説明

重合性液晶物質

【課題】従来技術の欠点を有しない、平面配向を有する重合体フィルムの製造用の重合性液晶物質を提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも1種の重合性界面活性化合物を含む重合性液晶物質、異方性重合体フィルムの製造へのこの使用並びに液晶物質および重合体フィルムの光学的および電気光学的装置における、装飾およびセキュリティー用途への使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種の重合性界面活性化合物を含む重合性液晶物質、異方性重合体フィルムの製造のためのその使用、並びに液晶物質および重合体フィルムの、光学的および電気光学的装置における、装飾およびセキュリティー用途への使用に関する。
【背景技術】
【0002】
重合性液晶物質は、従来技術において、均一な配向を有する異方性重合体フィルムの製造のために知られている。これらのフィルムは、通常は、重合可能な液晶混合物の薄い層を基板上に塗布し、混合物を均一な方向に配向させ、混合物を重合させることにより、製造される。
【0003】
特定の用途のために、液晶相において平面配向が、即ち液晶分子が層にほぼ平行に配列されて誘発されることが必要である。次に、配向を、液晶混合物を本来の場所に(insitu)重合させることにより、凍結して固定する。例えば、平面配向を有する重合したネマティック液晶物質の配向フィルムまたは層は、A板補償板または偏光板として有用である。他の重要な用途は、ねじれた分子構造を有する重合したコレステリック液晶物質の配向したフィルムまたは層である。コレステリック物質が平面配向を有する場合には、これらのフィルムは、光の選択的反射を示し、ここで、反射色は、視野角に依存する。これらを、例えば、円偏光板、カラーフィルターとして、あるいは装飾またはセキュリティー用途の効果顔料(effect pigment)の製造に用いることができる。
【0004】
平面配向は、例えば塗布中または塗布後に、例えば、液晶物質を塗布された基板の処理、例えば配向膜のラビングまたは適用により、あるいは液晶物質に剪断力を加えることにより、達成することができる、
また、従来技術において、液晶物質の一方の表面が空気に開放されていて、単一の基板上の液晶物質の平面配向が、界面活性化合物を液晶物質に加えることにより達成され、または増強化されることができることが、知られている。
【0005】
例えば、WO99/45082には、1種または2種以上のフルオロカーボン界面活性剤を含む平面配向を有する重合可能な液晶物質の層から得られた光学リターデーションフィルムが記載されている。US 5,995,184には、平面配向を有する重合可能な液晶物質の層から相リターデーション板を製造する方法が報告されており、ここで、界面活性物質、例えばポリアクリレート、ポリシリコーンまたはオルガノシランを、液晶物質に加えて、液晶層の液晶/空気界面におけるティルト角を減少させる。
【0006】
しかし、前述の文献に記載されている、平面配向を達成する方法は、いくつかの欠点を有する。従って、界面活性剤は、しばしば、重合中または重合後に、液晶物質から相分離する傾向がある。また、他の相を、界面活性剤を含む重合した液晶フィルム上に設ける場合には、界面活性剤は、第2の層中に移動する傾向がある。例えば、特定の用途、例えばコレステリックのカラーフィルターにおいて、重合したコレステリック液晶物質のフィルムは、複合LCセルの部分であり、ここで、他の層を、コレステリックフィルム、例えば他の液晶、リターデーションまたはトップコート層等(しかしこれには限定されない)に加える必要がある。
【0007】
その後の層の付加の間、従来の界面活性分子は、底層から浸出し、空気界面に移動する。この結果、次第に界面活性剤で濃縮される試料/空気界面領域が形成する。従って、続く層は、異なる表面エネルギーを有し、もはや同一であるとは考えることができない。また、界面活性剤の移動により、問題が生じ得、ここで、界面活性剤を含まない最上層を配置することが望ましいか、またはここで、界面活性剤はまた、1つの層から次の層に移動させる他の種の原因となり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、前述の欠点を有しない、平面配向を有する重合体フィルムの製造用の重合可能な液晶物質を提供することにあった。本発明の他の目的は、以下の詳細な記載から、当業者に直ちに明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、前述の目的は、1種または2種以上の重合可能な界面活性化合物を含む重合可能な液晶混合物を提供することにより、達成することができることを見出した。本発明は、このような重合可能な界面活性剤を重合可能な中間相形成物質の混合物において用いることを報告する。重合可能な界面活性剤は、液晶フィルムに容易に重合し、従って界面活性剤のその後の層を通っての移動はすべて、大幅に妨げられる。本発明はさらに、いかにして、1つまたは2つ以上の層が、低表面エネルギー界面活性剤、例えばフッ素化合物に基づく界面活性剤を含む、異なる層の積み重ねを構築するか、一方その後の層の所望の物理的特性を維持することが可能であるかを例証する。
【0010】
本発明の1つの目的は、少なくとも1種の重合可能な界面活性化合物を含む重合可能な液晶物質である。
本発明の他の目的は、低いティルト角を有する平面配向を有する異方性重合体フィルムの製造方法であって、1種または2種以上の重合可能な界面活性化合物を含む重合可能な液晶物質を基板上に塗布し、該物質を平面配列に配向させ、該物質を重合させることによる、前記方法である。
【0011】
本発明の他の目的は、1種または2種以上の重合可能な界面活性化合物を含む重合可能な液晶物質から得られた、平面配向および低いティルト角を有する異方性重合体フィルムである。
本発明の他の目的は、本発明の重合可能な液晶物質および重合体フィルムの、光学的素子用の光学的フィルム、装飾またはセキュリティー用途、例えば配向膜、偏光板、補償板、ビームスプリッター、反射フィルム、カラーフィルター、ホログラフィー素子、ホットスタンピング箔、着色画像、装飾またはセキュリティーマーキングとして、および装飾またはセキュリティー用途への液晶顔料の製造への使用である。
【0012】
本発明の他の目的は、1種または2種以上の重合可能な界面活性化合物を含む重合可能な液晶物質から得られた配向膜である。
本発明の他の目的は、1種または2種以上の重合可能な界面活性化合物から成る重合可能なコレステリック液晶物質から得られたコレステリックカラーフィルターである。
【0013】
用語の定義
本出願において用いる用語「フィルム」は、いくらか顕著な機械的安定性および可撓性を示す、自己支持性の、即ち独立のフィルム、並びに支持基板上の、または2枚の基板の間の被膜または層を含む。
前記および以下で用いる用語「中間相形成化合物」は、棒型、薄い木片型またはディスク型中間相形成基、即ち中間相挙動を誘発することができる基を有する化合物を示す。これらの化合物は、必ずしも、それ自体中間相挙動を示す必要はない。また、これらの化合物が、他の化合物との混合物中でのみ、あるいは中間相形成化合物またはこれらを含む混合物を重合させる際にのみ、中間相挙動を示すことも可能である。棒型および薄い木片型中間相形成基が、特に好ましい。
【0014】
単純のために、用語「液晶物質」を、以下で、液晶物質および中間相形成物質の両方に用い、用語「中間相形成分子」を、物質の中間相形成基に用いる。
他に述べない限り、異方性または液晶層またはフィルムの「ティルト角」は、フィルムを通しての平均ティルト角である。
【0015】
発明の詳細な説明
本発明の重合可能な液晶混合物は、好ましくは、1種または2種以上の重合可能な中間相形成化合物および1種または2種以上の界面活性化合物を含む重合可能な界面活性剤成分を含む。液晶混合物を、基板上に塗布する際には、界面活性化合物は、被覆された層における液晶分子のティルト角を減少させ、従って液晶混合物の平面配向を増強する。界面活性剤は、液晶混合物の単量体と共重合し、従って形成する重合体フィルムに化学的に結合する。これにより、界面活性剤の移動または相分離が防止される。
【0016】
重合可能な液晶物質の配向を、さらに、重合性中間相形成化合物または液晶化合物の選択により制御することができる。従って、混合物が、非極性末端基を有する重合性中間相形成化合物の少ない量のみを含み、好ましくは実質的に極性末端基を有する化合物からなる場合に、低いティルト角を有する平面配向を達成することができることが見出された。
【0017】
「極性基」(polar group)は、特に、ハロゲン、CN、NO、OH、OCH、OCN、SCN、4個までのC原子を有するビニルオキシ、アクリル、メタクリル、クロロアクリル、エポキシ、カルボニルまたはカルボキシル、あるいは1〜5個のC原子を有するモノ、オリゴまたはポリフッ素化アルキルまたはアルコキシから選択された基を意味する。ハロゲンは、好ましくはFまたはClである。
【0018】
「無極性基」(unpolar group)は、特に、極性基ではない、1個または2個以上のC原子を有する脂肪族または芳香族アルキル基あるいは2個または3個以上のC原子を有するアルケニルまたはアルコキシ基を意味する。
