説明

集積回路における選択されたトランジスタの性能向上のための注入

【課題】マスクセットのすべてまたはいくつかを交換することなく、トランジスタ特性をより所望の特性に変更することを可能にすること。
【解決手段】第1注入が基板に実行されて、複数のトランジスタが形成されるウェルが形成される。形成される複数のトランジスタの第1サブセットの各トランジスタが所定幅制限を満たす幅を有し、第2サブセットのトランジスタの各々が所定幅制限を満たさない幅を有する。第2注入は,第2サブセットのトランジスタが形成されるウェルの領域ではなく、第1サブセットのトランジスタが形成されるウェルの領域において実行される。トランジスタが形成され、第1サブセットのトランジスタの各々のチャネル領域は、第2注入を受け入れた基板の一部分に形成され、第2サブセットのトランジスタの各々のチャネル領域は、第2注入を受け入れなかった基板の一部分に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して集積回路に関するものであり、さらに詳しくは注入による集積回路の選択されたトランジスタの向上された性能に関するものである。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、先行の工程およびトランジスタ性能のモデリングに関する経験に基づいてトランジスタの特性を見込んで設計される。しばしば、モデルは完全に正確ではないので、集積回路は予測されるように機能しないか、または、実地試験後、さらなる性能変更が望ましいことが発見されることがある。このことにより、初期マスクセットの少なくとも一部分が使用できなくなるので、マスクセットのうちの1つまたは複数のマスクを交換して確認された問題を修正する必要が生じ得る。
【0003】
したがって、マスクセットのすべてまたはいくつかを交換することなく、トランジスタ特性をより所望の特性に変更することを可能にする技術を提供する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7858500号明細書
【特許文献2】米国特許第7915667号明細書
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】一実施形態の半導体基板の上面図である。
【図2】半導体デバイスのアクティブ領域の第1部分の断面図である。
【図3】アクティブ領域の第2部分の断面図である。
【図4】アクティブ領域の第3部分の断面図である。
【図5】工程のある段階における半導体デバイスの断面図である。
【図6】図5示される後の工程の段階における半導体デバイスの断面図である。
【図7】図6示される後の工程の段階における半導体デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は例示の方法により説明されており、添付の図面により限定されるものではなく、図面において、同様の参照符号は類似の要素を示す。図中の要素は簡潔かつ明確に説明されており、必ずしも寸法通りに描かれていない。
【0007】
半導体デバイスが、バックグラウンドドーピングを有するウェル内における第1導電性タイプの複数のトランジスタを有する。所定寸法より小さなチャネル幅を有するウェル内のトランジスタがドープされて、閾値電圧が減少され、かつそれらトランジスタの駆動電流が増加される。このことにより、注入されるトランジスタの漏洩が増加するという影響が生じ得るが、このトランジスタは最も小さなトランジスタであり、この注入を受け入れるトランジスタの数は総合のトランジスタの数に対して相対的に小数であるので、総合漏洩は、小量だけ増加するのみである。これは、すでに製造中である現在の設計の性能を向上するために使用可能である。このことは、図面および以下の説明を参照してより理解される。
【0008】
本明細書に記載される半導体基板はいかなる半導体材料または材料の組み合わせであってもよく、例えば、ガリウムヒ素、シリコンゲルマニウム、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、シリコン、単結晶シリコン、など、およびこれらのものの組み合わせであってもよい。
【0009】
