説明

金属部品(Metallteilen)の洗浄方法

金属部品の洗浄方法。
金属部品の洗浄方法であって、金属部品を式(1)で表される化合物であって、式中、Aが(CH2)aまたはフェニレンであり、R1、R2、R3およびR4が同一でもしくは互いに独立してC1〜C6-n-および/またはイソ-アルキルであり、aは0〜4の整数を表す前記化合物で処理する、前記の洗浄方法に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属を洗浄するための新しい種類の溶剤、および該溶剤と別の成分との混合物に関する。
【背景技術】
【0002】
金属は、投資財ならびに消費財の製造に有益な原材料である。必要とされる物理的および化学的特性に応じて、鉄、鋼、亜鉛および亜鉛めっき鋼、クロムめっき鋼、ニッケルめっき鋼、ステンレス合金、銅、黄銅、アルミニウム、スズ、チタン、マグネシウム、および種々の金属合金が使用される。金属は、機械の製造および設備の建設に、自動車の製造に、装軌車両に、航空機産業に、船舶の製造に、建設業に、家庭用品に、および他の多くの分野に使用される。
【0003】
さらなる加工および応用のために洗浄されるべき金属部品としては、例えば、自動旋盤類、機械部品類、油圧弁類、高圧ポンプの研磨部品類(gelaeppte Teile)、空気圧部品類(Pneumatikteile)、ダイカスト部品類(Druckgussteile)、錠シリンダー、工具類、歯車類、計器類、磨き仕上げ部品類、道具類、精密機械部品、織機部品、航空機部品、自動車の車体、冷間加工部品および精密パンチ部品(Feinstanzteile)、金属支持体、金属プレート、金属補強材等が挙げられる。
【0004】
金属部品の加工には、種々の金属加工助剤、例えば、冷却湿潤剤、吸着剤、(Ziehmittel)、ポリッシングペーストおよびラッピングペースト、防腐剤、腐食防止剤、研磨剤(Strahlmittel)、融剤、離型剤、酸洗い液、切削油、旋盤油、および他の助剤を使用することができる。加工物の機械的加工の後には、その後の加工段階のためにその表面を十分に洗浄する必要がある。金属表面上に付着する汚染物(Kontaminationen)は、一方では前記の金属加工助剤の残留物であり、他方では、例えば、金属の削りかすまたはちりによる粒子状の汚れである。金属加工助剤は、金属表面上に強く吸着される製剤化成分を含むが、これが作用の前提条件となっている。しかし、これらは、後続の工程、例えば熱化学処理を妨げるものであり、または、水系の表面洗浄の場合には洗剤成分と反応して、汚染物層を形成する成分を生じさせ得るものである。しかし、例えば、熱化学的工程(ガス窒化、浸炭窒化等)、電気化学的工程、コーティング、リン酸塩処理、亜鉛めっき、クロムめっき、ニッケルめっき、ラッカーの塗布、はんだ付け、溶接等によって金属部品を欠陥なく加工するためには、全ての不純物の除去が重要な前提条件となる。
【0005】
金属表面上に付着した不純物の除去には、以下の洗浄剤および洗浄方法が使用されてきた、または使用されている。
【0006】
クロロフルオロカーボン類(Fluor-Chlor-Kohlenwasserstoffe:FCKW)は、脂肪性および油性の汚れのための優れた溶解力を有し、そして非毒性である。しかし、地球大気圏におけるオゾン層の破壊に主として関与している疑いがあるため、今では多くの国において許可されていない。
【0007】
例えばパークロロエチレン(PER)のような塩素化炭化水素(Chlorkohlenwasserstoffe:CKW)は、油および脂肪に対してFCKWに匹敵する際立った溶解力を示す。しかし、これはその毒物学的特性のために、完全に閉鎖された設備で使用されなければならない。従って、例えばPERは、特に、ヒトにおける潜在的な発癌性作用、脂肪含有食品への易溶性、および強力な水質汚染(wassergefaehrdenden)特性という欠点を有する。
【0008】
PERはEUの「ブラックリスト」において「危険な物質」として、および危険物質に関する規定において危険物質として分類されている。トリクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタンおよびジクロロメタンのような他のCKWも毒物学的に危険性のあるものである。
【0009】
ハロゲン不含の炭化水素(炭化水素溶剤、KWL)を基礎とするコールドクリーナー(Kaltreiniger)は、クロロフルオロカーボン類(FCKW)および塩素化炭化水素類(CKW)のように、疎水性の汚れに対して非常に良好な洗浄作用を有する。しかし、顔料の汚れ、水溶性の有機化合物または無機塩に対しても良好に作用するためには、これらは、例えば超音波によってもしくはインジェクションフラッディング(Injektionsfluten)によって作り出された水性のエマルジョンにおいて使用されなければならない。炭化水素としては、約180℃〜約330℃、好ましくは180℃〜240℃の沸点範囲を有する留分が使用される。沸点範囲がFCKWおよびCKWの沸点より非常に高いため、最終の乾燥工程は実質的に時間がかかり、エネルギーを消費するものとなる。
