配線ダクトシステム
【課題】工場のピッキングシステムなどにおいて、収納棚の前面に設置されるセンサ装置や表示装置の移動や変更、収納棚の改変をより容易とする配線ダクトシステムを提供する。
【解決手段】配線ダクトシステムにおいて、電力線16と通信線17を含む導線を収納する配線ダクト1は、開口部12を横方向とした場合、配線ダクト1の上側面及び下側面に、配線ダクト1の長手方向に沿ってプラグを係止する凹形状のスリット18a,18bを有する。プラグをスリット18a,18bで配線ダクト1に係止し、プラグに物体を検知する光センサ、及び情報を表示する表示器を接続することで、光センサや表示器の移動や変更や、収納棚の改変を容易化できる。
【解決手段】配線ダクトシステムにおいて、電力線16と通信線17を含む導線を収納する配線ダクト1は、開口部12を横方向とした場合、配線ダクト1の上側面及び下側面に、配線ダクト1の長手方向に沿ってプラグを係止する凹形状のスリット18a,18bを有する。プラグをスリット18a,18bで配線ダクト1に係止し、プラグに物体を検知する光センサ、及び情報を表示する表示器を接続することで、光センサや表示器の移動や変更や、収納棚の改変を容易化できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力及び信号の伝送路を備え、この伝送路を用いて電気機器に電力及び信号を供給する配線ダクトシステムに関し、特に、工場などにおけるピッキングシステムなどに用いる配線ダクトシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、工場や店舗や事務所の屋内において、天井に配線ダクトを敷設して、配線ダクトシステムを設けることが知られている。この配線ダクトシステムでは、様々な照明器具や他の電気器具の電源を任意の位置から取り出すことができ、また照明器具や電気機器のプラグの取り付けや取り外しも容易となる。
【0003】
このような配線ダクトシステムとして、誘導ノイズが通信用配線に発生することを抑制するための間隔が電力供給用配線と通信用配線との間に設けられた配線ダクトが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、図16に示すように、例えば、物流倉庫や工場などのピッキング作業において、収納棚30の前面に表示装置31やセンサ装置32を取り付け、表示装置31に取り出す部品の数や取出し順番などを表示して作業誤りを防止するピッキング支援システムがある。このピックキング支援システムでは、収納棚30には部品収納用のコンテナ33が載置され、また、表示装置31及びセンサ装置32は、電力線及び通信線となるケーブル34にコネクタ35を介して接続される。そして、例えば、ピッキング対象となる部品が変更され、部品を収納する領域の大きさや数が増減しても、工具を用いて収納棚を改変することなく、表示装置を収納領域に配置できるピッキングシステムが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−177138号公報
【特許文献2】特開2005−212961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のピッキングシステムでは、図16に示すように、電気機器である表示装置31やセンサ装置32を単に収納棚30の前面に取り付け、各装置に対してコネクタ35を介して電力線及び通信線となるケーブル34を接続する。このため、一旦収納棚30に設置された表示装置31やセンサ装置32といった電器機器の変更や移動、電力線や通信線となるケーブル34の再配線、各部品を収納するコンテナ33の変更が容易にできないという問題がある。また、単に収納棚30に複雑に表示装置31やセンサ装置32などの電気機器やケーブル34が入り組み見栄えが良くないという問題もある。
【0007】
そして、上記従来の配線ダクトシステムでは、配線ダクトには照明器具などの重量感がある電気機器が接続される。このため、図17に示すように、従来の配線ダクトシステムでは、天井や壁面に強固に取り付けるための治具41、この治具41に配線ダクト40を固定するためのリブ42、配線ダクト40を天井43に固定する場合のネジ44などが設けられる。そして、配線ダクト40が天井から外れないための構造や重量感のある照明器具が配線ダクト40から外れないための構造を設ける必要がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、工場などのピッキングシステムにおいて、収納棚に設置されるセンサ装置や表示装置の移動や変更、収納棚の改変をより容易とすると共に、美観をも向上させた配線ダクトシステムを提供することを目的とする。また、センサ装置及び表示装置を併せて備えることでピッキング作業における作業確認、作業誤りの防止を実現した配線ダクトシステムを提供する。さらに、重量感のある照明器具などの電気機器以外を配線ダクトに接続できる配線ダクトシステムを提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、電力及び信号の伝送路を備え、この伝送路を用いて電気機器に電力及び信号を供給する配線ダクトシステムにおいて、前記伝送路を形成する電力線と通信線を含む導線を収納する配線ダクトと、前記配線ダクトに着脱可能に保持されると共に、前記電気機器に接続され前記電気機器に電力及び信号を供給するプラグと、を備え、前記電気機器は、物体を検知するセンサ、及び情報を表示する表示装置を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、電力線と通信線を含む導線を収納する配線ダクトと、前記配線ダクトに着脱可能に保持されると共に、電気機器と接続され、前記電気機器に電力及び信号を供給するプラグと、を備える配線ダクトシステムにおいて、前記配線ダクトは、一側面に開口部を持ち、当該開口部を横方向とした場合、前記配線ダクトの上側面及び下側面の少なくとも一方に、前記配線ダクトの長手方向に沿って、前記プラグを係止する凹形状又は凸形状のスリットを有し、前記プラグは、前記スリットに係止する係止部品を備えることを特徴とする。
【0011】
これらの配線ダクトシステムにおいて、前記配線ダクトは、一側面に開口部を持ち、当該開口部を横方向とした場合、前記配線ダクトの上側面及び下側面の少なくとも一方に、前記配線ダクトの長手方向に沿って、前記プラグを係止する凹形状又は凸形状のスリットを有し、前記プラグは、前記スリットに係止する係止部品を備えることが好ましい。
【0012】
これらの配線ダクトシステムにおいて、前記配線ダクトは、その長手方向に直交する断面が、一側面に開口部を持つがU字形状とされていることが好ましい。
【0013】
これらの配線ダクトシステムにおいて、前記配線ダクトは、前記開口部を横方向とした場合、前記配線ダクトの上側面及び下側面の少なくとも一方には、前記配線ダクトの長手方向に沿って、被設置面に係止するための凹形状又は凸形状のスリットを有し、前記被設置面側には、当該スリットに嵌め合わせる嵌合部品が設けられることが好ましい。
【0014】
