説明

酸化剤を含む正エマルジョン及びアルカリ剤を含む組成物を使用して髪色を明色化する方法

本発明は、ケラチン物質を染色又はケラチン物質の色を明色化する方法であって、a)エマルジョンの総重量に対して、25wt%を超える1種又は複数の脂肪、1種又は複数の非イオン性オキシアルキレン界面活性剤、5wt%を超える水、及び1種又は複数の酸化剤を含む正エマルジョン(A)、並びにb)1種又は複数のアルカリ剤を含む組成物を実施する方法に関する。本発明はまた、複数のコンパートメントを有する用具であって、こうしたコンパートメントの1つにエマルジョン(A)、及び別のコンパートメントに1種又は複数のアルカリ剤を含んだ組成物(B)を含む用具に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の正エマルジョンを使用して、ヒトのケラチン物質を処理するための、特に毛髪を明色化する及び/又は染色するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケラチン繊維、具体的には毛髪などのヒトのケラチン繊維の染色及び脱色の分野では、化粧品中に酸化剤組成物が使用される。
【0003】
したがって、毛髪の酸化染色においては、酸化剤組成物は、それ自体では無色の酸化染料(ベース及びカプラー)と混合して、酸化縮合のプロセスによって有色の化合物及び染料を生成する。酸化剤組成物はまた、毛髪に対して明色化作用を有する着色を得るために、着色しており、着色性がある特定の直接染料との混合物として、毛髪の直接染色に使用される。ケラチン繊維の染色に通常使用される酸化剤の中で、過酸化水素、又は過酸化尿素などの加水分解によって過酸化水素を生成できる化合物、並びに過ホウ酸塩及び過硫酸塩などの過酸塩を挙げることができるが、よりとりわけて過酸化水素が好ましい。
【0004】
毛髪の脱色においては、脱色用組成物は1種又は複数の酸化剤を含む。これらの酸化剤の中で、通常最も使用される酸化剤は、過酸化水素、又は過酸化尿素などの加水分解によって過酸化水素を生成できる化合物である。過ホウ酸塩、過炭酸塩及び過硫酸塩などの過酸塩も使用することができる。
【0005】
これらの組成物は、使用時に水性過酸化水素組成物と混合されるアルカリ剤(アミン又はアンモニア水)を含む水性組成物とすることができる。
【0006】
これらの組成物は、アルカリ性化合物(アミン及びアルカリ性ケイ酸塩)、及び使用時に水性過酸化水素組成物で希釈される、アンモニウム又はアルカリ金属の過硫酸塩、過ホウ酸塩又は過炭酸塩などの過酸化試薬を含む無水生成物から形成することもできる。
【0007】
ケラチン繊維を染色及び/又は脱色するための組成物に、水の代わりに大量の油を導入すると、明色化活性剤の性能を向上させることができる。しかしながら、酸化剤組成物に大量の油を導入すると、組成物が不安定になり、その相は、数日後には分離する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】GB1026978
【特許文献2】GB1153196
【特許文献3】FR2801308
【特許文献4】DE2359399
【特許文献5】JP88-169571
【特許文献6】JP05-63124
【特許文献7】EP0770375
【特許文献8】WO96/15765
【特許文献9】DE3843892
【特許文献10】DE4133957
【特許文献11】WO94/08969
【特許文献12】WO94/08970
【特許文献13】FR-A-2733749
【特許文献14】DE19543988
【特許文献15】WO95/15144
【特許文献16】WO95/01772
【特許文献17】EP714954
【特許文献18】FR2189006
【特許文献19】FR2285851
【特許文献20】FR2140205
【特許文献21】EP1378544
【特許文献22】EP1674073
【特許文献23】EP1637566
【特許文献24】EP1619221
【特許文献25】EP1634926
【特許文献26】EP1619220
【特許文献27】EP1672033
【特許文献28】EP1671954
【特許文献29】EP1671955
【特許文献30】EP1679312
【特許文献31】EP1671951
【特許文献32】EP167952
【特許文献33】EP167971
【特許文献34】WO06/063866
【特許文献35】WO06/063867
【特許文献36】WO06/063868
【特許文献37】WO06/063869
【特許文献38】EP1408919
【特許文献39】EP1377264
【特許文献40】EP1377262
【特許文献41】EP1377261
【特許文献42】EP1377263
【特許文献43】EP1399425
【特許文献44】EP1399117
【特許文献45】EP1416909
【特許文献46】EP1399116
【特許文献47】EP1671560
【特許文献48】EP1006153
【特許文献49】EP1433472
【特許文献50】EP1433474
【特許文献51】EP1433471
【特許文献52】EP1433473
【特許文献53】EP6291333
【特許文献54】WO00/31154
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Walter Nollの「Chemistry and Technology of Silicones」(1968)、Academic Press
【非特許文献2】Todd & Byers、「Volatile Silicone Fluids for Cosmetics」、Cosmetics and Toiletries、Vol. 91、Jan. 76、27〜32頁
【非特許文献3】「The HLB system. A time-saving guide to Emulsifier Selection」、(ICI Americas Incから発行;1984)
【非特許文献4】K. Shinoda(J. Chem. Soc. Jpn.、1968、89、435)
【非特許文献5】K. Shinoda及びH. Saito、J. Colloid Interface Sci.、1969、30、258
【非特許文献6】「Application of the phase-inversion-temperature method to the emulsification of cosmetics」;T. Mitsui、Y. Machida及びF. Harusawa、American Cosmet. Perfum.、1972、87、33
【非特許文献7】T. Forster, W.von Rybinski及びA. Wadle: Influence of microemulsion phases on the preparation of fine disperse emulsions、Advances in Colloid and Interface Sciences、58、119〜149、1995
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、染色及び/又は脱色用組成物の明色化特性を向上させることができ、且つ経時的に安定であると同時に、その明色化及び均質性の観点から少なくとも効果が持続し、同時にケラチン繊維の質を保護する、新規な酸化剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの目的及びその他の目的は、本発明によって達成され、したがって、本発明の一主題は、ケラチン物質を明色化するための方法であり、少なくとも、a)エマルジョンの総重量に対して、重量で25%を超える量の1種又は複数の脂肪性物質;オキシエチレン化(OE)及び/又はオキシプロピレン化(OP)単位の数が1〜50の間である、1種又は複数のOE及び/又はOP非イオン性界面活性剤;重量で5%を超える量の水、及び1種又は複数の酸化剤を含む正エマルジョン(A)、並びにb)1種又は複数のアルカリ剤を含む組成物を用いてケラチン物質を処理することにある。
【0012】
本発明はまた、その1つに正エマルジョン(A)、及びもう1つに1種又は複数のアルカリ剤を含む組成物(B)を含む、マルチコンパートメント用具に関する。
【0013】
本発明の一主題はまた、エマルジョンの総重量に対して、重量で25%を超える量の1種又は複数の脂肪性物質;1種又は複数の界面活性剤;重量で5%を超える量の水、及び1種又は複数の酸化剤を含み、その界面活性剤の少なくとも1種は、HLBが8を超える、好ましくは8〜18の間のオキシエチレン化非イオン性界面活性剤から選択される、正エマルジョンである。
【0014】
本発明に関して、正エマルジョンは水中油型エマルジョンである。
【0015】
以下の本文中では、特に指示がない限り、値の範囲の境界はその範囲に含まれる。
【0016】
本発明による方法によって処理されるケラチン物質は、特に頭髪である。本発明の方法は、特に、刺激を与える恐れのあるアンモニア臭を発することなく、頭髪の明色化の良好なレベルを得ることができ、同時に、ケラチン繊維の質を良好に維持することができる。
【0017】
エマルジョン(A)は、より詳細には、エマルジョンの重量に対して重量で50%未満、好ましくは重量で10〜50%の含水量を有する。
【0018】
本発明で有用な水中油型エマルジョンは、1種又は複数の脂肪性物質を含む。
【0019】
用語「脂肪性物質」は、常温(25℃)及び大気圧(760mmHg)で水に不溶性(5%未満、好ましくは1%、さらにより優先的には0.1%の溶解性)である有機化合物を意味する。脂肪性物質は、少なくとも2つのシロキサン基の鎖、又は少なくとも6個の炭素原子を含む少なくとも1つの炭化水素系鎖の鎖をその構造中に示す。さらに、脂肪性物質は、通常、同じ温度及び気圧の下で、例えば、クロロホルム、エタノール、ベンゼン、液体ワセリン、又はデカメチルシクロペンタシロキサンなどの有機溶媒に可溶性である。
【0020】
特定の一実施形態によると、組成物は、25%を超える量の、脂肪酸以外の脂肪性物質を含む。
【0021】
脂肪性物質は、低級アルカン、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、脂肪アルコールエステルや、鉱物油、植物油、動物油又は合成油、好ましくは非シリコーンの、鉱物油、植物油、動物油又は合成油、非シリコーンワックス、並びにシリコーンから特に選択される。
【0022】
本発明のために、脂肪アルコール、脂肪エステル及び脂肪酸は、より詳細には、6〜30個の炭素原子を含む、1つ又は複数の、直鎖又は分岐の、飽和又は不飽和の炭化水素系基を含み、この炭化水素系基は、具体的には1個又は複数の(具体的には1〜4個の)ヒドロキシル基で、場合によって置換されている、炭化水素系基を含むことが思い起こされる。これらが不飽和の場合、これらの化合物は1〜3個の共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を含むことができる。
【0023】
低級アルカンに関しては、これらのアルカンは6〜16個の炭素原子を含み、直鎖又は分岐、場合によって環状である。例として、アルカンは、ヘキサン及びドデカン、並びにイソヘキサデカン及びイソデカンなどのイソパラフィンから選択することができる。
【0024】
本発明の組成物中で使用することができる非シリコーン油として、挙げることができる例には、
- ペルヒドロスクアレンなどの動物由来の炭化水素系油;
