説明

閉ループ・クロック訂正方法および閉ループ・クロック訂正制御システム適応装置

【課題】閉ループ・クロック訂正方法および閉ループ・クロック訂正制御システム適応装置を提供する。
【解決手段】閉ループ・クロック訂正システムおよび方法は、少なくとも1つの同位相クロックおよび少なくとも1つの直交位相クロックを含む2つ以上の入力信号を調整するステップと、調整された直交位相クロック信号を、4象限補間出力クロック位相を生成可能なデバイスに印加するステップとを含む。補間出力クロック位相は、遅延されて測定デバイス用のクロックを形成する。2つ以上の調整された入力信号は、測定デバイス上で補間出力クロック位相の範囲にわたって測定される。測定デバイスからのサンプル情報を使用して、同位相クロックおよび直交位相クロック上の誤差が決定される。同位相クロックおよび直交位相クロックは、決定された誤差情報を使用して適応される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路に具体化されてもよい閉ループ位相回転器サブシステムの2つの基準クロック間のデューティ・サイクル、直交位相(quadrature)関係および振幅関係を自動的に訂正するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高データ・レート・シリアライザ・デシリアライザ(SERDES:serializer−deserializer)入出力(I/O)コアで使用される一般的なクロック生成アーキテクチャは、単一の低ノイズ位相ロック・ループ(PLL:phase loked loop)を利用している。PLL信号は、ローカル受信機クロックを入力データ・ストリームに対して位相固定することができるように、固定周波数PLLクロックに周波数および位相オフセットを加える「位相回転器」を含む送信機(Tx)、受信機(Rx)または送受信機サブシステムのうちの1つ以上に分配される。
【0003】
図1を参照すると、クロック生成サブシステムのブロック図が示される。この例では、PLL10出力クロックは、直交位相分周器12を使用して2つに分周される。直交位相分周器12は、出力として「同位相」(I)クロック13および「直交位相」(Q)クロック14を生成し、それぞれはPLLクロック周波数から2つに分周され、互いに90°シフトされている。これらのクロック13および14は、1つ以上のデータI/Oコア15に分配される。各I/Oは、通常、ローカル位相回転器17および18に印加される前に、Iクロック13およびQクロック14の直交位相精度またはデューティ・サイクルあるいはその両方を改善するために使用されてもよいローカル・クロック・バッファ16をそれぞれ含む。
【0004】
このローカル・クロック・バッファは、開ループ法を用いて実施され、これは、フィードバック訂正を適用してクロックの出力デューティ・サイクルまたは直交位相関係あるいはその両方を改善することなく、クロック信号がバッファ16を通過することを意味する。他のデバイスは、ラッチ21を含んでもよい。
【0005】
説明のため、クロック13および14は、多くのデータ受信機15に分配されるように示される。各受信機15は、ローカル・クロックおよびデータ回復(CDR:clock−and−data recovery)ユニット22によって周波数および位相が固定される必要がある独立した入力データ・ストリーム(例えば、データ入力1)を有することができる。一般的なアプリケーションでは、周波数および位相ロックを実現するために、CDR22は、ローカル・エッジ位相回転器17の出力からのエッジ交差が入力データ・ストリーム(データ入力1)のエッジ交差と一致するように、エッジ回転器17の位相を更新する。データ回転器18は、通常1/2ビット間隔だけエッジ回転器17からシフトされるデータ検査に適する位相オフセットにプログラムされる。ラッチ21を使用して、CDRユニット22によって処理されるデータおよびエッジ情報を取得する。当然のことながら、基本的なデータおよびエッジ検出受信機であれば、位相回転器に基づくクロック生成システムを説明するには充分である。
【0006】
位相回転器17、18は、図2に示されるように重みが変化するI入力クロックとQ入力クロックとを混合および結合することによって、位相が0°から360°まで変化する出力クロック19および8を生成することが可能である。
【0007】
図2によれば、位相回転器17、18は、入力直交位相クロック23および24の重み付け組み合わせを加算してプログラム可能な位相を有する出力クロック30を生成することによって動作する。一例として、デジタル・アナログ変換器(DAC:digital analog converter)26は、重み27および28を出力する。Iクロック・デジタル・アナログ変換器(IDAC)27の重みがIクロック混合器25に入力されて1に設定され(つまり100%選択)、QクロックDAC(QDAC)28の重みが0に設定される(つまり0%選択)場合、位相回転器17、18は、当然0°の位相を有するIクロックを出力する。同様に、QクロックDAC28の重みが1に設定され、IクロックDAC27の重みが0に設定される場合、入力Qクロック24がIクロックと完全に位相が直交する場合かつその場合に限って、位相回転器は90°の位相を有するQクロックを出力する。図2の表33に示されるように、所望の出力位相が得られる対応する乗算器でIクロックおよびQクロックを重み付けすることによって、中間位相を得ることができる。
【0008】
1/2レート・クロック(つまりIおよびQクロック周波数が受信データ・レートの1/2)を使用するシリアライザ/デシリアライザ・コアの位相回転器の一般的な実施は、0°から360°までの合計64の位相ステップを使用しており、5.625°の位相分解能を達成している。このような設計は、1つの受信データ・ビット幅全体で32ステップの時間分解能を提供する。位相回転器の部品(DAC27および28、混合器25および加算器29)の詳細な回路実施は、多くの異なる技術を使用することができるが、あらゆる位相回転器の実施は、I入力クロック23およびQ入力クロック24の基本的な精度によって位相精度が制約を受ける。
【0009】
IクロックおよびQクロックは、LCPLLから多くのTx/Rxコアに分配されるため、クロックの直交位相関係は、クロック分配における異なるI/Qパス遅延によって不整合になる可能性がある。さらに、クロックのデューティ・サイクルは、クロック・バッファ・デバイスの不整合および遅延差のために不正確になる可能性もある。
【0010】
図3を参照すると、タイミング図が直交位相クロックを示す。クロック波形交差時間T1、T2、T3およびT4は、以下の定義および数式によって得られるデューティ・サイクルおよび直交位相関係誤差に関係付けることができる。
T=平均クロック1/2周期=T4/2 (1)
DUTYI=T2/(2*T)*100% (2)
DUTYQ=(T3−T1)/(2*T)*100% (3)
IQ=integ(I*Q)=(T3−T2+T1)/T*90° (4)
【0011】
完全なIQクロックは、DUTYI=50%、DUTYQ=50%およびIQ=90°を有し、これはIクロックとQクロックの+および−極性期間が等しく、QクロックはIクロックから全クロック周期2*Tの1/4に相当するちょうど90°だけ遅れていることを意味する。50%以外のデューティ・サイクルおよび90°以外の直交位相は、クロック発生器の時間ジッタにどのように変換することができるかを知るために、値T1、T2、T3およびT4は、以下のようなデューティ・サイクルおよび直交位相関係の関数として表すことができる。
T1=(IQ/180°+(DUTYI−DUTYQ)/100%)*T (5)
T2=DUTYI/50%*T (6)
T3=T1+DUTYQ/50%*T (7)
T4=2*T (8)
【0012】
ジッタ解析を簡単にするために、位相回転器は、図3のクロック交差間隔0、T1、T2、T3およびT4で、それぞれI信号またはQ信号からエッジ・クロックを、Q信号またはI信号からデータ・クロックを生成すると想定することができる。エッジ・クロックはサンプリング・システムの時間基準を設定するため、データ・クロック・ジッタは、理想的なサンプリング位置(この説明ではエッジ・クロックからT/2遅延)から実際のサンプリング位置(T/2遅延+誤差)までの差として計算することができる。
【0013】
非同期クロック回復システムでは、受信機システムが非コヒーレント(ローカルPLLと異なる周波数の)クロックを有する入力データ信号をトラックするので、エッジ位相は、時間とともに0からT4にシフトする。したがって、波形交差間隔において、可能なエッジおよびデータのサンプリング位置は、以下の表1に示されるように与えられる。
