長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体の製造方法
【課題】加熱圧着装置を用いて複数組の長尺状金属箔／樹脂フィルム積層体を同時、かつ連続的に製造する場合に、隣接する組の積層体が互いの貼り付きがない状態で安定に製造する。
【解決手段】積層体製造装置を用いて、複数組の長尺状の銅箔／樹脂フィルム積層体を、少なくとも隣接する組の銅箔が互いに接触する条件にて製造する際に、その隣接する組のそれぞれの銅箔が、一方が電解銅箔であり、他方が圧延銅箔であるように配置する。
【解決手段】積層体製造装置を用いて、複数組の長尺状の銅箔／樹脂フィルム積層体を、少なくとも隣接する組の銅箔が互いに接触する条件にて製造する際に、その隣接する組のそれぞれの銅箔が、一方が電解銅箔であり、他方が圧延銅箔であるように配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体を同時に製造する方法に関する。本発明は特に、長尺状の銅箔と長尺状のポリイミドフィルムとの積層体の二組もしくはそれ以上を同時に製造する方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
芳香族ポリイミドフィルムに代表される高耐熱性で熱圧着性を有する樹脂フィルムと銅箔に代表される高導電性金属箔とを積層熱圧着した積層体は、たとえば、各種電子部品のプリント配線基板の製造に利用されている。この積層体の代表的な構成としては、金属箔／樹脂フィルム／金属箔の構成の三層積層体および金属箔／樹脂フィルムの構成の二層積層体がある。
【０００３】
上記のような積層体は、その積層体自体の製造の効率、そして積層体を利用するプリント配線基板などの各種部品の製造の効率を考慮して、長尺状積層体として製造するのが一般的である。このための方法としては、ロール状に巻かれた長尺状の金属箔と同じくロール状に巻かれた長尺状の樹脂フィルムのそれぞれを連続的に、上側ロールと下側ロールとを含む一対の加熱圧着装置に対して、互いに重ね合わせた状態で、あるいは加熱圧着装置の入口で重ね合わされるようにして供給し、次いで加熱圧着装置により積層圧着された長尺状積層体を巻き取りロールにより巻き取る方法が一般的に利用されている。加熱圧着装置としては、上側ロールと下側ロールのそれぞれを単ロールとした従来タイプの加熱圧着装置、そして上側ロールと下側ロールのそれぞれを前方ロールと後方ロール、そして両ロールの周囲をロールと同期して回転するベルトから構成したダブルベルトプレス装置が代表的である。
【０００４】
長尺状金属箔／樹脂フィルム積層体は、上記のように、加熱圧着装置を用いて連続的に製造されるが、近年、長尺状金属箔／樹脂フィルム積層体の需要の増加に応じて、そしてまた、その製造コストの低減を図るために、二枚もしくはそれ以上の複数の長尺状金属箔／樹脂フィルム積層体を同時に製造することが検討されている。
【０００５】
特許文献１には、ダブルベルトプレス装置に熱圧着性の多層ポリイミドフィルムと金属箔との二組以上を供給して、加圧下に熱圧着と冷却を行なって、多層ポリイミドフィルムと金属箔とを同時に貼り合わせることによって、二組以上のフレキシブル金属箔積層体を製造する方法が記載されている。
【０００６】
特許文献２には、ダブルベルトプレス装置を用いて外観が良好なフレキシブル金属箔積層体を安定的に製造する方法の記載があり、その記載中に、複数の長尺状金属箔／樹脂フィルム積層体を同時に製造することが可能であることの記載がある。また、ダブルベルトプレス装置の具体的構成の記載もある。
【特許文献１】特開２００１−２７００３９号公報
【特許文献２】特開２００５−３０６００２号公報
【０００７】
一方、近年の各種電子部品の小型化への要求に答えて、積層体を構成する金属箔と樹脂フィルムの双方を薄膜化して、積層体の薄膜化を図る動向が一般的になっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明者は、上記の薄膜積層体の近年の需要の動向を考慮して、これまでに利用されている加熱圧着装置を用いて複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体を同時に製造する技術の検討を行なった。
【０００９】
その検討の過程で、本発明者は、加熱圧着装置を用いて銅箔／樹脂フィルムの構成の長尺状二層積層体あるい銅箔／樹脂フィルム／銅箔の構成の長尺状三層積層体を製造する場合に、加熱圧着工程において、隣接する各組のそれぞれの長尺状銅箔同士が相互の銅箔表面の噛み込みにより互いに貼り付いて、互いの分離が困難になる現象が発生することを見出した。このような隣接する組のそれぞれの銅箔の表面同士の貼り付きを、加熱圧着条件を緩和することにより回避することも考えられるが、そのような加熱圧着条件の緩和は、製造される長尺状積層体の品質を低下させるため、望ましくない。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記の知見に基づいて、本発明者は、さらに検討を続けたところ、上記の銅箔同士の貼り付きの現象は、隣接して配置される銅箔を同種の圧延銅箔の製法により製造した銅箔とした場合に頻繁に発生することが判明した。すなわち、銅箔／樹脂フィルムの構成を含む長尺状積層体を製造するために用いる長尺状銅箔としては、電解法により製造した銅箔（電解銅箔）、そして圧延により製造した銅箔（圧延銅箔）の二種類のうちのいずれかが一般的に用いられているが、隣接して配置される銅箔のそれぞれを共に圧延銅箔とした場合に、問題の銅箔同士の貼り付きが発生しやすいことが判明した。そして、本発明者は、このような新たな知見に基づき研究を続けた結果、隣接して配置される銅箔の一方を電解銅箔とし、他方を圧延銅箔とした場合には、問題の銅箔同士の貼り付きが発生しないこと見出した。本発明は、この本発明者の新たな知見に基づいて完成されされた。
