電力供給装置
【課題】車両に搭載された各種電子装置に電力を供給する低電圧バッテリを用いることなく、しかも、新たに設ける回路を極力抑えることができる電力供給装置を提供する。
【解決手段】電力供給装置1は、充電装置10とヒータ接続スイッチ11とを備えている。充電装置10は、家庭用交流電源AC1によって走行用のモータに供給する電力を蓄える高電圧バッテリB1を充電する装置である。電力供給装置1は、充電装置10を利用してヒータH1に電力を供給する。そのため、従来のように、車両に搭載された各種電子装置に電力を供給する低電圧バッテリを用いることはない。しかも、ヒータ接続スイッチ11を追加するともに、制御回路103の動作を若干変更するだけでよい。従って、新たに設ける回路を極力抑えて電力供給装置を構成することができる。
【解決手段】電力供給装置1は、充電装置10とヒータ接続スイッチ11とを備えている。充電装置10は、家庭用交流電源AC1によって走行用のモータに供給する電力を蓄える高電圧バッテリB1を充電する装置である。電力供給装置1は、充電装置10を利用してヒータH1に電力を供給する。そのため、従来のように、車両に搭載された各種電子装置に電力を供給する低電圧バッテリを用いることはない。しかも、ヒータ接続スイッチ11を追加するともに、制御回路103の動作を若干変更するだけでよい。従って、新たに設ける回路を極力抑えて電力供給装置を構成することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関及び走行用の電動機を備えたハイブリッド車で、内燃機関や触媒装置を加熱するためのヒータに電力を供給する電力供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関及び走行用の電動機を備えたハイブリッド車で、内燃機関や触媒装置を加熱するためのヒータに電力を供給する電力供給装置として、例えば特許文献1に開示されているヒータ付触媒の電源装置がある。
【0003】
このヒータ付触媒の電源装置は、内燃機関の排気ガスを浄化する触媒を加熱するためのヒータに電力を供給する装置である。ここで、触媒は、所定温度に達しないと活性化せず充分な浄化機能を発揮できない。そのため、触媒の温度が低いときであっても、短時間で充分な浄化機能が得られるように、ヒータによって加熱する構成がとられている。
【0004】
ヒータ付触媒の電源装置は、バッテリと、DC−DCコンバータと、コンデンサと、スイッチとを備えている。バッテリは、DC−DCコンバータの入力端に接続されている。コンデンサは、DC−DCコンバータの出力端に接続されている。スイッチは、コンデンサとヒータの間に接続されている。DC−DCコンバータは、バッテリの出力する直流電圧12Vを120Vに昇圧してコンデンサを充電する。そして、内燃機関始動時の所定時間だけスイッチがオンし、コンデンサからヒータに電力を供給する。これにより、ヒータを発熱させ触媒を加熱することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07−011941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前述したヒータ付触媒の電源装置を車両に適用する場合、車両に搭載された各種電子装置に電力を供給する12Vの低電圧バッテリを用いることになる。低電圧バッテリの出力する直流電圧を昇圧してコンデンサを充電する際、低電圧バッテリの電圧が大きく低下する。そのため、低電圧バッテリだけでなく車両に搭載されている各種電子装置にも大きなストレスが加わる。その結果、低電圧バッテリや各種電子装置の寿命を縮めてしまうという問題があった。また、前述したヒータ付触媒の電源装置を車両に適用する場合、DC−DCコンバータ回路やスイッチを新たに設けなければならない。そのため、車両が大型化するとともにコストアップしてしまうという問題もあった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、車両に搭載された各種電子装置に電力を供給する低電圧バッテリを用いることなく、しかも、新たに設ける回路を極力抑えることができる電力供給装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明は、この課題を解決すべく、内燃機関及び走行用の電動機を備えたハイブリッド車において、走行用の電動機に供給する電力を蓄える蓄電装置を外部電源によって充電するための充電装置を利用することで、車両に搭載された各種電子装置に電力を供給する低電圧バッテリを用いることなく、しかも、新たに設ける回路を極力抑えられることを見出すことができる。
【0009】
すなわち、請求項1に記載の電力供給装置は、内燃機関及び走行用の電動機を備えたハイブリッド車で、内燃機関、及び、内燃機関の排気ガスを浄化する触媒装置の少なくともいずれかを加熱するためのヒータに電力を供給する電力供給装置において、外部電源に接続され、外部電源の出力する交流電圧を整流して直流電圧に変換する整流回路と、整流回路に接続され、整流回路の出力する直流電圧を昇圧し出力する昇圧回路と、昇圧回路に接続され、昇圧回路の出力する昇圧した直流電圧を、トランスを介して絶縁した状態で異なる電圧に変換し出力する直流電圧変換回路と、昇圧回路及び直流電圧変換回路に接続され、昇圧回路及び直流電圧変換回路を制御する制御回路と、を備え、外部電源によって走行用の電動機に供給する電力を蓄える蓄電装置を充電するための充電装置と、昇圧回路と直流電圧変換回路の接続点にヒータを接続する接続回路と、を有することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、走行用の電動機に供給する電力を蓄える蓄電装置を外部電源によって充電するための充電装置を利用することで、車両に搭載された各種電子装置に電力を供給する低電圧バッテリを用いることなく、しかも、新たに設ける回路を極力抑えることができる。
【0011】
請求項2に記載の電力供給装置は、制御回路は、昇圧回路を制御して整流回路の出力する直流電圧を昇圧させるとともに、接続回路を制御して昇圧回路と直流電圧変換回路の接続点にヒータを接続し、昇圧回路からヒータに電力を供給することを特徴とする。この構成によれば、外部電源から昇圧回路を介してヒータに電力を供給することできる。
【0012】
請求項3に記載の電力供給装置は、制御回路は、直流電圧変換回路を制御して動作を停止させるとともに、昇圧回路を制御して整流回路の出力する直流電圧を蓄電装置の充電時よりも高い電圧に昇圧させることを特徴とする。この構成によれば、蓄電装置の充電時よりも高い電圧で、外部電源から昇圧回路を介してヒータに電力を供給することができる。そのため、ヒータに流れる電流を抑えることができる。従って、ヒータに接続される配線を細くすることができる。
【0013】
請求項4に記載の電力供給装置は、直流電圧変換回路は、蓄電装置の出力する直流電圧を、トランスを介して絶縁した状態で異なる電圧に変換し出力でき、制御回路は、昇圧回路を制御して昇圧回路の動作を停止させるとともに、直流電圧変換回路を制御して、蓄電装置の出力する直流電圧を、トランスを介して絶縁した状態で異なる電圧に変換させ、接続回路を制御して昇圧回路と直流電圧変換回路の接続点にヒータを接続し、直流電圧変換回路からヒータに電力を供給することを特徴とする。この構成によれば、外部電源からの電力供給が停止した場合であっても、蓄電装置から直流電圧変換回路を介してヒータに電力を供給することができる。
【0014】
請求項5に記載の電力供給装置は、直流電圧変換回路は、トランスの巻数を切替える巻数切替え回路を有し、制御回路は、直流電圧変換回路からヒータに電力を供給する際、巻数切替え回路を制御してトランスの巻数を切替えることを特徴とする。この構成によれば、トランスの巻数を切替えることで、直流電圧変換回路の出力電圧を変えることができる。そのため、外部電源からの電力供給が停止した場合であっても、適切な電圧で、蓄電装置から直流電圧変換回路を介してヒータに電力を供給することができる。
【0015】
請求項6に記載の電力供給装置は、制御回路は、巻数切替え後の直流電圧変換回路の出力電圧が巻数切替え前の直流電圧変換回路の出力電圧より高くなるように巻数切替え回路を制御することを特徴とする。この構成によれば、より高い電圧で、蓄電装置から直流電圧変換回路を介してヒータに電力を供給することができる。そのため、ヒータに流れる電流を抑えることができる。従って、ヒータに接続される配線を細くすることができる。
【0016】
請求項7に記載の電力供給装置は、制御回路は、外部電源から整流回路に交流電圧が供給されている状態でハイブリッド車の始動が予告されたとき又はハイブリッド車が始動したとき、昇圧回路からヒータに電力を供給することを特徴とする。この構成によれば、ハイブリッド車の始動予告時又は始動時に、昇圧回路からヒータに確実に電力を供給することができる。
【0017】
請求項8に記載の電力供給装置は、制御回路は、外部電源から整流回路に交流電圧が供給されていない状態でハイブリッド車の始動が予告されたとき又はハイブリッド車が始動したとき、直流電圧変換回路からヒータに電力を供給することを特徴とする。この構成によれば、外部電源から電力供給が停止した場合であっても、蓄電装置から直流電圧変換回路を介してヒータに確実に電力を供給することができる。
【0018】
請求項9に記載の電力供給装置は、昇圧回路は、昇圧した直流電圧を平滑化するコンデンサを有し、制御回路は、コンデンサに蓄えられた電荷を放電することでヒータに電力を供給することを特徴とする。感電防止の観点から、コンデンサに蓄積された電荷は、放電しなければならない。従来、コンデンサに蓄積された電荷は、直流電圧変換回路を動作させて放電していた。この場合、直流電圧変換回路に大電流が流れ、温度が上昇することになる。そのため、直流電圧変換回路の電流容量や放熱性を上げる必要があった。しかし、この構成によれば、コンデンサに蓄えられた電荷をヒータに電力供給することで放電する。そのため、直流電圧変換回路を動作させ放電する必要がない。従って、電流容量や放熱性を上げることなく直流電圧変換回路を構成することができる。
【0019】
請求項10に記載の電力供給装置は、制御回路は、電力供給終了時の所定時間前から電力供給終了時までの間、又は、ヒータが所定温度に達してから電力供給終了時までの間、コンデンサに蓄えられた電荷を放電することでヒータに電力を供給することを特徴とする。この構成によれば、コンデンサに蓄えられた電荷を確実に放電させることができる。そのため、感電を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態の電力供給装置の回路図である。
【図2】図1の電力供給装置において高電圧バッテリを充電しているときの回路図である。
【図3】図1の電力供給装置においてヒータに電力を供給しているときの回路図である。
【図4】第1実施形態の電力供給装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】第2実施形態の電力供給装置の回路図である。
【図6】図4の電力供給装置において高電圧バッテリを充電しているときの回路図である。
【図7】図4の電力供給装置においてヒータに電力を供給しているときの回路図である。
【図8】第2実施形態の電力供給装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】第2実施形態に対する変形形態の電力供給装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】第2実施形態に対する変形形態の電力供給装置の回路図である。
【図11】第2実施形態に対する別の変形形態の電力供給装置の回路図である。
【図12】第2実施形態に対するさらに別の変形形態の電力供給装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
(第1実施形態)
次に、第1実施形態の電力供給装置について説明する。まず、図1を参照して第1実施形態の電力供給装置の構成について説明する。ここで、図1は、第1実施形態の電力供給装置の回路図である。
【0022】
図1に示す電力供給装置1は、エンジン(内燃機関)及び走行用のモータ(電動機)を備えたハイブリッド車において、エンジンの排気ガスを浄化する触媒装置を加熱するためのヒータに電力を供給する装置である。電力供給装置1は、充電装置10と、ヒータ接続スイッチ11(接続回路)とを備えている。
【0023】
充電装置10は、走行用のモータに供給する電力を蓄える高電圧バッテリB1(蓄電装置)を、家庭用交流電源AC1(外部電源)によって充電するための装置である。充電装置10及び高電圧バッテリB1は、ハイブリッド車に搭載されている。充電装置10は、整流回路100と、昇圧回路101と、DC−DCコンバータ回路102(直流電圧変換回路)と、制御回路103とを備えている。