特に好ましい極性基は、ビニルオキシ、アクリル、メタクリル、エポキシ、F、Cl、OH、CN、OCH、COCH、COC、COOCH、COOC、CF、C、OCF、OCHFおよびOC、特にビニルオキシ、アクリル、メタクリル、エポキシ、F、Cl、CN、OCHおよびOCFである。
【0019】
特に好ましい態様は、
・40重量%未満、好ましくは20重量%未満、特に好ましくは10重量%未満、特に5重量%未満の、非極性末端基を有する重合性中間相形成化合物を含む、
・ここで少なくとも1つの極性末端基を有する重合性中間相形成化合物と非極性末端基を有する重合性中間相形成化合物との比率が、少なくとも2:1、好ましくは少なくとも3:1、特に少なくとも5:1である、
・非極性基を有する重合性中間相形成化合物を含まない、
【0020】
・実質的に少なくとも1つの極性末端基を有する重合性中間相形成化合物からなる、
・0.01〜15重量%、好ましくは0.1〜5重量%の重合性界面活性化合物を含む、
・重合性フルオロカーボン界面活性剤、特にフルオロカーボンアクリレートまたはフルオロカーボンメタクリレートから選択された1種または2種以上の界面活性化合物を含む、
・15〜50mNm−1の表面張力を有する1種または2種以上の界面活性化合物を含む、
・25mNm−1未満の表面張力を有する1種または2種以上の界面活性化合物を含む、
【0021】
・重合可能な界面活性剤に加えて、2つまたは3つ以上、好ましくは2つの重合可能な基を有する重合性中間相形成化合物のみを含む、
・1つの重合性基および1つの極性末端基を含む1種または2種以上の重合性一反応性中間相形成化合物を少なくとも20重量%含む、
・5%未満の非重合性成分を含む、
・1種または2種以上のキラルな化合物を含む、
・15%未満のキラルな成分を含む、
重合性液晶物質に関する。
【0022】
界面活性化合物は、少なくとも1つ、好ましくは1つまたは2つの重合可能な基を含む。これらはまた、中間相形成または液晶であることができる。好適な界面活性化合物は、例えば、アクリル、メタクリル、エポキシ、ビニル、ビニルオキシ、スチレンまたはプロペニルエーテル基、特にアクリル、メタクリル、エポキシおよびビニルオキシ基から選択された1つまたは2つ以上の重合可能な基を含むものである。
【0023】
好ましくは、重合可能な界面活性化合物は、混合物の少なくとも1つの重合性液晶化合物と同一の条件下で重合する重合性基を含む。特に好ましくは、界面活性化合物の、および液晶混合物の重合性基は、同一である。
【0024】
本発明において1つの表面が空気に対して開放されていて、1つの基板上での重合性液晶物質の平均のティルト角を、代表的には約20〜30°である、液晶物質の基板上の本来的なティルト角から、約0°までの間で、調整することができる。短鎖混合フルオロカーボン/炭化水素界面活性剤を用いることが好ましい。その理由は、界面活性剤の与えられた濃度に対し、これらの低い表面エネルギーは、混合物の表面張力の一層大きい減少がもたらすからである。例えば、3M (St. Paul, Minnesota, USA)の製品情報である、L. Gehlhoff, "Fluorosurfactants for Paint and Coatings"により報告されているように、炭化水素、シリコーンおよびフッ素化合物界面活性剤の表面張力についての代表的な値は、それぞれ、≧25、20〜35および16〜20mNm−1である。これらのフッ素化合物界面活性剤の低い表面張力は、従来技術において、例えば被膜用のレベリング剤において用いられている(L. Gehlhoff "Fluorosurfactants for Paint and Coatings", 3M製品情報)。低い表面エネルギーを有する分子は、CLC/空気界面において容易に蓄積し、配向効果を促進する。
【0025】
特に好ましいのは、ペルフルオロアルキル基を有するアクリル系単量体またはこの混合物、例えば3M (St. Paul, Minnesota, USA)から市場で入手できるフルオラッド(Fluorad)FX−13(登録商標)およびFX−14(登録商標)であり、これは、以下に示す構造
2n+1SON(C)CHCHOCOCH=CH IX (FX−13)
2n+1SON(C)CHCHOCOC(CH)=CH X (FX−14)
式中、nは、4〜8の整数であり、ペルフルオロアルキル基は、直鎖状または分枝状であることができる、
を有する。
【0026】
これらの界面活性剤を用いることにより、0〜3度、特に0〜1.5度の範囲内の低いティルト角を有する平面配向を有する異方性重合体フィルムを製造することが可能である。理想的な場合において、ティルト角は、約0度である。
本発明において好ましい態様は、重合したネマティック液晶物質を含む平面配向を有する重合体フィルムに関する。
本発明において他の好ましい態様は、重合したコレステリック液晶物質を含む平面配向を有する重合体フィルムに関する。
【0027】
本発明における好ましい態様において、重合性液晶物質は、中間相形成化合物または界面活性化合物であることができる、2つまたは3つ以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の重合性化合物(二反応性(direactive)または多反応性(multireactive)あるいは二官能性または多官能性化合物)を含む。
このような混合物の重合により、三次元重合体ネットワークが形成する。このようなネットワークから製造された重合体フィルムは、自己支持性であり、高い機械的および熱的安定性並びにこの液晶特性の低い温度依存性を示す。理想的な場合において、重合体フィルムの液晶特性は、温度非依存性である。
【0028】
多官能性中間相形成または非中間相形成化合物の濃度を変化させることにより、得られた重合体フィルムの架橋密度並びに従ってこの物理的および化学的特性、例えば、またフィルムの光学的特性の温度依存性に重要であるガラス転移温度、熱的および機械的安定性または溶媒耐性を、容易に調節することができる。
特に好ましくは、重合性物質は、5〜100重量%、特に25〜80重量%、極めて好ましくは45〜70重量%の多反応性中間相形成化合物を含む。二反応性中間相形成化合物が、特に好ましい。
【0029】
液晶物質の重合可能な中間相形成化合物は、好ましくは、式I
P−(Sp−X)−MG−R I
式中、
Pは、重合可能な基であり、
Spは、1〜25個のC原子を有するスペーサー基であり、
Xは、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CHCH−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−C≡C−または単結合であり、
nは、0または1であり、
MGは、中間相形成基であり、および
Rは、H、CN、NO、ハロゲンあるいは、非置換であるか、ハロゲンまたはCNにより一置換または多置換されていることができる、25個までのC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、1つまたは2つ以上の隣接していないCH基が、各々の場合において互いに独立して、酸素原子が互いに直接結合しないようにして、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−または−C≡C−により、置換されていることも可能であり、または、あるいはまたRは、P−(Sp−X)−を示す、
から選択されている。
【0030】
式IにおけるMGは、好ましくは、式II
−A−Z−(A−Z−)−A− II
式中、
およびZは、各々独立して、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−OCH−、−CHO−、−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−C≡C−または単結合であり、
、AおよびAは、各々独立して、1,4−フェニレン(ここで、さらに、1つまたは2つ以上のCH基は、Nにより置換されていることができる)、1,4−シクロヘキシレン(ここで、さらに、1つまたは2つの隣接していないCH基は、Oおよび/またはSにより置換されていることができる)、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン、ピペリジン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイルまたは1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2,6−ジイルであり、これらすべての基が、非置換であるか、F、Cl、OH、CN、NOあるいは、1つまたは2つ以上のH原子がFまたはClにより置換されていることができる、1〜7個のC原子を有するアルキル、アルコキシまたはアルカノイル基で一置換または多置換されていることが可能であり、および
mは、0、1または2である、
から選択される。
【0031】
式IIの好ましい中間相形成基の一層小さい群を、以下に示す。単純の理由により、これらの基におけるPheは、1,4−フェニレンであり、PheLは、1〜4個の基Lにより置換された1,4−フェニレン基であり、Lは、F、Cl、CN、OH、NOあるいは、1〜7個のC原子を有する随意にフッ素化または塩素化されたアルキル、アルコキシまたはアルカノイル基であり、Cycは、1,4−シクロヘキシレンである。好ましい中間相形成基の以下のリストは、従属式II−1〜II−25およびこれらの鏡像を含む。
【化1】