これらの配線ダクトシステムにおいて、前記配線ダクトは、前記嵌合部品を用いて、前記被設置面となる部材の垂直断面中心を通る水平面及び垂直面と交わらない位置に配置されることが好ましい。
【0015】
これらの配線ダクトシステムにおいて、前記配線ダクトの収納される導線は、前記配線ダクトの短手方向に平行に配列されることが好ましい。
【0016】
これらの配線ダクトシステムにおいて、前記配線ダクトに収納される導線は、前記配線ダクトの開口部に対向する面に配列されることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る配線ダクトシステムによれば、配線ダクトの上側面及び下側面に、配線ダクトの長手方向に沿ってプラグを係止する凹形状のスリットや、配線ダクトをパイプに取り付けるためのスリットが形成される。この構成により、物体を検知するセンサ、及び情報を表示する表示装置などが接続されるプラグを配線ダクトに取り付けて、当該配線ダクトシステムを用いる収納棚に設置されたセンサ装置や表示装置の移動や変更、収納棚の改変を容易化できる。また、センサ装置及び表示装置を併せて配線ダクトに取り付けてピッキング作業における作業確認、作業誤りの防止を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施の形態に係る配線ダクトシステムの全体構成図である。
【図2】同上配線ダクトシステムの斜視図である。
【図3】(a)同上実施の形態における光センサの平面図、(b)同上光センサの側面図、(c)同上光センサの正面図である。
【図4】同上実施の形態における配線ダクトの斜視図、(b)同上配線ダクトの側面図、(c)同上配線ダクトの平面図、(d)同上配線ダクトの正面図である。
【図5】(a)同上実施の形態における配線ダクトの断面図、(b)他の配線ダクトの断面図、(c)他の配線ダクトの断面図である。
【図6】(a)同上実施の形態におけるプラグの斜視図、(b)同上プラグの右側面図、(c)同上プラグの平面図、(d)同上プラグの背面図、(e)同上プラグの左側面図である。
【図7】(a)同上実施の形態における係止部品の斜視図、(b)同上係止部品の平面図、(c)同上係止部品の正面図、(d)同上係止部品の側面図、(e)同上係止部品のプラグへの取り付けを説明する図である。
【図8】(a)及び(b)は同上プラグの配線ダクトへの取り付け法を説明する図である。
【図9】同上配線ダクトのパイプへの取り付け法を説明する図である。
【図10】(a)及び(b)は他の配線ダクトの断面図である。
【図11】同上配線ダクトシステムの全体構成を説明する図である。
【図12】(a)本発明の実施の形態の第1の変形例に係る配線ダクトの側面図、(b)乃至(d)はそれぞれ同上配線ダクトのパイプへの取り付け法を説明する図である。
【図13】(a)同上配線ダクトの側面図、(b)及び(c)はそれぞれ同上配線ダクトのパイプへの取り付け法を説明する図である。
【図14】(a)同上配線ダクトをパイプに固定するために用いるクリップを示す図、(b)乃至(d)はそれぞれ同上配線ダクトのパイプへの取り付け法を説明する図である。
【図15】(a)及び(b)はそれぞれ同上配線ダクトのパイプへの取り付け法を説明する図である。
【図16】従来のピッキングシステムに用いられる収納棚の外観の一例を示す図である。
【図17】(a)及び(b)従来の配線ダクトシステムにおける配線ダクトの天井面への取り付け法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施の形態)
本発明の実施の形態に係る配線ダクトシステムについて図面を参照して説明する。本実施の形態に係る配線ダクトシステムSは、工場のピッキングシステムなどに用いられ、図1に示すように、配線ダクト1、プラグ2、表示器3、及び光センサ4を備えている。なお、ピッキングシステムとは、要求(出荷指示)に対して作業者が部品を収納棚(パイプ棚5)の部品収納用のコンテナ6から選び出す仕分け(ピッキング)作業を支援するためのシステムである。そして、例えば必要な部品数量を表示器3に表示して、順に部品をコンテナ6から取り出したかを光センサ4を用いて検知する。
【0020】
配線ダクト1は、複数の部品収納用のコンテナ6を備えたパイプ棚5の前面を被設置面として取り付けられ、この配線ダクト1の前面に、プラグ2を介して表示器3や光センサ4などの電気機器が取り付けられる。本実施の形態において、配線ダクト1には、弱電力で駆動可能であり、比較的軽量な電気機器に電力及び信号を供給するためのプラグ2が着脱可能に取付けられる。なお、収納棚はパイプ棚5に限定する必要はなくアルミ棚などでもよい。
【0021】
プラグ2は、配線ダクト1に着脱可能に保持されると共に、電気機器に接続され当該電気機器に電力及び信号を供給する。このプラグ2には、図2においては、配線ダクト1の長手方向の両端に光センサ4、配線ダクト1の長手方向の中央部に表示器3が取り外し可能に取り付けられる。なお、プラグ2に取り付けられる電気機器の構成は表示器3や光センサ4に限定されるものではなく、人感センサなどの他の電気機器でもよい。
【0022】
表示器3は、ピッキング作業を支援する情報を表示するLED表示部や液晶表示部を備え、制御コンピュータからの通信信号を受けて、数値表示、ランプ表示や作業者の部品取り出しの可否、取り出し部品数などの作業履歴の表示を行う。なお、作業誤り時に作業者に対して警告ブザーを発する機能などを有していてもよい。光センサ4は、図3に示すような赤外線センサであり、作業者の手による光の遮断を検知するための投光器4a及び受光器4bで構成されている。また、光センサ4は、検知結果を配線ダクト1を介して通信接続された制御コンピュータに送信する。
【0023】
以下、本実施の形態の配線ダクトシステムSに用いる配線ダクト1に関して図4及び図5を参照しながら説明する。配線ダクト1は、図4に示すように、所定の直線方向(以下、長手方向L)に延びた成形体である。
【0024】
配線ダクト1のハウジングは、図5に示すように、長手方向Lに直交する断面がU字形状であり、金属材料からなる金属部10と、金属部10の周囲に設けられた絶縁樹脂からなる絶縁体11とを備えている。金属部10及び絶縁体11は、長手方向Lに沿って延びている。なお、配線ダクト1を樹脂材のみで構成することも考え得る。
【0025】
配線ダクト1は、電力線16及び通信線17を収納する内部空間を有すると共に、この内部空間に連続する開口部12を有し、この開口部12は、長手方向Lにおいて延びて設けられている。なお、開口部12にはプラグ2が取り付けられ、配線ダクト1は、開口部12を横向きとしてパイプ棚5に取り付けられる。
【0026】
配線ダクト1の芯材である金属部10は、配線ダクト1が設置される設置面に向かい合わせて設けられる基部13を有している。長手方向Lに垂直な断面において上下方向に延びる平板状の基部13は、長手方向Lに沿って延びる。
【0027】