【0014】
【表1】

【0015】
非理想直交位相クロックによって追加されるピーク間データ・サンプル・ジッタは、表1のサンプル・ジッタの最大値からサンプル・ジッタの最小値を引いた値として表現することができ、以下のように簡潔に計算することができる。
【0016】
データ・サンプル・ジッタ=max(T1,T2−T1,T3−T2,T4−T3)−min(T1,T2−T1,T3−T2,T4−T3) (9)
【0017】
T1、およびT2とT1、T3とT2、T4とT3間の間隔がすべてT/2に等しい場合のみ、ジッタはゼロである。IクロックおよびQクロックが、完全な直交位相(QがIからT/2遅延)にあり、50%のデューティ・サイクルを有する場合に限り、この状態が起き得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
従来技術では、信号が位相回転器に印加される前に、直交位相精度およびデューティ・サイクルを得るためにIQクロックを可能な限りクリーン・アップするために、各ローカル・クロック発生器のローカル開ループ「粗クリーン・アップ」バッファ16(図1)が一般に使用される。
【0019】
図4を参照すると、従来技術の「粗クリーン・アップ」バッファの一般的な実施が示され、このバッファは、加算器40からのI+QおよびQ−Iを形成する2つの出力パスに、DCブロック・クロック・バッファ41で増大される2つの電流モード・ロジック(CML:current−mode−logic)クロック入力IおよびQを出力で提供してデューティ・サイクルを改善する。この動作によって、出力クロック信号の直交位相関係およびデューティ・サイクルが改善される。しかしながら、「粗クリーン・アップ」バッファの構築に使用されるデバイスの変動によるバッファ自体の整合精度の限界によって、達成可能な精度に根本的な限界が加えられる。特に、負荷抵抗42、デバイス利得43およびバッファ段バイアス電流44は、すべてディープ・サブミクロンCMOS技術で実現される場合に不整合効果の影響をかなり受けやすい。このような不整合効果は、出力で不要なDCオフセットを事実上生成し、IクロックおよびQクロックのデューティ・サイクルおよび直交位相関係に誤差を加える。
【0020】
実現集積回路についての研究論文では、「粗クリーン・アップ」バッファ、およびいかなる関連する開ループ・デューティ・サイクル・クリーン・アップ・クロック・バッファの後であっても、デバイス不整合から生じる基準クロック誤差は、数式(9)から予測されるように、(ハーフ・レート・クロック・アーキテクチャの時間間隔Tと等しい)受信ビット幅の約20%またはそれ以上のデータ・サンプル時間ジッタを生じさせる可能性があることが示される。この劣化レベルは、一般に、高データ・レート(5〜10Gb/s以上)SERDESのアプリケーションには許容できない。20%の時間ジッタは、クロストーク、反射、符号間干渉(ISI:inter−symbol interference)、およびPLLからのランダム・クロック・ジッタを含む他のコア劣化発生源からの大きいジッタによってジッタ・バジェットで使用することができないためである。多くの一般的なデータ送信アプリケーションでは、完全な直線位相生成サブシステムでも、チャネルおよびコア誘起ジッタは、ジッタ・マージンを1ビット間隔のサンプル間隔内に維持する15%以下となる。不整合の問題に加えて、開ループ・システムは、基本的なI+Q/Q−IアルゴリズムによるI/Q分離誤差効果を正しく補償することができない。このアルゴリズムは、この誤差を時間領域から振幅領域に伝播するだけであり、回転器精度にやはり悪影響を及ぼす。
【課題を解決するための手段】
【0021】
クロック訂正システムおよび方法は、少なくとも1つの同位相クロックと少なくとも1つの直交位相クロックとを含む2つ以上の入力信号を調整するステップと、調整された直交位相クロック信号を4象限補間出力クロック位相を生成可能なデバイスに印加するステップとを含む。補間出力クロック位相は、遅延されて測定デバイス用のクロックを形成する。2つ以上の調整入力信号は、測定デバイスで補間出力クロック位相の範囲にわたって測定される。測定デバイスからのサンプル情報を使用して同位相クロックおよび直交位相クロックの誤差が決定される。同位相クロックおよび直交位相クロックは、決定された誤差情報を使用して適応される。
【0022】
閉ループ直交位相クロック位相発生システムでクロックをダイナミックに訂正する方法は、同位相および直交位相クロックを含む2つ以上の入力信号を受信するステップと、直交位相、デューティ・サイクルおよび振幅のうちの少なくとも1つについて同位相クロックおよび直交位相クロックを調整するステップと、調整された直交位相クロック信号を4象限補間出力クロック位相を生成可能な回転器に印加するステップと、測定デバイス用のクロックを形成するために補間出力クロック位相を遅延するステップと、測定デバイスにおいて補間出力クロック位相の範囲にわたり同位相および直交位相クロックを含む2つ以上の調整された入力信号を測定するステップと、測定デバイスからのサンプル情報を使用して同位相および直交位相クロックのデューティ・サイクル誤差、直交位相誤差および振幅誤差を含む誤差情報を決定するステップと、閉ループ・フィードバック構成において誤差情報を使用して同位相および直交位相クロックの直交位相、デューティ・サイクルおよび振幅の調整を適応するステップとを含む。
【0023】
直交位相クロック位相発生システムの閉ループ・クロック訂正制御システムを適応する装置は、同位相および直交位相クロックを含む2つ以上の入力信号を受信するように構成されるクロック訂正デバイスであって、直交位相、デューティ・サイクルおよび振幅のうちの少なくとも1つの訂正を提供する制御モジュールからの閉ループ・フィードバックに従って、同位相および直交位相クロックを調整するように構成されるクロック訂正デバイスを含む。回転器は、クロック訂正デバイスに接続されており、直交位相クロック信号を調整して4象限補間出力クロック位相を生成するように構成される。遅延部は、回転器に接続されて、補間出力クロック位相を受信して測定デバイス用のクロックを形成する。測定デバイスは、補間出力クロック位相の範囲にわたって調整後の同位相および直交位相クロックを受信して、サンプル情報を使用して同位相および直交位相クロックのデューティ・サイクル誤差、直交位相誤差および振幅誤差を決定する。制御モジュールは、測定デバイスの出力を受信し、クロック訂正デバイスにおいて誤差情報を使用して直交位相誤差、デューティ・サイクル誤差、および振幅誤差を適応して同位相および直交位相クロックの調整を行うように構成される。
【0024】
これらのおよび他の特徴および利点は、添付図面と合わせて読まれることになる本発明の例示的な実施形態についての以下の詳細な説明から明白になるであろう。
【0025】
本開示は、以下の図面を参照しながら好適な実施形態についての以下の説明の詳細内容を提供するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】従来技術による位相回転器に基づくクロック生成システムを示すブロック図である。
【図2】従来技術による位相回転器および位相回転表を示すブロック図である。
【図3】例証の目的でIクロックおよびQクロックの波形を示すタイミング図である。
【図4】従来技術による開ループCML直交位相クロック訂正システムを示すブロック図/回路図である。
【図5】1つの例示的な実施形態による閉ループ・ダイナミック・クロック訂正システムを示すブロック図である。
【図6】1つの例示的な実施形態によるクロック訂正方法を示すブロック図/流れ図である。
【図7】本原理によるクロック訂正デバイス用回路を示す回路図である。
【図8】本原理に従って使用されてもよい例示的な可変時間遅延バッファを示す図である。
【図9】1つの例示的な実施形態によるクロック/信号マルチプレクサおよび信号測定システムを示すブロック図/回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本原理は、データ入力および出力システムおよび方法のクロック・パスで発生する可能性がある静的不整合と電圧/温度誘起ドリフト誤差との両方に対応している。本原理は、位相発生器サブシステムの直線性を従来技術の開ループ訂正器の達成可能な性能よりも高いレベルまで改善する。本実施形態は、プロセス、電圧および温度の変動によって生じるクロック誤差を、システムに対して低い電力およびチップ面積オーバヘッドでダイナミックに訂正する。本実施形態は、開ループ法がたとえデバイス整合(P)が完全であっても完全には達成できない完全な直交位相を、プロセス、電圧および温度(PVT:process,voltage and temperature)変動を越えて、特に動作データ・レートの範囲にわたって達成するという課題を解決する。基準クロック誤差が低減されると、クロック位相発生器サブシステムのクロック・ジッタは直ちに小さくなる。クロック・ジッタが小さくなると、今度は高速シリアルI/O相互接続などのアプリケーションの動作マージンが改善されることになる。