【0010】
半水系(Halbwaessrige)の洗浄方法は、有機溶剤を基礎とする洗浄剤を用いる洗浄と、水系の洗浄操作とを組み合わせる。
【0011】
水性の洗浄剤(界面活性剤洗浄剤)は、通常、無機ビルダー(例えば、アルカリ金属水酸化物、シリケート、ホスフェート、ホウ砂、炭酸ナトリウム)、錯化剤(例えばグルコネート、ホスホネート)、界面活性剤(陰イオン性および/または非イオン性)および腐食防止剤(脂肪酸およびエタノールアミン)を含む。これらは粘着性の脂肪および油に対しては、易揮発性の有機溶剤と同等の洗浄力を示さない。しかし、有機溶剤と比較した場合に、顔料の汚れ(削りくず(Spane)、磨耗(Abrieb)、グラファイト)に対しては改善された洗浄力を有する。水性の洗浄剤の使用に関する別の欠点は、これらの成分が純水を用いて完全に洗い濯ぐことによってのみ除去できることである。洗浄剤の残留物自身が、洗浄した金属表面上において汚染物を構成してしまう。別の欠点としては、これらの洗浄のための設備がとても費用のかかる設備技術を必要とすることが挙げられる。
【0012】
従って、非常に良好な洗浄力と有利な毒物学的もしくは生態学的評価とを組み合わせ、そしてその物理化学的特性に基づいて従来技術よりも優れていると評価されるような洗浄剤が依然として必要とされている。さらにそれは、従来技術に従って金属部品の洗浄に使用される洗浄方法において広く使用できる必要がある。
【0013】
金属の脱脂方法としては、例えば、冷間洗浄(Kaltreinigung)、蒸気脱脂、浸漬、スプレー、散水(Beregnen)、超音波による洗浄、および種々の方法が互いに組み合わされた工程が挙げられる。さらに、ラッピング、はけまたはブラシを用いる手動の方法を使用することもできる。
【0014】
さらに、洗浄の構成は1段階および多段階で区別される。ハロゲン化炭化水素(HKW)が通常、簡単な1段階の構成において使用される。それに対して、水性の洗浄剤(界面活性剤洗浄剤)が、種々の洗浄メカニズム、複雑な洗浄剤組成のために、そして汚れを落とすことを保証するために、費用のかかる多段階の構成において使用される。これは通常、大まかな洗浄段階、精緻な洗浄段階、および洗浄剤の残留物を除去するための何回かの濯ぎ段階からなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、従来技術において使用される洗浄剤よりも化学的洗浄に関する上述の要求をよく満たし、そして良好な毒物学的および生態学的特性プロファイルを有する洗浄剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
今回驚くべきことに、式(1)の化合物が従来技術において使用される有機溶剤よりも、金属表面の脂肪および油に対して優れた洗浄力または溶解力を有することが見出された。これは、実質的に、塩素化炭化水素またはハロゲン不含の炭化水素よりも、毒物学的にもおよび生態学的にもより有利に評価されるものである。さらにこれは、水性の界面活性剤含有洗浄剤のように、良好な汚れ分散力(Schmutzdispergiervermoegen)を有する。従って、これは金属洗浄用の洗浄剤として極めて適している。
【0017】
従って、本発明は、金属部品を、式(1)
【0018】
【化1】

【0019】
で表される化合物であって、式中、
Aが(CH2)aまたはフェニレンであり、R1、R2、R3およびR4が同一でもしくは互いに独立してC1〜C6-n-および/またはイソ-アルキルであり、aは0〜4の整数を表す、
前記化合物で処理することを含む、金属部品の洗浄方法に関する。
【0020】
好ましくは、R1、R2、R3およびR4は同一でもしくは互いに独立してC1〜C4-n-および/またはイソ-アルキルであり、aは0である。
【0021】
特に好ましくは、R1、R2、R3およびR4は同一でもしくは互いに独立してC1-アルキルおよび/またはC2-アルキルであり、aは0である。
【0022】
R1〜R4基の例としては、例えばメチル-、エチル-、n-プロピル-、イソ-プロピル-、n-ブチル-、イソ-ブチル-, sec-ブチル-, tert-ブチル-が挙げられる。
【0023】
一般式(1)の化合物はアセタールである。アセタールは通常、触媒、例えば乾燥塩化水素の存在下でアルデヒドをカルボニル基あたり2 molのアルコールと反応させることにより得られる。
【0024】