長手方向Lに垂直断面においてU字形状の外形を有する金属部10は、上側に設けられる上側壁部14と、下側に設けられる下側壁部15とを備えている。なお、本実施の形態において、配線ダクト1には、設置面である基部13と向き合うように設けられる対向壁部は形成されず、長手方向Lに垂直する方向においてU字形状の断面となる。すなわち、配線ダクト1の内側底面がフラット構造になる。この構造により、配線ダクト1では、配線ダクト1の内部に侵入した塵埃を容易に掃除できる。また、このように塵埃を容易に掃除できるため、塵埃が配線ダクト1の内部空間に侵入することを防ぐダクトカバーを開口部12に取り付ける必要性がなくなる。さらには、配線ダクト1に取り付けられる電気機器は、弱電力用で駆動可能な機器であるため、特にダクトカバーを設けなくても火災などの安全上の規定に抵触することがない。
【0028】
金属部10は、非磁性体の金属材料であるアルミニウムからなるため、例えば、金属部10が強磁性体である鉄からなる場合に比較して、配線ダクト1の外部への電磁波を遮断できる。
【0029】
絶縁体11は、絶縁樹脂で形成され、電力線16及び通信線17と金属部10とが接続されないように金属部10の外周表面を覆うように設けられている。絶縁体11は、電力線16及び通信線17を支持している。従って、金属部10は、絶縁体11により電力線16及び通信線17と絶縁され、電磁シールドとして機能する。また、絶縁体11を絶縁樹脂で形成することにより、配線ダクト1を任意の箇所で容易に切断することができフレキシブルで自由度の高い部材とできる。
【0030】
配線ダクト1は、図5に示す電力線16及び通信線17を備えるため電力と同時に通信信号をプラグ2に接続された表示器3や光センサ4などの電気機器に供給できる。従って、電力供給と通信信号を必要とする電気機器を配線ダクト1に接続する場合であっても、必要なケーブル数を少なくすることができる。
【0031】
次に、配線ダクト1に備わる電力線16及び通信線17の配置に関して説明する。
図5(a)に示す場合、電力線16は、通信線17よりも上方に位置するように設けられている。電力線16は、金属部10の上側壁部14に設けられた絶縁体11によって固定されている2つの導線16a,16bにより構成され、その並び方向が短手方向に平行な方向に、間隔を空けて設けられている。通信線17は、金属部10の下側壁部15に設けられた絶縁体11によって固定されている2つの通信線17a,17bにより構成され、その並び方向が短手方向に平行な方向に、間隔を空けて設けられている。
【0032】
図5(b)に示す場合、電力線16及び通信線17からなる複数の導線の全てが短手方向に配置され、図5(c)に示す場合には、電力線16及び通信線17からなる複数の導線の全てが、配線ダクト1の開口部12に対向する設置面に平行な方向に配列されている。なお、電力線16及び通信線17の配置は図5に限定されるものではない。要は、配線ダクト1の内側底面がフラット構造となり、電力線16と通信線17が配線ダクト1に取り付けられるプラグ2の端子と接続すればよい。
【0033】
次に、センサ4の配線ダクト1への取り付け構造に関して説明する。
図5(a)に示すように、配線ダクト1の開口部12を横方向とした場合、配線ダクト1の上側面及び下側面には、配線ダクト1の長手方向Lに沿って、プラグ2を係止する凹形状又は凸形状のスリット18a,18bが形成されている。なお、本図では樹脂製の絶縁体11にのみスリット18a,18bが形成され、金属部10には加工時の手間を要するためスリットが形成されていない。
【0034】
そして、図6に示すように、プラグ2は、上部に例えば1mm段落としされた貫通孔2aが形成され、この貫通孔2aに図7に示す係止部品7がはめ込まれる。係止部品7は、図7に示すように垂直方向の断面が凹形状であり、配線ダクト1に形成されたスリット18aに係止するようバネ軸用いて回転するプッシュ式の係止機構となる。このため、プラグ2を配線ダクト1の開口部12から挿入し、配線ダクト1に形成されたスリット18aに係止するための係止部品7をプッシュ式操作することでプラグ2の配線ダクト1への固定/解除がワンタッチ操作で可能となる。
【0035】
プラグ2は、取り付けられる電気機器のコネクタを差し込むためのコネクタ挿入部2bが側面に形成されている。なお、プラグ2の寸法は配線ダクト1の寸法に合わせて形成される。
【0036】
次に、図8を参照して配線ダクト1とプラグ2との電気接続構造に関して説明する。
図8に示すように、プラグ2には配線ダクト1の開口部12に嵌合する凸部2cが形成され、この凸部2cの側面には、配線ダクト1の電力線16及び通信線17と接続する栓刃2d(端子)を有している。
【0037】
図8(a)においては、プラグ2を配線ダクト1の開口部12から挿入し、プラグ2の回転可能な凸部2cを90度回転させて栓刃2dと電力線16及び通信線17とを接続させる。また、図8(b)においては、プラグ2を配線ダクト1の短手方向に押し込むことで栓刃2dと電力線16及び通信線17とを接続させる。
【0038】
次に、図9を参照して配線ダクト1のパイプ棚5への取り付け構造に関して説明する。
配線ダクト1の開口部12を横方向とした場合、配線ダクト1の上側面又は下側面には、配線ダクト1の長手方向Lに沿って、被設置面であるパイプ8に係止するための凹形状のスリット19a,19bが形成される。一方、被設置面であるパイプ8の外周面には、配線ダクト1のスリット19a,19bに嵌め合わせて配線ダクト1をパイプ8に固定するための嵌合部品9が所定間隔で複数備えられる。そして、嵌合部品9に設けられたネジ9a等を用いて締め付けることで配線ダクト1を被設置面であるパイプ8の前面に強固に取り付けることができる。
【0039】
なお、図10(a)に示すように、配線ダクト1に形成されるスリット18,19を凹形状でなく凸形状とし、プラグ2に形成される凹部と係合することも考え得る。また、図10(b)に示すように、スリット18,19の配置を変更したり、スリット18,19を上下どちらかの一方の外側面に形成してもよい。この構成により、配線ダクト1を机上や地面に載置し、この配線ダクト1により軽量、且つ弱電力で駆動可能な電気機器を容易に接続することができるようになる。
【0040】
次に、本実施の形態に係る配線ダクトシステムSのシステム構成に関して説明する。
図11に示すように、配線ダクトシステムSは、パイプ棚5に取り付けられる配線ダクト1と、制御コンピュータ21と、中継装置22と、配線ダクト1及び中継装置22を接続するための専用ケーブル23とを備える。配線ダクト1の電力線に供給する電源は、例えば変換器24を用いて交流100Vから24Vに変換された後、中継装置22及び専用ケーブル23を介して配線ダクト1側に給電される。専用ケーブル23と配線ダクト1とはフィードイン部材(専用部材)25を介して接続される。
【0041】
制御コンピュータ21は、工場でのピッキングシステム用の専用プログラムを実行して、表示器3に部品数表示などを行うと共に、配線ダクト1に接続された光センサ4からの検出信号を受信して作業者の作業誤りを検出する機能を有する。
【0042】
以上の説明のように、本実施の形態に係る配線ダクトシステムにおいては、工場のピッキングシステムなどにおいて、パイプ棚5の前面に設置される光センサ4や表示器3の移動や変更、パイプ棚5の改変がより容易となる。また、収納用のパイプ棚5の美観も向上させることができる。そして、表示器3及び光センサ4を併せて配線ダクト1に取り付けてピッキング作業における作業確認、作業誤りの防止を実現できる。
【0043】