【0032】
特に好ましいのは、従属式II−1、II−2、II−4、II−6、II−7、II−8、II−11、II−13、II−14、II−15およびII−16である。
これらの好ましい基において、Zは、各々の場合において独立して、式Iにおいて示したZの意味の1つを有する。好ましくは、Zは、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−C≡C−または単結合である。
【0033】
極めて好ましくは、中間相形成基MGは、以下の式
【化2】

【化3】

式中、Lは、前に示した意味を有し、rは、0、1または2である、
およびこれらの鏡像から選択される。
【0034】
これらの好ましい式における基
【化4】

を示し、Lは、各々独立して、前に示した意味の1つを有する。
【0035】
特に好ましいのは、従属式IId、IIg、IIh、IIi、IIkおよびIIo、特に従属式IIdおよびIIkである。
Lは、好ましくは、F、Cl、CN、OH、NO、CH、C、OCH、OC、COCH、COC、COOCH、COOC、CF、OCF、OCHF、OC、特にF、Cl、CN、CH、C、OCH、COCHおよびOCF、最も好ましくはF、Cl、CH、OCHおよびCOCHである。
他の好ましい態様において、重合性混合物は、少なくとも1つのキラリティーの中心を有する中間相形成基を含む、少なくとも1種の式Iで表されるキラルな重合性化合物を含む。
【0036】
これらの化合物において、Mおよび/またはMは、好ましくは、以下の式
−(A−Z)−G− II−1
−(A−Z)−G−(Z−A− II−2
式中、
、AおよびZは、式IIにおいて示された意味を有し、
aおよびbは、互いに独立して、0、1または2であり、
は、式IにおけるRと共に、末端キラル基を形成し、および
は、2価のキラルな基である、
から選択される。
【0037】
好ましいキラルな基G−Rは、例えばWO96/17901に開示されているように、例えばコレステリル、テルペノイド基であり、好ましくはメンチル、ネオメンチル、カンフェイル、ピネイル、テルピネイル、イソロンギフォリル、フェンキル、カレイル、ミルテニル、ノピル、ジェラニイル、リナロイル、ネリル、シトロネリルおよびジヒドロシトネリル、特にメンチルまたはメントン誘導体あるいはピラノースまたはフラノース環を有する一環式または二環式基を含む末端キラル糖誘導体、例えば、WO95/16007に開示されているキラルな糖から誘導される基から選択される。
【0038】
好ましいキラルな基Gは、例えば、コレステリルあるいは糖、ビナフチル誘導体、または光学的に活性なグリコール、特に1位およびまたは2位においてアルキルまたはアリール基で置換されたエタン−1,2−ジオールである。糖基の場合において、これらは、好ましくは、ペントースまたはヘキソース環を含む一環式または二環式基から選択される。
【0039】
特に好ましいのは、以下の基G
【化5】

式中、Pheは、前に示した意味を有し、Rは、Fまたは1〜4個のC原子を有する随意にフッ素化されたアルキルであり、Y、Y、YおよびYは、式IにおけるRの意味の1つを有する、
である。
【0040】
好ましくは、Gは、エタンジオールで置換されたジアンヒドロソルビトール、例えば
【化6】

