説明

電子エミッタ、その製造方法及びそれを利用した電界放出表示装置の画素管

【課題】本発明は、電子エミッタに関し、特に、カーボンナノチューブを利用した電子エミッタ、その製造方法及び該電子エミッタを利用した電界放出表示装置の画素管に関するものである。
【解決手段】本発明の電子エミッタは、チューブ状構造体を有する。チューブ状構造体を有する電子エミッタにおいて、前記電子エミッタは、中空の線状の軸心を有し、前記電子エミッタは、前記線状の軸心を囲む複数のカーボンナノチューブからなり、前記電子エミッタの一つの端部に、複数の電子放出の先端が形成されている。また、本発明は、前記電子エミッタの製造方法及び前記電子エミッタを利用した電界放出表示装置の画素管も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子エミッタに関し、特に、カーボンナノチューブを利用した電子エミッタ、その製造方法及び該電子エミッタを利用した電界放出表示装置の画素管に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube,CNT)は、新型のカーボン材料であり、日本の研究員の飯島澄男によって1991年に発見された(非特許文献1を参照)。カーボンナノチューブは良好な導電性能、良好な化学的安定性、大きなアスペクト比(長さと直径の比)を有し、その先端の面積が理論的に最良の寸法に達するので、先端の面積が小さいほど局部の電界が集中するという理論により、カーボンナノチューブは、現在最良の電子エミッタの一種である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Sumio Iijima、“Helical Microtubules of Graphitic Carbon”、Nature、1991年11月7日、第354巻、p.56‐58
【0004】
従来の電界放出表示装置用電子エミッタは、カーボンナノチューブワイヤーからなり、該カーボンナノチューブワイヤーは、第一端及び該第一端に対向する第二端を有する。前記電子エミッタの運転の際には、前記第一端は、導電基板に電気的に接続される。前記第二端は、電子放出の端部として、前記導電基板から延伸する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記電子エミッタは、機械的に長いカーボンナノチューブワイヤーを切断することによって得られるため、前記電子エミッタの、電子放出の端部は平らな断面であり、その電子放出能力が低いので、該電子エミッタを利用した電界放出表示装置では、電界放出性能が低下する。
【0006】
従って、前記の課題を解決するために、電子放出能力に優れた電子エミッタ、その製造方法及びそれを利用した電界放出表示装置の画素管を提供することが必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電子エミッタは、チューブ状構造体を有する。前記電子エミッタは、中空の線状の軸心を有し、前記電子エミッタは、前記線状の軸心を囲む複数のカーボンナノチューブからなり、前記電子エミッタの一つの端部に、複数の電子放出の先端が形成されている。
【0008】
本発明の電子エミッタの製造方法は、線状の支持体を提供する第一ステップと、少なくとも一つのカーボンナノチューブ構造体を提供する第二ステップと、前記線状の支持体を囲むように、前記線状の支持体に前記カーボンナノチューブ構造体を巻き付ける第三ステップと、前記線状の支持体を取り除いた後、前記カーボンナノチューブ構造体を含む中空の管状カーボンナノチューブ予備体を得る第四ステップと、前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体を熔断する第五ステップと、を含む。
【0009】
本発明の電子エミッタの製造方法は、導電性線状支持体を提供する第一ステップと、少なくとも一つのカーボンナノチューブ構造体を提供する第二ステップと、前記導電性線状支持体を囲むように、前記導電性線状支持体に前記カーボンナノチューブ構造体を巻き付けて、カーボンナノチューブ複合構造体を形成する第三ステップと、前記カーボンナノチューブ複合構造体を熔断する第四ステップと、を含む。
【0010】
本発明の電界放出表示装置の画素管は、密封容器と、少なくとも一つの陽極電極と、蛍光層と、陰極電極と、を含む。前記密封容器は、少なくとも一つの光透過部を有し、前記陽極電極は、前記密封容器の中に内蔵される。前記蛍光層は、前記密封容器の中に内蔵され、前記陽極電極の、前記光透過部に隣接する表面とは反対の表面に設置される。前記陰極電極は、前記密封容器の中に内蔵され、陰極支持部及び少なくとも一つの電子エミッタを備え、前記陽極電極と間隔を有して設置され、前記電子エミッタはチューブ状構造体であり、その一端が前記陰極支持部に電気的に接続され、その他端が前記陽極電極の方向へ延伸する。前記電子エミッタは、中空の線状の軸心を有し、前記電子エミッタは、前記線状の軸心を囲む複数のカーボンナノチューブからなり、前記電子エミッタの一つの端部に、複数の電子放出の先端が形成されている。
【発明の効果】
【0011】
従来の技術と比べると、本発明の電子エミッタ及びそれを利用した電界放出表示装置の画素管は、複数の電子放出先端を有するので、前記電子エミッタから、大きな放出電流を流すことができる。更に、前記複数の電子放出先端は、該電子エミッタにおける電界の遮蔽効果を低減することができる。さらに、電子エミッタ及びそれを利用した電界放出表示装置の画素管は、複数の電子放出先端を有するので、該電子エミッタから電子を容易に放出させることができ、前記電子エミッタの電界放出性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1に係る電子エミッタの構造を示す図である。
【図2】本発明の実施例1に係る電子エミッタのSEM写真である。
【図3】本発明の実施例1に係る電子エミッタの展開図である。
【図4】本発明の実施例1に係る電子エミッタの電子放出部のSEM写真である。
【図5】本発明の実施例1に係る電子エミッタの開口部のSEM写真である。
【図6】本発明の実施例1に係る電子エミッタの、複数の電子放出の先端のSEM写真である。
【図7】本発明の実施例1に係るカーボンナノチューブフィルムのSEM写真である。
【図8】本発明の実施例1に係るカーボンナノチューブワイヤのSEM写真である。
【図9】本発明の実施例1に係るねじれたカーボンナノチューブワイヤのSEM写真である。
【図10】本発明の実施例1に係る複数のカーボンナノチューブフィルム又は/及びカーボンナノチューブワイヤからなる織物の模式図である。
【図11】本発明の実施例1に係るカーボンナノチューブ予備体のSEM写真である。
【図12】本発明の実施例2に係る電子エミッタの剖視圖である。
【図13】本発明の実施例3に係る電界放出表示装置の画素管の構造を示す図である。
【図14】本発明の実施例3に係る、グリッドを有する電界放出表示装置の画素管の構造を示す図である。
【図15】本発明の実施例4に係る電界放出表示装置の画素管の構造を示す図である。
【図16】本発明の実施例4に係る電界放出表示装置の画素管における電子エミッタ及び陽極の位置関係図である。
【図17】本発明の実施例4に係る電界放出表示装置の画素管における電子エミッタ及び陽極の位置関係図である。
【図18】本発明の実施例4に係る電界放出表示装置の画素管における電子エミッタ及び陽極の位置関係図である。
【図19】本発明の実施例4に係る電界放出表示装置の画素管における電子エミッタ及び陽極の位置関係図である。
【図20】本発明の実施例に係る5電界放出表示装置の画素管の構造を示す図である。
【図21】本発明の実施例6に係る電界放出表示装置の画素管の構造を示す図である。
【図22】本発明の実施例6に係る電界放出表示装置の画素管の俯瞰図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
【0014】
(実施例1)