【００１１】
従って、本発明は、加熱圧着装置、該加熱圧着装置の前方に設けられた複数組の長尺状の銅箔／樹脂フィルム積層体の製造に必要な複数の長尺状銅箔と複数の長尺状樹脂フィルムとを該加熱圧着装置に供給する複数の巻き出しロール、該加熱圧着装置での加熱圧着操作の終了後に生成した複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体のそれぞれを巻き取る複数個の巻き取りロールからなる積層体製造装置を用いて、複数組の長尺状の銅箔／樹脂フィルム積層体を、少なくとも隣接する組の銅箔が互いに接触する条件にて製造する方法であって、その隣接する組のそれぞれの銅箔を、一方を電解銅箔とし、他方を圧延銅箔とすることを特徴とする複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体の製造方法にある。
【発明の効果】
【００１２】
加熱圧着装置を用いて銅箔／樹脂フィルムの構成の長尺状二層積層体あるい銅箔／樹脂フィルム／銅箔の構成の長尺状三層積層体などの長尺状積層体を製造する場合において、本発明の製造方法を利用することにより、加熱圧着工程にて、隣接する各組のそれぞれの長尺状銅箔同士が相互の銅箔表面の噛み込みにより相互の貼り付きが起こって分離が困難になる現象の発生の防止が可能となる。従って、本発明の製造方法は、長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体の工業的製法として有利に利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
本発明の好ましい態様を次に記載する。
（１）各組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体がいずれも、銅箔／樹脂フィルム／長尺状銅箔の構成の長尺状三層積層体である。
（２）各組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体がいずれも、銅箔／樹脂フィルムの構成の長尺状二層積層体である。
（３）長尺状樹脂フィルムが長尺状芳香族ポリイミドフィルムである。
（４）長尺状樹脂フィルムが、非熱圧着性芳香族ポリイミドフィルムとその少なくとも一方の表面に形成された熱圧着性芳香族ポリイミド層とからなる長尺状の熱圧着性多層ポリイミドフィルムである。
（５）加熱圧着装置が、ダブルベルトプレスである。
【００１４】
次に本発明の複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体の製造方法を、添付図面を参照しながら説明する。
【００１５】
図１は、本発明の複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体の製造方法を、公知のダブルベルトプレスを用いて実施する場合を説明するための図面である。すなわち、図１では、銅箔／樹脂フィルム／銅箔からなる長尺状積層体の二組をダブルベルトプレスを用いて、同時にかつ連続的に製造する方法が示されている。
【００１６】
図１において、ダブルベルトプレス１１は、一対の前方上側ドラム１２ａと前方下側ドラム１２ｂそして一対の後方上側ドラム１３ａと後方下側ドラム１３ｂ、そして更に、二個の上側ドラムの組と二個の下側ドラムの組のそれぞれの周囲に張り渡されたベルト１４ａ、１４ｂから構成されている。図１のダブルベルトプレス１１では、二個の前方ドラム１２ａ、１２ｂが加熱ドラムであり、二個の後方ドラム１３ａ、１３ｂが冷却ドラムである。図１のダブルベルトプレスでは、積層体への加圧を確実に実施するためにドラムとは別に加熱加圧装置が設けられている。この加熱加圧装置は、上下に設けられた加熱加圧具１５ａ、１５ｂから構成されており、ダブルベルトプレス内を上下のベルト１４ａ、１４ｂにより挟まれて搬送される積層体に対して上下の加熱加圧具１５ａ、１５ｂの互いの接近により圧力を付与するように構成されている。図１のダブルベルトプレスではさらに、加圧冷却装置１６ａ、１６ｂが加圧装置の後方に備えられており、高温にて加圧処理が施された積層体を冷却するようにしている。
【００１７】
ダブルベルトプレス１１の前方には、一組の銅箔／樹脂フィルム／銅箔構成の長尺状積層体を製造するための、上側銅箔２１ａ、樹脂フィルム２２ａ、そして下側銅箔２３ａがそれぞれ巻かれている、上側銅箔ロール３１ａ、樹脂フィルムロール３２ａ、そして下側銅箔ロール３３ａが配置され、さらに他の一組の銅箔／樹脂フィルム／銅箔構成の長尺状積層体を製造するための、上側銅箔２１ｂ、樹脂フィルム２２ｂ、そして下側銅箔２３ｂがそれぞれ巻かれている、上側銅箔ロール３１ｂ、樹脂フィルムロール３２ｂ、そして下側銅箔ロール３３ｂが配置されている。
