集積回路装置、電気光学装置および電子機器
【課題】点順次駆動に対応した液晶駆動用ICに搭載されるメモリの高さを低減し、かつ、メモリの高速化、低消費電力化ならびに自由度の高い読出しを無理なく実現する。
【解決手段】メモリを有する集積回路装置は、第1のメモリセル群MC1〜MC120または第2のメモリセル群MC121〜MC240の各々に記憶されているデータを一括してラッチする第1のラッチ回路LA1と、第1のラッチ回路に格納されているデータを一括してラッチする第2のラッチ回路LA2と、第1のラッチ回路から第2のラッチ回路へのデータの転送を制御するための転送制御回路301と、第1のラッチ回路または第2のラッチ回路から、データをカラム単位で出力させるためのカラム出力制御回路303と、転送制御回路およびカラム出力制御回路の動作を制御する読出し制御回路と、を有する。
【解決手段】メモリを有する集積回路装置は、第1のメモリセル群MC1〜MC120または第2のメモリセル群MC121〜MC240の各々に記憶されているデータを一括してラッチする第1のラッチ回路LA1と、第1のラッチ回路に格納されているデータを一括してラッチする第2のラッチ回路LA2と、第1のラッチ回路から第2のラッチ回路へのデータの転送を制御するための転送制御回路301と、第1のラッチ回路または第2のラッチ回路から、データをカラム単位で出力させるためのカラム出力制御回路303と、転送制御回路およびカラム出力制御回路の動作を制御する読出し制御回路と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリを有する集積回路装置、電気光学装置および電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリクス型液晶装置の駆動方式として点順次駆動方式を採用する場合、線順次駆動方式を採用する場合に比べて、駆動回路をより高速に動作させる必要がある。なお、線順次駆動方式とは、選択されている1行(1走査線)に接続される複数の画素の各々を一括して駆動する駆動方式であり、点順次駆動方式とは、選択されている1行(1走査線)に接続される複数の画素の各々を、画素毎に時分割で順次駆動する駆動方式である。
【0003】
点順次駆動に対応したアクティブマトリクス型液晶装置は、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1の技術では、ビデオ線を通してシリアル入力されるアナログ映像信号を、ビデオ線と信号線の各々との間に接続された水平スイッチによって1水平走査期間にわたって順次サンプリングし、このサンプリングした映像信号を、選択行に接続される複数の画素の各々に、対応するデータ線を介して時分割で順に書き込んでいる。
【特許文献1】特開2002−23683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術のように、映像信号を直接的にサンプリングせずに、一旦、画像メモリに格納する構成を採用すると、メモリからの画像データの読出し速度を調整することによって、入力映像信号の周波数と液晶パネルの動作周波数との整合をとり易くなり、また、例えば、スロー再生等の特殊表示モード等にも対応することができる。
【0005】
但し、液晶装置の点順次駆動に対応しようとすると、1行(1走査線)分の画素の画像データを時分割で高速に出力しなくてはならず、メモリへの画像データの書込み/読出しを高速に実行しなくてはならず、このことが回路の負担となる。
【0006】
また、メモリの高速動作を実現しようとすると、動作クロックの周波数が高くなり、これに伴って消費電力が増大する。一方、例えば、液晶装置が携帯端末に搭載される場合、バッテリーの消耗を抑制するために、液晶駆動用IC(集積回路装置)の低消費電力化が厳しく求められる。つまり、点順次駆動に対応したメモリの消費電力の増大は、携帯端末等における低消費電力化の要請に反することになり、改善が求められる。
【0007】
また、メモリを携帯端末(例えば、携帯電話端末)に搭載する場合を考えると、携帯端末の筐体の横方向の幅が、例えば、搭載する液晶パネルの横幅に応じて決まり、それ以上のサイズ縮小が困難な場合がある。一方、縦方向には制限がない場合、携帯端末に搭載されるメモリの縦方向のサイズ(高さ)を縮小できれば、その分、携帯端末の筐体の縦のサイズの縮小が実現され、携帯端末の小型化、低コスト化を促進することができる。
【0008】
本発明は、このような考察に基づいてなされたものである。本発明の少なくとも一つの態様によれば、例えば、点順次駆動に対応した液晶駆動用ICに搭載されるメモリの高さを低減し、かつ、メモリの高速化、低消費電力化ならびに自由度の高い読出しを無理なく実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明の集積回路装置の一態様では、第1のワード線に接続される第1のメモリセル群と、第2のワード線に接続される第2のメモリセル群と、前記第1のメモリセル群に含まれる複数のメモリセルの各々に記憶されているデータまたは前記第2のメモリセル群に含まれる複数のメモリセルの各々に記憶されているデータを一括してラッチする第1のラッチ回路と、前記第1のラッチ回路に格納されているデータを一括してラッチする第2のラッチ回路と、前記第1のラッチ回路と前記第2のラッチ回路の間に設けられ、前記第1のラッチ回路から前記第2のラッチ回路へのデータの転送を制御するための転送制御回路と、前記第1のラッチ回路または前記第2のラッチ回路から、データをカラム単位で出力させるためのカラム出力制御回路と、前記転送制御回路および前記カラム出力制御回路の動作を制御する読出し制御回路と、を有する。
【0010】
本態様では、1本のワード線に接続される複数のメモリセルから並行的に一括してデータを読み出してラッチ回路にラッチするため、各メモリセルへのアクセス毎にワード線を立ち上げる方式に比べて、メモリ(RAM)におけるライン駆動(消費電流大)の総数を減らすことができる。また、ラッチ回路は容量が小さく、構成も簡単であり、ラッチ回路からのデータの読出しは低パワーで行うことができる。よって、回路の低消費電力化を無理なく実現することができる。また、ラッチ回路の容量はメモリ全体の容量に比べて格段に少なく、簡単な構成であるため、高速な時分割方式の読出しを無理なく実現できる。また、2段のラッチ回路を設けているため、例えば、異なるワード線に接続されるメモリセルのデータを2段のラッチの少なくとも一方に蓄積した後に、ラッチされたデータをカラム単位で時分割で出力するという読出し方式を採用することができる。2段のラッチ回路を有していれば、2本のワード線分の画像データをラッチできるため、あとは、自由に画像データを読み出せばよい。例えば、アクセス毎に異なるワード線に接続されるメモリセルに格納されていたデータを取り出すような場合でも、何ら不都合は生じない。つまり、2段のラッチ回路をもつことによって、低消費電力化が可能であり、かつ、読出しの自由度も向上する。
【0011】
(2)本発明の集積回路装置の他の態様では、前記メモリは、点順次駆動される画像表示部の画素の各々に供給する画像データを記憶する画像メモリであり、前記画像表示部における1行分の画像データが複数のデータ群に分割され、分割されたデータ群の一つが前記第1のメモリセル群に格納され、分割された他のデータ群が前記第2のメモリセル群に格納される。
【0012】
画像表示部における1行(1走査線)分の画像データを、複数本のワード線の各々に接続されるメモリセル群に分割して格納する方式を採用することによって、1本の長いワード線に接続される複数のメモリセルに格納する場合に比べて、1本のワード線の長さを短くすることができる。よって、メモリのサイズ(高さ)を縮小することができる。よって、液晶駆動用ICの小型化、ローコスト化が実現される。
【0013】
(3)本発明の集積回路装置の他の態様では、前記第1のラッチ回路は、1つのメモリセルに対応するビット線の電圧を増幅してラッチするラッチ型センスアンプを構成する。
【0014】
本態様では、ラッチ回路がラッチ型センスアンプを構成する。センスアンプとしてラッチ型センスアンプを採用することによって、ラッチを別にもう1個設ける必要がなくなる。
【0015】
(4)本発明の集積回路装置の他の態様では、前記読出し制御回路は、カラムアドレス信号に基づいて、前記カラム出力制御回路のオン/オフを制御するためのカラム出力制御信号を生成する。
【0016】
例えば、表示パネルのニーズによって、画像データの全部(または一部)のレベルを強制的に固定しなければならない場合がある。このような場合、画像データのレベルの強制固定をメモリ側において実現できれば、表示パネル側の負担が軽減され、表示パネル側の占有面積の低減に役立つ。そこで、メモリに、読出しデータのレベルを強制的に固定するための出力レベル制御回路を設けるものである。
【0017】
(5)本発明の集積回路装置の他の態様では、前記読出し制御回路は、カラムアドレス信号および前記画像表示部における表示を制御するための画像表示制御信号に基づいて、前記カラム出力制御回路のオン/オフを制御するためのカラム出力制御信号を生成する。
【0018】
列(カラム)単位の時分割の読み出しのための読出し制御信号として、カラムアドレス信号および画像表示部における表示を制御する画像表示制御信号とを組み合わせて使用するものである。例えば、メモリ側から画像表示部に対して、RGBの各色毎に複数ビットの画像データを送出することができる場合、例えば、表示色選択信号とカラムアドレス信号の組み合わせによって、色毎のデータを時分割で読み出すことができる。
【0019】
(6)本発明の集積回路装置の他の態様では、前記読出し制御回路は前記カラム出力制御信号を生成する際に、前記カラム出力制御信号の発生タイミングを所定時間だけ遅延させる。
【0020】
時分割読出しの周波数が高速すぎると、読出しデータを受ける側の回路の負担が大きくなるため、カラム出力制御信号の発生タイミングに一定の遅延を与え、読出しデータを受け取る側の回路の負担を軽減するものである。
【0021】
(7)本発明の集積回路装置の他の態様では、前記カラム出力制御回路の次段に設けられたリセット制御回路を、さらに有し、前記リセット制御回路の動作は、前記読出し制御回路から出力されるリセット制御信号によって制御され、前記読出し制御回路は、カラムの切り換えの際に、前記リセット制御信号のレベルを、所定時間だけ所定レベルに固定して、読出しデータの競合を防止するためのリセット期間を設ける。
【0022】
カラムを切り換える際に、回路の遅延等に起因して複数の読出しデータの競合が生じると、複数のアンプが、例えばバスを介して相互に接続されて、不要な貫通電流が流れるという不都合が生じる。そこで、カラム出力制御回路の次段にリセット制御回路を設け、カラム切り換え時(すなわち、出力データの切り換え時)に、リセット制御信号をすべて初手時間だけ所定レベル(非アクティブレベル)に固定してリセット期間を設ける。リセット期間には、例えば、バスに接続される出力段のバッファがオフし、読出しデータのバスへの出力が禁止される。これによって、出力データの複数のアンプがバスに同時につながることを確実に回避することができ、不要な貫通電流の発生を確実に防止することができる。
【0023】
(8)本発明の集積回路装置の他の態様では、前記カラム出力制御回路を経由してカラム単位で読み出された前記データのレベルを強制的に固定するための出力レベル制御回路を、さらに有する。
【0024】
例えば、表示パネルのニーズによって、画像データの全部(または一部)のレベルを強制的に固定しなければならない場合がある。このような場合、画像データのレベルの強制固定をメモリ側において実現できれば、表示パネル側の負担が軽減され、表示パネル側の占有面積の低減に役立つ。そこで、メモリに、読出しデータのレベルを強制的に固定するための出力レベル制御回路を設けるものである。
【0025】
(9)本発明の集積回路装置の他の態様では、前記メモリは、前記メモリへの前記データの書き込みアクセスと、前記メモリからの前記データの読み出しアクセスとが競合しないようにアクセスタイミングを制御する調停回路を、さらに有する。
【0026】
CPUからメモリへのライトアクセスと、メモリから画像表示部に向けたリードアクセスとを並行的に行えるようにすることによって、効率的なメモリアクセスを実現することができる。すなわち、画像表示部への画像データの供給のために選択されている行(1走査線)とは異なる他の行の画素について、CPU側から並行的に画像データを書き込むことができれば、メモリには、表示に必要な分の画像データを格納しておけば足りることになり余分なメモリ容量が不要となり、また、書込みと読み出しが高速に並行的に行われれば、リアルタイムに近い画像表示も可能となる。この場合、CPU側からのライトアクセスと、画像表示部に向けたリードアクセスとが競合しないように調停回路によって調停を行う必要があるが、本発明の場合、メモリからの例えば1行分の画像データの並行的な読み出し(ライン駆動)が終われば、CPU側からのライトアクセスには影響がなくなり、調停回路は動作する必要がなくなる。すなわち、本発明によれば、調停回路の回路動作の条件を絞り込むことができるため、無理なく高速動作を実現することができる。
【0027】
(10)本発明の電気光学装置は、本発明のいずれかの態様の集積回路装置を搭載する。
【0028】
本発明のいずれかの態様の集積回路装置は、小型であり、かつ低消費電力性に優れる。よって、本発明のいずれかの態様の集積回路装置を搭載する電気光学装置(液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ、その他の表示装置を含む)においても、小型化ならびに省電力化が可能である。
【0029】
(11)本発明の電子機器は、本発明の電気光学装置を搭載する。
【0030】
本発明のいずれかの態様の集積回路装置は、小型であり、かつ低消費電力性に優れる。よって、電子機器においても、小型化ならびに省電力化が可能である。例えば、フルカラーの高精細画像の表示が可能な小型、軽量の携帯端末において、バッテリーの消耗を抑制することが可能となり、電子機器の利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0032】
(第1の実施形態)
まず、メモリを搭載する集積回路装置の一例の全体構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る集積回路装置の構成を示すブロック図である。本実施形態は、本発明を液晶駆動用ICに適用したものである。図1に示すように、液晶駆動用IC200は、CPU100及びLCDパネル300に接続されて使用される。液晶駆動用IC200は、CPU100との接続に使用されるCPUインタフェース210と、CPU100から入力されるデータを記憶する、例えばSRAM型のメモリセルアレイ220と、LCDパネル300との接続に使用されるLCDインタフェース230と、CPU100からの信号に基づいてメモリセルアレイ220を制御するCPU系制御回路240と、液晶駆動用IC200に内蔵されている発振回路から出力される発振信号に基づいて、毎秒60フレームの割合でLCDパネル300に供給すべきデータの読出し要求信号を生成するタイミング発生回路250と、タイミング発生回路250からの読出し要求信号に基づいてメモリセルアレイ220を制御する表示系制御回路260とを有している。