図1〜図4を参照すると、本実施例の電子エミッタ100は、チューブ状構造体である。該チューブ状構造体は、その長手方向に沿って、中空の線状の軸心(図示せず)を有する。さらに、前記チューブ状構造体には、前記線状の軸心を囲むように複数のカーボンナノチューブが設置されている。前記チューブ状構造体において、前記複数のカーボンナノチューブの大部分は、分子間力で端と端が接続され、前記チューブ状構造体の線状の軸心を軸として、螺旋状に配列され、前記線状の軸心の長手方向に沿って延伸している。前記チューブ状構造体における一部のカーボンナノチューブが、螺旋状に配列していなくても、前記螺旋状に延伸した複数のカーボンナノチューブの配列方向及び延伸方向に大きな影響はない。前記線状の軸心の長手方向は、前記大部分の複数のカーボンナノチューブの延伸方向と定義される。前記チューブ状構造体の、線状の軸心を軸として、前記複数のカーボンナノチューブの大部分は、螺旋状に延伸されている方向が螺旋方向と定義される。前記延伸方向と螺旋方向とは、角度α(0°<α≦90°)を成し、本実施例において、前記角度αは、30°以上60°以下である。
【0015】
前記チューブ状構造体は、第一端部102と、該第一端部102に対向して設置される第二端部104と、本体109と、を含む。前記チューブ状構造体は、前記第一端部102から、前記本体109を介して前記第二端部104まで延伸している。前記第一端部102から前記第二端部104までの方向に沿って、前記チューブ状構造体の直径は徐々に減少している。前記第二端部104は、電界放出部として、開口部110と、中空頚部108と、を含む。前記中空頚部108は、円錐体であり、前記本体109に接続している。前記複数のカーボンナノチューブの先端106は、前記中空頚部108の末端から延伸して、前記開口部110を取り囲み、相互に間隔を空けて放射状に設置される。前記電子エミッタ100に電圧を印加する場合、前記中空頚部108によって、電界が集中され、該電子エミッタ100から電子が容易に放出される。
【0016】
図5を参照すると、前記複数のカーボンナノチューブの先端106は、前記第一端部102から離れる方向に沿って延伸する。前記カーボンナノチューブの先端106は、前記開口部110から離れる方向に向かって、前記線状の軸心を取り囲むようにして放射状に延伸する。隣接する二つの前記カーボンナノチューブの先端106の距離は、前記開口部110から離れるにつれて、徐々に増加する。これにより、前記カーボンナノチューブの先端106の間で、電界の遮蔽効果を低減することができる。前記開口部110の内径は、4μm〜6μmである。本実施例において、前記開口部110は、円形であり、その内径が5μmである。
【0017】
図6を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブの先端106は、複数のカーボンナノチューブからなる。前記複数のカーボンナノチューブが分子間力で相互に平行に配列されている。単一の前記カーボンナノチューブの先端106において、一本のカーボンナノチューブは、他の複数のカーボンナノチューブの中から突出している。前記突出したカーボンナノチューブの直径は5nmより小さい。本実施例において、前記突出したカーボンナノチューブの直径は4nmである。隣接する二つの前記カーボンナノチューブの先端106において、二つの前記突出したカーボンナノチューブの距離は0.1μm〜2μmであり、該距離と該突出したカーボンナノチューブの直径の比は20:1〜500:1である。前記距離と前記直径の比が非常に大きい場合、隣接する前記カーボンナノチューブの先端106の、電界の遮蔽効果を低下させることができる。
【0018】
前記チューブ状構造体の本体109の内径及び外径は、実際の適用例に応じて選択することができる。前記チューブ状構造体の本体109の内径は10μm〜30μmであり、その外径は15μm〜60μmであることが好ましい。本実施例において、その内径は18μmであり、その外径は50μmである。電界の作用により、前記電子エミッタ100は電子を放出することができるので、該電子エミッタ100は、電界放出表示装置、走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)に利用することができる。
【0019】
前記電子エミッタ100の製造方法は、線状の支持体を提供するステップS10と、少なくとも一つのカーボンナノチューブ構造体を提供するステップS20と、前記線状の支持体を囲むように、前記線状の支持体に前記カーボンナノチューブ構造体を巻き付けるステップS30と、前記線状の支持体を取り除いた後、前記カーボンナノチューブ構造体を含む中空の管状カーボンナノチューブ予備体を得るステップS40と、前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体を熔断するステップS50と、を含む。
【0020】
前記ステップS10において、前記線状の支持体は、一定の強度及び靭性を有し、前記カーボンナノチューブ構造体を支持することができる。該線状の支持体は、その中心軸を軸として回転し、その中心軸の長手方向に沿って直線移動することができる。前記線状の支持体は、化学的方法又は物理的方法で取り除かれる。前記線状の材料は、純金属、合金、またはプラスチックであることができる。前記純金属は、金、銀、銅、又はアルミニウムであり、前記合金は、銅−スズ合金であることができる。更に、前記線状の支持体が銅−スズ合金である場合、97wt%の銅及び3wt%のスズを含むことが好ましい。前記線状の支持体の直径は、実際の適用例に応じて選択することができる。本実施例において、前記線状の支持体は金線であり、その直径は18μmである。
【0021】
前記ステップS20において、前記カーボンナノチューブ構造体は、複数のカーボンナノチューブからなり、自立構造を有するものである。ここで、自立構造とは、支持体材を利用せず、前記カーボンナノチューブ構造体を独立して利用することができる形態のことである。即ち、前記カーボンナノチューブ構造体を対向する両側から支持して、前記カーボンナノチューブ構造体の構造を変化させずに、前記カーボンナノチューブ構造体を懸架させることができることを意味する。
【0022】
前記カーボンナノチューブ構造体には、前記複数のカーボンナノチューブが配向し又は配向せずに配置されている。前記複数のカーボンナノチューブの配列方式により、前記カーボンナノチューブ構造体は非配向型のカーボンナノチューブ構造体及び配向型のカーボンナノチューブ構造体の二種に分類される。本実施例における非配向型のカーボンナノチューブ構造体では、カーボンナノチューブが異なる方向に沿って配置され、又は絡み合っている。配向型のカーボンナノチューブ構造体では、前記複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って配列している。
【0023】
前記カーボンナノチューブ構造体は、少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルム又は少なくとも一本のカーボンナノチューブワイヤからなる。前記カーボンナノチューブフィルムは、ドローン構造カーボンナノチューブフィルム、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルム及び綿毛構造カーボンナノチューブフィルムのいずれか一種である。前記カーボンナノチューブフィルムがドローン構造カーボンナノチューブフィルムである場合、その製造方法は、超配列カーボンナノチューブアレイ(非特許文献1を参照)を提供するステップS210と、前記カーボンナノチューブアレイから、少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムまたは一つのカーボンナノチューブワイヤを引き伸ばすステップS220と、を含む。
【0024】
前記ステップS210において、前記超配列カーボンナノチューブアレイの製造方法は、化学気相堆積法、アーク放電法及びレーザーアブレーション法を採用することができる。該カーボンナノチューブアレイは、互いに平行で、基材に垂直に成長する複数のカーボンナノチューブからなる。前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブであることができる。本実施例において、前記複数のカーボンナノチューブは、多層カーボンナノチューブである。