また、重量感のある照明器具などの電気機器以外であって、交流24V等の弱電力で駆動可能な表示器3や光センサ4を配線ダクト1に接続できる。この場合、配線ダクト1の外側面に形成されたスリット18、及びプラグ2に備わる係止部品7を係合することでプラグ2を配線ダクト1にワンタッチで容易に固定できる。
【0044】
さらに、配線ダクト1の内側面の底部はフラット構造となるため、配線ダクト1の内部に侵入した塵埃を容易に掃除できる。また、塵埃が配線ダクト1の内部に入るのを防止するダクトカバーを開口部12に取り付ける必要性がなくなる。
【0045】
(第1の変形例)
本実施の形態の第1の変形例について、図12から図15を参照して説明する。上記実施の形態では、図9において、配線ダクト1を、嵌合部品9を用いてパイプ8の真横位置に取り付ける場合を示しているが、本変形例においては、配線ダクト1をパイプ8の斜め下側に取り付ける。
【0046】
図12(a)に示すように、配線ダクト1の開口部51を横方向とした場合、配線ダクト1の上側面及び下側面には、配線ダクト1の長手方向に沿って、嵌合部品52に係止される凹形状のスリット50a,50bが形成されている。配線ダクト1は、通信線及び電力線を内部に収容する。配線ダクト1の被設置面となる部材であるパイプ8の外周には、これらスリット50a,50bに嵌め合わされて配線ダクト1をパイプ8に固定するための嵌合部品52が、複数箇所において取り付けられる。
【0047】
そして、図12(b)及び(c)に示すように、嵌合部品52の可動側を矢印方向に可動させ、嵌合部品52の端部に形成された凸部52a,52bを、配線ダクト1の凹形状のスリット50a,50bに引っ掛け、ネジ53を用いて締め付ける。この構造により、配線ダクト1を被設置面の部材であるパイプ8に強固に取り付けることができる。この場合、嵌合部品52は、配線ダクト1を、パイプ8の垂直断面中心を通る水平面54及び垂直面55と交わらない位置に配置させる構造を有する。なお、図12(d)は、配線ダクト1の開口部51を図12(b)及び(c)とは反対方向にして取り付ける場合を示し、図13は、配線ダクト1の開口部12を下方向にして取り付ける場合を示している。
【0048】
以上、本変形例において、配線ダクト1は、上記構造の嵌合部品52を用いて、パイプ8の垂直断面中心を通る水平面54及び垂直面55と交わらない位置に配置される。従って、配線ダクト1、プラグ2、表示器3及びセンサ4の各々を邪魔にならない位置に設置して配線ダクトシステムの設計の自由度を高めることができる。
【0049】
なお、嵌合部品52を固定する部材は図12及び図13に示すネジ53に限定されるものではない。ずなわち、図14及び図15に示すように、ネジ53の代わりに嵌合部品52を側面側から固定するクリップ56を用いる場合もある。この場合、図14及び図15に示す領域57,59にプラグ2を、領域58,60に表示器3などを設置でき、配線ダクト1の周囲に各部材を配置し易くなる。また、クリップ56を用いることで、より手間を要せずに嵌合部品52を介して配線ダクト1をパイプ8に取り付けることができる。
【0050】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、配線ダクト1内に配線させる導線は、電力線16と通信線17の2回路に限定されるものではない。また、電気的な安全が必要な場合には、各導体間を絶縁樹脂で隔離させることもできる。併せて、配線ダクト1の開口部12に絶縁カバーを取り付けることもでき、その場合の絶縁カバーの係止も配線ダクト1の外側面に形成されたスリットで固定することが考え得る。
【0051】
さらに、上記実施の形態においては、配線ダクト1のパイプ棚5への設置面を開口部12に対向する面であるものとして説明しているが、例えば設置面を配線ダクト1の上側面や下側面などとすることもできる。またさらに、配線ダクト1の開口部12は横方向に限定されるものではなく、配線ダクト1を天井面などに設置する場合には開口部12を下面に配置したり、配線ダクト1を床面などに設置する場合には開口部12を上面に配置することも考え得る。
【符号の説明】
【0052】
S 配線ダクトシステム
1 配線ダクト
2 プラグ
3 表示器
4 光センサ
5 パイプ棚
6 コンテナ
7 係止部品
9,52 嵌合部品
10 金属部
11 絶縁部
12,51 開口部
16 電力線
17 通信線
18a,18b,19a,19b,50a,50b スリット
21 制御コンピュータ
53 ネジ
54 水平面
55 垂直面
56 クリップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力及び信号の伝送路を備え、この伝送路を用いて電気機器に電力及び信号を供給する配線ダクトシステムに関し、特に、工場などにおけるピッキングシステムなどに用いる配線ダクトシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、工場や店舗や事務所の屋内において、天井に配線ダクトを敷設して、配線ダクトシステムを設けることが知られている。この配線ダクトシステムでは、様々な照明器具や他の電気器具の電源を任意の位置から取り出すことができ、また照明器具や電気機器のプラグの取り付けや取り外しも容易となる。
【0003】
このような配線ダクトシステムとして、誘導ノイズが通信用配線に発生することを抑制するための間隔が電力供給用配線と通信用配線との間に設けられた配線ダクトが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、図16に示すように、例えば、物流倉庫や工場などのピッキング作業において、収納棚30の前面に表示装置31やセンサ装置32を取り付け、表示装置31に取り出す部品の数や取出し順番などを表示して作業誤りを防止するピッキング支援システムがある。このピックキング支援システムでは、収納棚30には部品収納用のコンテナ33が載置され、また、表示装置31及びセンサ装置32は、電力線及び通信線となるケーブル34にコネクタ35を介して接続される。そして、例えば、ピッキング対象となる部品が変更され、部品を収納する領域の大きさや数が増減しても、工具を用いて収納棚を改変することなく、表示装置を収納領域に配置できるピッキングシステムが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−177138号公報
【特許文献2】特開2005−212961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のピッキングシステムでは、図16に示すように、電気機器である表示装置31やセンサ装置32を単に収納棚30の前面に取り付け、各装置に対してコネクタ35を介して電力線及び通信線となるケーブル34を接続する。このため、一旦収納棚30に設置された表示装置31やセンサ装置32といった電器機器の変更や移動、電力線や通信線となるケーブル34の再配線、各部品を収納するコンテナ33の変更が容易にできないという問題がある。また、単に収納棚30に複雑に表示装置31やセンサ装置32などの電気機器やケーブル34が入り組み見栄えが良くないという問題もある。
【0007】
