説明

難燃性樹脂組成物

【課題】本発明の主な目的は、難燃剤成分を添加することなく優れた難燃特性を有する樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】(A)ビフェニルユニット(Biphenylic Unit)またはナフタレンユニット
(Naphthalenic Unit)を有するエポキシ樹脂;(B)ビフェニル部分及びポリフェノー
ル部分を有するフェノール樹脂を30 〜100重量%含む硬化剤;(C)硬化促進剤;及び(D)無機フィラーを含むことを特徴とする難燃性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は難燃性樹脂組成物に関するものであり、特に、難燃性エポキシ樹脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エポキシ樹脂は、簡単な加工性や高度な安全性、優れた機械的性質及び化学的性質を具備することで、例えば複合材料の製造や成形材料または半導体材料への使用に広く応用されてきていた。エポキシ樹脂の難燃特性を改善するため、一般にハロゲン含有のエポキシ樹脂の成分または硬化剤成分を使用し、同時に三酸化アンチモンや他の難燃剤と合わせて使用することで、UL94 V−0の難燃標準に達する。
【0003】
しかしながら、三酸化アンチモンは発癌物質として取り上げられている。また、臭素が燃焼の過程で腐蝕性を有する臭素ラジカルまたは臭化水素を生成させるのみならず、臭素含有量の高い芳香族化合物が毒性の強い臭化フラン(brominated furans)または臭化ダ
イオキシン系(brominated dioxins)化合物を生成させることから、人体の健康や環境に対して悪影響を及ぼす。したがって、ハロゲンを含有しない難燃性エポキシ樹脂組成物が開発されてきている。このような組成物においては、難燃剤として例えば水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの水酸化物が使用され、あるいはリン含有の難燃剤が添加される。ただし、樹脂組成物の難燃性に対する水酸化物の向上効果が限られており、所望の難燃標準に達するために多量の水酸化物を添加する必要がある。そのため、樹脂組成物の粘度が増加するのでダイキャストには不利となる。また、リン含有の難燃剤は加水分解によって、リン酸が生成しやすく、これにより腐蝕が起こるので、製品の信頼性に悪影響を及ぼす。
【0004】
また、環境保護への認識が高まっているに従い、世界中の各先進国では高汚染物質の使用が禁止されてきた。半導体パッケージの関連技術には、鉛フリーのハンダ材料の開発が進められてきた。この種のハンダ材料の材質変化に応じ、半導体パッケージのプロセスでは、より高い温度条件でソルダーリフローの工程を行う必要がある。この場合、半導体パッケージに用いられるエポキシ樹脂組成物には、難燃特性を具備するのみならず、優れた熱安定性を維持する必要がある。
【0005】
米国特許公開第6,242,110号明細書(特許文献1)には、半導体パッケージに用いられるエポキシ樹脂組成物が開示されている、この組成物は、ビフェニル部分及びモノフェノール部分を有するフェノール樹脂と、ビフェニルまたはナフタレンユニットを有するエポキシ樹脂とを具備し、これによりこの組成物は難燃剤無添加の条件でUL 94 V-0
の難燃標準に達することが可能である。しかしながら、この特許では、ビフェニル部分及びポリフェノール部分を有するフェノール樹脂を硬化剤として使用することと、樹脂組成物の熱安定性に関することについて議論がなされていない。
【0006】
一方、米国特許公開第6,894,091号明細書(特許文献2)には、エポキシ樹脂と、硬化剤としてのフェノール樹脂と、モリブデン化合物と、無機フィラーとを含む半導体パッケージ用のエポキシ樹脂組成物が開示されている。このエポキシ樹脂組成物は、モリブデン化合物を難燃剤として使用している。さらに、エポキシ樹脂及び/またはフェノ
ール樹脂の合計でエポキシ樹脂及びフェノール樹脂の総重量の1.5〜20重量%含まれる窒素によって、その組成物が必要な難燃効果に達するようにする。しかしながら、この特許文献では、ビフェニル部分及びポリフェノール部分を有するフェノール樹脂を硬化剤として使用することについて開示されておらず、またこの樹脂組成物成分がガラス転移温
度に対する影響について研究されていない。
【0007】
したがって、UL94 V−0の難燃標準に達することが可能であり、しかも高ガラス転移温度、低吸湿性、及び優れた熱安定性を具備するエポキシ樹脂組成物が要求されている。
【特許文献1】米国特許公開第6,242,110号明細書
【特許文献2】米国特許公開第6,894,091号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の主な目的は、難燃剤成分を添加することなく優れた難燃特性を有する樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、高いガラス転移温度を有する樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
また、本発明のさらに他の目的は、熱安定性が向上した樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成させるため、本発明は、(A)ビフェニルユニット(Biphenylic Unit)またはナフタレンユニット(Naphthalenic Unit)を有するエポキシ樹脂;(B)ビフェニル部分及びポリフェノール部分を有するフェノール樹脂を30重量〜100重量%含む硬化剤;(C)硬化促進剤;及び、(D)無機フィラーを含む難燃性樹脂組成物を提供する。
【0012】
本発明の好ましい具体例では、このビフェニル部分及びポリフェノール部分を有するフェノール樹脂は、下記式(I)に示された構造を有するものである:
【化1】