【0025】
前記ステップS220において、前記カーボンナノチューブ構造体を引き伸ばす工程は、次のサブステップを含む。前記超配列カーボンナノチューブアレイにおける複数のカーボンナノチューブを選択するサブステップS222と、所定の速度で前記複数のカーボンナノチューブを引き出し、複数のカーボンナノチューブセグメントからなる連続のカーボンナノチューブフィルムを形成するサブステップS224と、を含む。
【0026】
前記サブステップS222において、セロテープ(登録商標)、プライヤー、ピンセットなどの工具を利用して、前記超配列カーボンナノチューブアレイから複数のカーボンナノチューブを選択する。前記カーボンナノチューブセグメントは複数の相互に平行に配列されているカーボンナノチューブを含む。前記サブテップS224において、前記超配列カーボンナノチューブアレイにおけるカーボンナノチューブが成長する方向に垂直な方向に沿って、前記カーボンナノチューブを引き出すことが好ましい。
【0027】
具体的に、前記複数のカーボンナノチューブを引き出す工程において、複数のカーボンナノチューブセグメントがそれぞれ基材から脱離すると、前記複数のカーボンナノチューブセグメントが分子間力で端と端で接合され、連続のカーボンナノチューブフィルムが形成される。図7を参照すると、前記カーボンナノチューブセグメントにおけるカーボンナノチューブは、相互に平行に、同じ方向に沿って配列されている。前記カーボンナノチューブセグメントにおいて、少なくとも一本のカーボンナノチューブの長さは、前記カーボンナノチューブセグメントの全長と同じである。従って、前記カーボンナノチューブセグメントの一次元の寸法は、前記カーボンナノチューブの長さによって制限されている。前記カーボンナノチューブ構造体は、積層された複数の前記カーボンナノチューブセグメントを含むことができる。この場合、隣接する前記カーボンナノチューブセグメントは、分子間力で結合されている。前記カーボンナノチューブセグメントの厚さは、0.5nm〜100μmである。
【0028】
引き出そうとするカーボンナノチューブの数が少ない場合、前記カーボンナノチューブを引き出すと、線状のカーボンナノチューブ構造体、即ち、カーボンナノチューブワイヤが形成される。図8を参照すると、前記カーボンナノチューブワイヤは、分子間力で接続された複数のカーボンナノチューブからなる。この場合、一本のカーボンナノチューブワイヤ(非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ)は、端と端とが接続された複数のカーボンナノチューブセグメント(図示せず)を含む。前記カーボンナノチューブセグメントは、同じ長さ及び幅を有する。さらに、各々の前記カーボンナノチューブセグメントに、同じ長さの複数のカーボンナノチューブが平行に配列されている。前記複数のカーボンナノチューブはカーボンナノチューブワイヤの中心軸に平行に配列されている。この場合、一本の前記カーボンナノチューブワイヤの直径は、1μm〜1cmである。図9を参照すると、前記カーボンナノチューブワイヤをねじることにより、ねじれ状カーボンナノチューブワイヤを形成することができる。ここで、前記複数のカーボンナノチューブは前記カーボンナノチューブワイヤの中心軸を軸に、螺旋状に配列されている。この場合、一本の前記カーボンナノチューブワイヤの直径は、1μm〜1cmである。前記カーボンナノチューブ構造体は、前記非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ、ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ又はそれらの組み合わせのいずれか一種からなる。
【0029】
前記カーボンナノチューブワイヤを形成する方法は、カーボンナノチューブアレイから引き出してなるカーボンナノチューブフィルムを利用する。前記カーボンナノチューブワイヤを形成する方法には、次の三種類がある。最初の方法では、前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの長手方向に沿って、前記カーボンナノチューブフィルムを所定の幅で切断し、カーボンナノチューブワイヤを形成する。第二の方法では、前記カーボンナノチューブフィルムを有機溶剤に浸漬させて、前記カーボンナノチューブフィルムを収縮させてカーボンナノチューブワイヤを形成することができる。第三の方法では、前記カーボンナノチューブフィルムを機械加工(例えば、紡糸工程)してねじれたカーボンナノチューブワイヤを形成する。詳しく説明すれば、まず、前記カーボンナノチューブフィルムを紡糸装置に固定させる。次に、前記紡糸装置を動作させて前記カーボンナノチューブフィルムを回転させ、ねじれたカーボンナノチューブワイヤを形成する。
【0030】
前記カーボンナノチューブ構造体が複数のカーボンナノチューブワイヤを含む場合、前記複数のカーボンナノチューブワイヤは平行に配列され、又は交差するように織られ、又はねじれていても良い。図10には、複数のカーボンナノチューブワイヤ146からなる織物が示されている。
【0031】
前記ステップS30において、前記線状の支持体に、前記カーボンナノチューブ構造体を巻き付ける工程は、前記カーボンナノチューブ構造体の一端を前記線状の支持部に固定するサブステップS310と、前記線状の支持体を、その中心軸を軸として回転し、その中心軸の長手方向に沿って直線移動させ、前記カーボンナノチューブ構造体を前記線状の支持部に巻き付けるサブステップS320と、含む。
【0032】
ここで、前記導電性線状支持体の長手方向は、前記大部分の複数のカーボンナノチューブの延伸方向と定義される。前記導電性線状支持体を軸として、前記大部分のカーボンナノチューブの巻き方向が螺旋方向と定義される。前記螺旋方向と前記延伸方向とは、角度β(0°<β≦90°)を形成する。前記カーボンナノチューブ構造体を前記線状の支持体の中心軸に巻き付けることにより、カーボンナノチューブ層状構造体を形成する。前記カーボンナノチューブ構造体の厚さが一定である場合、前記角度βが大きくなるほど、前記カーボンナノチューブ層状構造体が厚くなる。本実施例において、前記カーボンナノチューブ層状構造体の厚さは6μmである。
【0033】
前記サブステップS40において、化学的方法又は物理的方法によって、前記線状の支持体を取り除くことができる。前記線状の支持体が、アルミニウムや鉄などの活性金属の合金からなる場合、酸性溶液で処理することにより、前記線状の支持体を取り除くことができる。前記線状の支持体が、金や銀などの不活性金属の合金からなる場合、加熱蒸発法で前記線状の支持体を取り除くことができる。前記線状の支持体が、ポリマーからなる場合、外力で前記線状の支持体の中心軸に沿って、該線状の支持体を前記カーボンナノチューブ層状構造体から抜き取ることができる。前記チューブ状構造体の内径は、前記線状の支持体の外径に関する。本実施例において、前記線状の支持体は金線であり、該金線を取り除く方法は、前記金線の両端を別々に二つの電極に電気的に接続する第一ステップと、真空環境下で前記二つの電極によって、前記金線に電流を流して、該金線を加熱蒸発させる第二ステップと、を含む。
【0034】
図11を参照すると、サブステップS40で得られた中空の管状カーボンナノチューブ予備体は、接続された複数のカーボンナノチューブからなる。前記チューブ状構造体において、前記複数のカーボンナノチューブの大部分は、分子間力で端と端が接続され、前記チューブ状構造体の線状の軸心を軸として、螺旋状に配列され、前記線状の軸心の長手方向に沿って延伸している。前記チューブ状構造体における一部のカーボンナノチューブが、螺旋状に配列していなくても、前記螺旋状に延伸した複数のカーボンナノチューブの配列方向及び延伸方向に大きな影響はない。前記線状の軸心の長手方向は、前記大部分の複数のカーボンナノチューブの延伸方向と定義される。前記チューブ状構造体の、線状の軸心を軸として、前記複数のカーボンナノチューブの大部分が螺旋状に延伸されている方向が螺旋方向と定義される。前記延伸方向と螺旋方向とは、角度α(0°<α≦90°)を成し、本実施例において、前記角度αは、30°以上60°以下である。