式(1)の化合物の合成には、ジアルデヒドを使用しなければならない。式(1)の化合物の合成のために好ましいジアルデヒドは、グリオキサール、マロンジアルデヒド(1,3-プロパンジアール、1,3-プロパンジアルデヒド)、1,4-ブタンジアールおよびテレフタルアルデヒドである。
【0025】
非常に好ましいジアルデヒドはグリオキサールであり、これによりa = 0である式(1)の化合物が得られる。
【0026】
前記の使用目的において特に好ましい化合物は、テトラメトキシエタンおよびテトラエトキシエタンである。
【0027】
式(1)の化合物は、金属の洗浄のための上述の方法全てにおいて使用することができ、この場合には、処理がされていない金属、すなわちラッカーを塗られていない金属を洗浄することが好ましい。
【0028】
本発明の方法は、工業的および商業的分野における金属部品の洗浄にのみ関する。従って、オーブンクリーナー、グリルクリーナー、ステンレスクリーナー(Edelstahlreinigern)、ホイールリムクリーナーおよびエンジンクリーナーでの金属の洗浄は除かれる。これらの使用形態は、家庭用分野でのみ生じるものである。
【0029】
洗浄は、単独でまたは他の慣用の洗浄剤成分(例えば、界面活性剤、ビルダー、および他の有機溶剤)との組み合わせで行うことができる。式(1)の化合物は以下の方法によって使用される:
1)専ら式(1)の化合物を用いる洗浄。場合により、安定剤または腐食防止剤を添加することができる。
2)式(1)の化合物を用い、そして他の有機溶剤を添加する洗浄。この場合にも、場合により安定剤または腐食防止剤を添加することができる。
3)式(1)の化合物および他の有機溶剤を用いる洗浄であって、これらが別個の洗浄段階において使用される洗浄。
4)場合により、30%までの、好ましくは20%までの、特に好ましくは10%までの水の添加、および20%までの、好ましくは10%までの界面活性剤、ビルダー、錯化剤および腐食防止剤の添加を伴って、式(1)の化合物を用いる洗浄。
5)最初に前記方法1〜3による洗浄段階が、そしてその後に水系の後処理が行われる洗浄方法。
6)最初に純水系の洗浄段階が、そしてその後に前記方法1〜3による洗浄段階を有する後処理が行われる洗浄方法。式(1)の化合物または該化合物と他の溶剤との組み合わせは、例えば、水系の洗浄工程の後のより速く、よりエネルギー消費の少ない乾燥に役立つ。
【0030】
一般式(1)の化合物を他の洗剤用物質(waschaktiven Substanzen)と組み合わせたい場合には、それは例えば以下であることができる:
有機の、水溶性の、部分的に水溶性の、または水不溶性の溶剤、例えば:
一価アルコール、例えばエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノールおよびtert-ブタノール。
【0031】
二価または多価アルコール、例えば、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ブチレングリコールまたはグリセリン。
【0032】
エーテル、特に C1〜C6-アルコールまたはフェノールを、1モルまたはそれ以上のアルキレンオキシドと、特にエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドと反応させることにより得られるグリコールエーテル。グリコールエーテルの例としては、モノ-、ジ-およびトリ-プロピレングリコール-モノメチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、モノ-およびジ-エチレングリコール-n-ブチルエーテル、エチレングリコール-フェニルエーテルが挙げられる。
【0033】
ケトン、例えば、メチル-イソプロピルケトンおよびブタノン-2。
【0034】
エステル、例えばプロピルアセテート。
【0035】
オリゴ-およびポリアルキレングリコール、例えば、ジエチレングリコール、ジブチレングリコール、または低分子量ポリエチレングリコール、例えば300および400のモル質量を有するポリエチレングリコール(PEG 300およびPEG 400)。
【0036】
種々の分岐度を有するかまたは特定の沸点範囲を有する、異なる鎖長のn-アルカンおよびイソアルカン(炭化水素)。
【0037】
窒素含有溶剤、例えば、N-メチルピロリドン。
【0038】
塩素化炭化水素、例えば塩化メチレン、1,1,1-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン。
【0039】
陰イオン性界面活性剤、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、第二級アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェートおよびアルキルエステルスルホネート。
