説明

電力配分提示システムおよび電力配分提示方法

【課題】充電側/給電側電気自動車の双方の電欠を回避し得るような給電を支援できる「電力配分提示システムおよび電力配分提示方法」を提供すること。
【解決手段】給電側残電力量確認装置7と、充電側残電力量確認装置8と、給電側電気自動車の現在地から給電側到達対象地点までのバッテリの予想消費電力量を算出する給電側予想消費電力量算出装置9と、充電側電気自動車の現在地から充電側到達対象地点までのバッテリの予想消費電力量を算出する充電側予想消費電力量算出装置10と、これらの確認/算出結果に基づいて、給電側電気自動車が給電後においても給電側到達対象地点に到達可能な電力量と、充電側電気自動車が給電によって充電側到達対象地点に到達可能な電力量との配分を算出する電力配分算出装置11とを備え、算出された前記配分を提示すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力配分提示システムおよび電力配分提示方法に係り、特に、電気自動車同士の間でバッテリの電力の供給を行うのに好適な電力配分提示システムおよび電力配分提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、石油資源の枯渇抑制やCOの排出削減等の観点から、従来から主流とされていたガソリン車とは異なり、電気をエネルギ源とした電気自動車(EV:Electric Vehicle)の開発が盛んになっており、これまでにも、各種の電気自動車が実用化に至っている。
【0003】
この種の電気自動車には、電力を消費する負荷としての使い方だけでなく、電気自動車のバッテリ(二次電池)に蓄積された電気を他の負荷に供給する電力源としての使い方も検討されており、家庭への供給(V2H:Vehicle to Home)、電力網への送電(V2G:Vehicle to Grid)および他の電気自動車への供給(V2V:Vehicle to Vehicle)が提案されている。
【0004】
ここで、V2V(車々間)による給電技術については、株式会社サイカワ等によって開発された「助っ人EV」が知られている(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−050164号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】インターネット(http://response.jp/article/2010/09/08/144875.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した車々間による給電技術は、例えば、電気自動車のバッテリの残電力量が、最寄りの充電可能施設まで持ちそうにないような場合に有意義であるが、その一方で、給電を行う側の電気自動車が給電後の走行によって電欠を余儀なくされてしまうような事態は避けなければならない。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、充電側電気自動車および給電側電気自動車の双方の電欠を未然に回避し得るような給電を支援することができる電力配分提示システムおよび電力配分提示方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するため、本発明に係る電力配分提示システムは、給電側電気自動車のバッテリから充電側電気自動車のバッテリに給電を行う場合における前記給電側電気自動車のバッテリに前記給電の後に蓄えられているべき電力量と前記充電側電気自動車のバッテリに前記給電の後に蓄えられているべき電力量との配分を提示する電力配分提示システムであって、前記給電側電気自動車の現在地を取得する給電側現在地取得装置と、前記充電側電気自動車の現在地を取得する充電側現在地取得装置と、前記給電側電気自動車のバッテリの残電力量を確認する給電側残電力量確認装置と、前記充電側電気自動車のバッテリの残電力量を確認する充電側残電力量確認装置と、前記給電側現在地取得装置によって取得された前記給電側電気自動車の現在地から前記給電側電気自動車が到達すべき給電側到達対象地点までの前記給電側電気自動車のバッテリの予想消費電力量を算出する給電側予想消費電力量算出装置と、前記充電側現在地取得装置によって取得された前記充電側電気自動車の現在地から前記充電側電気自動車が到達すべき充電側到達対象地点までの前記充電側電気自動車のバッテリの予想消費電力量を算出する充電側予想消費電力量算出装置と、前記給電側残電力量確認装置の確認結果、前記充電側残電力量確認装置の確認結果、前記給電側予想消費電力量算出装置の算出結果および前記充電側予想消費電力量算出装置の算出結果に基づいて、前記給電側電気自動車が前記給電の後においても前記給電側到達対象地点に到達可能とみなされる電力量と、前記充電側電気自動車が前記給電によって前記充電側到達対象地点に到達可能になるとみなされる電力量との配分を算出する電力配分算出装置と、この電力配分算出装置によって算出された前記配分を、前記給電側電気自動車のバッテリに前記給電の後に蓄えられているべき電力量と前記充電側電気自動車のバッテリに前記給電の後に蓄えられているべき電力量との配分として、前記給電側電気自動車および前記充電側電気自動車のそれぞれのユーザに提示する電力配分提示装置とを備えたことを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係る電力配分提示方法は、給電側電気自動車のバッテリから充電側電気自動車のバッテリに給電を行う場合における前記給電側電気自動車のバッテリに前記給電の後に蓄えられているべき電力量と前記充電側電気自動車のバッテリに前記給電の後に蓄えられているべき電力量との配分を提示する電力配分提示方法であって、前記給電側電気自動車の現在地を取得する第1のステップと、前記充電側電気自動車の現在地を取得する第2のステップと、前記給電側電気自動車のバッテリの残電力量を確認する第3のステップと、前記充電側電気自動車のバッテリの残電力量を確認する第4のステップと、前記第1のステップにおいて取得された前記給電側電気自動車の現在地から前記給電側電気自動車が到達すべき給電側到達対象地点までの前記給電側電気自動車のバッテリの予想消費電力量を算出する第5のステップと、前記第2のステップにおいて取得された前記充電側電気自動車の現在地から前記充電側電気自動車が到達すべき充電側到達対象地点までの前記充電側電気自動車のバッテリの予想消費電力量を算出する第6のステップと、前記第3のステップにおける確認結果、前記第4のステップにおける確認結果、前記第5のステップにおける算出結果および前記第6のステップにおける算出結果に基づいて、前記給電側電気自動車が前記給電の後においても前記給電側到達対象地点に到達可能とみなされる電力量と、前記充電側電気自動車が前記給電によって前記充電側到達対象地点に到達可能になるとみなされる電力量との配分を算出する第7のステップと、この第7のステップにおいて算出された前記配分を、前記給電側電気自動車のバッテリに前記給電の後に蓄えられているべき電力量と前記充電側電気自動車のバッテリに前記給電の後に蓄えられているべき電力量との配分として、前記給電側電気自動車および前記充電側電気自動車のそれぞれのユーザに提示する第8のステップとを含むことを特徴としている。
【0011】
そして、このような本発明によれば、給電側電気自動車のバッテリの残電力量、充電側電気自動車のバッテリの残電力量、給電側電気自動車の現在地から給電側到達対象地点までの給電側電気自動車のバッテリの予想消費電力量および充電側電気自動車の現在地から充電側到達対象地点までの充電側電気自動車のバッテリの予想消費電力量に基づいて、給電側電気自動車が給電の後においても給電側到達対象地点に到達可能とみなされる電力量と充電側電気自動車が給電によって充電側到達対象地点に到達可能になるとみなされる電力量との配分を算出して、これを給電側電気自動車のバッテリに給電の後に蓄えられているべき電力量と充電側電気自動車のバッテリに給電の後に蓄えられているべき電力量との配分として提示することができるので、この配分を実現するような給電を行えば、充電側電気自動車および給電側電気自動車の双方の電欠を未然に回避することができる。
【0012】
また、本発明の電力配分提示システムにおいて、前記給電側到達対象地点を設定する給電側到達対象地点設定装置と、前記充電側到達対象地点を設定する充電側到達対象地点設定装置と、前記給電側到達対象地点設定装置によって設定された前記給電側到達対象地点に対応する前記給電側予想消費電力量算出装置の算出結果と前記充電側到達対象地点設定装置によって設定された前記充電側到達対象地点に対応する前記充電側予想消費電力量算出装置の算出結果との総和が、前記給電側残電力量確認装置の確認結果と前記充電側残電力量確認装置の確認結果との総和に比べて小さいか否かに基づいて、前記電力配分算出装置による前記設定された給電側到達対象地点および前記設定された充電側到達対象地点に対応する前記配分の算出の可否の判定を行う配分算出可否判定装置とを備え、前記給電側到達対象地点設定装置は、前記充電側電気自動車の現在地に最寄りの前記給電側電気自動車に対応する充電可能施設を、当初の前記給電側到達対象地点に設定し、前記充電側到達対象地点設定装置は、前記充電側電気自動車の現在地に最寄りの前記充電側電気自動車に対応する充電可能施設を、当初の前記充電側到達対象地点に設定し、前記電力配分算出装置は、前記当初の給電側到達対象地点に対応する前記給電側予想消費電力量算出装置の算出結果と前記当初の充電側到達対象地点に対応する前記充電側予想消費電力量算出装置の算出結果との総和を用いた前記配分算出可否判定装置の判定結果が肯定的となった場合であっても、これら当初の給電側到達対象地点および当初の充電側到達対象地点に対応する前記配分の算出を直ちには行わず、前記給電側到達対象地点設定装置に、前記給電側電気自動車に設定されているナビゲーションの目的地を、新たな前記給電側到達対象地点に設定させ、前記配分算出可否判定装置に、当該新たな給電側到達対象地点に対応する前記給電側予想消費電力量算出装置の算出結果と前記当初の充電側到達対象地点に対応する前記充電側予想消費電力量算出装置の算出結果との総和を用いた前記判定を行わせた上で、この判定の結果が否定的となった場合に、前記当初の給電側到達対象地点および当初の充電側到達対象地点に対応する配分の算出を行ってもよい。これにともなって、本発明の電力配分提示方法において、前記充電側電気自動車の現在地に最寄りの前記給電側電気自動車に対応する充電可能施設を、第1回目の前記第5のステップに用いる当初の前記給電側到達対象地点に設定する第9のステップと、前記充電側電気自動車の現在地に最寄りの前記充電側電気自動車に対応する充電可能施設を、第1回目の前記第6のステップに用いる当初の前記充電側到達対象地点に設定する第10のステップと、前記第9のステップにおいて設定された前記当初の給電側到達対象地点を用いた前記第1回目の第5のステップにおける算出結果と前記第10のステップにおいて設定された前記当初の充電側到達対象地点を用いた前記第1回目の第6のステップにおける算出結果との総和が前記第3のステップにおける確認結果と前記第4のステップにおける確認結果との総和に比べて小さいか否かに基づいて、第1回目の前記配分の算出の可否の判定を行う第11のステップと、この第11のステップにおける判定結果が肯定的となった場合に、前記給電側電気自動車に設定されているナビゲーションの目的地を、第2回目の前記第5のステップに用いる新たな前記給電側到達対象地点に設定する第12のステップと、この第12のステップにおいて設定された前記新たな給電側到達対象地点を用いた前記第2回目の第5のステップにおける算出結果と前記第1回目の第6のステップにおける算出結果との総和が前記第3のステップにおける確認結果と前記第4のステップにおける確認結果との総和に比べて小さいか否かに基づいて、第2回目の前記配分の算出の可否の判定を行う第13のステップとを含み、前記第7のステップは、前記第13のステップにおける判定結果が否定的となった場合に、前記当初の給電側到達対象地点および前記当初の充電側到達対象地点に対応する前記配分の算出を行うステップであってもよい。
【0013】
