説明

開閉体制御装置

【課題】利用者の意図に反して開閉体が開閉しないようにすることが可能な開閉体制御装置を提供する。
【解決手段】開閉体を自動で開閉させる開閉体制御装置100は、クローズ領域、リリース領域、及び中立領域を含む移動領域の間で移動変位される変位体と、変位体が中立領域のクローズ領域側の第1境界部を通過した時に第1検知信号を出力する中立検知第1スイッチ84と、を備えると共に、変位体のクローズ動作後に当該変位体をクローズ領域から中立領域に復帰させる中立復帰動作を行うに際し、クローズ動作において検出された第1検知信号の切り替わりを示す切替情報を記憶し、当該切替情報に応じて中立復帰動作を行う制御ユニット90を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラッチとストライカとの係合状態を確立させるクローズ操作と、ラッチとストライカとの係合状態を解除するリリース操作と、をモータの動作に基づく回動変位によって行うことができる開閉体制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アクチュエータの出力軸を正方向に回動させることにより施錠操作を行い、逆方向に回動させることにより開錠操作を行う自動車用ドアロック操作装置が知られている。また、正逆回転可能のモータの動力を受ける変位体としてのドリブンギヤを一方向に変位させることでラッチを回動させてストライカを引き込むクローズ動作を行い、ドリブンギヤを他方向に変位させることでラッチとポールとの係合を解除するようにポールを回動させるリリース動作を行う車両用ドアクローザ装置も知られている。
【0003】
この種の装置では、セクタギヤのようなモータ動力を受ける変位体を中立領域を基準にリリース方向に変位させることでラッチとストライカとの噛み合いを解除するリリース機能と、変位体を中立領域を基準にクローズ方向に駆動することでラッチがストライカを引き込むクローズ機能とを備えている。その際、リリース機能又はクローズ機能を実行した後に、モータ動力により変位体を中立領域に変位させる場合、モータ停止制御のためにスイッチ等の中立検知手段が必要となる。
【0004】
しかしながら、この中立検知手段が故障した場合には、変位体が変位終端まで移動してしまう恐れがある。即ち、クローズ動作の実行後に中立領域で停止されず、リリース動作に移行してしまい、一旦、閉扉されたドアが開扉される可能性がある。また、リリース動作の実行後に中立領域で停止されず、クローズ動作に移行してしまい、一旦、開扉されたドアが閉扉される可能性がある。
【0005】
このような課題を解決する技術として、下記に出典を示す非特許文献1がある。非特許文献1に記載の技術は、クローザーユニットがセクタギヤの中立位置(ニュートラルスイッチのOFF状態)を基準に動作するように制御される。このため、電源投入時にセクタギヤの中立位置に復帰動作を行うように制御する。
【0006】
【非特許文献1】エリシオンサービスマニュアル構造編(ウインド&ドア パワーテールゲートコントロールシステム 8−48〜8−49 本田技研工業株式会社 2004年5月5日発行)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、非特許文献1に記載の技術においては、ニュートラルスイッチの状態(正常状態又は故障状態)の監視を行っていない。このため、電源投入時にセクタギヤを中立位置に戻すことにより、ニュートラルスイッチが故障している場合には、ドアが開扉されてしまう可能性がある。また、電源投入時に、意図せずにラッチを解除してドアがフリーな状態となる恐れがある。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、利用者の意図に反して開閉体が開閉しないようにすることが可能な開閉体制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係る開閉体制御装置の特徴構成は、
開閉体を自動で開閉させ、
ストライカの引き込みと開放とを行うラッチと、
ラッチ操作機構を介して前記ラッチを操作すると共に、前記ラッチを引き込み状態にさせるクローズ領域と前記ラッチを開放状態にするリリース領域と前記クローズ領域及び前記リリース領域の間に位置する中立領域とを含む移動領域の間で移動変位される変位体と、
前記変位体が前記中立領域の前記クローズ領域側の第1境界部を通過した時に第1検知信号を出力する第1検知部と、
を備えると共に、
前記変位体のクローズ動作後に当該変位体を前記クローズ領域から前記中立領域に復帰させる中立復帰動作を行うに際し、クローズ動作において検出された前記第1検知信号の切り替わりを示す切替情報を記憶し、当該切替情報に応じて前記中立復帰動作を行う制御ユニットを備える点にある。
【0010】
このような特徴構成とすれば、電源の再投入等により切替情報の記憶が消えてしまい、第1検知信号の状態が不確定である場合に、意図的にクローズ動作後の中立復帰動作を起こさせないようにすることができる。したがって、意図せずにラッチが解除されることを防止することができるため、利用者の意図に反した開閉体の開閉を防止することが可能となる。
【0011】
