説明

電子写真画像形成装置

【課題】 現像剤を収容するカートリッジと、廃現像剤を収容する廃現像剤容器の交換作業が各々個別の操作を行う必要があり、使用者にとっては交換作業が煩雑であった。
【解決手段】 カートリッジQを搭載した支持部材13に、転写体305上から現像剤を除去する清掃部材342を備え、廃現像剤を収容する廃現像剤容器340を設け、支持部材13を着脱位置に移動させることで、カートリッジQと廃現像剤容器340の双方の交換を可能な構成にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジを装置本体に取り外し可能に装着して、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置に関する。電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置と記す)とは、電子写真画像形成プロセスを用いて、記録媒体に画像を形成するものである。画像形成装置の例としては、例えば、複写機、プリンタ(例えばレーザビームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置等が含まれる。
【0002】
また、記録媒体とは、画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、紙、OHTシート等が含まれる。また、カートリッジとは、画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着された状態で、記録媒体に画像を形成する画像形成プロセスに寄与するものである。
【0003】
カートリッジとは、少なくとも電子写真感光体に形成された静電潜像を現像するのに用いられる現像剤(トナー)を収容しており、カートリッジ支持部材に取り外し可能に装着されるものである。そのため、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができる。
【背景技術】
【0004】
特許文献1には、カラー画像形成可能な画像形成装置が開示されている。この画像形成装置は、複数のカートリッジを搭載した支持部材としてのカートリッジトレイを、各カートリッジが隣接する隣接方向と同方向に引き出すことによって、カートリッジの交換作業を容易に行うことができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−184901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の画像形成装置は、現像剤を収容する現像器が引き出し部材内に装着されている。現像器内の現像剤がなくなった際には、引き出し部材を引き出すことで現像器の交換を行う。更に、搬送ベルト上に残留する廃現像剤等を掻き取り、収容するクリーニング器が、前述の引き出し部材とは別にベルトホルダに装着されている。クリーニング器が廃現像剤で一杯になった際には、ベルトホルダを引き出した上で、新品のクリーニング器と交換する。使用者は、これら現像器、及びクリーニング器等の比較的に交換頻度の高い部材に関し、別々のユニット(引き出し状部材とベルトホルダ)を操作することで交換する必要があり、使用者にとっては交換作業が煩雑であった。
【0007】
本発明の目的は、現像剤を収容するカートリッジと、廃現像剤を収容する廃現像剤容器の交換作業を向上させた電子写真画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る電子写真画像形成装置の代表的な構成は、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置であって、
現像剤を収容するカートリッジと、
電子写真感光体と対向し、前記電子写真感光体に形成された現像像を前記記録媒体に転写するための転写体と、
前記カートリッジを支持した状態で、電子写真画像形成装置の装置本体の内側において画像形成を行う画像形成位置と、前記画像形成位置から移動した、前記カートリッジを着脱可能な着脱位置と、の間を移動可能な支持部材と、
前記支持部材に対して着脱可能に支持される廃現像剤容器であって、前記転写体の表面から現像剤を除去する清掃部材を有し、前記清掃部材によって除去された現像剤を収容する廃現像剤容器と、
を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、現像剤を収容するカートリッジと、廃現像剤を収容する廃現像剤容器の交換作業を向上させた電子写真画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1の画像形成装置の縦断左側面図
【図2】カートリッジ及び廃現像剤容器の着脱要領の説明図
【図3】画像形成装置のカートリッジ装着部を示す右側斜視図
【図4】画像形成装置のカートリッジ装着部を示す左側斜視図
【図5】支持部材を示す説明図
【図6】カートリッジを示す断面図
【図7】カートリッジを示す右側斜視図
【図8】支持部材へのカートリッジ及び廃現像剤容器の着脱要領の説明図
【図9】廃現像剤容器を示す断面図
【図10】廃現像剤容器を示す右側斜視図
【図11】(a)は支持部材へのカートリッジ及び廃現像剤容器の着脱要領の説明図、(b)は支持部材にカートリッジ及び廃現像剤容器を装着した様子を示す説明図
【図12】カートリッジ及び廃現像剤容器に対して押圧部材の押圧が解除されている様子を説明する機構説明図
【図13】カートリッジ及び廃現像剤容器に対して押圧部材が押圧している様子を説明する機構説明図
【図14】(a)実施例2における押圧部材の押圧が解除されている様子を説明する機構説明図、(b)実施例2における押圧部材が押圧している様子を説明する機構説明図
【図15】実施例2における押圧部材の駆動伝達機構を説明する説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例1)
本発明の第1の実施例について説明する。
【0012】
(画像形成装置の全体構成)
図1は本実施例の画像形成装置300の縦断左側面図、図2はカートリッジ及び廃現像剤容器340の着脱要領の説明図である。
【0013】
装置300は電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザープリンタである。装置300は装置本体300Aの内部に、前後方向に水平方向に並設した4個の電子写真感光体ドラム301を備えている。
【0014】
各ドラム301の周囲には、矢印の回転方向に従って順に、ドラム301の表面を均一に帯電する帯電手段(帯電ローラ)302、画像情報に基づいてレーザービームを照射しドラム301に静電潜像を形成するスキャナユニット303が配設されている。
【0015】
更には、前記静電潜像を現像剤であるトナーを用いて現像する現像ローラ304、ドラム301上のトナー画像(現像像)を記録媒体Sに転写させる為に、ドラム301に対向する中間転写体(転写体)305が配設されている。
