説明

金属、半導体、絶縁体パターンの線幅及びサイズを縮める方法

【課題】既存の方法で先ず線幅やサイズの大きい(例えば、50nm以上)パターン202などを製作した後、物理的、化学的、機械的蝕刻を利用してパターンのサイズを更に縮める。
【解決手段】従来の方法で線幅が20nm以上の所定サイズの線幅を有するパターン202を作るステップS302、及び前記パターン202を物理的、機械的加工で削ってサイズを縮めるステップ、前記パターン202を化学的方法で蝕刻することによって前記パターン202のサイズを縮めるステップ、並びに前記パターン202を材料の最外から分解して前記パターン202のサイズを縮めるステップなどの中から選択された一つのステップS306を含むことにより金属、半導体、絶縁体パターンの線幅及びサイズを縮める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従来の方法で先ず線幅やサイズの大きい金属、半導体、絶縁体のパターンを製作した後、物理的、化学的、機械的蝕刻を利用してパターンのサイズを縮める方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体素子は基板上でフィルム蒸着、酸化、写真、蝕刻、イオン注入、拡散などの各工程を選択的に、繰り返し行われることによってなされる。
図5は、従来技術の写真工程を利用したパターン形成過程のフローチャートである。前記写真工程と後続工程とを含んだ半導体素子のパターンを形成する過程について説明すると、次の通りである。
【0003】
先ず、基板上にフォトレジストを塗布S102し、塗布されたフォトレジストをソフトベークS104し、このウエハのエッジ部分を露光S106した後、前記ウエハ上に露光するレティクルを整列させて露光S108するようになる。
【0004】
前記整列/露光工程S108を行った後、ウエハをベークするピイビ(Post Exposure
Bake:PEB)S110を行い、このウエハを現像S112し、形成されたフォトレジス
トパターンをハードベークS114する。
【0005】
前記ハードベーク工程S114を行った後、フォトレジストをマスクとして利用し、その上に他の物質を載せるか、蝕刻するか、イオン注入などの工程S116を遂行した後、不要になったフォトレジストを除去S118する。
【0006】
これにより、金属、半導体、絶縁体などの材料にパターンが作られるが、従来の写真技術の限界によって線幅が20nm水準以下のパターンを大量製作することができなかった。
【0007】
あるパターンの線幅やサイズが20nm水準以下になるように微細線幅のパターンなどを大量に製作することは、現在ほとんど不可能であるか、あるいは難しい。
しかし、未来の高性能素子などではこのような微細パターンの形成が要求される。
【0008】
現在、20nm水準を作るために開発された方法などは部分的のみ可能であるか、極めて速度が遅いか、生産コストが極めて高い。
従って、既存の方法で最小線幅が20nm以下になるパターンなどを大量に生産することは現在、ほぼ不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、既存の方法で先ず線幅やサイズの大きい(例えば、50nm以上)パターン202などを製作した後、物理的、化学的、機械的蝕刻を利用してパターンのサイズを更に縮める方法に関するものである。このようにして大量生産に適する既存の方法をそのまま利用しながら、追加で線幅やサイズの小さい(例えば、20nm水準以下)微細パターン212を少ない費用で作ろうとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような課題を解決するために、本発明は、金属、半導体、絶縁体のパターン形成
方法において、所定サイズの線幅を有するパターンを作るステップ;及び前記パターンを物理的、機械的加工で削ってサイズを縮めるステップ、前記パターンを化学的方法で蝕刻することにより前記パターンのサイズを縮めるステップ、及び前記パターンを材料の最外から分解して前記パターンのサイズを縮めるステップなどの中から選択された一つのステップ;を含むことを特徴とする金属、半導体、絶縁体パターンの線幅及びサイズを縮める方法を提供することである。
【0011】
ここで、本発明は、更に、前記所定サイズの線幅を有するパターンに熱処理をするか化学的処理をするステップを含むことを特徴とする。
また、本発明は、更に、線幅が小さくなったパターンに熱処理をするか化学的処理をするステップを含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記所定サイズの線幅を有するパターンを作るステップの後、更に、前記基板の少なくとも一部分を蝕刻するか操作するステップを含むことを特徴とする。