式中、Rは、F、CHまたはCFである、
または随意に置換されたビナフチル
【化7】

式中、Y、Y、YおよびYは、H、Fまたは1〜8個のC原子を有する随意にフッ素化されたアルキルである、
である。
【0041】
好ましくは、式II1およびII2中の−(A−Z)−および−(Z−A−は、前述の好ましい式II−1〜II−25およびIIa〜IIo、最も好ましくは式II1〜II6およびIIa〜IIfから選択される。
非極性基を有する重合性中間相形成化合物の場合において、Rは、好ましくは、15個までのC原子を有するアルキルまたは2〜15個のC原子を有するアルコキシである。
【0042】
Rが、アルキルまたはアルコキシ基である場合には、即ち末端CH基が−O−により置換されている場合において、これは、直鎖状または分枝状であることができる。これは、好ましくは直鎖状であり、2、3、4、5、6、7または8個の炭素原子を有し、従って好ましくは、例えば、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシまたはオクトキシ、さらにメチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシまたはテトラデコキシである。
【0043】
オキサアルキル(即ち1つのCH基が−O−により置換されている場合)は、好ましくは、例えば、直鎖状2−オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−(=エトキシメチル)または3−オキサブチル(=2−メトキシエチル)、2−、3−または4−オキサペンチル、2−、3−、4−または5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−または6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−または7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−オキサノニルあるいは2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−オキサデシルである。
【0044】
末端極性基を有する重合性中間相形成化合物の場合において、Rは、CN、NO、ハロゲン、OCH、OCN、SCN、COR、COORあるいは1〜4個のC原子を有するモノ、オリゴまたはポリフッ素化アルキルまたはアルコキシ基から選択される。Rは、1〜4個、好ましくは1〜3個のC原子を有する随意にフッ素化されたアルキルである。ハロゲンは、好ましくはFまたはClである。特に好ましくは、これらの化合物におけるRは、F、Cl、CN、NO、OCH、COCH、COC、COOCH、COOC、CF、C、OCF、OCHFおよびOC、特にF、Cl、CN、OCHおよびOCFから選択される。
【0045】
式Iで表される化合物において、Rは、アキラルまたはキラルな基であることができる。キラルな基である場合には、これは、好ましくは、以下の式III:
【化8】

式中、
は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−または単結合であり、
は、1〜10個のC原子を有するアルキレンまたはアルキレンオキシ基あるいは単結合であり、
は、非置換であるか、ハロゲンまたはCNにより一置換または多置換されていることができる、1〜10個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、また、1つまたは2つ以上の隣接していないCH基が、各々の場合において互いに独立して、酸素原子が互いに直接結合しないようにして、−C≡C−、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−または−CO−S−により置換されていることが可能であり、
は、ハロゲン、シアノ基あるいは、Qとは異なる、1〜4個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基である、
から選択される。
【0046】
式IIIにおけるQが、アルキレンオキシ基である場合には、O原子は、好ましくは、キラルなC原子に隣接している。
【0047】
好ましいキラルな基Rは、例えば、2−ブチル(=1−メチルプロピル)、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、2−オクチル、特に2−メチルブチル、2−メチルブトキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−エチルヘキソキシ、1−メチルヘキソキシ、2−オクチルオキシ、2−オキサ−3−メチルブチル、3−オキサ−4−メチルペンチル、4−メチルヘキシル、2−ノニル、2−デシル、2−ドデシル、6−メトキシオクトキシ、6−メチルオクトキシ、6−メチルオクタノイルオキシ、5−メチルヘプチルオキシカルボニル、2−メチルブチリルオキシ、3−メチルバレロイルオキシ、4−メチルヘキサノイルオキシ、2−クロロプロピオニルオキシ、2−クロロ−3−メチルブチリルオキシ、2−クロロ−4−メチルバレリルオキシ、2−クロロ−3−メチルバレリルオキシ、2−メチル−3−オキサペンチル、2−メチル−3−オキサヘキシル、1−メトキシプロピル−2−オキシ、1−エトキシプロピル−2−オキシ、1−プロポキシプロピル−2−オキシ、1−ブトキシプロピル−2−オキシ、2−フルオロオクチルオキシ、2−フルオロデシルオキシである。
【0048】
さらに、アキラルな分枝状基Rを含む式Iで表される化合物は、場合によっては、例えば結晶化傾向の低下のために、重要であり得る。このタイプの分枝状基は、一般的に、1つより多い分枝鎖を含まない。好ましいアキラルな分枝状基は、イソプロピル、イソブチル(=メチルプロピル)、イソペンチル(=3−メチルブチル)、イソプロポキシ、2−メチルプロポキシおよび3−メチルブトキシである。
本発明の他の好ましい態様は、RがP−(Sp−X)−を示す、式Iで表される化合物に関する。
【0049】
式Iにおける重合性基Pは、好ましくは、
【化9】

から選択され、Wは、H、Cl、CN、フェニルまたは1〜5個のC原子を有するアルキル、特にH、ClまたはCHであり、WおよびWは、互いに独立して、Hまたは1〜5個のC原子を有するアルキル、特にメチル、エチルまたはn−プロピルであり、W、WおよびWは、互いに独立して、Cl、1〜5個のC原子を有するオキサアルキルまたはオキサカルボニルアルキルであり、Pheは、1,4−フェニレンであり、kおよびkは、各々独立して0または1である。
【0050】
極めて好ましくは、Pは、アクリレート基、メタクリレート基、ビニルオキシ基またはエポキシ基、特にアクリレートまたはエポキシ基である。
【0051】
式Iにおけるスペーサー基Spに関して、この目的のために当業者に知られているすべての基を、用いることができる。スペーサー基Spは、好ましくは、1〜20個のC原子、特に1〜12個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキレン基であり、ここで、さらに、1つまたは2つ以上の隣接していないCH基は、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−O−CO−、−S−CO−、−O−COO−、−CO−S−、−CO−O−、−CH(ハロゲン)−、−CH(CN)−、−CH=CH−または−C≡C−により置換されていることができる。
【0052】
代表的なスペーサー基は、例えば、−(CH−、−(CHCHO)−CHCH−、−CHCH−S−CHCH−または−CHCH−NH−CHCH−であり、oは、2〜12の整数であり、pは、1〜3の整数である。
好ましいスペーサー基は、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレンチオエチレン、エチレン−N−メチルイミノエチレン、1−メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンである。
【0053】
特に好ましいのは、Spが2〜8個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を示す、式Iで表される本発明の化合物である。直鎖状アルキルまたはアルコキシ基が、特に好ましい。
【0054】
本発明の他の好ましい態様において、式Iで表されるキラルな化合物は、式IV:
【化10】

