説明

鉱物充填エラストマー組成物用のカップリング剤

エラストマーと充填剤とを結合するための1種以上のシランカップリング剤を含む組成物であって、前記シランが1以上の加水分解性基を含み、該加水分解性基が前記シランを前記エラストマー及び充填剤と共に配合することにより放出されて、配合組成物の下流における加工性又は最終ゴム製品の特性或いはその両方を改良する配合物を生ずる組成物が開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シランカップリング剤、それらの調製方法、及びゴム用途におけるそれらの使用法に関する。より詳しくは、これらのシランは、新規な概念を具体化するものであって、その焦点は、シランから一旦解放された加水分解性基を廃棄生成物から最終製品の加工性及び特性の改良に寄与するものに変換することである。
【背景技術】
【0002】
ゴム及びその他の用途における大部分の技術は、ポリスルフィドシラン及びメルカプトシランの組成、調製、及び使用法と関連して存在している。この分野における関心が高まって、多くの原特許が失効し始めており、新たな特許が出現し続けている。その関心の殆どは、これら分子の硫黄の官能価に集中している。例えば、含有している硫黄ランク(すなわち、以下の式1と2におけるxの値及び対応する分子種の分布の変化)の分布が微妙に変化しているポリスルフィドシランの混合物を扱う多数の特許が存在する。それより少ないけれども例として挙げられる相当数が、また、硫黄とケイ素の間の結合基に集中している。
【0003】
他方で、実際に、真に重要であるものがすべてエトキシ及びより最近の事例ではシロキシであったときには、種々のアルコキシ基、及びある場合には、単一の、しかし広義の、炭化水素基を通常含有するその他の加水分解性官能基の分子の加水分解性部分には、試みられることなく殆ど注意が向けられていなかった。さらに、その加水分解可能な基は、これらのシランをそれらの意図した用途において使用する過程の中でそれらは失われるために、使い捨て部分として自動的に処理され、分子の最終廃棄物として容認されてきた。
【0004】
米国特許第5116886号明細書は、天然及び合成の酸化物又はケイ酸塩充填剤を、与えられた式の一定の有機ケイ素化合物を用いて表面改質する二段階方法を開示しており、そこでは、その充填剤と化合物を、さらなる溶媒は添加せずに激しく混合し、均一になった混合物を予備加熱したミキサー中で疎水性化反応にかけている。
【0005】
欧州特許出願公開第0631982号明細書は、二酸化ケイ素を含有する粒子を含む凝集体、それにより補強したエラストマー、及び該補強したエラストマーで構成されたトレッドを有するタイヤについて開示している。
【特許文献1】米国特許第5116886号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0631982号明細書
【特許文献3】欧州特許第631982号明細書
【非特許文献1】The Vanderbilt Rubber Handbook,Ohm,R.F.,R.T.Vanderbilt Company,Inc.,1990
【非特許文献2】the Manual for the Rubber Industry,Kemperman,T and Koch,S.Jr.,Bayer AG,LeverKusen,1993
【非特許文献3】ASTM D 3849
【非特許文献4】Winslow,Shapiro in ASTM bulletin,p.39(1959)
【非特許文献5】DIN 66133
【非特許文献6】the Vanderbilt Rubber Handbook(1978),pages 344−346
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、加水分解性基が、ゴムの配合中に放出されるときに、それらが失われたり廃棄物に成り果てたりすることなく、それどころか、ゴム配合処理のもう1つの側面及び/又は最終製品の特性を改良するように機能するように、補助的な使用によりそれらの基を使用することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
より詳しくは、本発明は、エラストマーと充填剤とを結合するための1種以上のシランカップリング剤を含む組成物であって、前記シランが1以上の加水分解性基を含み、該加水分解性基が前記シランを前記エラストマー及び充填剤と共に配合することにより放出されて、配合組成物の下流における加工性又は最終ゴム製品の特性或いはその両方を改良する配合物を生ずる組成物を対象とする。
【0008】
好ましい実施形態において、そのシランは、個々の構造が以下の一般式の少なくとも1個によって表されるシランからなる基から選択される。
式1:
[J−S−G−(SiX)][−Y−(XSi−G−S−J)]−X
式2:
[XSi−G−S−G−Si(X)][−Y−(XSi)−G−S−G−(SiX)]−X
式3:
[XSi−G−S−G−Si(X)][−Y−(XSi)−G−S−G−(SiX)]−X、及び
式4:
[(−Y−)y/2(X3−hSi)−G−S−J][(−Y−)j/2(X3−jSi)−G−S−G−(SiX3−k)(−Y−)k/2
式中、式1から4を通じて、
各下付き文字hは独立に1〜3の整数であり、
各下付き文字j及びkは、j+k>0であることを条件として、独立に0〜3の整数であり、
各下付き文字mは、独立に1〜1000の整数であり、
各下付き文字nは、独立に1〜1000の整数であり、
各下付き文字xは、独立に2〜20の整数であり、
各Xは、Y、−OH、−OR、及びRC(=O)O−からなる加水分解性部分の群から独立に選択され、各Rは、1〜20個の炭素原子を有する炭化水素からの1個の水素原子の除去により得られた任意の炭化水素断片であり、Rとしては、アリール基及び任意の枝分れ又は直鎖アルキル、アルケニル、アレニル、又はアラルキル基が挙げられ、
各X及びXは、水素、R、及びXからなる群から独立に選択され、
各G、G、及びGは、Rについて上で掲げたいずれかの基の1個の水素原子を除去することによって得られた炭化水素断片からなる群から独立に選択され、
各Jは、RC(=O)−、RC(=S)−、RP(=O)−、RP(=S)−、RS(=O)−、及びRS(=O)−からなる群から独立に選択され、各Rは上で定義した通りであり、
各Yは独立に−O−G−(O−G−)OR又は−O−G−(O−G−)OHであり、各Yは独立に−O−G−(O−G−)O−であり、
各下付き文字pは独立に1〜100の整数であり、
各下付き文字qは独立に1〜100の整数であり、
各Gは、Rについて上で掲げたいずれかの基の1個の水素原子を除去することによって得られた炭化水素断片からなる群から独立に選択され、
各Rは、Rについて上で掲げた各メンバーからなる群から独立に選択される。
【0009】
他の実施形態において、本発明は、
A)1種以上のエラストマーと、
B)1種以上の充填剤と、
C)エラストマーと充填剤とを結合するための1種以上のシランカップリング剤とを含む組成物であって、該シランが1以上の加水分解性基を含み、該加水分解性基が前記シランを前記エラストマー及び充填剤と共に配合することにより放出されて、配合組成物の下流における加工性又は最終ゴム製品の特性或いはその両方を改良する配合物を生ずる組成物を対象とする。
【0010】
さらに他の実施形態において、本発明は、エラストマーと充填剤とを結合させる方法を対象とし、該方法は、1種以上のシランカップリング剤を使用することを含み、前記シランが、1以上の加水分解性基を含み、該加水分解性基が前記シランを前記エラストマー及び充填剤と共に配合することにより放出されて、配合組成物の下流における加工性又は最終ゴム製品の特性或いはその両方を改良する配合物を生ずる。
【0011】
さらに他の実施形態において、本発明は、エラストマーと充填剤とを結合するためのシランカップリング剤を調製する方法であって、前記シランが1以上の加水分解性基を含み、該加水分解性基が前記シランを前記エラストマー及び充填剤と共に配合することにより放出されて、配合組成物の下流における加工性又は最終ゴム製品の特性或いはその両方を改良する配合物を生じ、前記方法が、TESPTをポリアルキレングリコールとエステル交換するステップを含む方法を対象とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
ここで有用なカップリング剤は、個々の構造を以下の一般式の1つ又は複数によって表すことができる任意の個々の成分又は成分の混合物を含む:
式1:
[J−S−G−(SiX)][−Y−(XSi−G−S−J)]−X
式2:
[XSi−G−S−G−Si(X)][−Y−(XSi)−G−S−G−(SiX)]−X
式3:
[XSi−G−S−G−Si(X)][−Y−(XSi)−G−S−G−(SiX)]−X、及び
式4:
[(−Y−)y/2(X3−hSi)−G−S−J][(−Y−)j/2(X3−jSi)−G−S−G−(SiX3−k)(−Y−)k/2
式中、式1から4を通じて:
各下付き文字hは、独立に1から3までの整数であり、
各下付き文字j及びkは、j+k>0であることを条件として、独立に0から3までの整数であり、
各下付き文字mは独立に1〜1000の整数であり、
各下付き文字nは独立に1〜1000の整数であり、
各下付き文字xは独立に2〜20の整数であり、