(上記式(I)において、R1及びR2は、それぞれ独立に水素またはC1〜C6のアルキル
基であり;nは0または1〜10の整数であり;Arは、
(i)少なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有する、C6〜C18の単環または縮合多環のアリール基、
(ii)二つのフェニル基またはナフチル基が化学結合または連結基で結合されてなる、少なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有する一価基(ただし、該連結基は、置換されてもよいC1〜C6のアルキレン基、置換されてもよいC5〜C6のシクロアルキレン基、−O−、−S−、−S−S−、−C(=O)−または−SO2−である。)、及び
(iii)少なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有するキサンテニル(Xanthenyl)基
から選ばれる一価基であり;さらに、
Ar'は、
(iv)少なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有する、C6〜C18の単環または
縮合多環のアリーレン基、
(v)二つのフェニル基またはナフチル基が化学結合または連結基で結合されてなる、
少なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有する二価基(ただし、該連結基は、置換
されてもよいC1〜C6のアルキレン基、置換されてもよいC5〜C6のシクロアルキレン基、−O−、−S−、−S−S−、−C(=O)−または−SO2−である。)、及び
(vi)少なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有するキサンテン(Xanthene)二価基、
から選ばれる二価基である。)。前記フェノール樹脂において、前記一価基(i)〜(iii)は必要に応じてヒドロキシ基を除く置換基をさらに有してもよく、また、前記二価基(iv)〜(iv)も必要に応じてヒドロキシ基を除く置換基をさらに有する。
【0013】
本発明にかかる難燃性樹脂組成物は、ビフェニルユニットまたはナフタレンユニットを有するエポキシ樹脂を利用し、且つビフェニル部分及びポリフェノール部分を有するフェノール樹脂を硬化剤として使用することによって、難燃剤無添加の条件下で優れた難燃効果を達成する。また、本発明にかかる難燃性樹脂組成物は、より高いガラス転移温度を有することで、該樹脂組成物が硬化した後の吸湿問題が改善されるとともに、熱安定性も向上する。したがって、本発明にかかる難燃性樹脂組成物は、複合材料の製造、及び成形材料または半導体材料への適用に特に好ましく用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、(A)ビフェニルユニット(Biphenylic Unit)またはナフタレンユニット
(Naphthalenic Unit)を有するエポキシ樹脂;(B)ビフェニル部分及びポリフェノー
ル部分を有するフェノール樹脂を30〜100重量%含む硬化剤;(C)硬化促進剤;及び、(D)無機フィラーを含む難燃性樹脂組成物を提供する。
【0015】
本発明の好ましい具体例では、このフェノール樹脂は、下記式(I)に示された構造を
有するものである。
【化2】