【0028】
このような原理は、シリアライザ/デシリアライザ(SERDES)の送受信機システム、I/Oコア、ラジオに一般的に使用される直交位相混合器サブシステム、SERDESクロック位相発生器、IQ混合器、閉ループ送信デューティ・サイクル訂正システム、閉ループ受信機ラッチ・デューティ・サイクル訂正システムなどを含む、正確な直交位相基準クロックまたは正確なデューティ・サイクル・クロックを必要とする任意のアプリケーションに適用されてもよい。
【0029】
本原理は、開ループ直交位相およびデューティ・サイクル訂正方法からIQ補間に基づく位相発生器のための新しい閉ループ/適応方法へと移行させるものである。IC技術におけるデバイス不整合は、開ループ訂正方法を使用する場合に充分な性能を提供するには不充分である。
【0030】
当業者であれば理解されるように、本発明の態様は、システム、方法またはコンピュータ・プログラム製品として具体化されてもよい。したがって、本発明の態様は、本明細書で「回路」、「モジュール」または「システム」と一般にすべて称される、完全にハードウェア実施形態、完全にソフトウェア実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロ・コードなどを含む)、またはソフトウェア態様とハードウェア態様とを組み合わせた実施形態の形態をとってもよい。さらに、本発明の態様は、その上に具体化されるコンピュータ可読プログラム・コードを有する1つ以上のコンピュータ可読媒体で具体化されるコンピュータ・プログラム製品の形態をとってもよい。
【0031】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが使用されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線または半導体システム、装置またはデバイス、あるいは前述のものの適切な任意の組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のさらに具体的な例(限定的なリスト)は、1つ以上の配線を有する電気的接続、携帯用コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)、読み出し専用メモリ(ROM:read−only memory)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM:erasable programmable read−only memoryまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯用コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM:compact disc read−only memory)、光学式記憶装置、磁気記憶装置、または前述のものの適切な任意の組み合わせを含んでもよい。この書類において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置またはデバイスが使用するためのまたはこれと関連するプログラムを含むまたは格納することができる任意の有形媒体であってもよい。
【0032】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドにまたは搬送波の一部として、その中で具体化されるコンピュータ可読プログラム・コードを有する伝播データ信号を含んでもよい。この伝播信号は、これに限定されないが、電磁気、光、またはその適切な任意の組み合わせを含む様々な形態の何れかの形態をとってもよい。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体でない、命令実行システム、装置またはデバイスが使用するためのまたはこれと関連するプログラムを通信、伝播または輸送することができる任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0033】
コンピュータ可読媒体で具体化されるプログラム・コードは、これに限定されないが、無線、有線、光ファイバ・ケーブル、RFなど、または前述のものの適切な任意の組み合わせを含む任意の適切な媒体を使用して送信されてもよい。本発明の態様のための動作を実行するコンピュータ・プログラム・コードは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または類似のプログラミング言語などの従来の手続きプログラミング言語を含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されてもよい。プログラム・コードは、完全にユーザのコンピュータで、一部ユーザのコンピュータで、スタンド・アローン・ソフトウェア・パッケージとして一部ユーザのコンピュータおよび一部リモート・コンピュータで、または完全にリモート・コンピュータまたはサーバで実行してもよい。後のシナリオでは、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN:local area network)または広域ネットワーク(WAN:wide area network)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、あるいは、(例えば、インターネット・サービス・プロバイダを利用してインターネットを介して)外部コンピュータに接続されてもよい。
【0034】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照しながら以下で説明される。当然のことながら、フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の各ブロック、およびフローチャート図またはブロック図あるいはその両方のブロックの組み合わせは、コンピュータ・プログラム命令によって実施することができる。このようなコンピュータ・プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供されてマシンを形成し、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行する命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロック(単数または複数)に規定される機能/動作を実施する手段を形成するようにしてもよい。
【0035】
さらに、このようなコンピュータ・プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、または他のデバイスに特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読媒体に格納されて、コンピュータ可読媒体に格納された命令は、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロック(単数または複数)に規定される機能/動作を実施する命令を含む製品を形成するようにしてもよい。さらに、コンピュータ・プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置または他のデバイスにロードされて、一連の動作ステップをコンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置または他のデバイスで実施させてコンピュータ実施プロセスを形成し、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置で実行する命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロック(単数または複数)に規定される機能/動作を実施するプロセスを提供するようにしてもよい。
【0036】