【0033】
メモリセルアレイ220には、書込み/読出し制御回路(CPU側)42と、読出し制御回路43と、が設けられている。また、図1においては、メモリセルアレイ220と、CPU系制御回路240と、タイミング発生回路250と、表示系制御回路260と、がメモリ(RAM)40の構成要素となる。但し、これは一例であり、メモリに含まれる回路要素は、これに限定されるものではない。
【0034】
液晶駆動用IC200には、CPU100から、データの他に、書込み/読出し要求(CPUアクセス)信号CPUA、書込みモード信号WM、読出しモード信号RM等の各種の信号が入力される。CPU系制御回路240には、書込み/読出し要求信号CPUA、書込みモード信号WM、及び、読出しモード信号RMのほか、表示系制御回路260から表示データ読出し制御信号LREが入力される。CPU系制御回路240は、書込み/読出し要求信号CPUA、書込みモード信号WM、及び、表示データ読出し制御信号LREに基づいて書込み制御信号WEを生成すると共に、書込み/読出し要求信号CPUA、読出しモード信号RM、及び、表示データ読出し制御信号LREに基づいて読出し制御信号REを生成し、これらの制御信号をメモリセルアレイ220に供給する。
【0035】
メモリセルアレイ220においては、これらの制御信号に基づいて、CPU100から順次入力される書き込み用のデータWDが書き込まれ、メモリセルアレイ220からデータが読み出され、読み出されたデータRDがCPU100に順次出力される。なお、書込み制御信号WE又は読出し制御信号REに基づいて行われるメモリセルアレイ220へのデータの書き込み又はメモリセルアレイ220からのデータの読み出しをCPU系アクセスと呼ぶ場合がある。
【0036】
表示系制御回路260には、CPU100から書込み/読出し要求信号CPUAが、CPU系制御回路240から書込み制御信号WE及び読出し制御信号REが、タイミング発生回路25から表示データ読出し要求信号/LRが、それぞれ入力される。表示系制御回路260は、これらの信号に基づいて、表示データ読出し制御信号LREを生成し、メモリセルアレイ220に供給する。
【0037】
メモリセルアレイ220においては、表示データ読出し制御信号LREに基づいて、表示データが読み出され、読み出された表示データLRDがLCDインタフェース230に出力される。LCDインタフェース230は、表示データLRDに基づいて複数の駆動信号を生成し、LCDパネル300の複数のセグメントにそれぞれ出力する。なお、表示データ読出し制御信号LREに基づいて行われるメモリセルアレイ220からのデータの読み出しを表示系アクセスと呼ぶ場合がある。
【0038】
(メモリセルの構成例)
図2は、本実施形態において用いられるメモリセルアレイの構成の一例を示す図である。図2に示すメモリセル(MCn)は、2個のインバータ(INV1,INV2)からなるフリップフロップと、トランスファーゲート(QN1,QN2)と、を含む。QLはワード線であり、DLna,DLnbは、一対のデータ線(データ線対)である。ワード線QLは、ワード線ドライバ44によって駆動される。メモリセル(MCn)には、書込み/読出し回路(CPU側)42から一対のビット線DLna,DLnbを経由して表示用の画像データの書き込み等がなされる。また、CPU100からのアクセスと併行して、LCDパネル300への画像データの読み出しができるように、書込み/読出し回路(CPU側)42とは別に、読出し回路(LCD側)43が設けられている。読出し回路(LCD側)43の動作は、上述のとおり、表示系制御回路260からの表示データ読出し制御信号LREによって制御される。
【0039】
(液晶表示モジュールの構成例)
次に、図1に示す液晶駆動用IC200を搭載する液晶表示モジュールの全体構成について説明する。図3は、液晶表示モジュールの構成例を示す図である。図3の液晶表示モジュール30は、液晶駆動用IC200(例えば、図1に示されるシステム構成をもつ)と、LCDパネル(画像表示部)300と、ガラス基板30とを含んでいる。LCDパネル300は、例えば、320×240個の画素を有するQVGA(quarter video graphics array)タイプのパネルである。
【0040】
ガラス基板30上には、透明なセグメント配線LS1〜LS320とコモン配線LC1〜LC240とが形成されている。セグメント配線LS1〜LS320の各々は、LCDパネル20上に形成されたデータ線DL1〜DL320に接続され、コモン配線LC1〜LC240の各々は、走査線WL1〜WL240の各々に接続される。なお、PT1〜PTn、PC1〜PC240、PS1〜PS320は各々、接続端子を示す。なお、この構成は一例であり、この構成に限定されるものではない。
【0041】
(液晶駆動用ICの内部構成の一例)
図4は、図3に示される液晶駆動用ICの内部の構成の一例を示す図である。図示されるように、液晶駆動用IC200は、メモリ(RAM)40と、制御回路としてのゲートアレイ(GA)31と、電源部14と、データ線ドライバ11と、走査線ドライバ12a,12bと、を有する。図4の走査線ドライバ12a,12bならびにデータ線ドライバ11は、図1におけるLCDインタフェース230に相当する。また、図1のCPUインタフェース210は、例えば、図4のゲートアレイ(GA)31内に設けられる。
【0042】
(点順次駆動に対応したRAMの構成の概要)
本実施形態の液晶駆動用IC200に搭載されるメモリ(RAM)40は、LCDパネル300の点順次駆動に対応可能である。なお、点順次駆動は、LCDパネル300の1行分の画素の各々毎にリードアクセス/ライトアクセスを行う駆動方式である。点順次駆動に対応するためんに、メモリ(RAM)40は、1画素単位の画像データを時分割で出力することができる。線順次駆動の場合、1行に含まれる画素の画像データを一括して供給する必要があり、配線が複雑化する。液晶表示装置等の電気光学装置の駆動方式として点順次駆動を採用することによって、フルカラーの画像データを表示部(図1のLCDパネル300)に供給するための伝送系が大幅に簡略化され、回路の簡素化による実装面積の削減を図ることができる。
【0043】
また、本実施形態のメモリでは、液晶パネル(図1の参照符号300)の1行分(1走査線分)の画像データを2行(2ワード線)に分けて記憶する構成とし、これによって、メモリの縦方向(高さ方向)のサイズを縮小し、コストダウンを実現する。以下、図5を参照して、具体的に説明する。
【0044】
図5は、液晶パネルの1行分の画像データを2行に分けて記憶する構成をもつメモリの構成およびデータ読出し回路の概要を説明するための図である。240×320画素をもつQVGAタイプの液晶パネル用の画像データを記憶するメモリは、例えば、図5(A)のようなメモリセル構成によって実現できる。図5(A)のメモリは、320本のワード線(QL0・・・QL319)を有し、一本のワード線QL0には、240個のメモリセル(MC1〜MC240)が接続される。
【0045】
ここで、図5(A)のメモリを携帯端末(例えば、携帯電話端末)に搭載する場合を考える。液晶駆動用ICの横方向の幅は、搭載する液晶パネルの横幅に応じて決まるため、それ以上のサイズ縮小は困難である。一方、縦方向には制限がないため、例えば、携帯端末に搭載されるメモリ(RAM)40の縦方向のサイズ(チップの高さ)を縮小できれば、その分、携帯端末の筐体の縦のサイズの縮小に貢献でき、携帯端末の小型化、低コスト化が可能である。
【0046】
そこで、本実施形態では、メモリ(RAM)40の構成として、図5(B)のような構成を採用する。図5(B)のメモリ(RAM)40は、液晶パネルにおける1行(1走査線)分の画像データを、2本のワード線に分けて記憶する。すなわち、図5(B)において、半分のメモリセル(MC1〜MC120)はワード線QL1に接続され、残りの半分のメモリセル(MC121〜MC240)はワード線QL2に接続される。図5(B)の構成では、2本のワード線(QL1,QL2)が、図5(A)の1本のワード線(QL0)に相当する。図5(B)のメモリ構成を採用すると、図5(A)のメモリに比べて、縦方向のサイズ(チップの高さ)を約半分にすることができる。これによって、上述のように、液晶駆動用ICの縦のサイズの縮小が実現され、液晶駆動用ICの小型化、低コスト化が可能となる。
【0047】
但し、図5(B)のような構成をとる場合、画像データをどのように読み出すかが問題となる。特に、点順次駆動に対応するためには、メモリ(RAM)40から、各画素のデータを時分割で高速に出力する必要があり、かつ、携帯端末等に搭載される場合には低消費電力性が厳しく要求される。よって、高速性ならびに低消費電力の双方を実現しつつ、図5(B)の構成のメモリ(RAM)40から、データを無理なく読み出すことが求められる。
【0048】
そこで、本実施形態では、図5(C)に示すような、2段積みのラッチ回路を有する読み出し回路によって、カラム単位でデータを読み出す。図5(C)の読み出し回路は、第1のラッチ回路LA1と、第2のラッチ回路LA2と、ラッチ回路間の転送を制御するための転送制御回路301(具体的には、転送制御スイッチSW10を含む)と、2つのラッチ回路からのカラム単位の時分割のデータ出力を制御するためのカラム出力制御回路303(具体的には、2つのカラム出力制御スイッチSW20,SW30を含む)と、出力バッファ91と、を有している。第1および第2のラッチ回路(LA1,LA2)は各々、少なくとも1本のワード線に接続される120個のメモリセルの記憶データを格納するだけのラッチ容量を有する。
【0049】
図5(C)の読み出し回路は以下のように動作する。転送制御回路301に含まれる転送制御スイッチSW10およびカラム出力制御回路303に含まれる2つのカラム出力制御スイッチSW20,SW30を共にオフした状態で、まず、ワード線QL1に接続される複数のメモリセル(MC1〜MC120)の各々に記憶されているデータを、第1のラッチ回路LA1に並行的に、一括して読み出してラッチする(手順A1)。次に、転送制御スイッチSW10をオン状態とし、第1のラッチLA1に格納されているデータの各々を、第2のラッチ回路LA2に並行的に一括して転送する(手順A2)。次に、転送制御スイッチSW10をオフした後、ワード線QL2に接続される複数のメモリセル(MC121〜MC240)の各々に記憶されているデータを、第1のラッチ回路LA1に並行的に、一括して読み出してラッチする(手順A3)。次に、例えば、カラム出力制御回路303に含まれる一方のカラム出力制御スイッチSW20をオン状態として、第2のラッチ回路LA2に格納されている複数のデータの各々を、時分割でカラム単位で読み出し、出力バッファ91を経由してバス(図5(C)では不図示)に出力する。次に、カラム出力制御スイッチSW20をオフ状態とし、カラム出力制御スイッチSW30をオン状態とし、第1のラッチ回路LA1に格納されている複数のデータの各々を、時分割でカラム単位で読み出し、出力バッファ91を経由してバス(図5(C)では不図示)に出力する。
【0050】
このような読み出し方式を採用する理由は以下のとおりである。すなわち、点順次駆動に対応するためには、カラム単位(画素単位)がデータを時分割で高速に読み出して液晶パネル側に供給する必要がある。一方、メモリ(RAM)40からデータを読み出す際に
メモリセル毎にデータを読み出すと、センスアンプを経由した読み出しの回数が増え、読出しの高速化には限界がある。また、メモリ(RAM)40の容量が大きいことから、メモリセル毎にデータを読出す場合には、データの読み出し時における消費電力が大きくなり、低消費電力化の点でも限界がある。
【0051】
そこで、1ワード線(1ライン)分のデータを並行的に(一括して)読み出してラッチ回路にラッチし、その後、ラッチ回路から、時分割でデータを個別に取り出す方式を採用する。このようにすれば、ラッチ回路にデータをラッチするときのみセンスアンプは動作するが、ラッチ回路にデータが格納された後は、センスアンプは動作する必要がない。
【0052】
また、2つのラッチ回路(LA1,LA2)の各々は、1ワード線分のデータを蓄積できればよい。すなわち、2つのラッチ回路によって、合計で1行(1ROW)分のデータをラッチできればよい。よって、ラッチ回路(LA1,LA2)の容量は、メモリ(RAM)40の容量に比較してはるかに小さくて済む。よって、ラッチ回路(LA1,LA2)から、カラム単位でデータを読み出す際、読出しクロックの周波数を容易に高めることができ、高速化が可能であり、かつ、消費電力も低減することができる。
【0053】
また、図5(C)のように、2段積みのラッチ(LA1,LA2)を設ける構成は、ラッチを1段しか設けない構成に比べて、低消費電力化ならびに読出しの自由度の向上に有利である。この点について、図5(D)を用いて説明する。図5(D)では、ワード線QL1に接続されるメモリセルには、R1,G1,B1の各色の画像データが格納されているものとし、同様に、ワード線QL2に接続されるメモリセルには、R2,G2,B2の各色の画像データが格納されているものとする。ここで、画像データの取り出し順序が、R1,R2,G1,G2,B1,B2であるとする。このような読み出しでは、アクセス毎に、異なる行のメモリセルへのアクセスが発生する。このとき、1段のラッチしかもたない構成では、結局、異なるワード線(QL1,QL2)に接続されるメモリセルに交互にアクセスする必要が生じ、回路動作が多くなる分、消費電力が増大し、読出し速度も低下する。図5(C)のように、2段のラッチ回路(LA1,LA2)を有していれば、2本のワード線分の画像データをラッチできるため、あとは、自由に画像データを読み出せばよい。つまり、アクセス毎に、異なるワード線に接続されるメモリセルに格納されていたデータを取り出す場合でも、何ら不都合は生じない。よって、2段ラッチをもつ構成は、低消費電力化や読出しの自由度の向上の点で有利である。
【0054】
(読出し回路の構成と動作の一例)
図6(A)〜図6(D)は、読出し回路の具体例の構成と動作の概要を示す図である。図6では、一対のビット線(BLa,BLb)に対応した回路構成のみを示している。図示されるように、ワード線QL1およびビット線(BLa,BLb)には、メモリセルMC1が接続されている。ワード線QL2およびビット線(BLa,BLb)には、メモリセルMC2が接続されている。また、第1のラッチ回路LA1および第2のラッチ回路LA2が設けられている。また、読出したデータ(RDL)を出力するための出力バッファ91が設けられている。第1のラッチ回路LA1から第2のラッチ回路LA2へのデータ転送は、転送制御スイッチSW10によって制御される。また、第1のラッチ回路LA1からのデータの読出しは、カラム出力制御スイッチSW30によって制御される。第2のラッチ回路LA2からのデータの読出しは、カラム出力制御スイッチSW20によって制御される。上述のとおり、転送制御スイッチSW10は転送制御回路301を構成し、また、カラム出力制御スイッチSW20およびSW30は、カラム出力制御回路303を構成する。
【0055】
