説明

配線基板ユニット

【課題】駆動ICが実装された第1配線基板における配線の数を抑える。
【解決手段】配線基板ユニット50は、アクチュエータユニット31の個別ランド43やグランド用ランド45が形成された上面と対向するようにCOF52が配置され、COF52のアクチュエータユニット31とは反対側にFPC51が重ねられて配置されている。そして、FPC51に形成されたグランド用バンプ57は、COF52に形成された貫通孔66から露出し、その頂点がCOF52に形成された駆動用バンプ64の頂点と同一平面上に配置される。そして、駆動用バンプ64とグランド用バンプ57は、アクチュエータユニット31の個別ランド43とグランド用ランド45に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータの接続面に配置された複数の接続端子に接続される配線基板ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の駆動素子を有するアクチュエータに接続されて、信号の送信や電力供給などを行う配線基板がある。この配線基板には、制御基板により制御され、複数の駆動素子を駆動する駆動ICが設けられており、この駆動ICは制御基板から信号や電力が入力されると、複数の駆動素子にそれぞれ駆動信号を出力する。
【0003】
一般的には、駆動ICが実装された1枚の配線基板によって制御基板とアクチュエータを接続しているが、駆動ICが実装される配線基板は、駆動ICからアクチュエータの多数の駆動素子へ駆動信号を供給する、多数の出力配線を狭い配線ピッチで形成する必要があることから、高い配線形成技術が必要であったり、配線を覆うレジストの材料が高価であるなど、特別な仕様になっており、コストが高い。
【0004】
一方、制御基板と駆動ICとの間には、駆動ICへの入力配線が配置される。この駆動ICへの入力配線は、駆動ICで駆動信号を生成するための信号を供給するためのものであるが、一般的には駆動ICの出力配線と比べるとその本数は非常に少ない。そこで、駆動ICが実装される配線基板と制御基板とを、入力配線が形成される別の配線基板で接続することにより、この別の配線基板には汎用的なものを使用でき、それほど高価なものを必要としないため、コストを下げることができる。
【0005】
例えば、記録用紙などの被記録媒体に画像や文字などを記録するための多数の駆動素子を備えた記録装置の分野においては、特許文献1に記載のインクジェットヘッドのアクチュエータに接続される配線基板ユニットのように、駆動ICを制御する制御部からアクチュエータまでの構成を、制御部側から順に配線のみが形成されたケーブル(第2配線基板)と駆動ICが実装された配線基板(第1配線基板)を配置して、これらをつなげて配線基板ユニットを構成し、駆動ICが実装された第1配線基板をアクチュエータと接続している。
【0006】
【特許文献1】特開2006−103117号公報(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、例えば、上述したような記録装置の分野においては、高速印刷及び高解像度印刷の要求に応えるため、近年、駆動素子の数が増加する。すると、駆動素子の数が増加するのにともない、駆動素子に対応して駆動ICが実装された配線基板に形成される端子の数も増加し、この多数の端子に引き回される配線数も増加する。しかしながら、記録装置の大型化を避けるために配線基板が大型化しないように構成される。そのため、配線数が増加した場合に、配線を細くしたり、各配線の間隔を小さくしたりする必要がある。駆動ICが実装された配線基板は、配線が細くなったり、各配線の間隔が小さくなったりすると、コストがかかるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、駆動素子が増加した場合であっても、駆動ICが実装された第1配線基板における配線の数を抑えて構成することが可能な配線基板ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の配線基板ユニットは、アクチュエータの複数の駆動素子を駆動する駆動ICを有し、前記アクチュエータと前記駆動ICを制御する制御基板とを電気的に接続するために、前記アクチュエータの前記複数の駆動素子にそれぞれ対応した複数の接続端子が配置された接続面に接続される配線基板ユニットであって、前記駆動ICが実装された第1配線基板と、前記第1配線基板と接続され、前記制御基板から前記駆動ICへの入力配線が形成された第2配線基板と、を備えており、前記第1配線基板と前記第2配線基板は接続されて一体となった状態で折り曲げられて、その一方の配線基板が前記接続面に対向し、他方の配線基板が前記アクチュエータとともに前記一方の配線基板を挟むように、前記一方の配線基板に重ねられており、前記駆動ICは、前記第2配線基板の前記入力配線と接続される入力端子と、前記複数の駆動素子にそれぞれ駆動信号を出力するための複数の駆動信号出力端子と、を備えており、前記第1配線基板には、前記駆動ICの前記複数の駆動信号出力端子の少なくとも一部と接続された第1端子が設けられており、前記第2配線基板には、平面視で前記第1配線基板の前記第1端子と重ならない領域に、前記制御基板から前記駆動ICを経由せずに直接前記アクチュエータに供給される信号用の第2端子、または、前記駆動信号出力端子の残りと接続された第3端子が設けられており、前記アクチュエータと対向する前記一方の配線基板の端子が、前記アクチュエータの前記接続面の前記接続端子に接続されるとともに、前記他方の配線基板の端子が、前記一方の配線基板の端子が形成された面から露出して、前記アクチュエータの前記接続面の前記接続端子に接続されている。
【0010】