【0024】
整流回路100は、ケーブルを介して家庭用交流電源AC1に接続され、家庭用交流電源AC1の出力する交流電圧を整流して直流電圧に変換する回路である。整流回路100は、ダイオード100a〜100dを備えている。ダイオード100a〜100dは、交流電圧を整流する素子である。ダイオード100a、100b及びダイオード100c、100dは、それぞれ直列接続されている。具体的には、ダイオード100a、100cのアノードが、ダイオード100b、100dのカソードにそれぞれ接続されている。直列接続された2組のダイオード100a、100b及びダイオード 100c、100dは、並列接続されている。ダイオード100a、100b及びダイオード100c、100dの直列接続点は、ケーブルを介して家庭用交流電源AC1に接続されている。また、ダイオード100a、100cのカソードとダイオード100b、100dのアノードは、昇圧回路102にそれぞれ接続されている。
【0025】
昇圧回路101は、整流回路100に接続され、整流回路100の出力する直流電圧を昇圧し出力する回路である。昇圧回路101は、コイル101aと、IGBT101bと、ダイオード101cと、コンデンサ101dとを備えている。
【0026】
コイル101aは、電流が流れることでエネルギーを蓄積、放出するとともに電圧を誘起する素子である。コイル101aの一端はダイオード100a、100cのカソードに、他端はIGBT101b及びダイオード101cにそれぞれ接続されている。
【0027】
IGBT101bは、オン、オフすることでコイル101aにエネルギーを蓄積、放出させるためのスイッチング素子である。IGBT101bのコレクタはコイル101aの他端に、IGBT101bのエミッタはダイオード100b、100dのアノードにそれぞれ接続されている。また、ゲートは、制御回路103に接続されている。
【0028】
ダイオード101cは、IGBT101bがオフし、コイル101aに蓄積されたエネルギーが放出されるときに発生する電流を流すための素子である。ダイオード101cのアノードはコイル101aの他端とIGBT101bのエミッタに、カソードはコンデンサ101dにそれぞれ接続されている。
【0029】
コンデンサ101dは、昇圧した直流電圧を平滑化するための素子である。コンデンサ101dの一端はダイオード101cのカソードに、他端はIGBT101bのエミッタに接続されている。さらに、コンデンサ101dの両端は、DC−DCコンバータ回路102に接続されている。
【0030】
DC−DCコンバータ回路102は、昇圧回路101に接続され、昇圧回路101の出力する昇圧した直流電圧を、後述するトランス102aを介して絶縁した状態で、高電圧バッテリB1の充電に適した、わずかに低い直流電圧に変換し出力する回路である。DC−DCコンバータ回路102は、トランス102aと、IGBT102b〜102eと、ダイオード102f〜102iと、コイル102jと、コンデンサ102kとを備えている。
【0031】
トランス102aは、1次側に入力される交流電圧を絶縁した状態で降圧し、2次側から出力する素子である。トランス102aは、1次巻線W1と、2次巻線W2とを備えている。1次巻線W1と2次巻線W2の巻数比はn1:n2(n1≧n2)に設定されている。
【0032】
IGBT102b〜102eは、昇圧回路101に接続され、スイッチングすることで、昇圧回路101の出力する昇圧した直流電圧を交流電圧に変換してトランス102aの1次巻線W1に印加するスイッチング素子である。IGBT102b、102c及びIGBT102d、102eは、それぞれ直列接続されている。具体的には、IGBT102b、102dのエミッタが、IGBT102c、102eのコレクタにそれぞれ接続されている。直列接続された2組のIGBT102b、102c及びIGBT102d、102eは、コンデンサ101dに並列接続されている。具体的には、IGBT102b、102dのコレクタがコンデンサ101dの一端に、IGBT102c、102eのエミッタがコンデンサ101dの他端にそれぞれ接続されている。IGBT102b、102cの直列接続点は1次巻線W1の一端に、IGBT102d、102eの直列接続点は1次巻線W1の他端にそれぞれ接続されている。また、IGBT102b〜102eのゲートは、制御回路103にそれぞれ接続されている。
【0033】
ダイオード102f〜102iは、トランス102aの2次巻線W2に接続され、2次巻線W2の出力する交流電圧を整流する素子である。ダイオード102f、102g及びダイオード102h、102iは、それぞれ直列接続されている。具体的には、ダイオード102f、102hのアノードが、ダイオード102g、102iのカソードにそれぞれ接続されている。直列接続された2組のダイオード102f、102g及びダイオード102h、102iは、並列接続されている。ダイオード102f、102gの直列接続点は2次巻線W2の一端に、ダイオード102h、102iの直列接続点は2次巻線W2の他端にそれぞれ接続されている。また、ダイオード102f、102hのカソードはコイル102jに、ダイオード102g、102iのアノードはコンデンサ102kにそれぞれ接続されている。
【0034】
コイル102j及びコンデンサ102kは、ダイオード102f〜102iに接続され、ダイオード102f〜102iによって整流された直流電圧を平滑化する素子である。コイル102jの一端は、ダイオード102f、102hのカソードに接続されている。コンデンサ102kの一端はコイル102jの他端に、他端はダイオード102g、102iのアノードにそれぞれ接続されている。また、コンデンサ102kの一端は高電圧バッテリB1の正極端に、他端は高電圧バッテリB1の負極端にそれぞれ接続されている。
【0035】
制御回路103は、昇圧回路101、DC−DCコンバータ回路102及びヒータ接続スイッチ11に接続され、外部から入力される交流電源接続信号及び車両始動信号に基づいて、昇圧回路101、DC−DCコンバータ回路102及びヒータ接続スイッチ11を制御する制御する回路である。ここで、交流電源接続信号は、家庭用交流電源AC1がケーブルを介して充電装置10に接続され、家庭用交流電源AC1から整流回路100に交流電圧が供給されるとオン状態となり、家庭用交流電源AC1が充電装置10から外され、家庭用交流電源AC1から整流回路100に交流電圧が供給されなくなるとオフ状態になる。つまり、家庭用交流電源AC1と充電装置10の接続状態を示す信号である。車両始動信号は、ハイブリッド車の始動が予告されたとき、又は、ハイブリッド車が始動したときオン状態になる。具体的には、ハイブリッド車を始動するためにイグニッションスイッチを押したとき、高電圧バッテリB1をモータの駆動装置(図略)に接続するためのリレーをオンしたとき、又は、数分後に車両に乗り込むため事前にエアコンを動作させたとき等にオン状態になる。つまり、車両始動信号は、ハイブリッド車の始動予告時又は始動時を示す信号である。制御回路103は、IGBT101b、102b〜102eのゲートにそれぞれ接続されている。また、ヒータ接続スイッチ11に接続されている。
【0036】
ヒータ接続スイッチ11は、制御回路103に接続され、制御回路103によって制御され、昇圧回路101とDC−DCコンバータ回路102の接続点にヒータH1を接続する素子である。ヒータ接続スイッチ11の一端は、コンデンサ101dとIGBT102b、102dの接続点に接続されている。また、他端は、ヒータH1の一端に接続され、ヒータH1の他端はコンデンサ101dとIGBT102c、102eの接続点に接続されている。さらに、制御端は、制御回路103に接続されている。
【0037】
次に、図2〜図4を参照して電力供給装置の動作について説明する。ここで、図2は、図1の電力供給装置において高電圧バッテリを充電しているときの回路図である。図3は、図1の電力供給装置においてヒータに電力を供給しているときの回路図である。図4は、第1実施形態の電力供給装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0038】
図2に示す制御回路103は、図4に示すように、交流電源接続信号がオン状態か否かを判断する(S100)。交流電源接続信号がオン状態のとき、制御回路103は、整流回路100の出力する直流電圧を昇圧して直流電圧V11を出力するように昇圧回路101を制御する(S101)。具体的には、IGBT101bのスイッチングを制御する。また、昇圧回路102の出力する直流電圧V11を、トランス102aを介して絶縁した状態で、高電圧バッテリB1の充電に適した、V11よりもわずかに低い直流電圧V12に変換して出力するようにDC−DCコンバータ回路102を制御する(S102)。具体的には、IGBT102b〜102eのスイッチングを制御する。これにより、家庭用交流電源AC1から高電圧バッテリB1を充電することができる。
【0039】
その後、制御回路103は、車両始動信号がオン状態か否かを判断する(S103)。車両始動信号がオン状態のとき、図3に示すように、DC−DCコンバータ回路101の動作を停止する(S104)。具体的には、IGBT102b〜102eのスイッチングを停止する。また、ヒータ接続スイッチ11をオンし、昇圧回路101とDC−DCコンバータ回路102の接続点にヒータH1を接続する(S105)。そして、整流回路100の出力する直流電圧を昇圧して、高電圧バッテリB1の充電時の電圧V11よりも高い電圧V13を出力するように昇圧回路101を制御する(S106)。具体的には、IGBT101bをスイッチングする際のオンデューティ比を制御する。その後、制御回路103は、ヒータH1が目標温度に達する電力供給終了時の所定時間前、又は、ヒータH1が目標温度より低い所定温度に達したときに、昇圧回路101の動作を停止する(S107)。具体的には、IGBT101bのスイッチングを停止する。以降、電力供給終了時の所定時間前から電力供給終了時までの間、又は、ヒータH1が所定温度に達してから電力供給終了時までの間、コンデンサ101dに蓄積された電荷の放電によってヒータH1に電力を供給する(S108)。これにより、ヒータH1の温度が目標温度に達する。なお、所定時間及び所定温度は、コンデンサに101dに蓄積された電荷の放電によってヒータH1の温度が目標温度に達するように予め設定されているものである。
【0040】
次に、効果について説明する。第1実施形態によれば、電力供給装置1は、走行用のモータに供給する電力を蓄える高電圧バッテリB1を、家庭用交流電源AC1によって充電するための充電装置10を利用してヒータH1に電力を供給する。そのため、従来のように、車両に搭載された各種電子装置に電力を供給する低電圧バッテリを用いることはない。しかも、ヒータ接続スイッチ11を追加するともに、制御回路103の動作を若干変更するだけでよい。従って、新たに設ける回路を極力抑えて電力供給装置を構成することができる。
【0041】
また、第1実施形態によれば、制御回路103は、昇圧回路101を制御して整流回路100の出力する直流電圧を昇圧させるとともに、ヒータ接続スイッチ11を制御して昇圧回路101とDC−DCコンバータ回路102の接続点にヒータH1を接続する。そのため、家庭用交流電源AC1から昇圧回路101を介してヒータH1に電力を供給することできる。
【0042】
また、第1実施形態によれば、制御回路103は、DC−DCコンバータ回路102を制御して動作を停止させるとともに、昇圧回路101を制御して整流回路100の出力する直流電圧を高電圧バッテリB1の充電時よりも高い電圧に昇圧させる。そのため、高電圧バッテリB1の充電時よりも高い電圧でヒータH1に電力を供給することができる。従って、ヒータH1に流れる電流を抑えることができる。その結果、ヒータH1に接続されるケーブルを細くすることができる。
【0043】
また、第1実施形態によれば、制御回路103は、家庭用交流電源AC1から整流回路100に交流電圧が供給されている状態でハイブリッド車の始動が予告されたとき又はハイブリッド車が始動したとき、昇圧回路102からヒータH1に電力を供給する。そのため、ハイブリッド車の始動予告時又は始動時に、昇圧回路101からヒータH1に確実に電力を供給することができる。従って、ハイブリッド車の始動直後であっても、触媒装置を加熱でき排気ガスを確実に浄化することができる。
【0044】