以下、読出し動作の一例について、順を追って説明する。図6(A)に示すように、まず、メモリセルMC1から、第1のラッチ回路LA1にデータ(DA1)が転送される(ワード線QL1に接続されるメモリセルからの並行的な(一括の)読み出し)。次に、図6(B)に示すように、第1のラッチ回路LA1のデータ(DA1)を、第2のラッチ回路LA2に転送する。次に、図6(C)に示すように、メモリセルMC2に記憶されているデータ(DA2)を、第1のラッチ回路LA1に転送する。これによって、2本のワード線(QL1,QL2)に接続されるメモリセル(MC1,MC2・・・)のデータがラッチされた状態となる。次に、図6(D)のように、第1のラッチ回路LA1および第2のラッチ回路LA2からデータを時分割で読み出す。第2のラッチ回路LA2からデータ(DA1)を読み出すときは、転送制御スイッチSW10はオフ状態であり、カラム出力制御スイッチSW20およびSW30は各々、実線で示す状態になる。第1のラッチ回路LA1からデータ(DA2)を読み出すときは、転送制御スイッチSW10はオフ状態であり、カラム出力制御スイッチSW20およびSW30は各々、点線で示す状態になる。
【0056】
以上の読出し動作は一例であり、これに限定されるものではない。すなわち、読出し方式としては種々のバリエーションがあり、これらはすべて本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、以下のような読出し方式を採用することもできる。
【0057】
すなわち、図6(B)において、第1のラッチ回路LA1から第2のラッチ回路LA2にデータDA1を転送するとき、同時に、カラム出力制御スイッチSW20をオンして、第2のラッチ回路LA2にラッチされたデータDA1を、出力バッファ91から読出しデータ(RDL)として読み出す。次に、図6(C)において、メモリセルMC2のデータDA2を第1のラッチ回路LA1にラッチし、同時に、カラム出力制御スイッチSW30をオンして、第1のラッチ回路LA1にラッチされたデータDA2を、出力バッファ91から読出しデータ(RDL)として読み出す。
【0058】
次に、より具体的な読出し回路の構成ならびに読み出し動作について説明する。図7は、読み出し回路(および読出し制御回路)のより具体的な構成を示す回路図である。図7では、図6と同様に、一対のビット線(BLa,BLb)に対応する構成のみを示している。
【0059】
図7の読出し回路43は、以下の構成を有する。すなわち、各ビット線(BLa,BLb)にはカラムスイッチ(M1a,M1b)が設けられている。また、ビット線プリチャージのためにプリチャージ回路(PE1)が設けられている。プリチャージ回路(PE1)のプリチャージ動作は、プリチャージ制御信号XPCGLによって制御される。また、1段目のラッチ回路としてのラッチ型センスアンプSA1が設けられている。このラッチ型センスアンプSA1は、第1のラッチ回路LA1(インバータINVQ1aおよびINVQ1bにより構成される)と、LA1の動作/非動作を切換えるための動作切換スイッチMS1とが含まれる。動作切換スイッチMS1のオン/オフは、センスアンプ選択信号SE1によって切り換えられる。また、カラムスイッチ(M1a,M1b)のオン/オフは、センスアンプ選択信号SE1によって制御される。
【0060】
また、第2のラッチ回路LA2は、2つのインバータ(INVQ2a,INVQ2b)によって構成される。第1のラッチ回路LA1と第2のラッチ回路LA2の間には、制御端子付きのインバータCINV1(図6の転送制御スイッチSW10に相当する)が設けられている。制御端子付きのインバータCINV1の動作は、転送制御信号CSLL1によって制御される。また、図6の2つのカラム出力制御スイッチ(SW20,SW30)の各々に相当する制御端子付きのインバータ(CINV2,CINV3)が設けられている。制御端子付きのインバータ(CINV2,CINV3)の動作は各々、カラム出力制御信号(CSPP1ならびに/CSPP1)によって制御される。制御端子付きのインバータ(CINV2,CINV3)の各々から出力されるデータは、出力段のバッファ(PMOSトランジスタMPおよびNMOSトランジスタMNからなるCMOSインバータINVX)によってレベル反転され、読出しデータRDLとしてバス(BUS)に出力される。
【0061】
また、表示系制御回路260内に設けられる読出し制御回路267には、カラムアドレス(COL ADD)と、キック信号RLINE(1本のワード線の選択タイミングを決めるタイミング制御信号)と、読出し回路43(液晶パネル側)の動作クロックLCLK
と、ローアドレス(ROW ADD)が入力される。読出し制御回路267は、これらの信号の少なくとも一つを用いて、プリチャージ制御信号(XPCGL),センスアンプ選択信号(SE1),転送制御信号(CSLL1),カラム出力制御信号(CSPP1ならびに/CSPP1)を生成する。
【0062】
図8は、図7の読出し回路の動作を説明するためのタイミング図である。図8において、時刻t1にキック信号RLINEがハイレベルになる。読出し制御回路267は、ロウアドレス(ROW ADD)を取り込んで、取り込んだアドレスのワード線(すなわち、ワード線QL1)を選択する。これにより、時刻t2にワード線QL1が立ち上がり、ワード線QL1に接続されるメモリセルの各々からデータが読み出され、一対のビット線(BLa,BLb)の電位が変化する(一方がHレベル,他方がLレベルになる)。
【0063】
プリチャージ制御信号XPGCLは、時刻t2に立ち上がる。時刻t3にセンスアンプ選択信号SE1がハイレベル(アクティブレベル)となる。これに伴い、カラムスイッチ(M1a,M1b)がオンし、かつ、第1のラッチ回路LA1が動作可能状態となる。したがって、一対のビット線(BLa,BLb)を経由してメモリセルMC1から読出されたデータDA1が第1のラッチ回路LA1に伝達され、ラッチされる。
【0064】
次に、時刻t4に転送制御信号CSLL1がハイレベル(アクティブレベル)となり、これによって、制御端子付きのインバータCINV1がオンし、第1のラッチ回路LA1に蓄積されていたデータDA1が第2のラッチ回路LA2に転送される。また、時刻t4において、カラム出力制御信号CSPP1が立ち上がり、/CSPP1が立ち下がる。これによって、制御端子付のインバータCINV2がオンし、CINV3がオフする。したがって、第2のラッチ回路LA2にラッチされたデータDA1が、出力バッファ91から、読出しデータRDLとしてバス(BUS)に出力される。
【0065】
次に、時刻t5に、キック信号RLINEがハイレベルになる。時刻t6にワード線QL2が立ち上がり、ワード線QL2に接続されるメモリセルの各々からデータが読み出され、一対のビット線(BLa,BLb)の電位が変化する(一方がHレベル,他方がLレベルになる)。
【0066】
プリチャージ制御信号XPGCLは、時刻t6に立ち上がる。時刻t7にセンスアンプ選択信号SE1がハイレベル(アクティブレベル)となる。これに伴い、カラムスイッチ(M1a,M1b)がオンし、かつ、第1のラッチ回路LA1が動作可能状態となる。したがって、一対のビット線(BLa,BLb)を経由してメモリセルMC2から読出されたデータDA2が第1のラッチ回路LA1に伝達され、ラッチされる。転送制御信号CSLL1はローレベルのままであり、よって、制御端子付インバータCINV1はオフ状態である。
【0067】
時刻t8に、カラム出力制御信号CSPP1が立ち下がり、/CSPP1が立ち上がる。これによって、制御端子付のインバータCINV2がオフし、CINV3がオンする。したがって、第1のラッチ回路LA1にラッチされているデータDA2が、出力バッファ91から、読出しデータRDLとしてバス(BUS)に出力される。図8に示す読出し動作は無駄がなく、効率的にデータを読み出すことができるという利点がある。
【0068】
(カラム出力制御信号の生成について)
次に、カラム出力制御信号CSPP1,/CSPP1)ならびに転送制御信号CSLL1
の生成について説明する。図9(A),図9(B)は、カラム出力制御信号および転送制御信号の生成の例について説明するための図である。先に説明したように、カラム出力制御信号(CSPP1,/CSPP1)ならびに転送制御信号CSLL1は、カラムアドレス(COL ADD)に基づいて生成することができる。
【0069】
図9(A)では、読出し制御回路267に設けられたデコーダ273が、カラムアドレス(COL ADD)を遅延回路271によって遅延した信号に基づいて、カラム出力制御信号CSPP1,/CSPP1)ならびに転送制御信号(CSLL1)を生成する。カラムアドレス(COL ADD)を遅延回路271で遅延させるのは、読出しデータを受ける側の負担を軽減するためである。すなわち、読出し回路43からのデータの読出しが、あまりに高速になされると、読出しデータを受ける側の回路が高速動作を余儀なくされ、よって負担が大きくなる。そこで、図9(A),図9(B)では、カラムアドレスに一定の遅延を与え、読出しデータを受け取る側の回路の負担を軽減している。
【0070】
図9(B)では、カラム単位の読出しの制御信号として、カラムアドレス(COL ADD)および画像表示制御信号(具体的には色選択信号)CLSを併用する。すなわち、図9(B)は、列(カラム)単位の時分割の読み出しのための時分割制御信号として、カラムアドレスと画像表示制御信号(例えば、色選択信号)とを組み合わせて用いる回路の構成例を示している。図9(B)において、読出し制御回路267は、カラムアドレス(COL ADD)と、画像表示制御信号(例えば、RGBのいずれかの色を選択するための色選択信号)CLSの組み合わせに基づいて、カラム出力制御信号CSPP1,/CSPP1)ならびに転送制御信号(CSLL1)を生成する。これによって、例えば、8ビット幅の各色毎の画像データを出力することができる。このように、RGBの各色毎に複数ビットの画像データを送出することができる場合、画像表示制御信号(例えば、色選択信号)CLSとカラムアドレス信号の組み合わせによって、例えば、各色毎のデータを時分割で読み出すことも可能である。
【0071】
(第2の実施形態)
本実施形態では、データの読出し時において、複数の出力バッファの各々から、データが同時に出力されることを防止するために、カラムを切り換える際に、意図的にリセット期間を設ける制御について説明する。
【0072】
点順次駆動方式に対応したメモリ(RAM)40の出力は、例えば、バス(BUS)を経由して次段の回路に伝送される。よって、メモリ(RAM)40内の複数の出力段のバッファ(すなわち、出力段のアンプ)が共通のバス(BUS)に接続される。特に、表示用メモリ(RAM)40は、大型のLCDパネルに対応するために必然的に大容量となる。これに伴い、バス(BUS)につながるアンプ数が増大し、アンプ毎にバス(BUS)の配線遅延が異なり、読出しのタイミング制御がむずかしくなる。よって、複数の出力段のバッファ(出力段のアンプ)が同時にバス(BUS)に接続される事態が生じるときがある。この場合、複数の出力段のバッファ(出力段のアンプ)同士がバス(BUS)を介して相互に接続されることになり、不要な電流(貫通電流)が流れるという不都合が生じる。この不都合を防止するためには、カラムを切り換える際に、意図的にデータの競合を避けるための期間(リセット期間)を設けるのが有効である。以下、リセット期間を設けるための構成およびその動作について、図10〜図12を参照して説明する。
【0073】
図10は、カラムを切り換える際に、リセット期間を設けることができる構成をもつメモリ(RAM)の構成例を示す回路図である。図10のメモリ(RAM)では、出力段にリセット制御回路47が設けられている。その他の部分の回路構成は、図7の回路構成と同じである。
【0074】
図示されるように、リセット制御回路47は、アンドゲート(AND100)およびオアゲート(OR102)を含む。アンドゲート(AND100)の動作は、リセット制御信号CSLC1によって制御される。すなわち、リセット制御信号CSLC1がローレベルのときは、アンドゲート(AND100)の出力レベルはローレベルに固定される。リセット制御信号CSLC1がハイレベルのときは、アンドゲート(AND100)から、入力信号(すなわち、制御端子機能付きインバータCINV2およびCINV3の出力信号)がそのまま出力される。
【0075】
また、オアゲート(OR102)の動作は、リセット制御信号/CSLC1によって制御される。すなわち、リセット制御信号/CSLC1がハイレベルのときは、オアゲート(OR102)の出力レベルはハイレベルに固定される。リセット制御信号/CSLC1がローレベルのときは、オアゲート(OR102)から、入力信号(すなわち、制御端子機能付きインバータCINV2およびCINV3の出力信号)がそのまま出力される。アンドゲート(AND100)およびノアゲート(OR102)の出力が強制的に固定される場合、CMOSインバータINVXを構成するNMOSトランジスタMNおよびPMOSトランジスタMPは共にオフし、読出し回路43はバス(BUS)から切り離される。これによって、カラム切り換え時において、複数の出力段のバッファ同士がバス(BUS)を介して相互に接続される事態が確実に防止される。
【0076】
なお、図10の回路では、制御端子機能付きインバータCINV2およびCINV3の出力信号は最終的な出力データではなく、中間データ(RD)となる。この中間データ(RD)は、リセット制御回路47ならびに出力段のバッファ(CMOSインバータINVX)を経由して、読出しデータRDLとしてバス(BUS)に出力される。
【0077】
図11は、図10の読出し回路の動作を説明するためのタイミング図である。中間データ(RD)が得られるまでの動作は、図8を用いて説明した動作と同じである。図11で注目すべき点は、リセット制御信号(CSLC1,/CSLC1)によって、リセット期間TXが設けられる点である。すなわち、時刻t40において、リセット制御信号CSLC1が立ち上がり,リセット制御信号/CSLC1が立ち下がる。これによって、リセット制御回路47を構成するアンドゲート(AND100)およびオアゲート(OR102)、ならびにCMOSインバータINVXを経由して、バス(BUS)に読出しデータ(RDL)が出力される。
【0078】
時刻t50に、リセット制御信号CSLC1が立ち下がり,リセット制御信号/CSLC1が立ち上がる。これによって、リセット制御回路47を構成するアンドゲート(AND100)およびオアゲート(OR102)の各々の出力レベルが“L”,“H”に強制的に固定される。これに伴い、CMOSインバータINVXを構成するNMOSトランジスタMNおよびPMOSトランジスタMPは共にオフする。時刻t90において、リセット制御信号CSLC1が立ち上がり、リセット制御信号/CSLC1が立ち下がり、データDA2がバス(BUS)に出力される。時刻t50〜時刻t90までの期間がリセット期間となる。ここで、リセット期間とは、「リセット制御信号CSLC1を、所定時間だけ例えばローレベル(非アクティブレベル)に固定し、/CSLC1を例えばハイレベル(非アクティブレベル)に固定し、これによって、カラム切り換え時(すなわち、読出しデータの切り換え時)における読出しデータの競合を防止するための期間」である。
【0079】