図1は、トランジスタ14、16、18、20、22、24および26が形成される半導体基板内のウェル12を有する半導体デバイス10を示す。トランジスタ14はアクティブ領域28に形成され、アクティブ領域28を横断するゲート40を有する。トランジスタ16はアクティブ領域30に形成され、アクティブ領域30を横断するゲート42を有する。トランジスタ18はアクティブ領域32に形成され、アクティブ領域32を横断するゲート42を有する。トランジスタ20はアクティブ領域34に形成され、アクティブ領域34を横断するゲート46を有する。トランジスタ22はアクティブ領域36に形成され、アクティブ領域36を横断するゲート48を有する。トランジスタ24はアクティブ領域38に形成され、アクティブ領域38を横断するゲート50を有する。トランジスタ26はアクティブ領域34に形成され、アクティブ領域34を横断するゲート52を有する。トランジスタ20および26が同一アクティブ領域34を共有する。トランジスタ14、16、18、20、22、24および26は、大きさが変化するそれぞれのチャネル幅56、58、60、62、64、66および66を有する。チャネル幅66および62は、図1示される最も小さなチャネル幅である。アクティブ領域28、30、32、34、36および38は分離領域54によって囲まれる。トランジスタ14、16、18、20、22、24および26はMOSトランジスタであり、この例において、MOSトランジスタのタイプはP型であり、よって、Pチャネルトランジスタと呼称され得る。
【0010】
図2は、図1示される半導体デバイス10のトランジスタ20及び26を通る断面図2−2を示す。図2では、ウェル12におけるアクティブ領域34、ゲート46および52、トランジスタ20のソース/ドレイン47、トランジスタ20のソース/ドレイン49、トランジスタ26のソース/ドレイン51、トランジスタ26のソース/ドレイン53、およびアクティブ領域34における注入領域69が示されている。トランジスタ26より低い絶対値を有する閾値電圧を有するように注入領域69はあるレベルにドープされている。
【0011】
図3は、分離領域54によって境界されるアクティブ領域を示して図1示される半導体デバイス10のトランジスタ20を通る断面図3−3を示す。図3では、分離領域54によって境界付けされたアクティブ領域34が示されている。図3示されるアクティブ領域34がトランジスタ20のチャネル幅を示す。ゲート46が断面図3−3でアクティブ領域34を横断して分離領域54の上方にまで延びている。
【0012】
図4は、図1示される半導体デバイス10のトランジスタ26を通る断面図4−4を示す。図4では、分離領域54によって境界付けされたアクティブ領域34が示されている。図4示されるアクティブ領域34が、トランジスタ20のチャネル幅より大きなトランジスタ26のチャネル幅を示す。ゲート52が、アクティブ領域34を横断して分離領域54の上方にまで延びている。
【0013】
トランジスタ24が、トランジスタ20と同一チャネルト幅を有し、トランジスタ20と実質的に同一であるが、自己のアクティブ領域38に形成される。他の全てのトランジスタ14、16、18、22および26が、トランジスタ20および24よりも大きなチャネル幅を有する。トランジスタ14、16、18、22および26は第1セットのトランジスタとして見なすことができ、トランジスタ20および24は第2セットのトランジスタであるものと見なすことができ、第1および第2セットは相互に排他的である。第1セットのトランジスタの各々が、所定量より大きなチャネルを有する。第2セットのトランジスタの各々が、所定量以下のチャネル幅を有する。所定量は、所望の性能結果に基づいて選択される。
【0014】
発明者は、第2セットのトランジスタが相対的に小さなチャネル幅を有するので、ソース/ドレイン漏洩の相対的に小さな増加を生じさせつつ、逆ドーピング注入を実行することによって第2セットのトランジスタについて所与のゲート電圧の電流駆動を増加させることが可能であることを発見した。よって、逆ドーピング注入による大きな利点を享受するトランジスタも、逆ドーピング注入によって生じる小さな欠点を備える。逆ドーピング注入の効果は、閾値電圧の絶対値を減少することであり、これにより、特に、トランジスタがデジタル用途で飽和状態で動作する場合に、所与のゲート電圧の電流駆動が増加する。ソース電圧は通常動作のゲート電圧より大きく、よって、ゲート・ソース電圧は負として考えられ、トランジスタの導電性が増加するほど、より負になるので、Pチャネルトランジスタの閾値電圧は負数として定められる。よって、減少される閾値電圧の絶対値が、逆ドーピングによってゼロでまたはその近くにより小さい負になる。さらなる利点は、レイアウトがすでに決定され、かつデバイスが製造および販売された後、逆ドーピング注入を特定の集積回路デザインに対して実行するかどうかを選択することができる。よって、デザインが実際の集積回路として試験された後、性能を向上させることができる。マスクセットへの唯一の変更は、逆ドーピング注入のための注入マスクを加えることである。