そして、上記従来の配線ダクトシステムでは、配線ダクトには照明器具などの重量感がある電気機器が接続される。このため、図17に示すように、従来の配線ダクトシステムでは、天井や壁面に強固に取り付けるための治具41、この治具41に配線ダクト40を固定するためのリブ42、配線ダクト40を天井43に固定する場合のネジ44などが設けられる。そして、配線ダクト40が天井から外れないための構造や重量感のある照明器具が配線ダクト40から外れないための構造を設ける必要がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、工場などのピッキングシステムにおいて、収納棚に設置されるセンサ装置や表示装置の移動や変更、収納棚の改変をより容易とすると共に、美観をも向上させた配線ダクトシステムを提供することを目的とする。また、センサ装置及び表示装置を併せて備えることでピッキング作業における作業確認、作業誤りの防止を実現した配線ダクトシステムを提供する。さらに、重量感のある照明器具などの電気機器以外を配線ダクトに接続できる配線ダクトシステムを提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、電力及び信号の伝送路を備え、この伝送路を用いて電気機器に電力及び信号を供給する配線ダクトシステムにおいて、前記伝送路を形成する電力線と通信線を含む導線を収納する配線ダクトと、前記配線ダクトに着脱可能に保持されると共に、前記電気機器に接続され前記電気機器に電力及び信号を供給するプラグと、を備え、前記電気機器は、物体を検知するセンサ、及び情報を表示する表示装置を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、電力線と通信線を含む導線を収納する配線ダクトと、前記配線ダクトに着脱可能に保持されると共に、電気機器と接続され、前記電気機器に電力及び信号を供給するプラグと、を備える配線ダクトシステムにおいて、前記配線ダクトは、一側面に開口部を持ち、当該開口部を横方向とした場合、前記配線ダクトの上側面及び下側面の少なくとも一方に、前記配線ダクトの長手方向に沿って、前記プラグを係止する凹形状又は凸形状のスリットを有し、前記プラグは、前記スリットに係止する係止部品を備えることを特徴とする。
【0011】
これらの配線ダクトシステムにおいて、前記配線ダクトは、一側面に開口部を持ち、当該開口部を横方向とした場合、前記配線ダクトの上側面及び下側面の少なくとも一方に、前記配線ダクトの長手方向に沿って、前記プラグを係止する凹形状又は凸形状のスリットを有し、前記プラグは、前記スリットに係止する係止部品を備えることが好ましい。
【0012】
これらの配線ダクトシステムにおいて、前記配線ダクトは、その長手方向に直交する断面が、一側面に開口部を持つがU字形状とされていることが好ましい。
【0013】
これらの配線ダクトシステムにおいて、前記配線ダクトは、前記開口部を横方向とした場合、前記配線ダクトの上側面及び下側面の少なくとも一方には、前記配線ダクトの長手方向に沿って、被設置面に係止するための凹形状又は凸形状のスリットを有し、前記被設置面側には、当該スリットに嵌め合わせる嵌合部品が設けられることが好ましい。
【0014】
これらの配線ダクトシステムにおいて、前記配線ダクトは、前記嵌合部品を用いて、前記被設置面となる部材の垂直断面中心を通る水平面及び垂直面と交わらない位置に配置されることが好ましい。
【0015】
これらの配線ダクトシステムにおいて、前記配線ダクトの収納される導線は、前記配線ダクトの短手方向に平行に配列されることが好ましい。
【0016】
これらの配線ダクトシステムにおいて、前記配線ダクトに収納される導線は、前記配線ダクトの開口部に対向する面に配列されることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る配線ダクトシステムによれば、配線ダクトの上側面及び下側面に、配線ダクトの長手方向に沿ってプラグを係止する凹形状のスリットや、配線ダクトをパイプに取り付けるためのスリットが形成される。この構成により、物体を検知するセンサ、及び情報を表示する表示装置などが接続されるプラグを配線ダクトに取り付けて、当該配線ダクトシステムを用いる収納棚に設置されたセンサ装置や表示装置の移動や変更、収納棚の改変を容易化できる。また、センサ装置及び表示装置を併せて配線ダクトに取り付けてピッキング作業における作業確認、作業誤りの防止を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施の形態に係る配線ダクトシステムの全体構成図である。
【図2】同上配線ダクトシステムの斜視図である。
【図3】(a)同上実施の形態における光センサの平面図、(b)同上光センサの側面図、(c)同上光センサの正面図である。
【図4】同上実施の形態における配線ダクトの斜視図、(b)同上配線ダクトの側面図、(c)同上配線ダクトの平面図、(d)同上配線ダクトの正面図である。
【図5】(a)同上実施の形態における配線ダクトの断面図、(b)他の配線ダクトの断面図、(c)他の配線ダクトの断面図である。
【図6】(a)同上実施の形態におけるプラグの斜視図、(b)同上プラグの右側面図、(c)同上プラグの平面図、(d)同上プラグの背面図、(e)同上プラグの左側面図である。
【図7】(a)同上実施の形態における係止部品の斜視図、(b)同上係止部品の平面図、(c)同上係止部品の正面図、(d)同上係止部品の側面図、(e)同上係止部品のプラグへの取り付けを説明する図である。
【図8】(a)及び(b)は同上プラグの配線ダクトへの取り付け法を説明する図である。
【図9】同上配線ダクトのパイプへの取り付け法を説明する図である。
【図10】(a)及び(b)は他の配線ダクトの断面図である。
【図11】同上配線ダクトシステムの全体構成を説明する図である。
【図12】(a)本発明の実施の形態の第1の変形例に係る配線ダクトの側面図、(b)乃至(d)はそれぞれ同上配線ダクトのパイプへの取り付け法を説明する図である。
【図13】(a)同上配線ダクトの側面図、(b)及び(c)はそれぞれ同上配線ダクトのパイプへの取り付け法を説明する図である。
【図14】(a)同上配線ダクトをパイプに固定するために用いるクリップを示す図、(b)乃至(d)はそれぞれ同上配線ダクトのパイプへの取り付け法を説明する図である。
【図15】(a)及び(b)はそれぞれ同上配線ダクトのパイプへの取り付け法を説明する図である。
【図16】従来のピッキングシステムに用いられる収納棚の外観の一例を示す図である。
【図17】(a)及び(b)従来の配線ダクトシステムにおける配線ダクトの天井面への取り付け法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施の形態)
本発明の実施の形態に係る配線ダクトシステムについて図面を参照して説明する。本実施の形態に係る配線ダクトシステムSは、工場のピッキングシステムなどに用いられ、図1に示すように、配線ダクト1、プラグ2、表示器3、及び光センサ4を備えている。なお、ピッキングシステムとは、要求(出荷指示)に対して作業者が部品を収納棚(パイプ棚5)の部品収納用のコンテナ6から選び出す仕分け(ピッキング)作業を支援するためのシステムである。そして、例えば必要な部品数量を表示器3に表示して、順に部品をコンテナ6から取り出したかを光センサ4を用いて検知する。