リセット期間TXにおいては、CMOSインバータINVXを構成するNMOSトランジスタMNおよびPMOSトランジスタMPは共にオフし、読出し回路43はバス(BUS)から切り離される。これによって、カラム切り換え時において、複数の出力段のバッファ同士がバス(BUS)を介して相互に接続される事態が確実に防止される。よって、不要な貫通電流が生じない。
【0080】
リセット期間TXにおいては、読出しデータ(RDL)は不定となる。但し、例えば、バス(BUS)のデータをラッチするラッチ回路を別途、設けて、リセット期間TXにおいて、直前のデータを維持する構成を採用すれば、読出しデータが不定となる事態は生じない。
【0081】
図12(A)〜図12(C)は、リセット制御信号の生成について説明するための図である。リセット制御信号(CSLC1,/CSLC1)は、カラムアドレス(COL ADD)、画像表示制御信号(色選択信号)CSL、カラムアドレスと画像表示制御信号(色選択信号)を合成した信号のいずれかに基づいて生成することができる。
【0082】
図12(A)では、読出し制御回路267に設けられたデコーダ273が、カラムアドレス(COL ADD)に基づいてリセット制御信号(CSLC1,/CSLC1)を生成している。カラムアドレス(COL ADD)を切り換える際に、そのレベルを所定時間、強制的に固定することによって、図11に示すようなリセット制御信号(CSLC1,/CSLC1)を生成することができる。
【0083】
図12(B)では、読出し制御回路267に設けられたデコーダ273が、画像表示制御信号(色選択信号)CSLに基づいてリセット制御信号(CSLC1,/CSLC1)を生成している。画像表示制御信号(色選択信号)CSLを切り換える際に、そのレベルを所定時間、強制的に固定することによって、図11に示すようなリセット制御信号(CSLC1,/CSLC1)を生成することができる。
【0084】
図12(C)では、読出し制御回路267に設けられた合成回路269が、カラムアドレス(COL ADD)と画像表示制御信号(色選択信号)CSLを合成する。デコーダ273は、その合成信号に基づいて、リセット制御信号(CSLC1,/CSLC1)を生成する。合成信号のレベルを、周期的に所定時間、強制的に固定することによって、図11に示すようなリセット制御信号(CSLC1,/CSLC1)を生成することができる。
【0085】
(第3の実施形態)
本実施形態では、メモリからバスに供給する信号のレベルを強制的に固定できる回路構成について説明する。
【0086】
表示パネルのニーズによって、画像データの全部(または一部)のレベルを強制的に固定しなければならない場合がある。この場合、画像データのレベルの強制固定をメモリ(RAM)40に設けたバッファ回路によって実現できれば、表示パネル側の負担が軽減され、表示パネル側の占有面積の低減に役立つ。そこで、図13のメモリ(RAM)40では、読出しデータのレベルを強制的に固定するための出力レベル制御回路(具体的には、表示固定制御信号によって出力が制御されるバッファ回路:以下、単にバッファ回路という)を設ける。
【0087】
図13は、読出しデータのレベルを強制的に固定する機能をもつメモリ(RAM)の主要部の構成を示す図である。読出しデータのレベルを強制的に固定するためのバッファ回路BFは、表示固定制御信号(XTCRL)および読出しデータ(RDL)が入力されるナンドゲートNAND100と、読出しデータ(RDL)のレベルを反転するインバータINV101と、PMOSトランジスタMP1およびNMOSトランジスタMN1からなるCMOS構成の出力段回路(OSB)と、表示固定制御信号(XTCRL)のレベルを反転するインバータ102と、出力固定用のプルダウントランジスタ(MPLD1)と、を有する。上述のバッファ回路BFは、メモリからの出力信号のレベルを強制的に制御する出力レベル制御回路として機能する。プルダウントランジスタ(MPLD1)は、NMOSトランジスタで構成される。なお、ナンドゲートNAND100は、PMOSトランジスタMP1を駆動する駆動素子として機能する。インバータINV101は、NMOSトランジスタMN1を駆動する駆動素子として機能する。
【0088】
表示固定制御信号(XCTRL)がハイレベルのときは、プルダウントランジスタ(MPLD1)はオフする。よって、バッファ回路BFから、メモリからの読出しデータRDLが、そのまま出力される。一方、表示固定制御信号(XCTRL)がローレベルのときは、プルダウントランジスタ(MPLD1)がオンする。したがって、バッファ回路BFの出力(OUT)は、強制的にローレベルに固定される。
【0089】
図14は、読出しデータのレベルを強制的に固定するためのバッファ回路の動作を説明するためのタイミング図である。表示固定制御信号(XCTRL)は、時刻t21にハイレベルからローレベルに変化する。時刻t20において、表示固定制御信号(XCTRL)はハイレベルであるため、バッファ回路BFからは、読出しデータRDLがそのまま出力される。すなわち、時刻t20において、読出しデータRDLがローレベルからハイレベルに変化すると、バッファ回路BFの出力(OUT)も同様に、ローレベルからハイレベルに変化する。
【0090】
一方、時刻t21において、表示固定制御信号(XCTRL)がハイレベルからローレベルに変化すると、バッファ回路BFの出力(OUT)は、強制的にローレベルに固定される。
【0091】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で、多くの変形が可能であることは、当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、すべて本発明に含まれるものとする。
【0092】
例えば、上述の実施形態では、ラッチ回路の例として、ラッチ型センスアンプを用いたが、これに限定されるものではない。すなわち、ラッチのみを目的としたラッチ回路と、データの増幅を目的としたアンプとを区別して設ける構成であってもよい。基本的には、各メモリセルからのデータをラッチするラッチ回路が存在すればよい。ラッチ回路の構成は問わない。使用されるメモリセルの回路構成も、SRAM型に限定されるものではなく、例えば、DRAM型のメモリセルも使用することもできる。
【0093】
また、上述の実施形態では、表示パネルの1行(1走査線)分のデータを、メモリ内の2本のワード線に接続されるメモリセルに分割して記憶しているが、これは一例であり、3本以上のワード線に接続されるメモリセルに分割して記憶する構成を採用することもあり得る。
【0094】
以上説明したように、本発明の少なくとも一つの実施態様によれば、例えば、以下の効果を得ることができる。但し、以下の効果は同時に得られるとは限らず、以下の効果の列挙が本発明を不当に限定する根拠とされてはならない。
(1)表示パネルの1行(1走査線)分のデータを、メモリ内の2本のワード線のメモリセルに分割して記憶することによって、メモリの縦サイズ(高さ)を縮小することができる。よって、例えば、液晶駆動用ICの小型化、ローコスト化が実現される。
(2)1本のワード線に接続される複数のメモリセルから並行的に一括してデータを読み出すため、各メモリセルへのアクセス毎にワード線を立ち上げる方式に比べて、メモリ(RAM)におけるライン駆動(消費電流大)の総数を減らすことができる。また、ラッチ回路は容量が小さく、構成も簡単であり、ラッチ回路からのデータの読出しは低パワーで行うことができる。よって、回路の低消費電力化を無理なく実現することができる。
(3)2段のラッチ回路を設け、異なるワード線に接続されるメモリセルのデータを2段のラッチの少なくとも一方に蓄積した後に、データをカラム単位で時分割で出力するという読出し方式をとるため、アクセス毎に、異なるワード線に接続されるメモリセルに格納されていたデータを取り出す場合でも、自由にデータを取り出すことができる。つまり、2段のラッチ回路をもつことによって、ラッチ回数が少なくて済み、低消費電力化が可能であり、かつ、読出しの自由度も向上する。
(4)1行(1走査線)に接続される複数の画素の各々に、画像データを時分割で供給することが可能な、点順次駆動に対応した画像メモリの高速化と低消費電力化の双方を、無理なく実現することができる。
(5)例えば、カラムアドレスに一定の遅延を与えて、カラム出力制御信号の発生タイミングを所定時間、遅延させることによって、メモリからの読出しデータを受ける側の回路の負担を軽減することができる。
(6)カラムを切換える際にリセット期間を設けることによって、読出しデータの競合が生じず、不要な貫通電流の発生を防止することができる。
(7)メモリに、読出しデータのレベルを強制的に固定するための出力レベル制御回路を設けることによって、画像データの全部(または一部)のレベルを強制的に固定しなければならない場合における表示パネル側の負担が軽減される。
(8)列(カラム)単位の時分割の読み出しのための時分割制御信号として、カラムアドレス信号および画像表示制御信号(例えば、表示色選択信号)とを組み合わせて使用することにより、例えば、色毎のデータを時分割で読み出すことができる。
(9)CPU側からのライトアクセスと、表示パネル(画像表示部)に向けたリードアクセスとが競合しないように調停回路によって調停を行う場合の制御が容易化される。すなわち、メモリセルからの例えば1行分の画像データの並行的な読み出し(ライン駆動)が終われば、CPU側からのライトアクセスには影響がなくなり、調停回路は動作する必要がなくなる。すなわち、本発明によれば、調停回路の回路動作の条件を絞り込むことができるため、調停回路による制御が容易化される。
【0095】
本発明は、メモリ(メモリを含む集積回路装置)の低消費電力化と高速化を無理なく実現することができるという効果を奏し、したがって、メモリを有する集積回路装置、電気光学装置および電子機器等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の一実施形態に係る集積回路装置の構成を示すブロック図
【図2】メモリセルアレイの構成の一例を示す図
【図3】液晶表示モジュールの構成例を示す図
【図4】図3に示される液晶駆動用ICの内部の構成の一例を示す図
【図5】図5(A)〜図5(D)は、点順次駆動に対応したメモリ(RAM)の、全体的な構成および動作の概要の一例を示す図
【図6】図6(A)〜図6(D)は、読出し回路の具体例の構成と動作の概要を示す図
【図7】読み出し回路(および読出し制御回路)のより具体的な構成例を示す回路図
【図8】図7の読出し回路の動作を説明するためのタイミング図
【図9】図9(A),図9(B)は、カラム出力制御信号および転送制御信号の生成の例について説明するための図
【図10】カラムを切り換える際に、リセット期間を設けることができる構成をもつメモリ(RAM)の構成例を示す回路図
【図11】図10の読出し回路の動作を説明するためのタイミング図
【図12】図12(A)〜図12(C)は、リセット制御信号の生成について説明するための図
【図13】読出しデータのレベルを強制的に固定する機能をもつメモリ(RAM)の主要部の構成を示す図
【図14】読出しデータのレベルを強制的に固定するためのバッファ回路の動作を説明するためのタイミング図
【符号の説明】
【0097】
43 読出し回路、44 ワード線ドライバ、91 出力バッファ、
260 表示系制御回路、267 読出し制御回路、300 LCDパネル、
SA ラッチ型センスアンプ、QL ワード線、BL ビット線、
LA1 第1のラッチ回路、LA2 第2のラッチ回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリを有する集積回路装置、電気光学装置および電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリクス型液晶装置の駆動方式として点順次駆動方式を採用する場合、線順次駆動方式を採用する場合に比べて、駆動回路をより高速に動作させる必要がある。なお、線順次駆動方式とは、選択されている1行(1走査線)に接続される複数の画素の各々を一括して駆動する駆動方式であり、点順次駆動方式とは、選択されている1行(1走査線)に接続される複数の画素の各々を、画素毎に時分割で順次駆動する駆動方式である。
【0003】
点順次駆動に対応したアクティブマトリクス型液晶装置は、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1の技術では、ビデオ線を通してシリアル入力されるアナログ映像信号を、ビデオ線と信号線の各々との間に接続された水平スイッチによって1水平走査期間にわたって順次サンプリングし、このサンプリングした映像信号を、選択行に接続される複数の画素の各々に、対応するデータ線を介して時分割で順に書き込んでいる。
【特許文献1】特開2002−23683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術のように、映像信号を直接的にサンプリングせずに、一旦、画像メモリに格納する構成を採用すると、メモリからの画像データの読出し速度を調整することによって、入力映像信号の周波数と液晶パネルの動作周波数との整合をとり易くなり、また、例えば、スロー再生等の特殊表示モード等にも対応することができる。
【0005】
但し、液晶装置の点順次駆動に対応しようとすると、1行(1走査線)分の画素の画像データを時分割で高速に出力しなくてはならず、メモリへの画像データの書込み/読出しを高速に実行しなくてはならず、このことが回路の負担となる。
【0006】
また、メモリの高速動作を実現しようとすると、動作クロックの周波数が高くなり、これに伴って消費電力が増大する。一方、例えば、液晶装置が携帯端末に搭載される場合、バッテリーの消耗を抑制するために、液晶駆動用IC(集積回路装置)の低消費電力化が厳しく求められる。つまり、点順次駆動に対応したメモリの消費電力の増大は、携帯端末等における低消費電力化の要請に反することになり、改善が求められる。
【0007】
また、メモリを携帯端末(例えば、携帯電話端末)に搭載する場合を考えると、携帯端末の筐体の横方向の幅が、例えば、搭載する液晶パネルの横幅に応じて決まり、それ以上のサイズ縮小が困難な場合がある。一方、縦方向には制限がない場合、携帯端末に搭載されるメモリの縦方向のサイズ(高さ)を縮小できれば、その分、携帯端末の筐体の縦のサイズの縮小が実現され、携帯端末の小型化、低コスト化を促進することができる。
【0008】
本発明は、このような考察に基づいてなされたものである。本発明の少なくとも一つの態様によれば、例えば、点順次駆動に対応した液晶駆動用ICに搭載されるメモリの高さを低減し、かつ、メモリの高速化、低消費電力化ならびに自由度の高い読出しを無理なく実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明の集積回路装置の一態様では、第1のワード線に接続される第1のメモリセル群と、第2のワード線に接続される第2のメモリセル群と、前記第1のメモリセル群に含まれる複数のメモリセルの各々に記憶されているデータまたは前記第2のメモリセル群に含まれる複数のメモリセルの各々に記憶されているデータを一括してラッチする第1のラッチ回路と、前記第1のラッチ回路に格納されているデータを一括してラッチする第2のラッチ回路と、前記第1のラッチ回路と前記第2のラッチ回路の間に設けられ、前記第1のラッチ回路から前記第2のラッチ回路へのデータの転送を制御するための転送制御回路と、前記第1のラッチ回路または前記第2のラッチ回路から、データをカラム単位で出力させるためのカラム出力制御回路と、前記転送制御回路および前記カラム出力制御回路の動作を制御する読出し制御回路と、を有する。