(上記式(I)において、R1及びR2は、それぞれ独立に水素またはC1〜C6のアルキル
基であり;nは0または1〜10の整数であり;Arは、
(i)少なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有する、C6〜C18の単環または縮合多環のアリール基、
(ii)二つのフェニル基またはナフチル基が化学結合または連結基で結合されてなる、少なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有する一価基(ただし、この連結基は必要に応じて置換されてもよいC1〜C6のアルキレン基、必要に応じて置換されてもよいC5
6のシクロアルキレン基、−O−、−S−、−S−S−、−C(=O)−または−SO2−である。)、及び
(iii)少なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有するキサンテニル(Xanthenyl)基
から選ばれる一価基であり;さらに、
Ar'は、
(iv)少なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有する、C6〜C18の単環または縮
合多環のアリーレン基、
(v)二つのフェニル基またはナフチル基が化学結合または連結基で結合されてなる、少
なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有する二価基(ただし、この連結基は必要に応じて置換されてもよいC1〜C6のアルキレン基、必要に応じて置換されてもよいC5
6のシクロアルキレン基、−O−、−S−、−S−S−、−C(=O)−または−SO2−である。)、及び、
(vi)少なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有するキサンテン(Xanthene)二価基
から選ばれる二価基である。)。前記フェノール樹脂において、前記一価基(i)〜(iii)は必要に応じてヒドロキシ基を除く置換基をさらに有してもよく、また、前記二価基(iv)〜(vi)も必要に応じてヒドロキシ基を除く置換基をさらに有する。
【0016】
上記式(I)において、ArとAr’とは、いずれも少なくとも二つのフェノール系ヒ
ドロキシ基を有するアリール基が示されたものが好ましい。即ち、上記式(I)において
、炭素数と酸素数との割合(C/O)は、(26+20n)/(n+2)より小さいものが好ましい。
上記に定義されたArにおいて、前記一価基(i)として、少なくとも二つのフェノー
ル系ヒドロキシ基を有する、フェニル基、ナフチル基、アントリル基及びフェナントリル基よりなる群から選ばれた一価基が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、この一価基は、必要に応じてフェニル基、C1〜C6のアルキル基、ケトン基、ニトロ基、カルボキシル基及びスルホン酸基よりなる群から選ばれたそれぞれ1〜4個の置換基でさらに置換されていてもよい。
【0017】
この一価基(i)の例として、1,3−ジヒドロキシフェニル基または2−フェニル基
−1,4−ジヒドロキシフェニル基(2−フェニルヒドロキノン)などのジヒドロキシフェニル基;1,2−ジヒドロキシナフチル基、1,3−ジヒドロキシナフチル基、1,4−ジヒドロキシナフチル基、1,5−ジヒドロキシナフチル基、1,6−ジヒドロキシナフチル基、1,7−ジヒドロキシナフチル基、1,8−ジヒドロキシナフチル基、2,3−ジヒドロキシナフチル基、2,6−ジヒドロキシナフチル基、2,7−ジヒドロキシナフチル基、または2−メチル−1,4−ジヒドロキシナフチル基などのジヒドロキシナフチル基;1,5−ジヒドロキシアントラセン、3,4−ジヒドロキシアントロン、1,8−ジヒドロキシ−3−メチルアントロン、1,2−ジヒドロキシアントラキノン、1,8−ジヒドロキシ−3−メチルアントラキノン、1,2−ジヒドロキシ−3−ニトロアントラキノン、1,8−ジヒドロキシ−2,4,5,7−テトラニトロアントラキノン、5,6−ジヒドロキシアントラキノン−2−ギ酸、または3,4−ジヒドロキシアントラキノン−2−スルホン酸のいずれかの化合物におけるアントラセン環部分から1個の水素原子を除いてなる一価基;及び、1,2−ジヒドロキシフェナントリル基、1,4−ジヒドロキシフェナントリル基、1,5−ジヒドロキシフェナントリル基、1,6−ジヒドロキシフェナントリル基、1,7−ジヒドロキシフェナントリル基、2,3−ジヒドロキシフェナントリル基、2,5−ジヒドロキシフェナントリル基、2,6−ジヒドロキシフェナントリル基、2,7−ジヒドロキシフェナントリル基、3,4−ジヒドロキシフェナントリル基、3,6−ジヒドロキシフェナントリル基、3,10−ジヒドロキシフェナントリル基、または9,10−ジヒドロキシフェナントリル基などのジヒドロキシフェナントリル基が挙げられるが、これらに限定されない。
また、同様に、前記Ar’の(iv)に示された二価基についても、少なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有する、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基及びフェナントリレン基よりなる群から選ばれた二価基が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、この二価基は、必要に応じてフェニル基、C1〜C6のアルキル基、ケトン基、ニトロ基、カルボキシル基及びスルホン酸基よりなる群から選ばれたそれぞれ1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよい。なお、この二価基(iv)の例としては、前記一価基(i)について上記例示された各一価基に対応する二価基が挙げられる。
【0018】
上記に定義されたArにおいて、前記一価基(ii)は、下記式(II)に示された構造を有する基を含む:
【化3】