各Xは、Y、−OH、−OR、及びRC(=O)O−からなる加水分解性部分の群から独立に選択され、各Rは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素からの1個の水素原子を除去することにより得られた任意の炭化水素断片であり、Rとしては、アリール基及び任意の枝分れ又は直鎖アルキル、アルケニル、アレニル、又はアラルキル基が挙げられる)
各X及びXは、水素、R、及びXからなる群から独立に選択され、
各G、G、及びGは、Rについて上で掲げたいずれかの基の1個の水素原子を除去することによって得られた炭化水素断片からなる群から独立に選択され、
各Jは、RC(=O)−、RC(=S)−、RP(=O)−、RP(=S)−、RS(=O)−、及びRS(=O)−からなる群から独立に選択され、各Rは上で定義した通りであり、
各Yの各存在は独立に−O−G−(O−G−)OR又は−O−G−(O−G−)OHであり、各Yのは独立に−O−G−(O−G−)O−であり、
各下付き文字pは独立に1〜100の整数であり、
各下付き文字qは、独立に1〜100の整数であり、
各Gは、Rについて上で掲げたいずれかの基の1個の水素原子を除去することによって得られた炭化水素断片からなる群から独立に選択され、
各Rは、Rについて上で掲げた各メンバーからなる群から独立に選択される。
【0013】
本明細書で使用する表記(−Y−)0.5は、Y部分の2分の1を指す。この表記は、ケイ素原子と併せて使用され、二官能性アルコキシドの2分の1、すなわち、その半分が特定のケイ素原子と結合していることを意味するものと解釈される。二官能性アルコキシド部分の他の半分及びそのケイ素に対する結合は、分子の全体構造における他の場所で起こっているものと理解される。
【0014】
の代表例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヒドロキシ、クロロ、及びアセトキシが挙げられる。メトキシ、エトキシ、及びイソプロポキシが好ましい。エトキシがより好ましい。
【0015】
及びXの代表例としては、Xについて上で掲げた代表例並びに、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、s−ブチル、フェニル、ビニル、シクロヘキシルと、ブチル、ヘキシル、オクチル、ラウリル、及びオクタデシル等のより高い直鎖アルキルが挙げられる。X及びXには、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、メチル、エチル、フェニル、及びより高い直鎖アルキルが好ましい。エトキシ、メチル、及びフェニルが、より好ましい。好ましい実施形態は、また、X、X及びXが、同じアルコキシ基、好ましくは、メトキシ、エトキシ、又はイソプロポキシであるものを含む。エトキシが最も好ましい。
【0016】
、G、及びGの代表例としては、反対側の末端がさらに置換されている末端直鎖アルキル、例えば、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、及び−CHCHCHCHCHCHCHCH−、並びにそれらのβ−置換類似体、例えば、−CH(CHCH(CH)−(式中、mは、0〜17である)、−CHCHC(CHCH−、塩化メタリル、−CHCH(CH)CH−から誘導可能な構造、ジビニルベンゼンから誘導可能な任意の構造、例えば、−CHCH(C)CHCH−、及び−CHCH(C)CH(CH)−(式中、表記Cは、二置換ベンゼン環を示す)、ジプロペニルベンゼンから誘導可能な任意の構造、例えば、−CHCH(CH)(C)CH(CH)CH−(式中、表記Cは、二置換ベンゼン環を示す)、ブタジエンから誘導可能な任意の構造、例えば、−CHCHCHCH−、−CHCHCH(CH)−、及び−CHCH(CHCH)−、ピペリレンから誘導可能な任意の構造、例えば、−CHCHCHCH(CH)−、−CHCHCH(CHCH)−、及び−CHCH(CHCHCH)−、イソプレンから誘導可能な任意の構造、例えば、−CHCH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH(CH)−、−CHC(CH)(CHCH)−、−CHCHCH(CH)CH−、−CHCHC(CH−、及び−CHCH[CH(CH]−、−CHCH−ノルボルニル、−CHCH−シクロヘキシルの任意の異性体、ノルボルナン、シクロヘキサン、シクロペンタン、テトラヒドロジシクロペンタジエン、又はシクロドデセンから2個の水素原子が失われて得られる任意のジラジカル、リモネン、−CHCH(4−メチル−1−C−)CH(式中、表記Cは、2位に置換がない三置換体シクロヘキサン環の異性体を示す)から誘導可能な任意の構造、トリビニルシクロヘキサンから誘導可能な任意のモノビニル含有構造、例えば、−CHCH(ビニルC)CHCH−、及び−CHCH(ビニルC)CH(CH)−(式中、表記Cは、三置換体シクロヘキサン環の任意の異性体を示す)、三置換されたC=Cを含有するミルセンから誘導可能な任意の単不飽和構造、例えば、−CHCH[CHCHCH=C(CH]CHCH−、−CHCH[CHCHCH=C(CH]CH(CH)−、−CHC[CHCHCH=C(CH](CHCH)−、−CHCHCH[CHCHCH=C(CH]CH−、−CHCH(C−)(CH)[CHCHCH=C(CH]、及び−CHCH{CH(CH)[CHCHCH=C(CH]}−、並びに、三置換されたC=Cを含有しないミルセンから誘導可能な任意の単不飽和構造、例えば、−CHCH(CH=CH)CHCHCHC(CH−、−CHCH(CH=CH)CHCHCH[CH(CH]−、−CHC(=CH−CH)CHCHCHC(CH−、−CHC(=CH−CH)CHCHCH[CH(CH]−、−CHCHC(=CH)CHCHCHC(CH−、−CHCHC(=CH)CHCHCH[CH(CH]−、−CHCH=C(CHCHCHCHC(CH−、及び−CHCH=C(CHCHCHCH[CH(CH]が挙げられる。G、G,及びGに対する好ましい構造は、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCH(CH)CH−、及び上で掲げたノルボルネンに由来する構造の2,4又は2,5の二置換によって得られる任意のジラジカルである。−CHCHCH−が最も好ましい。
【0017】
Jの代表例としては、カルボキシル、例えば、アセチル、プロピオニル、ブタノイル(ブチリル)、ヘキサノイル(カプロイル)、オクタノイル(カプリロイル)、デカノイル、ドデカノイル(ラウロイル)、テトラデカノイル(ミリストイル)、ヘキサデカノイル(パルミトイル)、オクタデカノイル(ステアロイル)、及びベンゾイル、チオノカルボキシル、例えば、チオノアセチル、チオノールオクタノイル、及びチオノベンゾイル、ホスフィン、例えば、ジメチルホスフィン及びジエチルホスフィン、並びにスルホニル、例えばメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、及びトルエンスルホニルが挙げられる。
【0018】
Gの代表例としては、反対側の末端がさらに置換されている末端直鎖アルキル、例えば、−CHCH−、−CHCHCH−、及び−CHCHCHCHCHCH−、それらのβ−置換類似体、例えば、−CHCH(CH)−、並びに1個を超えるメチルで置換された類似体、例えば、−CHC(CHCH−、−C(CHC(CH−、及び−CHCHC(CHCH−、ジビニルベンゼンから誘導可能な任意の構造、例えば、−CHCH(C)CHCH−、及び−CHCH(C)CH(CH)−(式中、表記Cは、二置換ベンゼン環を示す)、ジプロペニルベンゼンから誘導可能な任意の構造、例えば、−CHCH(CH)(C)CH(CH)CH−(式中、表記Cは、二置換ベンゼン環を示す)、ブタジエンから誘導可能な任意の構造、例えば、−CHCHCHCH−、−CHCHCH(CH)−、及び−CHCH(CHCH)−、ピペリレンから誘導可能な任意の構造、例えば、−CHCHCHCH(CH)−、−CHCHCH(CHCH)−、及び−CHCH(CHCHCH)−、イソプレンから誘導可能な任意の構造、例えば、−CHCH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH(CH)−、−CHC(CH)(CHCH)−、−CHCHCH(CH)CH−、−CHCHC(CH−、及び−CHCH[CH(CH]−、トリビニルシクロヘキサンから誘導可能な任意のモノビニル含有構造、例えば、−CHCH(ビニルC)CHCH−、及び−CHCH(ビニルC)CH(CH)−(式中、表記Cは、三置換体シクロヘキサン環の任意の異性体を示す)、三置換されたC=Cを含有するミルセンから誘導可能な任意の単不飽和構造、例えば、−CHCH[CHCHCH=C(CH]CHCH−、−CHCH[CHCHCH=C(CH]CH(CH)−、−CHC[CHCHCH=C(CH](CHCH)−、−CHCHCH[CHCHCH=C(CH]CH−、−CHCH(C−)(CH)[CHCHCH=C(CH]、及び−CHCH{CH(CH)[CHCHCH=C(CH]}−、並びに、三置換されたC=Cを含有しないミルセンから誘導可能な任意の単不飽和構造、例えば、−CHCH(CH=CH)CHCHCHC(CH−、−CHCH(CH=CH)CHCHCH[CH(CH]−、−CHC(=CH−CH)CHCHCHC(CH−、−CHC(=CH−CH)CHCHCH[CH(CH]−、−CHCHC(=CH)CHCHCHC(CH−、−CHCHC(=CH)CHCHCH[CH(CH]−、−CHCH=C(CHCHCHCHC(CH−、及び−CHCH=C(CHCHCHCH[CH(CH]が挙げられる。Gに対する好ましい構造は、−CHCH−及び−CHCH(CH)−である。最も好ましいのは、−CHCH−である。
【0019】