また、前記制御ユニットは、前記中立復帰動作を行うに際し、前回の中立復帰動作から今回の中立復帰動作の間に電源再投入があった場合には、前回の中立復帰動作を行うに至るクローズ動作時に記憶された切替情報を参照し、前回の中立復帰動作から今回の中立復帰動作の間に電源再投入がなかった場合には、今回の中立復帰動作を行うに至るクローズ動作時に記憶された切替情報を参照すると好適である。
【0012】
第1検知部が正常に動作している状態であっても、クローズ動作中に中立領域からクローズ領域に変位体が移動した時点で電源再投入が生じた場合には、制御ユニットは電源再投入後の処理において第1検知信号の切替情報を取得することができない。よって、上記構成とすれば、クローズ動作中に中立領域からクローズ領域に変位体が移動した時点で電源再投入が生じた場合には、その電源再投入前に記憶された第1検知信号の切替情報が前回の切替情報となることから、該切替情報を参照して中立復帰動作が行われる。このため、第1検知部が正常に動作しているにも拘らず中立復帰動作が行われないといった不都合を抑制することができる。また、電源再投入がなかった場合には、前回の切替情報が参照されず今回の切替情報が参照されることから、第1検知部に異常が生じている状態で中立復帰動作が行われてしまうことも抑止される。
【0013】
また、前記切替情報が記憶されていない場合に、前記ラッチが当該ラッチの回転を規制するポールの側に回動するように前記変位体を制御すると好適である。
【0014】
このような構成とすれば、ラッチが機械的端点まで回動され、いずれか一方向の回転が規制されている場合に、機械的端点の逆方向に回動させることにより、次のラッチの回動において始動し難いといったことを防止することができる。したがって、ラッチの回動を容易に行わせることが可能となる。
【0015】
また、前記変位体をポールの側に回動する制御は、前記変位体が少なくとも当該制御の開始後前記中立領域に到達するのに要する時間未満となるように予め設定された時間が経過するまで、又は前記変位体の移動量が前記制御の開始後前記変位体が中立領域に到達するのに要する移動量未満となるように予め設定された移動量に達するまで行われると好適である。
【0016】
このような構成とすれば、ラッチが機械的端点に回動された場合であっても、開閉体を開閉させることなく、次のラッチの始動を容易に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る開閉体制御装置100について説明する。本開閉体制御装置100は、開閉体を自動で開閉させる機能を備えている。本実施形態では、開閉体制御装置100を、車両が備えるスライドドア3の開閉を行う場合に適用した例を説明する。したがって、本実施形態においては、開閉体は車両が備えるスライドドア3が相当する。図1は開閉体制御装置100を搭載した車両の側面を示した図である。また、図2は開閉体制御装置100が備えるストライカ2及びドアロック装置4の拡大を模式的に示した図である。
【0018】
図1及び図2には、開閉体制御装置100を搭載した車体1とスライドドア3との間に設けられたドア開閉装置4が示される。本実施形態では、ドア開閉装置4は、スライドドア3側にドア開閉操作機構40と、車体1側に設けられたストライカ2とを備えて構成される。このストライカ2は、図1に示されるように、ドア開閉装置4と共に、スライドドア3を開扉した際に現れる車体1の開口部の車両後方側に配設される。もちろん、開口部の車両前方側に配設する構成とすることも当然に可能である。また、スライドドア3の外側側面にはオープンハンドル3aが設けられる。
【0019】
ドア開閉操作機構40はスライドドア3のロック動作とロック解除動作とを行う。図3はドア開閉操作機構40のロック動作を示した図であり、図4はドア開閉操作機構40の解除動作を示した図である。ドアロック装置4は、ストライカ2の引き込みと開放とを行うラッチ41、ラッチ41の回転をラチェット方式で規制するポール42、ラッチ41やポール42を操作するラッチ操作機構50を有して構成される。ラッチ41は、ストライカ2をスライドドア3の本体側に引き込み操作可能な板状部材で形成される。
【0020】
ラッチ操作機構50に操作変位を与えるために、モータ61と、当該モータ61の回転を変速する変速ギヤ対として機能するピニオンギヤ62と、ラッチ操作機構50を介してラッチ41を操作するセクタギヤ(本発明に係る変位体に相当)63とが備えられる。セクタギヤ63は非図示のハウジングに配置された回動軸63a周りで回動可能に支持される。
【0021】
また、詳細は後述するが、セクタギヤ63は、ラッチ41を引き込み状態にさせるクローズ領域と、ラッチ41を開放状態にするリリース領域と、クローズ領域とリリース領域との間に位置する中立領域とを含む移動領域の間で移動変位される。この移動はモータ61から出力される回転動力により実現される。
【0022】
ラッチ41は、非図示のハウジングに配置された支持軸41a周りで回動可能に支持され、バネ等(図示しない)によって図3(a)のような復帰姿勢に付勢される。ラッチ41には第1アーム部411及び第2アーム部412が形成され、その間にストライカ2を受け入れ可能な係入溝部413が形成される。第1アーム部411にはハーフラッチ位置においてポール42の接当作用部421に係合するハーフ係合面414が設けられる。また、第2アーム部412にはフルラッチ位置においてポール42の接当作用部421に係合するフル係合面415が設けられる。