(式(II)において、Xは、化学結合、または、必要に応じてフェニル基、C1〜C4のアルキルフェニル基もしくはカルボキシル基に置換されてもよいC1〜C6のアルキレン基、必要に応じてC1〜C4のアルキル基に置換されてもよいC5〜C6のシクロアルキレン基、−O−、−S−、−S−S−、−C(=O)−及び−SO2−から選ばれる二価基であり
;R3及びR4は、それぞれ独立にH、C1〜C6のアルキル基またはC1〜C6のアルコキシ基であり; さらに、aが1〜3の整数、且つbが1〜4の整数であって、a+c=4、
且つb+d=5である。)。
【0019】
式(II)に示された一価基(ii)において、Xが化学結合である例としては、2,2’−ジヒドロキシビフェニル基、4,4’−ジヒドロキシビフェニル基、または3,3’,5,5’−テトラメトキシ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
式(II)に示された一価基(ii)において、Xが連結基である例として、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)酪酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)4’−メチルフェニルメタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4’−ヒドロキシフェニル)メチルシクロヘキサン、ビス(4’−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4’−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ケトン、ビス(3−ヒドロキシフェニル)スルファイド、ビス(3−ヒドロキシフェニル)エーテル、3−ヒドロキシフェニル−4’−ヒドロキシフェニルエーテル、または3,4−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサンのいずれかの化合物におけるフェニル基部分から1個の水素原子を除いてなる一価基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
上記に定義されたArにおいて、一価基(ii)は上記式(II)に示された基の他、2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ジナフチル、2,2’−ビス(4’−ヒドロキシナフチル)プロパン、または1,1’−ジスルホジ−2−ナフトールのいずれかの化合物におけるナフチル基部分から1個の水素原子を除いてなる一価基も含むが、これらに限定されない。
【0022】
上記に定義されたArにおいて、一価基(iii)は、1,3−ジヒドロキシキサントン
、2,7−ジヒドロキシ−9−フェニルキサンテンのいずれかの化合物におけるキサンテン部分から1個の水素原子を除いてなる一価基を含むが、これらに限定されない。同様に、前記Ar’の(vi)に示された二価基についても、1,3−ジヒドロキシキサントン、
2,7−ジヒドロキシ−9−フェニルキサンテンのいずれかの化合物におけるキサンテン部分から2個の水素原子を除いてなる二価基を含むが、これらに限定されない。
前記Ar'の(v)に示された二価基は、下記式(II')で示された二価基を含む:
【化4】

(式(II')において、Xは、化学結合、または、必要に応じてフェニル基、C1〜C4
アルキルフェニル基もしくはカルボキシル基に置換されてもよいC1〜C6のアルキレン基、必要に応じてC1〜C4のアルキル基に置換されてもよいC5〜C6のシクロアルキレン基、−O−、−S−、−S−S−、−C(=O)−及び−SO2−から選ばれる二価基であ
り;R3及びR4は、それぞれ独立にH、C1〜C6のアルキル基またはC1〜C6のアルコキシ基であり;a'が1〜2の整数、且つb'が1〜4の整数であって、a'+c’=3、且
つb’+d’=5である。)。
【0023】
本明細書中において、C1〜C6のアルキル基は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の一価アルキル基を示す。このようなアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、及びそれらの異性体等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
本明細書中において、C1〜C6のアルコキシ基は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の一価アルコキシ基を示す。このようなアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチロキシ基、ヘキシロキシ基、及びそれらの異性体等が挙げら
れるが、これらに限定されない。
【0025】
本明細書中において、C1〜C6のアルキレン(Alkylene)基は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の二価アルキル基を示す。このようなアルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、sec-ブチレン基、ペンチレン基、及びヘキシレン基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
本明細書中において、C5〜C6のシクロアルキレン(Cycloalkylene)基は、5〜6の
炭素原子を有する二価シクロアルキレン基を示す。このようなシクロアルキレン基の具体例としては、シクロペンチレン基及びシクロヘキシレン基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
本発明の難燃性樹脂組成物において、(B)硬化剤として、ビフェニル部分及びポリフェノール部分を有するフェノール樹脂が含まれるが、さらに他のエポキシ樹脂硬化剤を使用することができる。このような他のエポキシ樹脂硬化剤として、例えばフェノール性ノボラックワニス樹脂やクレゾール性ノボラックワニス樹脂などのフェノール樹脂が挙げられる。多種類のフェノール樹脂を硬化剤として使用する場合、上記ビフェニル部分及びポリフェノール部分を有するフェノール樹脂の含有量が、組成物に含まれるフェノール樹脂の総重量、すなわち硬化剤の総重量の30重量%に満たないときには、組成物の難燃性を
維持することが困難になるおそれがある。そこで、本発明の難燃性樹脂組成物において、上記ビフェニル部分及びポリフェノール部分を有するフェノール樹脂は、その含有量が組成物に含まれるフェノール樹脂の総重量、すなわち硬化剤の総重量の30〜100重量%の範囲にあることが好ましい。
【0028】
本発明の難燃性樹脂組成物の具体的な実施態様の一つにおいて、下記式(III)に示さ
れたビフェニルユニットを有するエポキシ樹脂が(A)成分のエポキシ樹脂として用いられる:

【化5】

(上記式(III)において、R5及びR6は、それぞれ独立にC1〜C6のアルキル基であり
、eは0または1〜4の整数、fは0または1〜3の整数、且つpは1〜10の整数を示す。)。
【0029】
もう一つの具体的な実施態様において、下記式(IV)に示されたナフタレンユニットを有するエポキシ樹脂が(A)成分のエポキシ樹脂として用いられる:
【化6】

(上記式(IV)において、R5及びR6は、それぞれ独立にC1〜C6のアルキル基であり、gは0または1〜6の整数、hは0または1〜5の整数、且つqは1〜10の整数を示す
。)。
【0030】
本発明の難燃性樹脂組成物において、(A)成分のエポキシ樹脂と(B)成分の硬化剤との含有量の割合は、エポキシ樹脂のエポキシ当量と硬化剤の活性水素当量との比として1:0.4〜1:2.5の範囲にあればよく、好ましくは1:0.5〜1:2.0、さらに好ましくは1:0.6〜1:1.5の範囲である。
【0031】
本発明の難燃性樹脂組成物において、(C)成分の硬化促進剤は、主にエポキシ樹脂のエポキシ基と硬化剤の活性水素官能基、例えばフェノール性ヒドロキシ基との硬化反応を促進するための成分である。硬化促進剤の具体例としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン及びα-メチルベンジル-ジメチルアミンなどの第三級アミン系化合物;トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p-メチルフェニル)ホスフィン及びトリ(ノニルフェニル)ホスフィンなどの第三級ホスフィン系化合物;テトラメチルアンモニウム塩化物、テトラエチルアンモニウム臭化物やテトラブチルアンモニウムヨウ化物、トリエチルベンジルアンモニウム塩化物、トリエチルベンジルアンモニウム臭化物及びトリエチルフェネチルアンモニウムヨウ化物などの第四級アンモニウム塩;テトラブチルホスホニウム塩化物、テトラフェニルホスホニウム臭化物、エチルトリフェニルホスホニウム塩化物、プロピルトリフェニルホスホニウム臭化物、ブチルトリフェニル
ホスホニウムヨウ化物、テトラブチルホスホニウム酢酸錯体及びエチルトリフェニルホスホニウムリン酸錯体などの第四級ホスホニウム塩;並びに、2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、4−ドデシルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−エチル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−4−メチルイミダゾール及び2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物が挙げられるが、それらに限られない。これらの硬化促進剤は、一種単独で、あるいは、二種類以上を組み合わせた混合物として使用してもよい。これらのうち、イミダゾール化合物及び第三級ホスフィン系化合物が好ましく、特に2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、トリフェニルホスフィン及びそれらの混合物がより好ましい。
【0032】
前記硬化促進剤は、樹脂の固化を有効に促進するような量で存在する。具体例の一つとして、この(C)成分の硬化促進剤は、本発明の難燃性樹脂組成物の総重量のうち、0.01〜5.0重量%を占めていればよく、好ましくは0.02〜3.0重量%、さらに好ましくは0.05〜2.0重量%を占めている。硬化促進剤の含有量が不足である場合には、所要の硬化性(Curability)を獲得することができないおそれがある。一方、硬化促進剤の含有量が多すぎる場合には、樹脂組成物の流動特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0033】
本発明の難燃性樹脂組成物において、(D)成分の無機フィラーは、主として、樹脂組成物の各特性、例えば導電性、耐摩耗性、熱膨張係数、耐引き張り強度、熱伝導性、耐水性、耐薬品性などを調整するために使用される。無機フィラーの具体的な例として、例えば球形溶融した二酸化ケイ素、角形溶融した二酸化ケイ素、結晶した二酸化ケイ素などの二酸化ケイ素の粉末;石英ガラス粉末;滑石粉末;酸化アルミニウム粉末;及び炭酸カルシウム粉末などが挙げられるが、これらの化合物に限られない。この無機フィラーの種類及び含有量は、本発明の難燃性樹脂組成物に悪影響を及ぼさない限り特に限定されない。一般に、(D)成分の樹脂組成物の無機フィラーの含有量は、その組成物の総重量の50〜95重量%であればよく、好ましくは70〜90重量%、さらに好ましくは80〜90重量%である。
【0034】
本発明の難燃性樹脂組成物において、必要に応じて添加剤をさらに含んでもよい。この添加剤の種類は特に限定されないが、エポキシ樹脂及び硬化剤との反応を起こさないものが好ましい。添加剤の具体的な例として、例えばカーボンブラックなどの着色剤(coloring agent);例えばγ-グリシドキシプロピル(γ- glycidoxypropyl)トリメトキシシランなどのカップリング剤(coupling agent);例えばパラフィン、及び、長鎖脂肪酸及びその金属塩などの離型剤;並びに、抗酸化剤などが挙げられる。
【0035】
本発明の難燃性樹脂組成物は、ビフェニルユニットまたはナフタレンユニットを有するエポキシ樹脂を利用し、且つビフェニル部分及びポリフェノール部分を有するフェノール樹脂を硬化剤として使用することによって、難燃剤無添加の条件で優れた難燃効果を達成する。また、本発明の難燃性樹脂組成物は、より高いガラス転移温度を有することで、該樹脂組成物が硬化した後の吸水問題が改善されるとともに、熱安定性も向上する。したがって、本発明の難燃性樹脂組成物は、複合材料の製造、及び成形材料または半導体材料への適用に特に好ましく用いられる。
【実施例】
【0036】
以下、特定の具体的な実施例により本発明の特徴と効果をさらに詳しく説明する。
実施例で使用した成分を、下記のように詳しく述べる。
【0037】
エポキシ樹脂一
下記式(V)に示した、ナフタレンユニットを有するエポキシ樹脂である(エポキシ当
量は270g/eq):
【化7】