の代表例としては、エチレンオキシドにメタノール又はエタノールを付加することにより誘導可能な生成物、例えば、メトキシエタノールから誘導可能なアルコキシ基であるCHOCHCHO−(メトキシエトキシ)、エトキシエタノールから誘導可能なアルコキシ基であるCHCHOCHCHO−(エトキシエトキシ)、メトキシエトキシエタノールから誘導可能なアルコキシ基であるCHOCHCHOCHCHO−(メトキシエトキシエトキシ)、エトキシエトキシエタノールから誘導可能なアルコキシ基であるCHCHOCHCHOCHCHO−(エトキシエトキシエトキシ)、及びより長い−CHCHO−の繰返し単位を含有するこれら構造のオリゴマー類似体が挙げられる。Yのさらなる代表例としては、プロピレンオキシドにメタノール又はエタノールを付加することにより誘導可能な生成物、例えば、メトキシイソプロパノールのそれぞれ2つの異性体から誘導可能なアルコキシ基であるCHOCHCH(CH)O−及びCHOCH(CH)CHO−(メトキシイソプロポキシの2つの異性体)、エトキシイソプロパノールのそれぞれ2つの異性体から誘導可能なアルコキシ基であるCHCHOCHCH(CH)O−及びCHCHOCH(CH)CHO−(エトキシイソプロポキシの2つの異性体)、及びより長い−CHCH(CH)O−及び−CH(CH)CHO−の繰返し単位を含有するこれら構造のオリゴマー類似体が挙げられる。
【0020】
ここで使用する「アルキル」は、直鎖、枝分れ、及び環状のアルキル基を含み、「アルケニル」は、1個又は複数個の炭素−炭素二重結合を含有し、置換点が、炭素−炭素二重結合又は基内の他の場所である、任意の直鎖、枝分れ、又は環状のアルケニル基を含み、「アルキニル」は、1個又は複数個の炭素−炭素三重結合及び、場合によって、1個又は複数個の炭素−炭素二重結合をさらに含有し、置換点が、炭素−炭素三重結合、炭素−炭素二重結合又は基内の他の場所である、任意の直鎖、枝分れ、又は環状のアルキニル基を含む。アルキルの具体例としては、メチル、エチル、プロピル、及びイソプロピルが挙げられる。アルケニルの具体例としては、ビニル、プロペニル、アリル、メタリル、エチリデニルノルボルナン、エチリデンノルボルニル、エチリデニルノルボルネン、及びエチリデンノルボルネニルが挙げられる。アルキニルの具体例としては、アセチレニル、プロパルギル、及びメチルアセチレニルが挙げられる。
【0021】
ここで使用する「アリール」としては、1個の水素原子が除去されている任意の芳香族炭化水素が挙げられ、「アラルキル」としては、任意の前記アルキル基であって1個又は複数個の水素原子が、それと同数の同じ及び/又は異なるアリール置換基(本明細書で定義したもの)によって置換されているものが挙げられ、「アレニル」としては、任意の前記アリール基であって、1個又は複数個の水素原子が、それと同数の同じ及び/又は異なるアルキル置換基(本明細書で定義したもの)によって置換されているものが挙げられる。アリールの具体例としては、フェニル及びナフタレニルが挙げられる。アラルキルの具体例としては、ベンジル及びフェネチルが挙げられる。アレニルの具体例としては、トリル及びキシリルが挙げられる。
【0022】
ここで使用する、「環状アルキル」、「環状アルケニル」、及び「環状アルキニル」としては、また、二環式、三環式、及びより高次の環状構造、並びに、アルキル、アルケニル、及び/又はアルキニル基によってさらに置換されている環状構造も挙げられる。
【0023】
代表例としては、ノルボルニル、ノルボルネニル、エチルノルボルニル、エチルノルボルネニル、エチルシクロヘキシル、エチルシクロヘキセニル、シクロヘキシルシクロヘキシル、及びシクロドデカトリエニルが挙げられる。
【0024】
本明細書に記載されているエーテルアルコキシ硫黄シランは、アルコキシ、アシルオキシ、エーテルアルコキシ、及び/又はヒドロキシ官能性を含有する、ポリスルフィド官能性、メルカプト官能性、又はブロックされたメルカプト官能性シラン(1つ又は複数)の任意の単独成分又は組み合わせを、適当な触媒の存在下、場合により適当な溶媒及び/又は共溶媒の存在下で、適切な出発エーテルアルコールによってエステル交換することによって調製することができる。エーテルアルコキシ硫黄シランの調製を説明するためにここで使用する「エステル交換」という用語は、ケイ素上の、アルコキシ、エーテルアルコキシ、及び/又はアシルオキシ基をエーテルアルコキシ基によって置き換えることを指し、それは、エーテルアルコールを1つ又は複数の適当な出発シラン(1つ又は複数)と反応させ、アルコール、カルボン酸、及び/又はエーテルアルコールを開放し、所望のエーテルアルコキシ硫黄シランを形成することによって達成される。
【0025】
適当な出発シランは、以下の式5及び6によって示され、式中、J、X、X、X、G、G、G、及び下付き文字xは、式1、2、3、及び4に対して上で説明したものである。
式5:
J−S−G−SiX
式6:
Si−G−S−G−SiX
適当な出発エーテルアルコールは、以下の式7及び8によって示され、式中、R、G、及び下付き文字p及びqは、式1、2、3、及び4に対して上で説明したものである。
式7:
RO−G−(O−G−)OH
式8:
HO−G−(O−G−)OH
本明細書に記載されているエステル交換のための適当な触媒としては、酸、塩基、及び金属又は有機金属カチオンが挙げられる。適当な酸の例としては、スルホン酸類、例えば、p−トルエンスルホン酸(PTSA)、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、鉱酸類、例えば、硫酸、HCl、HBr、及びリン酸、カルボン酸類、例えば、ギ酸、酢酸、及びオクタン酸、並びにルイス酸類、例えば、塩化アルミニウム及びハロゲン化ホウ素が挙げられる。HCl、ベンゼンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸が好ましい。ベンゼンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸が最も好ましい。適当な塩基の例としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、アミン、及びアンモニアが挙げられる。アルカリ金属アルコキシド及びアンモニアが好ましい。アンモニア及びNaORであってRが使用する出発シランにおけるRと同じであるものが最も好ましい。
【0026】
適当な溶媒としては、非限定で、アルコール、エーテル、炭化水素、ハロカーボン、ケトン、芳香族化合物、複素環式芳香族化合物、ホルムアミド、及びスルホキシドが挙げられる。アルコールが好ましい。アルコール、ROHであってRが使用する出発シランにおけるRと同じであるものが最も好ましい。
【0027】
本明細書に記載されているエーテルアルコキシ硫黄シランカップリング剤と一体で有用なエラストマーとしては、共役ジエンホモポリマー及び共重合体、並びに少なくとも1個の共役ジエン及び芳香族ビニル化合物の共重合体を含む加硫性ゴムが挙げられる。ゴム組成物の調製のための適当な有機ポリマーは、技術的によく知られており、The Vanderbilt Rubber Handbook,Ohm,R.F.,R.T.Vanderbilt Company,Inc.,1990を含むさまざまな教科書、及び、the Manual for the Rubber Industry,Kemperman,T and Koch,S.Jr.,Bayer AG,LeverKusen,1993に記載されている。
【0028】
ゴム組成物は、少なくとも1個のジエン系エラストマー、又はゴムを好ましくは含む。適当な共役ジエンは、イソプレン及び1,3−ブタジエンであり、適当なビニル芳香族化合物は、スチレン及びα−メチルスチレンである。ポリブタジエンは、主として(一般的には約90重量%が)、シス−1,4−ブタジエンの形態で存在するように特徴付けることができる。
【0029】
ここで使用するために適するポリマーの1例は、溶液調製したスチレン−ブタジエンゴム(SSBR)である。この溶液調製されたSBRは、一般的に、5〜50、好ましくは9〜36パーセントの範囲の結合スチレン含量を有する。その他の有用なポリマーとしては、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、エチレン−プロピレン共重合体及びターポリマー(EP、EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ポリブタジエン(BR)、並びに同種のものが挙げられる。ゴム組成物は、少なくとも1個のジエン系エラストマー、又はゴムを含む。適当な共役ジエンは、イソプレン及び1,3−ブタジエンであり、適当なビニル芳香族化合物は、スチレン及びα−メチルスチレンである。ポリブタジエンは、主として、一般的には約90重量%が、シス−1,4−ブタジエンの形態で存在するように特徴付けることができる。
【0030】
したがって、そのゴムは、硫黄硬化性ゴムである。該ジエン系エラストマー、又はゴムは、例えば、1以上のシス−1,4−ポリイソプレンゴム(天然及び/又は合成、好ましくは天然)、好ましくは天然ゴム、乳化重合で調製したスチレン/ブタジエン共重合体ゴム、有機の溶液重合で調製した、スチレン/ブタジエンゴム、3,4−ポリイソプレンゴム、イソプレン/ブタジエンゴム、スチレン/イソプレン/ブタジエンターポリマーゴム、シス−1,4−ポリブタジエン、中ビニルポリブタジエンゴム(35〜50パーセントのビニル)、高ビニルポリブタジエンゴム(50〜75パーセントのビニル)、スチレン/イソプレン共重合体、乳化重合で調製した、スチレン/ブタジエン/アクリロニトリルターポリマーゴム及びブタジエン/アクリロニトリル共重合体ゴムから選択することができる。