【0016】
そして、転写後のドラム301表面に残った現像剤を除去するクリーニング手段306が配設されている。
【0017】
ここで、ドラム301、帯電手段302、現像ローラ304、クリーニング手段306は、一体でカートリッジQY、QM、QC、QKを形成している(以下、カートリッジQY、QM、QC、QKを総称する際は、カートリッジQという)。カートリッジQの説明に関しては、第1のカートリッジQYを代表して説明する。
【0018】
カートリッジQYは、イエロー(Y)色の現像剤が収納されていて、ドラム301の面にY色現像像を形成する。第2のカートリッジQMは、マゼンタ(M)色の現像剤が収納されていて、ドラム301の面にM色現像像を形成する。第3のカートリッジQCは、シアン(C)色の現像剤が収納されていて、ドラム301の面にC色現像像を形成する。第4のカートリッジQKは、ブラック(K)色の現像剤を収納されていて、ドラム301の面にK色現像像を形成する。
【0019】
また、第1のカートリッジQYと隣接する箇所には、転写体305上に付着した残留トナーを清掃する為の清掃部材341と、清掃部材341が除去した廃現像剤を収容する廃現像剤容器340が設けられている。ここで、各カートリッジQは、使用者の使用によりトナーが消費され寿命となった際には、カートリッジ全体を交換することができるようになっている。また、容器340に関しても、内部に規定量以上の廃現像剤が収容された際には、容器340を交換することができる。更に容器340はカートリッジQとは異なることを示す識別手段を有している。従って、同じ支持部材13に搭載されたカートリッジQと容器340であっても、使用者が各々の交換を混同する可能性が無い。
【0020】
ここで識別手段の例であるが、使用者が視覚を通して判別できる手段であれば良く、例えば容器340とカートリッジQとで異なるラベルを貼っても良い。或は容器340の大きさや外観をカートリッジQと異ならせることで識別しても良い。また容器340を透明な容器として、内部に廃現像剤が収容されていることを簡単に知らせるようにしても良い。またこれらの例を組み合わせることで確実に識別できるようにしても良い。
【0021】
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。各カートリッジQのドラム301が図1において矢印の反時計方向に所定の制御速度で回転駆動される。ローラ302はドラム301に対して従動して回転する。また、転写体305も矢印の時計方向(ドラム301の回転に順方向)で、ドラム301の速度に対応した速度で回転駆動される。転写体305は可撓性を有する誘電体性のエンドレスベルトであり、駆動ローラ305aと、二次転写対向ローラ305bと、テンションローラ305cとに懸けられている。
【0022】
また、現像ローラ304と供給ローラ307がそれぞれ所定の制御速度で回転駆動される。ユニット303も駆動される。この駆動に同期して、各カートリッジQにおいてそれぞれ所定の制御タイミングでローラ302に対して所定の帯電バイアスが印加される。これにより、ドラム301の表面がローラ302によって所定の極性・電位に一様に帯電される。ユニット303は各カートリッジQのドラム301の表面をY・M・C・Kの各色の画像信号に応じて変調されたレーザー光L(LY、LM、LC、LK)で走査露光する。これにより、各カートリッジQのドラム301の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。そして、各カートリッジQにおいて、ドラム301の表面に形成された静電潜像がローラ304により現像像として現像される。各カートリッジQにおいて、ローラ304には所定の制御タイミングで所定の現像バイアスが印加される。上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、カートリッジQYのドラム301にはフルカラー画像のY色成分に対応するY色現像像が形成される。
【0023】
そして、その現像像が、ドラム301と転写体305との当接部である一次転写ニップ部において、転写体305上に一次転写される。309は一次転写ローラであり、転写体305を挟んでドラム301に圧接している。これにより、一次転写ニップ部が形成されている。以下同様に、カートリッジQMにおいてはY色現像像が、カートリッジQCにおいてはC色現像像が、カートリッジQKにおいてはK色現像像が、ドラム301を介して転写体305上に一次転写される。
【0024】
かくして、転写体305上にはY色+M色+C色+K色の4色フルカラーの未定着現像像が合成形成される。なお、転写体305上に順次に重畳転写する現像像の色順は上記の順序に限られるものではない。各カートリッジQにおいて、転写体305に対する現像像の一次転写後のドラム面に残留した転写残現像剤はブレード(クリーニング手段)306により除去されてクリーニング容器308に送られる。一方、所定の制御タイミングで給送ローラ320が駆動される。これにより、給送カセット319内に積載収納されているシート状の記録媒体Sが給送される。そして、その記録媒体Sがレジストローラ対318により所定の制御タイミングで、転写体305と二次転写ローラ322との当接部である二次転写ニップ部に導入される。
【0025】
二次転写ローラ322には現像剤の帯電極性とは逆極性で所定電位の二次転写バイアスが所定の制御タイミングで印加される。これにより、記録媒体Sが二次転写ニップ部を挟持搬送されていく過程で転写体305上の4色重畳の現像像が記録媒体Sの面に順次に二次転写される。二次転写ニップ部を通過した記録媒体Sは転写体305の面から分離されて定着装置323へ導入され、定着ニップ部で加熱・加圧される。
【0026】
これにより、各色の現像像の混色及び記録媒体Sへの定着がなされる。そして、記録媒体Sは定着装置323を出て、フルカラー画像形成物として排出ローラ対324により排出トレイ310上に排出される。
【0027】
ここで、ローラ322は、本実施例においては、シフト機構(不図示)により、転写体305に当接して二次転写ニップ部を形成する第1位置と、中間転写体305から非接触に離れた第2位置とに移動可能である。そして、ローラ322は装置300の画像形成動作時には第1位置に移動され、非画像形成時には第2位置に移動される。ローラ322を転写体305に対して常時当接させる構成にすることもできる。
【0028】
記録媒体Sが転写体305の表面から分離した後に、転写体305の表面に残留した二次転写残トナーは、清掃部材341としてのクリーニングローラ342の表面に静電的に付着する。そして、その付着したトナーがローラ342に当接するクリーニングブレード343により掻き取られ、容器340内に収容される。ここで、クリーニングローラ342とクリーニングブレード343を合わせて清掃部材341とする。尚、クリーニングローラ342を設けずに、直接クリーニングブレード343を転写体305の表面に当接させて掻き取ってもよい。その場合には清掃部材341としてはクリーニングブレード343のみを指すことになる。