【００１８】
ダブルベルトプレス１１の後方には、製造された一組の銅箔／樹脂フィルム／銅箔構成の長尺状積層体４１ａを巻き取るための巻き取りロール５１ａが補助ロール５２ａを介して配置されており、さらに製造された他の一組の銅箔／樹脂フィルム／銅箔構成の長尺状積層体４１ｂを巻き取るための巻き取りロール５１ｂが補助ロール５２ｂを介して配置されている。
【００１９】
図１において、例えば、銅箔２１ａと銅箔２３ａとは共に電解銅箔であって、樹脂フィルム２２ａは、熱圧着性多層芳香族ポリイミドフィルムであり、銅箔２１ｂと銅箔２３ｂとは共に圧延銅箔であって、樹脂フィルム２２ｂは、熱圧着性多層芳香族ポリイミドフィルムである。ただし、銅箔２１ａと銅箔２３ａとを共に圧延銅箔とし、銅箔２１ｂと銅箔２３ｂとを共に電解銅箔とすることもできる。また、同一組の積層体を電解銅箔と圧延銅箔とを組合わせて用いて製造することも可能である。ただし、いずれの場合でも、２３ａの銅箔と２１ｂの銅箔とが、一方の銅箔が電解銅箔であって、他方の銅箔が圧延銅箔であるように組合わせる必要がある。
【００２０】
電解銅箔および圧延銅箔は共に市販されており、目的に応じて任意の厚みの電解銅箔と圧延銅箔を製造業者から入手して本発明の積層体の製造に用いることができる。なお、銅箔として、ポリイミド、エポキシ樹脂などの熱圧着性或は接着性の樹脂被覆層を表面に有する銅箔を用いることもできる。これらの樹脂被覆層を表面に有する銅箔は、通常、その表面の樹脂被覆層が樹脂フィルムと対面するようにして配置して用いる。
【００２１】
熱圧着性多層芳香族ポリイミドフィルムは、非熱圧着性芳香族ポリイミドフィルムとその一方もしくは両方の表面に形成された熱圧着性芳香族ポリイミド層とからなるフィルムであって、例えば、宇部興産株式会社から市販されており、容易に入手できる。熱圧着性多層芳香族ポリイミドフィルムについての詳しい記載は、前述の特許文献１に見られる。
【００２２】
なお、図１に関する説明では、樹脂フィルムとして熱圧着性多層芳香族ポリイミドフィルムを用いた例をとり挙げたが、樹脂フィルムは、加熱条件下で銅箔と圧着可能な樹脂フィルムであれば特に限定はない。目的に応じて使用することが可能な樹脂フィルムとしては、単層の熱圧着性芳香族ポリイミドフィルム、熱圧着性ポリエステルフィルム、熱圧着性ポリアミドフィルム（熱圧着性アラミドフィルム）、熱圧着性ビニルエステルフィルム、熱圧着性フッ素樹脂フィルムなどを挙げることができる。
【００２３】
図１に示したダブルベルトプレスを用いて本発明の長尺状積層体を製造する方法を次に説明する。
【００２４】
長尺状樹脂フィルム２２ａ、２２ｂ、そして長尺状銅箔２１ａ、２３ａ、２１ｂ、２３ｂは、それぞれのロールから巻き出されダブルベルトプレス１１の一対の前方加熱ドラム１２ａ、１２ｂの間にベルト１４ａ、１４ｂにより送り込まれる。樹脂フィルムと銅箔は、送り込まれた上下関係にて、前方ドラム１２ａ、１２ｂにより積層されて加熱され、さらにベルト１４ａ、１４ｂに挟まれた状態にて、そのまま後方ドラム１３ａ、１３ｂに向かって搬送される。そして、その搬送の途中で、加熱加圧装置１５ａ、１５ｂにより熱圧着処理が施され、その後、加圧冷却装置１６ａ、１６ｂにより冷却される。積層体はさらに後方に搬送され、後方ロール１３ａ、１３ｂを通過した後、補助ロール５２ｂの位置にて、上側長尺状積層体４１ａ（銅箔２１ａ／樹脂フィルム２２ａ／銅箔２３ａの構成を持つ積層体）と下側長尺状積層体４１ｂ（銅箔２１ｂ／樹脂フィルム２２ｂ／銅箔２３ｂの構成を持つ積層体）とに分離される。
【００２５】
分離される前の上側長尺状積層体４１ａと下側長尺状積層体４１ｂとの積層体の構成を図２に示す。この積層体は、電解銅箔２３ａと圧延銅箔２１ｂとが接触した状態で積層されている。
【００２６】
上側長尺状積層体４１ａは、ついで、補助ロール５２ａを介して巻き取りロール５１ａに巻き取られる。同様に、下側長尺状積層体４１ｂは、ついで、補助ロール５２ｂを介して巻き取りロール５１ｂに巻き取られる。
【００２７】
なお、ダブルベルトプレスを用いる複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体の製造に際してのダブルベルトプレスの種々の形態や改良、そしてダブルベルトプレスを用いての積層体の製造条件については、前掲の特許文献１と特許文献２の記載を参考にすることができる。
【００２８】
図１に示した本発明の長尺状積層体の製造方法では、前述のように、互いに接触する銅箔の一方が電解銅箔であり、他方が圧延銅箔であるため、接触する界面での銅箔同士の噛み込みが発生しないため、相互の張り付きは殆ど起こることがない。
【００２９】
なお、図１では、本発明の長尺状積層体の製造方法を、ダブルベルトプレスを用いる方法として説明したが、本発明の長尺状積層体の製造方法は、上側ロールと下側ロールとを含む一対の加熱圧着装置を含む公知の加熱圧着装置、あるいは公知の加熱圧着装置の変形もしくは改良からなる加熱圧着装置を用いて同様に実施することができることは勿論である。また、同時に製造する長尺状積層体は二組に限られることはなく、三組あるいは四組の同時製造も可能である。
【００３０】
加熱圧着装置としては、一対の圧着ロール（圧着部は金属製、セラミック溶射金属製のいずれでもよい）、またはダブルベルトプレス（加圧部は液圧式、ロール式）が挙げられ、特に加圧下に熱圧着および冷却ができるものであって、そのなかでも液圧式のダブルベルトプレスを挙げることができる。