さらに、第1実施形態によれば、制御回路103は、コンデンサ101dに蓄えられた電荷を放電することでヒータH1に電力を供給する。感電防止の観点から、コンデンサ101dに蓄積された電荷は、放電しなければならない。従来、コンデンサ101dに蓄積された電荷は、DC−DCコンバータ回路102を動作させて放電していた。この場合、DC−DCコンバータ回路102に大電流が流れ、温度が上昇することになる。そのため、DC−DCコンバータ回路102の電流容量や放熱性を上げる必要があった。しかし、制御回路103は、コンデンサ101dに蓄えられた電荷をヒータH1に電力供給することで放電する。そのため、DC−DCコンバータ回路102を動作させ放電する必要がない。従って、電流容量や放熱性を上げることなくDC−DCコンバータ回路102を構成することができる。
【0045】
加えて、第1実施形態によれば、制御回路103は、電力供給終了時の所定時間前から電力供給終了時までの間、又は、ヒータH1が所定温度に達してから電力供給終了時までの間、コンデンサ101dに蓄えられた電荷を放電することでヒータH1に電力を供給する。そのため、コンデンサ101dに蓄えられた電荷を確実に放電させることができる。従って、感電事故を確実に防止することができる。
【0046】
なお、第1実施形態では、昇圧回路101を制御して整流回路100の出力する直流電圧を高電圧バッテリB1の充電時のV11よりも高い直流電圧V13に昇圧させ、ヒータH1に電力を供給する例を挙げているが、これに限られるものではない。高電圧バッテリB1の充電時と同一の直流電圧V11でヒータH1に電力を供給するようにしてもよい。この場合、ヒータH1に流れる電流が増加することとなるが、それ以外では同様の効果を得ることができる。
【0047】
また、第1実施形態では、エンジンの排気ガスを浄化する触媒装置を加熱するためのヒータに電力を供給する例を挙げているが、これに限られるものではない。冷えたエンジンを加熱するためのヒータに電力を供給する場合にも適用することができる。冷えたエンジン及び触媒装置の少なくともいずれかを加熱するためのヒータに電力を供給する場合に適用することができる。
【0048】
さらに、第1実施形態では、昇圧回路101及びDC−DCコンバータ回路102がIGBTによって構成されている例を挙げているが、これに限られるものではない。FETによって構成されていてもよい。スイッチング素子によって構成されていればよい。
【0049】
加えて、第1実施形態では、充電装置10の制御回路103がヒータ接続スイッチ11を制御する例を挙げているが、これに限られるものではない。制御回路103以外の別の回路がヒータ接続スイッチ11を制御するようにしてもよい。
【0050】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の電力供給装置について説明する。第2実施形態の電力供給装置は、第1実施形態の電力供給装置が、家庭用交流電源からヒータに電力を供給するのに対して、高電圧バッテリからヒータに電力を供給するようにしたものである。第2実施形態の電力供給装置は、DC−DCコンバータ回路の構成、及び、制御回路の動作を除いて第1実施形態の電力供給装置と同一である。
【0051】
まず、図5を参照して電力供給装置の構成について説明する。ここで、図5は、第2実施形態における電力供給装置の回路図である。
【0052】
図5に示すように、電力供給装置2は、充電装置20と、ヒータ接続スイッチ21(接続回路)とを備えている。
【0053】
充電装置20は、整流回路200と、昇圧回路201と、DC−DCコンバータ回路202(直流電圧変換回路)と、制御回路203とを備えている。
【0054】
整流回路200は、ダイオード200a〜200dを備えている。昇圧回路201は、コイル201aと、IGBT201bと、ダイオード201cと、コンデンサ201dとを備えている。整流回路200及び昇圧回路201は、第1実施形態の整流回路100及び昇圧回路101と同一構成である。
【0055】
DC−DCコンバータ回路202は、昇圧回路201に接続され、昇圧回路201の出力する昇圧した直流電圧を、後述するトランス202aを介して絶縁した状態で、高電圧バッテリB2(蓄電装置)の充電に適した、わずかに低い直流電圧に変換し出力する回路である。また、逆に、高電圧バッテリB2の出力する直流電圧を、トランス202aを介して絶縁した状態で、より高い直流電圧に変換し出力する回路でもある。つまり、双方向に電力を変換する回路である。DC−DCコンバータ回路202は、トランス202aと、IGBT202b〜202eと、ダイオード202f〜202iと、巻数切替えスイッチ202jと、IGBT202k〜202nと、ダイオード202o〜202rと、コイル202sと、コンデンサ202tとを備えている。
【0056】
トランス202aは、1次側に入力される交流電圧を絶縁した状態で降圧し、2次側から出力する素子である。また、逆に、2次側に入力された交流電圧を絶縁した状態で昇圧し、1次側から出力する素子でもある。トランス202aは、1次巻線W11、W12と、2次巻線W2とを備えている。1次巻線W12は、1次巻線W11を共用して構成されている。1次巻線W11と2次巻線W2の巻数比はn11:n2(n11≧n2)に設定されている。1次巻線W12と2次巻線W2の巻数比はn12:n2(n12>n11)に設定されている。
【0057】
IGBT202b〜202eは、昇圧回路201に接続され、高電圧バッテリB2を充電するときに、スイッチングすることで、昇圧回路201の出力する昇圧した直流電圧を交流電圧に変換し、巻線切替えスイッチ202jを介してトランス202aの1次巻線W11に印加するスイッチング素子である。IGBT202b、202c及びIGBT202d、202eは、それぞれ直列接続されている。具体的には、IGBT202b、202dのエミッタがIGBT202c、202eのコレクタにそれぞれ接続されている。直列接続された2組のIGBT202b、202c及びIGBT202d、202eは、コンデンサ101dに並列接続されている。具体的には、IGBT202b、202dのコレクタがコンデンサ201dの一端に、IGBT202c、202eのエミッタがコンデンサ201dの他端にそれぞれ接続されている。IGBT202b、202cの直列接続点は、1次巻線W11、W12の一端に、IGBT202d、202eの直列接続点は、巻数切替え回路202jにそれぞれ接続されている。また、IGBT202b〜202eのゲートは、制御回路103にそれぞれ接続されている。
【0058】
ダイオード202f〜202iは、ヒータH2に電力を供給するときに、巻線切替えスイッチ202jを介してトランス202aの1次巻線W12に接続され、1次巻線W12の出力する交流電圧を整流する素子である。ダイオード202f〜202iは、IGBT202b〜202eにそれぞれ並列接続されている。具体的には、ダイオード202f〜202iのアノードがIGBT202b〜202eのエミッタに、カソードがIGBT202b〜202eのコレクタにそれぞれ接続されている。
【0059】
巻数切替えスイッチ202jは、高電圧バッテリB2を充電するときと、ヒータH2に電力を供給するときとでトランス202aの巻数を切替える素子である。具体的には、高電圧バッテリB2を充電するときに、IGBT202b〜202eを1次巻線W11に接続し、ヒータH2に電力を供給するときに、1次巻線W12をダイオード202f〜202iに接続する。巻数切替えスイッチ202の一端はIGBT202d、202eの直列接続点に、他端は1次巻線W11、W12の他端にそれぞれ接続されている。また、制御端は、制御回路203に接続されている。
【0060】
IGBT202k〜202nは、コイル202s及びコンデンサ202tに接続され、ヒータH2に電力を供給するときに、スイッチングすることで、コイル202s及びコンデンサ202tによって平滑化された高電圧バッテリB2の出力する直流電圧を交流電圧に変換してトランス202aの2次巻線W2に印加するスイッチング素子である。IGBT202k、202l及びIGBT202m、202nは、それぞれ直列接続されている。具体的には、IGBT202k、202mのエミッタが、IGBT202l、202nのコレクタにそれぞれ接続されている。直列接続された2組のIGBT202k、202l及びIGBT202m、202nは、並列接続されている。具体的には、IGBT202k、202mのコレクタがコイル202sに、IGBT202l、202nのエミッタがコンデンサ202tにそれぞれ接続されている。IGBT202k、202lの直列接続点は2次巻線W2の一端に、IGBT202m、202nの直列接続点は2次巻線W2の他端にそれぞれ接続されている。また、IGBT202k〜202nのゲートは、制御回路203にそれぞれ接続されている。
【0061】
ダイオード202o〜202rは、トランス202aの2次巻線W2に接続され、高電圧バッテリB2を充電するときに、2次巻線W2の出力する交流電圧を整流する素子である。ダイオード202o〜202rは、IGBT202k〜202nにそれぞれ並列接続されている。具体的には、ダイオード202o〜202rのアノードがIGBT202k〜202nのエミッタに、カソードがIGBT202k〜202nのコレクタにそれぞれ接続されている。
【0062】
コイル202s及びコンデンサ202tは、ダイオード202o〜202rによって整流された直流電圧を平滑化する素子である。また、逆に、高電圧バッテリB2の出力する直流電圧を平滑化する素子でもある。コイル202sの一端は、ダイオード202o、202qのカソードに接続されている。コンデンサ202tの一端はコイル202sの他端に、他端はダイオード202p、202rのアノードにそれぞれ接続されている。また、コンデンサ202tの一端は高電圧バッテリB2の正極端に、他端は高電圧バッテリB2の負極端にそれぞれ接続されている。
【0063】
次に、動作について説明する。図6〜図8を参照して電力供給装置の動作について説明する。ここで、図6は、図4の電力供給装置において高電圧バッテリを充電しているときの回路図である。図7は、図4の電力供給装置においてヒータに電力を供給しているときの回路図である。図8は、第2実施形態の電力供給装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0064】
図6に示す制御回路203は、図8に示すように、交流電源接続信号がオン状態か否かを判断する(S200)。交流電源接続信号がオン状態のとき、制御回路203は、IGBT202b〜202eを1次巻線W11に接続するように巻数切替えスイッチ202jを制御する(S201)。そして、整流回路200の出力する直流電圧を昇圧して直流電圧V21を出力するように昇圧回路201を制御する(S202)。具体的には、IGBT201bのスイッチングを制御する。また、昇圧回路202の出力する直流電圧V21を、トランス202aを介して絶縁した状態で、高電圧バッテリB2の充電に適した、V21よりもわずかに低い直流電圧V22に変換して出力するようにDC−DCコンバータ回路202を制御する(S203)。具体的には、IGBT202b〜202eのスイッチングを制御する。これにより、家庭用交流電源AC2から高電圧バッテリB2を充電することができる。
【0065】
その後、制御回路203は、交流電源接続信号がオフ状態か否かを判断する(S204)。そして、交流電源接続信号がオフ状態のとき、さらに車両始動信号がオン状態か否かを判断する(S205)。車両始動信号がオン状態のとき、図7に示すように、昇圧回路201の動作を停止する(S206)。具体的には、IGBT201bのスイッチングを停止する。また、ヒータ接続スイッチ21をオンし、昇圧回路201とDC−DCコンバータ回路202の接続点にヒータH2を接続する(S207)。さらに、1次巻線W12にダイオード202f〜202iを接続するように巻数切替えスイッチ202jを制御する(S208)。そして、高電圧バッテリB2の直流電圧Vdcを、トランス202aを介して絶縁した状態で、直流電圧V23に変換して出力するようにDC−DCコンバータ回路202を制御する(S209)。具体的には、IGBT202k〜202nのスイッチングを制御する。1次巻線が巻数比の大きいW12に切替ったことから、高電圧バッテリB2の充電時の電圧V21よりも高い電圧V23を出力することができる。その後、制御回路203は、ヒータH2が目標温度に達する電力供給終了時の所定時間前、又は、ヒータH1が目標温度より低い所定温度に達したときに、DC−DCコンバータ回路202の動作を停止する(S210)。具体的には、IGBT202k〜202nのスイッチングを停止する。以降、電力供給終了時の所定時間前から電力供給終了時までの間、又は、ヒータH2が所定温度に達してから電力供給終了時までの間、コンデンサ201dに蓄積された電荷の放電によってヒータH2に電力を供給する(S211)。これにより、ヒータH2の温度が目標温度に達する。なお、所定時間及び所定温度は、コンデンサに201dに蓄積された電荷の放電によってヒータH2の温度が目標温度に達するように予め設定されているものである。