そして、このような本発明によれば、先ずは、給電側電気自動車および充電側電気自動車のそれぞれのバッテリの消費電力量を必要最小限に抑える場合において、充電側電気自動車および給電側電気自動車の双方の電欠を回避し得るような電力配分の提示が可能か否かを判断することができる。すなわち、当初の給電側到達対象地点および当初の充電側到達対象地点として、充電側電気自動車の現在地に最寄りの充電可能施設を設定した上で、このような最寄りの充電可能施設に向かう場合の給電側電気自動車のバッテリの予想消費電力量と充電側電気自動車のバッテリの予想消費電力量との総和に対する給電側電気自動車のバッテリの残電力量と充電側電気自動車のバッテリの残電力量との総和の大小関係に基づいて、第1回目の配分の算出の可否の判定を行うことができる。そして、当該第1回目の判定の結果が肯定的な場合すなわち前述したバッテリの消費電力量を必要最小限に抑える場合における電力配分の提示が可能と判断できる場合には、次に、給電側電気自動車のバッテリの消費電力量を引き上げて、給電側電気自動車のユーザにとって最も好ましい行き先に向かう場合において、充電側電気自動車および給電側電気自動車の双方の電欠を回避し得るような電力配分の提示が可能か否かを判断することができる。すなわち、新たな給電側到達対象地点として、給電側電気自動車に設定されているナビゲーションの目的地を設定した上で、このようなナビゲーションの目的地に向かう場合の給電側電気自動車のバッテリの予想消費電力量と最寄りの充電可能施設に向かう場合の充電側電気自動車のバッテリの予想消費電力量との総和に対する給電側電気自動車のバッテリの残電力量と充電側電気自動車のバッテリの残電力量との総和の大小関係に基づいて、第2回目の配分の算出の可否の判定を行うことができる。そして、当該第2回目の判定の結果が否定的なこと、すなわち、前述した給電側電気自動車のユーザにとって最も好ましい行き先(ナビゲーションの目的地)に向かう場合における電力配分の提示が不可能であることが確認された上で、前述したバッテリの消費電力量を必要最小限に抑える場合における電力配分を算出して提示することができる。これにより、残電力量と消費電力量との関係から提示できる可能性が最も高い電力配分(前述したバッテリの消費電力量を必要最小限に抑える場合における電力配分)の提示の可否を優先的に判断し、このような効率的な判断によって電力配分の提示を迅速に行うことができる。また、その一方で、給電側電気自動車のユーザの希望を優先させる(前述した給電側電気自動車のユーザにとって最も好ましい行き先に向かう場合における電力配分を提示する)機会を窺うことができる。
【0014】
さらに、本発明の電力配分提示システムにおいて、前記当初の給電側到達対象地点に対応する給電側予想消費電力量算出装置の算出結果と当初の充電側到達対象地点に対応する充電側予想消費電力量算出装置の算出結果との総和を用いた配分算出可否判定装置の判定結果が否定的となった場合に、前記給電側電気自動車および前記充電側電気自動車のそれぞれのユーザに前記給電が不可能である旨を通知する給電不可通知装置を備えてもよい。これにともなって、本発明の電力配分提示方法において、前記第11のステップにおける判定結果が否定的となった場合に、前記給電側電気自動車および前記充電側電気自動車のそれぞれのユーザに前記給電が不可能である旨を通知する第14のステップを含んでもよい。
【0015】
そして、このような本発明によれば、前述したバッテリの消費電力量を必要最小限に抑える場合における電力配分の提示が不可能である場合には、給電が不可能である旨をユーザに通知することで、給電側電気自動車が給電の後に電欠となる事態を回避することができる。
【0016】
さらにまた、本発明の電力配分提示システムにおいて、前記電力配分算出装置は、前記新たな給電側到達対象地点に対応する給電側予想消費電力量算出装置の算出結果と当初の充電側到達対象地点に対応する充電側予想消費電力量算出装置の算出結果との総和を用いた配分算出可否判定装置の判定結果が肯定的となった場合であっても、これら新たな給電側到達対象地点および当初の充電側到達対象地点に対応する前記配分の算出を直ちには行わず、前記充電側到達対象地点設定装置に、前記充電側電気自動車に設定されているナビゲーションの目的地を、新たな前記充電側到達対象地点に設定させ、前記配分算出可否判定装置に、前記新たな給電側到達対象地点に対応する前記給電側予想消費電力量算出装置の算出結果と当該新たな充電側到達対象地点に対応する前記充電側予想消費電力量算出装置の算出結果との総和を用いた前記判定を行わせた上で、この判定の結果が否定的となった場合に、前記新たな給電側到達対象地点および当初の充電側到達対象地点に対応する配分の算出を行ってもよい。これにともなって、本発明の電力配分提示方法において、前記第13のステップにおける判定結果が肯定的となった場合に、前記充電側電気自動車に設定されているナビゲーションの目的地を、第2回目の前記第6のステップに用いる新たな前記充電側到達対象地点に設定する第15のステップと、前記第2回目の第5のステップにおける算出結果と前記第15のステップにおいて設定された前記新たな充電側到達対象地点を用いた前記第2回目の第6のステップにおける算出結果との総和が前記第3のステップにおける確認結果と前記第4のステップにおける確認結果との総和に比べて小さいか否かに基づいて、第3回目の前記配分の算出の可否の判定を行う第16のステップとを含み、前記第7のステップは、前記第16のステップにおける判定結果が否定的となった場合に、前記新たな給電側到達対象地点および前記当初の充電側到達対象地点に対応する前記配分の算出を行うステップであってもよい。
【0017】
そして、このような本発明によれば、前述した第2回目の配分の算出の可否の判定の結果が肯定的である場合すなわち前述した給電側電気自動車のユーザにとって最も好ましい行き先(給電側電気自動車のナビゲーションの目的地)に向かう場合における電力配分の提示が可能と判断できる場合には、次に、充電側電気自動車のバッテリの消費電力量も引き上げて、今度は、充電側電気自動車のユーザにとっても最も好ましい行き先に向かう場合において、充電側電気自動車および給電側電気自動車の双方の電欠を回避し得るような電力配分の提示が可能か否かを判断することができる。すなわち、新たな充電側到達対象地点として、充電側電気自動車に設定されているナビゲーションの目的地を設定した上で、このようなナビゲーションの目的地に向かう場合の充電側電気自動車のバッテリの予想消費電力量と給電側電気自動車のナビゲーションの目的地に向かう場合の給電側電気自動車のバッテリの予想消費電力量との総和に対する給電側電気自動車のバッテリの残電力量と充電側電気自動車のバッテリの残電力量との総和の大小関係に基づいて、第3回目の配分の算出の可否の判定を行うことができる。そして、当該第3回目の判定の結果が否定的なこと、すなわち、前述した充電側電気自動車のユーザにとっても最も好ましい行き先(充電側電気自動車のナビゲーションの目的地)に向かう場合における電力配分の提示が不可能であることが確認された上で、前述した給電側電気自動車のユーザにとって最も好ましい行き先に向かう場合における電力配分を算出して提示することができる。これにより、給電側電気自動車のユーザの希望に適合しつつ前述したバッテリの消費電力量を必要最小限に抑える場合における電力配分(最寄りの充電可能施設に向かう場合における電力配分)の次に提示できる可能性が高くなるような電力配分(給電側電気自動車のユーザにとって最も好ましい行き先に向かう場合における電力配分)の提示の可否を二番目に優先的に判断し、このような効率的な判断によって給電側電気自動車のユーザの希望に適合した電力配分の提示を迅速に行うことができる。また、その一方で、充電側電気自動車のユーザの希望をも満足させる(充電側電気自動車のユーザにとっても最も好ましい行き先に向かう場合における電力配分を提示する)機会を窺うことができる。
【0018】
また、本発明の電力配分提示システムにおいて、前記電力配分算出装置は、前記新たな給電側到達対象地点に対応する給電側予想消費電力量算出装置の算出結果と新たな充電側到達対象地点に対応する充電側予想消費電力量算出装置の算出結果との総和を用いた配分算出可否判定装置の判定結果が肯定的となった場合に、これら新たな給電側到達対象地点および新たな充電側到達対象地点に対応する前記配分の算出を行ってもよい。これにともなって、本発明の電力配分提示方法において、前記第7のステップは、前記第16のステップにおける判定結果が肯定的となった場合に、前記新たな給電側到達対象地点および前記新たな充電側到達対象地点に対応する前記配分の算出を行うステップであってもよい。
【0019】
そして、このような本発明によれば、前述した第3回目の配分の算出の可否の判定の結果が肯定的である場合すなわち前述した充電側電気自動車のユーザにとっても最も好ましい行き先(充電側電気自動車のナビゲーションの目的地)に向かう場合における電力配分の提示が可能と判断できる場合には、そのような電力配分を算出して提示することができるので、電欠を回避しつつ給電側電気自動車および充電側電気自動車の双方のユーザの希望に適合した電力配分を提示することができる。
【0020】
さらに、本発明の電力配分提示システムにおいて、前記給電側予想消費電力量算出装置および前記充電側予想消費電力量算出装置は、前記充電側残電力量確認装置の確認結果が示す電力量によって前記充電側電気自動車が現在地から到達可能とみなされる前記給電のための前記給電側電気自動車との待ち合わせ可能地点が存在する場合に、前記給電側電気自動車および前記充電側電気自動車のそれぞれの前記予想消費電力量の算出を行ってもよい。これにともなって、本発明の電力配分提示方法において、前記第5のステップおよび前記第6のステップは、前記第4のステップにおける確認結果が示す電力量によって前記充電側電気自動車が現在地から到達可能とみなされる前記給電のための前記給電側電気自動車との待ち合わせ可能地点が存在する場合に行ってもよい。
【0021】
そして、このような本発明によれば、待ち合わせ可能地点の存在を確認した上で給電側電気自動車のバッテリの予想消費電力量および充電側電気自動車のバッテリの予想消費電力を算出することができるので、給電を行う場所を確保できないようなケースにおいて、実質的に無意味な電力配分を提示するための無駄な演算処理が開始されることを未然に回避することができる。
【0022】
さらにまた、本発明の電力配分提示システムにおいて、前記給電側予想消費電力量算出装置は、前記給電側電気自動車の前記予想消費電力量として、前記待ち合わせ可能地点に立ち寄った後に前記給電側到達対象地点に到達するのに要する予想消費電力量を算出し、前記充電側予想消費電力量算出装置は、前記充電側電気自動車の前記予想消費電力量として、前記待ち合わせ可能地点に立ち寄った後に前記充電側到達対象地点に到達するのに要する予想消費電力量を算出してもよい。これにともなって、本発明の電力配分提示方法において、前記第5のステップは、前記給電側電気自動車の前記予想消費電力量として、前記待ち合わせ可能地点に立ち寄った後に前記給電側到達対象地点に到達するのに要する予想消費電力量を算出するステップであり、前記第6のステップは、前記充電側電気自動車の前記予想消費電力量として、前記待ち合わせ可能地点に立ち寄った後に前記充電側到達対象地点に到達するのに要する予想消費電力量を算出するステップであってもよい。
【0023】
そして、このような本発明によれば、待ち合わせ可能地点に立ち寄ることを考慮して給電側電気自動車のバッテリの予想消費電力および充電側電気自動車のバッテリの予想消費電力を正確に算出することができるので、提示された電力配分に対する信頼性を向上させることができる。
【0024】
また、本発明の電力配分提示システムにおいて、前記給電側現在地取得装置、前記充電側現在地取得装置、前記給電側残電力量確認装置、前記充電側残電力量確認装置、前記給電側予想消費電力量算出装置、前記充電側予想消費電力量算出装置、前記電力配分算出装置および前記電力配分提示装置は、前記給電側電気自動車および前記充電側電気自動車との通信が可能なサーバに備えられており、前記充電側電気自動車は、前記サーバに対して、前記充電側電気自動車の自車位置情報および残電力量情報を含む前記電力配分算出装置による前記配分の算出に必要とみなされる所定の情報を送信する充電側車両情報送信装置を有し、前記サーバは、前記充電側車両情報送信装置による前記所定の情報の送信を契機として、前記給電側電気自動車に対して、給電を要する前記充電側電気自動車が存在する旨を通知する要給電車両存在通知装置を有し、前記給電側電気自動車は、前記要給電車両存在通知装置による通知に応答して、前記サーバに対して、給電の申し出を、前記給電側電気自動車の自車位置情報および残電力量情報を含む前記電力配分算出装置による前記配分の算出に必要とみなされる所定の情報とともに送信する給電申し出送信装置を有し、前記サーバは、前記給電申し出送信装置による前記給電の申し出の送信を契機として、前記給電側電気自動車および前記充電側電気自動車のそれぞれの前記予想消費電力量の算出を行ってもよい。
【0025】