式中、
およびQは、式IIIにおいて示す意味を有し、および
は、1〜10個のC原子を有するアルキレンまたはアルキレンオキシ基あるいは単結合であり、Qとは異なる、
で表されるキラルな基である少なくとも1つのスペーサー基Spを含む。
【0055】
RがP−Sp−X−を示す場合には、式Iで表される化合物における2つのスペーサー基Spは、同一であるかまたは異なることができる。
前述の好ましい化合物の中で、特に好ましいのは、nが1であるものである。
さらに好ましいのは、基P−(Sp−X)−(式中、nは0である)および基P−(Sp−X)−(式中、nは1である)を共に含む化合物である。
【0056】
式Iで表される化合物を、それ自体知られており、有機化学の標準的な学術書、例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, Thieme-Verlag, Stuttgartに記載されている方法により、またはこの方法と同様にして、合成することができる。製造のいくつかの特定の方法を、例から採用することができる。
【0057】
重合性CLC材料の成分として用いることができる、好適な重合性中間相形成化合物の例は、例えば、WO93/22397;EP 0,261,712;DE 195,04,224;WO95/22586およびWO97/00600に開示されている。しかし、これらの文献に開示されている化合物は、単に本発明の範囲を限定しない例として考慮するべきである。好ましくは、重合性CLC混合物は、1つの重合性官能基を有する少なくとも1種の重合性中間相形成化合物および2つまたは3つ以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の重合性中間相形成化合物を含む。
【0058】
特に有用な一反応性のキラルなおよびアキラルな重合性中間相形成化合物の例を、化合物の以下のリストに示すが、これは、例示的のみと考慮するべきであり、いかなる方法でも限定することを意図せず、代わりに本発明を説明するものである:
【化11】

【化12】

式中、Pは、式Iで表される意味の1つおよび前述のこの好ましい意味を有し、xは、1〜12の整数であり、Aは、1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、vは、0または1であり、Yは、前に定義した極性基であり、Rは、前に定義した無極性アルキルまたはアルコキシ基であり、Terは、テルペノイド基、例えばメンチルであり、Cholは、コレステリル基であり、LおよびLは、各々独立して、H、F、Cl、OH、CN、NOあるいは、1〜7個のC原子を有する、随意にハロゲン化されたアルキル、アルコキシまたはカルボニル基である。
【0059】
有用な二反応性のキラルなおよびアキラルな重合性中間相形成化合物の例を、化合物の以下のリストに示すが、これは、例示的のみと考慮するべきであり、いかなる方法でも限定することを意図せず、代わりに本発明を説明するものである。
【化13】

式中、P、x、D、LおよびLは、前に示した意味の1つを有し、yは、xと同一であるかまたは異なる、1〜12の整数である。
【0060】
本発明の好ましい態様における重合性液晶物質は、1種または2種以上のキラルな重合可能な中間相形成化合物を含む。好ましくは、これらの化合物は、式Iから選択され、ここで、MG、Spおよび/またはRは、キラルな部分を含む。特に好ましいのは、前述の式Va〜Vmから選択されたキラルな化合物である。
本発明の他の好ましい態様において、重合性液晶物質は、1種または2種以上の非重合性キラルなドーパントを含む。
【0061】
特に好ましいのは、特にWO98/00428に開示されている、高いらせんねじれ力(HTP)を有するキラルなドーパントである。他の代表的に用いられているキラルなドーパントは、例えば、市場で入手できるS1011、R811またはCB15(Merck KGaA, Darmstadt, Germanyから)である。
【0062】
特に好ましいのは、示していないそれぞれの(R,R)、(R,S)、(S,R)および(S,S)鏡像異性体を含む、式VII
【化14】