【0066】
次に、効果について説明する。第2実施形態によれば、制御回路203は、昇圧回路201を制御して動作を停止させるとともに、DC−DCコンバータ回路202を制御して、高電圧バッテリB2の出力する直流電圧を、トランス202aを介して絶縁した状態で異なる電圧に変換させ、ヒータ接続スイッチ21を制御して昇圧回路201とDC−DCコンバータ回202路の接続点にヒータH2を接続する。そのため、家庭用交流電源AC2からの電力供給が停止した場合であっても、高電圧バッテリB2からDC−DCコンバータ回路202を介してヒータH2に電力を供給することができる。
【0067】
また、第2実施形態によれば、制御回路203は、DC−DCコンバータ回路202からヒータH2に電力を供給する際、巻数切替えスイッチ202jを制御してトランス202aの巻数を切替える。トランス202aの巻数を切替えることで、DC−DCコンバータ回路202の出力電圧を変えることができる。そのため、家庭用交流電源AC2からの電力供給が停止した場合であっても、適切な電圧で、高電圧バッテリB2からDC−DCコンバータ回路202を介してヒータH2に電力を供給することができる。
【0068】
また、第2実施形態によれば、制御回路203は、巻数切替え後のDC−DCコンバータ回路202の出力電圧が、巻数切替え前のDC−DCコンバータ回路202の出力電圧より高くなるように巻数切替えスイッチ202jを制御する。より高い電圧で、ヒータH2に電力を供給することができる。そのため、ヒータH2に流れる電流を抑えることができる。従って、ヒータH2に接続されるケーブルを細くすることができる。
【0069】
また、第2実施形態によれば、制御回路203は、家庭用交流電源AC2から整流回路200に交流電圧が供給されていない状態でハイブリッド車の始動が予告されたとき又はハイブリッド車が始動したとき、DC−DCコンバータ回路202からヒータH2に電力を供給する。そのため、家庭用交流電源AC2から電力供給が停止した場合であっても、ハイブリッド車の始動時に、高電圧バッテリB2からDC−DCコンバータ回路202を介してヒータH2に確実に電力を供給することができる。従って、ハイブリッド車の始動直後であっても、触媒装置を加熱でき排気ガスを確実に浄化することができる。
【0070】
さらに、第2実施形態によれば、制御回路203は、コンデンサ201dに蓄えられた電荷を放電することでヒータH2に電力を供給する。感電防止の観点から、コンデンサ201dに蓄積された電荷は、放電しなければならない。従来、コンデンサ201dに蓄積された電荷は、DC−DCコンバータ回路202を動作させて放電していた。この場合、DC−DCコンバータ回路202に大電流が流れ、温度が上昇することになる。そのため、DC−DCコンバータ回路202の電流容量や放熱性を上げる必要があった。しかし、制御回路203は、コンデンサ201dに蓄えられた電荷をヒータH2に電力供給することで放電する。そのため、DC−DCコンバータ回路202を動作させ放電する必要がない。従って、電流容量や放熱性を上げることなくDC−DCコンバータ回路202を構成することができる。
【0071】
加えて、第2実施形態によれば、制御回路203は、電力供給終了時の所定時間前から電力供給終了時までの間、又は、ヒータH2が所定温度に達してから電力供給終了時までの間、コンデンサ201dに蓄えられた電荷を放電することでヒータH2に電力を供給する。そのため、コンデンサ201dに蓄えられた電荷を確実に放電させることができる。従って、感電事故を確実に防止することができる。
【0072】
なお、第2実施形態では、ヒータH2への電力供給終了時の所定時間前にDC−DCコンバータ回路202の動作を停止し、以降、コンデンサ201dに蓄積された電荷の放電によってヒータH2に電力を供給する例を挙げているが、これに限られるものではない。図9に示すように、コンデンサ201dに蓄積された電荷の放電によってヒータH2に電力を供給した後に、高電圧バッテリB2からヒータH2に電力を供給するようにしてもよい。図9を参照して説明する。図9に示すステップS220〜S223は、第2実施形態におけるステップS200〜S203と同一である。制御回路203は、交流電源接続信号がオフ状態か否かを判断する(S224)。そして、交流電源接続信号がオフ状態のとき、ヒータ接続スイッチ21をオンし、昇圧回路201とDC−DCコンバータ回路202の接続点にヒータH2を接続する(S225)。その結果、コンデンサ201dに蓄積された電荷の放電によってヒータH2に電力を供給する(S226)。その後、車両始動信号がオン状態か否かを判断する(S227)。車両始動信号がオン状態のとき、昇圧回路201の動作を停止する(S228)。また、1次巻線W12にダイオード202f〜202iを接続するように巻数切替えスイッチ202jを制御する(S229)。そして、高電圧バッテリB2の直流電圧Vdcを、トランス202aを介して絶縁した状態で、直流電圧V23に変換して出力するようにDC−DCコンバータ回路202を制御する(S230)。
【0073】
また、第2実施形態では、トランス202aの1次巻線W12が、1次巻線W11を
共用して構成されている例を挙げているが、これに限られるものではない。図10に示すように、トランス202uの1次巻線W11と1次巻線W12をそれぞれ別々に独立して設けてもよい。この場合、高電圧バッテリB2を充電するときには、1次巻線W11の両端をIGBT202b〜202eに、ヒータH2に電力を供給するときには、1次巻線W12の両端をダイオード202f〜202iに接続するように巻数切替えスイッチ202vの構成を変更すればよい。
【0074】
また、第2実施形態では、高電圧バッテリB2の充電時と、ヒータH2への電力供給時で、トランス202aの1次巻線の巻数を切替える例を挙げているが、これに限られるものではない。図11に示すように、2次巻線の巻数を切替えるようにしてもよい。この場合、トランス202xの1次巻線W1と2次巻線W21の巻数比をn1:n21(n1≧n2)に、1次巻線W1と2次巻線W22の巻数比をn1:n22(n22<n21)に設定し、高電圧バッテリB2を充電するときには、2次巻線W21をダイオード202o〜202rに、ヒータH2に電力を供給するときには、2次巻線W22をIGBT202k〜202nに接続するように巻数切替えスイッチ202yの構成を変更すればよい。なお、前述した1次巻線の場合と同様に、2次巻線W21と2次巻線W22をそれぞれ別々に独立して設けてもよい。
【0075】
また、第2実施形態では、トランス202aの2次巻線W2にIGBT202k〜202nと、ダイオード202o〜202rとが接続される例を挙げているが、これに限られるものではない。図12に示すように、IGBT202k〜202nのうち、対角状に配置される例えばIGBT202l、202mを省略してもよい。この場合でも、高電圧バッテリB2からDC−DCコンバータ回路202を介してヒータH2に電力を供給することができる。これにより、回路を簡素化してコストを抑えることができる。
【0076】
さらに、第2実施形態では、昇圧回路201及びDC−DCコンバータ回路202がIGBTによって構成されている例を挙げているが、これに限られるものではない。FETによって構成されていてもよい。スイッチング素子によって構成されていればよい。
【0077】
加えて、第2実施形態では、充電装置20の制御回路203がヒータ接続スイッチ21を制御する例を挙げているが、これに限られるものではない。制御回路203以外の別の回路がヒータ接続スイッチ21を制御するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1、2・・・電力供給装置、10、20・・・充電装置、100、200・・・整流回路、100a〜100d、200a〜200d・・・ダイオード、101、201・・・昇圧回路、101a、201a・・・コイル、101b、201b・・・IGBT、101c、201c・・・ダイオード、101d、201d・・・コンデンサ、102、202・・・DC−DCコンバータ回路(直流電圧変換回路)、102a、202a・・・トランス、W1、W11、W12・・・1次巻線、W2、W21、W22・・・2次巻線、102b〜102e、202b〜202e、202k〜202n・・・IGBT、102f〜102i、202f〜202i、202o〜202r・・・ダイオード、102j、202s・・・コイル、102k、202t・・・コンデンサ、202j・・・巻数切替えスイッチ(巻数切替え回路)、103、203・・・制御回路、11、21・・・ヒータ接続スイッチ(接続回路)、AC1、AC2・・・家庭用交流電源(外部電源)、B1、B2・・・高電圧バッテリ(蓄電装置)、H1、H2・・・ヒータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関及び走行用の電動機を備えたハイブリッド車で、内燃機関や触媒装置を加熱するためのヒータに電力を供給する電力供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関及び走行用の電動機を備えたハイブリッド車で、内燃機関や触媒装置を加熱するためのヒータに電力を供給する電力供給装置として、例えば特許文献1に開示されているヒータ付触媒の電源装置がある。
【0003】
このヒータ付触媒の電源装置は、内燃機関の排気ガスを浄化する触媒を加熱するためのヒータに電力を供給する装置である。ここで、触媒は、所定温度に達しないと活性化せず充分な浄化機能を発揮できない。そのため、触媒の温度が低いときであっても、短時間で充分な浄化機能が得られるように、ヒータによって加熱する構成がとられている。
【0004】
ヒータ付触媒の電源装置は、バッテリと、DC−DCコンバータと、コンデンサと、スイッチとを備えている。バッテリは、DC−DCコンバータの入力端に接続されている。コンデンサは、DC−DCコンバータの出力端に接続されている。スイッチは、コンデンサとヒータの間に接続されている。DC−DCコンバータは、バッテリの出力する直流電圧12Vを120Vに昇圧してコンデンサを充電する。そして、内燃機関始動時の所定時間だけスイッチがオンし、コンデンサからヒータに電力を供給する。これにより、ヒータを発熱させ触媒を加熱することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07−011941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前述したヒータ付触媒の電源装置を車両に適用する場合、車両に搭載された各種電子装置に電力を供給する12Vの低電圧バッテリを用いることになる。低電圧バッテリの出力する直流電圧を昇圧してコンデンサを充電する際、低電圧バッテリの電圧が大きく低下する。そのため、低電圧バッテリだけでなく車両に搭載されている各種電子装置にも大きなストレスが加わる。その結果、低電圧バッテリや各種電子装置の寿命を縮めてしまうという問題があった。また、前述したヒータ付触媒の電源装置を車両に適用する場合、DC−DCコンバータ回路やスイッチを新たに設けなければならない。そのため、車両が大型化するとともにコストアップしてしまうという問題もあった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、車両に搭載された各種電子装置に電力を供給する低電圧バッテリを用いることなく、しかも、新たに設ける回路を極力抑えることができる電力供給装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明は、この課題を解決すべく、内燃機関及び走行用の電動機を備えたハイブリッド車において、走行用の電動機に供給する電力を蓄える蓄電装置を外部電源によって充電するための充電装置を利用することで、車両に搭載された各種電子装置に電力を供給する低電圧バッテリを用いることなく、しかも、新たに設ける回路を極力抑えられることを見出すことができる。
【0009】