本発明における配線基板ユニットによると、アクチュエータの接続面の接続端子に接続される端子を、駆動ICが実装された第1配線基板だけではなく、第2配線基板にもわけて設けている。第2配線基板は、第1配線基板に比べて配線数が少なく、配線を引き回した上で、端子を設けるスペースを確保できる。したがって、アクチュエータに接続される端子が、第1配線基板と第2配線基板に分けて設けられているため、この端子が第1配線基板だけに設けられる場合に比べて、第2配線基板の配線が引き回されていないスペースを有効活用して、第1配線基板に設けられる端子数を減らすことができる。そのため、第1配線基板に設けられた駆動ICから第1端子の間の配線の数も減らすことができる。これにより、駆動素子の数が増加しても、アクチュエータに接続される端子が第1配線基板にのみ形成されることで、第1配線基板に設けられる端子の数が増加するのを抑え、第1配線基板に設けられる配線の数が増えるのを抑えることができる。
【0011】
また、前記第1配線基板は、前記第2配線基板を挟んで前記アクチュエータと対向しており、前記第1配線基板の前記第1端子は、前記第2配線基板と対向して配置されており、前記第2配線基板には、前記第1配線基板の前記第1端子と対向する位置に、前記第1端子を前記第2配線基板の端子が形成された面から露出させる貫通孔が形成されていることが好ましい。駆動ICが実装された第1配線基板は、配線ピッチが狭く、例えば、塵やホコリなどの小さな異物が配線間に付着してショートしやすい。そのため、第1配線基板の配線が形成された面をレジストで保護することがある。しかしながら、本発明においては、第1配線基板と第2配線基板が重ねられたときに、第1配線基板の端子に引き回された配線が形成されたアクチュエータ側の面は、第2配線基板の対向する面と近接して、この第2配線基板の面により保護されるため、狭い配線ピッチのため、絶縁性の高い高価なレジストを形成しなくてもよく、第1配線基板のコストを低減することができる。
【0012】
さらに、前記第2配線基板には、前記駆動ICに接続されない前記第2端子が設けられていることが好ましい。これによると、第2配線基板に設けられた第2端子は、制御基板から駆動ICを経由せずに直接アクチュエータに供給される信号用の端子であり、第1配線基板に実装された駆動ICに供給する必要のない信号用の端子であり、第2配線基板から第1配線基板に引き回される配線の数を減らすことができる。
【0013】
また、前記第1配線基板には、前記駆動信号出力端子と前記第1端子とを接続する第1接続配線が設けられており、前記第2配線基板には、前記駆動信号出力端子の残りと接続された前記第3端子が設けられており、前記第1配線基板と前記第2配線基板には、さらに、前記第1配線基板の前記駆動ICの前記駆動信号出力端子から前記第2配線基板に延びて、前記第3端子に接続される第2接続配線が設けられていてもよい。これによると、駆動信号出力端子と接続される端子である第1端子と第3端子が、第1配線と第3配線とに分けて接続されている。そのため、第1配線基板に、駆動信号出力端子と接続するための配線が集中しない。したがって、駆動ICが実装された第1配線基板における配線の数をさらに抑えることができる。
【0014】
また、前記第1配線基板は、前記第2配線基板と前記アクチュエータの間に挟まれて配置されていてもよい。第1配線基板の端子数は、第2配線基板の端子数に比べて非常に多い。この第1配線基板を第2配線基板よりもアクチュエータ側に配置して接続することで、第2配線基板の端子に比べて第1配線基板の端子をアクチュエータの接続面の接続端子に確実に接続することができる。
【0015】
このとき、前記アクチュエータは、定電位が付与される定電位電極を有しており、前記第2配線基板には、複数の前記第2端子が設けられており、前記複数の第2端子は、前記定電位電極と接続されることが好ましい。これによると、たとえ第2配線基板にアクチュエータから離れる方向の力が加わって、第2配線基板のいくつかの第2端子が剥離したとしても、第2配線基板の全ての第2端子には、同じ定電位が付与されているため、アクチュエータの定電位電極に対しては、剥離していない第2端子から定電位が付与される。また、第2配線基板に設けられた第2端子は、制御基板から駆動ICを経由せずに直接アクチュエータに供給される信号用の端子であり、第1配線基板に実装された駆動ICに供給する必要のない信号用の端子である。したがって、駆動ICの駆動信号出力端子と第2端子を接続する配線が必要なく、第1配線基板及び第2配線基板の複数の配線の並ぶ方向に関する幅を小さくすることができる。
【0016】
また、複数のノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドの配線基板ユニットであって、前記複数のノズルは、前記第1配線基板の面と平行な一方向に間隔をあけて、互いに異なる種類の液体を噴射する2種類のノズル群にわかれて配置されており、前記第1配線基板の前記第1端子は、前記複数のノズルに対応して配置されており、前記第2配線基板の前記第2端子は、平面視で前記2種類のノズル群の間の領域に重なるように配置されていることが好ましい。
【0017】
2種類のノズル群の間は、例えば、ノズルの乾燥などを防ぐためのキャップをノズル群ごとに仕切る仕切り板が配置されたり、複数のノズルが形成された噴射面をワイパで払拭する際に、異なる種類の液体が混ざりにくくするように距離をあけたりするために形成されており、液体噴射ヘッドにとって必要なスペースとなっている。すると、これに対応して、配線基板にも同様のスペースが形成されることになる。一方、第1配線基板を挟んでアクチュエータと対向する第2配線基板の端子をアクチュエータに接続させるには、大きなスペースを要する。そこで、この配線基板のスペースに制御基板から駆動ICを経由せずに直接アクチュエータに供給される信号が入力される端子を配置することで、従来において、端子を設けていた領域をなくして、配線基板ユニットを小型化することができる。
【0018】