【0023】
ポール42は支持軸芯42a周りで係合姿勢と離脱姿勢との間で回動可能なように支持される。その係合姿勢や離脱姿勢において、ポール42の接当作用部421がラッチ41の第1アーム部411や第2アーム部412の回転軌跡内に位置するように配設される。また、ポール42はバネ等(図示しない)によって係合姿勢に復帰するよう付勢される。
【0024】
ラッチ41の回動位置を検出するための位置検出器として、ラッチ41と一体的に支持軸41a周りを回動する被検出筒にロータリスイッチ型のハーフラッチスイッチ81とフルラッチスイッチ82とが設けられる。ハーフラッチスイッチ81はラッチ41がハーフラッチ領域にあることを検知する。フルラッチスイッチ82はラッチ41がフルラッチ領域にあることを検知する。なお本実施形態においては、ハーフラッチスイッチ81は、図5に示されるように、ラッチ41が開放位置からハーフラッチ位置の手前に達した時にHigh(オン)からLow(オフ)に切り替わる。同様に、フルラッチスイッチ82は、ラッチ41がハーフラッチ位置からフルフラッチ位置の手前に達した時にHigh(オン)からLow(オフ)に切り替わる。
【0025】
図3に戻り、ポール42の回動位置を検出するための位置検出器として、ポール42と一体的に支持軸42a周りを回動する被検出筒にロータリスイッチ型のポールスイッチ83が設けられる。ポールスイッチ83はポール42がラッチ41と係合姿勢であることを検知する。本実施形態においては、ポールスイッチ83は、図5に示されるように、ポール42がラッチ41の第1アーム部411と係合するハーフラッチ位置を含むその手前の領域に位置している時にHigh(オン)となる。更に、ポールスイッチ83は、ポール42がラッチ41の第2アーム部412と係合するフルラッチ位置を含むその手前の領域に位置している時にHigh(オン)となる。即ち、スライドドア3のクローズ動作において、ポールスイッチ83の1回目の立ち下がり点がハーフラッチ位置に対応し、2回目の立ち下がり点がフルラッチ位置に対応する。
【0026】
ラッチ操作機構50はクローズ操作機構51(図3参照)とリリース操作機構52(図4参照)とを有する。クローズ操作機構51はセクタギヤ63の回動変位を入力としてラッチ41に対する回動操作を出力とする。リリース操作機構52はセクタギヤ63の回動変位を入力としてポール42に対する回動操作(係合離脱操作)を出力とする。クローズ操作機構51が機能するセクタギヤ63の回動領域であるクローズ領域と、リリース操作機構52が機能するセクタギヤ63の回動領域であるリリース領域とは、中立領域を挟んで異なっている(詳細は後述する)。したがって、クローズ操作機構51とリリース操作機構52とは別々に動作する。
【0027】
セクタギヤ63と一体的に回動軸63a周りを回動する被検出筒には、セクタギヤ63の回動変位姿勢を検知するロータリスイッチ型の第1検知部としての中立検知第1スイッチ84と第2検知部としての中立検知第2スイッチ85とが設けられる。
【0028】
図6は、ドア開閉操作機構40を制御する制御ユニット90の概略構成を模式的に示したブロック図である。制御ユニット90の入力ポートには、ハーフラッチスイッチ81、フルラッチスイッチ82、ポールスイッチ83、中立検知第1スイッチ84、中立検知第2スイッチ85が接続される。また、制御ユニット90の出力ポートには、図示されていないドライバを介してモータ61が接続される。また、この制御ユニット90は車両の状態を評価して車両状態情報を出力する車両状態評価ECU80とも接続され、スライドドア3の開閉に関連する車両状態情報を取得することができる。
【0029】
制御ユニット90は、ラッチ状態評価部91、ポール評価部92、変位体位置評価部93、タイマ制御部94、モータ制御部95、切替情報記憶部96から構成される。制御ユニット90は、CPUを中核部材としてスライドドア3を開閉する種々の処理を行うための上述の機能部をハードウェア又はソフトウェア或いはその両方で構築されている。
【0030】
ラッチ状態評価部91はハーフラッチスイッチ81やフルラッチスイッチ82からの信号に基づいてラッチ41の状態を評価する。ポール評価部92はポールスイッチ83からの信号に基づいてポール42の状態を評価する。変位体位置評価部93は中立検知第1スイッチ84からの第1検知信号や中立検知第2スイッチ85からの第2検知信号に基づいてセクタギヤ63の回動位置を評価する。タイマ制御部94は内部タイマ等を用いてタイマ制御を行う。モータ制御部95はラッチ状態評価部91やポール評価部92や変位体位置評価部93の評価結果及びタイマ制御部94のタイマ情報に基づいてモータ61に対する制御信号を生成して出力する。詳細は後述するが、切替情報記憶部96はセクタギヤ63のクローズ動作において検出された第1検知信号の切り替わりを示す切替情報を記憶している。
【0031】
ストライカ2をラッチ41に引き込むクローズ動作は、セクタギヤ63を介してクローズ操作機構51を操作することで実行される。また、ストライカ2をラッチ41から開放するリリース動作は、セクタギヤ63を介してリリース操作機構52を操作することで実行される。クローズ動作及びリリース動作を導くセクタギヤ63の回動領域は、図7及び図8に示されるように、クローズ領域とリリース領域とが中立領域を挟むように区分けされる。更に、中立領域のクローズ側の境界部に所定の回動幅を有する第1境界部が設定され、中立領域のリリース側の境界部に所定の回動幅を有する第2境界部が設定される。第1境界部の中立領域側の境界線を第1中立位置とし、第2境界部の中立領域側の境界線を第2中立位置として設定される。