【００３１】
銅箔／樹脂フィルム積層体の製造において、用いる銅箔と樹脂フィルムなどの積層材料の供給方法の例としては下記の方法を挙げることができる。
（１）銅箔と樹脂フィルム（樹脂フィルム表面は加熱加圧状態で銅箔との熱圧着性を有する）とを供給する。
（２）銅箔、熱圧着性フィルム、樹脂フィルム（樹脂フィルム表面は加熱加圧状態で銅箔との熱圧着性を有していてもよく、あるいは有していなくてもよい）、熱圧着性フィルム、そして銅箔を供給する。
（３）熱圧着層を有する銅箔、樹脂フィルム（樹脂フィルム表面は加熱加圧状態で銅箔との熱圧着性を有していてもよく、あるいは有していなくてもよい）、そして熱圧着性を有する銅箔を供給する。
【００３２】
熱圧着性フィルムおよび熱圧着性層としては、公知の熱圧着性ポリイミド、ポリイミド接着剤、エポキシ接着剤などを目的に応じて適宜選択して用いることができる。樹脂フィルムとしてポリイミドフィルムを用いる場合には、公知の熱圧着性ポリイミド、ポリイミド接着剤、エポキシ接着剤などを用いることが好ましい。
【００３３】
熱圧着性フィルムおよび熱圧着性層を樹脂フィルムの厚みに特に制限はないが、通常は１０〜１５０μｍであり、好ましくは１０〜１００μｍであり、特に好ましくは１０〜５０μｍである。銅箔の厚みについても特に制限はないが、圧延銅箔では８〜３５μｍ、電解銅箔では５〜３５μｍの範囲の銅箔が好ましい。
【００３４】
樹脂フィルムの幅と銅箔の幅との関係については特に限定はないが、樹脂フィルムの幅が銅箔の幅に対して大きいこと、あるいは幅がおなじであることが好ましい。なお、複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体の内の異なる組の樹脂フィルムの幅については互いに同じでも、異なっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００３５】
【図１】本発明の複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体の製造方法を説明する図面である。
【図２】図１に示した製造方法により製造した本発明の複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体の積層体（二組の銅箔／樹脂フィルム／銅箔積層体が積層された状態にある）の構成を示す図である。
【符号の説明】
【００３６】
１１ ダブルベルトプレス
１２ａ 前方上側ドラム
１２ｂ 前方下側ドラム
１３ａ 後方上側ドラム
１３ｂ 後方下側ドラム
１５ａ 加熱加圧装置（加熱加圧具）
１５ｂ 加熱加圧装置（加熱加圧具）
１６ａ 加圧冷却装置
１６ｂ 加圧冷却装置
２１ａ 電解銅箔
２２ａ 樹脂フィルム（熱圧着性多層芳香族ポリイミドフィルム）
２３ａ 電解銅箔
２１ｂ 圧延銅箔
２２ｂ 樹脂フィルム（熱圧着性多層芳香族ポリイミドフィルム）
２３ｂ 圧延銅箔
３１ａ 電解銅箔巻き出しロール
３２ａ 樹脂フィルム巻き出しロール
３３ａ 電解銅箔巻き出しロール
３１ｂ 圧延銅箔巻き出しロール
３２ｂ 樹脂フィルム巻き出しロール
３３ｂ 圧延銅箔巻き出しロール
４１ａ 上側長尺状積層体
４１ｂ 下側長尺状積層体
５１ａ 巻き取りロール
５１ｂ 巻き取りロール
５２ａ 補助ロール
５２ｂ 補助ロール
【技術分野】
【０００１】
本発明は、複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体を同時に製造する方法に関する。本発明は特に、長尺状の銅箔と長尺状のポリイミドフィルムとの積層体の二組もしくはそれ以上を同時に製造する方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
芳香族ポリイミドフィルムに代表される高耐熱性で熱圧着性を有する樹脂フィルムと銅箔に代表される高導電性金属箔とを積層熱圧着した積層体は、たとえば、各種電子部品のプリント配線基板の製造に利用されている。この積層体の代表的な構成としては、金属箔／樹脂フィルム／金属箔の構成の三層積層体および金属箔／樹脂フィルムの構成の二層積層体がある。
【０００３】
上記のような積層体は、その積層体自体の製造の効率、そして積層体を利用するプリント配線基板などの各種部品の製造の効率を考慮して、長尺状積層体として製造するのが一般的である。このための方法としては、ロール状に巻かれた長尺状の金属箔と同じくロール状に巻かれた長尺状の樹脂フィルムのそれぞれを連続的に、上側ロールと下側ロールとを含む一対の加熱圧着装置に対して、互いに重ね合わせた状態で、あるいは加熱圧着装置の入口で重ね合わされるようにして供給し、次いで加熱圧着装置により積層圧着された長尺状積層体を巻き取りロールにより巻き取る方法が一般的に利用されている。加熱圧着装置としては、上側ロールと下側ロールのそれぞれを単ロールとした従来タイプの加熱圧着装置、そして上側ロールと下側ロールのそれぞれを前方ロールと後方ロール、そして両ロールの周囲をロールと同期して回転するベルトから構成したダブルベルトプレス装置が代表的である。
【０００４】