また、前記第1配線基板には、前記駆動信号出力端子と前記第1端子とを接続する第1接続配線が設けられており、前記第2配線基板には、前記駆動信号出力端子の残りと接続された前記第3端子が設けられており、前記第1配線基板と前記第2配線基板には、さらに、前記第1配線基板の前記駆動ICの前記駆動信号出力端子から前記第2配線基板に延びて、前記第3端子に接続される第2接続配線が設けられていてもよい。これによると、特に狭い配線ピッチで配線が引き回されて、駆動信号出力端子に接続される第1端子にかわって、その一部を第3端子として第2配線基板に設けている。したがって、駆動ICが実装された第1配線基板における配線の数をさらに抑えることができる。
【0019】
一方、別の観点では、本発明の配線基板ユニットは、アクチュエータの複数の駆動素子を駆動する駆動ICを有し、前記アクチュエータと前記駆動ICを制御する制御基板とを電気的に接続するために、前記アクチュエータの前記複数の駆動素子にそれぞれ対応した複数の接続端子が配置された接続面に接続される配線基板ユニットであって、前記駆動ICが実装された第1配線基板と、前記第1配線基板と接続され、前記制御基板から前記駆動ICへの入力配線が形成された第2配線基板と、を備えており、前記第1配線基板と前記第2配線基板は接続されて一体となった状態で折り曲げられて、前記第1配線基板が前記接続面に対向し、前記第2配線基板が前記アクチュエータとともに前記第1配線基板を挟むように、前記第1配線基板に重ねられており、前記駆動ICは、前記第2配線基板の前記入力配線と接続される入力端子と、前記複数の駆動素子にそれぞれ駆動信号を出力するための複数の駆動信号出力端子と、を備えており、前記第1配線基板には、前記接続面と対向する一方の面に設けられ、前記駆動ICの前記複数の駆動信号出力端子の少なくとも一部と接続された第1端子が設けられており、前記第2配線基板には、前記第1配線基板と対向する面に設けられ、平面視で前記第1配線基板の前記第1端子と重ならない領域に、前記制御基板から前記駆動ICを経由せずに直接前記アクチュエータに供給される信号用の第2端子、または、前記駆動信号出力端子の残りと接続された第3端子が設けられており、さらに、前記第1配線基板には、前記第2配線基板と対向する他方の面に設けられ、前記第2端子または前記第3端子と接続される第4端子と、前記一方の面に設けられ、前記第4端子のみとスルーホールを介して接続された第5端子が設けられており、前記第1配線基板の前記第1端子と前記第5端子が、前記アクチュエータの前記接続面の前記接続端子に接続されている。
【0020】
本発明における配線基板ユニットによると、アクチュエータの接続面の接続端子に接続される端子へ引き回される配線を、駆動ICが実装された第1配線基板だけではなく、第2配線基板にもわけて設けている。第2配線基板は、第1配線基板に比べて配線数が少なく、入力配線を引き回した上で、他の配線を設けるスペースを確保できる。したがって、第1配線基板と第2配線基板に分けて配置を設けることができるため、配線が第1配線基板だけに設けられる場合に比べて、第1配線基板に引き回される配線数を減らすことができる。そのため、駆動ICが実装された第1配線基板における配線の数を抑えることができる。また、第1配線基板の端子数は、第2配線基板の端子数に比べて非常に多い。この第1配線基板を第2配線基板よりもアクチュエータ側に配置することで、第2配線基板の端子に比べて第1配線基板の端子をアクチュエータの接続面の接続端子に確実に接続することができる。
【発明の効果】
【0021】
アクチュエータの接続面の接続端子に接続される端子を、駆動ICが実装された第1配線基板だけではなく、第2配線基板にもわけて設けていることで、第2配線基板の配線が引き回されていないスペースを有効活用して、第1配線基板に設けられる端子数を減らすことができる。そのため、駆動ICが実装された第1配線基板における配線の数を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。
【図2】インクジェットヘッドの平面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】配線基板ユニットによるアクチュエータユニットと制御基板との接続構成を示す概略図である。
【図5】アクチュエータユニットに接続された配線基板ユニットを走査方向から見たときの側面図である。
【図6】折り曲げられてアクチュエータユニットに接続される前の配線基板ユニットの平面図である。
【図7】変形例においてアクチュエータユニットに接続された配線基板ユニットを走査方向から見たときの側面図であり、(a)は変形例1のときであり、(b)は変形例2のときである。
【図8】変形例3において折り曲げられてアクチュエータユニットに接続される前の配線基板ユニットの平面図である。
【図9】変形例4について説明する図であり、(a)はインクジェットヘッドの平面図であり、(b)は折り曲げられてアクチュエータユニットに接続される前の配線基板ユニットの平面図であり、(c)は(b)のB−B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。本実施形態は、記録用紙に対してインクジェットヘッドからインクを噴射して、画像や文字などを記録するインクジェットプリンタに設けられた配線基板ユニットに本発明を適用した一例である。
【0024】
まず、インクジェットプリンタの概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。図1に示すように、プリンタ1は、キャリッジ2、インクジェットヘッド3(液体噴射ヘッド)、搬送ローラ4などを備えている。
【0025】
キャリッジ2は、走査方向(図1の左右方向)に往復移動する。インクジェットヘッド3は、キャリッジ2の下面に取り付けられており、その下面に形成されたノズル35(図3参照)からインクを噴射する。搬送ローラ4は、記録用紙Pを紙送り方向(図1の手前方向)に搬送する。そして、プリンタ1においては、搬送ローラ4によって紙送り方向に搬送される記録用紙Pに、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動するインクジェットヘッド3のノズル35からインクが噴射されることにより、記録用紙Pに画像や文字などが記録される。また、画像や文字などが記録された記録用紙Pは、搬送ローラ4によって紙送り方向に排出される。