- 6〜30個の炭素原子を含む液体脂肪酸トリグリセリドなどの植物由来の炭化水素系油、例えばヘプタン酸又はオクタン酸トリグリセリド、又は代替として、例えば、ヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、マロー油、ブドウ種子油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、杏油、マカダミア油、アララ油(arara oil)、ヒマシ油、アボカド油、カプリル/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearineries Dubois社から販売されている油、又はDynamit Nobel社からMiglynol(登録商標)810、812及び818の名称で販売されている油、ホホバ油及びシアバター油;
- 16個超の炭素原子の、鉱物又は合成由来の直鎖又は分岐の炭化水素、例えば、液体パラフィン、ワセリン、液体ワセリン、ポリデセン、及びParleam(登録商標)などの水添ポリイソブテン;
- 部分的に炭化水素系のフルオロ油;挙げることができるフルオロ油はまた、BNFL Fluorochemicals社からFlutec(登録商標)PC1及びFlutec(登録商標)PC3の名称で販売されているペルフルオロメチルシクロペンタン及びペルフルオロ-1,3-ジメチルシクロヘキサン;ペルフルオロ-1,2-ジメチルシクロブタン;3M社からPF5050(登録商標)及びPF5060(登録商標)の名称で販売されているドデカフルオロペンタン及びテトラデカフルオロヘキサンなどのペルフルオロアルカン、又はAtochem社からForalkyl(登録商標)の名称で販売されているブロモペルフルオロオクチル;ノナフルオロメトキシブタン及びノナフルオロエトキシイソブタン;3M社からPF5052(登録商標)の名称で販売されている4-トリフルオロメチルペルフルオロモルホリンなどのペルフルオロモルホリン誘導体
が含まれる。
【0025】
本発明の組成物中で脂肪性物質として使用することができる脂肪アルコールは、アルキレン化され、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐状であり、6〜30個の炭素原子、より詳細には、8〜30個の炭素原子を含む。セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びそれらの混合物(セチルステアリルアルコール)、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコール又はリノレイルアルコールを挙げることができる。
【0026】
本発明の組成物中に使用することができる非シリコーンワックスは、カルナウバワックス、カンデリラワックス、アフリカハネガヤワックス、パラフィンワックス、オケゾライト、オリーブワックス、ライスワックス、水添ホホバワックスなどの植物ワックス、Bertin社(フランス)から販売されているブラックカラントの花のエキスワックスなどの花の無水ワックスや、動物性ワックス、例えば蜜蝋又は変性蜜蝋(セラベリナ(cerabellina))から選択され、本発明に従って使用することができるその他のワックス又はワックス状の出発材料は、特に、Sophim社から参照番号M82で販売されている製品などの海洋性ワックス、及び一般にポリエチレンワックス又はポリオレフィンワックスである。
【0027】
エステルは、飽和又は不飽和で直鎖又は分岐のC1〜C26脂肪族モノ又はポリ酸のエステル、及び飽和又は不飽和で直鎖又は分岐のC1〜C26脂肪族モノ又はポリアルコールのエステルであり、エステルの総炭素数は、より詳細には10個以上である。
【0028】
モノエステルの中で、ベヘン酸ジヒドロアビエチル;ベヘン酸オクチルドデシル;ベヘン酸イソセチル;乳酸セチル;C12〜C15乳酸アルキル;乳酸イソステアリル;乳酸ラウリル;乳酸リノレイル;乳酸オレイル;オクタン酸(イソ)ステアリル;オクタン酸イソセチル;オクタン酸オクチル;オクタン酸セチル;オレイン酸デシル;イソステアリン酸イソセチル;ラウリン酸イソセチル;ステアリン酸イソセチル;オクタン酸イソデシル;オレイン酸イソデシル;イソノナン酸イソノニル;パルミチン酸イソステアリル;リシノール酸メチルアセチル;ステアリン酸ミリスチル;イソノナン酸オクチル;イソノナン酸2-エチルヘキシル;パルミチン酸オクチル;ペラルゴン酸オクチル;ステアリン酸オクチル;エルカ酸オクチルドデシル;エルカ酸オレイル;パルミチン酸エチル及びイソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸イソプロピル、ブチル、セチル、2-オクチルドデシル、ミリスチル又はステアリル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル;リンゴ酸ジオクチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸2-ヘキシルデシルを挙げることができる。
【0029】
さらにこの変体に関して、C4〜C22ジカルボン酸又はトリカルボン酸の、C1〜C22アルコールのエステル、及びモノ、ジ又はトリカルボン酸の、及びC2〜C26ジ、トリ、テトラ又はペンタヒドロキシアルコールのエステルも使用することができる。
【0030】
以下のもの:セバシン酸ジエチル;セバシン酸ジイソプロピル;アジピン酸ジイソプロピル;アジピン酸ジ-n-プロピル;アジピン酸ジオクチル;アジピン酸ジイソステアリル;マレイン酸ジオクチル;ウンデシレン酸グリセリル;ステアリン酸オクチルドデシルステアロイル;モノリシノール酸ペンタエリスリチル;テトライソノナン酸ペンタエリスリチル;テトラペラルゴン酸ペンタエリスリチル;テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル;テトラオクタン酸ペンタエリスリチル;ジカプリル酸プロピレングリコール;ジカプリン酸プロピレングリコール;エルカ酸トリデシル;クエン酸トリイソプロピル;クエン酸トリイソステアリル;トリ乳酸グリセリル;トリオクタン酸グリセリル;クエン酸トリオクチルドデシル;クエン酸トリオレイル;ジオクタン酸プロピレングリコール;ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール;ジイソノナン酸ジエチレングリコール;及びジステアリン酸ポリエチレングリコールを、特に挙げることができる。
【0031】
上で述べたエステルの中で、パルミチン酸エチル、イソプロピル、ミリスチル、セチル又はステアリル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ブチル、セチル又は2-オクチルドデシルなどのミリスチン酸アルキル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル;リンゴ酸ジオクチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸2-ヘキシルデシル、イソノナン酸イソノニル又はオクタン酸セチルを使用することが好ましい。
【0032】
組成物はまた、C6〜C30の、好ましくはC12〜C22脂肪酸の糖エステル及びジエステルを、脂肪エステルとして含むことができる。用語「糖」は、少なくとも4個の炭素原子を含み、いくつかのアルコール官能基を含み、アルデヒド又はケトン官能基を有する又は有さない、酸素含有炭化水素系化合物を意味することが思い起こされる。これらの糖は、単糖、オリゴ糖又は多糖とすることができる。
【0033】
挙げることができる、適した糖の例には、スクロース(又はサッカロース)、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロース及びラクトース、並びにそれらの誘導体、特にメチル誘導体などのアルキル誘導体、例えばメチルグルコースが含まれる。
【0034】
脂肪酸の糖エステルは、特にエステル又は、前述の糖の、及び直鎖又は分岐の、飽和又は不飽和のC60〜C30、好ましくはC12〜C22脂肪酸のエステルの混合物を含む群から選択することができる。これらが不飽和の場合、これらの化合物は1〜3個の共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を含むことができる。
【0035】
この変体によるエステルはまた、モノ、ジ、トリ、テトラエステル及びポリエステル、並びにそれらの混合物から選択することができる。
【0036】
これらのエステルは、例えば、オレイン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、ココ酸(cocoate)、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、カプリン酸及びアラキドン酸、又はそれらの混合物、特にオレオパルミチン酸、オレオステアリン酸及びパルミトステアリン酸混合エステルなどから選択することができる。
【0037】
より詳細には、モノエステル及びジエステル、特にスクロース、グルコース又はメチルグルコースのモノ若しくはジオレイン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレオパルミチン酸、リノール酸、リノレン酸及びオレオステアリン酸の各エステル、を使用することが好ましい。
【0038】
挙げることができる一例は、Amerchol社からGlucate(登録商標)DOの名称で販売されている、ジオレイン酸メチルグルコースである製品である。
【0039】
また、挙げることができるエステル並びに糖及び脂肪酸のエステルの混合物の例には、
- Crodesta社からF160、F140、F110、F90、F70及びSL40の名称で販売され、それぞれが73%モノエステル並びに27%ジエステル及びトリエステルから、61%モノエステル並びに39%ジエステル、トリエステル及びテトラエステルから、52%モノエステル並びに48%ジエステル、トリエステル及びテトラエステルから、45%モノエステル並びに55%ジエステル、トリエステル及びテトラエステルから、39%モノエステル並びに61%ジエステル、トリエステル及びテトラエステルから、並びにモノラウリン酸スクロースから形成されるパルミトステアリン酸スクロースを示す、製品、
- 例えば、参照番号B370の、20%モノエステル及び80%ジ-トリエステル-ポリエステルから形成されるベヘン酸スクロースに相当する、Ryoto Sugar Estersの名称で販売されている製品、
- Tegosoft(登録商標)PSEの名称でGoldschmidt社から販売されているモノ-ジパルミト-ステアリン酸スクロース
が含まれる。
【0040】
本発明の組成物で使用することができるシリコーンは、非修飾であるか、有機基で修飾されており、25℃で5×10-6〜2.5m2/s、好ましくは1×10-5〜1m2/sの粘度を有する、揮発性又は非揮発性で環状、直鎖又は分岐のシリコーンである。
【0041】
本発明に従って使用することができるシリコーンは、油、ワックス、樹脂又はゴムの形態でもよい。
【0042】
好ましくは、シリコーンは、ポリジアルキルシロキサン、特にポリジメチルシロキサン(PDMS)、及びポリ(オキシアルキレン)基、アミノ基及びアルコキシ基から選択される少なくとも1つの官能基を含む、有機修飾ポリシロキサンから選択される。
【0043】
オルガノポリシロキサンは、Walter Nollの「Chemistry and Technology of Silicones」(1968)、Academic Pressに、より詳細に明記されている。オルガノポリシロキサンは、揮発性又は非揮発性とすることができる。
【0044】
オルガノポリシロキサンが揮発性の場合、シリコーンは、より詳細には、60℃〜260℃の間の沸点を有するものから、さらにより詳細には、以下の(i)及び(ii)から選択される。