そして、このような本発明によれば、電力配分提示システムの主要な構成をサーバに備えることによって、給電側電気自動車側および充電側電気自動車側での処理負担を軽減することができるので、給電側電気自動車および充電側電気自動車のそれぞれのバッテリの電力消費を抑えることができる。
【0026】
さらに、本発明の電力配分提示システムにおいて、前記充電側車両情報送信装置は、前記所定の情報の送信を、給電を要求するためのユーザ操作を契機として給電の要求の送信とともに行うか、または、前記充電側電気自動車のバッテリの残電力量が所定値以下となったことを契機として行い、前記給電申し出送信装置は、前記給電の申し出の送信を、給電を申し出るためのユーザ操作を契機として行ってもよい。
【0027】
そして、このような本発明によれば、充電側電気自動車側からのユーザ操作または蓄電状況に基づいた自動的な情報送信およびこれに応答した給電側電気自動車側からのユーザ操作を契機として電力配分の算出のための演算処理を開始することができるので、実使用に適合した電力配分の算出のトリガを採用することができる。
【0028】
さらにまた、本発明の電力配分提示システムにおいて、前記給電側現在地取得装置、前記充電側現在地取得装置、前記給電側残電力量確認装置、前記充電側残電力量確認装置、前記給電側予想消費電力量算出装置、前記充電側予想消費電力量算出装置、前記電力配分算出装置および前記電力配分提示装置は、前記充電側電気自動車との通信が可能な前記給電側電気自動車に備えられており、前記充電側電気自動車は、前記給電側電気自動車に対して、給電の要求を、前記充電側電気自動車の自車位置情報および残電力量情報を含む前記電力配分算出装置による前記配分の算出に必要とみなされる所定の情報とともに送信する給電要求送信装置を有し、前記給電側電気自動車は、前記給電要求送信装置による前記給電の要求の送信に応答して、前記充電側電気自動車に対して給電の申し出を送信する給電申し出送信装置を有し、前記給電の申し出の送信を契機として、前記給電側電気自動車および前記充電側電気自動車のそれぞれの前記予想消費電力量の算出を行ってもよい。
【0029】
そして、このような本発明によれば、電力配分提示システムの主要な構成を相対的に蓄電量が多い給電側電気自動車に備えることによって、相対的に蓄電量が少ない充電側電気自動車側での処理負担を軽減することができるので、給電の前に充電側電気自動車が電欠してしまうことを抑制することができる。
【0030】
また、本発明の電力配分提示システムにおいて、前記給電側電気自動車は、前記配分が提示された後に前記給電側電気自動車を前記充電側残電力量確認装置の確認結果が示す電力量によって前記充電側電気自動車が現在地から到達可能とみなされる前記給電のための前記給電側電気自動車との待ち合わせ可能地点に誘導する給電側誘導装置を有し、前記充電側電気自動車は、前記配分が提示された後に前記充電側電気自動車を前記待ち合わせ可能地点に誘導する充電側誘導装置を有してもよい。これにともなって、本発明の電力配分提示方法において、前記第7のステップの後に、前記給電側電気自動車および前記充電側電気自動車を、前記第4のステップにおける確認結果が示す電力量によって前記充電側電気自動車が現在地から到達可能とみなされる前記給電のための前記給電側電気自動車との待ち合わせ可能地点に誘導する第17のステップを含んでもよい。
【0031】
そして、このような本発明によれば、待ち合わせ可能地点に給電側電気自動車および充電側電気自動車を誘導することができるので、提示された電力配分に基づいた給電の機会を適正に確保することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、充電側電気自動車および給電側電気自動車の双方の電欠を回避し得るような給電を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る電力配分提示システムの第1実施形態を示す概念図
【図2】本発明に係る電力配分提示システムの第1実施形態を示すブロック図
【図3】電力配分の表示画面の一例を示す模式図
【図4】電力配分の表示画面の他の一例を示す模式図
【図5】本発明に係る電力配分提示方法の第1実施形態を示す第1のフローチャート
【図6】本発明に係る電力配分提示方法の第1実施形態を示す第2のフローチャート
【図7】本発明に係る電力配分提示システムの第2実施形態を示す概念図
【図8】本発明に係る電力配分提示システムの第2実施形態を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0034】
(第1実施形態)
(電力配分提示システム)
以下、本発明に係る電力配分提示システムの第1実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。
【0035】
図1は、本実施形態における電力配分提示システム1の概要を示した概念図である。図1に示すように、本実施形態においては、電力配分提示システム1の主要な構成部1aが、給電を行うべき給電側電気自動車(EV)2と給電を受けるべき(充電を行うべき)充電側電気自動車(EV)3との通信が可能なサーバ4に備えられている。なお、電気自動車は、電気のみをエネルギ源とする純粋な電気自動車以外にも、プラグインハイブリッド電気自動車等の電気以外のエネルギ源も利用する自動車を含めてもよい。
【0036】
本実施形態における電力配分提示システム1は、給電側電気自動車2のバッテリ2aから充電側電気自動車3のバッテリ3aに給電を行う場合における給電側電気自動車2のバッテリ2aに給電の後に蓄えられているべき電力量と充電側電気自動車3のバッテリ3aに給電の後に蓄えられているべき電力量との配分を提示するようになっている。このような配分の提示は、充電側電気自動車3および給電側電気自動車2のそれぞれからサーバ4に送信された自車位置情報、バッテリ残電力量情報、平均電費情報、目的地設定情報その他の車両情報に基づいて行われるようになっている。
【0037】
このような電力配分提示システム1を実現するためのサーバ4のハードウェア構成としては、例えば、前記配分の提示のための各種の処理や制御を行うCPUやMPU等の演算処理回路、この演算処理回路の実行プログラムや処理に必要なデータが記憶されたROMやハードディスクドライブ等の記憶装置、演算処理回路の処理結果の一時的な保存や給電側電気自動車2側または充電側電気自動車3側からの取得情報の保持に用いるRAMやバッファ等の記憶装置、インターネット等の通信網を介して給電側電気自動車2および充電側電気自動車3との間でデータの授受を行う通信モジュール、交通情報受信機等を用いてもよい。また、電力配分提示システム1を実現するための給電側電気自動車2および充電側電気自動車3の車載機のハードウェア構成としては、サーバ4からの前記配分の提示を受けるための各種の処理、制御を行う演算処理回路、この演算処理回路の実行プログラムや処理に必要なデータが記憶された記憶装置、演算処理回路の処理結果の一時的な保存やサーバ4側からの取得情報の保持に用いる記憶装置、インターネット等の通信網を介してサーバ4との間でデータの授受を行う通信モジュール、GPS衛星等の測位衛星から配信される測位信号を受信する衛星航法受信機、ジャイロセンサや距離センサ等の自律航法センサ、バッテリ電圧等に基づいてバッテリの残電力量を検出するバッテリ残量検出装置等を用いてもよい。
【0038】
本実施形態における電力配分提示システム1を機能ごとに区分したブロック図は、図2に示す通りである。
【0039】
すなわち、図2に示すように、電力配分提示システム1は、サーバ4内に、給電側現在地取得装置としての給電側現在地取得部5を有している。この給電側現在地取得部5は、給電側電気自動車2から送信された自車位置情報に基づいて、給電側電気自動車2の現在地を取得するようになっている。
【0040】
また、図2に示すように、電力配分提示システム1は、サーバ4内に、充電側現在地取得装置としての充電側現在地取得部6を有している。この充電側現在地取得部6は、充電側電気自動車3から送信された自車位置情報に基づいて、充電側電気自動車3の現在地を取得するようになっている。
【0041】
さらに、図2に示すように、電力配分提示システム1は、サーバ4内に、給電側残電力量確認装置としての給電側残電力量確認部7を有している。この給電側残電力量確認部7は、給電側電気自動車2から送信されたバッテリ残電力量情報に基づいて、給電側電気自動車2のバッテリ2aの残電力量(以下、給電側残電力量と称する)を確認するようになっている。
【0042】
さらにまた、図2に示すように、電力配分提示システム1は、サーバ4内に、充電側残電力量確認装置としての充電側残電力量確認部8を有している。この充電側残電力量確認部8は、充電側電気自動車3から送信されたバッテリ残電力量情報に基づいて、充電側電気自動車3のバッテリ3aの残電力量(以下、充電側残電力量と称する)を確認するようになっている。
【0043】
また、図2に示すように、電力配分提示システム1は、サーバ4内に、給電側予想消費電力量算出装置としての給電側予想消費電力量算出部9を有している。この給電側予想消費電力量算出部9は、給電側現在地取得部5によって取得された給電側電気自動車2の現在地から給電側電気自動車2が到達すべき給電側到達対象地点までの給電側電気自動車2のバッテリ2aの予想される消費電力量(以下、給電側予想消費電力量と称する)を算出するようになっている。この給電側予想消費電力量の算出は、例えば、地図データに基づいて、給電側電気自動車2の現在地の位置から給電側到達対象地点の位置までの経路をダイクストラ法等の経路計算方法を用いて探索した上で、探索された経路のリンク長から求められた航続距離(km)と、給電側電気自動車2から送信された平均電費情報(km/kWh)とに基づいて行うようにしてもよい。このとき、経路としては、高速道路に比較して電力消費が少ない一般道を優先して走行する経路を探索してもよい。また、給電側予想消費電力量の算出に際しては、道路交通情報センタ等から配信された交通情報を加味し、例えば、経路上に渋滞が発生している場合には、発生していない場合に比べて所定の割合(%)だけ予想消費電力量を加算するようにしてもよい。
【0044】
さらに、図2に示すように、電力配分提示システム1は、サーバ4内に、充電側予想消費電力量算出装置としての充電側予想消費電力量算出部10を有している。この充電側予想消費電力量算出部10は、充電側現在地取得部6によって取得された充電側電気自動車3の現在地から充電側電気自動車3が到達すべき充電側到達対象地点までの充電側電気自動車3のバッテリ3aの予想される消費電力量(以下、充電側予想消費電力量と称する)を算出するようになっている。この充電側予想消費電力量の算出は、給電側予想消費電力量の算出と同様に、充電側電気自動車3の現在地から充電側到達対象地点までの航続距離(km)と、充電側電気自動車3から送信された平均電費情報(km/kWh)とに基づいて行うようにしてもよい。
【0045】
さらにまた、図2に示すように、電力配分提示システム1は、サーバ4内に、電力配分算出装置としての電力配分算出部11を有している。この電力配分算出部11は、給電側電気自動車2が充電側電気自動車3への給電の後においても給電を行った地点から給電側到達対象地点に到達可能とみなされる電力量と、充電側電気自動車3が当該給電によって給電を受けた地点から充電側到達対象地点に到達可能になるとみなされる電力量との配分を算出するようになっている。この配分の算出は、給電側残電力量確認部7の確認結果、充電側残電力量確認部8の確認結果、給電側予想消費電力量算出部9の算出結果および充電側予想消費電力量算出部10の算出結果に基づいて行われる。
【0046】
また、図2に示すように、電力配分提示システム1は、サーバ4内に、電力配分提示装置としての電力配分提示部12を有している。この電力配分提示部12は、電力配分算出部11によって算出された配分を、給電側電気自動車2のバッテリ2aに前記給電の後に蓄えられているべき電力量と充電側電気自動車3のバッテリ3aに前記給電の後に蓄えられているべき電力量との配分として、給電側電気自動車2および充電側電気自動車3のそれぞれのユーザに提示するようになっている。具体的には、電力配分提示部12は、配分の情報を、無線通信によって給電側電気自動車2の車載機および充電側電気自動車3の車載機に送信し、各車載機側で、送信された配分の情報に対応する画像が車内モニタに表示されることになる。このとき表示される画像は、図3に示すように、給電後の給電側電気自動車2のバッテリ残電力量(満充電状態を100%としたパーセント表示のもの)と給電後の充電側電気自動車3のバッテリ残電力量とを対比可能な表示態様の画像であってもよい。また、図4に示すように、給電後のバッテリ残電力量だけでなく、現在のバッテリ残電力量、給電後の行き先(給電側/充電側到達対象地点)、後述する給電のための待ち合わせ可能地点、給電後の行き先までの予想消費電力量(給電側/充電側予想消費電力量)およびこれの内訳(現在地〜待ち合わせ可能地点までの予想消費電力量と、待ち合わせ可能地点〜行き先までの予想消費電力量との内訳)を確認可能な表示態様で電力配分を表示するように構成してもよい。