【0026】
次に、インクジェットヘッド3について説明する。図2は、インクジェットヘッドの平面図である。図3は、図2のA−A線断面図である。なお、図3では、アクチュエータユニット31の上方に配置される後述する配線基板ユニット50も示している。図2及び図3に示すように、インクジェットヘッド3は、インク流路が形成された流路ユニット30と、インク流路内のインクに噴射圧力を付与する圧電式のアクチュエータユニット31と、アクチュエータユニット31の上面を覆い、制御基板60(図4参照)からの信号をアクチュエータユニット31に対して送る配線基板ユニット50とを有している。
【0027】
まず、流路ユニット30について説明する。流路ユニット30には、図示しない4つのインクカートリッジにそれぞれ接続される4つのインク供給口32と、このインク供給口32から分岐して走査方向と直交する図2の上下方向(紙送り方向)に沿って延びる4つのマニホールド33と、各マニホールド33に連通した複数の圧力室34と、複数の圧力室34にそれぞれ連通する複数のノズル35が形成されている。複数のノズル35と複数の圧力室34は、紙送り方向に配列されてノズル列と圧力室の列を形成しているとともに、このようなノズル列と圧力室の列が走査方向に4列配列されている。そして、図2の左方のノズル列に属するノズル35から順に、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのインクが噴射される。
【0028】
次に、アクチュエータユニット31について説明する。アクチュエータユニット31は、複数の圧力室34を覆うように流路ユニット30に接合された振動板40と、振動板40の上面に配置された圧電層41と、圧電層41の上面に複数の圧力室34に対応して設けられた複数の個別電極42と、複数の個別電極42の端部に形成された複数の個別ランド43と、圧電層41の上面の走査方向の両端において紙送り方向に延在し、常時グランド電位が付与された2つのグランド電極44(定電位電極)と、グランド電極44上に形成された複数のグランド用ランド45とを有している。なお、本実施形態における個別ランド43とグランド用ランド45が、本発明における接続端子に相当する。
【0029】
振動板40は、金属材料で形成されており、圧電層41に形成されたスルーホール(図示せず)を介してグランド電極44と接続されて、常時グランド電位に保持されている。そして、このアクチュエータユニット31は、配線基板ユニット50の後述するCOF52に実装されたドライバIC53(図5参照)から個別電極42にパルス状の駆動信号が供給されたときに、個別電極42と振動板40の間に生じる電界により、その間の圧電層41が圧電歪みを起こして、振動板40に撓み変形を生じさせるようになっている。この振動板40の撓み変形により圧力室34の容積が変動することで、圧力室34内のインクに圧力が付与され、圧力室34に連通するノズル35からインクが噴射される。複数の個別ランド43は、複数のノズル35に対応して紙送り方向に所定間隔をあけて並べて配置されているとともに、この列が走査方向に4列並べて配置されている。なお、本実施形態における圧電層41の圧電歪みを生じる部分が、本発明における駆動素子に相当する。
【0030】
次に、配線基板ユニット50について説明する。図4は、配線基板ユニットによるアクチュエータユニットと制御基板との接続構成を示す概略図である。図5は、アクチュエータユニットに接続された配線基板ユニットを走査方向から見たときの側面図である。図6は、折り曲げられてアクチュエータユニットに接続される前の配線基板ユニットの平面図である。
【0031】
図4に示すように、配線基板ユニット50は、ドライバIC53(駆動IC)が実装されたフレキシブル配線基板52(Chip On Film:COF)と、COF52と制御基板60とを接続するフレキシブル配線基板51(Flexible Printed Circuits:FPC)とを有している。なお、図示していないが、FPC51と制御基板60の間には、フレキシブルフラットケーブル(FFC)が中継されている。
【0032】
そして、図5に示すように、配線基板ユニット50は、アクチュエータユニット31の個別ランド43やグランド用ランド45が形成された上面(接続面)と対向するようにCOF52が配置され、COF52のアクチュエータユニット31とは反対側にFPC51が重ねられて配置されている。
【0033】
制御基板60は、ドライバIC53に対して、CLK、Fire、SINなどの入力信号をそれぞれ送信する。CLKは、制御基板60からドライバIC53へのデータ転送クロックである。Fireは、1つのノズル35に対する、液滴を噴射しない、及び、階調に応じた5種類の液滴噴射サイズ(液滴体積)の計6種類の噴射態様にそれぞれ対応した6種類の駆動波形データを直列に伝送するシリアルデータである。SINは、ドライバIC53に各ノズル35のそれぞれの噴射タイミングに6種類の噴射態様のうち1つを対応づけるための選択データを直列に伝送するシリアルデータである。また、制御基板60は、ドライバIC53を介さずに、直接アクチュエータユニット31のグランド電極44にグランド電位のグランド信号を送信する。
【0034】
図4〜図6に示すように、ドライバIC53は、制御基板60からの入力信号が入力される複数の入力端子53aと、複数の個別電極42にそれぞれ駆動信号を出力するための複数の駆動信号出力端子53bとを有している。このドライバIC53は、制御基板60から入力端子53aに入力された入力信号に応じて、Fireによって伝送された6種類の噴射態様に対応する駆動波形データの中から、各個別電極42ごとに駆動波形データを選択して、選択された駆動波形データをアクチュエータユニット31に適した電圧に増幅して、駆動信号出力端子53bから駆動信号としてアクチュエータユニット31の複数の個別電極42にそれぞれ出力する。