(i) 3〜7個、好ましくは4〜5個のケイ素原子を含む環状ポリジアルキルシロキサン。これらは、例えば、具体的にはUnion CarbideからVolatile Silicone(登録商標)7207、又はRhodiaからSilbione(登録商標)70045V2の名称で販売されているオクタメチルシクロテトラシロキサン、Union CarbideからVolatile Silicone(登録商標)7158、及びRhodiaからSilbione(登録商標)70045V5の名称で販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、並びにそれらの混合物である。
【0045】
また、Carbide Union社から販売されているVolatile Silicone(登録商標)FZ3109などの、式:
【0046】
【化1】

【0047】
のジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサンタイプのシクロコポリマーを挙げることができる。
【0048】
また、オクタメチルシクロテトラシロキサン及びテトラトリメチルシリルペンタエリトリトール(50/50)の混合物、並びにオクタメチルシクロテトラシロキサン及びオキシ-1,1'-ビス(2,2,2',2',3,3'-ヘキサトリメチルシリルオキシ)ネオペンタンの混合物などの、環状ポリジアルキルシロキサンとオルガノシリコン化合物との混合物を挙げることができる。
(ii) 2〜9個のケイ素原子を含み、25℃で5×10-6m2/s以下の粘度を有する、直鎖揮発性ポリジアルキルシロキサン。一例としては、具体的にはToray Silicone社からSH200の名称で販売されているデカメチルテトラシロキサンがある。このカテゴリーに属するシリコーンはまた、Cosmetics and Toiletries、Vol. 91、Jan. 76、27〜32頁で発表された、Todd & Byers、「Volatile Silicone Fluids for Cosmetics」という論文に記載されている。
【0049】
非揮発性ポリジアルキルシロキサン、ポリジアルキルシロキサンゴム及び樹脂、上記の有機官能基で修飾されたポリオルガノシロキサン、並びにそれらの混合物が使用されることが好ましい。
【0050】
これらのシリコーンは、より詳細にはポリジアルキルシロキサンから選択され、その中で、トリメチルシリル末端基を含むポリジメチルシロキサンを主に挙げることができる。シリコーンの粘度は、例えば、ASTM基準445付属書Cに従って、例えば25℃で測定される。
【0051】
これらのポリジアルキルシロキサンの中で、以下の市販品、
- Rhodiaから販売されている47及び70047シリーズのSilbione(登録商標)油又はMirasil(登録商標)油、例えば、油70047 V 500000;
- Rhodia社から販売されているMirasil(登録商標)シリーズの油;
- Dow Corning社からの200シリーズの油、粘度が60000mm2/sのDC200など;
- General ElectricからのViscasil(登録商標)油及びGeneral ElectricからのSFシリーズの特定の油(SF96、SF18)
を、限定せずに挙げることができる。
【0052】
また、Rhodia社からの48シリーズの油などの、ジメチコノール(CTFA)の名称で知られるジメチルシラノール末端基を含むポリジメチルシロキサンを挙げることができる。
【0053】
また、このポリジアルキルシロキサンのカテゴリーでは、ポリ(C1〜C20)ジアルキルシロキサンであり、Goldschmidt社からAbil Wax(登録商標)9800及び9801の名称で販売されている、製品を挙げることができる。
【0054】
本発明に従って使用することができるシリコーンゴムは、特にポリジアルキルシロキサン、好ましくは、200000〜1000000の間の高い数平均分子量を有するポリジメチルシロキサンであり、溶媒中で単独で又は混合物として使用される。この溶媒は、揮発性シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)油、ポリフェニルメチルシロキサン(PPMS)油、イソパラフィン、ポリイソブチレン、塩化メチレン、ペンタン、ドデカン及びトリデカン、又はそれらの混合物から選択することができる。
【0055】
本発明に従って使用することができる製品は、より詳細には以下の混合物などである。
・鎖末端でヒドロキシル化されたポリジメチルシロキサン、又はジメチコノール(CTFA)、及びDow Corning社から販売されている製品Q2 1401などの、シクロメチコン(CTFA)としても知られる環状ポリジメチルシロキサンから形成される混合物;
・ポリジメチルシロキサンゴムと環状シリコーンとから形成される混合物、例えばGeneral Electric社からの製品SF1214 Silicone Fluid;この製品は、ジメチコンに相当し、数平均分子量が500000のSF30ゴムであり、デカメチルシクロペンタシロキサンに相当する油であるSF1202 Silicone Fluidに溶解したものである;
・異なる粘度を有する2種のPDMSの、より詳細にはPDMSゴム及びPDMS油の混合物、例えばGeneral Electric社からの製品SF1236。製品SF1236は、上で規定した20m2/sの粘度を有するSE30ゴムと、5×10-6m2/sの粘度を有するSF96油との混合物である。この製品は、SE30ゴム15%及びSF96油85%を含むことが好ましい。
【0056】
本発明に従って使用することができるオルガノポリシロキサン樹脂は、以下の単位、
R2SiO2/2、R3SiO1/2、RSiO3/2及びSiO4/2
を含む架橋シロキサン系であり、
式中、Rは1〜16個の炭素原子を含むアルキルを表す。これらの製品の中で、とりわけ好ましいものは、RがC1〜C4低級アルキル基を示すものであり、より特定すればメチルである。
【0057】
これらの樹脂の中で、Dow Corning 593の名前で販売されている製品、又はジメチル/トリメチルシロキサン構造のシリコーンであり、General Electric社からSilicone Fluid SS4230及びSS4267の名前で販売されている製品を挙げることができる。
【0058】
また、信越化学工業社から、具体的にはX22-4914、X21-5034及びX21-5037の名称で販売されているトリメチルシロキシケイ酸タイプの樹脂を挙げることができる。
【0059】
本発明に従って使用することができる有機修飾シリコーンは、上で明記したシリコーンであり、その構造中に、炭化水素系基を介して結合している1つ又は複数の有機官能基を含む。
【0060】
上述のシリコーンの他に、有機修飾シリコーンは、ポリジアリールシロキサン、特にポリジフェニルシロキサン、及び既述の有機官能基で官能基化されたポリアルキルアリールシロキサンであってもよい。
【0061】
ポリアルキルアリールシロキサンは、特に、25℃で1×10-5〜5×10-2m2/sの粘度を有する、直鎖及び/又は分岐のポリジメチル/メチルフェニルシロキサン及びポリジメチル/ジフェニルシロキサンから選択される。
【0062】
これらのポリアルキルアリールシロキサンの中で、挙げることができる例には、以下の名称で販売されている製品が含まれる:
- Rhodiaからの70641シリーズのSilbione(登録商標)油、
- RhodiaからのRhodorsil(登録商標)70633及び763シリーズの油、
- Dow CorningからのDow Corning 556 Cosmetic Grade Fluidの油、
- BayerからのPKシリーズのシリコーン、製品PK20など、
- BayerからのPN及びPHシリーズのシリコーン、製品PN1000及びPH1000など、
- General ElectricからのSFシリーズの特定の油、SF1023、SF1154、SF1250及びSF1265など。
【0063】
有機修飾シリコーンの中で、以下を含むポリオルガノシロキサンを挙げることができる:
- Dow Corning社からDC1248の名称で販売されているジメチコンコポリオールとして知られている製品又はUnion Carbide社によるSilwet (登録商標)L722、L7500、L77及びL711の油、及びDow Corning社からQ2 5200の名称で販売されている(C12)アルキルメチコンコポリオールなどの、場合によってC6〜C24アルキル基を含むポリエチレンオキシ及び/又はポリプロピレンオキシ基、
- Genesee社からGP4 Silicone Fluid及びGP 7100の名称で販売されている製品、又はDow Corning社からQ2 8220及びDow Corning 929又は939の名称で販売されている製品などの、置換又は非置換のアミン基。この置換アミン基は、特にC1〜C4アミノアルキル基である。
- SWS SiliconesからのSilicone Copolymer F-755、及びGoldschmidt社からAbil Wax(登録商標)2428、2434及び2440の名称で販売されている製品などの、アルコキシル化基。
【0064】
脂肪性物質は、オキシアルキレン化もグリセロール化もしていないことが好ましい。
【0065】
より詳細には、脂肪性物質は、室温及び大気圧で液体又はペースト状の化合物から選択される。
【0066】
脂肪性物質は、25℃の温度及び大気圧で液体の化合物であることが好ましい。
【0067】
脂肪性物質は、C6〜C16低級アルカン、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、脂肪アルコールエステル、油、具体的には16個を超える炭素原子を含む非シリコーン鉱物油、又は植物油若しくは合成油、及びシリコーンから選択されることが好ましい。
【0068】
一実施形態によると、脂肪性物質は、液体ワセリン、ポリデセン、脂肪酸若しくは脂肪アルコールの液体エステル、又はそれらの混合物から選択され、具体的には、本発明によるエマルジョンの脂肪性物質は非シリコーンである。
【0069】
さらにより優先的には、脂肪性物質は360g/molを超える分子量を有する油から選択される。
【0070】
本発明によるエマルジョン(A)は、25%を超える量の脂肪性物質を含む。好ましくは、脂肪性物質の濃度は、エマルジョンの総重量の25%〜80%、さらにより優先的には25%〜65%、より良好には30%〜55%の範囲である。特定の一実施形態によると、エマルジョンは、脂肪性物質のうちの、1種又は複数の油を含む。挙げることができる例には、液体ワセリン、ポリデセン、及び脂肪酸又は脂肪アルコールの液体エステルが含まれる。
【0071】
エマルジョン(A)はまた、オキシエチレン及び/又はオキシプロピレン単位を含む、1種又は複数のモノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化非イオン性界面活性剤を含む。挙げることができるオキシアルキレン化非イオン性界面活性剤の例には、
・オキシアルキレン化(C8〜C24)アルキルフェノール、
・飽和又は不飽和で直鎖又は分岐の、オキシアルキレン化C8〜C30アルコール、
・飽和又は不飽和で直鎖又は分岐の、オキシアルキレン化C8〜C30アミド、
・飽和又は不飽和で直鎖又は分岐の、C8〜C30酸の、及びポリエチレングリコールのエステル、
・飽和又は不飽和で直鎖又は分岐の、C8〜C30酸の、及びソルビトールのポリオキシエチレン化エステル、
・飽和又は不飽和の、オキシエチレン化植物油、
・エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの、とりわけ、単独で又は混合物としての縮合物、
が含まれる。
【0072】
オキシアルキレン化界面活性剤は、モル数が1〜50の間、好ましくは2〜30の間のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを含む。有利には、非イオン性界面活性剤は、オキシプロピレン単位を全く含まない。
【0073】