【0047】
そして、このような構成によれば、給電側残電力量、充電側残電力量、給電側予想消費電力量および充電側予想消費電力量に基づいて、給電側電気自動車2が給電の後においても給電側到達対象地点に到達可能とみなされる電力量と充電側電気自動車3が給電によって充電側到達対象地点に到達可能になるとみなされる電力量との配分を算出して、これを給電側電気自動車2のバッテリ2aに給電の後に蓄えられているべき電力量と充電側電気自動車3のバッテリ3aに給電の後に蓄えられているべき電力量との配分として提示することができる。そして、この提示された配分を実現するような給電を行えば、充電側電気自動車3および給電側電気自動車2の双方の電欠を未然に回避することができる。
【0048】
上記構成に加えて、更に、本実施形態において、電力配分提示システム1は、図2に示すように、サーバ4内に、給電側到達対象地点設定装置としての給電側到達対象地点設定部14を有している。この給電側到達対象地点設定部14は、給電側予想消費電力量算出部9による給電側予想消費電力量の算出に用いる給電側到達対象地点を設定するようになっている。
【0049】
また、図2に示すように、電力配分提示システム1は、サーバ4内に、充電側到達対象地点設定装置としての充電側到達対象地点設定部15を有している。この充電側到達対象地点設定部15は、充電側予想消費電力量算出部10による充電側予想消費電力量の算出に用いる充電側到達対象地点を設定するようになっている。
【0050】
さらに、図2に示すように、電力配分提示システム1は、サーバ4内に、配分算出可否判定装置としての配分算出可否判定部16を有している。この配分算出可否判定部16は、給電側予想消費電力量算出部9の算出結果と充電側予想消費電力量算出部10の算出結果との総和が、給電側残電力量確認部7の確認結果と充電側残電力量確認部8の確認結果との総和に比べて小さいか否かに基づいて、電力配分算出部11が、給電側到達対象地点設定部14によって設定された給電側到達対象地点および充電側到達対象地点設定部15によって設定された充電側到達対象地点に対応する前記配分の算出を行うことが可能か否かの判定(以下、配分算出可否判定と称する)を行うようになっている。
【0051】
この配分算出可否判定部16による配分算出可否判定は、これに用いる給電側予想消費電力量(換言すれば、給電側到達対象地点)および充電側予想消費電力量(換言すれば、充電側到達対象地点)を順次変更しつつ最多で3回行われるようになっており、判定回数および各回における判定結果は、電力配分の提示内容を左右するようになっている。また、配分算出可否判定の判定結果は、与えられた判定条件の下での給電の可否も示すものとなる。
【0052】
以下、これら3回(第1回目〜第3回目)の配分算出可否判定に関連するシステムの動作の詳細について、各回ごとに順次説明する。
【0053】
まず、第1回目の配分算出可否判定は、以下のようにして行われるようになっている。
【0054】
すなわち、第1回目の配分算出可否判定の前提として、給電側到達対象地点設定部14は、充電側電気自動車3の現在地に最寄りの給電側電気自動車2に対応する充電可能施設を、給電側予想消費電力量算出部9による第1回目の給電側予想消費電力量の算出に用いられる当初の給電側到達対象地点に設定するようになっている。ここで、給電側電気自動車2に対応する充電可能施設としては、給電側電気自動車2のバッテリ2aに充電を行うことが可能な充電スタンド等を挙げることができる。また、このような最寄りの充電可能施設は、地図データに基づいて、充電側現在地取得部6によって取得された充電側電気自動車3の現在地からの道程距離(リンク長)が最短となる充電スタンドを探索することによって知得してもよい。
【0055】
また、第1回目の配分算出可否判定の前提として、充電側到達対象地点設定部15は、充電側電気自動車3の現在地に最寄りの充電側電気自動車3に対応する充電可能施設を、充電側予想消費電力量算出部10による第1回目の充電側予想消費電力量の算出に用いられる当初の充電側到達対象地点に設定するようになっている。充電側電気自動車3に対応する充電可能施設としては、充電側電気自動車3のバッテリ3aに充電を行うことが可能な充電スタンドや充電側電気自動車3のユーザの自宅等を挙げることができる。
【0056】
なお、当初の給電側到達対象地点と当初の充電側到達対象地点とが一致してもよいことは勿論である。
【0057】
さらに、第1回目の配分算出可否判定の前提として、給電側予想消費電力量算出部9は、前述のようにして給電側到達対象地点設定部14によって設定された当初の給電側到達対象地点を用いて、第1回目の給電側予想消費電力量の算出を行うようになっている。すなわち、給電側電気自動車2の現在地から当初の給電側到達対象地点までの給電側予想消費電力量(当初の給電側到達対象地点に対応する給電側予想消費電力量)の算出を行うようになっている。
【0058】
さらにまた、第1回目の配分算出可否判定の前提として、充電側予想消費電力量算出部10は、前述のようにして充電側到達対象地点設定部15によって設定された当初の充電側到達対象地点を用いて、第1回目の充電側予想消費電力量の算出を行うようになっている。すなわち、充電側電気自動車3の現在地から当初の充電側到達対象地点までの充電側予想消費電力量(当初の充電側到達対象地点に対応する充電側予想消費電力量)の算出を行うようになっている。
【0059】
そして、第1回目の配分算出可否判定は、以上の前提の下で、当初の給電側到達対象地点に対応する給電側予想消費電力量と当初の充電側到達対象地点に対応する充電側予想消費電力量とに基づいて行われるようになっている。具体的には、配分算出可否判定部16は、当初の給電側到達対象地点に対応する給電側予想消費電力量と当初の充電側到達対象地点に対応する充電側予想消費電力量との総和が、給電側残電力量と充電側残電力量との総和よりも小さい場合には、配分の算出が可能である旨の肯定的な判定を行い、そのような総和の大小関係が満足されない場合には、配分の算出が不可能である旨の否定的な判定を行うようになっている。
【0060】
ただし、このような第1回目の配分算出可否判定において肯定的な判定結果が得られた場合であっても、電力配分算出部11は、当初の給電側到達対象地点および当初の充電側到達対象地点に対応する配分(すなわち、給電側電気自動車2が給電の後においても当初の給電側到達対象地点に到達可能とみなされる電力量と充電側電気自動車3が給電によって当初の充電側到達対象地点に到達可能になるとみなされる電力量との配分)の算出を直ちには行わないようになっている。このような配分の算出の有無は、次の第2回目の配分算出可否判定の判定結果に委ねられることになる。
【0061】
次に、第2回目の配分算出可否判定は、以下のようにして行われるようになっている。
【0062】
すなわち、第2回目の配分算出可否判定の前提として、電力配分算出部11は、第1回目の配分算出可否判定において肯定的な判定結果が得られたことを契機として、給電側到達対象地点設定部14に、給電側電気自動車2に設定されているナビゲーションの目的地を、給電側予想消費電力量算出部9による第2回目の給電側予想消費電力量の算出に用いられる新たな給電側到達対象地点に設定させるようになっている。なお、給電側電気自動車2のナビゲーションの目的地については、給電側電気自動車2から送信されたナビゲーションの目的地設定情報に基づいて取得すればよい。
【0063】
また、第2回目の配分算出可否判定の前提として、電力配分算出部11は、給電側予想消費電力量算出部9に、前述のようにして給電側到達対象地点設定部14によって設定された新たな給電側到達対象地点を用いて、第2回目の給電側予想消費電力量の算出を行わせるようになっている。すなわち、給電側電気自動車2の現在地から新たな給電側到達対象地点までの給電側予想消費電力量(新たな給電側到達対象地点に対応する給電側予想消費電力量)の算出を行わせるようになっている。
【0064】
そして、電力配分算出部11は、以上の前提の下で、配分算出可否判定部16に、新たな給電側到達対象地点に対応する給電側予想消費電力量と当初の充電側到達対象地点に対応する充電側予想消費電力量とに基づいて、第2回目の配分算出可否判定を行わせるようになっている。具体的には、配分算出可否判定部16は、新たな給電側到達対象地点に対応する給電側予想消費電力量と当初の充電側到達対象地点に対応する充電側予想消費電力量との総和が、給電側残電力量と充電側残電力量との総和よりも小さい場合には、配分の算出が可能である旨の肯定的な判定を行い、そのような総和の大小関係が満足されない場合には、配分の算出が不可能である旨の否定的な判定を行うようになっている。
【0065】
そして、このような第2回目の配分算出可否判定において否定的な判定結果が得られた場合に、電力配分算出部11は、前述した当初の給電側到達対象地点および当初の充電側到達対象地点に対応する配分の算出を行うようになっている。
【0066】
このような構成によれば、先ずは、第1回目の配分算出可否判定によって、給電側電気自動車2および充電側電気自動車3のそれぞれのバッテリの消費電力量を必要最小限に抑える場合において、充電側電気自動車3および給電側電気自動車2の双方の電欠を回避し得るような電力配分の提示が可能か否かを判断することができる。そして、そのような電力配分の提示が可能と判断できる場合には、次に、第2回目の配分算出可否判定によって、給電側電気自動車2のバッテリの消費電力量を引き上げて、給電側電気自動車2のユーザにとって最も好ましい行き先に向かう場合において、充電側電気自動車3および給電側電気自動車2の双方の電欠を回避し得るような電力配分の提示が可能か否かを判断することができる。そして、このような電力配分の提示が不可能との判断を待って、既に可能と判断されたバッテリの消費電力量を必要最小限に抑える場合における電力配分の算出を行うようにすることができる。これにより、残電力量と消費電力量との関係から提示できる可能性が最も高い電力配分(バッテリの消費電力量を必要最小限に抑える場合における電力配分)の提示の可否を優先的に判断し、このような効率的な判断によって電力配分の提示を迅速に行うことができる。また、その一方で、給電側電気自動車のユーザの希望を優先させる(給電側電気自動車のユーザにとって最も好ましい行き先に向かう場合における電力配分を提示する)機会を窺うことができる。
【0067】
一方、第2回目の配分算出可否判定において肯定的な判定結果が得られた場合であっても、電力配分算出部11は、新たな給電側到達対象地点および当初の充電側到達対象地点に対応する配分(すなわち、給電側電気自動車2が給電の後においても新たな給電側到達対象地点に到達可能とみなされる電力量と充電側電気自動車3が給電によって当初の充電側到達対象地点に到達可能になるとみなされる電力量との配分)の算出を直ちには行わないようになっている。このような配分の算出の有無は、次の第3回目の配分算出可否判定の判定結果に委ねられる。
【0068】
次に、第3回目の配分算出可否判定は、以下のようにして行われるようになっている。
【0069】
すなわち、第3回目の配分算出可否判定の前提として、電力配分算出部11は、第2回目の配分算出可否判定において肯定的な判定結果が得られたことを契機として、充電側到達対象地点設定部15に、充電側電気自動車3に設定されているナビゲーションの目的地を、充電側予想消費電力量算出部10による第2回目の充電側予想消費電力量の算出に用いられる新たな充電側到達対象地点に設定させるようになっている。なお、充電側電気自動車3のナビゲーションの目的地については、充電側電気自動車3から送信されたナビゲーションの目的地設定情報に基づいて取得すればよい。
【0070】
また、第3回目の配分算出可否判定の前提として、電力配分算出部11は、充電側予想消費電力量算出部10に、前述のようにして充電側到達対象地点設定部15によって設定された新たな充電側到達対象地点を用いて、第2回目の充電側予想消費電力量の算出を行わせるようになっている。すなわち、充電側電気自動車3の現在地から新たな充電側到達対象地点までの充電側予想消費電力量(新たな充電側到達対象地点に対応する充電側予想消費電力量)の算出を行わせるようになっている。
