説明

集合住宅インターホンシステム

【課題】 来客があることが分かっている場合は、その来訪者からの呼び出しに対して居住者が応答操作しなくてもオートドアが解錠し、来訪者を待たせることなくオートドアを通過して居住エリアに進入できる集合住宅インターホンシステムを提供する。
【解決手段】 居室親機2は、集合玄関機1から呼び出しを受けた時点でオートドア5に解錠信号を送信する自動解錠モード状態と、居住者による解錠ボタン26の操作を受けて解錠信号を送信する通常解錠モード状態の2種類の状態を設定でき、自動解錠モード動作は設定された時間帯のみ有効とし、有効時間をカウントするタイマ25、及び有効時間を設定する操作部23を居室親機2に備えた。また、オートドア5を通過する来訪者を撮像するオートドアカメラ6を設置し、自動解錠モード状態の時、オートドアカメラ6の撮像映像を居室親機2のモニタ21に表示させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集合住宅インターホンシステムに関し、特に居住者が解錠操作することなく来訪者がオートドアを通って集合玄関から集合住宅内の居住エリアに進入できる集合住宅インターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
集合住宅では、来訪者や居住者が出入りする集合玄関には、防犯のために自動で施錠し、居住者側が解錠操作するオートドアが設置されている。そのため、帰宅した居住者は所定の解錠操作を行うことで解錠し、集合玄関から内部の居住エリアに進入して自宅に戻っていた。また、来訪者は集合玄関に設置されている集合玄関機から訪問先の居住者を呼び出し、応答した居住者によりオートドアを解錠操作してもらうことでオートドアを通過して内部の居住エリアに進入していた。
一方で、セキュリティの向上を図るために集合玄関に加えてフロア毎にオートドアを設けた集合住宅がある。この場合、上記システムと同様な構成にすると来訪者は居住者をその都度呼び出してオートドアを解錠してもらわなければならない。そこで、来訪者に面倒を掛けないように、集合玄関からの1回の呼出操作でフロアに設置されたオートドアも解錠できるよう構成された集合住宅インターホンシステムある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−97110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、従来の集合住宅インターホンシステムは、来訪者が居住者を呼び出し、居住者が応答して解錠操作しなければ、来訪者を居住エリアに通すことができなかったため、来客があることが分かっている場合、居住者は来訪者の呼び出しに対して待たせることがないように気を遣い、居室親機の呼出音に注意を払わなければならなかった。
しかし、訪問者があることを分かっていても、居住者は手が離せない場合や、たまたま居室内にいない場合が発生することがあり、その場合は直ぐにオートドアを解錠できなかった。また、居住者が聴力障害者の場合にはやはり応答することが難しく、来訪者は集合玄関で待たなければならない状況が発生した。
上記特許文献1の場合も、2回目のオートドアを通過する際に居住者の呼び出しが必要ないだけで、集合玄関からの呼び出しは相変わらず必要であった。
【0004】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、来客があることが分かっている場合は、その来訪者に対しては呼び出しに対して居住者が応答操作しなくてもオートドアが解錠し、来訪者を待たせることなくオートドアを通過して居住エリアに進入できる集合住宅インターホンシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、来訪者が居住者を呼び出して通話するために集合玄関に設置された集合玄関機と、集合玄関機からの呼び出しに居住者が応答するために個々の住戸内に設置された居室親機と、集合玄関機と居室親機との通信を制御する制御機とを有し、居室親機は集合玄関に設置されたオートドアに解錠信号を送信する解錠制御手段を備えてなる集合住宅インターホンシステムにおいて、解錠制御手段は、集合玄関機から呼び出しを受けた時点でオートドアに解錠信号を送信する自動解錠モードと、解錠ボタン操作を受けて解錠信号を送信する通常解錠モードの2種類の解錠制御を選択的に実施し、居室親機に自動解錠モード動作の有効時間をカウントするカウント手段、及び有効時間を設定する時間設定手段を設けたことを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、自動解錠モードに設定すれば、設定された時間帯の中での来訪者に対しては呼出操作によりオートドアは解錠される。よって、来客が分かっている場合は居住者が応答・解錠操作すること無く来訪者はスムーズにオートドアを通過して居住エリアに進入できる。そして、来客を予定している時間帯以外では自動解錠モードは解除されるので、不審者の進入を阻止できる。
