説明

閉止栓装置

【課題】 従来の閉止栓装置の問題点を解決し、弁体の操作トルクを軽減した閉止栓装置を提供する。
【解決手段】 閉止栓装置1は、ガスの流動を開閉する円筒状回動部材3とそれを摺動自在に保持するケース2とを備えている。回動部材3は、連通口31a、31bを有する円筒状の弁体30とその外周面に固着された弾性体からなるライニング層32とその表面に塗布された潤滑剤を有するとともに、ライニング層32の表面に、潤滑剤を保持するためにV溝321が形成されている。V溝321は連通口31a、31bよりも長く形成するとともに弁体30の回転軸を中心として対称に配置することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばガスが流通する本管と分岐管の接続部に組込まれる閉止栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス配管においては、ガス(例えば都市ガスあるいは天然ガス)の供給量や供給区域の広さなどに応じて、所定の圧力(低圧〜高圧)でガスの供給が行われている。また近年、ガス需要量の増加に伴い、分岐部に本管と同等の大きさを有する分岐管を接続し、大流量の分岐取り出し(同径活管分岐取り出し)を行うことが行われている。この種ガス配管においては、地中に埋設され、ガスが流通した状態の本管(例えばねずみ鋳鉄管、球状黒鉛鋳鉄管、鋼管などの鉄管)から分岐管(鉄管)を取り出すために、一対の片スリーブ(鋳鉄製)を有するとともに閉止栓装置を内蔵した分岐継手を本管に装着し、一方の片スリーブに設けた分岐部に取り付けたカッターにより本管に分岐穴を穿孔した後、分岐部に分岐管を接続し、次いで閉止栓を開放することにより、ガスが流通した状態の分岐取り出しを行うことが行われている(特許文献1参照)。
【0003】
上記の閉止栓装置は、シャッターを開閉するための弁体とそれを収容するケースとを備え、ガス漏れを防止するために、弁体の表面に耐油性を有する特殊ゴムからなるライニングが施されている。しかるに閉止栓装置の使用頻度は少なく、長期間放置されるので、ライニング層とケースとが密着し、弁体の回動操作を行う際に、過大な操作トルクを必要とし、操作性が低下するという問題がある。
【0004】
そこでライニング層(シール材)の表面に潤滑剤(例えば潤滑油)を塗布することが考えられる。例えば、特許文献2には、ガス栓を開閉するために、金属製の筒体の内部に、合成樹脂製の2つの環状シートで挟まれた形式の球弁を収容した弁ユニットにおいて、環状シートのうち球弁と接触する部分に、その外周面と一致する断面円弧状のシール面を形成し、そのシール面に潤滑用オイルを塗布することが記載されている。
【0005】
また特許文献3には、ステアリングシャフト用十字継手において、軸受の外周に圧接するリップを有するシール材の少なくともリップの表面にシボ加工を施して0.8S〜6Sの粗面を形成し、そこに潤滑剤(例えばグリース)を塗布することが記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−220986号公報(第4〜5頁、図1及び2)
【特許文献2】特開2005−61506号公報(第5〜6頁、図1及び2)
【特許文献3】実開平2−146228号公報(第8〜9頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載された構成であると、ガス栓のように弁の開閉頻度が多い場合は、弁の回動操作性を維持できるが、環状シートの表面が粗面化されていないので、分岐継手に内蔵された閉止栓装置の操作トルクを維持できないという問題がある。
【0008】
また特許文献3に記載された構成であると、特許文献2のものよりも長期にわたって、弁の回動操作性を維持することは可能であるが、前述した分岐管の取り出しのように例えば数ヶ月の間隔をおいて閉止栓の開閉作業が行われ、弁の使用頻度が少ない場合は、閉止栓装置の操作トルクを維持できないという問題がある。
【0009】
従って本発明の目的は、従来の閉止栓装置の問題点を解決し、弁の開閉操作トルクを軽減した閉止栓装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の閉止栓装置は、ガスの流動を開閉する円筒状回動部材とそれを摺動自在に保持するケースとを備えた閉止栓装置において、前記回動部材は、連通口を有する円筒状の弁体とその外周面に固着された弾性体からなるライニング層とその表面に塗布された潤滑剤を有するとともに、前記ライニング層の表面に前記潤滑剤を保持する保持手段が形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明において、前記保持手段は、前記ライニング層の表面に形成された軸方向に伸長する少なくとも1本のV溝とすることができる。