【0071】
そして、電力配分算出部11は、以上の前提の下で、配分算出可否判定部16に、新たな給電側到達対象地点に対応する給電側予想消費電力量と新たな充電側到達対象地点に対応する充電側予想消費電力量とに基づいて、第3回目の配分算出可否判定を行わせるようになっている。具体的には、配分算出可否判定部16は、新たな給電側到達対象地点に対応する給電側予想消費電力量と新たな充電側到達対象地点に対応する充電側予想消費電力量との総和が、給電側残電力量と充電側残電力量との総和よりも小さい場合には、配分の算出が可能である旨の肯定的な判定を行い、そのような総和の大小関係が満足されない場合には、配分の算出が不可能である旨の否定的な判定を行うようになっている。
【0072】
そして、このような第3回目の配分算出可否判定において否定的な判定結果が得られた場合に、電力配分算出部11は、前述した新たな給電側到達対象地点および当初の充電側到達対象地点に対応する配分の算出を行うようになっている。
【0073】
このような構成によれば、給電側電気自動車2のユーザにとって最も好ましい行き先(給電側電気自動車2のナビゲーションの目的地)に向かう場合における電力配分の提示が可能と判断できる場合には、次に、第3回目の配分算出可否判定によって、充電側電気自動車3のバッテリの消費電力量も引き上げて、今度は、充電側電気自動車3のユーザにとっても最も好ましい行き先に向かう場合において、充電側電気自動車3および給電側電気自動車2の双方の電欠を回避し得るような電力配分の提示が可能か否かを判断することができる。そして、このような電力配分の提示が不可能と判断されることを待って、給電側電気自動車のユーザにとって最も好ましい行き先に向かう場合における電力配分を算出して提示することができる。これにより、給電側電気自動車2のユーザの希望に適合しつつ前述したバッテリの消費電力量を必要最小限に抑える場合における電力配分(最寄りの充電可能施設に向かう場合における電力配分)の次に提示できる可能性が高くなるような電力配分(給電側電気自動車2のユーザにとって最も好ましい行き先に向かう場合における電力配分)の提示の可否を二番目に優先的に判断し、このような効率的な判断によって給電側電気自動車2のユーザの希望に適合した電力配分の提示を迅速に行うことができる。また、その一方で、充電側電気自動車3のユーザの希望をも満足させる(充電側電気自動車3のユーザにとっても最も好ましい行き先に向かう場合における電力配分を提示する)機会を窺うことができる。
【0074】
一方、第3回目の配分算出可否判定において肯定的な判定結果が得られた場合には、電力配分算出部11は、新たな給電側到達対象地点および新たな充電側到達対象地点に対応する配分(すなわち、給電側電気自動車2が給電の後においても新たな給電側到達対象地点に到達可能とみなされる電力量と充電側電気自動車3が給電によって新たな充電側到達対象地点に到達可能になるとみなされる電力量との配分)の算出を行うようになっている。
【0075】
このような構成によれば、充電側電気自動車3のユーザにとっても最も好ましい行き先(充電側電気自動車3のナビゲーションの目的地)に向かう場合における電力配分の提示が可能と判断できる場合には、そのような電力配分を算出して提示することができるので、電欠を回避しつつ給電側電気自動車2および充電側電気自動車3の双方のユーザの希望に適合した電力配分を提示することができる。
【0076】
上記構成に加えて、更に、本実施形態において、電力配分提示システム1は、図2に示すように、サーバ4内に、給電不可通知装置としての給電不可通知部18を有している。この給電不可通知部18は、配分算出可否判定部16による第1回目の配分算出可否判定の判定結果が否定的となった場合に、給電側電気自動車2および充電側電気自動車3のそれぞれのユーザに、給電が不可能である旨を通知するようになっている。具体的には、給電不可通知部18は、給電が不可能である旨のメッセージ情報を、無線通信によって給電側電気自動車2の車載機および充電側電気自動車3の車載機に送信し、各車載機側で、送信された配分に対応するメッセージが車内モニタに表示されることになる。
【0077】
このような構成によれば、バッテリの消費電力量を必要最小限に抑える場合においても電力配分の提示が不可能である場合には、給電が不可能である旨をユーザに通知することで、給電側電気自動車2が給電の後に電欠となる事態を回避することができる。
【0078】
上記構成に加えて、更に、給電側予想消費電力量算出部9および充電側予想消費電力量算出部10は、充電側残電力量確認部8によって確認された充電側残電力量によって充電側電気自動車3がこれの現在地から到達可能とみなされる給電のための給電側電気自動車2との待ち合わせ可能地点が存在する場合に、給電側予想消費電力量および充電側予想消費電力量の算出を行うようにしてもよい。なお、待ち合わせ可能地点の有無については、サーバ4が、地図データを用いた地点検索を行うことによって、充電側電気自動車3の現在地から充電側電気自動車3の現在の航続可能距離以内の領域に存在する給電側電気自動車2との待ち合わせが可能とみなせる地点(例えば、公園の駐車場等)を探し、該当する地点が見つかったか否かによって判断してもよい。この場合に、充電側電気自動車3の航続可能距離については、充電側残電力量および充電側電気自動車3の平均電費等に基づいて算出してもよい。
【0079】
このような構成によれば、待ち合わせ可能地点の存在を確認した上で給電側予想消費電力量および充電側予想消費電力量を算出することができるので、給電を実施する場所(待ち合わせ可能地点)を確保できないようなケースにおいて、実質的に無意味な電力配分を提示するための無駄な演算処理が開始されることを未然に回避することができる。
【0080】
更に、このようにして待ち合わせ可能地点の存在を給電側予想消費電力量および充電側予想消費電力量の算出の実行条件とする場合には、給電側予想消費電力量算出部9は、給電側予想消費電力量として、待ち合わせ可能地点に立ち寄った後に給電側到達対象地点に到達するのに要する予想消費電力量を算出し、充電側予想消費電力量算出部10は、充電側予想消費電力量として、待ち合わせ可能地点に立ち寄った後に充電側到達対象地点に到達するのに要する予想消費電力量を算出することが望ましい。
【0081】
そして、このような本発明によれば、待ち合わせ可能地点に立ち寄ることを考慮して給電側予想消費電力量および充電側予想消費電力量を正確に算出することができるので、提示された電力配分に対する信頼性を向上させることができる。
【0082】
上記構成に加えて、更に、本実施形態において、電力配分提示システム1は、図2に示すように、充電側電気自動車3(車載機)内に、充電側車両情報送信装置としての充電側車両情報送信部19を有している。この充電側車両情報送信部19は、サーバ4に対して、充電側電気自動車3の現在地の位置を示す自車位置情報、バッテリ3aの残電力量を示す残電力量情報、充電側電気自動車3の平均電費を示す平均電費情報および充電側電気自動車3のナビゲーションの目的地の設定の有無および設定されている目的地を示す目的地設定情報その他の電力配分算出部11による前記配分の算出に必要とみなされる車両情報(所定の情報)を送信するようになっている。ここで、充電側電気自動車3の自車位置情報については、例えば、充電側電気自動車3の車載機に搭載された衛星航法受信機によって測位信号を受信し、受信した測位信号に基づいて自車位置を絶対座標として測位する衛星航法を行うことや、充電側電気自動車3の車載機に搭載された自律航法センサの検出結果に基づいて、自車位置を前回の測位位置からの相対的な変化分として測位する自律航法を行うことによって取得してもよい。また、残電力情報については、充電側電気自動車3に搭載された公知のバッテリ残量検出装置の検出結果に基づいて取得してもよい。さらに、平均電費情報については、充電側電気自動車3に搭載された公知の平均電費(エアコン、カーオーディオ、ナビゲーション装置等の車載電気機器の使用を加味したものであってもよい)の算出装置の算出結果に基づいて取得してもよい。さらにまた、目的地設定情報については、充電側電気自動車3の車載機のナビゲーション機能における目的地の設定情報に基づいて取得してもよい。このような充電側電気自動車3の車両情報の送信は、充電側電気自動車3のユーザによる給電を要求するための所定の入力操作(タッチパネル操作やリモコン操作等)を契機として給電の要求の送信とともに行うようにしてもよいし、または、予めバッテリ3aの残電力量を監視しておき、残電力量が所定値以下となったことを契機として自動的に(ユーザ操作を待たずに)行うようにしてもよい。また、車両情報の送信の際には、充電側残電力量に応じた給電の緊急度を示す情報も併せて送信するようにしてもよい。
【0083】
また、図2に示すように、電力配分提示システム1は、サーバ4内に、要給電車両存在通知装置としての要給電車両存在通知部20を有している。この要給電車両存在通知部20は、充電側車両情報送信部19による車両情報の送信を契機として、給電側電気自動車2に対して、給電を要する充電側電気自動車3が存在する旨を通知するようになっている。この通知の相手となる給電側電気自動車2の選定の仕方としては、様々な態様を考えることができる。例えば、第1の態様として、要給電車両存在通知部20は、充電側電気自動車3のユーザの住所地に近い(例えば、同一市区町村等)住所地を有するユーザの電気自動車を、通知相手(給電側電気自動車2)に選定してもよい。ただし、この場合には、サーバ4側に、充電側電気自動車3および給電側電気自動車2のそれぞれのユーザの住所地を、通信用の識別情報(車載機の通信モジュールの個体識別情報やアドレス等)と対応付けて登録しておくことが必要となるであろう。この他にも、第2の態様として、要給電車両存在通知部20は、充電側電気自動車3のユーザが、給電を希望する相手の氏名、住所または電話番号等を用いて指定したユーザの電気自動車を、通知相手に選定してもよい。ただし、この場合にも、サーバ4側で、電気自動車のユーザの氏名、住所、電話番号等の情報を、通信用の識別情報と対応付けて登録しておくことが必要となるであろう。さらに、第3の態様として、要給電車両存在通知部20は、充電側電気自動車3の現在地の周辺の所定領域内を走行中の電気自動車を、通知相手に選定してもよい。ただし、この場合には、サーバ4側で、各電気自動車の現在地をGPSシステム等を利用して常時監視することが必要になるであろう。さらにまた、、要給電車両存在通知部20による通知相手となる電気自動車が複数台あってもよく、そのような場合には、後述する給電の申し出が最先になされた電気自動車を、電力配分の提示相手とすべき給電側電気自動車2に確定してもよい。
【0084】
さらに、図2に示すように、電力配分提示システム1は、給電側電気自動車2(車載機)内に、給電申し出送信装置としての給電申し出送信部21を有している。この給電申し出送信部21は、要給電車両存在通知部20による通知に応答して、サーバ4に対して、給電の申し出を、給電側電気自動車2の自車位置情報、残電力量情報、平均電費情報および目的地設定情報その他の電力配分算出部11による前記配分の算出に必要とみなされる車両情報(所定の情報)とともに送信するようになっている。なお、これらの給電側電気自動車2の車両情報は、充電側電気自動車3の車両情報と同様の方法によって取得してもよい。また、給電申し出送信部21による申し出の送信は、要給電車両存在通知部20からの通知を受けた給電側電気自動車2のユーザによる給電を申し出るための所定の入力操作を契機として行うようにしてもよい。
【0085】
そして、サーバ4は、給電申し出送信部21による給電の申し出の送信を契機として、給電側予想消費電力量算出部9による給電側予想消費電力量の算出(第1回目の算出)および充電側予想消費電力量算出部10による充電側予想消費電力量の算出(第1回目の算出)を行うようになっている。
【0086】
このような構成によれば、充電側電気自動車3側からのユーザ操作または蓄電状況に基づいた自動的な情報送信およびこれに応答した給電側電気自動車2側からのユーザ操作を契機として電力配分の提示のための演算処理を開始することができるので、実使用に適合した電力配分提示のトリガを採用することができる。
【0087】