また、カウント手段のカウント時間は変更できるので、来訪者の到着する予想時刻に合わせてスタート時間及び継続時間を設定でき、来訪者が到着する前にカウントアップしたり、カウント時間が無駄に長くなるようなことがない。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、居室親機は、集合玄関機からの呼び出しを受けて呼出制御する呼出制御手段と、呼出制御を停止させるための呼出停止手段とを有し、呼出制御手段は、自動解錠モード動作時に呼び出しを受けたら、呼出停止手段による停止操作が成されるまで呼出制御を継続させることを特徴とする。
この構成によれば、自動解錠モード状態での呼び出しは、居住者による確認作業があるまで報知が継続されることにより、居住者に対して来客が到着して居住エリアに入ったことを確実に知らせることができる。
尚、ここで言う呼出制御とは、来客が到着して住居エリアに入ってきたことを通知するための呼出音の報音、モニタによるこの表示動作、更にはLEDの点滅等の来客の到着通知動作の制御をいう。
【0008】
請求項3の発明は、来訪者が居住者を呼び出して通話するために集合玄関に設置された集合玄関機と、集合玄関機からの呼び出しに居住者が応答するために個々の住戸内に設置された居室親機と、集合玄関機と居室親機との通信を制御する制御機とを有し、居室親機は集合玄関に設置されたオートドアに解錠信号を送信する解錠制御手段を備えてなる集合住宅インターホンシステムにおいて、居室親機は、暗証番号記憶部と、集合玄関機から送信された番号と記憶している暗証番号とを照合する照合手段と、を有し、解錠制御手段は、集合玄関機から呼び出しを受けたあと、引き続き所定の暗証番号が送信されたら解錠信号を送信する自動解錠モードと、解錠ボタン操作を受けて解錠信号を送信する通常解錠モードの2種類の解錠制御を選択的に実施し、居室親機に自動解錠モード動作の有効時間をカウントするカウント手段、及び有効時間を設定する時間設定手段を設けたことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、自動解錠モードに設定すれば、設定された時間帯の中での来訪者に対しては呼出操作及び所定の暗証番号の入力によりオートドアは解錠される。よって、来客が分かっている場合は居住者が応答・解錠操作すること無く来訪者はスムーズにオートドアを通過して居住エリアに進入できる。そして、所定の時間が経過したら自動解錠モードは解除されるので、不審者の進入を阻止できる。
また、カウント手段のカウント時間は居住者により変更できるので、来訪者の到着する予想時刻に合わせてスタート時間及び継続時間を設定でき、来訪者が到着する前にカウントアップしたり、カウント時間が無駄に長くなるようなことがない。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3に記載の発明において、居室親機は、暗証番号設定手段を有することを特徴とする。
この構成によれば、暗証番号は固定されないので、自動解錠モードにしてもセキュリティの向上を図ることができる。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の発明において、オートドアを通過する人物を撮像するオートドアカメラを備えると共に、居室親機はオートドアカメラの撮像映像を表示するモニタを備え、更に、制御機或いは集合玄関機に、解錠制御手段から解錠信号が送出されたら、オートドアカメラの撮像映像を解錠信号送信元の居室親機に送信する映像送信手段を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、オートドアが自動解錠した後、誰がオートドアを通過して住戸フロアに進入したか居室親機のモニタに表示されるので、居住者はオートドアを通過した人物を確認できる。よって、不審者の侵入はないか確認することができ、セキュリティを維持できる。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5に記載の発明において、居室親機や集合玄関機と通話が可能であって、オートドアカメラの撮像映像を表示するモニタを備えた管理室親機を備え、映像送信手段は、オートドアカメラの撮像映像を管理室親機にも送信することを特徴とする。