(上記式(V)において、w=1〜10である。)。
【0038】
エポキシ樹脂二
長春人造樹脂株式会社(台湾)で生産され、商品名CNE200で販売されたクレゾール性ノボラックエポキシ樹脂である(エポキシ当量は200〜220g/eq)。
【0039】
エポキシ樹脂三
日本化薬株式会社で生産され、商品名NC3000Pで販売されたビフェニルユニットを有す
るエポキシ樹脂である(エポキシ当量は278g/eq)。
【0040】
エポキシ樹脂四
長春人造樹脂株式会社(台湾)で生産され、商品名BEB530A80で販売されたテトラブロ
モビスフェノールAのジグリシジルエーテルである(エポキシ当量は430〜450g/eq、臭素
含有量は18.5〜20.5重量%)。
【0041】
硬化剤一
下記式(VI)に示した、ビフェニル部分及びポリフェノール型ノボラック部分を有するフェノール樹脂硬化剤である(活性水素当量は155g/eq):
【化8】

(上記式(VI)において、u=1〜10である。)。
【0042】
硬化剤二
下記式(VII)に示した、ビフェニル部分及びポリフェノール部分を有するフェノール
樹脂硬化剤である(活性水素当量は115g/eq):
【化9】

(上記式(VII)において、r=1〜10である。)。
【0043】
硬化剤三
下記式(VIII)に示した、長春人造樹脂株式会社(台湾)で生産され、商品名PF5080で販売されたノボラックワニス樹脂である(活性水素当量は105〜110g/eq):
【化10】

(上記式(VIII)において、y=1〜10である。)。
【0044】
硬化剤四
下記式(IX)に示した、明和化学株式会社で生産され、商品名MEH-7851SSで販売されたフェノール樹脂である(活性水素当量は203g/eq):
【化11】