また、本発明は、前記基板の少なくとも一部分を蝕刻するか操作するステップに前記熱処理をするか化学的処理をするステップを混合して適用することを特徴とする。
【0013】
また、本発明において、前記物理的、機械的加工はイオンビーム加工であるのが望ましい。
また、本発明において、前記化学的方法による蝕刻工程は前記パターンの材料を蝕刻できる酸、またはアルカリを使用することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の前記所定サイズの線幅を有するパターンの材料はアルミニウム、銅、ニッケル、鉄、コバルト、モリブデン、タングステン、銀、金などの金属であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明において、前記所定サイズの線幅を有するパターンを材料の最外から分解して前記パターンのサイズを縮めるステップは電気分解を利用するのが望ましい。
また、本発明の前記小さくなった微細パターンのサイズは20nm未満であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、既存の方法で先ず線幅やサイズの大きい(例えば、50nm以上)パターン202などを製作した後、物理的、化学的、機械的蝕刻を利用してパターンのサイズを更に縮めることができるものである。
【0017】
従って、先ず、サイズの大きいパターン202を既存の方法で大量製作して使用するので、既存の技術と装備とをそのまま活用し、経済性がある。
また、作られたパターン202の線幅やサイズを本発明の方法で単純に縮める作業は非常に易しく、費用は少なく、収率が高い。そして、既存の方法で作ることができない微細パターン212を作れば、素子の性能向上がなされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者が本発明を容易に実施できる程度に本発明の望ましい実施例が添付された図面を参照して詳細に説明すると、次の通りである。
【0019】
図5は従来技術の写真工程を利用したパターン形成過程のフローチャート、図1(a)は基板上に既存の方法で予め作られたサイズの大きいパターンの断面図、図1(b)は本発明の実施例による小さくなったパターンの断面図、図2は本発明の第1の実施例による
金属、半導体、絶縁体のパターンの線幅及びサイズを縮める方法のフローチャート、図3は本発明の第2の実施例であって、金属、半導体、絶縁体のパターンの線幅及びサイズを縮める方法のフローチャート、図4は本発明の第3の実施例であって、金属、半導体、絶縁体のパターンの線幅及びサイズを縮める方法のフローチャートである。
【0020】
本発明の第1の実施例による金属、半導体、絶縁体のパターンの線幅及びサイズを縮める方法は、金属、半導体、絶縁体のパターン形成方法において、基板200上にサイズの大きいパターン202を作るステップS302の後に、イオンビームなどによる物理的、機械的原理を利用してパターン202を削ってサイズを縮めるステップ、パターン202の材料を蝕刻できる酸やアルカリを使用し、化学的に蝕刻してパターン202のサイズを縮めるステップ、及び電気分解などによるパターン202材料の最外から分解してパターン202のサイズを縮めるステップなどの中から選択された一つのステップS306を含むことを特徴とする金属、半導体、絶縁体のパターンの線幅及びサイズを縮める方法に関するものである。
【0021】
また、選択的に蝕刻された表面の効率性と均一性とを高めるために、パターンに熱処理をするか化学的処理をするステップS404、S408、または、蝕刻の効率性と均一性とを高めるために、予め基板の一部分を蝕刻するか操作するステップS505を更に含むことができる。
【0022】
図2から図4において1の桁の数字が同じ図面符号、例えば、S302、S402、S502のステップは同じステップを意味し、S306、S406、S506のステップも同様である。
【0023】
図2は本発明の第1の実施例による金属、半導体、絶縁体のパターンの線幅及びサイズを縮める方法のフローチャートである。
図2に図示されたように、S302ステップで従来の写真技術などを利用して金属、半導体、絶縁体の線幅やサイズの大きいパターン202を作る。このようなパターン202は、図1(a)に図示されたようである。
【0024】
S306ステップでイオンビームなどによる物理的、機械的原理を利用してパターン202を削って微細パターン212を作ることができる。このような微細パターン212は図1(b)に図示されたようである。
