説明

配線基板およびその製造方法ならびに半導体装置

【課題】超音波振動に起因する突起電極と導体配線の境界部でのクラック発生が抑制された配線基板の構造を提供する。
【解決手段】絶縁性基材1と、絶縁性基材上に設けられた複数本の導体配線2と、各導体配線に形成された突起電極3とを有し、突起電極は、導体配線の長手方向を横切って導体配線の両側の絶縁性基板の領域に亘り形成され、突起電極の導体配線の幅方向の断面構造は中央部が両側よりも高くなっている。導体配線の表面と突起電極の表面によりそれらの交差部で形成される角度の少なくとも一部が、90度よりも大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばテープキャリア基板のような、柔軟な絶縁性の基材上に導体配線を設け、その導体配線上に接続用の突起電極を形成した構成を有する配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
テープキャリア基板を使用したパッケージモジュールの一種として、COF(Chip On Film)が知られている。COFは、テープキャリア基板上に半導体素子を搭載し、樹脂で封止することにより搭載部を保護した構造を有する。COFに用いられるテープキャリア基板は、絶縁性のフィルム基材と、その面上に形成された多数本の導体配線から構成される。フィルム基材としては一般的にポリイミドが、導体配線としては銅が使用される。必要に応じて導体配線上には、金属めっき被膜および絶縁樹脂であるソルダーレジストの層が形成される。テープキャリア基板上の導体配線と半導体素子の電極パッドは、突起電極を介して接続される。特許文献1には、この突起電極をあらかじめ導体配線上に形成したテープキャリア基板が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載されたテープキャリア基板の構造について、図16を参照して説明する。図16(a)は、テープキャリア基板の一部を示す平面図である。フィルム基材21の上に、導体配線22が設けられ、導体配線22の端部近傍に突起電極23が形成されている。一般的に、導体配線22は複数本が整列して設けられ、各導体配線22に突起電極23が設けられる。突起電極23の平面形状は、導体配線22を横切って導体配線22の両側の領域に亘っている。図16(b)は、図16(a)における導体配線22の長手方向における断面図である。図16(c)は、図16(a)における突起電極23の位置で導体配線22を横切る断面の断面図である。導体配線22の幅方向における突起電極23の断面形状は、導体配線22の上面および両側面に接合され、中央部が両側よりも高くなった中高形状である。また突起電極23は、導体配線22の両側部でフィルム基材21の面に接するように形成されている。
【0004】
上述のようなテープキャリア基板を用いた半導体装置の構造を図17の断面図に示す。配線基板上に搭載された半導体素子24は、その電極パッド25と突起電極23とが接続され、配線基板の上面と半導体素子24の間には、封止樹脂26が充填されている。
【0005】
突起電極23を上述のような形状とすることにより、突起電極23は、実用的に十分な強さで導体配線22上に保持される。すなわち、突起電極23は、導体配線22の上面だけではなく両側面にも接合されているので、横方向に加わる力に対して十分な安定性が得られる。
【0006】
また、突起電極23の上面が平坦ではなく中高であることにより、半導体素子の電極パッド25との接続に好適である。すなわち、突起電極23と電極パッド25との位置合わせにずれがあっても、上面が平坦である場合と比べて、突起電極23は隣接する不適当な電極パッド25と接続され難い。また、電極パッド25との接続に際して、電極パッド25の表面に形成された酸化膜を、突起電極23の凸状の上面により容易に破砕することができ、酸化されていない内部との間に良好な電気的接続が得られる。
【0007】
この半導体装置の製造に際しては、上述の構成を有するテープキャリア基板上に半導体素子24を搭載し、ボンディングツールにより押圧し加熱することにより、突起電極23と電極パッド25とを接合する。ボンディングツールには超音波が印加され、それにより、突起電極23と電極パッド25との間の良好な接合状態が得られる。
【特許文献1】特開2004−327936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の配線基板には、以下のような問題があった。すなわち、半導体素子24をテープキャリア基板上に搭載して、突起電極23と電極パッド25とを接合するためにボンディングツールを介して超音波を印加したときに、突起電極23と導体配線22の境界部でクラックが発生する場合があることである。そのようなクラックは、超音波を印加することによる、突起電極23と導体配線22との間の相互振動に起因して発生するものと思われる。そのようなクラックが発生すると、半導体素子24と導体配線22との間の接続不良の原因となる。
【0009】
従って本発明は、超音波振動に起因する突起電極と導体配線の境界部でのクラックが発生し難い配線基板の構造を提供することを目的とする。
【0010】
また、そのような配線基板を製造する方法を提供することを目的とする。
【0011】