【0031】
いくつかの用途に対しては、乳化重合に由来する、約20から28パーセントの結合スチレンの比較的平凡なスチレン含量を有するスチレン/ブタジエン(E−SBR)、又は約30から45パーセントの中程度から比較的高い結合スチレン含量を有するE−SBRを使用することができる。
【0032】
ターポリマー中に2〜40重量パーセントの結合アクリロニトリルを含有する乳化重合で調製したスチレン/ブタジエン/アクリロニトリルターポリマーゴムもまた、本発明で使用するためのジエン系ゴムとして考えられる。
【0033】
シリカ質充填剤、カーボンブラックなどを含む微粒子状の充填剤もまた、本発明の架橋性エラストマー組成物に添加することができる。ここで有用な充填剤材料としては、非限定で、シリカ(熱分解法及び沈降)、二酸化チタン、アルミノケイ酸塩及びアルミナ等の金属酸化物、クレー及びタルク、カーボンブラックなどが挙げられる。
【0034】
微粒子の沈降シリカもまた、特にシリカをシランと共に使用するときは上記目的のために時々使用される。場合によっては、シリカとカーボンブラックの組み合わせが、タイヤのトレッドを含むさまざまなゴム製品のための補強用充填剤として利用される。アルミナは、単独若しくはシリカとの組み合わせのいずれかで使用することができる。アルミナという用語は、ここでは酸化アルミニウム、又はAlとして記すことができる。充填剤は、水和又は無水の形態であり得る。ゴム組成物中のアルミナの使用は、例えば、米国特許第5116886号明細書及び欧州特許第631982号明細書の中で示すことができる。
【0035】
エーテルアルコキシ硫黄シランは、無機充填剤と反応し結合すると同時にエーテルアルコールを開放する。放出されたエーテルアルコールは、実施例で示されるように得られたゴムの特性に利点を提供する。追加のエーテルアルコールをこれらの利点を最大化するために使用することができる。エーテルアルコキシ硫黄シラン(1つ又は複数)は、ゴム混合物に添加する前に、単一のステップ又は複数のステップにおいて1つ又は複数のエーテルアルコールと、前もって混合しかつ/又は前もって反応させることができる。別法では、エーテルアルコキシ硫黄シラン(1つ又は複数)は、単独で使用するとしても、或いは、追加のエーテルアルコールと前もって混合しかつ/又は前もって反応させるとしても、ゴムと充填剤とを処理又は混合する段階の途中で、追加のエーテルアルコールと一緒か又は一緒ではないいずれかで、ゴム混合物に添加することができる。
【0036】
エーテルアルコキシ硫黄シランを使用するもう1つの利点は、充填剤に結合する間の、アルコキシ基の加水分解によって放出される揮発性有機化合物(VOC)が、現行技術では一般的にケイ素1個当たり3個のエトキシ基を含有する従来型の硫黄シランを使用する場合より少ないことである。エーテルアルコキシ硫黄シランは、少なくとも1個のエーテルアルコキシ基と共に置換されているエトキシ又はその他の揮発性アルコールのアルコキシ基を有している。これにより、エーテルアルコキシ硫黄シランの使用による方が、現行技術で使用されているシランの使用によるより少ないエタノールの開放となる。エーテルアルコキシ硫黄シランの使用によるより少ないアルコールの開放は、環境の観点から有利である。
【0037】
エーテルアルコキシ硫黄シラン(1つ又は複数)は、ゴムと充填剤を処理、又は混合する段階の間に、充填剤粒子と前もって混合し、かつ/又は、前もって反応させるか、又はゴム混合物に加えることができる。エーテルアルコキシ硫黄シラン及び充填剤を、ゴムと充填剤の処理、又は混合の段階の途中で、ゴム混合物に別々に加える場合は、エーテルアルコキシ硫黄シラン(1つ又は複数)は、そのとき、充填剤とインサイチュー方式で組み合わされることが考えられる。加硫ゴム組成物は、相応の高い弾性率及び高い引裂き抵抗を与えるのに十分な量の充填剤を含有すべきである。充填剤の組み合わされる重量は、約5〜100phrの低さであってよいが、より好ましくは、25〜85phrである。
【0038】
好ましくは、1以上の沈降シリカを充填剤として使用する。そのシリカは、窒素ガスを使用して測定するBET表面積を、好ましくは40〜600m/gの範囲、より普通には50〜300m/gの範囲で有する。そのシリカは、一般的にはまた、100〜350、より普通には150〜300の範囲のフタル酸ジブチル(DBP)吸着量を有することを特徴とする。さらに、そのシリカは、前記のアルミナ及びアルミノケイ酸塩と同様に、100〜220の範囲のCTAB表面積を有することが期待される。CTAB表面積は、9のpHを有するセチルトリメチルアンモニウムブロミドにより評価される外側の表面積である。その方法は、ASTM D 3849に記載されている。
【0039】
水銀細孔表面積は、水銀細孔分析によって測定される比表面積である。この方法を使用するには、熱処理して揮発分を除去した後の試料の空隙に水銀を浸透させる。設定条件は、適切に記載することができ、それは、100mgの試料を使用し、105℃及び環境大気圧で2時間にわたり揮発分を除去し、環境気圧から2000バール圧の測定範囲である。上記評価は、Winslow,Shapiro in ASTM bulletin,p.39(1959)に記載されている方法によるか、又はDIN 66133によって実施することができる。上記評価には、CARLO−ERBA Porosimeter 2000を使用することができよう。シリカの平均水銀空隙比表面積は、100〜300m/gの範囲である。
【0040】
上記の水銀空隙率評価による、シリカ、アルミナ、及びアルミノケイ酸塩に対する適当な細孔径分布は、その細孔の5パーセント以下が、約10nm未満の直径を有しており、その細孔の60から90パーセントが、10から100nmの直径を有しており、その細孔の10から30パーセントが、100から1000nmの直径を有しており、その細孔の5から20パーセントが、約1,000nmを超える直径を有しているものとここでは考えられる。
【0041】
そのシリカは、例えば、電子顕微鏡によって測定して10から50nmの範囲の平均の究極の粒径を有するものと予想されるが、そのシリカ粒子は、粒度がさらに小さいか、場合によってはより大きくてもよい。本発明における使用には、PPG IndustriesからのHI−SILの商標の下で、名称がHI−SIL 210、243、その他のもの、Rhone−Poulencから入手できる、例えば、名称がZEOSIL 1165MPのシリカ、Degussaから入手できる、例えば、名称がVN2及びVN3などのシリカ、及びHuberから入手できる、例えば、名称がHUBERSIL7 8745のシリカ、等のさまざまな市販のシリカが考えられる。
【0042】
シリカ、アルミナ及び/又はアルミノケイ酸塩等のシリカ質充填剤をカーボンブラック補強顔料と組み合わせて利用するのが望ましい組成物において、該組成物は、約15から95重量パーセントのシリカ質充填剤、及び約5から約85重量パーセントのカーボンブラックを含むことができ、そのカーボンブラックは、80から150の範囲のCTAV値を有する。より一般的には、シリカ質充填剤対カーボンブラックが、少なくとも約3/1、好ましくは、少なくとも約10/1の重量比となるように使用するのが望ましい。その重量比は、シリカ質充填剤対カーボンブラックで、約3/1〜約30/1まで変動することができる。
【0043】
別法では、その充填剤は、60〜95重量パーセントの前記、シリカ、アルミナ及び/又はアルミノケイ酸塩並びに、それに対して、40〜5重量パーセントのカーボンブラックを含むことができる。そのシリカ質充填剤及びカーボンブラックは、前もってブレンドしてもよいし、又は、加硫ゴムの製造において一緒にブレンドしてもよい。
【0044】
本発明のゴム組成物の調製において、1つ又は複数のエーテルアルコキシ硫黄シランは、充填剤の有機ポリマー中への配合の、前、途中又は後に、有機ポリマーと混合する。エーテルアルコキシ硫黄シランは、充填剤の有機ポリマー中への配合の前又は途中に加えるのが好ましく、それはこれらのシランが、充填剤の分散を促進し、改良するためである。得られる組み合わせ中に存在するエーテルアルコキシ硫黄シランの全体量は、有機ポリマーの100重量部当たり約0.05から約25重量部(phr)、より好ましくは1から10phrであるべきである。充填剤は、約5から約100phr、より好ましくは25から80phrまで変動する量で使用することができる。
【0045】
実際には、加硫ゴム製品は、一般的には、連続する段階的なやり方でゴム及び種々の成分を熱加工的に混合し、続いて、配合されたゴムを成形及び硬化して、加硫製品を形成することによって調製する。最初、ゴム及び一般的には硫黄及び加硫促進剤(まとめて、硬化剤)を除く種々の成分の上記の混合のために、ゴム(1つ又は複数)及び種々のゴム配合成分は、適当なミキサー中での、一般的には、1以上の、しばしば(シリカを充填した低い転がり抵抗タイヤの場合には)2つの予備の熱加工的混合段階でブレンドする。上記の予備の混合は、生産のためではない混合又は生産のためではない混合ステップ若しくは段階と呼ばれ、約140℃から200℃、組成物によっては約150℃から180℃の温度で通常は実施する。上記予備の混合段階に続いて、時々生産のための混合段階と呼ばれる最終混合段階においては、硬化剤と場合によって1つ又は複数の追加の成分とを、時々スコーチと呼ばれる硫黄硬化性ゴムの早期硬化を防ぐか若しくは遅らせるために、一般的には約50℃から130℃の低めの温度で、ゴムコンパウンド若しくは組成物と共に混合する。ゴムコンパウンド又は組成物とも呼ばれるゴム混合物は、時々、上記のさまざまな混合ステップの間の工程の中間のミル混合の後又は途中で、例えば約50℃以下の温度まで一般的には冷却する。そのゴムを成形し硬化することが望まれるときは、そのゴムを、ゴム混合物中のエーテルアルコキシ硫黄シランの硫黄含有基及び任意のその他の遊離の硫黄源によってゴムの加硫を引き起こす少なくとも約130℃と最高で約200℃の温度の適切な型に入れる。