この構成によれば、オートドアが自動解錠した後、誰がオートドアを通過して住戸フロアに進入してきたか管理室親機のモニタにも表示される。よって、管理人等がオートドアを通過した人物を認識でき、不審者の侵入がないかどうか複数の人物により確認できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、自動解錠モードに設定すれば、設定された時間帯の中での来訪者に対しては呼出操作、或いは呼出操作に加えて暗証番号の入力操作によりオートドアは解錠される。よって、来客が分かっている場合は居住者が応答・解錠操作すること無く来訪者はスムーズにオートドアを通過して居住エリアに進入できる。そして、来客を予定している時間帯以外では自動解錠モードは解除されるので、不審者の進入を阻止できる。
また、カウント手段のカウント時間は変更できるので、来訪者の到着する予想時刻に合わせてカウントアップ時間を設定でき、来訪者が到着する前にカウントアップしたり、カウント時間が無駄に長くなるようなことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る集合住宅インターホンシステムの構成図を示し、1は来訪者が居住者を呼び出して通話するために集合玄関に設置される集合玄関機、2は集合玄関機1からの呼び出しに居住者が応答するために個々の住戸内に設置される居室親機、3は管理室に設置されて居住者と通話するための管理室親機、4は集合玄関機1、居室親機2、管理室親機3の間の通信を制御する制御機、5は来訪者または居住者が集合住宅を出入りする際通過するオートドア、6はオートドア5を通過する人物を撮像するオートドアカメラである。集合玄関機1、居室親機2,2・・、オートドアカメラ6、管理室親機3は制御機4に接続され、オートドア5は集合玄関機1に接続されている。尚、Fは集合玄関、4aは制御機を制御する制御機CPU、21,31はオートドアカメラ6の撮像映像を出画するモニタを示している。
【0015】
集合玄関機1は、図2の回路ブロック図に示すように構成されている。即ち、来訪者を撮像するためのカメラ11、撮像映像信号の変調処理等を行う映像処理部12、訪問先を選択するためのテンキー13、呼出ボタン14、マイク及びスピーカを備えた通話部15、集合玄関機1を制御する集合玄関機CPU16、制御機4及びオートドア5と通信を行うためのインターフェース(集合玄関機IF)17を備えている。
【0016】
居室親機2は、図3の回路ブロック図に示すように構成されている。即ち、集合玄関機1のカメラ11やオートドアカメラ6の撮像映像を表示するモニタ21、送信されてきた映像信号の復調処理等を行う映像処理部22、各種操作を行うための操作部23、暗証番号記憶部24、計時するタイマ25、オートドア5を解錠するための解錠ボタン26、マイク27a及びスピーカ27bを制御する通話回路27、居室親機2を制御する居室親機CPU28、制御機4と通信するためのインターフェース(居室親機IF)29を備えている。また、管理室親機3も居室親機2と同様の回路構成を備えている。
【0017】
このように構成された集合住宅インターホンシステムの動作、特に集合玄関機1から呼出操作をした場合の居室親機2、オートドア5の動作は以下のようである。尚、居室親機2によるオートドア5の解錠制御は、解錠ボタン26の操作を受けて実施される通常解錠モード動作と、所定の来訪者操作により実施される自動解錠モード動作の2通りあり、自動解錠モードは居室親機2の所定の操作で、スタート時刻、継続時間(有効時間)が設定され、その時間帯において動作し、それ例外の時間帯では通常解錠モード動作を実施するよう構成されている。
【0018】
まず、通常解錠モード動作を説明する。来訪者が例えば住戸番号555号の居住者を訪問する場合、集合玄関機1のテンキー13を操作して住戸番号555を入力し、続けて呼出ボタン14を押下する。この操作で、集合玄関機CPU16が呼出信号を生成し、集合玄関機IF17を介して制御機4に送信する。制御機CPU4aは、この呼出信号を受けて、555号住戸の居室親機2へさらに送信する。この呼出信号を受信した居室親機2は、居室親機CPU28が通話回路27を制御してスピーカ27bから応答操作が成されるまで、或いは所定時間の間、呼出音が出力される。また、集合玄関機1のカメラ11で撮像された来訪者の映像がこの居室親機2へ送信され、居室親機2の映像処理部22を通じてモニタ21に表示される。