【0015】
図5は、アクティブ領域34へのバックグラウンドドーピングを形成する注入70を示す処理の早期の段階における断面図2−2と同様な半導体デバイス10の断面図を示す。注入70は、ウェル12のすべてのアクティブ領域28、30、32、34、36および38に適用されるN型注入である。分離領域54は、図5示す注入70の前または注入70の後に形成され得る。注入70は、様々な深さおよび量の個々の注入であってよい。注入70は、ウェルのすべてのアクティブ領域に適用される注入である。注入がウェルのすべてに到達するか、または分離領域によって部分的に阻止されるかに関わらず、ウェル注入は、画定された領域のすべてのアクティブ領域に適用され、かつそのアクティブ領域に形成されるトランジスタの閾値電圧に影響を与える。画定された領域に形成されるトランジスタは同一導電性タイプである。アクティブ領域のドーピング濃度は、N−と見なし得る。注入70の前、ウェル12のアクティブ領域はP型にドープされ得るので、N−のドーピング濃度そのものは、逆ドーピングのタイプであり得る。よって、注入70では、導電性タイプがPからNに切り替えられる。
【0016】
図6は、注入マスク74を形成した後、注入72を実行して、N−−のドーピング濃度へ減少されたN型の濃度を有する図2に示される注入領域69を形成する半導体デバイス10の断面図を示す。注入マスク74はアクティブ領域28、30、32および36を覆うように拡大される。アクティブ領域38は開放されて、N−−のドーピング濃度を有する注入領域69と同様な注入領域を形成する。N型領域に適用されるP型導電性を生じさせる通常ではボロンであるドーピング種であるので、注入72は逆ドーピングであると見なし得る。この場合において、ドーピングタイプをPタイプに反転するというよりはむしろ、注入72により有効なN型濃度が減少する。注入72により、トランジスタ20および24の閾値電圧が影響を受け、特に、閾値電圧の絶対値が減少する。
【0017】
図7は、注入領域69の上方にゲート46を形成し、アクティブ領域34の上方にゲート46から離間してゲート52を形成した後の半導体デバイス10の断面図を示す。ゲート40、42、44、48および50もこのときに形成される。ゲートを形成した後、ソース/ドレイン注入はウェル12のアクティブ領域で実行される。図2示される結果が、注入領域69の上方にあるゲート46、ゲート46に隣接し、かつ注入領域69内にあるソース/ドレイン領域47および49、アクティブ領域34の上方にあり、かつソース/ドレイン領域51および53間にあるゲート52に隣接するソース/ドレイン領域51と53を示す。
【0018】
注入72を受ける何百万のトランジスタがある場合であっても、注入72を計画することなくマスクセットが設計されたようなケースにおいても、半導体デバイス10を形成するためのマスクセットに加えられるべきマスクを作成することを自動的に行うことができる。集積回路が、何億を超えるトランジスタ有し、そのトランジスタ数が増加し続けることは、普通である。よって、小さな割合でも簡単に百万となる。工程は、注入72と同様の注入を必要とするチャネル幅を有するトランジスタを識別することによって自動化され得る。チャネル幅は簡単に識別され、特定の所定量より低い幅も同様に識別することができる。注入に必要な空間は、よく知られている。最大の問題は、フォトレジストの開口は十分に大きいことを保障することである。設計された開口が小さ過ぎる場合、開口は全く開いていないか、または開口はサイズと不整合である。開口の十分大きな面積は、デザインルールであり、よって、充足のテストはすでに知られる。所望開口を縮小するための他のトランジスタと非常に近接するトランジスタが識別される。開口は、余裕のない方向に縮小され、余裕のある方向に拡張されてもよい。利用可能な空間のテストは自動化されてもよく、設計される開口は利用可能な方向に増加して、別の方向における縮小が相殺される。注入72と同様な注入を必要とする何百万のトランジスタを含む例では、空間は、第1回目の試みまたは開口の境界を変更した後に各トランジスタの周で見つけられて、所望とされない注入が実行されることが回避される。特定の試みが、特定の利用可能な装置に基づいて変更される。自動化工程が、必要な領域を識別し、領域の周りの制限を識別し、フォトレジストにおける開口の境界を変更することにより、その領域における必要な開口の面積を達成するため存在する。十分な面積のフォトレジストにおいて開口のために十分に利用可能な空間が無いような領域であることが判明した場合、そのような領域では注入を受け入れられず、不十分な利用可能な空間を有するそのような領域におけるトランジスタは、向上された性能を提供しないであろう。