【0035】
前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体に電流を流して熔断する方法は、真空又は不活性ガスの雰囲気で行われる。前記ステップS50は、前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体を真空室又は不活性ガスを充填した反応室に置くサブステップS512と、前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体の長手方向に沿って対向する両端に電圧を印加して、電流により前記管状カーボンナノチューブ予備体を所定の場所で熔断させるサブステップS514と、を含む。
【0036】
前記サブステップS512において、陰極電極及び陽極電極は前記真空室内に設置される。前記陰極電極及び陽極電極は、それぞれ前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体の、長手方向に沿って対向する両端と電気的に接続される。前記真空室内の真空度は、2×10−5Pa以下である。本実施例において、前記真空室内の真空度は2×10−5Paである。前記反応室の構造は前記真空室と同じであり、該反応室内の不活性ガスは、ヘリウム又はアルゴンである。
【0037】
前記サブステップS514において、前記管状カーボンナノチューブ予備体に印加する電圧は、前記管状カーボンナノチューブ予備体の内径、外径及び長さに関係する。本実施例において、前記管状カーボンナノチューブ予備体の内径は25μmであり、その外径は40μmであり、その長さは2cmであり、その直流電圧40ボルトである。これにより、前記管状カーボンナノチューブ予備体は、直流電流で加熱される。前記管状カーボンナノチューブ予備体の加熱温度は、2000K〜2400Kである。前記管状カーボンナノチューブ予備体の長手方向に沿って、前記管状カーボンナノチューブ予備体の場所毎に電気抵抗が異なるので、前記管状カーボンナノチューブ予備体の異なる場所では、温度が異なる。即ち、前記管状カーボンナノチューブ予備体において、電気抵抗が大きい場所において、温度が高くなる。従って、前記管状カーボンナノチューブ予備体の所定で、前記管状カーボンナノチューブ予備体を熔断することができる。本実施例では、前記管状カーボンナノチューブ予備体を1時間以内に加熱した後、該管状カーボンナノチューブ予備体を所定の場所で熔断して、二つのチューブ状構造体を形成する。
【0038】
前記管状カーボンナノチューブ予備体が熔断された後、前記管状カーボンナノチューブ予備体の炭素原子は、熔断された場所から蒸発する。前記熔断された場所に近いほど、炭素原子が簡単に蒸発する。これにより、前記チューブ状構造体の熔断された端部に、中空の頚部が形成される。前記熔断工程を行う時、隣接する二つの熔断された端部の間に、微小な間隙が形成されるので、該二つの熔断された端部の間にアーク放電を発生させ、前記蒸発した炭素原子を電離させ、炭素イオンを形成する。前記炭素イオンは、前記熔断された端部と衝突し、または前記熔断された端部をエッチングするので、前記熔断された端部に複数のカーボンナノチューブの先端106が形成される。
【0039】
前記ステップS50において、前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体を、電子衝突法によって熔断させる方法は、前記の管状カーボンナノチューブ予備体を真空室に置くサブステップS522と、前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体の長手方向に沿って対向する両端に電圧を印加して、該中空の管状カーボンナノチューブ予備体を1800K〜2500Kに加熱するサブステップS524と、電子ビームを前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体の所定の場所に衝突させて、該カーボンナノチューブ予備体を熔断させるサブステップS526と、を含む。
【0040】
前記サブステップS522において、前記真空室内の真空度は、1×10−4Pa以下である。本実施例において、その真空度は2×10−5Paである。
【0041】
サブステップS526において、前記電子ビームは、熱陰極などの電子放出源によって放出される。該電子放出源を利用して電子ビームを放出して、前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体に衝突させる。前記電子放出源は、前記真空室内に設置される。前記電子放出源と前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体との距離は、50μm〜2mmである。前記電子放出源により、前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体の所定の場所に電子ビームを放出する場合、該所定の場所の温度を、前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体における他の場所の温度に比べて、最も高くする。これにより、前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体は、前記所定の場所で熔断され、二つの前記電子エミッタ100が形成される。
【0042】
前記ステップS50において、前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体が、レーザービーム照射方法で熔断される方法は、レーザービームで前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体の所定の場所を照射するサブステップS532と、前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体の長手方向に沿って対向する両端に電圧を印加して、前記管状カーボンナノチューブ予備体を前記所定の場所で熔断させるサブステップS534と、を含む。
【0043】
前記サブステップS532において、前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体は、空気中又は酸化性ガス雰囲気中に設置される。前記レーザービームは、COレーザー、半導体レーザー及びUVレーザーなどのレーザーである。前記レーザービームのパワーは1ワット〜60ワットであり、その走査速度は100mm/s〜2000mm/sである。本実施例では、前記レーザービームのパワーは112ワットであり、その走査速度は1000mm/sである。前記レーザービームのパワーが大きいほど、前記レーザービームで前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体を照射する時間が短くなる。
【0044】
前記サブステップS534において、前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体は、真空室又は不活性ガスを充填した反応室に設置される。前記レーザービームから放出した熱で前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体における所定の場所が酸化される。これにより、前記所定の場所の電気抵抗が増加する。前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体において、電気抵抗が大きい場所では、温度が高くなる。従って、前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体の所定の場所で、前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体
を熔断することができる。
【0045】