この動作による呼出音を受けて居住者が応答操作したら、呼出音が停止して居住者は来訪者映像を見ながら応答できる。そして、解錠ボタン26が操作されたら、オートドア5が解錠されて来訪者はオートドア5から居住エリアに進むことができる。
【0019】
次に、自動解錠モードに設定されていた場合の動作を説明する。図4はこの動作の流れの要部を示すフローであり、このフローを基に説明する。上記動作説明と同様に来訪者が住戸番号555号の居住者を訪問する場合を説明すると、集合玄関機1のテンキー13により住戸番号555が入力され、呼出ボタン14が押下されると、呼出信号が555号住戸の居室親機2へ送信される(S1)。この呼出信号を受けて、居室親機CPU28は自動解錠モード状態にあるか判断(S2)し、自動解錠モード状態であればオートドア5の解錠信号を生成し、居室親機IF29を介してオートドア5に向けて送信される。送信された解錠信号は、制御機4を介して集合玄関機1へ送信され、集合玄関機CPU16の処理を経てオートドア5へ伝達され、オートドア5が解錠される(S4)。
但し、自動解錠モードに設定されても、設定時間帯でない時刻においての呼び出しに対しては、通常呼出モード状態であると判断し、上記動作と同様に呼出報音を発生し続け(S3)、居住者の応答操作を待つ。
【0020】
尚、集合玄関機1の呼出操作に合わせて、集合玄関機1のカメラ11が起動して来訪者が撮像されるが、居室親機2が自動解錠モード状態にある場合は、居室親機CPU28はモニタ21への表示を行わず、以下に示すオートドアカメラ6の撮像映像を表示する。しかし、設定時間帯から外れている場合は通常解錠モード状態となるため、モニタ21に集合玄関機1のカメラ11の撮像映像を表示する制御を実施する。
【0021】
居室親機CPU28は、解錠信号を送出に続いて呼出音をスピーカ27bから報音するよう通話回路27を制御し、来客のあることを報知させる。また、解錠信号を受信した制御機4は、制御機CPU4aの制御でオートドアカメラ6で撮像された映像が居室親機2へ送信される。送信された映像は、居室親機2の映像処理部22を通じてモニタ21に表示され、オートドア5を通過する来訪者映像が表示される。更にこの表示に合わせて、居室親機CPU28はモニタ21に来客を報知する例えば「お客様が到着しました」等の表示を行う(S5)。
【0022】
同様に解錠信号を受信した制御機CPU4aは、管理室親機3へもオートドアカメラ6で撮像された映像を送信する制御を行い、管理室親機3のモニタ31にてオートドア5を通過する来訪者映像が表示される。更にこの表示に合わせて、管理室親機3のモニタ31にて来客を報知する表示が成される(S5)。
この居室親機2と管理室親機3の呼出動作及び報知動作は、居室親機2が所定の停止操作(S6)を受けたら停止し(S7)、停止操作されなければ報知動作は継続される(S8)。
【0023】
このように、自動解錠モードに設定すれば、設定された時間帯の中での来訪者に対しては、呼出操作によりオートドアは解錠される。よって、来客が分かっている場合は居住者が応答・解錠操作すること無く来訪者はスムーズにオートドアを通過して居住エリアに進入できる。そして、来客を予定している所定の時間帯以外では自動解錠モードは解除されるので、不審者の進入を阻止できる。
また、カウント手段のカウント時間は変更できるので、来訪者の到着する予想時刻に合わせてスタート時間及び継続時間の設定ができ、来訪者が到着する前にカウントアップしたり、カウント時間が無駄に長くなるようなことがない。
更に、自動解錠モード状態での呼び出しは、居住者による確認操作があるまで報知が継続されることにより、居住者に対して来客が到着して居住エリアに入ったことを確実に知らせることができる。
また、オートドアが自動解錠した後、オートドアを通過して住戸フロアに進入した人物が居室親機及び管理室親機のモニタに表示されるので、居住者及び管理者はオートドアを通過した人物を確認できる。よって、不審者の侵入はないか複数の人が確認することができ、セキュリティを維持できる。
【0024】
次に、自動解錠モード動作の他の形態を説明する。上記実施形態では、自動解錠モード状態にあるとき呼出信号だけで解錠制御がなされるが、ここでは呼出信号に加えて暗証番号が入力されたら解錠制御が成される設定を説明する。
具体的には、まず居室親機において、自動解錠モードを設定する際、暗証番号も設定される。この暗証番号は任意に設定され、例えば4桁の数値で設定される。この設定された暗証番号は、暗証番号記憶部24に記憶され、訪問を受けることが分かっている訪問予定者に居住者によって予め電話等で通知される。尚、上記呼出信号のみで解錠される制御の場合、暗証番号記憶部24は使用しないのでなくて良い。
