説明

重合体組成物の押出装置及び方法

【課題】フィラーを高充填しても、高品質の熱可塑性樹脂組成物を連続、且つ安定して押し出すことができる重合体組成物の押出装置及び方法を提供する。
【解決手段】シリンダー1と、シリンダー1内に配設されたスクリュー2とを備え、シリンダー1の先端部9にダイス10が接続されてなる押出装置であって、シリンダー1内で溶融している重合体組成物原料を、スクリュー2を回転させることにより発生する押出し圧力で、ダイス10から連続的に押し出す重合体組成物の押出装置において、重合体組成物が、フィラーを35質量%以上含有する熱可塑性樹脂組成物であり、且つシリンダー1の空間率[{(スクリュー先端部を配置した場合の空間容積)/(スクリュー先端部がない場合の空間容積)}×100]が90〜98%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合体組成物の押出装置及び方法に係り、さらに詳しくは、フィラーを高充填しても、高品質の熱可塑性樹脂組成物などを連続、且つ安定して押し出すことができる重合体組成物の押出装置及び方法を関する。
【背景技術】
【0002】
現在、重合体組成物、特に、成形加工性に優れた熱可塑性樹脂組成物は、様々な用途に用いるため、熱可塑性樹脂にフィラー(充填材)を充填することにより、得られた熱可塑性樹脂組成物に、例えば、剛性、耐摩耗性、耐熱性、硬度、成形収縮率、寸法安定性、熱伝導性、導電性等のフィラーの各種特性を付与することが行われている。
【0003】
近年では、熱可塑性樹脂と、熱可塑性樹脂と同等よりも多い量のフィラーと、熱可塑性樹脂100質量部当たり0.1〜20質量部のフッ素変性アクリル系加工助剤と含有してなるフィラー高充填熱可塑性樹脂組成物(特許文献1参照)、炭素繊維粉末の配合量がマトリックス材料(熱可塑性樹脂)100質量部に対して、1〜800質量部である熱伝導性複合材料組成物(特許文献2参照)、液晶性ポリマー(熱可塑性樹脂)100質量部に、固定炭素95質量%以上で平均粒径が150〜1000μmの黒鉛を300〜600重量部配合してなる体積抵抗率が5×10−2Ω・cm以下である導電性重合体組成物(特許文献3参照)、といったフィラー(充填材)を熱可塑性樹脂に高充填する技術がそれぞれ提案されている。
【0004】
しかしながら、熱可塑性樹脂にフィラーを高充填しようとすると、溶融混練時におけるフィラーと熱可塑性樹脂との結合が悪く、メルトテンションが低下するだけでなく、フィラーの凝集等で成形の際、ボロボロとなりやすく、脆くて、ちぎれやすいため、得られた成形品の成形が困難であるという問題点があった。
【0005】
特に、熱可塑性樹脂として、ABS樹脂やPC樹脂を使用する場合、フィラー(充填材)の分散性が低いため、図6〜7に示すような従来の押出機でフィラーを例えば40質量%以上に高充填した熱可塑性樹脂組成物を押し出す場合において、溶融原料を押し出す際、押出機内で溶融原料が停滞したり、シリンダーの先端部に接続されたダイス(口金)に溶融原料が詰まりやすく、その度にメンテナンスしなければならないため、労力やコストが掛かるだけでなく、押出成形品の不良も発生しやすく、フィラーを高充填した熱可塑性樹脂組成物を連続して(スムーズに)、且つ安定して製造することが極めて困難であった。
【0006】
【特許文献1】特開2002−53758号公報
【特許文献2】特開2002−339171号公報
【特許文献3】特開2004−182895号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フィラーを高充填しても、高品質の熱可塑性樹脂組成物を連続、且つ安定して押し出すことができる重合体組成物の押出装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明は、以下の重合体組成物の押出装置及び方法を提供するものである。
【0009】
[1] シリンダーと、前記シリンダー内に配設されたスクリューとを備え、前記シリンダーの先端部にダイスが接続されてなる押出装置であって、前記シリンダー内で溶融している重合体組成物原料を、前記スクリューを回転させることにより発生する押出し圧力で、前記ダイスから連続的に押し出す重合体組成物の押出装置において、
前記シリンダーの空間率[{(スクリュー先端部を配置した場合の空間容積)/(スクリュー先端部がない場合の空間容積)}×100]が90〜98%である重合体組成物の押出装置。