(上記式(IX)において、z=1〜10である。)。
【0045】
触媒(硬化促進剤)
触媒として、トリフェニルホスフィンを使用した。
分析方法
分析方法を、下記に説明する。
【0046】
(1)ガラス転移温度:熱機械的分析装置(Thermo Mechanical Analysis Apparatus)を
用いて5℃/分の温度上昇レートで測定した。
(2)難燃性:UL94の規格に従い、長さ5インチ、幅0.5インチ及び厚さ1/16
インチのサンプルについて難燃性を測定した。
(3)吸湿性:径25mm、厚さ5mmの丸形のサンプルを100℃の沸騰水の中に24
時間沸かした後、吸水重量の増加率を測定した。
(4)288℃でのスズ炉における熱安定性:長さ5インチ、幅0.5インチ及び厚さ1
/16インチのサンプルを288℃のスズ炉に30秒挿入し、サンプル表面で泡やクラックが出るか否かを観察した。
【0047】
実施例1〜5、及び比較例1〜3
表1に示した成分含有量にしたがって、それぞれ室温で各成分を十分に混合した後、70〜110℃の温度条件でツインローラーにて混練し、冷却してから粉砕し、エポキシ樹脂組成物成形粉末を得た。各サンプルに対してガラス転移温度、耐燃焼性、吸湿性及び熱安定性を解析し、テストした。その結果を下記の表1に示す。
【0048】
【表1】

【0049】
実施例1〜5の樹脂組成物は、ビフェニルユニットまたはナフタレンユニットを有するエポキシ樹脂を、式(I)に示したビフェニル部分及びポリフェノール部分を有するフェ
ノール樹脂硬化剤と合わせて用い、且つ無機フィラーの含有量が84重量%である条件で調製されているが、表1の結果から見ると、これらの樹脂組成物では、UL94 V−0(厚さ1.6mm)の難燃性レベルに達することが可能になることがわかる。
【0050】
比較例2の結果によれば、硬化剤としての式(I)に示されたビフェニル部分及びポリ
フェノール部分を有するフェノール樹脂の添加量が組成物中の硬化剤の総重量の30重量%より低い場合には、組成物の測定サンプルはUL94 V−0の難燃性標準に達することはできないことがわかる。
【0051】
実施例2と比較例1の結果から、本発明にかかる難燃性樹脂組成物は、式(I)に示さ
れたビフェニル部分及びポリフェノール部分を有するフェノール樹脂を硬化剤として使用するので、分子中に含まれる多くのフェノール系ヒドロキシ基が架橋に供されることとなり、組成物が硬化した後、より高いガラス転移温度を得ることが可能になることがわかる。一方、本発明の樹脂組成物に使用されるフェノール樹脂内のビフェニル部分及び存在しうるナフタレン部分は、多官能基硬化剤が硬化後に吸水しやすい問題を改善し、スズ炉中での該樹脂組成物の熱安定性を向上させることが可能である。
【0052】
以上に述べた実施例は、本発明の原理及びその効果を例示的に説明するものであって、本発明の内容の範囲を限定的に説明するわけではない。また、本発明に係る技術を熟知する当業者にとって明らかなように,本発明の主旨と内容を離脱しない範囲内で、上記の実施例に対するあらゆる変更や変形を実施することが可能である。それゆえ、本発明の権利範囲は、特許請求の範囲により規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ビフェニルユニット(Biphenylic Unit)またはナフタレンユニット(Naphthalenic Unit)を有するエポキシ樹脂;
(B)ビフェニル部分及びポリフェノール部分を有するフェノール樹脂を30〜100重量%含む硬化剤;
(C)硬化促進剤;及び、
(D)無機フィラー、
を含むことを特徴とする難燃性樹脂組成物。
【請求項2】
前記フェノール樹脂が、下記式(I)に示された構造を有するものであることを特徴と
する請求項1に記載の難燃性樹脂組成物:
【化1】