【0046】
熱加工的混合とは、ゴムミキサー中の高せん断条件、せん断力、及びゴムコンパウンド又はゴムコンパウンドそれ自身とゴム配合成分との高せん断ミキサー中のあるブレンドの混合の結果として起こるそれと関連した摩擦の下で、温度が自然に上昇、すなわち、「ヒートアップ」する現象を指す。いくつかの化学反応が、混合及び硬化過程におけるさまざまなステップで起こり得る。
【0047】
最初の反応は、比較的速い反応であり、ここでは充填剤とエーテルアルコキシ硫黄シランのケイ素アルコキシド基の間で起こるものと考えられる。上記反応は、例えば、約120℃といった比較的低温で起こり得る。第2の反応は、ここでは、炭化水素コアのポリスルフィドシランの硫黄含有部分と硫黄加硫性ゴムの間で、例えば、約140℃を超えるような高温において起こる反応であると考えられる。
【0048】
もう1つの硫黄源を、例えば、非限定で、S等の元素状態の硫黄の形で使用することができる。硫黄供与体は、140℃から190℃の範囲の温度で遊離型、又は元素状態の硫黄を遊離させる硫黄含有化合物としてここでは考える。上記硫黄供与体は、例えば、非限定ではあるが、ポリスルフィド加硫促進剤及び有機シランポリスルフィドであって、少なくとも2個の連結している硫黄原子をそれらのポリスルフィド架橋中に有するものであり得る。遊離型硫黄源の混合物への添加量は、上記エーテルアルコキシ硫黄シランの添加からは相対的に独立して選択できることとして制御又は操作することができる。したがって、例えば、硫黄源の独立した添加は、その添加量及びゴム混合物への他の成分の添加と関連する一連の添加によって操作することができる。
【0049】
望ましいゴム組成物は、それ故、共役ジエンホモポリマー及び共重合体、並びに1以上の共役ジエン及び芳香族ビニル化合物の共重合体からなる群から選択された1以上の硫黄加硫性ゴムの約100重量部、ゴム100重量部当たり約5から100部、好ましくは約25から80部の1以上の微粒子状充填剤、ゴム100重量部当たり最大で約5重量部の硬化剤、及びポリマーの100部当たり約0.05から約25部の1以上の本明細書に記載のエーテルアルコキシ硫黄シランを含む。
【0050】
充填剤は、充填剤の全体重量を基準として約1から85重量パーセントのカーボンブラック及び充填剤の全体重量を基準として0から約20重量部の1以上のエーテルアルコキシ硫黄シランを好ましくは含む。
【0051】
ゴム組成物は、次いで、最初に、ゴム、充填剤及びエーテルアルコキシ硫黄シランを、又は、ゴム、エーテルアルコキシ硫黄シランの全部又は一部で予め処理した充填剤及び残っていればそのエーテルアルコキシ硫黄シランを、最初の熱加工的混合ステップにおいて、約140℃から約190〜200℃まで約2から20分間、好ましくは約4から15分間ブレンドすることによって調製する。場合によっては、硬化剤は、そのとき、約50℃の別の熱加工的混合ステップに加え、約1〜30分間混合する。その温度を次いで再び加熱して約130℃と200℃の間とし、約5分から約60分で硬化を成し遂げる。
【0052】
該方法は、また、タイヤ又は本発明により調製したゴム組成物を含むトレッドを有する硫黄加硫性ゴムの組立て品を用意し、その組立て品を130℃から200℃の範囲の温度で加硫するさらなるステップを含むことができる。
【0053】
その他の任意の成分を本発明のゴム組成物に添加することができ、硬化剤、すなわち、活性剤、加硫遅延剤、及び加硫促進剤を含む硫黄化合物、油、可塑剤、粘着付与樹脂、シリカ、その他の充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、酸化防止剤及びオゾン劣化防止剤、素練り促進剤、例えばカーボンブラック等の補強材等のプロセス添加剤、及び同種のものが挙げられる。上記添加剤は、意図する用途及び用途のために選択される硫黄加硫性材料に基づいて選択し、該選択は、当業者の知識の範囲内であり、上記添加剤の必要量も同じである。
【0054】
加硫は、さらなる硫黄加硫化剤の存在下で行うことができる。適当な硫黄加硫化剤の例としては、例えば、元素状態の硫黄(遊離の硫黄)又は硫黄供与性加硫化剤、例えば、最終の生産のためのゴム組成物混合ステップにおいて従来添加されている、アミノジスルフィド、重合体のポリスルフィド又は硫黄オレフィン付加物が挙げられる。硫黄加硫化剤(技術的に一般的な)は、生産のための混合段階で、0.4から3phr、又はさらに状況によっては、最大で約8phrまで使用又は添加するが、1.5から2.5phr、時には2から2.5phrの範囲が好ましい。
【0055】
場合によって、加硫促進剤、すなわち、さらなる硫黄供与体をここでは使用することができる。それらは、例えば、ベンゾチアゾール、アルキルチウラムジスルフィド、グアニジン誘導体、及びチオカルバマート等の例えば種類のものである。上記加硫促進剤の代表例としては、非限定で、メルカプトベンゾチアゾール、テトラメチルチウラムジスルフィド、ベンゾチアゾールジスルフィド、ジフェニルグアニジン、ジチオカルバミン酸亜鉛、アルキルフェノールジスルフィド、ブチルキサントゲン酸亜鉛、N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレンベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N,N−ジフェニルチオ尿素、ジチオカルバミルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、亜鉛−2−メルカプトトルイミダゾール、ジチオビス(N−メチルピペラジン)、ジチオビス(N−β−ヒドロキシエチルピペラジン)及びジチオビス(ジベンジルアミン)が挙げられる。その他のさらなる硫黄供与体は、例えば、チウラム及びモルホリン誘導体であり得る。上記供与体の代表例としては、非限定で、ジモルホリンジスルフィド、ジモルホリンテトラスルフィド、テトラメチルチウラムテトラスルフィド、ベンゾチアジル−2,N−ジチオモルホリド、チオプラスト、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、及びジスルフィドカプロラクタムが挙げられる。
【0056】
加硫促進剤は、加硫に必要な時間及び/又は温度を制御し、加硫物の特性を改良するために使用する。一実施形態においては、単独の加硫促進剤系、すなわち一次加硫促進剤を使用することができる。従来、好ましくは、一次加硫促進剤(1つ又は複数)は、0.5から4、好ましくは0.8から1.5phrまで変動する全体量で使用される。一次加硫促進剤と二次加硫促進剤との組み合わせを、活性化及び加硫物の特性を改良するために、二次加硫促進剤を少量にして(0.05から3phr)使用することができる。遅効性促進剤を使用することができる。加硫遅延剤もまた使用することができる。加硫促進剤の適当な種類は、アミン、ジスルフィド、グアニジン、チオ尿素、チアゾール、チウラム、スルフェンアミド、ジチオカルバマート、及びキサントゲナート類である。好ましくは、一次加硫促進剤は、スルフェンアミドである。二次加硫促進剤を使用する場合は、その二次加硫促進剤は、好ましくは、グアニジン、ジチオカルバマート、又はチウラム化合物である。
【0057】
粘着付与樹脂の一般的な量は、使用する場合、0.5から10phr、通常は、1から5phrを含む。加工助剤の一般的な量は、1から50phrを含む。該加工助剤としては、例えば、芳香族、ナフテン、及び/又はパラフィンプロセスオイルが挙げられる。酸化防止剤の一般的な量は、1から5phrを含む。代表的な酸化防止剤は、例えば、ジフェニル−p−フェニレンジアミン及びその他、例えば、the Vanderbilt Rubber Handbook(1978),pages 344−346に開示されているものであり得る。オゾン劣化防止剤の一般的な量は、1から5phrを含む。脂肪酸の一般的な量は、使用する場合、ステアリン酸を含むことができ、0.5から3phrを含む。酸化亜鉛の一般的な量は、2から5phrを含む。ワックスの一般的な量は、1から5phrを含む。しばしばマイクロクリスタリンワックスが使用される。素練り促進剤の一般的な量は、0.1から1phrを含む。一般的な素練り促進剤は、例えば、ペンタクロロチオフェノール及びジベンズアミドジフェニルジスルフィドであり得る。
【0058】
本発明のゴム組成物は、さまざまな目的に使用することができる。例えば、それはさまざまなタイヤコンパウンドに使用することができる。上記タイヤは、上記技術分野で技能を有する者には知られており、すぐに明白となるさまざまな方法により、構築し、成形し、型に入れ硬化することができる。
【0059】
下に示す実施例は、シリカ充填ゴム中のカップリング剤としてのそれらの性能における本明細書に記載したシランの現行の技術と比較した顕著な利点を明らかにする。下の実施例8及び9で掲げた表1は、本発明のエーテルアルコキシ硫黄シラン及び業界標準となっている従来技術で使用されているシランであるTESPTの性能パラメータを示している。ジエチレングリコール基を含有するシラン1及び2は、対照シランTESPTにより調製したゴムと比較して、著しく改良された耐摩耗性をゴムに与えていることはその表から明白である。同様に、シラン1及び2は、改良された、弾性率、伸び、及び引張り強さをゴムに与える。