前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体が、真空室又は不活性ガスを充填した反応室に設置される場合、前記サブステップS532及び前記サブステップS534は、同時に行われる。
【0046】
前記電子エミッタ100の製造方法には、次の優れた点がある。第一に、前記電子エミッタ100の製造方法は、簡単であり、該前記電子エミッタ100の製造効率を高めることができる。第二に、前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体を熔断することにより、前記チューブ状構造体の一端に複数の電子放出の先端が形成され、前記電子エミッタ100の電子放出性能を高めることができる。
【0047】
更に、前記電子エミッタ100から電子を容易に放出させるために、前記電子エミッタ100において、複数のカーボンナノチューブの電子放出の先端に、低仕事関数の材料を堆積させる。前記低仕事関数の材料は、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム、六ほう化トリウム及びホウ化イットリウム又はそれらの混合物のいずれか一種である。
【0048】
(実施例2)
図12を参照すると、本実施例における電子エミッタ200の構造は実施例1の電子エミッタ100の構造と比べて、次の異なる点がある。本実施例の電子エミッタ200は、導電性線状支持体220を含む。即ち、前記電子エミッタ200は、チューブ状構造体210及び前記導電性線状支持体220を含む。前記チューブ状構造体210の材料及び構造は、前記実施例1のチューブ状構造体と同じである。前記チューブ状構造体210は複数のカーボンナノチューブからなり、前記導電性線状支持体220を囲むように設置されている。前記チューブ状構造体210において、前記複数のカーボンナノチューブの大部分は、分子間力で端と端が接続され、前記導電性線状支持体220を軸として、螺旋状に配列され、前記線状の中心軸の長手方向に沿って延伸している。前記チューブ状構造体210における一部のカーボンナノチューブは、螺旋状に配列されていなくても、前記螺旋状に延伸した複数のカーボンナノチューブの配列方向及び延伸方向に大きな影響はない。ここで、前記導電性線状支持体220の長手方向は、前記大部分の複数のカーボンナノチューブの延伸方向と定義される。前記導電性線状支持体220を軸として、前記大部分のカーボンナノチューブの巻き方向が螺旋方向と定義される。前記延伸方向と螺旋方向とは、角度α(0°<α≦90°)を成し、本実施例において、前記角度αは、30°〜60°である。前記導電性線状支持体220は、前記チューブ状構造体210より短くても、前記チューブ状構造体210の前記第二端部202から、該チューブ状構造体210の外部へ延伸していても良い。
【0049】
前記導電性線状支持体220は、前記チューブ状構造体210を支持できるので、該チューブ状構造体210は変形しない。且つ前記導電性線状支持体220により、前記電子エミッタ200の導電性を高めることができるので、該電子エミッタ200から電子を容易に放出させることができる。前記導電性線状支持体220は、一定の強度及び靭性を有する。該電性線状支持体220は、純金属、合金、導電性を有する非金属及び金属酸化物からなる線状構造体であり(例えば、前記電性線状支持体220は、金、銀、銅及びアルミニウム、銅−スズ合金及び炭繊維からなる。)、または、前記導電性線状支持体220は、導電層で被覆された複合の線状構造体である(例えば、銅−スズ合金の表面にアルミニウム膜を被覆することにより、または、柔靭性を有する繊維線の表面に金膜を被覆することにより、該電性線状支持体220を形成する。)。前記線状の支持体の直径は、10μm〜30μmであることが好ましい。本実施例において、前記導電性線状支持体220は、金線であり、その直径は18μmである。
【0050】
前記電子エミッタ200の製造方法は、導電性線状支持体を提供するステップS100と、少なくとも一つのカーボンナノチューブ構造体を提供するステップS200と、前記導電性線状支持体を囲むように、前記導電性線状支持体に前記カーボンナノチューブ構造体を巻き付けて、カーボンナノチューブ複合構造体を形成するステップS300と、前記カーボンナノチューブ複合構造体を熔断するステップS400と、を含む。
【0051】
前記電子エミッタ200の製造方法は前記電子エミッタ100の製造方法と比べて、次の異なる点がある。前記電子エミッタ200において、前記導電性線状支持体220を含む。更に、前記ステップS400の前に、前記導電性線状支持体220は取り除かれない。
【0052】
前記チューブ状構造体210と前記導電性線状支持体220との溶融点は異なる。前記S400において、前記チューブ状構造体210の溶融点が、前記導電性線状支持体220の溶融点よりも低い場合、該チューブ状構造体210は、前記導電性線状支持体220より速く熔断する。このため、前記チューブ状構造体210及び前記導電性線状支持体220を加熱させた場合、前記チューブ状構造体210はその一つの部位から熔断した後、前記導電性線状支持体220の、前記チューブ状構造体210の熔断部位に対応する部位の電気抵抗が増大して、その温度が高くなるので、前記導電性線状支持体220は、前記チューブ状構造体210の熔断部位に対応する部位から熔断される。これとは逆に、前記チューブ状構造体210の溶融点が、前記導電性線状支持体220の溶融点よりも高い場合、前記導電性線状支持体220は、チューブ状構造体210より速く熔断する。従って、前記チューブ状構造体210及び前記導電性線状支持体220を加熱させた場合、前記導電性線状支持体220がその一つの部位から熔断した後、前記チューブ状構造体210の、前記導電性線状支持体220の熔断部位に対応する部位の電気抵抗が増大して、その温度が高くなるので、前記チューブ状構造体210は、前記導電性線状支持体220の熔断部位に対応する部位から熔断される。
【0053】
前記電子エミッタ200の製造方法には、次の優れた点がある。第一に、前記電子エミッタ200の製造方法は簡単であり、該前記電子エミッタ200の生産効率を高めることができる。第二に、前記カーボンナノチューブ複合体の線状構造体を熔断することにより、電子エミッタ200の一端に複数の電子放出の先端を形成でき、前記電子エミッタ200の電子放出性能を高めることができる。第三に、前記導電性線状支持体220は、前記カーボンナノチューブ複合構造体の中に設置されるので、該チューブ状構造体210は、簡単に変形することができなくなる。第四に、前記導電性線状支持体220は、前記電子エミッタ200の導電性を高めることができるので、該電子エミッタ200から簡単に電子を放出させることができる。
【0054】
(実施例3)
図13を参照すると、前記電子エミッタを利用した、電界放出表示装置の画素管300は、光透過部324を有する密封容器302と、該密封容器302の中に内蔵された、一つの電界放出構成単位(図示せず)と、を含む。該電界放出構成単位は、陽極電極312と、蛍光層310と、陰極電極304と、アノードリード314、カソードリード316と、を含む。前記陽極電極312は、前記光透過部324に隣接して設置される。前記陽極電極312の一方の端部は、前記アノードリード314の一方の端部に接続する。前記アノードリード314の他方の端部は、前記密封容器302の外部へ延伸して、電源装置(図示せず)などに接続されるように設置されている。前記蛍光層310は、前記陽極電極312の、前記光透過部324に隣接する表面とは反対の表面に設置される。前記陰極電極304は、陰極支持部306及び電子エミッタ308を有する。前記電子エミッタ308は前記陽極電極312に対向して設置されている。前記陰極支持部306の一方の端部は、前記電子エミッタ308に電気的に接続され、その他方の端部は前記カソードリード316に接続される。前記カソードリード316は、前記密封容器302の外部へ延伸して、電源装置(図示せず)などに接続されるように設置されている。
【0055】