【0040】
陰イオン性界面活性剤としてはさらに、アシルアミノカルボン酸の塩、アシルサルコシネート、脂肪酸-蛋白質縮合生成物、アルキルスルファミドカルボン酸の塩、アルキル-およびアルキルアリールエーテルカルボン酸の塩、アルキル-およびアルケニルグリセリルスルフェート、イセチオネート、N-アシルタウリド、アルキルスクシネート、スルホスクシネート、スルホスクシネートのモノエステル(特に飽和および不飽和C12〜C18-モノエステル)およびスルホスクシネートのジエステル(特に飽和および不飽和C12〜C18-ジエステル)、アシルサルコシネート、アルキルポリサッカライドのスルフェート、例えばアルキルポリグリコシドのスルフェートが挙げられる。
【0041】
非イオン性界面活性剤は、天然または合成の直鎖状または分岐状アルコールと約1〜約25モルのエチレンオキシドとの縮合生成物、これらのアルコールとエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドとのアルコキシレート、またはブチルのようなアルキル基で末端キャップされたアルコールエトキシレート;プロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合によって得られる、疎水性塩基を有するエチレンオキシドの縮合生成物;エチレンオキシドとプロピレンオキシドおよびエチレンジアミンの反応生成物との縮合物;アルキルフェノールのポリエチレン-、ポリプロピレン-およびポリブチレン縮合物である。
【0042】
界面活性剤としてはさらに、アルキル-およびアルケニルオリゴグリコシド、脂肪酸ポリグリコールエステル、アルキルオリゴグリコシド、アルケニルオリゴグリコシドが挙げられる。
【0043】
窒素含有成分、例えばアミン(第一級、第二級、第三級アミン)、第四級アンモニウム塩(好ましくは対イオンとして塩化物を持たないもの)、脂肪酸アミド、ジ-、トリ-およびポリアミン(例えばアルキル-プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン)、アミノアルコール、ポリアミノアミド、アミン酸化物、脂肪酸アミド、例えば、ココ脂肪酸ジエタノールアミド(Kokosfettsaeurediethanolamid)、脂肪アミンポリグリコールエステル、脂肪酸-N-アルキルグルカミド、ベタイン、例えば、アルキルジメチルアンモニウム-ベタイン、アルキルアミドベタイン、例えば、ココアミドプロピル-ベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、または両性のイミダゾリニウム化合物、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、または両性のイミダゾリニウム化合物。
【0044】
金属表面の洗浄のために式(1)の化合物と組み合わせることができる物質としてはさらに、アルカリ金属水酸化物;ビルダー、例えばカルボネート(炭酸ナトリウム)、シリケート、ホスフェート(例えばポリホスフェートのアルカリ金属塩、アンモニウム塩およびアルカノールアンモニウム塩、例えばトリポリリン酸ナトリウム)、ホウ砂および炭酸ナトリウム;錯化剤、例えば、グルコネート、ホスホネート、例えばエタン-1-ヒドロキシ-1,1-ジホスホネート、クエン酸およびその可溶性塩、ポリ酢酸の塩、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびニトリロ三酢酸(NTA)、アクリル酸およびマレイン酸を基礎とするポリカルボキシレート、マレイン酸無水物とエチレンまたはビニルメチルエーテルとのコポリマー;ソイルリリースポリマー(Soil Release Polymere)、特にジカルボン酸およびジオールを基礎とするソイルリリースポリマー;発泡促進剤(Schaumverstaerker)、発泡防止剤、変色防止剤および/または腐食防止剤、乳化剤、酸化防止剤および分散剤が挙げられる。
【実施例】
【0045】
以下に記載される試験に関して、テトラメトキシエタン(TME)を式(1)の溶剤の例として選択した。
【0046】
参照として以下を使用した:
テトラクロロエタン(=パークロロエチレン、=PER)
C10-13-イソアルカン(=炭化水素溶剤、=KWL)
【0047】
実施例1:油および脂肪汚れを除去するための、テトラメトキシエタンを用いる金属表面の洗浄
金属部品からのパラフィン油のテトラメトキシエタンを用いる除去を他の溶剤と比較して調べた。
【0048】