【0020】
配線ダクト1は、複数の部品収納用のコンテナ6を備えたパイプ棚5の前面を被設置面として取り付けられ、この配線ダクト1の前面に、プラグ2を介して表示器3や光センサ4などの電気機器が取り付けられる。本実施の形態において、配線ダクト1には、弱電力で駆動可能であり、比較的軽量な電気機器に電力及び信号を供給するためのプラグ2が着脱可能に取付けられる。なお、収納棚はパイプ棚5に限定する必要はなくアルミ棚などでもよい。
【0021】
プラグ2は、配線ダクト1に着脱可能に保持されると共に、電気機器に接続され当該電気機器に電力及び信号を供給する。このプラグ2には、図2においては、配線ダクト1の長手方向の両端に光センサ4、配線ダクト1の長手方向の中央部に表示器3が取り外し可能に取り付けられる。なお、プラグ2に取り付けられる電気機器の構成は表示器3や光センサ4に限定されるものではなく、人感センサなどの他の電気機器でもよい。
【0022】
表示器3は、ピッキング作業を支援する情報を表示するLED表示部や液晶表示部を備え、制御コンピュータからの通信信号を受けて、数値表示、ランプ表示や作業者の部品取り出しの可否、取り出し部品数などの作業履歴の表示を行う。なお、作業誤り時に作業者に対して警告ブザーを発する機能などを有していてもよい。光センサ4は、図3に示すような赤外線センサであり、作業者の手による光の遮断を検知するための投光器4a及び受光器4bで構成されている。また、光センサ4は、検知結果を配線ダクト1を介して通信接続された制御コンピュータに送信する。
【0023】
以下、本実施の形態の配線ダクトシステムSに用いる配線ダクト1に関して図4及び図5を参照しながら説明する。配線ダクト1は、図4に示すように、所定の直線方向(以下、長手方向L)に延びた成形体である。
【0024】
配線ダクト1のハウジングは、図5に示すように、長手方向Lに直交する断面がU字形状であり、金属材料からなる金属部10と、金属部10の周囲に設けられた絶縁樹脂からなる絶縁体11とを備えている。金属部10及び絶縁体11は、長手方向Lに沿って延びている。なお、配線ダクト1を樹脂材のみで構成することも考え得る。
【0025】
配線ダクト1は、電力線16及び通信線17を収納する内部空間を有すると共に、この内部空間に連続する開口部12を有し、この開口部12は、長手方向Lにおいて延びて設けられている。なお、開口部12にはプラグ2が取り付けられ、配線ダクト1は、開口部12を横向きとしてパイプ棚5に取り付けられる。
【0026】
配線ダクト1の芯材である金属部10は、配線ダクト1が設置される設置面に向かい合わせて設けられる基部13を有している。長手方向Lに垂直な断面において上下方向に延びる平板状の基部13は、長手方向Lに沿って延びる。
【0027】
長手方向Lに垂直断面においてU字形状の外形を有する金属部10は、上側に設けられる上側壁部14と、下側に設けられる下側壁部15とを備えている。なお、本実施の形態において、配線ダクト1には、設置面である基部13と向き合うように設けられる対向壁部は形成されず、長手方向Lに垂直する方向においてU字形状の断面となる。すなわち、配線ダクト1の内側底面がフラット構造になる。この構造により、配線ダクト1では、配線ダクト1の内部に侵入した塵埃を容易に掃除できる。また、このように塵埃を容易に掃除できるため、塵埃が配線ダクト1の内部空間に侵入することを防ぐダクトカバーを開口部12に取り付ける必要性がなくなる。さらには、配線ダクト1に取り付けられる電気機器は、弱電力用で駆動可能な機器であるため、特にダクトカバーを設けなくても火災などの安全上の規定に抵触することがない。
【0028】
金属部10は、非磁性体の金属材料であるアルミニウムからなるため、例えば、金属部10が強磁性体である鉄からなる場合に比較して、配線ダクト1の外部への電磁波を遮断できる。
【0029】
絶縁体11は、絶縁樹脂で形成され、電力線16及び通信線17と金属部10とが接続されないように金属部10の外周表面を覆うように設けられている。絶縁体11は、電力線16及び通信線17を支持している。従って、金属部10は、絶縁体11により電力線16及び通信線17と絶縁され、電磁シールドとして機能する。また、絶縁体11を絶縁樹脂で形成することにより、配線ダクト1を任意の箇所で容易に切断することができフレキシブルで自由度の高い部材とできる。
【0030】
配線ダクト1は、図5に示す電力線16及び通信線17を備えるため電力と同時に通信信号をプラグ2に接続された表示器3や光センサ4などの電気機器に供給できる。従って、電力供給と通信信号を必要とする電気機器を配線ダクト1に接続する場合であっても、必要なケーブル数を少なくすることができる。
【0031】
次に、配線ダクト1に備わる電力線16及び通信線17の配置に関して説明する。
図5(a)に示す場合、電力線16は、通信線17よりも上方に位置するように設けられている。電力線16は、金属部10の上側壁部14に設けられた絶縁体11によって固定されている2つの導線16a,16bにより構成され、その並び方向が短手方向に平行な方向に、間隔を空けて設けられている。通信線17は、金属部10の下側壁部15に設けられた絶縁体11によって固定されている2つの通信線17a,17bにより構成され、その並び方向が短手方向に平行な方向に、間隔を空けて設けられている。
【0032】
図5(b)に示す場合、電力線16及び通信線17からなる複数の導線の全てが短手方向に配置され、図5(c)に示す場合には、電力線16及び通信線17からなる複数の導線の全てが、配線ダクト1の開口部12に対向する設置面に平行な方向に配列されている。なお、電力線16及び通信線17の配置は図5に限定されるものではない。要は、配線ダクト1の内側底面がフラット構造となり、電力線16と通信線17が配線ダクト1に取り付けられるプラグ2の端子と接続すればよい。
【0033】
次に、センサ4の配線ダクト1への取り付け構造に関して説明する。
図5(a)に示すように、配線ダクト1の開口部12を横方向とした場合、配線ダクト1の上側面及び下側面には、配線ダクト1の長手方向Lに沿って、プラグ2を係止する凹形状又は凸形状のスリット18a,18bが形成されている。なお、本図では樹脂製の絶縁体11にのみスリット18a,18bが形成され、金属部10には加工時の手間を要するためスリットが形成されていない。
【0034】
そして、図6に示すように、プラグ2は、上部に例えば1mm段落としされた貫通孔2aが形成され、この貫通孔2aに図7に示す係止部品7がはめ込まれる。係止部品7は、図7に示すように垂直方向の断面が凹形状であり、配線ダクト1に形成されたスリット18aに係止するようバネ軸用いて回転するプッシュ式の係止機構となる。このため、プラグ2を配線ダクト1の開口部12から挿入し、配線ダクト1に形成されたスリット18aに係止するための係止部品7をプッシュ式操作することでプラグ2の配線ダクト1への固定/解除がワンタッチ操作で可能となる。
【0035】