【0010】
本態様では、1本のワード線に接続される複数のメモリセルから並行的に一括してデータを読み出してラッチ回路にラッチするため、各メモリセルへのアクセス毎にワード線を立ち上げる方式に比べて、メモリ(RAM)におけるライン駆動(消費電流大)の総数を減らすことができる。また、ラッチ回路は容量が小さく、構成も簡単であり、ラッチ回路からのデータの読出しは低パワーで行うことができる。よって、回路の低消費電力化を無理なく実現することができる。また、ラッチ回路の容量はメモリ全体の容量に比べて格段に少なく、簡単な構成であるため、高速な時分割方式の読出しを無理なく実現できる。また、2段のラッチ回路を設けているため、例えば、異なるワード線に接続されるメモリセルのデータを2段のラッチの少なくとも一方に蓄積した後に、ラッチされたデータをカラム単位で時分割で出力するという読出し方式を採用することができる。2段のラッチ回路を有していれば、2本のワード線分の画像データをラッチできるため、あとは、自由に画像データを読み出せばよい。例えば、アクセス毎に異なるワード線に接続されるメモリセルに格納されていたデータを取り出すような場合でも、何ら不都合は生じない。つまり、2段のラッチ回路をもつことによって、低消費電力化が可能であり、かつ、読出しの自由度も向上する。
【0011】
(2)本発明の集積回路装置の他の態様では、前記メモリは、点順次駆動される画像表示部の画素の各々に供給する画像データを記憶する画像メモリであり、前記画像表示部における1行分の画像データが複数のデータ群に分割され、分割されたデータ群の一つが前記第1のメモリセル群に格納され、分割された他のデータ群が前記第2のメモリセル群に格納される。
【0012】
画像表示部における1行(1走査線)分の画像データを、複数本のワード線の各々に接続されるメモリセル群に分割して格納する方式を採用することによって、1本の長いワード線に接続される複数のメモリセルに格納する場合に比べて、1本のワード線の長さを短くすることができる。よって、メモリのサイズ(高さ)を縮小することができる。よって、液晶駆動用ICの小型化、ローコスト化が実現される。
【0013】
(3)本発明の集積回路装置の他の態様では、前記第1のラッチ回路は、1つのメモリセルに対応するビット線の電圧を増幅してラッチするラッチ型センスアンプを構成する。
【0014】
本態様では、ラッチ回路がラッチ型センスアンプを構成する。センスアンプとしてラッチ型センスアンプを採用することによって、ラッチを別にもう1個設ける必要がなくなる。
【0015】
(4)本発明の集積回路装置の他の態様では、前記読出し制御回路は、カラムアドレス信号に基づいて、前記カラム出力制御回路のオン/オフを制御するためのカラム出力制御信号を生成する。
【0016】
例えば、表示パネルのニーズによって、画像データの全部(または一部)のレベルを強制的に固定しなければならない場合がある。このような場合、画像データのレベルの強制固定をメモリ側において実現できれば、表示パネル側の負担が軽減され、表示パネル側の占有面積の低減に役立つ。そこで、メモリに、読出しデータのレベルを強制的に固定するための出力レベル制御回路を設けるものである。
【0017】
(5)本発明の集積回路装置の他の態様では、前記読出し制御回路は、カラムアドレス信号および前記画像表示部における表示を制御するための画像表示制御信号に基づいて、前記カラム出力制御回路のオン/オフを制御するためのカラム出力制御信号を生成する。
【0018】
列(カラム)単位の時分割の読み出しのための読出し制御信号として、カラムアドレス信号および画像表示部における表示を制御する画像表示制御信号とを組み合わせて使用するものである。例えば、メモリ側から画像表示部に対して、RGBの各色毎に複数ビットの画像データを送出することができる場合、例えば、表示色選択信号とカラムアドレス信号の組み合わせによって、色毎のデータを時分割で読み出すことができる。
【0019】
(6)本発明の集積回路装置の他の態様では、前記読出し制御回路は前記カラム出力制御信号を生成する際に、前記カラム出力制御信号の発生タイミングを所定時間だけ遅延させる。
【0020】
時分割読出しの周波数が高速すぎると、読出しデータを受ける側の回路の負担が大きくなるため、カラム出力制御信号の発生タイミングに一定の遅延を与え、読出しデータを受け取る側の回路の負担を軽減するものである。
【0021】
(7)本発明の集積回路装置の他の態様では、前記カラム出力制御回路の次段に設けられたリセット制御回路を、さらに有し、前記リセット制御回路の動作は、前記読出し制御回路から出力されるリセット制御信号によって制御され、前記読出し制御回路は、カラムの切り換えの際に、前記リセット制御信号のレベルを、所定時間だけ所定レベルに固定して、読出しデータの競合を防止するためのリセット期間を設ける。
【0022】
カラムを切り換える際に、回路の遅延等に起因して複数の読出しデータの競合が生じると、複数のアンプが、例えばバスを介して相互に接続されて、不要な貫通電流が流れるという不都合が生じる。そこで、カラム出力制御回路の次段にリセット制御回路を設け、カラム切り換え時(すなわち、出力データの切り換え時)に、リセット制御信号をすべて初手時間だけ所定レベル(非アクティブレベル)に固定してリセット期間を設ける。リセット期間には、例えば、バスに接続される出力段のバッファがオフし、読出しデータのバスへの出力が禁止される。これによって、出力データの複数のアンプがバスに同時につながることを確実に回避することができ、不要な貫通電流の発生を確実に防止することができる。
【0023】
(8)本発明の集積回路装置の他の態様では、前記カラム出力制御回路を経由してカラム単位で読み出された前記データのレベルを強制的に固定するための出力レベル制御回路を、さらに有する。
【0024】
例えば、表示パネルのニーズによって、画像データの全部(または一部)のレベルを強制的に固定しなければならない場合がある。このような場合、画像データのレベルの強制固定をメモリ側において実現できれば、表示パネル側の負担が軽減され、表示パネル側の占有面積の低減に役立つ。そこで、メモリに、読出しデータのレベルを強制的に固定するための出力レベル制御回路を設けるものである。
【0025】
(9)本発明の集積回路装置の他の態様では、前記メモリは、前記メモリへの前記データの書き込みアクセスと、前記メモリからの前記データの読み出しアクセスとが競合しないようにアクセスタイミングを制御する調停回路を、さらに有する。
【0026】
CPUからメモリへのライトアクセスと、メモリから画像表示部に向けたリードアクセスとを並行的に行えるようにすることによって、効率的なメモリアクセスを実現することができる。すなわち、画像表示部への画像データの供給のために選択されている行(1走査線)とは異なる他の行の画素について、CPU側から並行的に画像データを書き込むことができれば、メモリには、表示に必要な分の画像データを格納しておけば足りることになり余分なメモリ容量が不要となり、また、書込みと読み出しが高速に並行的に行われれば、リアルタイムに近い画像表示も可能となる。この場合、CPU側からのライトアクセスと、画像表示部に向けたリードアクセスとが競合しないように調停回路によって調停を行う必要があるが、本発明の場合、メモリからの例えば1行分の画像データの並行的な読み出し(ライン駆動)が終われば、CPU側からのライトアクセスには影響がなくなり、調停回路は動作する必要がなくなる。すなわち、本発明によれば、調停回路の回路動作の条件を絞り込むことができるため、無理なく高速動作を実現することができる。
【0027】
(10)本発明の電気光学装置は、本発明のいずれかの態様の集積回路装置を搭載する。
【0028】
本発明のいずれかの態様の集積回路装置は、小型であり、かつ低消費電力性に優れる。よって、本発明のいずれかの態様の集積回路装置を搭載する電気光学装置(液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ、その他の表示装置を含む)においても、小型化ならびに省電力化が可能である。
【0029】
(11)本発明の電子機器は、本発明の電気光学装置を搭載する。
【0030】
本発明のいずれかの態様の集積回路装置は、小型であり、かつ低消費電力性に優れる。よって、電子機器においても、小型化ならびに省電力化が可能である。例えば、フルカラーの高精細画像の表示が可能な小型、軽量の携帯端末において、バッテリーの消耗を抑制することが可能となり、電子機器の利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0032】
(第1の実施形態)
まず、メモリを搭載する集積回路装置の一例の全体構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る集積回路装置の構成を示すブロック図である。本実施形態は、本発明を液晶駆動用ICに適用したものである。図1に示すように、液晶駆動用IC200は、CPU100及びLCDパネル300に接続されて使用される。液晶駆動用IC200は、CPU100との接続に使用されるCPUインタフェース210と、CPU100から入力されるデータを記憶する、例えばSRAM型のメモリセルアレイ220と、LCDパネル300との接続に使用されるLCDインタフェース230と、CPU100からの信号に基づいてメモリセルアレイ220を制御するCPU系制御回路240と、液晶駆動用IC200に内蔵されている発振回路から出力される発振信号に基づいて、毎秒60フレームの割合でLCDパネル300に供給すべきデータの読出し要求信号を生成するタイミング発生回路250と、タイミング発生回路250からの読出し要求信号に基づいてメモリセルアレイ220を制御する表示系制御回路260とを有している。
【0033】
メモリセルアレイ220には、書込み/読出し制御回路(CPU側)42と、読出し制御回路43と、が設けられている。また、図1においては、メモリセルアレイ220と、CPU系制御回路240と、タイミング発生回路250と、表示系制御回路260と、がメモリ(RAM)40の構成要素となる。但し、これは一例であり、メモリに含まれる回路要素は、これに限定されるものではない。
【0034】
液晶駆動用IC200には、CPU100から、データの他に、書込み/読出し要求(CPUアクセス)信号CPUA、書込みモード信号WM、読出しモード信号RM等の各種の信号が入力される。CPU系制御回路240には、書込み/読出し要求信号CPUA、書込みモード信号WM、及び、読出しモード信号RMのほか、表示系制御回路260から表示データ読出し制御信号LREが入力される。CPU系制御回路240は、書込み/読出し要求信号CPUA、書込みモード信号WM、及び、表示データ読出し制御信号LREに基づいて書込み制御信号WEを生成すると共に、書込み/読出し要求信号CPUA、読出しモード信号RM、及び、表示データ読出し制御信号LREに基づいて読出し制御信号REを生成し、これらの制御信号をメモリセルアレイ220に供給する。
【0035】
メモリセルアレイ220においては、これらの制御信号に基づいて、CPU100から順次入力される書き込み用のデータWDが書き込まれ、メモリセルアレイ220からデータが読み出され、読み出されたデータRDがCPU100に順次出力される。なお、書込み制御信号WE又は読出し制御信号REに基づいて行われるメモリセルアレイ220へのデータの書き込み又はメモリセルアレイ220からのデータの読み出しをCPU系アクセスと呼ぶ場合がある。
【0036】
表示系制御回路260には、CPU100から書込み/読出し要求信号CPUAが、CPU系制御回路240から書込み制御信号WE及び読出し制御信号REが、タイミング発生回路25から表示データ読出し要求信号/LRが、それぞれ入力される。表示系制御回路260は、これらの信号に基づいて、表示データ読出し制御信号LREを生成し、メモリセルアレイ220に供給する。
【0037】
メモリセルアレイ220においては、表示データ読出し制御信号LREに基づいて、表示データが読み出され、読み出された表示データLRDがLCDインタフェース230に出力される。LCDインタフェース230は、表示データLRDに基づいて複数の駆動信号を生成し、LCDパネル300の複数のセグメントにそれぞれ出力する。なお、表示データ読出し制御信号LREに基づいて行われるメモリセルアレイ220からのデータの読み出しを表示系アクセスと呼ぶ場合がある。
【0038】
(メモリセルの構成例)
図2は、本実施形態において用いられるメモリセルアレイの構成の一例を示す図である。図2に示すメモリセル(MCn)は、2個のインバータ(INV1,INV2)からなるフリップフロップと、トランスファーゲート(QN1,QN2)と、を含む。QLはワード線であり、DLna,DLnbは、一対のデータ線(データ線対)である。ワード線QLは、ワード線ドライバ44によって駆動される。メモリセル(MCn)には、書込み/読出し回路(CPU側)42から一対のビット線DLna,DLnbを経由して表示用の画像データの書き込み等がなされる。また、CPU100からのアクセスと併行して、LCDパネル300への画像データの読み出しができるように、書込み/読出し回路(CPU側)42とは別に、読出し回路(LCD側)43が設けられている。読出し回路(LCD側)43の動作は、上述のとおり、表示系制御回路260からの表示データ読出し制御信号LREによって制御される。
【0039】
(液晶表示モジュールの構成例)
次に、図1に示す液晶駆動用IC200を搭載する液晶表示モジュールの全体構成について説明する。図3は、液晶表示モジュールの構成例を示す図である。図3の液晶表示モジュール30は、液晶駆動用IC200(例えば、図1に示されるシステム構成をもつ)と、LCDパネル(画像表示部)300と、ガラス基板30とを含んでいる。LCDパネル300は、例えば、320×240個の画素を有するQVGA(quarter video graphics array)タイプのパネルである。
【0040】
ガラス基板30上には、透明なセグメント配線LS1〜LS320とコモン配線LC1〜LC240とが形成されている。セグメント配線LS1〜LS320の各々は、LCDパネル20上に形成されたデータ線DL1〜DL320に接続され、コモン配線LC1〜LC240の各々は、走査線WL1〜WL240の各々に接続される。なお、PT1〜PTn、PC1〜PC240、PS1〜PS320は各々、接続端子を示す。なお、この構成は一例であり、この構成に限定されるものではない。
【0041】
(液晶駆動用ICの内部構成の一例)
図4は、図3に示される液晶駆動用ICの内部の構成の一例を示す図である。図示されるように、液晶駆動用IC200は、メモリ(RAM)40と、制御回路としてのゲートアレイ(GA)31と、電源部14と、データ線ドライバ11と、走査線ドライバ12a,12bと、を有する。図4の走査線ドライバ12a,12bならびにデータ線ドライバ11は、図1におけるLCDインタフェース230に相当する。また、図1のCPUインタフェース210は、例えば、図4のゲートアレイ(GA)31内に設けられる。