【0032】
セクタギヤ63がクローズ領域をクローズ領域側の回動終端である第1回動終端に向かって回動(図8で反時計方向に回動)することによりクローズ動作が導かれる(図8(a)参照)。セクタギヤ63のクローズ動作後(クローズ動作の終了後)に、セクタギヤ63をクローズ領域から中立領域に復帰させる第1復帰動作(中立復帰動作)が行われる。この第1復帰動作では、セクタギヤ63が反転回動(図8で時計方向に回動)し、クローズ領域を通り抜けて中立領域に入り、第1中立位置で停止される。
【0033】
また、セクタギヤ63がリリース領域を第2回動終端に向かって回動(図8で時計方向に回動)することによりリリース動作が導かれる(図8(b)参照)。続いて、セクタギヤ63のリリース動作後(リリース動作の終了後)に、セクタギヤ63をリリース領域から中立領域に復帰させる第2復帰動作(中立復帰動作)が行われる。この第2復帰動作では、セクタギヤ63が反転回動(図8で反時計方向に回動)し、リリース領域を通り抜けて中立領域に入り、第2中立位置で停止される。
【0034】
上述の中立検知第1スイッチ84は、セクタギヤ63と一体的に回動する被検出筒の周面に形成された電極面と、この電極面にセクトギ63の特定回動範囲において接触するブラシとを有する。中立検知第1スイッチ84の電極面はセクタギヤ63の回動位置がクローズ領域又は第1境界部である場合にブラシと接触するように配置されている。したがって、中立検知第1スイッチ84はセクタギヤ63が中立領域のクローズ領域側の第1境界部を通過した時に切り替わる第1検知信号を出力する。すなわち、図7に示されるように、中立検知第1スイッチ84は、第1検知信号として、セクタギヤ63の回動位置がクローズ領域又は第1境界部である時にHigh信号を出力する。それ以外の回動位置ではLow信号を出力する。
【0035】
また、中立検知第2スイッチ85も中立検知第1スイッチ84と同様な構成であるが、この電極面はセクタギヤ63の回動位置がリリース領域又は第2境界部である場合にブラシと接触するように配置される。したがって、中立検知第2スイッチ85はセクタギヤ63が中立領域のリリース領域側の第2境界部を通過した時に切り替わる第2検知信号を出力する。すなわち、図7に示されるように、中立検知第2スイッチ85は第2検知信号としてセクタギヤ63の回動位置がリリース領域又は第2境界部である時にHigh信号を出力する。それ以外の回動位置ではLow信号を出力する。
【0036】
図3及び図4に戻り、クローズ動作及びリリース動作における、セクタギヤ63とラッチ41とポール42の状態を説明する。図3(a)〜(d)は、クローズ動作とその後の中立復帰動作の態様を模式的に示した図であり、図4(a)〜(d)は、リリース動作とその後の中立復帰動作の態様を模式的に示した図である。
【0037】
クローズ動作は、車体1に対して開けられたスライドドア3を閉める際に行われる。スライドドア3が開状態にある場合、リリース動作に付随する中立復帰によってセクタギヤ63の回動位置は図3(a)に示されるような第2中立位置となる。開状態にあるスライドドア3を閉方向に動かすと、スライドドア3側に配置されたドア開閉操作機構40が車体1に固定されたストライカ2に近づく。続いて、ドア開閉操作機構40におけるラッチ41の係入溝部413がストライカ2を受け入れる。
【0038】
スライドドア3を更に動かすと、図3(b)に示されるように、ポール42の接当作用部421がラッチ41の第1アーム部411と係合する(ハーフラッチ位置)。ラッチ41がハーフラッチ位置に達する少し前に、モータ61が正転駆動し、セクタギヤ63が回動する。セクタギヤ63が回動すると、クローズ操作機構51と連動し、ラッチ41がモータ動力で回動し始める。なお、この段階ではスライドドア3が車体1に対して完全には閉じられていない。
【0039】
セクタギヤ63が更にクローズ領域の最終回動位置まで回動すると、図3(c)に示されるように、ポール42の接当作用部421がラッチ41の第2アーム部412と係合する(フルラッチ位置)。この段階で、スライドドア3が車体1に対して完全に閉められる。
【0040】
クローズ動作が終了すると、セクタギヤ63の中立復帰のためにモータ61が逆転駆動する。図3(d)に示されるように、セクタギヤ63の回動位置が第1中立位置に到達し、中立検知第1スイッチ84の信号がHigh(オン)からLow(オフ)に変化すると、そこで停止する。このようにして、ドア開閉操作機構40はスライドドア3の閉動作を行う。
【0041】
リリース動作は車体1に対して閉められたスライドドア3を開ける際に行われる。スライドドア3が閉状態にある場合、先に行われているクローズ動作に付随する中立復帰によってセクタギヤ63の回動位置は図4(a)に示されるような第1中立位置となっている。スライドドア3のオープンハンドル3aに設けられている非図示のスイッチ等の操作によってモータ61が逆転駆動すると、図4(b)に示されるように、セクタギヤ63がリリース領域方向に回動する。