【0025】
以下、図5のフローチャートを基に説明する。まず来訪者が、例えば居室555号室の居住者を呼び出すため集合玄関機1のテンキー13を操作して555を入力し、続けて呼出ボタン14を押下すると、呼出信号が555番住戸の居室親機2へ送信される(S11)。この呼出信号を受けて、居室親機CPU28は自動解錠モード状態にあるか判断し(S12)、自動解除モード状態であれば暗証番号の入力を待つ。また、並行して通話回路27を制御して呼出音をスピーカ27bから出力させると共に、呼出信号の後に送信されてきた集合玄関機1のカメラ11で撮像された来訪者映像を、居室親機2の映像処理部22を通じてモニタ21に表示させる。
但し、自動解錠モードに設定されてもその動作時間帯でなければ、通常解錠モード動作をし、居室親機CPU28は暗証番号の入力を待つことなく、通常の呼出報音を実施し続け(S14)、居住者により応答操作を待つ。
【0026】
呼出操作した来訪者は、引き続き予め居住者から聞いていた暗証番号をテンキー13を操作して入力する。尚、居室親機2が自動解錠モード状態にある時、居室親機CPU28は、暗証番号の入力を促すメッセージを集合玄関機1に送信し、集合玄関機1の通話部15から報音させる。
入力された暗証番号は居室親機2へ送信され、居室親機CPU28にて暗証番号記憶部24に記憶された正しい暗証番号との比較処理が行われる(S13)。この結果正しい暗証番号であるならば、居室親機CPU28は解錠信号をオートドア5に対して送信する。この解錠信号は制御機4を介して集合玄関機1へ送信され、集合玄関機CPU16での処理を経てオートドア5へ伝達され、オートドア5が解錠される(S15)。暗証番号が入力されないか、異なった暗証番号が入力された場合は、通常の呼出動作が継続される(S14)。
【0027】
また、解錠信号を受信した制御機4は、制御機CPU4aの制御でオートドアカメラ6が撮像する映像が居室親機2へ送信される。送信された映像は、居室親機2の映像処理部22を通じてモニタ21にて表示され、居住者はオートドア5を通過する来訪者映像を確認できる。更にこの表示に合わせて、居室親機CPU28はモニタ21に来客を報知する表示を行う(S16)。
同様に解錠信号を受信した制御機CPU4aは、管理室親機3へもオートドアカメラ6で撮像された映像を送信する制御を行い、管理室親機3のモニタ31にてオートドア5を通過する来訪者映像が表示される。更に、この場合も管理室親機3のモニタ31に来客を報知する表示が合わせて成される(S16)。
この居室親機2と管理室親機3の呼出動作及び報知動作は、居室親機2が所定の停止操作(S17)を受けたら停止し(S18)、停止操作されなければ報知動作は継続される(S19)。
【0028】
このように、自動解錠モードに設定すれば、カウント手段がカウントアップするまでに来訪者が、呼出操作及び所定の暗証番号の入力によりオートドアは解錠される。よって、来客が分かっている場合は居住者が応答・解錠操作すること無く来訪者はスムーズにオートドアを通過して居住エリアに進入できる。そして、所定の時間帯以外では自動解錠モードは解除されるので、不審者の進入を阻止できる。
また、カウント手段のカウント時間は居住者により変更できるので、来訪者の到着する予想時刻に合わせてスタート時間、継続時間の設定ができ、来訪者が到着する前にカウントアップしたり、カウント時間が無駄に長くなるようなことがない。
更に、暗証番号は固定されないので、自動解錠モードにしてもセキュリティ性を維持できる。
【0029】
尚、上記実施形態は、何れも自動解錠モードにある場合、管理室親機3に対して来訪者有りの報知動作を行っているが、報知動作は居室親機2だけ実施しても良い。また、自動解錠モード動作を行うスタート時間及び終了時間の双方を設定しているが、スタート時間を自動解錠モードに設定した時刻としても良く、この場合有効時間のみ設定すれば良く簡易な操作となる。
また、制御機4にオートドアカメラ6が接続されているが、集合玄関機1に接続されている場合は集合玄関機1にオートドアカメラ6の映像送信制御を実施させておけば良い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る集合住宅インターホンシステムの一例を示す構成図である。
【図2】集合玄関機の回路ブロック図である。
【図3】居室親機の回路ブロック図である。