【0029】
<支持部材の概要>
ドラム301を支持して、装置本体の内側に位置する内側位置と、装置本体の外側に位置する外側位置との間を移動可能な支持部材13について説明する。
【0030】
ここで、本実施例において、「装置本体」とは、画像形成装置300を構成する各種部材(部品)のうち、少なくとも支持部材13及びこの支持部材13に固定または着脱自在に構成された部材(部品)を除くものを意味する。
【0031】
図2に示すように、支持部材13は、装置本体に対して実質的に水平方向(矢印D1,D2方向)に直線的に移動(押し込み/引き出し)可能に設けられている。そして、支持部材13は、装置本体の内部に収納された位置(図1に示す位置)、または装置本体の外部に引き出された位置(図2に示す位置)に移動させることができる。
【0032】
そして、支持部材13が引き出し位置にある状態で、カートリッジQ、及び容器340は、実質的に重力方向(図2中矢印C1方向)に、支持部材13に対して、ユーザーによって装着される。このように装着されたカートリッジQ、及び容器340は、その長手方向(ドラム301の軸線方向)が支持部材13の移動方向に直交する方向となるよう配置される。なお、4個のカートリッジQは、支持部材13の移動方向に並べて配置される。また容器340も支持部材13の移動方向に並べて配置され、カートリッジQと隣接するように配置されている。
【0033】
これらのカートリッジQは、支持部材13に装着された状態で、支持部材13と共に装置本体内に移動する。そして、支持部材13を装置本体の内部に移動させた状態で、ドア330が閉じられると、全てのカートリッジQが装置本体内の所定の位置に装着される。
【0034】
このように、本実施例に係る画像形成装置300によれば、4個のカートリッジQと、容器340をまとめて装置本体内に装着させることができ、かつ4個のカートリッジQと、容器340をまとめて装置本体の外部に引き出すことができる。従って、カートリッジを個別に装置本体内に装着する構成を採用したものに比べて、カートリッジQの交換時の作業性に優れている。更に、同一の支持部材13にカートリッジQと容器340を装着させたことで、カートリッジQの交換と容器340の交換をまとめて一度に行うことができる。従って、カートリッジQと容器340の交換作業を各々個別に行う必要が無く作業性に優れている。
【0035】
<支持部材の装着部>
図3及び図4を参照して、装置本体における支持部材13の装着部の構成について説明する。図3及び図4は本発明の実施例1に係る画像形成装置300の装置本体300Aにおける支持部材13の装着部を示す斜視図である。なお、図3及び図4においては、装着部の構成が分かり易いように、装置本体を構成する部材(部品)のうち、スキャナユニット303等を省略して示している。また、図3と図4はそれぞれ異なる方向から見た斜視図を示している。
【0036】
装置本体の一部であるフレーム300A1の内壁面には、支持部材13の移動方向を案内する一対のガイド部14R,14Lがそれぞれ対向するように設けられている。これらのガイド部14R,14Lは、後述する支持部材13の被ガイド部13a,13b,13c,13d(図5及び図6参照)をガイドする部位であり、断面がコの字形状となっている。また、これらのガイド部14R,14Lは、支持部材13を装置本体300Aの外部に引き出す位置から装置本体の内部に収納させる位置まで案内できるように、装置本体300Aの入口付近(ドア330付近)から奥側まで略水平方向に伸びるように設けられている。
【0037】
また、ガイド部14R,14Lの上方には、カートリッジQを所定の位置に押圧して位置決めするための押圧部材65,66が設けられている。これらの押圧部材65,66は、装置本体300A側の力によって下方に移動することで、カートリッジQを、転写体305に近づく方向押圧するように構成されている。そして、カートリッジQを装置本体300A内の所定の位置に位置決めするために設けられている。
【0038】
また、図3に示すように、ガイド部14Rの下方には、ドラム301へ駆動を伝達するためのドラムカップリング部材25、及び現像ローラ40に駆動を伝達するための現像カップリング部材26が水平方向に等間隔に配置されている。ドラムカップリング部材25及び現像カップリング部材26は不図示の駆動源からの駆動力をカートリッジQに伝達する。ドラムカップリング部材25及び現像カップリング部材26はドア330を開いた状態では、側壁内に退避した状態となっていて、ドア330を閉める動作に連動してカートリッジQ側に進入する構成となっている。
【0039】
<支持部材>
図5を参照して、支持部材13について詳細に説明する。図5は本発明の実施例1に係る画像形成装置における引き出しユニットの斜視図である。
【0040】
支持部材13の四隅には、装置本体のガイド部14R,14Lにガイドされる被ガイド部13a,13b,13c,13dが設けられている。被ガイド部13a,13cはガイド部14Rにガイドされ、被ガイド部13b,13dはガイド部14Lにガイドされる。被ガイド部13a,13bは、側面側の外側に突出した形状で構成されており、支持部材13が引き出し位置において傾かないように引き出し方向に伸びるように構成されている。また、被ガイド部13c,13dは円柱形状で構成されており、側面側の外側に突出するように構成されている。
【0041】
また、支持部材13の一端部には、支持部材13をユーザーが操作するための把手部28が設けられている。
【0042】
更に、支持部材13には、後述するカートリッジQを装着するための装着部13fが一列に設けられている。各装着部13fの外側には容器340を装着するための装着部13pが設けられている。各装着部13f、13pの間には、仕切り板13gが設けられており、カートリッジQ、及び容器340を装着する際の目安になっている。
【0043】
各装着部13fの下部には、それぞれ開口部13e1が設けられている。これらの開口部13e1を通して、カートリッジQに設けられたドラム301は、転写体305に対して接触することができる。
【0044】
各装着部13fの一端側と他端側には、それぞれカートリッジQを支持部材13内に装着するためのガイド部13h,13i,13j,13kが設けられている。そして、ガイド部13h,13jの下方には、カートリッジQを支持部材13に対して位置決めするための位置決め部13h1,13j1が設けられている。
【0045】
また装着部13pの一端側と他端側にも、容器340を支持部材内に装着するためのガイド部13q、13r、13s、13tが設けられている。更に容器340を支持部材13に対して位置決めするための位置決め部13q1、13s1が設けられている。そして、装着部13pの下部には、開口部13e2が設けられている。この開口部13e2を通して、後述する容器340に設けられたクリーニングローラ342は、転写体305に対して接触することができる。