すなわち、請求項1に記載の電力供給装置は、内燃機関及び走行用の電動機を備えたハイブリッド車で、内燃機関、及び、内燃機関の排気ガスを浄化する触媒装置の少なくともいずれかを加熱するためのヒータに電力を供給する電力供給装置において、外部電源に接続され、外部電源の出力する交流電圧を整流して直流電圧に変換する整流回路と、整流回路に接続され、整流回路の出力する直流電圧を昇圧し出力する昇圧回路と、昇圧回路に接続され、昇圧回路の出力する昇圧した直流電圧を、トランスを介して絶縁した状態で異なる電圧に変換し出力する直流電圧変換回路と、昇圧回路及び直流電圧変換回路に接続され、昇圧回路及び直流電圧変換回路を制御する制御回路と、を備え、外部電源によって走行用の電動機に供給する電力を蓄える蓄電装置を充電するための充電装置と、昇圧回路と直流電圧変換回路の接続点にヒータを接続する接続回路と、を有することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、走行用の電動機に供給する電力を蓄える蓄電装置を外部電源によって充電するための充電装置を利用することで、車両に搭載された各種電子装置に電力を供給する低電圧バッテリを用いることなく、しかも、新たに設ける回路を極力抑えることができる。
【0011】
請求項2に記載の電力供給装置は、制御回路は、昇圧回路を制御して整流回路の出力する直流電圧を昇圧させるとともに、接続回路を制御して昇圧回路と直流電圧変換回路の接続点にヒータを接続し、昇圧回路からヒータに電力を供給することを特徴とする。この構成によれば、外部電源から昇圧回路を介してヒータに電力を供給することできる。
【0012】
請求項3に記載の電力供給装置は、制御回路は、直流電圧変換回路を制御して動作を停止させるとともに、昇圧回路を制御して整流回路の出力する直流電圧を蓄電装置の充電時よりも高い電圧に昇圧させることを特徴とする。この構成によれば、蓄電装置の充電時よりも高い電圧で、外部電源から昇圧回路を介してヒータに電力を供給することができる。そのため、ヒータに流れる電流を抑えることができる。従って、ヒータに接続される配線を細くすることができる。
【0013】
請求項4に記載の電力供給装置は、直流電圧変換回路は、蓄電装置の出力する直流電圧を、トランスを介して絶縁した状態で異なる電圧に変換し出力でき、制御回路は、昇圧回路を制御して昇圧回路の動作を停止させるとともに、直流電圧変換回路を制御して、蓄電装置の出力する直流電圧を、トランスを介して絶縁した状態で異なる電圧に変換させ、接続回路を制御して昇圧回路と直流電圧変換回路の接続点にヒータを接続し、直流電圧変換回路からヒータに電力を供給することを特徴とする。この構成によれば、外部電源からの電力供給が停止した場合であっても、蓄電装置から直流電圧変換回路を介してヒータに電力を供給することができる。
【0014】
請求項5に記載の電力供給装置は、直流電圧変換回路は、トランスの巻数を切替える巻数切替え回路を有し、制御回路は、直流電圧変換回路からヒータに電力を供給する際、巻数切替え回路を制御してトランスの巻数を切替えることを特徴とする。この構成によれば、トランスの巻数を切替えることで、直流電圧変換回路の出力電圧を変えることができる。そのため、外部電源からの電力供給が停止した場合であっても、適切な電圧で、蓄電装置から直流電圧変換回路を介してヒータに電力を供給することができる。
【0015】
請求項6に記載の電力供給装置は、制御回路は、巻数切替え後の直流電圧変換回路の出力電圧が巻数切替え前の直流電圧変換回路の出力電圧より高くなるように巻数切替え回路を制御することを特徴とする。この構成によれば、より高い電圧で、蓄電装置から直流電圧変換回路を介してヒータに電力を供給することができる。そのため、ヒータに流れる電流を抑えることができる。従って、ヒータに接続される配線を細くすることができる。
【0016】
請求項7に記載の電力供給装置は、制御回路は、外部電源から整流回路に交流電圧が供給されている状態でハイブリッド車の始動が予告されたとき又はハイブリッド車が始動したとき、昇圧回路からヒータに電力を供給することを特徴とする。この構成によれば、ハイブリッド車の始動予告時又は始動時に、昇圧回路からヒータに確実に電力を供給することができる。
【0017】
請求項8に記載の電力供給装置は、制御回路は、外部電源から整流回路に交流電圧が供給されていない状態でハイブリッド車の始動が予告されたとき又はハイブリッド車が始動したとき、直流電圧変換回路からヒータに電力を供給することを特徴とする。この構成によれば、外部電源から電力供給が停止した場合であっても、蓄電装置から直流電圧変換回路を介してヒータに確実に電力を供給することができる。
【0018】
請求項9に記載の電力供給装置は、昇圧回路は、昇圧した直流電圧を平滑化するコンデンサを有し、制御回路は、コンデンサに蓄えられた電荷を放電することでヒータに電力を供給することを特徴とする。感電防止の観点から、コンデンサに蓄積された電荷は、放電しなければならない。従来、コンデンサに蓄積された電荷は、直流電圧変換回路を動作させて放電していた。この場合、直流電圧変換回路に大電流が流れ、温度が上昇することになる。そのため、直流電圧変換回路の電流容量や放熱性を上げる必要があった。しかし、この構成によれば、コンデンサに蓄えられた電荷をヒータに電力供給することで放電する。そのため、直流電圧変換回路を動作させ放電する必要がない。従って、電流容量や放熱性を上げることなく直流電圧変換回路を構成することができる。
【0019】
請求項10に記載の電力供給装置は、制御回路は、電力供給終了時の所定時間前から電力供給終了時までの間、又は、ヒータが所定温度に達してから電力供給終了時までの間、コンデンサに蓄えられた電荷を放電することでヒータに電力を供給することを特徴とする。この構成によれば、コンデンサに蓄えられた電荷を確実に放電させることができる。そのため、感電を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態の電力供給装置の回路図である。
【図2】図1の電力供給装置において高電圧バッテリを充電しているときの回路図である。
【図3】図1の電力供給装置においてヒータに電力を供給しているときの回路図である。
【図4】第1実施形態の電力供給装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】第2実施形態の電力供給装置の回路図である。
【図6】図4の電力供給装置において高電圧バッテリを充電しているときの回路図である。
【図7】図4の電力供給装置においてヒータに電力を供給しているときの回路図である。
【図8】第2実施形態の電力供給装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】第2実施形態に対する変形形態の電力供給装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】第2実施形態に対する変形形態の電力供給装置の回路図である。
【図11】第2実施形態に対する別の変形形態の電力供給装置の回路図である。
【図12】第2実施形態に対するさらに別の変形形態の電力供給装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
(第1実施形態)
次に、第1実施形態の電力供給装置について説明する。まず、図1を参照して第1実施形態の電力供給装置の構成について説明する。ここで、図1は、第1実施形態の電力供給装置の回路図である。
【0022】
図1に示す電力供給装置1は、エンジン(内燃機関)及び走行用のモータ(電動機)を備えたハイブリッド車において、エンジンの排気ガスを浄化する触媒装置を加熱するためのヒータに電力を供給する装置である。電力供給装置1は、充電装置10と、ヒータ接続スイッチ11(接続回路)とを備えている。
【0023】
充電装置10は、走行用のモータに供給する電力を蓄える高電圧バッテリB1(蓄電装置)を、家庭用交流電源AC1(外部電源)によって充電するための装置である。充電装置10及び高電圧バッテリB1は、ハイブリッド車に搭載されている。充電装置10は、整流回路100と、昇圧回路101と、DC−DCコンバータ回路102(直流電圧変換回路)と、制御回路103とを備えている。
【0024】
整流回路100は、ケーブルを介して家庭用交流電源AC1に接続され、家庭用交流電源AC1の出力する交流電圧を整流して直流電圧に変換する回路である。整流回路100は、ダイオード100a〜100dを備えている。ダイオード100a〜100dは、交流電圧を整流する素子である。ダイオード100a、100b及びダイオード100c、100dは、それぞれ直列接続されている。具体的には、ダイオード100a、100cのアノードが、ダイオード100b、100dのカソードにそれぞれ接続されている。直列接続された2組のダイオード100a、100b及びダイオード 100c、100dは、並列接続されている。ダイオード100a、100b及びダイオード100c、100dの直列接続点は、ケーブルを介して家庭用交流電源AC1に接続されている。また、ダイオード100a、100cのカソードとダイオード100b、100dのアノードは、昇圧回路102にそれぞれ接続されている。
【0025】
昇圧回路101は、整流回路100に接続され、整流回路100の出力する直流電圧を昇圧し出力する回路である。昇圧回路101は、コイル101aと、IGBT101bと、ダイオード101cと、コンデンサ101dとを備えている。
【0026】
コイル101aは、電流が流れることでエネルギーを蓄積、放出するとともに電圧を誘起する素子である。コイル101aの一端はダイオード100a、100cのカソードに、他端はIGBT101b及びダイオード101cにそれぞれ接続されている。
【0027】
IGBT101bは、オン、オフすることでコイル101aにエネルギーを蓄積、放出させるためのスイッチング素子である。IGBT101bのコレクタはコイル101aの他端に、IGBT101bのエミッタはダイオード100b、100dのアノードにそれぞれ接続されている。また、ゲートは、制御回路103に接続されている。
【0028】
ダイオード101cは、IGBT101bがオフし、コイル101aに蓄積されたエネルギーが放出されるときに発生する電流を流すための素子である。ダイオード101cのアノードはコイル101aの他端とIGBT101bのエミッタに、カソードはコンデンサ101dにそれぞれ接続されている。
【0029】
コンデンサ101dは、昇圧した直流電圧を平滑化するための素子である。コンデンサ101dの一端はダイオード101cのカソードに、他端はIGBT101bのエミッタに接続されている。さらに、コンデンサ101dの両端は、DC−DCコンバータ回路102に接続されている。
【0030】
DC−DCコンバータ回路102は、昇圧回路101に接続され、昇圧回路101の出力する昇圧した直流電圧を、後述するトランス102aを介して絶縁した状態で、高電圧バッテリB1の充電に適した、わずかに低い直流電圧に変換し出力する回路である。DC−DCコンバータ回路102は、トランス102aと、IGBT102b〜102eと、ダイオード102f〜102iと、コイル102jと、コンデンサ102kとを備えている。
【0031】
トランス102aは、1次側に入力される交流電圧を絶縁した状態で降圧し、2次側から出力する素子である。トランス102aは、1次巻線W1と、2次巻線W2とを備えている。1次巻線W1と2次巻線W2の巻数比はn1:n2(n1≧n2)に設定されている。
【0032】
IGBT102b〜102eは、昇圧回路101に接続され、スイッチングすることで、昇圧回路101の出力する昇圧した直流電圧を交流電圧に変換してトランス102aの1次巻線W1に印加するスイッチング素子である。IGBT102b、102c及びIGBT102d、102eは、それぞれ直列接続されている。具体的には、IGBT102b、102dのエミッタが、IGBT102c、102eのコレクタにそれぞれ接続されている。直列接続された2組のIGBT102b、102c及びIGBT102d、102eは、コンデンサ101dに並列接続されている。具体的には、IGBT102b、102dのコレクタがコンデンサ101dの一端に、IGBT102c、102eのエミッタがコンデンサ101dの他端にそれぞれ接続されている。IGBT102b、102cの直列接続点は1次巻線W1の一端に、IGBT102d、102eの直列接続点は1次巻線W1の他端にそれぞれ接続されている。また、IGBT102b〜102eのゲートは、制御回路103にそれぞれ接続されている。
【0033】
ダイオード102f〜102iは、トランス102aの2次巻線W2に接続され、2次巻線W2の出力する交流電圧を整流する素子である。ダイオード102f、102g及びダイオード102h、102iは、それぞれ直列接続されている。具体的には、ダイオード102f、102hのアノードが、ダイオード102g、102iのカソードにそれぞれ接続されている。直列接続された2組のダイオード102f、102g及びダイオード102h、102iは、並列接続されている。ダイオード102f、102gの直列接続点は2次巻線W2の一端に、ダイオード102h、102iの直列接続点は2次巻線W2の他端にそれぞれ接続されている。また、ダイオード102f、102hのカソードはコイル102jに、ダイオード102g、102iのアノードはコンデンサ102kにそれぞれ接続されている。