前記密封容器302は中空のチャンバーであり、その内部は真空化されている。前記密封容器302は光透過性の材料、さらには、透明な材料からなることが好ましい。本実施例において、前記密封容器302は非金属、例えば、石英又はガラスからなる。前記密封容器302の断面は、例えば、円形、四角形、多角形などのいずれか一種で形成可能である。本実施例において、前記密封容器302は円柱体に形成されている。前記光透過部324は、平板面、円面、半円面などのいずれか一種であっても良い。
【0056】
前記密封容器302内部の真空雰囲気を保持するために、前記密封容器302の中にゲッタ318を設置することができる。さらに、前記ゲッタ318を、前記密封容器302の内壁に付けて設置することができる。前記ゲッタ318は、蒸発性ゲッタ又は非蒸発性ゲッタである。
【0057】
前記陽極電極312は、前記光透過部324に隣接して設置される。前記陽極電極312は透明な導電薄膜(例えば、ITO)、又は電子透過薄膜(例えば、アルミニウム膜)であり、良好な透光性及び電気伝導性を有する。前記蛍光層310は、前記陽極電極312の、前記光透過部324に隣接する表面とは反対の表面に設置される。前記蛍光層310は、電子が衝突すると、白色光又は着色光を放出できる蛍光材料を含む。
【0058】
前記陰極電極304は、陰極支持部306及び電子エミッタ308を含む。前記電子エミッタ308は前記光透過部324に対して垂直になるように設けることが好ましい。前記電子エミッタ308の一方の端部は、前記陰極支持部306に電気的に接続される。その他方の端部は、前記光透過部324の方向へ延伸しており、該端部の末端により、複数の電子放出の先端322が形成される。前記電子エミッタ308の一方の端部は、導電性接着剤によって、前記陰極支持部306の一方の端部326に固定される。前記陰極支持部306の他方の端部328は、カソードリード316に接続される。前記カソードリード316は、前記密封容器302の外部へ延伸している。前記陰極支持部306は導電材料からなり、本実施例において、該陰極電極304は、銅線である。
【0059】
図14を参照すると、前記電界放出表示装置の画素管300は、更に、グリッド313を含む。前記グリッド313は、中空の円筒状の構造体である。該グリッド313は、一つの頂面と、該頂面の周辺と接続する環状の側壁と、を含む。前記電子エミッタ308は、前記グリッド313に取り囲まれるように設置される。前記頂面には、前記電子エミッタ308の先端322に対向して電子出射口315が形成されている。前記グリッド313の断面の形状は、例えば、円形、楕円形、三角形、四角形、多角形などのいずれか一種である。前記グリッド313は、前記電子エミッタ308を囲むように設置され、即ち、前記電子エミッタ308は、前記グリッド313の中に、前記電子エミッタ308の先端322が、前記電子出射口315に対向するようにして設置される。本実施例において、前記グリッド313は、導電材料からなる中空の円柱体であり、前記陽極電極312及び前記陰極電極304のそれぞれから、所定の距離だけ離して設置される。前記グリッド313は、グリッド電極317によって、前記密封容器302の外部へ延伸する。前記画素管300に電圧を印加した際、前記グリッド313及び前記電子エミッタ308の間に電場が生じる。前記電子エミッタ308における前記チューブ状構造体は、前記グリッド313及び前記電子エミッタ308の間に生じた電場によって、電子を放出する。前記放出された電子は、前記電子出射口315を介して、前記グリッド313の外部に出射される。前記グリッド313の外部に出射された電子は、前記陽極電極312の高電圧により、該陽極電極320に向かって飛び、前記蛍光層310と衝突する。前記電子エミッタ308は、前記グリッド313の中に設置されており、前記陽極電極312に印加された高電圧を遮蔽することができるので、該電子エミッタ308の使用寿命を長くすることができる。前記グリッド電極317の電圧を調節することにより、前記電子エミッタ308の電流を制御することができる。これにより、前記画素管300の蛍光スクリーンの光度を調節することができる。
【0060】
前記画素管300を作動させる際には、それぞれ前記陽極電極312及び前記陰極電極304に異なる電圧を印加する。これにより、前記陽極電極312及び前記陰極電極304の間に電場が生じる。該電場によって、前記電子エミッタ308の、前記複数の電子放出の先端322から電子が放出されると、該電子は、前記蛍光層310と衝突し、可視光が発光する。該可視光は、前記陽極電極312を透過して前記画素管300の前記光透過部324を介して、出射する。前記画素管300を複数配列させた場合、そのような構成は、照明に利用したり、または情報の表示に利用したりすることができる。
【0061】
(実施例4)
図15を参照すると、前記電子エミッタを利用した、電界放出表示装置の画素管400は、光透過部424を有する密封容器402と、該密封容器402の中に内蔵され、電界放出構成単位403と、を含む。前記電界放出構成単位403は、陽極電極412と、蛍光層410と、陰極電極404と、アノードリード414と、カソードリード416と、を含む。前記陽極電極412は、前記陰極404と間隔を空けて設置される。蛍光層410は、前記光透過部424に対向する前記陽極電極412の一方の端部420に設置され、その他方の端部には、前記アノードリード414が接続される。前記陰極電極404は、電子エミッタ408及び該電子エミッタ408に接続する前記陰極支持部406を含む。前記電子エミッタ408の一方の端部は前記陰極支持部404に接続され、その他方の端部は、前記陽極電極412に向かって延伸する。前記陰極支持部406は、一方の端部が前記電子エミッタ408の一方の端部と接続され、その他方の端部は、前記カソードリード416と接続される。前記ソードリード416は、前記密封容器402の外部へ延伸して、電源装置(図示せず)などに接続されるように設置されている。
【0062】
前記光透過部424を有する前記密封容器402は中空のチャンバーであり、内部が真空雰囲気に設定されている。前記密封容器402は光透過性の材料、さらには、透明な材料からなることが好ましい。前記密封容器402は非金属、例えば、石英又はガラスからなる。前記密封容器402の断面は、例えば、円形、四角形、多角形などのいずれか一種に形成可能である。本実施例において、前記密封容器402は、中空のガラスからなる円柱体に形成され、その直径が1mm〜2mmであり、その高さが2mm〜5mmである。
前記光透過部424は、平板面、円面、半円面などのいずれか一種である。
【0063】
前記密封容器402内部の真空雰囲気を保持するために、前記密封容器402の中にゲッタ418を設置することができる。さらに、前記ゲッタ418を、前記密封容器402の内壁に付けて設置することができる。前記ゲッタ418は、蒸発性ゲッタ又は非蒸発性ゲッタである。前記ゲッタ418の材料は、例えば、チタン、ジルコニウム、トリウム、希土類元素及び合金などのいずれか一種である。
【0064】
前記陽極電極412は、前記光透過部424から離れた位置に設置され、即ち、前記陽極電極412は、前記光透過部424に隣接しない。前記陽極電極412は導電体(例えば、金属棒材)であり、その形状に制限はなく、熱伝導性及び一定の強度を有する。本実施例において、前記陽極電極412は、直径が100μm〜1cmの銅棒である。前記光透過部424に対向する前記陽極電極412の一方の端部420には、前記蛍光層410が設置され、その他方の端部には、アノードリード414が接続される。前記端部420の表面は、平面、半球面、球面、錐面、凹面などのいずれか一種であり、前記蛍光層410から放射された光を反射する。前記蛍光層410は、前記光透過部424に対向する前記陽極電極412の一方の端部420に設置される。前記蛍光層410は、電子衝突されると、白色光又は着色光を放出できる蛍光材料を含む。前記蛍光層410は、堆積法または塗布法によって、前記陽極電極412の一方の端部420に設置される。前記蛍光層410の厚さは、5μm〜50μmである。
【0065】