図面中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実施についてのアーキテクチャ、機能および動作を示す。この点に関して、フローチャートおよびブロック図の各ブロックは、特定の論理機能(単数または複数)を実施する1つ以上の実行可能命令を含むモジュール、セグメントまたはコードの一部を表してもよい。さらに、幾つかの代替の実施では、ブロックに記述される機能は、図面に示される順序以外で生じてもよいことにも留意すべきである。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、あるいは、ブロックは、含まれる機能に応じて逆の順序で実行されることがあってもよい。さらに、ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の各ブロック、およびブロック図またはフローチャート図あるいはその両方のブロックの組み合わせは、特定の機能または動作を実施する専用ハードウェアに基づくシステム、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実施することができることにも留意すべきである。
【0037】
本明細書で説明される回路は、集積回路チップのための設計の一部であってもよい。チップ設計は、グラフィック・コンピュータ・プログラミング言語で製作され、(ディスク、テープ、物理ハード・ドライブまたはストレージ・アクセス・ネットワークなどにおける仮想ハード・ドライブなどの)コンピュータ記憶媒体に格納される。設計者が、チップまたはチップを製造するために使用されるフォトリソグラフィ・マスクを製造しない場合には、設計者は、得られた設計を、物理的手段によって(例えば、設計を格納する記憶媒体のコピーを提供することによって)あるいは電気的に(例えば、インターネットを介して)これらの実体に直接または間接的に送信する。その後、格納された設計は、ウェハに形成されることになる当該チップ設計の複数のコピーを一般に含むフォトリソグラフィ・マスクを製造するために、適切なフォーマット(例えば、グラフィック・データ・システムII(GDSII:Graphic Data System II)に変換される。フォトリソグラフィ・マスクを使用して、エッチングあるいはその他の方法で処理されるウェハ(またはウェハの層あるいはその両方)の領域を画定する。
【0038】
その結果得られる集積回路チップは、生ウェハの形態(すなわち、複数のパッケージされないチップを有する単一のウェハ)で、ベア・ダイとして、またはパッケージされた形態で製造者が配給することができる。後者の場合、チップは、(マザーボードまたは他のより高いレベルのキャリアに取り付けられるリードを有するプラスチック製キャリアなどの)単一のチップ・パッケージに、または(表面相互接続または埋め込み相互接続あるいはその両方を有するセラミック製キャリアなどの)マルチチップ・パッケージに取り付けられる。いずれの場合も、次に、チップは、(a)マザーボードなどの中間製品または(b)最終製品の一部として、他のチップ、個別回路素子、または他の信号処理デバイスあるいはその全部と統合される。最終製品は、玩具および低価格アプリケーションからディスプレイ、キーボードまたは他の入力デバイスおよび中央処理装置を有する最新コンピュータ製品に至るまでの、集積回路チップを含む任意の製品であってもよい。
【0039】
ここで、類似の番号が同一または類似の要素を示す図面を参照して、最初に図5を参照すると、閉ループ・ダイナミック・クロック訂正システム100が、上位ブロック図に示される。ダイナミック・クロック訂正システム100は、IクロックおよびQクロックのデューティ・サイクル/位相関係をデジタルで測定し、連続適応制御ループを使用してクロックの直交位相精度とデューティ・サイクルとの両方を訂正する。さらに、システム100は、IクロックとQクロックの振幅のバランスを取る能力があり、両者の振幅がアンバランスになると、位相回転器で達成される位相直線性に悪影響を与える可能性がある。その際、システム100は、クロック分配回路の不整合効果を補償して、位相回転器を駆動するIQクロックの直交位相誤差、デューティ・サイクル誤差または振幅不整合あるいはその全部から生じる可能性があるデータ・サンプル・クロック・ジッタを低減することができる。
【0040】
例示的なシステム100は、直交位相クロックのIクロック13とQクロック14とを受け入れ、クロック訂正バッファ150を使用してこれらのクロックの直交位相関係、デューティ・サイクル、および任意で振幅を調整して、訂正出力クロックIcおよびQc155を生成する。クロック訂正バッファ150からの訂正クロックは、位相回転器デバイス160、および訂正されたIクロック、Qクロック、「0」(クロック・ベースライン基準)、または任意で他の信号を信号測定ブロックまたはデバイス157の入力に渡す信号マルチプレクサ・デバイス156にルートされる。
【0041】
一実施形態では、信号測定ブロック157は、入力信号のオフセット158および任意で利得159を調整し、入力信号のデジタル出力測定(Signal)を生成する。信号測定(157)は、位相回転器デバイス160によって生成されてから遅延素子161によって遅延されるクロックを使用してサンプリングされる。一実施形態では、遅延素子161は、様々な遅延の範囲にわたってプログラムされてもよい。
【0042】
制御モジュール163は、測定トリガ162を発生させて信号測定ブロック157で信号測定を生成する。信号測定結果は、制御モジュール163によって処理されて、更新されたクロック訂正入力が生成され、クロック直交位相誤差を訂正するPHASE_IQ制御153、Iクロックのデューティ・サイクル誤差を訂正するDUTY_I制御154、Qクロックのデューティ・サイクル誤差を訂正するDUTY_Q制御164、およびIクロックおよびQクロックの利得誤差を訂正するGAIN_I制御152またはGAIN_Q制御151あるいはその両方をそれぞれ含むクロック訂正バッファ150に送られる。
【0043】
制御モジュール163は、入力直交位相クロックのデューティ・サイクル誤差、直交位相誤差および任意で利得誤差を検出して訂正することができる制御方法を利用して、回転器160の位相、遅延素子161の遅延および測定サンプル・トリガ制御162を順次処理していく。任意で、制御モジュール163を使用して、他の信号165を信号マルチプレクサ156を介してルートし、適切な制御166を使用してこのような他の信号の関連するデューティ・サイクル、利得または直交位相関係を制御することによって、システム実施形態の他のクロックの誤差を検出して訂正することもできる。
【0044】
簡単な実施形態では、他の信号は測定または制御されず、訂正されたIクロックおよびQクロック155は、データおよびエッジ位相回転器入力17および18(図1)に送られて、データ受信機システムで改善された位相直線性を有する補間クロック位相を生成してもよい。
【0045】
制御モジュール163によって実施されるクロック訂正方法は、2*Tの時間分または360°の位相に対応する全期間にわたってIcクロックおよびQcクロックの符号(sign)を測定してもよい。直交位相誤差を決定するために、この制御方法は、2*Tの時間期間にわたって回転器160の位相を離散ステップで段階的に変えながら、Ic波形およびQc波形の符号の乗積分を累算していく。デューティ・サイクル誤差を決定するために、この方法は、同じ2*T期間にわたってIc波形およびQc波形の符号の積分を累算していく。これらの誤差積分を決定するために一実施形態で使用される手順は、以下の誤差測定制御方法で説明される。
【0046】
図5を引き続き参照しながら図6を参照すると、誤差積分を決定する方法が例示的に示される。ブロック170では、クロック遅延バッファ161が1遅延単位だけ周期的に進められる。ブロック171では、回転器160の位相が0に初期化される。ブロック172では、「0」または信号マルチプレクサ156のクロック・ベースライン入力が選択される。ブロック173では、信号が>0かどうか判断されて波形符号+1または−1が生成される。ブロック174では、ブロック173からの決定に基づいて信号オフセット制御158が更新される。ブロック175では、信号マルチプレクサ156のIc波形入力が選択される。ブロック176では、信号が>0かどうか判断されてIc波形符号+1または−1が生成される。ブロック177では、モジュール163のI_Duty_Error累算器にI符号値の合計が累算されI符号が保存される。ブロック178では、信号マルチプレクサ156のQc波形入力が選択される。ブロック179では、信号が0>0かどうか判断されてQc波形符号+1または−1が生成される。ブロック180では、モジュール163のQ_Duty_Error累算器にQc符号値の合計が累算される。