【0060】
本明細書に引用したすべての参考文献は、それらの全体を本明細書に参照により組み入れる。以下の非限定の実施例は、本発明のさらなる説明に役立つが、多少なりとも本発明を限定するものと解釈されることを意図しているものでは断じてない。本発明の利点及び重要な特徴が、以下の実施例から一層明らかとなろう。
【実施例】
【0061】
以下に提供する実施例の中のいくつかは、本発明に関わる新規な組成物の調製方法を示す。これら実施例の多くは、エーテルアルコールの出発材料として、Uniroyal Chemicalから得たジエチレングリコール(DEG)を使用する。DEGは、ジオールであって、2個のOH基を含有している。実施例において、使用するDEGは、−OCHCHOCHCHO−基のもととして使用される。多くの実施例は、また、TESPTの出発材料として、OSi Specialtiesから得られたA−1289を使用する。TESPTは、また、Si−69としても知られ、しばしば、ビス(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)テトラスルフィド又はビス(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)テトラスルファンと呼ばれ、1分子当たり平均すると約4個の硫黄原子となる、平衡若しくは近平衡分布状態のビス(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)ポリスルフィドである。しばしば、生成物の組成は、ガスクロマトグラフィー(GC)によって測定した。実施例のいくつかは、酸触媒として水和したp−トルエンスルホン酸(PTSA)を使用する。
実施例1
【0062】
DEG(25グラム、0.24モル)及びTESPT(250グラム、0.48モル)を、温度計を取り付けた500mLの丸底フラスコに加え、攪拌して均一な混合物を得た。100グラム量のこの混合物を、もう1つのフラスコに移し、そこに0.5グラムのナトリウムエトキシドの21%エタノール溶液を攪拌しながら加えた。この混合物を真空下で攪拌してエタノールを除去した。追加の3.0グラムのナトリウムエトキシドのエタノール溶液を、次に攪拌しながら加えた。その混合物を次に真空下で攪拌してエタノールを除去した。GC分析は、TESPTとDEGが半分を超えて転化し、TESPTとDEGの2/1のエステル交換生成物を名目上生じ、その平均的分子組成が、6個のエトキシ基の1つがDEG基の1つの末端によって置換されているものをそれぞれが有している2個のTESPT分子に相当するものと一致した。
実施例2
【0063】
DEG(25グラム、0.24モル)及びTESPT(250グラム、0.48モル)を、温度計を取り付けた500mLの丸底フラスコに加え、攪拌して均一な混合物を得た。この混合物の100グラムの量を除去し、残りの175グラムに、2モルのアンモニアのエタノール溶液の1.5mLを攪拌しながら加えた。そのフラスコに蒸留ヘッドを装着し、ポット温度が105℃に達するまで加熱してエタノールを留去した。GC分析は、TESPTとDEGの殆どの転化と一致した。そのフラスコ及び内容物を冷却し、2モルのアンモニアのエタノール溶液の追加の3mLを攪拌しながら加え、加熱してエタノールを除去した。これにより、平均的分子組成が、6個のエトキシ基の1つがDEG基の1つの末端によって置換されているものをそれぞれが有している2個のTESPT分子に相当するTESPTとDEGの2/1のエステル交換生成物を名目上生じた。
実施例3
【0064】
DEG(19.5グラム、0.18モル)及びTESPT(100グラム、0.19モル)を、温度計を取り付けた250mLの丸底フラスコに加え、攪拌して均一な混合物を得た。これに、連続して攪拌しながら、ナトリウムエトキシドの21%エタノール溶液の4.5グラムを加えた。4時間後フラスコに短経路の冷却器を装着した。そのフラスコを、次に98℃の温度まで加熱してエタノールを留去した。不完全真空と次に完全真空を連続してかけて、残留エタノールを取り除いた。6グラムのエタノールが回収された。6グラムのアンバーライトIR120(陽イオン)を次にフラスコに加え、得られた混合物を30分間攪拌した。混合物中の固体を、次に、0.5ミクロンのフィルターを通して濾過することにより除去した。得られた粘稠な褐色の液体のGC分析は、TESPTとDEGの殆どが転化し、TESPTとDEGの1/1のエステル交換生成物を名目上生じ、その平均的分子組成が、TESPT分子の6個のエトキシ基の2個がDEG基によって置換されているものを有しているその分子に相当するものと一致した。
実施例4
【0065】
DEG(46.7グラム、0.44モル)及びTESPT(120グラム、0.23モル)を、温度計、短経路の蒸留ヘッド及び攪拌棒を取り付けた250mLの丸底フラスコに加え、攪拌した。これに0.6グラムのPTSAを加えた。得られた混合物を攪拌し80〜85℃に加熱した。攪拌した混合物は、約50℃で透明になった。フラスコ及び内容物を次いで60℃まで冷却し、エタノールを除去するために不完全真空をかけ、30℃の頭部温度でそれを回収した。得られた液体のGC分析は、基本的にすべてのTESPTとDEGが転化して、TESPTとDEGの2/1のエステル交換生成物を名目上生じたものと一致した。
実施例5
【0066】
DEG(11.7グラム、0.11モル)及びTESPT(118.6グラム、0.23モル)を、温度計、短経路の蒸留ヘッド及び攪拌棒を取り付けた200mLの丸底フラスコに加え、攪拌した。これに0.1グラムのPTSAを加えた。得られた混合物を攪拌すると、透明な黄色の液体を生じた。この液体を次に真空下に置き攪拌し、エタノールを除去すると、ある程度ゲル化しつつある非常に粘稠な液体を生じた。GC分析は、TESPTとDEGの殆どが転化し、TESPTとDEGの2/1のエステル交換生成物を名目上生じ、その平均的分子組成が、6個のエトキシ基の1つがDEG基の1つの末端によって置換されているものをそれぞれが有している2個のTESPT分子に相当するものと一致した。その生成物は、依然として残留アルコール(エタノールとして4%)を含有した。
実施例6
【0067】
DEG(23.4グラム、0.22モル)及びTESPT(118.6グラム、0.23モル)を、温度計、短経路の蒸留ヘッド及び攪拌棒を取り付けた200mLの丸底フラスコに加え、攪拌した。これに0.1グラムのPTSAを加えた。得られた混合物を攪拌すると、濁った黄色の液体を生じた。その液体を初めに温め次いで24時間攪拌して透明な黄色の液体を生じた。この混合物を次に真空下に置き2時間攪拌してエタノールを除去すると、それは非常に粘稠となり最終的には少しゲル化した。GC分析は、TESPTとDEGの殆どが転化し、TESPTとDEGの1/1のエステル交換生成物を名目上生じ、その平均的分子組成が、6個のエトキシ基の2個がDEG基によって置換されているTESPT分子に相当するものと一致した。
実施例7
【0068】
DEG(98グラム、0.92モル)及びTESPT(997グラム、1.9モル)を、温度計、短経路の蒸留ヘッド及び攪拌棒を取り付けた2000mLの丸底フラスコに加え、窒素下で攪拌した。これに2グラムのPTSAを加えた。得られた濁りをおびた混合物を30分間攪拌すると透明な黄色の液体を生じた。この混合物を次に真空下に置き約24時間攪拌してエタノールを除去した。これにより黄色い液体を生じた。GC分析は、半分を超えるTESPTとDEGが転化し、TESPTとDEGの2/1のエステル交換生成物を名目上生じ、その平均的分子組成が、6個のエトキシ基の1つがDEG基の1つの末端によって置換されているものをそれぞれが有している2個のTESPT分子に相当するものと一致した。
実施例8及び9
【0069】
実施例1から7において調製したエーテルアルコキシ硫黄シランを、低転がり抵抗のタイヤトレッド配合物を調製するためのカップリング剤として使用した。使用したゴムの組成は以下のものであるが、ここで、PHRの項目の下の数字は、使用したポリマー(この場合、SSBR及びポリブタジエン)の100全体質量単位に対して使用した対応する成分の質量を示す。
【0070】
【表1】

【0071】
実施例1〜7に記載の手順により調製したエーテルアルコキシ硫黄シランを、実施例8及び9に記載のゴム組成物を調製するために使用した。
【0072】