【0034】
コイル102j及びコンデンサ102kは、ダイオード102f〜102iに接続され、ダイオード102f〜102iによって整流された直流電圧を平滑化する素子である。コイル102jの一端は、ダイオード102f、102hのカソードに接続されている。コンデンサ102kの一端はコイル102jの他端に、他端はダイオード102g、102iのアノードにそれぞれ接続されている。また、コンデンサ102kの一端は高電圧バッテリB1の正極端に、他端は高電圧バッテリB1の負極端にそれぞれ接続されている。
【0035】
制御回路103は、昇圧回路101、DC−DCコンバータ回路102及びヒータ接続スイッチ11に接続され、外部から入力される交流電源接続信号及び車両始動信号に基づいて、昇圧回路101、DC−DCコンバータ回路102及びヒータ接続スイッチ11を制御する制御する回路である。ここで、交流電源接続信号は、家庭用交流電源AC1がケーブルを介して充電装置10に接続され、家庭用交流電源AC1から整流回路100に交流電圧が供給されるとオン状態となり、家庭用交流電源AC1が充電装置10から外され、家庭用交流電源AC1から整流回路100に交流電圧が供給されなくなるとオフ状態になる。つまり、家庭用交流電源AC1と充電装置10の接続状態を示す信号である。車両始動信号は、ハイブリッド車の始動が予告されたとき、又は、ハイブリッド車が始動したときオン状態になる。具体的には、ハイブリッド車を始動するためにイグニッションスイッチを押したとき、高電圧バッテリB1をモータの駆動装置(図略)に接続するためのリレーをオンしたとき、又は、数分後に車両に乗り込むため事前にエアコンを動作させたとき等にオン状態になる。つまり、車両始動信号は、ハイブリッド車の始動予告時又は始動時を示す信号である。制御回路103は、IGBT101b、102b〜102eのゲートにそれぞれ接続されている。また、ヒータ接続スイッチ11に接続されている。
【0036】
ヒータ接続スイッチ11は、制御回路103に接続され、制御回路103によって制御され、昇圧回路101とDC−DCコンバータ回路102の接続点にヒータH1を接続する素子である。ヒータ接続スイッチ11の一端は、コンデンサ101dとIGBT102b、102dの接続点に接続されている。また、他端は、ヒータH1の一端に接続され、ヒータH1の他端はコンデンサ101dとIGBT102c、102eの接続点に接続されている。さらに、制御端は、制御回路103に接続されている。
【0037】
次に、図2〜図4を参照して電力供給装置の動作について説明する。ここで、図2は、図1の電力供給装置において高電圧バッテリを充電しているときの回路図である。図3は、図1の電力供給装置においてヒータに電力を供給しているときの回路図である。図4は、第1実施形態の電力供給装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0038】
図2に示す制御回路103は、図4に示すように、交流電源接続信号がオン状態か否かを判断する(S100)。交流電源接続信号がオン状態のとき、制御回路103は、整流回路100の出力する直流電圧を昇圧して直流電圧V11を出力するように昇圧回路101を制御する(S101)。具体的には、IGBT101bのスイッチングを制御する。また、昇圧回路102の出力する直流電圧V11を、トランス102aを介して絶縁した状態で、高電圧バッテリB1の充電に適した、V11よりもわずかに低い直流電圧V12に変換して出力するようにDC−DCコンバータ回路102を制御する(S102)。具体的には、IGBT102b〜102eのスイッチングを制御する。これにより、家庭用交流電源AC1から高電圧バッテリB1を充電することができる。
【0039】
その後、制御回路103は、車両始動信号がオン状態か否かを判断する(S103)。車両始動信号がオン状態のとき、図3に示すように、DC−DCコンバータ回路101の動作を停止する(S104)。具体的には、IGBT102b〜102eのスイッチングを停止する。また、ヒータ接続スイッチ11をオンし、昇圧回路101とDC−DCコンバータ回路102の接続点にヒータH1を接続する(S105)。そして、整流回路100の出力する直流電圧を昇圧して、高電圧バッテリB1の充電時の電圧V11よりも高い電圧V13を出力するように昇圧回路101を制御する(S106)。具体的には、IGBT101bをスイッチングする際のオンデューティ比を制御する。その後、制御回路103は、ヒータH1が目標温度に達する電力供給終了時の所定時間前、又は、ヒータH1が目標温度より低い所定温度に達したときに、昇圧回路101の動作を停止する(S107)。具体的には、IGBT101bのスイッチングを停止する。以降、電力供給終了時の所定時間前から電力供給終了時までの間、又は、ヒータH1が所定温度に達してから電力供給終了時までの間、コンデンサ101dに蓄積された電荷の放電によってヒータH1に電力を供給する(S108)。これにより、ヒータH1の温度が目標温度に達する。なお、所定時間及び所定温度は、コンデンサに101dに蓄積された電荷の放電によってヒータH1の温度が目標温度に達するように予め設定されているものである。
【0040】
次に、効果について説明する。第1実施形態によれば、電力供給装置1は、走行用のモータに供給する電力を蓄える高電圧バッテリB1を、家庭用交流電源AC1によって充電するための充電装置10を利用してヒータH1に電力を供給する。そのため、従来のように、車両に搭載された各種電子装置に電力を供給する低電圧バッテリを用いることはない。しかも、ヒータ接続スイッチ11を追加するともに、制御回路103の動作を若干変更するだけでよい。従って、新たに設ける回路を極力抑えて電力供給装置を構成することができる。
【0041】
また、第1実施形態によれば、制御回路103は、昇圧回路101を制御して整流回路100の出力する直流電圧を昇圧させるとともに、ヒータ接続スイッチ11を制御して昇圧回路101とDC−DCコンバータ回路102の接続点にヒータH1を接続する。そのため、家庭用交流電源AC1から昇圧回路101を介してヒータH1に電力を供給することできる。
【0042】
また、第1実施形態によれば、制御回路103は、DC−DCコンバータ回路102を制御して動作を停止させるとともに、昇圧回路101を制御して整流回路100の出力する直流電圧を高電圧バッテリB1の充電時よりも高い電圧に昇圧させる。そのため、高電圧バッテリB1の充電時よりも高い電圧でヒータH1に電力を供給することができる。従って、ヒータH1に流れる電流を抑えることができる。その結果、ヒータH1に接続されるケーブルを細くすることができる。
【0043】
また、第1実施形態によれば、制御回路103は、家庭用交流電源AC1から整流回路100に交流電圧が供給されている状態でハイブリッド車の始動が予告されたとき又はハイブリッド車が始動したとき、昇圧回路102からヒータH1に電力を供給する。そのため、ハイブリッド車の始動予告時又は始動時に、昇圧回路101からヒータH1に確実に電力を供給することができる。従って、ハイブリッド車の始動直後であっても、触媒装置を加熱でき排気ガスを確実に浄化することができる。
【0044】
さらに、第1実施形態によれば、制御回路103は、コンデンサ101dに蓄えられた電荷を放電することでヒータH1に電力を供給する。感電防止の観点から、コンデンサ101dに蓄積された電荷は、放電しなければならない。従来、コンデンサ101dに蓄積された電荷は、DC−DCコンバータ回路102を動作させて放電していた。この場合、DC−DCコンバータ回路102に大電流が流れ、温度が上昇することになる。そのため、DC−DCコンバータ回路102の電流容量や放熱性を上げる必要があった。しかし、制御回路103は、コンデンサ101dに蓄えられた電荷をヒータH1に電力供給することで放電する。そのため、DC−DCコンバータ回路102を動作させ放電する必要がない。従って、電流容量や放熱性を上げることなくDC−DCコンバータ回路102を構成することができる。
【0045】
加えて、第1実施形態によれば、制御回路103は、電力供給終了時の所定時間前から電力供給終了時までの間、又は、ヒータH1が所定温度に達してから電力供給終了時までの間、コンデンサ101dに蓄えられた電荷を放電することでヒータH1に電力を供給する。そのため、コンデンサ101dに蓄えられた電荷を確実に放電させることができる。従って、感電事故を確実に防止することができる。
【0046】
なお、第1実施形態では、昇圧回路101を制御して整流回路100の出力する直流電圧を高電圧バッテリB1の充電時のV11よりも高い直流電圧V13に昇圧させ、ヒータH1に電力を供給する例を挙げているが、これに限られるものではない。高電圧バッテリB1の充電時と同一の直流電圧V11でヒータH1に電力を供給するようにしてもよい。この場合、ヒータH1に流れる電流が増加することとなるが、それ以外では同様の効果を得ることができる。
【0047】
また、第1実施形態では、エンジンの排気ガスを浄化する触媒装置を加熱するためのヒータに電力を供給する例を挙げているが、これに限られるものではない。冷えたエンジンを加熱するためのヒータに電力を供給する場合にも適用することができる。冷えたエンジン及び触媒装置の少なくともいずれかを加熱するためのヒータに電力を供給する場合に適用することができる。
【0048】
さらに、第1実施形態では、昇圧回路101及びDC−DCコンバータ回路102がIGBTによって構成されている例を挙げているが、これに限られるものではない。FETによって構成されていてもよい。スイッチング素子によって構成されていればよい。
【0049】
加えて、第1実施形態では、充電装置10の制御回路103がヒータ接続スイッチ11を制御する例を挙げているが、これに限られるものではない。制御回路103以外の別の回路がヒータ接続スイッチ11を制御するようにしてもよい。
【0050】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の電力供給装置について説明する。第2実施形態の電力供給装置は、第1実施形態の電力供給装置が、家庭用交流電源からヒータに電力を供給するのに対して、高電圧バッテリからヒータに電力を供給するようにしたものである。第2実施形態の電力供給装置は、DC−DCコンバータ回路の構成、及び、制御回路の動作を除いて第1実施形態の電力供給装置と同一である。
【0051】
まず、図5を参照して電力供給装置の構成について説明する。ここで、図5は、第2実施形態における電力供給装置の回路図である。
【0052】
図5に示すように、電力供給装置2は、充電装置20と、ヒータ接続スイッチ21(接続回路)とを備えている。
【0053】
充電装置20は、整流回路200と、昇圧回路201と、DC−DCコンバータ回路202(直流電圧変換回路)と、制御回路203とを備えている。
【0054】
整流回路200は、ダイオード200a〜200dを備えている。昇圧回路201は、コイル201aと、IGBT201bと、ダイオード201cと、コンデンサ201dとを備えている。整流回路200及び昇圧回路201は、第1実施形態の整流回路100及び昇圧回路101と同一構成である。
【0055】
DC−DCコンバータ回路202は、昇圧回路201に接続され、昇圧回路201の出力する昇圧した直流電圧を、後述するトランス202aを介して絶縁した状態で、高電圧バッテリB2(蓄電装置)の充電に適した、わずかに低い直流電圧に変換し出力する回路である。また、逆に、高電圧バッテリB2の出力する直流電圧を、トランス202aを介して絶縁した状態で、より高い直流電圧に変換し出力する回路でもある。つまり、双方向に電力を変換する回路である。DC−DCコンバータ回路202は、トランス202aと、IGBT202b〜202eと、ダイオード202f〜202iと、巻数切替えスイッチ202jと、IGBT202k〜202nと、ダイオード202o〜202rと、コイル202sと、コンデンサ202tとを備えている。
【0056】
トランス202aは、1次側に入力される交流電圧を絶縁した状態で降圧し、2次側から出力する素子である。また、逆に、2次側に入力された交流電圧を絶縁した状態で昇圧し、1次側から出力する素子でもある。トランス202aは、1次巻線W11、W12と、2次巻線W2とを備えている。1次巻線W12は、1次巻線W11を共用して構成されている。1次巻線W11と2次巻線W2の巻数比はn11:n2(n11≧n2)に設定されている。1次巻線W12と2次巻線W2の巻数比はn12:n2(n12>n11)に設定されている。
【0057】
