラップ(26、27)を備え、各ストラップが少なくとも1つのガイド穴(28、29)を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記大面の可撓性部品(12)を収容および配置するために、少なくとも1つのガイドピンをそれぞれ備える、少なくとも2つの横移動部(32、33)を、少なくとも2つのスタンプ(3、4)上に配置し、
前記ガイドピンは、ガイド穴(28、29)に挿入する、ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ベース領域(1)上に、前記個々の大面の可撓性部品(12)に適応される少なくとも1つの受け部(30、31)は、前記大面の可撓性部品(12)を配置するための少なくとも1つのガイドピンを用いて配置することができ、
前記大面の可撓性部品(12)を収容および配置するために、前記ガイドピンは、前記ストラップ(26、27)の前記ガイド穴(28、29)に挿入する、ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記大面の可撓性部品(12)に対する複数の支点(8−11)としての前記スタンプ(2−5)は、吸着カップ、ゴム緩衝器の少なくとも一方を備える、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記スタンプ(2−5)は、作動シリンダー、油圧シリンダー、または空気圧シリンダーを備える、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記スタンプ(2−5)は、心棒駆動、ランクアンドピニオン(粗動)式駆動の少なくとも一方を備える、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちの少なくとも1つの装置を用いて、大面の可撓性部品(12)の、所望の輪郭と実際の輪郭との間のズレを取得および補正する方法であって、
(a)個々の支点(8−11)における部品データ(23)から前記大面の可撓性部品(12)の理論重量(力)Fgを決定するステップと、
(b)前記大面の可撓性部品(12)の所望の輪郭が達成されるまで、スタンプ(2−5)を移動させるステップと、
(c)前記大面の可撓性部品(12)を前記スタンプ(2−5)上に配置するステップと、
(d)前記個々のスタンプ(2−5)の各支点(8−11)において作用する重量(力)Fmを測定するステップと、
前記測定された重量(力)Fmと前記理論重量(力)Fgとを比較するステップであって、その差が、前記大面の可撓性部品(12)の輪郭におけるズレを表すステップとを有する、ことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記輪郭にズレが存在する場合、前記大面の可撓性部品(12)の輪郭は、前記支点(8−11)において測定された全ての重量(力)Fmが前記理論重量(力)Fgとほぼ一致し、前記大面の可撓性部品(12)の所望の輪郭が達成されるまで、変化させる、ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記大面の可撓性部品(12)の輪郭を変化させることが、前記大面の可撓性部品(12)の機械的変形、特に、ショットピーニング法、圧延法の少なくとも一方によって生じる、ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項1乃至7のうちの少なくとも1つの装置を用いて、大面の可撓性部品(12)の、所望の輪郭と実際の輪郭との間のズレを取得する方法であって、
(a)個々の支点(8−11)における部品データ(23)から前記大面の可撓性部品(12)の理論重量(力)Fgを決定するステップと、
(b)前記大面の可撓性部品(12)を少なくとも2つのスタンプ(3、4)上に配置し、前記大面の可撓性部品(12)を収容および配置するステップと、
(c)支点(8−11)において測定された重量(力)Fmが理論重量(力)Fgとほぼ一致し、前記大面の可撓性部品(12)の実際の輪郭が達成されるまで、前記大面の可撓性部品(12)に対して、下方から残りのスタンプ(2、5)を移動させるステップであって、前記スタンプ(2、5)の個々の移動経路Smを測定するステップと、
(d)前記スタンプ(2、5)の測定された移動経路Smと理論移動経路Sgとの比較によって、前記大面の可撓性部品(12)の実際の輪郭と所望の輪郭との間のズレを決定するステップであって、前記大面の可撓性部品(12)の所望の輪郭とほぼ一致するステップとを有する、ことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−524011(P2009−524011A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549856(P2008−549856)
【出願日】平成19年1月17日(2007.1.17)
【国際出願番号】PCT/EP2007/000392
【国際公開番号】WO2007/082740
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(504467484)エアバス・ドイチュラント・ゲーエムベーハー (268)
【Fターム(参考)】