【0042】
セクタギヤ63が回動すると、リリース操作機構52と連動し、ポール42が係合離脱方向に回動し始める。図4(c)に示されるように、ポール42の接当作用部421がラッチ41から離脱すると、バネ付勢力によりポール42は離脱姿勢であるホームポジションに戻る。ラッチ41もバネ付勢によりストライカ2を開放する姿勢に戻る。この段階で、スライドドア3が車体1に対して開放可能となる。
【0043】
リリース動作が終了すると、セクタギヤ63の中立復帰のためにモータ61が正転駆動する。図4(d)に示されるように、セクタギヤ63の回動位置が第2中立位置に到達し、中立検知第2スイッチ85の信号がHigh(オン)からLow(オフ)に変化すると、そこで停止する。このようにして、ドア開閉操作機構40はスライドドア3の開動作を行う。
【0044】
ここで、本開閉体制御装置100は、上述のように、スライドドア3のクローズ動作が終了すると、セクタギヤ63の第1復帰動作が行われる。第1復帰動作では、セクタギヤ63が反転回動し、クローズ領域を通り抜けて中立領域に入り、第1中立位置で停止される。この第1中立位置の検出は中立検知第1スイッチ84の信号のHigh(オン)からLow(オフ)への変化に基づいて行われる。
【0045】
しかしながら、中立検知第1スイッチ84の異常等により、中立検知第1スイッチ84の信号のHigh(オン)からLow(オフ)への変化を検出できない場合には、セクタギヤ63が中立領域を通過してリリース領域に突入してしまう可能性がある。係る場合、開閉体制御装置100は、セクタギヤ63が中立領域にあるか否かを特定することなくラッチ41の解除を行う可能性がある。このような場合には、スライドドア3の開動作が行われてしまう恐れがある。このため、本開閉体制御装置100は、セクタギヤ63の第1復帰動作を行うにあたり、当該第1復帰動作を行うに至るクローズ動作において中立検知第1スイッチ84の第1検知信号が検出されたか否かを判定し、この判定結果に基づいて第1復帰動作を行うか否かを決定する構成となっている。ここで、第1復帰動作を行うに至るクローズ動作とは、クローズ動作に連動して行われる第1復帰動作である。
【0046】
本開閉制御装置100が備える切替情報記憶部96は、このような第1検知信号の切り替わりを検出した場合に、当該切り替わりを示す切替情報を記憶する。第1検知信号の切り替わりとは、セクタギヤ63が中立領域からクローズ領域への移動に応じて検出された切り替わりである。したがって、切替情報記憶部96に記憶される切替情報は、中立検知第1スイッチ84の第1検知信号がLow(オフ)からHigh(オン)への切り替わりがあったことを示す情報となる。このため、切替情報記憶部96は、第1検知信号のLow(オフ)からHigh(オン)に変化する際のエッジを監視し、当該エッジを検出した場合に、切替情報記憶部96に記憶する。即ち、切替情報を所謂先入れ先出し方式で記憶する。また、この切替情報には、第1検知信号のLow(オフ)からHigh(オン)への切り替わりがあったことと共に、当該切り替わりがあったタイムスタンプも記憶される。即ち、第1検知信号のLow(オフ)からHigh(オン)へ切り替わった時点の時刻情報も記憶される。したがって、開閉体制御装置100は、切替情報に基づいて第1検知信号の切り替わりがいつ起きたのかを容易に特定することが可能となる。
【0047】
ここで、切替情報記憶部96は、通電中においては、最新の検出結果のみを記憶する構成とすると好適である。係る場合には、制御ユニット90は、切替情報記憶部96に検出結果が記憶されていれば、通電中にセクタギヤ63が中立領域からクローズ領域に移行したことを認識することができる。一方、切替情報記憶部96に検出結果が記憶されていなければ、通電中にセクタギヤ63が中立領域からクローズ領域に移行していないと認識することができる。
【0048】
制御ユニット90は、中立復帰動作を行うに際し、クローズ動作において検出された第1検知信号の切り替わりを示す切替情報に応じて中立復帰動作を行う。ここで、切替情報は上述のように切替情報記憶部96に記憶される。そして、制御ユニット90は、中立復帰動作を行うに際し、前回の中立復帰動作から今回の中立復帰動作の間に電源再投入があった場合には、前回の中立復帰動作を行うに至るクローズ動作時に記憶された切替情報を参照し、前回の中立復帰動作から今回の中立復帰動作の間に電源再投入がなかった場合には、今回の中立復帰動作を行うに至るクローズ動作時に記憶された切替情報を参照する。なお、前回の中立復帰動作とは、これから行おうとしている中立復帰動作(今回の中立復帰動作)より前に行われた中立復帰動作である。
【0049】
したがって、制御ユニット90は、中立復帰動作を行うに際し、前回の中立復帰動作から今回の中立復帰動作の間に電源再投入があった場合には、前回の中立復帰動作時に至るクローズ動作において検出された第1検知信号の切り替わりを示す切替情報を用いて中立復帰動作を行う。すなわち、中立検知第1スイッチ84が正常に動作している状態であっても、クローズ動作中に中立領域からクローズ領域にセクタギヤ63が移動した時点で電源再投入が生じた場合には、制御ユニット90は電源再投入後の処理において第1検知信号の切替情報を取得することができない。このようにクローズ動作中に中立領域からクローズ領域にセクタギヤ63が移動した時点で電源再投入が生じた場合には、その電源再投入前に記憶された第1検知信号の切替情報が前回の切替情報となることから、該切替情報を参照して中立復帰動作が行われる。このため、中立検知第1スイッチ84が正常に動作しているにも拘らず中立復帰動作が行われないといった不都合を抑制することができる。