本実施例において、前記陰極電極404は、前記電子エミッタ408及び該電子エミッタ408に接続された前記陰極支持部406を含む。前記電子エミッタ408の一方の端部は前記陰極支持部404に接続され、その他方の端部は、複数の電子放出の先端422を有する。前記電子エミッタ408において、その電子放出の先端422は、前記陽極電極412の端部420の方に延伸して、前記陽極電極412の端部420に設置された前記蛍光層410と接近することが好ましい。前記電子エミッタ408及び前記陽極電極412の位置関係は、様々である。図16〜図19を参照すると、前記電子エミッタ408の電子放出の先端422は、前記陽極電極412の端部420に対向して設置されても良い(図16)。あるいは、前記電子エミッタ408の長手方向と前記陽極電極412の長手方向とは、鋭角を構成しても良い(図17)。あるいは、前記電子エミッタ408は、前記陽極電極412の長手方向と平行となるように配置しても良く(図19)、または前記陽極電極412の長手方向に対して垂直となるように配置させてもいい(図18)。本実施例において、前記電子エミッタ408の電子放出の先端422の端部420と前記陽極電極412の間の距離は、2mm以下であることが好ましい。図15を参照すると、本実施例では、前記電子エミッタ408の電子放出の先端422は、図の上方から見たとき、前記蛍光層410の表面に来るようにして配置される。
【0066】
前記画素管400を作動させる際には、前記陽極電極412及び前記陰極電極404に電圧が印加され、前記陽極電極412及び前記陰極電極404の間に電界が生じる。前記陽極電極412及び前記陰極電極404の間で生じた前記電界によって、前記電子エミッタ408の、前記複数の電子放出の先端422から電子が放出され、この電子は、前記陽極電極412の端部420に設置された前記蛍光層410に衝突して、可視光が放射される。該可視光の一部は、直接前記密封容器402の光透過部424を透過して、前記密封容器402の外部に射出される。可視光の他の一部は、前記陽極電極412の端部420で反射され、前記密封容器402の光透過部424を透過して前記密封容器402の外部に射出される。
【0067】
(実施例5)
図20を参照すると、本実施例には、実施例4と比べて、次の異なる点がある。本実施例の画素管500は、複数の電界放出構成単位503を含む。前記複数の電界放出構成単位503は、前記密封容器502の中に内蔵される。前記電界放出構成単位503及び前記実施例4における前記電界放出構成単位403は、それぞれ同じ材料及び構造を有する。前記複数の電界放出構成単位503は、それぞれ相互に間隔を空けて、所定のパターンに配列され、構成される。一つの前記電界放出構成単位503は、陽極電極512と、蛍光層510と、陰極電極504と、アノードリード514と、カソードリード516と、を含む。前記陰極電極504は、電子エミッタ508及び該電子エミッタ508に接続された前記陰極支持部506を含む。前記陽極電極512は、前記陰極電極504と間隔を空けて設置される。前記光透過部524に対向する前記陽極電極512の、一方の端部520の表面には、蛍光層510が設置され、その他方の端部には前記アノードリード514が接続される。前記陰極電極504は、電子エミッタ508及び該電子エミッタ508に接続された前記陰極支持部506を含む。前記電子エミッタ508の一方の端部は前記陰極支持部504に接続され、その他方の端部は、前記陽極電極412に向かって延伸する。前記陰極支持部506は、前記電子エミッタ508の一方の端部に接続され、その他方の端部は、前記カソードリード516に接続される。前記カソードリード516は、前記密封容器502の外部へ延伸している。
【0068】
前記密封容器502は中空のチャンバーであり、内部が真空雰囲気に設定されている。光透過部524は、前記密封容器502において、前記陽極電極512の端部520に対向するように設置される。前記光透過部524は、前記陽極電極512から離して設置される。前記複数の電界放出構成単位503は、前記密封容器502の中に、線状又はマトリックス状などの形態で、所定の規則に従って配列されている。本実施例において、前記複数の電界放出構成単位503は、前記密封容器502の中に、等間隔で線状に配列されている。
【0069】
前記電界放出表示装置の画素管500を作動させる際には、前記陽極電極512及び前記陰極電極504に電圧が印加され、これにより、前記陽極電極512及び前記陰極電極504の間で電界が生じる。前記陽極電極512及び前記陰極電極504の間で生じた前記電界により、前記電子エミッタ508の、前記複数の電子放出の先端522から電子が放出され、この電子は、前記陽極電極512の端部520の表面に設置された前記蛍光層510に衝突して、可視光が放射される。該可視光の一部は、前記密封容器502の光透過部524を直接透過して、前記密封容器502の外部に射出される。可視光の他の一部は、前記陽極電極512の端部520で反射され、前記密封容器502の光透過部524を透過して前記密封容器502の外部に射出される。前記画素管500は、前記複数の電界放出構成単位503を含んでおり、外部制御回路によって、前記複数の電界放出構成単位503の作動状態が制御される。
【0070】
前記電界放出表示装置の画素管500は、複数の前記電界放出構成単位503を含んでおり、一つの記電界放出構成単位503の体積が小さいので、大型の屋外表示装置を簡単にインストールすることができ、該大型の屋外表示装置の画面の解析度を高めることができる。
【0071】
(実施例6)
図21及び図22を参照すると、本実施例において、前記電子エミッタを利用した、電界放出表示装置の画素管600は、密封容器602及び少なくとも一つの電界放出構成単位603を含む。前記画素管400と比べると、前記電画素管600には、主に次の異なる点がある。前記画素管600において、一つの前記電界放出構成単位603は、複数の陽極電極612を含む。
【0072】
本実施例において、前記密封容器602の中に、単一の前記電界放出構成単位603は、それぞれ間隔を空けて設置された第一陽極電極611と、第二陽極電極612と、第三陽極電極613と、蛍光層610と、陰極電極604と、を含む。前記第一陽極電極611、第二陽極電極612及び第三陽極電極613は、前記陰極電極604を囲むように設置され、図22の視点から見たとき、それらの位置は、一つの三角形の頂点を構成する。前記第一陽極電極611、第二陽極電極612及び第三陽極電極613は、それぞれ一方の端部620を有し、前記各々の端部620の表面には、蛍光層610が設置される。前記陰極電極604は、第一電子エミッタ607と、第二電子エミッタ608及び第三電子エミッタ609を含む。前記第一電子エミッタ607、第二電子エミッタ608及び第三電子エミッタ609は、それぞれ、前記第一陽極電極611、第二陽極電極612及び第三陽極電極613の各々の端部620の表面に設置された蛍光層610に向かって延伸する。前記第一電子エミッタ607、第二電子エミッタ608及び第三電子エミッタ609の電子放出の先端622は、図22の視点から見たとき、それぞれが、前記第一電子エミッタ607、第二電子エミッタ608及び第三電子エミッタ609に対向する各々の端部620の表面に来るように配置される。
【0073】
少なくとも一つの光透過部624を有する前記密封容器602は中空のチャンバーであり、その内部は真空化されている。前記光透過部624は前記第一陽極電極611、第二陽極電極612及び第三陽極電極613の各々の端部620に対向して設置される。前記密封容器602が、複数の電界放出構成単位603を含む場合、光透過部624は、線状又はマトリックスなどの所定のパターンで配置される。
【0074】
更に、前記陰極電極604は、陰極支持部606を含む。前記陰極支持部606は、例えば、金属線または金属棒のような導電体である。前記陰極支持部606の形状は限定されず、陰極支持部606は、熱伝導性及び一定の強度を有する。本実施例において、前記陰極支持部606は、ニッケル線であり、その一方の端部は、前記第一電子エミッタ607、第二電子エミッタ608及び第三電子エミッタ609の一方の端部に電気的に接続される。前記第一電子エミッタ607、第二電子エミッタ608及び第三電子エミッタ609の、複数の電子放出の先端622は、該第一電子エミッタ607、第二電子エミッタ608及び第三電子エミッタ609に対応する陽極の端面に接近するように設置される。陰極支持部606の、前記第一電子エミッタ607、第二電子エミッタ608及び第三電子エミッタ609から離れた他方の端部は、カソードリード616に接続される。前記カソードリード616は、前記密封容器602の外部へ延伸して、電源装置(図示せず)などに接続されるように設置されている。