挙げることができるエトキシ化脂肪アルコールの例には、エチレンオキシドのラウリルアルコールとの付加体、特に9〜50個のオキシエチレン基を含む付加体、より特定すれば10〜12個のオキシエチレン基を含む付加体(CTFA名でLaureth-10〜Laureth-12);エチレンオキシドのベヘニルアルコールとの付加体、特に9〜50個のオキシエチレン基を含む付加体(CTFA名でBeheneth-9〜Beheneth-50)、好ましくは10個のオキシエチレン基を含む付加体(Beheneth-10);エチレンオキシドのセトステアリルアルコールとの付加体(セチルアルコール及びステアリルアルコールの混合物)、特に10〜30個のオキシエチレン基を含む付加体(CTFA名でCeteareth-10〜Ceteareth-30);エチレンオキシドのセチルアルコールとの付加体、特に10〜30個のオキシエチレン基を含む付加体(CTFA名でCeteth-10〜Ceteth-30);エチレンオキシドのステアリルアルコールとの付加体、特に10〜30個のオキシエチレン基を含む付加体(CTFA名でSteareth-10〜Steareth-30);エチレンオキシドのイソステアリルアルコールとの付加体、特に10〜50個のオキシエチレン基を含む付加体(CTFA名でIsosteareth-10〜Isosteareth-50);及びそれらの混合物が含まれる。
【0074】
挙げることができるエトキシ化脂肪酸の例には、エチレンオキシドの、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸又はベヘン酸との付加体、及びそれらの混合物、特に、PEG-9〜PEG-50ラウリン酸(CTFA名:PEG-9ラウリン酸〜PEG-50ラウリン酸);PEG-9〜PEG-50パルミチン酸(CTFA名:PEG-9パルミチン酸〜PEG-50パルミチン酸);PEG-9〜PEG-50ステアリン酸(CTFA名:PEG-9ステアリン酸〜PEG-50ステアリン酸);PEG-9〜PEG-50パルミトステアリン酸;PEG-9〜PEG-50ベヘン酸(CTFA名:PEG-9ベヘン酸〜PEG-50ベヘン酸)などの、9〜50個のオキシエチレン基を含む付加体;及びそれらの混合物が含まれる。
【0075】
本発明の好ましい一実施形態に従って、オキシアルキレン化非イオン性界面活性剤は、オキシエチレン化C8〜C30アルコール、好ましくはオキシエチレン化C18〜C30アルコールから選択される。
【0076】
これらの脂肪アルコール及び脂肪酸のオキシエチレン化誘導体の混合物も使用することができる。
【0077】
好ましい一実施形態によると、エマルジョン(A)は、少なくとも1種のエトキシ化脂肪アルコール、好ましくは少なくともベヘニルアルコールを含む。
【0078】
モノグリセロール化又はポリグリセロール化した非イオン性界面活性剤の例として、モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8〜C40アルコールを使用することが好ましい。
【0079】
具体的には、モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8〜C40アルコールは以下の式に相当し、
RO-[CH2-CH(CH2OH)-O]m-H
式中、Rは、直鎖又は分岐のC8〜C40、好ましくはC8〜C30アルキル又はアルケニル基を表し、mは、1〜30、好ましくは1〜10の範囲の数を表す。
【0080】
本発明に関して適した化合物の例として、4モルのグリセロールを含むラウリルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4ラウリルエーテル)、1.5モルのグリセロールを含むラウリルアルコール、4モルのグリセロールを含むオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4オレイルエーテル)、2モルのグリセロールを含むオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-2オレイルエーテル)、2モルのグリセロールを含むセテアリールアルコール、6モルのグリセロールを含むセテアリールアルコール、6モルのグリセロールを含むオレオセチルアルコール、及び6モルのグリセロールを含むオクタデカノールを挙げることができる。
【0081】
アルコールは、mの値が統計的な値を表すのと同様にアルコールの混合物を表し得るが、これは、数種類のポリグリセロール化脂肪酸が、市販品中で混合物の形態で共存できることを意味する。
【0082】
モノグリセロール化又はポリグリセロール化アルコールの中で、より詳細には1モルのグリセロールを含むC8/C10アルコール、1モルのグリセロールを含むC10/C12アルコール及び1.5モルのグリセロールを含むC12アルコールを使用することが好ましい。
【0083】
エマルジョン中に存在する界面活性剤は、HLBが8〜18の非イオン性界面活性剤であることが好ましい。HLBは、分子中の親水性部分と親油性部分との比である。このHLBという用語は、当業者によく知られており、「The HLB system. A time-saving guide to Emulsifier Selection」、(ICI Americas Incから発行;1984)に記載されている。
【0084】
1つの好ましい変体において、組成物は、いずれのグリセロール化界面活性剤を含まない。
【0085】
エマルジョン(A)中の界面活性剤含有量は、より詳細には、エマルジョンの重量に対して、重量で0.1%〜50%、好ましくは重量で0.5%〜30%を占める。
【0086】
エマルジョン(A)は、1種又は複数の酸化剤を含む。より詳細には、酸化剤は、過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属の臭素酸塩又はフェリシアン化物、及び過酸化塩、例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過硫酸塩、過ホウ酸塩、過酸塩及びそれらの前駆体、並びに過炭酸塩から選択される。
【0087】
この酸化剤は、有利には、過酸化水素によって、特に水溶液(過酸化水素水溶液)として構成される。この滴定量は、より詳細には、1〜40体積、さらにより優先的には5〜40体積の範囲とすることができる。
【0088】
明色化の望ましい程度に応じて、酸化剤はまた、好ましくは過酸化塩から選択される酸化剤を含むことができる。
【0089】
エマルジョン(A)は、エマルジョンの総重量に対して、重量で5%を超える量で、好ましくは重量で10%を超える量で、さらにより有利には重量で20%を超える量で、水分を含む。
【0090】
エマルジョン(A)はまた、毛髪明色化組成物中に通常使用される様々な補助剤、例えばアニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は双性イオンのポリマー又はそれらの混合物;鉱物増粘剤、具体的にはクレイ、タルクなどの充填剤;有機増粘剤、具体的にはアニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性のポリマー会合性増粘剤;抗酸化剤;浸透剤;金属イオン封鎖剤;芳香剤;分散剤;薄膜形成剤;保存料;乳白剤を含むことができる。
【0091】
エマルジョン(A)は、場合によって有機溶媒を含むことができる。挙げることができる有機溶媒の例には、エタノール及びイソプロパノールなどの、直鎖又は分岐のC2〜C4アルカノール;グリセロール;ポリオール及びポリオールエーテル、例えば2-ブトキシエタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル及びモノエチルエーテル、さらに芳香族アルコール、例えばベンジルアルコール又はフェノキシエタノール、並びにそれらの混合物が含まれる。
【0092】
特定の一実施形態によると、エマルジョン(A)は、正エマルジョンを調製するための通常の方法によって調製することができるが、PIT法によっても調製することができる。酸化正エマルジョンは、PIT法を介して調製されることが好ましい。
【0093】
この特定の実施形態によると、転相温度(又はPIT)による乳化の原理は、その原理が当業者によく知られており、K. Shinoda(J. Chem. Soc. Jpn.、1968、89、435)によって、1968年に記載された。この乳化技術によって、安定性のある微細なエマルジョンを得ることができることが示されている(K. Shinoda及びH. Saito、J. Colloid Interface Sci.、1969、30、258)。この技術は、早くも1972年には、Mitsuiらによって化粧品に適用された。(「Application of the phase-inversion-temperature method to the emulsification of cosmetics」;T. Mitsui、Y. Machida及びF. Harusawa、American Cosmet. Perfum.、1972、87、33)。
【0094】
この技術の原理は以下の通りである:水相及び油相の混合物を調製し、このシステムの転相温度であり、使用されるエマルジョンの親水性及び親油性特性の間の平衡に達する温度である、PIT温度を超える温度にする。温度を上げた状態では、すなわち転相温度を超えると(PITより高い)、エマルジョンは油中水タイプの状態であり、その冷却中に、このエマルジョンは転相温度で転相し、予めマイクロエマルジョンの状態を経ることによって、水中油タイプのエマルジョンになる。この方法によって、直径が4μm未満のエマルジョンを容易に得ることができる。
【0095】
このPIT法によると、本発明の一主題である正エマルジョン(A)は、少なくとも1種の油、1種又は複数の界面活性剤(そのうち少なくとも1種は、曇り点を有する非イオン性界面活性剤である)を含めた、エマルジョンの総重量に対して、少なくとも25%の1種又は複数の脂肪性物質、及び5%を超える量の水を含む、正エマルジョン(水中油)を含む。この特定の実施形態では、非イオン性界面活性剤のHLBは、8〜18の間のである。これは、オキシアルキレン化及び好ましくはオキシエチレン化界面活性剤、例えばエトキシ化脂肪アルコール、エトキシ化脂肪酸、エトキシ化脂肪酸の部分グリセリド、及びポリグリセロール化脂肪酸トリグリセリド、並びにこれらのエトキシ化誘導体、並びにこれらの混合物から選択されることが好ましい。その上、このようなエマルジョンは、4μm未満、好ましくは1μmの粒径を有する。
【0096】
さらに詳細には、PITエマルジョンを得るために以下のように作業することが可能である:
1)正エマルジョン(A)の全ての成分を容器中で計り分けるステップ、
2)混合物を、水浴を用いて、温度を徐々に上げることによって加熱しながら、転相温度T1、すなわち、透明又は半透明の相(マイクロエマルジョンゾーン又は層状相)が得られるまで、次いで、逆エマルジョン(W/O)が得られたことを示すより粘性のある相が得られるまで、例えばRayneriブレンダーを用いて350rpmで均質化するステップ、
3)加熱を止め、エマルジョンが、転相温度T1、すなわち、微細なO/Wエマルジョンが形成される温度を通過して、室温に冷めるまで撹拌を続けるステップ、
4)温度が転相温度領域(T1)を下回ったら、任意選択の添加剤及び熱感受性の出発材料を添加するステップ。
【0097】
親油性の相の液滴が微細であり、10〜200nmのサイズを有する、安定した最終組成物を得る。
【0098】
マイクロエマルジョン(半透明の混合物)の形成ゾーンでは、界面活性剤が直接ミセル及び逆ミセルの両方を形成する傾向を有するので、親水性及び疎水性の相互作用の平衡が保たれる。界面活性剤は油中水エマルジョンの形成を好むので、このゾーンを超えて加熱することによって、W/Oエマルジョンが形成する。次に、転相ゾーンより低く冷却すると、エマルジョンは正エマルジョン(O/W)になる。