【0046】
図6に示すように、支持部材13には、上述のドラムカップリング部材25及び現像カップリング部材26が進入するための開口部13mがガイド部13i、13j内に設けられている。ドラムカップリング部材25及び現像カップリング部材26は、ドア330を閉める動作に連動して開口部13mに進入する。これらの開口部13mにそれぞれ進入したドラムカップリング部材25及び現像カップリング部材26は、カートリッジQのカップリング部材と係合して、カートリッジQへの駆動が伝達可能な状態となる。
【0047】
<カートリッジ>
次に、支持部材13に装着されるカートリッジQについて、図6〜図8を参照して説明する。図6は本発明の実施例1に係るカートリッジQの模式的断面図である。図7は本発明の実施例1に係るカートリッジQの斜視図である。図8は本発明の実施例1に係るカートリッジQを支持部材13に装着する様子を示す斜視図である。
【0048】
カートリッジQは、感光体ユニット8と現像ユニット4とから構成されている。そして、感光体ユニット8は、ドラム301と、帯電手段302と、クリーニング手段306と、クリーニング手段306により除去されたトナーを収容するクリーニング容器308とから構成されている。また、現像ユニット4は、現像ローラ304と、トナー供給ローラ307と、現像ブレード44と、画像形成に使用されるトナーを収容するトナー容器41とから構成されている。
【0049】
上記の通り、トナー容器41内のトナーは、トナー供給ローラ307に送り込まれる。そして、このトナー供給ローラ307と、現像ローラ302の外周に圧接された現像ブレード44によって、現像ローラ302の外周にトナーが塗布され、かつトナーに電荷が付与される。そして、現像ローラ302に装置本体から現像バイアスを印加することにより、ドラム301に形成された潜像にトナーが付着してトナー画像が形成される。ドラム301上に現像されたトナー画像がシート材Sに転写された後、ドラム301表面に残ったトナーはクリーニング手段306によって除去され、クリーニング容器308内に収容される。
【0050】
ここで、トナー容器41内のトナーが消費された場合には、ユーザーはカートリッジQを交換することによって再度印刷を行うことができる。
【0051】
図7に示すように、カートリッジQの一端部には、装置本体側のドラムカップリング部材25より駆動力を受けるためのカップリング部材47が回転可能に支持されている。また、現像カップリング部材26より駆動力を受けるためのカップリング部材45も回転可能に支持されている。
【0052】
カップリング部材47は、ドラム301の一端に設けられており、装置本体300Aからカップリング部材47が受けた駆動力によって、ドラム301が回転する。また、カップリング部材45が受けた駆動力は、不図示の中間ギアを介し、現像ローラ304及びトナー供給ローラ307に伝達され、これらが回転する。
【0053】
カップリング部材45の外周は円筒状のリブで覆われており、係合部71aを形成している。係合部71aは、トナー容器41の外側に固定されるサイドカバー71に設けられている。カップリング部材45は係合部71aに対して回転可能に構成されている。また、図8に示すように、係合部71aの反対側にも係合部70aが設けられている。この係合部70aも同様に、サイドカバー70に設けられている。これら係合部71a,70aは共に現像ユニット4に設けられている。
【0054】
また、クリーニング容器308には、前記係合部71a,70aを支持する穴部30a,30bが設けられている。クリーニング容器308に設けられた穴部30a,30bが、現像ユニット4に設けられた係合部71a,70aに係合することで、感光体ユニット8と現像ユニット4が結合するように構成されている。
【0055】
ここで、各係合部71a,70aは、各穴部30a,30bに対して移動可能(回転可能)な構成となっているため、現像ユニット4は感光体ユニット8に対して移動することができる。つまり、現像ローラ304はドラム301に対して移動可能な構成となっている。
【0056】
感光体ユニット8と現像ユニット4の間には、図6に示すように付勢部材としてのバネ9が設けられている。このバネ9によって、現像ローラ304をドラム301に対して所定の圧力で押圧している。
【0057】
図7に示すように、カップリング部材47の外周は円筒状のリブで覆われており、被ガイド部30cを形成している。また、図8に示すように、長手方向における被ガイド部30cの反対側には、円筒状の突起で構成された被ガイド部30dが設けられている。また、図7に示すように、被ガイド部30cの上方には、被ガイド部30eが設けられており、図8に示すように被ガイド部30dの上方には、被ガイド部30fが設けられている。これらの被ガイド部30c,30d,30e,30fは、カートリッジQを、支持部材13内に装着し、かつ支持部材13内に位置決めするための機能を有している。詳細は後述する。
【0058】
<廃現像剤容器>
次に、支持部材13に装着される廃現像剤容器340(以下容器340)について、図8〜図10を参照して説明する。図8は本発明の実施例1に係る容器340を支持部材13に装着する様子を示す斜視図である。図9は本発明の実施例1に係る容器340の模式的断面図である。図10は本発明の実施例1に係る容器340の斜視図である。
【0059】
容器340は、清掃部材341としてのクリーニングローラ342とクリーニングブレード343、及び清掃部材341が回収した転写残トナーを収容する収容部344、から構成されている。
【0060】
上述したように転写体305の表面に残留した二次転写残トナーはクリーニングローラ342の表面に静電的に付着する。クリーニングローラ342には接点部345を介して装置本体より所定のバイアスが付与されている。現像剤の帯電極性とは逆極性で所定電位のバイアスが所定の制御タイミングで印加される。
【0061】
またクリーニングローラ342の長手方向端部には駆動ギア342aが設けられている。クリーニングローラ342と対向するローラ350の端部に設けられたギア350aにより駆動ギア342aは駆動を伝達されている。ローラ350は転写体305に対して従動回転している。クリーニングローラ342は転写体305に対して所定の周速差(クリーニングローラ342の周速が転写体305の周速よりも速い)で回転している。クリーニングローラ342は、装置本体300Aからのバイアスと、先述の周速差により、その表面に残留トナーを付着させる。そして、その付着したトナーがローラ342に当接するクリーニングブレード343により掻き取られ、容器340内の収容部344に収容される。尚、クリーニングローラ342を設けずに、直接クリーニングブレード343を転写体305の表面に当接させて掻き取ってもよい。
【0062】