【0075】
前記第一電子エミッタ607、第二電子エミッタ608及び第三電子エミッタ609の構造、材料及び製造方法は、前記第実施例1における電子エミッタ100と同様である。前記第一陽極電極611、第二陽極電極612及び第三陽極電極613は、金属棒のような導電体であり、熱伝導性及び一定の強度を有する。それらの形状は限定されない。本実施例において、前記第一電子エミッタ607、第二電子エミッタ608及び第三電子エミッタ609は、ニッケル棒であり、該ニッケル棒の直径は、実際の適用例に応じて選択される。本実施例において、その直径は、100μm〜1cmである。前記第一電子エミッタ607、第二電子エミッタ608及び第三電子エミッタ609の位置は、実際の要望に応じて調節することができる。本実施例において、前記第一電子エミッタ607、第二電子エミッタ608及び第三電子エミッタ609は、等辺三角形(二等辺三角形または正三角形)状に配列され、前記陰極電極は、該等辺三角形の中心に設置される。前記第一電子エミッタ607、第二電子エミッタ608及び第三電子エミッタ609の先端622の表面は、磨かれた平面、半球面、球面、錐面、凹面などのいずれか一種であり、前記蛍光層610から発出した光を反射する。前記第一陽極電極611、第二陽極電極612及び第三陽極電極613の、それぞれの端部620と対向する端部は、前記アノードリード614に接続され、該アノードリード614は、前記密封容器602の外部まで延伸する。
【0076】
前記蛍光層610は、前記第一陽極電極611、第二陽極電極612及び第三陽極電極613の各端面に設置される。前記蛍光層610は、電子が衝突すると、白色光又は着色光を放出する蛍光材料を含む。前記蛍光層610は、堆積法または塗布法によって、前記陽極電極612の一方の端部620に設置される。前記蛍光層610の厚さは、5μm〜50μmである。更に、前記第一電子エミッタ607、第二電子エミッタ608及び第三電子エミッタ609から放出される電子が、該第一電子エミッタ607、第二電子エミッタ608及び第三電子エミッタ609に対応する前記蛍光層610に衝突することができれば、前記蛍光層610は、前記第一陽極電極611、第二陽極電極612及び第三陽極電極613の他の位置に設置しても良い。
【0077】
前記密封容器602内部の真空雰囲気を保持するために、前記密封容器602の中にゲッタ618を設置することができる。さらに、前記ゲッタ618を、前記密封容器602の内壁に付けて設置することができる。前記ゲッタ618は、蒸発性ゲッタ又は非蒸発性ゲッタである。前記ゲッタ618の材料は、例えば、チタン、ジルコニウム、トリウム、希土類元素及び合金などのいずれか一種である。
【0078】
前記画素管600を作動させる際には、前記第一陽極電極611、第二陽極電極612、第三陽極電極613及び前記陰極電極604に異なる電圧を印加して、前記第一陽極電極611、第二陽極電極612、第三陽極電極613及び前記陰極電極604の間に電界を生じさせる。該電界によって、前記電子エミッタ608の、前記複数の電子放出の先端622から電子が放出され、該電子は、前記蛍光層610に衝突して、可視光が放射される。該可視光は、前記陽極電極612を透過し、前記画素管600の前記光透過部624を介して出射されるため、カラー画像を形成することができる。複数の前記画素管600を配列させた場合、そのような構成は、照明に利用したり、または情報の表示に利用したりすることができる。
【符号の説明】
【0079】
100、200 電子エミッタ
102 第一端部
104、202 第二端部
106、422 電子放出の先端
108 中空頚部
109 本体
110 開口部
142 第一電極
144 第二電極
210 チューブ状構造体
212 電子放出部
220 導電性線状支持体
300、400、500、600 画素管
302、402、502,602 密封容器
304、404、504、604 陰極電極
306、406 、506、606 陰極支持部
308、408 、508 電子エミッタ
310 410、510、610 蛍光層
312、412、512 陽極電極
313 グリッド
314、414、514、614 アノードリード
315 電子出射口
316 416、516、616 カソードリード
317 グリッド電極
318、418、518、618 ゲッタ
324、424、524,624 光透過部
326 陰極支持部の一方の端部
328 陰極支持部の他方の端部
403、503、603 電界放出構成単位
420 520 620 陽極電極の一方の端部
607 第一電子エミッタ
608 第二電子エミッタ
609 第三電子エミッタ
611 第一陽極電極
612 第二陽極電極
613 第三陽極電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ状構造体を有する電子エミッタにおいて、
前記電子エミッタは、中空の線状の軸心を有し、
前記電子エミッタは、前記線状の軸心を囲む複数のカーボンナノチューブからなり、
前記電子エミッタの一つの端部に、複数の電子放出の先端が形成されていることを特徴とする電子エミッタ。
【請求項2】
線状の支持体及び少なくとも一つのカーボンナノチューブ構造体を提供する第一ステップと、
前記線状の支持体を囲むように、前記線状の支持体に前記カーボンナノチューブ構造体を巻き付ける第二ステップと、
前記線状の支持体を取り除いて、前記カーボンナノチューブ構造体を含む中空の管状カーボンナノチューブ予備体を得る第三ステップと、
前記中空の管状カーボンナノチューブ予備体を熔断する第四ステップと、
を含むことを特徴とする電子エミッタの製造方法。
【請求項3】
導電性線状支持体及び少なくとも一つのカーボンナノチューブ構造体を提供する第一ステップと、
前記導電性線状支持体を囲むように、前記導電性線状支持体に前記カーボンナノチューブ構造体を巻き付けて、カーボンナノチューブ複合線状構造体を形成する第二ステップと、
前記導電性線状支持体及びカーボンナノチューブ複合線状構造体を熔断する第三ステップと、
を含むことを特徴とする電子エミッタの製造方法。
【請求項4】
密封容器と、少なくとも一つの陽極電極と、蛍光層と、陰極電極と、を含む電界放出表示装置の画素管において、
前記密封容器は、少なくとも一つの光透過部を有し、
前記陽極電極は、前記密封容器の中に内蔵され、
前記蛍光層は、前記密封容器の中に内蔵され、前記陽極電極の、前記光透過部に隣接する表面とは反対の表面に設置され、
前記陰極電極は、前記密封容器の中に内蔵され、陰極支持部及び少なくとも一つの電子エミッタを備え、前記陽極電極と間隔を有して設置され、
前記電子エミッタは、チューブ状構造体であり、その一端が前記陰極支持部に電気的に接続され、その他端が前記陽極電極の方向へ延伸し、
前記電子エミッタは、中空の線状の軸心を有し、
前記電子エミッタは、前記線状の軸心を囲む複数のカーボンナノチューブからなり、
前記電子エミッタの一つの端部に、複数の電子放出の先端が形成されていることを特徴とする電界放出表示装置の画素管。

【図1】
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【図3】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−119296(P2012−119296A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103635(P2011−103635)
【出願日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【出願人】(598098331)ツィンファ ユニバーシティ (534)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】