【0012】
本発明において、前記V溝は、前記連通口よりも長く形成されるとともに、前記弁体の回転軸を中心として対称に配置されていることが好ましい。
【0013】
本発明において、前記保持手段は前記ライニング層の表面に形成されたランダムな凹凸パターンとすることができる。
【0014】
本発明において、前記凹凸パターンは、9〜25μmの表面粗さ(Ra)を有することが好ましい。
【0015】
本発明において、前記ライニング層は、0.5〜2mmの厚さを有するジェン系特殊ゴムからなることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、円筒状の弁体とその外周面に固着された弾性体からなるライニング層とその表面に塗布された潤滑剤を有するとともに、前記ライニング層の表面に特定の潤滑剤保持手段(例えば軸方向に伸長するV溝)を有するので、例えば数ヶ月に一度と、使用頻度の少ない閉止栓装置において、ガス漏れを伴わずに弁の操作トルクを軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態に係わる閉止栓装置を備えた分岐継手の分解斜視図、図2は図1に示す閉止栓装置に組込まれる弁体の正面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は図3のB部拡大図、図5は弁体の他の例を示す正面図、図6は図5のC−C線断面図、図7はライニング層の斜視図、図8はライニング層の表面を模式的に示す展開図、図9はライニング層の荷重特性を測定する試験部材を示す概略図、図10はライニング層の荷重特性を示す図であり、図5〜7において、図1〜図4と同一部分は同一の参照符号で示す
【0018】
[分岐継手]
図1及び2において、分岐継手10は、地中に埋設された本管100に装着される分岐継手であり、本管100の上側の半円周面に装着される片スリーブ11aと本管100の残りの円周面に装着される片スリーブ11bを有する。これらの片スリーブ11a及び11bはともにサドル形状を有し、その内周面が本管100の外周面に密着するような曲率半径を有する円弧部とその両側に延出する締結部からなり、締結部に装着された複数組のT字型のボルト12a及びナット12bを含む締結部材により本管100に固定されている。
【0019】
一方の片スリーブ11aの円弧部の外周面に形成された分岐部(不図示)は、その上端面に植込みボルト15aにより円板14を外して分岐管(不図示)が接続されるフランジ部13を有する。フランジ部13の下側には後述の閉止栓装置1が内装されている。本管100に対するシール性を高めるために、本管100に形成される穿孔口(不図示)を取り囲むように、片スリーブ11a及び11bの円弧部には、シール部材16a及び16bが装着される。また片スリーブ11aの円弧部の穿孔部には、シール部材16cが装着されるとともに、このシール部材16cの周囲には、第1の片スリーブ11aの円弧部21に装着されたベンド17から注入された液相状態のゴムからなるシール材(不図示)が充填され、シール材が充填された後のベンド17はプラグ18で封止される。パージ口(不図示)はプラグ19で封止される。
【0020】
[閉止栓装置]
閉止栓装置1は、分岐部と本管100とを遮断するために挿入されるシャッター(不図示)を備えたシャッター装置(不図示)が取付けられるシャッター取付部4と、シャッター取付部4に設けられた開口40と、開口40と分岐部とにそれぞれ連通しシャッターの挿入方向と交差する方向に伸びる開口(不図示)を有する円筒状のケース2とを有する。シャッター取付部4は、開口40の周囲がOリング41でシールされるともに、ボルト43により平板フランジ42が固着されて密閉される。ケース2内には、開口40を開閉する回動部材3が挿入される。回動部材3の両端は、C型止め輪35a、35bにより固定される耐食プラグ34a、34bで密閉される。
【0021】
[回動部材]