さらに、そのような配線基板を用いた半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の構成の配線基板は、絶縁性基材と、前記絶縁性基材上に設けられた複数本の導体配線と、前記各導体配線に形成された突起電極とを有し、前記突起電極は、前記導体配線の長手方向を横切って前記導体配線の両側の前記絶縁性基板の領域に亘り形成され、前記突起電極の前記導体配線の幅方向の断面構造は中央部が両側よりも高くなっている。前記導体配線の表面と前記突起電極の表面によりそれらの交差部で形成される角度の少なくとも一部が、90度よりも大きい。
【0013】
本発明の第2の構成の配線基板は、絶縁性基材と、前記絶縁性基材上に設けられた複数本の導体配線と、前記各導体配線に形成された突起電極とを有し、前記突起電極は、前記導体配線の長手方向を横切って前記導体配線の両側の前記絶縁性基板の領域に亘り形成され、前記突起電極の前記導体配線の幅方向の断面構造は中央部が両側よりも高くなっている。前記導体配線および前記突起電極を被覆した金属被覆層を有し、前記導体配線を被覆した前記金属被覆層の表面と、前記突起電極を被覆した前記金属被覆層の表面によりそれらの交差部で形成される角度の少なくとも一部が、90度よりも大きい。
【0014】
本発明の配線基板の製造方法は、基本的な工程として、複数本の導体配線を絶縁基材上に設ける工程と、前記絶縁基材の前記導体配線が設けられた面にフォトレジストを形成する工程と、前記フォトレジストに、前記導体配線を横切って前記導体配線の両側の領域に広がる開口部を形成して、前記開口部中に前記導体配線の一部を露出させる工程と、前記開口部を通して、前記露出した前記導体配線の一部に金属めっきを施して突起電極を形成する工程と、前記フォトレジストを除去する工程とを備える、
本発明の第1の構成の配線基板の製造方法は、前記導体配線の一部を露出させる工程では、前記フォトレジストに形成する前記開口部の内周縁と、前記導体配線の側面によりそれらの交差部で形成される角度を、90度よりも小さくすることを特徴とする。
【0015】
本発明の第2の構成の配線基板の製造方法は、前記突起電極を形成する工程では、前記露出した前記導体配線の一部に金属めっきを施すと同時に、前記開口部の周辺の前記フォトレジストに接触している前記導体配線上にもめっき液を染み込ませて突起電極を形成することを特徴とする。
【0016】
本発明の第3の構成の配線基板の製造方法は、前記導体配線の一部を露出させる工程では、前記開口部を形成するための露光後の前記フォトレジストの現像を過剰に行うことにより、フォトレジストの前記開口部のパターンの断面形状を逆テーパー状に形成することを特徴とする。
【0017】
本発明の第4の構成の配線基板の製造方法は、前記導体配線の一部を露出させる工程の後に、前記露出した前記導体配線の一部をエッチングする工程を更に含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の第5の構成の配線基板の製造方法は、前記フォトレジストを除去する工程の後に、前記導体配線および前記突起電極を被覆して金属被覆層を形成する工程を有することにより、前記導体配線を被覆した前記金属被覆層の表面と、前記突起電極を被覆した前記金属被覆層の表面によりそれらの交差部で形成される角度の少なくとも一部を、90度よりも大きくすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
上記構成によれば、突起電極の側面が導体配線の側面に対して交差する境界部における、突起電極と導体配線の境界部でのクラック発生が抑制され、接続不良の発生が低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の第1の構成の配線基板において、前記導体配線の側面と、前記突起電極における前記導体配線の側面外方に延在する部分の側面により形成される角度が、90度よりも大きい構成とすることができる。
【0021】
また、前記突起電極における前記導体配線の側面外方に延在する部分のうち、前記導体配線からの幅の少なくとも3分の1の幅の部分の側面が、前記導体配線の側面に対して90度よりも大きい角度を形成した構成とすることができる。
【0022】
また、前記導体配線の上面と、前記突起電極における前記導体配線の上面に位置する部分の長手方向端部表面により形成される角度が、90度よりも大きい構成とすることができる。
【0023】
前記導体配線の表面と前記突起電極の表面により形成される角度が、95度以上であることが好ましい。
【0024】
また、前記導体配線および前記突起電極を被覆した金属被覆層を有する構成とすることができる。
【0025】
本発明の第2の構成の配線基板において、前記導体配線の側面を被覆した前記金属被覆層の表面と、前記突起電極における前記導体配線の両側部に位置する部分の側面を被覆した前記金属被覆層の表面により形成される角度が、90度よりも大きい構成とすることができる。
【0026】
また、前記突起電極における前記導体配線の側面外方に延在する部分のうち、前記導体配線からの幅の少なくとも3分の1の幅の部分の側面を被覆した前記金属被覆層の表面が、前記導体配線の側面を被覆した前記金属被覆層の表面に対して90度よりも大きい角度を形成した構成とすることができる。
【0027】
また、前記導体配線の上面を被覆した前記金属被覆層の表面と、前記突起電極における前記導体配線の上面に位置する部分の長手方向端部を被覆した前記金属被覆層の表面により形成される角度が、90度よりも大きい構成とすることができる。
【0028】
前記導体配線を被覆した前記金属被覆層の表面と前記突起電極を被覆した前記金属被覆層の表面とが成す角度は、95度以上であることが好ましい。
【0029】