【0019】
今、半導体構造を形成する方法が提供されることを理解されるべきである。該方法が、半導体基板への第1注入を実行して、同一導電性タイプの複数のトランジスタが形成されるウェルを形成することを含み、ここで、形成される複数のトランジスタの第1サブセットの各トランジスタが、所定幅制限を満たすトランジスタ幅を有し、形成される複数のトランジスタの第2サブセットの各トランジスタが所定幅制限を満たさないトランジスタ幅を有し、第1サブセットおよび第2サブセットは相互に排他的である。該方法が、複数のトランジスタの第2サブセットが形成されるウェルの位置において半導体基板に第2注入が行われ、複数のトランジスタの第1サブセットのトランジスタが形成されるウェルの位置において第2注入が半導体基板に行われないように半導体基板への第2注入を実行することをさらに含む。該方法が、ウェルに複数のトランジスタを形成することをさらに含み、ここで、複数のトランジスタの第1サブセットの各トランジスタのチャネル領域は、第2注入を受け入れた半導体基板の一部分に形成され、複数のトランジスタの第2サブセットの各トランジスタのチャネル領域は、第2注入を受け入れなかった半導体基板の一部分に形成される。該方法は、半導体基板に第2注入を実行することが、第1注入中に注入されるドーパントの導電性タイプと逆導電性タイプを有するドーパントを注入することを含むことにおいてさらに特徴付けされ得る。該方法が、第2注入を実行することの前に、半導体基板の上方にパターン化されたマスク層を形成することをさらに含み、ここで、パターン化されたマスク層が、複数のトランジスタの第1サブセットのトランジスタが形成されるウェルにおける領域を露出し、複数のトランジスタの第2サブセットのトランジスタが形成されるウェルにおける領域を露出しなく、第2注入を実行することが、パターン化されたマスク層を使用して第2注入を実行するする。該方法は、ウェルに複数のトランジスタを形成することの前に、パターン化されたマスク層を除去することをさらに含むということにおいて特徴付けられ得る。該方法が、半導体基板に第2注入を実行することが、第1注入中に注入されるドーパントと同一のドーパントを注入することを含むことにおいてさらに特徴付けられ得る。該方法は、ウェルに複数のトランジスタを形成することが、複数のトランジスタの第1サブセットのトランジスタが第1閾値電圧を有し、複数のトランジスタの第2サブセットのトランジスタが第1閾値電圧より大きな第2閾値電圧を有することにおいてさらに特徴付けられ得る。該方法は、ウェルに複数のトランジスタを形成することが、複数のトランジスタの第1サブセットの各トランジスタが所定のトランジスタ幅より小さな所定幅制限を満たすトランジスタ幅を有し、複数のトランジスタの第2サブセットの各トランジスタが所定のトランジスタ幅より小さくなく、所定幅制限を満たさないトランジスタ幅を有することにおいてさらに特徴付けられ得る。該方法は、ウェルに複数のトランジスタを形成することが、複数のトランジスタの各トランジスタにゲート電極を形成し、各ゲート電極の第1側壁に隣接する第1ソース/ドレイン領域および各電極の第2側壁に隣接する第2ソース/ドレイン領域を形成することをさらに含み、ここで、複数のトランジスタの各トランジスタのチャネル領域は、各トランジスタの第1第2ソース/ドレイン領域と第2ソース/ドレイン領域との間の、トランジスタのゲート電極の下方に配置されることにおいて特徴付けられ得る。該方法は、ウェルに複数のトランジスタを形成することが、トランジスタの第1サブセットの第1トランジスタが複数のトランジスタの第2サブセットの第2トランジスタに直近で隣接し、第1トランジスタおよび第2トランジスタがソース/ドレイン領域を共有することにおいてさらに特徴付けられ得る。該方法は、複数のトランジスタの第1サブセットのトランジスタのチャネル領域の得られるドーパント濃度は、複数のトランジスタの第2サブセットのトランジスタのチャネル領域の得られるドーパント濃度より少ないことにおいて特徴付けられ得る。