図2〜4に示すように、回動部材3は、対称に配置され、軸方向に伸長する連通口31a、31bを有する円筒状の弁体30と、その連通口に臨む開口33a、33cと円周方向においてこれらの間に形成された開口33b、33dを有し弁体30の外周面に固着される弾性体からなるライニング層32を有する。すなわち、ライニング層32は、弁体30の外周面のうち開口33b、33dを除いた部分に固着され、また弁体30の外周面のうち開口33b、33dに臨む部分は露出しており、弁体の外周面の一部のみ(図示の例では約1/3円周)を被覆しているので、操作トルクの軽減に寄与する。ライニング層32の表面には、そこに塗布される潤滑剤を保持するための保持手段として、軸方向に伸長しかつ開口33a〜33dよりも長い幅を有する各開口33a〜33dの間に複数本のV溝321が弁体30の回転軸を中心として対称(回転対称)の位置に形成されている。V溝321は、少なくとも1本あれば潤滑剤を保持できるが、潤滑剤の保持機能を高めるために実用上は図示の如く複数本(例えば4本)であることが好ましい。また複数本のV溝を設ける場合、図示の例では対称位置に配置されているが、これに限定されない。ライニング層32にV溝321を形成する場合、溝の寸法(図4に示す開き角θ、深さh)はライニング層の厚さ材質や厚さ及び潤滑剤の種類などに応じて適宜設定することができる。
【0022】
[潤滑剤]
本発明において、潤滑剤としては、長期間にわたり潤滑機能を維持するために、グリースやオイルコンパウンドのような粘性の高い潤滑用材料を使用することが好ましい。グリースやオイルコンパウンドは、基油(潤滑油)に増ちょう剤(潤滑油を半固体又は固体状にする物質)と、必要に応じ添加剤(酸化防止剤等)を加えて(混和して)作成される。潤滑油としては、油性及びゴム性に優れたフッ素系合成油、ポリグリコール、合成炭化水素油、フェニルエーテル、又はシリコーンオイルのいずれかを用いることが好ましく、特にクロロプレンゴム(CR)からなるライニング層に対してはシリコーンオイルが好適である。増ちょう剤としては、石けん系(金属石けん等)、ウレア系(ジウレア等)、有機系(PTFE等)又は無機系(シリカ等)などが挙げられる。これらの潤滑剤のうちでは、電気絶縁性及び撥水性に優れ、化学的に不活性なシリコーンオイルコンパウンド{シリコーンオイルにシリカ、リチウム石けん、カーボンブラックなどの増ちょう剤のうちの少なくとも一種を添加してグリース状(ペースト状)としたもの}が好適である。
【0023】
[各部の構成材料]
本管100は、内圧(ガス圧)及び外圧に対する強度が大で、耐食性を付与するための表面処理(例えば塗装)が可能で、しかも分岐取出しのための穿孔作業が行い得ることなどを考慮して、ねずみ鋳鉄(FC材:JIS G 5501)、球状黒鉛鋳鉄(FCD材:JIS G 5502)又は鋼管で形成することができる。各片スリーブ11a、11bは、所定の締付強度に耐えるために、例えば球状黒鉛鋳鉄(FCD材)で形成し、さらに防食性を付与するために、その表面が塗装することができる。各シール部材16a、16b、16cは、耐油性を有するジェン系特殊ゴム、例えばニトリルゴム(NBR)で形成し、Oリング41は、耐熱性に優れたオレフィン系ゴム、例えばエチレン−プロピレン・ジエン系ゴム(EPDM)で形成することができる。弁体30は、剛性の大なる材料(例えばFCD材)で形成し、その表面に固着されるライニング層32は、耐油性を有するジェン系特殊ゴム、例えばクロロプレンゴム(CR)で形成することができる。
【0024】
[分岐管の取り出し手順]
上記分岐継手10によれば、本管100からの分岐管の取り出しは次の手順で行うことができる。両片スリーブ11a、11bを本管100に締結し、次いで閉止栓装置1を閉弁した状態で分岐部に穿孔部材(例えばカッター、不図示)を装着し、またシャッター取付部4にシャッター装置(不図示)を装着する。本管100に穿孔した後、閉止栓装置1を開弁し、シャッターを分岐部方向に挿入し本管100と分岐部とを遮断した上で、穿孔部材(不図示)を取外し、分岐部に分岐管(不図示)を接続する。次いでシャッターをシャッター装置側へ引き戻し本管100と分岐管(不図示)を連通させることにより、ガスが流通した状態の本管から分岐管の取り出しを行うことができる。最後に閉止栓装置1を閉弁することにより、分岐部とシャッター取付部4とを気密に遮断した後、シャッター装置を取外して、平板フランジ42を取付けることにより、シャッター取付部4を密封する。
【0025】
[弁の開閉操作]