【0047】
ブロック181では、ブロック177からの保存されたI符号とQc波形極性値とが乗算され、モジュール163のIQ_Error累算器に合計が累算される。ブロック182では、位相回転器160が1離散位相ステップで増加される。ブロック183では、位相回転器がIcおよびQc入力クロックの全360°スイープまたは全2*T期間の範囲を完了するまでブロック175からブロック182までが繰り返される。これによって、所定の動作期間の誤差積分が提供される。
【0048】
誤差測定制御方法のブロック170は、各誤差決定シーケンスについて符号サンプル・ラッチで可変時間遅延を実施する。適切に機能するクロック訂正方法の場合、位相回転器160によって提供されるクロックは、位相回転器160に入力されるIcクロックおよびQcクロックから遅延または無相関化される。この遅延によって、Ic情報とQc情報とを混合または補間してIcクロックおよびQcクロックのエッジ交差点を決定する回転器の位相のIcクロックとQcクロックの交差時間(またはエッジ)の測定が可能になる。補間された回転器の位相位置においてIcおよびQc波形のエッジを測定する能力を提供することによって、測定システムがエッジ交差時間の誤差を検出することが可能になる。
【0049】
一実施形態では、回転器160の位相調整は、約5°デジタル・ステップに量子化される(例えば、全360°位相調整範囲について64の離散位相ステップは、5.625°の位相量子化となる)。この量子化によってI波形およびQ波形のエッジ交差を測定することができる精度が制限される可能性がある。プログラム可能な細密遅延を有する遅延バッファ161を導入することによって、測定システムは、エッジ交差を位相回転器自体のステップ分解能より高い精度にまで分解することが可能になる。
【0050】
一実施形態では、可変時間遅延は、1位相回転器ステップに対応する時間遅延の1/2未満の時間ステップで遅延を進め、最小遅延と全2*Tクロック期間の少なくとも1/16の遅延範囲との両方を提供する。ブロック170では、周期的に遅延バッファを進めることは、遅延がバッファによって提供される最大値になるまでバッファ遅延が増加し、その後プログラムされた遅延が最小遅延まで戻されることを意味する。
【0051】
誤差測定制御手順のブロック172からブロック174までは、信号測定ブロック157ですべてのオフセットを取り除くDCオフセット訂正プロセスを定義する。信号測定ブロック157の非補償オフセットは、デューティ・サイクル誤差および位相誤差の決定に誤差を加えることになる。DCオフセット訂正プロセスは、クロックまたは信号マルチプレクサ156が「0」(クロック・ベースライン)入力を選択するように構成される場合に、信号測定ブロック157によって0の平均信号測定が得られるように、Signal_Offset制御158を効果的に調整する。この状態は、測定信号の符号の反対方向にSignal_Offset制御(158)を積分することによって達成され、これによって適応DCオフセット補償制御ループが実施される。
【0052】
一実施形態では、誤差測定制御手順のブロック173、176および179で実施される波形符号の決定は、少なくとも16の別々の測定からの結果を平均して単一の符号測定結果のノイズの影響を低減させることによって実現される。16測定の大部分が+1の場合、正の波形値が決定され、そうでない場合は負の波形値が決定される。
【0053】
64の離散位相位置を有する位相回転器160を使用する実施形態では、ブロック175からブロック182が64回繰り返されて、以下の計算を実現する。
【0054】
【数1】

【0055】
数式(10)から数式(12)におけるSGN()関数は、測定されるクロック波形がベースライン(0)値より大きい場合に1を出力し、その波形がベースライン値以下の場合は−1を出力する。図5では、SGN()関数は、測定される波形が1のSGN関数値に対応して0以上か、−1のSGN関数値に対応して<0かを判断する信号測定ブロック157によって判断される。I波形およびQ波形が50%のデューティ・サイクルを有し、完全な直交位相の場合、数式(10)から数式(12)はすべて0の値となる。
【0056】
図6の誤差測定制御方法によって、数式(10)から数式(12)によって決定される誤差信号が計算された後、以下のクロック訂正制御手順を使用して、制御変数PHASE_IQ153、DUTY_I154およびDUTY_Q164が更新される。その場合、制御信号が制御モジュール163から供給され、クロック訂正回路160によってクロック訂正制御手順が実行される。制御モジュール163およびクロック訂正制御160は、クロック訂正制御手順の以下の機能を実施するために、論理回路およびデバイス(またはソフトウェアあるいはその両方)を含むのが好ましい。
【0057】
以下がクロック訂正制御手順である。
1)高速収束モードの場合、ADJを>1の値に設定し、そうでない場合は、ADJを1に設定する。
2)DUTY_I_SUM>0の場合、DUTY_I=DUTY_I−ADJ
3)DUTY_I_SUM<0の場合、DUTY_I=DUTY_I+ADJ
4)DUTY_Q_SUM>0の場合、DUTY_Q=DUTY_Q−ADJ
5)DUTY_Q_SUM<0の場合、DUTY_Q=DUTY_Q+ADJ
6)PHASE_IQ_SUM>0の場合、PHASE_IQ=PHASE_IQ+ADJ
7)PHASE_IQ_SUM<0の場合、PHASE_IQ=PHASE_IQ−ADJ
【0058】
クロック訂正制御手順のステップ1)によって、この方法の収束速度が設定される。高速収束取得の場合、訂正項のPHASE_IQ、DUTY_IおよびDUTY_Qは、決定された誤差の結果として高速に(ADJ値>1)更新される一方、非取得(またはトラッキング)モードでは、これらの項は遅い速度(ADJ=1)で更新されて、測定される信号値のノイズのフィルタリングが可能になる。
【0059】
クロック訂正制御手順のステップ2)からステップ5)によって、DUTY_I_SUMおよびDUTY_Q_SUM誤差項の関数として、DUTY_I制御およびDUTY_Q制御が変更される。デューティ・サイクル調整が適用される場合、決定されたデューティ・サイクル誤差に基づくデューティ・サイクル調整のための符合変換が選択されて、デューティ・サイクル誤差を低減させるとともに、位相調整方法の実施に応じて極性が変更されてもよい。
【0060】
クロック訂正制御手順のステップ6)およびステップ7)によって、PHASE_IQ_SUM誤差項の関数としてPHASE_IQ制御が更新される。訂正が適用される場合、決定された直交位相誤差に基づくIQ直交位相調整のための符号変換が選択されて、直交位相誤差を低減する(すなわち、QをIから90°遅延まで近づける)とともに、直交位相調整方法の実施に応じて極性が変更されてもよい。
【0061】
一実施形態の制御項PHASE_IQ、DUTY_IおよびDUTY_Qは、ハードウェア直交位相調整およびデューティ・サイクル調整デジタル対アナログ変換器(DACs:digital−to−analog converters)に上位有効ビットで直接対応する整数レジスタ値によって表される。ロジック・ステート・マシン内のレジスタのサイズは、ハードウェア・デューティ・サイクルまたは直交位相の更新が必要になる前に、レジスタが自動的に多くの測定を平均化することができるように、ハードウェアDACよりも大きく製作される。
【0062】
一実施形態では、レジスタは、ハードウェアDAC精度を下回る精度の少なくとも4ビットを有する。一例として、ハードウェアDACが5ビットの精度を有する場合、論理実施の制御値を表すために9ビットの累算器が使用されるであろうし、ハードウェア調整に影響するには、ADJ=1で少なくとも16連続測定が必要とされるであろう。
【0063】
任意でクロック訂正制御手順を強化する場合、システム位相回転器に分配されるIcおよびQc出力クロックの振幅をバランスさせる制御ループが実施される。これらのクロックの振幅のアンバランスは、幾つかの実施形態で説明されたクロック訂正装置の前に置いてもよい粗位相訂正段40(図4)によって導入される可能性がある振幅不整合によって発生することもある。特に、バッファへの入力信号が直交位相でない場合に、粗位相訂正段40は、異なる振幅を有する出力信号を生成する可能性がある。
【0064】
振幅不整合の別の発生源は、クロック訂正バッファ150(図5)を実現するのに使用されるデバイスおよび回路を含む別々のIパスおよびQパスの回路を実現する場合のデバイス整合の違いによって生じる。
【0065】