実施例8と9並びに対照は、本明細書に提示したエーテルアルコキシ硫黄シランの代表例のシリカ充填ゴムにおけるカップリング剤としての性能に対する有意義な比較の基準を提供するために並行して行った。対照に使用したシランは、シリカ充填タイヤトレッド用のゴムのための現行の産業標準のカップリング剤であり、名称は、ビス(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)テトラスルフィド(TESPT)であるが、より完全には、1分子当たり平均すると約4個の硫黄原子となる、平衡若しくは近平衡分布状態のビス(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)ポリスルフィドとして記載される。実施例8と9並びに対照で使用したゴム配合の処方及び手順は、カップリング剤として使用したシランを除いては全く同じである。シランの添加濃度も、シランによって出されるケイ素の負荷に関しては全く同じである。これにより、実際の質量(すなわち重量)基準では、評価したシランの間の分子量の違いにより、若干異なる添加量が必要となった。試料は、103立方インチ(1690cc)のチャンバー容積を有する「Bバンバリー」ミキサー(Farrell Corporation)を使用して調製した。ゴムのマスターバッチは、2ステップの手順で調製した。ミキサーは、冷却水を全開にして120rpmにセットした。ゴムポリマーをミキサーに運転中に加え30秒間押し込んで混合した。準備した各ゴム組成物に対して、約半分のシリカ(約35〜40g)と全部のシラン(酢酸エチルビニル「EVA」の袋中)を加え、30秒間押し込んで混合した。残りのシリカと油(EVAの袋中)を次に加え、30秒間押し込んで混合した。ミキサーののど部の埃を3回払い、各回毎に15秒間押し込んで混合した。ゴムのマスターバッチの温度を約160と165℃の間に約1分間で上昇させる必要のために、混合スピードを、約160〜240rpmの間に上げた。マスターバッチをミキサーから取り出し、この組成物を使用して、次に約50から60℃にセットしたロールミル上でシートを形成し、次いで周囲温度まで放冷した。
【0073】
マスターバッチを、次に再び、ミキサーを120rpmにしてそのミキサーに加え、冷却水を全開にし、30秒間押し込んで混合した。成分の残りを次に加え、30秒間押し込んで混合した。ミキサーののど部の埃を払い、その混合物の温度を約160〜165℃に約2分間で上昇させるために、ミキサーのスピードを、約160〜240rpmに上げた。そのゴム組成物を、約160と165℃の間の温度を維持するためにミキサーのスピードを調節しながら、8分間混合した。その組成物をミキサーから取り出し、約3インチの厚さのシートを、約50から60℃にセットした6×12インチのロールミル上で形成した。このシートを次に周囲温度まで放冷した。得られたゴム組成物を、その後、50と60℃の間に加熱した6インチ×13インチ(15cm×33cm)の2本ロールミル上で硬化剤と共に混合した。硫黄及び加硫促進剤を次いでその組成物に加え、そのロールミル上で完全に混合し、シートを形成した。そのシートは、24時間周囲条件に冷却し、その後それを硬化した。
【0074】
そのようにして調製したゴムコンパウンドのレオロジー特性を、Monsanto R−100振動ディスクレオメーター及びMonsanto M1400ムーニービスコメーターにより測定した。力学的性質を測定するための試験片は、160℃で35分間硬化した6mmのプラーク又は160℃で25分間硬化した2mmのプラークから切り取った。シランは、上の手順に従ってタイヤトレッド配合物中に混合した。実施例8及び9の両方において、実施例5で調製したエーテルアルコキシ硫黄シランを使用した。実施例8が実施例9と異なるのは、単に、実施例9が、エーテルアルコキシ硫黄シランと共に1.3phrのジエチレングリコールの添加を含んだのに対して実施例8は含まなかったことだけである。
【0075】
本発明の試料は、業界標準のカップリング剤である名目がビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)テトラスルフィド(TESPT)の対照試料と対比して試験した。その実際の組成は、2から8の硫黄原子の鎖を含有する個々の化学種からくる大きな寄与を含むポリスルフィドの混合物である。組成物は、標準試験手順を用いて試験した。試験の結果を下の表1にまとめる。
【0076】
試験方法
1.ムーニースコーチ
ASTM D1646
2.ムーニー粘度
ASTM D1646
3.振動ディスクレオメーター(ODR)
ASTM D2084
4.物理的性質、貯蔵弾性率、損失弾性率、張力及び伸び
ASTM D412及びD224
5.DIN耐摩耗性
DIN手順53516
6.発熱性
ASTM D623
発熱性は、100℃で、18.5%の圧縮荷重、143psiの負荷及び25分間の運転を用いて測定した。周囲条件にあった試料を、100℃に予め加熱しておいたオーブンに入れた。その試料を100℃で20分間調整し、次いで5分間の試験を実施した。
7.永久ひずみ%
ASTM D623
8.ショアA硬さ
ASTM D2240
【0077】
【表2】

【0078】
本発明に内在する本質から外れることなく多くの変更及び修正を行うことができることを考慮すると、本発明に与えられるべき保護の範囲を理解するために、添付の特許請求の範囲を参照すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラストマーと充填剤とを結合するための1種以上のシランカップリング剤を含む組成物であって、前記シランが1以上の加水分解性基を含み、該加水分解性基が前記シランを前記エラストマー及び充填剤と共に配合することにより放出されて、配合組成物の下流における加工性又は最終ゴム製品の特性或いはその両方を改良する配合物を生ずる組成物。
【請求項2】
前記シランカップリング剤が、個々の構造が以下の一般式の1以上によって表されるシランからなる群から選択される、請求項1記載の組成物。
式1:
[J−S−G−(SiX)][−Y−(XSi−G−S−J)]−X
式2:
[XSi−G−S−G−Si(X)][−Y−(XSi)−G−S−G−(SiX)]−X
式3:
[XSi−G−S−G−Si(X)][−Y−(XSi)−G−S−G−(SiX)]−X、及び
式4:
[(−Y−)y/2(X3−hSi)−G−S−J][(−Y−)j/2(X3−jSi)−G−S−G−(SiX3−k)(−Y−)k/2
式中、式1から4を通じて、
各下付き文字hは独立に1〜3の整数であり、
各下付き文字j及びkは、j+k>0であることを条件として、独立に0〜3の整数であり、
各下付き文字mは独立に1〜1000の整数であり、
各下付き文字nは独立に1〜1000の整数であり、
各下付き文字Xは独立に2〜20の整数であり、
各Xは、Y、−OH、−OR、及びRC(=O)O−からなる加水分解性部分の群から独立に選択され、各Rは、1〜20個の炭素原子を有する炭化水素から1個の水素原子を除去することにより得られた任意の炭化水素断片であり、Rとしては、アリール基及び任意の枝分れ又は直鎖アルキル、アルケニル、アレニル、又はアラルキル基が挙げられ、
各X及びXは、水素、R、及びXからなる群から独立に選択され、
各G、G、及びGの各存在は、Rについて上で掲げたいずれかの基の1個の水素原子を除去することによって得られた炭化水素断片からなる群から独立に選択され、
各Jは、RC(=O)−、RC(=S)−、RP(=O)−、RP(=S)−、RS(=O)−、及びRS(=O)−からなる群から独立に選択され、各Rは上で定義した通りであり、
各Yは独立に−O−G−(O−G−)OR又は−O−G−(O−G−)OHであり、各Yは独立に−O−G−(O−G−)O−であり、
各下付き文字pは独立に1〜100の整数であり、
各下付き文字qは独立に1〜100の整数であり、
各Gは、Rについて上で掲げたいずれかの基の1個の水素原子を除去することによって得られた炭化水素断片からなる群から独立に選択され、
各Rは、Rについて上で掲げた各メンバーからなる群から独立に選択される。
【請求項3】
、G、及びGが、反対側の末端がさらに置換されている末端直鎖アルキル及びそれらのβ−置換類似体、塩化メタリルから誘導可能な構造、ジビニルベンゼンから誘導可能な任意の構造、ジプロペニルベンゼンから誘導可能な任意の構造、ブタジエンから誘導可能な任意の構造、ピペリレンから誘導可能な任意の構造、イソプレンから誘導可能な任意の構造、−CHCH−ノルボルニル又は−CHCH−シクロヘキシルの任意の異性体、ノルボルナン、シクロヘキサン、シクロペンタン、テトラヒドロジシクロペンタジエン、又はシクロドデセンから2個の水素原子が失われて得られる任意のジラジカル、リモネンから誘導可能な任意の構造、トリビニルシクロヘキサンから誘導可能な任意のモノビニル含有構造、三置換されたC=Cを含有するミルセンから誘導可能な任意の単不飽和構造、及び三置換されたC=Cを含有しないミルセンから誘導可能な任意の単不飽和構造からなる群から独立に選択される、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
、G、及びGが、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCH(CH)CH−、及びノルボルネンに由来する構造の2,4又は2,5の二置換によって得られる任意のジラジカルからなる群から独立に選択される、請求項3記載の組成物。
【請求項5】
が、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヒドロキシ、クロロ、及びアセトキシからなる群から選択される、請求項2記載の組成物。
【請求項6】
及びXが、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、メチル、エチル、フェニル、及び高級直鎖アルキルからなる群から独立に選択される、請求項2記載の組成物。
【請求項7】
、X及びXがすべて同じアルコキシ基である、請求項2記載の組成物。
【請求項8】
Gが、反対側の末端がさらに置換されている末端直鎖アルキル、それらのβ−置換類似体及び1個を超えるメチルで置換された類似体、ジビニルベンゼンから誘導可能な任意の構造、ジプロペニルベンゼンから誘導可能な任意の構造、ブタジエンから誘導可能な任意の構造、ピペリレンから誘導可能な任意の構造、イソプレンから誘導可能な任意の構造、トリビニルシクロヘキサンから誘導可能な任意のモノビニル含有構造、三置換されたC=Cを含有するミルセンから誘導可能な任意の単不飽和構造、及び三置換されたC=Cを含有しないミルセンから誘導可能な任意の単不飽和構造からなる群から独立に選択される、請求項2記載の組成物。