また、前記導体配線および前記突起電極を形成している金属とは異なる金属からなる一層以上の金属被覆層が、前記導体配線および前記突起電極の上部に形成された構成とすることができる。
【0030】
また、前記突起電極は、前記導体配線の先端面を覆って形成されている構成とすることができる。
【0031】
また、前記導体配線は、先端部が他の領域の幅である配線幅よりも幅狭に形成され、前記突起電極が当該先端部に前記配線幅で形成されている構成とすることができる。
【0032】
本発明の第4の構成の配線基板の製造方法において、前記フォトレジストを除去する工程の後に、前記導体配線および前記突起電極を被覆して金属被覆層を形成する工程を有することができる。
【0033】
上記いずれかの配線基板の製造方法において、前記突起電極を形成した後の前記導体配線および前記突起電極の上部に、前記導体配線および前記突起電極を形成した金属とは異なる金属からなる一層以上の金属層を形成する工程を有することができる。
【0034】
また、前記導体配線の表面と前記突起電極の表面により形成される角度、または、前記導体配線を被覆した前記金属被覆層の表面と前記突起電極を被覆した前記金属被覆層の表面により形成される角度を、95度以上にすることが好ましい。
【0035】
また、前記導体配線の先端部を他の領域の幅である配線幅よりも幅狭に形成し、前記突起電極を当該先端部に前記配線幅で形成することができる。
【0036】
上記いずれかの構成の配線基板と、前記配線基板上に搭載された半導体素子とを備え、前記突起電極を介して、前記半導体素子上に配置された電極パッドと前記導体配線とが接合された半導体装置を構成することができる。
【0037】
前記電極パッドの表面にAu、Pd、Ag、Al、またはPtを主材とする金属層を有する構成とすることが好ましい。
【0038】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0039】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における配線基板の構造を示す斜視図である。絶縁性のフィルム基材1の上に、複数本の導体配線2が整列して設けられ、各導体配線2の端部近傍に突起電極3が形成されている。突起電極3の平面形状は、導体配線2を横切って導体配線2の両側の領域に亘っている。導体配線2の形成には、銅、ニッケル、銀、金、あるいは錫などを主成分とする材料を用いることが望ましい。突起電極3の厚みは通常、3〜20μmの範囲である。突起電極3の材料としては、例えば銅、金あるいはニッケル等を用いることができる。
【0040】
図2(a)は、図1に示した配線基板における1本の導体配線2の近傍のみを示した平面図である。図2(b)は、図2(a)における導体配線2の長手方向における断面図である。図2(c)は、図2(a)における突起電極3の位置で導体配線2を横切る断面の断面図である。導体配線2の幅方向における突起電極2の断面形状は、導体配線2の上面および両側面に接合され、中央部が両側よりも高くなった中高形状である。また突起電極3は、導体配線2の両側部でフィルム基材1の面に接するように形成されている。
【0041】
図2(a)に示されるように、導体配線2の側面と、突起電極3における導体配線2の側面外方に延在する部分の側面により、その交差部で形成される角度θ1が、90度よりも大きくなるように、突起電極3のテーパ面4が形成されている。このように、突起電極3の側面と導体配線2の側面が斜めに交差することにより、半導体素子の実装に際して、突起電極3と半導体素子の電極パッドとを接合するために超音波を印加したときに、突起電極3と導体配線2の境界部でクラックが発生することが抑制される。これは、以下の理由によるものと推測される。
【0042】
すなわち、図12(a)に示したように、突起電極23の側面が導体配線22の側面に対して直角に交差すると、突起電極23の側面と導体配線22の側面との境界部において、超音波の印加による振動に起因する応力が集中し易く、クラック発生の原因となる。これに対して、本実施の形態のように、突起電極3の側面と導体配線2の側面が斜めに交差すると、超音波振動による応力集中が緩和されて、クラックの発生を抑制する効果が得られる。
【0043】
図2(a)の構造では、突起電極3における導体配線2の側面外方に延在する部分の幅全体においてテーパ面4が形成されて、導体配線2の側面に対して斜めに交差しているが、図2(d)に示される構造にすることもできる。すなわち、導体配線2の側面外方に延在する部分の一部である幅wの領域に部分テーパ面4aが形成されて、導体配線2の側面に対して斜めに交差している。このように、導体配線2の側面に近接した部分で部分テーパ面4aが形成されていれば、上述のようなクラックの抑制に効果が得られる。部分テーパ面4aの幅wは、突起電極3が導体配線2の側面から外方に延在している幅全体の少なくとも3分の1の大きさであれば、実用上十分な効果が得られる。
【0044】
なお、超音波を印加するボンディングツールは、フィルム基材1の上下方向において半導体素子を挟んで配置され、突起電極3と半導体素子の電極パッドとが互いに押圧された状態で超音波が印加される。そのため、導体配線2の側面と比べると、導体配線2の上面と突起電極3の対応する部分との交差部ではクラックが発生し難い。従って、図2(a)に示した平面形状のみを用いても、クラックの発生抑制に十分な効果が得られる。更に、図2(b)に示すように、導体配線2の上面と、突起電極3の長手方向端部の表面により形成される角度θ2が90度よりも大きくなるように突起電極3を形成すれば、導体配線2の上面におけるクラックの発生を抑制する効果が得られることは言うまでもない。