Ic波形およびQc波形の振幅不整合を信号測定ブロック157を使用して検出して、選択されたIc波形またはQc波形のピーク値か、それらの波形の平均振幅かを決定することができる。その単純さから、好適な実施形態では、以下の振幅訂正制御手順を使用して波形のピーク値を決定してもよい。
a)クロック/信号マルチプレクサ156のIc波形入力を選択する。
b)必要に応じて、信号測定ブロック157が入力クロックのピークを測定することができるように信号測定ブロック157を低信号利得状態に設定する。
c)Signal_Offsetオフセット制御値を初期化して誤差積分手順で決定された校正後のDCオフセットにする。
d)回転器160の位相を0に初期化する。
e)信号が>0かどうかを判断して、測定結果1または−1を生成する。
f)測定値が<0の場合、Signal_Offset制御値を増加させてステップe)に行き、そうでない場合はステップg)に進み、Signal_Offset制御値がその最大値の場合もステップg)に進む。
g)位相回転器を1ステップ位置だけ増加させる。
h)位相回転器の全360°スイープ(2*T期間)の間ステップe)からステップg)までを繰り返す。
i)Signal_Offsetオフセット値を一時的な値PEAK_Iに保存する。
j)クロック/信号マルチプレクサのQc波形入力を選択する。
k)ステップc)からステップh)を繰り返して、Qc波形PEAK_Qのピーク値を決定する。
l)PEAK_I>PEAK_Qの場合、GAIN_Qがその最大値でなければGAIN_Q制御パラメータを増加させ、そうでない場合はGAIN_I制御パラメータを減少させる。
m)PEAK_Q>PEAK_Iの場合、GAIN_Iがその最大値でなければGAIN_I制御パラメータを増加させ、そうでない場合はGAIN_Q制御パラメータを減少させる。
【0066】
デューティ・サイクルおよび直交位相ハードウェア調整制御と同様に、IcおよびQc利得制御GAIN_IおよびGAIN_Qは、測定平均化を実施するために余分なビットが増やされたハードウェアDACに対応するレジスタ値によって表わされてもよい。一例として、一実施形態で、4ビットDACを使用して、例えば、0.025ステップで0.8から1.2までの範囲にわたりI利得およびQ利得を調整する場合、制御論理のレジスタ値のサイズは、ピーク値の個別測定からの結果を平均化することができるように8ビットになるであろう。測定におけるノイズを低減し、ノイズに基づいてIcおよびQc波形の利得制御を調整しないようにするためにこのような平均化が望まれる。
【0067】
1つの例示的な実施形態では、直交位相クロック訂正の制御方法は、高ループ帯域幅収束モード(ADJ>1)で実行されるパワーアップ・リセット初期クロック・アライメントと、その後の、低ループ帯域幅トラッキング・モード(ADJ=1)で次に実行される訂正の周期的リフレッシュとを含む。低帯域幅周期的リフレッシュは、システムの長い動作中に経験することもある温度および電圧の変動を越えて回路のDCオフセットのドリフトを補償またはトラッキングし、これによってプロセス、電圧および温度変動を越えて改善された直交位相クロック精度を達成する。直交位相クロック精度を改善すると、例えば、データ受信機のデータ・サンプリング・クロック・ジッタが直ちに低減されることになる。他のハードウェア・サブシステムについても使用してよい。
【0068】
クロック訂正バッファ150(図5)は、IcクロックおよびQcクロックのデューティ・サイクルの調整、IcクロックおよびQcクロックの直交位相関係の調整、およびIcクロックまたはQcクロックあるいはその両方の振幅の調整のうちの1つ以上を提供してもよい。必要に応じて機能するクロック訂正システム100(図1)の場合、クロック訂正バッファ150は、予測される製造変動に対応できるだけのクロック・パラメータの調整範囲に対して、所望の最大残余データ・クロック・サンプル・ジッタを達成するのに充分な分解能を提供する必要がある。例示的な実施形態では、少なくとも+/−15°のIQ位相調整範囲、少なくとも45:55デューティ・サイクルのデューティ・サイクル誤差(または10%のピーク間デューティ・サイクル誤差)に対応するデューティ・サイクル調整範囲、および少なくとも1.2/0.8の振幅バランス範囲(+/−20%の振幅不整合)が望ましい。他の範囲についても考えられる。一実施形態では、例えば、1°の位相誤差の対応する調整分解能、0.5%のデューティ・サイクル誤差、および2%の振幅整合分解能が使用されてもよい。
【0069】
図7を参照すると、例示的な電流モード・ロジック(CML)・クロック訂正バッファ200の回路図が例示的に示される。バッファ200は、(例えば、I+Q/Q−I訂正回路に)45°の公称固定I遅延およびQ遅延を提供する2つのCML混合器202および204のカスケードを使用して、直交位相の「開ループ」調整を提供する。単一段回路(Ic=I+Q、Qc=Q−I)の場合、(ジッタおよび回転器非直線性の増大を引き起こすゼロ交差に近い平坦部を有する)一般に不適切な信号形状が形成されるため、2段の45°位相遅延を実現することは、単一段の開ループ直交位相訂正バッファより優れた改善となる。したがって、1段の代わりに2段による所望の45°遅延を拡大するだけで、出力クロック波形の形状およびスルー・レート(slew rate)制御が大幅に改善される。
【0070】
バイアス電流比率IB4/IB3は、第1段クロック・バッファ288の混合比率を制御し、バイアス電流比率IB2/IB1は、第2段クロック・バッファ280および282の混合比率を制御する。クロック訂正段200の出力クロックIc(Ic+、Ic−)とQc(Qc+、Qc−)との直交位相関係は、I2クロック出力へのQ2信号の可変量とQ2クロック出力へのI2信号の可変量とを混合することによって調整される。差動電流DAC290は、CMLバッファ280および直交位相混合バッファ282のテール電流にミラーされる。
【0071】
訂正された出力クロックIcおよびQcのデューティ・サイクルは、出力信号にDCオフセットを適用することによって制御される。適切な設計またはバッファ段の負荷抵抗および電流の調整あるいはその両方を通じて、クロック・バッファ段(第1段および第2段)が非消滅立ち上がり時間を有するようにCMLクロックが調整される限り、DCオフセットを調整することでクロック・デューティ・サイクルを適切に調整できるようになる。差動電流DAC286および287によって、出力クロックの共通モード・レベルを変更しないで、DCオフセット/デューティ・サイクルの調整ができるようになる。同様に、差動電流DAC284および285によって、出力クロックの利得が調整できるようになる。
【0072】
出力クロックIcおよびQcの振幅は、バイアス電流をバッファ段280の入力信号差動対からゼロ差分入力信号段281にシフトさせることによって低減することができる。振幅制御ループを例示的に示す実施形態では、IcクロックまたはQcクロックは、2つのうちの小さい方のレベルまで低減されてクロック振幅のバランスが取れるようになる。
【0073】
一実施形態では、IQ調整およびデューティ・サイクル調整は、ほぼ同じ時間分解能となる。これによりデューティ・サイクルと直交位相調整フィードバック制御ループとの両方に対して同様なループ利得が提供され、フィードバック・ループの最適な収束には望ましいためにこの方法が選ばれる。デューティ・サイクルおよび直交位相調整DACは、DACコードが変化してもクロックにノイズ・グリッチがのることなく更新することができるように設計されてもよい。トラック・アンド・ホールド回路または温度計符号化DACの使用などの低グリッチDAC実施技術は、対応する調整値を更新する場合に出力クロックIcおよびQcに過渡ノイズ・グリッチを生成しないで更新することが可能なDACを実現するために適用可能な当技術分野の幾つかの技術である。
【0074】
図8を参照すると、本原理によって実施されてもよい時間遅延バッファ300が例示的に示される。例えば、約3Gb/sから約12Gb/sのデータ・レートの範囲にわたって動作するデータ受信機システムのためのアプリケーションでは、時間遅延バッファ300は、様々な遅延点で粗タップされてから補間されて必要な時間分解能を提供する、例えば、100psCMOS遅延ライン301を使用して実施される。一般にCML信号を生成する位相回転器160は、CML対CMOS変換バッファ307を使用してCMOSレベルに変換される。変換バッファの出力は、粗遅延ブロック301内のCMOSインバータのチェーンに電力を供給する。1つの実施は、約100psの遅延対象範囲が提供されるように、それぞれ例えば約12psの遅延の平均ステップ・サイズを有する8つの粗遅延ステップを提供する。マルチプレクサ302は、粗遅延ライン301から(例えば、互いに約12ps離れたクロック信号に対応する)初期遅延と後期遅延とを選択する。CMOS遅延補間器303を使用して、これらの初期遅延および後期遅延を補間して8つのより小さいステップにすることで、例えば、約1.5psの調整可能遅延分解能を提供する。遅延ライン301の遅延範囲および分解能を最適化して、所望のT/16の最小遅延、T/16の最小期間、および<1の位相回転器ステップに対応する1/2時間遅延の最小分解能に対応できるようにする。所望の最小遅延、範囲および分解能が達成されるのであれば、代替の技術を使用して可変遅延機能を作り出してもよい。