【0050】
一方、前回の中立復帰動作から今回の中立復帰動作の間に電源再投入がなかった場合には、今回の中立復帰動作時に至るクローズ動作において検出された第1検知信号の切り替わりを示す切替情報を用いて中立復帰動作を行う。このため、電源再投入がなかった場合には、今回の切替情報が参照されることから、中立検知第1スイッチ84に異常が生じている状態の切替情報を用いて中立復帰動作が行われてしまうことを抑制することができる。
【0051】
このように、制御ユニット90は、確実にセクタギヤ63が中立領域からクローズ領域に移行していると特定可能である切替情報を用いて中立復帰動作を行うこととなる。このため、電源の再投入等により切替情報の記憶が消えてしまったり、中立検知第1スイッチ84の異常等により切替情報が記憶されていなかったりして第1検知信号の状態が不確定である場合であっても、適切に中立復帰動作を行うことができるため、意図せずにラッチが解除されて利用者の意図に反したスライドドア3が開閉されることを防止することが可能となる。
【0052】
ここで、切替情報記憶部96は、所定時間(例えば2〜3秒程度)以上に、通電が停止された場合には、これまでに記憶している検出結果が消去される構成となっている。このため、バッテリ等の交換により切替情報記憶部96への通電が停止された場合には、切替情報記憶部96に記憶されている検出結果は消去される。また、上述のように、何らかの事情により切替情報が記憶されていない場合もある。したがって、係る場合には、制御ユニット90はセクタギヤ63が中立領域からクローズ領域にいつ移動したかを特定することができない。
【0053】
また、制御ユニット90は、切替情報記憶部96に中立復帰動作を行うに至るクローズ動作において記憶された切替情報が記憶されていない場合に、ラッチ41が当該ラッチ41の回転を規制するポール42の側に回動するようにラッチ41を制御する。即ち、切替情報記憶部96に中立復帰動作を行うに至るクローズ動作において記憶された切替情報が記憶されていない場合には、セクタギヤ63がいつ中立領域からクローズ領域に移動してきたのかを特定することができない。
【0054】
また、このような場合に限らず、スライドドア3を閉扉する際、ラッチ41が必要以上に回動されることによりラッチ41が機械的端点まで回動され、動きが規制されている可能性がある。このような場合には、図9に示されるように、ラッチ41がストライカ2を引き込みすぎてポール42の接当作用部421とフル係合面415との間に隙間が生じる可能性がある。このような場合には、利用者がスライドドア3を手動操作で開扉しようとした場合には容易に開扉させることができない。このため、制御ユニット90は、ポール42にラッチ41を当接させるように回動することにより、ラッチ41が受ける応力を緩和させるように制御する。本発明においては、このようなラッチ41の回転を規制するポール42にラッチ41を当接させる動作を応力緩和動作と称する。
【0055】
このようなセクタギヤ63をポール42の側に回動する制御となる応力緩和動作は、セクタギヤ63が少なくとも当該制御の開始後中立領域に到達するのに要する時間未満となるように予め設定された時間が経過するまで、又はセクタギヤ63の移動量が当該制御の開始後中立領域に到達するのに要する移動量未満となるように予め設定された移動量に達するまで行われる。このような制御を行うことにより、ラッチ41が機械的端点まで回動され、動きが規制されている場合であっても、ラッチ41を機械的端点の逆方向に回動させることにより、次の回動において始動し難いといったことを防止することができる。したがって、ラッチの回動を容易に行わせることが可能となる。
【0056】
次に、本開閉体制御装置100が行う処理に関してフローチャートを用いて説明する。図10はクローズ動作に関するフローチャートである。本開閉体制御装置100が行う処理は開閉体装置制御装置100に電源再投入があったか否かにより処理が異なる。このため、まず、電源再投入があったか否かの確認が行われる。電源再投入とは、元々通電されていた電源投入状態から、一旦、通電が遮断され、再度、通電が開始された状態を示す。
【0057】
電源再投入がない場合には(ステップ#01:No)、スライドドア3が閉められるにあたり、ラッチ41の係入溝部413にストライカ2が侵入し、ラッチ41が回動する。更に、ラッチ41が回動し、ハーフラッチスイッチ81がHigh(オン)からLow(オフ)に切り替わり、ハーフラッチ状態が検出されると(ステップ#02:Yes)、モータ61を正転駆動することでクローズ動作が開始される(ステップ#03)。このクローズ動作は、ラッチ41がストライカ2を完全に引き込んでフルラッチ位置になるまで継続して行われる。一方、ハーフラッチ状態が検出されない場合には(ステップ#02:No)、ハーフラッチ状態が検出されるまで処理が保留される。
【0058】