IGBT202b〜202eは、昇圧回路201に接続され、高電圧バッテリB2を充電するときに、スイッチングすることで、昇圧回路201の出力する昇圧した直流電圧を交流電圧に変換し、巻線切替えスイッチ202jを介してトランス202aの1次巻線W11に印加するスイッチング素子である。IGBT202b、202c及びIGBT202d、202eは、それぞれ直列接続されている。具体的には、IGBT202b、202dのエミッタがIGBT202c、202eのコレクタにそれぞれ接続されている。直列接続された2組のIGBT202b、202c及びIGBT202d、202eは、コンデンサ101dに並列接続されている。具体的には、IGBT202b、202dのコレクタがコンデンサ201dの一端に、IGBT202c、202eのエミッタがコンデンサ201dの他端にそれぞれ接続されている。IGBT202b、202cの直列接続点は、1次巻線W11、W12の一端に、IGBT202d、202eの直列接続点は、巻数切替え回路202jにそれぞれ接続されている。また、IGBT202b〜202eのゲートは、制御回路103にそれぞれ接続されている。
【0058】
ダイオード202f〜202iは、ヒータH2に電力を供給するときに、巻線切替えスイッチ202jを介してトランス202aの1次巻線W12に接続され、1次巻線W12の出力する交流電圧を整流する素子である。ダイオード202f〜202iは、IGBT202b〜202eにそれぞれ並列接続されている。具体的には、ダイオード202f〜202iのアノードがIGBT202b〜202eのエミッタに、カソードがIGBT202b〜202eのコレクタにそれぞれ接続されている。
【0059】
巻数切替えスイッチ202jは、高電圧バッテリB2を充電するときと、ヒータH2に電力を供給するときとでトランス202aの巻数を切替える素子である。具体的には、高電圧バッテリB2を充電するときに、IGBT202b〜202eを1次巻線W11に接続し、ヒータH2に電力を供給するときに、1次巻線W12をダイオード202f〜202iに接続する。巻数切替えスイッチ202の一端はIGBT202d、202eの直列接続点に、他端は1次巻線W11、W12の他端にそれぞれ接続されている。また、制御端は、制御回路203に接続されている。
【0060】
IGBT202k〜202nは、コイル202s及びコンデンサ202tに接続され、ヒータH2に電力を供給するときに、スイッチングすることで、コイル202s及びコンデンサ202tによって平滑化された高電圧バッテリB2の出力する直流電圧を交流電圧に変換してトランス202aの2次巻線W2に印加するスイッチング素子である。IGBT202k、202l及びIGBT202m、202nは、それぞれ直列接続されている。具体的には、IGBT202k、202mのエミッタが、IGBT202l、202nのコレクタにそれぞれ接続されている。直列接続された2組のIGBT202k、202l及びIGBT202m、202nは、並列接続されている。具体的には、IGBT202k、202mのコレクタがコイル202sに、IGBT202l、202nのエミッタがコンデンサ202tにそれぞれ接続されている。IGBT202k、202lの直列接続点は2次巻線W2の一端に、IGBT202m、202nの直列接続点は2次巻線W2の他端にそれぞれ接続されている。また、IGBT202k〜202nのゲートは、制御回路203にそれぞれ接続されている。
【0061】
ダイオード202o〜202rは、トランス202aの2次巻線W2に接続され、高電圧バッテリB2を充電するときに、2次巻線W2の出力する交流電圧を整流する素子である。ダイオード202o〜202rは、IGBT202k〜202nにそれぞれ並列接続されている。具体的には、ダイオード202o〜202rのアノードがIGBT202k〜202nのエミッタに、カソードがIGBT202k〜202nのコレクタにそれぞれ接続されている。
【0062】
コイル202s及びコンデンサ202tは、ダイオード202o〜202rによって整流された直流電圧を平滑化する素子である。また、逆に、高電圧バッテリB2の出力する直流電圧を平滑化する素子でもある。コイル202sの一端は、ダイオード202o、202qのカソードに接続されている。コンデンサ202tの一端はコイル202sの他端に、他端はダイオード202p、202rのアノードにそれぞれ接続されている。また、コンデンサ202tの一端は高電圧バッテリB2の正極端に、他端は高電圧バッテリB2の負極端にそれぞれ接続されている。
【0063】
次に、動作について説明する。図6〜図8を参照して電力供給装置の動作について説明する。ここで、図6は、図4の電力供給装置において高電圧バッテリを充電しているときの回路図である。図7は、図4の電力供給装置においてヒータに電力を供給しているときの回路図である。図8は、第2実施形態の電力供給装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0064】
図6に示す制御回路203は、図8に示すように、交流電源接続信号がオン状態か否かを判断する(S200)。交流電源接続信号がオン状態のとき、制御回路203は、IGBT202b〜202eを1次巻線W11に接続するように巻数切替えスイッチ202jを制御する(S201)。そして、整流回路200の出力する直流電圧を昇圧して直流電圧V21を出力するように昇圧回路201を制御する(S202)。具体的には、IGBT201bのスイッチングを制御する。また、昇圧回路202の出力する直流電圧V21を、トランス202aを介して絶縁した状態で、高電圧バッテリB2の充電に適した、V21よりもわずかに低い直流電圧V22に変換して出力するようにDC−DCコンバータ回路202を制御する(S203)。具体的には、IGBT202b〜202eのスイッチングを制御する。これにより、家庭用交流電源AC2から高電圧バッテリB2を充電することができる。
【0065】
その後、制御回路203は、交流電源接続信号がオフ状態か否かを判断する(S204)。そして、交流電源接続信号がオフ状態のとき、さらに車両始動信号がオン状態か否かを判断する(S205)。車両始動信号がオン状態のとき、図7に示すように、昇圧回路201の動作を停止する(S206)。具体的には、IGBT201bのスイッチングを停止する。また、ヒータ接続スイッチ21をオンし、昇圧回路201とDC−DCコンバータ回路202の接続点にヒータH2を接続する(S207)。さらに、1次巻線W12にダイオード202f〜202iを接続するように巻数切替えスイッチ202jを制御する(S208)。そして、高電圧バッテリB2の直流電圧Vdcを、トランス202aを介して絶縁した状態で、直流電圧V23に変換して出力するようにDC−DCコンバータ回路202を制御する(S209)。具体的には、IGBT202k〜202nのスイッチングを制御する。1次巻線が巻数比の大きいW12に切替ったことから、高電圧バッテリB2の充電時の電圧V21よりも高い電圧V23を出力することができる。その後、制御回路203は、ヒータH2が目標温度に達する電力供給終了時の所定時間前、又は、ヒータH1が目標温度より低い所定温度に達したときに、DC−DCコンバータ回路202の動作を停止する(S210)。具体的には、IGBT202k〜202nのスイッチングを停止する。以降、電力供給終了時の所定時間前から電力供給終了時までの間、又は、ヒータH2が所定温度に達してから電力供給終了時までの間、コンデンサ201dに蓄積された電荷の放電によってヒータH2に電力を供給する(S211)。これにより、ヒータH2の温度が目標温度に達する。なお、所定時間及び所定温度は、コンデンサに201dに蓄積された電荷の放電によってヒータH2の温度が目標温度に達するように予め設定されているものである。
【0066】
次に、効果について説明する。第2実施形態によれば、制御回路203は、昇圧回路201を制御して動作を停止させるとともに、DC−DCコンバータ回路202を制御して、高電圧バッテリB2の出力する直流電圧を、トランス202aを介して絶縁した状態で異なる電圧に変換させ、ヒータ接続スイッチ21を制御して昇圧回路201とDC−DCコンバータ回202路の接続点にヒータH2を接続する。そのため、家庭用交流電源AC2からの電力供給が停止した場合であっても、高電圧バッテリB2からDC−DCコンバータ回路202を介してヒータH2に電力を供給することができる。
【0067】
また、第2実施形態によれば、制御回路203は、DC−DCコンバータ回路202からヒータH2に電力を供給する際、巻数切替えスイッチ202jを制御してトランス202aの巻数を切替える。トランス202aの巻数を切替えることで、DC−DCコンバータ回路202の出力電圧を変えることができる。そのため、家庭用交流電源AC2からの電力供給が停止した場合であっても、適切な電圧で、高電圧バッテリB2からDC−DCコンバータ回路202を介してヒータH2に電力を供給することができる。
【0068】
また、第2実施形態によれば、制御回路203は、巻数切替え後のDC−DCコンバータ回路202の出力電圧が、巻数切替え前のDC−DCコンバータ回路202の出力電圧より高くなるように巻数切替えスイッチ202jを制御する。より高い電圧で、ヒータH2に電力を供給することができる。そのため、ヒータH2に流れる電流を抑えることができる。従って、ヒータH2に接続されるケーブルを細くすることができる。
【0069】
また、第2実施形態によれば、制御回路203は、家庭用交流電源AC2から整流回路200に交流電圧が供給されていない状態でハイブリッド車の始動が予告されたとき又はハイブリッド車が始動したとき、DC−DCコンバータ回路202からヒータH2に電力を供給する。そのため、家庭用交流電源AC2から電力供給が停止した場合であっても、ハイブリッド車の始動時に、高電圧バッテリB2からDC−DCコンバータ回路202を介してヒータH2に確実に電力を供給することができる。従って、ハイブリッド車の始動直後であっても、触媒装置を加熱でき排気ガスを確実に浄化することができる。
【0070】
さらに、第2実施形態によれば、制御回路203は、コンデンサ201dに蓄えられた電荷を放電することでヒータH2に電力を供給する。感電防止の観点から、コンデンサ201dに蓄積された電荷は、放電しなければならない。従来、コンデンサ201dに蓄積された電荷は、DC−DCコンバータ回路202を動作させて放電していた。この場合、DC−DCコンバータ回路202に大電流が流れ、温度が上昇することになる。そのため、DC−DCコンバータ回路202の電流容量や放熱性を上げる必要があった。しかし、制御回路203は、コンデンサ201dに蓄えられた電荷をヒータH2に電力供給することで放電する。そのため、DC−DCコンバータ回路202を動作させ放電する必要がない。従って、電流容量や放熱性を上げることなくDC−DCコンバータ回路202を構成することができる。
【0071】
加えて、第2実施形態によれば、制御回路203は、電力供給終了時の所定時間前から電力供給終了時までの間、又は、ヒータH2が所定温度に達してから電力供給終了時までの間、コンデンサ201dに蓄えられた電荷を放電することでヒータH2に電力を供給する。そのため、コンデンサ201dに蓄えられた電荷を確実に放電させることができる。従って、感電事故を確実に防止することができる。
【0072】
なお、第2実施形態では、ヒータH2への電力供給終了時の所定時間前にDC−DCコンバータ回路202の動作を停止し、以降、コンデンサ201dに蓄積された電荷の放電によってヒータH2に電力を供給する例を挙げているが、これに限られるものではない。図9に示すように、コンデンサ201dに蓄積された電荷の放電によってヒータH2に電力を供給した後に、高電圧バッテリB2からヒータH2に電力を供給するようにしてもよい。図9を参照して説明する。図9に示すステップS220〜S223は、第2実施形態におけるステップS200〜S203と同一である。制御回路203は、交流電源接続信号がオフ状態か否かを判断する(S224)。そして、交流電源接続信号がオフ状態のとき、ヒータ接続スイッチ21をオンし、昇圧回路201とDC−DCコンバータ回路202の接続点にヒータH2を接続する(S225)。その結果、コンデンサ201dに蓄積された電荷の放電によってヒータH2に電力を供給する(S226)。その後、車両始動信号がオン状態か否かを判断する(S227)。車両始動信号がオン状態のとき、昇圧回路201の動作を停止する(S228)。また、1次巻線W12にダイオード202f〜202iを接続するように巻数切替えスイッチ202jを制御する(S229)。そして、高電圧バッテリB2の直流電圧Vdcを、トランス202aを介して絶縁した状態で、直流電圧V23に変換して出力するようにDC−DCコンバータ回路202を制御する(S230)。