【図4】集合玄関機からの呼び出しに伴う居室親機、オートドアの動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】集合玄関機からの呼び出しに伴う居室親機、オートドアの動作の流れの他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0031】
1・・集合玄関機、2・・居室親機、3・・管理室親機、4・・制御機、4a・・制御機CPU(映像送信手段)、5・・オートドア、6・・オートドアカメラ、16・・集合玄関機CPU、21・・モニタ、23・・操作部(時間設定手段、暗証番号設定手段、呼出停止手段)、24・・暗証番号記憶部、25・・タイマ(カウント手段)、27b・・スピーカ、28・・居室親機CPU(解錠制御手段、照合手段、呼出制御手段)、31・・モニタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
来訪者が居住者を呼び出して通話するために集合玄関に設置された集合玄関機と、前記集合玄関機からの呼び出しに居住者が応答するために個々の住戸内に設置された居室親機と、前記集合玄関機と前記居室親機との通信を制御する制御機とを有し、前記居室親機は集合玄関に設置されたオートドアに解錠信号を送信する解錠制御手段を備えてなる集合住宅インターホンシステムにおいて、
前記解錠制御手段は、前記集合玄関機から呼び出しを受けた時点で前記オートドアに解錠信号を送信する自動解錠モードと、解錠ボタン操作を受けて解錠信号を送信する通常解錠モードの2種類の解錠制御を選択的に実施し、前記居室親機に前記自動解錠モード動作の有効時間をカウントするカウント手段、及び前記有効時間を設定する時間設定手段を設けたことを特徴とする集合住宅インターホンシステム。
【請求項2】
前記居室親機は、前記集合玄関機からの呼び出しを受けて呼出制御する呼出制御手段と、呼出制御を停止させるための呼出停止手段とを有し、
前記呼出制御手段は、前記自動解錠モード動作時に呼び出しを受けたら、前記呼出停止手段による停止操作が成されるまで呼出制御を継続させることを特徴とする請求項1記載の集合住宅インターホンシステム。
【請求項3】
来訪者が居住者を呼び出して通話するために集合玄関に設置された集合玄関機と、前記集合玄関機からの呼び出しに居住者が応答するために個々の住戸内に設置された居室親機と、前記集合玄関機と前記居室親機との通信を制御する制御機とを有し、前記居室親機は集合玄関に設置されたオートドアに解錠信号を送信する解錠制御手段を備えてなる集合住宅インターホンシステムにおいて、
前記居室親機は、暗証番号記憶部と、前記集合玄関機から送信された番号と記憶している暗証番号とを照合する照合手段と、を有し、
前記解錠制御手段は、前記集合玄関機から呼び出しを受けたあと、引き続き所定の暗証番号が送信されたら解錠信号を送信する自動解錠モードと、解錠ボタン操作を受けて解錠信号を送信する通常解錠モードの2種類の解錠制御を選択的に実施し、前記居室親機に前記自動解錠モード動作の有効時間をカウントするカウント手段、及び前記有効時間を設定する時間設定手段を設けたことを特徴とする集合住宅インターホンシステム。
【請求項4】
前記居室親機は、暗証番号設定手段を有することを特徴とする請求項3記載の集合住宅インターホンシステム。
【請求項5】
前記オートドアを通過する人物を撮像するオートドアカメラを備えると共に、前記居室親機は前記オートドアカメラの撮像映像を表示するモニタを備え、
更に、前記制御機或いは前記集合玄関機に、前記解錠制御手段から解錠信号が送出されたら、前記オートドアカメラの撮像映像を前記解錠信号送信元の居室親機に送信する映像送信手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の集合住宅インターホンシステム。
【請求項6】
居室親機や集合玄関機と通話が可能であって、前記オートドアカメラの撮像映像を表示するモニタを備えた管理室親機を備え、
前記映像送信手段は、前記オートドアカメラの撮像映像を前記管理室親機にも送信することを特徴とする請求項5記載の集合住宅インターホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−81554(P2009−81554A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−247815(P2007−247815)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】