【0035】
なお、ドライバIC53の駆動信号出力端子53bの数は、入力端子53aの数に比べて非常に多くなっている。これは、入力端子53aに入力される信号が、Fire、SINなどのシリアルデータやCLK(データ転送クロック)であり、信号数が少ないのに対して、駆動信号出力端子53bから出力される信号は、複数の個別電極42へ個別に出力される駆動信号であり、個別電極42の数だけ信号数が必要となるからである。
【0036】
図6に示すように、FPC51(第2配線基板)は、ポリイミドなどの絶縁性樹脂材料からなり、可撓性を有する基板55と、基板55に形成された複数の第1入力配線56と、複数の第1入力配線56のうちのグランド信号が入力されたグランド用第1入力配線56aと接続され、アクチュエータユニット31の圧電層41の上面に形成されたグランド用ランド45と接続されたグランド用バンプ57(第2端子)と、グランド用バンプ57を露出させつつ、基板55及び第1入力配線56を覆うレジスト58とを有している。グランド用第1入力配線56aは、FPC51のX方向の両側においてY方向に延在しており、その延在方向に沿って間隔をあけて3つのグランド用バンプ57が配置されている。グランド用第1入力配線56aを除く複数の第1入力配線56は、FPC51のX方向の中央においてX方向に間隔をあけて並んで、Y方向に延在している。
【0037】
COF52(第1配線基板)は、ポリイミドなどの絶縁性樹脂材料からなり、可撓性を有する基板61と、基板61に形成され、グランド用第1入力配線56aを除く複数の第1入力配線56とドライバIC53の複数の入力端子53aを接続する複数の第2入力配線62と、ドライバIC53の複数の駆動信号出力端子53bと接続された複数の出力配線63(第1接続配線)と、出力配線63と接続され、且つ、アクチュエータユニット31の圧電層41の上面に形成された個別電極42と接続された駆動用バンプ64(第1端子)と、駆動用バンプ64を露出させつつ、基板61、第2入力配線62及び出力配線63を覆うレジスト65と、FPC51と重ねられたときにグランド用バンプ57と対向する貫通孔66とを有している。複数の出力配線63は、ドライバIC53の複数の駆動信号出力端子53bから複数の駆動用バンプ64まで、他の配線と交差しないように引き回されている。
【0038】
そして、FPC51とCOF52は、FPC51の各種配線やバンプが形成された面と、COF52の各種配線やバンプが形成されていない面が同一面となるように接続されて、配線基板ユニット50を構成している。このような配線基板ユニット50の構成において、図5に示すように、FPC51の各種配線やバンプが形成された面とCOF52の各種配線やバンプが形成されていない面が対向するように、COF52が折り曲げられて、COF52とFPC51が重ねられると、FPC51に形成されたグランド用バンプ57は、COF52に形成された貫通孔66から露出し、その頂点がCOF52に形成された駆動用バンプ64の頂点と同一平面上に配置される。
【0039】
次に、配線基板ユニット50とアクチュエータユニット31との接続について説明する。まず、紙送り方向とY方向が平行となるように、アクチュエータユニット31の圧電層41の上面にCOF52の各種配線やバンプが形成された面を対向させて配置する。このとき、COF52に形成された駆動用バンプ64と、アクチュエータユニット31の圧電層41の上面に形成された複数の個別ランド43を位置合わせして接続する。すると、COF52に形成された貫通孔66と、圧電層41の上面に形成されたグランド用ランド45が対向する。
【0040】
その後、COF52を折り曲げてCOF52にFPC51を重ねると、FPC51に形成されたグランド用バンプ57は、COF52に形成された貫通孔66から露出する。そして、COF52の貫通孔66から露出したグランド用バンプ57は、圧電層41の上面に形成されたグランド用ランド45と位置合わせすることなく接続される。
【0041】
ここで、上述したように、シリアルデータなどが入力される第1入力配線56と第2入力配線62の配線数に比べて、複数の個別電極42へ駆動信号を出力する出力配線63の配線数は非常に多くなっている。したがって、COF52内において、ドライバIC53の駆動信号出力端子53bから駆動用バンプ64への出力配線63の引き回しは狭い配線ピッチになり複雑である。そこで、本実施形態においては、アクチュエータユニット31の圧電層41の上面の各種ランドや電極に接続されるバンプを、ドライバIC53が実装されたCOF52だけではなく、FPC51にもわけて設けている。具体的には、グランド用ランド45も接続されるグランド用バンプ57をCOF52ではなく、FPC51に設けている。FPC51は、COF52に比べて配線数が少なく、配線を引き回した上で、バンプを設けるスペースを十分確保できる。したがって、FPC51の配線が引き回されていないスペースを有効活用して、COF52に設けられるバンプ数を減らして、COF52における配線の数を抑えることができる。
【0042】
また、FPC51とCOF52は接続され、且つ、重ねられているため、配線基板ユニット50を積層方向に関して小型化することができる。また、FPC51またはCOF52にアクチュエータユニット31から離れる方向の力が加わったときに、COF52に全てのバンプが形成されずに、一部のバンプがFPC51に形成されているため、COF52のバンプとFPC51のバンプにその力を分散させることができ、接合強度が高く、アクチュエータユニット31からの配線基板ユニット50のずれや剥離を防止することができる。
【0043】