【0045】
図2(e)に示すように、図2(d)の部分テーパ面4aは、曲面状、例えば円弧面状であってもよい。また、図2(a)に示す前幅のテーパ面4に対して曲面を適用することもできる。
【0046】
以上のとおり、本実施の形態における配線基板は、導体配線2の表面と突起電極3の表面により形成される角度の少なくとも一部、すなわち角度θ1またはθ2の少なくとも一方が、90度よりも大きくなるように突起電極3が形成されたことを特徴とする。十分なクラック抑制効果を得るためには、導体配線2の表面と突起電極3の表面により形成される角度θ1またはθ2は、95度以上であることが望ましい。
【0047】
なお、導体配線2および突起電極3を、目的に応じた金属被覆層(図示せず)により被覆することができる。金属被覆層は、導体配線2および突起電極3を形成している金属とは異なる金属を用いて形成することができ、また一層以上形成することができる。
【0048】
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2における配線基板の構造を示す斜視図である。図4(a)は、図3に示した配線基板における1本の導体配線2のみを示した平面図である。図4(b)は、図4(a)における導体配線2の長手方向における断面図である。図4(c)は、図4(a)における突起電極3aの位置で導体配線2を横切る断面の断面図である。実施の形態1と同様の要素については、同一の参照番号を付して、説明の重複を省略する。
【0049】
本実施の形態においては、導体配線2および突起電極3aを被覆した金属被覆層5を有する。突起電極3aの平面形状、あるいは側面形状は、図2に示したような形状ではなく、従来例と同様、図12に示したような形状である。すなわち、突起電極3aの表面と導体配線2の表面が直交する形状である。一方、金属被覆層5が形成されたことにより、導体配線2を被覆した金属被覆層5の表面と、突起電極3aを被覆した金属被覆層5の表面により形成される角度θ3またはθ4の少なくとも一方が、90度よりも大きくなっている。この構成により、半導体素子実装に際しての超音波印加による応力集中を緩和して、突起電極3aと導体配線2の間の境界部でのクラック発生を低減することができる。
【0050】
金属被覆層5としては、例えばニッケルめっきにより内層を、金めっきにより外層を形成した構造を用いることができる。あるいは、錫、(ニッケル+パラジウム)、ニッケルのみ、金のみのめっき層を形成してもよい。
【0051】
なお、突起電極3aの形状を、実施の形態1における図2に示したような形状とし、更に金属被覆層5を形成することにより、クラック抑制の効果を向上させる構成とすることも可能である。
【0052】
また、突起電極3aの表面と導体配線2の表面が交差する境界部での角度を、金属被覆層5により斜めに形成した構造は、導体配線2の側面における角度θ3、または導体配線2の上面における角度θ4にいずれか一方について適用しても、相応の効果を得ることが可能である。
【0053】
また、実施の形態1において図2(d)に示したように、本実施の形態においても、突起電極3aが導体配線2の側面から外方に延在している幅全体の少なくとも3分の1の大きさにおいて、金属被覆層5の表面により形成される角度θ3またはθ4が90度以上となるようにすればよい。さらに、十分なクラック抑制効果を得るためには、角度θ3またはθ4は、95度以上であることが望ましい。
【0054】
金属被覆層5は、導体配線2および突起電極3aを形成している金属とは異なる金属を用いて形成することができる。さらに、目的に応じた、1層以上の他の金属被覆層(図示せず)により被覆することもできる。
【0055】
(実施の形態3)
図5は、実施の形態3における配線基板の構造を示す斜視図である。図6(a)は、図5に示した配線基板における1本の導体配線2のみを示した平面図である。図6(b)は、図6(a)における導体配線2の長手方向における断面図である。図6(c)は、図6(a)における突起電極3bの位置で導体配線2を横切る断面の断面図である。実施の形態1と同様の要素については、同一の参照番号を付して、説明の重複を省略する。
【0056】
本実施の形態においては、突起電極3bは、導体配線2の先端面を覆って形成されている。この構造によれば、突起電極3bの先端側においては、導体配線2と突起電極3bの境界が、突起電極3bの内部に封じられる。従って、その部分でのクラックは発生し難い。
【0057】
さらに、図示しないが、導体配線2を、先端部が他の領域の幅である配線幅よりも幅狭に形成し、突起電極3bを当該先端部に配線幅で形成すれば、突起電極3bと導体配線2の間のクラック抑制の効果を、更に向上させることができる。
【0058】
(実施の形態4)
図7は、実施の形態4における配線基板の製造方法を示す。図7(a1)〜(e1)は、配線基板における突起電極を形成する製造工程を示し、半導体素子搭載部の平面図である。図7(a2)〜(e2)は各々、図7(a1)〜(e1)の拡大断面図である。各断面図は、図7(a1)におけるA−Aに対応する位置での断面を示す。図8は、図7(c1)の一部を拡大して示した平面図である。
【0059】