そのために、2 cm x 10 cmの寸法を有するきれいな金属部品を、脂溶性の染料スーダンレッドで染色されたパラフィン油に室温で5分間浸漬した。このようにして汚した部品を、過剰な油を切った後に、テトラメトキシエタンを満たしたビーカーに入れた。これをマグネットスターラーを用いて室温で10分間撹拌し、その後金属部品を取り出した。その後、これをティッシュペーパー(Papiertaschentuch)で拭いた。各金属部品上に残った油性残留物を、ティッシュペーパーの汚れから視覚的に判定した。
【0049】
比較のために、テトラクロロエタンおよびC10-13-イソアルカンを用いて実験を繰り返した。
【0050】
表1:PERおよびKWLと比較したテトラメトキシエタンによる金属表面からのパラフィン油の除去
【0051】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属部品を、式(1)
【化1】

で表される化合物であって、式中、
Aが(CH2)aまたはフェニレンであり、R1、R2、R3およびR4が同一でもしくは互いに独立してC1〜C6-n-および/またはイソ-アルキルであり、aが0〜4の整数を表す、
前記化合物で処理することを特徴とする、金属部品の洗浄方法。
【請求項2】
金属部品を、式(1)で表される化合物であって、式中、R1、R2、R3およびR4が同一でもしくは互いに独立してC1〜C4-n-および/またはイソ-アルキルであり、Aが式(CH2)aで表される基であり、aが0である、前記化合物で処理することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
金属部品を、式(1)で表される化合物であって、式中、R1、R2、R3およびR4が互いに独立してメチルまたはエチルであり、Aが式(CH2)aで表される基であり、aが0である、前記化合物で処理することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項4】
金属部品の洗浄が専ら式(1)の化合物を用いて行われることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項5】
金属部品の洗浄が式(1)の化合物を用いて、および他の有機溶剤の添加を伴って行われることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項6】
金属部品の洗浄が式(1)の化合物および他の有機溶剤を用いて行われ、これらが別個の洗浄段階において使用されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項7】
金属部品の洗浄が、30%までの、好ましくは20%までの、特に好ましくは10%までの水の添加、および20%までの、好ましくは10%までの界面活性剤、ビルダー、錯化剤および腐食防止剤の添加を伴って、式(1)の化合物を用いて行われることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項8】
金属部品の洗浄が式(1)の化合物を用いて行われ、その場合に、最初に請求項2〜5のいずれか1つに記載の洗浄段階が、そしてその後に水系の後処理が使用されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項9】
金属部品の洗浄が式(1)の化合物を用いて行われ、その場合に、最初に水系の洗浄段階が、そしてその後に請求項2〜5のいずれか1つに記載の後処理が使用されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項10】
式(1)の化合物を、陰イオン性界面活性剤;非イオン性界面活性剤;両性界面活性剤;陽イオン性界面活性剤;アミン、アミン誘導体;有機溶剤;アルカリ;ビルダー;錯化剤;ポリマー、特にアクリル酸およびマレイン酸を基礎とするポリカルボキシレート;マレイン酸無水物とエチレンまたはビニルメチルエーテルとのコポリマー;ソイルリリースポリマー、特にジカルボン酸およびジオールを基礎とするソイルリリースポリマー;発泡促進剤;発泡防止剤;変色防止剤および/または腐食防止剤、乳化剤、酸化防止剤および分散剤と組み合わせて使用することを特徴とする、請求項1記載の方法。

【公表番号】特表2009−526100(P2009−526100A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553661(P2008−553661)
【出願日】平成19年2月3日(2007.2.3)
【国際出願番号】PCT/EP2007/000930
【国際公開番号】WO2007/090581
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(398025878)クラリアント・インターナシヨナル・リミテッド (74)
【Fターム(参考)】