【0025】
パターン202のサイズを縮める更に他の方法はアルミニウム、銅、ニッケル、鉄、コバルト、モリブデン、タングステンなどの金属からなったパターンを、塩酸や窒酸などの化学薬品を利用して直接に化学的方法で蝕刻することである。その他にも、電気分解方法を利用してパターン202材料の最外から分解してパターンのサイズを縮めることができる。
【0026】
上で説明したS306ステップは巨視系では一般的によく作動し、20nm水準で発表された結果はないが、厳格な管理をすれば充分に適用され得ると予想される。実験結果によれば、本方法は部分的にパターンのサイズを縮めるのに効果があった。
【0027】
図6(a)から図7(b)には、イオンビームを利用して削って小さく、且つ細く作った金属パターンなどが、従来方法によって作られた金属パターンなどと比較して図示されている。
【0028】
図6(a)は、従来方法によって形成された略250nmの線幅を有した金属線のSEM状であり、図6(b)は、本発明の実施例によるイオンミーリング方法を使って形成さ
れた20nm未満の減少された線幅を有した金属線のSEM状であり、図7(a)は、従来方法によって形成された略160nm直径の金属ドットのSEM状であり、図7(b)は、本発明の実施例によるイオンミーリング方法を使って形成された20nm未満の減少された直径の金属ドットのSEM状である。
【0029】
図3は本発明の第2の実施例であって、金属、半導体、絶縁体のパターンの線幅及びサイズを縮める方法のフローチャートである。図3に図示されたように、S402ステップで従来の写真技術などを利用して金属、半導体、絶縁体の線幅やサイズの大きいパターン202を作る。
【0030】
S404ステップで蝕刻された表面の効率性と均一性とを高めるために、パターンに熱処理をするか化学的処理をすることができる。この工程はS402ステップではないS406ステップ以後のS408ステップで適用されることもできる。S404ステップとS408ステップとは選択的に適用される。
【0031】
S406ステップで前述したように、イオンビームなどによる物理的、機械的原理を利用して蝕刻、または加工するか、塩酸や窒酸などの化学薬品を利用して直接に化学的方法で蝕刻する。または、電気分解方法を利用してパターン材料の最外から分解してパターン202のサイズを縮めることができる。
【0032】
前述したように、S404ステップを経らなかった場合、S408ステップを経り、S408ステップの内容はS404ステップと同様である。
図4は本発明の第3の実施例であって、金属、半導体、絶縁体のパターンの線幅及びサイズを縮める方法のフローチャートである。図4に図示されたように、S502ステップで従来の写真石版技術などを利用して金属、半導体、絶縁体の線幅やサイズの大きいパターン202を作る。
【0033】
S505ステップで蝕刻の効率性と均一性とを高めるために、予め基板の一部分を蝕刻するか操作する。
S506ステップで前述したように、イオンビームなどによる物理的、機械的原理を利用して蝕刻、または加工するか、塩酸や窒酸などの化学薬品を利用して直接に化学的方法で蝕刻する。または、電気分解方法を利用してパターン材料の最外から分解してパターン202のサイズを縮めることができる。
【0034】
本発明は前述した実施例を基準にして主に説明されたが、発明の要旨と範囲とを脱せず、多くの他の可能な修正と変形をすることができる。
例えば、蝕刻された表面の効率性と均一性とを高めるために、パターンに熱的処理をするか化学的処理をするステップS404と、蝕刻の効率性と均一性とを高めるために予め基板の一部分を蝕刻するか操作するステップS505とを混合して適用することは本発明の前述した実施例から当業者が容易に導出できる変更であろう。
【0035】
前述した発明に対する権利範囲は特許請求の範囲で決まることであって、明細書本文の記載に拘束されず、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形と変更とは共に本発明の範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1(a)】基板上に既存の方法で予め作られたサイズの大きいパターンの断面図である。
【図1(b)】本発明の実施例による小さくなった微細パターンの断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例による金属、半導体、絶縁体のパターンの線幅及びサイズを縮める方法のフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施例であって、金属、半導体、絶縁体のパターンの線幅及びサイズを縮める方法のフローチャートである。