長尺状金属箔／樹脂フィルム積層体は、上記のように、加熱圧着装置を用いて連続的に製造されるが、近年、長尺状金属箔／樹脂フィルム積層体の需要の増加に応じて、そしてまた、その製造コストの低減を図るために、二枚もしくはそれ以上の複数の長尺状金属箔／樹脂フィルム積層体を同時に製造することが検討されている。
【０００５】
特許文献１には、ダブルベルトプレス装置に熱圧着性の多層ポリイミドフィルムと金属箔との二組以上を供給して、加圧下に熱圧着と冷却を行なって、多層ポリイミドフィルムと金属箔とを同時に貼り合わせることによって、二組以上のフレキシブル金属箔積層体を製造する方法が記載されている。
【０００６】
特許文献２には、ダブルベルトプレス装置を用いて外観が良好なフレキシブル金属箔積層体を安定的に製造する方法の記載があり、その記載中に、複数の長尺状金属箔／樹脂フィルム積層体を同時に製造することが可能であることの記載がある。また、ダブルベルトプレス装置の具体的構成の記載もある。
【特許文献１】特開２００１−２７００３９号公報
【特許文献２】特開２００５−３０６００２号公報
【０００７】
一方、近年の各種電子部品の小型化への要求に答えて、積層体を構成する金属箔と樹脂フィルムの双方を薄膜化して、積層体の薄膜化を図る動向が一般的になっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明者は、上記の薄膜積層体の近年の需要の動向を考慮して、これまでに利用されている加熱圧着装置を用いて複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体を同時に製造する技術の検討を行なった。
【０００９】
その検討の過程で、本発明者は、加熱圧着装置を用いて銅箔／樹脂フィルムの構成の長尺状二層積層体あるい銅箔／樹脂フィルム／銅箔の構成の長尺状三層積層体を製造する場合に、加熱圧着工程において、隣接する各組のそれぞれの長尺状銅箔同士が相互の銅箔表面の噛み込みにより互いに貼り付いて、互いの分離が困難になる現象が発生することを見出した。このような隣接する組のそれぞれの銅箔の表面同士の貼り付きを、加熱圧着条件を緩和することにより回避することも考えられるが、そのような加熱圧着条件の緩和は、製造される長尺状積層体の品質を低下させるため、望ましくない。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記の知見に基づいて、本発明者は、さらに検討を続けたところ、上記の銅箔同士の貼り付きの現象は、隣接して配置される銅箔を同種の圧延銅箔の製法により製造した銅箔とした場合に頻繁に発生することが判明した。すなわち、銅箔／樹脂フィルムの構成を含む長尺状積層体を製造するために用いる長尺状銅箔としては、電解法により製造した銅箔（電解銅箔）、そして圧延により製造した銅箔（圧延銅箔）の二種類のうちのいずれかが一般的に用いられているが、隣接して配置される銅箔のそれぞれを共に圧延銅箔とした場合に、問題の銅箔同士の貼り付きが発生しやすいことが判明した。そして、本発明者は、このような新たな知見に基づき研究を続けた結果、隣接して配置される銅箔の一方を電解銅箔とし、他方を圧延銅箔とした場合には、問題の銅箔同士の貼り付きが発生しないこと見出した。本発明は、この本発明者の新たな知見に基づいて完成されされた。
【００１１】
従って、本発明は、加熱圧着装置、該加熱圧着装置の前方に設けられた複数組の長尺状の銅箔／樹脂フィルム積層体の製造に必要な複数の長尺状銅箔と複数の長尺状樹脂フィルムとを該加熱圧着装置に供給する複数の巻き出しロール、該加熱圧着装置での加熱圧着操作の終了後に生成した複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体のそれぞれを巻き取る複数個の巻き取りロールからなる積層体製造装置を用いて、複数組の長尺状の銅箔／樹脂フィルム積層体を、少なくとも隣接する組の銅箔が互いに接触する条件にて製造する方法であって、その隣接する組のそれぞれの銅箔を、一方を電解銅箔とし、他方を圧延銅箔とすることを特徴とする複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体の製造方法にある。
【発明の効果】
【００１２】
加熱圧着装置を用いて銅箔／樹脂フィルムの構成の長尺状二層積層体あるい銅箔／樹脂フィルム／銅箔の構成の長尺状三層積層体などの長尺状積層体を製造する場合において、本発明の製造方法を利用することにより、加熱圧着工程にて、隣接する各組のそれぞれの長尺状銅箔同士が相互の銅箔表面の噛み込みにより相互の貼り付きが起こって分離が困難になる現象の発生の防止が可能となる。従って、本発明の製造方法は、長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体の工業的製法として有利に利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
本発明の好ましい態様を次に記載する。
（１）各組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体がいずれも、銅箔／樹脂フィルム／長尺状銅箔の構成の長尺状三層積層体である。
（２）各組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体がいずれも、銅箔／樹脂フィルムの構成の長尺状二層積層体である。