上記構成以外にも、例えば、前述のように、待ち合わせ可能地点の存在を給電側予想消費電力量および充電側予想消費電力量の算出の実行条件とする場合には、給電側電気自動車2は、電力配分提示部12による配分の提示後に、給電側電気自動車2の車載機のナビゲーション機能(給電側誘導装置)を利用することによって、給電側電気自動車2を待ち合わせ可能地点に経路誘導してもよい。この場合に、給電側電気自動車2の現在地から待ち合わせ可能地点までの経路の探索には、給電側予想消費電力量算出部9が給電側予想消費電力量の算出のために探索した待ち合わせ可能地点を経由する給電側到達対象地点までの最適経路の探索結果を利用してもよい。また、このような待ち合わせ可能地点までの経路誘導は、給電側到達対象地点を目的地とし、待ち合わせ可能地点を経由地とした一連の経路誘導の一環の中で行ってもよいことは勿論である。同様に、充電側電気自動車3においても、電力配分提示部12による配分の提示後に、充電側電気自動車3の車載機のナビゲーション機能(充電側誘導装置)を利用することによって、充電側電気自動車3を待ち合わせ可能地点に経路誘導してもよい。さらに、待ち合わせ可能地点までの経路誘導は、この経路誘導の開始を許可するユーザ操作を待って行うようにしてもよい。
【0088】
また、サーバ4は、電力配分提示部12によって提示された電力配分にしたがった給電が行われた場合に、充電側電気自動車3のユーザ側から給電側電気自動車2のユーザ側への給電電力量に応じた料金の支払い代行サービスをサポートする機能を備えていてもよい。具体的には、例えば、サーバ4は、給電の完了の通知が給電側電気自動車2の車載機および充電側電気自動車3の車載機の少なくとも一方から送信されたことを契機として、給電側電気自動車2および充電側電気自動車3の少なくとも一方から現在(給電後)のバッテリ残電力量情報を取得する。そして、このバッテリ残電力量情報に基づいて、電力配分提示部12によって提示された電力配分にしたがった給電が適正に行われたことを確認し、この確認の後、給電電力量に応じた料金を算出する。この場合、サーバ4側のサービス業者は、算出された料金が充電側電気自動車3のユーザの銀行口座から引き落とされて給電側電気自動車2のユーザの銀行口座に振り込まれるように、充電側電気自動車3のユーザの口座開設銀行に連絡してもよい。また、このとき、充電側電気自動車3のユーザの銀行口座から、サーバ4側のサービス手数料が引き落とされるようにしてもよい。ただし、このような課金システムは、給電電力量に応じた料金の振込みがなされる旨の契約が、充電側電気自動車3のユーザ、給電側電気自動車2のユーザ、サーバ4側業者および銀行の間で交わされていることが前提となる。
【0089】
さらに、給電側電気自動車2と充電側電気自動車3とは、立場が入れ替わるケースがあるので、給電側電気自動車2の車載機に備えられている構成は、充電側電気自動車3の車載機にも備えるようにし、その逆もまた然りとすることが望ましい。
【0090】
(電力配分提示方法)
次に、前述した電力配分提示システム1を適用した本発明に係る電力配分提示方法の第1実施形態について、図5および図6を参照して説明する。
【0091】
本実施形態においては、まず、図5のフローチャートにしたがって、電力配分算出処理のトリガが発生したか否かを判定する。
【0092】
すなわち、図5のステップ1(ST1)において、充電側現在地取得部6および充電側残電力量確認部8により、充電側電気自動車3から車両情報が送信されたか否かを判定する。そして、ステップ1(ST1)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ2(ST2)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、処理を終了する。
【0093】
次いで、ステップ2(ST2)において、充電側現在地取得部6により、ステップ1(ST1)において送信されたと判定された車両情報に基づいて、充電側電気自動車3の現在地を取得するとともに、充電側残電力量確認部8により、当該車両情報に基づいて、充電側残電力量を取得する。
【0094】
次いで、ステップ3(ST3)において、要給電車両存在通知部20により、前述した所定の方法によって選定された給電側電気自動車2に対して、給電を要する充電側電気自動車3が存在する旨を通知する。
【0095】
次いで、ステップ4(ST4)において、給電側現在地取得部5および給電側残電力量確認部7により、給電側電気自動車2から給電の申し出および車両情報の送信があったか否かを判定する。そして、ステップ4(ST4)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ5(ST5)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、処理を終了する。
【0096】
次いで、ステップ5(ST5)において、給電側現在地取得部5により、ステップ4(ST4)において送信されたと判定された車両情報に基づいて、給電側電気自動車2の現在地を取得するとともに、給電側残電力量確認部7により、当該車両情報に基づいて、給電側残電力量を取得する。
【0097】
次いで、ステップ6(ST6)において、サーバ4の地点検索機能により、ステップ2(ST2)において取得された充電側電気自動車3の現在地および充電側残電力量に基づいて、給電側電気自動車2との待ち合わせ可能地点を探索する。
【0098】
次いで、ステップ7(ST7)において、給電側予想消費電力量算出部9および充電側予想消費電力量算出部10により、待ち合わせ可能地点が探索されたか否かを判定する。そして、ステップ7(ST7)において肯定的な判定結果が得られた場合には、電力配分算出処理のトリガが全て発生したと判断して、図6のフローチャートに示す具体的な算出処理に移行し、否定的な判定結果が得られた場合には、処理を終了する。ここで処理を終了する場合には、給電不可通知部18により、給電が不可能である旨を給電側電気自動車2および充電側電気自動車3のそれぞれのユーザに提示してもよい。
【0099】
次に、図6のフローチャートにおいては、まず、ステップ8(ST8)において、給電側到達対象地点設定部14により、地図データに基づいて、充電側電気自動車3の現在地に最寄りの給電側電気自動車2に対応する充電可能施設を探索する。
【0100】
次いで、ステップ9(ST9)において、給電側到達対象地点設定部14により、ステップ8(ST8)において探索された充電可能施設を、当初の給電側到達対象地点に設定する。
【0101】
次いで、ステップ10(ST10)において、充電側到達対象地点設定部15により、地図データに基づいて、充電側電気自動車3の現在地に最寄りの充電側電気自動車3に対応する充電可能施設を探索する。
【0102】
次いで、ステップ11(ST11)において、充電側到達対象地点設定部15により、ステップ10(ST10)において探索された充電可能施設を、当初の充電側到達対象地点に設定する。この設定結果は、ステップ9(ST9)における設定結果と一致する場合がある。
【0103】
次いで、ステップ12(ST12)において、給電側予想消費電力量算出部9により、図5のステップ5(ST5)において取得された給電側電気自動車2の現在地およびステップ9(ST9)における設定結果に基づいて、第1回目の給電側予想消費電力量の算出(給電側電気自動車2の現在地から当初の給電側到達対象地点までの給電側予想消費電力量の算出)を行う。なお、予想消費電力の算出に平均電費情報等を用いてもよいことは既に述べた通りである。
【0104】
次いで、ステップ13(ST13)において、充電側予想消費電力量算出部10により、図5のステップ2(ST2)において取得された充電側電気自動車3の現在地およびステップ11(ST11)における設定結果に基づいて、第1回目の充電側予想消費電力量の算出(充電側電気自動車3の現在地から当初の充電側到達対象地点までの充電側予想消費電力量の算出)を行う。
【0105】
次いで、ステップ14(ST14)において、配分算出可否判定部16により、図5のステップ5(ST5)において確認された給電側残電力量、図5のステップ2(ST2)において確認された充電側残電力量、ステップ12(ST12)における算出結果およびステップ13(ST13)における算出結果に基づいて、第1回目の配分算出可否判定を行う。そして、ステップ14(ST14)において肯定的な判定結果が得られた場合、すなわち、ステップ12(ST12)における算出結果とステップ13(ST13)における算出結果との総和が給電側残電力量と充電側残電力量との総和よりも小さい場合には、ステップ15(ST15)に進む。一方、ステップ14(ST14)において否定的な判定結果が得られた場合、すなわち、ステップ12(ST12)における算出結果とステップ13(ST13)における算出結果との総和が給電側残電力量と充電側残電力量との総和以上である場合には、ステップ26(ST26)に進む。
【0106】
ここで、ステップ26(ST26)に進んだ場合には、給電不可通知部18により、給電側電気自動車2および充電側電気自動車3に対して給電が不可能である旨の通知を行って処理を終了する。
【0107】
次いで、ステップ15(ST15)において、給電側到達対象地点設定部14により、給電側電気自動車2においてナビゲーションの目的地が設定されているか否かを、給電側電気自動車2側から送信された目的地設定情報に基づいて判定する。そして、ステップ15(ST15)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ16(ST16)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ27(ST27)に進む。
【0108】
次いで、ステップ16(ST16)において、給電側到達対象地点設定部14により、ステップ15(ST15)において設定されていると判定された給電側電気自動車2のナビゲーションの目的地を、新たな給電側到達対象地点に設定する。
【0109】
次いで、ステップ17(ST17)において、給電側予想消費電力量算出部9により、図5のステップ5(ST5)において取得された給電側電気自動車2の現在地およびステップ16(ST16)における設定結果に基づいて、第2回目の給電側予想消費電力量の算出(給電側電気自動車2の現在地から新たな給電側到達対象地点までの給電側予想消費電力量の算出)を行う。
【0110】
次いで、ステップ18(ST18)において、配分算出可否判定部16により、図5のステップ5(ST5)において確認された給電側残電力量、図5のステップ2(ST2)において確認された充電側残電力量、ステップ17(ST17)における算出結果およびステップ13(ST13)における算出結果に基づいて、第2回目の配分算出可否判定を行う。そして、ステップ18(ST18)において肯定的な判定結果が得られた場合、すなわち、ステップ17(ST17)における算出結果とステップ13(ST13)における算出結果との総和が給電側残電力量と充電側残電力量との総和よりも小さい場合には、ステップ19(ST19)に進む。一方、ステップ18(ST18)において否定的な判定結果が得られた場合、すなわち、ステップ17(ST17)における算出結果とステップ13(ST13)における算出結果との総和が給電側残電力量と充電側残電力量との総和以上である場合には、ステップ27(ST27)に進む。
【0111】
ここで、ステップ27(ST27)に進んだ場合には、電力配分算出部11により、当初の給電側到達対象地点および当初の充電側到達対象地点に対応する配分(給電側電気自動車2が給電の後においても当初の給電側到達対象地点に到達可能とみなされる電力量と充電側電気自動車3が給電によって当初の充電側到達対象地点に到達可能になるとみなされる電力量との配分)の算出を行って、ステップ24(ST24)に進む。
【0112】
次いで、ステップ19(ST19)において、充電側到達対象地点設定部15により、充電側電気自動車3においてナビゲーションの目的地が設定されているか否かを、充電側電気自動車3側から送信された目的地設定情報に基づいて判定する。そして、ステップ19(ST19)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ20(ST20)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ28(ST28)に進む。
【0113】
次いで、ステップ20(ST20)において、充電側到達対象地点設定部15により、ステップ19(ST19)において設定されていると判定された充電側電気自動車3のナビゲーションの目的地を新たな充電側到達対象地点に設定する。
【0114】
次いで、ステップ21(ST21)において、充電側予想消費電力量算出部10により、図5のステップ2(ST2)において取得された充電側電気自動車3の現在地およびステップ20(ST20)における設定結果に基づいて、第2回目の充電側予想消費電力量の算出(充電側電気自動車3の現在地から新たな充電側到達対象地点までの充電側予想消費電力量の算出)を行う。