【図4】本発明の第3の実施例であって、金属、半導体、絶縁体のパターンの線幅及びサイズを縮める方法のフローチャートである。
【図5】従来技術の写真工程を利用したパターン形成過程のフローチャートである。
【図6(a)】従来の方法によって形成された略250nmの線幅を有した金属線のSEM状である。
【図6(b)】イオンミーリング方法を使って本発明の実施例によって形成された20nm未満の減少された線幅を有した金属線のSEM状である。
【図7(a)】従来方法によって形成された略160nm直径の金属ドットのSEM状である。
【図7(b)】イオンミーリング方法を使って本発明の実施例によって形成された20nm未満の減少された直径の金属ドットのSEM状である。
【符号の説明】
【0037】
200・・・基板
202・・・サイズの大きいパターン
212・・・小さくなった微細パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属、半導体、絶縁体のパターン形成方法において、
所定サイズの線幅を有するパターンを作るステップ、及び前記パターンを物理的、機械的加工で削ってサイズを縮めるステップ、
前記パターンを化学的方法で蝕刻することにより前記パターンのサイズを縮めるステップ、及び前記パターンを材料の最外から分解して前記パターンのサイズを縮めるステップ、 の中から選択された一つのステップを含むことを特徴とする金属、半導体、絶縁体パターンの線幅及びサイズを縮める方法。
【請求項2】
更に、前記所定サイズの線幅を有するパターンに熱処理をするか化学的処理をするステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の金属、半導体、絶縁体パターンの線幅及びサイズを縮める方法。
【請求項3】
更に、線幅が小さくなったパターンに熱処理をするか化学的処理をするステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の金属、半導体、絶縁体パターンの線幅及びサイズを縮める方法。
【請求項4】
前記所定サイズの線幅を有するパターンを作るステップの後、
更に、前記基板の少なくとも一部分を蝕刻するか操作するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の金属、半導体、絶縁体パターンの線幅及びサイズを縮める方法。
【請求項5】
前記基板の少なくとも一部分を蝕刻するとか操作するステップに前記熱処理をするか、化学的処理をするステップを混合して適用することを特徴とする請求項4に記載の金属、半導体、絶縁体パターンの線幅及びサイズを縮める方法。
【請求項6】
前記物理的、機械的加工はイオンビーム加工であることを特徴とする請求項1に記載の金属、半導体、絶縁体パターンの線幅及びサイズを縮める方法。
【請求項7】
前記化学的方法による蝕刻工程は前記パターンの材料を蝕刻できる酸、またはアルカリを使用することを特徴とする請求項1に記載の金属、半導体、絶縁体パターンの線幅及びサイズを縮める方法。
【請求項8】
前記所定サイズの線幅を有するパターンの材料は、
アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、コバルト、モリブデン、タングステン、銀、金などの金属であることを特徴とする請求項1に記載の金属、半導体、絶縁体パターンの線幅及びサイズを縮める方法。
【請求項9】
前記所定サイズの線幅を有するパターンを材料の最外から分解して前記パターンのサイズを縮めるステップは、電気分解を利用することを特徴とする請求項1に記載の金属、半導体、絶縁体パターンの線幅及びサイズを縮める方法。
【請求項10】
前記の小さくなった微細パターンのサイズは、20nm未満であることを特徴とする請求項1に記載の金属、半導体、絶縁体パターンの線幅及びサイズを縮める方法。

【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【公開番号】特開2006−253640(P2006−253640A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−335447(P2005−335447)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【出願人】(592104472)韓国標準科学研究院 (17)
【Fターム(参考)】