【0010】
[2] 前記重合体組成物が、フィラーを35質量%以上含有する熱可塑性樹脂組成物である[1]に記載の重合体組成物の押出装置。
【0011】
[3] スクリューが一の単軸、又はスクリューが複数の多軸である[1]又は[2]に記載の重合体組成物の押出装置。
【0012】
[4] シリンダー内で溶融している重合体組成物原料を、前記シリンダー内に配設されたスクリューを回転させることにより発生する押出し圧力で、前記シリンダーの先端部に接続されたダイスから連続的に押し出す重合体組成物の押出方法であって、
前記重合体組成物として、フィラーを35質量%以上含有する熱可塑性樹脂組成物を用いるとともに、前記シリンダーの空間率[{(スクリュー先端部を配置した場合の空間容積)/(スクリュー先端部がない場合の空間容積)}×100]を90〜98%とした、重合体組成物の押出方法。
【0013】
[5] ダイスにおける一のノズル出口からの溶融原料の押出量が、160〜800g/分である[4]に記載の重合体組成物の押出方法。
【0014】
[6] フィラーが、黒鉛、マイカ、酸化マグネシウム、タルク、シリカ、硫酸バリウム、磁性体粉末、及び炭酸カルシウムの群から選択されるいずれか1種である[4]又は[5]に記載の重合体組成物の押出方法。
【0015】
[7] 熱可塑性樹脂組成物が、ABS樹脂及び/又はPC樹脂である「4」〜[6]のいずれかに記載の重合体組成物の押出方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る重合体組成物の押出装置及び方法によれば、フィラーを高充填しても、高品質の熱可塑性樹脂組成物などの重合体組成物の成形品を連続、且つ安定して押し出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る重合体組成物の押出装置及び方法の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0018】
図1は本発明に係る重合体組成物の押出装置(押出機)の一実施形態を示す断面図、図2は図1の要部拡大断面図、図3は本発明で用いるダイスの一例を示す正面図、図4は図3の背面図である。
【0019】
本発明に係る重合体組成物の押出装置(押出機)は、図1〜2に示すように、シリンダー1と、シリンダー1内に配設されたスクリュー2とを備え、シリンダー1の先端部9にダイス10が接続されて構成されている。
【0020】
この押出装置においては、シリンダー1内に配設されたスクリュー2を回転させることにより、原料貯蔵ホッパー30に貯留された重合体組成物原料Pを、シリンダー1内に供給し、シリンダー1内で溶融し、スクリュー2を回転させることにより発生する押出し圧力で、シリンダー1内で形成された溶融原料を、シリンダー1の先端部9に接続されたダイス10から連続的に押し出し、ダイス10の出口16の形状が断面円形であれば、棒状の成形体が連続的に形成される。
【0021】
ここで、本発明に係る重合体組成物の押出装置における主な特徴は、シリンダーの空間率を90〜98%と、従来の押出装置に比して低く抑えたところにある。この空間率は92〜96%が好ましく、93〜95%がさらに好ましい。
【0022】
なお、本発明において、シリンダーの空間率は、次のように定義される。
すなわち、シリンダー1内における、スクリュー2の先端部3(図2では、A点)からダイス10のノズル出口16b(図2では、B点)に至るまでの空間において、スクリュー2の先端部3がない場合を想定したときの空間容積をV1とし、一方、通常状態である、スクリュー2の先端部3を配置した場合の空間容積をV2としたとき、
空間率={(スクリュー先端部3を配置した場合の空間容積V2)/(スクリュー先端部3がない場合の空間容積V1)}×100
で表されるものをいう。
【0023】
このように空間率を所定範囲に設定することにより、本発明に係る重合体組成物の押出装置(図1参照)は、図6に示すような従来における重合体組成物の押出装置と比較して、シリンダー1内の重合体組成物原料の滞留部分(特に、図6の斜線部参照)を大幅に少なくすることで、スクリュー2で押し出された重合体組成物原料の押出圧力が断続することなく、ダイス10に溶融原料を安定供給することができ、そのため、シリンダー1内で溶融材料が停滞したり、シリンダーの先端部9に接続されたダイス10に詰まることなく、フィラーを高充填した熱可塑性樹脂組成物を連続的(スムーズに)、且つ安定して押し出すことができる。一方、空間率が96%を超えると、シリンダー内で溶融原料が停滞したり、ダイス(口金)に溶融原料が詰まりやすくなるという問題があり、空間率が90%未満の場合には、シリンダー1内から所定量の重合体組成物をスムーズに押し出すことができない。