【0042】
(点順次駆動に対応したRAMの構成の概要)
本実施形態の液晶駆動用IC200に搭載されるメモリ(RAM)40は、LCDパネル300の点順次駆動に対応可能である。なお、点順次駆動は、LCDパネル300の1行分の画素の各々毎にリードアクセス/ライトアクセスを行う駆動方式である。点順次駆動に対応するためんに、メモリ(RAM)40は、1画素単位の画像データを時分割で出力することができる。線順次駆動の場合、1行に含まれる画素の画像データを一括して供給する必要があり、配線が複雑化する。液晶表示装置等の電気光学装置の駆動方式として点順次駆動を採用することによって、フルカラーの画像データを表示部(図1のLCDパネル300)に供給するための伝送系が大幅に簡略化され、回路の簡素化による実装面積の削減を図ることができる。
【0043】
また、本実施形態のメモリでは、液晶パネル(図1の参照符号300)の1行分(1走査線分)の画像データを2行(2ワード線)に分けて記憶する構成とし、これによって、メモリの縦方向(高さ方向)のサイズを縮小し、コストダウンを実現する。以下、図5を参照して、具体的に説明する。
【0044】
図5は、液晶パネルの1行分の画像データを2行に分けて記憶する構成をもつメモリの構成およびデータ読出し回路の概要を説明するための図である。240×320画素をもつQVGAタイプの液晶パネル用の画像データを記憶するメモリは、例えば、図5(A)のようなメモリセル構成によって実現できる。図5(A)のメモリは、320本のワード線(QL0・・・QL319)を有し、一本のワード線QL0には、240個のメモリセル(MC1〜MC240)が接続される。
【0045】
ここで、図5(A)のメモリを携帯端末(例えば、携帯電話端末)に搭載する場合を考える。液晶駆動用ICの横方向の幅は、搭載する液晶パネルの横幅に応じて決まるため、それ以上のサイズ縮小は困難である。一方、縦方向には制限がないため、例えば、携帯端末に搭載されるメモリ(RAM)40の縦方向のサイズ(チップの高さ)を縮小できれば、その分、携帯端末の筐体の縦のサイズの縮小に貢献でき、携帯端末の小型化、低コスト化が可能である。
【0046】
そこで、本実施形態では、メモリ(RAM)40の構成として、図5(B)のような構成を採用する。図5(B)のメモリ(RAM)40は、液晶パネルにおける1行(1走査線)分の画像データを、2本のワード線に分けて記憶する。すなわち、図5(B)において、半分のメモリセル(MC1〜MC120)はワード線QL1に接続され、残りの半分のメモリセル(MC121〜MC240)はワード線QL2に接続される。図5(B)の構成では、2本のワード線(QL1,QL2)が、図5(A)の1本のワード線(QL0)に相当する。図5(B)のメモリ構成を採用すると、図5(A)のメモリに比べて、縦方向のサイズ(チップの高さ)を約半分にすることができる。これによって、上述のように、液晶駆動用ICの縦のサイズの縮小が実現され、液晶駆動用ICの小型化、低コスト化が可能となる。
【0047】
但し、図5(B)のような構成をとる場合、画像データをどのように読み出すかが問題となる。特に、点順次駆動に対応するためには、メモリ(RAM)40から、各画素のデータを時分割で高速に出力する必要があり、かつ、携帯端末等に搭載される場合には低消費電力性が厳しく要求される。よって、高速性ならびに低消費電力の双方を実現しつつ、図5(B)の構成のメモリ(RAM)40から、データを無理なく読み出すことが求められる。
【0048】
そこで、本実施形態では、図5(C)に示すような、2段積みのラッチ回路を有する読み出し回路によって、カラム単位でデータを読み出す。図5(C)の読み出し回路は、第1のラッチ回路LA1と、第2のラッチ回路LA2と、ラッチ回路間の転送を制御するための転送制御回路301(具体的には、転送制御スイッチSW10を含む)と、2つのラッチ回路からのカラム単位の時分割のデータ出力を制御するためのカラム出力制御回路303(具体的には、2つのカラム出力制御スイッチSW20,SW30を含む)と、出力バッファ91と、を有している。第1および第2のラッチ回路(LA1,LA2)は各々、少なくとも1本のワード線に接続される120個のメモリセルの記憶データを格納するだけのラッチ容量を有する。
【0049】
図5(C)の読み出し回路は以下のように動作する。転送制御回路301に含まれる転送制御スイッチSW10およびカラム出力制御回路303に含まれる2つのカラム出力制御スイッチSW20,SW30を共にオフした状態で、まず、ワード線QL1に接続される複数のメモリセル(MC1〜MC120)の各々に記憶されているデータを、第1のラッチ回路LA1に並行的に、一括して読み出してラッチする(手順A1)。次に、転送制御スイッチSW10をオン状態とし、第1のラッチLA1に格納されているデータの各々を、第2のラッチ回路LA2に並行的に一括して転送する(手順A2)。次に、転送制御スイッチSW10をオフした後、ワード線QL2に接続される複数のメモリセル(MC121〜MC240)の各々に記憶されているデータを、第1のラッチ回路LA1に並行的に、一括して読み出してラッチする(手順A3)。次に、例えば、カラム出力制御回路303に含まれる一方のカラム出力制御スイッチSW20をオン状態として、第2のラッチ回路LA2に格納されている複数のデータの各々を、時分割でカラム単位で読み出し、出力バッファ91を経由してバス(図5(C)では不図示)に出力する。次に、カラム出力制御スイッチSW20をオフ状態とし、カラム出力制御スイッチSW30をオン状態とし、第1のラッチ回路LA1に格納されている複数のデータの各々を、時分割でカラム単位で読み出し、出力バッファ91を経由してバス(図5(C)では不図示)に出力する。
【0050】
このような読み出し方式を採用する理由は以下のとおりである。すなわち、点順次駆動に対応するためには、カラム単位(画素単位)がデータを時分割で高速に読み出して液晶パネル側に供給する必要がある。一方、メモリ(RAM)40からデータを読み出す際に
メモリセル毎にデータを読み出すと、センスアンプを経由した読み出しの回数が増え、読出しの高速化には限界がある。また、メモリ(RAM)40の容量が大きいことから、メモリセル毎にデータを読出す場合には、データの読み出し時における消費電力が大きくなり、低消費電力化の点でも限界がある。
【0051】
そこで、1ワード線(1ライン)分のデータを並行的に(一括して)読み出してラッチ回路にラッチし、その後、ラッチ回路から、時分割でデータを個別に取り出す方式を採用する。このようにすれば、ラッチ回路にデータをラッチするときのみセンスアンプは動作するが、ラッチ回路にデータが格納された後は、センスアンプは動作する必要がない。
【0052】
また、2つのラッチ回路(LA1,LA2)の各々は、1ワード線分のデータを蓄積できればよい。すなわち、2つのラッチ回路によって、合計で1行(1ROW)分のデータをラッチできればよい。よって、ラッチ回路(LA1,LA2)の容量は、メモリ(RAM)40の容量に比較してはるかに小さくて済む。よって、ラッチ回路(LA1,LA2)から、カラム単位でデータを読み出す際、読出しクロックの周波数を容易に高めることができ、高速化が可能であり、かつ、消費電力も低減することができる。
【0053】
また、図5(C)のように、2段積みのラッチ(LA1,LA2)を設ける構成は、ラッチを1段しか設けない構成に比べて、低消費電力化ならびに読出しの自由度の向上に有利である。この点について、図5(D)を用いて説明する。図5(D)では、ワード線QL1に接続されるメモリセルには、R1,G1,B1の各色の画像データが格納されているものとし、同様に、ワード線QL2に接続されるメモリセルには、R2,G2,B2の各色の画像データが格納されているものとする。ここで、画像データの取り出し順序が、R1,R2,G1,G2,B1,B2であるとする。このような読み出しでは、アクセス毎に、異なる行のメモリセルへのアクセスが発生する。このとき、1段のラッチしかもたない構成では、結局、異なるワード線(QL1,QL2)に接続されるメモリセルに交互にアクセスする必要が生じ、回路動作が多くなる分、消費電力が増大し、読出し速度も低下する。図5(C)のように、2段のラッチ回路(LA1,LA2)を有していれば、2本のワード線分の画像データをラッチできるため、あとは、自由に画像データを読み出せばよい。つまり、アクセス毎に、異なるワード線に接続されるメモリセルに格納されていたデータを取り出す場合でも、何ら不都合は生じない。よって、2段ラッチをもつ構成は、低消費電力化や読出しの自由度の向上の点で有利である。
【0054】
(読出し回路の構成と動作の一例)
図6(A)〜図6(D)は、読出し回路の具体例の構成と動作の概要を示す図である。図6では、一対のビット線(BLa,BLb)に対応した回路構成のみを示している。図示されるように、ワード線QL1およびビット線(BLa,BLb)には、メモリセルMC1が接続されている。ワード線QL2およびビット線(BLa,BLb)には、メモリセルMC2が接続されている。また、第1のラッチ回路LA1および第2のラッチ回路LA2が設けられている。また、読出したデータ(RDL)を出力するための出力バッファ91が設けられている。第1のラッチ回路LA1から第2のラッチ回路LA2へのデータ転送は、転送制御スイッチSW10によって制御される。また、第1のラッチ回路LA1からのデータの読出しは、カラム出力制御スイッチSW30によって制御される。第2のラッチ回路LA2からのデータの読出しは、カラム出力制御スイッチSW20によって制御される。上述のとおり、転送制御スイッチSW10は転送制御回路301を構成し、また、カラム出力制御スイッチSW20およびSW30は、カラム出力制御回路303を構成する。
【0055】
以下、読出し動作の一例について、順を追って説明する。図6(A)に示すように、まず、メモリセルMC1から、第1のラッチ回路LA1にデータ(DA1)が転送される(ワード線QL1に接続されるメモリセルからの並行的な(一括の)読み出し)。次に、図6(B)に示すように、第1のラッチ回路LA1のデータ(DA1)を、第2のラッチ回路LA2に転送する。次に、図6(C)に示すように、メモリセルMC2に記憶されているデータ(DA2)を、第1のラッチ回路LA1に転送する。これによって、2本のワード線(QL1,QL2)に接続されるメモリセル(MC1,MC2・・・)のデータがラッチされた状態となる。次に、図6(D)のように、第1のラッチ回路LA1および第2のラッチ回路LA2からデータを時分割で読み出す。第2のラッチ回路LA2からデータ(DA1)を読み出すときは、転送制御スイッチSW10はオフ状態であり、カラム出力制御スイッチSW20およびSW30は各々、実線で示す状態になる。第1のラッチ回路LA1からデータ(DA2)を読み出すときは、転送制御スイッチSW10はオフ状態であり、カラム出力制御スイッチSW20およびSW30は各々、点線で示す状態になる。
【0056】
以上の読出し動作は一例であり、これに限定されるものではない。すなわち、読出し方式としては種々のバリエーションがあり、これらはすべて本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、以下のような読出し方式を採用することもできる。
【0057】
すなわち、図6(B)において、第1のラッチ回路LA1から第2のラッチ回路LA2にデータDA1を転送するとき、同時に、カラム出力制御スイッチSW20をオンして、第2のラッチ回路LA2にラッチされたデータDA1を、出力バッファ91から読出しデータ(RDL)として読み出す。次に、図6(C)において、メモリセルMC2のデータDA2を第1のラッチ回路LA1にラッチし、同時に、カラム出力制御スイッチSW30をオンして、第1のラッチ回路LA1にラッチされたデータDA2を、出力バッファ91から読出しデータ(RDL)として読み出す。
【0058】
次に、より具体的な読出し回路の構成ならびに読み出し動作について説明する。図7は、読み出し回路(および読出し制御回路)のより具体的な構成を示す回路図である。図7では、図6と同様に、一対のビット線(BLa,BLb)に対応する構成のみを示している。
【0059】
図7の読出し回路43は、以下の構成を有する。すなわち、各ビット線(BLa,BLb)にはカラムスイッチ(M1a,M1b)が設けられている。また、ビット線プリチャージのためにプリチャージ回路(PE1)が設けられている。プリチャージ回路(PE1)のプリチャージ動作は、プリチャージ制御信号XPCGLによって制御される。また、1段目のラッチ回路としてのラッチ型センスアンプSA1が設けられている。このラッチ型センスアンプSA1は、第1のラッチ回路LA1(インバータINVQ1aおよびINVQ1bにより構成される)と、LA1の動作/非動作を切換えるための動作切換スイッチMS1とが含まれる。動作切換スイッチMS1のオン/オフは、センスアンプ選択信号SE1によって切り換えられる。また、カラムスイッチ(M1a,M1b)のオン/オフは、センスアンプ選択信号SE1によって制御される。
【0060】
また、第2のラッチ回路LA2は、2つのインバータ(INVQ2a,INVQ2b)によって構成される。第1のラッチ回路LA1と第2のラッチ回路LA2の間には、制御端子付きのインバータCINV1(図6の転送制御スイッチSW10に相当する)が設けられている。制御端子付きのインバータCINV1の動作は、転送制御信号CSLL1によって制御される。また、図6の2つのカラム出力制御スイッチ(SW20,SW30)の各々に相当する制御端子付きのインバータ(CINV2,CINV3)が設けられている。制御端子付きのインバータ(CINV2,CINV3)の動作は各々、カラム出力制御信号(CSPP1ならびに/CSPP1)によって制御される。制御端子付きのインバータ(CINV2,CINV3)の各々から出力されるデータは、出力段のバッファ(PMOSトランジスタMPおよびNMOSトランジスタMNからなるCMOSインバータINVX)によってレベル反転され、読出しデータRDLとしてバス(BUS)に出力される。
【0061】
また、表示系制御回路260内に設けられる読出し制御回路267には、カラムアドレス(COL ADD)と、キック信号RLINE(1本のワード線の選択タイミングを決めるタイミング制御信号)と、読出し回路43(液晶パネル側)の動作クロックLCLK
と、ローアドレス(ROW ADD)が入力される。読出し制御回路267は、これらの信号の少なくとも一つを用いて、プリチャージ制御信号(XPCGL),センスアンプ選択信号(SE1),転送制御信号(CSLL1),カラム出力制御信号(CSPP1ならびに/CSPP1)を生成する。
【0062】
図8は、図7の読出し回路の動作を説明するためのタイミング図である。図8において、時刻t1にキック信号RLINEがハイレベルになる。読出し制御回路267は、ロウアドレス(ROW ADD)を取り込んで、取り込んだアドレスのワード線(すなわち、ワード線QL1)を選択する。これにより、時刻t2にワード線QL1が立ち上がり、ワード線QL1に接続されるメモリセルの各々からデータが読み出され、一対のビット線(BLa,BLb)の電位が変化する(一方がHレベル,他方がLレベルになる)。