式中、EおよびFは、各々独立して、前に定義したLにより置換されていることができる、1,4−フェニレンまたはトランス−1,4−シクロヘキシレンであり、vは、0または1であり、Zは、−COO−、−OCO−、−CHCH−または単結合であり、およびRは、1〜12個のC原子を有するアルキル、アルコキシまたはアルカノイルである、
から選択されたキラルなドーパントである。
【0063】
式VIIで表される化合物およびこれらの合成は、WO98/00428に記載されている。式VIIIで表される化合物およびこれらの合成は、GB 2,328,207に記載されている。
式VIIおよびVIIIで表される前述のキラルな化合物は、極めて高いらせんねじれ力(HTP)を示し、従って本発明の目的に特に有用である。
【0064】
第1の好ましい重合性液晶物質は、
a)極性末端基を有する好ましくは5種まで、極めて好ましくは1種、2種または3種の一反応性中間相形成化合物5〜80重量%、極めて好ましくは10〜65重量%、
b)好ましくは4種まで、極めて好ましくは1種または2種の二反応性の重合性中間相形成化合物10〜90重量%、極めて好ましくは25〜75重量%、
c)3種まで、極めて好ましくは1種または2種の非重合性キラルなドーパント0.1〜15重量%、極めて好ましくは0.2〜9重量%、
d)重合開始剤0.5〜10重量%、極めて好ましくは1〜7重量%、
e)1種または2種以上の重合可能な界面活性化合物0.01〜6重量%、極めて好ましくは0.1〜3重量%
を含む。
【0065】
第2の好ましい重合性液晶物質は、
a)極性末端基を有する好ましくは5種まで、極めて好ましくは1種、2種または3種の一反応性中間相形成化合物0〜30重量%、極めて好ましくは0〜5重量%、
b)好ましくは4種まで、極めて好ましくは1種または2種の二反応性の重合可能な中間相形成化合物90重量%またはそれ以上、極めて好ましくは90〜99.5重量%、
c)好ましくは3種まで、極めて好ましくは1種または2種の非重合性キラルなドーパント0.1〜15重量%、極めて好ましくは0.2〜9重量%、
d)重合開始剤0.5〜10重量%、極めて好ましくは1〜7重量%、
e)1種または2種以上の重合可能な界面活性化合物0.01〜6重量%、極めて好ましくは0.1〜3重量%
を含む。
【0066】
第2の態様の特に好ましい混合物は、成分a)の一反応性の重合性化合物を含まないものである。
【0067】
第3の好ましい重合性液晶物質は、
a)極性末端基を有する好ましくは5種まで、極めて好ましくは1種、2種または3種の一反応性中間相形成化合物80重量%またはそれ以上、極めて好ましくは90〜99,5重量%、
b)好ましくは4種まで、極めて好ましくは1種または2種の二反応性の重合可能な中間相形成化合物0〜20重量%、極めて好ましくは0〜5重量%、
c)好ましくは3種まで、極めて好ましくは1種または2種の非重合性キラルなドーパント0.1〜15重量%、極めて好ましくは0.2〜9重量%、
d)重合開始剤0.5〜10重量%、極めて好ましくは1〜7重量%、
e)1種または2種以上の重合可能な界面活性化合物0.01〜6重量%、極めて好ましくは0.1〜3重量%
を含む。
【0068】
第3の態様の特に好ましい混合物は、成分b)の二反応性の重合可能な化合物を含まないものである。
【0069】
成分a)の化合物は、好ましくは、前述の式VaおよびVbから選択される。
成分b)の化合物は、好ましくは、前述の式VIaおよびVIbから選択される。
成分c)の化合物は、好ましくは、前述の式VIIおよびVIIIから選択される。
成分e)の化合物は、好ましくは、前述の式IXおよびXから選択される。
【0070】
本発明の方法において、重合性液晶物質を、基板上に塗布し、均一な配列に配向させる。その後、これを重合させて、コレステリック物質の配向を永久的に固定することができる。
基板として、例えば、ガラスまたは石英シートあるいはプラスチックフィルムまたはシートを、用いることができる。重合性物質の場合において、基板を、重合後に除去するかまたは除去しないことができる。重合後に基板を重合したフィルムから除去しない場合には、好ましくはアイソトロピック基板を用いる。
【0071】
また、基板は、プラスチック基板、例えばポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルム、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート(PC)またはトリアセチルセルロース(TAC)のフィルム、特に好ましくはPETフィルムまたはTACフィルムであることができる。複屈折基板として、例えば一軸延伸プラスチックフィルムを用いることができる。例えば、PETフィルムは、メリネックス(Melinex)の商品名でICI Corp.から市場で入手できる。
特に好ましいのは、特にラビングしたポリイミドで被覆されたガラス基板である。
【0072】
また、重合性液晶物質を、溶媒、好ましくは有機溶媒に溶解することができる。次に、溶液を、基板上に、例えば回転塗布または他の既知の手法により塗布し、溶媒を蒸発させて除去する。ほとんどの場合において、混合物を加熱して、溶媒の蒸発を促進するのが好適である。
前に記載した方法に加えて、重合可能な液晶物質の被覆した層における平面配向を、さらに、物質を例えばドクターブレードにより剪断することにより、増強させることができる。また、配向膜、例えばラビングしたポリイミドまたはスパッタリングしたSiOの層を、基板の最上部上に設けるか、またはあるいはまた基板を直接、即ち追加の配向膜を設けずに、ラビングすることが可能である。
【0073】
例えば、ラビングを、ラビング布、例えばベルベット布により、またはラビング布で被覆した平坦な棒で達成することができる。本発明の好ましい態様において、ラビングを、少なくとも1つのラビングローラー、例えば基板を交差して摩擦する迅速回転ローラーにより、あるいは基板を少なくとも2つのローラーの間に配置することにより達成し、ここで、各々の場合において、少なくとも1つのローラーを、随意にラビング布で被覆する。本発明の他の好ましい態様において、ラビングを達成するには、基板を、好ましくはラビング布で被覆されたローラーの周囲に所定の角度で少なくとも部分的に巻き付ける。
【0074】
重合性液晶物質の重合は、例えば、熱または化学線に暴露することにより達成される。化学線は、光、例えばUV光、IR光または可視光線での照射、X線またはガンマ線での照射あるいは高エネルギー粒子、例えばイオンまたは電子での照射を意味する。好ましくは、重合を、UV照射により実施する。
【0075】
化学線の源として、例えば、単一のUVランプまたはUVランプのセットを用いることができる。大きいランプ出力を用いる際には、硬化時間を減少させることができる。化学線の他の可能な源は、レーザー、例えばUVレーザー、IRレーザーまたは可視レーザーである。
重合を、化学線の波長において吸収を示す開始剤の存在下で実施する。例えば、UV光により重合する際には、UV照射の下で分解されて、重合反応を開始する遊離基またはイオンを生成する光開始剤を用いることができる。
【0076】
アクリレートまたはメタクリレート基を有する重合性中間相形成分子を硬化させる際に、好ましくはラジカル光開始剤を用い、ビニルおよびエポキシド基を有する重合性中間相形成分子を硬化させる際に、好ましくは、陽イオン性光開始剤を用いる。
また、加熱した際に分解して、重合を開始する遊離基またはイオンを生成する重合開始剤を用いることが可能である。
【0077】
ラジカル重合のための光開始剤として、例えば、市場で入手できるイルガキュア(Irgacure)651、イルガキュア184、ダロキュア(Darocure)1173またはダロキュア4205(すべてCiba Geigy AGから)を用いることができ、一方陽イオン性光重合の場合には、市場で入手できるUVI6974(Union Carbide)を用いることができる。
重合性液晶物質は、好ましくは、0.01〜10%、極めて好ましくは0.05〜5%、特に0.1〜3%の重合開始剤を含む。UV光開始剤、特に、ラジカル性UV光開始剤が好ましい。
【0078】
硬化時間は、特に、重合性中間相形成物質の反応性、被覆層の厚さ、重合開始剤のタイプおよびUVランプの出力に依存する。本発明における硬化時間は、好ましくは、10分より長くなく、特に好ましくは5分より長くなく、極めて特に好ましくは2分より短い。大量生産のために、3分またはこれ以下、極めて好ましくは1分またはこれ以下、特に30秒またはこれ以下の短い硬化時間が、好ましい。
【0079】
重合開始剤に加えて、重合性物質はまた、1種または2種以上の他の好適な成分、例えば触媒、安定剤、連鎖移動剤または共反応単量体を含むことができる。特に、安定剤の添加は、例えば貯蔵中の重合可能な物質の不所望な自発的重合を防止するために、好ましい。
安定剤として、原理的に、この目的のために当業者に知られているすべての化合物を、用いることができる。これらの化合物は、広範囲で市場で入手できる。安定剤の代表例は、4−エトキシフェノールまたはブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)である。
【0080】
他の添加剤、例えば連鎖移動剤もまた、重合性物質に加えて、本発明の重合体フィルムの物理的特性を改変することができる。連鎖移動剤、例えばドデカンチオールのような一官能性チオール化合物、または例えばトリメチルプロパントリ(3−メルカプトプロピオネート)のような多官能性チオール化合物を、重合可能な物質に加える際には、本発明の重合体フィルムにおける遊離の重合体鎖の長さおよび/または2つの架橋間の重合体鎖の長さを、制御することができる。連鎖移動剤の量を増大させると、得られた重合体フィルムにおける重合体鎖の長さは、減少する。
【0081】
また、重合体の架橋を増加させるために、20%までの2つまたは3つ以上の重合性官能基を有する非中間相形成化合物を、重合性物質に、二官能性または多官能性の重合性中間相形成化合物の代わりに、またはこれに加えて添加して、重合体の架橋を増加させることも可能である。
二官能性非中間相形成単量体の代表例は、1〜20個のC原子を有するアルキル基を有するアルキルジアクリレートまたはアルキルジメタクリレートである。2つより多い重合性基を有する非中間相形成単量体の代表例は、トリメチルプロパントリメタクリレートまたはペンタエリスリトールテトラアクリレートである。
【0082】
他の好ましい態様において、重合性CLC混合物は、70%まで、好ましくは3〜50%の、1つの重合性官能基を有する非中間相形成化合物を含む。一官能性非中間相形成単量体の代表例は、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートである。
また、例えば、20重量%までの量の非重合性液晶化合物を加えて、光学的リターデーションフィルムの光学的特性を適合させることも可能である。
【0083】
本発明の好ましい態様において、重合性CLC混合物の重合を、不活性ガスの雰囲気下、好ましくは窒素雰囲気下で実施する。
好適な重合温度の選択は、主に、重合性物質の透明点および特に基板の軟化点に依存する。好ましくは、重合温度は、重合性中間相形成混合物の透明点より少なくとも30度低い。
【0084】
本発明の混合物およびフィルムを、例えば、光学的および電気光学的素子、例えば液晶ディスプレイまたは投射システムにおいて、あるいは装飾またはセキュリティー用途に用いることができる。本発明の混合物から得られた平面配向を有する重合体フィルムは、光学的素子、例えば偏光板、補償板、ビームスプリッター、反射フィルム、カラーフィルター、装飾またはセキュリティーマーキング、着色画像、ホログラフィー素子、高温スタンピング箔用の光学的フィルムとして、および装飾またはセキュリティー用途、例えば紙幣または他の有価証券における偽造防止マーキングまたは偽造防止系への液晶顔料の製造に特に好適である。
【0085】
重合性コレステリック液晶混合物およびこれから得られた重合体フィルムは、フィルムが複合液晶セルの一部、例えば配向膜またはカラーフィルターである用途に特に好適である。例えば、ネマティック混合物は、配向膜として特に好適であり、コレステリック混合物は、カラーフィルターとして特に好適である。
さらなる骨折りを伴わずに、当業者は、前の記載を用いて、本発明を最大限に用いることができると考えられる。従って、以下の例は、単に例示的であり、いかなる方法によっても開示の残りを限定するものではないと考えるべきである。
【0086】
前記において、および以下の例において、他に示さなければ、すべての温度は、摂氏度で訂正されずに述べられ、すべての部および百分率は、重量によるものである。
以下の略語を用いて、化合物の液晶相挙動を例示する:K=結晶性;N=ネマティック;S=スメクティック;Ch=コレステリック;I=アイソトロピック。符号間の数は、相転移温度(℃)を示す。
【実施例】
【0087】
例1
3種の重合性コレステリック液晶混合物A、BおよびCを、表1に示すように処方した。混合物Aは、重合性界面活性剤を含み、混合物Bは、非重合性界面活性剤を含み、および混合物Cは、界面活性剤を含んでいない。
【0088】
表1:重合可能なコレステリック混合物の組成
【表1】