さらに、上述したように、COF52のバンプ数は、FPC51のバンプ数に比べて非常に多い。このバンプ数が多いCOF52をFPC51よりもアクチュエータユニット31側に配置して接続することで、FPC51のバンプに比べてCOF52のバンプをアクチュエータユニット31の圧電層41の上面のランドに確実に接続することができる。
【0044】
また、FPC51に設けられたグランド用バンプ57は、制御基板60からドライバIC53を経由せずに直接アクチュエータユニット31に供給されるグランド信号用のバンプであり、COF52に実装されたドライバIC53に供給する必要のない信号用のバンプである。したがって、ドライバIC53の駆動信号出力端子53bとグランド用バンプ57を接続する配線が必要なく、COF52に引き回される配線の数を減らすことができる。
【0045】
さらに、たとえFPC51にアクチュエータユニット31から離れる方向の力が加わって、FPC51のいくつかのグランド用バンプ57がアクチュエータユニット31のグランド電極44から剥離したとしても、FPC51の全てのグランド用バンプ57には、同じ定電位であるグランド電位が付与されているため、アクチュエータユニット31のグランド電極44に対しては、剥離していないグランド用バンプ57からグランド電位が付与される。
【0046】
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、上述した実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0047】
本実施形態においては、アクチュエータユニット31の上面に対向してCOF52が配置され、その上にFPC51が重ねられていたが、図7(a)に示すように、アクチュエータユニット31の上面に対向して、FPC51が配置され、その上にCOF52が重ねられてもよい(変形例1)。このとき、FPC51には、COF52の駆動用バンプ64を貫通させる貫通孔90が形成される。ドライバIC53が実装されたCOF52は、配線ピッチが狭く、例えば、塵やホコリなどの小さな異物が配線間に付着してショートしやすい。そのため、本実施形態のように、COF52の配線が形成された面をレジストで保護することがある。しかしながら、本変形例においては、COF52とFPC51が重ねられたときに、COF52の配線が形成されたアクチュエータユニット31側の面は、FPC51の対向する面と近接して、このFPC51の面により保護されるため、レジストを形成しなくてもよく、COF52のコストを低減することができる。また、レジストを形成する製造工程を簡略化することができる。
【0048】
また、本実施形態においては、アクチュエータユニット31のランドに接続されるバンプをFPC51とCOF52に分けて形成していたが、COF52に全ての出力バンプを形成して、ドライバIC53の駆動信号出力端子53bから駆動用バンプ64への出力配線63をFPC51とCOF52に分けて引き回すことも可能である(変形例2)。以下、具体例について図7(b)を参照して説明する。
【0049】
本実施形態では、図5に示すように、FPC51に形成されたグランド用バンプ57をCOF52の貫通孔66を介して露出させていたが、本変形例では、COF52に貫通孔は形成されていない。そして、図7(b)に示すように、COF252にグランド用バンプ257と、スルーホール258を介してグランド用バンプ257と接続された第1接続バンプ259(第4端子)とを形成しており、FPC251に第1接続バンプ259と接続される第2接続バンプ260(第5端子)を形成している。この第2接続バンプ260が本実施形態におけるグランド用バンプ57に相当し、グランド用第1入力配線56aと接続されている。これによっても、上述した実施形態と同様の効果を奏する。また、アクチュエータユニット31に接続される複数の出力バンプは全てCOF252に形成されているため、上述した実施形態のように、FPC51に一部のグランド用バンプ57が形成されている場合に比べて、接点高さが均一になりやすく、アクチュエータユニット31のランドとの接続不良を低減することができる。また、この変形例2は、変形例1のようにFPC51とCOF52の配置が逆の場合においても適用することができる。
【0050】
また、本実施形態においては、制御基板60からドライバIC53を経由せずに直接アクチュエータユニット31に送信されるグランド信号用のグランド用バンプ57をCOF52からわけてFPC51に形成していたが、COF52からFPC51にわけるバンプは、ドライバIC53から個別電極42に入力される駆動用バンプ64でもよい(変形例3)。例えば、図8に示すように、ドライバIC53から離れており、COF352に形成され、出力配線の引き回しが複雑になりやすい駆動用バンプ364の一部を、FPC351にわけて形成してもよい。FPC351に形成された駆動用バンプ364a(第3端子)は、ドライバIC53の駆動信号出力端子53bと第2出力配線365(第2接続配線)を介して接続されている。FPC351とCOF352を重ねたときに、FPC351の駆動用バンプ364aと対向するCOF352の位置には、貫通孔366が形成されており、駆動用バンプ364aは貫通孔366から露出する。そして、グランド用バンプ357は、COF352に形成されている。なお、グランド用バンプ57は、本実施形態と同様に、FPC351に形成されていてもよい。これによると、COF352からFPC351に引き回され、駆動信号出力端子53bとFPC351に形成された駆動用バンプ364aとを接続する第2出力配線365と、FPC351からCOF352に引き回され、ドライバIC53の入力端子53aに接続される第1入力配線56は、信号を送信する方向が逆であるため、電流の流れる向きが逆である。したがって、両配線間において互いの配線まわりに形成される磁界が打ち消され、信号にのるノイズを低減することができる。
【0051】