プラグ2は、取り付けられる電気機器のコネクタを差し込むためのコネクタ挿入部2bが側面に形成されている。なお、プラグ2の寸法は配線ダクト1の寸法に合わせて形成される。
【0036】
次に、図8を参照して配線ダクト1とプラグ2との電気接続構造に関して説明する。
図8に示すように、プラグ2には配線ダクト1の開口部12に嵌合する凸部2cが形成され、この凸部2cの側面には、配線ダクト1の電力線16及び通信線17と接続する栓刃2d(端子)を有している。
【0037】
図8(a)においては、プラグ2を配線ダクト1の開口部12から挿入し、プラグ2の回転可能な凸部2cを90度回転させて栓刃2dと電力線16及び通信線17とを接続させる。また、図8(b)においては、プラグ2を配線ダクト1の短手方向に押し込むことで栓刃2dと電力線16及び通信線17とを接続させる。
【0038】
次に、図9を参照して配線ダクト1のパイプ棚5への取り付け構造に関して説明する。
配線ダクト1の開口部12を横方向とした場合、配線ダクト1の上側面又は下側面には、配線ダクト1の長手方向Lに沿って、被設置面であるパイプ8に係止するための凹形状のスリット19a,19bが形成される。一方、被設置面であるパイプ8の外周面には、配線ダクト1のスリット19a,19bに嵌め合わせて配線ダクト1をパイプ8に固定するための嵌合部品9が所定間隔で複数備えられる。そして、嵌合部品9に設けられたネジ9a等を用いて締め付けることで配線ダクト1を被設置面であるパイプ8の前面に強固に取り付けることができる。
【0039】
なお、図10(a)に示すように、配線ダクト1に形成されるスリット18,19を凹形状でなく凸形状とし、プラグ2に形成される凹部と係合することも考え得る。また、図10(b)に示すように、スリット18,19の配置を変更したり、スリット18,19を上下どちらかの一方の外側面に形成してもよい。この構成により、配線ダクト1を机上や地面に載置し、この配線ダクト1により軽量、且つ弱電力で駆動可能な電気機器を容易に接続することができるようになる。
【0040】
次に、本実施の形態に係る配線ダクトシステムSのシステム構成に関して説明する。
図11に示すように、配線ダクトシステムSは、パイプ棚5に取り付けられる配線ダクト1と、制御コンピュータ21と、中継装置22と、配線ダクト1及び中継装置22を接続するための専用ケーブル23とを備える。配線ダクト1の電力線に供給する電源は、例えば変換器24を用いて交流100Vから24Vに変換された後、中継装置22及び専用ケーブル23を介して配線ダクト1側に給電される。専用ケーブル23と配線ダクト1とはフィードイン部材(専用部材)25を介して接続される。
【0041】
制御コンピュータ21は、工場でのピッキングシステム用の専用プログラムを実行して、表示器3に部品数表示などを行うと共に、配線ダクト1に接続された光センサ4からの検出信号を受信して作業者の作業誤りを検出する機能を有する。
【0042】
以上の説明のように、本実施の形態に係る配線ダクトシステムにおいては、工場のピッキングシステムなどにおいて、パイプ棚5の前面に設置される光センサ4や表示器3の移動や変更、パイプ棚5の改変がより容易となる。また、収納用のパイプ棚5の美観も向上させることができる。そして、表示器3及び光センサ4を併せて配線ダクト1に取り付けてピッキング作業における作業確認、作業誤りの防止を実現できる。
【0043】
また、重量感のある照明器具などの電気機器以外であって、交流24V等の弱電力で駆動可能な表示器3や光センサ4を配線ダクト1に接続できる。この場合、配線ダクト1の外側面に形成されたスリット18、及びプラグ2に備わる係止部品7を係合することでプラグ2を配線ダクト1にワンタッチで容易に固定できる。
【0044】
さらに、配線ダクト1の内側面の底部はフラット構造となるため、配線ダクト1の内部に侵入した塵埃を容易に掃除できる。また、塵埃が配線ダクト1の内部に入るのを防止するダクトカバーを開口部12に取り付ける必要性がなくなる。
【0045】
(第1の変形例)
本実施の形態の第1の変形例について、図12から図15を参照して説明する。上記実施の形態では、図9において、配線ダクト1を、嵌合部品9を用いてパイプ8の真横位置に取り付ける場合を示しているが、本変形例においては、配線ダクト1をパイプ8の斜め下側に取り付ける。
【0046】
図12(a)に示すように、配線ダクト1の開口部51を横方向とした場合、配線ダクト1の上側面及び下側面には、配線ダクト1の長手方向に沿って、嵌合部品52に係止される凹形状のスリット50a,50bが形成されている。配線ダクト1は、通信線及び電力線を内部に収容する。配線ダクト1の被設置面となる部材であるパイプ8の外周には、これらスリット50a,50bに嵌め合わされて配線ダクト1をパイプ8に固定するための嵌合部品52が、複数箇所において取り付けられる。
【0047】
そして、図12(b)及び(c)に示すように、嵌合部品52の可動側を矢印方向に可動させ、嵌合部品52の端部に形成された凸部52a,52bを、配線ダクト1の凹形状のスリット50a,50bに引っ掛け、ネジ53を用いて締め付ける。この構造により、配線ダクト1を被設置面の部材であるパイプ8に強固に取り付けることができる。この場合、嵌合部品52は、配線ダクト1を、パイプ8の垂直断面中心を通る水平面54及び垂直面55と交わらない位置に配置させる構造を有する。なお、図12(d)は、配線ダクト1の開口部51を図12(b)及び(c)とは反対方向にして取り付ける場合を示し、図13は、配線ダクト1の開口部12を下方向にして取り付ける場合を示している。
【0048】
以上、本変形例において、配線ダクト1は、上記構造の嵌合部品52を用いて、パイプ8の垂直断面中心を通る水平面54及び垂直面55と交わらない位置に配置される。従って、配線ダクト1、プラグ2、表示器3及びセンサ4の各々を邪魔にならない位置に設置して配線ダクトシステムの設計の自由度を高めることができる。
【0049】
なお、嵌合部品52を固定する部材は図12及び図13に示すネジ53に限定されるものではない。ずなわち、図14及び図15に示すように、ネジ53の代わりに嵌合部品52を側面側から固定するクリップ56を用いる場合もある。この場合、図14及び図15に示す領域57,59にプラグ2を、領域58,60に表示器3などを設置でき、配線ダクト1の周囲に各部材を配置し易くなる。また、クリップ56を用いることで、より手間を要せずに嵌合部品52を介して配線ダクト1をパイプ8に取り付けることができる。
【0050】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、配線ダクト1内に配線させる導線は、電力線16と通信線17の2回路に限定されるものではない。また、電気的な安全が必要な場合には、各導体間を絶縁樹脂で隔離させることもできる。併せて、配線ダクト1の開口部12に絶縁カバーを取り付けることもでき、その場合の絶縁カバーの係止も配線ダクト1の外側面に形成されたスリットで固定することが考え得る。
【0051】
さらに、上記実施の形態においては、配線ダクト1のパイプ棚5への設置面を開口部12に対向する面であるものとして説明しているが、例えば設置面を配線ダクト1の上側面や下側面などとすることもできる。またさらに、配線ダクト1の開口部12は横方向に限定されるものではなく、配線ダクト1を天井面などに設置する場合には開口部12を下面に配置したり、配線ダクト1を床面などに設置する場合には開口部12を上面に配置することも考え得る。