（３）長尺状樹脂フィルムが長尺状芳香族ポリイミドフィルムである。
（４）長尺状樹脂フィルムが、非熱圧着性芳香族ポリイミドフィルムとその少なくとも一方の表面に形成された熱圧着性芳香族ポリイミド層とからなる長尺状の熱圧着性多層ポリイミドフィルムである。
（５）加熱圧着装置が、ダブルベルトプレスである。
【００１４】
次に本発明の複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体の製造方法を、添付図面を参照しながら説明する。
【００１５】
図１は、本発明の複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体の製造方法を、公知のダブルベルトプレスを用いて実施する場合を説明するための図面である。すなわち、図１では、銅箔／樹脂フィルム／銅箔からなる長尺状積層体の二組をダブルベルトプレスを用いて、同時にかつ連続的に製造する方法が示されている。
【００１６】
図１において、ダブルベルトプレス１１は、一対の前方上側ドラム１２ａと前方下側ドラム１２ｂそして一対の後方上側ドラム１３ａと後方下側ドラム１３ｂ、そして更に、二個の上側ドラムの組と二個の下側ドラムの組のそれぞれの周囲に張り渡されたベルト１４ａ、１４ｂから構成されている。図１のダブルベルトプレス１１では、二個の前方ドラム１２ａ、１２ｂが加熱ドラムであり、二個の後方ドラム１３ａ、１３ｂが冷却ドラムである。図１のダブルベルトプレスでは、積層体への加圧を確実に実施するためにドラムとは別に加熱加圧装置が設けられている。この加熱加圧装置は、上下に設けられた加熱加圧具１５ａ、１５ｂから構成されており、ダブルベルトプレス内を上下のベルト１４ａ、１４ｂにより挟まれて搬送される積層体に対して上下の加熱加圧具１５ａ、１５ｂの互いの接近により圧力を付与するように構成されている。図１のダブルベルトプレスではさらに、加圧冷却装置１６ａ、１６ｂが加圧装置の後方に備えられており、高温にて加圧処理が施された積層体を冷却するようにしている。
【００１７】
ダブルベルトプレス１１の前方には、一組の銅箔／樹脂フィルム／銅箔構成の長尺状積層体を製造するための、上側銅箔２１ａ、樹脂フィルム２２ａ、そして下側銅箔２３ａがそれぞれ巻かれている、上側銅箔ロール３１ａ、樹脂フィルムロール３２ａ、そして下側銅箔ロール３３ａが配置され、さらに他の一組の銅箔／樹脂フィルム／銅箔構成の長尺状積層体を製造するための、上側銅箔２１ｂ、樹脂フィルム２２ｂ、そして下側銅箔２３ｂがそれぞれ巻かれている、上側銅箔ロール３１ｂ、樹脂フィルムロール３２ｂ、そして下側銅箔ロール３３ｂが配置されている。
【００１８】
ダブルベルトプレス１１の後方には、製造された一組の銅箔／樹脂フィルム／銅箔構成の長尺状積層体４１ａを巻き取るための巻き取りロール５１ａが補助ロール５２ａを介して配置されており、さらに製造された他の一組の銅箔／樹脂フィルム／銅箔構成の長尺状積層体４１ｂを巻き取るための巻き取りロール５１ｂが補助ロール５２ｂを介して配置されている。
【００１９】
図１において、例えば、銅箔２１ａと銅箔２３ａとは共に電解銅箔であって、樹脂フィルム２２ａは、熱圧着性多層芳香族ポリイミドフィルムであり、銅箔２１ｂと銅箔２３ｂとは共に圧延銅箔であって、樹脂フィルム２２ｂは、熱圧着性多層芳香族ポリイミドフィルムである。ただし、銅箔２１ａと銅箔２３ａとを共に圧延銅箔とし、銅箔２１ｂと銅箔２３ｂとを共に電解銅箔とすることもできる。また、同一組の積層体を電解銅箔と圧延銅箔とを組合わせて用いて製造することも可能である。ただし、いずれの場合でも、２３ａの銅箔と２１ｂの銅箔とが、一方の銅箔が電解銅箔であって、他方の銅箔が圧延銅箔であるように組合わせる必要がある。
【００２０】
電解銅箔および圧延銅箔は共に市販されており、目的に応じて任意の厚みの電解銅箔と圧延銅箔を製造業者から入手して本発明の積層体の製造に用いることができる。なお、銅箔として、ポリイミド、エポキシ樹脂などの熱圧着性或は接着性の樹脂被覆層を表面に有する銅箔を用いることもできる。これらの樹脂被覆層を表面に有する銅箔は、通常、その表面の樹脂被覆層が樹脂フィルムと対面するようにして配置して用いる。
【００２１】
熱圧着性多層芳香族ポリイミドフィルムは、非熱圧着性芳香族ポリイミドフィルムとその一方もしくは両方の表面に形成された熱圧着性芳香族ポリイミド層とからなるフィルムであって、例えば、宇部興産株式会社から市販されており、容易に入手できる。熱圧着性多層芳香族ポリイミドフィルムについての詳しい記載は、前述の特許文献１に見られる。
【００２２】
なお、図１に関する説明では、樹脂フィルムとして熱圧着性多層芳香族ポリイミドフィルムを用いた例をとり挙げたが、樹脂フィルムは、加熱条件下で銅箔と圧着可能な樹脂フィルムであれば特に限定はない。目的に応じて使用することが可能な樹脂フィルムとしては、単層の熱圧着性芳香族ポリイミドフィルム、熱圧着性ポリエステルフィルム、熱圧着性ポリアミドフィルム（熱圧着性アラミドフィルム）、熱圧着性ビニルエステルフィルム、熱圧着性フッ素樹脂フィルムなどを挙げることができる。
【００２３】
図１に示したダブルベルトプレスを用いて本発明の長尺状積層体を製造する方法を次に説明する。
【００２４】