さらに、本実施形態においては、図2に示すように、アクチュエータユニット31の走査方向の両側にグランド電極44とグランド用ランド45が形成されていたが、図9(a)に示すように、例えば、マゼンタ、シアン、イエローのカラーインクを噴射するノズル列の群410と、ブラックインクを噴射するノズル列の群420のように、異なる2種類の液体を噴射するノズル群の間には、ノズル35の乾燥などを防ぐためのキャップ(図示せず)をノズル群ごとに仕切る仕切り板が配置されたり、複数のノズル35が形成された噴射面をワイパ(図示せず)で払拭する際に、異なる種類の液体が混ざりにくくするように距離をあけたりするために隙間400が形成されており、インクジェットヘッド403にとって必要なスペースとなっている。
【0052】
すると、図9(b)及び図9(c)に示すように、配線基板ユニット450にも隙間400に対応するスペース430が形成されることになる。一方、COF452を挟んでアクチュエータと対向するFPC451のグランド用バンプ457をアクチュエータユニット31のグランド用ランド45に接続させるには、大きなスペースを要する。そこで、この配線基板ユニット450のスペースに、制御基板60からドライバIC53を経由せずに直接アクチュエータユニット31に供給されるグランド信号が入力されるグランド用バンプ457を配置する。FPC451とCOF452を重ねたときに、FPC451のグランド用バンプ457と対向するCOF452の位置には、貫通孔466が形成されており、グランド用バンプ457は貫通孔466から露出する。これにより、従来において、グランド用バンプ457を設けていた領域をなくして、配線基板ユニット450を小型化することができる。
【0053】
また、制御基板60からドライバIC53を経由せずに直接アクチュエータユニット31に供給される信号としては、グランド信号に限られず、例えば、特開2009−96173号公報に記載されているような2枚の圧電層が互いに積層されており、上側の圧電層の上面、2つの圧電層の間、及び、下側の圧電層の下面の厚み方向における異なる位置に、それぞれ、複数の個別電極、一定のグランド電位に保持された共通電極、及び、一定の駆動電位に保持された共通電極が配置されているアクチュエータユニットについては、一定の駆動電位が入力される信号であってもよい。
【0054】
また、本実施形態においては、2つの接点を接続する構成として、配線基板ユニット50側にバンプが用いられており、アクチュエータユニット31側にランドが用いられており、バンプとランドを接続する構成であったが、それぞれの接点にバンプが用いられており、バンプ同士を接続する構成であってもいいし、配線基板ユニット50側にランドが用いられており、アクチュエータユニット31側にバンプが用いられて、バンプとランドを接続する構成であってもよい。
【0055】
また、本実施形態においては、FPC52に形成されたグランド用バンプ57は、COF51の貫通孔66を介してアクチュエータユニット31側に露出していたが、COF51に貫通孔66は形成されずに、FPC52とCOF51がずれて重ねられており、FPC52に形成されたグランド用バンプ57がCOF51とは対向していない、ずれた位置からアクチュエータユニット31側に露出していてもよい。
【0056】
さらに、本実施形態において説明した配線基板ユニット50は、ドライバIC53に接触して、ドライバIC53を冷却するヒートシンクでアクチュエータユニット31側に押圧することで、その姿勢を整えることも可能である。
【0057】
また、COF52に形成された駆動用バンプ64は、Y方向に並べて配置されて列を形成しており、この列がY方向と直交するX方向に並べて配置されていたが、駆動用バンプ64の配置について規則性がなく、ランダムに配置されていてもよい。
【0058】
また、ドライバIC53が配置され、アクチュエータユニット31と接続されるCOF51としてフレキシブルな基板を用いていたが、フレキシブルな基板である必要はなく、硬質なプリント基板であって、COF51とFPC52の境界近傍の折り曲げられる部分だけ可撓性を有していればよい。
【0059】
以上説明した実施形態及びその変更例は、インクジェットヘッドのアクチュエータ駆動用の配線基板ユニットに本発明を適用したものであるが、本発明の適用対象はこのような配線基板ユニットに限られるものではなく、その用途にかかわらず、種々の信号の送信や電力供給などを行う配線基板ユニットに本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 プリンタ
3 インクジェットヘッド
31 アクチュエータユニット
43 個別ランド
45 グランド用ランド
50 配線基板ユニット
51 COF
52 FPC
53 ドライバIC
53a 入力端子
53b 駆動信号出力端子
56 第1入力配線
56a グランド用第1入力配線
57 グランド用バンプ
60 制御基板
62 第2入力配線
63 出力配線
64 駆動用バンプ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータの複数の駆動素子を駆動する駆動ICを有し、前記アクチュエータと前記駆動ICを制御する制御基板とを電気的に接続するために、前記アクチュエータの前記複数の駆動素子にそれぞれ対応した複数の接続端子が配置された接続面に接続される配線基板ユニットであって、
前記駆動ICが実装された第1配線基板と、
前記第1配線基板と接続され、前記制御基板から前記駆動ICへの入力配線が形成された第2配線基板と、を備えており、
前記第1配線基板と前記第2配線基板は接続されて一体となった状態で折り曲げられて、その一方の配線基板が前記接続面に対向し、他方の配線基板が前記アクチュエータとともに前記一方の配線基板を挟むように、前記一方の配線基板に重ねられており、
前記駆動ICは、前記第2配線基板の前記入力配線と接続される入力端子と、前記複数の駆動素子にそれぞれ駆動信号を出力するための複数の駆動信号出力端子と、を備えており、
前記第1配線基板には、前記駆動ICの前記複数の駆動信号出力端子の少なくとも一部と接続された第1端子が設けられており、