【請求項9】
A)1種以上のエラストマーと、
B)1種以上の充填剤と、
C)エラストマーと充填剤とを結合するための1種以上のシランカップリング剤とを含む組成物であって、該シランが1以上の加水分解性基を含み、該加水分解性基が前記シランを前記エラストマー及び充填剤と共に配合することにより放出されて、配合組成物の下流における加工性又は最終ゴム製品の特性或いはその両方を改良する配合物を生ずる組成物。
【請求項10】
前記シランカップリング剤が、個々の構造が以下の一般式の1以上によって表されるシランからなる群から選択される、請求項9記載の組成物。
式1:
[J−S−G−(SiX)][−Y−(XSi−G−S−J)]−X
式2:
[XSi−G−S−G−Si(X)][−Y−(XSi)−G−S−G−(SiX)]−X
式3:
[XSi−G−S−G−Si(X)][−Y−(XSi)−G−S−G−(SiX)]−X、及び
式4:
[(−Y−)y/2(X3−hSi)−G−S−J][(−Y−)j/2(X3−jSi)−G−S−G−(SiX3−k)(−Y−)k/2
式中、式1から4を通じて、
各下付き文字hは独立に1から3までの整数であり、
各下付き文字j及びkは、j+k>0であることを条件として、独立に0から3までの整数であり、
各下付き文字mは独立に1〜1000の整数であり、
各下付き文字nは独立に1〜1000の整数であり、
各下付き文字xは独立に2〜20の整数であり、
各Xは、Y、−OH、−OR、及びRC(=O)O−からなる加水分解性部分の群から独立に選択され、各Rは、1〜20個の炭素原子を有する炭化水素から1個の水素原子を除去することにより得られた任意の炭化水素断片であり、Rとしては、アリール基及び任意の枝分れ又は直鎖アルキル、アルケニル、アレニル、又はアラルキル基が挙げられ、
各X及びXは、水素、R、及びXからなる群から独立に選択され、
各G、G、及びGは、Rについて上で掲げたいずれかの基の1個の水素原子を除去することによって得られた炭化水素断片からなる群から独立に選択され、
各Jは、RC(=O)−、RC(=S)−、RP(=O)−、RP(=S)−、RS(=O)−、及びRS(=O)−からなる群から独立に選択され、各Rは上で定義した通りであり、
各Yは独立に−O−G−(O−G−)OR又は−O−G−(O−G−)OHであり、各Yは独立に−O−G−(O−G−)O−であり、
各下付き文字pは独立に1〜100の整数であり、
各下付き文字qは独立に1〜100の整数であり、
各Gは、Rについて上で掲げたいずれかの基の1個の水素原子を除去することによって得られた炭化水素断片からなる群から独立に選択され、
各RはRについて上で掲げた各メンバーからなる群から独立に選択される。
【請求項11】
、G、及びGが、反対側の末端がさらに置換されている末端直鎖アルキル及びそれらのβ−置換類似体、塩化メタリルから誘導可能な構造、ジビニルベンゼンから誘導可能な任意の構造、ジプロペニルベンゼンから誘導可能な任意の構造、ブタジエンから誘導可能な任意の構造、ピペリレンから誘導可能な任意の構造、イソプレンから誘導可能な任意の構造、−CHCH−ノルボルニル又は−CHCH−シクロヘキシルの任意の異性体、ノルボルナン、シクロヘキサン、シクロペンタン、テトラヒドロジシクロペンタジエン、又はシクロドデセンから2個の水素原子が失われて得られる任意のジラジカル、リモネンから誘導可能な任意の構造、トリビニルシクロヘキサンから誘導可能な任意のモノビニル含有構造、三置換されたC=Cを含有するミルセンから誘導可能な任意の単不飽和構造、及び三置換されたC=Cを含有しないミルセンから誘導可能な任意の単不飽和構造からなる群から独立に選択される、請求項10記載の組成物。
【請求項12】
、G、及びGが、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCH(CH)CH−、及びノルボルネンに由来する構造の2,4又は2,5の二置換によって得られる任意のジラジカルからなる群から独立に選択される、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
が、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヒドロキシ、クロロ、及びアセトキシからなる群から選択される、請求項10記載の組成物。
【請求項14】
及びXが、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、メチル、エチル、フェニル、及び高級直鎖アルキルからなる群から独立に選択される、請求項10記載の組成物。
【請求項15】
、X及びXがすべて同じアルコキシ基である、請求項10記載の組成物。
【請求項16】
Gが、反対側の末端がさらに置換されている末端直鎖アルキル、それらのβ−置換類似体及び1個を超えるメチルで置換された類似体、ジビニルベンゼンから誘導可能な任意の構造、ジプロペニルベンゼンから誘導可能な任意の構造、ブタジエンから誘導可能な任意の構造、ピペリレンから誘導可能な任意の構造、イソプレンから誘導可能な任意の構造、トリビニルシクロヘキサンから誘導可能な任意のモノビニル含有構造、三置換されたC=Cを含有するミルセンから誘導可能な任意の単不飽和構造、及び三置換されたC=Cを含有しないミルセンから誘導可能な任意の単不飽和構造からなる群から独立に選択される、請求項10記載の組成物。
【請求項17】
1種以上のシランカップリング剤を使用することを含むエラストマーと充填剤とを結合させる方法であって、前記シランが1以上の加水分解性基を含み、該加水分解性基が前記シランを前記エラストマー及び充填剤と共に配合することにより放出されて、配合組成物の下流における加工性又は最終ゴム製品の特性或いはその両方を改良する配合物を生ずる方法。
【請求項18】
前記シランカップリング剤が、個々の構造が以下の一般式の1以上によって表されるシランからなる群から選択される、請求項17記載の方法。
式1:
[J−S−G−(SiX)][−Y−(XSi−G−S−J)]−X
式2:
[XSi−G−S−G−Si(X)][−Y−(XSi)−G−S−G−(SiX)]−X
式3:
[XSi−G−S−G−Si(X)][−Y−(XSi)−G−S−G−(SiX)]−X、及び
式4:
[(−Y−)y/2(X3−hSi)−G−S−J]m[(−Y−)j/2(X3−jSi)−G−S−G−(SiX3−k)(−Y−)k/2
式中、式1から4を通じて、
各下付き文字hは独立に1から3までの整数であり、
各下付き文字j及びkは、j+k>0であることを条件として、独立に0〜3の整数であり、
各下付き文字mは独立に1〜1000の整数であり、
各下付き文字nは独立に1〜1000の整数であり、
各下付き文字xは独立に2〜20の整数であり、
各Xは、−Y、−OH、−OR、及びRC(=O)O−からなる加水分解性部分の群から独立に選択され、各Rは、1〜20個の炭素原子を有する炭化水素から1個の水素原子を除去することにより得られた任意の炭化水素断片であり、Rとしては、アリール基及び任意の枝分れ又は直鎖アルキル、アルケニル、アレニル、又はアラルキル基が挙げられ、
各X及びXは、水素、R、及びXからなる群から独立に選択され、
各G、G、及びGは、Rについて上で掲げたいずれかの基の1個の水素原子を除去することによって得られた炭化水素断片からなる群から独立に選択され、
各Jは、RC(=O)−、RC(=S)−、RP(=O)−、RP(=S)−、RS(=O)−、及びRS(=O)−からなる群から独立に選択され、各Rは上で定義した通りであり、
各Yは独立に−O−G−(O−G−)OR又は−O−G−(O−G−)OHであり、Yの各存在は独立に−O−G−(O−G−)O−であり、
各下付き文字pは独立に1〜100の整数であり、
各下付き文字qは独立に1〜100の整数であり、
各GはRについて上で掲げたいずれかの基の1個の水素原子を除去することによって得られた炭化水素断片からなる群から独立に選択され、
各Rは、Rについて上で掲げた各メンバーからなる群から独立に選択される。
【請求項19】
エラストマーと充填剤とを結合するためのシランカップリング剤を調製する方法であって、前記シランが1以上の加水分解性基を含み、該加水分解性基が前記シランを前記エラストマー及び充填剤と共に配合することにより放出されて、配合組成物の下流における加工性又は最終ゴム製品の特性或いはその両方を改良する配合物を生じ、前記方法がTESPTをポリアルキレングリコールとエステル交換するステップを含む方法。
【請求項20】
ポリアルキレングリコールがジエチレングリコールである、請求項19記載の方法。
【請求項21】
エステル交換反応を触媒の存在下で行うことをさらに含む、請求項19記載の方法。
【請求項22】
触媒がp−トルエンスルホン酸である、請求項21記載の方法。

【公表番号】特表2006−523259(P2006−523259A)
【公表日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507453(P2006−507453)
【出願日】平成16年3月23日(2004.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/008734
【国際公開番号】WO2004/094437
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】