長尺状樹脂フィルム２２ａ、２２ｂ、そして長尺状銅箔２１ａ、２３ａ、２１ｂ、２３ｂは、それぞれのロールから巻き出されダブルベルトプレス１１の一対の前方加熱ドラム１２ａ、１２ｂの間にベルト１４ａ、１４ｂにより送り込まれる。樹脂フィルムと銅箔は、送り込まれた上下関係にて、前方ドラム１２ａ、１２ｂにより積層されて加熱され、さらにベルト１４ａ、１４ｂに挟まれた状態にて、そのまま後方ドラム１３ａ、１３ｂに向かって搬送される。そして、その搬送の途中で、加熱加圧装置１５ａ、１５ｂにより熱圧着処理が施され、その後、加圧冷却装置１６ａ、１６ｂにより冷却される。積層体はさらに後方に搬送され、後方ロール１３ａ、１３ｂを通過した後、補助ロール５２ｂの位置にて、上側長尺状積層体４１ａ（銅箔２１ａ／樹脂フィルム２２ａ／銅箔２３ａの構成を持つ積層体）と下側長尺状積層体４１ｂ（銅箔２１ｂ／樹脂フィルム２２ｂ／銅箔２３ｂの構成を持つ積層体）とに分離される。
【００２５】
分離される前の上側長尺状積層体４１ａと下側長尺状積層体４１ｂとの積層体の構成を図２に示す。この積層体は、電解銅箔２３ａと圧延銅箔２１ｂとが接触した状態で積層されている。
【００２６】
上側長尺状積層体４１ａは、ついで、補助ロール５２ａを介して巻き取りロール５１ａに巻き取られる。同様に、下側長尺状積層体４１ｂは、ついで、補助ロール５２ｂを介して巻き取りロール５１ｂに巻き取られる。
【００２７】
なお、ダブルベルトプレスを用いる複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体の製造に際してのダブルベルトプレスの種々の形態や改良、そしてダブルベルトプレスを用いての積層体の製造条件については、前掲の特許文献１と特許文献２の記載を参考にすることができる。
【００２８】
図１に示した本発明の長尺状積層体の製造方法では、前述のように、互いに接触する銅箔の一方が電解銅箔であり、他方が圧延銅箔であるため、接触する界面での銅箔同士の噛み込みが発生しないため、相互の張り付きは殆ど起こることがない。
【００２９】
なお、図１では、本発明の長尺状積層体の製造方法を、ダブルベルトプレスを用いる方法として説明したが、本発明の長尺状積層体の製造方法は、上側ロールと下側ロールとを含む一対の加熱圧着装置を含む公知の加熱圧着装置、あるいは公知の加熱圧着装置の変形もしくは改良からなる加熱圧着装置を用いて同様に実施することができることは勿論である。また、同時に製造する長尺状積層体は二組に限られることはなく、三組あるいは四組の同時製造も可能である。
【００３０】
加熱圧着装置としては、一対の圧着ロール（圧着部は金属製、セラミック溶射金属製のいずれでもよい）、またはダブルベルトプレス（加圧部は液圧式、ロール式）が挙げられ、特に加圧下に熱圧着および冷却ができるものであって、そのなかでも液圧式のダブルベルトプレスを挙げることができる。
【００３１】
銅箔／樹脂フィルム積層体の製造において、用いる銅箔と樹脂フィルムなどの積層材料の供給方法の例としては下記の方法を挙げることができる。
（１）銅箔と樹脂フィルム（樹脂フィルム表面は加熱加圧状態で銅箔との熱圧着性を有する）とを供給する。
（２）銅箔、熱圧着性フィルム、樹脂フィルム（樹脂フィルム表面は加熱加圧状態で銅箔との熱圧着性を有していてもよく、あるいは有していなくてもよい）、熱圧着性フィルム、そして銅箔を供給する。
（３）熱圧着層を有する銅箔、樹脂フィルム（樹脂フィルム表面は加熱加圧状態で銅箔との熱圧着性を有していてもよく、あるいは有していなくてもよい）、そして熱圧着性を有する銅箔を供給する。
【００３２】
熱圧着性フィルムおよび熱圧着性層としては、公知の熱圧着性ポリイミド、ポリイミド接着剤、エポキシ接着剤などを目的に応じて適宜選択して用いることができる。樹脂フィルムとしてポリイミドフィルムを用いる場合には、公知の熱圧着性ポリイミド、ポリイミド接着剤、エポキシ接着剤などを用いることが好ましい。
【００３３】
熱圧着性フィルムおよび熱圧着性層を樹脂フィルムの厚みに特に制限はないが、通常は１０〜１５０μｍであり、好ましくは１０〜１００μｍであり、特に好ましくは１０〜５０μｍである。銅箔の厚みについても特に制限はないが、圧延銅箔では８〜３５μｍ、電解銅箔では５〜３５μｍの範囲の銅箔が好ましい。
【００３４】
樹脂フィルムの幅と銅箔の幅との関係については特に限定はないが、樹脂フィルムの幅が銅箔の幅に対して大きいこと、あるいは幅がおなじであることが好ましい。なお、複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体の内の異なる組の樹脂フィルムの幅については互いに同じでも、異なっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００３５】
【図１】本発明の複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体の製造方法を説明する図面である。
【図２】図１に示した製造方法により製造した本発明の複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体の積層体（二組の銅箔／樹脂フィルム／銅箔積層体が積層された状態にある）の構成を示す図である。
【符号の説明】
【００３６】
１１ ダブルベルトプレス
１２ａ 前方上側ドラム
１２ｂ 前方下側ドラム
１３ａ 後方上側ドラム
１３ｂ 後方下側ドラム
１５ａ 加熱加圧装置（加熱加圧具）