【0020】
半導体構造を形成する方法が記載される。該方法が、第1注入を実行して、同一導電性タイプの複数のトランジスタが形成されるウェルを形成することを含み、ここで、形成される複数のトランジスタの第1サブセットの各トランジスタが所定幅より小さなトランジスタ幅を有し、形成される複数のトランジスタの第2サブセットの各トランジスタが所定幅より小さくないトランジスタ幅を有し、第1サブセットおよび第2サブセットは相互に排他的である。該方法が、半導体基板およびウェルの上方にパターン化されたマスク層を形成することをさらに含み、ここで、パターン化されたマスク層が、複数のトランジスタの第1サブセットのトランジスタが形成されるウェルにおける半導体基板の領域を露出し、複数のトランジスタの第2サブセットのトランジスタが形成されるウェルにおける半導体基板の領域を露出しない。該方法が、パターン化されたマスク層によって露出された領域において半導体基板に第2注入が行われるようにパターン化されたマスク層を用いて半導体基板に第2注入への第2注入を実行することをさらに含む。該方法が、パターン化されたマスク層を除去することをさらに含む。該方法が、ウェルに複数のトランジスタを形成することをさらに含み、ここで、複数のトランジスタの第1サブセットの各トランジスタのチャネル領域は、第2注入を受け入れた半導体基板の一部分に形成され、複数のトランジスタの第2サブセットの各トランジスタのチャネル領域は、第2注入を受け入れなかった半導体基板の一部分に形成される。該方法は、第1注入中に注入されるドーパントの導電性タイプと逆の導電性タイプを有するドーパントを注入することにおいてさらに特徴付けされ得る。該方法は、半導体基板に第2注入を実行することが第1注入中に注入されるドーパントと同一のドーパントを注入することを含むことにおいてさらに特徴付けられ得る。該方法は、ウェルに複数のトランジスタを形成することは、複数のトランジスタの第1サブセットのトランジスタが第1閾値電圧を有し、複数のトランジスタの第2複数のトランジスタが第1閾値電圧より大きな第2閾値電圧を有することにおいてさらに特徴付けられ得る。該方法は、ウェルに複数のトランジスタを形成することが、複数のトランジスタの各トランジスタにゲート電極を形成し、各ゲート電極の第1側壁に隣接する第1ソース/ドレイン領域および各ゲート電極の第2側壁に隣接する第2ソース/ドレイン領域を形成することを含み、ここで、複数のトランジスタの各トランジスタのチャネル領域は、トランジスタの第1ソース/ドレイン領域と第2ソース/ドレイン領域との間に、トランジスタのゲート電極の下方に配置されることにおいてさらに特徴付けされ得る。該方法は、ウェルに複数のトランジスタを形成することは、複数のトランジスタの第1サブセットの第1トランジスタが、複数のトランジスタの第2サブセットの第2トランジスタに直近で隣接し、第1トランジスタおよび第2トランジスタがソース/ドレイン領域を共有することにおいて特徴付けされ得る。該方法は、複数のトランジスタの第1サブセットのトランジスタのチャネル領域の得られるドーパント濃度は、複数のトランジスタの第2サブセットのトランジスタのチャネル領域の得られるドーパント濃度より少ないことにおいてさらに特徴付けられ得る。半導体基板が複数のトランジスタをさらに備え、ここで、複数のトランジスタの各々は同一導電性タイプであり、複数のトランジスタがトランジスタの第1サブセットを含み、複数のトランジスタの第1サブセットの各トランジスタが所定幅制限を満たさなく、複数のトランジスタの第1サブセットと相互に排他的な複数のトランジスタの第2サブセットのトランジスタの各々が所定幅制限を満たすトランジスタ幅を有し、複数のトランジスタの第2サブセットの各トランジスタが、追加のドーパントを含むチャネル領域を有する。該半導体構造は、複数のトランジスタの各々のチャネル領域が第1導電性タイプのドーパントを有し、複数のトランジスタの第2サブセットの各々の各チャネル領域の追加のドーパントは第1導電性タイプの逆の第2導電性タイプである。該半導体構造は、複数のトランジスタの第2サブセットの各々のトランジスタ幅は所定のトランジスタ幅より小さく、複数のトランジスタの第1サブセットの各々のトランジスタ幅は所定のトランジスタ幅より小さくないことにおいてをさらに特徴付けられ得る。
【0021】