【0063】
プリチャージ制御信号XPGCLは、時刻t2に立ち上がる。時刻t3にセンスアンプ選択信号SE1がハイレベル(アクティブレベル)となる。これに伴い、カラムスイッチ(M1a,M1b)がオンし、かつ、第1のラッチ回路LA1が動作可能状態となる。したがって、一対のビット線(BLa,BLb)を経由してメモリセルMC1から読出されたデータDA1が第1のラッチ回路LA1に伝達され、ラッチされる。
【0064】
次に、時刻t4に転送制御信号CSLL1がハイレベル(アクティブレベル)となり、これによって、制御端子付きのインバータCINV1がオンし、第1のラッチ回路LA1に蓄積されていたデータDA1が第2のラッチ回路LA2に転送される。また、時刻t4において、カラム出力制御信号CSPP1が立ち上がり、/CSPP1が立ち下がる。これによって、制御端子付のインバータCINV2がオンし、CINV3がオフする。したがって、第2のラッチ回路LA2にラッチされたデータDA1が、出力バッファ91から、読出しデータRDLとしてバス(BUS)に出力される。
【0065】
次に、時刻t5に、キック信号RLINEがハイレベルになる。時刻t6にワード線QL2が立ち上がり、ワード線QL2に接続されるメモリセルの各々からデータが読み出され、一対のビット線(BLa,BLb)の電位が変化する(一方がHレベル,他方がLレベルになる)。
【0066】
プリチャージ制御信号XPGCLは、時刻t6に立ち上がる。時刻t7にセンスアンプ選択信号SE1がハイレベル(アクティブレベル)となる。これに伴い、カラムスイッチ(M1a,M1b)がオンし、かつ、第1のラッチ回路LA1が動作可能状態となる。したがって、一対のビット線(BLa,BLb)を経由してメモリセルMC2から読出されたデータDA2が第1のラッチ回路LA1に伝達され、ラッチされる。転送制御信号CSLL1はローレベルのままであり、よって、制御端子付インバータCINV1はオフ状態である。
【0067】
時刻t8に、カラム出力制御信号CSPP1が立ち下がり、/CSPP1が立ち上がる。これによって、制御端子付のインバータCINV2がオフし、CINV3がオンする。したがって、第1のラッチ回路LA1にラッチされているデータDA2が、出力バッファ91から、読出しデータRDLとしてバス(BUS)に出力される。図8に示す読出し動作は無駄がなく、効率的にデータを読み出すことができるという利点がある。
【0068】
(カラム出力制御信号の生成について)
次に、カラム出力制御信号CSPP1,/CSPP1)ならびに転送制御信号CSLL1
の生成について説明する。図9(A),図9(B)は、カラム出力制御信号および転送制御信号の生成の例について説明するための図である。先に説明したように、カラム出力制御信号(CSPP1,/CSPP1)ならびに転送制御信号CSLL1は、カラムアドレス(COL ADD)に基づいて生成することができる。
【0069】
図9(A)では、読出し制御回路267に設けられたデコーダ273が、カラムアドレス(COL ADD)を遅延回路271によって遅延した信号に基づいて、カラム出力制御信号CSPP1,/CSPP1)ならびに転送制御信号(CSLL1)を生成する。カラムアドレス(COL ADD)を遅延回路271で遅延させるのは、読出しデータを受ける側の負担を軽減するためである。すなわち、読出し回路43からのデータの読出しが、あまりに高速になされると、読出しデータを受ける側の回路が高速動作を余儀なくされ、よって負担が大きくなる。そこで、図9(A),図9(B)では、カラムアドレスに一定の遅延を与え、読出しデータを受け取る側の回路の負担を軽減している。
【0070】
図9(B)では、カラム単位の読出しの制御信号として、カラムアドレス(COL ADD)および画像表示制御信号(具体的には色選択信号)CLSを併用する。すなわち、図9(B)は、列(カラム)単位の時分割の読み出しのための時分割制御信号として、カラムアドレスと画像表示制御信号(例えば、色選択信号)とを組み合わせて用いる回路の構成例を示している。図9(B)において、読出し制御回路267は、カラムアドレス(COL ADD)と、画像表示制御信号(例えば、RGBのいずれかの色を選択するための色選択信号)CLSの組み合わせに基づいて、カラム出力制御信号CSPP1,/CSPP1)ならびに転送制御信号(CSLL1)を生成する。これによって、例えば、8ビット幅の各色毎の画像データを出力することができる。このように、RGBの各色毎に複数ビットの画像データを送出することができる場合、画像表示制御信号(例えば、色選択信号)CLSとカラムアドレス信号の組み合わせによって、例えば、各色毎のデータを時分割で読み出すことも可能である。
【0071】
(第2の実施形態)
本実施形態では、データの読出し時において、複数の出力バッファの各々から、データが同時に出力されることを防止するために、カラムを切り換える際に、意図的にリセット期間を設ける制御について説明する。
【0072】
点順次駆動方式に対応したメモリ(RAM)40の出力は、例えば、バス(BUS)を経由して次段の回路に伝送される。よって、メモリ(RAM)40内の複数の出力段のバッファ(すなわち、出力段のアンプ)が共通のバス(BUS)に接続される。特に、表示用メモリ(RAM)40は、大型のLCDパネルに対応するために必然的に大容量となる。これに伴い、バス(BUS)につながるアンプ数が増大し、アンプ毎にバス(BUS)の配線遅延が異なり、読出しのタイミング制御がむずかしくなる。よって、複数の出力段のバッファ(出力段のアンプ)が同時にバス(BUS)に接続される事態が生じるときがある。この場合、複数の出力段のバッファ(出力段のアンプ)同士がバス(BUS)を介して相互に接続されることになり、不要な電流(貫通電流)が流れるという不都合が生じる。この不都合を防止するためには、カラムを切り換える際に、意図的にデータの競合を避けるための期間(リセット期間)を設けるのが有効である。以下、リセット期間を設けるための構成およびその動作について、図10〜図12を参照して説明する。
【0073】
図10は、カラムを切り換える際に、リセット期間を設けることができる構成をもつメモリ(RAM)の構成例を示す回路図である。図10のメモリ(RAM)では、出力段にリセット制御回路47が設けられている。その他の部分の回路構成は、図7の回路構成と同じである。
【0074】
図示されるように、リセット制御回路47は、アンドゲート(AND100)およびオアゲート(OR102)を含む。アンドゲート(AND100)の動作は、リセット制御信号CSLC1によって制御される。すなわち、リセット制御信号CSLC1がローレベルのときは、アンドゲート(AND100)の出力レベルはローレベルに固定される。リセット制御信号CSLC1がハイレベルのときは、アンドゲート(AND100)から、入力信号(すなわち、制御端子機能付きインバータCINV2およびCINV3の出力信号)がそのまま出力される。
【0075】
また、オアゲート(OR102)の動作は、リセット制御信号/CSLC1によって制御される。すなわち、リセット制御信号/CSLC1がハイレベルのときは、オアゲート(OR102)の出力レベルはハイレベルに固定される。リセット制御信号/CSLC1がローレベルのときは、オアゲート(OR102)から、入力信号(すなわち、制御端子機能付きインバータCINV2およびCINV3の出力信号)がそのまま出力される。アンドゲート(AND100)およびノアゲート(OR102)の出力が強制的に固定される場合、CMOSインバータINVXを構成するNMOSトランジスタMNおよびPMOSトランジスタMPは共にオフし、読出し回路43はバス(BUS)から切り離される。これによって、カラム切り換え時において、複数の出力段のバッファ同士がバス(BUS)を介して相互に接続される事態が確実に防止される。
【0076】
なお、図10の回路では、制御端子機能付きインバータCINV2およびCINV3の出力信号は最終的な出力データではなく、中間データ(RD)となる。この中間データ(RD)は、リセット制御回路47ならびに出力段のバッファ(CMOSインバータINVX)を経由して、読出しデータRDLとしてバス(BUS)に出力される。
【0077】
図11は、図10の読出し回路の動作を説明するためのタイミング図である。中間データ(RD)が得られるまでの動作は、図8を用いて説明した動作と同じである。図11で注目すべき点は、リセット制御信号(CSLC1,/CSLC1)によって、リセット期間TXが設けられる点である。すなわち、時刻t40において、リセット制御信号CSLC1が立ち上がり,リセット制御信号/CSLC1が立ち下がる。これによって、リセット制御回路47を構成するアンドゲート(AND100)およびオアゲート(OR102)、ならびにCMOSインバータINVXを経由して、バス(BUS)に読出しデータ(RDL)が出力される。
【0078】
時刻t50に、リセット制御信号CSLC1が立ち下がり,リセット制御信号/CSLC1が立ち上がる。これによって、リセット制御回路47を構成するアンドゲート(AND100)およびオアゲート(OR102)の各々の出力レベルが“L”,“H”に強制的に固定される。これに伴い、CMOSインバータINVXを構成するNMOSトランジスタMNおよびPMOSトランジスタMPは共にオフする。時刻t90において、リセット制御信号CSLC1が立ち上がり、リセット制御信号/CSLC1が立ち下がり、データDA2がバス(BUS)に出力される。時刻t50〜時刻t90までの期間がリセット期間となる。ここで、リセット期間とは、「リセット制御信号CSLC1を、所定時間だけ例えばローレベル(非アクティブレベル)に固定し、/CSLC1を例えばハイレベル(非アクティブレベル)に固定し、これによって、カラム切り換え時(すなわち、読出しデータの切り換え時)における読出しデータの競合を防止するための期間」である。
【0079】
リセット期間TXにおいては、CMOSインバータINVXを構成するNMOSトランジスタMNおよびPMOSトランジスタMPは共にオフし、読出し回路43はバス(BUS)から切り離される。これによって、カラム切り換え時において、複数の出力段のバッファ同士がバス(BUS)を介して相互に接続される事態が確実に防止される。よって、不要な貫通電流が生じない。
【0080】
リセット期間TXにおいては、読出しデータ(RDL)は不定となる。但し、例えば、バス(BUS)のデータをラッチするラッチ回路を別途、設けて、リセット期間TXにおいて、直前のデータを維持する構成を採用すれば、読出しデータが不定となる事態は生じない。
【0081】
図12(A)〜図12(C)は、リセット制御信号の生成について説明するための図である。リセット制御信号(CSLC1,/CSLC1)は、カラムアドレス(COL ADD)、画像表示制御信号(色選択信号)CSL、カラムアドレスと画像表示制御信号(色選択信号)を合成した信号のいずれかに基づいて生成することができる。
【0082】
図12(A)では、読出し制御回路267に設けられたデコーダ273が、カラムアドレス(COL ADD)に基づいてリセット制御信号(CSLC1,/CSLC1)を生成している。カラムアドレス(COL ADD)を切り換える際に、そのレベルを所定時間、強制的に固定することによって、図11に示すようなリセット制御信号(CSLC1,/CSLC1)を生成することができる。
【0083】
図12(B)では、読出し制御回路267に設けられたデコーダ273が、画像表示制御信号(色選択信号)CSLに基づいてリセット制御信号(CSLC1,/CSLC1)を生成している。画像表示制御信号(色選択信号)CSLを切り換える際に、そのレベルを所定時間、強制的に固定することによって、図11に示すようなリセット制御信号(CSLC1,/CSLC1)を生成することができる。
【0084】
図12(C)では、読出し制御回路267に設けられた合成回路269が、カラムアドレス(COL ADD)と画像表示制御信号(色選択信号)CSLを合成する。デコーダ273は、その合成信号に基づいて、リセット制御信号(CSLC1,/CSLC1)を生成する。合成信号のレベルを、周期的に所定時間、強制的に固定することによって、図11に示すようなリセット制御信号(CSLC1,/CSLC1)を生成することができる。
【0085】
(第3の実施形態)
本実施形態では、メモリからバスに供給する信号のレベルを強制的に固定できる回路構成について説明する。
【0086】
表示パネルのニーズによって、画像データの全部(または一部)のレベルを強制的に固定しなければならない場合がある。この場合、画像データのレベルの強制固定をメモリ(RAM)40に設けたバッファ回路によって実現できれば、表示パネル側の負担が軽減され、表示パネル側の占有面積の低減に役立つ。そこで、図13のメモリ(RAM)40では、読出しデータのレベルを強制的に固定するための出力レベル制御回路(具体的には、表示固定制御信号によって出力が制御されるバッファ回路:以下、単にバッファ回路という)を設ける。
【0087】
図13は、読出しデータのレベルを強制的に固定する機能をもつメモリ(RAM)の主要部の構成を示す図である。読出しデータのレベルを強制的に固定するためのバッファ回路BFは、表示固定制御信号(XTCRL)および読出しデータ(RDL)が入力されるナンドゲートNAND100と、読出しデータ(RDL)のレベルを反転するインバータINV101と、PMOSトランジスタMP1およびNMOSトランジスタMN1からなるCMOS構成の出力段回路(OSB)と、表示固定制御信号(XTCRL)のレベルを反転するインバータ102と、出力固定用のプルダウントランジスタ(MPLD1)と、を有する。上述のバッファ回路BFは、メモリからの出力信号のレベルを強制的に制御する出力レベル制御回路として機能する。プルダウントランジスタ(MPLD1)は、NMOSトランジスタで構成される。なお、ナンドゲートNAND100は、PMOSトランジスタMP1を駆動する駆動素子として機能する。インバータINV101は、NMOSトランジスタMN1を駆動する駆動素子として機能する。
【0088】
表示固定制御信号(XCTRL)がハイレベルのときは、プルダウントランジスタ(MPLD1)はオフする。よって、バッファ回路BFから、メモリからの読出しデータRDLが、そのまま出力される。一方、表示固定制御信号(XCTRL)がローレベルのときは、プルダウントランジスタ(MPLD1)がオンする。したがって、バッファ回路BFの出力(OUT)は、強制的にローレベルに固定される。
【0089】
図14は、読出しデータのレベルを強制的に固定するためのバッファ回路の動作を説明するためのタイミング図である。表示固定制御信号(XCTRL)は、時刻t21にハイレベルからローレベルに変化する。時刻t20において、表示固定制御信号(XCTRL)はハイレベルであるため、バッファ回路BFからは、読出しデータRDLがそのまま出力される。すなわち、時刻t20において、読出しデータRDLがローレベルからハイレベルに変化すると、バッファ回路BFの出力(OUT)も同様に、ローレベルからハイレベルに変化する。
【0090】