【0024】
また、本発明に係る重合体組成物の押出装置は、図2に示すように、スクリュー2が、シリンダー1の先端部9から、ダイス10の厚さ(t)の1/4〜2/5まで突出していることが好ましい。具体的には、スクリュー2は、シリンダー1の先端部9から14mmまで突出していてもよい(図2のa参照)。
【0025】
また、本発明に係る重合体組成物の押出装置は、図2に示すように、スクリュー2の先端部3から、ダイス10のノズル出口16bまでの距離bが、ダイス10の厚さ(t)の2/5〜4/5であることが好ましく、3/5〜9/10であることがより好ましい。具体的には、スクリュー2の先端部3からダイス10のノズル出口16bまでの距離bは、当該装置全体の大きさにもよるが、通常15〜30mmであることが好ましい。
【0026】
尚、本発明で用いるダイス10は、例えば、図2に示すように、シリンダー1の先端部9に着脱自在であることが好ましく、特に限定されないが、通常、ねじ止めされている。また、本発明で用いるダイス10は、例えば、図3に示すように、押出部15に複数のノズル16がそれぞれ(図3の場合、4箇所)配設されており、そのノズル16が、図4に示すダイス10の背面における受容部12,14と連通しており、受容部14がシリンダー1の先端部9と連結される。
【0027】
また、本発明の押出装置においては、スクリューが一本の単軸押出装置であっても、スクリューが2本又はそれ以上の複数である多軸押出装置であってもよい。
【0028】
また、本発明においては、用いる重合体組成物として、フィラーを35質量%以上含有するような、フィラーを高充填したものを対象とする。具体的には、フィラーを35〜75質量%の範囲の含有率(充填率)で含有したものでも適用でき、特に、充填率が45〜65質量%の重合体組成物を連続して、スムーズに、且つ安定して押し出すことができる。
【0029】
次に、本発明に係る重合体組成物の押出方法について詳細に説明する。
【0030】
図1に示すように、シリンダー1内に配設されたスクリュー2を回転させることにより、原料貯蔵ホッパー30に貯留された重合体組成物原料Pをシリンダー1内に供給し、シリンダー2の周囲に配設されたヒータ60で、シリンダー1内の原料Pを溶融する。尚、シリンダー1内の温度は、ヒーター60と冷却ユニット70を調整することにより、最適化することができる。溶融された原料(溶融原料)は、スクリュー2の回転により発生する押出圧力で、シリンダー1の先端部9に接続されたダイス10から連続的に棒状に押し出されることになる。尚、押し出された棒状の重合体組成物は、図示しないが、例えばメッシュコンベアで水槽に搬送され、水浴にて冷却後、所定の長さで切断(チョッピング)し、ペレット化することにより、所定寸法の重合体組成物を得ることができる。また、ダイス10からの溶融原料の押出速度は、図1に示すように、駆動手段(モータ)40から減速機構(歯車箱)50で、スクリュー2の回転動作を適宜調整することにより、調整することができる。
【0031】
ここで、本発明に係る重合体組成物の押出方法においては、前記の押出装置と同じく、シリンダーからダイスを介して外部へ押し出される重合体組成物として、フィラーを35質量%以上含有する熱可塑性樹脂組成物を用いるとともに、シリンダーの空間率[{(スクリュー先端部を配置した場合の空間容積)/(スクリュー先端部がない場合の空間容積)}×100]を90〜98%としたことが主な特徴である。
【0032】
このことにより、フィラーを所定以上に高充填した熱可塑性樹脂組成物などの重合体組成物を連続して、スムーズに、安定して押し出すことができる。
【0033】
また、本発明に係る重合体組成物の押出方法では、ダイスにおける一のノズル出口からの溶融原料の押出量が、160〜800g/分であることが好ましい。溶融原料の押出量は、押出装置の種類、大きさによって相違するが、一般に上記範囲の場合には、シリンダー内で溶融原料が停滞したり、ダイス(口金)に溶融原料が詰まることがなく、スムーズに押し出すことができる。