ラッチ41がストライカ2を完全に引き込んでフルラッチ位置になり、スライドドア3が全閉状態となると(ステップ#04:Yes)、モータ61は停止される。制御ユニット90は、切替情報記憶部96に記憶されている記憶がこれから行おうとする第1復帰動作に起因するものであるか否かの確認を行う。前回の中立復帰動作から今回の中立復帰動作の間に電源再投入があった場合において、切替情報記憶部96に前回の中立復帰動作を行うに至るクローズ動作時に記憶された切替情報が記憶されている場合(ステップ#05:Yes)、或いは前回の中立復帰動作から今回の中立復帰動作の間に電源再投入がなかった場合において、今回の中立復帰動作を行うに至るクローズ動作時に記憶された切替情報が記憶されている場合(ステップ#05:Yes)には、車両の走行状態の確認が行われる。車両が走行中であれば(ステップ#051:Yes)、制御ユニット90は第1復帰動作を実行する(ステップ#06)。即ち、制御ユニット90は、セクタギヤ63のクローズ動作後に、セクタギヤ63をクローズ領域から中立領域に復帰させて処理を終了する。
【0059】
一方、ステップ#05において、前回の中立復帰動作から今回の中立復帰動作の間に電源再投入があった場合において、切替情報記憶部96に前回の中立復帰動作を行うに至るクローズ動作時に記憶された切替情報が記憶されていない場合(ステップ#05:No)、或いは前回の中立復帰動作から今回の中立復帰動作の間に電源再投入がなかった場合において、今回の中立復帰動作を行うに至るクローズ動作時に記憶された切替情報が記憶されていない場合(ステップ#05:No)には、制御ユニット90は応力緩和動作を実行する(ステップ#14)。
【0060】
この応力緩和動作は、セクタギヤ63が少なくとも当該制御の開始後中立領域に到達するのに要する時間未満となるように予め設定された時間が経過するまで、又はセクタギヤ63の移動量が当該制御の開始後予め設定された移動量に達するまで行われる。
【0061】
一方、ステップ#051において、車両が走行中でなければ(ステップ#051:No)、ステップ#14から処理が継続される。
【0062】
また、ステップ#04において、スライドドア3が全閉でない場合には(ステップ#04:No)、開閉体制御装置100に対する通電が途絶したか否かの確認が行われる。通電が途絶していない場合には(ステップ#13:No)、ステップ#04に戻り、処理が継続される。一方、通電が途絶した場合には(ステップ#13:Yes)、ステップ#05から処理が継続される。
【0063】
ステップ#01に戻り、本開閉体制御装置100に電源再投入があった場合には(ステップ#01:Yes)、その時点でストライカ2とラッチ41との関係がハーフラッチ状態であるか否かの確認が行われる。この確認は、ハーフラッチスイッチ81がHigh(オン)からLow(オフ)へ切り替わっているか否かに基づいて行われる。ハーフラッチ状態が検出されると(ステップ#07:Yes)、モータ61を正転駆動することでクローズ動作が開始され(ステップ#03)、ステップ#04からの処理が行われる。
【0064】
一方、ステップ#07においてハーフラッチ状態が検出されない場合には(ステップ#07:No)、セクタギヤ63の現在位置の確認が行われる。ここで、セクタギヤ63の現在位置は上述の変位体一表か部93により特定される。また、中立検知第1スイッチ84の信号の第1検知信号と中立検知第2スイッチ85の第2検知信号とに基づいて特定することも可能である。
【0065】
即ち、図7に示されるように、中立検知第1スイッチ84の第1検知信号がHigh(オン)で中立検知第2スイッチ85の第2検知信号がLow(オフ)である場合には、セクタギヤ63はクローズ領域又は第1境界部に位置していると特定することが可能である。また、中立検知第1スイッチ84の第1検知信号がLow(オフ)で中立検知第2スイッチ85の第2検知信号がLow(オフ)である場合には、セクタギヤ63は中立領域に位置していると特定することが可能である。更に、中立検知第1スイッチ84の第1検知信号がLow(オフ)で中立検知第2スイッチ85の第2検知信号がHigh(オン)である場合には、セクタギヤ63はリリース領域又は第2境界部に位置していると特定することが可能である。このようにしてセクタギヤ63の位置の特定が行われる。
【0066】
セクタギヤ63がリリース領域又は第2境界部にあれば(ステップ#08:Yes)、セクタギヤ63を第2中立位置へ復帰させるために第2復帰動作を行う(ステップ#09)。そして、処理を終了する。一方、セクタギヤ63が第1境界部及び第2境界部を除く中立領域にある場合(ステップ#10:Yes)、或いはクローズ領域又は第1境界部にある場合(ステップ#12:Yes)には、セクタギヤ63の現在位置を保持して(ステップ#11)処理を終了する。また、セクタギヤ63が第1境界部及び第2境界部を除く中立領域に位置せず(ステップ#10:No)、クローズ領域又は第1境界部に位置しない場合(ステップ#12:No)、ステップ#07に戻り処理を継続する。このようなフローチャートに基づいて開閉体制御装置100は処理が行われる。
【0067】
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、本開閉体制御装置100が制御する開閉体は車両に備えられるスライドドア3であるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。開閉体として、車両が備えるバックドアとすることも可能であるし、他のドアとすることも当然に可能である。また、車両のドアに限らず建物のドア等に適用することも当然に可能である。