【0075】
図9を参照すると、信号マルチプレクサ156および信号測定ブロック157が詳細に示される。信号マルチプレクサ156は、IcクロックおよびQcクロックを信号測定ブロック157にルートする。同じ信号測定ブロック157を使用してIc波形とQc波形との両方を測定するため、信号マルチプレクサ156がIcクロックおよびQcクロックから信号測定ブロック157に一定遅延を提供する限り、信号マルチプレクサ156が測定/訂正システム100(図1)に直交位相誤差を導入することはない。
【0076】
信号マルチプレクサ156は、CMLIcクロックおよびCMLQcクロックを使用する実施形態で0の差動CML電圧に対応するクロック・ベースライン・レベルも入力する。このブロック・ベースライン・レベルを使用して、後でクロック信号のエッジ交差測定に誤差を導入することもある信号測定ブロック157のあらゆるDCオフセットを取り除く。さらに、信号マルチプレクサ156は、図5に示されるように、IcおよびQc入力クロック以外に任意の数の他の測定信号についても選択してよい。
【0077】
図9は、CMOS回路を使用する信号マルチプレクサ156および信号測定ブロック157を示す。パスゲート・アナログ・マルチプレクサ・ストラクチャ420は、I信号およびQ信号の(CMLIクロックおよびCMLQクロックの)差動I(Ip)、差動−I(In)、差動Q(Qp)、差動−Q(Qn)、または公称DC共通モード・レベルVcmを信号測定オフセット・ヌル(null)・バッファの入力に接続する。相補的入力クロック(IおよびQ)は、マルチプレクスされて入力Iクロックへリークする選択されたQクロックの差動絶縁を改善し、さらにその逆も同様である。一例として、Iクロックを停止してQクロックを作動させる場合、Q+およびQ−からのリークは、I+およびI−へのオフ状態パスゲートを介して対称的にバランスされ、寄生通過リークによる差動ノイズを低減することが可能になる。
【0078】
クロック・マルチプレクサ120の性能要件としては、Iクロック・パスとQクロック・パスの間の差動遅延を最小化することと、I、Qとクロック・ベースライン基準入力との間の差動DCオフセットを追加しないことと、出力から非選択パス入力へ確実に絶縁することと、入力IおよびQクロックに対してできるだけ一定の負荷を与えることとが挙げられる。特に、Ic測定、Qc測定およびクロック・ベースライン測定の構成では、パスゲート・マルチプレクサによって同様な負荷がIcおよびQcラインに与えられるべきである。この事は、IcまたはQcが本当のオフセット・ヌル・バッファ422に接続されていない場合に、ダミーの「オフセット・ヌル」・バッファ421にIcまたはQcを接続するパスゲート(トランジスタ402)を追加して、クロック・マルチプレクサ420の構成とは関係なくクロック・ラインに同じ容量性負荷を提供することによって達成することができる。
【0079】
マルチプレクサ設計は、マルチプレクサ420を再構成したり選択された信号をサンプリングしたりする場合に、IcクロックおよびQcクロックのグリッチを最小にすることができる。相補的制御ラインが、パスゲート・デバイス404を介してクロック信号に結合する反対極性ノイズを生成してスイッチング・ノイズを差動校正できるようにするため、クロック・マルチプレクサ420は、マルチプレクサ制御ライン(例えば、QMUX、ZMUXおよびIMUX)からのクロック・ラインのグリッチを最小限に抑える。他の実施形態では、マルチプレクサ再構成ラインは、どんなノイズ・グリッチもクロック・エッジから離れて発生するように、IcクロックまたはQcクロックのエッジから同期位相オフセットの地点で更新されてもよい。
【0080】
信号測定機能(157)は、オフセット・バッファ422、オフセットDAC423および決定ラッチ424を組み合わせることによって実施される。オフセット・バッファ422は、校正されたDCオフセットを信号波形に追加して、ラッチ424決定デバイスのオフセットをキャンセルすることができる機能を提供する。さらに、オフセット・バッファ422は、選択されるマルチプレクサ入力に対して、ラッチ424がクロックされる場合に発生する可能性があるラッチ「キックバック」またはノイズからの逆絶縁も提供する。オフセットDAC423は、アナログ回路の予測されるオフセットを補償するのに充分な範囲を提供する。任意の利得調整(Signal_gain)をオフセット・バッファ422に加えて、オフセットDAC423の必要とされる範囲を最小限にしながらより大きい振幅の入力信号を測定する能力を向上させることもできる。図9の例示的な実施形態では、抵抗縮退をその段に導入する短絡スイッチ405を開放することによってオフセット・バッファ422を低利得状態に設定して利得を低下させる。一実施形態では、波形エッジを測定する場合には高利得に、任意で波形ピークまたは振幅を測定する場合には低利得にオフセット・バッファ422を設定する。
【0081】
ラッチ424は、差動カスケード電圧スイッチ(DCVS:differential cascade voltage switch)・ラッチ構造などの周知の技術を使用して構築されるバイナリ決定デバイスであるのが好ましい。制御方法は、Signal_offsetレベルを更新して、ラッチ424を同じ数の1出力および0出力を出力する「準安定」状態に駆動して測定される入力波形レベルを決定する。この測定技術は、当技術分野で知られており、効果的な1ビットA/D決定デバイスでアナログ制御電圧を決定することができる。測定信号の符号が必要な場合に限り、オフセットDAC423へのSignal_offset制御値は、適応オフセットに構成され、ラッチ424は1を出力して信号が>0であることを示し、そうでない場合は0を出力する。
【0082】
位相回転器システムのダイナミック直交位相クロック訂正システムおよび方法の好適な実施形態(これは例示的であって、制限的でないものとする)を説明したが、当業者であれば、上記教示に照らして修正及び変形を加えることができることに留意されたい。したがって、当然のことながら、添付の特許請求の範囲によって概説される本発明の範囲および趣旨内にある変更が、開示された特定の実施形態に加えられてもよい。したがって、特許法によって要求される詳細さおよび入念さで本発明の態様を説明したが、特許請求され、所望されかつ特許証によって保護されるものは、添付の特許請求の範囲において述べられている。
【符号の説明】
【0083】
13 I入力クロック
14 Q入力クロック
150 クロック訂正バッファ
151 GAIN_Q
152 GAIN_I
153 PHASE_IQ
154 DUTY_I
155 訂正されたIQ出力クロック
156 信号マルチプレクサ
157 信号測定ブロック
158 Signal_Offset
159 Signal_Gain
162 測定トリガ
163 制御モジュール
164 DUTY_Q
165 他の信号
166 他のデューティ・サイクル、IQまたは振幅調整制御

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉ループ・クロック訂正方法であって、
少なくとも1つの同位相クロックおよび少なくとも1つの直交位相クロックを含む2つ以上の入力信号を調整するステップと、
調整された直交位相クロック信号を、4象限補間出力クロック位相を生成可能なデバイスに印加するステップと、
測定デバイス用のクロックを形成するために補間出力クロック位相を遅延するステップと、
前記測定デバイスへの2つ以上の調整された入力信号を補間出力クロック位相の範囲にわたって測定するステップと、
前記測定デバイスからのサンプル情報を使用して、前記同位相クロックおよび前記直交位相クロックの誤差を決定するステップと、
閉ループ・フィードバック構成において、決定された誤差情報を使用して前記同位相クロックおよび前記直交位相クロックを適応するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