【0034】
次に、本発明で用いる、フィラーを高い充填率で含有する熱可塑性樹脂組成物などの重合体組成物について、詳細に説明する。
【0035】
本発明で用いる重合体組成物は、フィラーが高充填された熱可塑性樹脂組成物や熱可塑性エラストマー組成物、未加硫ゴム組成物などから構成されている。本発明で用いる重合体組成物としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂組成物としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)、液晶ポリマー、その他の非晶性熱可塑性樹脂、及びこれらの混合物などを挙げることができる。本発明では、このうち、ABS樹脂、PC樹脂、及びこれら樹脂の混合物が好ましい。
【0036】
また、本発明で用いるフィラーとしては、黒鉛、マイカ、タルク、シリカ、硫酸バリウム、磁性体粉末、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、カーボンファイバーなどを挙げることができる。
上記したもののうち、本発明では、熱可塑性樹脂としてABS樹脂、PC樹脂、ABS樹脂とPC樹脂の混合物を用い、フィラーとして黒鉛又は酸化マグネシウムを用いたものを押出対象物とすることが好ましい。
【実施例】
【0037】
本発明を実施例に基づいて、更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
【0038】
(実施例1〜13)
図8(a)〜図8(d)に示すダイスを備えた押出装置(WERNER and PFLEIDERER社製の商品名:ZSK-40)を用いた。図8(a)は表側(ノズル側)からみた平面図、図8(b)は図8(a)のX−X断面図、図8(c)は裏側(押出機側)からみた斜視図、図8(d)は図8(a)のY−Y断面図である。ダイス10にはノズル16は4個穿設されており、ダイス10の厚さ(t)は24mmで、後背部18の厚さは11mm、ダイス10のノズル入口16aまでの距離は25mm、ノズル16の長さは10mmである。このダイス10に対し、スクリューは、押出装置のシリンダーの先端部から10mm突出するように配設されている。
【0039】
上記押出装置を用い、そのシリンダー温度が230℃で、表1に示すような、ABS樹脂(テクノポリマー社製、商品名:テクノABS 130)、又はABS樹脂(テクノポリマー社製、商品名:テクノABS 130)とPC樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ノバレックス7020A)の混合物に、フィラーとして黒鉛(中越黒鉛工業所製、商品名:HF-150A)又は酸化マグネシウム(神島化学工業社製、商品名:A-10S)を混合した各種の重合体組成物を用いて、押出量160g/分で押出し成形を行った。この場合、シリンダーの空間率は95%であった。その結果を表1に示す。
【0040】
(比較例1〜7)
ダイスに対しスクリューを押出装置のシリンダーの先端部から突出させず、シリンダーの空間率を100%としたこと以外は、実施例1〜13と同一の押出装置を用い、実施例7〜13とそれぞれ同一の重合体組成物を用いて、押出量160g/分で押出し成形を行った。その結果を表2に示す。
【0041】
なお、表1,2において、
○は、問題なく成形可能、
△は、押出条件などにより、安定した成形物が得られない場合もあった。
×は、安定した成形が不可能、
を示す。
【0042】
【表1】

【0043】
【表2】

【0044】
以上の実施例1〜13および比較例1〜7の結果から明らかなように、ダイスに対しスクリューを押出装置のシリンダーの先端部から突出させず、シリンダーの空間率を100%とした比較例1〜7では安定した成形ができず、一方、ダイスに対しスクリューが押出装置のシリンダーの先端部から10mm突出するように配設されシリンダーの空間率が95%である実施例1〜13においては、フィラー(充填材)を高充填した熱可塑性樹脂組成物を連続的にスムーズに押し出すことができた。