【0073】
また、第2実施形態では、トランス202aの1次巻線W12が、1次巻線W11を
共用して構成されている例を挙げているが、これに限られるものではない。図10に示すように、トランス202uの1次巻線W11と1次巻線W12をそれぞれ別々に独立して設けてもよい。この場合、高電圧バッテリB2を充電するときには、1次巻線W11の両端をIGBT202b〜202eに、ヒータH2に電力を供給するときには、1次巻線W12の両端をダイオード202f〜202iに接続するように巻数切替えスイッチ202vの構成を変更すればよい。
【0074】
また、第2実施形態では、高電圧バッテリB2の充電時と、ヒータH2への電力供給時で、トランス202aの1次巻線の巻数を切替える例を挙げているが、これに限られるものではない。図11に示すように、2次巻線の巻数を切替えるようにしてもよい。この場合、トランス202xの1次巻線W1と2次巻線W21の巻数比をn1:n21(n1≧n2)に、1次巻線W1と2次巻線W22の巻数比をn1:n22(n22<n21)に設定し、高電圧バッテリB2を充電するときには、2次巻線W21をダイオード202o〜202rに、ヒータH2に電力を供給するときには、2次巻線W22をIGBT202k〜202nに接続するように巻数切替えスイッチ202yの構成を変更すればよい。なお、前述した1次巻線の場合と同様に、2次巻線W21と2次巻線W22をそれぞれ別々に独立して設けてもよい。
【0075】
また、第2実施形態では、トランス202aの2次巻線W2にIGBT202k〜202nと、ダイオード202o〜202rとが接続される例を挙げているが、これに限られるものではない。図12に示すように、IGBT202k〜202nのうち、対角状に配置される例えばIGBT202l、202mを省略してもよい。この場合でも、高電圧バッテリB2からDC−DCコンバータ回路202を介してヒータH2に電力を供給することができる。これにより、回路を簡素化してコストを抑えることができる。
【0076】
さらに、第2実施形態では、昇圧回路201及びDC−DCコンバータ回路202がIGBTによって構成されている例を挙げているが、これに限られるものではない。FETによって構成されていてもよい。スイッチング素子によって構成されていればよい。
【0077】
加えて、第2実施形態では、充電装置20の制御回路203がヒータ接続スイッチ21を制御する例を挙げているが、これに限られるものではない。制御回路203以外の別の回路がヒータ接続スイッチ21を制御するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1、2・・・電力供給装置、10、20・・・充電装置、100、200・・・整流回路、100a〜100d、200a〜200d・・・ダイオード、101、201・・・昇圧回路、101a、201a・・・コイル、101b、201b・・・IGBT、101c、201c・・・ダイオード、101d、201d・・・コンデンサ、102、202・・・DC−DCコンバータ回路(直流電圧変換回路)、102a、202a・・・トランス、W1、W11、W12・・・1次巻線、W2、W21、W22・・・2次巻線、102b〜102e、202b〜202e、202k〜202n・・・IGBT、102f〜102i、202f〜202i、202o〜202r・・・ダイオード、102j、202s・・・コイル、102k、202t・・・コンデンサ、202j・・・巻数切替えスイッチ(巻数切替え回路)、103、203・・・制御回路、11、21・・・ヒータ接続スイッチ(接続回路)、AC1、AC2・・・家庭用交流電源(外部電源)、B1、B2・・・高電圧バッテリ(蓄電装置)、H1、H2・・・ヒータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関及び走行用の電動機を備えたハイブリッド車で、前記内燃機関、及び、前記内燃機関の排気ガスを浄化する触媒装置の少なくともいずれかを加熱するためのヒータに電力を供給する電力供給装置において、
外部電源に接続され、前記外部電源の出力する交流電圧を整流して直流電圧に変換する整流回路と、前記整流回路に接続され、前記整流回路の出力する直流電圧を昇圧し出力する昇圧回路と、前記昇圧回路に接続され、前記昇圧回路の出力する昇圧した直流電圧を、トランスを介して絶縁した状態で異なる電圧に変換し出力する直流電圧変換回路と、前記昇圧回路及び前記直流電圧変換回路に接続され、前記昇圧回路及び前記直流電圧変換回路を制御する制御回路と、を備え、前記外部電源によって走行用の前記電動機に供給する電力を蓄える蓄電装置を充電するための充電装置と、
前記昇圧回路と前記直流電圧変換回路の接続点に前記ヒータを接続する接続回路と、
を有することを特徴とする電力供給装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記昇圧回路を制御して前記整流回路の出力する直流電圧を昇圧させるとともに、前記接続回路を制御して前記昇圧回路と前記直流電圧変換回路の接続点に前記ヒータを接続し、前記昇圧回路から前記ヒータに電力を供給することを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記直流電圧変換回路を制御して動作を停止させるとともに、前記昇圧回路を制御して前記整流回路の出力する直流電圧を前記蓄電装置の充電時よりも高い電圧に昇圧させることを特徴とする請求項2に記載の電力供給装置。
【請求項4】
前記直流電圧変換回路は、前記蓄電装置の出力する直流電圧を、前記トランスを介して絶縁した状態で異なる電圧に変換し出力でき、
前記制御回路は、前記昇圧回路を制御して前記昇圧回路の動作を停止させるとともに、前記直流電圧変換回路を制御して、前記蓄電装置の出力する直流電圧を、前記トランスを介して絶縁した状態で異なる電圧に変換させ、前記接続回路を制御して前記昇圧回路と前記直流電圧変換回路の接続点に前記ヒータを接続し、前記直流電圧変換回路から前記ヒータに電力を供給することを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項5】
前記直流電圧変換回路は、前記トランスの巻数を切替える巻数切替え回路を有し、
前記制御回路は、前記直流電圧変換回路から前記ヒータに電力を供給する際、前記巻数切替え回路を制御して前記トランスの巻数を切替えることを特徴とする請求項4に記載の電力供給装置。
【請求項6】
前記制御回路は、巻数切替え後の前記直流電圧変換回路の出力電圧が巻数切替え前の前記直流電圧変換回路の出力電圧より高くなるように前記巻数切替え回路を制御することを特徴とする請求項5に記載の電力供給装置。
【請求項7】
前記制御回路は、前記外部電源から前記整流回路に交流電圧が供給されている状態で前記ハイブリッド車の始動が予告されたとき又は前記ハイブリッド車が始動したとき、前記昇圧回路から前記ヒータに電力を供給することを特徴とする請求項2又は3に記載の電力供給装置。
【請求項8】
前記制御回路は、前記外部電源から前記整流回路に交流電圧が供給されていない状態で前記ハイブリッド車の始動が予告されたとき又は前記ハイブリッド車が始動したとき、前記直流電圧変換回路から前記ヒータに電力を供給することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の電力供給装置。
【請求項9】
前記昇圧回路は、昇圧した直流電圧を平滑化するコンデンサを有し、
前記制御回路は、前記コンデンサに蓄えられた電荷を放電することで前記ヒータに電力を供給することを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の電力供給装置。
【請求項10】
前記制御回路は、電力供給終了時の所定時間前から電力供給終了時までの間、又は、前記ヒータが所定温度に達してから電力供給終了時までの間、前記コンデンサに蓄えられた電荷を放電することで前記ヒータに電力を供給することを特徴とする請求項9に記載の電力供給装置。
【請求項1】
内燃機関及び走行用の電動機を備えたハイブリッド車で、前記内燃機関、及び、前記内燃機関の排気ガスを浄化する触媒装置の少なくともいずれかを加熱するためのヒータに電力を供給する電力供給装置において、
外部電源に接続され、前記外部電源の出力する交流電圧を整流して直流電圧に変換する整流回路と、前記整流回路に接続され、前記整流回路の出力する直流電圧を昇圧し出力する昇圧回路と、前記昇圧回路に接続され、前記昇圧回路の出力する昇圧した直流電圧を、トランスを介して絶縁した状態で異なる電圧に変換し出力する直流電圧変換回路と、前記昇圧回路及び前記直流電圧変換回路に接続され、前記昇圧回路及び前記直流電圧変換回路を制御する制御回路と、を備え、前記外部電源によって走行用の前記電動機に供給する電力を蓄える蓄電装置を充電するための充電装置と、
前記昇圧回路と前記直流電圧変換回路の接続点に前記ヒータを接続する接続回路と、
を有することを特徴とする電力供給装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記昇圧回路を制御して前記整流回路の出力する直流電圧を昇圧させるとともに、前記接続回路を制御して前記昇圧回路と前記直流電圧変換回路の接続点に前記ヒータを接続し、前記昇圧回路から前記ヒータに電力を供給することを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記直流電圧変換回路を制御して動作を停止させるとともに、前記昇圧回路を制御して前記整流回路の出力する直流電圧を前記蓄電装置の充電時よりも高い電圧に昇圧させることを特徴とする請求項2に記載の電力供給装置。
【請求項4】
前記直流電圧変換回路は、前記蓄電装置の出力する直流電圧を、前記トランスを介して絶縁した状態で異なる電圧に変換し出力でき、
前記制御回路は、前記昇圧回路を制御して前記昇圧回路の動作を停止させるとともに、前記直流電圧変換回路を制御して、前記蓄電装置の出力する直流電圧を、前記トランスを介して絶縁した状態で異なる電圧に変換させ、前記接続回路を制御して前記昇圧回路と前記直流電圧変換回路の接続点に前記ヒータを接続し、前記直流電圧変換回路から前記ヒータに電力を供給することを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項5】
前記直流電圧変換回路は、前記トランスの巻数を切替える巻数切替え回路を有し、
前記制御回路は、前記直流電圧変換回路から前記ヒータに電力を供給する際、前記巻数切替え回路を制御して前記トランスの巻数を切替えることを特徴とする請求項4に記載の電力供給装置。
【請求項6】
前記制御回路は、巻数切替え後の前記直流電圧変換回路の出力電圧が巻数切替え前の前記直流電圧変換回路の出力電圧より高くなるように前記巻数切替え回路を制御することを特徴とする請求項5に記載の電力供給装置。
【請求項7】
前記制御回路は、前記外部電源から前記整流回路に交流電圧が供給されている状態で前記ハイブリッド車の始動が予告されたとき又は前記ハイブリッド車が始動したとき、前記昇圧回路から前記ヒータに電力を供給することを特徴とする請求項2又は3に記載の電力供給装置。
【請求項8】
前記制御回路は、前記外部電源から前記整流回路に交流電圧が供給されていない状態で前記ハイブリッド車の始動が予告されたとき又は前記ハイブリッド車が始動したとき、前記直流電圧変換回路から前記ヒータに電力を供給することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の電力供給装置。
【請求項9】
前記昇圧回路は、昇圧した直流電圧を平滑化するコンデンサを有し、
前記制御回路は、前記コンデンサに蓄えられた電荷を放電することで前記ヒータに電力を供給することを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の電力供給装置。
【請求項10】
前記制御回路は、電力供給終了時の所定時間前から電力供給終了時までの間、又は、前記ヒータが所定温度に達してから電力供給終了時までの間、前記コンデンサに蓄えられた電荷を放電することで前記ヒータに電力を供給することを特徴とする請求項9に記載の電力供給装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−95377(P2013−95377A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242634(P2011−242634)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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