容器340の外表面で、且つローラ342の一端部には被ガイド部340aを設けられている。また、図10に示すように、長手方向における被ガイド部340aの反対側には被ガイド部340bが設けられている。また、図8に示すように、被ガイド部340aの上方には、被ガイド部340cが設けられており、図10に示すように被ガイド部340bの上方には、被ガイド部340dが設けられている。これらの被ガイド部340a、340b、340c、340dは、カートリッジQを、支持部材13内に装着し、かつ支持部材13内に位置決めするための機能を有している。詳細は後述する。
【0063】
容器340の上表面には容器340を装置本体300A内で位置決めするために、装置本体300Aに設けられた押圧部材65、66より押圧される被押圧部340e、340fを、容器340の両端部に有している。
【0064】
<支持部材へのカートリッジ及び廃現像剤容器の装着>
支持部材13へのカートリッジQ及び容器340の装着について、図5、図11を参照して説明する。図11(a)は本発明の実施例1に係るカートリッジQ及び容器340を支持部材に装着する様子を示す斜視図である。また、これらの図において、装置本体については省略している。また、図11(b)はカートリッジQ及び容器340を全て装着した状態を示している。
【0065】
各カートリッジQY、QM、QC、QKは、支持部材13に設けられた4箇所の装着部13fにそれぞれ装着される。ユーザーは、実質的に重力方向である矢印C1方向へカートリッジQの装着を行う。
【0066】
カートリッジQの装着を行う場合、ユーザーは、まず、カートリッジQの両端部に設けられた被ガイド部30c,30dを支持部材13のガイド部13h,13jに沿うように装着する。次に、ユーザーは、被ガイド部30e,30fをガイド部13i,13kに沿うように装着する。これにより、カートリッジQは、各ガイド部13h,13i,13j,13kにガイドされて支持部材13内に装着される。
【0067】
被ガイド部30c,30dは支持部材13の下方に設けられている位置決め部13h1,13j1に位置決めされる。被ガイド部30e,30fはカートリッジQの支持部材13に対する回転止めとして機能している。
【0068】
容器340の支持部材13への装着は、矢印C1方向へ容器340の装着を行う。容器340の両端部に設けられた被ガイド部340a、340bを、支持部材13のガイド部13q、13sに沿うように装着する。続いて被ガイド部340c、340dをガイド部13r、13tに沿うように装着する。
【0069】
被ガイド部340a、340bは支持部材13の下方に設けられている位置決め部13q1、13s1に位置決めされる。被ガイド部340c、340dは容器340の支持部材13に対する回転止めとして機能している。
【0070】
<支持部材の装置本体内への装着>
支持部材13は、カートリッジQを支持部材13の移動方向に並べて複数配列して支持している。容器340は前記移動方向においてカートリッジQと隣接して配列されている。
【0071】
カートリッジQ及び容器340を装置本体300Aに対して着脱するに当たっては、図2のように、支持部材13を装置本体300Aの外側の着脱位置Bに引き出す。着脱位置BはカートリッジQ及び容器340を取り外し可能な位置である。位置Bに引き出した支持部材13のカートリッジ装着部13f及び容器装着部13pに対してカートリッジQ及び容器340を着脱する。そして、カートリッジQ及び容器340を装着した支持部材13を、図1のように、装置本体300A内の位置Aに押し込む。これによって、カートリッジQ及び容器340を装置本体100A内で画像形成を行う画像形成位置に移動させて、カートリッジQ及び容器340を装置本体100A内に装着することができる。したがって、装置本体100Aに対するカートリッジQ及び容器340の着脱操作性を向上させることが出来た。
【0072】
装置本体300Aの前側には開口部300Bが設けられている。この開口部300Bは、カートリッジQ及び容器340を支持させた支持部材13が通過する。装置本体300Aの前側には、回動可能なドア330が配設されている。ドア330は、開口部300Bを閉じる閉鎖位置と開口部300Bを開放する開放位置とを取り得る。本実施例においては、ドア330は、ドアの下側に位置するヒンジ部330aを中心に装置本体300Aに対して回動可能である。即ち、ドア330は閉鎖位置においては、ヒンジ部330aを中心に立て起こすように回動して開口部300Bを図1に示すように閉じる。また、ドア330は開放位置においては、ヒンジ部330aを中心に装置本体300Aの前側に倒すように回動して開口部300Bを図2に示すように開く。そしてドア330が開放位置に位置する際に、支持部材13は開口部300Bを通過することを許容する。即ち、支持部材13は、複数のカートリッジQ及び容器340を取り外し可能に支持して、装置本体300Aの内側に位置する位置Aと、位置Aから装置本体300Aの外側へ引き出された位置Bと、の間を移動可能である。
【0073】
図2に示すように、支持部材13は、ドア330が開かれた状態において、開口部300Bを通過してD1方向にガイド手段にガイドされて移動する。本実施例においては、ガイド手段は図3、図4に示すガイド部14R、14Lと、ガイド部13h,13i,13j,13kである。ガイド部14R、14Lは、装置本体300Aの左右側壁の内側に対向して前後方向に略水平に設けられている。そして、ガイド部13h,13i,13j,13kは、支持部材13の左右側に設けられ、前記ガイド部14R、14Lに嵌ってスライド可能である。
【0074】
即ち、支持部材13は、装置本体300Aに対して、実質的に水平方向である矢印D1方向(押し込み方向:後方向)とその逆のD2方向(引き出し方向:前方向)とに移動可能に設けられている。そして、各カートリッジQ及び容器340は、その長手方向が支持部材13の移動方向(矢印D1,D2と同方向)に隣接した状態で配列されてそれぞれ支持部材13の対応する装着部13f、13pに装着されて支持されている。
【0075】
カートリッジQの長手方向はドラム301の軸線方向であり、容器340の長手方向はローラ304の軸線方向である。即ち、支持部材13は、複数のカートリッジQ及び容器340を一方向に隣接して配列した状態で支持している。支持部材13は、複数のカートリッジQ及び容器340をその長手方向がD1方向(D2方向)と交差する方向(略直交方向)に配列した状態で支持している。従って、使用者は容器340の交換をカートリッジQの交換と同様の方法により行うことが可能となり、ユーザビリティ性に優れている。
【0076】
そして、支持部材13は、ドア330が開かれている状態において、カートリッジQ及び容器340を装置本体300Aの内側の画像形成位置Aと、位置Bと、の間を移動可能である。位置Bは、支持部材13が位置Aから引き出されて各カートリッジQ及び容器340を着脱できる位置である。位置Aは支持部材13が各カートリッジQおよび容器340を支持し、装置本体300Aの内側において、ドラム301に静電潜像を形成できる位置である。即ち、各カートリッジQが装置本体300Aに対する装着位置に位置している。