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明に係る重合体組成物の押出装置及び方法は、熱可塑性樹脂にフィラー(充填材)を高充填した熱可塑性樹脂組成物を連続的にスムーズに押し出すことができるため、例えば、剛性、耐摩耗性、耐熱性、硬度、成形収縮率、寸法安定性、熱伝導性、導電性等のフィラーの各種特性を適切に付与した熱可塑性樹脂組成物を得ることができ、したがって、このような各種特性を付与した熱可塑性樹脂組成物の成形体、携帯機器等の筐体及び内部部品としての成形体などの用途に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る重合体組成物の押出装置(押出機)の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】本発明で用いるダイスの一例を示す正面図である。
【図4】図3の背面図である。
【図5】本発明の重合体組成物の押出装置(押出機)の要部を示す説明図である。
【図6】従来の重合体組成物の押出装置(押出機)の要部を示す説明図である。
【図7】従来の重合体組成物の押出装置(押出機)の一例を示す断面図である。
【図8】本発明の実施例で用いた押出装置(押出機)のダイスを示すもので、(a)は表側(ノズル側)からみた平面図、(b)は(a)のX−X断面図、(c)は裏側(押出機側)からみた斜視図、(d)は(a)のY−Y断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1:シリンダー、2:スクリュー、3:スクリューの先端部、9:シリンダーの先端部、10:ダイス(本発明)、12,14:受容部(ダイス)、15:押出部(ダイス)、16:ノズル、16a:ノズル入口、16b:ノズル出口、18:ダイス後背部、20:ダイス(従来)、25:押出部(ダイス)、26:押出口(ダイス)、30:原料貯蔵ホッパー、40:駆動手段(モータ)、50:減速機構(歯車箱)、60:ヒーター、70:冷却ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダーと、前記シリンダー内に配設されたスクリューとを備え、前記シリンダーの先端部にダイスが接続されてなる押出装置であって、前記シリンダー内で溶融している重合体組成物原料を、前記スクリューを回転させることにより発生する押出し圧力で、前記ダイスから連続的に押し出す重合体組成物の押出装置において、
前記シリンダーの空間率[{(スクリュー先端部を配置した場合の空間容積)/(スクリュー先端部がない場合の空間容積)}×100]が90〜98%である重合体組成物の押出装置。
【請求項2】
前記重合体組成物が、フィラーを35質量%以上含有する熱可塑性樹脂組成物である請求項1に記載の重合体組成物の押出装置。
【請求項3】
前記スクリューが一の単軸、又は前記スクリューが複数の多軸である請求項1又は2に記載の重合体組成物の押出装置。
【請求項4】
シリンダー内で溶融している重合体組成物原料を、前記シリンダー内に配設されたスクリューを回転させることにより発生する押出し圧力で、前記シリンダーの先端部に接続されたダイスから連続的に押し出す重合体組成物の押出方法であって、
前記重合体組成物として、フィラーを35質量%以上含有する熱可塑性樹脂組成物を用いるとともに、前記シリンダーの空間率[{(スクリュー先端部を配置した場合の空間容積)/(スクリュー先端部がない場合の空間容積)}×100]を90〜98%とした、重合体組成物の押出方法。
【請求項5】
前記ダイスにおける一のノズル出口からの溶融原料の押出量が、160〜800g/分である請求項4に記載の重合体組成物の押出方法。
【請求項6】
前記フィラーが、黒鉛、マイカ、タルク、シリカ、硫酸バリウム、磁性体粉末、及び炭酸カルシウムの群から選択されるいずれか1種又はそれらの組み合わせである請求項4又は5に記載の重合体組成物の押出方法。
【請求項7】
前記熱可塑性樹脂組成物が、ABS樹脂及び/又はPC樹脂である請求項4〜6のいずれか1項に記載の重合体組成物の押出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−223274(P2007−223274A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−49878(P2006−49878)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(591258587)日本カラリング株式会社 (36)
【Fターム(参考)】