(上記式(I)において、R1及びR2は、それぞれ独立に水素またはC1〜C6のアルキル
基であり;nは0または1〜10の整数であり;
Arは、
(i)少なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有する、C6〜C18の単環または縮合多環のアリール基、
(ii)二つのフェニル基またはナフチル基が化学結合または連結基で結合されてなる、少なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有する一価基(ただし、該連結基は、置換されてもよいC1〜C6のアルキレン基、置換されてもよいC5〜C6のシクロアルキレン基、−O−、−S−、−S−S−、−C(=O)−または−SO2−である。)、及び
(iii)少なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有するキサンテニル(Xanthenyl)基
から選ばれる一価基であり;さらに、
Ar'は、
(iv)少なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有する、C6〜C18の単環または
縮合多環のアリーレン基、
(v)二つのフェニル基またはナフチル基が化学結合または連結基で結合されてなる、
少なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有する二価基(ただし、該連結基は、置換されてもよいC1〜C6のアルキレン基、置換されてもよいC5〜C6のシクロアルキレン基、−O−、−S−、−S−S−、−C(=O)−または−SO2−である。)、及び
(vi)少なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有するキサンテン(Xanthene)二価基
から選ばれる二価基である。)。
【請求項3】
前記一価基(i)〜(iii)または前記二価基(iv)〜(vi)が、ヒドロキシ基を除く置換基をさらに有する請求項2に記載の難燃性樹脂組成物。
【請求項4】
前記フェノール樹脂において、炭素数と酸素数との割合(C/O)が、(26+20n)/(n+2)より小さいことを特徴とする請求項2に記載の難燃性樹脂組成物。
【請求項5】
前記Ar及びAr’が、それぞれ少なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有する、フェニル基、ナフチル基、アントリル基及びフェナントリル基からなる群より選ばれる一価基及び二価基であることを特徴とする請求項2または3に記載の難燃性樹脂組成物。
【請求項6】
前記少なくとも二つのフェノール系ヒドロキシ基を有する一価基が、フェニル基、C1
〜C6のアルキル基、ケトン基、ニトロ基、カルボキシル基及びスルホン酸基からなる群
より選ばれるそれぞれ1〜4個の置換基でさらに置換されることを特徴とする請求項5に記載の難燃性樹脂組成物。
【請求項7】
前記Ar及びAr’がそれぞれ下記式(II)及び(II')に示された構造を有する基で
あることを特徴とする請求項2または3に記載の難燃性樹脂組成物:
【化2】

【化3】

(上記式(II)及び(II')において、Xは、化学結合、または、フェニル基、C1〜C4
のアルキルフェニル基もしくはカルボキシル基に置換されてもよいC1〜C6のアルキレン基、C1〜C4のアルキル基に置換されてもよいC5〜C6のシクロアルキレン基、−O−、−S−、−S−S−、−C(=O)−及び−SO2−から選ばれる二価基であり;
3及びR4は、それぞれ独立にH、C1〜C6のアルキル基またはC1〜C6のアルコキシ基であり;
aが1〜3の整数、且つbが1〜4の整数であって、a+c=4、且つb+d=5であり;さらに、
a’が1〜2の整数、且つb’が1〜4の整数であって、a’+c’=3、且つb’+d’=5である。)。
【請求項8】
前記(A)エポキシ樹脂が下記式(III)に示された構造を有するものであることを特
徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物:
【化4】

(式(III)において、R5及びR6は、それぞれ独立にC1〜C6のアルキル基であり、e
は0または1〜4の整数、fは0または1〜3の整数、且つpは1〜10の整数を示す。)。
【請求項9】
前記(A)エポキシ樹脂が下記式(IV)に示された構造を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物:
【化5】

(式(IV)において、R5及びR6は、それぞれ独立にC1〜C6のアルキル基であり、gは0または1〜6の整数、hは0または1〜5の整数、且つqは1〜10の整数を示す。)。
【請求項10】
前記(A)エポキシ樹脂と前記(B)硬化剤との含有量の割合が、エポキシ樹脂のエポキシ当量と硬化剤の活性水素当量との比率として1:0.4〜1:2.5であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
【請求項11】
前記(C)硬化促進剤が、第三級アミン、第三級ホスフィン、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩及びイミダゾール化合物からなる群より選ばれるものであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
【請求項12】
前記(D)無機フィラーが、二酸化ケイ素粉末、石英ガラス粉末、滑石粉末、酸化アルミニウム粉末及び炭酸カルシウム粉末からなる群より選ばれるものであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。

【公開番号】特開2008−266647(P2008−266647A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−112318(P2008−112318)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(595009383)長春人造樹脂廠股▲分▼有限公司 (23)
【Fターム(参考)】