【0099】
転相による乳化は、参照のために本明細書で引用されるT. Forster, W.von Rybinski及びA. Wadleによる: Influence of microemulsion phases on the preparation of fine disperse emulsions、Advances in Colloid and Interface Sciences、58、119〜149、1995という出版物に詳細に説明されている。
【0100】
組成物(B)は、1種又は複数のアルカリ剤を含む。この又はこれらのアルカリ剤は、25℃でのpKbが12未満、好ましくは10未満、さらにより有利には6未満となるようにすることが一般的である。これは、最も高い塩基性の関数に相当するpKbであることに留意すべきである。
【0101】
アルカリ剤は、アンモニア、無機塩基、有機アミン及び有機アミン塩から、単独で又は混合物として選択することができる。
【0102】
挙げることができる有機アミンの例には、1種又は2種の第一級、第二級又は第三級アミン官能基、及び1種又は複数の直鎖又は分岐の、1種又は複数のヒドロキシル基を有するC1〜C8アルキル基を含む有機アミンである。
【0103】
1〜3個の同一又は異なるC1〜C4ヒドロキシアルキル基を含む、モノ、ジ、トリアルカノールアミンなどのアルカノールアミンから選択される有機アミンは、本発明での使用に特に適する。
【0104】
挙げることができるこのタイプの化合物の中には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N-ジメチルアミノエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、3-ジメチルアミノ-1,2-プロパンジオール及びトリス(ヒドロキシメチルアミノ)メタンがある。
【0105】
以下の式を有する有機アミン:
【0106】
【化2】

【0107】
(式中、Wは、ヒドロキシル基又はC1〜C6アルキル基で場合によって置換されているC1〜C6アルキレン残基であり、Rx、Ry、Rz及びRtは、同一又は異なっていてもよく、水素原子又はC1〜C6アルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル若しくはC1〜C6アミノアルキル基を表す)も、使用に適している。
【0108】
挙げることができるこのようなアミンの例には、1,3-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノ-2-プロパノール、スペルミン及びスペルミジンが含まれる。
【0109】
本発明の別の変体によれば、有機アミンはアミノ酸から選択される。
【0110】
より詳細には、使用することができるアミノ酸は、L、D又はラセミ体の形態で、天然又は合成由来であり、より詳細にはカルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸及びリン酸官能基から選択される少なくとも1種の酸官能基を含む。アミノ酸は、中性又はイオン性の形態とすることができる。
【0111】
有利には、アミノ酸は、環の中に又はウレイド官能基の中に場合によって含まれる追加のアミン官能基を含む、塩基性アミノ酸である。
【0112】
このような塩基性アミノ酸は、以下の式(I)、
【0113】
【化3】

【0114】
に相当するものから好ましくは選択され、
式中、Rは
【0115】
【化4】

【0116】
、-(CH2)3NH2、-(CH2)2NH2、-(CH2)2NHCONH2
【0117】
【化5】

【0118】
から選択される基を示す。
【0119】
式(I)に相当する化合物は、ヒスチジン、リシン、アルギニン、オルニチン及びシトルリンである。
【0120】
本発明で使用することができるアミノ酸としては、アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン、アルギニン、オルニチン、シトルリン、アスパラギン、カルニチン、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、N-フェニルアラニン、プロリン、セリン、タウリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン及びバリンを特に挙げることができる。
【0121】
本発明の1つの好ましい変体によると、有機アミンは、塩基性アミノ酸から選択される。とりわけ好ましいアミノ酸は、アルギニン、リシン及びヒスチジン、又はそれらの混合物である。
【0122】
本発明の別の変体によると、有機アミンは、複素環タイプの有機アミンから選択される。アミノ酸で既に挙げたヒスチジンの他に、具体的にはピリジン、ピペリジン、イミダゾール、1,2,4-トリアゾール、テトラゾール及びベンゾイミダゾールを挙げることができる。
【0123】
本発明の別の変体によると、有機アミンは、アミノ酸ジペプチドから選択される。本発明で使用することができるアミノ酸ジペプチドとしては、特にカルノシン、アンセリン及びバレインを挙げることができる。
【0124】
本発明の別の変体によると、有機アミンは、グアニジン官能基を含む化合物から選択される。本発明で使用することができるこのタイプの有機アミンとしては、アミノ酸として既に挙げたアルギニンの他に、特にクレアチン、クレアチニン、1,1-ジメチルグアニジン、1,1-ジエチルグアニジン、グリコシアミン、メトホルミン、アグマチン、N-アミジノアラニン、3-グアニジノプロピオン酸、4-グアニジノ酪酸及び2-([アミノ(イミノ)メチル]アミノ)エタン-1-スルホン酸を挙げることができる。
【0125】
有機アミンは、アルカノールアミンであることが好ましい。より優先的には、有機アミンは、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール及びモノエタノールアミン、又はそれらの混合物から選択される。さらにより優先的には、有機アミンはモノエタノールアミンである。
【0126】
アルカリ剤は、塩の形態の有機アミンとすることができる。本発明の目的のために、用語「有機アミン塩」は、上述の有機アミンの有機又は無機塩を意味する。
【0127】
好ましくは、有機塩は、クエン酸、乳酸、グリコール酸、グルコン酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、シュウ酸及び酒石酸などの有機酸の塩から選択される。
【0128】
好ましくは、無機塩は、ハロゲン化水素塩(例えば塩酸塩)、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、リン酸水素塩及びリン酸塩から選択される。
【0129】
本発明の目的のために、用語「無機塩基」は、その構造中に、元素周期表の1〜13族から、水素以外の1種又は複数の元素を有し、炭素及び水素原子を同時に含まない、任意の化合物を意味する。
【0130】
本発明の特定の一実施形態によると、無機塩基は、元素周期表の1〜2族から、水素以外の1種又は複数の元素を含む。
【0131】
1つの好ましい変体では、無機塩基は以下の構造:
(Z1X-)m(Z2y+)n
を有し、
式中、
Z2は、元素周期表の1〜13族から、好ましくはナトリウム及びカリウムなどの1〜2族からの金属を示し、
Z1X-は、CO32-、OH-、HCO32-、SiO32-、HPO42-、PO43-及びB4O72-のイオンから、好ましくはCO32-、OH-及びSiO32-のイオンから選択されるアニオンを示し、
xは1、2又は3を示し、
yは1、2、3又は4を示し、
m及びnは、互いに独立に、1、2、3又は4を示し、
但しn.y=m.xである。
【0132】
好ましくは、無機塩基は次の式、(Z1X-)m(Z2y+)nに相当し、式中Z2は、元素周期表の1〜2族からの金属を示し、Z1X-は、CO32-、OH-及びSiO32-のイオンから選択されるアニオンを示し、xは1であり、yは1又は2を示し、m及びnは、互いに独立に、1又は2を示し、但しn.y=m.xである。
【0133】
本発明に従って使用することができる無機塩基としては、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、メタケイ酸ナトリウム及びメタケイ酸カリウムを挙げることができる。
【0134】
アンモニウム塩も、アルカリ剤として使用することができる。アンモニウム塩は、以下の酸の塩:酢酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩から選択されることが好ましい。とりわけ好ましくは、塩は、炭酸アンモニウムなどの炭酸塩である。
【0135】
特定の一実施形態によると、組成物は、少なくとも1種の有機アミン、好ましくは少なくとも1種のアルカノールアミンをアルカリ剤として含む。組成物が、アルカノールアミン及びアンモニア水又はそれらの塩を含めた、いくつかのアルカリ剤を含む場合、有機アミンは、アンモニアの量に対して重量で過半であることが好ましい。
【0136】
一般に、組成物(B)のアルカリ剤の含有量は、前記組成物の重量に対して、重量で0.1%〜40%、好ましくは重量で0.5%〜20%の範囲である。
【0137】
この組成物(B)はまた、前述の1種又は複数の有機溶媒を含むことができる。組成物(B)はまた、1種又は複数の酸性化剤を含むことができる。
【0138】
組成物(B)は、1種又は複数の染料を含むことができる。この又はこれらの染料は、直接染料又は酸化染料でもよい。
【0139】
酸化染料は、一般に、1種又は複数のカプラーと場合によって組み合わせた酸化塩基から選択される。
【0140】
例として、酸化塩基は、パラ-フェニレンジアミン、ビス(フェニル)アルキレンジアミン、パラ-アミノフェノール、オルト-アミノフェノール及び複素環塩基、並びにその付加塩から選択される。
【0141】
挙げることができるパラ-フェニレンジアミンの中には、例えば、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トルエンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチルアニリン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-クロロアニリン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-フルオロ-パラ-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-(エチル、β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(4'-アミノフェニル)-パラ-フェニレンジアミン、N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-メトキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノフェニルピロリジン、2-チエニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-アミノトルエン及び3-ヒドロキシ-1-(4'-アミノフェニル)ピロリジン、並びに酸とのそれらの付加塩がある。
【0142】
上で挙げたパラ-フェニレンジアミンの中で、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トルエンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン及び2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、並びに酸とのそれらの付加塩が、とりわけ好ましい。