【0115】
次いで、ステップ22(ST22)において、配分算出可否判定部16により、図5のステップ5(ST5)において確認された給電側残電力量、図5のステップ2(ST2)において確認された充電側残電力量、ステップ17(ST17)における算出結果およびステップ21(ST21)における算出結果に基づいて、第3回目の配分算出可否判定を行う。そして、ステップ22(ST22)において肯定的な判定結果が得られた場合、すなわち、ステップ17(ST17)における算出結果とステップ21(ST21)における算出結果との総和が給電側残電力量と充電側残電力量との総和よりも小さい場合には、ステップ23(ST23)に進む。一方、ステップ22(ST22)において否定的な判定結果が得られた場合、すなわち、ステップ17(ST17)における算出結果とステップ21(ST21)における算出結果との総和が給電側残電力量と充電側残電力量との総和以上である場合には、ステップ28(ST28)に進む。
【0116】
ここで、ステップ28(ST28)に進んだ場合には、電力配分算出部11により、新たな給電側到達対象地点および当初の充電側到達対象地点に対応する配分(給電側電気自動車2が給電の後においても新たな給電側到達対象地点に到達可能とみなされる電力量と充電側電気自動車3が給電によって当初の充電側到達対象地点に到達可能になるとみなされる電力量との配分)の算出を行って、ステップ24(ST24)に進む。
【0117】
一方、ステップ23(ST23)に進んだ場合には、電力配分算出部11により、新たな給電側到達対象地点および新たな充電側到達対象地点に対応する配分(給電側電気自動車2が給電の後においても新たな給電側到達対象地点に到達可能とみなされる電力量と充電側電気自動車3が給電によって新たな充電側到達対象地点に到達可能になるとみなされる電力量との配分)の算出を行って、ステップ24(ST24)に進む。
【0118】
次いで、ステップ24(ST24)において、電力配分提示部12により、電力配分算出部11によって算出された配分を、給電側電気自動車2および充電側電気自動車3のそれぞれのユーザに提示してステップ25(ST25)に進む。
【0119】
次いで、ステップ25(ST25)において、給電側電気自動車2および充電側電気自動車3のそれぞれの車載機のナビゲーション機能によって、給電側電気自動車2および充電側電気自動車3をそれぞれ待ち合わせ可能地点に経路誘導して処理を終了する。
【0120】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、第1実施形態との差異を中心に、図7および図8を参照して説明する。
【0121】
図7は、本実施形態における電力配分提示システム1’の概要を示した概念である。図7に示すように、本実施形態においては、第1実施形態とは異なり、電力配分提示システム1’の主要な構成部1a’が、充電側電気自動車3との通信が可能な給電側電気自動車2に備えられている。
【0122】
すなわち、図8のブロック図に示すように、本実施形態においては、第1実施形態においてサーバ4内および給電側電気自動車2内(車載機)に備えられていた構成部が、要給電車両存在通知部20を除いてすべて給電側電気自動車2内に備えれている。これにともなって、第1実施形態においてサーバ4と給電側電気自動車2との間で通信を介して行われていた処理(給電側電気自動車2の現在地や給電側残電力量の取得、給電不可の通知および電力配分の提示等)は、給電側電気自動車2の内部的な処理として行われるようになっている。また、第1実施形態においてサーバ4側から充電側電気自動車3側に通信を介して行われていた処理(給電不可の通知や電力配分の提示等)は、給電側電気自動車2側から充電側電気自動車3側への処理として行われるようになっている。
【0123】
さらに、この他にも、第1実施形態との相違点としては、図8に示すように、充電側電気自動車3(車載機)が、図2に示した充電側車両情報送信部19の代わりに、給電要求送信装置としての給電要求送信部24を備えている。この給電要求送信部24は、給電側電気自動車2に対して、給電の要求を、充電側電気自動車3の自車位置情報、残電力量情報、平均電費情報および目的地設定情報その他の電力配分算出部11による配分の算出に必要とみなされる車両情報(所定の情報)とともに送信するようになっている。この給電の要求は、充電側電気自動車(車載機)3側に予め登録された給電側電気自動車(車載機)2側のアドレスを指定して行うようにしてもよいし、車々間通信によって周辺車両に対して行うようにしてもよい。
【0124】
そして、給電側電気自動車2は、給電要求送信部24による給電の要求の送信に応答して、充電側電気自動車3に対して、給電申し出送信部21による給電の申し出の送信を行い、これを契機として、給電側予想消費電力量算出部9による第1回目の給電側予想消費電力量の算出および充電側予想消費電力量算出部10による第1回目の充電側予想消費電力量の算出を行うようになっている。
【0125】
その他の構成および作用は、基本的に第1実施形態と同様であるので、詳細は割愛する。
【0126】
以上述べたように、本発明によれば、給電側電気自動車2のバッテリ2aに給電の後に蓄えられているべき電力量と充電側電気自動車3のバッテリ3aに給電の後に蓄えられているべき電力量との配分を提示することによって、充電側電気自動車3および給電側電気自動車2の双方の電欠を未然に回避し得るような給電を支援することができる。
【0127】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。
【0128】
例えば、電力配分算出部11は、配分の算出にあったっては、充電側電気自動車3に電欠が生じない限度において、可及的に多くの電力量を給電側電気自動車2側に残すような算出を行ってもよいし、または、給電側電気自動車2および充電側電気自動車3の双方に同等の余剰分(各車の到達対象地点に到達した時点においても尚余るであろう電力量)を振り分けるように算出を行ってもよい。さらに、電力配分算出部11は、例えば、充電設備を有しないナビゲーションの目的地が給電側到達対象地点として設定された場合には、当該目的地からこれに最寄りの充電可能施設までの所要電力量を地図データや平均電費情報等に基づいて算出した上で、この所要電力量分の電力量を、給電後における給電側電気自動車2のバッテリ2aに蓄えられているべき電力量に加味してもよい。これと同様のことは、充電設備を有しないナビゲーションの目的地が充電側到達対象地点に設定された場合においても考えることができる。
【0129】
また、電力配分提示部12は、電力配分算出部11の算出結果に基づいて、充電側電気自動車3が最寄りの充電可能施設に到達するための必要最低限の給電電力量の提示や、給電に必要とみなされる所要時間の提示を併せて行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0130】
1 電力配分提示システム
5 給電側現在地取得部
6 充電側現在地取得部
7 給電側残電力量確認部
8 充電側残電力量確認部
9 給電側予想消費電力量算出部
10 充電側予想消費電力量算出部
11 電力配分算出部
12 電力配分提示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電側電気自動車のバッテリから充電側電気自動車のバッテリに給電を行う場合における前記給電側電気自動車のバッテリに前記給電の後に蓄えられているべき電力量と前記充電側電気自動車のバッテリに前記給電の後に蓄えられているべき電力量との配分を提示する電力配分提示システムであって、
前記給電側電気自動車の現在地を取得する給電側現在地取得装置と、
前記充電側電気自動車の現在地を取得する充電側現在地取得装置と、
前記給電側電気自動車のバッテリの残電力量を確認する給電側残電力量確認装置と、
前記充電側電気自動車のバッテリの残電力量を確認する充電側残電力量確認装置と、
前記給電側現在地取得装置によって取得された前記給電側電気自動車の現在地から前記給電側電気自動車が到達すべき給電側到達対象地点までの前記給電側電気自動車のバッテリの予想消費電力量を算出する給電側予想消費電力量算出装置と、
前記充電側現在地取得装置によって取得された前記充電側電気自動車の現在地から前記充電側電気自動車が到達すべき充電側到達対象地点までの前記充電側電気自動車のバッテリの予想消費電力量を算出する充電側予想消費電力量算出装置と、
前記給電側残電力量確認装置の確認結果、前記充電側残電力量確認装置の確認結果、前記給電側予想消費電力量算出装置の算出結果および前記充電側予想消費電力量算出装置の算出結果に基づいて、前記給電側電気自動車が前記給電の後においても前記給電側到達対象地点に到達可能とみなされる電力量と、前記充電側電気自動車が前記給電によって前記充電側到達対象地点に到達可能になるとみなされる電力量との配分を算出する電力配分算出装置と、
この電力配分算出装置によって算出された前記配分を、前記給電側電気自動車のバッテリに前記給電の後に蓄えられているべき電力量と前記充電側電気自動車のバッテリに前記給電の後に蓄えられているべき電力量との配分として、前記給電側電気自動車および前記充電側電気自動車のそれぞれのユーザに提示する電力配分提示装置と
を備えたことを特徴とする電力配分提示システム。
【請求項2】
前記給電側到達対象地点を設定する給電側到達対象地点設定装置と、
前記充電側到達対象地点を設定する充電側到達対象地点設定装置と、
前記給電側到達対象地点設定装置によって設定された前記給電側到達対象地点に対応する前記給電側予想消費電力量算出装置の算出結果と前記充電側到達対象地点設定装置によって設定された前記充電側到達対象地点に対応する前記充電側予想消費電力量算出装置の算出結果との総和が、前記給電側残電力量確認装置の確認結果と前記充電側残電力量確認装置の確認結果との総和に比べて小さいか否かに基づいて、前記電力配分算出装置による前記設定された給電側到達対象地点および前記設定された充電側到達対象地点に対応する前記配分の算出の可否の判定を行う配分算出可否判定装置と
を備え、
前記給電側到達対象地点設定装置は、前記充電側電気自動車の現在地に最寄りの前記給電側電気自動車に対応する充電可能施設を、当初の前記給電側到達対象地点に設定し、
前記充電側到達対象地点設定装置は、前記充電側電気自動車の現在地に最寄りの前記充電側電気自動車に対応する充電可能施設を、当初の前記充電側到達対象地点に設定し、
前記電力配分算出装置は、前記当初の給電側到達対象地点に対応する前記給電側予想消費電力量算出装置の算出結果と前記当初の充電側到達対象地点に対応する前記充電側予想消費電力量算出装置の算出結果との総和を用いた前記配分算出可否判定装置の判定結果が肯定的となった場合であっても、これら当初の給電側到達対象地点および当初の充電側到達対象地点に対応する前記配分の算出を直ちには行わず、前記給電側到達対象地点設定装置に、前記給電側電気自動車に設定されているナビゲーションの目的地を、新たな前記給電側到達対象地点に設定させ、前記配分算出可否判定装置に、当該新たな給電側到達対象地点に対応する前記給電側予想消費電力量算出装置の算出結果と前記当初の充電側到達対象地点に対応する前記充電側予想消費電力量算出装置の算出結果との総和を用いた前記判定を行わせた上で、この判定の結果が否定的となった場合に、前記当初の給電側到達対象地点および当初の充電側到達対象地点に対応する配分の算出を行うこと
を特徴とする請求項1に記載の電力配分提示システム。
【請求項3】
前記当初の給電側到達対象地点に対応する給電側予想消費電力量算出装置の算出結果と当初の充電側到達対象地点に対応する充電側予想消費電力量算出装置の算出結果との総和を用いた配分算出可否判定装置の判定結果が否定的となった場合に、前記給電側電気自動車および前記充電側電気自動車のそれぞれのユーザに前記給電が不可能である旨を通知する給電不可通知装置を備えたこと
を特徴とする請求項2に記載の電力配分提示システム。
【請求項4】
前記電力配分算出装置は、前記新たな給電側到達対象地点に対応する給電側予想消費電力量算出装置の算出結果と当初の充電側到達対象地点に対応する充電側予想消費電力量算出装置の算出結果との総和を用いた配分算出可否判定装置の判定結果が肯定的となった場合であっても、これら新たな給電側到達対象地点および当初の充電側到達対象地点に対応する前記配分の算出を直ちには行わず、前記充電側到達対象地点設定装置に、前記充電側電気自動車に設定されているナビゲーションの目的地を、新たな前記充電側到達対象地点に設定させ、前記配分算出可否判定装置に、前記新たな給電側到達対象地点に対応する前記給電側予想消費電力量算出装置の算出結果と当該新たな充電側到達対象地点に対応する前記充電側予想消費電力量算出装置の算出結果との総和を用いた前記判定を行わせた上で、この判定の結果が否定的となった場合に、前記新たな給電側到達対象地点および当初の充電側到達対象地点に対応する配分の算出を行うこと