まず、図7(a1)、(a2)に示すように、複数の導体配線2が表面に整列して形成されたフィルム基材1を用意する。このフィルム基材1の全面に、図7(b1)、(b2)に示すように、フォトレジスト6を形成する。次に図7(c1)、(c2)に示すように、フィルム基材1に形成されたフォトレジスト6に、導体配線2を横切る開口パターン7を形成する。それにより開口パターン7中に、導体配線2の一部が露出する。開口パターン7は、図8に示すように、図2(a)に示した実施の形態1における突起電極3の平面形状と同様の形状に形成される。すなわち、開口パターン7の内周縁と、導体配線2の側面により形成される角度θ5は、90度よりも小さく設定されている。
【0060】
次に、開口パターン7を通して、導体配線2の露出した部分に金属めっきを施して、図7(d1)、(d2)に示すように、突起電極3を形成する。次に、フォトレジスト6を除去すれば、図7(e1)、(e2)に示すように、導体配線2上に突起電極3が形成された配線基板が得られる。
【0061】
このように、フォトレジスト6に形成された開口パターン7を通して導体配線2の露出した部分に金属めっきを施すことにより、図2(a)に示したような平面形状の突起電極3を、容易に形成することができる。開口パターン7の形状を変更することにより、図2(d)、(e)に示した平面形状を形成することも容易である。
【0062】
(実施の形態5)
図9は、実施の形態5における配線基板の製造方法を示す。図9(a1)〜(e1)は、配線基板における突起電極を形成する製造工程を示し、半導体素子搭載部の平面図である。図9(a2)〜(e2)は各々、図9(a1)〜(e1)の拡大断面図である。各断面図は、図9(a1)におけるA−Aに対応する位置での断面を示す。図10は、図9(d2)の一部を拡大して示した断面図である。
【0063】
図9(a1)〜(b2)の工程は、図7に示した実施の形態4における製造方法と同様である。
【0064】
図9(c1)、(c2)に示す工程においては、フィルム基材1に形成されたフォトレジスト6に、導体配線2を横切る長孔状の開口パターン7bを形成する。それにより開口パターン7b中に、導体配線2の一部が露出する。
【0065】
次に開口パターン7bを通して、導体配線2の露出した部分に金属めっきを施して、図9(d1)、(d2)に示すように、突起電極3cを形成する。この工程では、露出した導体配線2の一部に金属めっきを施すと同時に、開口パターン7bの周辺のフォトレジスト6に接触している導体配線2上にもめっき液を染み込ませて、突起電極3cを形成する。めっき液が染み込むことにより、図10に示すように、フォトレジスト6の端部を持ち上げて、突起電極3cの周縁部にテーパ部8が形成される。これにより、突起電極3cの断面形状は、図2(b)に示したようなテーパ面を有するものとなる。
【0066】
次に、次に、フォトレジスト6を除去すれば、図9(e1)、(e2)に示すように、導体配線2上に突起電極3cが形成された配線基板が得られる。
【0067】
図9(d1)、(d2)に示した工程において、開口パターン7bの周辺のフォトレジスト6に接触している導体配線2上にもめっき液を染み込ませるためには、以下のような方法を用いることができる。
【0068】
例えば、フォトレジスト6を形成する前の図9(a1)の状態で、導体配線2の表面に、フォトレジスト6に対して濡れ性の低い材料、例えばシリコーン系の樹脂膜を形成し、その後フォトレジスト6を塗布する。濡れ性の低い材料の膜のためにフォトレジスト6の密着性が低いので、フォトレジスト6と導体配線2の間に間隙ができ易く、めっき液を染み込ませることができる。
【0069】
また他の方法としては、導体配線2の表面を酸化させることにより、フォトレジスト6との密着性を低下させることもできる。その場合、導体配線2の材料としては、銅を主成分とする材料を使用することが好ましい。
【0070】
(実施の形態6)
図11は、実施の形態6における配線基板の製造方法を示す。図11(a1)〜(e1)は、配線基板における突起電極を形成する製造工程を示し、半導体素子搭載部の平面図である。図11(a2)〜(e2)は各々、図11(a1)〜(e1)の拡大断面図である。各断面図は、図11(a1)におけるA−Aに対応する位置での断面を示す。図12は、図11(c2)の一部を拡大して示した断面図である。
【0071】
図11(a1)〜(b2)の工程は、図7に示した実施の形態4における製造方法と同様である。
【0072】
図11(c1)、(c2)に示す工程においては、フィルム基材1に形成されたフォトレジスト6に、導体配線2を横切る長孔状の開口パターン7cを形成する。それにより開口パターン7c中に、導体配線2の一部が露出する。この工程において、フォトレジスト6の開口パターン7cの断面形状を、図12に示すように、逆テーパー状に形成する。すなわち、ネガレジストであれば、標準的な条件よりも過剰に現像を行うオーバー現像により、開口パターン7cの断面形状が逆テーパー状になる。ポジレジストの場合は、露光時の光の照射を例えば70度の斜めから行うことにより、開口パターン7cの断面を逆テーパー状に形成することができる。
【0073】
次に開口パターン7cを通して、導体配線2の露出した部分に金属めっきを施して、図11(d1)、(d2)に示すように突起電極3dを形成する。逆テーパー状の断面を有する開口パターン7cにより、突起電極3dの断面形状は、図2(b)に示したようなテーパ面を有するものとなる。
【0074】
次に、次に、フォトレジスト6を除去すれば、図11(e1)、(e2)に示すように、導体配線2上に突起電極3dが形成された配線基板が得られる。
【0075】
(実施の形態7)