【0089】
化合物(1)および(2)は、WO93/22397に記載されている方法と同様にして製造することができる。化合物(3)および(4)は、D.J. Broer et al., Makromol. Chem. 190, 3201-3215 (1989)に記載されている方法と同様にして製造することができる。キラルなドーパント(5)の製造は、WO98/00428に記載されている。FX−13(登録商標)は、前述の式IXで表される重合性界面活性剤であり、これは、3M (St. Paul, Minnesota, USA)から市場で入手できる。TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシド)、商品名ルシリン(Lucirin)(登録商標)TPOは、BASF (Ludwigshafen, Germany)から市場で入手できる光開始剤である。4−メトキシフェノールは、市場で入手できる安定剤である。FC171は、式C2n+1SON(C)(CHCHO)CH(式中、nは、4〜12の整数であり、xは、5〜15の整数である)で表される非重合性フルオロカーボン界面活性剤であり、これは、3M (St. Paul, Minnesota, USA)から市場で入手できる。
【0090】
フィルムの製造
混合物A、BおよびCの各々の50重量%溶液を、キシレン中に調製した。溶液を、使用前に0.2μmPTFE膜フィルターを通して濾過した。混合物AおよびBの第1の層を、それぞれラビングしたポリイミド/ガラス基板上に、3,000RPMで30秒間回転塗布した。フィルムを、70℃で30秒間アニールし、70℃で19.5mWcm−2のUV−A照射を用いて60秒間、窒素雰囲気中で光重合した。次に、積み重ねたフィルムを、混合物Cの第2の層をそれぞれ混合物AおよびBの第1の層の上に直接回転塗布することにより、製造した。第2の層を、70℃で30秒間アニールし、周囲温度で19.5mWcm−2のUV−A放射を用いて60秒間、窒素雰囲気中で光重合した。
【0091】
表面エネルギー測定
得られた一層および二層フィルムの表面エネルギーを、PCに接続したKruss DSA10機器を用いて、採用された接触角測定から決定した。この分析を、機器に供給された専門ソフトウエアを用いて実施した。水(BDH、HPLC階級)、エチレングリコール(アルドリッヒ(Aldrich)99+%分光光度階級)およびジヨードメタン(アルドリッヒ99%)の接触角を測定して、フィルムの表面エネルギーを決定した。溶媒を、供給されたように用いた。すべての測定を、22℃で採用した。用いた接触角は、Young-LaPlaceによりあてはめた少なくとも4回の測定の平均である。表面エネルギーを、Owen-Wendt-Rabel-Kaelbe(OWRK)理論を用いて得た。データを、表2にまとめる。
【0092】
表2:混合物A、BおよびCの一層および二層重合体フィルムについての接触角測定および表面エネルギーγ
【表2】

【0093】
上付き文字dおよびpは、表面エネルギーの分散および極性成分を意味する。
【0094】
混合物A、BおよびCのフィルムについての表面エネルギーデータの分析により、液晶混合物への界面活性剤の添加がフィルムの表面エネルギーを低下させることが明らかである。重合性界面活性剤FX13の添加は、重合フィルムの全体の表面エネルギーの減少において、非重合性界面活性剤FC171より効率的である。OWRK理論による接触角測定の分析により、表面エネルギーの分散および極性成分を決定することが可能になる(表2)。これらの結果は、重合可能な界面活性剤FX13を含むフィルム(A)の表面エネルギーが、小さい極性寄与のみと共に本質的に主に分散性であることを示す。界面活性剤を含まないフィルム(C)の表面エネルギーは、極性および分散成分の両方の大きさの増大と共に、最も大きい表面エネルギーを示す。
【0095】
非重合性界面活性剤FC171を含むフィルム(B)の表面エネルギーの分散成分は、純粋な液晶フィルム(C)のものと同様であり、一方この極性成分の大きさは、(C)と比較して顕著に減少している。従って、フィルムの表面エネルギーの分散および極性の寄与の両方の試験により、積み重ねた層を通しての界面活性剤の移動を検出することが可能になる。積み重ねたフィルムは、界面活性剤を含まない液晶混合物(C)の第2の層の、(A)および(B)両方のフィルムへの添加により得られた。(A)+(C)の積み重ねたフィルムについての表面エネルギーへの分散および極性寄与は、まさに界面活性剤を含まない液晶混合物のフィルム(C)のものに極めて類似しており、このことは、重合性界面活性剤が、下方の層から上方の層に移動しないこと、またはこの移動が、顕著に低下したことを示唆する。
【0096】
フィルム(B)および(C)についての分散の寄与は、大きさにおいて同様である。従って、この例については、(B)+(C)の積み重ねについての表面エネルギーへの分散の寄与の大きさは、界面活性剤移動の指標として用いるのには適しない。しかし、これらのフィルムにおける極性の寄与は、十分に異なる。(B)+(C)の積み重ねたフィルムについての表面エネルギーへの極性の寄与は、非重合可能な界面活性剤FC171を含むフィルム(B)と同様であり、このことは、FC171が、第1の層から第2の層中に移動したことを示唆する。従って、重合性界面活性剤の使用は、フィルムの積み重ねにおける界面活性剤の移動を顕著に減少させると例証された。
【0097】
例2
以下の重合可能なネマティック混合物を処方した。
化合物(1) 99.0%
フルオラッドFX−13(登録商標) 0.5%
イルガキュア651(登録商標) 0.5%
イルガキュア651(登録商標)は、Ciba AG (Basel, Switzerland)から市場で入手できる光開始剤である。
【0098】
例3
以下の重合可能なコレステリック混合物を処方した。
化合物(1) 92.0%
パリオカラー(Paliocolor)LC756(登録商標) 7.0%
フルオラッドFX−13(登録商標) 0.5%
イルガキュア651(登録商標) 0.5%
パリオカラー756(登録商標)は、BASF AG (Ludwigshafen, Germany)から市場で入手できる、二反応性の重合性キラルな化合物である。
【0099】
例4
以下の重合可能なネマティック混合物を処方した。
化合物(3) 25.0%
化合物(4) 25.0%
化合物(6) 49.0%
フルオラッドFX−13(登録商標) 0.5%
イルガキュア651(登録商標) 0.5%
【化15】