【0077】
<カートリッジと容器の位置決め構成>
カートリッジQと容器340を装置本体300Aに対して位置決めする構成について、図12、図13を用いて説明する。
【0078】
装置本体300Aには上記のとおり押圧部材65、66が設けられている。押圧部材65、66は、ドア330を閉める動作で下方に移動する。押圧部材65、66はカートリッジQの上面、及び容器340の被押圧部340e、340fを押圧する。これによってカートリッジQ及び容器340を支持部材13に位置決めするとともに、装置本体300Aに位置決めする。
【0079】
押圧部材65、66は、伝達手段100を介してドア330の開閉動作と連動する。ドア330が開いた状態(図2)で、押圧部材65、66は支持部材13の移動を妨げない位置に位置している。従って支持部材13の装着作業に何ら支障はない。そして支持部材13が装置本体300Aの内側に位置し、ドア330を閉める。これによって押圧部材65、66はカートリッジQ及び容器340を下方に向かって付勢する。
【0080】
図12はドア330が開いた状態、図13はドア330が閉じた状態を示している。尚、ドア330と押圧部材65及びドア330と押圧部材65とを連動させる伝達手段100以外の構成は省略している。
【0081】
図12に示すように、ドア330の回転軸J1の両端部には欠け歯ギア101が設けられている。ギア101はドア330と連動して回転する。ギア101は、中間ギア103、及び伝達ギア104を介して、レールユニット106へ駆動を伝達する。ユニット106の一端部には、ギア104と係合する為のラック部106fが設けられている。従って、ドア330の開閉動作に応じて、ギア103、104が各矢印方向に回転して、ユニット106を矢印S1,S2方向に移動させることができる。中間ギア103、伝達ギア104、及びレールユニット106により伝達手段100を構成している。
【0082】
ユニット106には、押圧部材65,66を付勢する付勢部材107と、付勢部材107の先端に取り付けられた付勢片108が設けられている。付勢部材107と付勢片108は共に凹部106a内に収納され、鉛直方向に移動可能な構成となっている。凹部106aの支持部材13の挿入方向下流側には、押圧部材65,66を押圧位置(図13)から非押圧位置(図12)に移動させる為の力付与部106bが設けられている。なお、押圧部材65,66のメカニズムは同一のため、押圧部材65のメカニズムについてのみ説明する。
【0083】
先ず、図12の状態からドア330を閉める動作を行う。ギア101は、ギア103,104を介して、ユニット106を矢印S1方向に移動させる。非押圧位置(図12)にあった押圧部材65は、付勢片108に設けられたテーパ面108aに、その一端部65bが当接し、回転軸J2を中心に矢印方向に回転する。押圧部材65の他端に設けられた押圧子65aは、図13に示すようにその回転動作により、容器340の被押圧部340e、340f、及びカートリッジの上面を弾性的に押圧し、容器340とカートリッジQが装置本体300A内で位置決めされる。
【0084】
付勢部材107と付勢片108は凹部106a内で圧縮された状態となり、付勢部材107の圧縮量に応じた付勢力で容器340とカートリッジQを押圧する。この時のユニット106の位置を作用位置とする。
【0085】
そして、所定の画像形成が終了し、図12に示すようにドア330を開けると、ギア101は、ギア103,ギア104が先ほどとは逆方向に回転する。ユニット106は矢印S2方向に移動する。そして、押圧部材の一端部65bがユニット106に設けられた力付与部106bに当接し、回転軸J2を中心として図12に示す非押圧位置に回転する。力付与部106bの下面には斜面106b1が設けられていて、一端部65bを押し下げることができる。
【0086】
端部65bはユニット106に設けられた凹部106c内に収容される。付勢部材107と付勢片108は元の位置に戻る。この時のユニット106の位置を非作用位置とする。
【0087】
前述した通り、押圧部材65,66により、カートリッジQの被ガイド部30c、30dガイド部13h,13jに沿って下方に移動する。そして、被ガイド部30c、30dは、最終的に位置決め部13h1,13j1に接触して止まる。この状態で画像形成が可能な状態となる(図1)。
【0088】
以上のように、ドア330を閉じると、画像形成が可能な状態となり、上述の画像形成プロセスによる画像形成動作が可能となる。尚、転写体305は、支持部材13の移動時に感光体ドラム1と摺擦しないように、離間手段(不図示)により退避している。そして、ドア330が閉じられると離間状態が解除され、ドラム301は転写体305と接触する。
【0089】
この状態で、各カートリッジQの有する駆動入力部(カップリング部材47、カップリング部材45)に対して装置本体300Aに設けられた駆動出力部(ドラムカップリング部材25、現像カップリング部材26)が結合している。また、各カートリッジQの電気接点(不図示)に対して装置本体300A側の給電系統(不図示)が導通している。また、容器340のクリーニングローラ342が転写体305に接触しており、転写体305からの二次転写残トナーの捕集が可能な状態である。
【0090】
ドア330が開かれると、装置本体300Aの開口部300Bが開放される。そして、開口部300Bに支持部材13の前枠の前面に配設された把手部28が露出する。また、ドア330の開き回動動作に連動する連動機構(不図示)により、転写体305の駆動ローラ305a側が転写対向ローラ305bの回転中心軸線を中心に所定の位置まで下降する。これにより、各カートリッジQのドラム301及び容器340のクリーニングローラ342の下面から転写体305が離隔する。即ち、ドラム301及びローラ342に対する転写体305の接触が解除される。
【0091】
また、各カートリッジQの駆動入力部に対する装置本体側の駆動出力部の結合が解除される(駆動解除)。また、各カートリッジQ及び容器340を位置決め固定している押圧部材の押圧が解除される(押圧解除)。また、支持部材13の装置本体300Aに対する位置決め固定手段による位置決め固定が解除される。
【0092】
そこで、使用者は、把手部28をつかんで支持部材13を装置本体300Aに対して引き出し方向D2である前方向に水平にスライド移動させる。そして、支持部材13を開口部300Bから装置本体300Aの外側の位置Bまで十分に引き出す。即ち、支持部材13を装置本体300A内から外側へ最大限に突出させた所定の位置Bまで十分に引き出す。支持部材13は所定の位置Bまで十分に引き出されると、ストッパ部材(不図示)によりそれ以上の引き出し移動が阻止される。この支持部材13の引出し移動時には、各カートリッジQのドラム301と転写体305、及び容器340のローラ342と転写体305、が離隔している。したがって、両者間での擦れは生じない。