【符号の説明】
【0052】
S 配線ダクトシステム
1 配線ダクト
2 プラグ
3 表示器
4 光センサ
5 パイプ棚
6 コンテナ
7 係止部品
9,52 嵌合部品
10 金属部
11 絶縁部
12,51 開口部
16 電力線
17 通信線
18a,18b,19a,19b,50a,50b スリット
21 制御コンピュータ
53 ネジ
54 水平面
55 垂直面
56 クリップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力及び信号の伝送路を備え、この伝送路を用いて電気機器に電力及び信号を供給する配線ダクトシステムにおいて、
前記伝送路を形成する電力線と通信線を含む導線を収納する配線ダクトと、
前記配線ダクトに着脱可能に保持されると共に、前記電気機器に接続され前記電気機器に電力及び信号を供給するプラグと、を備え、
前記電気機器は、物体を検知するセンサ、及び情報を表示する表示装置を備えていることを特徴とする配線ダクトシステム。
【請求項2】
電力線と通信線を含む導線を収納する配線ダクトと、前記配線ダクトに着脱可能に保持されると共に、電気機器と接続され、前記電気機器に電力及び信号を供給するプラグと、を備える配線ダクトシステムにおいて、
前記配線ダクトは、一側面に開口部を持ち、当該開口部を横方向とした場合、前記配線ダクトの上側面及び下側面の少なくとも一方に、前記配線ダクトの長手方向に沿って、前記プラグを係止する凹形状又は凸形状のスリットを有し、
前記プラグは、前記スリットに係止する係止部品を備えることを特徴とする配線ダクトシステム。
【請求項3】
前記配線ダクトは、一側面に開口部を持ち、当該開口部を横方向とした場合、前記配線ダクトの上側面及び下側面の少なくとも一方に、前記配線ダクトの長手方向に沿って、前記プラグを係止する凹形状又は凸形状のスリットを有し、
前記プラグは、前記スリットに係止する係止部品を備えることを特徴とする請求項1記載の配線ダクトシステム。
【請求項4】
前記配線ダクトは、その長手方向に直交する断面が、一側面に開口部を持つU字形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の配線ダクトシステム。
【請求項5】
前記配線ダクトは、前記開口部を横方向とした場合、前記配線ダクトの上側面及び下側面の少なくとも一方には、前記配線ダクトの長手方向に沿って、被設置面に係止するための凹形状又は凸形状のスリットを有し、
前記被設置面側には、当該スリットに嵌め合わせる嵌合部品が設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の配線ダクトシステム。
【請求項6】
前記配線ダクトは、前記嵌合部品を用いて、前記被設置面となる部材の垂直断面中心を通る水平面及び垂直面と交わらない位置に配置される、ことを特徴とする請求項5記載の配線ダクトシステム。
【請求項7】
前記配線ダクトに収納される導線は、前記配線ダクトの短手方向に平行に配列されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の配線ダクトシステム。
【請求項8】
前記配線ダクトに収納される導線は、前記配線ダクトの開口部に対向する面に配列されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の配線ダクトシステム。
【請求項1】
電力及び信号の伝送路を備え、この伝送路を用いて電気機器に電力及び信号を供給する配線ダクトシステムにおいて、
前記伝送路を形成する電力線と通信線を含む導線を収納する配線ダクトと、
前記配線ダクトに着脱可能に保持されると共に、前記電気機器に接続され前記電気機器に電力及び信号を供給するプラグと、を備え、
前記電気機器は、物体を検知するセンサ、及び情報を表示する表示装置を備えていることを特徴とする配線ダクトシステム。
【請求項2】
電力線と通信線を含む導線を収納する配線ダクトと、前記配線ダクトに着脱可能に保持されると共に、電気機器と接続され、前記電気機器に電力及び信号を供給するプラグと、を備える配線ダクトシステムにおいて、
前記配線ダクトは、一側面に開口部を持ち、当該開口部を横方向とした場合、前記配線ダクトの上側面及び下側面の少なくとも一方に、前記配線ダクトの長手方向に沿って、前記プラグを係止する凹形状又は凸形状のスリットを有し、
前記プラグは、前記スリットに係止する係止部品を備えることを特徴とする配線ダクトシステム。
【請求項3】
前記配線ダクトは、一側面に開口部を持ち、当該開口部を横方向とした場合、前記配線ダクトの上側面及び下側面の少なくとも一方に、前記配線ダクトの長手方向に沿って、前記プラグを係止する凹形状又は凸形状のスリットを有し、
前記プラグは、前記スリットに係止する係止部品を備えることを特徴とする請求項1記載の配線ダクトシステム。
【請求項4】
前記配線ダクトは、その長手方向に直交する断面が、一側面に開口部を持つU字形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の配線ダクトシステム。
【請求項5】
前記配線ダクトは、前記開口部を横方向とした場合、前記配線ダクトの上側面及び下側面の少なくとも一方には、前記配線ダクトの長手方向に沿って、被設置面に係止するための凹形状又は凸形状のスリットを有し、
前記被設置面側には、当該スリットに嵌め合わせる嵌合部品が設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の配線ダクトシステム。
【請求項6】
前記配線ダクトは、前記嵌合部品を用いて、前記被設置面となる部材の垂直断面中心を通る水平面及び垂直面と交わらない位置に配置される、ことを特徴とする請求項5記載の配線ダクトシステム。
【請求項7】
前記配線ダクトに収納される導線は、前記配線ダクトの短手方向に平行に配列されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の配線ダクトシステム。
【請求項8】
前記配線ダクトに収納される導線は、前記配線ダクトの開口部に対向する面に配列されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の配線ダクトシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図17】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図17】
【図16】
【公開番号】特開2012−165626(P2012−165626A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78806(P2011−78806)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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