【0068】
上記実施形態では、ドア開閉操作機構40はスライドドア3側に設けられ、ストライカ2は車体1側に設けられるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。ドア開閉操作機構40を車体1側に設け、ストライカ2をスライドドア3側に設けることも当然に可能である。
【0069】
上記実施形態では、制御ユニット90は、切替情報記憶部96に、中立復帰動作を行うに至るクローズ動作において記憶された切替情報が記憶されていない場合に、ラッチ41の回転を規制するポール42にラッチ41を当接させるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。切替情報記憶部96に記憶されてある切替情報が、中立復帰動作を行うに至るクローズ動作において記憶された情報でない場合に、ラッチ41の回転を規制するポール42にラッチ41を当接させる。即ち、中立検知第1スイッチ84の故障等により、第1検知信号が出力されずに、元々切替情報記憶部96に記憶されていた切替情報が更新されなかった場合でも、セクタギヤ63の正確な位置が特定できない。また、係る場合、ラッチ41が応力を受けている可能性がある。このため、制御ユニット90は第1復帰動作を行わずに応力緩和動作を行うように制御する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】開閉体制御装置を搭載した車両の側面を示す図
【図2】ストライカ及びドアロック装置の拡大を模式的に示す図
【図3】ドア開閉操作機構のロック状態を示す図
【図4】ドア開閉操作機構の解除状態を示す図
【図5】各スイッチの出力の切り替わりを示す図
【図6】制御ユニットの概略構成を模式的に示すブロック図
【図7】クローズ動作に係るセクタギヤの回動領域を示す図
【図8】リリース動作に係るセクタギヤの回動領域を示す図
【図9】ラッチがストライカを引き込みすぎた場合のドア開閉操作機構の状態を示す図
【図10】開閉体制御装置が行う処理に関するフローチャート
【符号の説明】
【0071】
61:モータ
80:車両状態評価ECU
81:ハーフラッチスイッチ
82:フルラッチスイッチ
83:ポールスイッチ
84:中立検知第1スイッチ(第1検知部)
85:中立検知第2スイッチ(第2検知部)
90:制御ユニット
91:ラッチ状態評価部
92:ポール評価部
93:変位体位置評価部
94:タイマ制御部
95:モータ制御部
96:切替情報記憶部
100:開閉体制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉体を自動で開閉させる開閉体制御装置であって、
ストライカの引き込みと開放とを行うラッチと、
ラッチ操作機構を介して前記ラッチを操作すると共に、前記ラッチを引き込み状態にさせるクローズ領域と前記ラッチを開放状態にするリリース領域と前記クローズ領域及び前記リリース領域の間に位置する中立領域とを含む移動領域の間で移動変位される変位体と、
前記変位体が前記中立領域の前記クローズ領域側の第1境界部を通過した時に第1検知信号を出力する第1検知部と、
を備えると共に、
前記変位体のクローズ動作後に当該変位体を前記クローズ領域から前記中立領域に復帰させる中立復帰動作を行うに際し、クローズ動作において検出された前記第1検知信号の切り替わりを示す切替情報を記憶し、当該切替情報に応じて前記中立復帰動作を行う制御ユニットを備える開閉体制御装置。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記中立復帰動作を行うに際し、
前回の中立復帰動作から今回の中立復帰動作の間に電源再投入があった場合には、前回の中立復帰動作を行うに至るクローズ動作時に記憶された切替情報を参照し、
前回の中立復帰動作から今回の中立復帰動作の間に電源再投入がなかった場合には、今回の中立復帰動作を行うに至るクローズ動作時に記憶された切替情報を参照する請求項1に記載の開閉体制御装置。
【請求項3】
前記切替情報が記憶されていない場合に、前記ラッチが当該ラッチの回転を規制するポールの側に回動するように前記変位体を制御する請求項1又は2に記載の開閉体制御装置。
【請求項4】
前記変位体をポールの側に回動する制御は、前記変位体が少なくとも当該制御の開始後前記中立領域に到達するのに要する時間未満となるように予め設定された時間が経過するまで、又は前記変位体の移動量が前記制御の開始後前記変位体が中立領域に到達するのに要する移動量未満となるように予め設定された移動量に達するまで行われる請求項3に記載の開閉体制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−121321(P2010−121321A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294609(P2008−294609)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】