１５ｂ 加熱加圧装置（加熱加圧具）
１６ａ 加圧冷却装置
１６ｂ 加圧冷却装置
２１ａ 電解銅箔
２２ａ 樹脂フィルム（熱圧着性多層芳香族ポリイミドフィルム）
２３ａ 電解銅箔
２１ｂ 圧延銅箔
２２ｂ 樹脂フィルム（熱圧着性多層芳香族ポリイミドフィルム）
２３ｂ 圧延銅箔
３１ａ 電解銅箔巻き出しロール
３２ａ 樹脂フィルム巻き出しロール
３３ａ 電解銅箔巻き出しロール
３１ｂ 圧延銅箔巻き出しロール
３２ｂ 樹脂フィルム巻き出しロール
３３ｂ 圧延銅箔巻き出しロール
４１ａ 上側長尺状積層体
４１ｂ 下側長尺状積層体
５１ａ 巻き取りロール
５１ｂ 巻き取りロール
５２ａ 補助ロール
５２ｂ 補助ロール
【特許請求の範囲】
【請求項１】
加熱圧着装置、該加熱圧着装置の前方に設けられた複数組の長尺状の銅箔／樹脂フィルム積層体の製造に必要な複数の長尺状銅箔と複数の長尺状樹脂フィルムとを該加熱圧着装置に供給する複数の巻き出しロール、該加熱圧着装置での加熱圧着操作の終了後に生成した複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体のそれぞれを巻き取る複数個の巻き取りロールからなる積層体製造装置を用いて、複数組の長尺状の銅箔／樹脂フィルム積層体を、少なくとも隣接する組の銅箔が互いに接触する条件にて製造する方法であって、その隣接する組のそれぞれの銅箔を、一方を電解銅箔とし、他方を圧延銅箔とすることを特徴とする複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体の製造方法。
【請求項２】
製造される各組の銅箔／樹脂フィルム積層体がいずれも、銅箔／樹脂フィルム／銅箔の構成の長尺状三層積層体である請求項１に記載の製造方法。
【請求項３】
製造される各組の銅箔／樹脂フィルム積層体がいずれも、銅箔／樹脂フィルムの構成の長尺状二層積層体である請求項１に記載の製造方法。
【請求項４】
長尺状樹脂フィルムが長尺状芳香族ポリイミドフィルムである請求項１乃至３のうちのいずれかの項に記載の製造方法。
【請求項５】
長尺状樹脂フィルムが、非熱圧着性芳香族ポリイミドフィルムとその少なくとも一方の表面に形成された熱圧着性芳香族ポリイミド層とを含む長尺状の熱圧着性多層ポリイミドフィルムである請求項１乃至４のうちのいずれかの項に記載の製造方法。
【請求項６】
加熱圧着装置が、ダブルベルトプレスである請求項１乃至５のうちのいずれかの項に記載の製造方法。
【請求項１】
加熱圧着装置、該加熱圧着装置の前方に設けられた複数組の長尺状の銅箔／樹脂フィルム積層体の製造に必要な複数の長尺状銅箔と複数の長尺状樹脂フィルムとを該加熱圧着装置に供給する複数の巻き出しロール、該加熱圧着装置での加熱圧着操作の終了後に生成した複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体のそれぞれを巻き取る複数個の巻き取りロールからなる積層体製造装置を用いて、複数組の長尺状の銅箔／樹脂フィルム積層体を、少なくとも隣接する組の銅箔が互いに接触する条件にて製造する方法であって、その隣接する組のそれぞれの銅箔を、一方を電解銅箔とし、他方を圧延銅箔とすることを特徴とする複数組の長尺状銅箔／樹脂フィルム積層体の製造方法。
【請求項２】
製造される各組の銅箔／樹脂フィルム積層体がいずれも、銅箔／樹脂フィルム／銅箔の構成の長尺状三層積層体である請求項１に記載の製造方法。
【請求項３】
製造される各組の銅箔／樹脂フィルム積層体がいずれも、銅箔／樹脂フィルムの構成の長尺状二層積層体である請求項１に記載の製造方法。
【請求項４】
長尺状樹脂フィルムが長尺状芳香族ポリイミドフィルムである請求項１乃至３のうちのいずれかの項に記載の製造方法。
【請求項５】
長尺状樹脂フィルムが、非熱圧着性芳香族ポリイミドフィルムとその少なくとも一方の表面に形成された熱圧着性芳香族ポリイミド層とを含む長尺状の熱圧着性多層ポリイミドフィルムである請求項１乃至４のうちのいずれかの項に記載の製造方法。
【請求項６】
加熱圧着装置が、ダブルベルトプレスである請求項１乃至５のうちのいずれかの項に記載の製造方法。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２００８−３０３８５（Ｐ２００８−３０３８５Ａ）
【公開日】平成２０年２月１４日（２００８．２．１４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−２０８２９６（Ｐ２００６−２０８２９６）
【出願日】平成１８年７月３１日（２００６．７．３１）
【出願人】（０００１２００１０）宇部日東化成株式会社 (203)
【出願人】（００００００２０６）宇部興産株式会社 (2,022)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年２月１４日（２００８．２．１４）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年７月３１日（２００６．７．３１）
【出願人】（０００１２００１０）宇部日東化成株式会社 (203)
【出願人】（００００００２０６）宇部興産株式会社 (2,022)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]