を特徴とする請求項2または請求項3に記載の電力配分提示システム。
【請求項5】
前記電力配分算出装置は、前記新たな給電側到達対象地点に対応する給電側予想消費電力量算出装置の算出結果と新たな充電側到達対象地点に対応する充電側予想消費電力量算出装置の算出結果との総和を用いた配分算出可否判定装置の判定結果が肯定的となった場合に、これら新たな給電側到達対象地点および新たな充電側到達対象地点に対応する前記配分の算出を行うこと
を特徴とする請求項4に記載の電力配分提示システム。
【請求項6】
前記給電側予想消費電力量算出装置および前記充電側予想消費電力量算出装置は、前記充電側残電力量確認装置の確認結果が示す電力量によって前記充電側電気自動車が現在地から到達可能とみなされる前記給電のための前記給電側電気自動車との待ち合わせ可能地点が存在する場合に、前記給電側電気自動車および前記充電側電気自動車のそれぞれの前記予想消費電力量の算出を行うこと
を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電力配分提示システム。
【請求項7】
前記給電側予想消費電力量算出装置は、前記給電側電気自動車の前記予想消費電力量として、前記待ち合わせ可能地点に立ち寄った後に前記給電側到達対象地点に到達するのに要する予想消費電力量を算出し、
前記充電側予想消費電力量算出装置は、前記充電側電気自動車の前記予想消費電力量として、前記待ち合わせ可能地点に立ち寄った後に前記充電側到達対象地点に到達するのに要する予想消費電力量を算出すること
を特徴とする請求項6に記載の電力配分提示システム。
【請求項8】
前記給電側現在地取得装置、前記充電側現在地取得装置、前記給電側残電力量確認装置、前記充電側残電力量確認装置、前記給電側予想消費電力量算出装置、前記充電側予想消費電力量算出装置、前記電力配分算出装置および前記電力配分提示装置は、前記給電側電気自動車および前記充電側電気自動車との通信が可能なサーバに備えられており、
前記充電側電気自動車は、前記サーバに対して、前記充電側電気自動車の自車位置情報および残電力量情報を含む前記電力配分算出装置による前記配分の算出に必要とみなされる所定の情報を送信する充電側車両情報送信装置を有し、
前記サーバは、前記充電側車両情報送信装置による前記所定の情報の送信を契機として、前記給電側電気自動車に対して、給電を要する前記充電側電気自動車が存在する旨を通知する要給電車両存在通知装置を有し、
前記給電側電気自動車は、前記要給電車両存在通知装置による通知に応答して、前記サーバに対して、給電の申し出を、前記給電側電気自動車の自車位置情報および残電力量情報を含む前記電力配分算出装置による前記配分の算出に必要とみなされる所定の情報とともに送信する給電申し出送信装置を有し、
前記サーバは、前記給電申し出送信装置による前記給電の申し出の送信を契機として、前記給電側電気自動車および前記充電側電気自動車のそれぞれの前記予想消費電力量の算出を行うこと
を特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の電力配分提示システム。
【請求項9】
前記充電側車両情報送信装置は、前記所定の情報の送信を、給電を要求するためのユーザ操作を契機として給電の要求の送信とともに行うか、または、前記充電側電気自動車のバッテリの残電力量が所定値以下となったことを契機として行い、
前記給電申し出送信装置は、前記給電の申し出の送信を、給電を申し出るためのユーザ操作を契機として行うこと
を特徴とする請求項8に記載の電力配分提示システム。
【請求項10】
前記給電側現在地取得装置、前記充電側現在地取得装置、前記給電側残電力量確認装置、前記充電側残電力量確認装置、前記給電側予想消費電力量算出装置、前記充電側予想消費電力量算出装置、前記電力配分算出装置および前記電力配分提示装置は、前記充電側電気自動車との通信が可能な前記給電側電気自動車に備えられており、
前記充電側電気自動車は、前記給電側電気自動車に対して、給電の要求を、前記充電側電気自動車の自車位置情報および残電力量情報を含む前記電力配分算出装置による前記配分の算出に必要とみなされる所定の情報とともに送信する給電要求送信装置を有し、
前記給電側電気自動車は、前記給電要求送信装置による前記給電の要求の送信に応答して、前記充電側電気自動車に対して給電の申し出を送信する給電申し出送信装置を有し、前記給電の申し出の送信を契機として、前記給電側電気自動車および前記充電側電気自動車のそれぞれの前記予想消費電力量の算出を行うこと
を特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の電力配分提示システム。
【請求項11】
前記給電側電気自動車は、前記配分が提示された後に前記給電側電気自動車を前記充電側残電力量確認装置の確認結果が示す電力量によって前記充電側電気自動車が現在地から到達可能とみなされる前記給電のための前記給電側電気自動車との待ち合わせ可能地点に誘導する給電側誘導装置を有し、
前記充電側電気自動車は、前記配分が提示された後に前記充電側電気自動車を前記待ち合わせ可能地点に誘導する充電側誘導装置を有すること
を特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の電力配分提示システム。
【請求項12】
給電側電気自動車のバッテリから充電側電気自動車のバッテリに給電を行う場合における前記給電側電気自動車のバッテリに前記給電の後に蓄えられているべき電力量と前記充電側電気自動車のバッテリに前記給電の後に蓄えられているべき電力量との配分を提示する電力配分提示方法であって、
前記給電側電気自動車の現在地を取得する第1のステップと、
前記充電側電気自動車の現在地を取得する第2のステップと、
前記給電側電気自動車のバッテリの残電力量を確認する第3のステップと、
前記充電側電気自動車のバッテリの残電力量を確認する第4のステップと、
前記第1のステップにおいて取得された前記給電側電気自動車の現在地から前記給電側電気自動車が到達すべき給電側到達対象地点までの前記給電側電気自動車のバッテリの予想消費電力量を算出する第5のステップと、
前記第2のステップにおいて取得された前記充電側電気自動車の現在地から前記充電側電気自動車が到達すべき充電側到達対象地点までの前記充電側電気自動車のバッテリの予想消費電力量を算出する第6のステップと、
前記第3のステップにおける確認結果、前記第4のステップにおける確認結果、前記第5のステップにおける算出結果および前記第6のステップにおける算出結果に基づいて、前記給電側電気自動車が前記給電の後においても前記給電側到達対象地点に到達可能とみなされる電力量と、前記充電側電気自動車が前記給電によって前記充電側到達対象地点に到達可能になるとみなされる電力量との配分を算出する第7のステップと、
この第7のステップにおいて算出された前記配分を、前記給電側電気自動車のバッテリに前記給電の後に蓄えられているべき電力量と前記充電側電気自動車のバッテリに前記給電の後に蓄えられているべき電力量との配分として、前記給電側電気自動車および前記充電側電気自動車のそれぞれのユーザに提示する第8のステップと
を含むことを特徴とする電力配分提示方法。
【請求項13】
前記充電側電気自動車の現在地に最寄りの前記給電側電気自動車に対応する充電可能施設を、第1回目の前記第5のステップに用いる当初の前記給電側到達対象地点に設定する第9のステップと、
前記充電側電気自動車の現在地に最寄りの前記充電側電気自動車に対応する充電可能施設を、第1回目の前記第6のステップに用いる当初の前記充電側到達対象地点に設定する第10のステップと、
前記第9のステップにおいて設定された前記当初の給電側到達対象地点を用いた前記第1回目の第5のステップにおける算出結果と前記第10のステップにおいて設定された前記当初の充電側到達対象地点を用いた前記第1回目の第6のステップにおける算出結果との総和が前記第3のステップにおける確認結果と前記第4のステップにおける確認結果との総和に比べて小さいか否かに基づいて、第1回目の前記配分の算出の可否の判定を行う第11のステップと、
この第11のステップにおける判定結果が肯定的となった場合に、前記給電側電気自動車に設定されているナビゲーションの目的地を、第2回目の前記第5のステップに用いる新たな前記給電側到達対象地点に設定する第12のステップと、
この第12のステップにおいて設定された前記新たな給電側到達対象地点を用いた前記第2回目の第5のステップにおける算出結果と前記第1回目の第6のステップにおける算出結果との総和が前記第3のステップにおける確認結果と前記第4のステップにおける確認結果との総和に比べて小さいか否かに基づいて、第2回目の前記配分の算出の可否の判定を行う第13のステップと
を含み、
前記第7のステップは、前記第13のステップにおける判定結果が否定的となった場合に、前記当初の給電側到達対象地点および前記当初の充電側到達対象地点に対応する前記配分の算出を行うステップであること
を特徴とする請求項12に記載の電力配分提示方法。
【請求項14】
前記第11のステップにおける判定結果が否定的となった場合に、前記給電側電気自動車および前記充電側電気自動車のそれぞれのユーザに前記給電が不可能である旨を通知する第14のステップを含むこと
を特徴とする請求項13に記載の電力配分提示方法。
【請求項15】
前記第13のステップにおける判定結果が肯定的となった場合に、前記充電側電気自動車に設定されているナビゲーションの目的地を、第2回目の前記第6のステップに用いる新たな前記充電側到達対象地点に設定する第15のステップと、
前記第2回目の第5のステップにおける算出結果と前記第15のステップにおいて設定された前記新たな充電側到達対象地点を用いた前記第2回目の第6のステップにおける算出結果との総和が前記第3のステップにおける確認結果と前記第4のステップにおける確認結果との総和に比べて小さいか否かに基づいて、第3回目の前記配分の算出の可否の判定を行う第16のステップと
を含み、
前記第7のステップは、前記第16のステップにおける判定結果が否定的となった場合に、前記新たな給電側到達対象地点および前記当初の充電側到達対象地点に対応する前記配分の算出を行うステップであること
を特徴とする請求項13または請求項14に記載の電力配分提示方法。
【請求項16】
前記第7のステップは、前記第16のステップにおける判定結果が肯定的となった場合に、前記新たな給電側到達対象地点および前記新たな充電側到達対象地点に対応する前記配分の算出を行うステップであること
を特徴とする請求項15に記載の電力配分提示方法。
【請求項17】
前記第5のステップおよび前記第6のステップは、前記第4のステップにおける確認結果が示す電力量によって前記充電側電気自動車が現在地から到達可能とみなされる前記給電のための前記給電側電気自動車との待ち合わせ可能地点が存在する場合に行うこと
を特徴とする請求項12乃至請求項16のいずれか1項に記載の電力配分提示方法。
【請求項18】
前記第5のステップは、前記給電側電気自動車の前記予想消費電力量として、前記待ち合わせ可能地点に立ち寄った後に前記給電側到達対象地点に到達するのに要する予想消費電力量を算出するステップであり、
前記第6のステップは、前記充電側電気自動車の前記予想消費電力量として、前記待ち合わせ可能地点に立ち寄った後に前記充電側到達対象地点に到達するのに要する予想消費電力量を算出するステップであること
を特徴とする請求項17に記載の電力配分提示方法。
【請求項19】
前記第7のステップの後に、前記給電側電気自動車および前記充電側電気自動車を、前記第4のステップにおける確認結果が示す電力量によって前記充電側電気自動車が現在地から到達可能とみなされる前記給電のための前記給電側電気自動車との待ち合わせ可能地点に誘導する第17のステップを含むこと
を特徴とする請求項12乃至請求項18のいずれか1項に記載の電力配分提示方法。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−20346(P2013−20346A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151789(P2011−151789)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】