図13は、実施の形態7における配線基板の製造方法を示す。図13(a1)〜(e1)は、配線基板における突起電極を形成する製造工程を示し、半導体素子搭載部の平面図である。図13(a2)〜(e2)は各々、図13(a1)〜(e1)の拡大断面図である。各断面図は、図13(a1)におけるA−Aに対応する位置での断面を示す。図14は、図13(d2)の一部を拡大して示した断面図である。
【0076】
図13(a1)〜(c1)の工程は、図9に示した実施の形態5における製造方法と同様である。
【0077】
図13(d1)、(d2)に示す工程においては、前の工程により露出した導体配線2の一部をエッチングする。エッチングされた導体配線2の断面は、図14に示すような形状になる。すなわち、エッチングによる窪み9は、開口パターン7bの周縁下部におよび、フォトレジスト6と導体配線2の間に間隙が形成される。
【0078】
次に開口パターン7bを通して、導体配線2の露出した部分に金属めっきを施して、図13(e1)、(e2)に示すように、突起電極3eを形成する。エッチングにより形成されたフォトレジスト6と導体配線2の間の間隙にメッキ液が浸み込むので、突起電極3eの断面形状は、図2(b)に示したようなテーパ面を有するものとなる。
【0079】
次に、フォトレジスト6を除去すれば、図13(f1)、(f2)に示すように、導体配線2上に突起電極3eが形成された配線基板が得られる。
【0080】
(実施の形態8)
図15は、実施の形態8における配線基板の製造方法を示す。図15(a1)〜(e1)は、配線基板における突起電極を形成する製造工程を示し、半導体素子搭載部の平面図である。図15(a2)〜(e2)は各々、図15(a1)〜(e1)の拡大断面図である。各断面図は、図15(a1)におけるA−Aに対応する位置での断面を示す。
【0081】
図15(a1)〜(d1)の工程は、上述の各実施の形態における製造方法と概略同様である。
【0082】
本実施の形態においては、図15(e1)〜(e2)に示すように、フォトレジスト6を除去する工程の後に、導体配線2および突起電極3aを被覆して金属被覆層10を形成する工程を有する。それにより、図3、4に示した構造の配線基板を容易に製造することができる。すなわち、金属被覆層10を形成することにより、導体配線2を被覆した金属被覆層10の表面と、突起電極3aを被覆した金属被覆層10の表面により形成される角度が緩やかになり、90度よりも大きくすることができる。
【0083】
(実施の形態9)
実施の形態9における半導体装置は、概略構造は、図17に示した従来例の半導体装置と同様であり、従って、図17を参照して説明する。本実施の形態の半導体装置は、上記いずれかの実施の形態における配線基板に、半導体素子24が実装された構成を有する。配線基板の導体配線22上に形成された突起電極23を介して、半導体素子24上に配置された電極パッド25と導体配線22とが接合されている。
【0084】
電極パッド25の表面には、Au、Pd、Ag、Al、またはPtを主材とする金属層を有することが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明の配線基板によれば、超音波振動に起因する突起電極と導体配線の境界部でのクラックが発生し難いので、半導体素子のパッケージモジュールに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】実施の形態1における配線基板の構成を示す斜視図
【図2】(a)は同配線基板の一部を示す平面図、(b)は同配線基板の導体配線の長手方向における断面図、(c)は同配線基板の導体配線の横方向における断面図
【図3】実施の形態2における配線基板の構成を示す斜視図
【図4】(a)は同配線基板の一部を示す平面図、(b)は同配線基板の導体配線の長手方向における断面図、(c)は同配線基板の導体配線の横方向における断面図
【図5】実施の形態3における配線基板の構成を示す斜視図
【図6】(a)は同配線基板の一部を示す平面図、(b)は同配線基板の導体配線の長手方向における断面図、(c)は同配線基板の導体配線の横方向における断面図
【図7】(a1)〜(e1)は、実施の形態4における配線基板の製造方法の工程を示す平面図、(a2)〜(e2)は、同工程を示す拡大断面図
【図8】同製造方法における図7(c1)の一部を拡大して示す平面図
【図9】(a1)〜(e1)は、実施の形態5における配線基板の製造方法の工程を示す平面図、(a2)〜(e2)は、同工程を示す拡大断面図
【図10】同製造方法における図9(d2)の一部を拡大して示す断面図
【図11】(a1)〜(e1)は、実施の形態6における配線基板の製造方法の工程を示す平面図、(a2)〜(e2)は、同工程を示す拡大断面図
【図12】同製造方法における図11(c2)の一部を拡大して示す断面図
【図13】(a1)〜(f1)は、実施の形態7における配線基板の製造方法の工程を示す平面図、(a2)〜(f2)は、同工程を示す拡大断面図
【図14】同製造方法における図13(d2)の一部を拡大して示す断面図
【図15】(a1)〜(e1)は、実施の形態8における配線基板の製造方法の工程を示す平面図、(a2)〜(e2)は、同工程を示す拡大断面図
【図16】(a)は従来例の配線基板の一部を示す平面図、(b)は同配線基板の導体配線の長手方向における断面図、(c)は同配線基板の導体配線の横方向における断面図
【図17】図16の配線基板を用いた従来例の半導体装置を示す断面図
【符号の説明】
【0087】
1 フィルム基材
2 導体配線
3、3a、3b、3c、3d、3e 突起電極
4 テーパ面
4a 部分テーパ面
5 金属被覆層
6 フォトレジスト
7、7b、7c 開口パターン7