前述の詳細な説明は、具体的な例示の実施の形態を参照しながら本発明を説明するものである。例えば、小さなチャネル幅トランジスタを逆ドープすることより、より大きなチャネル幅のトランジスタの幅のチャネルにおけるドーピング濃度を増加させる注入を実行してもよい。これにより、駆動電流を減少しつつ、より大きなチャネル幅のトランジスタの漏洩を低減する効果がある。他の実施形態において、NMOSデバイスが使用されるか、または面積または長さのような他の幾何学的制限を使用してもよい。使用される制限は、制限の範囲または組み合わせを含み得る。従って、添付の特許請求の範囲で定義された本発明の範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更が加えられ得ることが理解されよう。詳細な説明及び添付図面は限定するものではなく、単に例と見なされるべきであり、そのような修正又は変更は、すべて本明細書で説明され定義された本発明の範囲内に入るものとする。以上、具体的な実施例に関して、利益、他の利点、及び問題の解決方法について説明してきたが、利益、利点、問題の解決方法、及びこうした利益、利点、問題 の解決方法をもたらし、又はより顕著なものにする構成要素は、全ての請求項又は何れかの請求項において重要とされ、要求され、不可欠とされる機能や構成要 素であると見なされるべきではない。
【0022】
「接続された」という語は必ずしも直接的または間接的に、また機械的に結合する状態を意味するものではない。
特に明記しない限り、「第1」及び「第2」等の用語は、そのような用語が述べる要素間を任意に区別するために用いる。したがって、これらの用語は、必ずしもそのような要素の時間的な又は他の優先順位付けを示そうとするものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造を形成する方法であって、
半導体基板への第1注入を実行して、同一導電性タイプの複数のトランジスタが形成されるウェルを形成することであって、形成される前記複数のトランジスタの第1サブセットの各トランジスタが所定幅制限を満たすトランジスタ幅を有し、形成される前記複数のトランジスタの第2サブセットの各トランジスタが前記所定幅制限を満たさないトランジスタ幅を有し、前記第1サブセットおよび前記第2サブセットは相互に排他的である、前記第1注入を実行すること、
前記複数のトランジスタの前記第2サブセットのトランジスタが形成される前記ウェルの位置において前記半導体基板に第2注入が行われ、前記複数のトランジスタの前記第1サブセットのトランジスタが形成される前記ウェルの位置において前記第2注入が前記半導体基板に行われないように前記半導体基板への前記第2注入を実行すること、
前記ウェルに前記複数のトランジスタを形成することであって、前記複数のトランジスタの前記第1サブセットの各トランジスタのチャネル領域は、第2注入を受け入れた前記半導体基板の一部分に形成され、前記複数のトランジスタの前記第2サブセットの各トランジスタのチャネル領域は、第2注入を受け入れなかった前記半導体基板の一部分に形成される、前記複数のトランジスタを形成すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記半導体基板に前記第2注入を実行することは、
前記第1注入中に注入されるドーパントの導電性タイプの逆導電性タイプを有するドーパントを注入することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2注入を実行することの前に、前記半導体基板の上方にパターン化されたマスク層を形成することであって、前記パターン化されたマスク層が、前記複数のトランジスタの前記第1サブセットのトランジスタが形成される前記ウェルにおける領域を露出し、前記複数のトランジスタの前記第2サブセットのトランジスタが形成される前記ウェルの領域を露出しない、前記パターン化されたマスク層を形成することを備え、
前記第2注入を実行することが前記パターン化されたマスク層を使用して前記第2注入を実行することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ウェルに前記複数のトランジスタを形成することの前に前記パターン化されたマスク層を除去することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記半導体基板に前記第2注入を実行することは、