化合物(6)を、WO93/22397に記載されている方法と同様にして製造することができる。
【0100】
例5
以下の重合性コレステリック混合物を処方した。
化合物(3) 25.0%
化合物(4) 25.0%
化合物(5) 5.0%
化合物(6) 44.0%
フルオラッドFX−13(登録商標) 0.5%
イルガキュア651(登録商標) 0.5%
【0101】
前述の例を、本発明の一般的に、または特定的に記載した反応体および/または操作条件を、前述の例において用いられているものと置換させることにより、同様の成功で繰り返すことができる。
前述の記載から、当業者は、本発明の必須の特徴を容易に確認することができ、本発明の精神および範囲を逸脱せずに、本発明の種々の変更および改変を実施して、本発明を種々の使用および条件に適合させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合性液晶物質であって、これが、少なくとも1種の重合性界面活性化合物を含むことを特徴とする、重合性液晶物質。
【請求項2】
無極性末端基を有する重合性中間相形成化合物を20重量%未満含むことを特徴とする、請求項1に記載の重合性液晶物質。
【請求項3】
重合性界面活性化合物を0.01〜15重量%含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の重合性液晶物質。
【請求項4】
1種または2種以上のキラルな化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の重合性液晶物質。
【請求項5】
1種または2種以上の式I
P−(Sp−X)−MG−R I
式中、
Pは、重合可能な基であり、
Spは、1〜25個のC原子を有するスペーサー基であり、
Xは、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CHCH−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−C≡C−または単結合であり、
nは、0または1であり、
MGは、中間相形成基であり、および
Rは、H、CN、NO、ハロゲンあるいは、非置換であるか、ハロゲンまたはCNにより一置換または多置換されていることができる、25個までのC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、1つまたは2つ以上の隣接していないCH基が、各々の場合において互いに独立して、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−または−C≡C−により、酸素原子が互いに直接結合しないように置換されていることも可能であり、または、替わってRは、P−(Sp−X)−を示す、
から選択された重合性中間相形成化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の重合性液晶物質。
【請求項6】
重合性界面活性化合物が、アクリル、メタクリル、エポキシ、ビニル、ビニルオキシ、スチレンおよびプロペニルエーテル基から選択された1種または2種の重合性基を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の重合性液晶物質。
【請求項7】
重合性界面活性化合物が、以下の式
2n+1SON(C)CHCHOCOCH=CH IX (FX−13)
2n+1SON(C)CHCHOCOC(CH)=CH X (FX−14)
式中、nは、4〜8の整数であり、パーフルオロアルキル基が、直鎖状または分枝状であることができる、
から選択されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の重合性液晶物質。
【請求項8】
本質的に、
a)極性末端基を有する5種までの一反応性中間相形成化合物5〜80重量%、
b)4種までの二反応性の重合性中間相形成化合物10〜90重量%、
c)3種までの非重合性キラルなドーパント0.1〜15重量%、
d)重合開始剤0.5〜10重量%、
e)1種または2種以上の重合性界面活性化合物0.01〜6重量%
からなることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の重合性液晶物質。
【請求項9】
本質的に、
a)極性末端基を有する5種までの一反応性中間相形成化合物0〜30重量%、
b)4種までの二反応性の重合性中間相形成化合物90重量%またはそれ以上、
c)3種までの非重合性キラルなドーパント0.1〜15重量%、
d)重合開始剤0.5〜10重量%、
e)1種または2種以上の重合性界面活性化合物0.01〜6重量%
からなることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の重合性液晶物質。
【請求項10】
本質的に、
a)極性末端基を有する5種までの一反応性中間相形成化合物80重量%またはそれ以上、
b)4種までの二反応性の重合性中間相形成化合物0〜20重量%、
c)3種までの非重合性キラルなドーパント0.1〜15重量%、
d)重合開始剤0.5〜10重量%、
e)1種または2種以上の重合性界面活性化合物0.01〜6重量%
からなることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の重合性液晶物質。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の重合性液晶物質を基板上に塗布し、物質を平面配列に配向させ、物質を重合させることによる、低いティルト角を有する平面配向を有する異方性重合体フィルムの製造方法。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれかに記載の重合性液晶混合物から得られる平面配向を有する異方性重合体フィルム。
【請求項13】
ティルト角が3度より小さいことを特徴とする、請求項12に記載の異方性重合体フィルム。
【請求項14】
らせんねじれ分子配向を示すことを特徴とする、請求項12または13に記載の異方性重合体フィルム。
【請求項15】
請求項1〜10のいずれかに記載の重合性液晶物質または請求項11〜13の少なくともいずれかに記載の重合体フィルムの、光学的素子、装飾またはセキュリティー用途、例えば偏光板、補償板、ビームスプリッター、配向膜、反射フィルム、カラーフィルター、ホログラフィー素子、高温スタンピング箔、着色画像、装飾またはセキュリティーマーキングにおいての、および装飾またはセキュリティー用途への液晶顔料の製造への使用。
【請求項16】
請求項1〜10のいずれかに記載の重合性液晶混合物または請求項11〜13のいずれかに記載の少なくとも1つの重合体フィルムを含む、カラーフィルター。

【公開番号】特開2009−41023(P2009−41023A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−224872(P2008−224872)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【分割の表示】特願2002−132291(P2002−132291)の分割
【原出願日】平成14年5月8日(2002.5.8)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】