8 テーパ部
9 窪み
10 金属被覆層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性基材と、前記絶縁性基材上に設けられた複数本の導体配線と、前記各導体配線に形成された突起電極とを有し、前記突起電極は、前記導体配線の長手方向を横切って前記導体配線の両側の前記絶縁性基板の領域に亘り形成され、前記突起電極の前記導体配線の幅方向の断面構造は中央部が両側よりも高くなっている配線基板において、
前記導体配線の表面と前記突起電極の表面によりそれらの交差部で形成される角度の少なくとも一部が、90度よりも大きいことを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記導体配線の側面と、前記突起電極における前記導体配線の側面外方に延在する部分の側面により形成される角度が、90度よりも大きい請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記突起電極における前記導体配線の側面外方に延在する部分のうち、前記導体配線からの幅の少なくとも3分の1の幅の部分の側面が、前記導体配線の側面に対して90度よりも大きい角度を形成する請求項2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記導体配線の上面と、前記突起電極における前記導体配線の上面に位置する部分の長手方向端部表面により形成される角度が、90度よりも大きい請求項1〜3のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項5】
前記導体配線の表面と前記突起電極の表面により形成される角度が、95度以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項6】
前記導体配線および前記突起電極を被覆した金属被覆層を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項7】
絶縁性基材と、前記絶縁性基材上に設けられた複数本の導体配線と、前記各導体配線に形成された突起電極とを有し、前記突起電極は、前記導体配線の長手方向を横切って前記導体配線の両側の前記絶縁性基板の領域に亘り形成され、前記突起電極の前記導体配線の幅方向の断面構造は中央部が両側よりも高くなっている配線基板において、
前記導体配線および前記突起電極を被覆した金属被覆層を有し、
前記導体配線を被覆した前記金属被覆層の表面と、前記突起電極を被覆した前記金属被覆層の表面によりそれらの交差部において形成される角度の少なくとも一部が、90度よりも大きいことを特徴とする配線基板。
【請求項8】
前記導体配線の側面を被覆した前記金属被覆層の表面と、前記突起電極における前記導体配線の両側部に位置する部分の側面を被覆した前記金属被覆層の表面により形成される角度が、90度よりも大きい請求項7に記載の配線基板。
【請求項9】
前記突起電極における前記導体配線の側面外方に延在する部分のうち、前記導体配線からの幅の少なくとも3分の1の幅の部分の側面を被覆した前記金属被覆層の表面が、前記導体配線の側面を被覆した前記金属被覆層の表面に対して90度よりも大きい角度を形成する請求項8に記載の配線基板。
【請求項10】
前記導体配線の上面を被覆した前記金属被覆層の表面と、前記突起電極における前記導体配線の上面に位置する部分の長手方向端部を被覆した前記金属被覆層の表面により形成される角度が、90度よりも大きい請求項7〜9のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項11】
前記導体配線を被覆した前記金属被覆層の表面と前記突起電極を被覆した前記金属被覆層の表面とが成す角度は、95度以上である請求項7〜10のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項12】
前記導体配線および前記突起電極を形成している金属とは異なる金属からなる一層以上の金属被覆層が、前記導体配線および前記突起電極の上部に形成された請求項6〜11のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項13】
前記突起電極は、前記導体配線の先端面を覆って形成されている請求項1〜12のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項14】
前記導体配線は、先端部が他の領域の幅である配線幅よりも幅狭に形成され、前記突起電極が当該先端部に前記配線幅で形成されている請求項1〜13のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項15】
複数本の導体配線を絶縁基材上に設ける工程と、
前記絶縁基材の前記導体配線が設けられた面にフォトレジストを形成する工程と、
前記フォトレジストに、前記導体配線を横切って前記導体配線の両側の領域に広がる開口部を形成して、前記開口部中に前記導体配線の一部を露出させる工程と、
前記開口部を通して、前記露出した前記導体配線の一部に金属めっきを施して突起電極を形成する工程と、
前記フォトレジストを除去する工程とを備えた配線基板の製造方法において、
前記導体配線の一部を露出させる工程では、前記フォトレジストに形成する前記開口部の内周縁と、前記導体配線の側面によりそれらの交差部で形成される角度を、90度よりも小さくすることを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項16】