【0093】
支持部材13は個々のカートリッジQ及び容器340をそれぞれ上方に取り出し可能であり、及び、それぞれ下方に向かって移動させることによって支持する構成である。そこで、使用者が、交換すべき使用済みのカートリッジQを支持部材13から持ち上げて外す(図2の上向き矢印C2)。そして、新しいカートリッジQを、支持部材13に対して、その上方から実質的に重力方向である下向きに落とし込む(下向き矢印C2)。これによって、カートリッジQは支持部材13に支持される。支持部材13が位置Bに位置する状態で、容器340もまた支持部材13より矢印C1・C2方向に着脱できるようになっている。即ち、カートリッジQ及び容器340は実質的に重力方向である矢印C1・C2方向を装置本体300Aへの着脱方向として、支持部材13に着脱される。
【0094】
支持部材13に対するカートリッジQや容器340の交換作業を終えたら、使用者は支持部材13を装置本体300Aに対して引き出し方向D2とは逆の押し込み方向D1である後方向に水平にスライド移動させる。
【0095】
支持部材13を内側へ十分に押し込んだら、ドア330を閉じる。ドア330の閉じ動作により、装置本体300Aの開口部300Bが閉鎖される。
【0096】
また、ドア330の閉じ動作と連動して容器340及び各カートリッジQは、押圧部材65、66に押されて所定の位置決め部に固定された状態になる。また、各カートリッジQ及び容器340の駆動入力部に対して装置本体側の駆動出力部が結合する。また、各カートリッジQの電気接点に対して装置本体側の給電系統が導通する。そして、転写体305のローラ305a側がローラ305bの回転中心軸線を中心にして所定の位置まで上昇する。これにより、各カートリッジQのドラム301及び容器340のローラ342の下面に対して転写体305が接触した状態になる。この状態において、装置300は画像形成動作が可能な状態となる。
【0097】
上記のように、複数のカートリッジQ及び容器340は支持部材13に支持された状態で、支持部材13と共に装置本体300A内へ進入する。従って、使用者は、支持部材13を装置本体300A内の内側に進入させ、ドア330を閉じる。これにより、複数のカートリッジQ及び容器340を装置本体300Aに対して確実に装着できる。このため、各カートリッジQや容器340を個別に使用者が装置本体300A内へ装着する構成と比較して、着脱操作性が向上する。
【0098】
容器340は、位置Aにおいて、押圧部材65、66により、転写体305の方向へ押圧されている。従って、清掃部材341は確実に転写体305上の廃現像剤を回収できる。つまり転写体305と清掃部材341との位置関係が押圧部材65、66の押圧力により、両者が離間しないように維持される為である。仮に押圧部材65、66の押圧力が作用しない場合には、転写体305の駆動時の振れ、振動等により清掃部材341が転写体305から離れる可能性があり、確実に廃現像剤を清掃できない。
【0099】
一方、ドア330を開けるのに連動し、押圧部材65、66の押圧が解除され、容器340は支持部材13と共に、位置Bへ移動できるようになる。つまり容器340は転写体305上の廃現像剤を確実に回収するために、位置Aでは押圧部材65、66により転写体305の方向へ押圧されている。しかし容器340を位置Bへ移動させる際には、押圧部材65、66の押圧を解除することで、確実に容器340を交換位置まで移動することができる。
【0100】
ここで、容器全体ではなく、清掃部材341のみを上記清掃位置と離間位置間で移動できる構成でも良い。
【0101】
以上のように容器340を支持部材13に着脱できるようにしたことで、使用者はカートリッジQの交換と、容器340の交換とを同一の方法により行うことが可能となり、ユーザビリティ性に優れている。また、容器340の着脱方向と、カートリッジQの着脱方向とを同一方向に設定しているので、使用者は両者の操作を容易に行うことができる。ここで、同一方向とは、支持部材13の位置を変えなくとも、容器340とカートリッジQの着脱が行えれば良く、多少方向がずれていても構わない。
【0102】
また、容器340を支持部材13の位置Aから位置Bへ向かう方向(矢印D2方向)で最上流側に配置した。一般に容器340はカートリッジQに比べ交換頻度が低い。従って、最も交換頻度の低い容器340を装置本体300A側に配置することで、使用者は交換頻度の高いカートリッジQの交換がやり易い。つまり、支持部材13をそれほど手前側に引き出さなくとも、カートリッジQの交換が行えるので、ユーザビリティ性に優れている。
【0103】
更に、容器340は支持部材13において、カートリッジQよりも定着装置323に近い位置に配置している。これによりカートリッジQは内部に収容している現像剤が、定着装置323から発せられる熱による影響を受けにくい。容器340内に収容している廃現像剤は廃棄を想定しているため、仮に定着装置323による熱の影響を受けたとしても問題無い。
【0104】
本実施例では、転写体305として、ドラム301上の現像像を一次転写し、記録媒体Sに対して二次転写部で再転写する方式に関して説明した。しかし、記録媒体Sの表面に直接ドラム上の現像像を転写する転写体であってもよい。
【0105】
尚、前記略水平とは、装置300の設置面Fに対して略水平である。但し、支持部材13は、設置面Fに対して直線的に水平移動するのに限定されずに、例えば、設置面Fに対して直線的に斜め上方或いは斜め下方に移動するようにしても良い。
【0106】
本実施例では複数のカートリッジを有するカラー画像形成装置の例を示したが、単一のカートリッジからなる単色の画像形成装置にも適用可能である。
【0107】
上記実施例2の装置300の構成をまとめると次のとおりである。記録媒体Sにカラー画像を形成するカラー電子写真画像形成装置300である。現像剤を収容する複数のカートリッジQを有する。また、電子写真感光体ドラム301と対向し、ドラム301に形成された現像像を記録媒体Sに転写するための転写体305を有する。また、カートリッジQを装着した状態で、装置300の装置本体300Aに対して、画像形成を行う位置Aと、位置Aから移動した、カートリッジを取外し可能な位置Bと、の間を移動可能な支持部材13を有する。また、支持部材13に取り付けられる廃現像剤容器340であって、転写体305の表面に残留する現像剤を除去する清掃部材341を有し、清掃部材341によって除去された現像剤を収容する容器340を有する。そして、容器340は、支持部材13が位置Bに位置する際に、支持部材13より着脱可能である。
【0108】
(実施例2)
次に、本発明の第2の実施例について説明する。
尚、本実施例では、前述した実施例と異なる構成、動作について説明し、同様の構成、機能を有する部材については同一の参照番号を付して先の実施例の説明を援用する。
【0109】