上記の回動部材3の表面に潤滑剤(例えばグリース又はオイルコンパウンド)を塗布してから、ケース2に組込み、90°ずつ回転させることにより、弁の開閉操作を行うことができる。この操作の過程で、ライニング層は圧縮されるが、グリースはV溝に保持されるので、回動部材3を回転させると、V溝321からグリースがライニング層の表面に供給されるとともに回動部材3の回転方向に沿って延ばされるので、閉止装置が長期間放置された場合でも、弁の開閉操作を円滑に行うことができる。このV溝は軸方向に沿って所定本数だけ形成されているので、回動部材をケースに組込むときに、ライニング層が圧縮されてグリースがケース外にはみ出す現象が防止される。また、回動部材3の開口33b、33dにはライニング層32が存在しないので、ライニング層が圧縮されることによるシール面圧を確保しやすく、また弁の開閉操作トルクを軽減することができる。
【0026】
[操作トルクの測定結果]
(ライニング層にV溝を形成しない場合)
上記の閉止栓装置1(本管の呼び径200A)において、例えば、ライニング層(CRゴム、厚さ2.5mm)にV溝を設けない回動部材をケースに組付けた。この閉止栓装置において、ライニング層の締め代は0.35mmで、その表面にシリコーンオイルコンパウンドを塗布した。組付け時の弁体の操作トルク(以下始動トルクという)を測定した結果、100〜140Nm(試料数:5)であった。次いで閉止栓装置1を1.4年放置した後に、始動トルクを測定した結果、220〜320Nmに上昇し、人手(1人)で操作するのが極めて困難であることが確認された。
【0027】
(ライニング層にV溝を形成した場合)
上記の閉止栓装置1において、例えば、ライニング層(CRゴム、厚さ2.5mm)に開き角θ=60°、深さh=1mmのV溝321を設け回動部材をケースに組付けた。この閉止栓装置において、ライニング層の締め代とその表面に塗布したグリースは上記と同様とした。組付け時の弁体の以下始動トルクを測定した結果、40〜54Nm(試料数:5)であった。次いで閉止栓装置1を1ヶ月以上放置した後に、始動トルクを測定した結果、82〜90Nmに上昇したが、100Nm以下の始動トルクなので人手(1人)で容易に操作できることが確認された。
【0028】
[ライニング層の他の例]
本発明の閉止栓装置では、ライニング層を上記のものに限らず、次の構成とすることができる。
【0029】
図5〜7に示すように、回動部材3は、対称に配置され、軸方向に伸長する連通口31a、31bを有する円筒状の弁体30と、その連通口に臨む開口33a、33cと円周方向においてこれらの間に形成された開口33b、33dを有し弁体30の外周面に固着される弾性体からなるライニング層32を有する。すなわち、ライニング層32は、弁体30の外周面のうち開口33b、33dを除いた部分に形成されており、弁体30の開口33b、33dに臨む部分は露出している。ライニング層32の表面には、そこに塗布される潤滑剤(例えばシリコーンオイルコンパウンド)を保持するための保持手段として、凹凸パターン322が形成されている。凹凸パターンとしては、ゴムシートSの表面に島状の凸部が縦横に分散された凹凸パターン{図8(a)参照}又はランダムな粗面が形成された凹凸パターン{図8(b)参照}を形成することが可能である。この他、ゴムシートSの表面に互いに交差する切込Sc1とSc2で囲まれた正方形領域に円板状の突起Sc3が設けられた、千鳥状の凹凸パターン{図8(c)参照}又は正方形状の溝Sdが縦横に形成された格子状の凹凸パターン{図8(d)参照}などの規則的な凹凸パターンを形成することも可能である。但し、グリースのはみ出しを防止するために、図8(b)に示すようなランダムな粗面とすることが好ましい。また粗面の表面粗さ(JIS B 0601に規定された中心線粗さ:Ra)は、5〜25μmの範囲が好ましい。
【0030】
4種類の凹凸パターンを有するゴムシートSを準備し、図9に示す試験部材9を使用して、次の手順で荷重特性を測定した。まず、一方の表面に形成された溝911に複数のローラ912が軸支された固定治具91に装着されたスライド板93に、ゴムシートS(50mm×30mmの長方形状、厚さ0.75mm)を接着した後その凹凸パターンを有する面に前記と同様のシリコーンオイルコンパウンドを塗布した後、厚さ0.5mmのスペーサで圧着して(つぶし化率:33%)、次いで押圧治具92をボルトで固定治具91に締結した。次いでこの試験部材9をアムスラー試験機にセットし、荷重Pを加えて押し付けることにより(戴荷速度:10mm/min)、荷重歪曲線を求めた。その結果を図10に示す。図10に示すa、b、c、dの荷重歪曲線は、それぞれ図8に示した(a){Ra=9μm}、(b){Ra=13μm}、(c){Ra=22μm}、(d){Ra=22μm}の凹凸パターンを有するゴムシートを使用した場合の測定結果である。