複数本の導体配線を絶縁基材上に設ける工程と、
前記絶縁基材の前記導体配線が設けられた面にフォトレジストを形成する工程と、
前記フォトレジストに、前記導体配線を横切って前記導体配線の両側の領域に広がる開口部を形成して、前記開口部中に前記導体配線の一部を露出させる工程と、
前記開口部を通して、前記露出した前記導体配線の一部に金属めっきを施して突起電極を形成する工程と、
前記フォトレジストを除去する工程とを備えた配線基板の製造方法において、
前記突起電極を形成する工程では、前記露出した前記導体配線の一部に金属めっきを施すと同時に、前記開口部の周辺の前記フォトレジストに接触している前記導体配線上にもめっき液を染み込ませて突起電極を形成することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項17】
複数本の導体配線を絶縁基材上に設ける工程と、
前記絶縁基材の前記導体配線が設けられた面にフォトレジストを形成する工程と、
前記フォトレジストに、前記導体配線を横切って前記導体配線の両側の領域に広がる開口部を形成して、前記開口部中に前記導体配線の一部を露出させる工程と、
前記開口部を通して、前記露出した前記導体配線の一部に金属めっきを施して突起電極を形成する工程と、
前記フォトレジストを除去する工程とを備えた配線基板の製造方法において、
前記導体配線の一部を露出させる工程では、前記開口部を形成するための露光後の前記フォトレジストの現像を過剰に行うことにより、フォトレジストの前記開口部のパターンの断面形状を逆テーパー状に形成することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項18】
複数本の導体配線を絶縁基材上に設ける工程と、
前記絶縁基材の前記導体配線が設けられた面にフォトレジストを形成する工程と、
前記フォトレジストに、前記導体配線を横切って前記導体配線の両側の領域に広がる開口部を形成して、前記開口部中に前記導体配線の一部を露出させる工程と、
前記開口部を通して、前記露出した前記導体配線の一部に金属めっきを施して突起電極を形成する工程と、
前記フォトレジストを除去する工程とを備えた配線基板の製造方法において、
前記導体配線の一部を露出させる工程の後に、前記露出した前記導体配線の一部をエッチングする工程を更に含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項19】
前記フォトレジストを除去する工程の後に、前記導体配線および前記突起電極を被覆して金属被覆層を形成する工程を有する請求項15〜18のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項20】
複数本の導体配線を絶縁基材上に設ける工程と、
前記絶縁基材の前記導体配線が設けられた面にフォトレジストを形成する工程と、
前記フォトレジストに、前記導体配線を横切って前記導体配線の両側の領域に広がる開口部を形成して、前記開口部中に前記導体配線の一部を露出させる工程と、
前記開口部を通して、前記露出した前記導体配線の一部に金属めっきを施して突起電極を形成する工程と、
前記フォトレジストを除去する工程とを備えた配線基板の製造方法において、
前記フォトレジストを除去する工程の後に、前記導体配線および前記突起電極を被覆して金属被覆層を形成する工程を有することにより、前記導体配線を被覆した前記金属被覆層の表面と、前記突起電極を被覆した前記金属被覆層の表面によりそれらの交差部で形成される角度の少なくとも一部を、90度よりも大きくすることを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項21】
前記突起電極を形成した後の前記導体配線および前記突起電極の上部に、前記導体配線および前記突起電極を形成した金属とは異なる金属からなる一層以上の金属層を形成する工程を有する請求項15から請求項20に記載の配線基板の製造方法。
【請求項22】
前記導体配線の表面と前記突起電極の表面により形成される角度、または、前記導体配線を被覆した前記金属被覆層の表面と前記突起電極を被覆した前記金属被覆層の表面により形成される角度を、95度以上にする請求項15〜21のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項23】
前記導体配線の先端部を他の領域の幅である配線幅よりも幅狭に形成し、前記突起電極を当該先端部に前記配線幅で形成する請求項15〜22のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項24】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の配線基板と、前記配線基板上に搭載された半導体素子とを備え、前記突起電極を介して、前記半導体素子上に配置された電極パッドと前記導体配線とが接合された半導体装置。
【請求項25】
前記電極パッドの表面にAu、Pd、Ag、Al、またはPtを主材とする金属層を有する請求項24に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−36137(P2007−36137A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−221208(P2005−221208)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】