【0143】
挙げることができるビス(フェニル)アルキレンジアミンの中には、例えば、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノール、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(エチル)-N,N'-ビス(4'-アミノ-3'-メチルフェニル)エチレンジアミン及び1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,6-ジオキサオクタン、並びにそれらの付加塩がある。
【0144】
挙げることができるパラ-アミノフェノールの中には、例えば、パラ-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-クロロフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール及び4-アミノ-2-フルオロフェノール、並びに酸とのそれらの付加塩がある。
【0145】
挙げることができるオルト-アミノフェノールの中には、例えば、2-アミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール及び5-アセトアミド-2-アミノフェノール、並びにそれらの付加塩がある。
【0146】
挙げることができる複素環塩基の中には、例えば、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体及びピラゾール誘導体がある。
【0147】
挙げることができるピリジン誘導体の中には、例えば、特許GB1026978及びGB1153196に記載されている、例えば2,5-ジアミノピリジン、2-(4-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジン及び3,4-ジアミノピリジン、並びにそれらの付加塩などの化合物がある。
【0148】
本発明で有用なその他のピリジン酸化塩基は、例えば特許出願FR2801308に記載されている3-アミノピラゾロ[1,5-a]-ピリジン酸化塩基又はそれらの付加塩である。挙げることのできる例には、ピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-アセチルアミノピラゾロ-[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-カルボン酸、2-メトキシピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)メタノール、2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-5-イル)エタノール、2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)エタノール、(3-アミノピラゾロ-[1,5-a]ピリド-2-イル)メタノール、3,6-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン、3,4-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,7-ジアミン、7-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、ピラゾロ[1,5-a]-ピリジン-3,5-ジアミン、5-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-5-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、2-[(3-アミノピラゾロ-[1,5-a]ピリド-7-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-オール、3-アミノピラゾロ-[1,5-a]ピリジン-4-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-オール及び3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-オール、並びにそれらの付加塩が含まれる。
【0149】
挙げることができるピリミジン誘導体の中には、例えば特許DE2359399、JP88-169571、JP05-63124、EP0770375又は特許出願WO96/15765に記載されている化合物、例えば2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジン及び2,5,6-トリアミノピリミジン、並びにそれらの付加塩、並びに互変異性平衡が存在する場合にはそれらの互変異性型がある。
【0150】
挙げることができるピラゾール誘導体の中には、特許DE3843892及びDE4133957、並びに特許出願WO94/08969、WO94/08970、FR-A-2733749及びDE19543988に記載されている化合物、例えば、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4-ジアミノピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4'-クロロベンジル)-ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニルピラゾール、4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-tert-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4'-メトキシフェニル)-ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピルピラゾール、4-アミノ-5-(2'-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール、3,4,5-トリアミノピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-メチルアミノピラゾール及び3,5-ジアミノ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-1-メチルピラゾール、並びにそれらの付加塩がある。4,5-ジアミノ-1-(β-メトキシエチル)ピラゾールも使用することができる。
【0151】
また、挙げることができる複素環塩基は、2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、又はそれらの塩である。
【0152】
本発明による化粧用組成物(B)は、ケラチン繊維の染色に通常使用されるものから有利に選択される1種又は複数のカプラーを、場合によって含むことができる。
【0153】
これらのカプラーの中で、特にメタ-フェニレンジアミン、メタ-アミノフェノール、メタ-ジフェノール、ナフタレン系カプラー、及び複素環カプラー、さらにそれらの付加塩を挙げることができる。
【0154】
例えば、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-2-メチルベンゼン、4-クロロ-1,3-ジヒドロキシベンゼン、2,4-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2-アミノ-4-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、3-ウレイドアニリン、3-ウレイド-1-ジメチルアミノベンゼン、セサモール、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、α-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、6-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジン、1-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、2,6-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、6-ヒドロキシインドリン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルピリジン、1-H-3-メチルピラゾール-5-オン、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、2,6-ジメチルピラゾロ[1,5-b]-1,2,4-トリアゾール、2,6-ジメチル[3,2-c]-1,2,4-トリアゾール及び6-メチルピラゾロ[1,5-a]ベンゾイミダゾール、酸とのそれらの付加塩、及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0155】
一般に、本発明に関して使用することができる酸化塩基及びカプラーの付加塩は、酸との付加塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩及び酢酸塩から、特に選択される。
【0156】
有利には、各酸化塩基は、組成物の総重量に対して、重量で0.0001%〜10%、好ましくは組成物の総重量に対して、重量で0.005%〜0.5%を占める。
【0157】
有利には、各カプラーの含有量は、存在する場合には、組成物の総重量に対して、重量で0.0001%〜10%、好ましくは化粧用組成物(B)の総重量に対して、重量で0.005%〜5%を占める。
【0158】
直接染料に関して、これらの染料は、より詳細にはイオン性及び非イオン性種、好ましくはカチオン性又は非イオン性種から選択される。
【0159】
挙げることができる適した直接染料の例には、以下の直接染料:アゾ染料;メチン染料;カルボニル染料;アジン染料;ニトロ(ヘテロ)アリール染料;トリ(ヘテロ)アリールメタン染料;ポルフィリン染料;フタロシアニン染料;及び天然直接染料が、単独で又は混合物として含まれる。
【0160】
より詳細には、アゾ染料は-N=N-官能基を含み、その2個の窒素原子は、1つの環内に同時には結合していない。しかしながら、配列-N=N-の2個の窒素原子の1つが1つの環内に結合していることは除外されない。
【0161】
メチンファミリーの染料は、より詳細には、>C=C<及び-N=C<から選択される少なくとも1つの配列を含む化合物であり、この配列の2個の原子は、1つの環に同時には結合していない。しかしながら、この配列の窒素原子又は炭素原子の1つは、1つの環に結合していてもよいことに注目されたい。より詳細には、このファミリーの染料は、メチン、アゾメチン、モノ及びジアリールメタン、インドアミン(又は、ジフェニルアミン)、インドフェノール、インドアニリン、カルボシアニン、アザカルボシアニン及びそれらの異性体、ジアザカルボシアニン及びそれらの異性体、テトラアザカルボシアニン及びヘミシアニンなどのタイプの化合物から誘導される。
【0162】
カルボニルファミリーの染料に関して、挙げることができる例には、アクリドン、ベンゾキノン、アントラキノン、ナフトキノン、ベンズアントロン、アントラントロン、ピラントロン、ピラゾールアントロン、ピリミジノアントロン、フラバントロン、イダントロン、フラボン、(イソ)ビオラントロン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、イソキノリノン、アントラピリドン、ピラゾロキナゾロン、ペリノン、キナクリドン、キノフタロン、インジゴイド、チオインジゴ、ナフタルイミド、アントラピリミジン、ジケトピロロピロール及びクマリンから選択される染料が含まれる。