前記第2配線基板には、平面視で前記第1配線基板の前記第1端子と重ならない領域に、前記制御基板から前記駆動ICを経由せずに直接前記アクチュエータに供給される信号用の第2端子、または、前記駆動信号出力端子の残りと接続された第3端子が設けられており、
前記アクチュエータと対向する前記一方の配線基板の端子が、前記アクチュエータの前記接続面の前記接続端子に接続されるとともに、前記他方の配線基板の端子が、前記一方の配線基板の端子が形成された面から露出して、前記アクチュエータの前記接続面の前記接続端子に接続されていることを特徴とする配線基板ユニット。
【請求項2】
前記第1配線基板は、前記第2配線基板を挟んで前記アクチュエータと対向しており、
前記第1配線基板の前記第1端子は、前記第2配線基板と対向して配置されており、
前記第2配線基板には、前記第1配線基板の前記第1端子と対向する位置に、前記第1端子を前記第2配線基板の端子が形成された面から露出させる貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の配線基板ユニット。
【請求項3】
前記第2配線基板には、前記駆動ICに接続されない前記第2端子が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板ユニット。
【請求項4】
前記第1配線基板には、前記駆動信号出力端子と前記第1端子とを接続する第1接続配線が設けられており、
前記第2配線基板には、前記駆動信号出力端子の残りと接続された前記第3端子が設けられており、
前記第1配線基板と前記第2配線基板には、さらに、前記第1配線基板の前記駆動ICの前記駆動信号出力端子から前記第2配線基板に延びて、前記第3端子に接続される第2接続配線が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板ユニット。
【請求項5】
前記第1配線基板は、前記第2配線基板と前記アクチュエータの間に挟まれて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の配線基板ユニット。
【請求項6】
前記アクチュエータは、定電位が付与される定電位電極を有しており、
前記第2配線基板には、複数の前記第2端子が設けられており、
前記複数の第2端子は、前記定電位電極と接続されることを特徴とする請求項5に記載の配線基板ユニット。
【請求項7】
複数のノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドの配線基板ユニットであって、
前記複数のノズルは、前記第1配線基板の面と平行な一方向に間隔をあけて、互いに異なる種類の液体を噴射する2種類のノズル群にわかれて配置されており、
前記第1配線基板の前記第1端子は、前記複数のノズルに対応して配置されており、
前記第2配線基板の前記第2端子は、平面視で前記2種類のノズル群の間の領域に重なるように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の配線基板ユニット。
【請求項8】
前記第1配線基板には、前記駆動信号出力端子と前記第1端子とを接続する第1接続配線が設けられており、
前記第2配線基板には、前記駆動信号出力端子の残りと接続された前記第3端子が設けられており、
前記第1配線基板と前記第2配線基板には、さらに、前記第1配線基板の前記駆動ICの前記駆動信号出力端子から前記第2配線基板に延びて、前記第3端子に接続される第2接続配線が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の配線基板ユニット。
【請求項9】
アクチュエータの複数の駆動素子を駆動する駆動ICを有し、前記アクチュエータと前記駆動ICを制御する制御基板とを電気的に接続するために、前記アクチュエータの前記複数の駆動素子にそれぞれ対応した複数の接続端子が配置された接続面に接続される配線基板ユニットであって、
前記駆動ICが実装された第1配線基板と、
前記第1配線基板と接続され、前記制御基板から前記駆動ICへの入力配線が形成された第2配線基板と、を備えており、
前記第1配線基板と前記第2配線基板は接続されて一体となった状態で折り曲げられて、前記第1配線基板が前記接続面に対向し、前記第2配線基板が前記アクチュエータとともに前記第1配線基板を挟むように、前記第1配線基板に重ねられており、
前記駆動ICは、前記第2配線基板の前記入力配線と接続される入力端子と、前記複数の駆動素子にそれぞれ駆動信号を出力するための複数の駆動信号出力端子と、を備えており、
前記第1配線基板には、前記接続面と対向する一方の面に設けられ、前記駆動ICの前記複数の駆動信号出力端子の少なくとも一部と接続された第1端子が設けられており、
前記第2配線基板には、前記第1配線基板と対向する面に設けられ、平面視で前記第1配線基板の前記第1端子と重ならない領域に、前記制御基板から前記駆動ICを経由せずに直接前記アクチュエータに供給される信号用の第2端子、または、前記駆動信号出力端子の残りと接続された第3端子が設けられており、
さらに、前記第1配線基板には、前記第2配線基板と対向する他方の面に設けられ、前記第2端子または前記第3端子と接続される第4端子と、前記一方の面に設けられ、前記第4端子のみとスルーホールを介して接続された第5端子が設けられており、
前記第1配線基板の前記第1端子と前記第5端子が、前記アクチュエータの前記接続面の前記接続端子に接続されていることを特徴とする配線基板ユニット。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−253858(P2011−253858A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125161(P2010−125161)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】