一方、時刻t21において、表示固定制御信号(XCTRL)がハイレベルからローレベルに変化すると、バッファ回路BFの出力(OUT)は、強制的にローレベルに固定される。
【0091】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で、多くの変形が可能であることは、当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、すべて本発明に含まれるものとする。
【0092】
例えば、上述の実施形態では、ラッチ回路の例として、ラッチ型センスアンプを用いたが、これに限定されるものではない。すなわち、ラッチのみを目的としたラッチ回路と、データの増幅を目的としたアンプとを区別して設ける構成であってもよい。基本的には、各メモリセルからのデータをラッチするラッチ回路が存在すればよい。ラッチ回路の構成は問わない。使用されるメモリセルの回路構成も、SRAM型に限定されるものではなく、例えば、DRAM型のメモリセルも使用することもできる。
【0093】
また、上述の実施形態では、表示パネルの1行(1走査線)分のデータを、メモリ内の2本のワード線に接続されるメモリセルに分割して記憶しているが、これは一例であり、3本以上のワード線に接続されるメモリセルに分割して記憶する構成を採用することもあり得る。
【0094】
以上説明したように、本発明の少なくとも一つの実施態様によれば、例えば、以下の効果を得ることができる。但し、以下の効果は同時に得られるとは限らず、以下の効果の列挙が本発明を不当に限定する根拠とされてはならない。
(1)表示パネルの1行(1走査線)分のデータを、メモリ内の2本のワード線のメモリセルに分割して記憶することによって、メモリの縦サイズ(高さ)を縮小することができる。よって、例えば、液晶駆動用ICの小型化、ローコスト化が実現される。
(2)1本のワード線に接続される複数のメモリセルから並行的に一括してデータを読み出すため、各メモリセルへのアクセス毎にワード線を立ち上げる方式に比べて、メモリ(RAM)におけるライン駆動(消費電流大)の総数を減らすことができる。また、ラッチ回路は容量が小さく、構成も簡単であり、ラッチ回路からのデータの読出しは低パワーで行うことができる。よって、回路の低消費電力化を無理なく実現することができる。
(3)2段のラッチ回路を設け、異なるワード線に接続されるメモリセルのデータを2段のラッチの少なくとも一方に蓄積した後に、データをカラム単位で時分割で出力するという読出し方式をとるため、アクセス毎に、異なるワード線に接続されるメモリセルに格納されていたデータを取り出す場合でも、自由にデータを取り出すことができる。つまり、2段のラッチ回路をもつことによって、ラッチ回数が少なくて済み、低消費電力化が可能であり、かつ、読出しの自由度も向上する。
(4)1行(1走査線)に接続される複数の画素の各々に、画像データを時分割で供給することが可能な、点順次駆動に対応した画像メモリの高速化と低消費電力化の双方を、無理なく実現することができる。
(5)例えば、カラムアドレスに一定の遅延を与えて、カラム出力制御信号の発生タイミングを所定時間、遅延させることによって、メモリからの読出しデータを受ける側の回路の負担を軽減することができる。
(6)カラムを切換える際にリセット期間を設けることによって、読出しデータの競合が生じず、不要な貫通電流の発生を防止することができる。
(7)メモリに、読出しデータのレベルを強制的に固定するための出力レベル制御回路を設けることによって、画像データの全部(または一部)のレベルを強制的に固定しなければならない場合における表示パネル側の負担が軽減される。
(8)列(カラム)単位の時分割の読み出しのための時分割制御信号として、カラムアドレス信号および画像表示制御信号(例えば、表示色選択信号)とを組み合わせて使用することにより、例えば、色毎のデータを時分割で読み出すことができる。
(9)CPU側からのライトアクセスと、表示パネル(画像表示部)に向けたリードアクセスとが競合しないように調停回路によって調停を行う場合の制御が容易化される。すなわち、メモリセルからの例えば1行分の画像データの並行的な読み出し(ライン駆動)が終われば、CPU側からのライトアクセスには影響がなくなり、調停回路は動作する必要がなくなる。すなわち、本発明によれば、調停回路の回路動作の条件を絞り込むことができるため、調停回路による制御が容易化される。
【0095】
本発明は、メモリ(メモリを含む集積回路装置)の低消費電力化と高速化を無理なく実現することができるという効果を奏し、したがって、メモリを有する集積回路装置、電気光学装置および電子機器等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の一実施形態に係る集積回路装置の構成を示すブロック図
【図2】メモリセルアレイの構成の一例を示す図
【図3】液晶表示モジュールの構成例を示す図
【図4】図3に示される液晶駆動用ICの内部の構成の一例を示す図
【図5】図5(A)〜図5(D)は、点順次駆動に対応したメモリ(RAM)の、全体的な構成および動作の概要の一例を示す図
【図6】図6(A)〜図6(D)は、読出し回路の具体例の構成と動作の概要を示す図
【図7】読み出し回路(および読出し制御回路)のより具体的な構成例を示す回路図
【図8】図7の読出し回路の動作を説明するためのタイミング図
【図9】図9(A),図9(B)は、カラム出力制御信号および転送制御信号の生成の例について説明するための図
【図10】カラムを切り換える際に、リセット期間を設けることができる構成をもつメモリ(RAM)の構成例を示す回路図
【図11】図10の読出し回路の動作を説明するためのタイミング図
【図12】図12(A)〜図12(C)は、リセット制御信号の生成について説明するための図
【図13】読出しデータのレベルを強制的に固定する機能をもつメモリ(RAM)の主要部の構成を示す図
【図14】読出しデータのレベルを強制的に固定するためのバッファ回路の動作を説明するためのタイミング図
【符号の説明】
【0097】
43 読出し回路、44 ワード線ドライバ、91 出力バッファ、
260 表示系制御回路、267 読出し制御回路、300 LCDパネル、
SA ラッチ型センスアンプ、QL ワード線、BL ビット線、
LA1 第1のラッチ回路、LA2 第2のラッチ回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリを有する集積回路装置であって、
前記メモリは、
第1のワード線に接続される第1のメモリセル群と、
第2のワード線に接続される第2のメモリセル群と、
前記第1のメモリセル群に含まれる複数のメモリセルの各々に記憶されているデータまたは前記第2のメモリセル群に含まれる複数のメモリセルの各々に記憶されているデータを一括してラッチする第1のラッチ回路と、
前記第1のラッチ回路に格納されているデータを一括してラッチする第2のラッチ回路と、
前記第1のラッチ回路と前記第2のラッチ回路の間に設けられ、前記第1のラッチ回路から前記第2のラッチ回路へのデータの転送を制御するための転送制御回路と、
前記第1のラッチ回路または前記第2のラッチ回路から、データをカラム単位で出力させるためのカラム出力制御回路と、
前記転送制御回路および前記カラム出力制御回路の動作を制御する読出し制御回路と、
を有することを特徴とする集積回路装置。
【請求項2】
請求項1記載の集積回路装置であって、
前記メモリは、点順次駆動される画像表示部の画素の各々に供給する画像データを記憶する画像メモリであり、
前記画像表示部における1行分の画像データが複数のデータ群に分割され、分割されたデータ群の一つが前記第1のメモリセル群に格納され、分割された他のデータ群が前記第2のメモリセル群に格納されることを特徴とする集積回路装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の集積回路装置であって、
前記第1のラッチ回路は、1つのメモリセルに対応するビット線の電圧を増幅してラッチするラッチ型センスアンプを構成することを特徴とする集積回路装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3記載の集積回路装置であって、
前記読出し制御回路は、カラムアドレス信号に基づいて、前記カラム出力制御回路のオン/オフを制御するためのカラム出力制御信号を生成することを特徴とする集積回路装置。
【請求項5】
請求項2または請求項3記載の集積回路装置であって、
前記読出し制御回路は、カラムアドレス信号および前記画像表示部における表示を制御するための画像表示制御信号に基づいて、前記カラム出力制御回路のオン/オフを制御するためのカラム出力制御信号を生成することを特徴とする集積回路装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5記載の集積回路装置であって、
前記読出し制御回路は、前記カラム出力制御信号を生成する際に、前記カラム出力制御信号の発生タイミングを所定時間だけ遅延させることを特徴とする集積回路装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか記載の集積回路装置であって、
前記カラム出力制御回路の次段に設けられたリセット制御回路を、さらに有し、
前記リセット制御回路の動作は、前記読出し制御回路から出力されるリセット制御信号によって制御され、
前記読出し制御回路は、カラムの切り換えの際に、前記リセット制御信号のレベルを、所定時間だけ所定レベルに固定して、読出しデータの競合を防止するためのリセット期間を設けることを特徴とする集積回路装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の集積回路装置であって、
前記カラム出力制御回路を経由してカラム単位で読み出された前記データのレベルを強制的に固定するための出力レベル制御回路を、さらに有することを特徴とする集積回路装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれかに記載の集積回路装置であって、
前記メモリは、前記メモリへの前記データの書き込みアクセスと、前記メモリからの前記データの読み出しアクセスとが競合しないようにアクセスタイミングを制御する調停回路を、さらに有することを特徴とする集積回路装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれかに記載の集積回路装置を搭載する電気光学装置。
【請求項11】
請求項10記載の電気光学装置を搭載する電子機器。
【請求項1】
メモリを有する集積回路装置であって、
前記メモリは、
第1のワード線に接続される第1のメモリセル群と、
第2のワード線に接続される第2のメモリセル群と、
前記第1のメモリセル群に含まれる複数のメモリセルの各々に記憶されているデータまたは前記第2のメモリセル群に含まれる複数のメモリセルの各々に記憶されているデータを一括してラッチする第1のラッチ回路と、
前記第1のラッチ回路に格納されているデータを一括してラッチする第2のラッチ回路と、
前記第1のラッチ回路と前記第2のラッチ回路の間に設けられ、前記第1のラッチ回路から前記第2のラッチ回路へのデータの転送を制御するための転送制御回路と、
前記第1のラッチ回路または前記第2のラッチ回路から、データをカラム単位で出力させるためのカラム出力制御回路と、
前記転送制御回路および前記カラム出力制御回路の動作を制御する読出し制御回路と、
を有することを特徴とする集積回路装置。
【請求項2】
請求項1記載の集積回路装置であって、
前記メモリは、点順次駆動される画像表示部の画素の各々に供給する画像データを記憶する画像メモリであり、
前記画像表示部における1行分の画像データが複数のデータ群に分割され、分割されたデータ群の一つが前記第1のメモリセル群に格納され、分割された他のデータ群が前記第2のメモリセル群に格納されることを特徴とする集積回路装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の集積回路装置であって、
前記第1のラッチ回路は、1つのメモリセルに対応するビット線の電圧を増幅してラッチするラッチ型センスアンプを構成することを特徴とする集積回路装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3記載の集積回路装置であって、
前記読出し制御回路は、カラムアドレス信号に基づいて、前記カラム出力制御回路のオン/オフを制御するためのカラム出力制御信号を生成することを特徴とする集積回路装置。
【請求項5】
請求項2または請求項3記載の集積回路装置であって、
前記読出し制御回路は、カラムアドレス信号および前記画像表示部における表示を制御するための画像表示制御信号に基づいて、前記カラム出力制御回路のオン/オフを制御するためのカラム出力制御信号を生成することを特徴とする集積回路装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5記載の集積回路装置であって、
前記読出し制御回路は、前記カラム出力制御信号を生成する際に、前記カラム出力制御信号の発生タイミングを所定時間だけ遅延させることを特徴とする集積回路装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか記載の集積回路装置であって、
前記カラム出力制御回路の次段に設けられたリセット制御回路を、さらに有し、
前記リセット制御回路の動作は、前記読出し制御回路から出力されるリセット制御信号によって制御され、
前記読出し制御回路は、カラムの切り換えの際に、前記リセット制御信号のレベルを、所定時間だけ所定レベルに固定して、読出しデータの競合を防止するためのリセット期間を設けることを特徴とする集積回路装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の集積回路装置であって、
前記カラム出力制御回路を経由してカラム単位で読み出された前記データのレベルを強制的に固定するための出力レベル制御回路を、さらに有することを特徴とする集積回路装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれかに記載の集積回路装置であって、
前記メモリは、前記メモリへの前記データの書き込みアクセスと、前記メモリからの前記データの読み出しアクセスとが競合しないようにアクセスタイミングを制御する調停回路を、さらに有することを特徴とする集積回路装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれかに記載の集積回路装置を搭載する電気光学装置。
【請求項11】
請求項10記載の電気光学装置を搭載する電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−169161(P2009−169161A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8115(P2008−8115)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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