本実施例が実施例1と大きく異なる点を説明する。実施例1は、開閉部材としてのドア330を開閉する動作と連動して容器340を転写体305の方向へ押圧する、或いは押圧を解除する方式に関して説明した。一方、本実施例では、モータの駆動力を用いて容器340とカートリッジQの押圧を行う、また容器340とカートリッジQの押圧を解除する方式に関して説明する。
【0110】
図14(a)は押圧部材65がカートリッジQ、及び容器40に作用していない様子を示す斜視図である(容器40は不図示)。図14(b)は押圧部材65がカートリッジQ、及び容器40に作用している様子を示す斜視図である(容器40は不図示)。
【0111】
ユニット106は実施例1と同様に、端部にラック部106fが設けられている。ラック部106fは中間ギア110とかみ合っている。中間ギア110は更に第2中間ギア111を介して、モータ120の端部に設けられたモータギア112にかみ合っている。すなわち、モータ120の軸120aが回転することで、伝達手段130としてのモータギア112、第2中間ギア111、中間ギア110、ラック部106fを経由して、ユニット106を矢印S1、S2方向に移動させることができる。また押圧部材66には図15に示すように、モータギア112と連結した、連結軸112aにより、ギア112b、第2中間ギア113、中間ギア114を介して反対側のユニット106に駆動を伝達している。
【0112】
支持部材13を装置本体300A内に装着した後にドア330を閉める。図14(a)は支持部材13が装置本体300A内に装着された状態を示す図である。このとき押圧部材65、66はまだ容器340とカートリッジQを押圧していない(非押圧位置)。その後、画像形成の指令が出るとモータ120が矢印方向に回転し、図14(b)に示すように容器340とカートリッジQを押圧する(押圧位置)。画像形成が終了すると、モータ120は先ほどの回転方向とは反対方向に回転し、非押圧位置(図14(a))に再度戻る。押圧部材65、66の移動構成は実施例1と同じである。
【0113】
このように本実施例ではドア330の伝達力ではなく、モータ120の伝達力を用いて容器340とカートリッジQの押圧と押圧解除を行った。そのため、実施例1と比較しドア330の移動に伴う負荷を軽減できる。
【符号の説明】
【0114】
300 カラー電子写真画像形成装置
300A 装置本体
13 支持部材
S 記録媒体
301 電子写真感光体ドラム
13f カートリッジ装着部
13p 容器装着部
341 清掃部材
Q(Y・M・C・K) カートリッジ
305 転写体
340 廃現像剤容器
A 画像形成位置
B カートリッジ着脱位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置であって、
現像剤を収容するカートリッジと、
電子写真感光体と対向し、前記電子写真感光体に形成された現像像を前記記録媒体に転写するための転写体と、
前記カートリッジを支持した状態で、電子写真画像形成装置の装置本体の内側において画像形成を行う画像形成位置と、前記画像形成位置から移動した、前記カートリッジを着脱可能な着脱位置と、の間を移動可能な支持部材と、
前記支持部材に対して着脱可能に支持される廃現像剤容器であって、前記転写体の表面から現像剤を除去する清掃部材を有し、前記清掃部材によって除去された現像剤を収容する廃現像剤容器と、
を有する電子写真画像形成装置。
【請求項2】
更に、前記電子写真画像形成装置は、
前記廃現像剤容器を前記転写体に近づく方向へ押圧する押圧部材であって、前記支持部材が前記画像形成位置に位置する際は、前記廃現像剤容器を押圧し、前記廃現像剤容器が前記支持部材から取り外される際は、前記廃現像剤容器への押圧が解除される押圧部材を有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項3】
更に、前記電子写真画像形成装置は、
前記廃現像剤容器を押圧するために前記押圧部材に付勢力を与える伝達手段を有することを特徴とする請求項2に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項4】
前記伝達手段は、前記付勢力を与える付勢部材を有し、前記付勢部材を前記押圧部材に作用させる作用位置と、前記付勢部材を前記押圧部材に作用させない非作用位置に移動させることが可能であることを特徴とする請求項3に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項5】
前記伝達手段は、前記非作用位置において前記押圧部材と係合して前記押圧部材を前記廃現像剤容器から離間させる力付与部を有することを特徴とする請求項4に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項6】
更に、前記電子写真画像形成装置は、
前記支持部材が通過するための開口部と、
前記開口部を開放し前記支持部材の通過を許容する開放位置と、前記開口部を閉鎖する閉鎖位置とを移動可能で、前記伝達手段と連動した開閉部材と、
を有し、
前記開閉部材が前記開放位置に位置する際には、前記伝達手段により前記押圧部材の押圧が解除され、前記開閉部材が前記閉鎖位置に移動する際には前記伝達手段により前記押圧部材は前記廃現像剤容器を押圧することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項7】
前記廃現像剤容器は、前記支持部材の移動方向に沿って前記カートリッジと並んで前記支持部材に支持され、前記廃現像剤容器は、前記支持部材が前記画像形成位置から前記着脱位置の方向に移動する引き出し方向において前記カートリッジよりも上流側に配置したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項8】
更に、前記電子写真画像形成装置は、
前記記録媒体に転写された現像像を前記記録媒体に定着するための定着装置を有し、
前記廃現像剤容器は、前記支持部材において前記カートリッジよりも前記定着装置に近い位置に配置したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項9】
前記カートリッジは、前記電子写真感光体を備えていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項10】
前記支持部材は、異なる色の現像剤を収容する、複数の前記カートリッジを支持することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電子写真画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−88686(P2012−88686A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160154(P2011−160154)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】