前記第1注入中に注入されるドーパントと同一のドーパントを注入することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ウェルに前記複数のトランジスタを形成することは、前記複数のトランジスタの前記第1サブセットのトランジスタが第1閾値電圧を有し、前記複数のトランジスタの前記第2サブセットのトランジスタが前記第1閾値電圧より大きな第2閾値電圧を有することにおいて特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ウェルに前記複数のトランジスタを形成することは、前記複数のトランジスタの前記第1サブセットの各トランジスタが所定のトランジスタ幅より小さな前記所定幅制限を満たすトランジスタ幅を有し、前記複数のトランジスタの前記第2サブセットの各トランジスタが前記所定のトランジスタ幅より小さくなく、かつ前記所定幅制限を満たさないトランジスタ幅を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ウェルに前記複数のトランジスタを形成することは、
前記複数のトランジスタの各トランジスタにゲート電極を形成すること、
前記各ゲート電極の第1側壁に隣接する第1ソース/ドレイン領域および前記各ゲート電極の第2側壁に隣接する第2ソース/ドレイン領域を形成することであって、前記複数のトランジスタの各トランジスタの前記チャネル領域は、前記各トランジスタの前記第1ソース/ドレイン領域と第2ソース/ドレイン領域との間の前記トランジスタの前記ゲート電極の下方に配置される、前記第1および第2ソース/ドレイン領域を形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ウェルに前記複数のトランジスタを形成することは、前記複数のトランジスタの前記第1サブセットの第1トランジスタが前記複数のトランジスタの前記第2サブセットの第2トランジスタに直近で隣接し、前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタがソース/ドレイン領域を共有することにおいて特徴付けられる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ウェルに前記複数のトランジスタを形成することは、前記複数のトランジスタの前記第1サブセットのトランジスタの前記チャネル領域の得られるドーパント濃度は、前記複数のトランジスタの前記第2サブセットのトランジスタの前記チャネル領域の得られるドーパント濃度より少ない、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
半導体基板を形成する方法であって、
半導体基板への第1注入を実行して、同一導電性タイプの複数のトランジスタが形成されるウェルを形成することであって、形成される前記複数のトランジスタの第1サブセットの各トランジスタは所定幅より小さなトランジスタ幅を有し、形成される前記複数のトランジスタの第2サブセットの各トランジスタは前記所定幅より小さなくないトランジスタ幅を有し、前記第1サブセットおよび前記第2サブセットは相互に排他的である、前記第1注入を実行すること、
前記半導体基板および前記ウェルの上方にパターン化されたマスク層を形成することであって、前記パターン化されたマスク層が、前記複数のトランジスタの前記第1サブセットのトランジスタが形成される前記ウェルにおける前記半導体基板の領域を露出し、前記複数のトランジスタの前記第2サブセットのトランジスタが形成される前記ウェルにおける前記半導体基板の領域を露出しない、前記パターン化されたマスク層を形成すること、
前記パターン化されたマスク層によって露出された領域において前記半導体基板に第2の注入が行われるように前記パターン化されたマスク層を用いて前記半導体基板への前記第2注入を実行すること、
前記パターン化されたマスク層を除去すること、
前記ウェルに前記複数のトランジスタを形成することであって、前記複数のトランジスタの前記第1サブセットの各トランジスタのチャネル領域は、前記第2注入を受け入れた前記半導体の一部分に形成され、前記複数のトランジスタの前記第2サブセットの各トランジスタのチャネル領域は、前記第2注入を受け入れなかった前記半導体基板の一部分に形成される、前記複数のトランジスタを形成すること、
を含む、方法。
【請求項12】
前記半導体基板への前記第2注入を実行することが、