【0031】
上記の荷重歪曲線から表面粗さが細かいほど動作荷重が上昇する(潤滑剤の保持能力が低下する)ことがわかる。但し表面粗さが粗すぎると潤滑剤(シリコーンオイルコンパウンド)がはみ出し易くなるので、これが防止されるような表面粗さに設定すればよい。またシボ加工を施す場合には、規則的な凹凸パターンでは、凹部を伝わるガス漏れが懸念されるので、ランダムな粗面を有する凹凸パターン{図8(b)参照}を有するものが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態に係わる閉止栓装置を備えた分岐継手の分解斜視図である。
【図2】図1に示す閉止栓装置に組込まれる弁体の正面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図2のB部拡大図である。
【図5】図1に示す閉止栓装置に組込まれる弁体の他の例を示す正面図である。
【図6】図5のC−C線断面図である。
【図7】ライニング層の斜視図である。
【図8】ライニング層の一部を模式的に示す展開図である。
【図9】ライニング層の荷重特性を測定する試験部材の概略図である。
【図10】ライニング層の荷重特性を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
1:閉止栓装置、
2:ケース、
3:回動部材、30:弁体、31a、31b:連通口、32:ライニング層、321:V溝、322:凹凸パターン、33a、33b、33c、33d:開口、34a、34b:耐食プラグ、35a、35b:C形止め輪、
4:シャッター取付部、40:開口、41:Oリング、42:平板フランジ、43:ボルト、
10:分岐継手、11a、11b:片スリーブ、12a:T型ボルト、12b:ナット、13:フランジ部、14:円板、15a:ボルト、15b:ナット、16a、16b、16c:シール部材、17:ベンド、18:プラグ、19:プラグ、
9:試験部材、91:固定治具、911:溝、912:ローラ、92:押圧治具、93:スライド板、S:ゴムシート
100:本管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスの流動を開閉する円筒状回動部材とそれを摺動自在に保持するケースとを備えた閉止栓装置において、前記回動部材は、連通口を有する円筒状の弁体とその外周面に固着された弾性体からなるライニング層とその表面に塗布された潤滑剤を有するとともに、前記ライニング層の表面に前記潤滑剤を保持する保持手段が形成されていることを特徴とする閉止栓装置。
【請求項2】
前記保持手段は前記ライニング層の表面に形成された軸方向に伸長する少なくとも1本のV溝であることを特徴とする請求項1に記載の閉止栓装置。
【請求項3】
前記V溝は前記連通口よりも長く形成されるとともに、前記弁体の回転軸を中心として対称に配置された複数のV溝であることを特徴とする請求項2に記載の閉止栓装置。
【請求項4】
前記保持手段は前記ライニング層の表面に形成されたランダムな凹凸パターンであることを特徴とする請求項1に記載の閉止栓装置。
【請求項5】
前記凹凸パターンは、5〜25μmの表面粗さ(Ra)を有することを特徴とする請求項4に記載の閉止栓装置。
【請求項6】
前記ライニング層は、1〜3mmの厚さを有するジェン系特殊ゴムからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の閉止栓装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−185117(P2008−185117A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−18716(P2007−18716)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000005083)日立金属株式会社 (2,051)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【Fターム(参考)】