【0163】
環状アジンファミリーの染料に関して、特に、アジン、キサンテン、チオキサンテン、フルオリンジン、アクリジン、(ジ)オキサジン、(ジ)チアジン及びピロニンを挙げることができる。
【0164】
ニトロ(ヘテロ)芳香族染料は、より詳細には、ニトロベンゼン又はニトロピリジン直接染料である。
【0165】
ポルフィリン又はフタロシアニンタイプの染料に関して、1種又は複数の金属又は金属イオン、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛及びケイ素を場合によって含む、カチオン性又は非カチオン性の化合物を使用することが可能である。
【0166】
挙げることができる、とりわけ適した直接染料の例には、ニトロベンゼン染料;アゾ直接染料;アゾメチン直接染料;メチン直接染料;アザカルボシアニン直接染料、例えば、テトラアザカルボシアニン(テトラアザペンタメチン);キノン、具体的にはアントラキノン、ナフトキノン又はベンゾキノン直接染料;アジン;キサンテン;トリアリールメタン;インドアミン;インジゴイド;フタロシアニン直接染料、ポルフィリン及び天然直接染料が、単独で又は混合物として含まれる。
【0167】
これらの染料は、単発色団染料(すなわち、1つだけの色素を含む)、あるいは多発色団染料、好ましくは、二又は三発色団染料でもよく、発色団は、同一又は異なることもあり、同じ化学ファミリー由来又はそうでないこともある。多発色団染料は、それぞれが400〜800nmの間の可視領域で吸収する分子に由来するいくつかの基を含むことに留意すべきである。さらに、染料のこの吸光度は、事前にそれを酸化することも、他の任意の化学種と組み合わせることも必要としない。
【0168】
多発色団染料の場合、発色団は、カチオン性又は非カチオン性の場合もある少なくとも1つのリンカーによって、一緒に互いに連結されている。
【0169】
本発明に従って使用することができるベンゼン系直接染料の中で、次の化合物を限定せずに挙げることができる:
- 1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、
- 1-アミノ-2-ニトロ-4-β-ヒドロキシエチルアミノベンゼン
- 1-アミノ-2-ニトロ-4-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン
- 1,4-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)-2-ニトロベンゼン
- 1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン
- 1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-アミノベンゼン
- 1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-(エチル)(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン
- 1-アミノ-3-メチル-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-6-ニトロベンゼン
- 1-アミノ-2-ニトロ-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-クロロベンゼン
- 1,2-ジアミノ-4-ニトロベンゼン
- 1-アミノ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン
- 1,2-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)-4-ニトロベンゼン
- 1-アミノ-2-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ-5-ニトロベンゼン
- 1-ヒドロキシ-2-アミノ-5-ニトロベンゼン
- 1-ヒドロキシ-2-アミノ-4-ニトロベンゼン
- 1-ヒドロキシ-3-ニトロ-4-アミノベンゼン
- 1-ヒドロキシ-2-アミノ-4,6-ジニトロベンゼン
- 1-β-ヒドロキシエチルオキシ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン
- 1-メトキシ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン
- 1-β-ヒドロキシエチルオキシ-3-メチルアミノ-4-ニトロベンゼン
- 1-β,γ-ジヒドロキシプロピルオキシ-3-メチルアミノ-4-ニトロベンゼン
- 1-β-ヒドロキシエチルアミノ-4-β,γ-ジヒドロキシプロピルオキシ-2-ニトロベンゼン
- 1-β,γ-ジヒドロキシプロピルアミノ-4-トリフルオロメチル-2-ニトロベンゼン
- 1-β-ヒドロキシエチルアミノ-4-トリフルオロメチル-2-ニトロベンゼン
- 1-β-ヒドロキシエチルアミノ-3-メチル-2-ニトロベンゼン
- 1-β-アミノエチルアミノ-5-メトキシ-2-ニトロベンゼン
- 1-ヒドロキシ-2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロベンゼン
- 1-ヒドロキシ-2-クロロ-6-アミノ-4-ニトロベンゼン
- 1-ヒドロキシ-6-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロベンゼン
- 1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロベンゼン
- 1-ヒドロキシ-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-3-ニトロベンゼン。
【0170】
本発明に従って使用することができるアゾ、アゾメチン、メチン及びテトラアザペンタメチン直接染料の中で、特許出願WO95/15144、WO95/01772及びEP714954;FR2189006、FR2285851、FR2140205、EP1378544及びEP1674073に記載されているカチオン性染料を挙げることができる。
【0171】
また、これらの中で、以下の化合物
【化6】

を挙げることができる。
【0172】
また、挙げることができるアゾ染料の中には、カラーインデックスインターナショナル、第三版に記載されている、以下の染料がある:
- ディスパースレッド17
- ベーシックレッド22
- ベーシックレッド76
- ベーシックイエロー57
- ベーシックブラウン16
- ベーシックブラウン17
- ディスパースブラック9。
【0173】
1-(4'-アミノジフェニルアゾ)-2-メチル-4-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼンも挙げることができる。
【0174】
挙げることができるキノン直接染料の中には、以下の染料があり:
- ディスパースレッド15
- ソルベントバイオレット13
- ディスパースバイオレット1
- ディスパースバイオレット4
- ディスパースブルー1
- ディスパースバイオレット8
- ディスパースブルー3
- ディスパースレッド11
- ディスパースブルー7
- ベーシックブルー22
- ディスパースバイオレット15
- ベーシックブルー99
また、以下の化合物がある:
- 1-N-メチルモルホリニウムプロピルアミノ-4-ヒドロキシアントラキノン
- 1-アミノプロピルアミノ-4-メチルアミノアントラキノン
- 1-アミノプロピルアミノアントラキノン
- 5-β-ヒドロキシエチル-1,4-ジアミノアントラキノン
- 2-アミノエチルアミノアントラキノン
- 1,4-ビス(β,γ-ジヒドロキシプロピルアミノ)アントラキノン。
【0175】
挙げることができるアジン染料の中には、以下の化合物がある:
- ベーシックブルー17
- ベーシックレッド2。
【0176】
本発明に従って使用することができるトリアリールメタン染料の中で、以下の化合物を挙げることができる:
- ベーシックグリーン1
- ベーシックバイオレット3
- ベーシックバイオレット14
- ベーシックブルー7
- ベーシックブルー26。
【0177】
本発明に従って使用することができるインドアミン染料の中で、以下の化合物を挙げることができる:
- 2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-[ビス(β-4'-ヒドロキシエチル)-アミノ]アニリノ-1,4-ベンゾキノン
- 2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-(2'-メトキシ-4'-アミノ)アニリノ-1,4-ベンゾキノン
- 3-N-(2'-クロロ-4'-ヒドロキシ)フェニルアセチルアミノ-6-メトキシ-1,4-ベンゾキノンイミン
- 3-N-(3'-クロロ-4'-メチルアミノ)フェニルウレイド-6-メチル-1,4-ベンゾキノンイミン
- 3-[4'-N-(エチル,カルバミルメチル)アミノ]フェニルウレイド-6-メチル-1,4-ベンゾキノンイミン。
【0178】
本発明に従って使用することができるテトラアザペンタメチンタイプの染料の中で、既に明記した通り、以下の表に示した以下の化合物を挙げることができ、
【0179】
【表1】

X-は、好ましくは塩素、ヨウ素、硫酸メチル、硫酸エチル、酢酸及び過塩素酸から選択されるアニオンを表す。
【0180】
多発色団染料の中で、より詳細には、特許出願EP1637566、EP1619221、EP1634926、EP1619220、EP1672033、EP1671954、EP1671955、EP1679312、EP1671951、EP167952、EP167971、WO06/063866、WO06/063867、WO06/063868、WO06/063869、EP1408919、EP1377264、EP1377262、EP1377261、EP1377263、EP1399425、EP1399117、EP1416909、EP1399116及びEP1671560を参照することができる。
【0181】
特許出願:EP1006153(カチオンタイプのリンカーを介して結合したアントラキノンタイプの2つの発色団を含む染料を記載している);EP1433472、EP1433474、EP1433471及びEP1433473(これらは、カチオン又は非カチオンリンカーを介して結合した、同一又は異なる二発色団染料を記載している);さらに、EP6291333(これは、特に、3つの発色団を含む染料を記載し、これらの1つはアントラキノン発色団であり、これに、アゾ若しくはジアザカルボシアニンタイプの2つの発色団又はそれらの異性体が結び付いている)に挙げられているカチオン性直接染料を用いることも可能である。
【0182】
本発明に従って使用することができる天然直接染料の中で、ローソン、ジュグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インディゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシン、アピゲニジン及びオルセインを挙げることができる。これらの天然染料を含む抽出物又は煮出液、特にヘンナ系の湿布剤(poultice)又は抽出物を用いることも可能である。
【0183】
これらが存在する場合、直接染料は、より詳細には、組成物の総重量に対して、重量で0.0001%〜10%、好ましくは重量で0.005%〜5%を占める。
【0184】
最終的に、組成物(B)は、様々な形態、例えば粉末、溶液、エマルジョン又はゲルである。
【0185】
組成物(B)は、無水であってもよい。
【0186】
組成物(B)が1種又は複数の染料を含む場合には、組成物は無水であることが好ましい。