訂正された同位相および直交位相クロックが、無線システムの位相補間器デバイスおよび直交位相混合器デバイスのうちの少なくとも1つに分配される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
訂正された同位相および直交位相クロックをデータ受信機または送信機システムの位相補間器デバイスに分配するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記測定デバイスの自動オフセット校正を実施するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記遅延するステップが、連続信号測定のために、補間クロックの遅延を調整するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記適応するステップが、前記同位相および直交位相クロック信号の直交位相関係をダイナミックかつ自動的に調整するステップを含む適応型直交位相アライメント・プロセスを実施するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記適応するステップが、前記同位相および直交位相クロック信号のデューティ・サイクルをダイナミックかつ自動的に調整するステップを含む適応型デューティ・サイクル・アライメント・プロセスを実施するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記適応するステップが、前記同位相および直交位相クロック信号の振幅をダイナミックかつ自動的に調整するステップを含む適応型振幅アライメント・プロセスを実施するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
訂正された同位相および直交位相クロックが、無線受信機システムの1つ以上の直交位相混合器デバイスに分配される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記同位相クロックおよび前記直交位相クロックが完全に校正された後で、前記同位相クロックおよび前記直交位相クロック以外の信号が、サンプリングされてダイナミックに適応される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
コンピュータ可読プログラムを含むコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読プログラムが、コンピュータで実行される場合に、前記コンピュータに請求項1に記載される前記ステップを実行させるコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
閉ループ直交位相クロック位相発生システムにおいてクロックをダイナミックに訂正する方法であって、
同位相および直交位相クロックを含む2つ以上の入力信号を受信するステップと、
直交位相、デューティ・サイクルおよび振幅のうちの少なくとも1つについて前記同位相クロックおよび前記直交位相クロックを調整するステップと、
調整された直交位相クロック信号を、4象限補間出力クロック位相を生成可能な回転器に印加するステップと、
測定デバイス用のクロックを形成するために補間出力クロック位相を遅延するステップと、
前記同位相および直交位相クロックを含む2つ以上の調整された入力信号を、前記測定デバイスで補間出力クロック位相の範囲にわたって測定するステップと、
前記同位相および直交位相クロックのデューティ・サイクル誤差、直交位相誤差および振幅誤差を含む誤差情報を、前記測定デバイスからのサンプル情報を使用して決定するステップと、
閉ループ・フィードバック構成において、前記誤差情報を使用して前記同位相および直交位相クロックの前記直交位相、デューティ・サイクルおよび振幅の調整を適応するステップと、
を含む方法。
【請求項13】
前記測定デバイスで自動オフセット校正を実施するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
連続信号測定を提供するために前記回転器からの補間クロックの遅延を調整するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
訂正された同位相および直交位相クロックをデータ受信機または送信機システムの位相補間器デバイスに分配するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記同位相および直交位相クロックの直交位相関係をダイナミックかつ自動的に調整するステップ、前記同位相および直交位相クロックの前記デューティ・サイクルをダイナミックかつ自動的に調整するステップ、および前記同位相および直交位相クロックの前記振幅をダイナミックかつ自動的に調整するステップのうちの1つ以上を含む適応型直交位相アライメント・プロセスを実施するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
訂正された同位相および直交位相クロックが、システムの1つ以上の混合器デバイスに分配される、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記同位相および直交位相クロックが完全に校正された後で、前記同位相および直交位相クロック以外の別の信号が、サンプリングされてダイナミックに適応される、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
直交位相クロック位相発生システムの閉ループ・クロック訂正制御システムを適応する装置であって、
同位相および直交位相クロックを含む2つ以上の入力信号を受信するように構成され、直交位相、デューティ・サイクルおよび振幅のうちの少なくとも1つの訂正を提供する制御モジュールからの閉ループ・フィードバックに従って、前記同位相および直交位相クロックを調整するように構成されるクロック訂正デバイスと、
前記クロック訂正デバイスに接続され、直交位相クロック信号を調整して4象限補間出力クロック位相を生成するように構成される回転器と、
前記回転器に接続され、補間出力クロック位相を受信して測定デバイス用のクロックを形成する遅延部と、
補間出力クロック位相の範囲にわたって調整された同位相および直交位相クロックを受信して、サンプル情報を使用して前記同位相および直交位相クロックのデューティ・サイクル誤差、直交位相誤差および振幅誤差を決定する前記測定デバイスと、
前記測定デバイスの出力を受信し、前記直交位相誤差、デューティ・サイクル誤差、および振幅誤差を適応し、誤差情報を使用して前記クロック訂正デバイスで前記同位相および直交位相クロックに調整を提供するように構成される前記制御モジュールと、
を含む装置。
【請求項20】
前記装置が、無線送信機または受信機システムの位相補間器デバイスおよび直交位相混合器デバイスのうちの1つを含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
連続信号測定のために補間クロックの前記遅延部を調整するように構成される遅延素子をさらに含む、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記クロック訂正デバイスが、
前記同位相および直交位相クロック信号の直交位相関係をダイナミックかつ自動的に調整する、そのデューティ・サイクルをダイナミックかつ自動的に調整する、およびその振幅をダイナミックかつ自動的に調整する、
のうちの少なくとも1つを行う適応型直交位相アライメント・プロセスを実施する、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
訂正された同位相および直交位相クロックが、直交位相混合器デバイスおよび位相補間器デバイスのうちの少なくとも1つに分配される、請求項19に記載の装置。
【請求項24】
前記同位相および直交位相クロックが校正された後で、前記同位相および直交位相クロック以外の信号が、サンプリングされてダイナミックに適応される、請求項19に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−10296(P2011−10296A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141776(P2010−141776)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】