前記第1注入中に注入されるドーパントの導電性タイプと逆導電性タイプを有するドーパントを注入することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記半導体基板への前記第2注入を実行することが、
前記第1注入中に注入されるドーパントと同一のドーパントを注入することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ウェルに前記複数のトランジスタを形成することは、前記複数のトランジスタの第1サブセットのトランジスタが第1閾値電圧を有し、前記第2サブセットのトランジスタが、前記第1閾値電圧より大きな第2閾値電圧を有することにおいてさらに特徴付けられる、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ウェルに前記複数のトランジスタを形成することは、
前記複数のトランジスタの各トランジスタにゲート電極を形成すること、
前記各ゲート電極の第1側壁に隣接する第1ソース/ドレイン領域および前記各ゲート電極の第2側壁に隣接する第2ソース/ドレイン領域を形成することであって、前記複数のトランジスタの前記各トランジスタの前記チャネル領域は、前記トランジスタの前記第1ソース/ドレイン領域と前記第2ソース/ドレイン領域との間の前記トランジスタのゲート電極の下方に配置されること、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記ウェルに前記複数のトランジスタを形成することは、前記複数のトランジスタの前記第1サブセットの第1トランジスタが前記複数のトランジスタの第2サブセットの第2トランジスタに直近で隣接し、前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタがソース/ドレイン領域を共有することにおいてをさらに特徴付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ウェルに前記複数のトランジスタを形成することは、前記複数のトランジスタの前記第1サブセットの前記トランジスタの前記チャネル領域の得られるドーパント濃度は、前記複数のトランジスタの前記第2サブセットの前記トランジスタの前記チャネル領域の得られるドーパント濃度より少ないことにおいてさらに特徴付けられる、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
半導体構造であって、
ウェルと、
前記ウェル内に形成される複数のトランジスタと、を備え、
前記複数のトランジスタの各々は同一導電性タイプであり、
前記複数のトランジスタは、
第1サブセットのトランジスタであって、前記第1サブセットのトランジスタの各々が、所定幅制限を満たさないトランジスタ幅を有する、前記第1サブセットのトランジスタと、
前記第1サブセットのトランジスタと相互に排他的である第2サブセットのトランジスタであって、前記第2サブセットのトランジスタの各々が、前記所定幅制限を満たすトランジスタ幅を有し、前記第2サブセットのトランジスタの各々が、
前記第2サブセットのトランジスタのチャネル領域と比較して追加のドーパントを含むチャネル領域を有する、第2サブセットのトランジスタと、
を備える、半導体構造。
【請求項19】
前記複数のトランジスタの各々の前記チャネル領域が、第1導電性タイプのドーパントを有し、前記第2サブセットのトランジスタの各チャネル領域における追加のドーパントは、前記第1導電性タイプと逆の第2導電性タイプである、請求項18に記載の半導体構造。
【請求項20】
前記第2サブセットのトランジスタの各トランジスタのトランジスタ幅は、所定のトランジスタ幅より小さく、前記第1サブセットのトランジスタの各々のトランジスタ幅は所定のトランジスタ幅より小さくない、請求項18に記載の半導体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−46061(P2013−46061A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−169552(P2012−169552)
【出願日】平成24年7月31日(2012.7.31)
【出願人】(504199127)フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド (806)
【Fターム(参考)】