【0187】
組成物(B)が無水である場合、過酸化尿素、過酸化塩、例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過硫酸塩、過ホウ酸塩、過酸塩及びそれらの前駆体、並びに過炭酸塩などの過酸化化合物(JC)を含み得る。この場合、特にケラチン繊維を明色化するためのプロセス中に使用することができる。
【0188】
本発明のプロセスは、エマルジョン(A)及び組成物(B)を、途中ですすぎを行わずに、続けてケラチン物質に適用することによって実行することができ、順序は重要ではない。
【0189】
組成物(B)は、その他の添加剤、例えばエマルジョン(A)に対して説明された添加剤を含むことができる。一変体によれば、エマルジョン(A)及び/又は組成物(B)は、増粘剤を含む。挙げることができる増粘剤には、カルボマー、疎水性基を含むカルボキシビニルポリマー、糖単位を含む増粘剤、C6〜C22のn-モノアルキルアミン又はジ-n-アルキルアミンとの反応によって修飾される、統計的に両親媒性のAMPSポリマー、及び特許出願WO00/31154に記載されているものなどが含まれる。これらのポリマーはまた、例えば、(メタ)-アクリル酸、それらのβ-置換アルキル誘導体、又は、モノアルコール又はモノ若しくはポリアルキレングリコールによって得られるそれらのエステル、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、無水マレイン酸、イタコン酸又はマレイン酸、或いはそれらの混合物から選択される他のエチレン不飽和親水性モノマーも含むことができる。
【0190】
本発明の方法の一実施形態によると、エマルジョン(A)及び組成物(B)を、使用時に即座に混合することによって得られる組成物を、湿った又は乾燥したケラチン物質に適用する。この実施形態によると、(A)/(B)量とR2量の重量比は、0.1〜10、好ましくは0.2〜2、さらに良好には0.3〜1の範囲である。
【0191】
さらに、使用される変体とは無関係に、((A)及び(B)を即座に混合すること、若しくはそれらの一部、又は全体の一連の塗付のいずれかから得られる)ケラチン物質上に存在する混合物は、一般に、約1分〜1時間、好ましくは5分〜30分の時間の間、その場所に残る。
【0192】
プロセス中の温度は通常、室温(15〜25℃の間)〜80℃の間、好ましくは室温〜60℃の間である。
【0193】
処理後、ケラチン物質を場合によって水ですすぎ、場合によって洗浄にかけ、続いて水ですすぎ、次いで乾燥するか、そのまま乾燥させる。
【0194】
一変体によると、前述のエマルジョン(A)及び酸化剤を含む水性組成物(B)の混合後に得られる染料組成物は、混合後に、脂肪性物質の量が20%を超える、好ましくは25%を超える、又は30%を超えることさえあるものである。
【0195】
最終的に、本発明は、第1のコンパートメントにエマルジョン(A)、第2のコンパートメントに1種又は複数のアルカリ剤を含む組成物(B)を含むマルチコンパートメント用具に関し、これらの組成物は既に記載されている。
【0196】
好ましくは、ケラチン物質はヒトの毛髪である。
【0197】
(実施例)
以下の組成物を調製する:
本発明の実施例
組成物(A)を、PIT法によって調製する。
【0198】
【表2】

【0199】
エマルジョンA1を製造する方法:
1)Rayneriブレンダー(400rpm)を用いて、エマルジョン(A)の成分を水浴上で加熱する。約68℃で半透明になり、この温度を超えると粘度が増す、流動性白色エマルジョンを得る。
2)エマルジョンの粘度が増したら、水浴を取り外し、撹拌を続けながらエマルジョンを冷却する。
3)約50℃で、Poloxamer184を導入する。
4)室温で、酸、金属イオン封鎖剤、次いで過酸化水素水溶液を導入し、蒸発で失われた水分量(5%未満)を再調整する。
【0200】
こうして、液滴直径が1μm未満で半透明のゲル状エマルジョン(粘度=63 DU M3 Rheomat、pH3)を得る。
【0201】
無水ベースB1及びモノエタノールアミン系組成物B2を、B2を4gごとにB1を10gの割合で混合することによって、アルカリ剤を含む組成物(B)を得る。
【0202】
【表3】

【0203】
【表4】

【0204】
エマルジョン(A1)を、組成物(B)と15/14の比で混合する。次いで、天然の栗色の毛髪(トーン深さ=4)に混合物を塗付する。浴比「混合物/髪の房」は、それぞれ10/1(g/g)である。塗付しておく時間は、27℃で30分である。この時間の後、髪の房をすすぎ、次いでElviveマルチビタミンシャンプーで洗浄する。毛髪のL*a*b*パラメータを測定する。
【0205】
同様に、エマルジョン(A1)と同様のH2O2含有量を有するが、脂肪性物質を8%含むPlatinium 20 vol(=H2O2 12%)などのタイプの、クリーム形態の標準酸化剤組成物(A2)を、15/14の比で組成物(B)と混合する。次いで、天然の栗色の毛髪(トーン深さ=4)に混合物を塗付する。浴比「混合物/髪の房」は、それぞれ10/1(g/g)である。塗付しておく時間は、27℃で30分である。この時間の後、髪の房をすすぎ、次いでElviveマルチビタミンシャンプーで洗浄する。毛髪のL*a*b*パラメータを測定する。
【0206】
結果
脱色していない髪の房(未処理の髪の房)及び脱色した髪の房の間の色差ΔEを決定する。
【0207】
【表5】

【0208】
組成物(A1)は、組成物(A2)よりも効果的に毛髪を脱色することが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン物質を明色化するための方法であって、少なくとも:
a)エマルジョンの総重量に対して、重量で25%を超える量の1種又は複数の脂肪性物質、オキシエチレン化(OE)及び/又はオキシプロピレン化(OP)単位の数が1〜50の間である、1種又は複数のOE及び/又はOP非イオン性界面活性剤;1種又は複数の酸化剤、及び重量で5%を超える量の水を含む正エマルジョン(A)、
b)1種又は複数のアルカリ剤を含む組成物(B)
を用いてケラチン物質を処理することからなる、方法。
【請求項2】
前記エマルジョン(A)が、重量で50%を超える脂肪性物質を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エマルジョン(A)の含水量が、重量で10%を超える、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記脂肪性物質が、室温及び大気圧で液体又はペースト状の、好ましくは液体の化合物から選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記正エマルジョンは、少なくとも25%の脂肪酸以外の脂肪性物質を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記脂肪性物質が、C6〜C16アルカン、非オキシアルキレン化脂肪アルコール、脂肪酸エステル、脂肪アルコールエステル、16個を超える炭素原子を含む非シリコーン鉱物油、植物油、動物油又は合成油、シリコーン、及び非シリコーンワックスから選択されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記脂肪性物質が、液体ワセリン、ポリデセン、脂肪酸若しくは脂肪アルコールの液体エステル、又はそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記液体の脂肪性物質が、360g/molを超える分子量を有する油から選択されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記脂肪性物質の含有量が、エマルジョン(A)の総重量に対して、重量で25%〜80%の間であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記エマルジョン(A)が、HLBの範囲が8〜18の1種又は複数のオキシエチレン化非イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記エマルジョン(A)の前記界面活性剤が、エチレンオキシドのベヘニルアルコールとの付加体、特に、9〜50個のオキシエチレン基、好ましくは10個のオキシエチレン基を含む付加体であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記酸化剤が、過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属の臭素酸塩又はフェリシアン化物、及び過酸化塩、過酸塩及びそれらの前駆体、並びにアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過炭酸塩から選択されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記組成物(B)の前記アルカリ剤が、アンモニア、有機アミン、無機塩基、有機アミン塩及びアンモニウム塩から選択されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記アルカリ剤が、好ましくは2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール及びモノエタノールアミン、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1種のアルカノールアミン有機アミン、及びアルギニン、ヒスチジン及びリシン、又はそれらの混合物から選択される塩基性アミノ酸であることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記組成物(B)は、1種若しくは複数の酸化染料及び/又は1種若しくは複数の直接染料を含むことを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記エマルジョン(A)及び前記組成物(B)を、使用時に即座に混合することによって得られる組成物を、ケラチン物質に適用することを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
組成物(B)及び前記エマルジョン(A)を、途中ですすぎを行わずに、続けてケラチン物質に適用し、その順序は重要ではないことを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記ケラチン物質がヒトの毛髪である、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
第1のコンパートメントには請求項1から11の一項に記載のエマルジョン(A)、並びに他のコンパートメントには請求項1及び13から15の一項で明記した組成物(B)を含む、マルチコンパートメント用具。
【請求項20】
少なくとも1種の油を含む少なくとも25%の1種又は複数の脂肪性物質、前に明記した1種又は複数の非イオン性界面活性剤、1種又は複数の酸化剤、及びエマルジョンの総重量に対して、重量で5%を超える量の水を含む、水中油型正エマルジョン。
【請求項21】
前記酸化剤が過酸化水素である、請求項20に記載の正エマルジョン。

【公表番号】特表2012−512855(P2012−512855A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541571(P2011−541571)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/FR2009/052617
【国際公開番号】WO2010/070243
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】